(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109359
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】集塵機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/18 20060101AFI20240806BHJP
A47L 9/12 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A47L9/18
A47L9/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014109
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】318001706
【氏名又は名称】京セラインダストリアルツールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】永松 宗
【テーマコード(参考)】
3B062
【Fターム(参考)】
3B062AA09
3B062AJ01
(57)【要約】
【課題】フィルタおよびフロートの着脱作業が容易な集塵機を実現する。
【解決手段】集塵機(1)であって、タンク(10)と、タンク(10)の上側に位置する、第1係合部(211)を有する本体(20)と、を備え、第1係合部(211)は、フィルタ(31)を有するフィルタユニット(30)に設けられた第2係合部(33)と着脱自在に係合可能であり、かつ、フロート(41)を有するフロートユニット(40)に設けられた第3係合部(43)を着脱自在に係合可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクと、
前記タンクの上側に位置する、第1装着部を有する本体と、を備え、
前記第1装着部は、フィルタを有するフィルタユニットに設けられた第2装着部を着脱自在に装着可能であり、かつ、フロートを有するフロートユニットに設けられた第3装着部を着脱自在に装着可能である、集塵機。
【請求項2】
前記第1装着部は、第1係合部であり、
前記第2装着部は、前記第1係合部と着脱自在に係合可能な第2係合部であり、
前記第3装着部は、前記第1係合部と着脱自在に係合可能な第3係合部である、請求項1に記載の集塵機。
【請求項3】
前記フィルタユニットは、前記フィルタを横側から保持する枠状のホルダをさらに有している、請求項2に記載の集塵機。
【請求項4】
前記第1係合部は、前記本体の下側に位置し、
前記第2係合部は、前記フィルタの上側に位置する、請求項2または3に記載の集塵機。
【請求項5】
タンクと、
前記タンクの上側に位置する、第1装着部を有する本体と、
前記第1装着部に対して着脱自在に装着可能な第2装着部が設けられた、フィルタを有するフィルタユニットと、
前記第1装着部に対して着脱自在に装着可能な第3装着部が設けられた、フロートを有するフロートユニットと、を備える、集塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フィルタとフロートとの取り換えが可能な集塵機が知られている。例えば、特許文献1には、フィルタを装着する場合は当該フィルタをホルダで保持し、フロートを装着する場合は当該フロートを収容したフロートホルダをネジ止めする、集塵機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フィルタとフロートとで装着位置および装着方法が異なる場合、フィルタまたはフロートのいずれか一方を他方に取り換える場合において、新たに装着する他方の装着位置および装着方法を間違える可能性がある。このため、フィルタとフロートとの取り換えに手間が掛かる。
【0005】
本開示の一態様は、フィルタおよびフロートの着脱作業が容易な集塵機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る集塵機は、タンクと、前記タンクの上側に位置する、第1装着部を有する本体と、を備え、前記第1装着部は、フィルタを有するフィルタユニットに設けられた第2装着部を着脱自在に装着可能であり、かつ、フロートを有するフロートユニットに設けられた第3装着部を着脱自在に装着可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、フィルタおよびフロートの着脱作業が容易な集塵機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る集塵機を示す分解斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る集塵機を示す平面図である。
【
図3】
図2に示す集塵機のIII-III線矢視断面図である。
