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特開2024-109488画像形成装置、現像剤劣化状態検出方法および現像剤劣化状態検出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109488
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】画像形成装置、現像剤劣化状態検出方法および現像剤劣化状態検出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
G03G15/08 320
G03G15/08 321B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014311
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】河田 真典
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AA12
2H077AA34
2H077AB02
2H077AB14
2H077AB18
2H077AC02
2H077AE06
2H077BA09
2H077DA08
2H077DA10
2H077DA12
2H077DA20
2H077DA22
2H077DA42
2H077DA52
2H077DB02
2H077DB10
2H077DB22
2H077EA03
2H077GA04
(57)【要約】
【課題】 使用態様により変動する現像器に収容される現像剤の状態を正確に検出する。
【解決手段】 画像形成装置は、トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像器と、現像器に収容された現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出する濃度検出部59と、所定期間に現像器により消費されたトナーの期間消費量を決定する期間消費量決定部61と、所定期間に現像器に供給されたトナーの期間供給量を決定する期間供給量決定部63と、トナー濃度、期間消費量および期間供給量から現像剤の状態を検出する状態検出部65と、を備える。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像器と、
前記現像器に収容された前記現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出する濃度検出手段と、
所定期間に前記現像器により消費されたトナーの期間消費量を決定する期間消費量決定手段と、
前記所定期間に前記現像器に供給されたトナーの期間供給量を決定する期間供給量決定手段と、
前記トナー濃度、前記期間消費量および前記期間供給量から前記現像剤の状態を検出する状態検出手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記状態検出手段は、前記トナー濃度が濃度しきい値以下かつ前記期間供給量に対する前記期間消費量の比率が第1比率しきい値以下の場合に前記現像剤が使用不可の状態を検出する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤が使用不可の状態が検出されることに応じて、前記現像器の交換を指示する交換指示手段を、さらに備えた請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
トナーを供給する収容部と、
前記現像器により消費される消費量と前記トナー濃度に対して定まる補正量とから前記現像器に供給する供給量を決定する供給量決定手段と、
前記供給量決定手段により前記供給量が決定されるごとに前記収容部に収容されたトナーを前記供給量だけ前記現像器に供給する供給手段と、をさらに備え、
前記状態検出手段は、前記トナー濃度が前記濃度しきい値以下かつ前記期間供給量に対する前記期間消費量の比率が前記第1比率しきい値より大きい第2比率しきい値以下の場合に前記現像剤の劣化した状態を検出し、
前記供給量決定手段は、前記現像剤の劣化した状態が検出されること応じて前記補正量を変更する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記供給量決定手段は、前記現像剤の劣化した状態が検出されること応じて前記補正量を減少させる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記供給量決定手段は、前記補正量を前記トナー濃度から所定の濃度を減算したトナー濃度に対して定められる量に決定する、または、前記補正量を前記トナー濃度に対して定められる量から所定量を減算した量に決定する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像剤が劣化した状態が検出されること応じて、通知する通知手段を、さらに備えた、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記期間供給量決定手段は、前記供給手段の駆動源となるモーターの回転数または回転トルク、または、前記収容部の重量の変化に基づいて、前記期間供給量を決定する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに対応する静電潜像を像担持体に形成する静潜像形成手段と、をさらに備え、
前記現像器は、前記像担持体に対向して設けられ、前記像担持体に形成された前記静電潜像を現像し、
前記消費量決定手段は、所定期間に取得された前記画像データに基づいて、トナーの前記消費量を算出する、請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像器を備えた画像形成装置で実行される現像剤劣化状態検出方法であって、
前記現像器に収容された前記現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出する濃度検出ステップと、
所定期間に前記現像器により消費されたトナーの期間消費量を決定する期間消費量決定ステップと、
前記所定期間に前記現像器に供給されたトナーの期間供給量を決定する期間供給量決定ステップと、
前記トナー濃度、前記期間消費量および前記期間供給量から前記現像剤の状態を検出する状態検出ステップと、を含む現像剤劣化状態検出方法。
【請求項11】
トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像器を備えた画像形成装置を制御するコンピューターで実行される現像剤劣化状態検出プログラムであって、
前記現像器に収容された前記現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出する濃度検出ステップと、
所定期間に前記現像器により消費されたトナーの期間消費量を決定する期間消費量決定ステップと、
前記所定期間に前記現像器に供給されたトナーの期間供給量を決定する期間供給量決定ステップと、
前記トナー濃度、前記期間消費量および前記期間供給量から前記現像剤の状態を検出する状態検出ステップと、を前記コンピューターに実行させる現像剤劣化状態検出プログラム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、現像剤劣化状態検出方法および現像剤劣化状態検出プログラムに関し、特に、トナーとキャリアとからなる現像剤を用いて画像を形成する画像形成装置、その画像形成装置で実行される現像剤劣化状態検出方法およびその現像剤劣化状態検出方法をコンピューターに実行させる現像剤劣化状態検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)で代表される画像形成装置は、感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像器を有する。この現像器は、非磁性体のトナーと磁性体のキャリアとからなる現像剤を収容し、現像剤をスクリューで攪拌する。現像剤が攪拌されると摩擦により発生する静電気でトナー粒子に電荷が付与され、トナーが静電的な吸着力によりキャリアに付着した状態で、現像剤が現像器内を移動する。現像剤が現像器内を移動する間に、感光体ドラムに形成された静電潜像がトナーにより現像される。感光体ドラムに現像されるトナー像の品質を維持するために、現像器内でトナーとキャリアの重量比(トナー濃度)を一定に保つことが必要である。このため、透磁率センサーを用いて検出される透磁率からトナー濃度が予測され、予測結果に基づいて現像器に補給されるトナーの量が調整される。
【0003】
一方で、現像剤が攪拌されることによって現像剤に物理的なストレスが加わる。このため、所定時間駆動を続けるとキャリアのコート層が減耗したり、キャリアにトナー成分または外添成分が固着したり、トナーに付着している外添剤がトナーに埋没したりすることによって現像剤が劣化する。現像剤が劣化するとトナーの帯電能力が低下する。その結果、トナーとキャリアの静電的な吸着力が低下し、画像品質が悪化する場合がある。画像品質が悪化する事象としては、感光体ドラムの静電潜像が形成されていない部分にトナーが付着する事象や、現像器に補給されるトナーの一部がキャリアに吸着されずに粉煙となって現像器の外部に排出されて記録媒体に付着する事象がある。
【0004】
特開昭64-576号公報には、現像装置内の卜ナー濃度を検出し、トナー濃度に応じた信号を出力するセンサーの出力を受けて、少なくとも現像装置内の現像ローラーの駆動開始後であって所定時間が経過するまでに、センサー出力が所定レベルを超えているかどうかの判断をし、センサー出力が所定レベル以下になると通常の画像形成動作へ移行し、センサー出力が所定レベル以下になることなく上記所定時間が経過した時点でセンサー出力が所定レベルを越えているとき、プロセスユ二ツ卜の寿命と判定し、寿命表示の信号を出力するようにしたことを特徴とするプロセスユ二ツ卜の寿命検知方法が記載されている。
