(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109539
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/302 20060101AFI20240806BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20240806BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20240806BHJP
H10K 59/38 20230101ALI20240806BHJP
H10K 71/00 20230101ALI20240806BHJP
H10K 71/20 20230101ALI20240806BHJP
H10K 59/80 20230101ALI20240806BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240806BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240806BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G09F9/302 C
H05B33/14 Z
H10K59/35 553
H10K59/35 452
H10K59/38
H10K71/00
H10K71/20
H10K59/80
G02B5/20 101
G09F9/30 349B
G09F9/30 349Z
G09F9/00 342
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024012341
(22)【出願日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】202310102278.9
(32)【優先日】2023-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523171733
【氏名又は名称】タイチョウ グァンユー テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】シュー クオ-チェン
【テーマコード(参考)】
2H148
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H148BD01
2H148BD05
2H148BG01
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC04
3K107DD89
3K107EE06
3K107EE07
3K107EE22
3K107FF15
3K107GG28
5C094AA10
5C094BA23
5C094BA27
5C094CA20
5C094EC04
5C094ED03
5C094GB10
5C094JA01
5C094JA08
5G435AA03
5G435BB05
5G435GG12
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】表示装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】表示装置は、第1画素と、第2画素とを備える。第1画素は、第1の色の光を発するために用いられる。第2画素は、第1の色とは異なる第2の色の光を発するために用いられる。第1画素の輪郭及び第2画素の輪郭は、(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色の光を発するための第1画素と、
第1の色とは異なる第2の色の光を発するための第2画素と
を備えた表示装置であって、
前記第1画素の輪郭及び前記第2画素の輪郭は、
(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は
(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす、
表示装置。
【請求項2】
前記第1画素の前記輪郭は、前記第2画素の前記輪郭と異なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1画素は、第1画素ユニットと、第2画素ユニットとを有し、前記第1画素ユニットの輪郭は前記第2画素ユニットの輪郭と異なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1画素ユニットは、第1行目に位置し、前記第2画素ユニットは前記第1行目と隣り合う第2行目に位置する、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1画素は、前記第2行目と隣り合う第3行目に位置する第3画素ユニットを有し、前記第1画素ユニットと前記第3画素ユニットとの間の第1距離は前記第1画素ユニットと前記第2画素ユニットとの間の第2距離に等しい、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第3画素ユニットの輪郭は、前記第1画素ユニットの前記輪郭と同じである、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2画素は、前記第1行目に位置する第4画素ユニットと、前記第2行目に位置する第5画素ユニットとを有し、前記第4画素ユニットの輪郭は前記第5画素ユニットの輪郭と同じである、請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1画素のサイズは、前記第2画素のサイズと異なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1画素の上に設けられた第1フィルタ層をさらに備え、
