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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109422
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】支援装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240806BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G07G1/12 321P
G07G1/12 321H
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014206
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井下 武志
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142DA08
3E142EA04
3E142FA03
3E142FA42
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】クレジット決済に要する手間や所要時間を減らしレジシステムの運用効率を高めることができる支援装置を提供する。
【解決手段】支援装置は、クレジット決済にかかるカード情報の入力操作を支援するものであって、取引対象の商品の情報を登録する登録装置から取引額を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記取引額が閾値を下回る場合には、非接触ICの無線読み取り、磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りの全ての読取方式を、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第1案内画面を表示し、前記取引額が閾値を上回る場合には、非接触ICの無線読み取りを除く磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りを、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第2案内画面を表示する案内部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレジット決済にかかるカード情報の入力操作を支援する支援装置であって、
取引対象の商品の情報を登録する登録装置から取引額を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記取引額が閾値を下回る場合には、非接触ICの無線読み取り、磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りの全ての読取方式を、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第1案内画面を表示し、前記取引額が閾値を上回る場合には、非接触ICの無線読み取りを除く磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りを、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第2案内画面を表示する案内部と、
を備える支援装置。
【請求項2】
前記案内部は、前記第2案内画面を表示した場合に、非接触ICの無線読み取りによるカード情報の入力があると、当該入力が無効であることを案内する
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記案内部は、前記第2案内画面に、カード情報の入力に非接触ICの無線読み取りが利用できないことの案内を含める
請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
クレジット決済にかかるカード情報の入力操作を支援する支援装置が備えるコンピュータを、
取引対象の商品の情報を登録する登録装置から取引額を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記取引額が閾値を下回る場合には、非接触ICの無線読み取り、磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りの全ての読取方式を、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第1案内画面を表示し、前記取引額が閾値を上回る場合には、非接触ICの無線読み取りを除く磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りを、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第2案内画面を表示する案内部と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
