(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109541
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】タバコ産業の機械で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法
(51)【国際特許分類】
A24C 5/34 20060101AFI20240806BHJP
A24C 5/47 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A24C5/34 Z
A24C5/47
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024012397
(22)【出願日】2024-01-31
(31)【優先権主張番号】102023000001617
(32)【優先日】2023-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】メンゴーリ,ファウスト
(72)【発明者】
【氏名】ロマニョーリ,マッシモ
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CC13
4B144CC22
4B144CF01
4B144CF10
4B144CL01
4B144CM14
(57)【要約】
【課題】従来技術の装置は、フィルタ内部の存在し得る欠陥を識別できるが、分析されたフィルタの種類を識別できない。
【解決手段】タバコ産業の機械、特に結合機械またはフィルタチップ取り付け機械で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法は、フィルタセグメント(S)を検査モジュール(10)を通って供給するステップを含む。検査モジュール(10)は検出器(20)を備え、検出器(20)は、フィルタセグメントが(S)が供給されている間、フィルタセグメント(S)の前面に面するように配置および/または構成されている。本方法はさらに、検出器(20)を介してフィルタの前面を検出するステップと、検出器(20)を介して、フィルタセグメント(S)の少なくとも前面の一部分の構造および/または組成を代表する信号を生成するステップとを含む。本方法は、フィルタの種類の適合性を識別する情報を取得するために代表信号を処理するステップをさらに含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業の機械、特に結合機械またはフィルタチップ取り付け機械で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法であって、
-フィルタセグメント(S)を検査モジュール(10)を通ってまたはその前に横方向に供給するステップであって、前記検査モジュール(10)が検出器(20)を備え、前記検出器(20)が、前記フィルタセグメントが(S)が供給されている間、前記フィルタセグメント(S)の前面に面するように配置および/または構成されている、ステップと、
-前記検出器(20)を介して前記フィルタの前記前面を検出するステップと、
-前記検出器(20)を介して、前記フィルタセグメント(S)の少なくとも前面の一部分の構造および/または組成を代表する信号を生成するステップと、を含み、
当該方法は、フィルタの前記種類の適合性を識別する情報を取得するために、前記代表信号を処理するステップを含む、方法。
【請求項2】
複数の基準信号をメモリモジュールに記憶するステップを含み、各基準信号は対応するフィルタの種類を表し、前記代表信号を処理する前記ステップは、
-前記検出器(20)によって生成された前記信号を前記複数の基準信号と比較するサブステップと、
-前記複数の信号の中から、前記生成された信号が対応する、または最も類似する基準信号を識別するサブステップと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記代表信号を処理する前記ステップの後に、好ましくはインタフェースを介して、ユーザにフィルタの前記種類に関する情報を送信するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記検出器(20)は、前記フィルタの長手方向軸と実質的に平行な検出軸を有する、好ましくは固定された、光ファイバセンサを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記代表信号を処理する前記ステップの後に、処理する前記ステップから導出されたフィルタの前記種類が機械プロセスに必要とされるフィルタの種類と一致することを検証するステップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、検証する前記ステップの後に、ユーザに、
