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特開2024-109426情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109426
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240806BHJP
   G06Q 10/0631 20230101ALI20240806BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q10/0631
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014215
(22)【出願日】2023-02-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】514291532
【氏名又は名称】株式会社MIRAI
(74)【代理人】
【識別番号】110003546
【氏名又は名称】弁理士法人伊藤IP特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉中 哲二
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】車両に対する所定の修理作業の工程を可視化し、その工程管理情報を関係するユーザにより好適に提供する。
【解決手段】本開示の情報処理装置は、顧客ユーザから元請ユーザへ伝達された事故情報を取得し工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、車両情報を取得し顧客ユーザ毎の専用情報として、顧客ユーザ情報及び元請ユーザ情報と併せて車両情報及び事故情報を記憶させることと、修理前画像を取得し専用情報に追加して記憶させることと、修理作業の工程毎に修理状況画像を取得し専用情報に追加して記憶させることと、専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、顧客ユーザに対して専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、を実行する制御部を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理装置であって、
前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、
前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、
前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、
を実行する制御部を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記修理作業は、前記車両に対する板金又は/及び塗装作業である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記修理状況画像の入力インタフェースに設けられた画像入力領域に入力された前記修理状況画像を取得し、
前記画像入力領域には、入力すべき画像の標準形式がサンプル画像として予め表示される、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するとき、前記車両に関する所定の広告情報を併せて提供する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報として、前記修理作業の所定の1工程の完了後の前記修理状況画像を提供するとき、前記広告情報として前記車両のアフターパーツに関する情報を提供し、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報として、前記修理作業の全工程の完了後の前記修理状況画像を提供するとき、前記広告情報として前記車両の定期メンテナンスに関する情報を提供する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記元請ユーザからのリクエスト情報であって、所定の条件での前記修理前画像又は/及び前記修理状況画像の取得に関するリクエスト情報を取得し、
前記元請ユーザに対して、前記リクエスト情報に応じた前記修理前画像又は/及び前記修理状況画像を、該元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記工場ユーザからの代車情報であって、前記修理工場に入庫される前記車両の代わりに前記顧客ユーザに対して配車可能な代車に関する代車情報を取得し、
前記元請ユーザに対して、複数の代車についての前記代車情報の一覧を、該元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理方法であって、
コンピュータが、
前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、
前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、
前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項9】
車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、
前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、
前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の定期的な検査を義務化することで車両の安全な運行を確保するための車検制度が設けられている。また、上記の車検の他には、自動車の定期点検整備が行われていて、これら検査や点検・整備は、一般に自動車整備工場や自動車販売店(ディーラー)で実施されている。
【0003】
ここで、近年の人手不足に伴って、1人の整備士が複数の車両の点検・整備を横断的に行っている事象が生じ、車検のような複雑な作業では、効率良く確実に作業を完了させることが困難になりつつある。
【0004】