【0005】
特開昭64-576号公報に記載の寿命検知方法は、プロセスユニットの駆動開始後所定時間内に形成される画像によっては誤判定する場合がある。例えば、プロセスユ二ツ卜がその寿命に到達している状態であってもトナーの消費量が多い画像が形成される場合には、センサー出力が所定レベル以下となる場合があり、この場合には、寿命を判定できない場合があるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭64-576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的の一つは、使用態様により変動する現像器に収容される現像剤の状態を正確に検出することが可能な画像形成装置を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、使用態様により変動する現像器に収容される現像剤の状態を正確に検出することが可能な現像剤劣化状態検出方法を提供することである。
【0009】
この発明のさらに他の目的は、使用態様により変動する現像器に収容される現像剤の状態を正確に検出することが可能な現像剤劣化状態検出プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明のある局面によれば、画像形成装置は、トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像器と、現像器に収容された現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出する濃度検出手段と、所定期間に現像器により消費されたトナーの期間消費量を決定する期間消費量決定手段と、所定期間に現像器に供給されたトナーの期間供給量を決定する期間供給量決定手段と、トナー濃度、期間消費量および期間供給量から現像剤の状態を検出する状態検出手段と、を備える。
【0011】
この発明の他の局面によれば、現像剤劣化状態検出方法は、トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像器を備えた画像形成装置で実行される現像剤劣化状態検出方法であって、現像器に収容された現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出する濃度検出ステップと、所定期間に現像器により消費されたトナーの期間消費量を決定する期間消費量決定ステップと、所定期間に現像器に供給されたトナーの期間供給量を決定する期間供給量決定ステップと、トナー濃度、期間消費量および期間供給量から現像剤の状態を検出する状態検出ステップと、を含む。
【0012】
この発明のさらに他の局面によれば、現像剤劣化状態検出プログラムは、トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像器を備えた画像形成装置を制御するコンピューターで実行される現像剤劣化状態検出プログラムであって、現像器に収容された現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出する濃度検出ステップと、所定期間に現像器により消費されたトナーの期間消費量を決定する期間消費量決定ステップと、所定期間に現像器に供給されたトナーの期間供給量を決定する期間供給量決定ステップと、トナー濃度、期間消費量および期間供給量から現像剤の状態を検出する状態検出ステップと、をコンピューターに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す斜視図である。
図2】本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図3】MFPの内部構成を示す模式的断面図である。
図4】現像器の断面図である。
図5図4のP-P線断面図である。
図6】本実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図7】印字枚数と期間消費量との関係の一例を示す図である。
図8】印字枚数と期間供給量との関係の一例を示す図である。
図9】印字枚数と検出濃度との関係の一例を示す第1の図である。
図10】期間供給量に対する期間消費量の比率の変化の一例を示す第1の図である。
図11】実験結果の一例を示す第1の図である。
図12】印字枚数と検出濃度との関係の一例を示す第2の図である。
図13】期間供給量に対する期間消費量の比率の変化の一例を示す第2の図である。
図14】実験結果の一例を示す第2の図である。
図15】現像剤劣化状態検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16】供給制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図1および図2を参照して、MFP(Multi Function Peripheral)100は、画像処理装置の一例であり、メイン回路110と、原稿を読み取る原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送する自動原稿搬送装置120と、画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給する給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0016】
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ127上に排出する。
【0017】
原稿読取部130は、原稿を読み取るための矩形状の読取面を有する。読取面は、例えばプラテンガラスにより形成される。自動原稿搬送装置120は、読取面の1つの辺に平行な軸を中心に回転可能にMFP100の本体に接続され、開閉可能である。自動原稿搬送装置120の下方に、原稿読取部130が配置されており、自動原稿搬送装置120が回転して開いた開状態で、原稿読取部130の読取面が露出する。このため、ユーザーは、原稿読取部130の読取面に原稿を載置可能である。自動原稿搬送装置120は、原稿読取部130の読取面が露出する開状態と、読取面を覆う閉状態とに状態を変化可能である。
【0018】
画像形成部140は、給紙部150により搬送される用紙に、周知の電子写真方式により画像を形成する。本実施の形態では、画像形成部140は、画像データと、用紙の媒体種別に対応する画像形成条件で、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。画像が形成された用紙は排紙トレイ159に排出される。
【0019】
メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置118と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0020】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0021】
操作パネル160は、MFP100の上部に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0022】
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、静電容量方式である。なお、タッチパネル165は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
【0023】
タッチパネル165は、その検出面が表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル165の検出面のサイズと、表示部161の表示面のサイズとを同じである。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル165は、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル165が出力する座標を、表示面の座標に置き換えることができる。
【0024】
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ユーザーがMFP100を操作する場合は直立した姿勢となる場合が多いので、表示部161の表示面、タッチパネル165の操作面およびハードキー部167は、上方を向いて配置される。ユーザーが表示部161の表示面を容易に視認することができ、ユーザーは指で操作部163を容易に指示できる。
【0025】
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターまたはデータ処理装置と通信する。通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0026】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0027】
外部記憶装置118は、CPU111により制御され、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)118A、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置118を制御して、CD-ROM118AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0028】
