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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109415
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】燃焼装置及び給湯器
(51)【国際特許分類】
   F23K 5/00 20060101AFI20240806BHJP
   F23D 14/08 20060101ALI20240806BHJP
   F24H 1/12 20220101ALI20240806BHJP
【FI】
F23K5/00 301B
F23D14/08 H
F24H1/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014195
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】柿崎 友助
【テーマコード(参考)】
3K017
3K068
3L034
【Fターム(参考)】
3K017AA10
3K017AB07
3K017AB08
3K017AB11
3K068AA01
3K068BA01
3K068BB05
3K068DA01
3L034BA22
(57)【要約】
【課題】流路の狭い分配流路での燃料ガスの流れの偏りを低減して各ノズルへ燃料ガスを均等に供給する。
【解決手段】ガス分配ユニット7において、第1分配流路81よりもノズル30の数が少ない第2分配流路82は、第2入口56から上方へ延びる第2導入部37と、第2導入部37の上端と連通してノズル30が左右方向に複数配設される第2分配部40と、を含み、第2導入部37は、同じ左右幅で上下方向に延びる中流路46と、下端が中流路46の上端と連通し、上方へ向かうに従って左右幅が拡がり、上端が第2分配部40と連通する上流路47と、を有する。そして、第2分配部40には、第2分配流路82の上端から下向きに延びて複数のノズル30の間を仕切る第2仕切壁51が形成されていると共に、第2仕切壁51は、上下方向で一部が中流路46とオーバーラップしている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバーナを収容するインナーケースと、
前記インナーケースに組み付けられ、
左右方向に配列されて各前記バーナに燃料ガスをそれぞれ噴出する複数のノズルと、燃料ガスが導入されて左右方向に延びるメイン流路と、前記メイン流路の上側に配置されて前記メイン流路と連通する燃料ガスの入口を下端に有し、前記ノズルの数が互いに異なる複数の前記ノズルの群ごとにそれぞれ燃料ガスを分岐させる少なくとも2つの分配流路と、各前記入口を開閉可能な電磁弁と、を有するガス分配ユニットと、を含み、
各前記電磁弁による各前記入口の開閉によって各前記分配流路への燃料ガスの供給の有無を切り替えることで、前記バーナの燃焼本数が切り替え可能な燃焼装置であって、
前記ガス分配ユニットにおいて、
他の前記分配流路よりも前記ノズルの数が少ない少なくとも1つの前記分配流路は、前記入口から上方へ延びる導入部と、前記導入部の上端と連通して前記ノズルが左右方向に複数配設される分配部と、を含み、
前記導入部は、同じ左右幅で上下方向に延びる同幅流路と、下端が前記同幅流路の上端と連通し、上方へ向かうに従って左右幅が拡がり、上端が前記分配部と連通する拡開流路と、を有する一方、
前記分配部には、前記1つの分配流路の上端から下向きに延びて前記複数のノズルの間を仕切る仕切壁が形成されていると共に、前記仕切壁は、上下方向で少なくとも一部が前記同幅流路とオーバーラップしていることを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
前記分配部には、前記ノズルが上下二段で配設されており、前記仕切壁の下端は、下段の前記ノズルよりも下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
