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特開2024-109421ワイヤレス給電システム及び給電装置
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  • 特開-ワイヤレス給電システム及び給電装置 図1
  • 特開-ワイヤレス給電システム及び給電装置 図2
  • 特開-ワイヤレス給電システム及び給電装置 図3
  • 特開-ワイヤレス給電システム及び給電装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109421
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】ワイヤレス給電システム及び給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20240806BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20240806BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/12
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014205
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】井上 実
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
5G503GD04
(57)【要約】
【課題】簡素な構成で交流電力に信号を重畳して授受できるワイヤレス給電システム及び給電装置を提供する。
【解決手段】ワイヤレス給電システムは、電力を高周波磁束に変換して給電コイルからワイヤレス送信する給電装置と、電動モビリティに搭載され、前記給電装置からの高周波磁束を受電する受電コイルを備えてバッテリへ電力を出力する受電装置とを含むワイヤレス給電システムであって、前記受電装置は、前記受電コイルに対して設けられるキャパシタと、前記キャパシタの前記受電コイルへの接続と非接続とを切り換えるスイッチと、前記高周波磁束の周期よりも長い所定周期に同期して前記スイッチのON/OFFを制御する制御基板とを備え、前記給電装置は、前記制御基板の制御によって発生する前記給電コイルにおける高周波電流の振幅の変化に基づき、前記受電装置から送信されるバイナリデータを取り出す復調器を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を高周波磁束に変換して給電コイルからワイヤレス送信する給電装置と、電動モビリティに搭載され、前記給電装置からの高周波磁束を受電する受電コイルを備えてバッテリへ電力を出力する受電装置とを含むワイヤレス給電システムであって、
前記受電装置は、
前記受電コイルに対して設けられるキャパシタと、
前記キャパシタの前記受電コイルへの接続と非接続とを切り換えるスイッチと、
前記高周波磁束の周期よりも長い所定周期に同期して前記スイッチのON/OFFを制御する制御基板と
を備え、
前記給電装置は、
前記制御基板の制御によって発生する前記給電コイルにおける高周波電流の振幅の変化に基づき、前記受電装置から送信されるバイナリデータを取り出す復調器を備える
ワイヤレス給電システム。
【請求項2】
電力を高周波磁束に変換して給電コイルからワイヤレス送信する給電装置と、電動モビリティに搭載され、前記給電装置からの高周波磁束を受電する受電コイルを備えてバッテリへ電力を出力する受電装置とを含むワイヤレス給電システムであって、
前記給電装置は、
前記給電コイルに対して設けられるキャパシタと、
前記キャパシタの前記給電コイルへの接続と非接続とを切り換えるスイッチと、
前記高周波磁束の周期よりも長い所定周期に同期して前記スイッチのON/OFFを制御する制御基板と
を備え、
前記受電装置は、
前記制御基板の制御によって発生する前記受電コイルにおける高周波電流の振幅の変化に基づき、前記給電装置から送信されるバイナリデータを取り出す復調器を備える
ワイヤレス給電システム。
【請求項3】
前記スイッチ及びキャパシタを直列接続されたスイッチ回路が、前記受電コイル又は給電コイルに並列接続されている、
請求項1又は2に記載のワイヤレス給電システム。
【請求項4】
前記復調器は、前記所定周期の間に、前記高周波電流の振幅が所定の閾値以上となった回数が所定回数以上である場合に信号レベルを高レベルに判別し、所定回数未満である場合に信号レベルを低レベルに判別し、信号レベルの高低に応じてバイナリデータを出力する
請求項1又は2に記載のワイヤレス給電システム。
【請求項5】
前記キャパシタは、前記受電コイル又は給電コイルの共振キャパシタの一部として機能するキャパシタであって、
前記制御基板は、前記共振キャパシタの一部の前記受電コイル又は給電コイルへの接続と非接続とを切り換えさせる
請求項1又は2に記載のワイヤレス給電システム。
【請求項6】
請求項1に記載の給電システムにおける給電装置であって、
前記制御基板は、前記復調器にて取り出されたバイナリデータから、前記電動モビリティのバッテリにおける充電状態を含む受電側情報を取得する
