(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109489
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】通信システム、方法、および、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240806BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
G06F3/12 331
G06F3/12 310
G06F3/12 385
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014313
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001058
【氏名又は名称】鳳国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 友大
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB33
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC38
5C062AE15
5C062AF02
5C062AF12
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】デバイスの容易な登録を実現する。
【解決手段】印刷媒体に印刷を行う印刷実行部を備える第1デバイスは、第1デバイスの登録指示を取得する場合に、印刷実行部を用いて、第1デバイスの情報である第1デバイス情報を前記印刷媒体に印刷する。対象物を光学的に読み取る読取実行部を備える第2デバイスは、読取実行部を用いて第1デバイス情報が印刷された印刷媒体を読み取ることによって、第1デバイス情報を取得し、第1デバイス情報を含む登録要求をサーバに送信する。サーバは、登録済みの第2デバイスから登録要求を受信する場合に、登録要求に含まれる第1デバイス情報を、データベースにて第2デバイス情報と対応付けられている第2デバイスの特定ユーザ情報と対応付けてデータベースに記録する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムであって、
印刷媒体に印刷を行う印刷実行部を備える第1デバイスと、
対象物を光学的に読み取る読取実行部を備える第2デバイスと、
登録済みの前記第2デバイスの情報である第2デバイス情報と、前記第2デバイス情報と対応付けられたユーザの情報である特定ユーザ情報とを含むデータベースを記憶するサーバと、
を備え、
前記第1デバイスは、
前記第1デバイスの登録指示を取得する場合に、前記印刷実行部を用いて、前記第1デバイスの情報である第1デバイス情報を前記印刷媒体に印刷し、
前記第2デバイスは、
前記読取実行部を用いて前記第1デバイス情報が印刷された前記印刷媒体を読み取ることによって、前記第1デバイス情報を取得し、
前記第1デバイス情報を含む登録要求を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記第2デバイスから前記登録要求を受信する場合に、前記登録要求に含まれる前記第1デバイス情報を、前記データベースにて第2デバイス情報と対応付けられている前記特定ユーザ情報と対応付けて前記データベースに記録する、通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記第2デバイスは、
前記特定ユーザ情報に関する認証情報をユーザから取得し、
前記認証情報に基づく認証処理を実行し、
前記認証処理の結果が肯定的である場合に、前記登録要求を前記サーバに送信する、通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記特定ユーザ情報は、前記第2デバイス情報と対応付けられたユーザの連絡先を示す連絡先情報を含み、
前記サーバは、
前記第2デバイスから前記登録要求を受信する場合に、前記連絡先情報によって示される連絡先に、承認要求を送信し、
前記承認要求に応じて承認通知が受信される場合に、前記第1デバイス情報を前記特定ユーザ情報と対応付けて前記データベースに記録する、通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記第2デバイスは、
取得した前記第1デバイス情報と、前記第2デバイス情報と、を含む前記登録要求を、前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記登録要求を受信する場合に、前記登録要求に含まれる前記第2デバイス情報に基づいて前記データベースを検索して、前記特定ユーザ情報を前記データベースから取得し、
前記第1デバイス情報を、前記データベースから取得した前記特定ユーザ情報と対応付けて前記データベースに記録する、通信システム。
【請求項5】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記第2デバイスは、前記特定ユーザ情報を格納するメモリを備え、
前記第2デバイスは、取得した前記第1デバイス情報と、前記特定ユーザ情報と、を含む前記登録要求を、前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記登録要求を受信する場合に、前記第1デバイス情報を、前記登録要求に含まれる前記特定ユーザ情報と対応付けて前記データベースに記録する、通信システム。
【請求項6】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記第1デバイスは、前記第1デバイス情報の印刷後に、前記サーバとネットワークを介して接続された状態で、前記第1デバイス情報を含むサービス利用要求を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記サービス利用要求を受信する場合に、前記データベースにて前記第1デバイス情報を検索することによって、前記第1デバイスが登録済みであるか否かを確認し、
前記第1デバイスが登録済みであることが確認される場合に、前記第1デバイスとの間で特定のサービスを提供するための処理を実行する、通信システム。
【請求項7】
請求項1に記載の通信システムであって、
複数の前記第1デバイスを備え、
複数個の前記第1デバイスは、それぞれ、前記第1デバイス情報を前記印刷媒体に印刷し、
前記第2デバイスは、
前記読取実行部を用いて前記第1デバイス情報がそれぞれ印刷された複数の前記印刷媒体を読み取ることによって、複数の前記第1デバイス情報を取得し、
複数の前記第1デバイス情報を含む1つの前記登録要求を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記第2デバイスから1つの前記登録要求を受信する場合に、前記登録要求に含まれる複数の前記第1デバイス情報を、それぞれ、前記特定ユーザ情報と対応付けて前記データベースに記録する、通信システム。
