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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109495
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】歯科用温水器
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/00 20060101AFI20240806BHJP
   A61C 17/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A61C19/00 H
A61C17/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023023810
(22)【出願日】2023-02-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】516260800
【氏名又は名称】株式会社エム・ディ・インスツルメンツ
(72)【発明者】
【氏名】山中 通三
(72)【発明者】
【氏名】松村 洋志
(72)【発明者】
【氏名】西 祥穂
(72)【発明者】
【氏名】三浦 大司
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052LL04
4C052NN16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】金属製の既存の歯科用温水器より保温性が高く、軽量で、結露しにくく、安価で、樹脂のみで作製する歯科用温水器より放熱性があり、空焚き等の異常時からの復帰時間が短く、コンパクトな歯科用温水器を提供する。
【解決手段】樹脂で形成された袋状または筒状の本体部2の中心に軸方向に延びるヒータ11が設けられ、樹脂より熱伝導性の高い金属製のキャップを下部に持ち、外周を下部キャップ7で囲まれたヒータと下部キャップとの間に第一の領域が構成され、通常稼働時は取込口から供給された水が第一の領域A1を通過して効率的に温められ、空焚き等の異常時はヒータの熱が第一の領域及び下部キャップを経由して歯科用温水器の外部に放熱され、内部の温度が早く下がることで空焚き等の異常時からの復帰時間が短く、また、水の取込口8と出水口9が本体部の中心の軸方向に対して直交する面に設けられることでコンパクトに形成されたものとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂で形成された袋状または筒状の本体部の中心に軸方向に延びるヒータが設けられ、本体部の下部に設けられた金属製の下部キャップに取込口と出水口とを有し、取込口から水が供給され、下部キャップで外周を囲まれたヒータと下部キャップとの間の第一の領域と、樹脂製の本体部とヒータとの間の第二の領域を通過して温められ、上部に移動した温水が出水路を経由し、出水口から送り出されるように形成されことを特徴とする歯科用温水器。
【請求項2】
請求項1において、ヒータと下部キャップとの間の第一の領域における取込口に近い上流領域と本体部に続く下流領域とを有し、ヒータの外周から下部キャップの上流領域の内壁までの距離W1とヒータの外周から下部キャップの下流領域の内壁までの距離W2とはW1<W2であることを特徴とする歯科用温水器。
【請求項3】
請求項1の歯科用温水器において、射出成型で作製された樹脂製の本体部の内周側に下部キャップを挿入したものであり、下部キャップの外周にOリングを入れるための溝があり、下部キャップの外周側と本体部の内周側とをOリングでシールする構造を持つ歯科用温水器。
【請求項4】
請求項1において、樹脂製本体部の外周部にリブを持ち、一端がリブに掛止され、他端が下部キャップの外周側に設けられた凸部とねじで締結される金属製の固定用リングを持つ歯科用温水器。
【請求項5】
請求項4において、本体部のリブの下側と下部キャップの凸部の上側の間に設けられた金属製の補強リングを持つ歯科用温水器。
【請求項6】
請求項1において、取込口と出水口が本体部の中心の軸方向に対して直交する第一の面および第二の面にそれぞれ設けられた歯科用温水器。
【請求項7】
請求項6において、下部キャップの凸部より外径が小さい取付部に取込口と出水口とを設け、取付部には取込口と出水口とが工具を用いて取り付け可能な領域を有する歯科用温水器。
【請求項8】
請求項6において、取込口がヒータと下部キャップとの間の第一の領域の底部に取り付けられている歯科用温水器。
【請求項9】
請求項1において前述の樹脂で形成された袋状または筒状の本体部はポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニルサルホン(PPSU)、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)の耐熱性を有する樹脂のうちいずれかにより構成されることを特徴とする歯科用温水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用温水器に関するものであり、さらに詳細には、患部洗浄とうがい用の水を供給する機能を有する歯科治療用機器に供給する水を温めるための温水器に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科治療中の口腔内のうがい、スプレーによる治療箇所の洗浄には水が使用されている。また、歯科治療のため歯牙を切削する際に、切削チップと歯牙との摩擦抵抗を低減したり、切削屑を排出することを目的として、切削箇所に水が供給される。多くの場合、これらの水は水道水であり、比較的温度が低いため、これが歯牙の治療箇所や虫歯等にしみ込んで、患者が痛みを感じることがある。このような問題を解決するために、うがい水を体温と同程度の温度に温める温水器が使用されている。
【0003】
歯科用温水器は、納品、検査または故障等により被加熱水が出水路の上端の高さまで供給されない状態でヒータが稼働する空焚き等の異常が生じた場合にヒータの温度上昇による火災が起きないようにするため、歯科用温水器の内部または表面に温度過昇防止装置の温度検出部を取り付け、通常動作時より温度が高いことを検知した場合はヒータへの電力供給を停止する安全回路を設ける場合がある。空焚き等の異常時に温度過昇防止装置の動作でヒータへの電力供給を停止した後、再び歯科用温水器を稼働させるためには、歯科用温水器の内部に籠った熱を外部へ放熱し、温度過昇防止装置の温度検出部の温度を動作温度以下まで下げることが求められる。
【0004】
一般的に、歯科用温水器は歯科治療ユニットの内部に設置され、水回路と電気回路に接続される。歯科治療ユニットの内部には水元から供給される水中の異物を除去するフィルタ、口腔内の水分や切削物を除去するバキュームに接続されるバキュームモータ、歯科用温水器に水を供給する水回路、治療用のインスツルメントに空気を供給する空気回路、電気系統を動作させる制御回路基板、電源から電力を供給する電気回路等があり、歯科治療ユニットの小型化のためには歯科用温水器を含めた内部部品のコンパクト化が求められる。