-検証する前記ステップの肯定的な結果を表す承認信号、
-検証する前記ステップの否定的な結果を表す拒否信号、の一方を選択的に送信するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
検証する前記ステップは、前記代表信号を基準信号、具体的には前記機械プロセスに必要とされるフィルタの前記種類に対応する単一の基準信号と比較することによって実行され、前記方法は、好ましくは、比較する前記ステップが前記代表信号と前記基準信号との間の、所定の閾値よりも大きな差異または非類似性を示す結果を返す場合、警報信号および/または機械停止信号を生成するステップを含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記代表信号は、前記検出器によって実行された読み取りの強度の時間曲線および/または空間曲線を含み、前記信号を処理する前記ステップは、
-前記曲線の山または谷の数を識別するサブステップと、
-前記曲線の山または谷の振幅を識別するサブステップと、
-前記曲線の山および/または谷の間の位置および/または距離を識別するサブステップと、
-前記曲線の平均値および/または標準偏差を識別するサブステップと、のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
フィルタセグメント(S)を前記検査モジュール(10)を通って横方向に供給する前記ステップは、前記検査モジュール(10)を通って、または前記検査モジュールの前に、
単一長さのフィルタセグメント(S)、
倍数長さのフィルタセグメント(S)、
単一長さのフィルタチップ紙巻きタバコ、のうちの1つを移動させることによって実行される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
フィルタセグメント(S)を前記検査モジュール(10)を通ってまたは前記検査モジュール(10)の前に横方向に供給する前記ステップは、結合機械(100)の移送ドラムで、またはフィルタチップ取り付け機械(200)の移送ドラムで、実行される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
識別可能なフィルタの前記種類は、被覆材に包まれたアセテートフィルタ、NWAタイプのフィルタ、少なくとも1つの中空の管状端部を有するフィルタ、不規則に充填されたフィルタ、具体的にはPLA、ストリップ材料または圧着シート、非充填インサートを備えたフィルタ、のうちの少なくとも1つである、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、タバコ産業の機械、特に結合機械またはフィルタチップ取り付け機械で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法である。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコの製造では、適用できるフィルタの種類はますます幅広くなり、それらは扱われる紙巻きタバコのブランドに応じて変わり得る。
【0003】
そのような状況では、機械に入るフィルタの種類が所望の種類の紙巻きタバコを製造するために機械によって実際に必要とされるフィルタの種類と完全に一致するかどうかを確認する必要性が特に感じられる。
【0004】
特に、そのような必要性は、紙巻きタバコ、またはより一般的には複合喫煙品の製造中、例えば箱を空にすることによって、収集ホッパに充填することによってフィルタが供給されることがしばしば起こるという事実から生じる。供給される品は、例えば、切断を目的とした、および(コンバイナーのように)異なる種類のフィルタセグメントとの可能な組み合わせを目的とした、倍数長さのフィルタセクションであり得る。この状況では、機械に実際にロードされたフィルタの種類を確実に且つ正確に識別することは、時に複雑または不可能である。実際、ホッパに一旦収容されると、それらはもはや視覚的に検査できない可能性があり、一方、機械の動作中においては、高速のため、それらを識別するのに十分な細部の視覚認識が妨げられる可能性がある。さらに、特に複合フィルタの場合、容易に識別可能な部品(例えば中空チューブ)は、紙巻きタバコが完成した後、最後の中心線の切断の下流でしか見えない可能性があり、この場合でも、高速のため、効果的な視覚識別は可能ではない。
【0005】
したがって、誤ったロードが発生した場合、エラーはバッチの製造後にのみ確認される可能性があり、そのためバッチを廃棄する必要がある。
【0006】