【請求項8】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記第2デバイスは、
前記読取実行部を用いて前記第1デバイス情報が印刷された前記印刷媒体を読み取ることによって、前記第1デバイス情報を含む画像を示す読取画像データを生成し、
前記読取画像データを解析することによって、前記第1デバイス情報を取得し、
取得された前記第1デバイス情報を含む登録要求を前記サーバに送信する、通信システム。
【請求項9】
デバイス情報をデータベースに記録する方法であって、
印刷媒体に印刷を行う印刷実行部を備える第1デバイスが、前記第1デバイスの登録指示を取得する場合に、前記印刷実行部を用いて、前記第1デバイスの情報である第1デバイス情報を前記印刷媒体に印刷する印刷工程と、
対象物を光学的に読み取る読取実行部を備える第2デバイスが、前記読取実行部を用いて前記第1デバイス情報が印刷された前記印刷媒体を読み取ることによって、前記第1デバイス情報を取得する取得工程と、
前記第2デバイスの情報である第2デバイス情報と、前記第2デバイス情報に対応付けられたユーザの情報である特定ユーザ情報と、が記録されているデータベースを記憶しているサーバに、前記第2デバイスが、前記第1デバイス情報を含む登録要求を送信する送信工程と、
前記サーバが、前記第2デバイスから前記登録要求を受信する場合に、前記登録要求に含まれる前記第1デバイス情報を、前記データベースにて第2デバイス情報と対応付けられている前記特定ユーザ情報と対応付けて前記データベースに記録する記録工程と、
を備える、方法。
【請求項10】
対象物を光学的に読み取る読取実行部を備える第2デバイスのためのコンピュータプログラムであって、
前記読取実行部を用いて第1デバイス情報が印刷された印刷媒体を読み取ることによって前記第1デバイス情報を取得する取得機能であって、前記第1デバイス情報は、印刷を行う印刷実行部を備える第1デバイスの情報であり、前記印刷媒体は、前記印刷実行部によって印刷される、前記取得機能と、
前記第1デバイス情報を含む登録要求を、前記第2デバイスの情報である第2デバイス情報と、前記第2デバイス情報と対応付けられたユーザの情報である特定ユーザ情報とを含むデータベースを記憶するサーバに送信する送信機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記サーバは、
前記第2デバイスから前記登録要求を受信する場合に、前記登録要求に含まれる前記第1デバイス情報を、前記データベースにて第2デバイス情報と対応付けられている前記特定ユーザ情報と対応付けて前記データベースに記録する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、デバイス情報をデータベースに記録するための通信システム、方法、および、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複合機などのデバイスをサーバに登録する技術が知られている。例えば、特許文献1の技術では、ユーザは、自身のパーソナルコンピュータなどの端末装置を用いて、情報管理サーバにアクセスして、自身のアカウントと対応付けられたPINコードをサーバから取得する。ユーザは、該PINコードをプリンタに入力し、プリンタは、入力されたPINコードとプリンタ情報とを情報管理サーバに送信する。情報管理サーバは、PINコードが関連付けられたアカウントと、プリンタ情報と、を関連付けて記憶する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術では、各プリンタにPINコードを入力する必要があり、例えば、ユーザが多数のプリンタを管理する管理者である場合には、該管理者の負担が過度に大きくなる可能性があった。
【0005】
本明細書は、デバイスを容易に登録できる新たな技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]通信システムであって、印刷媒体に印刷を行う印刷実行部を備える第1デバイスと、対象物を光学的に読み取る読取実行部を備える第2デバイスと、登録済みの前記第2デバイスの情報である第2デバイス情報と、前記第2デバイス情報と対応付けられたユーザの情報である特定ユーザ情報とを含むデータベースを記憶するサーバと、を備え、前記第1デバイスは、前記第1デバイスの登録指示を取得する場合に、前記印刷実行部を用いて、前記第1デバイスの情報である第1デバイス情報を前記印刷媒体に印刷し、前記第2デバイスは、前記読取実行部を用いて前記第1デバイス情報が印刷された前記印刷媒体を読み取ることによって、前記第1デバイス情報を取得し、前記第1デバイス情報を含む登録要求を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記第2デバイスから前記登録要求を受信する場合に、前記登録要求に含まれる前記第1デバイス情報を、前記データベースにて第2デバイス情報と対応付けられている前記特定ユーザ情報と対応付けて前記データベースに記録する、通信システム。
【0008】
上記構成によれば、例えば、第1デバイスを用いて印刷された第1デバイス情報を、第2デバイスに読み取らせることで、第1デバイスを第2デバイスの特定のユーザと対応付けて容易に登録することができる。
【0009】
なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、デバイス情報をデータベースに記録する方法、読取実行部を備えるデバイス、通信システム、方法、デバイスの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】第1実施例のデバイス登録処理の第1のシーケンス図。
【
図4】第1実施例のデバイス登録処理の第2のシーケンス図。
【
図6】第2実施例のデバイス登録処理のシーケンス図。
【
図7】第3実施例のデバイス登録処理の第1のシーケンス図。
【
図8】第3実施例のデバイス登録処理の第2のシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.第1実施例
A-1.システム1000の構成
図1は、システム1000の構成を示すブロック図である。システム1000は、複合機100A、100Bと、端末装置200と、管理サーバ300と、を備える。
【0012】
複合機100Bは、例えば、図示しないローカルエリアネットワークを介して、インターネットITに接続されている。端末装置200は、例えば、図示しないローカルエリアネットワークや移動体通信の基地局を介して、インターネットITに接続されている。管理サーバ300は、インターネットITに接続されている。これによって、端末装置200と管理サーバ300とは、互いに通信可能に接続されている。また、複合機100Bと管理サーバ300と、は、互いに通信可能に接続されている。複合機100Aは、図示しないローカルエリアネットワークを介して、インターネットITに接続可能であるが、