前記導入部の前記入口は、前記同幅流路の左右方向の中心よりも左右何れか一方側へずれて配置されており、前記仕切壁は、前記左右方向の中心よりも左右他方側へずれて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の燃焼装置と、前記燃焼装置の前記バーナの燃焼排気が通過する熱交換器とを含み、前記熱交換器を通過する水と前記バーナの燃焼排気とを熱交換させて出湯可能な給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯器において、複数のバーナに燃料ガスを分配供給して燃焼段数を切替可能な燃焼装置と、その燃焼装置を備えた給湯器とに関する。
【背景技術】
【0002】
給湯器は、筐体内に、バーナを備えた燃焼装置と熱交換器とを備え、燃料ガスと燃焼用空気との混合気に点火して燃焼するバーナの燃焼排気により、熱交換器を通過する水を加熱して出湯させる。
燃焼装置に設置されるバーナは、扁平状のものが厚み方向に複数配列されてユニット化されており、バーナユニットの上流側には、ガス分配ユニットが設けられている。このガス分配ユニットは、特許文献1にはノズル台として開示されている。このノズル台は、左右方向に延びるガス開閉部と、各バーナに対応して左右方向に並設される複数のノズルが設けられる本体と、本体の前面に組み付けられる蓋板と、を含んでなる。本体には、互いにノズルの数が異なるように仕切られた複数の凹部が形成されており、蓋板には、各凹部を覆う複数の絞り部とが形成されている。よって、ガス開閉部を取り付けた本体に蓋板をネジ止めすると、本体と蓋板との間に、ガス開閉部から分岐する複数の分配流路が仕切形成される。各凹部の上流端には、ガス開閉部と連通するガス入口が設けられている。ガス入口は、ガス開閉部に設けた電磁弁によって開閉可能となっている。
この燃焼装置では、コントローラが各電磁弁を開閉制御して燃料ガスが供給される分配流路の組み合わせを選択することで、燃焼するバーナの本数を調整可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-194187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図8は、特許文献1の図4を符号の一部と共に示している。この本体23において、各分配流路を形成する凹部40~41は、ガス入口43から下流側となる上方へ向かうに従って左右幅が広くなる扇状の導入部S1と、導入部S1の上端に連続し、上下二段で複数列のノズル34が並設される分配部S2とをそれぞれ備えて分配流路を形成している。本体23の下部裏側には、燃料ガスが供給されるガス開閉部が左右方向に設けられている。
凹部40~41のうち、ノズル34の列が少ない凹部41,42では、ガス入口43と分配部S2とが、幅の狭い導入部S1を介して連通している。このため、凹部41,42でそれぞれ形成される分配流路を流れる燃料ガスの主流は、実線矢印a,bで示すように、導入部S1が延びる方向の下流側に位置しているノズル34(凹部41では右側のノズル34A、凹部42では中央及び右寄りのノズル34B)に集中して供給され、偏りが生じてしまう。
【0005】
そこで、本開示は、比較的流路の狭い分配流路での燃料ガスの流れの偏りを低減して各ノズルへ燃料ガスを均等に供給することができる燃焼装置及び給湯器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1の構成は、燃焼装置であって、
複数のバーナを収容するインナーケースと、
インナーケースに組み付けられ、
左右方向に配列されて各バーナに燃料ガスをそれぞれ噴出する複数のノズルと、燃料ガスが導入されて左右方向に延びるメイン流路と、メイン流路の上側に配置されてメイン流路と連通する燃料ガスの入口を下端に有し、ノズルの数が互いに異なる複数のノズルの群ごとにそれぞれ燃料ガスを分岐させる少なくとも2つの分配流路と、各入口を開閉可能な電磁弁と、を有するガス分配ユニットと、を含み、
各電磁弁による各入口の開閉によって各分配流路への燃料ガスの供給の有無を切り替えることで、バーナの燃焼本数が切り替え可能である。
そして、ガス分配ユニットにおいて、
他の分配流路よりもノズルの数が少ない少なくとも1つの分配流路は、入口から上方へ延びる導入部と、導入部の上端と連通してノズルが左右方向に複数配設される分配部と、を含み、
導入部は、同じ左右幅で上下方向に延びる同幅流路と、下端が同幅流路の上端と連通し、上方へ向かうに従って左右幅が拡がり、上端が分配部と連通する拡開流路と、を有する一方、