そこで、特許文献1には、車検における複雑な作業を過誤なく、効率的に行うことが可能な車検作業管理システムが開示されている。この車検作業管理システムでは、作業内容に合わせて、作業権限に適合する作業者を選定することができるため、検査工程及び整備工程における作業が、作業者権限を有しない者によって行われることを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-102013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、自動車の車検や点検・整備では、自動車整備工場や自動車販売店(ディーラー)においてユーザ立ち合いのもとで、その内容の打合せが行われることが多い。これにより、ユーザは、例えば、車両の点検・整備に関する要望をより明確に整備士に伝えられることができる。しかしながら、車両の検査や点検・整備の作業は比較的複雑であって、その作業が過誤なく行われるか、ユーザが不安を感じてしまう場合がある。
【0007】
ここで、特許文献1に記載の技術によれば、作業内容に合わせて作業権限に適合する作業者が選定されるため、ユーザの不安が軽減されるようにも思われる。しかしながら、ユーザは、車両の検査や点検・整備の作業を現場で直接確認するわけではないため、ユーザが作業内容を確実に把握することが困難な場合がある。また、車両の検査や点検・整備の作業ではなく、例えば、自動車事故に対する修理作業では、車両のユーザは、契約する損害保険会社を介して修理工場に車両の修理作業を依頼する場合が多い。このような場合、車両のユーザが、その修理作業内容を把握することがより一層困難になり得る。
【0008】
本開示の目的は、車両に対する所定の修理作業の工程を可視化し、その工程管理情報を関係するユーザにより好適に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の情報処理装置は、車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理装置である。そして、この情報処理装置は、前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、を実行する制御部を備える。
【0010】
上記の情報処理装置では、顧客ユーザおよび元請ユーザは、端末装置等を用いて、例えば、所定のアプリによって提供されるインタフェース、または所定のウェブサイトによって提供されるインタフェースを介して、修理作業の工程毎の修理状況を含んだ専用情報を閲覧することができる。これによれば、顧客ユーザは、修理作業内容を明確に把握することができ、安心して車両を修理工場に預けることができる。一方、元請ユーザは、専用情報を介して車両の修理作業の進捗を都度確認することができるため、業務の効率化が図られる。また、このように修理作業が可視化されることにより、元請ユーザは、修理工場の品質を把握し易くなる。そして、このような情報処理装置において、前記修理作業は、前記車両に対する板金又は/及び塗装作業であってもよい。更に、この場合、前記制御部は、前記修理状況画像の入力インタフェースに設けられた画像入力領域に入力された前記修理状況画像を取得し、この画像入力領域には、入力すべき画像の標準形式がサンプル画像として予め表示されてもよい。これによれば、工場ユーザは、上記の標準形式に沿った画像を撮影すればよいので、効率的に修理状況画像を入力することができる。また、修理状況画像が共有される顧客ユーザや元請ユーザには、標準形式に沿った情報のもれがない画像が提供されることになる。
【0011】
ここで、上記の情報処理装置において、前記制御部は、前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するとき、前記車両に関する所定の広告情報を併せて提供してもよい。そして、この場合、前記制御部は、前記顧客ユーザに対して前記専用情報として、前記修理作業の所定の1工程の完了後の前記修理状況画像を提供するとき、前記広告情報として前記車両のアフターパーツに関する情報を提供し、前記顧客ユーザに対して前記専用情報として、前記修理作業の全工程の完了後の前記修理状況画像を提供するとき、前記広告情報として前記車両の定期メンテナンスに関する情報を提供してもよい。これによれば、可視化された工程管理情報と関連する広告情報を顧客ユーザに好適に提供することができる。
【0012】
また、本開示の情報処理装置において、前記制御部は、前記元請ユーザからのリクエスト情報であって、所定の条件での前記修理前画像又は/及び前記修理状況画像の取得に関するリクエスト情報を取得し、前記元請ユーザに対して、前記リクエスト情報に応じた前記修理前画像又は/及び前記修理状況画像を、該元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供してもよい。これによれば、元請ユーザは、業務の効率化を図ることができ、また、修理工場の品質を把握し易くなる。
【0013】
更に、本開示の情報処理装置において、前記制御部は、前記工場ユーザからの代車情報であって、前記修理工場に入庫される前記車両の代わりに前記顧客ユーザに対して配車可能な代車に関する代車情報を取得し、前記元請ユーザに対して、複数の代車についての前記代車情報の一覧を、該元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供してもよい。これによれば、修理作業の工程の一つと捉えられ得る代車の手配に関する工程が可視化され、その管理情報をユーザに好適に提供することができる。
【0014】
また、本開示は、コンピュータによる情報処理方法の側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理方法は、車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理方法であって、コンピュータが、前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、を実行する。
【0015】
