IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大王製紙株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報読取システム 図1
  • 特開-情報読取システム 図2
  • 特開-情報読取システム 図3
  • 特開-情報読取システム 図4
  • 特開-情報読取システム 図5
  • 特開-情報読取システム 図6
  • 特開-情報読取システム 図7
  • 特開-情報読取システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109410
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報読取システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
G06K7/10 276
G06K7/10 148
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014188
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】堀井 正勝
(72)【発明者】
【氏名】井川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 裕之
(57)【要約】
【課題】読取対象の無線タグの読取精度を向上できる情報読取システムを提供する。
【解決手段】情報読取システム1は、読取対象の物品である本群10を所定方向M1に搬送する搬送装置2と、搬送装置2上の本群10の各本10A~10Dにそれぞれ付加されるRFIDタグ6A~6Dから情報ID1~ID4を読み取るRFIDリーダ4と、本群10がRFIDリーダ4の読取領域Aに進入することを検知する入口センサ8と、入口センサ8により本群10が検知されたときにRFIDリーダ4からの電波Wの発報を開始させる制御装置7の発報制御部72と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取対象の物品を所定方向に搬送する搬送装置と、
前記搬送装置上の前記物品に付加される無線タグから情報を読み取る読取装置と、
前記物品が前記読取装置の読取領域に進入することを検知する進入検知装置と、
前記進入検知装置により前記物品が検知されたときに前記読取装置からの電波の発報を開始させる制御装置と、
を備える情報読取システム。
【請求項2】
前記物品が前記読取領域から退出することを検知する退出検知装置を備え、
前記制御装置は、前記退出検知装置により前記物品が検知されたときに前記読取装置からの電波の発報を停止させる、
請求項1に記載の情報読取システム。
【請求項3】
前記進入検知装置と前記退出検知装置は、前記搬送装置による前記物品の搬送方向のうち前記読取領域より上流側及び下流側に配置される、
請求項2に記載の情報読取システム。
【請求項4】
前記物品は積層された複数の物品の組ごとに前記搬送装置により搬送され、
前記制御装置は、前記読取装置により前記複数の物品にそれぞれ付加されている複数の前記無線タグから読み取った前記情報の数が、予め取得している前記複数の物品の所定数と異なる場合にエラーを出力する、
請求項1に記載の情報読取システム。
【請求項5】
前記物品は単数の物品ごとに前記搬送装置により搬送され、
前記制御装置は、前記進入検知装置により前記物品が検知されたときから、前記退出検知装置により前記物品が検知されたときまでの期間内に前記無線タグから前記情報を読み取れない場合にエラーを出力する、
請求項2に記載の情報読取システム。
【請求項6】
前記エラーの発生を報知する報知部を備える、
請求項4または5に記載の情報読取システム。
【請求項7】
前記搬送装置の搬送方向において前記読取装置より下流側に設けられ、前記制御装置により前記エラーを検出された前記無線タグが付加されている前記物品を選別する選別部を備える、
請求項4または5に記載の情報読取システム。
【請求項8】
前記物品は本であり、
前記読取領域を搬送されている前記本に記載されるバーコードからISBNを読み取るバーコードリーダを備え、
前記制御装置は、前記読取装置により前記無線タグから読み取った前記本の識別情報と、前記バーコードリーダにより読み取ったISBNとを紐づけて記録する、
請求項1に記載の情報読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)タグなどの無線タグを用いて物品の管理を行う技術が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、セルフレジのレジカウンタ上にRFIDリーダを設置し、RFIDタグが付加された商品をRFIDリーダ上に置くことにより当該商品のタグ情報を読み取って精算処理を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-035206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の無線タグを利用する物品管理システムでは、適用時に物品管理の精度や簡便化などの利点を考慮すると、管理対象の物品が量産品であり、大量の無線タグから情報を読み取る利用環境が考えられる。このような環境下では、例えばベルトコンベヤなどの搬送装置によって読取対象の物品が自動搬送され、搬送中の無線タグから自動的に順次情報を読み取るケースが考えられる。
【0006】
このように搬送装置で搬送されるタグ付きの物品から情報を読み取る場合、搬送装置の周辺にある読取対象以外のタグ情報を読み取る虞がある。
【0007】
本開示は、読取対象の無線タグの読取精度を向上できる情報読取システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の一観点に係る情報読取システムは、読取対象の物品を所定方向に搬送する搬送装置と、前記搬送装置上の前記物品に付加される無線タグから情報を読み取る読取装置と、前記物品が前記読取装置の読取領域に進入することを検知する進入検知装置と、前記進入検知装置により前記物品が検知されたときに前記読取装置からの電波の発報を開始させる制御装置と、を備える。
【0009】
この態様によれば、読取対象の物品が読取装置の読取領域に進入していない状態では、読取装置からの電波の発報が停止されるので、読取装置が搬送装置の周辺にある読取対象以外の無線タグから誤って情報を読み取ることを抑制できる。このように、進入検知装置による物品の通過検知をトリガとして、読取装置の起動期間を物品が読取領域にあるとき、または読取領域を含む区間にあるときに限定できるので、読取対象の無線タグの読取精度を向上できる。また、従来のタグ読取制御の実施中に読取装置を起動し続ける構成と比較して、読取装置から電波を発報する合計時間を短縮化することが可能となるので、タグ情報読取制御に要する消費電力を抑制できる。
【0010】
本発明の実施形態の他の観点に係る情報読取システムは、前記物品が前記読取領域から退出することを検知する退出検知装置を備え、前記制御装置は、前記退出検知装置により前記物品が検知されたときに前記読取装置からの電波の発報を停止させる構成でもよい。
【0011】