図1では、インターネットITには、接続されていない状態(オフライン状態)である。
【0013】
複合機100Aは、複合機100Aのコントローラとして、CPU110と、DRAMなどの揮発性記憶装置120と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置130と、を備えている。また、複合機100Aは、画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示部140と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部150と、スキャナ部160と、プリンタ部170と、通信インタフェース(IF)180と、を備えている。
【0014】
通信IF180は、インターネットITに接続するためのインタフェース、例えば、イーサネット(登録商標)に準拠した有線のインタフェースや、Wi-Fi規格に準拠した無線のインタフェースである。
【0015】
CPU110は、データ処理を行う演算装置(プロセッサ)である。揮発性記憶装置120は、CPU110が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置130には、複合機100Aを制御するためのコンピュータプログラムPGpと、後述するデバイス情報等の各種の情報が記録される情報データベースIBと、が格納されている。
【0016】
コンピュータプログラムPGpは、本実施例では、複合機100Aの製造時に不揮発性記憶装置130に予め格納されて提供される。これに代えて、コンピュータプログラムPGpは、例えば、インターネットITを介して接続されたサーバからダウンロードされる形態、あるいは、CD-ROMなどに記録された形態で提供され得る。
【0017】
情報データベースIBは、複合機自身が管理する情報が格納されるデータベースである。情報データベースIBには、例えば、複合機自身のデバイス情報、例えば、自身のデバイスIDや、モデル名などの情報が格納されている。
【0018】
CPU110は、コンピュータプログラムPGpを実行することによって、複合機100Aの制御を実行する。例えば、CPU110は、ユーザの指示に基づいて、スキャナ部160やプリンタ部170を制御して、画像の読取りや印刷を実行する。また、CPU110は、後述するように、管理サーバ300と通信を行って、管理サーバ300と協働して、印刷に関連するサービスを実現する。
【0019】
スキャナ部160は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に原稿等の対象物を読み取るように構成された読取実行部である。スキャナ部160は、読み取った画像(「スキャン画像」と呼ぶ)を表すスキャンデータを生成する(例えば、RGBのビットマップデータ)。
【0020】
プリンタ部170は、用紙(印刷媒体の一例)上に画像を印刷する印刷実行部である。本実施例では、プリンタ部170は、シアンCとマゼンタMとイエロYとブラックKとのそれぞれのインクを用いるインクジェット式の印刷装置である。これに代えて、プリンタ部170は、トナーを色材として用いて、画像を印刷する電子写真方式の印刷装置であっても良い。
【0021】
複合機100Bは、上述した複合機100Aと同様の構成110~180(図示省略)を備えている。複合機100Bの各構成の説明は省略する。
【0022】
端末装置200は、計算機であり、例えば、スマートフォンである。変形例では、端末装置200は、パーソナルコンピュータやタブレットコンピュータであっても良い。
【0023】
端末装置200は、コントローラとしてのCPUとメモリと、液晶ディスプレイなどの表示部と、Wi-Fi規格や移動体通信の規格(例えば、LTE規格)に準拠した無線の通信インタフェースと、を備えている(図示省略)。
【0024】
端末装置200のメモリには、アプリケーションプログラムAPが格納されている。アプリケーションプログラムAPは、本実施例では、電子メールの送受信および閲覧を行うためのアプリケーションを含む。
【0025】
複合機100Bは、サイトSTbに配置されている。端末装置200は、サイトSTbの複合機100Bの管理者であるユーザ(以下、管理ユーザとも呼ぶ)の端末装置(管理者端末)である。サイトSTbは、例えば、特定の会社の一の部署である。端末装置200と、複合機100Bとは、サイトSTbの図示しないローカルエリアネットワークを介して、通信可能である。
【0026】
複合機100Aは、サイトSTaに配置されている。サイトSTaは、例えば、複合機100Aの所有者(以下、一般ユーザとも呼ぶ)の自宅である。一般ユーザは、例えば、特定の会社の従業員である。
【0027】
管理サーバ300は、例えば、複合機100A、100Bの製造や販売を行う事業者が運用する計算機、例えば、クラウドサーバである。これらのサーバは、協働して後述する印刷に関連するサービスに関する処理を実行する。
【0028】
管理サーバ300は、コントローラとしてのCPU310と、DRAMなどの揮発性記憶装置320と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置330と、通信インタフェース(IF)380と、を備えている。通信IF380は、例えば、イーサネット(登録商標)に準拠した有線のインタフェースである。
【0029】
CPU310は、データ処理を行う演算装置(プロセッサ)である。揮発性記憶装置320は、CPU310が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置330には、コンピュータプログラムPGsと、後述する管理データベースDBと、が格納されている。
【0030】
コンピュータプログラムPGsは、例えば、複合機100A、100Bの製造や販売を行う事業者によってアップロードされる形態で提供される。管理サーバ300のCPU310は、コンピュータプログラムPGsを実行することによって、後述する印刷に関するサービスに関するに関する処理を実行する。例えば、管理サーバ300は、主に、管理対象のデバイス(例えば、複合機100A)の登録や、登録されたデバイスを用いたサービスの提供、等のための各種の処理を実行する。
【0031】
管理サーバ300は、例えば、複合機を用いて提供される印刷に関連するサービスとして、消耗品管理サービスと、リモート印刷サービスと、を提供する。消耗品管理サービスは、例えば、インクなどのプリンタの消耗品の残量を管理し、消耗材の消耗に応じて該消耗材をユーザに配送するサービスである。リモート印刷サービスは、例えば、ユーザの端末装置から送信される画像ファイルを用いて印刷ジョブを生成してプリンタに送信することによって、プリンタに印刷を行わせるサービスである。