CPU111は、画像形成部140を制御し、用紙などの記録媒体に画像データの画像を形成させる。CPU111が画像形成部140に出力する画像データは、原稿読取部130から入力される画像データの他、外部から受信されるプリントデータ等の画像データを含む。
【0029】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0030】
図3は、MFPの内部構成を示す模式的断面図である。図3を参照して、自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125に載置された1以上の原稿をさばいて、1枚ずつ原稿読取部130に搬送する。原稿読取部130は、自動原稿搬送装置120により原稿ガラス11上にセットされた原稿の画像を、その下方を移動するスライダー12に取付けられた露光ランプ13で露光する。原稿からの反射光は、ミラー14と2枚の反射ミラー15,15Aによりレンズ16に導かれ、CCD(Charge Coupled Devices)センサー18に結像する。露光ランプ13とミラー14とは、スライダー12に取付けられており、スライダー12は、スキャナモーター17により、図3中に示す矢印方向(副走査方向)へ複写倍率に応じた速度Vで移動する。これにより、原稿ガラス11上にセットされた原稿を全面にわたって走査することができる。また、露光ランプ13とミラー14の移動に伴い、2枚の反射ミラー15,15Aは、速度V/2で図3中矢印方向へ移動する。これにより、露光ランプ13で原稿に照射された光が、原稿で反射してからCCDセンサー18に結像するまでの光路長が常に一定となる。原稿読取部130は、動作モードが省電力モードから通常モードに切り換わる起動時に、初期化処理としてシェーディング補正を実行し、スライダー12を予め定められた位置に移動させる。
【0031】
CCDセンサー18に結像した反射光は、CCDセンサー18内で電気信号としての画像データに変換される。画像データは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の印字用データに変換されて、画像形成部140に出力される。
【0032】
画像形成部140は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備える。ここで、“Y”、“M”、“C”および“K”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像を形成する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。
【0033】
画像形成ユニット20Yは、イエローの印字用データが入力される露光装置21Yと、露光装置21Yの像担持体である感光体ドラム23Yと、帯電チャージャ22Yと、現像器24Yと、転写チャージャ25Yと、トナーボトル41Yと、トナーホッパー42Yと、を備える。トナーボトル41Yは、イエローのトナーを収納する。トナーボトル41Yは、トナーボトルモーターを駆動源として回転する。トナーボトル41Yは、その内壁にらせん状の突起が形成されている。トナーボトル41Yが回転すると、トナーが突起に沿って移動してトナーボトル41Yの外部に排出される。トナーボトル41Yから排出されたトナーは、トナーホッパー42Yに供給される。トナーホッパー42Yは、トナーを収納する収納室と、収納室の下部に設けられたスクリューと、スクリューを回転させるトナー補給モーターとを備える。収納室のスクリューの端部の近傍に現像器24Yに連通する連結部材が取り付けられている。トナー補給モーターがスクリューを回転させると、収納室に収納されたトナーがスクリューに沿って移動し、トナーが連結部材を通って現像器24Yに供給される。トナーホッパー42Yのスクリューの回転量を調整することにより、現像器24Yに供給されるトナーの量が調整される。
【0034】
露光装置21Yは、画像データ(電気信号)に応じて発光し、被写体である感光体ドラム23Yを露光する。感光体ドラム23Yは、帯電チャージャ22Yによって帯電された後、露光装置21Yが発光するレーザー光が照射される。これにより、感光体ドラム23Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器24Yが、トナーボトル41Yから供給されたトナーを静電潜像上に載せることによりトナー像が形成される。感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト30上に、転写チャージャ25Yにより転写される。
【0035】
一方、中間転写ベルト30は、駆動ローラー33Cとローラー33Aとにより弛まないように懸架されている。駆動ローラー33Cが図3中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト30が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト30の回転に伴って、ローラー33Aが、反時計回りに回転する。
【0036】
これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが、順に中間転写ベルト30上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれが、中間転写ベルト30上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト30に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト30上に重畳される。
【0037】
中間転写ベルト30に形成されたトナー像は、転写ローラー26によって用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、定着ローラー対32に搬送され、定着ローラー対32により加熱される。これにより、トナーが溶かされて用紙に定着する。その後、用紙は排紙トレイ159に排出される。
【0038】
画像形成ユニット20Kと転写ローラー26との間に、中間転写ベルト30に転写されたトナー像の一部を読み取るためのレジストセンサー39が設けられている。レジストセンサー39は、中間転写ベルト30に向かって光を射出する投光部と、中間転写ベルト30で反射した光を受光する受光部とを含み、受光部が受光した光の量を示す信号を出力する。レジストセンサー39は、画像形成ユニット20Kと転写ローラー26との間に設けられるため、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれによって中間転写ベルト30に形成されたトナー像を読み取ることが可能である。レジストセンサー39は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれの色のトナー像を検出可能である。
【0039】
中間転写ベルト30の画像形成ユニット20Yの上流に、除去装置28が設けられている。除去装置28は、中間転写ベルト30に残存するトナーを除去する。
【0040】
給紙カセット35,35A,35Bには、それぞれサイズの異なる用紙がセットされている。給紙カセット35,35A,35Bそれぞれに収納された用紙は、給紙カセット35,35A,35Bにそれぞれ取付けられている取出ローラー36,36A,36Bにより、搬送経路へ供給され、給紙ローラー37によりタイミングローラー31へ送られる。
【0041】
MFP100は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。なお、ここでは、用紙に4色のトナーそれぞれを形成する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備えたタンデム方式のMFP100について説明するが、1つの感光体ドラムで4色のトナーを順に用紙に転写する4サイクル方式のMFPであってもよい。
【0042】
次に、現像器24Y,24M,24C,24Kについて説明する。現像器24Y,24M,24C,24Kは、収容されるトナーの色が異なるが構成は同じなので、ここでは、現像器24Yを例に説明する。
【0043】
図4は、現像器の断面図である。図4を参照して、現像器24Yは、ハウジング200Yと、供給スクリュー201Y、撹拌スクリュー203Y、透磁率センサー204Y、現像ローラー205Yおよび規制部材209Yを備える。ハウジング200Yと、供給スクリュー201Y、撹拌スクリュー203Y、現像ローラー205Yおよび規制部材209Yのそれぞれは、感光体ドラム23Yの軸方向(紙面垂直方向:以下、軸方向という。)に沿って延びる長尺形状である。以下、撹拌スクリュー203Yの位置を基準に上下方向を規定する。
【0044】
ハウジング200Yは、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)などの樹脂製であり、その内部に現像剤が収容される。ハウジング200Yは、隔壁207Yを介して区画されている第1収容室Sp1と第2収容室Sp2を有する。
【0045】
第1収容室Sp1には、現像ローラー205Yと供給スクリュー201Yが収容され、第2収容室Sp2には、撹拌スクリュー203Yが収容されている。現像ローラー205Yの斜め下方に供給スクリュー201Yが配置され、供給スクリュー201Yの斜め下方に撹拌スクリュー203Yが配置される。また、第1収容室Sp1と第2収容室Sp2とを仕切る隔壁207Yが鉛直方向に対して傾斜した姿勢で立設され、その隔壁207Yを挟んで第1収容室Sp1の斜め下方に第2収容室Sp2が配置される位置関係になっている。
【0046】
