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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109463
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】台座
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
A63B69/00 508
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014272
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 昭洋
(57)【要約】
【課題】高さの調整が容易に行える台座を提案する。
【解決手段】台座100は、中空の台座本体1を備える。台座本体1の上面10に、別部材2を取り付け可能な取付凹部3を有する。台座本体1の下面11は、上面10に対して嵌合可能な形状に設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の台座本体を備え、
前記台座本体の上面に、別部材を取り付け可能な取付凹部を有し、
前記台座本体の下面は、前記上面に対して嵌合可能な形状に設けられている、
ことを特徴とする台座。
【請求項2】
前記台座本体の前記上面の前記取付凹部の周囲に、横向きのポールを取り付け可能な取付溝を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の台座。
【請求項3】
前記台座本体の前記上面は、前記取付溝を複数有し、
複数の前記取付溝は、前記取付凹部に連通し、前記取付凹部を挟んで、一直線上に並ぶ一対の連通溝を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の台座。
【請求項4】
前記台座本体の側面のうち、互いに異なる方向を向く面のそれぞれに、
凹部と凸部が上下に並んだ第一連結部と、前記凹部と前記凸部に嵌合可能な形状の凸部と凹部が上下に並んだ第二連結部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の台座。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、台座に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スポーツトレーニングに利用される中空の三角柱の筒状の立体的な用具が記載されている。
【0003】
この用具は、三角柱の面の1つを床等に設置して用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3143748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の用具では、トレーニング内容に合わせた高さの調整が容易にできない。
【0006】
上記事情に鑑みて、本開示は、高さの調整が容易に行える台座を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る一態様の台座は、中空の台座本体を備える。前記台座本体の上面に、別部材を取り付け可能な取付凹部を有する。前記台座本体の下面は、前記上面に対して嵌合可能な形状に設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る一態様の台座では、高さの調整が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aは、本開示に係る一実施形態の台座の上面側を示す斜視図であり、図1Bは、同上の台座の下面側を示す斜視図である。
図2図2は、同上の台座の使用例を示す正面図である。
図3図3Aは、同上の台座を示す平面図であり、図3Bは、同上の台座を示す底面図であり、図3Cは、同上の台座を示す正面図である。
図4図4Aは、同上の台座を2つ上下に積み重ねた状態を示す正面図であり、図4Bは、同上の台座を2つ水平方向に連結した状態を示す平面図である。
図5図5は、同上の台座の他の使用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(一実施形態)
1.概要