この態様によれば、退出検知装置による読取対象の物品の通過検知をトリガとして、読取装置の読取領域に進入していた物品が読取領域から退出することも判定できるので、物品が読取領域にある期間をより確実に把握することができる。これにより、読取装置の起動期間を物品が読取領域にあるとき、または読取領域を含む区間にあるときに、より精度良く限定できるので、読取対象の無線タグの読取精度をさらに向上できる。また、読取装置からの電波の発報時間をさらに短縮化でき、タグ情報読取制御に要する消費電力をさらに抑制できる。
【0012】
本発明の実施形態の他の観点に係る情報読取システムでは、前記進入検知装置と前記退出検知装置は、前記搬送装置による前記物品の搬送方向のうち前記読取領域より上流側及び下流側に配置される構成でもよい。
【0013】
この態様によれば、読取対象の物品を搬送装置により所定の搬送方向に移動させるだけで、進入検知装置及び退出検知装置によって物品の読取領域への進入と退出を自動的に検知できる。これにより、読取対象の物品が読取領域にある期間をより確実に、かつより簡易に把握することが可能となる。
【0014】
本発明の実施形態の他の観点に係る情報読取システムでは、前記物品は積層された複数の物品の組ごとに前記搬送装置により搬送され、前記制御装置は、前記読取装置により前記複数の物品にそれぞれ付加されている複数の前記無線タグから読み取った前記情報の数が、予め取得している前記複数の物品の所定数と異なる場合にエラーを出力する構成でもよい。
【0015】
この態様によれば、読取対象の複数の物品にそれぞれ付加される無線タグの少なくとも一部を読み取れなかった状況を精度良く検出できるので、結果的に読取対象の無線タグの読取精度の向上に繋がる。
【0016】
本発明の実施形態の他の観点に係る情報読取システムでは、前記物品は単数の物品ごとに前記搬送装置により搬送され、前記制御装置は、前記進入検知装置により前記物品が検知されたときから、前記退出検知装置により前記物品が検知されたときまでの期間内に前記無線タグから前記情報を読み取れない場合にエラーを出力する構成でもよい。
【0017】
この態様によれば、読取対象の単数の物品に貼付されている無線タグを読み取れなかった状況を精度良く検出できる。
【0018】
本発明の実施形態の他の観点に係る情報読取システムは、前記エラーの発生を報知する報知部を備える構成でもよい。
【0019】
この態様によれば、エラー発生をシステム利用者により確実に認識させることが可能となる。
【0020】
本発明の実施形態の他の観点に係る情報読取システムは、前記搬送装置の搬送方向において前記読取装置より下流側に設けられ、前記制御装置により前記エラーを検出された前記無線タグが付加されている前記物品を選別する選別部を備える構成でもよい。
【0021】
この態様によれば、読み取りエラーを検出された物品を選別部により自動的に選別できるので、読み取りエラー検出後の選別作業を迅速に行うことが可能となる。これにより、本態様のように搬送装置によって大量の読取対象の物品が順次搬送される環境下でも、例えばエラー発生ごとに逐次搬送装置を停止させて対象の物品を逐次取り除くなど、物品の搬送やタグ情報読取のペースを落とすような手順を省略できる。この結果、読取対象の無線タグの情報読取のペースを維持しつつ、異常発生タグを選別できる。
【0022】
本発明の実施形態の他の観点に係る情報読取システムでは、前記物品は本であり、前記読取領域を搬送されている前記本に記載されるバーコードからISBNを読み取るバーコードリーダを備え、前記制御装置は、前記読取装置により前記無線タグから読み取った前記本の識別情報と、前記バーコードリーダにより読み取ったISBNとを紐づけて記録する構成でもよい。
【0023】
この態様によれば、読取対象の物品である本の識別情報に加えて、ISBNの情報も記録できるので、一連のタグ情報読取制御において取得できる情報の種類を増やすことができる。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、読取対象の無線タグの読取精度を向上できる情報読取システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態に係る情報読取システムの全体構成を示す斜視図
図2図1中のRFIDリーダ近傍をY正方向側から視た側面図
図3】発報制御に係る制御装置の機能ブロック図
図4】制御装置のハードウェア構成図
図5】第1実施形態の発報制御及びタグ情報読取制御のフローチャート
図6】第2実施形態に係る情報読取システムの全体構成を示す斜視図
図7図6中のRFIDリーダ近傍をZ正方向側から視た平面図
図8】第2実施形態の発報制御及びタグ情報読取制御のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0027】
なお、以下の説明において、X方向、Y方向、Z方向は互いに垂直な方向である。X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。X方向は、第1実施形態に係る搬送装置2による読み取り対象の物品(本群10)の搬送方向である。Y方向は、第1実施形態に係る搬送装置2の幅方向であり、選別されたNG品を排出する排出用コンベア132の搬送方向である。また、以下では説明の便宜上、Z正方向側を上側、Z負方向側を下側とも表現する場合がある。
【0028】
[第1実施形態]
図1図5を参照して第1実施形態について説明する。
【0029】
図1は、第1実施形態に係る情報読取システム1の全体構成を示す斜視図である。図2は、図1中のRFIDリーダ4近傍をY正方向側から視た側面図である。情報読取システム1は、無線タグが貼付される被測定物(物品)が所定位置に載置された状態で、これらの無線タグから情報を読み取る装置である。本実施形態では、無線タグの一例としてRFID(Radio Frequency Identification)タグ6を挙げ、RFIDリーダ4(読取装置)によってRFIDタグ6から情報を読み取る構成を例示する。
【0030】
図1図2に示すように、第1実施形態に係る情報読取システム1は、書籍や雑誌などの複数の本10A~10Dが積層される本群10を読取対象の物品とする。本群10は、例えば図1に示すように、10~15冊程度の本がZ方向に平積みされ、かつ、平積みされた本群の二組がY方向に隣接されるものを一単位とする。なお、図2では、平積みされている本群10の各本10A、10B、10C、10Dに貼付されるRFIDタグ6A、6B、6C、6DからRFIDリーダ4が纏めて情報ID1、ID2、ID3、ID4を読み取る状況を模式的に図示するために、本群10に積層される本の冊数が四冊に省略されている。
【0031】
第1実施形態では、図2に示すように、本群10の複数の本10A~10Dの任意の位置にRFIDタグ6A~6Dが貼付され、情報読取システム1がこれらのRFIDタグ6A~6Dの情報ID1~ID4を読み取る構成を例示する。RFIDタグ6A~6Dは、貼付されている本10A~10B(物品)に関する情報ID1~ID4が記録されている。RFIDタグ6A~6Dは、ICチップとICチップに電気的に接続されるアンテナとを備え、ICチップ内に情報ID1~ID4を記録することができる。
【0032】
なお、以下の説明では、本群10の各本10A~10Dに貼付されているRFIDタグ6A~6Dを纏めて「RFIDタグ6」とも表記する場合がある。同様に、各RFIDタグ6A~6Dに記録されている情報ID1~ID4を纏めて「情報ID」とも表記する場合ある。
【0033】