【0005】
歯科治療ユニットの内部に設置された歯科治療機器は出荷前に製品検査として水道水が供給され、動作確認される。この時、歯科治療機器内に水道水が放置されると、水道水の中で雑菌が増殖する懸念がある。そこで、製品検査後に歯科治療機器の中に残された水道水を除去し、雑菌の増殖を防ぐ方法がある。
【0006】
通常、夜間や休日に歯科治療機器は使用されず、放置される。この間に水道水の中で増殖した雑菌や、水配管経路の内壁に付着した汚損物、また、歯牙を切削したりした器具に付着した患部の汚れ等を消毒・滅菌するニーズが、昨今の衛生意識の高まりと共に強まっている。そこで、歯科業界では希釈された過酸化水素水や次亜塩素酸水等の薬液で治療器具の水系統の滅菌を行う傾向が進んでいる。尚、本書類では希釈された過酸化水素水や次亜塩素酸水等の薬液を過酸化水素水等と記載する。
【0007】
公知例として、温度調節装置を温度の高い上部に取り付けた歯科用温水器は特許文献1に開示されている。しかし、
▲1▼本体部を樹脂で構成することで通常稼働時に保温性を高める方法、
▲2▼水の取込口と出水口を下部に置くことで歯科用温水器をコンパクト化する方法、
▲3▼空焚き等の異常時で通常稼働時より本体内部の温度が高くなってしまった場合にその熱を外部に放熱する方法
についての記述および示唆は無い。
さらに、出水口から出水路を経由して空気を入れて歯科用温水器内の水を除去する方法についての記述は無い。
【0008】
公知例として、本体部が樹脂で成形されており、分解して内部の洗浄や故障した部品の交換ができる構造を持つ歯科用温水器は特許文献2に開示されている。しかし、上記▲2▼、▲3▼についての記述および示唆は無い。
さらに、分解せずに歯科用温水器内の水を除去する方法についての記述も無い。
【0009】
公知例として、給水部が水回路の一番下に配置されており、水の供給部から空気を送ることで内部の水が抜けやすい構造を持つ歯科用温水器は特許文献3に開示されている。しかし、上記▲1▼、▲2▼、▲3▼についての記述および示唆は無い。
【0010】
公知例として、水の取込口と出水口を下部に置く構造を持つ歯科用温水器は特許文献4に開示されている。しかし、上記▲1▼、▲3▼についての記述および示唆はない。
【0011】
公知例として、過酸化水素水等での洗浄が可能な構造を持つ金属製の歯科用温水器は流通している。
【0012】
公知例として、うがい水を温める歯科用温水器は特許文献5に開示されている。しかし、歯科用温水器の構造に関する記述はない。
【0013】
公知例として、歯科治療用インスツルメントに供給する水を温める歯科用温水器は特許文献6に開示されている。しかし、歯科用温水器の構造に関する記述はない。
【0014】
公知例として、うがい水の給水回路が歯科治療ユニットのスピットン部の内部にあることが特許文献7に開示されている。しかし、歯科用温水器に関する記述はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】実願昭54-089088
【特許文献2】特開平11-245929
【特許文献3】実公昭13-007675
【特許文献4】特許第3974908号公報
【特許文献5】昭和56-14308
【特許文献6】特開2006-181147
【特許文献7】特許第4158021
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本件第一の発明は以下の▲1▼~▲3▼の課題を解決するものである。
▲1▼本体部を樹脂で構成することで通常稼働時に保温性を高める
▲2▼水の取込口と出水口を下部に置くことで歯科用温水器のコンパクト化を図る
▲3▼空焚き等の異常時で通常稼働時より本体内部の温度が高くなってしまった場合にその熱を外部に放熱する
【課題を解決するための手段】
【0017】
(1)本件第一の発明の歯科用温水器は樹脂で形成された袋状または筒状の本体部の中心に軸方向に延びるヒータが設けられ、本体部の下部に設けられた金属製の下部キャップに取込口と出水口とを有し、取込口から水が供給され、下部キャップで外周を囲まれたヒータと下部キャップとの間の第一の領域と、樹脂製の本体部とヒータとの間の第二の領域を通過して温められ、上部に移動した温水が出水路を経由し、出水口から送り出されるように形成されことを特徴とする。
【0018】
(2)本件第二の発明は(1)の本件第一の発明の歯科用温水器において、ヒータと下部キャップとの間の第一の領域における取込口に近い上流領域と本体部に続く下流領域とを有し、ヒータの外周から下部キャップの上流領域の内壁までの距離W1とヒータの外周から下部キャップの下流領域の内壁までの距離W2はW1<W2であることを特徴とする。
【0019】
(3)本件第三の発明の歯科用温水器は(1)の本件第一の発明の歯科用温水器において、射出成型で作製された樹脂製の本体部の内周側に下部キャップを挿入したものであり、下部キャップの外周にOリングを入れるための溝があり、下部キャップの外周側と本体部の内周側とをOリングでシールする構造を持つことを特徴とする。
【0020】
(4)本件第四の発明は(1)の本件第一の発明の歯科用温水器において、樹脂製本体部の外周部にリブを持ち、一端がリブに掛止され、他端が下部キャップの外周側に設けられた凸部とねじで締結される金属製の固定用リングを持つことを特徴とする。
【0021】
(5)本件第五の発明は(4)の本件第四の発明の歯科用温水器において、本体部のリブの下側と下部キャップの凸部の上側の間に設けられた金属製の補強リングを持つことを特徴とする。
【0022】
(6)本件第六の発明は(1)の本件第一の発明の歯科用温水器において、取込口と出水口が本体部の中心の軸方向に対して直交する第一の面および第二の面にそれぞれ設けられたことを特徴とする。
【0023】
(7)本件第七の発明は(6)の本件第六の発明の歯科用温水器において、下部キャップの凸部より外径が小さい取付部に取込口と出水口とを設け、取付部には取込口と出水口とが工具を用いて取り付け可能な領域を有することを特徴とする。
【0024】
(8)本件第八の発明は(6)の本件第六の発明の歯科用温水器において、取込口がヒータと下部キャップとの間の第一の領域の底部に取り付けられていることを特徴とする。
【0025】
(9)本件第九の発明は(1)の本件第一の発明の歯科用温水器において、前述の樹脂で形成された袋状または筒状の本体部はポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニルサルホン(PPSU)、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)の耐熱性を有する樹脂のうちいずれかにより構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本件第一の発明は以下の▲1▼~▲3▼の作用効果を提供するものである。
▲1▼本体部を樹脂で構成することで通常稼働時に保温性を高める
▲2▼水の取込口と出水口を下部に置くことで歯科用温水器のコンパクト化を図る