取引対象の商品の情報を登録する登録装置と、クレジット決済にかかるカード情報の入力操作を支援する支援装置と、を含む取引管理システムであって、
前記支援装置が、
前記登録装置から取引額を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記取引額が閾値を下回る場合には、非接触ICの無線読み取り、磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りの全ての読取方式を、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第1案内画面を表示し、前記取引額が閾値を上回る場合には、非接触ICの無線読み取りを除く磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りを、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第2案内画面を表示する案内部と、
を備える取引管理システム。
【請求項6】
取引対象の商品の情報を管理するサーバ装置が備えるコンピュータを、
取引額が閾値を下回る場合には、非接触ICの無線読み取り、磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りの全ての読取方式を、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第1案内画面を表示し、前記取引額が閾値を上回る場合には、非接触ICの無線読み取りを除く磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りを、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第2案内画面を表示する案内部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クレジット決済を行う端末装置において、クレジットカード情報を取得するにあたり、従来は、磁気テープの読み取り、ICチップに接触しての読み取り、および非接触ICの無線読み取りの、3種類の読取方式を利用可能である。このような従来の端末装置においては、クレジット決済にあたってクレジット情報を読み取らせる操作を行う操作者に対し、どの方式での読み取りを受け付けているかを案内する案内画面を表示している。
【0003】
ところで、取引額が上限(例えば上限金額が1万円)を超えた場合、非接触ICの無線読み取りによるクレジット情報の取得は、認められていない。しかしながら、上述の従来の案内画面では、取引額にかかわらず非接触ICの無線読み取りをも、案内している。このため、従来の端末装置では、利用できない取引額のときに、非接触ICの無線読み取りによるクレジット情報の取得が行われた場合には、改めて別の読取方式での操作を求めている。
【0004】
上述のような処理の流れであると、二度手間であるのでユーザの満足度が低下するばかりか、チェックアウト完了までに要する時間が長くなってしまうので、好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、クレジット決済に要する手間や所要時間を減らしレジシステムの運用効率を高めることができる支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の支援装置は、クレジット決済にかかるカード情報の入力操作を支援するものであって、取引対象の商品の情報を登録する登録装置から取引額を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記取引額が閾値を下回る場合には、非接触ICの無線読み取り、磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りの全ての読取方式を、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第1案内画面を表示し、前記取引額が閾値を上回る場合には、非接触ICの無線読み取りを除く磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取りを、カード情報の入力に利用可能であることを案内する第2案内画面を表示する案内部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態の取引管理システムの構成例を示す模式図である。