第1収容室Sp1は、感光体ドラム23Yに対向する位置に開口部が設けられる。現像ローラー205Yは、供給スクリュー201Yの位置する側とは反対側の部分が第1収容室Sp1の開口部から外に出る。現像ローラー205Yは、円筒形の現像スリーブ205aYの内部に軸方向に沿って挿通される円柱状のマグネット体205bYが設けられている。マグネット体205bYは、複数の磁極、例えばS1、N1・・の形成された部分が周方向に順に並んで設けられる。マグネット体205bYは、回転不可の状態で軸方向の端部がハウジング200Yに固定されている。各磁極は、軸方向に沿って延在する。
【0047】
現像スリーブ205aYは、ハウジング200Yの開口部を介して感光体ドラム23Yと対向する部分が開口部から露出した状態で矢印E方向に回転して、静止しているマグネット体205bY周りを、マグネット体205bYの磁力により表面に現像剤を担持しつつ回転する。
【0048】
供給スクリュー201Yは、矢印F方向に回転することにより、第1収容室Sp1内の現像剤を軸方向に沿って搬送しつつ、その搬送中に現像剤の一部を現像ローラー205Yに供給する。撹拌スクリュー203Yは、矢印G方向に回転することにより、第2収容室Sp2内の現像剤を供給スクリュー201Yによる搬送方向とは反対の方向に攪拌しつつ搬送する。
【0049】
規制部材209Yは、その先端が現像ローラー205Yの表面との間に所定の間隙を隔てて配置され、その間隙を通る現像剤の量を規制する。これにより、感光体ドラム23Yと現像ローラー205Yとが対向する現像位置208Yで現像ローラー205Yの表面上の現像剤量が適切な量に調整される。
【0050】
図5は、図4のP-P線断面図である。図5において、供給スクリュー201Yと撹拌スクリュー203Yの並ぶ方向をX軸方向、現像ローラー205Yの軸方向をZ軸方向、X軸とZ軸の双方に直交する方向をY軸方向とする。
【0051】
図5を参照して、ハウジング200Yに設けられている第1収容室Sp1と第2収容室Sp2は、軸方向(Z軸方向)に沿って長尺で筒状に形成され、隔壁207Yにより仕切られており、隔壁207Yの軸方向一方端側に設けられた連通孔207aY、他方端側に設けられた連通孔207bYをそれぞれ介して相互に連通する。
【0052】
供給スクリュー201Yは、回転軸(軸体)201aYと、これの外周面に沿って螺旋状に設けられてなるスクリュー羽根201bYを有する。回転軸201aYは、軸方向両端部が第1収容室Sp1の軸方向両側壁に軸受部材(不図示)などを介して回転自在に支持されると共に、左端側の軸部分201zYが側壁の外に延出されており、その軸部分201zYにギア(不図示)が取着され、ギアからの回転駆動力により矢印F方向に回転駆動される。回転軸201aYの外周面に設けられたスクリュー羽根201bYは、回転軸201aYの回転により第1収容室Sp1内の現像剤に搬送方向(矢印T1方向)の搬送力を付与する。
【0053】
回転軸203aYの外周面に設けられたスクリュー羽根203bYは、回転軸203aYの回転により第2収容室Sp2内の現像剤に搬送方向(矢印T1とは逆方向の矢印T2方向)の搬送力を付与する。
【0054】
供給スクリュー201Y、撹拌スクリュー203Yは、例えば鉄やアルミなどの金属またはABSなどの樹脂からなり、例えば、回転軸の径が5mm、スクリュー羽根の外径が12mm、ピッチが25mmになっている。なお、現像器24Yに収容される現像剤の量は、トナーホッパー42Yから新たに供給される補充用のトナーの量が調整されることにより、第1収容室Sp1と第2収容室Sp2のそれぞれにおいて、現像剤の嵩高さ(液面高さ)が供給スクリュー201Y、撹拌スクリュー203Yの回転軸201aY、203aYよりも少し上になる位置になる。また、図5において第2収容室Sp2に破線で示される受入口42aYは、トナーホッパー42Yから新たに供給される補充用のトナーを受け入れる開口である。
【0055】
現像ローラー205Y、供給スクリュー201Y、撹拌スクリュー203Yがそれぞれ回転駆動されることにより、ハウジング200Y内の現像剤が図5に示す矢印T1~T4の方向に搬送される。具体的には、第1収容室Sp1内の現像剤は、供給スクリュー201Yにより矢印T1方向(同図の右方向)に搬送され、現像剤搬送方向下流側の端部まで搬送されると、第1収容室Sp1よりも斜め下方に位置する第2収容室Sp2に、重力の作用により、隔壁207Yの連通孔207bYを介して落下する。これにより、第1収容室Sp1内の現像剤が隔壁207Yの連通孔207bYを通じて矢印T3方向に第2収容室Sp2に搬送される。第2収容室Sp2の連通孔207bYの近傍に、透磁率センサー204Yが配置される。
【0056】
第2収容室Sp2に搬送された現像剤は、撹拌スクリュー203Yにより撹拌されつつ矢印T2方向(同図の左方向)に搬送される。なお、第2収容室Sp2において現像剤搬送方向上流側の端部には、受入口42aYを介してトナーホッパー42Yから新たな補充用のトナーが供給されるので、元々第2収容室Sp2内に存していた現像剤と新たに供給された補充用のトナーとが混合しつつ撹拌スクリュー203Yにより撹拌されつつ搬送される。
【0057】
第2収容室Sp2を搬送中の現像剤が現像剤搬送方向の下流端であるハウジング200Yの側壁まで搬送されると、第2収容室Sp2の下流端部分に溜まりつつ、第2収容室Sp2よりも斜め上方に位置する第1収容室Sp1に、重力に逆らって、隔壁207Yの連通孔207aYを通じて矢印T4方向に第1収容室Sp1に搬送される。第2収容室Sp2から連通孔207aYを通じて第1収容室Sp1に搬送された現像剤は、供給スクリュー201Yにより矢印T1方向に搬送される。
【0058】
供給スクリュー201Yにより現像剤が第1収容室Sp1内を搬送され、撹拌スクリュー203Yにより現像剤が第2収容室Sp2内を搬送される。また、第1収容室Sp1における現像剤搬送方向の下流側と第2収容室Sp2における現像剤搬送方向の上流側とが連通孔207bYで連通され、第2収容室Sp2における現像剤搬送方向の下流側と第1収容室Sp1における現像剤搬送方向の上流側とが連通孔207aYで連通される。これにより、ハウジング200Y内に現像剤が矢印T1、T3、T2、T4の順に搬送される循環路が形成される。
【0059】
循環路上において第1収容室Sp1内を供給スクリュー201Yにより現像剤が搬送される際に、現像剤の一部が供給スクリュー201Yに隣接して配置されている現像ローラー205Yに供給される。現像ローラー205Yに供給された現像剤の一部により、感光体ドラム23Y上の静電潜像が顕像される。
【0060】
図6は、本実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図6に示すCPU111の機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された現像剤劣化状態検出プログラムを実行することにより、CPU111により実現される機能である。CPU111は、現像器24Y,24M,24C,24Kそれぞれに収納された現像剤の劣化状態を検出するが、検出方法はすべて同じなので、ここでは、現像器24Yに収納された現像剤の劣化状態を検出する場合を例に説明する。
【0061】
図6を参照して、CPU111は、画像データ取得部51と、画像形成制御部53と、消費量算出部55と、供給制御部57と、濃度検出部59と、期間消費量決定部61と、期間供給量決定部63と、状態検出部65と、交換指示部67と、通知部69と、を含む。
【0062】
画像データ取得部51は、外部から入力される画像データを取得する。画像データ取得部51は、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データを取得する。画像データ取得部51は、通信I/F部112がコンピューターからプリントジョブを受信する場合、プリントジョブに含まれるプリントデータを画像データとして取得する。また、画像データ取得部51は、ファクシミリ部116がファクシミリデータを受信する場合、ファクシミリデータを画像データとして取得する。画像データ取得部51は、取得された画像データを画像形成制御部53に出力する。
【0063】
画像形成制御部53は、画像データ取得部51から画像データが入力されることに応じて、画像形成部140を制御して、画像形成部140に画像データの画像を形成させる。画像形成制御部53は、画像形成の対象となった画像データを期間消費量決定部61に出力する。画像形成制御部53から期間消費量決定部61に出力される画像データは、画像形成制御部53が画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kにそれぞれ出力するデータであり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックそれぞれに対応するラスターデータである。
【0064】
消費量算出部55は、画像形成制御部53から入力される画像データに基づいて、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれで消費されたトナーの量を消費量として決定する。消費量算出部55は、画像データごとに決定された消費量を、供給制御部57および期間消費量決定部61に出力する。消費量の決定は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれで同じなので、ここでは、画像形成ユニット20Yの消費量について説明する。消費量は、イエローに対応するラスターデータに含まれるドット数をカウントすることにより決定される。1ドット当たりのトナーが感光体ドラム23Yに付着する付着量を予め定めておくことにより、ドット数から画像データに対してイエローのトナーの消費量が決定される。消費量算出部55は、画像形成ユニット20Yにより画像データの画像が形成されるごとに、消費量を決定し、決定された消費量を供給制御部57および期間消費量決定部61に出力する。なお、本実施の形態においては、画像データに含まれるドット数から消費量を決定する例を示したが、画像データから消費量が決定されるのであれば、これに限定されない。例えば、画像データに含まれる全画素中に占めるイエローの画素の比率を示すカバレッジ情報を用いて、消費量が決定されてもよい。