また、本開示は、情報処理プログラムの側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理プログラムは、車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理プログラムであって、コンピュータに、前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、車両に対する所定の修理作業の工程を可視化し、その工程管理情報を関係するユーザにより好適に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態における情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態における、情報処理システムに含まれるサーバおよびユーザ端末の構成要素をより詳細に示した図である。
図3】第1実施形態における情報処理システムの動作の流れを例示する図である。
図4】工場ユーザが修理前画像を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。
図5】工場ユーザが修理状況画像を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。
図6】修理状況画像入力フィールドに予め表示されるサンプル画像を例示する図である。
図7】顧客ユーザのユーザ端末に表示される修理過程画像を例示する図である。
図8】第2実施形態において、専用情報と併せて顧客ユーザに提供される広告情報を説明するための図である。
図9】元請ユーザのユーザ端末に表示される代車情報の一覧を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0019】
<第1実施形態>
第1実施形態における情報処理システムの概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における情報処理システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る情報処理システム100は、ネットワーク200と、サーバ300と、ユーザ端末400と、を含んで構成される。なお、本開示の情報処理システムは、車両に対する所定の修理作業の工程を管理するシステムであって、該工程の管理がサーバ300によって実行される。また、本開示の情報処理システムを利用するユーザは、車両のユーザである顧客ユーザ、該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザ、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザ等である。
【0020】
ネットワーク200は、例えば、IPネットワークであって、サーバ300とユーザ端末400との間を通信可能に接続する。ネットワーク200は、IPネットワークであれば、無線であっても有線であっても無線と有線の組み合わせであってもよく、例えば、無線による通信であれば、ユーザ端末400は、無線LANアクセスポイント(不図示)にアクセスし、LANやWANを介してサーバ300と通信してもよい。また、ネットワーク200は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網や、光回線、ADSL回線、衛星通信網などであってもよい。
【0021】
サーバ300は、ネットワーク200を介して、ユーザ端末400と接続される。なお、図1において、説明を簡単にするために、サーバ300は1台、ユーザ端末400は4台示してあるが、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0022】
サーバ300は、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、その他電子機器であってもよい。すなわち、サーバ300は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、あるいは、CDやDVDのようなディスク記録媒体であってもよい。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納されている。
【0023】
また、サーバ300は、本実施形態に係る情報処理システム100専用のソフトウェアやハードウェア、OS等を設けずに、クラウドサーバによるSaaS(Software as a Service)、Paas(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)を適宜用いてもよい。
【0024】
ユーザ端末400は、情報処理システム100を利用するユーザ(顧客ユーザ、元請ユーザ、工場ユーザ等)が保有する電子機器であって、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、携帯端末、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等、その他端末機器であってもよい。
【0025】
次に、図2に基づいて、主にサーバ300とユーザ端末400の構成要素の詳細な説明を行う。図2は、第1実施形態における、情報処理システム100に含まれるサーバ300およびユーザ端末400の構成要素をより詳細に示した図である。
【0026】
サーバ300は、機能部として通信部301、記憶部302、制御部303を有しており、補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各機能部等が制御されることによって、各機能部における所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0027】
ここで、通信部301は、サーバ300をネットワーク200に接続するための通信インタフェースである。通信部301は、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。サーバ300は、通信部301を介して、ユーザ端末400や、その他の外部装置と通信可能に接続される。
【0028】