【0032】
管理サーバ300の管理データベースDBには、これらのサービスを提供するために必要な情報が記録されている。
図2は、管理データベースDBの一例を示す図である。
図2の管理データベースDBには、サービスに用いることができる登録済みのデバイスの情報が記録されるデータベースである。
【0033】
図2に示すように、管理データベースDBは、デバイス情報テーブルLTと、アカウントテーブルATと、デバイス登録テーブルDTと、を含んでいる。
【0034】
デバイス情報テーブルLTは、1以上のデバイス情報が記録されるテーブルである。デバイス情報は、デバイスを識別する識別情報であるデバイスIDと、該デバイスIDが付与されたプリンタのモデル名、型番等のプリンタ情報と、を含む。本実施例では、デバイスIDは、プリンタ固有のシリアル番号である。例えば、
図2の例では、複合機100BのデバイスIDと、プリンタ情報と、が対応付けて記録されている。
【0035】
アカウントテーブルATは、管理ユーザのアカウントと、該アカウントに関連付けられる情報と、が登録されるデータベースである。具体的には、アカウントテーブルATには、管理ユーザごとに、アカウント情報が記録されている。本実施例では、アカウント情報は、
図2に示すように、アカウントIDと、パスワードと、ユーザ名と、メールアドレスと、を含む。を含む。
図2の例では、複合機100Bの管理ユーザのアカウントID「AC_b」、パスワード「PW_b」、ユーザ名「KEN」と、メールアドレス「MA_b」が記録されている。メールアドレスは、管理ユーザの連絡先を示す連絡先情報の例であり、後述する登録承認要求の宛先として用いられる。
【0036】
デバイス登録テーブルDTには、アカウントIDと、デバイスIDと、が対応付けて記録される。これによって、アカウントIDによって識別されるアカウントを所有する管理ユーザと、サービスを利用する際に用いる1以上のデバイスと、が対応付けられる。
図2の例では、複合機100Bの管理ユーザのアカウントID「AC_b」が、複合機100BのデバイスID「DID_b」と対応付けて記録されている。
【0037】
以上のように、
図2の管理データベースDBは、登録済みのデバイスとして、
図1の複合機100Bが登録されている状態である。
【0038】
A-2.デバイス登録処理
以下では、登録済みのデバイスとして
図1の複合機100Bが登録されている状態(
図2)から新たに
図1の複合機100Aを、サービスに利用するデバイスとして管理サーバ300に登録するデバイス登録処理について説明する。
【0039】
図3、
図4は、第1実施例のデバイス登録処理のシーケンス図である。S2では、複合機100Aのユーザ(一般ユーザ)は、複合機100Aに、デバイス情報印刷指示を入力する。この時点で、複合機100Aは、インターネットITに接続されている必要はない。例えば、複合機100Aは、デバイス登録のためのデバイス情報を印刷するための印刷指示を入力するためのUI(ユーザインタフェース)画面を表示部140に表示する。ユーザは、該UI画面を介して、デバイス情報印刷指示を複合機100Aに入力する。
【0040】
複合機100Aは、デバイス情報印刷指示を取得すると、S3にて、複合機100Aのデバイス情報(デバイス情報Aとも呼ぶ)を用紙に印刷する。
図5は、印刷画像の一例を示す図である。
図5(A)には、S3にて印刷されるデバイス情報を示す印刷画像M1が示されている。印刷画像M1は、デバイス情報として、デバイスID(例えば、シリアル番号)を含んでいる。
【0041】
一般ユーザは、S4にて、デバイス情報Aが印刷された印刷済み用紙を複合機100Aから取得し、S5にて、該印刷済み用紙を管理ユーザに送付(例えば、郵送)する。
【0042】
管理ユーザは、印刷済み用紙を受け取ると、S6にて、該印刷済み用紙を複合機100Bのスキャナ部160の原稿台に載置する。S11では、管理ユーザは、操作部150を介して、デバイス登録指示を複合機100Bに入力する。
【0043】
複合機100Bは、デバイス登録指示を受け取ると、S12にて、スキャナ部160を制御して、印刷済み用紙を読み取ることによって、印刷済み用紙を示すスキャンデータを生成する。印刷済み用紙を示すスキャンデータは、デバイス情報Aを示すスキャンデータとも言うことができる。
【0044】
S14では、複合機100Bは、スキャンデータからデバイス情報Aを取得する。例えば、複合機100Bは、例えば、公知のOCR(Optical Character Recognition)技術を用いてスキャンデータを解析することによって画像内の文字を認識する。これによって、複合機100Bは、デバイス情報A(本実施例では、複合機100AのデバイスID)を取得する。
【0045】
S16では、複合機100Bは、デバイス登録要求を管理サーバ300に送信する。デバイス登録要求には、S14にて取得されたデバイス情報Aと、複合機100B自身の情報であるデバイス情報B(本実施例では、複合機100BのデバイスID)と、が含められる。デバイス情報Bは、例えば、複合機100Bの情報データベースIBに格納されている。
【0046】
管理サーバ300は、デバイス登録要求を受信すると、S20にて、デバイス登録要求に含まれるデバイス情報Bを用いて、管理者情報を取得する。具体的には、管理サーバ300は、デバイス登録テーブルDT(
図2)にて、デバイス情報B、すなわち、複合機100BのデバイスID「DID_b」を検索する。管理サーバ300は、デバイス登録テーブルDTにてデバイスID「DID_b」に対応付けられたアカウントID「AC_b」を取得する。管理サーバ300は、アカウントテーブルATにてアカウントID「AC_b」を検索して、アカウントID「AC_b」に対応付けられたメールアドレス「MA_b」を取得する。これによって、複合機100Bの管理ユーザのアカウントIDとメールアドレスとが管理者情報として取得される。
【0047】
S22では、管理サーバ300は、登録承認要求をメールアドレス「MA_b」宛の電子メールによって送信する。これによって、登録承認要求は、管理ユーザの端末装置200宛に送信される。
【0048】
図5(B)には、登録承認要求の電子メールの文面M2の一例が示されている。この文面M2は、特定のデバイスIDのデバイスの登録要求がなされたことを示すメッセージMSaと、該登録要求を承認するか否かの確認を促すメッセージMSbと、承認するか否かを入力するためのボタンBTa、BTbと、を含む。
【0049】
登録承認要求が端末装置200に受信されると、S24では、管理ユーザは、端末装置200にて登録承認要求の文面M2を閲覧し、承認するか否かを入力するためのボタンBTa、BTbのいずれかを選択する。管理ユーザは、例えば、S6にて複合機100Bのスキャナ部160に載置した印刷済み用紙に記載されたデバイスID(
図5(A))と、登録承認要求の文面M2に記載されたデバイスID(