図1A図1B及び図2に示す一実施形態の台座100は、中空の台座本体1を備える。台座本体1の上面10に、別部材2を取り付け可能な取付凹部3を有する。台座本体1の下面11は、上面10に対して嵌合可能な形状に設けられている。
【0011】
上記構成を備える一実施形態の台座100では、台座本体1を上下に複数個積み重ねた際に、上側の台座本体1の下面11に、その1つ下側の台座本体1の上面10を嵌合させることができ、複数個の台座本体1を安定して積み重ねることができる。そして、一実施形態の台座100では、一番上の台座本体1の取付凹部3に別部材2を取り付けることができるため、この別部材2の高さを、積み重ねた台座本体1の数に応じて調整することができる。したがって、一実施形態の台座100では、高さの調整が容易に行える。
【0012】
2.詳細
続いて、図1Aから図5に示す本実施形態の台座100について、図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
【0013】
台座100は、例えば、図2に示す使用例のように、別部材2として、起立姿勢の人型のボディ2aが取り付けられて、フットボール等のトレーニングで用いられる。ボディ2aは、人の頭に対応する頭部20と、人の体幹及び足に対応する本体部21と、取付凹部3に嵌まり込むベース部22と、を有する。ボディ2aは、台座100を用いなくても、地面等の上に起立状態で設置可能である。ボディ2aは、合成樹脂製であり、ブロー成形又は射出成形によって形成される。なお、ボディ2aの成形は、その他にも、注入成形等の合成樹脂製品を製造する公知の方法を採用することができる。
【0014】
ボディ2aには、人の服に対応するカバー23が装着可能である。カバー23は、ボディ2aを挟むように位置し、上端同士がつながった一対のシート部230,230を有する。一対のシート部230,230のそれぞれの上端部には、頭部20が通る孔231が設けられている。一対のシート部230,230のそれぞれの下部の両側端部には、面ファスナー232が設けられている。
【0015】
カバー23は、孔231にボディ2aの頭部20を通し、各シート部230,230の一方の側端部の面ファスナー232同士を、面ファスナー付きの連結テープ233でつなぎ、各シート部230,230の他方の側端部の面ファスナー232同士を、面ファスナー付きの連結テープ233でつなぐことで、ボディ2aに固定される。
【0016】
なお、カバー23付きのボディ2aを横並びに複数配置した場合には、隣接する2つのボディ2aのカバー23の隣接する側端部の面ファスナー232同士を、連結テープ233でつなぐことで、隣接するカバー23同士を連結することができる。
【0017】
台座100は、中空の台座本体1を備える。台座本体1は、上下方向に複数個積み重ね可能な構造に設けられている。台座本体1は、合成樹脂製である。台座本体1は、ブロー成形又は射出成形によって形成される。
【0018】
図1A図1B図3A図3B、及び図3Cに示すように、台座本体1は、平面視略八角形状に設けられている。台座本体1は、上面10と、上面10に対して嵌合可能な形状に設けられた下面11と、上面10の外周縁と下面11の外周面とをつなぐ側面12を有する。ここで、嵌合とは、凹と凸がぴったりと嵌まり合うことに限定されず、凹に凸が僅かな隙間を介して収まることも含まれる。
【0019】
2-1.台座本体の上面
図1A及び図3Aに示すように、台座本体1の上面10は、別部材2を取り付け可能な取付凹部3を有する。台座本体1の上面10は更に、横向きのポール4(図5参照)を取り付け可能な取付溝5を有する。台座本体1の上面10は、取付溝5を複数有する。複数の取付溝5は、取付凹部3に連通し、取付凹部3を挟んで、一直線上に並ぶ一対の連通溝5aを含む。
【0020】
本実施形態では、台座本体1の上面10は、8つの取付溝5を有する。8つの取付溝5は、台座本体1の上面10の中心周りに、45°間隔で配置されている。8つの取付溝5は、取付凹部3に連通する4つの連通溝5aと、取付凹部3に連通しない4つの非連通溝5bと、を含む。
【0021】
4つの連通溝5aは、一直線上に並ぶ一対の連通溝5aを2組含む。2組の一対の連通溝5aは、一方の組の一対の連通溝5aが並ぶ方向と、他方の組の一対の連通溝5aが並ぶ方向とが、直交するように配置されている。
【0022】