【
図4】符号401は、一実施形態に係る集塵機が備えるフィルタユニットの平面図であり、符号402は、符号401に示すフィルタユニットのIV-IV線矢視断面図である。
【
図5】一実施形態に係る集塵機が備える本体およびフィルタユニットを示す分解斜視図である。
【
図6】符号601は、一実施形態に係る集塵機が備えるフロートユニットの平面図であり、符号602は、符号601に示すフロートユニットのVI-VI線矢視断面図である。
【
図7】一実施形態に係る集塵機が備える本体にフロートユニットが装着された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態に係る集塵機について、図面を用いて説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、前述の集塵機は、本明細書にて参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0010】
また、各図中の各部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。また、
図1から
図3では、図中において、左右方向を符号Xで示し、前後方向を符号Yで示し、上下方向をZで示している。さらに、
図4および
図6では、図中において上下方向をZで示している。
【0011】
〔集塵機の構成〕
図1から
図7を参照して、本実施形態に係る集塵機1の構成について説明する。
図1は、集塵機1を示す分解斜視図である。
図2は、集塵機1を示す平面図である。
図3は、
図2に示す集塵機1のIII-III線矢視断面図である。
図4において、符号401は、フィルタユニット30の平面図であり、符号402は、符号401に示すフィルタユニット30のIV-IV線矢視断面図である。
図5は、本体20およびフィルタユニット30を示す分解斜視図である。
図6において、符号601は、フロートユニット40の平面図であり、符号602は、符号601に示すフロートユニット40のVI-VI線矢視断面図である。
図7は、本体20にフロートユニット40が装着された状態を示す斜視図である。
【0012】
図1から
図7に示すように、集塵機1は、タンク10と、本体20と、フィルタユニット30と、フロートユニット40と、を備えている。
【0013】
<タンク>
タンク10は、平面視が略正方形状の容器であり、集塵機1が吸い込んだ塵埃を貯留する。塵埃は、塵、粉塵、切削屑等の総称である。本体20にフィルタユニット30またはフロートユニット40のいずれか一方を適宜装着することにより、乾いた塵埃および湿った塵埃の両方を集塵機1によって集塵できる。以下、便宜上、乾いた塵埃を「乾塵埃」と称し、湿った塵埃を「湿塵埃」と称する。
【0014】
タンク10は、上端に第1開口部11を有しており、前面に不図示のホースを接続可能な吸込口12を有している。吸込口12には、タンク10の内部に位置するガイド筒13が装着されている。タンク10は、底部の四隅にキャスタ14を有していてもよく、左右の側面のそれぞれにラッチ15を有していてもよい。
【0015】
<本体>
本体20は、タンク10の上側に位置する。本体20は、第1開口部11を閉塞する第1カウリング21と、本体20の上面および側面を構成する第2カウリング22と、第1カウリング21と第2カウリング22との間に位置する第3カウリング23と、を有している。第1カウリング21は、左右の側面のそれぞれにフランジ24を有していてよい。フィルタユニット30(またはフロートユニット40)を第1開口部11からタンク10内に吊り下げた状態において、2つのラッチ15をそれぞれフランジ24に係止することで、
図3に示すように、本体20がタンク10に取り付けられる。
【0016】
本体20は、第1装着部を有している。本実施形態では、第1装着部は、第1係合部211であり、本体20の下側に位置する。具体的には、第1係合部211は、平面視で第1カウリング21の略中央に設けられている。また、第1係合部211は、
図5および
図7に示すような、被収容部212と、第1係合部位213と、を有していてもよい。
【0017】
被収容部212は、モータ53における不図示の出力軸と略同軸の筒状部分であってもよく、第1カウリング21の下面から下方に突出していてもよい。第1係合部位213は、被収容部212における下端部214の外面から横方向に突出した、平面視で略円弧形状の板状部位であってもよい。本実施形態では、4つの第1係合部位213が、平面視で略等間隔となるように円周状に位置している。
【0018】
本体20は、吸気口215と、排出路216と、を有している。吸気口215は、モータ53における不図示の出力軸と略同軸の筒状部分であってもよく、第1カウリング21の下面から下方に突出していてもよい。また、吸気口215は、平面視で第1カウリング21の略中央に設けられていてもよく、周囲を被収容部212に取り囲まれていてもよい。排出路216は、第1カウリング21と第3カウリング23との間に位置していてもよい。