図2図2は、登録装置の主たるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、会計装置の主たるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、会計装置の制御部が有する機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、取引管理システムによる取引処理の一例を示す図である。
図6図6は、3面待ち画面の一例を示す図である。
図7図7は、2面待ち画面の一例を示す図である。
図8図8は、第2実施形態に係る取引管理システムの構成例を示す模式図である。
図9図9は、第2実施形態の取引管理システムによる取引処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、支援装置を、店員が商品登録に係る操作を行い顧客が支払いに係る操作を行うセミセルフPOSシステムにおいて支払いに係る操作を受ける会計装置とした例について説明するが、これに限らない。例えば、実施にあたっての支援装置は、顧客が支払いに係る操作を行う会計装置であってよい。例えば、顧客が商品登録および支払いに係る操作を行うセルフPOS端末であってもよいし、1台の会計装置において店員が商品登録に係る操作を行い顧客が支払いに係る操作を行う対面型のPOS端末であってもよい。また、支援装置は店員が支払いに係る操作を行う会計装置であってもよい。
【0009】
また、以下に説明する実施形態では、登録装置は自装置が備える記憶部に商品情報を登録することによって商品登録を実行するが、これに限らない。登録装置は、例えば、店舗によって別途管理されるサーバ装置に商品情報を登録するものであってもよい。より詳細には、登録装置は、入力された商品識別情報を一時的に記憶してサーバ装置に送信し、当該商品識別情報に対応する商品情報を当該サーバ装置に登録させるものであってもよい。言い換えれば、登録装置は、商品情報の一部である商品識別情報を一時的に記憶(登録)するものであってもよい。本明細書において、登録装置が商品情報を登録するとは、登録装置が入力された商品識別情報に基づいて商品情報を自装置の記憶部に登録すること、および外部記憶装置に登録させることを含む概念であるものとする。
【0010】
図1は、第1実施形態に係る取引管理システム1の構成例を示す模式図である。取引管理システム1は、複数の登録装置2と、複数の会計装置3とを備えている。各登録装置2はそれぞれカウンタ5の上に設置されている。各会計装置3の隣には、商品カゴを置くための載置台4がそれぞれ設置されている。各登録装置2には、それぞれ2台の会計装置3が接続インターフェース6を介して通信可能に接続されている。
【0011】
登録装置2は、店員Oによって操作される。登録装置2は、顧客Cが購入(取引)する商品について登録処理を実行する。登録処理は、商品登録、および取引額の算出を含む。
【0012】
本実施形態の会計装置3は、支援装置の一例である。会計装置3は、顧客Cによって操作される。会計装置3は、登録装置2から取引情報を取得して会計処理を実行する。取引情報は、顧客が会計装置3で支払いを行うために必要な情報であって、商品登録された商品の商品情報(商品名、単価、個数など)や取引額などを含む。会計処理は、顧客が支払いを行うために会計装置3が実行する処理である。会計処理は、現金決済においては、例えば、取引情報の表示、釣銭額の算出および釣銭の払出等であり、キャッシュレス決済においては、決済事業者の決済サーバとの各種情報の送受信等である。キャッシュレス決済には、クレジット決済の他、電子マネーによる決済や、バーコードや二次元コードを用いたコード決済がある。なお、登録装置2がサーバ装置8(後述)に商品情報を登録させる場合、会計装置3はサーバ装置8から取引情報を取得する。
【0013】
取引管理システム1による顧客Cの取引の流れの概略は、次のとおりである。例えば、登録装置2は、顧客Cの購入商品の商品情報と取引金額とを含む取引情報を生成する。登録装置2は、自装置に接続された会計装置3のいずれか一方をデータ転送先として選択して取引情報を転送する。顧客Cは、登録装置2から取引情報が転送された会計装置3に移動して、当該会計装置3を操作して支払いを行う。
【0014】
登録装置2は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク7により、店舗のバックヤードに設置されたサーバ装置8と接続されている。サーバ装置8は、店舗の各種情報を管理する。
【0015】
図2は、登録装置2の主たるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。登録装置2は、制御部20と、記憶部21と、表示部22と、操作部23と、通信部24とを備える。また登録装置2は、ブザーやスピーカー、表示灯などを、さらに備えていてもよい。なお、表示灯は、複数色のランプが積層状態で設けられたタワー状の機器である。これらの各部(制御部20、記憶部21、表示部22、操作部23、通信部24等)は、バス29等により互いに通信可能に接続されている。