図1図2の例のように、読取対象の物品が本群10である場合には、本群10の各本10A~10Dに付加されているRFIDタグ6に記録される情報IDの内容としては、例えば各タグ6が貼付される本10A~10Dの題名、著者名、発行年などの情報を含むことができる。また、本10A~10Dが図書館などの施設で利用される場合には、本10A~10Dの貸出履歴や返却履歴の情報なども含むことができる。または、RFIDタグ6に記録される情報IDは該当タグの識別情報のみとしてもよい。この場合、情報読取システム1は、RFIDタグ6から読み取った識別情報に基づいて、データベース等に記録されている本10A~10Dに関する情報を抽出して取得することができる。RFIDタグ6は、ICタグ、RF-IDタグ、RFタグと呼ばれることもある。また、読取対象の物品が本10A~10Dである場合には、RFIDタグ6を本10A~10D自体に貼付する構成以外にも、例えば本10A~10Dの中に差し込まれるしおりやスリップ(書店などで抜く細長く折れた紙)にRFIDタグ6を貼付する構成でもよい。すなわち、読取対象の本10A~10Dに、しおり等を介してRFIDタグ6が差し込まれる構成でもよい。本実施形態では、RFIDタグ6を読取対象の物品に付加されている状態を表す「貼付」とは、RFIDタグ6が物品自体に直接貼付される構成以外にも、物品に差し込み、挿入、または係止される別の要素に貼付されて、読取対象の物品に間接的に貼付される構成も含む。
【0034】
なお、RFIDタグ6が貼付される物品は、図1図2に例示する本群10に限られない。特に第1実施形態の情報読取システム1で読取対象とする物品は、主に保管時に垂直方向や水平方向に積層配置される物品であり、複数の物品に個別に貼付されている複数のRFIDタグ6から纏めて情報IDを読み取るケースがある物品であるのが好ましい。このような物品としては、例えばトレーディングカードなどのカード類、クリアファイルやノートなどの文房具類、菓子などの食品類、新聞、チケット、切符、または、採血管や薬品などの医療用品、などが挙げられる。
【0035】
図1に示すように、情報読取システム1は、搬送装置2と、ゲート3と、RFIDリーダ4と、タッチパネル5と、制御装置7と、入口センサ8と、出口センサ9と、バーコードリーダ11と、選別部13と、を備える。
【0036】
搬送装置2は、読取対象の物品である積層された本群10を所定方向に搬送する。図1図2の例では、搬送装置2の一例として、X方向を本群10の搬送方向M1とするよう設置されるベルトコンベヤが適用されている。ベルトコンベヤは、無端状のコンベヤベルトの上に載置された本群10をプーリの回転によって所定の搬送方向M1に搬送する。なお、図1では、搬送装置2は、ゲート3が設置される前半部分のベルトコンベヤ21と、選別部13が設置される後半部分のベルトコンベヤ22とに区分される構成が例示されているが、搬送装置2は一体的なベルトコンベヤで構成してもよいし、さらに細分化する構成でもよい。
【0037】
また、搬送装置2は、駆動ローラコンベヤ、チェーンコンベヤなどの他の種類のコンベヤを適用してもよい。また、搬送装置2は、読取対象の本群10をRFIDリーダ4の読取領域Aや、選別部13の位置まで搬送することができればコンベヤ以外の装置を適用してもよい。
【0038】
ゲート3は、搬送装置2の搬送方向M1を中心として搬送装置2の周囲を包囲するよう形成され、搬送装置2上を搬送される本群10が内部を通過する位置に設置される。ゲート3は、例えば金属製や樹脂製の複数の柱状部材や梁状部材によって、例えば図1に示すような略直方体形状に形成される。この場合、搬送装置2は、ゲート3の略直方体形状の六面のうち、X方向に対向する一対の側面を貫通するように設置される。
【0039】
なお、ゲート3の略直方体形状の六面のうち、搬送装置2が介在しないY方向に対向する一対の側面や、上面、または下面の少なくとも一部には、電波シールド材31を設置してもよい。なお、図1図2の例では、図示の都合上、Y負方向側の側面のみに電波シールド材31を図示しているが、他の面にも電波シールド材31が設置されている。
【0040】
電波シールド材31は、外部からゲート3の内部空間(特に図2に示すRFIDリーダ4の読取領域A)への電波の進入を遮蔽する材料で形成される薄板状または薄膜状の部材である。電波シールド材31の材料としては、例えば金属繊維が編み込まれた布を用いることができる。これにより、電波シールド材31は、高い導電性、耐屈曲性、柔軟性を備えることができる。また、電波シールド材31には、例えば板金、金属網、発泡金属などを用いることもできる。
【0041】
ゲート3には、RFIDリーダ4が固設され、これにより、搬送装置2上を移動する本群10との相対的な位置関係を一定に保持できる。また、ゲート3にはタッチパネル5を固設してもよいし、制御装置7を設置してもよい。
【0042】
RFIDリーダ4は、搬送装置2上の本群の各本10A~10Dに付加されるRFIDタグ6A~6Dから情報ID1~ID4を読み取る読取装置の一例である。RFIDリーダ4は、搬送装置2の上面(搬送面)側が読取範囲となるように設置される。図1図2の例では、RFIDリーダ4は、ゲート3の上面部分においてY方向に延在して設置されている2本の梁状部材32、33に、電波Wの出力方向が下方となるように固設されている。これにより、図2に矢印Aで示すように、Y方向視において、RFIDリーダ4の読取領域Aは、RFIDリーダ4を中心として、X負方向側及びX正方向側に略同一距離をとる範囲となるように設置することができる。
【0043】
タッチパネル5は、タグ情報読取制御に係る情報を表示する表示装置である。また、タッチパネル5は、利用者からの操作入力を受け付ける入力装置としても機能する。タッチパネル5は、例えば情報読取システム1の利用者が操作や閲覧をしやすいように、ゲート3の上面部分においてY負方向側にてX方向に延在する辺を形成する梁状部材34の上面に設置され、画面がY正方向側のRFIDリーダ4の読取領域A側を向くように設置される。これにより、情報読取システム1の利用者は、RFIDリーダ4のY正方向側にて読取領域Aの前にいれば、タッチパネル5を操作したり、タッチパネル5に表示される情報をみながら、タグ情報読取操作を行うことができる。
【0044】
制御装置7は、RFIDリーダ4、タッチパネル5、入口センサ8、出口センサ9、バーコードリーダ11、及び選別部13と無線または有線により通信可能に接続され、これらの各装置の動作を制御する。
【0045】
特に本実施形態では、制御装置7は、入口センサ8により本群10が検知されたときにRFIDリーダ4からの電波Wの発報を開始させる。また、制御装置7は、出口センサ9により本群10が検知されたときにRFIDリーダ4からの電波Wの発報を停止させる。制御装置7によるRFIDリーダ4の発報制御については図5を参照して後述する。
【0046】
なお、本実施形態で用いる「発報」とは、電波Wを出力することを意味し、発出や放射とも同意である。また、RFIDリーダ4はアンテナを有しており、アンテナから電波Wを出力(発報)する。本実施形態では、このようなRFIDリーダ4のアンテナによる動作を「RFIDリーダ4が電波Wを出力(発報)する」とも表現する場合がある。
【0047】
RFIDタグ6A~6Dは、RFIDリーダ4から発報された電波Wにより駆動して、各タグのICチップ内に記録されている情報ID1~ID4を送信する。RFIDリーダ4は、RFIDタグ6A~6Dから送信された情報ID1~ID4を受信することにより、各RFIDタグ6A~6Dの情報ID1~ID4を読み取ることができる。