4つの非連通溝5bは、同方向に延びる一対の非連通溝5bを2組含む。2組の一対の非連通溝5bは、一方の組の一対の非連通溝5bが並ぶ方向と、他方の組の一対の非連通溝5bが並ぶ方向とが、直交するように配置されている。
【0023】
台座本体1の上面10は、平面視略円環状の環状突起13と、環状突起13から径方向外側に向けて一直線状に延び、互いに平行な一対の突条部14とを有する。上面10は、一対の突条部14を8組有している。台座本体1の上面10は、平面状のベース部10aを更に有する。ベース部10aは、上面10のうち、環状突起13と8組の一対の突条部14を除いた残りの部分である。
【0024】
環状突起13と8組の一対の突条部14のそれぞれは、ベース部10aから上方に突出している。環状突起13と8組の一対の突条部14のそれぞれは、ベース部10aからの上下長さが互いに同じである。環状突起13の内側の凹みが、取付凹部3であり、一対の突条部14の間の溝が、取付溝5である。
【0025】
環状突起13の周方向の一部には、複数のスリット130が設けられている。そのため、環状突起13は、平面視において、周方向の一部が非連続となった略円環状をなしている。本実施形態では、環状突起13には、4つのスリット130が設けられている。4つのスリット130は、上面10の中心周りに、90°間隔で配置されている。4つのスリット130の配置は、4つの連通溝5aの配置に対応している。
【0026】
台座本体1の上面10のうち環状突起13の内側のベース部10aが、取付凹部3の底面30であり、環状突起13の内周面が、取付凹部3の内周面31である。
【0027】
取付凹部3は、台座本体1の上面10の中央部に位置する。取付凹部3の底面30の中央部には、下方に向けて突出し、かつ上方に向けて開口した凹部32が設けられている。なお、凹部32は、有底筒状であり、凹部32内の穴は台座本体1を貫通していない。凹部32には、縦向きのポール(図示せず)が取付可能である。
【0028】
8組の一対の突条部14のそれぞれは、平面視略円環状の環状突起13の外周面から上面10の外縁まで延びている。8組の一対の突条部14は、環状突起13のうち、4つのスリット130の両縁部分から突出する4組の一対の突条部14aと、環状突起13のうち、周方向に隣接する2つのスリット130間の中間部分から突出する4組の一対の突条部14bと、を有する。
【0029】
一対の突条部14aの間の溝が、連通溝5aであり、一対の突条部14bの間の溝が、非連通溝5bである。連通溝5aは、スリット130を介して取付凹部3に連通している。非連通溝5bは、取付凹部3との間に環状突起13が位置しており、取付凹部3に対して連通していない。連通溝5aと非連通溝5bのそれぞれは、環状突起13から上面10の8つの端辺のうちの1つに向かって延びている。
【0030】
周方向に隣接する2組の一対の突条部14の間には、上方に向けて開口した凹み15が形成されている。凹み15の底面は、上面10のベース部10aで構成されている。上面10は、8つの凹み15を有する。
【0031】
本実施形態では、台座本体1の上面10の凹凸(つまり、環状突起13、8組の一対の突条部14、取付凹部3、及び8つの凹み15)は、上面10の中心を通る中心軸周りに点対称に設けられている。
【0032】
2-2.台座本体の下面
図1B及び図3Bに示すように、台座本体1の下面11は、台座本体1の上面10に対して嵌合可能な形状に設けられている。言い換えると、台座本体1の下面11は、2つの台座本体1を上下に積み重ねた際に、上側の台座本体1の下面11が、下側の台座本体1の上面10に嵌合するように、構成されている。
【0033】
台座本体1の下面11は、取付凹部3に嵌合可能な形状の凸部6と、複数の凹み15に嵌合可能な形状の複数の脚7とを有する。台座本体1の下面11は、平面状のベース部11aを更に有する。ベース部11aは、下面11のうち、凸部6及び複数の脚7を除いた残りの部分である。
【0034】
凸部6と複数の脚7のそれぞれは、ベース部11aから下方に突出している。凸部6の下面と複数の脚7の下面は、上下位置が互いに同じであり、台座本体1の最下面を構成している。
【0035】