【0016】
表示部22は、例えば液晶パネルで構成されており、登録装置2の操作者(ここでは店員O)に向けた各種情報を表示する。操作部23は、制御部20に情報を入力するためのもので、キーボードやタッチパネルなどで構成される。
【0017】
通信部24は、制御部20が外部装置(会計装置3やサーバ装置8等)と通信するためのインターフェースである。当該通信により、制御部20は外部装置と情報(データ)の送受信を行う。
【0018】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータ構成となっている。
【0019】
CPU201は登録装置2の全体の動作を制御する。ROM202は、各種のプログラムや情報などを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶されたプログラムや情報をRAM203に展開して実行することによって各種処理部として機能し、登録装置2の各種制御処理を実行する。
【0020】
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部21は、制御プログラム211、商品マスタ212、上述の取引情報213などを記憶する。
【0021】
制御プログラム211は、例えば、外部機器(会計装置3やサーバ装置8等)と情報を送受信する機能や、操作部23が受ける操作に基づいて商品を登録(取引情報213を生成)する機能などを、制御部20が実現するためのプログラムなどである。
【0022】
図3は、会計装置3の主たるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。会計装置3は、制御部30と、記憶部31と、表示部32と、操作部33と、通信部34と、釣銭機35と、コードリーダ36と、磁気リーダ37と、ICリーダ38と、NFCリーダ39と、プリンタ40とを備える。また会計装置3は、ブザーやスピーカー、表示灯などを、さらに備えていてもよい。これらの各部(制御部30、記憶部31、表示部32、操作部33、通信部34、釣銭機35、コードリーダ36、磁気リーダ37、ICリーダ38、NFCリーダ39、およびプリンタ40等)は、バス41等により互いに通信可能に接続されている。
【0023】
表示部32は、例えば液晶パネルで構成されており、会計装置3の操作者に向けた各種情報を表示する。操作部33は、制御部30に情報を入力するためのもので、キーボードやタッチパネルなどで構成される。
【0024】
通信部34は、制御部30が外部装置(登録装置2やサーバ装置8等)と通信するためのインターフェースである。当該通信により、制御部30は外部装置と情報(データ)の送受信を行う。
【0025】
釣銭機35は、紙幣や硬貨の入出金を行う機器で、顧客から現金による入金を受け付け、入金額が取引額よりも多い場合、差引額(釣銭)を現金で出金する。
【0026】
コードリーダ36は、バーコードや二次元コードなどのコードシンボルを読み取り、デコードした情報を出力する。
【0027】
磁気リーダ37は、クレジットカードを通すためのスリットの近くに設けられ、クレジットカードに付された磁気テープに記録された情報を読み取る。ICリーダ38は、クレジットカード等に付されたICチップが記憶する情報を読み取る。
【0028】
NFCリーダ39は、NFC(Near Field Communication)技術に対応した通信部であって、非接触ICが記憶するクレジットカード情報や電子マネー情報を、近距離無線通信にて読み取る。なお、非接触ICは、クレジットカード等のカード類や、スマートフォン等の携帯端末などに付されている。なお、磁気リーダ37、ICリーダ38およびNFCリーダ39は会計装置に対して外付けされる装置であってもよい。また磁気リーダ37、ICリーダ38およびNFCリーダ39は互いに別体の装置であっても同一の装置(いわゆる決済端末)であってもよい。
【0029】
プリンタ40は、会計処理後に、レシート用紙に取引情報を印刷して出力する。
【0030】
制御部30は、CPU301、ROM302、RAM303を備えたコンピュータ構成となっている。
【0031】
CPU301は会計装置3の全体の動作を制御する。ROM302は、各種のプログラムや情報などを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。制御部30は、CPU301がROM302や記憶部31に記憶されたプログラムや情報をRAM303に展開して実行することによって各種処理部として機能し、会計装置3の各種制御処理を実行する。
【0032】
記憶部31は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部31は、制御プログラム311、取引情報312などを記憶する。
【0033】