▲3▼空焚き等の異常時で通常稼働時より本体内部の温度が高くなってしまった場合にその熱を外部に放熱する
【0027】
本件第二の発明は以下の▲4▼~▲6▼の作用効果を提供するものである。
▲4▼通常稼働時はヒータと下部キャップとの間の第一の領域A1における上流領域において被加熱水の中で一番温度の低い10℃~20℃の水がヒータの近傍を通過することでヒータの熱を効率よく伝え、かつ、第一の領域A1における下流領域では水の温度が約30℃であり、下部キャップの外部の気温と比較して温度差が大きくないため、下流領域の水から第一の領域を経由した外部への放熱は無視できる程度であり、
▲5▼空焚き等の異常時はヒータの熱をヒータと下部キャップとの間の第一の領域及び下部キャップを経由して歯科用温水器の外部に放熱し、
▲6▼上流領域より広い下流領域では、水の容量を確保する。
【0028】
本件第三の発明は以下の▲7▼~▲9▼の作用効果を提供するものである。
▲7▼樹脂製の本体部の内周側に下部キャップを挿入することにより小型軽量化し、
▲8▼本体部と下部キャップのシールのためにろう付け等の作業を必要としないため組立作業を容易とし、
▲9▼樹脂製の本体を射出成型で作製し、安価にする。
【0029】
本件第四の発明は以下の▲10▼~▲11▼の作用効果を提供するものである。
▲10▼本体部と下部キャップの固定のためにろう付け等の作業を必要としないため組立作業が容易とし、
▲11▼本体部と下部キャップの固定のために金属バンド等の大きな板金部品を必要としないため、安価にする。
【0030】
本件第五の発明は以下の▲12▼の作用効果を提供するものである。
▲12▼下部キャップと固定用リングをねじで締結する際に生じる応力によりリブが破損することを防止する。
【0031】
本件第六の発明は以下の▲13▼の作用効果を提供するものである。
▲13▼歯科用温水器の軸方向についてのコンパクト化を図る。
▲14▼本件第六の発明において、より具体的には、第一の面と第二の面を異なる高さにすることで外観から取込口と出水口を区別できるようになり、組立作業時の配管ミスを軽減する。
【0032】
本件第七の発明は以下の▲15▼、▲16▼の作用効果を提供するものである。
▲15▼下部キャップの取付部は凸部より外径を小さくし、金属製の下部キャップを小型化することで、歯科用温水器を軽量化し、
▲16▼工具を用いた取付けを可能とすることで組立作業を容易とする。
【0033】
本件第八の発明は以下の▲17▼の作用効果を提供するものである。
▲17▼取込口から歯科用温水器内の水を排出可能とする。
【0034】
本件第九の発明は以下の▲18▼の作用効果を提供するものである。
▲18▼ヒータと本体部の距離を近づけ、コンパクト化する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明に係る歯科用温水器の一例の構成と通常動作時の水の流れを説明する断面図である。
図2】本発明に係る図1における歯科用温水器の空焚き時の熱の流れを説明する断面図である。
図3】本発明に係る図1における歯科用温水器の分解図である。
図4】本発明に係る図1の部品である樹脂製の本体部の斜視図である。
図5】本発明に係る図1の部品である固定用リングの斜視図である。
図6】本発明に係る図1における断面下部の部分斜視図である。
図7】本発明に係る図1とは異なる歯科用温水器の一例の構成と通常動作時の水の流れを説明する断面図であり、図9におけるB-Bの断面図である。
図8】本発明に係る図7における歯科用温水器の空焚き時の熱の流れを説明する断面図である。
図9】本発明に係る図1とは異なる歯科用温水器の一例であり、図7の歯科用温水器の上面図である。
図10】本発明に係る図7の歯科用温水器の上面図である図9におけるB-B断面の上部の部分斜視図である。
図11】本発明に係る図7の歯科用温水器の上面図である図9におけるA-Aの断面図である。
図12】本発明に係る図1の実施例の歯科用温水器への水及び電力の供給と、歯科用チェアユニットのスピットン部への固定方法を説明するための図である。
図13】実施例の歯科用温水器の空焚き時における過加熱防止用サーモスタット検出部での温度の推移のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は本発明に係る歯科用温水器1の一実施例の断面図を示し、袋状に形成された樹脂製の本体部2の中心に軸方向に延びるヒータ11が設けられ、被加熱水の取込口8と出水口9とが設けられた金属製の下部キャップ7がOリング10を介して本体部2と接続され、温度過昇防止装置の一例である手動復帰型の過加熱防止用サーモスタット5と温度調節装置の一例である自己復帰型の温度制御用サーモスタット6が本体部2の上面および側面の温度を検出するように固定されている。図6図1の歯科用温水器1の部分斜視図であり、金属製の下部キャップ7の外周側の下部キャップの凸部7cには下部キャップの雄ねじ部7aが形成され、固定用リング14には下部キャップの雄ねじ部7aとかみ合う固定用リングの雌ねじ部14aが内周側に形成され、本体部2のリブ部2aに固定用リング14の固定用リングの凸部14bが掛止され、下部キャップの雄ねじ部7aが固定用リングの雌ねじ部14aに締結されることで、本体部2と金属製の下部キャップ7は固定される。このとき、リブ部2aと下部キャップ7に設けられた下部キャップの凸部7cとの間に補強リング23を挿入することで、下部キャップの雄ねじ部7aと固定用リングの雌ねじ部14aの締結時に加わる応力によりリブ部2aが破損することを防止している。このように構成した図1の歯科用温水器1で、通常稼働時には水の流れ19に沿って取込口8から供給された水がヒータ11と下部キャップ7の間の第一の領域A1と樹脂製の本体部2とヒータ11の間の第二の領域A2を通過して温められ、水面15の付近から出水路17を経由して出水口9から温水として送り出される。ヒータ11の熱は温度制御用サーモスタットへの伝熱の流れ20aに沿って温度制御用サーモスタット6に、過加熱防止用サーモスタットへの伝熱の流れ20bに沿って過加熱防止用サーモスタット5に伝わる。
【0037】
図1において歯科用温水器1の内部に満たされた被加熱水はヒータ11によって温められ、その熱が本体部2に伝わり、温度制御用サーモスタットへの伝熱の流れ20aに沿って本体部2の表面の温度が上がったことを感知した温度制御用サーモスタット6によってヒータ11と電源との間の電流が遮断される。温度制御用サーモスタット6は自己復帰型なので、温水の消費に伴う被加熱水の供給や時間の経過により歯科用温水器1の内部に満たされた水の温度が下がり、本体部2の表面の温度が下がったことを温度検出部で感知するとヒータ11に再び通電する。通常稼働時はヒータ11と下部キャップ7との間の第一の領域A1における上流領域において被加熱水の中で一番温度の低い10℃~20℃の水がヒータの近傍を通過することでヒータ11の熱を効率よく伝え、かつ、第一の領域A1における下流領域では水の温度が約30℃であり、下部キャップ7の外部の気温と比較して温度差が大きくないため、下流領域の水から第一の領域を経由した外部への放熱は無視できる程度である。このとき、被加熱水は第一の領域A1においてヒータ11で温められることで密度が下がり、第二の領域A2の上部へ移動し、出水路17を経由して出水口9から温水として供給される。また、樹脂製の本体部2は第二の領域A2の上部へ移動した温水を保温する効果がある。