【0048】
また、RFIDリーダ4は、発報する電波Wの出力レベルを用途や状況に合わせて複数段階(例えば10段階)に変更、調整できる構成でもよい。この場合、例えば制御装置7が、電波Wの強弱をソフト上で任意に設定(変更)することができる。また、システムの利用者が、タッチパネル5の画面から電波Wの出力レベルを設定変更できるようにしてもよい。
【0049】
RFIDリーダ4の電波Wの出力を上げると、広範囲でRFIDタグ6から情報を読み取りやすくなる反面、例えばゲート3外のタグなど読み対象外のタグまで読み取る可能性がある。このため、なるべくゲート3内のRFIDタグ6のみを読み取りたい。しかし、本群10に含まれる各本の数量や、本群10の搬送装置2上での流し方(例えば並列や直列で搬送方向に流す、または、高さ方向に複数の本群10を積層するなど)、などの各種の使用条件によっては、RFIDリーダ4の近くにRFIDタグ6があれば読み取りやすくなるが、電波Wの出力が弱いと読取対象のタグも読み取れない状況が生じ得る。したがって、上述のようにRFIDリーダ4が発報する電波Wの出力レベルを用途や状況に合わせて複数段階に変更できる構成とすることによって、用途や状況に合わせた最適な電波Wの出力レベルを設定できるので、RFIDタグ6の読み取り精度をさらに向上できる。
【0050】
なお、図1の例では、制御装置7はゲート3と離れた位置に配置される構成を例示しているが、制御装置7が、ゲート3に一体的に設置される構成でもよい。また、タッチパネル5の代わりに、例えばディスプレイなどの表示装置と、マウスやキーボードなどの入力装置とを用いる構成でもよい。
【0051】
入口センサ8と出口センサ9は、本群10の搬送方向M1のうちRFIDリーダ4の読取領域Aより上流側及び下流側にて、搬送装置2を搬送される読取対象の物品の通過を検知可能な任意の位置に配置される。入口センサ8及び出口センサ9には、例えば赤外線センサやカメラなどの任意の検知装置を適用できる。
【0052】
入口センサ8は、例えば図1図2に示すように、搬送装置2の搬送方向M1においてゲート3より上流側の位置にて、搬送装置2の幅方向のY負方向側の端部に設置することができる。この場合、入口センサ8は、図1に点線矢印S1で示すように、Y正方向側が検知範囲となるように、かつ、検知範囲の高さ範囲が搬送装置2の載置面から本群10の上端位置までの間となるように設置される。これらの構成により、入口センサ8は、搬送装置2の搬送面上において読取領域Aの上流側の所定位置を通過する本群10を検知することができ、この結果、本群10がRFIDリーダ4の読取領域Aに進入することを検知することができる。
【0053】
出口センサ9は、例えば図1図2に示すように、搬送装置2の搬送方向M1においてゲート3より下流側の位置にて、搬送装置2の幅方向のY負方向側の端部に設置することができる。この場合、出口センサ9は、図1に点線矢印S2で示すように、Y正方向側が検知範囲となるように、かつ、検知範囲の高さ範囲が搬送装置2の載置面から本群10の上端位置までの間となるように設置される。これらの構成により、出口センサ9は、搬送装置2の搬送面上において読取領域Aの下流側の所定位置を通過する本群10を検知することができ、この結果、本群10がRFIDリーダ4の読取領域Aから退出することを検知することができる。
【0054】
バーコードリーダ11は、RFIDリーダ4の読取領域A内を搬送されている本群10に記載されるバーコード12からISBNを読み取る装置の一例である。
【0055】
選別部13は、搬送装置2の搬送方向M1においてRFIDリーダ4より下流側に設けられ、制御装置7(検査部76)により異常を検出されたRFIDタグ6が付加されている本群10を選別する。選別部13は、例えば図1に示すようにプッシャ131と排出用コンベア132とを有する。
【0056】
排出用コンベア132は、搬送装置2の搬送方向M1から別方向に分岐する。図1の例では、排出用コンベア132は搬送装置2のY正方向側に隣接され、搬送方向M2が搬送装置2の搬送方向M1と直交するY正方向となるように設置されている。排出用コンベア132は、例えば搬送装置2と同様のベルトコンベヤなどが適用される。
【0057】
プッシャ131は、搬送装置2上を搬送されている本群10を、搬送装置2の搬送経路M1上から排出用コンベア132に押し出す。プッシャ131は、例えば図1に示すように、搬送装置2を挟んで排出用コンベア132の反対側であるY負方向側に配置され、矢印Bで示すように搬送装置2の搬送面上を搬送装置2のコンベヤベルトのY正方向側端部の位置まで移動可能に設置されている。
【0058】
選別部13は、制御装置7の検査部76(図3参照)により読み取りエラー判定がされた本群10(図1では「本群10-1」と表記する)がプッシャ131の位置を通過する際に、プッシャ131が作動して本群10-1の側面を排出用コンベア132の方向に押し出すことによって、当該本群10-1を搬送装置2から排出用コンベア132に移動させることができる。これにより、検査部76の検査結果に応じて、内蔵されるRFIDタグ6に異常があることが検知された本群10-1を「NG品」として選り分けることができる。
【0059】
なお、制御装置7の検査部76により正常判定がされた本群10(図1では「本群10-2」と表記する)がプッシャ131の位置を通過する際には、選別部13は作動しないので、当該本群10-2は搬送装置2のプッシャ131の位置を通過して引き続き搬送方向M1に沿って搬送されて「OK品」として選り分けられる。
【0060】
なお、選別部13は、NG品を別系統に選別できる構成であればよく、プッシャ131と排出用コンベア132との組み合わせ以外の構成でもよい。例えば、搬送装置2上に開閉孔を設けて、NG品の場合に開閉孔を開いて搬送装置2から該当の本群10-1を落下させて選別する構成などでもよい。
【0061】
次に図3図5を参照して第1実施形態の情報読取システム1による発報制御及びタグ情報読取制御について説明する。
【0062】
第1実施形態では、図1図2を参照して説明したように、搬送装置2上を搬送される一組の本群10がRFIDリーダ4の読取領域Aを通過する際に、本群10の各本10A~10Dに貼付されている複数のRFIDタグ6A~6Dから纏めて情報ID1~ID4の読み取りを行う。そして特に本実施形態では、搬送装置2の搬送面上の読取領域Aへの読取対象の本群10の進入及び退出に応じて、RFIDリーダ4の電波Wの発報の開始及び停止を行う発報制御を行う。
【0063】
図3は、発報制御に係る制御装置7の機能ブロック図である。図3に示すように、情報読取システム1の制御装置7は、上述の発報制御に関する機能と、発報制御の前提となるタグ情報読取制御に関する機能として、搬送制御部71と、発報制御部72と、タグ読取制御部73と、情報記録部74と、物品情報記憶部75と、検査部76と、選別制御部77と、を有する。
【0064】
搬送制御部71は、搬送装置2の動作を制御する。搬送制御部71は、例えばタッチパネル5と通信可能に接続され、タッチパネル5を介して読取開始指令に応じて搬送装置2を始動させる。また、読取停止指令に応じて搬送装置2を停止させる。
【0065】
発報制御部72は、RFIDリーダ4の電波Wの発報動作を制御する。発報制御部72は、搬送制御部71、入口センサ8、出口センサ9と通信可能に接続され、これらの各要素から指令や情報が入力される。発報制御部72は、RFIDリーダ4と通信可能に接続され、RFIDリーダ4に電波発報動作の開始指令や停止指令を出力する。