【0019】
本体20は、吸気ユニット50を有している。吸気ユニット50は、本体20の内部に位置する。吸気ユニット50は、収容筒51と、受けカバー52と、モータ53と、を有していてもよい。収容筒51は、上下方向に延伸する筒状の部品であってもよく、第3カウリング23によって保持されてもよい。受けカバー52は、収容筒51の下端に取り付けられてもよい。モータ53は、収容筒51と受けカバー52とで取り囲まれた空間内に収容されてもよい。
【0020】
本体20は、操作盤26を有している。本実施形態では、操作盤26は、本体20の正面に位置している。本体20の正面とは、具体的には、第2カウリング22における前側の側面を指す。操作盤26は、ダイヤル261と、カバー付きの連動コンセント262と、スイッチ板263と、を有していてもよい。ダイヤル261は、集塵機1の出力の強弱を調整するためのつまみである。連動コンセント262は、丸ノコ等の電動工具の電源コードを接続するためのコンセントである。
【0021】
集塵機1の不図示の電源コードを、同じく不図示の商用電源のコンセントに接続すると、集塵機1が通電状態になる。そして、この状態でスイッチ板263を押し込むと、モータ53が駆動し、集塵機1が駆動する。集塵機1が駆動した状態でダイヤル261を回すと、集塵機1の出力を調整できる。また、集塵機1が駆動した状態でスイッチ板263を再度押し込むと、モータ53が駆動を停止し、集塵機1が駆動を停止する。
【0022】
本体20は、ハンドル27を有していてもよい。本実施形態では、ハンドル27は、略凹形状であり、第2カウリング22の上面かつ操作盤26よりも後方に回動可能に位置している。第2カウリング22は、上面に、ハンドル27と略同一の形状であってハンドル27を収容可能な大きさの凹部を有していてもよい。ハンドル27を使用しない場合、この凹部にハンドル27を収容してもよい。一方、ハンドル27を使用する場合、ハンドル27を回動させて第2カウリング22の上面から略垂直に突出させてもよい。
【0023】
ここで、集塵機1は、本実施形態のような商用電源を使用する方式であってもよいし、例えば電動工具用のバッテリパックを本体20に装着する方式であってもよい。
【0024】
<フィルタユニット>
(フィルタユニットの構成)
フィルタユニット30は、フィルタ31を有している。本実施形態では、フィルタユニット30は、さらにホルダ32を有している。ホルダ32は、フィルタ31を横側から保持する枠状部品である。ホルダ32は、
図4に示すような、保持部321と、被覆部322と、を有していてもよい。
【0025】
保持部321は、フィルタ31を横側から保持する枠状部分である。保持部321の外形は、平面視で
図4の符号401に示すような長方形状であってもよく、側面視で
図4の符号402に示すような長方形状であってもよい。被覆部322は、フィルタ31の周縁部を上側から覆う板状部分であり、保持部321と接続している。被覆部322の外形は、平面視で、
図4の符号401に示すような保持部321の外形と略同一の長方形状であってもよい。また、被覆部322は、第2開口部322-1を有している。本実施形態では、第2開口部322-1は、平面視で被覆部322の中央に位置し、外径が円形状となっている。
【0026】
このように、ホルダ32は、保持部321が枠状である。一方、従来のホルダは、横方向に延伸する平板状である。したがって、ホルダ32は、従来のホルダよりも平面視したときの面積が小さい。これにより、ホルダ32自体を従来よりもコンパクトにできるとともに、フィルタユニット30を収容するタンク10の横方向の大きさをコンパクトにでき、集塵機1の小型化および軽量化を図ることができる。ひいては、フィルタ31およびフロート41の着脱作業の作業性が向上する。
【0027】
フィルタ31は、例えば紙製であり、左右方向に複数回折り畳んだ状態で保持部321内に収容されることで、保持部321によって保持されてもよい。フィルタ31の外形は、左右方向に複数回折り畳んだ状態において、
図4に示すような保持部321の外形と略同一の長方形状であってもよい。
【0028】
また、フィルタユニット30には、第1装着部に対して着脱自在に装着可能な第2装着部が設けられている。本実施形態では、第2装着部は、第1係合部211と着脱自在に係合可能な第2係合部33であり、フィルタ31の上側に位置する。第2係合部33は、
図4に示すような、第1収容部331と、第2係合部位332と、を有していてもよい。
【0029】