【0065】
濃度検出部59は、透磁率センサー204Yの出力値に基づいて、トナー濃度Tcを算出する。トナー濃度Tcは、現像器24Yに収納されている現像剤におけるトナーとキャリアの重量比である。濃度検出部59は、検出されたトナー濃度Tcを供給制御部57および状態検出部65に出力する。以下、濃度検出部59により検出されたトナー濃度Tcを検出濃度という。
【0066】
供給制御部57は、消費量算出部55から画像データごとの消費量が入力され、濃度検出部59から検出濃度が入力される。供給制御部57は、消費量と検出濃度とに基づいて、供給量を算出する。供給制御部57は、トナーを供給した後に現像器24Yのトナー濃度Tcが予め定められた目標濃度となる供給量を算出する。例えば、供給制御部57は、検出濃度が目標濃度より低い場合、現像器24Yのトナー濃度を目標濃度に近づけるために、消費量よりも大きな供給量を算出する。逆に、供給制御部57は、検出濃度が目標濃度より高い場合、現像器24Yのトナー濃度を目標濃度に近づけるために、消費量よりも小さな供給量を算出する。
【0067】
具体的には、供給制御部57は、次式(1)に基づいて供給量が算出する。
供給量=消費量+(目標濃度―検出濃度)×C … (1)
【0068】
式(1)において、(目標濃度―検出濃度)×Cが補正量であり、検出濃度に基づいて定まる値である。例えば、係数Cを100とする場合、消費量が200mg、目標濃度6%、検出濃度が5%ならば、式(1)より供給量が300mg(200+(6-5)×100)に決定される。また、消費量が200mg、検出濃度が7%ならば、式(1)より供給量が100mg(200+(6-7)×100)に決定される。
【0069】
供給制御部57は、トナーホッパー42Yを制御し、トナーホッパー42Yに現像器24Yへトナーを、算出された供給量だけ供給させる。トナーホッパー42Yは、トナーを収容する収容室の底部にスクリューを備え、スクリューを回転させることによりトナーを搬送し、現像器24Yにトナーを供給する。スクリューが1回転する間に現像器24Yに供給されるトナーの量が予め定められている。このため、スクリューの回転速度を一定とすれば、スクリューの回転時間からトナーホッパー42Yから現像器24Yに供給されるトナーの量が定まる。供給制御部57は、算出された供給量に対して定まる回転時間だけスクリューを回転させる。なお、スクリューの回転時間でなく回転数から供給量が定められてもよい。
【0070】
期間消費量決定部61は、消費量算出部55から画像データごとの消費量が入力される。期間消費量決定部61は、所定期間に現像器24Yによる消費されるトナー量を決定する。期間消費量決定部61は、所定期間の間に消費量算出部55から入力される消費量を積算することにより期間供給量を決定する。所定期間は、現像器24Yがトナー像を形成した画像データの数により定まる。例えば、期間消費量決定部61は、100個の画像データに対する100個の消費量が入力されるごとに、100個の消費量の累計を期間消費量として算出する。期間消費量決定部61は、期間消費量を算出するごとに、算出された期間消費量を状態検出部65に出力する。
【0071】
期間供給量決定部63は、所定期間に現像器24Yに供給されるトナー量を決定する。ここでの所定期間は、期間消費量決定部61が期間消費量を決定する期間と同じである。期間供給量決定部63は、トナーホッパー42Yが備えるスクリューが所定期間に回転した回転時間を積算し、積算された回転時間から期間供給量を算出する。期間供給量決定部63は、期間供給量を算出するごとに、算出された期間供給量を状態検出部65に出力する。
【0072】
なお、期間供給量決定部63は、回転時間を積算するのに代えて、スクリューの回転数が積算されてもよい。また、トナーホッパー42Yを用いることなく、トナーボトル41Yから現像器24Yに直接トナーが供給される場合には、期間供給量決定部63は、トナーボトル41Yの重量を検出し、重量変化から期間供給量を算出してもよい。重量変化から供給量を算出る場合は、変化した重量が供給量にされるので、正確に供給量を求めることができる。また、期間供給量決定部63は、トナーボトルを回転させる駆動モーターのトルク変化から供給量を算出してもよい。また、駆動モーターのトルクはトナーボトル41Yに残存するトナーが多いとトルクが高く、残存するトナーが少ないとトルクが低くなる。このため、期間供給量決定部63は、トルクと残存するトナーの量との関係を予め計測しておくことにより、駆動モーターのトルクの変動量から供給量を算出してもよい。
【0073】
状態検出部65は、濃度検出部59から検出濃度が入力され、期間消費量決定部61から期間消費量が入力され、期間供給量決定部63から期間供給量が入力される。状態検出部65は、検出濃度と、期間消費量の期間供給量に対する比率と、に基づいて現像器24Yに収容される現像剤の状態を検出する。状態検出部65は、濃度判定部71と、比率判定部73と、延命判断部75と、を含む。
【0074】
ここで、現像器24Y内に収容される現像剤の劣化について説明する。現像器24Y内に収容される現像剤のうちトナーは感光体ドラム23Yに供給されるが、その一部は現像器24Yに残存するものがあり、キャリアは現像器24Y内に残存する。現像器24Y内で現像剤が攪拌されることによって現像剤に物理的なストレスが加わる。このため、所定時間駆動を続けるとキャリアのコート層が減耗したり、キャリアにトナー成分または外添成分が固着したり、トナーに付着している外添剤がトナーに埋没したりすることによって現像剤が劣化する。現像剤が劣化するとトナーの帯電能力が低下する。トナーの帯電能力が劣化するとり、キャリアに吸着しにくいトナーが発生する。これにより、トナーホッパー42Yから現像器24Yに供給されたトナーのうち一部のトナーは、かぶり不良の発生となったり、粉煙となって現像器24Yの外部に排出されたりする。このため、現像器24Yは、使用限度となる寿命がある。ここで、かぶり不良とは、感光体ドラム23Yの静電潜像以外の部分にトナーが付着する現象をいう。
【0075】
一方、現像剤が劣化すると、トナーとキャリアが適切に混合されずにトナーが十分に帯電しなくなる。このため、透磁率センサー204Yの出力値から算出されるトナー濃度が変化する。
【0076】
次に、現像器におけるトナーの消費量および供給量と、現像器24Yに収納される現像剤のトナー濃度と、について説明する。ここでは、現像器24Yについて、予め規格で定められた寿命が70k枚とし、目標濃度を6%として供給量を算出し、100枚ごとに同一カバレッジの画像データを110k枚続けて画像形成させる実験をした。
【0077】
図7は、印字枚数と期間消費量との関係の一例を示す図である。横軸は、印字枚数が示され、縦軸は、100枚印刷する間に現像器24Yにより消費されたトナーの累計である期間消費量が示される。
【0078】
図8は、印字枚数と期間供給量との関係の一例を示す図である。図8において、横軸は、印字枚数が示され、縦軸は、100枚印刷する間に現像器に供給されるトナーの累計である期間供給量が示される。
【0079】
図9は、印字枚数と検出濃度との関係の一例を示す第1の図である。図9において、横軸は、印字枚数を示し、縦軸は検出濃度を示す。検出濃度は、透磁率センサー204Yの出力値から算出されるトナー濃度である。
【0080】
図7および図8を参照して、印字枚数が現像器24Yの寿命である70kを超えて増加するにつれて、現像器による消費量に対して供給量が多くなる。また、図9を参照して、印字枚数が現像器24Yの寿命である70k以下においては、検出濃度が目標濃度である6%の前後であるのに対して、印字枚数が現像器24Yの寿命である70kを超えて増加すると、検出濃度が低下し、目標濃度である6%よりも低い値となる。
【0081】
図9に示されるように、検出濃度が目標濃度6%に近づくように供給量を制御しているにもかかわらず、印刷枚数が70k枚を超えると、5.5%以下の値になる。また、図8に示されるように、印刷枚数が70k枚を超えるほとんどの印刷枚数において、期間供給量に対する期間消費量の比率が0.5以下の値になる。
【0082】
図10は、期間供給量に対する期間消費量の比率の変化の一例を示す第1の図である。図10においては、横軸は印字枚数を示し、縦軸は期間供給量に対する期間消費量の比率を示す。印字枚数が増加するにつれて期間供給量に対する期間消費量の比率が下降する。
【0083】
図11は、品質確認結果の一例を示す第1の図である。70k枚印刷時と、80k枚印刷時における比率と品質確認結果とが示される。比率は、期間供給量に対する期間消費量の比率である。カブリの項目で示される品質確認結果は、評価の対象となる画像の背景部に形成されたカブリ不良のトナー量を目視検査した結果である。品質上許容できない場合に×が設定され、品質上許容できる場合に〇が設定される。カブリ不良は、本来画像として形成されない部分の全体に分散したトナー像として現れる不良である。ぼた落ちの項目で示される品質確認結果は、100枚連続して印字された100枚の画像のいずれかに付着したトナーによる汚れを目視検査した結果である。ぼた落ちの不良は、カブリ不良のトナー像に比較して大きなトナー像となって現れる不良である。ぼた落ちの不良が発生した場合は×が設定され、ぼた落ちの不良が発生しない場合は〇が設定される。