【0038】
次に、図1の歯科用温水器1における被加熱水の流れについて説明する。水道水などの外部供給源から供給される被加熱水は水の流れ19に沿って、取込口8を通して歯科用温水器1の内部に取り込まれる。取込口8から取り込まれた被加熱水は、歯科用温水器1の内部で温められ、出水口9から温水として送り出される。そして、この送り出された温水は、患者の口腔内で歯牙の切削治療時に水を噴射する機能やうがい水を提供する機能を有する歯科医療用機器に供給され、32℃~42℃の温水として吐水される。
【0039】
図1の歯科用温水器1では温度制御用サーモスタット6より高い動作温度を持つ過加熱防止用サーモスタット5を本体部2の上面に設けている。
これにより、通常動作時は温水の熱が本体部2を経由して温度制御用サーモスタットへの伝熱の流れ20aに沿って温度制御用サーモスタット6に伝わり、温度制御用サーモスタット6が動作してヒータ11のオン/オフを行うことで水温を制御し、過加熱防止用サーモスタット5は動作しない。
【0040】
図1の歯科用温水器1は、温度制御用サーモスタット6が故障した場合は過加熱防止用サーモスタット5が動作してヒータ11への電力供給を遮断し、水温が上がり続けることを防止する。また、過加熱防止用サーモスタット5は手動復帰型とすることで、温度制御用サーモスタット6の故障時に、温水の消費に伴う被加熱水の供給や時間の経過により歯科用温水器1の内部に満たされた水の温度が下がり、過加熱防止用サーモスタット5の温度検出部の温度が復帰温度以下となった場合でも手動で復帰操作を実施しなければ接点が復帰せず、ヒータ11への電力供給が遮断されたままの状態が保たれるため、ヒータ11の稼働を止めた状態で歯科用温水器1の点検を行うことができ、自己復帰型とするより安全に使用出来る。
【0041】
図1の歯科用温水器1は、温度制御用サーモスタット6と過加熱防止用サーモスタット5を温度の高い本体部2の上部に取り付けることで、下部に取り付ける場合よりも内部の水や空気の温度変化を検知しやすくなる。
【0042】
図1の歯科用温水器1において温度制御用サーモスタット6の故障により水温が上がることで温められた空気層18や、図2に示す被加熱水が出水路17の上端の高さまで供給されない場合のヒータ11の稼働である空焚き等の異常時に空洞部16で温められた空気は膨張して上部へ移動する。過加熱防止用サーモスタット5は本体部2の最上部の表面温度を検出するように取り付けることで過加熱防止用サーモスタットへの伝熱の流れ20bに沿って温められた空気の熱が過加熱防止用サーモスタット5に伝わるため、側面部に取り付けるよりも効率よく動作させることができる。
【0043】
図2図1の歯科用温水器1において納品、検査または故障等により被加熱水が出水路17の上端の高さまで供給されない場合のヒータ11の稼働である空焚きが生じた場合の断面図であり、空洞部16の空気が温められ、約100℃まで上昇し、その熱が本体部2に伝わり、温度制御用サーモスタットへの伝熱の流れ20aに沿って本体部2の表面の温度が上がったことを検出部で感知した温度制御用サーモスタット6がヒータ11と電源の間の電流を遮断し、歯科用温水器1内部の空気の温度が上がり続けることを防止する。しかし、その後、ヒータ11の余熱により空洞部16の空気がより温められ、過加熱防止用サーモスタットへの伝熱の流れ20bにより本体部2の表面の温度がさらに上がり、過加熱防止用サーモスタット5の遮断動作温度である55℃を上回る場合がある。過加熱防止用サーモスタット5は手動復帰型であるため、空焚き等の異常により動作した場合は外部供給源から歯科用温水器1に被加熱水が供給されていること及び検出部の温度が復帰温度以下まで下がったことを確認後、接点の復帰操作を行うことで、歯科用温水器1を使用できるようになる。尚、温度制御用サーモスタット6や温度制御用サーモスタット6と過加熱防止用サーモスタット5が故障した場合の空焚き等の異常時は、空洞部16の空気の温度が100℃以上になる。高温にさらされることで樹脂製の本体部2の劣化が進む懸念があるため、空洞部16の空気の温度を下げるよう、早く放熱しなければならない。
【0044】
図2の歯科用温水器1において空焚き等の異常時に過加熱防止用サーモスタット5がヒータ11と電源の間の電流を遮断した後は本体部2の表面の温度が過加熱防止用サーモスタット5の動作温度である55℃以下まで下がらなければ通電を復帰させることができない。空焚き等の異常の後、外部への放熱の流れ21に沿って空洞部16で温められた空気は樹脂製の本体部2より熱伝導率の高い金属製の下部キャップ7を経由して放熱されるため、全てが樹脂製で金属製の下部キャップ7を持たない歯科用温水器と比較して空洞部16の空気の温度が早く下がり、本体部2の表面温度が下がる。このとき、ヒータの外周から下部キャップの下流領域の内壁までの距離W2よりヒータの外周から下部キャップの上流領域の内壁までの距離W1が狭いため、ヒータ11の熱が第一の領域A1における上流領域及び下部キャップ7を経由して歯科用温水器1の外部に放熱される。また、下部キャップ7に溝を切って表面積を大きくしたり、下部キャップ7と締結される固定用リング14及び下部キャップ7と接触する補強リング23を金属製とすることで、放熱性能は向上する。これにより、図13に示すように空焚き等の異常時の図1の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの電流遮断温度tb0から図1の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの復帰温度tb1に至るまでの図1の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの復帰時間Tbは金属製のキャップを持たない樹脂製の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの電流遮断温度ta0から金属製のキャップを持たない樹脂製の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの復帰温度ta1に至るまでの金属製のキャップを持たない樹脂製の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの復帰時間Taと比較して短くなる。そのため、図1の歯科用温水器1は金属製のキャップを持たない樹脂製の歯科用温水器と比較して空焚き等の異常の後により早く歯科用温水器1の使用を再開できる。
【0045】
一般に、歯科治療ユニットの小型化のためには歯科用温水器1を含む内部部品のコンパクト化が求められる。
【0046】