前記第1フィルタ層の輪郭は、
(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は
(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2画素の上に設けられ、輪郭は前記第1フィルタ層の前記輪郭と異なる第2フィルタ層をさらに備える、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1画素の前記輪郭を画定するための画素定義層をさらに備え、
前記画素定義層の開口部の輪郭は、
(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は
(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1画素は、複数の画素ユニットを備え、任意の隣り合う2つの画素ユニット間の距離は等しい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
第1の色の光を発するための第1画素を形成する手順と、
第1の色とは異なる第2の色の光を発するための第2画素を形成する手順と
を含む表示装置の製造方法であって、
前記第1画素の輪郭及び前記第2画素の輪郭は、
(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は
(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす、
表示装置の製造方法。
【請求項14】
基板を用意する手順と、
前記基板上に誘電体層を形成する手順と、
前記誘電体層をパターニングして、前記第1画素の前記輪郭及び前記第2画素の前記輪郭を画定するための画素定義層を形成する手順とをさらに含み、
前記画素定義層の開口部の輪郭は、
(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は
(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1画素の上に第1フィルタ層を形成する手順をさらに含み、
前記第1フィルタ層の輪郭は、
(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は
(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第2画素の上に輪郭は前記第1フィルタ層の前記輪郭と異なる第2フィルタ層を形成する手順をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1画素の前記輪郭は、前記第2画素の前記輪郭と異なる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1画素は、第1画素ユニットと、第2画素ユニットとを有し、前記第1画素ユニットの輪郭は前記第2画素ユニットの輪郭と異なる、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1画素ユニットは、第1行目に位置し、前記第2画素ユニットは前記第1行目と隣り合う第2行目に位置する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1画素のサイズは、前記第2画素のサイズと異なる、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関し、特に、特定の輪郭を有する画素を含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学部品層を含む表示装置は、多くの電子デバイスに広く使用されており、近年、表示装置の大型化が求められている。しかしながら、表示装置の製造方法において、発光効率が悪い工程が存在する。実際、この分野で認められた課題の1つは、表示装置の発光効率を向上させることである。したがって、表示装置業界は、上記の課題を解決する方法を模索している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
表示装置であって、第1画素と、第2画素とを備える。第1画素は、第1の色の光を発するために用いられる。第2画素は、第1の色とは異なる第2の色の光を発するために用いられる。第1画素の輪郭及び第2画素の輪郭は、(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす。
【0004】
表示装置の製造方法は、第1画素を形成する手順と、第2画素を形成する手順とを含む。第1画素は、第1の色の光を発するために用いられる。第2画素は、第1の色とは異なる第2の色の光を発するために用いられる。第1画素の輪郭及び第2画素の輪郭は、(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】特定の実施形態に係る表示装置の上面図である。
【
図1B】特定の実施形態に係る
図1Aに示す表示装置のA-A’線に沿った断面図である。
【
図2A】特定の実施形態に係る表示装置の上面図である。
【
図2B】特定の実施形態に係る
図2Aに示す表示装置のB-B’線に沿った断面図である。
【
図3】特定の実施形態に係る表示装置の上面図である。
【
図4A】本開示の特定の実施形態に係る方法の異なる製造段階にある表示装置を示す図である。
【
図4B】本開示の特定の実施形態に係る方法の異なる製造段階にある表示装置を示す図である。
【
図4C】本開示の特定の実施形態に係る方法の異なる製造段階にある表示装置を示す図である。
【
図4D】本開示の特定の実施形態に係る方法の異なる製造段階にある表示装置を示す図である。
【