制御プログラム311は、例えば、外部機器(登録装置2やサーバ装置8等)と情報を送受信する機能、操作部33が受ける操作に基づいて取引情報312にかかる会計処理を行う機能などを、制御部30が実現するためのプログラムなどである。
【0034】
図4は、会計装置3の制御部30が有する機能構成の一例を示すブロック図である。プログラムの実行により、制御部30は、送受信部3001や、案内部3002、決済処理部3003などの各種処理部を実現する。
【0035】
送受信部3001は、取引対象の商品の情報を登録する登録装置から取引額を取得する取得部の一例であって、登録装置2(またはサーバ装置8)が送信(出力)した取引情報を受信(取得)する。送受信部3001が受信した取引情報は、制御部30(送受信部3001でもよいし別の機能部でもよい)が、取引情報312として記憶部31に記憶させる。
【0036】
案内部3002は、顧客が操作を行うにあたっての案内(操作支援)を行う。具体的には、表示部32への案内画面の表示や、ブザーの鳴動、スピーカーによる案内音声の再生などを行う。
【0037】
また、案内部3002は、クレジット決済に際し、取引額と閾値とを比較し、取引額が閾値を下回っているか否かに応じて、表示部32に表示させる案内画面を変更する。具体的には、取引額が閾値を下回っていれば、いわゆる3面待ち画面を表示する。また、取引額が閾値を上回っていれば、2面待ち画面を表示する。
【0038】
ここで、3面待ち画面は、第1案内画面の一例であって、クレジット決済におけるクレジット情報の入力操作にあたって、磁気テープの読み取り、ICチップに接触しての読み取り、および非接触ICの無線読み取りの、3種類の読取方式を利用可能であることを示す。
【0039】
また、2面待ち画面は、第2案内画面の一例であって、上述の3種類の読取方式のうち、非接触ICの無線読み取りを除いた他の2種類の読取方式(磁気テープの読み取りおよびICチップに接触しての読み取り)を利用可能であることを示す。
【0040】
決済処理部3003は、送受信部3001が受信(取得)した取引情報に基づく決済処理を行う。具体的には、取引情報312が記憶する取引の支払いにかかる操作を、操作部33を介して顧客から受け付け、操作部33の出力に対応する機器(釣銭機35、コードリーダ36、磁気リーダ37、ICリーダ38、およびNFCリーダ39)による決済処理を行う。
【0041】
ここで、取引情報312について説明する。記憶部31が記憶する取引情報312は、例えば、下記の情報を含んでいる。
・取引コード
・端末コード(登録装置2またはサーバ装置8の識別情報)
・開始時刻
・会計指示時刻
・会計装置コード
・取引額
・決済方法
・商品情報(商品コード、商品名、価格、個数など)
・登録時刻
【0042】
取引コードは、取引ごとに発番されるユニークコードである。端末コードは、取引情報を出力した端末(登録装置2またはサーバ装置8)を識別可能な(つまり他の端末と重複しない)コードである。開始時刻は、取引を開始した時刻である。会計指示時刻は、商品登録を終えた登録装置2(またはサーバ装置8)が取引情報を出力した時刻である。会計装置コードは、会計装置3を識別可能(つまり他の会計装置3と重複しない)コードであって、取引情報を出力する登録装置2で店員操作により指定される(またはサーバ装置8で指定される)。
【0043】
取引額は、取引にかかる金額であって、つまり、登録された商品の代金の合計額である。決済方法は、登録装置2で選択を受け付けた決済方法である。当該選択にあたって店員に登録装置2が提示する選択肢は、現金決済、クレジット決済、電子マネー決済、およびコード決済などである。店員は顧客が希望する決済方法を聞き取って登録装置2に入力する。
【0044】
商品情報は、取引にかかる商品の情報であって、登録された商品の商品コード、商品名、価格、個数などの情報を含む。一取引において複数の商品が購入される場合、1つの取引コードに対して複数の商品情報が登録される。登録時刻は、商品情報が登録された時刻を示す情報である。
【0045】
図5は、取引管理システム1による取引処理の一例を示す図である。本実施形態では、登録装置2が、店員の操作を受けて、取引を開始し(ステップS1)、商品の登録処理を行い(ステップS2)、締め処理を行い(ステップS3)、決済方法の選択を受け付ける(ステップS4)。ステップS4において登録装置2が提示する選択肢は、例えば、現金決済、クレジット決済、電子マネー決済、およびコード決済である。登録装置2は、選択された決済方法を含む取引情報を、会計装置3に送信(出力)する(ステップS5)。
【0046】
会計装置3の制御部30(送受信部3001)は、登録装置2から取引情報を受信(取得)すると、これを取引情報312として記憶部31に記憶させる(ステップS6)。会計装置3の制御部30は、取引情報312が含む決済方法がクレジット決済でない場合(ステップS7のNo)、他の方法による決済処理(ステップS12)を行って本処理を終了する。他の方法とは、現金決済、電子マネー決済、およびコード決済である。
【0047】