分配部には、1つの分配流路の上端から下向きに延びて複数のノズルの間を仕切る仕切壁が形成されていると共に、仕切壁は、上下方向で少なくとも一部が同幅流路とオーバーラップしていることを特徴とする。
第1の構成の別の態様は、上記構成において、分配部には、ノズルが上下二段で配設されており、仕切壁の下端は、下段のノズルよりも下方に位置していることを特徴とする。
第1の構成の別の態様は、上記構成において、導入部の入口は、同幅流路の左右方向の中心よりも左右何れか一方側へずれて配置されており、仕切壁は、左右方向の中心よりも左右他方側へずれて配置されていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本開示の第2の構成は、給湯器であって、
第1の構成の燃焼装置と、燃焼装置のバーナの燃焼排気が通過する熱交換器とを含み、熱交換器を通過する水とバーナの燃焼排気とを熱交換させて出湯可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、同幅流路から拡開流路へ流れ込む燃料ガスを仕切壁によって左右に分流させてから分配部へ供給することができる。よって、比較的流路の狭い分配流路での燃料ガスの流れの偏りを低減して各ノズルへ燃料ガスを均等に供給することができる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、分配部には、ノズルが上下二段で配設されており、仕切壁の下端は、下段のノズルよりも下方に位置しているので、燃料ガスをより上流側で左右に分流させて、仕切壁で仕切られる分配部の左右の領域において、正面視でノズルに重なる渦流を発生させることができる。このため、分配部の各ノズルへ燃料ガスをより均等に供給することができる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、導入部の入口は、同幅流路の左右方向の中心よりも左右何れか一方側へずれて配置されており、仕切壁は、左右他方側へずれて配置されているので、入口が中心から左右一方側へずれることで同幅流路を流れる燃料ガスの主流が左右他方側へ偏ることになっても、主流の下流側に仕切壁を位置させて確実に分流させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】フロントカバーを外した状態の給湯器の正面図である。
図2】ガス分配ユニットの前方からの分解斜視図である。
図3】ガス分配ユニットの後方からの分解斜視図である。
図4】本体の正面図である。
図5図1のA-A線拡大断面図である(ガス分配ユニットのみ示す)。
図6】本体の前方からの斜視図である。
図7】本体の後方からの斜視図である。
図8】従来のガス分配ユニットの本体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第2の構成に係る給湯器の一例を示す説明図で、前面のフロントカバーを外した状態の正面を示している。
給湯器1は、四角箱状の筐体2内に、第1の構成に係る燃焼装置3と、熱交換器4と、排気部5とを設置している。燃焼装置3は、図示しないバーナユニットを収容するインナーケース6を備えている。バーナユニットは、左右方向に扁平となる濃淡バーナを、左右方向に複数配列してなる。インナーケース6の前面には、互いに数が異なる濃淡バーナのバーナ群ごとに燃料ガスを分配供給するためのガス分配ユニット7が組み付けられる。
燃焼装置3の下面左側には、燃焼用空気を供給する給気ファン8が組み付けられている。燃焼装置3の下方で器具の右側には、制御回路基板を備えたコントローラ9が配置されている。排気部5には、フロントカバーを貫通して前方へ突出する左右横長の排気筒10が形成されている。
【0010】
熱交換器4は、厚み方向に並設される複数のフィンを蛇行状に貫通する伝熱管を備えたフィンチューブ式となっている。伝熱管の入側端部には、給水管11が接続され、伝熱管の出側端部には、出湯管12が接続されている。筐体2の下面には、外部の水道管が接続される水入口13と、給湯栓への外部配管が接続される湯出口14とが設けられている。給水管11の上流端が水入口13に、出湯管12の下流端が湯出口14にそれぞれ接続されている。