記憶部302は、主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。主記憶装置は、制御部303によって実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが展開されるメモリである。補助記憶装置は、制御部303において実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが記憶される装置である。また、記憶部302は、ユーザ端末400等から送信されたデータを記憶し、記憶部302には、後述する事故情報、車両情報、顧客ユーザ情報、元請ユーザ情報などが記憶される。なお、サーバ300は、通信部301を介してユーザ端末400等から送信されたデータを取得する。
【0029】
制御部303は、サーバ300が行う制御を司る機能部である。制御部303は、CPUなどの演算処理装置によって実現することができる。制御部303は、更に、第1取得部3031と、第2取得部3032と、提供部3033と、通知部3034と、の4つの機能部を有して構成される。各機能部は、記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0030】
第1取得部3031は、車両の事故状況に関する事故情報を取得する。ここで、車両のユーザである顧客ユーザは、自動車事故等にそなえて損害保険会社と保険契約をする傾向にある。そして、自動車事故が発生すると、顧客ユーザは、損害保険会社である元請ユーザへ、その事故状況を伝達する。そうすると、元請ユーザは、事故によって破損した車両の修理や画像協定のために、上記の事故状況を情報処理システム100に登録することができる。詳しくは、元請ユーザは、ユーザ端末400を用いて、車両の事故状況に関する事故情報をサーバ300に送信することができる。第1取得部3031は、送信されたこのような情報を取得することで事故情報を取得し、これをサーバ300の記憶部302に記憶させる。
【0031】
ここで、本実施形態におけるユーザ端末400は、機能部として通信部401、入出力部402、記憶部403を有している。通信部401は、ユーザ端末400をネットワーク200に接続するための通信インタフェースであり、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。入出力部402は、通信部401を介して外部から送信されてきた情報等を表示させたり、通信部401を介して外部に情報を送信する際に当該情報を入力したりするための機能部である。記憶部403は、サーバ300の記憶部302と同様に主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。
【0032】
入出力部402は、更に、表示部4021、操作入力部4022、画像・音声入出力部4023を有している。表示部4021は、各種情報を表示する機能を有し、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等により実現される。操作入力部4022は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能を有し、具体的には、タッチパネル等のソフトキーあるいはハードキーにより実現される。画像・音声入出力部4023は、静止画や動画等の画像の入力を受け付ける機能を有し、具体的には、Charged-Coupled Devices(CCD)、Metal-oxide-semiconductor(MOS)あるいはComplementary Metal-Oxide-Semiconductor(CMOS)等のイメージセンサを用いたカメラにより実現される。また、画像・音声入出力部4023は、音声の入出力を受け付ける機能を有し、具体的には、マイクやスピーカーにより実現される。
【0033】
元請ユーザは、このように構成されたユーザ端末400を用いて、上記の事故情報をサーバ300に送信することができる。ここで、サーバ300は、事故情報を入力するためのインタフェースをユーザ端末400に提供してもよい。そうすると、元請ユーザは、ユーザ端末400を介して上記のインタフェースに情報を入力することで、事故情報をサーバ300に送信することができる。
【0034】
また、第1取得部3031は、修理のために修理工場に入庫される上記の車両に関する所定の車両情報を取得する。ここで、元請ユーザは、顧客ユーザから自動車事故の連絡を受けると、顧客ユーザに代わって、事故によって破損した車両を修理するための修理工場を複数の候補の中から選択することが多い。そして、元請ユーザは、修理のために修理工場に入庫される車両に関する情報を伝達するために、ユーザ端末400を用いて車両情報をサーバ300に送信する。第1取得部3031は、送信されたこのような情報を取得することで車両情報を取得し、これをサーバ300の記憶部302に記憶させる。なお、本実施形態における車両情報の詳細は、後述する図3に基づいて説明する。
【0035】
第2取得部3032は、車両が工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得する。ここで、工場ユーザは、ユーザ端末400を用いて、上記の画像を撮影しそれを修理前画像としてサーバ300に送信することができる。第2取得部3032は、送信されたこのような情報を取得することで修理前画像を取得し、これをサーバ300の記憶部302に記憶させる。なお、本実施形態における修理前画像の詳細は、後述する図3に基づいて説明する。
【0036】
更に、第2取得部3032は、修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得する。ここで、工場ユーザは、ユーザ端末400を用いて、上記の画像を撮影しそれを修理状況画像としてサーバ300に送信することができる。第2取得部3032は、送信されたこのような情報を取得することで修理状況画像を取得し、これをサーバ300の記憶部302に記憶させる。なお、本実施形態における修理状況画像の詳細は、後述する図3に基づいて説明する。
【0037】
提供部3033は、顧客ユーザ及び元請ユーザに対して、専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供する。なお、上記の専用情報の詳細は、後述する図3に基づいて説明する。
【0038】