取引情報312が含む決済方法がクレジット決済である場合(ステップS7のYes)、会計装置3の制御部30(案内部3002)は、支払金額が閾値以下であるかを判定する(ステップS8)。ここで、支払金額は、取引情報312が含む「取引額」である。また、閾値は、例えば「10,000円」である。なお、言うまでもなく、ステップS8で、閾値を「10,001円」とし、支払金額が閾値未満であるかの判定を行うのであっても構わない。
【0048】
支払金額が閾値以下の場合(ステップS8のYes)、制御部30(案内部3002)は、表示部32に、3面待ち画面321を表示させる(ステップS9)。図6は、3面待ち画面321の一例を示す図である。
【0049】
図6に示すように、3面待ち画面321は、案内画像3211~3213や、合計金額3214の他、店員呼出ボタン3215等を含んでいる。合計金額3214には、支払金額(取引情報312が含む取引額)が表示される。
【0050】
案内画像3211は、ICチップが付されたクレジットカード(ICカード)をPINパッドに差し込むことによるクレジットカード情報の読取方式を、案内する。案内画像3212は、磁気テープが付されたクレジットカード(磁気カード)をスリットに通すことによるクレジットカード情報の読取方式を、案内する。案内画像3213は、非接触ICを備えるクレジットカード(非接触カード)をNFCリーダ39にかざすことによるクレジットカード情報の読取方式を、案内する。
【0051】
そして店員呼出ボタン3215は、店員を呼びたい旨の宣言を受け付ける。当該店員呼出ボタン3215が操作を受けると、制御部30は、会計装置3における表示灯による表示やブザーの鳴動、或いは店員が参照可能な他の端末装置に対して店員呼出通知を出力する等を行う。
【0052】
会計装置3の操作者(顧客)は、3面待ち画面321が表示された会計装置3にて、3種類のいずれかの読取方式にて、クレジットカード情報を入力することができる。この場合の会計装置3においては、磁気リーダ37、ICリーダ38、およびNFCリーダ39の全ての機器が読取待機中である。
【0053】
制御部30は、クレジットカード情報を取得すると、当該クレジットカード情報を出力した機器に、操作者がクレジットカード情報を読み取らせたと判断する。そして制御部30(決済処理部3003)は、この判断およびクレジットカード情報を用いて、クレジット決済処理を実行し(ステップS10)、本処理を終了する。
【0054】
ステップS8において、支払金額が閾値を越えている(つまり取引額が10,001円以上である)場合(ステップS8のNo)、制御部30(案内部3002)は、表示部32に、2面待ち画面322を表示させる(ステップS11)。図7は、2面待ち画面322の一例を示す図である。
【0055】
図7に示すように、2面待ち画面322は、ICチップに接触しての読み取りを案内する案内画像3211や磁気テープの読み取りを案内する案内画像3212の他、合計金額3214や店員呼出ボタン3215等を含んでいるが、非接触ICの無線読み取りを案内する案内画像3213を含まない。これにより、2面待ち画面322は、2種類の読取方式を案内するとともに、非接触ICの無線読み取りによるクレジットカード情報の取得が利用できないことを示している。
【0056】
会計装置3の操作者(顧客)は、2面待ち画面322が表示された会計装置3にて、2種類のいずれかの読取方式にて、クレジットカード情報を入力することができる。この場合の会計装置3においても、磁気リーダ37、ICリーダ38、およびNFCリーダ39の全ての機器が読取待機中である。
【0057】
制御部30は、クレジットカード情報を取得すると、当該クレジットカード情報を出力した機器に、操作者がクレジットカード情報を読み取らせたと判断する。なお、この判断の結果、NFCリーダ39がクレジットカード情報を出力していた場合には、制御部30は、処理を進めず、待機状態を維持する。そして制御部30は、磁気リーダ37またはICリーダ38からクレジットカード情報の出力を受けると、処理をステップS10へ進める。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、利用不可能な読取方式を除外して利用可能な読取方式のみ案内するので、二度手間をなくし、チェックアウトの所要時間を短縮し、レジシステムの運用効率を高めることができる。また、エラー等と思わせるようなユーザが理解しがたい動きを排除して快適な処理フローを提供することで、店員呼出の発生を抑えることができる。
【0059】
なお、実施にあたって、会計装置3は、2面待ち画面322において、文字や画像によって、非接触ICの無線読み取りによるクレジットカード情報の取得が利用できないことを明示するようにしてもよい。
【0060】