図1において歯科用温水器1のヒータ11と下部キャップ7の間の第一の領域A1における取込口8に近い上流領域と本体部2に続く下流領域を持ち、ヒータの外周から下部キャップの上流領域の内壁までの距離W1とヒータの外周から下部キャップの下流領域の内壁までの距離W2をW1<W2とすることで、第一の領域A1における上流領域では通常稼働時に被加熱水の中で一番温度の低い水へヒータ11の熱を伝えやすくし、また、空焚き等の異常時にヒータ11の熱を上流領域と下部キャップ7を経由して歯科用温水器1の外部に放熱し、下流領域では水の容量を確保する効果がある。
【0047】
図6図1の歯科用温水器1の部分斜視図であり、図12は歯科用チェアユニットのスピットン部に固定する場合の図1の歯科用温水器1であり、スピットン部に締結された固定用板金28に図1に示す固定用溝7bが嵌められ、下部キャップ7に当てられた抑え板29が固定用ねじ30によって固定用板金28に締結されることで、スピットン部内に歯科用温水器1が固定される。また、過加熱防止用サーモスタット5及び温度制御用サーモスタット6への電力は電力供給配線27を介して、水の取込口8への非加熱水の供給は図6に示す樹脂製の水配管チューブ26を介して供給される。このとき、歯科用温水器1は他の部品との間には空間が設けられている。そのため、空焚き等の異常の後は歯科用温水器1の周囲の空気の対流により空冷される。一例として特許文献7の図2に示されるとおり、スピットン部の内部は垂直方向に部品間の空間の余裕が無く、水平方向では垂直方向に比較して部品間の空間の余裕があるため、空気の対流で空冷される。
【0048】
図1の歯科用温水器1において、歯科治療中の口腔内のうがい水を温める場合には歯科用チェアユニットのスピットン部に、スプレーによる治療箇所の洗浄に使用される水を温める場合にはトレイテーブルの内部に固定することで、歯科用温水器1から吐水箇所までの距離を短くし、配管の経由による水温の低下が抑制される。
【0049】
図1の歯科用温水器1は水面15の上部に空気層18があり、内部の水の凍結などによって内圧が上昇した際には空気層18を圧縮することで圧力を逃がし、金属製の下部キャップ7が本体部2から離脱しにくい構造になっている。また、金属製の下部キャップ7の外周側の下部キャップの雄ねじ部7aと固定用リング14の内周側の固定用リングの雌ねじ部14aにより本体部2と金属製の下部キャップ7が締結されることで、内圧がより上昇した際に下部キャップ7が本体部2から離脱することを防止する。
【0050】
図1の歯科用温水器1は過酸化水素水等で腐食されないような材料で形成された本体部2と下部キャップ7とOリング10で内部の水系統を構成しているため、水の代わりに取込口8から過酸化水素水等を供給して内部を洗浄することでより衛生的に使用できる。
【0051】
図3図1の歯科用温水器1の分解図であり、分解と再組立てが可能な構造を持つため、歯科用温水器1を分解し、部品の内部に付着した水垢を洗浄したり、故障した部品を交換することで長期間の使用ができる。
【0052】
図1の歯科用温水器1は、図7の他の実施例と比較して、樹脂製の本体部2がリブ部2aに掛止された固定用リング14を介して下部キャップ7に固定されており、歯科用温水器1全体を囲う金属バンド12等の大きな板金部品を使用しないため、安価な歯科用温水器を提供できる。
【0053】
図1の歯科用温水器1は、図7の他の実施例と比較して、金属製の上部キャップ3や金属バンド12が無く、大きな金属製部品の点数が少ない。
そのため、より軽量で、安価な歯科用温水器1を提供できる。
【0054】
図1の歯科用温水器1は水の取込口8がヒータ11と下部キャップ7の間の第一の領域A1の底部に取り付けられており、水回路の一番下に配置することで、出水口9から空気を送ることにより歯科用温水器内の水を排出でき、内部に水を残さず、より衛生的な使用が可能である。
【0055】
図1の歯科用温水器1は、取込口8と出水口9が下部キャップ7に取り付けられることで、空焚き等の異常時には上部に取り付けられる場合よりも取込口8と出水口9の温度が高くならず、その温度は100℃以下となるため、図6の歯科用温水器1のように取込口8と出水口9に接続される樹脂製の水配管チューブ26が熱で溶けない。
【0056】
図6図1の歯科用温水器1の部分斜視図であり、下部キャップ7にラジオペンチ等の工具を使用して水の取込口8を取り付けるために取込口の取付けに必要な軸方向の長さL2を有する領域、出水口9を取り付けるために出水口の取付けに必要な軸方向の長さL3を有する領域を設けることで、組立作業性を確保している。
【0057】
図1の歯科用温水器1は取込口8と出水口9を取り付ける本体部2の中心の軸方向に対して直交する第一の面R1および第二の面R2の高さを変えて配置することで、歯科用温水器1を分解しなくても外観から取込口8と出水口9を区別し、組立および配管時の作業ミスを減らす効果がある。また、取込口8を出水口9より下部に設けることで、第一の領域A1における上流領域の軸方向の長さは長くなり、より効率的に被加熱水を温められる。さらに、出水路17の上端から出水口9までの距離が短くなり、水温が下がりにくくなる。尚、第一の面R1と第二の面R2の高さは同じでも良い。
【0058】
図1の歯科用温水器1は、下部キャップ7に取込口8と出水口9とがあり、本体部2の上部には温度制御用サーモスタット6と過加熱防止用サーモスタット5を取り付けることで、複雑な構造物を上下に分散し、上部に取込口8と出水口9の構造を設ける場合よりもコンパクトに作製できる。
【0059】
図1の歯科用温水器1は、樹脂製の本体部2と温度制御用サーモスタット6の間に伝熱スペーサ24が配置されており、第一の領域A1と第二の領域A2で温められた水の熱が本体部2と伝熱スペーサ24を経由して、温度制御用サーモスタットへの伝熱の流れ20aに沿って温度制御用サーモスタット6の温度検出部に伝わることで、伝熱スペーサ24が無い場合よりも精細に温度制御用サーモスタット6を動作させる効果がある。
【0060】
図1の歯科用温水器1は、樹脂製の本体部2と伝熱スペーサ24の間、伝熱スペーサ24と温度制御用サーモスタット6の間、本体部2と過加熱防止用サーモスタット5の間に熱伝導性ペーストを塗布することで、本体部2表面の温度変化を温度制御用サーモスタット6及び過加熱防止用サーモスタット5に伝えやすくしている。
【0061】
図6図1の歯科用温水器1の部分斜視図であり、下部キャップ7には外径にOリング10を入れるOリング挿入溝7dがあり、本体部2の内周側に下部キャップ7を挿入し、Oリング10を介して本体部2と接続する。尚、下部キャップ上部の内径d11にOリング挿入溝7dを設け、下部キャップ7の内周側に本体部2の外周側を挿入しても良い。この場合よりも図6の本実施例は下部キャップ上部の外径d12を小さくすることができ、金属製の下部キャップ7の体積が小さくなるため、軽量になる。
また、下部キャップ下部の内径d21が下部キャップ上部の内径d11より小さいため、ヒータの外径d3との間のヒータの外周から下部キャップの上流領域の内壁までの距離W1が狭くなり、被加熱水の中で一番温度の低い水にヒータ11の熱を伝えやすくなる。下部キャップ上部の内径d11は下部キャップ下部の内径d21より大きいため、ヒータの外周から下部キャップの下流領域の内壁までの距離W2が広くなり、歯科用温水器1内に入る水の容積を増やすことができる。
【0062】