第1収容部331は、被覆部322の上面から上方に突出した筒状部分である。第1収容部331は、第1中空部331-1と、第3開口部331-2と、を有していてもよい。第3開口部331-2は、第1収容部331の上端に位置する。第1中空部331-1は、第1収容部331を貫通しており、第2開口部322-1と連通している。第1中空部331-1は、少なくとも下端部214を収容可能な形状および大きさになっていればよい。
【0030】
第2係合部位332は、第1中空部331-1を形成する第1収容部331の内面から横方向に突出した、平面視で略円弧形状の板状部位であってもよい。本実施形態では、4つの第2係合部位332が、平面視で略等間隔となるように円周状に位置している。また、本実施形態では、4つの第2係合部位332のすべてが、第1係合部位213と略同一の形状および大きさになっている。
【0031】
従来のフィルタユニットは、ホルダ(横方向に延伸する平板状)の周端部がプレフィルタの枠体のフランジ部と嵌合することで、プレフィルタに収容される。そのため、プレフィルタとフィルタとの間にホルダを収容できる大きさの空間を確保する必要があり、プレフィルタ、ひいてはタンクの横方向の大きさをある程度大型化せざるを得なかった。
【0032】
この点、フィルタユニット30は、第2係合部33がフィルタ31の上側に位置する。また、前述した通り、本体20は、第1係合部211が当該本体20の下側に位置する。これにより、ホルダ32の横方向の大きさをコンパクトにできることから、タンク10の横方向の大きさもコンパクトにでき、集塵機1の小型化および軽量化を図ることができる。
【0033】
(フィルタユニットの本体への装着)
フィルタユニット30を本体20に装着する場合、まず、左右方向に複数回折り畳んだ状態のフィルタ31をホルダ32に保持させてフィルタユニット30を構成する。次に、4つの第2係合部位332のそれぞれが第1係合部位213と接触しないようにしつつ第3開口部331-2に下端部214を挿入し、第1中空部331-1内に被収容部212を収容する。次に、フィルタユニット30を平面視で時計回りまたは反時計回りのいずれかの方向に回転させて、4つの第1係合部位213のそれぞれを第2係合部位332と係合させる。
【0034】
前述の一連の手順を踏むことで、
図3に示すように、被収容部212が第1収容部331に収容された状態において、4つの第2係合部位332のそれぞれが第1係合部位213と係合する。この状態が、本体20にフィルタユニット30が装着された状態となる。
【0035】
<フロートユニット>
(フロートユニットの構成)
フロートユニット40は、フロート41を有している。本実施形態では、フロートユニット40は、さらにフロートホルダ42を有している。フロートホルダ42は、フロート41を横側から保持する部品である。フロートホルダ42は、
図6に示すような、接続部421と、保持部位422と、底部423と、を有していてもよい。
【0036】
接続部421は、フロート41を挿通可能な第2中空部421-1を有する部分である。第2中空部421-1は、接続部421を貫通している。接続部421の外形は略円筒形状であってもよい。
【0037】
保持部位422は、フロート41を横側から保持する部位である。本実施形態では、保持部位422は、上下方向に延伸する略矩形の板状部位である。保持部位422の上端部は、第2中空部421-1を形成する接続部421の内面と接続していてもよい。また、本実施形態では、8つの保持部位422が、
図6の符号601に示すように、平面視で略等間隔となるように円周状に位置している。
【0038】
底部423は、フロートホルダ42の底部を成し、本実施形態では8つの保持部位422の下端と接続している。底部423の外形は円形状であってもよい。また、底部423は、複数の第1貫通孔424を有していてもよい。本実施形態では、
図6の符号601に示すように、円形状の8つの第1貫通孔424が、平面視で略等間隔となるように円周状に位置している。さらに、底部423は、複数の第2貫通孔425を有していてもよい。本実施形態では、
図6の符号601に示すように、略円弧形状の8つの第2貫通孔425が、平面視で略等間隔となるように円周状に位置している。
【0039】
フロート41は、上端が閉塞した円筒形状であってもよい。本実施形態では、フロート41は、接続部421の第4開口部421-2から第2中空部421-1を通過して、8つの保持部位422に取り囲まれた空間422a内に収容される。第4開口部421-2は、接続部421の上端に位置し、第2中空部421-1と連通している。そして、8つの保持部位422の側端部がフロート41の側面に当接することで、
図7に示すように、フロート41がフロートホルダ42によって保持される。
【0040】
また、フロートユニット40には、第1装着部に対して着脱自在に装着可能な第3装着部が設けられている。本実施形態では、第3装着部は、第1係合部211と着脱自在に係合可能な第3係合部43である。第3係合部43は、