また、実施にあたって、2面待ち画面322を表示している(つまり取引額が閾値を越えている)にもかかわらず、NFCリーダ39からクレジットカード情報の入力を受けた場合、会計装置3(案内部3002)は、当該入力が無効であることを案内してもよい。具体的には、案内部3002は、表示部32に、エラーを示す案内を表示させてもよい。また当該案内において、案内部3002は、例えば、非接触ICの無線読み取りが利用できない金額である旨を表示させてもよい。
【0061】
また、実施にあたっては、決済方法の選択(ステップS4)にかかる操作は、登録装置2でなく、会計装置3で受け付けるようにしてもよい。
【0062】
上述した第1実施形態は、各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0063】
(第2実施形態)
本実施形態は、前実施形態の変形例である。図8は、第2実施形態に係る取引管理システム11の構成例を示す模式図である。取引管理システム11は、携帯端末12と、サーバ装置18と、周辺機器(磁気リーダ137、ICリーダ138、およびNFCリーダ139)とを備えている。取引管理システム11は、さらに、レシートプリンタ等を周辺機器の一つとして備えていてもよい。
【0064】
携帯端末12は、アクセスポイント10を介して、LAN等のネットワーク7に接続されている。サーバ装置18と携帯端末12とは、インターネット等の公衆ネットワーク9およびネットワーク7を介して、互いに通信可能に接続されている。なお、公衆ネットワーク9を介した通信に際しては、各々必要に応じて、暗号化やVPN(Virtual Private Network)接続が利用される。携帯端末12と周辺機器(磁気リーダ137、ICリーダ138、およびNFCリーダ139等)とは、Bluetooth(登録商標)等の無線通信規格に準拠した通信インターフェースにより、互いに通信可能に接続される。
【0065】
なお、携帯端末12は、上記ネットワーク7を介さずにサーバ装置18に通信可能であってもよい。また、上記ネットワーク7には、別途各種装置が接続されていてもよい。例えば、店員が商品登録および支払に関する操作を行うPOS端末、顧客が商品登録および支払に関する操作を行うセルフPOS端末、店員が商品登録に関する操作を行い顧客が支払に関する操作を行うセミセルフPOSシステム等が、ネットワーク7に接続されていてもよい。さらに、携帯端末12および会計装置3の数は、図示の例に限らない。
【0066】
携帯端末12は、例えばタブレット型コンピュータやスマートフォン等の端末装置であって、撮像部や表示部、操作部、制御部、記憶部などを備えている。撮像部は、イメージセンサにより撮像を行って、画像情報を出力する。表示部は、液晶パネル等の表示デバイスであって、制御部の制御にしたがって各種情報を表示する。操作部は、表示部に重ねて設けられたタッチパネルや、ハードキーであって、受けた操作に基づく信号を制御部に出力する。記憶部は、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部は、制御部が実行する各種アプリケーションプログラムや、各種設定値などを記憶する。制御部は、CPUやROM、RAMで構成され、アプリケーションプログラムを実行することで各種機能を実現する。
【0067】
携帯端末12は、モバイルPOSアプリケーションの起動もしくはWebブラウザで所定のWebページを表示させることにより、POS(Point Of Sales)端末として機能する。POS端末としての携帯端末12は、サーバ装置18と情報を送受信することにより、取引を開始する。取引開始に伴い、サーバ装置18は、取引コードを発番する。
【0068】
また、POS端末としての携帯端末12は、撮像部により商品に付されたコードシンボルの画像情報を得て、当該画像情報が含むコードシンボルをデコードした情報(例えば商品コード)を取得し、これをサーバ装置18や周辺機器に送信する。
【0069】
本実施形態のサーバ装置18は、登録装置および支援装置の一例である。サーバ装置18は、CPUとROMとRAMとを含んで構成された制御部や、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成された記憶部を備える、例えばPC(Personal Computer)等である。
【0070】
本実施形態のサーバ装置18の制御部は、前実施形態における案内部3002相当の機能を提供する。また、携帯端末12の制御部は、前実施形態における送受信部3001および決済処理部3003相当の機能を提供する。
【0071】
図9は、取引管理システム11による取引処理の一例を示す図である。上述のような構成の取引管理システム11において、図9に示す取引処理が行われる。すなわち、携帯端末12は、サーバ装置18と情報を送受信することにより、取引を開始する(ステップS21)。当該取引開始にあたって、サーバ装置18は取引コードを発番する(ステップS31)。
【0072】
携帯端末12は、顧客の操作により商品コードを読み取り、これをサーバ装置18に送信する(ステップS22)。サーバ装置18は、携帯端末12から受信した商品コードにより特定される商品の商品情報を、取引コードと関連付けて登録する(ステップS32)。