図4E】本開示の特定の実施形態に係る方法の異なる製造段階にある表示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の開示内容は、本出願の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態又は例を提供する。本出願の開示内容を単純化するため、構成要素及び配置の具体的実施例を以下に説明する。当然、これらは単なる例であり、本出願に対する限定を企図するものではない。例えば以下に第2の特徴の上又は上方に第1の特徴を形成という描写は、直接的に接触する第1の特徴と第2の特徴を形成する実施形態を含み得、第1の特徴と第2の特徴との間に他の特徴を形成する実施形態を含んでもよく、したがって、第1の特徴と第2の特徴が直接接触することはない。また、本出願は、様々な例において図面の要素の符号及び/又は英字を繰り返すことができる。この繰り返しは、単純化及び明確化を意図しており、かつ異なる実施例及び/又は論述する構成間の関係を表すものではない。
【0007】
また、本出願において「……の下に」、「……より低い」、「……比較的低い」、「……より高い」、「……比較的高い」などのような、空間的に相対的な用語が、図面に示す1つの要素又は特徴部分と他の要素又は特徴部分との関係についての説明を容易にするために用いられる。空間的に相対的な用語は、図面に描かれている方位に加えて、使用時又は操作時における装置の別の方位も含むものである。装置は、これ以外に配向されることもあり(90°又は他の方位に回転することもあり)、この場合には、本出願において用いられている空間的に相対的な用語も、これに応じて解釈される。
【0008】
本開示の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは、概数値であるが、具体的実施例内の関連数値をできる限り正確に提示されている。ただし、一部の数値には、それぞれのテスト測定で見つかった標準偏差に必然的に起因する誤差が含まれている場合がある。また、本明細書で使用される場合、「約」という用語は、一般に、所与の値又は範囲の±10%、±5%、±1%、又は±0.5%以内を意味する。若しくは、当業者によって一般的に理解されるように、「約」という用語は、平均値の許容可能な標準誤差内を意味する。操作/動作の実施例を除いて、又は特に明記されていない限り、数値範囲、量、値及び百分率(例えば本明細書に開示されている材料の数量、持続時間、温度、操作条件、量の比率及びそれらに準じるものなど)は、全ての場合において、「約」という用語で修飾されると理解される。したがって、反対に示されない限り、本開示及び特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、変動し得る概数値である。少なくとも、報告された有効桁数に照らして、通常の丸め手法を使用することにより、各数値パラメータを理解すべきである。範囲は、本明細書では、一方の端点から他方の端点まで、又は2つの端点の間として表すことができる。本明細書で示される範囲は、別段の明示的な指定がない限り、端点を含む。
【0009】
図1Aは、特定の実施形態に係る表示装置100aの上面図である。
【0010】
いくつかの実施形態において,表示装置100aは、画素121a、122a及び123aを備えることができる。画素121a、122a及び123aは行方向(例えばX方向)に沿って交互に繰り返し並べられ得る。いくつかの実施形態において、第1行目の画素121a、122a及び123aは、それぞれ第2行目の画素121a、122a及び/又は123aからX方向にずれされ得る。第1行目の画素121a、122a及び123aは、第3行目の画素121a、122a及び123aとそれぞれY方向に整列する。いくつかの実施形態において、画素121aは、第1の色を発するよう構成され、画素122aは第2の色を発するよう構成され、画素123aは第3の色を発するよう構成される。いくつかの実施形態において、第1の色は緑色光(例えば波長が500nm~580nmの光)を含み、第2の色は赤色光(例えば波長が620nm~780nmの光)を含み、第3の色は青色光(例えば波長が400nm~500nmの光)を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、画素121aの輪郭(profile)は円形を含み得る。いくつかの実施形態において、画素122aの輪郭は、円形を含み得る。いくつかの実施形態において、画素123aの輪郭は、円形を含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、画素121aは、第1行目、第3行目及び第2行目に位置する画素ユニット1211、1212、1213を含み得る。いくつかの実施形態において、任意の隣り合う2つの画素ユニットの距離は、実質的に等しい。いくつかの実施形態において、任意の隣り合う2つの画素ユニットは、隣り合う行に位置し得る。例えば、画素ユニット1211と画素ユニット1212との間には距離D1がある。画素ユニット1212と画素ユニット1213との間には距離D1がある。画素ユニット1211と画素ユニット1213との間には距離D1がある。いくつかの実施形態において、画素122aの任意の隣り合う2つの画素ユニット(図示せず)間の距離は、実質的に等しい。いくつかの実施形態において、画素123aの任意の隣り合う2つの画素ユニット(図示せず)間の距離は、実質的に等しい。
【0013】
図1Bは、特定の実施形態に係る
図1Aに示す表示装置100aのA-A’線に沿った断面図である。
【0014】
いくつかの実施形態において、表示装置100aは、基板110と、画素定義層130と、平坦化層140と、充填層150と、光学部品層160a、160b、160cと、フィルタ層170a、170b、170cと、カバープレート180とをさらに備える。
【0015】