図5(B))と、が一致するかを確認する。管理ユーザは、これらのデバイスIDが一致する場合には、ボタンBTaを押下して、登録要求を承認する。管理ユーザは、これらのデバイスIDが一致しない場合等には、ボタンBTbを押下して、登録要求を承認しない。
【0050】
登録要求を承認するか否かが端末装置200に入力されると、S26にて、端末装置200は、入力された承認結果を示す登録承認応答を管理サーバ300に送信する。管理サーバ300が登録承認応答を受信すると、管理サーバ300は、S27にて、承認結果が登録要求を承認することを示す承認通知であるか否か確認する。承認結果が承認通知でない場合には、管理サーバ300は、処理を中断する(図示省略)。
【0051】
承認結果が承認通知である場合には、S28にて、管理サーバ300は、S16にて受信済みのデバイス情報A(複合機100AのデバイスID「DID_a」)を、S20にて取得済みの管理者情報(アカウントID「AC_b」)と対応付けて記録する。具体的には、
図4に破線の枠FLで示すように、管理サーバ300は、デバイス登録テーブルDT(
図2)に、複合機100AのデバイスID「DID_a」を、複合機100Bの管理ユーザのアカウントID「AC_b」と対応付けて記録する。
【0052】
S30では、管理サーバ300は、S16で受信したデバイス登録要求に対する応答として、登録結果通知を複合機100Bに送信する。登録結果通知は、デバイス登録要求によって登録が要求されたデバイス(例えば、複合機100A)が登録されたことを示す通知である。
【0053】
複合機100Bが登録結果通知を受信すると、S32にて、複合機100Bは、登録結果を印刷する。
図5(C)には、S32にて印刷される登録結果を示す印刷画像M3が示されている。
図5(C)の印刷画像M3は、特定のデバイスIDと、該特定のデバイスIDを有するデバイスの登録が完了し、該デバイスを用いたサービスが利用可能であることを示すメッセージMScと、を含んでいる。
【0054】
管理ユーザは、S34にて、印刷画像M3を見ることによって、登録結果(複合機100Aが登録されたこと)を認識し、S36にて、複合機100Aのユーザ(一般ユーザ)に、該登録結果を通知する。登録結果の通知の方法は、任意でよく、口頭での通知、電子メールによる通知、印刷画像M3が印刷された用紙の郵送などが想定される。
【0055】
一般ユーザは、登録結果にて複合機100Aの登録が完了したことを認識すると、S38では、一般ユーザは、複合機100AをインターネットITに接続した状態(オンライン状態)で、複合機100Aにサービス開始指示を入力する。サービス開始指示は、例えば、予め用意されたUI画面を介して入力される。
【0056】
複合機100Aにサービス開始指示が入力されると、S40にて、複合機100Aは、サービス利用要求を管理サーバ300に送信する。複合機100Aの不揮発性記憶装置130には、管理サーバ300の所在を示すURL(Uniform Resource Locator)が予め格納されているので、複合機100Aは、該URL宛にサービス利用要求を送信する。サービス利用要求には、デバイス情報A、具体的には、複合機100AのデバイスID「DID_a」が含められる。
【0057】
管理サーバ300がサービス利用要求を受信すると、S42にて、管理サーバ300は、登録確認を実行する。例えば、管理サーバ300は、デバイス登録テーブルDTにて、サービス利用要求に含まれる複合機100AのデバイスID「DID_a」を検索し、該デバイスIDがデバイス登録テーブルDT(
図2)に記録されているか否かを確認する。サービス利用要求の送信元のデバイスのIDがデバイス登録テーブルDTに記録されていない場合には、管理サーバ300は、処理を中断する(図示省略)。
【0058】
複合機100AのデバイスID「DID_a」がデバイス登録テーブルDTに記録されている場合には、S44にて、管理サーバ300は、印刷に関連するサービスの初期設定処理を実行する。例えば、予め管理ユーザとの間で契約済みの所定のサービスについて初期設定処理が実行される。初期設定処理は、例えば、複合機100Aからサービスに必要なデバイス情報(モデル名等)を複合機100Aから受信してデバイス情報テーブルLT(
図2)に記録する処理や、サービスに必要な設定情報を複合機100Aに送信する処理を含む。
【0059】
S45では、管理サーバ300は、複合機100Aに設定完了通知を送信する。S46では、管理サーバ300と複合機100Aとの間で、サービス処理が実行されることで、一般ユーザに対して複合機100Aを用いて印刷に関連するサービスが提供される。例えば、消耗品管理サービスが提供される場合には、サービス処理は、例えば、複合機100Aが定期的にインクなどの消耗品の残量を示す情報を管理サーバ300に送信する処理を含む。例えば、リモート印刷サービスが提供される場合には、サービス処理は、ユーザの端末装置からの指示に基づいて、管理サーバ300から複合機100Aに印刷ジョブを送信する処理を含む。
【0060】
以上説明した第1実施例によれば、複合機100Aは、登録指示を取得する場合にプリンタ部170を用いて、自身の情報であるデバイス情報Aを用紙に印刷する(
図3のS3)。複合機100Bは、スキャナ部160を用いてデバイス情報Aが印刷された印刷済み用紙を読み取ることによって、複合機100Aのデバイス情報Aを取得する(
図3のS12、S14)。複合機100Bは、デバイス情報Aを含むデバイス登録要求を管理サーバ300に送信する(
図3のS16)。管理サーバ300は、複合機100Bからデバイス登録要求を受信する場合に、デバイス登録要求に含まれるデバイス情報A(例えば、デバイスID「DID_a」)を、管理データベースDB(
図1、
図2)にてデバイス情報Aと対応付けられている管理者情報(例えば、アカウントID「AC_b」)と対応付けて管理データベースDBに記録する(
図4のS28)。この結果、複合機100Aにて印刷されたデバイス情報Aを、複合機100Bに読み取らせることで、複合機100Aを複合機100Bの管理ユーザと対応付けて容易に登録することができる。
【0061】
例えば、複合機100Aが複合機100Bとは異なる場所に設置されている場合であっても、例えば、上記実施例のように、一般ユーザが複合機100Aにて印刷された印刷済み用紙を管理ユーザに送るだけで良い。また、複合機100AがインターネットITに接続されていない状態であっても、複合機100Bとローカルエリアネットワークを介して通信可能な状態でなくても、複合機100Aにて印刷された印刷済み用紙を複合機100Bに読み取らせるだけで良い。
【0062】
さらに、複合機100Bは、管理ユーザの登録済みのデバイスであることを利用して、複合機100Aを管理ユーザに対応付けて登録するので、例えば、管理ユーザは、自身のアカウント情報(IDやパスワード)を改めて入力する必要もない。また、一般ユーザは、自身のアカウントを作成する必要もない。この結果、管理ユーザや一般ユーザの作業負担を軽減できる。
【0063】