【0084】
現像器24Yに対して予め設定されている寿命である70k枚では画像品質に不良は発生しておらず、80k枚以上で画像不良が発生する。そのため今回実験に用いた現像器24Yでは実質の寿命は70k枚以上80k枚未満となる。このため、予め規格で定められた寿命が70k枚であるのに対して実質の寿命は70k枚以上80k枚未満なので、印字枚数だけでは現像器24Yの正確な寿命は検知できない。
【0085】
また、トナーの消費量は画像中に含まれる文字や図形のパターンの比率、エッジ効果の影響、転写率などの違いによって理論上の消費量と実際に消費されるトナーの消費量に誤差が生じる。画像上問題ない品質レベルのカブリ不良のトナー像や粉煙トナーによって消費されるトナーも存在するため、現像器24Yの機差によりある程度のばらつきがあり、印字枚数で寿命を判定するしきい値は機種によって多少変化する。
【0086】
図11に示される実験結果から、期間供給量に対する期間消費量の比率と画像の品質とには相関があることが分かるので、期間供給量に対する期間消費量の比率が所定の比率しきい値を下回ると画像品質に不良が発生すると考えられる。
【0087】
しかしながら、現像剤が正常に混合している状態であっても、一時的に供給量が多くなったり、現像バイアス電圧等のプロセス条件のばらつきなどのイレギュラーな条件によってトナーの付着量が多くなったりする場合、画像データから算出されるトナーの消費量に対して実際に供給されるトナーの供給量が多くなり、期間供給量に対する期間消費量の比率が小さくなってしまう場合がある。ただし、その場合は一時的に供給量が多くなるが、現像剤が正常に混合している状態なので、供給量が多くなった分に起因して検出濃度が上昇する。そのため、期間供給量に対する期間消費量の比率に加えて検出濃度を濃度しきい値と比較することで、イレギュラーな条件を判別することができる。
【0088】
現像器24Yの寿命の末期にではトナーとキャリアが混合されにくい状態になるため、常に一部のトナーが消費されて現像器24Yの外部に出ていくため、検出濃度は狙いの値よりも低い値を維持することになる。このため、本実施形態においては、期間供給量に対する期間消費量の比率に対する第1比率しきい値を0.5とし、検出濃度に対する濃度しきい値を5.5%に設定した。
【0089】
<現像剤の延命制御>
上述したようにトナー濃度と期間供給量に対する期間消費量の比率とから現像剤の寿命を、予め規格で定められた寿命よりも正確に予測することができる。本実施の形態におけるMFP100は、期間供給量に対する期間消費量の比率が第1比率しきい値以下かつ検出濃度が濃度しきい値以下になる前の段階で、現像器24Yに供給されるトナーの供給量を補正することにより、現像剤の寿命をより長くする。
【0090】
図10で示したように期間供給量に対する期間消費量の比率は現像器24Yの寿命末期で徐々に下がってきているため、第1比率しきい値0.5以下となる前にトナーとキャリアの混合状態を予測することができる。
【0091】
現像器24Yの寿命末期で、トナーとキャリアがうまく混ざらなくなってくると、期間供給量が多くなる。その結果、帯電能力が低下して混ざりにくい状態の現像剤を収容する現像器24Yに大量のトナーが補給されるため、帯電量の低いトナーは、粉煙となって現像器24Yの外部に排出されたり、カブリ不良のトナー像として形成されたりしやすくなる。その結果、図9に示すように、検出濃度が低くなるため、目標濃度を維持するため供給量がさらに多くなる。この現象が繰り返されて、図10に示すように期間供給量に対する期間消費量の比率は加速度的に悪化する。
【0092】
そのため、帯電能力が低下して混合状態が悪くなり始めた段階で現像器24Yに供給するトナーの供給量を減らすことで、画像不良を抑制しつつ現像剤の寿命を延ばすことができる。ただし、やみくもに供給量を減らすと、現像器24Yに収容される現像剤において画像を形成するために必要なトナーが不足するため、現像ローラー205Y上のトナーが枯渇して画像の濃度低下や追随不良などの不具合が発生する。そのため、画像として消費される量は供給する必要がある。
【0093】
そこで、本実施の形態におけるMFP100は、帯電能力が低下して混合状態が悪くなり始めた段階で、供給量を小さくする。具体的には、上記式(1)で示した目標濃度を下げることにより、供給量を小さくする。
【0094】
図12は、印字枚数と検出濃度との関係の一例を示す第2の図である。図12において、横軸は、印字枚数を示し、縦軸は検出濃度を示す。検出濃度は、トナーとキャリアの重量比であり、透磁率センサー204Yの出力値から算出されるトナー濃度である。延命制御をしなかった場合における検出濃度が実線で示され、延命制御をした場合における検出濃度が点線で示される。
【0095】
図13は、供給量に対する消費量の比率の変化の一例を示す第2の図である。図13においては、横軸は印字枚数を示し、縦軸は期間供給量に対する期間消費量の比率を示す。延命制御をしなかった場合における供給量に対する消費量の比率が実線で示され、延命制御をした場合における供給量に対する消費量の比率が点線で示される。
【0096】
図14は、品質確認結果の一例を示す第2の図である。図14は、延命制御を開始する比率に対する第2比率しきい値を0.65とし、延命制御をした場合における実験結果が示される。図14を参照して、70k枚印刷時、80k枚印刷時および100k枚印刷時それぞれにおける比率と品質確認結果とが示される。図14に示される通り、図11に示した品質確認結果と比較すると分かるように、延命制御を実施することによって画像の品質不良が発生する印字枚数が80k枚よい大きく100k枚以下に増加している。
【0097】
図6に戻って、状態検出部65は、濃度判定部71と、比率判定部73と、延命判断部75と、を含む。濃度判定部71には、濃度検出部59から検出濃度が入力される。濃度判定部71は、検出濃度を濃度しきい値と比較する。
【0098】
比率判定部73は、期間消費量決定部61から期間消費量が入力され、期間供給量決定部63から期間供給量が入力される。比率判定部73は、期間消費量の期間供給量に対する比率を算出し、算出された比率を延命判断部75に出力するとともに、第1比率しきい値と比較する。第1比率しきい値は、現像器24Yの寿命を判断するために、予め定められた値である。本実施の形態においては、第1比率しきい値は、0.5である。
【0099】
状態検出部65は、濃度判定部71により検出濃度が濃度しきい値以下と判断され、かつ、比率判定部73により比率が第1比率しきい値以下と判断される場合、交換指示部に交換指示を出力する。
【0100】
状態検出部65は、濃度判定部71により検出濃度が濃度閾値以下と判断され、かつ、比率判定部73により比率が第1比率しきい値以下と判断されない場合、または、濃度判定部71により検出濃度が濃度しきい値以下と判断されず、かつ、比率判定部73により比率が第2比率しきい値以下と判断される場合、通知部に通知指示を出力する。第2比率しきい値は、第1比率しきい値よりも大きな値であり、延命制御の開始を判断するために、予め定められた値である。第2比率しきい値は、現像剤の劣化が開始したことを示す値として実験により求められる値である。本実施の形態においては、第2比率しきい値を0.65としている。
【0101】
延命判断部75は、比率判定部73から入力される比率が第2比率しきい値以下の場合、延命制御を開始するタイミングと判断する。延命判断部75は、延命制御するタイミングと判断する場合、供給制御部57に延命制御指示を出力する。
【0102】
供給制御部57は、延命判断部75から延命制御指示が入力される場合、延命制御指示が入力された後に決定する供給量を、それまでに算出していた供給量よりも小さな値に決定する。例えば、上記式(1)の目標濃度を小さな値に変更する。また、係数Cを小さな値に変更してもよい。例えば、供給制御部57は、消費量に加算される補正量((目標濃度-検出濃度)×100)が半分になる値に、目標濃度を変更する。この場合、目標濃度は、印字枚数に比例する値としてもよいし、検出濃度に比例して減少する値としてもよい。これにより、補正量が検査濃度に比例して減少するので、より細かく補正量を制御することができる。また、供給制御部57は、目標濃度を一定にして、補正量を半分の値に変更してもよい。
【0103】
通知部69は、状態検出部65から通知指示が入力されることに応じて、ユーザーに現像器24Yが劣化していることを通知する。具体的には、通知部69は、メッセージを含む通知画面を表示部161に表示する。メッセージは、例えば、現像器24Yが寿命に近づいていることを示すメッセージ、または/および現像器24Yを交換する部材の調達を促すメッセージを含む。
【0104】
交換指示部67は状態検出部65から交換指示が入力されることに応じて、ユーザーに現像器24Yの交換を指示する。具体的には、通知部69は、メッセージを含む交換指示画面を表示部161に表示する。メッセージは、例えば、現像器24Yの交換を促すメッセージを含む。
【0105】
なお、延命制御中は、供給量が減少するのでトナー像の形成に対する追随性が低下する場合がある。このため、連続して複数の用紙に画像が形成される場合には、用紙間の間隔を広げてもよい。
【0106】
現像器24Yが新品の状態から延命制御を実施しない理由は、帯電量がピークを迎える初期から中期の間に、現像器24Yに収容されるトナーが不足し、画像不良が発生する場合がるからである。
【0107】