いくつかの実施形態において、基板110は、基材(図示せず)と、誘電体層(図示せず)と、基材上又は基材内に設けられた1つ以上の回路(図示せず)とを備える。いくつかの実施形態において、基材は透明基材であるか、或いは少なくとも一部が透明である。いくつかの実施形態において、基材は非可撓性基材であり、基材の材料にはガラス、石英、低温ポリシリコン(low temperature poly-silicon,LTPS)又は他の適切な材料が含まれ得る。いくつかの実施形態において、基材は可撓性基材であり、基材の材料には透明なエポキシ樹脂、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、メタクリル酸メチル又は他の適切な材料が含まれ得る。誘電体層は、必要に応じて基材上に設けることができる。いくつかの実施形態において、誘電体層には、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ又は他の適切な材料が含まれ得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、回路は、相補型金属酸化膜半導体(Complementary metalーoxideーsemiconductor,CMOS)回路を含み得るか、又は複数のトランジスタ及びトランジスタに近い複数のコンデンサを含んでもよく、トランジスタ及びコンデンサは誘電体層上に形成される。いくつかの実施形態において、トランジスタは、薄膜トランジスタ(thin-film transistor,TFT)である。各トランジスタは、ソース/ドレイン領域(少なくとも1つのソース領域及びドレイン領域を含む)と、ソース/ドレイン領域間に介在するチャネル(channel)領域と、チャネル領域の上に設けられたゲート電極と、チャネル領域とゲート電極との間に介在するゲート絶縁体とを備える。トランジスタのチャネル領域は、例えばケイ素或いは第IV族若しくは第III族及び第V族から選択される他の元素などの半導体材料で作製され得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、基板110は、層間誘電体構造及び第1金属層等の構成要素を含む。層間誘電体構造は、回路又はトランジスタ上に設けられる。第1金属層などの線路層は、画素121a、122a及び/又は120cに電気的に接続するために用いられることができる。
【0018】
画素121a、122a及び123aは、基板110上に設けられる。いくつかの実施形態において、画素121a、122a及び123aは、各々有機発光ダイオード(organic light-emitting diode)、マイクロ発光ダイオード(micro LED或mini LED)、量子ドット発光ダイオード(quantum dot LED、QLED)又は他の適切な画素であり得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、画素121a、122a及び123aは、各々電極1201、キャリア注入層1202、キャリア輸送層1203、発光層1204、キャリア輸送層1205及び電極1206を含み得る。
【0020】
電極1201は、基板110の表面に設けられる。各電極1201は、一側が基板110に埋め込まれたか電気的に接続された回路に接続され、他側がキャリア注入層1202に接続するよう構成される。電極1201は、例えばAg、Mgなどの金属材料を含む。いくつかの実施形態において、電極1201は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)又は他の適切な材料を含む。
【0021】
キャリア注入層1202は、電極1201上に設けられる。いくつかの実施形態において、キャリア注入層1202は、正孔注入に用いられる。いくつかの実施形態において、キャリア注入層1202は、電子注入に用いられる。いくつかの実施形態において、キャリア注入層1202は、画素定義層130と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア注入層1202は、有機化合物を含む。いくつかの実施形態において、キャリア注入層1202は、複合構造である。
【0022】
キャリア輸送層1203は、キャリア注入層1202上に設けられる。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層1203は、正孔輸送層(hole transportation layer、HTL)である。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層1203は、電子輸送層(electron transportation layer、ETL)である。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層1203は、画素定義層130と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層1203は、有機化合物を含む。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層1203は、電子又は正孔を一方向に(例えば電極1201から電極1206に向かって)輸送する特性を有する。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層1203は、複合構造である。
【0023】
発光層1204(emissive layer,EML)は、キャリア輸送層1203上に設けられる。発光層1204は、キャリア輸送層1203を完全に覆ってもよい。いくつかの実施形態において、画素121a、画素122a及び画素123aの発光層1204は、異なる波長帯にある光の波長を発するため、異なる材料を含む。例えば画素122aの発光層1204は、第1の色を発するように構成され、画素121aの発光層1204は第2の色を発するように構成され、画素123aの発光層1204は第3の色を発するように構成される。