さらに、管理サーバ300は、複合機100Bからデバイス登録要求を受信する場合に、管理ユーザの連絡先として記録されているメールアドレスに、登録承認要求を送信する(
図3のS22)。管理サーバ300は、登録承認要求に応じて承認通知が受信される場合に、デバイス情報Aを管理者情報と対応付けて管理データベースDBに記録して、複合機100Aを登録する。この結果、例えば、複合機100Bの管理ユーザの意図に反して、複合機100Aが登録されること(例えば、不正な登録)を抑制できる。
【0064】
さらに、上記実施例では、複合機100Bは、複合機100Aのデバイス情報Aと、複合機100Bのデバイス情報Bと、を含むデバイス登録要求を、管理サーバ300に送信する(
図3のS16)。管理サーバ300は、デバイス登録要求を受信する場合に、該デバイス登録要求に含まれるデバイス情報Bに基づいて管理データベースDB(デバイス登録テーブルDT(
図2))を検索して、管理者情報を管理データベースDBから取得する(
図3のS20)。管理サーバ300は、デバイス情報Aを、管理データベースDBから取得した管理者情報と対応付けて管理データベースDBに記録する(
図3のS28)。この結果、複合機100Bが、デバイス情報Aと、自身のデバイス情報Bと、を含むデバイス登録要求を管理サーバ300に送信するだけで、複合機100Aを、複合機100Bの管理ユーザと対応付けて容易に登録することができる。
【0065】
さらに、上記実施例では、複合機100Aは、デバイス情報Aの印刷(
図3のS3)後に、管理サーバ300とネットワーク(例えば、インターネットIT)を介して接続された状態で、デバイス情報Aを含むサービス利用要求を管理サーバ300に送信する(
図4の40)。管理サーバ300は、管理データベースDBのデバイス登録テーブルDTにてデバイス情報Aを検索することによって、複合機100Aが登録済みであるか否かを確認する(
図4のS42)。複合機100Aが登録済みであることが確認される場合に、複合機100Aとの間で特定のサービス(例えば、消耗品管理サービス)を提供するための処理(例えば、初期設定処理)を実行する(
図4のS44)。この結果、複合機100Aは、登録された後に、サービス利用要求を管理サーバ300に送信することによって、特定のサービスの利用を開始することができる。
【0066】
さらに、上記実施例では、複合機100Bは、スキャナ部160を用いて印刷済み用紙を読み取ることによって、デバイス情報Aを含む印刷画像M1(
図5(A))を示すスキャンデータを生成し(
図3のS12)、該スキャンデータを解析することによって、デバイス情報Aを取得する(
図3のS14)。複合機100Bは、取得されたデバイス情報Aを含むデバイス登録要求を管理サーバ300に送信する(
図3のS16)。この結果、例えば、管理サーバ300は、スキャンデータの解析を行う必要がないので、管理サーバ300の処理負荷を軽減できる。また、複合機100Bから管理サーバ300にスキャンデータを送る必要がないので、複合機100Bと管理サーバ300との間のネットワークの通信量を低減できる。
【0067】
以上の説明から解るように、本実施例の複合機100Aは、第1デバイスの例であり、複合機100Bは、第2デバイスの例であり、管理者情報は、特定ユーザ情報の例である。
【0068】
B.第2実施例
図6は、第2実施例のデバイス登録処理のシーケンス図である。第2実施例では、S11にて、デバイス登録指示の入力を受け付ける前に、管理ユーザの認証のためにログイン処理が行われるために、
図6では、S6とS11との間に、S8BとS11Bが追加されている。
【0069】
具体的には、複合機100Bの情報データベースIBには、管理ユーザのアカウント情報が格納されている。該アカウント情報は、例えば、管理サーバ300のアカウントテーブルAT(
図2)に記録されている、アカウントID「AC_b」、パスワード「PW_b」、ユーザ名「KEN」である。
【0070】
図6のS8Bでは、複合機100Bは、管理ユーザからログイン情報を取得する。取得されるログイン情報は、例えば、上記アカウント情報に関連する情報であり、本実施例では、上記アカウント情報のうち、パスワードを少なくとも含む。ログイン情報は、例えば、アカウントIDとパスワード、あるいは、ユーザ名とパスワードである。例えば、複合機100Bは、ログイン情報を入力するためのUI画面(図示省略)を表示部140に表示する。管理ユーザは、操作部150を操作して、ログイン情報を入力する。
【0071】
S10Bでは、複合機100Bは、取得したログイン情報を用いてログイン処理を実行する。ログイン処理は、入力されたログイン情報が、情報データベースIBに記録されているか否かを確認する認証処理である。これに代えて、ログイン処理は、複合機100Bが管理サーバ300にログイン情報を送信し、管理サーバ300が、ログイン情報がアカウントテーブルATに記録されているか否かを確認する認証処理を実行し、認証結果を複合機100Bに送信する処理であっても良い。この場合には、複合機100Bは、情報データベースIBにアカウント情報を記録しておく必要はない。
【0072】
ログイン情報が情報データベースIBに記録されていない場合、すなわち、ログイン情報の認証結果が否定的である場合には、複合機100Bは、処理を中断する、あるいは、ログイン情報の再入力と認証処理とを肯定的な認証結果が得られるまで繰り返す(図示省略)。ログイン情報が情報データベースIBに記録されている場合、すなわち、ログイン情報の認証結果が肯定的である場合には、複合機100Bは、S11にて、管理ユーザからデバイス登録指示を取得する。例えば、複合機100Bは、デバイス登録指示を入力するためのUI画面を表示部140に表示し、管理ユーザにデバイス登録指示を入力させる。S12では、第1実施例(
図3)と同様に、印刷済み用紙を読み取ることによって、印刷済み用紙を示すスキャンデータを生成する。
【0073】
第2実施例では、
図6のS12の後に、複合機100Bは、第1実施例の
図3のS14を実行しない。
図6のS16Bでは、複合機100Bは、第1実施例の
図3のS16と同様に、デバイス登録要求を管理サーバ300に送信する。ここで、第2実施例では、デバイス登録要求に、S12にて生成されたデバイス情報Aを示すスキャンデータと、管理者情報が含められる。すなわち、第2実施例では、複合機100Bは、スキャンデータの解析を行わずに、スキャンデータをそのまま管理サーバ300に送信する。また、第2実施例では、デバイス情報Bに代えて、管理者情報がデバイス登録要求に含められる。この管理者情報は、ログインした管理ユーザ(複合機100Bの管理ユーザ)の情報であり、例えば、アカウントID「AC_b」である。
【0074】
管理サーバ300は、デバイス登録要求を受信すると、S16Bにて、デバイス登録要求に含まれるスキャンデータからデバイス情報Aを取得する。例えば、第1実施例の
図3のS14と同様に、公知のOCR技術を用いてスキャンデータを解析することによって画像内の文字を認識して、デバイス情報Aを取得する。
