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特開2024-109544共焦点顕微鏡および共焦点顕微鏡を調整する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109544
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】共焦点顕微鏡および共焦点顕微鏡を調整する方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20240806BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20240806BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G02B21/00
G02B21/06
G01N21/64 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024013056
(22)【出願日】2024-01-31
(31)【優先権主張番号】10 2023 102 418.3
(32)【優先日】2023-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】511079735
【氏名又は名称】ライカ マイクロシステムズ シーエムエス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Leica Microsystems CMS GmbH
【住所又は居所原語表記】Ernst-Leitz-Strasse 17-37, D-35578 Wetzlar, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】コーネル ペーター ゴンシオア
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ヴァイス
【テーマコード(参考)】
2G043
2H052
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043EA01
2G043EA10
2G043FA02
2G043HA01
2G043HA02
2G043HA09
2G043HA15
2G043JA02
2G043KA09
2G043LA01
2H052AA08
2H052AC15
2H052AC27
2H052AC34
2H052AF14
2H052AF25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】共焦点顕微鏡の調整を高精度で実施する。
【解決手段】共焦点顕微鏡(100)は、照明ユニット(104)と、結像光学系と、照明光束を結像光学系に向け、走査照明を生成するために変向させ、かつ結像光学系から検出光を受光して、検出光路(108)内へ向けるように形成された走査ユニット(118)と、検出光路内に配置されたセンサ素子(126)と、センサ素子の手前に配置されたピンホール(124)と、検出光路内に配置され、ピンホールを通して検出光をセンサ素子に向けるように形成された変位可能な光変向素子(122)と、制御ユニット(128)と、を有し、制御ユニットは、走査ユニットを制御し、照明光束がテスト物体(130)に向けられるようにするとともに、光変向素子を制御し、センサ素子により検出された、テスト物体を起点とする検出光の強度が最適化されるように形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共焦点顕微鏡(100,200,300)であって、前記共焦点顕微鏡(100,200,300)は、
照明光束を発生させるように形成された照明ユニット(104,202)と、
検出光を受光して前記共焦点顕微鏡(100,200,300)の別の要素に転送するように形成された結像光学系と、
前記照明光束を前記結像光学系に向け、走査照明を生成するために変向させ、かつ前記結像光学系から検出光を受光して、前記共焦点顕微鏡(100,200,300)の検出光路(108)内へ向けるように形成された走査ユニット(118)と、
前記検出光路(108)内に配置されたセンサ素子(126)と、
前記検出光路(108)内に配置されかつ前記センサ素子(126)の手前に配置されたピンホール(124)と、
前記検出光路(108)内に配置され、前記ピンホール(124)を通して前記検出光を前記センサ素子(126)に向けるように形成された変位可能な光変向素子(122)と、
制御ユニット(128)と、
を含み、
前記制御ユニット(128)は、前記共焦点顕微鏡(100,200,300)を調整するために前記走査ユニット(118)を制御し、これにより、前記照明光束がテスト物体(130)に向けられるようにするとともに、前記光変向素子(122)を制御し、これにより、前記センサ素子(126)により検出された、前記テスト物体(130)を起点とする前記検出光の強度が最適化されるように形成されている、
共焦点顕微鏡(100,200,300)。
【請求項2】