通知部3034は、顧客ユーザに対して専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知する。なお、後述するように、通知部3034は、専用情報が更新されると、その更新された更新情報の案内通知を、顧客ユーザおよび元請ユーザに送信することができる。
【0039】
なお、制御部303が、第1取得部3031、第2取得部3032、提供部3033、および通知部3034の処理を実行することで、本開示に係る制御部として機能する。
【0040】
ここで、本実施形態における情報処理システム100の動作の流れについて説明する。図3は、本実施形態における情報処理システム100の動作の流れを例示する図である。図3では、本実施形態における情報処理システム100における各構成要素間の動作の流れ、および各構成要素が実行する処理を説明する。なお、本実施形態における修理作業は、車両に対する板金又は/及び塗装作業である。
【0041】
本実施形態では、先ず、元請ユーザのユーザ端末400に事故情報および車両情報が入力される(S101)。ここで、事故情報とは、事故による車両の破損状況を含んだ情報であって該車両の修理作業のために必要となる情報である。また、車両情報とは、例えば、車両のメーカー、車種、年式、車両番号等を含んだ情報であって該車両の修理作業のために必要となる情報である。元請ユーザは、例えば、所定のインタフェースを用いてユーザ端末400に上記の情報を入力することができる。そして、事故情報および車両情報は、ユーザ端末400からサーバ300に送信される。
【0042】
サーバ300は、元請ユーザのユーザ端末400から送信された事故情報および車両情報を取得するとともに記憶部302に記憶させる(S102)。
【0043】
そして、サーバ300は、修理を受ける車両を管理するための車両管理情報を登録するための案内を、工場ユーザのユーザ端末400に送信する(S103)。このとき、サーバ300は、例えば、車両管理情報を登録するためのインタフェースを所定のウェブサイトを介して提供することができる。
【0044】
そうすると、工場ユーザのユーザ端末400が上記の登録案内を取得し(S104)、該ユーザ端末400に登録情報が入力される(S105)。ここで、登録情報とは、上記の事故情報、車両情報と、顧客ユーザ情報、元請ユーザ情報と、を含んだ情報である。また、顧客ユーザ情報、元請ユーザ情報とは、顧客ユーザ、元請ユーザの氏名や名称、住所、連絡先等のユーザ情報である。工場ユーザは、ユーザ端末400に予めインストールされた所定のアプリによって提供されるインタフェース、または所定のウェブサイトによって提供されるインタフェースを用いて、上記の登録情報を入力することができる。なお、サーバ300の記憶部302に記憶された上記の事故情報、車両情報は、上記のインタフェースに予め登録され得る。また、工場ユーザは、顧客ユーザ情報および元請ユーザ情報を予め取得し、それらを入力することができる。そして、登録情報は、ユーザ端末400からサーバ300に送信される。
【0045】
サーバ300は、工場ユーザのユーザ端末400から送信された登録情報を取得し、それを専用情報として記憶部302に記憶させる(S106)。なお、専用情報とは、顧客ユーザ毎に登録される情報であって、顧客ユーザ情報および元請ユーザ情報と併せて車両情報および事故情報が記憶される。
【0046】
そして、サーバ300は、顧客ユーザや元請ユーザが上記の専用情報を閲覧するためのインタフェースである顧客ユーザ毎の専用ページについて、そのアクセス案内を顧客ユーザおよび元請ユーザのユーザ端末400に送信する(S107)。このとき、サーバ300は、例えば、上記の専用ページを所定のウェブサイトを介して提供することができる。なお、上記の専用ページは、顧客ユーザと元請ユーザとで異なっていてもよい。この場合、各ユーザに提供される専用情報が異なっていてもよく、例えば、顧客ユーザには、上記の専用情報のうちの一部が提供され得る。そして、顧客ユーザおよび元請ユーザのユーザ端末400は、サーバ300から送信された上記のアクセス案内を取得する(S108)。そうすると、顧客ユーザおよび元請ユーザは、ユーザ端末400に予めインストールされた所定のアプリによって提供されるインタフェース、または所定のウェブサイトによって提供されるインタフェースを用いて、上記の専用ページを閲覧することができる。
【0047】
また、工場ユーザのユーザ端末400には、修理前画像が入力される(S109)。ここで、工場ユーザは、ユーザ端末400を用いて、修理前画像を撮影しそれを上記の専用ページにアップロードすることで、修理前画像を入力することができる。
【0048】
ここで、図4は、工場ユーザが修理前画像を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。図4に例示する画面SC1は工場ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示され、画面SC1には、修理前画像入力フィールドSC11、反映ボタンSC12が示される。そして、工場ユーザは、修理前画像入力フィールドSC11に画像を入力し、反映ボタンSC12を押下することで、修理前画像をサーバ300に送信することができる。
【0049】
そして、図3に戻って、サーバ300は、工場ユーザのユーザ端末400から送信された修理前画像を取得し、それを専用情報として記憶部302に記憶させる(S110)。つまり、サーバ300は、修理前画像を専用情報に追加して記憶させる。そうすると、専用情報を閲覧するための専用ページも更新されることになる。なお、S110の処理が実行された段階において、後述するS113の処理が実行されてもよい。
【0050】
また、工場ユーザのユーザ端末400には、修理状況画像が入力される(S111)。ここで、工場ユーザは、ユーザ端末400を用いて、修理状況画像を撮影しそれを上記の専用ページにアップロードすることで、修理状況画像を入力することができる。
【0051】