図6図1の歯科用温水器1の部分斜視図であり、水の取込口8と出水口9が本体部2の中心の軸方向に対して直交する第一の面R1および第二の面R2にそれぞれ配置されている。取込口8と出水口9を本体部2の軸方向に対して水平な面に配置する場合、取り付けに必要な幅7eの領域を下部キャップ7に設ける必要があるため、図6の実施例の幅7eと比較して太く、重く、材料費が高価になる。尚、これと比較して図6の本実施例は、歯科用温水器1全体の垂直方向の大きさをコンパクト化する効果がある。一例として特許文献7の図2に示されるとおり、スピットン部の内部は垂直方向に部品間の空間の余裕が無く、水平方向では垂直方向に比較して部品間の空間の余裕があるため、スピットン部の内部の部品には垂直方向のコンパクト化が求められる。
【0063】
図4図1の歯科用温水器1の樹脂製の本体部2であり、射出成型し、安価に製作できる。このとき、本体部2の樹脂が薄いほど温度制御用サーモスタット6と過加熱防止用サーモスタット5の温度検出部に歯科用温水器1の内部の熱は伝わりやすくなり、本体部2の樹脂が厚いほど保温性は高まり、また、歯科用温水器1内の水の凍結により内部の圧力が上昇したときに本体部2は破損しにくくなる。また、リブ部2aにより樹脂製の本体部2の機械的強度が増し、内部の圧力が上昇した場合により破損しにくくする効果がある。また、本体部2を樹脂で構成することで全てが金属製の歯科用温水器より保温性が高く、軽量で、結露しにくい効果がある。
【0064】
図5図1の歯科用温水器1の固定用リング14であり、サーモスタット逃げ溝14cにより本体部2のねじ取付部2bとの干渉無く、本体部2と下部キャップ7を締結できる。また、工具差込み穴14dに工具を差し込むことで、効率的に固定用リング14を回転させ、本体部2と下部キャップ7の締結を容易にできる。また、図7の歯科用温水器1と比較して、長い板金となる金属バンド12を使用せずに固定ができ、安価な作製が可能となる。
【0065】
図1の歯科用温水器1は本体部2と下部キャップ7の間にOリング10を挿入することで水漏れを防止しており、ろう付け箇所が無く組立作業が容易で、材料費が安価であるため、金属製の歯科用温水器より安価となる。
【0066】
図6図1の歯科用温水器1の部分斜視図であり、下部キャップ凸部からOリング挿入溝までの長さL1を設けることで、Oリング10がOリング挿入溝7dの中で動いた場合や、内圧の上昇により本体部2が上部へ移動した場合でも、歯科用温水器1を水漏れがない状態で使用できる。
【0067】
図1の歯科用温水器1はヒータ11のねじ部11aと下部キャップ7の間にコーキング材を塗布してねじ込みで接続することで水漏れを防止しており、溶接で接続するよりも安価な作製が可能となる。
【0068】
図6図1の歯科用温水器1の部分斜視図であり、耐熱性を有する樹脂で本体部2を構成することで、ヒータの外径d3と本体部の内径d4の間の距離を短くし、コンパクトな歯科用温水器を提供できる。
【0069】
図1の歯科用温水器1において、過酸化水素水等に耐性があり、金属よりも軽量で熱伝導性が低い樹脂で成形された本体部2の材質の例として、歯科用温水器1で必要とされる耐熱性を有しているポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニルサルホン(PPSU)、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)が挙げられる。
【0070】
図1の歯科用温水器1において、過酸化水素水等に耐性がある金属製の下部キャップ7の材質の例として、SUS303とSUS304とSUS316が挙げられる。
【0071】
図1の歯科用温水器1において、過酸化水素水等に耐性があるOリング10の材質の例として、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)が挙げられる。
【0072】
図1の歯科用温水器1において、補強リング23の材質の例として、切削加工しやすく、強度のあるアルミニウム合金、真鍮、ステンレス鋼などが挙げられる。
【0073】
図1の歯科用温水器1において、伝熱スペーサ24の材質の例として、熱伝導性の高い金属である純アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮などが挙げられる。
【0074】
図1の歯科用温水器1において、固定用リング14の材質の例として、ねじ加工できる硬度を持つ真鍮、ステンレス鋼などが挙げられる。
【0075】
図7は本発明に係る図1とは異なる実施例で図9の上面図におけるB-Bの断面図を示し、図11図9の上面図におけるA-Aの断面図を示し、図7に示す歯科用温水器1は筒状に形成された樹脂製の本体部2の中心に軸方向に延びるヒータ11が設けられ、被加熱水の取込口8と出水口9とが設けられた金属製の下部キャップ7と樹脂より熱伝導率の高い材料でできたスリーブ部品4が設けられた上部キャップ3がOリング10を介して本体部2と接続され、上部キャップ3と下部キャップ7は本体部2を挟んで図11に示す金属バンド12により固定ねじ13で締結されている。図9に示す金属製の上部キャップ3に温度制御用サーモスタット6と過加熱防止用サーモスタット5が取り付けられている。下部キャップ7は図1から図6に示す実施例の下部キャップ7とその周辺の構造とは以下の点で異なる以外の部分では同じ構成で、前述と同じ作用効果を有するため、説明を省略する。
i 外周側の下部キャップの凸部7cの径が小さい。
ii 外周部の凸部7cに下部キャップの雄ねじ部7aが設けられていない。
iii 本体部2にリブ部2aが設けられていない。
iv 固定用リング14が設けられていない。
v 補強リング23が設けられていない。
【0076】
このように構成した図7の歯科用温水器1で通常稼働時には水の流れ19に沿って取込口8から供給された水がヒータ11と下部キャップ7の間の第一の領域A1と樹脂製の本体部2とヒータ11の間の第二の領域A2を通過して温められ、水面15の付近から出水路17を経由して出水口9から温水として送り出される。ヒータ11の熱は温度制御用サーモスタットへの伝熱の流れ20aに沿って温度制御用サーモスタット6に、過加熱防止用サーモスタットへの伝熱の流れ20bに沿って過加熱防止用サーモスタット5に伝わる。
【0077】
図7において歯科用温水器1の内部に満たされた被加熱水がヒータ11によって温められ、その熱が樹脂製の本体部2と空気層18を介さずにスリーブ部品4を経由して上部キャップ3に伝わり、上部キャップ3の表面の温度が上がったことを温度検出部で感知した温度制御用サーモスタット6によってヒータ11と電源の間の電流が遮断される。温度制御用サーモスタット6は自己復帰型なので、温水の消費に伴う被加熱水の供給や時間の経過により歯科用温水器1の内部に満たされた水の温度が下がり、スリーブ部品4を経由して上部キャップ3の表面の温度が下がったことを温度検出部で感知した温度制御用サーモスタット6によってヒータ11と電源は再び通電する。通常稼働時はヒータ11と下部キャップ7との間の第一の領域A1における上流領域において被加熱水の中で一番温度の低い10℃~20℃の水がヒータの近傍を通過することでヒータ11の熱を効率よく伝え、かつ、第一の領域A1における下流領域では水の温度が約30℃であり、下部キャップ7の外部の気温と比較して温度差が大きくないため、下流領域の水から第一の領域と下部キャップ7を経由した外部への放熱は無視できる程度である。このとき、被加熱水は第一の領域A1においてヒータ11で温められることで密度が下がり、第二の領域A2の上部へ移動し、出水路17を経由して出水口9から温水として供給される。また、樹脂製の本体部2は第二の領域A2の上部へ移動した温水を保温する効果がある。