【0075】
S20Bでは、管理サーバ300は、デバイス登録要求に含まれる管理者情報が、管理データベースDBのアカウントテーブルATに記録されているか否かを確認する。
【0076】
第2実施例のS20Bより後の処理は、第1実施例のS20より後の処理S22~S46(
図3、
図4)と同一であるので、説明を省略する。
【0077】
以上説明した第2実施例によれば、複合機100Bは、ログイン情報をユーザから取得し(
図6のS8B)、該ログイン情報に基づく認証処理であるログイン処理を実行する(
図6のS10B)。複合機100Bは、認証処理の結果が肯定的である場合に、デバイス登録要求を管理サーバ300に送信する(
図6のS16B)。この結果、例えば、ログイン情報を知らない者が複合機100Bを操作して、複合機100Bにデバイス登録要求を送信させることはできない。したがって、デバイス登録要求が不正な指示に基づいて管理サーバ300に送信されることを抑制できるので、複合機100Aが不正に登録されることを抑制できる。
【0078】
さらに、第2実施例によれば、複合機100Bは、管理者情報が記録された情報データベースIBを格納するメモリである不揮発性記憶装置130を備えている。複合機100Bは、デバイス情報Aと、管理者情報と、を含むデバイス登録要求を、管理サーバ300に送信する(
図6のS20B)。管理サーバ300は、デバイス登録要求を受信する場合に、デバイス情報Aを、デバイス登録要求に含まれる管理者情報と対応付けて管理データベースDBに記録する(
図4のS28)。この結果、管理サーバ300は、対応付けるべき管理者情報を複合機100Bから取得するので、例えば、管理データベースDBのデバイス情報テーブルLTから管理者情報を取得する必要がない。また、ログインされた管理ユーザを示す管理者情報を確実に複合機100Bから取得できるので、複合機100Aを確実に適切な管理者情報と対応付けて登録できる。
【0079】
なお、第2実施例では、ログイン処理が行われることから、第1実施例の
図3のS22~S26の処理、すなわち、管理ユーザによる登録承認のための処理は、省略されても良い。また、第2実施例でも、ログイン処理に加えて、
図3のS22~S26の処理が行われる場合には、複合機100Aが不正に登録されることを、さらに、効果的に抑制できる。
【0080】
また、第1、第2実施例の説明から解るように、スキャンデータの解析は、複合機100Bが実施しても良い(第1実施例)、管理サーバ300が実行しても良い(第2実施例)。このように、デバイス情報Aを含むサービス登録要求を管理サーバ300に送信することは、スキャンデータの解析によって得られたデバイス情報A(例えばテキストデータ)を管理サーバ300に送信することであっても良いし(第1実施例)、デバイス情報Aを示すスキャンデータそのものを管理サーバ300に送信することであっても良い(第2実施例)。
【0081】
C.第3実施例
図7、
図8は、第3実施例のデバイス登録処理のシーケンス図である。第3実施例では、一般ユーザは、複合機100Aに加えて、複合機100C(
図7)を所有している。第3実施例では、2台の複合機100A、100Cを一括して、管理ユーザと対応付けて登録する例について説明する。
【0082】
図7のS2Cでは、一般ユーザは、複合機100Aと複合機100Cとに、それぞれ、デバイス情報印刷指示を入力する。
【0083】
複合機100Aは、デバイス情報印刷指示を取得すると、
図7のS3Aにて、複合機100Aのデバイス情報Aを用紙に印刷する。これにより、第1実施例と同様に、デバイス情報A(例えば、デバイスID「DID_a」)を示す印刷画像M1(
図5)が印刷される。複合機100Cは、デバイス情報印刷指示を取得すると、
図7のS3Cにて、複合機100Cのデバイス情報Cを用紙に印刷する。これにより、デバイス情報C(例えば、デバイスID「DID_c」)を示す印刷画像(図示省略)が印刷される。
【0084】
一般ユーザは、
図7のS4Cにて、デバイス情報Aが印刷された印刷済み用紙を複合機100Aから取得し、デバイス情報Cが印刷された印刷済み用紙を複合機100Cから取得する。S5Cでは、複数枚の印刷済み用紙を管理ユーザに送付(例えば、郵送)する。
【0085】
管理ユーザは、複数枚の印刷済み用紙を受け取ると、
図7のS6Cにて、複数枚の印刷済み用紙を複合機100Bのスキャナ部160に載置する。例えば、複数枚の印刷済み用紙は、スキャナ部160のADF(Automatic Document Feeder)に載置される。S11では、
図3のS11と同様に、管理ユーザは、操作部150を介して、デバイス登録指示を複合機100Bに入力する。
【0086】
複合機100Bは、デバイス登録指示を受け取ると、
図7のS12Cにて、スキャナ部160を制御して、複数枚の印刷済み用紙を読み取ることによって、複数枚の印刷済み用紙を示すスキャンデータを生成する。該スキャンデータは、2つのデバイス情報A、Cを示すスキャンデータとも言うことができる。
【0087】
図7のS14Cでは、複合機100Bは、スキャンデータを解析することによって、スキャンデータから2つのデバイス情報A、Cを取得する。
【0088】
図7のS16Cでは、複合機100Bは、デバイス登録要求を管理サーバ300に送信する。デバイス登録要求には、S14Cにて取得されたデバイス情報A、Cと、複合機100B自身のデバイス情報Bと、が含められる。管理サーバ300は、デバイス登録要求を受信すると、
図7のS20にて、
図3のS20と同様に、デバイス登録要求に含まれるデバイス情報Bを用いて、管理者情報を取得する。
【0089】
図8のS22Cでは、
図4のS22と同様に、管理サーバ300は、登録承認要求をメールアドレス「MA_b」宛の電子メールによって送信する。登録承認要求の電子メールの文面には、複数のデバイス情報A、Bによって特定される複数のデバイス(例えば、複合機100A、100C)について、登録の承認を求めるメッセージが含まれる。
【0090】
図8のS24~S27は、
図4のS24~S27と同様の処理である。S27にて、が登録要求を承認することを示す承認通知が得られた場合には、S28Cにて、管理サーバ300は、S16Cにて受信済みの2個のデバイス情報A、B(複合機100AのデバイスID「DID_a」と複合機100CのデバイスID「DID_c」)を、S20にて取得済みの管理者情報(アカウントID「AC_b」)と対応付けて記録する。具体的には、
図8に破線の枠FLcで示すように、管理サーバ300は、デバイス登録テーブルDT(
図2)に、2個の複合機100A、CのデバイスID「DID_a」「DID_c」を、複合機100Bの管理ユーザのアカウントID「AC_b」と対応付けて記録する。
【0091】
S30Cでは、管理サーバ300は、S16で受信したデバイス登録要求に対する応答として、登録結果通知を複合機100Bに送信する。登録結果通知は、2個の複合機100A、100Bが登録されたことを示す通知である。