ここで、図5は、工場ユーザが修理状況画像を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。図5に例示する画面SC2は工場ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示され、画面SC2には、修理状況画像入力フィールドSC21、反映ボタンSC22が示される。ここで、修理状況画像は、修理作業の工程毎に入力される画像であって、本実施形態における修理作業では、図5に示すように、脱着、板金、下地、塗装、磨き、組付けの工程毎に入力され得る。そして、工場ユーザは、修理状況画像入力フィールドSC21に画像を入力し、反映ボタンSC22を押下することで、修理状況画像をサーバ300に送信することができる。
【0052】
なお、上記の修理状況画像入力フィールドSC21には、入力すべき画像の標準形式がサンプル画像として予め表示されてもよい。これについて、図6に基づいて説明する。
【0053】
図6は、修理状況画像入力フィールドSC21に予め表示されるサンプル画像を例示する図である。図6に示す例では、修理状況画像入力フィールドSC21における組付けの工程のフィールドにサンプル画像SC23が予め表示されている。ここで、サンプル画像SC23には、入力すべき画像の標準形式として、車両本体と該車両に組付けられるパーツとが描画され、併せて入力すべき画像についての説明文が表示される。これにより、工場ユーザは、上記の標準形式に沿った画像を撮影すればよいので、効率的に修理状況画像を入力することができる。また、修理状況画像が共有される顧客ユーザや元請ユーザには、標準形式に沿った情報のもれがない画像が提供されることになる。
【0054】
そして、図3に戻って、サーバ300は、工場ユーザのユーザ端末400から送信された修理状況画像を取得し、それを専用情報として記憶部302に記憶させる(S112)。つまり、サーバ300は、修理状況画像を専用情報に追加して記憶させる。そうすると、専用情報を閲覧するための専用ページも更新されることになる。
【0055】
更に、サーバ300は、上記の如く専用情報が更新されると、その更新された更新情報の案内通知を顧客ユーザのユーザ端末400に送信する(S113)。ここで、サーバ300は、上記の通知を、周知のショートメッセージサービス(SMS)を用いて送信することができる。この場合、サーバ300から顧客ユーザのユーザ端末400に送信されるメッセージには、専用情報を閲覧するための専用ページのウェブサイトアドレスが含まれることになる。なお、上記の通知は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)によって提供されるメッセージ機能を用いて送信されてもよい。ここで、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)とは、LINE(登録商標)、Twitter(登録商標)、Facebook(登録商標)、Instagram(登録商標)などであって、例えば、Twitter(登録商標)やInstagram(登録商標)のダイレクトメッセージ(DM)機能が用いられ得る。これによれば、顧客ユーザにとって、自身が使い慣れたサービスプラットフォームを用いた情報の取得が可能になる。また、サーバ300は、上記の通知を元請ユーザに送信してもよい。
【0056】
そうすると、顧客ユーザのユーザ端末400が上記の案内通知を取得し(S114)、更新された専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧することが可能になる。
【0057】
ここで、図7は、顧客ユーザのユーザ端末400に表示される修理過程画像を例示する図である。なお、修理過程画像は、工場ユーザによってアップロードされた修理状況画像であって、図7に示すように、修理作業の工程毎に表示される。詳しくは、図7に例示する画面SC3が顧客ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示され、画面SC3には、修理過程画像SC31が示される。
【0058】
そして、このように、顧客ユーザに対して車両の修理状況が作業工程毎に可視化され提供されることで、顧客ユーザは、その修理作業内容を明確に把握することができる。更に、顧客ユーザが、契約する損害保険会社を介して修理工場に車両の修理作業を依頼するような場合であっても、修理作業の工程が可視化されるので、顧客ユーザは安心して車両を修理工場に預けることができる。
【0059】
また、車両の修理作業の進捗に合わせて専用ページが更新されていくことによれば、元請ユーザは、専用ページを介して車両の修理作業の進捗を都度確認することができる。そのため、従来のように直接修理工場に進捗確認の問合せをする必要がなくなり、業務の効率化が図られる。また、上述した作業の可視化により、元請ユーザは、修理工場の品質を把握し易くなる。
【0060】
なお、サーバ300は、元請ユーザからのリクエスト情報を取得し、該リクエスト情報に応じた修理前画像又は/及び修理状況画像を、該元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供してもよい。
【0061】
ここで、元請ユーザは、例えば、自動車事故の画像協定のために必要な条件での修理前画像を希望する場合がある。また、修理工場の品質を評価するために必要な条件(例えば、修理される車両と併せて、修理で交換するパーツや修理に使用する工具を含めて撮影する。)での修理状況画像を希望する場合がある。そこで、サーバ300は、このような条件での修理前画像又は/及び修理状況画像の取得のリクエストを受付け、元請ユーザに提供する。これにより、元請ユーザは、自動車事故の画像協定のための業務の効率化を図ることができ、また、修理工場の品質を把握し易くなる。なお、このような画像が顧客ユーザにも提供されると、顧客ユーザは該画像の用途を把握できずかえって混乱を生じさせてしまう虞があるため、上記は、元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供され得る。
【0062】
以上に述べた情報処理システム100によれば、車両に対する修理作業の工程を可視化し、その工程管理情報を関係するユーザにより好適に提供することができる。
【0063】
<第2実施形態>