【0024】
キャリア輸送層1205は、発光層1204上に設けられる。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層1205は、電子輸送層である。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層1205は、正孔輸送層である。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層1205及びキャリア輸送層1203は、逆的価数状態で構成される。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層1205は、複合構造である。
【0025】
電極1206は、キャリア輸送層1205上に設けられる。電極1206は、Ag、Mgなどの金属材料を含む。いくつかの実施形態において、電極1206は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)又は他の適切な材料を含む。
【0026】
画素定義層130は、2つの画素(例えば画素121a、122a及び123a)間に設けられる。画素定義層130の開口部は、上記画素の発光面積及び/又は輪郭を定義するために用いられることができる。いくつかの実施形態において、画素定義層130は、光吸収率が85%以上、例えば85%、88%、90%、93%、95%、97%、98%又は99%であり得る光吸収材料を含む。いくつかの実施形態において、画素定義層130は、光透過率が85%以上、例えば85%、88%、90%、93%、95%、97%、98%又は99%であり得る光透過性材料を含む。画素定義層130は、誘電体材料を含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、画素定義層130の開口部の輪郭は、円形を含む。いくつかの実施形態において、画素定義層130の開口部は、電極1201、キャリア注入層1202、キャリア輸送層1203、発光層1204、キャリア輸送層1205及び/又は電極1206を収容するために用いられ得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、電極1201、キャリア注入層1202、キャリア輸送層1203、発光層1204、キャリア輸送層1205及び/又は電極1206の輪郭は、円形を含んでもよい。
【0029】
平坦化層140は、基板110上に設けられる。平坦化層140は、画素121a、画素122a、画素123a及び画素定義層130を覆い、平坦な上面を提供する。平坦化層140は、酸化物、窒化物又は他の誘電体材料を含み得る。
【0030】
充填層150は、平坦化層140上に設けられる。充填層150は、ほぼ透明な材料、例えば樹脂又は他の適切な材料を含み、任意の充填物を含んでもよい。充填層150の光透過率は85%以上、例えば85%、88%、90%、93%、95%、97%、98%又は99%であってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、光学部品層160a、160b及び160cは、充填層150内に設けられる。光学部品層160aは、画素121a上に設けられ、画素121aと縦方向に整列される。光学部品層160bは、画素122a上に設けられ、画素122aと縦方向に整列される。光学部品層160cは、画素123a上に設けられ、画素123aと縦方向に整列される。いくつかの実施形態において、光学部品層160a、160b及び160cは、画素から発せられる光の光路(light path)を変更するように構成される。いくつかの実施形態において、光学部品層160a、160b及び160cは、レンズ(lens)又は他の適切な部品を備える。いくつかの実施形態において、光学部品層160a、160b及び160cは、基板110に向けて突出する輪郭を有する。いくつかの実施形態において、上面図で光学部品層160a、光学部品層160b及び/又は光学部品層160cは、それぞれ画素121a、122a及び/又は123aと実質的に同じ輪郭を有し得る。いくつかの実施形態において、上面図で光学部品層160a、光学部品層160b及び/又は光学部品層160cの輪郭は、円形を含み得る。
【0032】
図1Bに示すように、フィルタ層170aは、光学部品層160a上に設けられ、光学部品層160aと縦方向に整列される。フィルタ層170bは、光学部品層160b上に設けられ、光学部品層160bと縦方向に整列される。フィルタ層170cは、光学部品層160c上に設けられ、光学部品層160cと縦方向に整列される。フィルタ層170a、170b及び170cは、各々異なる波長帯の光を通過させることができる。例えばフィルタ層170aは、緑色光(例えば波長が500nm~580nmの光)を通過させることができ、フィルタ層170bは赤色光(例えば波長が620nm~780nmの光)を通過させることができる、フィルタ層170cは青色光(例えば波長が400nm~500nmの光)を通過させることができる。いくつかの実施形態において、上面図でフィルタ層170a、170b及び/又は170cは、それぞれ画素121a、122a及び/又は123aと実質的に同じ輪郭を有し得る。いくつかの実施形態において、フィルタ層170a、170b及び170cを除去することができる。
【0033】
カバープレート180は、フィルタ層170a、170b及び170c上に設けられる。いくつかの実施形態において、カバープレート180は、ほぼ透明な構成要素、例えばガラス又は他の適切な構成要素を備える。
【0034】