【0073】
携帯端末12において締め操作(ステップS23)が行われると、携帯端末12は、決済方法の選択を受け付け、選択された決済方法をサーバ装置18に出力する(ステップS24)。
【0074】
サーバ装置18は、ステップS32で登録された商品情報と、ステップS24で選択された決済方法とにより、記憶部に取引情報をまとめる(ステップS33)。
【0075】
サーバ装置18が記憶部に記憶する取引情報は、例えば、下記の情報を含んでいる。
・取引コード
・端末コード(携帯端末12の識別情報)
・開始時刻
・会計指示時刻
・会計装置コード
・取引額
・決済方法
・商品情報(商品コード、商品名、価格、個数など)
・登録時刻
【0076】
本実施形態における端末コードは、携帯端末12を識別可能なコードである。
【0077】
サーバ装置18の制御部は、取引情報が含む決済方法がクレジット決済でない場合(ステップS34のNo)、携帯端末12と協働して他の方法による決済処理(ステップS38)を行って、本処理を終了する。
【0078】
取引情報が含む決済方法がクレジット決済である場合(ステップS34のYes)、サーバ装置18の制御部は、支払金額が閾値以下であるかを判定する(ステップS35)。
【0079】
支払金額が閾値以下の場合(ステップS35のYes)、サーバ装置18の制御部は、携帯端末12の表示部に、3面待ち画面321(図6参照)を表示させる(ステップS36)。
【0080】
ステップS35において、支払金額が閾値を越えている場合(ステップS35のNo)、サーバ装置18の制御部は、携帯端末12の表示部に、2面待ち画面322(図7参照)を表示させる(ステップS37)。
【0081】
携帯端末12の制御部は、ステップS36またはS37でサーバ装置18が送信する情報により画面表示を行う(ステップS25)。
【0082】
携帯端末12の制御部は、周辺機器(磁気リーダ137、ICリーダ138、およびNFCリーダ139)のいずれかからクレジットカード情報が入力されると、当該クレジットカード情報を出力した機器に、操作者がクレジットカード情報を読み取らせたと判断する。そして制御部は、この判断およびクレジットカード情報を用いて、クレジット決済処理を実行し(ステップS26)、本処理を終了する。
【0083】
以上のように、本実施形態によれば、利用不可能な読取方式を除外して利用可能な読取方式のみ案内するので、二度手間をなくし、チェックアウトの所要時間を短縮し、レジシステムの運用効率を高めることができる。また、エラー等と思わせるようなユーザが理解しがたい動きを排除して快適な処理フローを提供することで、店員呼出の発生を抑えることができる。
【0084】
なお、本実施形態では、サーバ装置18が、登録装置および支援装置を実現しているが、実施にあたってはこれに限らない。例えば、携帯端末12が実行するモバイルPOSアプリケーションに、取得部および案内部相当の機能部を携帯端末12が実現するためのプログラムが含まれていてもよい。この場合、携帯端末12が、支援装置として機能する。
【0085】
上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0086】
さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1,11…取引管理システム、
2 …登録装置、
20…制御部、201…CPU、202…ROM、203…RAM、
21…記憶部、211…制御プログラム、212…商品マスタ、213…取引情報、
22…表示部、23…操作部、24…通信部、29…バス、
3 …会計装置(第1実施形態における支援装置)、
30…制御部、
3001…送受信部(取得部の一例)、3002…案内部、3003…決済処理部、
301…CPU、302…ROM、303…RAM、
31…記憶部、311…制御プログラム、312…取引情報、
32…表示部、321…3面待ち画面、322…2面待ち画面、
3211~3213…案内画像、3214…合計金額、3215…店員呼出ボタン、
33…操作部、34…通信部、35…釣銭機、
36…コードリーダ、37…磁気リーダ、38…ICリーダ、39…NFCリーダ、
40…プリンタ、41…バス、
4 …載置台、
5 …カウンタ、
6 …接続インターフェース、
7 …ネットワーク、
8…サーバ装置、
9 …公衆ネットワーク、
10…アクセスポイント、
12…携帯端末、
18…サーバ装置(第2実施形態における登録装置および支援装置)、
137…磁気リーダ、138…ICリーダ、139…NFCリーダ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】
【特許文献1】特開2020-149341号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9