現在までに、光学センサを使用してフィルタの欠陥を識別できる装置が知られている。特に、そのような装置は紙巻きタバコのフィルタの側端を検査し、フィルタの構造的品質を表す信号を取得し、構造的欠陥の存在の可能性を特定するために当該信号を基準信号と比較する。
【0007】
例えば光学センサを介して、マルチセグメントフィルタ内に存在するエラーの識別を可能にする装置も知られている。特に、そのような装置は、予期しない空きスペースを識別できる。
【0008】
不利なことに、従来技術の前述の装置は、フィルタ内部の存在し得る欠陥を識別できるが、分析されたフィルタの種類を識別できない。
【0009】
言い換えれば、従来技術の装置は、フィルタの種類ではなく、フィルタの品質を判定するように構成されている。したがって、そのような状況では、既知の装置を使用して、所定の種類の喫煙品を製造するために機械が必要とするフィルタの種類と機械に実際に供給されるフィルタの種類との間に適合性があるかどうかを検出することは不可能である。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の技術的課題は、従来技術から生じる欠点を克服できる、タバコ産業の機械で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法を提供することである。
【0011】
したがって、本発明の目的は、タバコ産業の機械で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法であって、当該機械に入るフィルタの種類が機械で現在処理中の喫煙品の種類を得るために実際に必要とされる種類と一致するかどうかを検出できる方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、タバコ産業の機械で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法であって、当該機械に入るフィルタの種類を確立できる方法を提供することである。
【0013】
特定された技術的課題および特定された目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を含む、タバコ産業の機械で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法によって、実質的に達成される。
【0014】
特に、特定された技術的課題および特定された目的は、タバコ産業の機械、特に結合機械またはフィルタチップ取り付け機械で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法によって、達成される。本方法は、検査モジュールを通ってフィルタセグメントを横方向に供給するステップを含む。検査モジュールは検出器を備え、検出器は、フィルタセグメントが供給されている間、フィルタセグメントの前面に面するように配置および/または構成されている。本方法は、検出器を介して、フィルタの前面を検出するステップと、フィルタセグメントの少なくとも前面の一部分の構造および/または組成を代表する信号を生成するステップとを、さらに含む。本方法は、フィルタの種類の適合性を識別する情報を取得するために代表信号を処理するステップをさらに含む。特に、そのような信号は、予期される信号との適合性を評価するために、または現在処理されているフィルタの種類を正確に識別するために、処理され得る。
【0015】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明によるタバコ産業の機械で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法の実施形態の例示的な、したがって非限定的な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
そのような説明は添付図面を参照して以下に記載されるが、添付図面は単なる表示として、したがって非限定的な表示として提供される。
【
図1】本発明による方法の適用に適したフィルタチップ取り付け機械の簡略図を示す。
【
図2】本発明による方法に従って紙巻きタバコを検出するための動作位置を示す。
【
図3A-3D】本発明による方法の実施形態中に得られた4つの読み取りの強度曲線を表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的は、タバコ産業の機械、特にフィルタチップ取り付け機械100で処理中のフィルタの種類の適合性を判定する方法である。そのような機械はまた、結合機械(図示せず)、または喫煙品のフィルタを形成することを目的とした棒状セグメントを加工するのに適したさらなる機械、特にセグメントを横方向に前進させるように構成された機械であり得る。
【0018】