本開示の実施形態において、画素定義層130の開口部の輪郭、画素121a、122a及び123aの輪郭は円形であり得る。画素定義層130の開口部を画定する際、画素定義層130の開口部の輪郭が(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす場合、画素定義層130の張力を比較的適切な範囲に維持することができ、フォトリソグラフィ(photolithography)工程の誤差により画素定義層130で形成される輪郭と所望の輪郭に差異が生じたことで、画素121a、122a及び123aのサイズが異なることになることを低減できる。
【0035】
図2Aは、特定の実施形態に係る表示装置100bの上面図である。表示装置100bは、表示装置100aに似ることができるが、相違点は下記の通りである。
【0036】
いくつかの実施形態において、表示装置100bは、画素121b、122b及び123bを含み得る。いくつかの実施形態において、画素121b、122b及び123bは、異なる輪郭を有し得る。いくつかの実施形態において、画素121b、122b及び123bは、異なるサイズ(size)を有してもよい。いくつかの実施形態において、画素121b、122b及び123bは、異なる表面積(surface area)を有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、画素121bは、楕円形の輪郭を有し得る。いくつかの実施形態において、画素121bの長軸L1と短軸L2の長さの比が1以上1.25未満であり、例えば1、1.05、1.1、1.5、1.2、1.21、1.22、1.23、1.24或いは1.245である。画素121bは、画素ユニット1214、画素ユニット1215及び画素ユニット1216を有し得る。画素ユニット1214は、第1行目に位置することができる。画素ユニット1215は、第2行目に位置していてもよい。画素ユニット1216は、第3行目に位置していてもよい。いくつかの実施形態において、画素ユニット1214の輪郭は、画素ユニット1215の輪郭と異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、画素ユニット1214の輪郭は、画素ユニット1216の輪郭と同じであってもよい。いくつかの実施形態において、画素ユニット1214と画素ユニット1215の輪郭は、実質的に互いに鏡映し得る。例えば画素ユニット1214の輪郭は、Y軸を回転軸として180度回転した後で、画素ユニット1215の輪郭が得られる。画素122bは、画素1221及び画素1222を有し得る。画素1221は、第1行目に位置していてもよい。画素1222は、第2行目に位置していてもよい。いくつかの実施形態において、画素1221の輪郭は、画素1222の輪郭と同じであってもよい。
【0038】
画素ユニット1214と画素ユニット1216との間に距離D2があってもよい。隣り合う2つの画素122bは、距離D3を有し得る。隣り合う2つの画素123bは、距離D4を有し得る。画素ユニット1214と画素ユニット1215との間に距離D5があってもよい。いくつかの実施形態において、距離D2は、距離D3と等しくなくてもよい。いくつかの実施形態において、距離D3は、距離D4と等しくなくてもよい。いくつかの実施形態において、距離D2は、距離D4と等しくなくてもよい。いくつかの実施形態において、距離D2は距離D5に等しくてもよい。
【0039】
図2Bは、特定の実施形態に係る
図2Aに示す表示装置のB-B’線に沿った断面図である。
【0040】
いくつかの実施形態において、上面図で画素定義層130の開口部は、楕円形及び/又は円形の輪郭を画定することができる。画素定義層130の開口部の長軸と短軸の長さの比が1以上1.25未満であり、例えば1、1.05、1.1、1.5、1.2、1.21、1.22、1.23、1.24又は1.245である。
【0041】
光学部品層160a、160b及び160cは、各々画素121b、122b及び123bと同じ輪郭を有し得る。光学部品層160a、160b及び160cは、各々画素121b、122b及び123bと同じサイズを有し得る。いくつかの実施形態において、光学部品層160a、160b及び160cは、異なる輪郭を有してもよい。いくつかの実施形態において、光学部品層160a、160b及び160cは、異なるサイズを有してもよい。いくつかの実施形態において、上面図で光学部品層160aの長軸と短軸の長さの比が1以上1.25未満であり、例えば1、1.05、1.1、1.5、1.2、1.21、1.22、1.23、1.24又は1.245である。
【0042】
フィルタ層170a、170b及び170cは、各々画素121b、122b及び123bと同じ輪郭を有し得る。フィルタ層170a、170b及び170cは、画素121b、122b及び123bと同じサイズを有してもよい。いくつかの実施形態において、フィルタ層170a、170b及び170cは、異なる輪郭を有してもよい。いくつかの実施形態において、フィルタ層170a、170b及び170cは、異なるサイズを有してもよい。いくつかの実施形態において、上面図でフィルタ層170aの長軸と短軸の長さの比が1以上1.25未満であり、例えば1、1.05、1.1、1.5、1.2、1.21、1.22、1.23、1.24又は1.245である。
【0043】
本実施形態において、画素121aは、楕円形の輪郭を有し得、長軸と短軸の長さの比が1以上1.25未満の場合、画素定義層130の張力を比較的適切な範囲に維持することができ、フォトリソグラフィ(photolithography)工程の誤差により画素定義層130で形成される輪郭と所望の輪郭に生じる差異を低減できる。
【0044】
図3は、特定の実施形態に係る表示装置100cの上面図である。表示装置100cは、表示装置100aに似ることができるが、相違点は下記の通りである。
【0045】