前記制御ユニット(128)は、前記共焦点顕微鏡(100,200,300)の前記調整を、前記共焦点顕微鏡(100,200,300)のスイッチが入れられる度に実施するように形成されている、
請求項1記載の共焦点顕微鏡(100,200,300)。
【請求項3】
前記制御ユニット(128)は、前記共焦点顕微鏡(100,200,300)の前記調整を、所定の時間間隔が経過する度に実施するように形成されている、
請求項1または2記載の共焦点顕微鏡(100,200,300)。
【請求項4】
前記照明光束は、蛍光材料を、蛍光光を発生させるために励起するように形成されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の共焦点顕微鏡(100,200,300)。
【請求項5】
前記テスト物体(130)は、前記照明光束により、蛍光光を発生させるために励起可能である、
請求項4記載の共焦点顕微鏡(100,200,300)。
【請求項6】
前記共焦点顕微鏡(100,200,300)は、前記テスト物体(130)を有しており、前記テスト物体(130)は、好適には前記共焦点顕微鏡(100,200,300)のケーシング内に配置されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の共焦点顕微鏡(100,200,300)。
【請求項7】
前記照明ユニット(104)は、照明光を発生させるように形成された照明光源(112)、特にレーザ光源を有しており、前記照明ユニット(104)は、前記照明光源(112)から発せられた照明光を、前記照明光束の形にするように形成されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の共焦点顕微鏡(100,300)。
【請求項8】
前記照明ユニット(202)は、前記共焦点顕微鏡(200)を外部の照明光源(206)に接続することができるインタフェース(204)、特にファイバカップリングを有しており、前記照明ユニット(202)は、前記外部の照明光源(206)から発せられた照明光を、前記照明光束の形にするように形成されている、
請求項1から7までのいずれか1項記載の共焦点顕微鏡(200)。
【請求項9】
前記共焦点顕微鏡(100,200,300)は、ビームスプリッタ(110)を有しており、前記ビームスプリッタ(110)は、前記照明光束を前記走査ユニット(118)に向けかつ前記結像光学系により受光された前記検出光を前記検出光路(108)内へ向けるように形成されている、
請求項1から8までのいずれか1項記載の共焦点顕微鏡(100,200,300)。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の共焦点顕微鏡(100,200,300)を調整する方法において、
前記照明光束を前記テスト物体(130)に向け、前記センサ素子(126)によって検出された、前記テスト物体(130)を起点とする前記検出光の強度が最適化されるまで、前記光変向素子(122)を変位させる、
方法。
【請求項11】
前記共焦点顕微鏡(100,200,300)を調整するために、以下のステップ、すなわち、
a)前記光変向素子(122)を、連続する複数の段階で、所定の第1の段階幅でもって第1の軸線に沿って第1の変位範囲内で変位させるステップと、
b)前記テスト物体(130)を起点とする前記検出光の前記強度を、前記第1の軸線に沿った各段階において検出するステップと、
c)前記光変向素子(122)を前記第1の軸線に沿って、前記テスト物体(130)を起点とする前記検出光の検出された前記強度が最大の位置に変位させるステップと、
d)前記光変向素子(122)を、連続する複数の段階で、所定の第2の段階幅でもって第2の軸線に沿って第2の変位範囲内で変位させるステップと、
e)前記テスト物体(130)を起点とする前記検出光の前記強度を、前記第2の軸線に沿った各段階において検出するステップと、
f)前記光変向素子(122)を前記第2の軸線に沿って、前記テスト物体(130)を起点とする前記検出光の検出された前記強度が最大の位置に変位させるステップと、
を実施する、
請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記ステップa)~f)を、前記ステップc)およびf)における位置変化が、それぞれ所定の値よりも小さくなるまで繰り返す、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ステップb)およびe)において検出された前記強度がそれぞれ、所定の強度値よりも低い値を有している場合、および/または、前記ステップc)および/またはf)において最大値を特定することができない場合に、前記第1の変位範囲および/または前記第2の変位範囲を拡大し、かつ、前記ステップa)~g)を繰り返す、
請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
前記ステップb)およびe)において検出された前記強度がそれぞれ、所定の強度値よりも低い値を有している場合、および/または、前記ステップc)および/またはf)において最大値を特定することができない場合に、前記ピンホール(124)の直径を拡大し、かつ、前記ステップa)~g)を繰り返す、