給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モビリティへのワイヤレス給電を実施するワイヤレス給電システム及び給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量のリチウムイオン電池を駆動用バッテリとし、駆動用バッテリに蓄積された電力で走行用のモータを駆動する電動モビリティが普及し始めている。バッテリを駆動エネルギー源とする電動モビリティは、電気自動車のみならず、無人搬送車、フォークリフト、所謂ドローン等の飛行体、電気推進船等の水上モビリティ等を含む。これらの電動モビリティに搭載された駆動用バッテリへの給電方法として、電力ケーブル経由ではなく、無線によって給電するワイヤレス給電システムが実用化されている。
【0003】
有線による給電システムでは、コントロールパイロット信号など、給電装置と電動モビリティ側の充電制御装置との間で情報を授受するための通信信号が用いられている。ワイヤレス給電システムにおいても、給電装置と電動モビリティ側の充電制御装置との間で情報を授受するために、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を用いる場合がある。このように、ワイヤレス給電システムで電力の授受の制御のためのみの無線通信装置を用いる場合、混線を回避するために処理を複雑化させたり、単純に装置構成が大型化したりなどの問題があった。
【0004】
そこで特許文献1には、ワイヤレス給電システムにおける給電装置から電気自動車のバッテリに向けて送信する交流電力に制御信号を重畳して装置構成を簡素化するシステムが開示されている。特許文献1に開示されている重畳方法では、給電装置に、給電用の交流電力を出力する発信器に対し、変調器、増幅器及び共鳴コイルを設けている。そして電力を受け取る受電装置は、供給電力を受信する共鳴コイルに対し、大電力の交流電力と小電力との交流電力とを分配する分配器と、分配器によって分けられた小電力から制御信号を復調する復調器を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-068632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1つの側面において、本発明は、簡素な構成で交流電力に信号を重畳して授受できるワイヤレス給電システム及び給電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態のワイヤレス給電システムは、電力を高周波磁束に変換して給電コイルからワイヤレス送信する給電装置と、電動モビリティに搭載され、前記給電装置からの高周波磁束を受電する受電コイルを備えてバッテリへ電力を出力する受電装置とを含むワイヤレス給電システムであって、前記受電装置は、前記受電コイルに対して設けられるキャパシタと、前記キャパシタの前記受電コイルへの接続と非接続とを切り換えるスイッチと、前記高周波磁束の周期よりも長い所定周期に同期して前記スイッチのON/OFFを制御する制御基板とを備え、前記給電装置は、前記制御基板の制御によって発生する前記給電コイルにおける高周波電流の振幅の変化に基づき、前記受電装置から送信されるバイナリデータを取り出す復調器を備える。
【0008】
本開示の一実施形態のワイヤレス給電システムは、電力を高周波磁束に変換して給電コイルからワイヤレス送信する給電装置と、電動モビリティに搭載され、前記給電装置からの高周波磁束を受電する受電コイルを備えてバッテリへ電力を出力する受電装置とを含むワイヤレス給電システムであって、前記給電装置は、前記給電コイルに対して設けられるキャパシタと、前記キャパシタの前記給電コイルへの接続と非接続とを切り換えるスイッチと、前記高周波磁束の周期よりも長い所定周期に同期して前記スイッチのON/OFFを制御する制御基板とを備え、前記受電装置は、前記制御基板の制御によって発生する前記受電コイルにおける高周波電流の振幅の変化に基づき、前記給電装置から送信されるバイナリデータを取り出す復調器を備える。
【0009】
本開示のワイヤレス給電システムでは、受電装置側、あるいは給電装置側に、コイルに対して設けられるキャパシタの接続と非接続とを切り換えることによって、コイルに流れる高周波電流の振幅に変化を生じさせる。振幅の変化は、高周波磁束の周期よりも十分に、例えば数十倍長い周期で生じる。振幅の変化を捉える復調器を、相手側のコイルに設けることで、キャパシタ及びその接続と非接続とを切り換えるスイッチを設ける程度の構成で、情報量は少なくとも受電装置側又は給電装置側からの電力の授受に関する情報を受け取ることが可能になる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、簡易な構成で、高周波の電力に信号を重畳し、電力の授受に関する情報を授受することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態のワイヤレス給電システムの構成を示すブロック図である。
図2】給電コイルにおける電流変化を示すタイムチャートである。
図3】振幅変化からバイナリデータへの復調方法の概要図である。
図4】第2実施形態のワイヤレス給電システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。以下の実施の形態では、本開示の通信方法を実施するワイヤレス給電システムについて説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のワイヤレス給電システム100の構成を示すブロック図である。ワイヤレス給電システム100は、給電装置1と、電気自動車などの電動モビリティに設けられた受電装置2とを含む。給電装置1は、交流電源Eからの電力を高周波信号に変換してワイヤレス送信する。受電装置2は、給電装置1からの高周波信号を電磁誘導により受電し、これをバッテリ3へ出力する。