また、筐体2の下面には、外部のガス管が接続されるガス入口15が設けられている。ガス入口15は、筐体2内で、比例弁17及びその上流側の元電磁弁18を備えたガス比例弁ユニット16を介してガス分配ユニット7に接続されている。
ガス分配ユニット7は、インナーケース6の前面下部の開口を塞ぐ格好でインナーケース6の前面に組み付けられている。ガス分配ユニット7の上側でインナーケース6の前面には、フレームロッド19と放電電極20とが差込接続されている。
【0011】
ガス分配ユニット7は、図2及び図3に示すように、後側の本体25と、本体25に前方からネジ止めされる前側の蓋体26とで形成される横長扁平状となっている。本体25と蓋体26との間には、シール体27が介在されている。
アルミダイカスト製である本体25の下部には、後方へ突出する深底のメイン凹部28が左右方向に形成されている。メイン凹部28の右端は、下向きに折曲しており、その下端に、ガス導入口29が貫通形成されている。ガス導入口29に、ガス比例弁ユニット16の上端に設けたガス出口部(図示略)が後方から連結される。
本体25の上部には、後方へ突出して上下二段で一対となるノズル30,30が、左右方向へ20組直線状に配列されている。本体25の前面でメイン凹部28及び全てのノズル30の周囲には、前方へ突出して連続する突条からなる外周枠31が形成されている。外周枠31の内側には、ノズル30の配列を所定数ごとに仕切ると共に、メイン凹部28とその上側の領域とを仕切る仕切枠32,32・・が形成されている。この仕切枠32により、メイン凹部28の上側には、左から第1凹部33と、第2凹部34と、第3凹部35とが左右横並びで仕切形成されている。第1~第3凹部33~35は何れもメイン凹部28より浅くなっている。
【0012】
第1~第3凹部33~35は、図4にも示すように、下端から上方へ延びて左右幅が徐々に拡がる第1~第3導入部36~38と、第1~第3導入部36~38の上部と連通してノズル30の配列を含んで左右方向に延びる第1~第3分配部39~41とをそれぞれ備えている。第1分配部39にノズル30が13組配置され、第2分配部40にノズル30が4組配置され、第3分配部41にノズル30が3組配置されている。よって、第1分配部39が左右方向に最も長くなり、第1導入部36は、下端から上方へ向かうに従って左右幅が拡開して第1分配部39に繋がる正面視扇状となっている。
第2凹部34の第2導入部37は、下流路45と、中流路46と、上流路47とからなる。
下流路45は、下端左寄りに後述する第2入口56を備えている。中流路46は、下流路45の上端でやや右寄りの位置から、左右同幅で上下方向に延びている。中流路46は、上下方向で第2分配部40の左右の中心に位置しておらず、当該中心から左側へずれている。上流路47は、中流路46の上端から、上方へ向かうに従って左右幅が拡がる正面視拡開形状となって、上端が第2分配部40と連通している。
【0013】
第1分配部39内には、外周枠31の上部から下向きに形成されて13組のノズル30を所定組毎に仕切る4つの第1仕切壁50,50・・が形成されている。
第2分配部40内にも、4組のノズル30を2組毎に仕切る第2仕切壁51が形成されている。各仕切壁50,51には、蓋体26のネジ止め用のネジ孔が形成された正面視円形のネジ止め部52がそれぞれ形成されている。ネジ止め部52は、外周枠31及び仕切枠32にも形成されている。
第2分配部40内の第2仕切壁51は、第1分配部39の第1仕切壁50よりも下方へ延びる延長部53を有している。延長部53の下端は、下段のノズル30よりも下方に延びている。
第2仕切壁51は、第2分配部40の中心に対する中流路46の左側へのずれにより、中流路46の左右の中心線Lよりも右側へずれた位置に配置されている。但し、第2仕切壁51は、中流路46から右側へ完全にずれておらず、上下方向で中流路46と部分的にオーバーラップしている。
【0014】
第1~第3導入部36~38の下端には、第1~第3入口55~57が貫通形成されている。第1~第3入口55~57は、正面視が円形で、ここでは第1入口55の直径が、第2、第3入口56,57の直径よりも大径となっている。第2入口56は、第2導入部37の下流路45内で、中流路46の中心線Lよりも左側へずれた位置に配置されている。