図15は、現像剤劣化状態検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。現像剤劣化状態検出処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された現像剤劣化状態検出プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図15を参照して、CPU111は、画像形成枚数が所定数以上か否かを判断する(ステップS01)。所定枚数は、予め定められた数である。本実施の形態においては、100枚としている。画像形成枚数が所定数以上になるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、画像形成枚数が所定数以上ならば(ステップS01でYES)、処理はステップS02に進む。画像形成枚数は、所定枚数以上となるごとにリセットされる。したがって、画像形成部140により所定数の画像形成が実行されるごとにステップS02以降の処理が実行される。また、画像形成枚数に代えて、画像形成部140が駆動した時間をしきい値と比較してもよいし、画像形成部140が画像を形成した距離をしきい値と比較してもよい。
【0108】
ステップS02においては、透磁率が計測され、処理はステップS03に進む。透磁率センサー204Yを制御して透磁率を計測する。ステップS03においては、透磁率からトナー濃度が算出され、処理はステップS04に進む。
【0109】
ステップS04においては、トナー濃度が濃度しきい値THDと比較される。トナー濃度が濃度しきい値THD以下ならば(ステップS04でYES)、処理はステップS05に進むが、そうでなければ(ステップS04でNO)、処理はステップS01に戻る。濃度しきい値THDは、図9に示した実験結果と図11に示した品質確認結果とに基づいて定められる値である。本実施の形態においては、濃度しきい値THDを5.5%としている。
【0110】
ステップS05においては、期間消費量が算出され、処理はステップS06に進む。ステップS01において、画像形成枚数が所定数以上となる場合にステップS05が実行される。このため、画像形成部140が所定数の画像を形成するために消費されたトナーの消費量の累計が期間消費量として算出される。期間消費量は、画像形成部140が画像を形成するもとになった画像データに基づいて、算出される。画像データのドット数に、各ドットの濃度に対応するトナー量と成功率とを乗算することにより、画像データごとに消費量が求められる。画像枚数分の複数の画像データそれぞれの消費量の累計が期間消費量として算出される。
【0111】
ステップS06においては、期間供給量が算出され、処理はステップS07に進む。ステップS01において、画像形成枚数が所定数以上となる場合にステップS05が実行される。このため、画像形成部140が所定数の画像を形成する間に現像器24Yに供給されたトナーの量の累計が期間供給量として算出される。トナーホッパー42Yが備えるスクリューの回転時間に基づいて、期間供給量が算出される。
【0112】
ステップS07においては、期間消費量の期間供給量に対する比率が第1比率しきい値TH1と比較される。比率が第1比率しきい値TH1以下ならば処理はステップS08に進むが、そうでなければ処理はステップS09に進む。ステップS09においては、期間消費量の期間供給量に対する比率が第2比率しきい値TH2と比較される。比率が第2比率しきい値TH2以下ならば処理はステップS10に進むが、そうでなければ処理はステップS01に戻る。第2比率しきい値TH2は、第1比率しきい値TH1より大きな値である。第1比率しきい値TH1は、図10に示した実験結果および図11に示した品質確認結果に基づいて定められる値であり、本実施の形態においては第1比率しきい値TH1を0.5としている。第2比率しきい値TH2は、第1比率しきい値TH1よりも大きな値であり、劣化が開始する状態における現像剤における期間消費量の期間供給量に対する比率として、実験により求められ、延命制御を開始するための閾値として予め定められた値である。第2比率しきい値TH2は、図13に示した実験結果に基づいて定められ、本実施の形態においては0.65としている。
【0113】
このため、期間消費量の期間供給量に対する比率が第1比率しきい値TH1以下の場合に処理はステップS08に進み、期間消費量の期間供給量に対する比率が第1比率しきい値TH1より大きく第2比率しきい値TH2以下の場合に処理はステップS10に進み、期間消費量の期間供給量に対する比率が第2比率しきい値TH2より大きい場合に処理はステップS01に戻る。
【0114】
ステップS08においては、交換指示が出力され、処理は終了する。例えば、表示部161に、現像器24Yの交換を促すメッセージを含む交換指示画面を表示する。
【0115】
ステップS10においては、通知指示が出力され、処理はステップS11に進む。例えば、表示部161に、現像器24Yが劣化していることを示すメッセージを含む交換指示画面を表示する。例えば、現像器24Yが寿命に近づいていることを示すメッセージ、または/および現像器24Yを交換する部材の調達を促すメッセージを含む通知画面を表示部161に表示する。
【0116】
ステップS11においては、目標濃度を変更し、処理はステップS01に戻る。目標濃度は、後述する供給制御処理において、供給量が算出される場合に使用される値である。目標濃度が変更前よりの小さな値に変更される。これにより、供給制御処理において、目標濃度が変更された後に算出される供給量が、目標濃度が変更される前に算出される供給量よりも小さくなる。
【0117】
図16は、供給制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。供給制御処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された画像形成制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0118】
図16を参照して、MFP100が備えるCPU111は、画像形成が終了したか否かを判断する(ステップS21)。画像形成部140が1枚の記録媒体に対する画像形成が終了すると、画像形成が終了したと判断する。画像形成が終了するまで待機状態となり(ステップS21でNO)、画像形成が終了したならば(ステップS21でYES)、処理はステップS22に進む。
【0119】
ステップS22においては、透磁率が計測され、処理はステップS23に進む。透磁率センサー204Yを制御して透磁率を計測する。ステップS23においては、透磁率からトナー濃度が算出され、処理はステップS24に進む。
【0120】
ステップS24においては、目標濃度が取得される。目標濃度は、予め定められた濃度であり、本実施の形態においては、6%としている。また、目標濃度は、現像剤劣化状態検出処理のステップS11において変更された後は、変更された後の目標濃度が取得される。
【0121】
ステップS25においては、供給量が決定される。具体的には、上記式(1)に従って、供給量が決定される。現像剤劣化状態検出処理のステップS11において目標濃度が変更された後は、目標濃度が変更される前に比較して、供給量が少なくなる。
【0122】
ステップS26においては、決定された供給量のトナーが現像器24Yに供給され、処理はステップS21に戻る。トナーホッパー42Yが有するスクリューが、決定された供給量に対応する時間だけ回転される。これにより、決定された供給量のトナーがトナーホッパー42Yから現像器24Yに供給される。
【0123】
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、画像形成装置として機能し、現像器24Yに収容された現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出し、所定期間に現像器24Yにより消費されたトナーの期間消費量を決定し、所定期間に現像器24Yに供給されたトナーの期間供給量を決定し、トナー濃度、期間消費量および期間供給量から現像剤の状態を検出する。トナー濃度、期間消費量および期間供給量から現像剤の状態が検出されるので、現像器24Yにおけるトナーの使用量の違い等の使用態様が異なる場合であっても現像器24Yに収納される現像剤が劣化した状態を検出することができる。このため、使用態様により変動する現像器24Yに収容される現像剤の状態を正確に検出することができる。
【0124】
また、MFP100は、トナー濃度が濃度しきい値以下かつ期間供給量に対する期間消費量の比率が第1比率しきい値以下の場合に前記現像剤が使用不可の状態を検出する。このため、現像器24Yの寿命を正確に検出することができる。
【0125】
また、MFP100は、現像剤が使用不可の状態が検出されることに応じて、現像器24Yの交換を指示する。このため、ユーザーの利便性が向上する。
【0126】
また、MFP100は、現像器24Yにより消費される消費量とトナー濃度に対して定まる補正量とから現像器24Yに供給する供給量を決定し、供給量が決定されるごとにトナーホッパー42Yに収容されたトナーを供給量だけ現像器24Yに供給し、トナー濃度が濃度しきい値以下かつ期間供給量に対する期間消費量の比率が第1比率しきい値より大きい第2比率しきい値以下の場合に現像剤の劣化した状態を検出し、現像剤の劣化した状態が検出されること応じて補正量を変更する。これにより、現像器24Yに収容される現像剤の劣化する初期の段階で補正量が変更されるので、補正量を変更しない場合に比較して現像剤の劣化を遅らせることができる。
【0127】
また、MFP100は、現像剤の劣化した状態が検出されること応じて補正量を減少させる。現像器24Yに収容される現像剤が劣化すると現像器24Yに収容される現像剤のトナー濃度が低下するが、補正量が減少されるので現像器24Yに収容される現像剤の量を適切な量にすることができる。
【0128】
また、MFP100は、補正量をトナー濃度から所定の濃度を減算したトナー濃度に対して定められる量に決定する、または、補正量をトナー濃度に対して定められる量から所定量を減算した量に決定する。このため、補正量を検出されたトナー濃度に対して適切な値に変更することができる。