図6に示すような、第2収容部431と、第3係合部位432と、を有していてもよい。
【0041】
第2収容部431は、接続部421と接続する筒状部分である。具体的には、第2収容部431は、接続部421の上面から上方に突出した状態で構成されている。第2収容部431の平面視の大きさは、接続部421および底部423より大きくてもよい。第2収容部431は、第3中空部431-1と、第5開口部431-2と、を有していてもよい。
【0042】
第5開口部431-2は、第2収容部431の上端に位置する。第3中空部431-1は、第2収容部431を貫通しており、第5開口部431-2、第4開口部421-2および第2中空部421-1と連通している。第3中空部431-1は、少なくとも下端部214を収容可能な形状および大きさになっていればよい。本実施形態では、フロート41は、第5開口部431-2から挿入され、第3中空部431-1、第4開口部421-2および第2中空部421-1の順に通過して、空間422a内に収容される。
【0043】
第3係合部位432は、第2収容部431の内面から横方向に突出した、平面視で略円弧形状の板状部位であってもよい。本実施形態では、4つの第3係合部位432が、平面視で略等間隔となるように位置している。また、本実施形態では、4つの第3係合部位432のすべてが、第1係合部位213と略同一の形状および大きさになっている。
【0044】
(フロートユニットの本体への装着)
フロートユニット40を本体20に装着する場合、まず、フロート41をフロートホルダ42に保持させてフロートユニット40を構成する。次に、4つの第3係合部位432のそれぞれが第1係合部位213と接触しないようにしつつ第5開口部431-2に下端部214を挿入し、第3中空部431-1内に被収容部212を収容する。次に、フロートユニット40を平面視で時計回りまたは反時計回りのいずれかの方向に回転させて、4つの第3係合部位432のそれぞれを第1係合部位213と係合させる。
【0045】
前述の一連の手順を踏むことで、被収容部212が第2収容部431に収容された状態において、4つの第3係合部位432のそれぞれが第1係合部位213と係合する。この状態が、
図7に示すような、本体20にフロートユニット40が装着された状態となる。
【0046】
〔各装着部の変形例〕
第1装着部は、必ずしも本実施形態のような第1係合部211である必要はない。また、第2装着部および第3装着部も、必ずしも本実施形態のような第2係合部33および第3係合部43である必要はない。第1装着部は、フィルタユニット30に設けられた第2装着部を着脱自在に装着可能であり、かつ、フロートユニット40に設けられた第3装着部を着脱自在に装着可能であれば、どのような形状および構造のものであってもよい。
【0047】
例えば、被収容部212の外面に、第1係合部位213に代えて第1ネジ山を設けることで、第1装着部を不図示の第1螺合部とする。また、第1収容部331の内面に、第2係合部位332に代えて第2ネジ山を設けることで、第2装着部を不図示の第2螺合部とする。さらに、第2収容部431の内面に、第3係合部位432に代えて第3ネジ山を設けることで、第3装着部を不図示の第3螺合部とする。ここで、第2ネジ山および第3ネジ山は、それぞれ第1ネジ山に対応する形状、大きさおよび個数となっている。
【0048】
そして、第1螺合部と第2螺合部とを螺合させることで、本体20にフィルタユニット30を装着させてもよい。また、第1螺合部と第3螺合部とを螺合させることで、本体20にフロートユニット40を装着させてもよい。
【0049】
このように、第1装着部は、フィルタユニット30に設けられた第2装着部を着脱自在に装着可能であり、かつ、フロートユニット40に設けられた第3装着部を着脱自在に装着可能である。したがって、フィルタ31またはフロート41のいずれか一方を他方に取り換える場合において、新たに装着する他方のユニットの装着位置および装着方法を間違えることがなくなる。これにより、フィルタ31およびフロート41の着脱作業が容易になる。
【0050】
一方、本実施形態では、前述した通り、第1装着部は第1係合部211である。また、第2装着部は、第1係合部211と着脱自在に係合可能な第2係合部33である。さらに、第3装着部は、第1係合部211と着脱自在に係合可能な第3係合部43である。したがって、第1係合部211に、第2係合部33または第3係合部43のいずれか一方を係合させるだけで、フィルタ31またはフロート41のいずれか一方を他方に取り換えることができる。これにより、フィルタ31およびフロート41の着脱作業が容易になる。
【0051】
また、従来のフロートユニットは集塵機の本体にネジ止めされるが、フロートユニット40は、第1係合部211と第3係合部43との係合によって本体20に装着される。これにより、装着用のネジが不要となることから、集塵機1の部品点数を削減できる。
【0052】