第2実施形態における情報処理システム100について、図8に基づいて説明する。上記の第1実施形態の説明で述べたように、サーバ300は、専用情報の更新の案内通知を、ショートメッセージサービス(SMS)を用いて顧客ユーザに送信することができる。このとき、本実施形態では、サーバ300は、車両に関する所定の広告情報を専用情報と併せて顧客ユーザに提供する。これにより、可視化された工程管理情報と関連する広告情報を顧客ユーザに好適に提供することができる。
【0064】
図8は、本実施形態において、専用情報と併せて顧客ユーザに提供される広告情報を説明するための図である。図8に例示する画面SC4は顧客ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示され、画面SC4には、修理過程画像SC41、広告情報SC42が示される。ここで、広告情報SC42は、車両の定期メンテナンスに関する情報や車両のアフターパーツに関する情報であって、図8に示す例では、広告情報SC42として車両の定期メンテナンスに関する情報が提供されている。
【0065】
これにより、工場ユーザは、例えば、自身の修理工場の広告を顧客ユーザに提供することができる。そして、工場ユーザは、車両に対する修理作業の工程管理情報と併せてこのような広告を提供できるので、該広告が顧客ユーザの目にとまり易くなる等により効果的にマーケティング活動を行うことができる。一方、顧客ユーザには、修理作業の工程が可視化されていて信頼がおける修理工場に対して車両の定期メンテナンスも依頼したいという動機付けが働くことになる。
【0066】
なお、サーバ300は、車両に関する所定の広告情報を専用情報と併せて顧客ユーザに提供する際、修理作業の所定の1工程の完了後の修理状況画像を提供するときには、広告情報として車両のアフターパーツに関する情報を提供し、修理作業の全工程の完了後の修理状況画像を提供するときには、広告情報として車両の定期メンテナンスに関する情報を提供してもよい。これによれば、修理作業の完了前には、例えば、修理作業の次の作業工程で車両に組付けが可能なアフターパーツを、広告情報を介して顧客ユーザに提案することが可能になる。そのため、工場ユーザは、効果的にマーケティング活動を行うことができ、また、顧客ユーザは、可視化された修理作業の工程を参照しながら車両のアフターパーツの必要性を判断することができる。一方、修理作業の完了後には、上述したように、顧客ユーザには、修理作業の工程が可視化されていて信頼がおける修理工場に対して車両の定期メンテナンスも依頼したいという動機付けが働くことになる。
【0067】
そして、以上に述べた情報処理システム100によっても、車両に対する修理作業の工程管理情報をユーザにより好適に提供することができる。
【0068】
<第3実施形態>
第3実施形態における情報処理システム100について、図9に基づいて説明する。ここで、自動車事故に対する修理作業では、車両のユーザは、契約する損害保険会社を介して修理工場に車両の修理作業を依頼する場合が多い。そして、この場合、損害保険会社は、上記の車両の修理作業が可能な修理工場を探すことになるが、このとき、従来から、修理工場に入庫される車両の代わりに顧客ユーザに対して配車可能な代車の手配が問題となることがあった。即ち、損害保険会社が修理工場を探すとき、代車を貸出可能な修理工場を効率的に探すことに課題があった。このように、代車の手配は、修理作業の工程の一つと捉えることができるが、その管理情報が適切に提供されていなかった。また、車両に対する修理作業の各工程が可視化されていない従来技術では、修理後の車両が顧客ユーザに納車可能となる日付を正確に予測することが困難であり、その結果、代車を比較的長期間に亘って確保する必要が生じるという問題もあった。
【0069】
そこで、本実施形態では、サーバ300は、修理工場に入庫される車両の代わりに顧客ユーザに対して配車可能な代車に関する代車情報を取得し、元請ユーザに対して、複数の代車についての代車情報の一覧を、該元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供する。これにより、修理作業の工程の一つと捉えられ得る代車の手配に関する工程が可視化され、その管理情報をユーザに好適に提供することができる。なお、代車情報は、工場ユーザによって登録され得る。そうすると、元請ユーザは、全国の修理工場から所望する代車を検索することができる。
【0070】
ここで、図9は、元請ユーザのユーザ端末400に表示される代車情報の一覧を例示する図である。図9に例示する画面SC5は元請ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示され、画面SC5には代車一覧SC51が示される。ここで、代車一覧SC51は、各工場ユーザが手配可能な代車に関する情報であって、図9に示す例では、貸出可または貸出中といった代車の状態や、車種、年式、装備に関する情報が表示されている。
【0071】
そうすると、元請ユーザは、修理工場に入庫された車両と条件の近い代車や顧客ユーザからのリクエストに合致する代車を、代車一覧SC51から探すことができる。そして、このように代車の手配に関する情報が可視化されることで、元請ユーザは、代車を貸出可能な修理工場を効率的に探すことができる。また、本開示によれば、上記の第1実施形態の説明で述べたように、車両に対する修理作業の各工程が可視化されるため、修理後の車両を顧客ユーザに納車する納車日を正確に予測することができ、元請ユーザは、無駄に長期間に亘って代車を確保する必要がなくなる。
【0072】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0073】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。例えば、第1取得部3031をサーバ300とは別の演算処理装置に形成してもよい。このとき当該別の演算処理装置はサーバ300と好適に協働可能に構成される。また、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0074】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0075】
100・・・情報処理システム
200・・・ネットワーク
300・・・サーバ
301・・・通信部
302・・・記憶部
303・・・制御部