【0066】
タグ読取制御部73は、RFIDリーダ4による本群10のRFIDタグ6からの情報の読み取り動作を制御する。タグ読取制御部73は、RFIDリーダ4と通信可能に接続され、RFIDリーダ4がRFIDタグ6から読み取った情報が入力される。また、タグ読取制御部73には、発報制御部72からRFIDリーダ4の電波発報動作状態の情報が入力される。タグ読取制御部73は、タッチパネル5と通信可能に接続され、RFIDリーダ4により取得されたタグ情報の読み取りに関する情報を出力する。
【0067】
情報記録部74は、タグ読取制御部73からRFIDリーダ4により取得されたタグ情報が入力される。また、情報記録部74は、バーコードリーダ11と通信可能に接続され、読取対象であり、タグ情報が読み取られた本群10のバーコード12からバーコードリーダ11により読み取られたISBNの情報が入力される。
【0068】
物品情報記憶部75は、情報記録部74により取得された本群10の複数のRFIDタグ6のそれぞれタグ情報と、本群10のISBNの情報とを関連付けて、一組のデータセットとして記録する。物品情報記憶部75に記録されている情報は、利用者などが閲覧したり外部に出力したりすることができる。
【0069】
検査部76は、RFIDリーダ4によるRFIDタグ6からの情報IDの読み取り結果に基づき、RFIDタグ6の読み取りエラーを判別する。
【0070】
選別制御部77は、検査部76によりRFIDタグ6の読み取りエラーが検出された場合に、該当の本群10(図1に示す本群10-1)をNG品として選り分けるように選別部13を制御する。
【0071】
図4は、制御装置7のハードウェア構成図である。図4に示すように、制御装置7は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102およびROM(Read Only Memory)103、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置104、ディスプレイ等の出力装置105、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール106、補助記憶装置107、などを含むコンピュータシステムとして構成することができる。図3を参照して説明した制御装置7の各機能は、CPU101、RAM102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール106、入力装置104、出力装置105を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置107におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0072】
図5は、第1実施形態の発報制御及びタグ情報読取制御のフローチャートである。以下、図5を参照して、第1実施形態の情報読取システム1により実施される発報制御の手順について説明する。
【0073】
ステップS01では、システム利用者によって、タッチパネル5を介してRFIDタグ6の読取開始操作が入力される。読取開始の操作指令は搬送制御部71など制御装置7の各要素に入力される。
【0074】
ステップS02では、搬送制御部71により、ステップS01の操作指令に応じて搬送装置2が始動される。これにより読取対象の本群10が搬送装置2によりRFIDリーダ4の読取領域Aに向けて搬送される。搬送制御部71は、読取開始の操作指令が入力された旨の情報を発報制御部72に出力する。また、制御装置7は、本ステップのタイミングで、入口センサ8および出口センサ9を作動させてもよい。
【0075】
ステップS03では、発報制御部72により、入口センサ8がONに遷移したか否か、すなわち読取対象の本群10が入口センサ8の検知範囲S1を通過し、RFIDリーダ4の読取領域Aに進入する状態に遷移したか否か、が判定される。発報制御部72は、入口センサ8から入力される検知信号を監視して、OFF(本群10の検知範囲S1の通過前)からONへの遷移を検出できる。入口センサ8がOFF状態の間は(ステップS03のNo)本ステップで待機し、入口センサ8がONに遷移したことを検知したとき(ステップS03のYes)にはステップS04に進む。
【0076】
ステップS04では、発報制御部72により、本群10の読取領域Aへの進入検知に応じて、RFIDリーダ4に制御指令が出力され、RFIDリーダ4から電波Wの発報が開始される。これにより読取領域A上を通過する本群10の複数のRFIDタグ6からのタグ情報IDの読み取りが可能な状態となる。また、発報制御部72は、RFIDリーダ4による電波Wの発報開始の旨の情報をタグ読取制御部73に出力することができる。
【0077】
ステップS05では、タグ読取制御部73により、RFIDリーダ4から入力される、RFIDリーダ4が本群10の複数のRFIDタグ6から読み取ったタグ情報IDを利用して、読取領域A上にある本群10の複数の本10A~10Dにそれぞれ付加される複数のRFIDタグ6がカウントされる。なお、第1実施形態では、読取対象は積層された複数の本からなる本群10であり、各本群10に含まれる本の冊数の情報は予め制御装置7が取得している。タグ読取制御部73は、例えば新しいRFIDタグ6のタグ情報IDを取得するたびに、現在読取領域A上にある本群10におけるRFIDタグ6の読取数を1つずつ増やして、読み取り数を計数する。
【0078】
ステップS06では、発報制御部72により、出口センサ9がONに遷移したか否か、すなわち読取対象の本群10が出口センサ9の検知範囲S2を通過し、RFIDリーダ4の読取領域Aから退出した状態に遷移したか否か、が判定される。発報制御部72は、出口センサ9から入力される検知信号を監視して、OFF(本群10の検知範囲S2の通過前)からONへの遷移を検出できる。出口センサ9がOFF状態の間は(ステップS06のNo)ステップS05に戻りRFIDタグ6のカウントを繰り返す。
【0079】
一方、出口センサ9がONに遷移したことを検知したとき(ステップS06のYes)にはステップS07に進む。また、発報制御部72は、RFIDリーダ4による電波Wの発報停止の旨の情報をタグ読取制御部73に出力することができる。出口センサ9がONに遷移し、読取対象の本群10が読取領域Aから退出する状態に遷移した旨の情報をタグ読取制御部73に出力することができる。タグ読取制御部73は、出口センサがONに遷移したことに応じて、ステップS05にてカウントしたRFIDタグ6の読取数の情報を検査部76に出力する。
【0080】
ステップS07では、検査部76により、ステップS05にてカウントした読取対象の本群10のRFIDタグ6の読取数が、予め取得している所定の読取数と一致するか否かが判定される。読取数が一致する場合(ステップS07のYes)には、下記のステップS08~S09の処理が実施される。
【0081】
ステップS08では、ステップS07にて読取数が一致すると判定されたので、検査部76により、所定の読取数と一致するRFIDタグ6を読み取った旨の情報がタッチパネル5に出力され、タッチパネル5に例えば「読取数OK」などの情報が表示される。この場合、検査部76が読み取りエラーを検知しないので、選別部13は作動せず、読取数一致と判定された本群10(図1に示す本群10-2)はOK品として搬送装置2の選別部13より下流側に搬送される。