〔集塵機の駆動態様〕
<フィルタユニットを装着する場合>
乾塵埃を集塵する場合は、フィルタユニット30を本体20に装着した上で、本体20をタンク10に取り付ける。次に、集塵機1を通電状態にしてスイッチ板263を押し込むと、モータ53が駆動して不図示の吸込ファンが回転することにより、吸込口12および吸気口215に吸引力が発生する。吸引力の強弱は、ダイヤル261を回すことで調整する。そして、吸込口12に接続した不図示のホースを介して不図示のノズルから吸い込まれた外気が、吸込口12からタンク10内に進入し、フィルタ31を通過する。次に、フィルタ31を通過した外気が、吸気口215から本体20内に進入し、吸込ファンを介して排出路216を通過して、本体20の外部に排出される。
【0053】
このとき、外気とともにタンク10内に吸い込まれた乾塵埃は、まずタンク10内に滞留する。そして、タンク10内に滞留しなかった細かい乾塵埃は、フィルタ31によって捕捉される。
【0054】
次に、スイッチ板263を押し込んでモータ53の駆動を停止させると、外気の吸い込みも停止する。そして、タンク10内に滞留していた乾塵埃およびタンク10の内面に付着していた乾塵埃は、タンク10の底部に落下する。
【0055】
ここで、本体20は、内部に不図示のコントローラの連動機構を有している。これにより、吸込口12に接続したホースを不図示の電動工具にも接続し、かつ連動コンセント262に電動工具の電源コードを接続した場合、電動工具の駆動および駆動停止に連動してモータ53も駆動し、かつ駆動停止する。つまり、本体20に電動工具を接続した場合、スイッチ板263を押し込まなくてもモータ53が駆動し、かつ駆動停止する。
【0056】
<フロートユニットを装着する場合>
湿塵埃を集塵する場合は、フロートユニット40を本体20に装着した上で、本体20をタンク10に取り付ける。次に、集塵機1を通電状態にしてスイッチ板263を押し込むと、ノズルから吸い込まれた外気および/または液体が、吸込口12からタンク10内に進入する。タンク10内に進入した液体は、タンク10内に貯留される。一方、タンク10内に進入した外気は、吸気口215から本体20内に進入し、排出路216を通過して本体20の外部に排出される。
【0057】
このとき、外気および/または液体とともにタンク10内に吸い込まれた湿塵埃も、タンク10内に貯留される。そして、タンク10内に貯留された液体が一定量以上に達して、液面の位置がフロート41の下端の位置よりも上側になると、フロート41が上方に浮き上がる。そして、タンク10内に貯留された液体の量がさらに増加していくと、ある時点で浮き上がったフロート41が吸気口215を塞ぎ、吸気口215からモータ53の内部に液体が浸入するのを防ぐ。
【0058】
次に、スイッチ板263を押し込んでモータ53の駆動を停止させると、外気および液体の吸い込みも停止する。集塵機1の他の駆動態様は、本体20にフィルタユニット30を装着した場合と同じである。
【0059】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る集塵機は、タンクと、前記タンクの上側に位置する、第1装着部を有する本体と、を備え、前記第1装着部は、フィルタを有するフィルタユニットに設けられた第2装着部を着脱自在に装着可能であり、かつ、フロートを有するフロートユニットに設けられた第3装着部を着脱自在に装着可能である。
【0060】
本開示の態様2に係る集塵機は、前記態様1において、前記第1装着部は、第1係合部であり、前記第2装着部は、前記第1係合部と着脱自在に係合可能な第2係合部であり、前記第3装着部は、前記第1係合部と着脱自在に係合可能な第3係合部であってもよい。
【0061】
本開示の態様3に係る集塵機は、前記態様1または2において、前記フィルタユニットは、前記フィルタを横側から保持する枠状のホルダをさらに有していてもよい。
【0062】
本開示の態様4に係る集塵機は、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記第1係合部は、前記本体の下側に位置し、前記第2係合部は、前記フィルタの上側に位置してもよい。
【0063】
本開示の態様5に係る集塵機は、タンクと、前記タンクの上側に位置する、第1装着部を有する本体と、前記第1装着部に対して着脱自在に装着可能な第2装着部が設けられた、フィルタを有するフィルタユニットと、前記第1装着部に対して着脱自在に装着可能な第3装着部が設けられた、フロートを有するフロートユニットと、を備える。
【符号の説明】
【0064】
1 集塵機
10 タンク
20 本体
30 フィルタユニット
31 フィルタ
32 ホルダ
33 第2係合部(第2装着部)
40 フロートユニット
41 フロート
42 フロートホルダ
43 第3係合部(第2装着部)
211 第1係合部(第1装着部)