台座本体1の下面11には、8つの脚7が設けられている。8つの脚7は、台座本体1の上面10の8つの凹み15の下方(真下)に、一対一に位置している。8つの脚7は、下面11の中心周りに45°間隔で配置されている。8つの脚7は、2つの台座本体1を上下に積み重ねた際に、上側の台座本体1の8つの脚7が、下側の台座本体1の上面10の8つの凹み15に収まり、かつ8つの凹み15の底面(下面11のベース部11a)に載るように、構成されている。上側の台座本体1の8つの脚7が、下側の台座本体1の上面10の8つの凹み15にそれぞれ一対一に収まることで、上側の台座本体1が下側の台座本体1に対して回転方向に位置ずれすることを抑制できる。
【0036】
周方向の隣接する2つの脚7の間には、一対の突条部14を挿入可能な形状の凹み16が形成されている。本実施形態では、台座本体1の下面11は、8つの凹み16を有する。8つの凹み16は、台座本体1の上面10の8組の一対の突条部14の下方(真下)に、一対一に位置している。8つの凹み16は、下面11の中心周りに45°間隔で配置されている。8つの凹み16のそれぞれの底面は、ベース部11aである。8つの凹み16のそれぞれは、台座本体1を移動させる際に、持ち手としても利用される。
【0037】
2つの台座本体1を上下に積み重ねた際に、下側の台座本体1の上面10の8組の一対の突条部14のそれぞれは、上側の台座本体1の下面11の8つ凹み16内に一対一に収まる。なお、このとき、下側の台座本体1の8組の一対の突条部14のそれぞれは、上側の台座本体1の8つ凹み16の底面(ベース部11a)から僅かに離れて位置する。
【0038】
凸部6には、下方に向けて開口し、一直線状に延びた一対の収容溝60が設けられている。一対の収容溝60は、互いに直交する第一収容溝60aと第二収容溝60bを有する。第一収容溝60aは、平面視において、2組の一対の連通溝5aのうち一方の組の一対の連通溝5aが並ぶ直線上に位置する。第二収容溝60bは、平面視において、他方の組の一対の連通溝5aが並ぶ直線上に位置する。
【0039】
収容溝60a,60bのそれぞれの底面は、ベース部11aである。第一収容溝60aは、8つの凹み16のうちの2つの凹み16と一直線上に並んで位置し、第二収容溝60bは、8つの凹み16のうちの他の2つの凹み16と一直線上に並んで位置する。
【0040】
凸部6は、収容溝60a,60bを挟むように位置する4つの突起61で構成されている。4つの突起61は、取付凹部3に嵌合可能な形状に設けられている。
【0041】
台座本体1の下面11の中央部には、上方に向けて突出し、下方に向けて開口した凹部62が設けられている。凹部62は、収容溝60a,60bが交差する部分に位置している。なお、凹部62は、有底筒状であり、凹部62内の穴は台座本体1を貫通していない。凹部62は、凹部32に接しており、これにより、ブロー成形時の台座本体1のたわみの発生を抑制できる。本実施形態では、凹部32と凹部62は溶着されている。
【0042】
本実施形態では、台座本体1の下面11の凹凸(つまり、凸部6、8つの脚7、収容溝60a,60b、及び8つの凹み16)は、下面11の中心を通る中心軸周りに点対称に設けられている。
【0043】
2-3.台座本体の側面
図1A図1B図3A図3B及び図3Cに示すように、台座本体1の側面12は、互いに異なる方向を向く複数の面12a,12bを有する。台座本体1の側面12のうち、互いに異なる方向を向く面12aのそれぞれに、凹部80と凸部81が上下に並んだ第一連結部8と、凹部80と凸部81に嵌合可能な形状の凸部90と凹部91が上下に並んだ第二連結部9と、を有する。
【0044】
本実施形態では、台座本体1の側面12は、8つの面12a,12bを有する。8つの面12a,12bは、4つの連通溝5aが延びる方向を向く4つの面12aと、4つの非連通溝5bが延びる方向を向く4つの面12bと、を有する。面12aと面12bは、側面12の周方向に、交互に1つずつ並んで位置する。
【0045】
4つの面12aのそれぞれに、第一連結部8と第二連結部9が設けられている。第一連結部8と第二連結部9は、各面12aの周方向の両端部に位置する。4つの面12aの第一連結部8と第二連結部9の間隔及び配置は、互いに同じである。
【0046】
各面12aの第一連結部8の凸部81と第二連結部9の凸部90は、各面12aが向く方向に突出している。第一連結部8の凸部81と第二連結部9の凸部90は、本実施形態では、上下方向に延びた突条であり、上下方向に対して直交する断面形状が、台形状である。
【0047】
各面12aの第一連結部8の凹部80と第二連結部9の凹部91は、各面12aが向く方向と反対方向に、凹んでいる。第一連結部8の凹部80と第二連結部9の凹部91は、本実施形態では、上下方向に延びた溝であり、上下方向に対して直交する断面形状が、台形状である。