【0082】
ステップS09では、情報記録部74により、タグ読取制御部73から情報記録部74に入力された本群10の各RFIDタグ6のタグ情報ID(例えばEPCやTID)と、タグ情報IDが読み取られた本群10のバーコード12からバーコードリーダ11により読み取られたISBNの情報とを紐づけて、一組のデータセットとして物品情報記憶部75に記録される。ステップS09の処理が完了するとステップS12に進む。また、ステップS08~S09の処理が完了した旨の情報が発報制御部72に出力される。
【0083】
本実施形態では、制御装置7は、外部サーバ(図示せず)と通信可能である。制御装置7は、ステップS09にて各情報の紐づけを行った後に、外部サーバへISBN及びタグ情報をセットで出力する。外部サーバにて、制御装置7から出力された情報に基づき、書籍(本群10)のトレサビリティ(流通管理)を行う。
【0084】
一方、ステップS07にて、ステップS05にてカウントしたRFIDタグ6の読取数が、予め取得している所定の読取数と不一致の場合(ステップS07のNo)には、下記のステップS10~S11の処理が実施される。
【0085】
ステップS10では、ステップS07にて読取数が不一致と判定されたので、検査部76により、所定の読取数と一致しないRFIDタグ6を読み取った旨の情報がタッチパネル5に出力され、タッチパネル5に例えば「読取数エラー」などの情報が表示される。
【0086】
ステップS11では、ステップS07にて読取数が不一致と判定されたので、検査部76により、タグ読み取りのエラーが発生したものと判断され、検査部76から選別制御部77にエラー発生の情報が出力される。読み取りエラーは、例えば、現在タグ情報読取が行われているRFIDタグ6のいずれかに何らかの異常が発生していることや、RFIDリーダ4からの電波Wが一部のRFIDタグ6に到達しなかったことや、一部のRFIDタグ6から出力された情報IDをRFIDリーダ4が受信できなかったこと、などの原因により発生し得る。
【0087】
そして、選別制御部77により、読み取りエラーの判定結果に応じて、選別部13が作動される。選別部13は、排出用コンベア132を作動させて、読み取りエラーと判定された本群10(エラー本)が通過するタイミングでプッシャ131により該当の本群10(図1に示す本群10-1)を搬送装置2上から排出用コンベア132上に移動させる。これによりエラー本がNG品として排出される。ステップS11の処理が完了するとステップS12に進む。また、ステップS10~S11の処理が完了した旨の情報が発報制御部72に出力される。
【0088】
ステップS12では、発報制御部72により、本群10の読取領域Aからの退出検知、及び、ステップS08~S09の処理またはステップS10~S11の処理の完了、に応じて、RFIDリーダ4に制御指令が出力され、RFIDリーダ4から電波Wの発報が停止される。
【0089】
ステップS13では、制御装置7により、システム利用者によって、タッチパネル5を介してRFIDタグ6の読取停止操作が入力されたか否かが判定される。
【0090】
読取停止操作が入力されていない場合(ステップS13のNo)には、ステップS03に戻り、次の読取対象の本群10が搬送装置2によりRFIDリーダ4の読取領域Aに搬入されるまで待機する。また、読取対象の本群10が読取領域Aに進入、退出されるたびに、制御装置7はRFIDリーダ4による電波Wの発報の開始、停止を行う。つまり、制御装置7は、RFIDリーダ4の読取領域Aに読取対象の本群10がある状態、または読取領域Aに進入直前から退出直後の期間、に限定して、RFIDリーダ4による電波Wの発報を実施させる。
【0091】
一方、読取停止操作が入力された場合(ステップS13のYes)には、ステップS14にて搬送制御部71により搬送装置2が停止されて、本制御フローを終了する。
【0092】
第1実施形態に係る情報読取システム1の効果を説明する。情報読取システム1は、読取対象の物品である本群10を所定方向M1に搬送する搬送装置2と、搬送装置2上の本群10の各本10A~10Dにそれぞれ付加されるRFIDタグ6A~6Dから情報ID1~ID4を読み取るRFIDリーダ4と、本群10がRFIDリーダ4の読取領域Aに進入することを検知する入口センサ8と、入口センサ8により本群10が検知されたときにRFIDリーダ4からの電波Wの発報を開始させる制御装置7の発報制御部72と、を備える。
【0093】
この構成により、読取対象の物品である本群10がRFIDリーダ4の読取領域Aに進入していない状態では、RFIDリーダ4からの電波Wの発報が停止されるので、RFIDリーダ4が搬送装置2の周辺にある読取対象以外のRFIDタグから誤って情報を読み取ることを抑制できる。このように、入口センサ8による本群10の通過検知をトリガとして、RFIDリーダ4の起動期間を本群10が読取領域Aにあるとき、または読取領域Aを含む区間にあるときに限定できるので、読取対象のRFIDタグ6の読取精度を向上できる。また、従来のタグ読取制御の実施中にRFIDリーダ4を起動し続ける構成と比較して、RFIDリーダ4から電波Wを発報する合計時間を短縮化することが可能となるので、タグ情報読取制御に要する消費電力を抑制できる。
【0094】
また、第1実施形態の情報読取システム1は、読取対象の物品である本群10がRFIDリーダ4の読取領域Aから退出することを検知する出口センサ9を備え、制御装置7の発報制御部72は、出口センサ9により本群10が検知されたときにRFIDリーダ4からの電波Wの発報を停止させる。
【0095】
この構成により、出口センサ9による読取対象の物品である本群10の通過検知をトリガとして、RFIDリーダ4の読取領域Aに進入していた本群10が読取領域Aから退出することも判定できるので、本群10が読取領域Aにある期間をより確実に把握することができる。これにより、RFIDリーダ4の起動期間を本群10が読取領域Aにあるとき、または読取領域Aを含む区間にあるときに、より精度良く限定できるので、読取対象のRFIDタグ6の読取精度をさらに向上できる。また、RFIDリーダ4からの電波Wの発報時間をさらに短縮化でき、タグ情報読取制御に要する消費電力をさらに抑制できる。
【0096】
なお、本実施形態では、入口センサ8と出口センサ9の両方を備える構成を例示したが、入口センサ8のみを備える構成でも同様の効果を奏することができる。この場合、例えば、入口センサ8による本群10の通過検知をトリガとして、制御装置7の発報制御部72が所定時間に亘ってRFIDリーダ4からの電波Wの発報を実行させ、所定時間経過後に発報を停止させる制御を行う。
【0097】
また、第1実施形態の情報読取システム1では、入口センサ8と出口センサ9は、搬送装置2による本群10の搬送方向M1のうち読取領域Aより上流側及び下流側に配置される。
【0098】
この構成により、読取対象の物品である本群10を搬送装置2により所定の搬送方向M1に移動させるだけで、入口センサ8及び出口センサ9によって本群10の読取領域Aへの進入と退出を自動的に検知できる。これにより、読取対象の本群10が読取領域Aにある期間をより確実に、かつより簡易に把握することが可能となる。
【0099】