【0092】
S32Cでは、複合機100Bは、2個の複合機100A、100Bの登録結果を印刷する。S34Cでは、管理ユーザは、印刷画像を見ることによって、2個の複合機100A、100Bが登録されたことを認識し、S36Cにて、複合機100A、100Cのユーザに、該登録結果を通知する。
【0093】
以上説明した第3実施例では、複数の複合機100A、100Cは、それぞれ、自身のデバイス情報を用紙に印刷する(
図7のS3A、S3C)。複合機100Bは、デバイス情報がそれぞれ印刷された複数枚の用紙を読み取ることによって、複数のデバイス情報A、Bを取得する(
図7のS12C、S14C)。複合機100Bは、複数のデバイス情報A、Bを含む1つのデバイス登録要求を管理サーバ300に送信する(
図7のS16C)。管理サーバ300は、複合機100Bから1つのデバイス登録要求を受信する場合に、該デバイス登録要求に含まれる複数のデバイス情報A、Bを、それぞれ、管理者情報と対応付けて管理データベースDBに記録する(
図8のS28C)。この結果、複数の複合機100A、100Cを、一回の登録処理によって、複合機100Bの管理ユーザと対応付けて容易に登録することができる。したがって、管理ユーザの負担をより軽減できる。
【0094】
なお、第3実施例において、同時に登録されるデバイス(例えば、複合機)の個数は、2に限らず、3以上の任意の数であっても良い。また、同時に登録される複数個のデバイスは、一人の一般ユーザの所有物ではなく、複数人の一般ユーザがそれぞれ所有するデバイスを含んでいても良い。また、同時に登録される複数個のデバイスは、同一種類の複合機である必要はなく、多種類の複合機やプリンタを含んでいても良い。
【0095】
B.変形例
(1)上記各実施例の複合機100Aに代えて、少なくとも印刷を実行可能な他のデバイス、例えば、スキャナ機能を備えないプリンタが用いられても良い。また、上記各実施例の複合機100Bに代えて、少なくともデバイス情報が印刷された印刷媒体を読み取ることによってスキャンデータを生成可能な他のデバイス、例えば、印刷機能を備えないスキャナが用いられても良い。複合機100Bに代えて、スキャナが用いられる場合には、例えば、
図4のS32では、登録結果を印刷することに代えて、スキャナの表示部に登録結果を表示することで、登録結果を管理ユーザに通知しても良い。
【0096】
(2)上記各実施例のデバイス登録処理(
図3、
図4、
図6-
図8)は、一例であり、これに限られず、様々な変形が可能である。
【0097】
例えば、複合機100Aは、
図3のS3にてデバイス情報Aを印刷する際に、デバイス情報Aに加えて、例えば、予め複合機100Aに登録された一般ユーザの情報を印刷しても良い。一般ユーザの情報は、例えば、一般ユーザの名前、住所、メールアドレスなどを含み得る。この場合には、複合機100Bは、S14にて、印刷済み用紙を読み取って得られるスキャンデータを解析して、デバイス情報Aに加えて、一般ユーザの情報を取得し、S16にて、デバイス登録要求に、デバイス情報Aに加えて、一般ユーザの情報を含めても良い。そして、管理サーバ300は、
図4のS28にて、管理者情報と対応付けて、一般ユーザの情報を管理データベースDBに記録しても良い。この変形例によれば、例えば、消耗品管理サービス等を利用する際に、一般ユーザの情報を登録する必要がある場合などに、管理ユーザは、改めて一般ユーザの情報を管理サーバ300に登録する必要がない。したがって、管理ユーザの負担をさらに軽減できる。なお、一般ユーザの情報は、複合機100Aによって印刷されることに代えて、例えば、印刷内容に一般ユーザの情報を記入する記入欄を含めておき、デバイス情報Aが印刷された印刷済みの用紙の記入欄に、ユーザによって記入されても良い。さらに、一般ユーザは、自身のユーザ情報を記憶した端末装置(不図示)を有しており、複合機100Aは、一般ユーザの該端末装置と通信して一般ユーザの情報を取得して印刷してもよい。これにより、一般ユーザは複合機100Aへ一般ユーザの情報を入力する必要がない。したがって、一般ユーザの負担もさらに軽減できる。
【0098】
(3)
図4では、ユーザによるサービス開始指示の入力を契機として、複合機100Aは、サービス利用要求を管理サーバ300に送信し、S42の登録確認やS44の初期設定処理が実行される。これに代えて、サービス利用要求の送信契機は、例えば、複合機100Aが複合機100Bと同一のローカルエリアネットワークに接続されている場合には、複合機100Bからの通知を受信することであっても良い。複合機100Bからの通知は、SNMP(Simple Network Management Protocol)などの公知の手法を用いて実行される。また、サービス利用要求の送信契機は、例えば、複合機100Aが、デバイス情報Aを印刷した後に、インターネットITに接続されたことであっても良い。複合機100Aが、デバイス情報Aを印刷した後に、インターネットITに接続された状態で、最初に所定の条件が満たされたことであっても良い。所定の条件は、例えば、電源が投入されたこと、所定の実行時刻になったことであっても良い。また、登録結果が印刷された用紙が一般ユーザに郵送される場合には、例えば、複合機100Aは、該用紙をスキャナ部160によって読み取った場合に、サービス利用要求を管理サーバ300に送信しても良い。この場合には、例えば、該用紙には、初期設定処理に必要な情報(例えば、管理サーバ300に初期設定のためにアクセスするためのURL)が記載されていても良い。この場合には、当該情報を用いて、管理サーバ300との間で初期設定処理が実行されても良い。
【0099】
(4)上記実施例にて、1つの管理サーバ300が実行する処理を、2以上の互いに通信可能に接続された複数個のサーバが協働して、実行しても良い。例えば、デバイス登録テーブルDTを管理するサーバと、アカウントテーブルATを管理するサーバと、は異なるサーバであっても良い。また、この場合には、2つのサーバが、各端末装置や各プリンタとの通信を含む
図4、
図6~
図8の処理を各サーバが持つデータベースの内容に応じて分担して実行すれば良い。また、2つのサーバが行う処理は、3以上のサーバによって協働して実行されても良い。
【0100】
(5)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0101】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1000…システム,100A-100C…複合機,110…CPU,120…揮発性記憶装置,130…不揮発性記憶装置,140…表示部,150…操作部,160…スキャナ部,170…プリンタ部,180…通信IF,200…端末装置,300…管理サーバ,310…CPU,320…揮発性記憶装置,330…不揮発性記憶装置,380…通信IF,AT…アカウントテーブル,DB…管理データベース,IB…情報データベース,IT…インターネット,PGp,PGs…コンピュータプログラム