【0048】
第一連結部8の凸部81と第二連結部9の凹部91は、上下方向の長さ及び上下方向の位置が互いに略同じである。第一連結部8の凹部80と第二連結部9の凸部90は、上下方向の長さ及び上下方向の位置が互いに略同じである。第二連結部9の凸部90の下面は、第一連結部8の凸部81の上面よりも僅かに上方に位置する。第一連結部8の凹部80及び第二連結部9の凸部90の上下方向の長さは、第一連結部8の凸部81及び第二連結部9の凹部91の上下方向の長さよりも長い。
【0049】
側面12の4つの面12bのうちの1つの面12bには、台座本体1の内部空間に連通する注ぎ口17が設けられている。注ぎ口17には、キャップ18が着脱自在に取り付けられる。注ぎ口17は、例えば、円筒状であり、外周面にはねじ溝が形成されている。キャップ18は、例えば、有底の円筒状であり、内周面にはねじ溝が形成されている。キャップ18の外周面には、滑り止めが設けられている。
【0050】
台座本体1の内部空間には、注ぎ口17を通じて、水等からなる重りを入れることができる。なお、台座本体1の内部空間に入れる重りは、水に限定されず、砂等の他の材料であってもよい。
【0051】
本実施形態の台座本体1では、側面12の4つの面12aのそれぞれに凸部81,90が設けられているため、この凸部81,90を持ち手として利用することも可能である。
【0052】
また、本実施形態の台座本体1では、4つの面12aのそれぞれに、第一連結部8と第二連結部9が設けられているため、複数の台座本体1を水平方向に並べて連結部8,9を連結する際に、4つの面12aのうちのいずれの面12aを連結してもよく、台座本体1の設置向きの自由度が高い。
【0053】
また、本実施形態の台座本体1では、連結部8,9が設けられた4つの面12aとは別の面12bに注ぎ口17を設けているため、複数の台座本体1を水平方向に並べて連結部8,9を連結する際に、いずれの面12a同士を連結しても、注ぎ口17が邪魔にならない。
【0054】
3.台座の利用方法
以上説明した本実施形態の台座100は、図4Aに示すように、複数(例えば2つ)の台座本体1を上下方向に積み重ねることができる。
【0055】
このとき、上側の台座本体1aの8つの脚7は、下側の台座本体1bの8つの凹み15に収まって、下側の台座本体1bの凹み15の底面(ベース部10a)に接する。また、下側の台座本体1bの8組の一対の突条部14及び8つの取付溝5は、上側の台座本体1aの下面11の8つの凹み16に収まる。
【0056】
また、上側の台座本体1aの下面11の凸部6は、下側の台座本体1bの上面10の取付凹部3に収まる(嵌合する)。また、上側の台座本体1aの凸部6の一対の収容溝60a,60bは、下側の台座本体1bの2組の一対の連通溝5aと一直線上に並んで位置する。
【0057】
上側の台座本体1aの上面10の取付凹部3には、図2に示すように、起立姿勢の人型のボディ2aからなる別部材2を取り付けることができる。なお、上側の台座本体1aには、別部材2を取り付けたうえで、横向きのポール4を取り付けることも可能である。積み重ねる台座本体1の数を適宜選択することで、一番上の台座100に取り付けたボディ2aの高さ位置を調整することができる。
【0058】
なお、本実施形態の台座100は、上下方向に台座本体1を3つ以上積み重ねることや、台座本体1を1つだけ用いることも可能である。
【0059】
上下に積み重ねられた複数の台座本体1は、ベルト等の固定手段で固定してもよい。この場合、ベルトは、一番上の台座本体1の一対の連通溝5a及び取付凹部3と、一番下の台座本体1の一対の凹み16及び1つの収容溝60を通るように、複数の台座本体1に装着される。なお、ベルト等の固定手段で、台座本体1に別部材2を固定することも可能である。この場合、ベルトは、例えば、別部材2に巻き付けてもよいし、別部材2の一部(脚元の部分)に設けた孔に通すなどしてもよい。別部材2は、上下に積み重ねられた複数の台座本体1に対して、一番上の台座本体1にのみ固定されてもよいし、複数の台座本体1の全てに固定されてもよいし、複数の台座本体1のうちの上側の台座本体1にのみ固定されてもよい。別部材2を一番上の台座本体1にのみ固定した場合や、複数の台座本体1のうちの上側の台座本体1にのみ固定した場合には、別部材2と複数の台座本体1とを移動させる際に、複数の台座本体1の全てを持つ必要がなくて、移動させやすい。