【0078】
図7の歯科用温水器1では図9の上面図に示すように温度制御用サーモスタット6より高い動作温度を持つ過加熱防止用サーモスタット5を上部キャップ3の上面に設けている。これにより、通常動作時は温度制御用サーモスタット6が動作してヒータ11のオン/オフを行うことで水温を制御し、過加熱防止用サーモスタット5は動作しない。
【0079】
図7の歯科用温水器1は、温度制御用サーモスタット6が故障した場合には過加熱防止用サーモスタット5が動作してヒータ11への電力供給を遮断し、水温が上がり続けることを防止する。過加熱防止用サーモスタット5を手動復帰型とすることで、温度制御用サーモスタット6の故障時にヒータ11の稼働を止めた状態で歯科用温水器1の点検を行うことができる点は図1の実施例と同様のため、説明を省略する。このとき、図7の歯科用温水器1は樹脂より熱伝導率の高い材料でできた金属製の上部キャップ3とスリーブ部品4を介して過加熱防止用サーモスタット5に熱を伝えているため、樹脂製の本体部2を介して熱を伝える図1の実施例、スリーブ部品4を持たない以外の部分では図7と同じ構成の実施例及び全てが樹脂製で金属製のキャップを持たない歯科用温水器と比較して水に対する過加熱防止用サーモスタット5の温度の追従性が向上し、より短い時間で動作することでヒータ11の温度上昇が抑制されるため、歯科用温水器1表面の最高到達温度が低くなり、より安全に使用出来る。
【0080】
図8図7の歯科用温水器1において空焚きが生じた場合の断面図であり、空洞部16の空気が温められ、約70℃まで上昇し、その熱がスリーブ部品4を経由して上部キャップ3に伝わり、上部キャップ3の表面の温度が上がったことを温度検出部で感知した温度制御用サーモスタット6がヒータ11と電源の間の電流を遮断し、歯科用温水器1内部の空気の温度が上がり続けることを防止する。このとき、図7の歯科用温水器1は樹脂より熱伝導率の高いスリーブ部品4と金属製の上部キャップ3を介して温度制御用サーモスタットへの伝熱の流れ20aに沿ってヒータ11によって温められた空洞部16の空気の熱を温度制御用サーモスタット6に伝えているため、樹脂製の本体部2と空気層を介して熱を伝える図1の実施例、スリーブ部品4を持たない以外の部分では図7と同じ構成の実施例及び全てが樹脂製で金属製のキャップを持たない歯科用温水器よりも温度制御用サーモスタット6で電流が遮断される際のヒータ11の温度は低くなる。また、下部キャップ7に溝を切って表面積を大きくすることで、放熱性能は向上する。尚、温度制御用サーモスタット6や温度制御用サーモスタット6と過加熱防止用サーモスタット5が故障した場合の空焚き等の異常時は、空洞部16の空気の温度が70℃以上になる。高温にさらされることで樹脂製の本体部2の劣化が進む懸念があるため、空洞部16の空気の温度を下げるよう、早く放熱しなければならない。
【0081】
図8の歯科用温水器1は空焚き等の異常が生じて温度制御用サーモスタット6が動作した後、空洞部16で温められた空気が外部への放熱の流れ21に沿って樹脂製の本体部2を介さずに熱伝導率の高い材料でできたスリーブ部品4と金属製の上部キャップ3および下部キャップ7を経由して放熱されるため、樹脂製の本体部2を介して熱を伝える図1の実施例、スリーブ部品4を持たない以外の部分では図7と同じ構成の実施例及び全てが樹脂製で金属製のキャップを持たない歯科用温水器と比較してより早く冷却される。
【0082】
図8の歯科用温水器1において温度制御用サーモスタット6の故障により水温が上がることで温められた空気層18や空焚き等の異常時に空洞部16で温められた空気は膨張して上部へ移動するため、過加熱防止用サーモスタット5は歯科用温水器1の最上部にあり熱伝導率の高い金属製の上部キャップ3に取り付けることで過加熱防止用サーモスタットへの伝熱の流れ20bに沿って温められた空気の熱が過加熱防止用サーモスタット5に伝わるため、側面部に取り付けるよりも効率よく動作させることができる。
【0083】
図7の歯科用温水器1は脂製の本体部2を介して熱を伝える図1の実施例、スリーブ部品4を持たない以外の部分では図7と同じ構成の実施例及び全てが樹脂製で金属製のキャップを持たない歯科用温水器と比較して空焚き等の異常が生じて温度制御用サーモスタット6が動作した後に電流が遮断される際のヒータ11の温度が低く、空洞部16で温められた空気がより早く冷却されるため、ヒータ11の余熱により空洞部16の空気は温められ、その熱によりスリーブ部品4を経由して上部キャップ3の表面の温度は上がるものの、過加熱防止用サーモスタット5の遮断動作温度を上回る可能性が低くなる。そのため、図13に示すように図7の実施例は空焚き等の異常時に過加熱防止用サーモスタット5を動作させずに、空焚き等の異常時の動作に対処でき、過加熱防止用サーモスタット5の復帰時間を必要とする可能性が低くなる。
【0084】
図10図7の歯科用温水器1の部分斜視図であり、スリーブ部品4はヒータ11を囲む筒状とすることで針状とするよりもヒータ11からの熱をより効率的に収集し、上部キャップ3を介して放熱し、水温が早く下がることでヒータのオン/オフを細かくできるため、水温のより精細な管理が可能な歯科用温水器を提供できる。また、ヒータ11を囲む筒状のスリーブ部品4を持つ上部キャップ3に過加熱防止用サーモスタット5と温度制御用サーモスタット6を設けた場合、針状のスリーブ部品4を持つ上部キャップに設けた場合と比較して、ヒータ11により上部の空間22で温められた水や空気の熱をより効率的に収集し、上部キャップ3に伝えることで歯科用温水器内の水や空気の熱を過加熱防止用サーモスタット5と温度制御用サーモスタット6の温度検出部に伝えやすくなるため通常稼働時には水温のより精細な管理が可能となり、空焚き等の異常時は過加熱防止用サーモスタット5の復帰時間を必要とする可能性が低くなる。
また、単純な形状となるため加工費は安くなる。
【0085】
図7の歯科用温水器1において筒状である円筒形としたスリーブ部品4は図10に示すスリーブ部品の内径d1をヒータの外径d3より大きく設定する。このとき、図9の上面図に示す過加熱防止用サーモスタット5及び温度制御用サーモスタット6はスリーブ部品4とヒータ11の距離が近いと水が目的の温度まで昇温される前に動作し、スリーブ部品4とヒータ11の距離が遠いと水が目的よりも高い温度まで昇温された後に動作するため、スリーブ部品4とヒータ11の間は過加熱防止用サーモスタット5及び温度制御用サーモスタット6が目的の水温で動作する距離になるよう、ヒータの外径d3に対してスリーブ部品の内径d1の大きさを設定する必要がある。