【0129】
また、MFP100は、現像剤が劣化した状態が検出されること応じて、ユーザーに通知する。このため、ユーザーの利便性を向上させることができる。例えば、ユーザーは、新たな現像器24Yを調達する等の作業をすることができる。
【0130】
また、MFP100は、トナーホッパー42Yの駆動源となるモーターの回転数または回転トルク、または、トナーボトル41Yの重量の変化に基づいて、期間供給量を決定する。このため、期間供給量を容易に決定することができる。
【0131】
また、MFP100は、所定期間に画像形成の対象として取得された画像データに基づいて、トナーの消費量を算出する。このため、期間消費量を容易に決定することができる。
【0132】
<実施の形態の総括>
(項1) トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像器と、
前記現像器に収容された前記現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出する濃度検出手段と、
所定期間に前記現像器により消費されたトナーの期間消費量を決定する期間消費量決定手段と、
前記所定期間に前記現像器に供給されたトナーの期間供給量を決定する期間供給量決定手段と、
前記トナー濃度、前記期間消費量および前記期間供給量から前記現像剤の状態を検出する状態検出手段と、を備えた画像形成装置。
【0133】
この局面に従えば、トナー濃度、期間消費量および期間供給量から現像剤の状態が検出される。したがって、現像器におけるトナーの使用量の違い等の使用態様が異なる場合であっても現像器に収納される現像剤が劣化した状態を検出することができる。このため、使用態様により変動する現像器に収容される現像剤の状態を正確に検出することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0134】
(項2) 前記状態検出手段は、前記トナー濃度が濃度しきい値以下かつ前記期間供給量に対する前記期間消費量の比率が第1比率しきい値以下の場合に前記現像剤が使用不可の状態を検出する、項1に記載の画像形成装置。
【0135】
この局面に従えば、トナー濃度が濃度しきい値以下かつ期間供給量に対する期間消費量の比率が第1比率しきい値以下の場合に現像剤が使用不可の状態が検出される。このため、現像器の寿命を正確に検出することができる。
【0136】
(項3) 前記現像剤が使用不可の状態が検出されることに応じて、前記現像器の交換を指示する交換指示手段を、さらに備えた、項2に記載の画像形成装置。
【0137】
この局面に従えば、現像剤が使用不可の状態が検出されることに応じて、現像器の交換が指示されるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0138】
(項4) トナーを供給する収容部と、
前記現像器により消費される消費量と前記トナー濃度に対して定まる補正量とから前記現像器に供給する供給量を決定する供給量決定手段と、
前記供給量決定手段により前記供給量が決定されるごとに前記収容部に収容されたトナーを前記供給量だけ前記現像器に供給する供給手段と、をさらに備え、
前記状態検出手段は、前記トナー濃度が前記濃度しきい値以下かつ前記期間供給量に対する前記期間消費量の比率が前記第1比率しきい値より大きい第2比率しきい値以下の場合に前記現像剤の劣化した状態を検出し、
前記供給量決定手段は、前記現像剤の劣化した状態が検出されること応じて前記補正量を変更する、項2または3に記載の画像形成装置。
【0139】
この局面に従えば、トナー濃度が濃度しきい値以下かつ期間供給量に対する期間消費量の比率が第1比率しきい値より大きい第2比率しきい値以下の場合に現像剤の劣化した状態が検出され、補正量が変更される。これにより、現像器に収容される現像剤の劣化する初期の段階で補正量が変更されるので、補正量を変更しない場合に比較して現像剤の劣化を遅らせることができる。
【0140】
(項5) 前記供給量決定手段は、前記現像剤の劣化した状態が検出されること応じて前記補正量を減少させる、項4に記載の画像形成装置。
【0141】
この局面に従えば、現像器に収容される現像剤が劣化すると現像器に収容される現像剤のトナー濃度が低下するが、補正量が減少されるので現像器に収容される現像剤の量を適切な量にすることができる。
【0142】
(項6) 前記供給量決定手段は、前記補正量を前記トナー濃度から所定の濃度を減算したトナー濃度に対して定められる量に決定する、または、前記補正量を前記トナー濃度に対して定められる量から所定量を減算した量に決定する、請求項5に記載の画像形成装置。
【0143】
この局面に従えば、補正量を検出されたトナー濃度に対して適切な値に変更することができる。
【0144】
(項7) 前記現像剤が劣化した状態が検出されること応じて、通知する通知手段を、さらに備えた、請求項4~6のいずれかに記載の画像形成装置。
【0145】
この局面に従えば、前記現像剤が劣化した状態が通知されるので、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0146】
(項8) 前記期間供給量決定手段は、前記供給手段の駆動源となるモーターの回転数または回転トルク、または、前記収容部の重量の変化に基づいて、前記期間供給量を決定する、請求項4~7のいずれかに記載の画像形成装置。
【0147】
この局面に従えば、期間供給量を容易に決定することができる。
【0148】
(項9) 画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに対応する静電潜像を像担持体に形成する静潜像形成手段と、をさらに備え、
前記現像器は、前記像担持体に対向して設けられ、前記像担持体に形成された前記静電潜像を現像し、
前記消費量決定手段は、所定期間に取得された前記画像データに基づいて、トナーの前記消費量を算出する、請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【0149】
この局面に従えば、期間消費量を容易に決定することができる。
【0150】
(項10) 前記供給量決定手段は、所定のタイミングで前記供給量を決定する、項1~9のいずれかに記載の画像形成装置。
【0151】
(項11) 前記所定のタイミングは、前記現像器が現像動作を実行した後である、項10に記載の画像形成装置。
【0152】
(項12) トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像器を備えた画像形成装置で実行される現像剤劣化状態検出方法であって、
前記現像器に収容された前記現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出する濃度検出ステップと、
所定期間に前記現像器により消費されたトナーの期間消費量を決定する期間消費量決定ステップと、
前記所定期間に前記現像器に供給されたトナーの期間供給量を決定する期間供給量決定ステップと、
前記トナー濃度、前記期間消費量および前記期間供給量から前記現像剤の状態を検出する状態検出ステップと、を含む現像剤劣化状態検出方法。
【0153】
この局面に従えば、使用態様により変動する現像器に収容される現像剤の状態を正確に検出することが可能な現像剤劣化状態検出方法を提供することができる。
【0154】
(項13) トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像器を備えた画像形成装置を制御するコンピューターで実行される現像剤劣化状態検出プログラムであって、
前記現像器に収容された前記現像剤におけるトナーとキャリアの重量比を示すトナー濃度を検出する濃度検出ステップと、
所定期間に前記現像器により消費されたトナーの期間消費量を決定する期間消費量決定ステップと、
前記所定期間に前記現像器に供給されたトナーの期間供給量を決定する期間供給量決定ステップと、
前記トナー濃度、前記期間消費量および前記期間供給量から前記現像剤の状態を検出する状態検出ステップと、を前記コンピューターに実行させる現像剤劣化状態検出プログラム。
【0155】
この局面に従えば、使用態様により変動する現像器に収容される現像剤の状態を正確に検出することが可能な現像剤劣化状態検出プログラムを提供することができる。
【0156】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0157】
100 MFP、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、118 外部記憶装置、118A CD-ROM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、200Y ハウジング、201Y 供給スクリュー、203Y 撹拌スクリュー、204Y 透磁率センサー、205Y 現像ローラー、Sp1 第1収容室、Sp2 第2収容室、24Y,24M,24C,24K 現像器、32 定着ローラー対、35,35A,35B 給紙カセット、39 レジストセンサー、41Y トナーボトル、42Y トナーホッパー、51 画像データ取得部、53 画像形成制御部、55 消費量算出部、57 供給制御部、59 濃度検出部、61 期間消費量決定部、63 期間供給量決定部、65 状態検出部、67 交換指示部、69 通知部、71 濃度判定部、73 比率判定部、75 延命判断部、TH1 第1比率しきい値、TH2 第2比率しきい値、THD 濃度しきい値。
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