【0060】
また、本実施形態の台座100は、図4Bに示すように、複数(例えば2つ)の台座本体1を、水平方向に連結させて配置することができる。
【0061】
例えば、左右2つの台座本体1c,1dは、左側の台座本体1cの側面12のうちの右端の面12aの第一連結部8と第二連結部9を、右側の台座本体1dの側面12のうちの左端の面12aの第二連結部9と第一連結部8に、連結させることができる。
【0062】
このとき、左側の台座本体1cの第一連結部8の凸部81が、右側の台座本体1dの第二連結部9の凹部91に収まり、右側の台座本体1dの第二連結部9の凸部90が、左側の台座本体1cの第一連結部8の凹部80に収まる。これにより、左右2つの台座本体1c,1dは、側面12の1つの面12a同士を突き合せた状態で、配置することができる。
【0063】
また、左右に連結された2つの台座本体1c,1dでは、一方の台座本体1の第二連結部9の凸部90によって、他方の台座本体1の第一連結部8の凸部81を上方から抑えることができるため、浮き上がる方向への移動を互いに規制することができる。そのため、利用者がボディ2aに接触するなどして台座本体1に外力を加わった際に、台座本体1が浮き上がることを抑制することができる。
【0064】
また、左右2つの台座本体1c,1dを連結部8,9で連結した状態では、左側の台座本体1cの一方の組の一対の連通溝5aと、右側の台座本体1dの一方の組の一対の連通溝5aとが、一直線上に並ぶ。
【0065】
また、本実施形態の台座100は、図5に示すように、水平方向に間隔をおいて配置した複数組の台座100間に、横向きのポール4を架け渡して配置することができる。
【0066】
図5に示す例では、複数組の台座100は、1つの台座本体1で構成される3組の台座100Aと、上下方向に積み重ねた2つ台座本体1で構成される1組の台座100Bと、上下方向に積み重ねた3つの台座本体1で構成される2組の台座100Cと、を含む。
【0067】
横向きのポール4は、複数組の台座100A,100B,100Cのうち、水平方向に間隔をおいて配置された2組の台座100に架け渡して配置することができる。
【0068】
各組の台座100A,100B,100Cに対して、横向きのポール4は、台座本体1の一対の連通溝5aと取付凹部3とに通るように、取り付けることができる。また、横向きのポール4は、台座本体1の一対の連通溝5aのうちの一方と取付凹部3とに通るように、取り付けることもできる。また、横向きのポール4は、その長手方向の一端部を、台座本体1の非連通溝5bに取り付けることもできる。いずれの場合でも、横向きのポール4は、スライド可能であり、台座本体1から突出する長さの調整が可能である。これにより、各台座本体1から突出するポール4の長さを調整できて、水平方向に隣接する2組の台座100間の距離を、適宜設定することができる。
【0069】
また、台座100B,100Cでは、横向きのポール4は、上下に並んだ2つの台座本体1の、下側の台座本体1の連通溝5aと取付凹部3とを通り、かつ上側の台座本体1の凸部6の収容溝60を通るように、取り付けることができる。この場合、横向きのポール4の上方への移動を、上側の台座本体1の凹み16の底面(ベース部11a)によって規制することができる。
【0070】
なお、台座100B,100Cでは、横向きのポール4は、その長手方向の端部を、上下に並んだ2つの台座本体1の、下側の台座本体1の非連通溝5bに取り付けることもできる。この場合も、横向きのポール4の上方への移動を、上側の台座本体1の凹み16の底面(ベース部11a)によって規制することができる。
【0071】
また、各組の台座100A,100B,100Cの一番上の台座本体1には、ボディ2aを取り付けてもよいし、縦向きのポールを取り付けてもよい。
【0072】
また、本実施形態の台座100は、複数の台座100を上下方向に段積みしたうえで、他の台座100と水平方向に連結してもよく、縦方向と横方向の連結を同時に行ってもよい。
【0073】
本実施形態の台座100は、例えば、別部材2付きの台座本体1を複数個、キャスター付きのカートに載せて移動させることも可能であり、この場合、容易に移動可能である。
【0074】
4.変形例