【0086】
図7の歯科用温水器1において筒状である円筒形としたスリーブ部品4は図10に示すスリーブ部品の外径d2を本体部の内径d4より小さく設定する。このとき、スリーブ部品4と本体部2の距離が近いと空焚き等の異常時にスリーブ部品4で収集された熱が本体部2に伝わり、本体部2の表面が素手で触れないほど熱くなるため、過加熱時に本体部2の表面の温度が過度に高くならない程度にスリーブ部品4と本体部2の距離を確保できるよう、本体部の内径d4に対してスリーブ部品の外径d2の大きさを設定する必要がある。スリーブ部品4を介してヒータ11の熱を本体部2に伝え、本体部2の表面が素手で触れない温度まで高くならないようにすることで、本体部2の表面への素手での接触を避けるためのカバー等を歯科用温水器1の外側に設ける必要が少なくなる。
【0087】
図7の歯科用温水器1においてスリーブ部品下端の位置H3はヒータの上端の位置H2より下になるように設定する。このとき、スリーブ部品下端の位置H3とヒータの上端の位置H2の距離が近いとスリーブ部品4とヒータ11が対面する上部の空間22の面積が小さく、空焚き等の異常時にヒータ11の周辺で温められた空気の熱を収集するスリーブ部品4の面積が小さくなり、温められた空気に対する過加熱防止用サーモスタット5と温度制御用サーモスタット6の温度の追従性が低くなるため、温度の追従性を確保できるようにヒータの上端の位置H2に対するスリーブ部品下端の位置H3を設定する必要がある。
【0088】
図7の歯科用温水器1においてスリーブ部品下端の位置H3は水面の位置H1より下になるように設定する。このとき、スリーブ部品下端の位置H3と水面の位置H1の距離が近いとスリーブ部品4がヒータ11で温められて上部に移動した水の熱を収集する面積が小さくなるため、水に対する過加熱防止用サーモスタット5と温度制御用サーモスタット6の温度の追従性が低くなり、距離が遠いとスリーブ部品4の下端が歯科用温水器1内の下部にある低温の水の熱を収集し、ヒータ11の周辺の水に対する過加熱防止用サーモスタット5と温度制御用サーモスタット6の温度の追従性が低くなるため、温められて上部に移動した水に対する過加熱防止用サーモスタット5と温度制御用サーモスタット6の温度の追従性を確保できるように水面の位置H1に対するスリーブ部品下端の位置H3を設定する必要がある。
【0089】
図7の歯科用温水器1においてスリーブ部品4は上部キャップ3と一体成型する他に、上部キャップ3に後付けする方法で作製できる。
【0090】
図7の歯科用温水器1は、下部キャップ7に取込口8と出水口9とがあり、上部キャップ3には温度制御用サーモスタット6と過加熱防止用サーモスタット5を取り付けることで、複雑な構造物を上下に分散し、上部に取込口8と出水口9の構造を設ける場合よりもコンパクトに作製できる。
【0091】
図7の歯科用温水器1は、上部キャップ3と温度制御用サーモスタット6の間、上部キャップ3と過加熱防止用サーモスタット5の間に熱伝導性ペーストを塗布することで、上部キャップ3表面の温度変化を温度制御用サーモスタット6及び過加熱防止用サーモスタット5に伝えやすくしている。
【0092】
図7の歯科用温水器1において、過酸化水素水等に耐性がある上部キャップ3の材質の例として、SUS303、SUS304とSUS316が挙げられる。
【0093】
図7の歯科用温水器1において、過酸化水素水等に耐性があるスリーブ部品4の材質の例として、SUS303、SUS304とSUS316が挙げられる。
【0094】
図7の歯科用温水器1は水面15の上部に空気層18があり、内部の水の凍結等によって内圧が上昇した際には空気層18を圧縮することで圧力を逃がし、金属製の上部キャップ3及び下部キャップ7が本体部2から離脱しにくい構造になっている。また、図11に示す金属バンド12と固定ねじ13を使用して上部キャップ3と下部キャップ7を本体部2に固定しているので、内圧がより上昇した際に上部キャップ3と下部キャップ7が本体部2から離脱することを防止する。
【0095】
図7の歯科用温水器1は樹脂製の本体部2を単純な形状とすることで、本体部2単体の製作費用を図1の実施例及び全てが樹脂製で金属製のキャップを持たない歯科用温水器より低減でき、特に射出成形であればより安価な作製が可能となる。
【符号の説明】
【0096】
1 歯科用温水器
2 本体部
2a リブ部
2b ねじ取付部
3 上部キャップ
4 スリーブ部品
5 過加熱防止用サーモスタット
6 温度制御用サーモスタット
7 下部キャップ
7a 下部キャップの雄ねじ部
7b 固定用溝
7c 下部キャップの凸部
7d Oリング挿入溝
7e 幅
8 取込口
9 出水口
10 Oリング
11 ヒータ
11a ねじ部
11b 配線部
12 金属バンド
13 固定ねじ
14 固定用リング
14a 固定用リングの雌ねじ部
14b 固定用リングの凸部
14c サーモスタット逃げ溝
14d 工具差込み穴
15 水面
16 空洞部
17 出水路
18 空気層
19 水の流れ
20 伝熱の流れ
20a 温度制御用サーモスタットへの伝熱の流れ
20b 過加熱防止用サーモスタットへの伝熱の流れ
21 外部への放熱の流れ
22 上部の空間
23 補強リング
24 伝熱スペーサ
25 銅パッキン
26 水配管チューブ
27 電力供給配線
28 固定用板金
29 抑え板
30 固定用ねじ
A1 第一の領域
A2 第二の領域
W1 ヒータの外周から下部キャップの上流領域の内壁までの距離
W2 ヒータの外周から下部キャップの下流領域の内壁までの距離
L1 下部キャップ凸部からOリング挿入溝までの長さ
L2 取込口の取付けに必要な軸方向の長さ
L3 出水口の取付けに必要な軸方向の長さ
d1 スリーブ部品の内径
R1 第一の面
R2 第二の面
d2 スリーブ部品の外径
d3 ヒータの外径
d4 本体部の内径
d11 下部キャップ上部の内径
d12 下部キャップ上部の外径
d21 下部キャップ下部の内径
d22 下部キャップ下部の外径
H1 水面の位置
H2 ヒータ上端の位置
H3 スリーブ部品下端の位置
ta0 金属製のキャップを持たない樹脂製の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの電流遮断温度
tb0 図1の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの電流遮断温度
ta1 金属製のキャップを持たない樹脂製の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの復帰温度
tb1 図1の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの復帰温度
Ta 金属製のキャップを持たない樹脂製の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの復帰時間
Tb 図1の歯科用温水器における過加熱防止用サーモスタットの復帰時間
図1
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