フィルタチップ取り付け機械100では、複数のフィルタセグメント「S」、特に複数の倍数長さのフィルタセグメントを収集するためのホッパ200と、既知のタイプの降下ライン300であって、特に(この時点では単一長さまたは二倍の長さを有する)セグメントの切断とそれに続くジグザグ状の整列とを実行するための降下ライン300と、当該セグメントを形成ライン500から来るタバコセグメントと結合するための結合ドラム400とが設けられる。
図1に示される解決策では、結合ドラム400に供給されるセグメントは二倍の長さを有し、それぞれ単一長さのタバコセグメントを両端部で受け入れる。続いて、このようにして構成されたグループ(タバコ-ダブルフィルタ-タバコ)は、それぞれのバンド供給手段600によって供給されるバンドを介して互いに接続され、次いでローリングドラム700上でローリングされ、次いで切断ドラム800上で中心線で切断され、このようにして単一長さの2本の隣接する紙巻きタバコが得られる。
【0019】
本発明による方法は、少なくとも一端で少なくとも1つのフィルタセグメント「S」(あるいは複数のセグメント)を検査することによって動作される。これは、検査モジュール10を通ってフィルタセグメント「S」を横方向に供給することによって達成される。
【0020】
好ましくは、フィルタセグメント「S」を供給するステップは、
図1のフィルタチップ取り付け機械の場合、前述の降下ライン300の移送ドラム、または結合ドラム400の下流で、実行される。
【0021】
好ましくは、そのように供給するステップは、検査モジュール10を通って、単一長さのフィルタセグメント「S」、倍数長さのフィルタセグメント「S」および単一長さのフィルタチップ紙巻きタバコの1つを移動させることによって実行される。
【0022】
より詳細には、供給するステップ中、フィルタセグメント「S」は、検査モジュール800を通過する供給経路に沿って一連のフィルタセグメント「S」を移動させるために、供給方向に対して垂直に方向付けられた一連の周囲シートを備えたドラムを介して供給される。
【0023】
検査モジュール10は、検出器20であって、フィルタセグメント「S」が供給されている間、フィルタセグメント「S」自体の前面に面するように配置および/または構成された検出器20を備える(
図2)。そのような理由から、
図1では検出器20は(単純化のために)対応するドラム上のセグメント「S」に対して横方向に面するように、したがって、検出軸がドラムに対して半径方向に示されているが、検出器20は、セグメント「S」の(したがって、対応するドラムの)長手方向軸に対して軸方向または少なくとも部分的に軸方向である検出軸を有する。
【0024】
本説明の一態様によれば、検出器20は、フィルタの長手方向軸に実質的に平行な検出軸を有する光ファイバセンサを備える。より詳細には、検出器20は、例えばセグメント「S」の軸の中心に配置された単一の光ファイバセンサ、またはセグメント「S」の前面に位置する2つ以上の光ファイバセンサを備え得る。代替的に、検出器20はカメラまたは別の光学装置を備えてもよい。
【0025】
好ましくは、検出器20は固定されている、すなわち、供給されている間に移動可能なフィルタセグメント「S」に対してその位置を変化させずに保つ。
【0026】
したがって、使用時、フィルタセグメント「S」が検査モジュール10を通って、または検査モジュール10の前を通過した後、検出器20はフィルタの前面を検出する。
【0027】
検出するステップは、フィルタセグメント「S」の前面が目に見え、したがってセンサによって光学検査可能である喫煙品を組み立てるプロセスのある時点で実行される。
【0028】
特に、検出するステップは、降下ライン300に沿ったフィルタセグメント「S」の降下中に、したがって、ホッパ200と結合ドラム400との間で実行され得る。降下ラインに沿ってセグメント「S」は(既知の技術に従って)切断され、横方向にジグザグ状に配置され、続いて軸方向に位置合わせされて次々に一連の品目を規定するので、検査は切断前にも切断後にも行われ得る。代替的に、検査は、ダブルセグメントのローリングおよび中心線での切断の後、ダブル紙巻きタバコの切断に続いて行われ得る(
図1、隠線の検出器20)。単一タバコセグメントに結合された単一フィルタにローリングが実行される別の解決策によれば、検査は、目的に適した任意の位置で、ローリングの下流で行われ得る。
【0029】
検出するステップの後に、本方法は、フィルタセグメント「S」の少なくとも前面の一部分の構造および/または組成の代表信号が検出器20を介しておよび/または検出器20に接続された処理ユニットを介して生成されるステップを含む。
【0030】
本発明によれば、代表信号は、検出器20によって行われた読み取りの強度の時間曲線および/または空間曲線を含む。
【0031】