請求項11から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記共焦点顕微鏡(100,200,300)を調整するために、以下のステップ、すなわち、
a)前記光変向素子(122)を、連続する複数の段階で、所定の第1の段階幅でもって第1の軸線に沿って第1の変位範囲内で変位させるステップと、
b)前記テスト物体(130)を起点とする前記検出光の前記強度を、前記第1の軸線に沿った各段階において検出するステップと、
c)前記光変向素子(122)を、所定の段階幅の分だけ第2の軸線に沿って変位させるステップと、
d)前記ステップa)~c)を、前記光変向素子(122)が前記第2の軸線に沿って、第2の変位範囲に相当する所定の値の分だけ変位させられるまで繰り返すステップと、
e)それぞれ前記ステップb)において検出された強度から、二次元強度分布を特定するステップと、
f)前記二次元強度分布における重心または最大値を特定するステップと、
g)前記光変向素子(122)を前記第1の軸線および前記第2の軸線に沿って、前記二次元強度分布の前記重心もしくは前記最大値に相当する位置に変位させるステップと、
を実施する、
請求項10記載の方法。
【請求項16】
前記ステップe)において検出された前記強度がそれぞれ、所定の強度値よりも低い値を有している場合、および/または、前記ステップf)において重心もしくは最大値を特定することができない場合に、前記第1の変位範囲および/または前記第2の変位範囲を拡大し、かつ、前記ステップa)~g)を繰り返す、
請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記ステップe)において検出された前記強度がそれぞれ、所定の強度値よりも低い値を有している場合、および/または、前記ステップf)において重心もしくは最大値を特定することができない場合に、前記ピンホール(124)の直径を拡大し、かつ、前記ステップa)~g)を繰り返す、
請求項15または16記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共焦点顕微鏡に関する。本発明はさらに、共焦点顕微鏡を調整する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
共焦点顕微鏡は、焦点面からのものではない検出光を遮断するために、典型的にはピンホールを有している。ピンホールがこの機能を果たすことができるようにするためには、光学素子を共焦点顕微鏡の検出光路内で正確に設定する必要がある。この設定により共焦点顕微鏡が調整され、これにより、高い画質が得られる。光学素子の設定は、特に工場側で行われることがある。この場合、光学素子は、調整終了後の共焦点顕微鏡のピンホールとセンサ素子とに対して固定される。このことは、例えば共焦点顕微鏡の搬送により、または周囲条件が変化した場合に、ピンホールまたは共焦点顕微鏡の別の光学素子の位置が変化すると、画質を得るために簡単な後調整を行うことができない、という欠点を有している。
【0003】
国際公開第2022/145391号から、共焦点顕微鏡が公知である。この公知の共焦点顕微鏡の場合、ピンホールは膜により形成される。さらに、この公知の共焦点顕微鏡を調整する方法が開示されており、この方法では、ピンホールの直径および位置が、センサ素子に対して設定される。ピンホールの位置がセンサ素子に対して設定されることにより、センサ素子、またはピンホールとセンサ素子との間に配置されている光学系の不均一性が、画質にネガティブな影響を及ぼす恐れがある。
【0004】
したがって本発明の課題は、従来技術の前記欠点を回避する、共焦点顕微鏡および共焦点顕微鏡を調整する方法を提供することにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
提案する共焦点顕微鏡は、照明光束を発生させるように形成された照明ユニットと、検出光を受光して共焦点顕微鏡の別の要素に転送するように形成された結像光学系と、照明光束を結像光学系に向け、走査照明を生成するために変向させ、かつ結像光学系から検出光を受光して、共焦点顕微鏡の検出光路内へ向けるように形成された走査ユニットとを含む。共焦点顕微鏡はさらに、検出光路内に配置されたセンサ素子と、検出光路内に配置されかつセンサ素子の手前に配置されたピンホールと、検出光路内に配置され、ピンホールを通して検出光をセンサ素子に向けるように形成された変位可能な光変向素子と、を含む。さらに共焦点顕微鏡は、制御ユニットを含み、制御ユニットは、共焦点顕微鏡を調整するために走査ユニットを制御し、これにより、照明光束がテスト物体に向けられるようにするとともに、光変向素子を制御し、これにより、センサ素子により検出された、テスト物体を起点とする検出光の強度が最適化されるように形成されている。
【0006】