いくつかの実施形態において、表示装置100cは、画素121c、122c及び123cを含み得る。いくつかの実施形態において、画素121c、122c及び123cの輪郭は、多角形であってもよい。いくつかの実施形態において、画素121c、122c及び123cの輪郭は、正六角形であってもよい。その他の実施形態において、画素121c、122c及び123cの輪郭は、五角形、八角形、十角形、及び十二角形を含み得る。いくつかの実施形態において、画素121c、122c及び123cは、辺122e1及び辺122e2を有し得る。いくつかの実施形態において、辺122e1及び辺122e2の長さは、同じであってもよい。いくつかの実施形態において、辺122e1及び辺122e2の長さは、異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、辺122e1は、長辺(或いは最長の辺)、辺122e2は短辺(或いは最短の辺)であり得、辺122e1と辺122e2の長さの比が1以上1.25未満であり、例えば1、1.05、1.1、1.5、1.2、1.21、1.22、1.23、1.24又は1.245である。
【0046】
本実施形態において、画素121c、122c及び123cは、多角形の輪郭を有し得、長辺と短辺の長さの比が1以上1.25未満の場合、画素定義層130の張力を比較的適切な範囲に維持することができ、フォトリソグラフィ(photolithography)工程の誤差により画素定義層130で形成される輪郭と所望の輪郭に生じる差異を低減できる。
【0047】
【0048】
【0049】
図4Bに示すように、複数の電極1201を基板110上に形成する。電極1201は、気相成長、スパッタリング、原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)、熱蒸着、コーティング又はジェッティング(jetting)により基板110上に形成され、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によりパターニングされ得る。
【0050】
図4Cに示すように、電極1201及び基板110を覆うように誘電体層131を形成する。
【0051】
図4Dに示すように、誘電体層131をパターニングするため、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を含むパターニング工程P1を実行する。フォトリソグラフィ工程は、誘電体層131上にフォトレジスト(図示せず)を形成すること、レチクル(reticle)を通して誘電体層131を露光すること、フォトレジストを画定するパターンを現像することを含み、エッチング工程を実行して、一部の誘電体層131を除去して画素定義層130を形成する。いくつかの実施形態において、画素定義層130の開口部の輪郭は、(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす。
【0052】
図4Eを参照すると、キャリア注入層1202、キャリア輸送層1203、発光層1204、キャリア輸送層1205、電極1206、平坦化層140、充填層150、光学部品層160a、160b、160c、フィルタ層170a、170b、170c及びカバープレート180を形成することにより、
図1Bに示す表示装置100aを得ることができる。
【0053】
比較例において、画素定義層の開口部の輪郭の最長辺の長さと最短辺の長さの比(又は長軸の長さと短軸の長さの比)が、1.25以上(例えば長方形)であり、誘電体層を露光するときに、工程誤差が大きい場合、誘電体層の張力が比較的高いため、画素定義層の輪郭が変形する可能性がある。本開示の実施形態において、画素定義層130の開口部の輪郭は、(1)長軸の長さと短軸の長さの比が1以上1.25未満であること、又は(2)最長辺の長さと最短辺の長さの比が1以上1.25未満であることを満たす場合、誘電体層131を露出させる工程に起因する誤差による誘電体層131の輪郭の変形を減らすことができる。
【0054】
上記は、いくつかの実施形態の特徴を概説したため、当業者が本開示の各態様をよりよく理解できる。本開示に基づいて他の製造工程及び構造を設計又は潤色して容易に本出願に記載された実施形態と同じ目的を達成し、及び/又は同じ利点を達成できることは当業者には明白になるであろう。当業者はまた、この均等な構造が本開示の精神及び範囲から逸脱せず、多種多様な変化、置換及び代替を行うことができるが、本開示の精神及び範囲に収まることを理解すべきである。
【0055】
次に、本出願の範囲は、本明細書に記載されるプロセス、機械、製造、物質組成、構成要素、方法、及びステップの具体的実施形態に限定されない。本開示の開示内容から、当業者には、本開示に従って本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか又は実質的に同じ結果を達成できる既存の、或いは将来開発されるプロセス、機械、製造物、物質組成、構成要素、方法、又はステップを使用できることが容易に明らかになるであろう。したがって、かかるプロセス、機械、製造、物質組成、構成要素、方法、及びステップは、本出願の特許範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
100a 表示装置
100b 表示装置
100c 表示装置
110 基板
121a、121b、121c 画素
1211、1212、1213、1214、1215、1216 画素ユニット
121e1、121e2 辺
122a、122b、122c 画素
1221、1222 画素ユニット
123a、123b、123c 画素
1201 電極
1202 キャリア注入層
1203 キャリア輸送層
1204 発光層
1205 キャリア輸送層
1206 電極
130 画素定義層
131 誘電体層
140 平坦化層
150 充填層
160a 光学部品層
160b 光学部品層
160c 光学部品層
170a フィルタ層
170b フィルタ層
170c フィルタ層
180 カバープレート
D1、D2、D3、D4、D5 距離
L1 長軸
L2 短軸