また、第1実施形態の情報読取システム1では、読取対象の物品は積層された複数の物品の組(本実施形態では複数の本10A~10Dが積層された本群10)ごとに搬送装置2により搬送される。制御装置7の検査部76は、RFIDリーダ4により本群10の複数の本10A~10Dにそれぞれ付加されている複数のRFIDタグ6A~6Dから読み取った情報ID1~ID4の数が、予め取得している本群10に含まれる本の所定数と異なる場合にエラーを出力する。
【0100】
この構成により、読取対象の本群10の各本10A~10Dにそれぞれ付加されるRFIDタグ6A~6Dの少なくとも一部を読み取れなかった状況を精度良く検出できるので、結果的に読取対象のRFIDタグ6の読取精度の向上に繋がる。
【0101】
また、第1実施形態の情報読取システム1では、読取対象の物品は本群10であり、RFIDリーダ4の読取領域Aを搬送されている本群10に記載されるバーコード12からISBNを読み取るバーコードリーダ11を備える。制御装置7の情報記録部74は、RFIDリーダ4によりRFIDタグ6から読み取った本群10の識別情報と、バーコードリーダ11により読み取ったISBNとを紐づけて記録する。
【0102】
この構成により、読取対象の本群10の識別情報に加えて、ISBNの情報も記録できるので、一連のタグ情報読取制御において取得できる情報の種類を増やすことができる。
【0103】
また、第1実施形態の情報読取システム1は、読取対象の物品である本群10を所定方向M1に搬送する搬送装置2と、搬送装置2上の本群10の各本10A~10Dにそれぞれ付加されるRFIDタグ6A~6Dから情報ID1~ID4を読み取るRFIDリーダ4と、RFIDリーダ4によるRFIDタグ6A~6Dからの情報ID1~ID4の読み取り結果に基づき、RFIDタグ6の読み取りエラーを判別する制御装置7の検査部76と、搬送装置2の搬送方向M1においてRFIDリーダ4より下流側に設けられ、検査部76により読み取りエラーを検出された無線タグ6が付加されている本群10を選別する選別部13と、を備える。
【0104】
この構成により、読み取りエラーを検出された本群10を選別部13により自動的に選別できるので、読み取りエラー検出後の選別作業を迅速に行うことが可能となる。これにより、本実施形態のように搬送装置2によって大量の読取対象の物品が順次搬送される環境下でも、例えばエラー発生ごとに逐次搬送装置2を停止させて対象の本群10を逐次取り除くなど、本群10の搬送やタグ情報読取のペースを落とすような手順を省略できる。この結果、第1実施形態の情報読取システム1は、読取対象のRFIDタグ6の情報読取のペースを維持しつつ、異常発生タグを選別できる。
【0105】
[第2実施形態]
図6図8を参照して第2実施形態について説明する。
【0106】
図6は、第2実施形態に係る情報読取システム1Aの全体構成を示す斜視図である。図7は、図6中のRFIDリーダ4近傍をZ正方向側から視た平面図である。
【0107】
図6図7に示すように、第2実施形態に係る情報読取システム1Aは、単数の本20を読取対象の物品の一単位とする。本20は、第1実施形態の本群10の各本10A~10Dと同様に、一冊ごとに任意の位置にRFIDタグ6が貼付され、バーコード12が記載されている。第2実施形態では、搬送装置2Aが読取対象の本20を一冊ずつ個別に載置して搬送する。情報読取システム1Aは、搬送装置2A上を順番に搬送される単数の本20ごとに、当該本20に貼付されているRFIDタグ6から情報IDを逐次読み取る。
【0108】
図6に示すように、情報読取システム1Aは、搬送装置2Aと、ゲート3Aと、RFIDリーダ4と、タッチパネル5と、制御装置7と、入口センサ8と、出口センサ9と、バーコードリーダ11と、選別部13と、を備える。
【0109】
搬送装置2Aは、読取対象の物品である単数の本20を所定方向に搬送する。図1の例では、搬送装置2Aの一例として、搬送方向M3が進入位置ではX正方向であり、途中でY正方向に曲がり、退出位置ではY正方向側となるよう設置されるベルトコンベヤが適用されている。なお、図6では、搬送装置2Aは、ゲート3より上流部分の直線状のベルトコンベヤ21Aと、ゲート3やRFIDリーダ4が設置される中間部分のカーブコンベヤ22Aと、選別部13が設置されるさらに下流側部分の直線状のベルトコンベヤ23Aとに区分される構成が例示されているが、搬送装置2は一体的なベルトコンベヤで構成してもよいし、さらに細分化する構成でもよい。また、搬送装置2Aは、第1実施形態の搬送装置2と同様に搬送方向M3を直線状とする構成でもよい。
【0110】
ゲート3Aは、搬送装置2Aの搬送方向M3を中心として搬送装置2Aの周囲を包囲するよう門型に形成される。ゲート3Aは、例えば図6に示すように、搬送装置2AのY負方向側及びY正方向側に対向配置される一対の柱部31A、32Aを有する。一対の柱部31A、32Aは、それぞれ四本の柱状部材を直角に連結して矩形状に形成されて立設されている。また、ゲート3Aは、一対の柱部31A、32Aの上端の2つの角部どうしを連結し、Y方向に延在する一対の梁部33A、34Aを有する。一対の梁部33A、34Aは、搬送装置2Aの搬送面の上方に、搬送面と平行に配置されている。
【0111】
ゲート3Aには、RFIDリーダ4が固設され、これにより、搬送装置2上を移動する本20との相対的な位置関係を一定に保持できる。また、ゲート3Aにはタッチパネル5を固設してもよいし、制御装置7を設置してもよい。
【0112】
RFIDリーダ4は、図6の例では、ゲート3Aの一対の梁部33A、34Aに、電波Wの出力方向が下方となるように固設されている。これにより、図7に矢印Aで示すように、RFIDリーダ4の読取領域Aは、RFIDリーダ4を中心として、X負方向側及びX正方向側に略同一距離をとる範囲となるように設置することができる。
【0113】
入口センサ8と出口センサ9は、本20の搬送方向M3のうちRFIDリーダ4の読取領域Aより上流側及び下流側にて、搬送装置2を搬送される読取対象の物品の通過を検知可能な任意の位置に配置される。
【0114】
入口センサ8は、例えば図6に示すように、ゲート3Aの一対の梁部33A、34Aのうち搬送方向M3の上流側の梁部33Aの下方、かつ、搬送装置2の搬送面より上方にて一対の柱部31A、32Aに連結され、梁部33Aと平行にY方向に延在する梁状部材35Aに設置することができる。また、図6の例では、梁状部材35Aのうち搬送装置2Aの幅方向のY正方向側の端部の位置に設置される。この場合、入口センサ8は、図6図7に点線矢印S1で示すように、Y負方向側が検知範囲となるように、かつ、検知範囲の高さ範囲が搬送装置2の載置面から本20の上端位置までの間となるように設置される。これらの構成により、入口センサ8は、搬送装置2の搬送面上において読取領域Aの上流側の所定位置を通過する本20を検知することができ、この結果、本20がRFIDリーダ4の読取領域Aに進入することを検知することができる。
【0115】
出口センサ9は、例えば図6に示すように、ゲート3Aの一対の梁部33A、34Aのうち搬送方向M3の下流側の梁部34Aの下方、かつ、搬送装置2の搬送面より上方にて一対の柱部31A、32Aに連結され、梁部34Aと平行にY方向に延在する梁状部材36Aに設置することができる。また、図6の例では、梁状部材36Aのうち搬送装置2Aの幅方向のY正方向側の端部の位置に設置される。この場合、出口センサ9は、図6図7に点線矢印S2で示すように、Y負方向側が検知範囲となるように、かつ、検知範囲の高さ範囲が搬送装置2の載置面から本20の上端位置までの間となるように設置される。これらの構成により、出口センサ9は、搬送装置2の搬送面上において読取領域Aの下流側の所定位置を通過する本20を検知することができ、この結果、本20がRFIDリーダ4の読取領域Aから退出することを検知することができる。