検出光路内には別の光学素子が配置されていてよい。特に、伝送光学系、例えばグラスファイバが検出光路内に配置されていてよい。制御ユニットは特に、光変向素子を制御し、これにより、センサ素子により検出された、テスト物体を起点とする検出光の強度が最大化されるように形成されている。提案する共焦点顕微鏡により、特にデスキャンユニットが実現されている、すなわち、共焦点顕微鏡の視野内の照明光束の位置に関係なく、センサ素子に対する検出光の光線の位置は不変に保たれる。
【0007】
提案された共焦点顕微鏡は、光変向素子の設定により調整される。この場合、光変向素子の設定が、焦点平面からピンホールを通りセンサに入射する検出光の量を決定する。それというのも、検出光路内の他の光学素子は、検出光線の位置を実質的に変化させるわけではないからである。換言すると、光変向素子の設定が、画質を実質的に決定する。共焦点顕微鏡の調整は、特に共焦点顕微鏡が既にユーザの所で運用されている場合でも行うことができる。つまり、提案する共焦点顕微鏡は、画質を得るために、ユーザによる簡単な後調整を可能にする。さらに、光変向素子の設定は、制御ユニットにより自動的に行われる。このことは、共焦点顕微鏡の使用を容易にする。それというのも、手動での後調整を行う必要がないからである。さらに、ピンホールの位置は、調整により不変に保たれる。これにより、共焦点顕微鏡における可変のピンホールの欠点が回避される。
【0008】
1つの実施形態では、制御ユニットは、共焦点顕微鏡の調整を、共焦点顕微鏡のスイッチが入れられる度に実施するように形成されている。温度変動により、または共焦点顕微鏡の搬送により、後調整が必要になる場合がある。共焦点顕微鏡の起動毎に光変向素子の最適な設定を保証するために、制御ユニットは、この実施形態ではスイッチが入る度に光変向素子を設定することにより、共焦点顕微鏡の後調整を実施する。
【0009】
1つの実施形態では、制御ユニットは、共焦点顕微鏡の調整を、所定の時間間隔が経過する度に実施するように形成されている。起動時の後調整に対して択一的または追加的に、制御ユニットは、所定の時間間隔が経過する度に、光変向素子の設定を実施する。このことは特に、共焦点顕微鏡が長時間作動する場合に有利である。それというのも、例えば作動中の温度変動も、光変向素子を設定することによる共焦点顕微鏡の後調整を必要とする場合があるからである。このようにして、比較的長時間作動した場合でも、画質が維持され続ける、ということが保証される。
【0010】
1つの別の実施形態では、照明光束は、蛍光材料を、蛍光光を発生させるために励起するように形成されている。特に、照明光束はレーザ光線である。蛍光材料とは、特に蛍光色素を意味する。この実施形態では、共焦点顕微鏡は、共焦点レーザ走査型顕微鏡として形成されており、このような顕微鏡の周知の利点を有している。
【0011】
1つの別の実施形態では、テスト物体は照明光束により、蛍光光を発生させるために励起可能である。蛍光光は、典型的には周知のスペクトルを有している。したがって、テスト物体から放出された蛍光光は、他の光、特に散乱光から、例えば光学フィルタまたはビームスプリッタにより容易に分離され得る。これにより、共焦点顕微鏡の調整を特に高精度で実施することができる。
【0012】
1つの別の実施形態では、共焦点顕微鏡は、テスト物体を有している。テスト物体は、好適には共焦点顕微鏡のケーシング内に配置されている。この実施形態では、ユーザが、共焦点顕微鏡の調整を実施するためにテスト物体を最初に共焦点顕微鏡に入れる必要はない。特に、ユーザが試料を共焦点顕微鏡から除去して、テスト物体を含む特別な技術的な試料と交換する必要はない。このことは特に、共焦点顕微鏡の調整の自動化を容易にする。テスト物体が共焦点顕微鏡自体の一部であると、全体として、共焦点顕微鏡の使い易さが向上する。
【0013】
1つの別の実施形態では、照明ユニットは、照明光を発生させるように形成された照明光源、特にレーザ光源を有している。照明ユニットはさらに、照明光源から発せられた照明光を、照明光束の形にするように形成されている。この実施形態では、照明光源は、共焦点顕微鏡自体の一部である。この実施形態による共焦点顕微鏡は、結像に必要な全ての要素を含む一体的なユニットを形成している。このことは共焦点顕微鏡を、特に操作し易くする。
【0014】
1つの別の実施形態では、照明ユニットは、共焦点顕微鏡を外部の照明光源に接続することができるインタフェース、特にファイバカップリングを有している。照明ユニットはさらに、外部の照明光源から発せられた照明光を、照明光束の形にするように形成されている。外部の照明光源は、特にレーザ光源である。この実施形態では、照明光源は、共焦点顕微鏡の一部ではない。照明光源から発せられた照明光は、インタフェースを介して共焦点顕微鏡内へ入射され、次いで照明ユニットにより照明光束の形にされる。この実施形態により、ユーザは、各用途に最適な照明光源を選択することができるようにするために、共焦点顕微鏡を、多数の異なる照明光源と組み合わせることができる。よって、この実施形態による共焦点顕微鏡は、特にフレキシブルである。
【0015】