例えば、代表信号は、検出器20の前を通過する物質の種類(紙、ボール紙、アセテート、空気等)に応じて配置された山および谷を有する曲線を含む。例えば、NWAフィルタの場合、横方向の山が認識できる傾向を持つ曲線が得られるが、固体アセテートフィルタの場合、フィルタ材料のみが存在するため、得られる曲線は実質的に一定の傾向を有する。
【0032】
したがって、検出器によって生成される信号は、事前に確立された周波数で撮影された近接した一連の画像によって、または光強度信号などによって規定され得る。
【0033】
本方法は、フィルタの種類の適合性を識別する情報を取得するために代表信号を処理するステップをさらに含む。
【0034】
好ましくは、限定するものではないが、識別可能なフィルタの種類は、以下のうちの少なくとも1つである。すなわち、被覆材に包まれたアセテートフィルタ、NWAタイプのフィルタ、少なくとも1つの中空の管状端部を有するフィルタ、不規則に充填されたフィルタ(例えば、PLA、ストリップ材料または圧着シート)、非充填インサートを有するフィルタのうちの少なくとも1つである。
【0035】
したがって、処理するステップ中に、代表信号は、フィルタの種類の適合性に関する応答を取得するために、分析される。
【0036】
そのような状況では、処理するステップは、強度曲線(山/谷)を識別するために信号を分析する、好ましくは、曲線の山または谷の数を識別するサブステップ、および/または曲線の山または谷の幅を識別するサブステップを含み得る。さらに、または代替的に、処理するステップは、曲線の強度の変動間の位置および/または相互距離を識別するサブステップ、および/または曲線の平均値および/または標準偏差を識別するサブステップを含み得る。
【0037】
例えば、
図3Aは中空フィルタ(中空チューブ)の曲線(振幅-時間)を示しており、横方向の山は単一チューブによる薄い壁(例えば紙の壁)の検出を表す。チューブは、例えば、紙シートまたはテープを巻くことによって得られ得る。
図3Bは中空NWAフィルタの曲線を示し、山は最初の壁と最後の壁の検出を表し、最初の壁と最後の壁は
図1の薄い壁を有する中空管状のソリューションに対してより厚い厚さを有する。
図3Cは固体フィルタ、例えばアセテートフィルタの曲線を示し、ここでは、連続フィルタ材料の存在により、厚さ全体にわたって均一なパターンが形成される。
図3Dは非充填インサート、例えばS字形に折り畳まれたシートを有するインサートを備えた中空フィルタの曲線を示し、ここでは、インサートの検出によって生じた2つの中央の山を見ることができる。
【0038】
本方法は、代表信号を処理するステップの後に、そのような処理するステップから導出されたフィルタの種類が機械プロセスで予期されるフィルタの種類と一致することを検証するステップを含む。
【0039】
言い換えれば、フィルタセグメントの代表信号が導出されると(すなわち、検出器20の読み取りの強度の時間曲線および/または空間曲線の傾向が導出されると)、そのような信号が必要とされるフィルタの種類に対応するものに適合することが検証される。
【0040】
より詳細には、可能な実施形態によれば、検証するステップは、フィルタセグメント「S」の前部の構造および/または組成の代表信号を基準信号、特に現在の機械プロセスに必要とされるフィルタの種類に対応する単一の基準信号と比較することによって実行される。
【0041】
言い換えれば、必要とされるフィルタの種類を表す基準信号が既知であるので、そのような基準信号と検出信号を比較して、フィルタセグメント「S」が適合しているか非適合であるかを導出することが可能である。
【0042】
例えば、機械が現在、被覆材に包まれたアセテートフィルタであって、それに2つの山を持つ基準信号が対応するアセテートフィルタを投入することを必要とするが、山を持たない信号(典型的なNWAフィルタ)が検出される場合、本方法はフィルタの種類の間の適合性が遵守されていないことを検出できる。
【0043】
好ましくは、検出されたフィルタの種類の代表信号と機械プロセスに必要とされるフィルタの種類を表す基準信号との間の比較が所定の閾値よりも大きい差異または非類似性を示す結果を返す場合、本方法は、警報および/または機械停止信号を生成するステップを含む。
【0044】
逆に、比較するステップが完全な準拠の結果を返す場合、または事前に確立された閾値を下回る差を返す場合、警報信号は生成されない。
【0045】
可能な実施形態によれば、本方法は、検証するステップに続いて、ユーザに信号を送信するステップをさらに含んでもよい。そのような信号は、検証するステップの否定的な結果を表す拒否信号であってもよい。そのような状況では、検査モジュール10で分析されたフィルタセグメント「S」によって検出されたフィルタの種類は、機械プロセスに必要とされるフィルタの種類とは異なる。
【0046】