【0014】
第1実施形態のワイヤレス給電システム100では、給電装置1から受電装置2へ送信ンされる電力の高周波信号に対して、受電装置2側で高周波信号の出力に変化を生じさせ、これを給電装置1側で検知してバイナリデータとして受け取る。
【0015】
給電装置1は、整流回路11と、平滑化回路12と、フィルタ回路13と、インバータ回路14と、給電コイル15と、インバータ駆動回路16と、復調器17と、制御基板18とを含む。
【0016】
整流回路11は、複数のダイオードを含み、交流電源Eからの交流電力を整流する。平滑化回路12は、平滑化リアクトル等を含み、整流された入力電流を電圧と同相の信号波形とする。フィルタ回路13は、キャパシタ及びリアクトルを含み、平滑化回路12の後段の電力信号から不要な高周波成分を除去する。インバータ回路14は、複数のスイッチング素子を備え、スイッチング素子のスイッチング制御により、フィルタ回路13を通過した電力信号を高周波信号へ変換する。給電コイル15は、コイル151とキャパシタ152とが直列接続された直列共振回路により、インバータ回路14からの高周波信号を高周波磁束へ変換する。これにより、給電コイル15は、電磁誘導を通じて高周波信号を受電装置2へワイヤレス送電する。給電コイル15は、直列共振回路に限らず並列共振回路であってもよい。
【0017】
インバータ駆動回路16は、制御基板18からのデジタル信号による制御に基づいてインバータ回路14内のスイッチング素子への駆動信号を出力する。
【0018】
復調器17は、給電コイル15における高周波信号の出力(振幅)をモニタし、その変化から、バイナリデータを取り出す。復調器17は、後述の判別処理を実行するように回路素子によって構成されている。復調器17は、制御基板18に含まれていてもよいし、プロセッサ及びメモリを用いてソフトウェア的に構成されてもよい。復調器17は、取り出したバイナリデータを制御基板18へ出力する。
【0019】
制御基板18は、プロセッサ及びメモリを用いて構成されている。制御基板18は、インバータ駆動回路16を介してインバータ回路14を制御すると共に、整流回路11等の他の構成部を制御する。制御基板18は、復調器17から出力されるバイナリデータである、受電装置2からの充電状態等の充電状況を含む受電側情報を取得できる。制御基板18は、受電装置2から取得できる受電側情報に基づき、給電電力を調整する。
【0020】
受電装置2は、受電コイル21と、整流回路22と、フィルタ回路23と、スイッチ回路24と、変換器25と、制御基板26とを含む。
【0021】
受電コイル21は、コイルとキャパシタとが直列接続された直列共振回路により、給電装置1から出力される高周波磁束を高周波信号へ変換する。これにより、受電コイル21は、電磁誘導を通じて高周波信号を受電することができる。整流回路22は、複数のダイオードを含み、受電コイル21から出力される高周波信号を整流する。フィルタ回路23は、リアクトル及びキャシタを含み、高周波信号から不要な高周波成分を除去し、バッテリ3へ向けて出力する。
【0022】
受電コイル21と整流回路22との間には、高周波信号に変化を生じさせるためのスイッチ回路24が並列接続されている。スイッチ回路24は、スイッチSWp及びキャパシタCpを直列に接続して構成される。スイッチSWpは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor )であって、変換器25を介して制御基板26からの制御によってON/OFFが切り替わる。スイッチSWpのON/OFFによって、キャパシタCpの並列接続/非接続が切り替わり、給電装置1側の給電コイル15における電流の出力に変化を生じさせる(図2参照)。
【0023】
制御基板26は、プロセッサ及びメモリを用いて構成されている。制御基板26は、入力されるデジタル信号に基づきスイッチSWpのON/OFFを制御する信号を出力する変換器25を介して、スイッチ回路24のスイッチSWpに接続されている。これにより、制御基板26は、スイッチSWpのON/OFFを制御する。制御基板26は、バッテリ3への出力端子に接続されており、バッテリ3の充電状態(電圧)を取得可能である。制御基板26は、バッテリ3の充電状態を含む受電側情報を、給電装置1側の給電コイル15の電流の出力変更によって、給電装置1側へ出力できる。
【0024】
図2は、給電コイル15における電流変化を示すタイムチャートである。図2Aは、給電コイル15における電流のタイムチャートを示し、図2Bは、キャパシタCpの接続/非接続の状態のタイムチャートを示す。図2A及び図2Bの横軸は、時間を示し、図2Aの縦軸は波形の振幅を示し、図2Bの縦軸は、キャパシタCpの接続状態の論理値を示す。図2Aに示す給電コイル15に掛かる電流(高周波信号)は、数十kHz~十数MHzの周波数が用いられる。これに対し、受電装置2の制御基板26は、図2Bに示すように、数十分の1から百分の1以下の周波数(例えば1kHz)でスイッチSWpをON/OFFして、キャパシタCpを接続させたり、非接続とさせる。このときの周波数を、以下、受電側情報周波数という。