第1~第3入口55~57の後側には、図5に示すように、後方へ突出して開口する円筒状の第1~第3弁室58~60が形成されている。第1~第3弁室58~60には、後方から第1~第3電磁弁61~63が、ネジにより着脱可能に取り付けられている。第1~第3電磁弁61~63は、第1~第3入口55~57を後方から開閉となっている。
図6及び図7に示すように、第1、第2弁室58,59は、メイン凹部28内に突出し、周面へ円弧状に形成された第1、第2開口64,65を介してメイン凹部28と連通している。
第3弁室60の左上側には、第3開口66が形成されている。第3開口66は、左右方向に延びる連絡流路67を介して、第2導入部37の下流路45における第2入口56の上側(下流側)と連通している。
【0015】
蓋体26は、外周枠31で囲まれる領域及びその外側の領域を前方から覆う板金製である。蓋体26には、メイン凹部28の前側に位置するメイン膨出部70と、第1凹部33の前側に位置する第1膨出部71と、第2凹部34の第2分配部40の前側に位置する第2膨出部72と、第3凹部35の前側に位置する第3膨出部73とがそれぞれ前方へ突出形成されている。
シール体27は、本体25のメイン凹部28及び第1~第3凹部33~35の周囲と、メイン凹部28と第1~第3凹部33~35との間と、第1~第3凹部33~35の間等で網状に繋がり、本体25と蓋体26との間をシールする。
【0016】
よって、第1~第3電磁弁61~63を組み付けた本体25の前面にシール体27を位置決めし、蓋体26を被せてネジ止めすれば、ガス分配ユニット7内には、メイン凹部28とメイン膨出部70とにより、ガス導入口29及び第1、第2開口64,65と連通するメイン流路80が形成される。また、第1凹部33と第1膨出部71とにより、第1入口55と連通する第1分配流路81が形成され、第2凹部34と第2膨出部72とにより、第2入口56と連通する第2分配流路82が形成される。そして、第3凹部35と第3膨出部73とにより、第3入口57と連通する第3分配流路83が形成される。但し、第3入口57は、第3弁室60と、前面が蓋体26に閉塞される連絡流路67とにより、第2入口56の下流側で第2分配流路82と連通することになる。
このガス分配ユニット7は、本体25をインナーケース6の前面にセットして、ガス導入口29にガス比例弁ユニット16を接続してネジで固定すれば、ガス分配ユニット7の組み付けは完了する。
【0017】
以上の如く構成された給湯器1においては、湯出口14の配管に接続される給湯栓を開栓して器具内に通水させると、これを検知したコントローラ9がガス比例弁ユニット16の元電磁弁18を開くと共に、比例弁17を点火時の所定開度に制御する。
コントローラ9は、第1~第3分配流路81~83の第1~第3電磁弁61~63を開弁動作させると共に、給気ファン8を作動させて燃焼用空気を供給させる。よって、ガス比例弁ユニット16を介して燃料ガスがガス分配ユニット7のメイン流路80に供給される。メイン流路80に流入した燃料ガスは、第1、第2開口64,65から第1、第2弁室58,59に流入し、第1、第2入口55,56を介して第1、第2分配流路81,82へ流入する。第2分配流路82に流入した燃料ガスの一部は、連絡流路67から第3開口66を介して第3弁室60に流入し、第3入口57から第3分配流路83へ流入する。各分配流路81~83に流入した燃料ガスは、各導入部36~38に沿って上昇して各分配部39~41へ拡散し、各ノズル30から各濃淡バーナに供給される。
【0018】
そして、コントローラ9によりイグナイタが作動し、放電電極20が連続放電すると、各濃淡バーナの炎孔部から噴出する混合気が燃焼する。バーナユニットの燃焼排気は、熱交換器4の伝熱管を通過する水と熱交換され、設定温度の湯となって出湯管12から出湯される。
コントローラ9は、必要な燃焼量に合わせて比例弁17の開度を調整し、ガス比例弁ユニット16からの燃料ガスの供給量を調整すると共に、給気ファン8の回転数を連続的に変化させて、所定の空燃比を維持する。
また、コントローラ9は、必要な燃焼量に合わせてガス分配ユニット7の第1~第3電磁弁61~63を開閉制御することで、各分配流路81~83ごとのバーナ群を選択して燃焼本数を段階的に制御する。
【0019】