続いて、上述した一実施形態の台座100の変形例について説明する。以下に説明する各変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0075】
台座本体1の下面11は、上面10に対して嵌合可能な形状に設けられていればよく、下面11の形状は、図1B等に示す形状に限定されない。例えば、台座本体1の下面11は、凸部6を有さなくてもよい。また、凸部6には、一対の収容溝60を設けなくてもよい。
【0076】
取付凹部3は、別部材2を取付可能な凹み形状に設けれたものであればよく、環状突起13で囲まれて形成されるものに限定されない。例えば、取付凹部3は、下方に凹んだ凹みであってもよい。
【0077】
また、取付溝5は、横向きのポール4を取付可能な溝状に設けられたものであればよく、一対の突条部14で囲まれて形成されるものに限定されない。例えば、取付溝5は、下方に凹んだ溝であってもよい。
【0078】
また、台座本体1の上面10は、取付溝5を複数有さなくてもよく、取付溝5を1つだけ有してもよい。また、台座本体1の上面10は、取付溝5を有さなくてもよい。
【0079】
また、台座本体1の上面10は、取付凹部3と連通する連通溝5aを有さなくてもよく、取付凹部3に対して連通しない非連通溝5bのみを有してもよい。台座本体1の上面10は、例えば、互いに異なる方向に向けて延びる8つの非連通溝5bを有してもよい。
【0080】
また、取付溝5は、環状突起13から上面10の端辺まで延びたものに限らず、環状突起13の径方向の厚み内に収まるように設けられてもよく、つまり、スリット130で構成されてもよい。この場合、環状突起13の外側に台座本体1の上面10の端辺を隣接させて配置できるため、台座本体1のコンパクト化を図ることができる。またこの場合、環状突起13の周方向に並ぶ2つのスリット130の中間部分の外側(つまり非連通溝5bに対応する箇所)に、突起を設けてもよい。2つの台座本体1を上下に積み重ねた際に、下側の台座本体1に対して上側の台座本体1が回転方向に位置ズレすることを突起によって抑制できる。またこの場合、台座本体1が有する複数の脚7の数は、4つであってもよい。4つの脚7のそれぞれは、対応する突起の下方に配置される。この場合、4つの脚7のそれぞれの下面には、突起が収まることが可能な形状に設けられた凹みが設けられる。
【0081】
また、非連通溝5bは、台座本体1の中心(凹部32)を向くように設けられなくてもよく、例えば、周方向に並ぶ2つの非連通溝5bは、互いに平行に延びてもよい。この場合、2つの台座本体1の間には、2本のポール4を互いに平行に設置することができる。
【0082】
また、取付凹部3を囲む突起は、平面視略円環状の環状突起13に限定されない。例えば、取付凹部3を囲む突起は、ポール4の太さの例えば2倍以上の間隔をあけて配置される複数の突起であってもよく、平面視略円環状に見えないように配置された複数の突起で構成されてもよい。
【0083】
別部材2は、人型のボディ2aに限定されない。別部材2は、取付凹部3に嵌合可能なベース部22を有するものであればよく、各種の文字や図形等が表示された板状の表示体であってもよい。
【0084】
取付凹部3の底面30は、縦向きのポールを取り付け可能な凹部32を有さなくてもよい。
【0085】
また、凹部32,62内の穴は、台座本体1を上下方向に貫通する孔であってもよい。
【0086】
第一連結部8と第二連結部9の配置は、互いに逆であってもよい。また、連結部8,9の凹部80と凸部90の上下長さは、凸部81と凹部91の上下長さよりも短くてもよいし、同じであってもよい。
【0087】
また、台座本体1の側面12は、4つの面12aの全てに、連結部8,9を有さなくてもよく、例えば、4つの面12aのうちの2つ又は3つにのみ、連結部8,9を有してもよい。また、台座本体1は、側面12に連結部8,9を有さなくてもよい。
【0088】
また、環状突起13の上下長さ(ベース部10aからの上下長さ)は、突条部14の上下長さ(ベース部10aからの上下長さ)よりも長くてもよい。
【0089】
また、台座本体1の上面10は、取付凹部3と連通する連通溝5aのみを有し、取付凹部3に対して連通しない非連通溝5bを有さなくてもよい。この場合、台座本体1の下面11は、非連通溝5bが収まる凹み16を有さなくてもよく、この凹み16を挟む2つの脚7は、下面が凹み16を有さない平面となった1つの脚に形成されてもよい。また、この1つの脚は、脚の下面と台座本体1の側面12とが、側面12に近い部分ほど外側に位置するように傾斜した傾斜面を介して連続するように形成されてもよい。