【0025】
図2Aに示すように、給電コイル15における電流は、スイッチSWpのON/OFFにより、振幅が変化している。振幅の変化は、給電装置1から給電する電力量に影響はない程度である。復調器17は、この振幅の変化を捉える。
【0026】
図3は、振幅変化からバイナリデータへの復調方法の概要図である。図3は、図2Aで示した給電コイル15の電流の振幅の拡大図である。給電装置1の復調器17は、図3に示すように給電コイル15の電流の振幅を、受電側情報周波数よりも大きく、給電コイル15に掛かる高周波信号よりも十分に小さい周波数でサンプリングし、設定されている閾値以上であるか否かを、逐次判断する。復調器17は、受電側情報周波数の逆数である期間Tr毎に、閾値以上となった回数がN回以上である場合にはH:High、閾値以上となった回数がN回未満である場合にはL:Low と判別する。期間Trは、閾値未満であることが複数回続いてから閾値以上であると連続して判断できたタイミングから、周期をカウントするとよい。N回は、復調器17に設定されている。このように、周波数を十分に異なら締め、所定回数(N)以上閾値を超えた場合に初めて信号レベルをHと判別することにより、振幅の変化を電力量に影響しない程度に小さくしていても、情報の伝達が可能である。
【0027】
復調器17は、期間Trに対してHと判別した場合に「1」とし、Lと判別した場合に「0」としてバイナリデータを出力してもよいし、連続する期間TrでH→LもしくはL→Hの場合は「1」、連続してHH、LLの場合に「0」として、バイナリデータを出力してもよい。信号の重畳は、複数回同一のデータが送られるなど冗長化させることで、バイナリデータを取り出す際に情報の欠落があったとしても、伝達される情報の内容の正確性を向上させることができる。
【0028】
これにより、給電のための交流電力と制御信号とを分配する必要がなくなり、分配器が不要になり、受電側の小型化に寄与する。また、充電電力と制御信号を分けることなく、充電電力を数十Wから百数十Wで変換させれば、外乱ノイズによる影響を受けずに済みノイズ耐性向上が期待できる。
【0029】
(第2実施形態)
第2実施形態では、給電装置1側にスイッチ回路を設け、給電側情報を、受電装置2側へ出力する。図4は、第2実施形態のワイヤレス給電システム100の構成を示すブロック図である。第2実施形態におけるワイヤレス給電システム100のうち、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0030】
第2実施形態の給電装置1は、整流回路11と、平滑化回路12と、フィルタ回路13と、インバータ回路14と、給電コイル15と、インバータ駆動回路16と、制御基板18とに加え、スイッチ回路191と、変換器192とを備える。
【0031】
スイッチ回路191は、第1実施形態の受電装置2のスイッチ回路24と同様に、スイッチSWp及びキャパシタCpを直列に接続して構成される。スイッチ回路191のスイッチSWpは、変換器192を介して制御基板18からの制御によってON/OFFが切り替わる。スイッチSWpのON/OFFによって、スイッチ回路191のキャパシタCpの並列接続/非接続が切り替わり、受電装置2側の受電コイル21における電流の出力に変化を生じさせる。
【0032】
第2実施形態では、受電装置2は、受電コイル21と、整流回路22と、フィルタ回路23と、制御基板26と、復調器27とを含む。復調器27は、受電コイル21における高周波信号の出力(振幅)をモニタし、その変化から、バイナリデータを取り出す。復調器27は、取り出したバイナリデータを制御基板26へ出力する。受電装置2の制御基板26も、復調器27から出力されるバイナリデータである、給電装置1からの給電状況を含む給電側情報を取得できる。制御基板26は、給電装置1から取得できる給電側情報に基づき、充電準備や開始・終了シーケンスを実施できる。
【0033】
第1実施形態及び第2実施形態のいずれにおいても、受電装置2のスイッチ回路24は受電コイル21に対して並列に接続され、給電装置1のスイッチ回路191は給電コイル15に対して並列に接続され、このキャパシタCpの接続をスイッチSWpをON/OFF制御させた。しかしながら、スイッチSWpの制御対象として、受電コイル21の共振キャパシタを用いて給電コイル15におけるコイル電流を変化させることも可能であり、同様にして給電コイル15の共振キャパシタのON/OFFを制御して受電コイル21のコイル電流を変化させてもよい。これにより、部品点数を更に少なくすることができる。
【0034】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0035】
特許請求の範囲に記載されている複数の請求項に関して、引用形式に関わらず、相互に組み合わせることが可能である。特許請求の範囲では、複数の請求項に従属する多項従属請求項が記載されている。特許請求の範囲では、多項従属請求項に従属する多項従属請求項は記載されていないが、多項従属請求項に従属する多項従属請求項を記載してもよい。
【符号の説明】
【0036】
100 ワイヤレス給電システム
1 給電装置
15 給電コイル
17 復調器
18 制御基板
191 スイッチ回路
192 変換器
2 受電装置
21 受電コイル
24 スイッチ回路
25 変換器
26 制御基板
27 復調器
SWp スイッチ
Cp キャパシタ
図1
図2
図3
図4