例えば、第2分配流路82に対応する中央のバーナ群(4本の濃淡バーナ)のみを燃焼させる場合、コントローラ9は、第1電磁弁61及び第3電磁弁63を閉弁させて第2電磁弁62のみを開弁させる。よって、燃料ガスは、メイン流路80から第2弁室59を介して第2分配流路82に流入し、中央のバーナ群を燃焼させる(1段燃焼)。
また、中央のバーナ群と、右側のバーナ群(3本の濃淡バーナ)とを燃焼させる場合、コントローラ9は、第1電磁弁61を閉弁させて第2電磁弁62及び第3電磁弁63を開弁させる。よって、燃料ガスは、メイン流路80から第2弁室59を介して第2分配流路82に流入すると共に、連絡流路67及び第3弁室60を介して第3分配流路83に流入し、中央及び右側のバーナ群(7本の濃淡バーナ)を燃焼させる(2段燃焼)。
さらに、中央のバーナ群と、左側のバーナ群(13本の濃淡バーナ)とを燃焼させる場合、コントローラ9は、第1電磁弁61及び第2電磁弁62を開弁させて第3電磁弁63を閉弁させる。よって、燃料ガスは、メイン流路80から第1、第2弁室58,59を介して第1、第2分配流路81,82に流入し、中央及び左側のバーナ群(17本の濃淡バーナ)を燃焼させる(3段燃焼)。
そして、全てのバーナ群を燃焼させる場合、コントローラ9は、第1~第3電磁弁61~63を開弁させる。よって、燃料ガスは、メイン流路80から第1、第2弁室58,59を介して第1、第2分配流路81,82に流入すると共に、連絡流路67及び第3弁室60を介して第3分配流路83に流入し、全てのバーナ群(20本の濃淡バーナ)を燃焼させる(4段燃焼)。
このように20本の濃淡バーナの燃焼本数が4段階で切り替え可能となる。
【0020】
ここで、メイン流路80から第2分配流路82に燃料ガスが流入する場合、燃料ガスは、第2開口65を介して第2弁室59に流入し、第2入口56から第2分配流路82に流れ込む。
このとき燃料ガスの主流は、図4に実線矢印aで示すように、第2入口56から吹き出す勢いと、下流路45の傾斜とにより、下流路45内を右斜め上方に流れ、そのまま実線矢印bで示すように、中流路46の右寄りを上昇して上流路47に入る。しかし、第2分配部40には、中流路46に右寄りで対向する第2仕切壁51の延長部53が下向きに形成されているので、燃料ガスの主流は、実線矢印cで示すように、延長部53によって左右に分流されて、第2分配部40の左右の領域において、正面視でノズル30に重なる渦流をそれぞれ発生させる。
よって、燃料ガスは、第2分配部40において第2仕切壁51で仕切られる左右の領域の2組のノズル30へそれぞれ均等に供給されることになる。
【0021】
上記形態の燃焼装置3及び給湯器1は、複数のバーナを収容するインナーケース6と、インナーケース6に組み付けられ、左右方向に配列されて各バーナに燃料ガスをそれぞれ噴出する複数のノズル30と、燃料ガスが導入されて左右方向に延びるメイン流路80と、メイン流路80の上側に配置されてメイン流路80と連通する燃料ガスの第1~第3入口55~57(入口の一例)を下端に有し、ノズル30の数が互いに異なる複数のノズル30の群ごとにそれぞれ燃料ガスを分岐させる第1~第3分配流路81~83(少なくとも2つの分配流路の一例)と、第1~第3入口55~57を開閉可能な第1~第3電磁弁61~63(電磁弁の一例)と、を有するガス分配ユニット7と、を含む。
そして、燃焼装置3は、第1~第3電磁弁61~63による第1~第3入口55~57の開閉によって第1~第3分配流路81~83への燃料ガスの供給の有無を切り替えることで、バーナの燃焼本数が切り替え可能である。
このガス分配ユニット7において、第1分配流路81(他の分配流路の一例)よりもノズル30の数が少ない第2分配流路82(少なくとも1つの分配流路の一例)は、第2入口56から上方へ延びる第2導入部37(導入部の一例)と、第2導入部37の上端と連通してノズル30が左右方向に複数配設される第2分配部40(分配部の一例)と、を含み、第2導入部37は、同じ左右幅で上下方向に延びる中流路46(同幅流路の一例)と、下端が中流路46の上端と連通し、上方へ向かうに従って左右幅が拡がり、上端が第2分配部40と連通する上流路47(拡開流路の一例)と、を有する。
そして、第2分配部40には、第2分配流路82の上端から下向きに延びて複数のノズル30の間を仕切る第2仕切壁51(仕切壁の一例)が形成されていると共に、第2仕切壁51は、上下方向で一部が中流路46とオーバーラップしている。