【0116】
選別部13の排出用コンベア132は、図6の例では搬送装置2のY正方向側に隣接され、搬送方向M4が搬送装置2の下流側部分の直線状のベルトコンベヤ23Aの搬送方向(Y方向)と直交するX正方向となるように設置されている。
【0117】
選別部13は、制御装置7の検査部76により読み取りエラー判定がされた本20(図6に示す本20-1)がプッシャ131の位置を通過する際に、プッシャ131が作動して本20-1の側面を排出用コンベア132の方向に押し出すことによって、当該本20-1を搬送装置2Aから排出用コンベア132に移動させ、「NG品」として選り分けることができる。
【0118】
なお、制御装置7の検査部76により正常判定がされた本20(図6に示す本20-2)がプッシャ131の位置を通過する際には、選別部13は作動しないので、当該本20-2は搬送装置2Aのプッシャ131の位置を通過して引き続き搬送方向M3に沿って搬送されて「OK品」として選り分けられる。
【0119】
第2実施形態の情報読取システム1Aのその他の構成要素については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0120】
また、制御装置7の機能ブロックも、基本的な構成は図3を参照して説明した第1実施形態と同様である。ただし、検査部76による読み取りエラーの判定基準が異なる。詳細については後述する。
【0121】
図8は、第2実施形態の発報制御及びタグ情報読取制御のフローチャートである。ステップS101~S104、S106の処理は、図5の第1実施形態のステップS01~S04、S06と同様であるので説明を省略する。
【0122】
ステップS105では、RFIDリーダ4により、読取領域A内を通過中の本20に貼付されているRFIDタグ6からタグ情報IDの読み取りが行われる。RFIDリーダ4は、RFIDタグ6からタグ情報IDを読み取った場合に、このタグ情報IDをタグ読取制御部73に出力する。
【0123】
ステップS107では、検査部76により、ステップS105にて読取対象の本20のRFIDタグ6からタグ情報IDを取得できたか否かが判定される。つまり、検査部76は、入口センサ8および出口センサ9によって検知される、読取対象の本20がRFIDリーダ4の読取領域Aを通過する期間内に、タグ情報IDの読み取りが行えたか否かを判定する。タグ情報IDを取得できた場合(ステップS107のYes)には、ステップS108~S109の処理が実施される。ステップS108~S109の処理は、図5の第1実施形態のステップS08~S09と同様であるので説明を省略する。この場合、検査部76が読み取りエラーを検知しないので、選別部13は作動せず、タグ情報IDを取得できたと判定された本20(図6に示す本20-2)はOK品として搬送装置2Aの選別部13より下流側に搬送される。
【0124】
一方、ステップS107にて、読取対象の本20のRFIDタグ6からタグ情報IDを取得できなかった場合(ステップS107のNo)には、ステップS110~S111の処理が実施される。ステップS110~S111の処理は、図5の第1実施形態のステップS10~S11と同様であるので説明を省略する。この場合、検査部76が読み取りエラーを検知するので、選別部13が作動して、読み取りエラーと判定された本20(エラー本)が通過するタイミングでプッシャ131により該当の本群10(図6に示す本20-1)を搬送装置2A上から排出用コンベア132上に移動させる。これによりエラー本がNG品として排出される。
【0125】
その後のステップS112~S114の処理も、図5の第1実施形態のステップS12~S14と同様であるので説明を省略する。
【0126】
第2実施形態の情報読取システム1Aは、入口センサ8、出口センサ9、及び発報制御部72を備えるので、読取対象のRFIDタグ6の読取精度の向上や、タグ情報読取制御に要する消費電力の抑制など、第1実施形態の情報読取システム1と同様の効果を奏することができる。
【0127】
第2実施形態の情報読取システム1Aでは、読取対象の物品は単数の物品(本実施形態では単数の本20)ごとに搬送装置2により搬送される。制御装置7の検査部76は、入口センサ8により本20が検知されたときから、出口センサ9により本20が検知されたときまでの期間内に、当該本20に貼付されているRFIDタグ6から情報IDを読み取れない場合に読み取りエラーを出力する。
【0128】
この構成により、読取対象の本20に貼付されているRFIDタグ6を読み取れなかった状況を精度良く検出できる。
【0129】
また、第2実施形態の情報読取システム1Aは、検査部76及び選別部13を備えるので、第1実施形態の情報読取システム1と同様に、読取対象のRFIDタグ6の情報読取のペースを維持しつつ、異常発生タグを選別できる。
【0130】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【0131】
上記実施形態では、制御装置7の検査部76により読み取りエラーを検出された読取対象の物品を選別する選別部13を備える構成を例示したが、選別部13を備えない構成でもよい。この場合、情報読取システム1、1Aは、例えばエラーの発生を報知する報知部を備える構成としてもよい。報知部は、例えばエラー発生時に点灯するパトランプや、警報音を発するスピーカなど、光や音声、振動などの任意の手法で外部にエラー発生を報知する装置を含む。この構成により、エラー発生をシステム利用者により確実に認識させることが可能となる。報知部がパトランプの場合には、例えば緑色に点灯させることにより、正常動作(全数読み取り成功)を作業者に簡便に報知できる。また、例えば赤色に点灯させることにより、異常動作(全数読み取り失敗)を作業者に簡便に報知できる。
【0132】
上記実施形態では、入口センサ8及び出口センサ9により読取対象の物品の読取領域Aへの進入及び退出を検知される期間内に限定してRFIDリーダ4からの電波Wの発報を実行させる構成を例示したが、入口センサ8及び出口センサ9を備えない構成でもよい。この場合、情報読取システム1、1Aは、読取開始の操作入力時から、読取停止の操作入力時までの期間に亘ってRFIDリーダ4からの電波Wの発報を実行する。
【0133】
また、上記実施形態に係る情報読取システム1、1Aは、搬送装置2、2Aと、選別部13と、を有する既存の物流システムに組み込んで適用することもできる。この場合、搬送装置2、2A上の選別部13より搬送方向上流側の位置にRFIDリーダ4、入口センサ8、出口センサ9などの本実施形態の発報制御やタグ情報読取制御に係る要素を設置し、本実施形態に係る制御装置7の各機能を既存システムの制御部に組み込むか、または併用すればよい。
【符号の説明】
【0134】
1、1A 情報読取システム
2、2A 搬送装置
4 RFIDリーダ(読取装置)
6 RFIDタグ(無線タグ)
7 制御装置
72 発報制御部
76 検査部
8 入口センサ(進入検知装置)
9 出口センサ(退出検知装置)
10 本群(物品)
11 バーコードリーダ
12 バーコード
13 選別部
20 本(物品)
A RFIDリーダの読取領域
W RFIDリーダが発報する電波
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8