【0090】
(まとめ)
以上説明した一実施形態及びその変形例のように、第一態様の台座100は、下記の構成を具備する。
【0091】
すなわち、第一態様の台座100は、中空の台座本体1を備える。台座本体1の上面10に、別部材2を取り付け可能な取付凹部3を有する。台座本体1の下面11は、上面10に対して嵌合可能な形状に設けられている。
【0092】
上記構成を備える第一態様の台座100では、台座本体1を上下に複数個積み重ねた際に、上側の台座本体1の下面11に、その1つ下側の台座本体1の上面10を嵌合させることができ、複数個の台座本体1を安定して積み重ねることができる。そして、第一態様の台座100では、一番上の台座本体1の取付凹部3に別部材2を取り付けることができるため、この別部材2の高さを、積み重ねた台座本体1の数に応じて調整することができる。したがって、第一態様の台座100では、高さの調整が容易に行える。
【0093】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第二態様の台座100は、第一態様の台座100の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0094】
すなわち、第二態様の台座100は、台座本体1の上面10の取付凹部3の周囲に、横向きのポール4を取り付け可能な取付溝5を有する。
【0095】
上記構成を備える第二態様の台座100では、取付溝5に横向きのポール4を取り付けることができるため、水平方向に間隔をおいて配置した複数の台座100間に、横向きのポール4を架け渡して配置することができる。
【0096】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第三態様の台座100は、第二態様の台座100の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0097】
すなわち、第三態様の台座100では、台座本体1の上面10は、取付溝5を複数有する。複数の取付溝5は、取付凹部3に連通し、取付凹部3を挟んで、一直線上に並ぶ一対の連通溝5aを含む。
【0098】
上記構成を備える第三態様の台座100では、一対の連通溝5aのうち少なくとも一方と取付凹部3とに、横向きのポール4を取り付けることができる。そのため、第三態様の台座100では、台座本体1から飛び出すポール4の長さ調整がしやすくて、ポール4が架け渡される2つの台座100間の距離の調整がしやすい。
【0099】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第四態様の台座100は、第一から第三のいずれか1つの態様の台座100の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0100】
すなわち、第四態様の台座100では、台座本体1の側面12のうち、互いに異なる方向を向く面12aのそれぞれに、凹部80と凸部81が上下に並んだ第一連結部8と、凹部80と凸部81に嵌合可能な形状の凸部90と凹部91が上下に並んだ第二連結部9と、を有する。
【0101】
上記構成を備える第四態様の台座100では、台座本体1を水平方向に2つ並べて配置した際に、一方の台座本体1の第一連結部8と第二連結部9を、他方の台座本体1の第二連結部9と第一連結部8に嵌合させることができる。そのため、第四態様の台座100では、各台座本体1の第二連結部9の上側の凸部90によって、他方の台座本体1の第一連結部8の下側の凸部81の上方への移動を規制できて、2つの台座本体1が転倒することを互いに抑制することができる。また、第四態様の台座100では、台座本体1を上下に複数個積み重ねることができるうえ、台座本体1を水平方向に複数連結することができるため、複数の台座本体1の縦方向と横方向の連結を同時に行うことができる。
【0102】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 台座本体
10 上面
11 下面
12 側面
12a 面
2 別部材
3 取付凹部
4 ポール
5 取付溝
5a 連通溝
8 第一連結部
80 凹部
81 凸部
9 第二連結部
90 凸部
91 凹部
100 台座
図1
図2
図3
図4
図5