この構成によれば、中流路46から上流路47へ流れ込む燃料ガスを第2仕切壁51によって左右に分流させてから第2分配部40へ供給することができる。よって、比較的流路の狭い第2分配流路82での燃料ガスの流れの偏りを低減して各ノズル30へ燃料ガスを均等に供給することができる。
【0022】
第2分配部40には、ノズル30が上下二段で配設されており、第2仕切壁51の延長部53の下端は、下段のノズル30よりも下方に位置している。
よって、燃料ガスをより上流側で左右に分流させて、第2仕切壁51で仕切られる第2分配部40の左右の領域において、正面視でノズル30に重なる渦流を発生させることができる。このため、第2分配部40の各ノズル30へ燃料ガスをより均等に供給することができる。
第2導入部37の第2入口56は、中流路46の左右の中心線L(左右方向の中心の一例)よりも左側(左右何れか一方側の一例)へずれて配置されており、第2仕切壁51は、左右の中心線Lよりも右側(左右他方側の一例)へずれて配置されている。
よって、第2入口56が中心線Lから左側へずれることで中流路46を流れる燃料ガスの主流が右側へ偏ることになっても、主流の下流側に第2仕切壁51を位置させて確実に分流させることができる。
【0023】
次に、本開示の変更例について説明する。
上記形態では、中流路の中心線に対して第2入口が左側、第2仕切壁が右側にそれぞれずれているが、これを逆にして、第2入口が右側、第2仕切壁が左側にそれぞれずれていてもよい。また、入口と仕切壁とが共に当該中心線の左右何れかの同じ側へずれていてもよい。
但し、入口と仕切壁とは左右にずれている必要はなく、どちらも同幅流路の中心線上にあってもよい。
仕切壁は、同幅流路から流れる燃料ガスを左右に分流できれば、上記形態のような延長部をなくして、下端が下段のノズルより下方に位置しない長さで形成してもよい。
上記形態では、下流路を中流路に対して傾斜させているが、両流路を一直線上に連続形成してもよい。
分配部のノズルの数は、上記形態に限定せず、適宜増減できる。ノズルは上下二段でなくてもよい。
【0024】
上記形態では、第2分配流路と第3分配流路とを連絡流路で連通させているが、連絡流路をなくして第2分配流路と第3分配流路とをそれぞれ独立して形成してもよい。
メイン流路及び各分配流路の形態は、上記形態に限らない。例えば、メイン流路は、ガス導入口を左右逆に配置してもよい。分配流路の数も適宜増減可能である。よって、同幅流路を含む導入部と仕切壁とを設ける分配流路は、上記形態のように2番目にノズルの数が少ない第2分配流路に限らない。例えば、上記形態では最もノズルの数が少ない第3分配流路に本開示を適用してもよいし、複数の分配流路に本開示を採用してもよい。
給湯器自体の構成も上記形態に限らない。例えば、二次熱交換器を備えて潜熱を回収するタイプ、排気筒が上向きに突出するタイプ、風呂回路や暖房回路を併設するタイプであっても各開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0025】
1・・給湯器、2・・筐体、3・・燃焼装置、4・・熱交換器、5・・排気部、6・・インナーケース、7・・ガス分配ユニット、9・・コントローラ、11・・給水管、12・・出湯管、16・・ガス比例弁ユニット、25・・本体、26・・蓋体、27・・シール体、28・・メイン凹部、29・・ガス導入口、30・・ノズル、31・・外周枠、32・・仕切枠、33・・第1凹部、34・・第2凹部、35・・第3凹部、36・・第1導入部、37・・第2導入部、38・・第3導入部、39・・第1分配部、40・・第2分配部、41・・第3分配部、45・・下流路、46・・中流路、47・・上流路、50・・第1仕切壁、51・・第2仕切壁、53・・延長部、55・・第1入口、56・・第2入口、57・・第3入口、58・・第1弁室、59・・第2弁室、60・・第3弁室、61・・第1電磁弁、62・・第2電磁弁、63・・第3電磁弁、64・・第1開口、65・・第2開口、66・・第3開口、67・・連絡流路、80・・メイン流路、81・・第1分配流路、82・・第2分配流路、83・・第3分配流路、L・・中流路の左右の中心線。
図1
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