代替的に、そのような信号は、検証するステップの肯定的な結果を表す承認信号であってもよい。そのような状況では、検出されたフィルタの種類は、機械プロセスに必要とされるものと同一である。
【0047】
したがって、比較するステップによって、機械に入るフィルタの種類自体が必ずしも識別されるわけではないが、この種類が機械によって必要とされる種類に準拠しているかどうかが識別される。
【0048】
例えば、機械が現在、被覆材に包まれたアセテートフィルタであって、それに2つの山を持つ基準信号が対応するアセテートフィルタを投入することを必要とし、それと同一または最も類似する信号が検出される場合、入っていくフィルタセグメント「S」は被覆材に包まれたアセテートタイプであると結論付けることが可能である。逆に、例えば4つの山を持つ信号が検出される場合、入っていくフィルタセグメント「S」は被覆材に包まれたアセテートタイプではないと結論付けることが可能である。
【0049】
有利なことに、フィルタセグメント「S」が属するフィルタの種類と機械プロセスに必要とされる種類との間に適合性があるかどうかを識別する可能性によって、廃棄される喫煙品、すなわち、期待から逸脱した不適合喫煙品の数を減らすことが可能である。
【0050】
さらに、フィルタセグメント「S」が属するフィルタの種類と機械により必要とされるフィルタの種類との適合性を検証する可能性によって、機械自体の妨害を回避することも可能である。特定のフィルタの種類が他のフィルタの種類に提供される特定の下流プロセスに適さない可能性があるためである。
【0051】
本発明の一態様によれば、本方法はさらに、検出されたフィルタセグメント「S」が属するフィルタの種類を判定できてもよい。
【0052】
より詳細には、そのような場合、本方法は、各々が対応するフィルタの種類を表す複数の基準信号をメモリモジュールに記憶するステップを含む。
【0053】
そのような状況では、代表信号を処理するステップは、検出器20によって生成された信号を複数の基準信号と比較するサブステップと、複数の信号の中から、基準信号であって、それに生成された信号が対応するまたは最も類似する基準信号を識別するサブステップとを含む。そのような状況では、本方法は、フィルタセグメント「S」が属する実際の種類を検出できる。
【0054】
例えば、検出された信号が2対の山を有し、そのような傾向が少なくとも1つの中空の管状端部を持つフィルタに遡ることができる場合(
図3A)、本方法は、検出されたフィルタセグメント「S」が属するフィルタの種類に関する情報をユーザに提供することによって、すなわち、フィルタセグメント「S」が少なくとも1つの中空の管状端部を有するフィルタの種類に属することをユーザに通知することによって、そのような対応関係を識別できる。
【0055】
好ましい実施形態では、処理するステップおよび識別するサブステップに続いて、本方法は、フィルタの種類に関する情報をユーザに送信するステップを含む。
【0056】
好ましくは、送信するステップはインタフェースを介して行われる。さらにより好ましくは、そのようなインタフェースは、検出されたフィルタの種類を表示できるスクリーンを備える。
【0057】
したがって、使用時に、フィルタセグメント「S」は、検査モジュール10を通って(またはその前に)横方向に供給され、検出器20は、そこを通過するフィルタセグメント「S」の前面が検出されると、フィルタセグメント「S」の少なくとも前面の一部分の構造および/または組成を代表する信号を生成する。
【0058】
続いて、そのような信号は、メモリモジュールに記憶された複数の基準信号の各々の信号と比較され、複数の信号の中から、基準信号であって、それに生成された信号が対応するまたは最も類似する基準信号を識別する。
【0059】
続いて、フィルタの種類であって、それに生成された信号が対応するフィルタの種類が識別されると、そのような情報はユーザに送信され、ユーザはフィルタセグメント「S」が属する種類を知ることができる。
【0060】
さらに、生成された信号は、機械プロセスに必要とされるフィルタの種類の代表信号と比較され、そのような種類間の対応関係または適合性が検証される。フィルタセグメントが機械での使用を予期される種類である場合、ユーザはリターンされた承認信号を見ることができ、フィルタセグメントが機械で使用される種類ではない場合、ユーザはリターンされた拒否信号を見る、および/または機械が停止される。
【0061】
本発明は、従来技術から生じた欠点を除去することによって意図した目的を達成する。
【0062】
特に、本発明の方法は、すべてのフィルタの種類から、検出されたフィルタセグメントが対応するフィルタの種類を識別すること、および/または検出されたフィルタの種類が機械で使用中のフィルタの種類と一致するかどうかを識別することを可能にする。
【外国語明細書】