400・・・ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理装置であって、
前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、
前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、
前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、
を実行する制御部を備え
前記制御部は、
前記工場ユーザからの代車情報であって、前記修理工場に入庫される前記車両の代わりに前記顧客ユーザに対して配車可能な、該車両と条件の近い又は/及び該顧客ユーザからのリクエストに合致するものを含んだ代車に関する代車情報を取得し、
前記元請ユーザに対して、複数の代車についての前記代車情報の一覧を、該元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供する、
情報処理装置。
【請求項2】
車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理装置であって、
前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、
前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、
前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するとき、前記車両に関する所定の広告情報を併せて提供することと、
を実行する制御部を備え、
前記制御部は、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報として、前記修理作業の所定の1工程の完了後の前記修理状況画像を提供するとき、前記広告情報として前記車両のアフターパーツに関する情報を提供し、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報として、前記修理作業の全工程の完了後の前記修理状況画像を提供するとき、前記広告情報として前記車両の定期メンテナンスに関する情報を提供する、
情報処理装置。
【請求項3】
車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理装置であって、
前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、
前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、
前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、
を実行する制御部を備え、
前記制御部は、
前記元請ユーザからのリクエスト情報であって、前記修理工場の品質を評価するために画像中に修理に使用する工具を含む条件での前記修理前画像又は/及び前記修理状況画像の取得に関するリクエスト情報を取得し、
前記元請ユーザに対して、前記リクエスト情報に応じた前記修理前画像又は/及び前記修理状況画像を、該元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供する、
情報処理装置。
【請求項4】
車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理方法であって、
コンピュータが、
前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、
前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、
前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、
を実行し、
前記コンピュータは、
前記工場ユーザからの代車情報であって、前記修理工場に入庫される前記車両の代わりに前記顧客ユーザに対して配車可能な、該車両と条件の近い又は/及び該顧客ユーザからのリクエストに合致するものを含んだ代車に関する代車情報を取得し、
前記元請ユーザに対して、複数の代車についての前記代車情報の一覧を、該元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供する、
情報処理方法。
【請求項5】
車両に対する所定の修理作業の工程を管理する情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記車両のユーザである顧客ユーザから該顧客ユーザが契約する損害保険会社である元請ユーザへ伝達された、該車両の事故状況に関する事故情報を取得し、該車両の修理を行う修理工場である工場ユーザが該事故情報を閲覧可能になるように該事故情報を記憶させることと、
前記修理工場に入庫される前記車両に関する所定の車両情報を取得し、前記顧客ユーザ毎の専用情報として、前記顧客ユーザの所定の顧客ユーザ情報及び前記元請ユーザの所定の元請ユーザ情報と併せて前記車両情報及び前記事故情報を記憶させることと、
前記車両が前記工場ユーザによって修理される前の画像である修理前画像を取得し、該修理前画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記修理作業の工程毎にその修理状況に関する画像である修理状況画像を取得し、該修理状況画像を前記専用情報に追加して記憶させることと、
前記顧客ユーザ及び前記元請ユーザに対して、前記専用情報を所定のインタフェースを介して閲覧可能に提供することと、
前記顧客ユーザに対して前記専用情報を提供するときに、該専用情報へアクセスするための情報を該顧客ユーザに通知することと、
を実行させ
前記コンピュータに、
前記工場ユーザからの代車情報であって、前記修理工場に入庫される前記車両の代わりに前記顧客ユーザに対して配車可能な、該車両と条件の近い又は/及び該顧客ユーザからのリクエストに合致するものを含んだ代車に関する代車情報を取得させ、
前記元請ユーザに対して、複数の代車についての前記代車情報の一覧を、該元請ユーザのみが閲覧可能なインタフェースを介して提供させる、
情報処理プログラム。