1つの別の実施形態では、共焦点顕微鏡は、ビームスプリッタを有しており、ビームスプリッタは、照明光束を走査素子に向け、かつ結像光学系により受光された検出光を検出光路内へ向けるように形成されている。特に共焦点顕微鏡は、ダイクロイックビームスプリッタを有している。1つの択一的な実施形態では、共焦点顕微鏡は、ニュートラルスプリッタを有していてもよく、ニュートラルスプリッタは、照明光束の少なくとも一部を走査素子に向け、かつ結像光学系により受光された検出光の少なくとも一部を検出光路内へ向けるように形成されている。
【0016】
本発明はさらに、上述した共焦点顕微鏡を調整する方法に関し、この方法では、照明光束をテスト物体に向け、センサ素子によって検出された、テスト物体を起点とする検出光の強度が最適化されるまで、光変向素子を変位させる。特に、センサ素子により検出された、テスト物体を起点とする検出光の強度が最大化されるまで、光変向素子を変位させる。提案する方法は、上述の共焦点顕微鏡と同じ利点を有しており、特に、共焦点顕微鏡に関する従属請求項に記載の特徴により改良され得る。逆に、共焦点顕微鏡を、方法に関する従属請求項に記載の特徴により改良することもできる。この方法のステップは、特に上述した共焦点顕微鏡の制御ユニットにより実施され得る。
【0017】
1つの実施形態では、共焦点顕微鏡を調整するために、以下のステップが実施される。すなわち:a)光変向素子を、連続する複数の段階で、所定の第1の段階幅でもって第1の軸線に沿って第1の変位範囲内で変位させるステップ、b)テスト物体を起点とする検出光の強度を、第1の軸線に沿った各段階において検出するステップ、c)光変向素子を第1の軸線に沿って、テスト物体を起点とする検出光の検出された強度が最大の位置に変位させるステップ、d)光変向素子を、連続する複数の段階で、所定の第2の段階幅でもって第2の軸線に沿って第2の変位範囲内で変位させるステップ、e)テスト物体を起点とする検出光の強度を、第2の軸線に沿った各段階において検出するステップ、f)光変向素子を第2の軸線に沿って、テスト物体を起点とする検出光の検出された強度が最大の位置に変位させるステップ。好適には、ステップa)~ステップf)は、ステップc)およびf)における位置変化が、それぞれ所定の値よりも小さくなるまで繰り返される。第1の軸線および第2の軸線は、例えば光変向素子の傾倒軸線である。光変向素子の設定は、検出された強度の変化が所定の値よりも小さくなるまで、すなわち、光変向素子の設定により画質の実質的な改善がもはや達成され得なくなるまで、第1の軸線および第2の軸線に沿って交互に行われる。換言すると、この実施形態では、共焦点顕微鏡を調整するために、光変向素子の設定が反復して行われる。光変向素子の反復設定は、特に共焦点顕微鏡の小さな後調整しか必要とされていないと、特に迅速である。
【0018】
さらなる実施形態では、ステップb)およびe)において検出された強度がそれぞれ、所定の強度値よりも低い値を有している場合、および/またはステップc)および/またはf)において最大値を特定することができない場合に、第1の変位範囲および/または第2の変位範囲を拡大し、かつステップa)~g)を繰り返す。所定の強度値は、特にテスト物体を起点とする検出光の想定強度に依存して決定される。さらに、所定の強度値は、照明光線の強度に依存して決定され得る。光変向素子の反復設定に際して、所定の強度値を上回らないか、または最大値を特定することができない場合には、例えば搬送または周囲条件の変化により、光変向素子は、第1の変位範囲および/または第2の変位範囲にわたる設定で補正することができるよりも大幅に、その最適な設定外にもたらされている。第1の変位範囲および/または第2の変位範囲を拡大することにより、光変向素子の最適な設定を見つけることができる。
【0019】
1つの別の実施形態では、ステップb)およびe)において検出された強度がそれぞれ、所定の強度値よりも低い値を有している場合、および/またはステップc)および/またはf)において最大値を特定することができない場合に、ピンホールの直径を拡大し、かつステップa)~g)を繰り返す。光変向素子の設定の他に、共焦点顕微鏡を調整する別のステップが必要になる場合もある。共焦点顕微鏡を調整するために行うことができる1つの別の設定は、ピンホールの直径を変化させることである。したがってこの実施形態では、光変向素子の反復設定時に所定の強度値を上回らない場合、または最大値を特定することができない場合には、ピンホールの直径を拡大させる。
【0020】
1つの実施形態では、共焦点顕微鏡を調整するために、以下のステップが実施される。すなわち:a)光変向素子を、連続する複数の段階で、所定の段階幅でもって第1の軸線に沿って第1の変位範囲内で変位させるステップ、b)テスト物体を起点とする検出光の強度を、第1の軸線に沿った各段階において検出するステップ、c)光変向素子を、所定の段階幅の分だけ第2の軸線に沿って変位させるステップ、d)ステップa)~c)を、光変向素子が第2の軸線に沿って、第2の変位範囲に相当する所定の値の分だけ変位させられるまで繰り返すステップ、e)それぞれステップb)において検出された強度から、二次元強度分布を特定するステップ、f)二次元強度分布における重心または最大値を特定するステップ、g)光変向素子を第1の軸線および第2の軸線に沿って、二次元強度分布の重心もしくは最大値に相当する位置に変位させるステップ。2次元強度分布は、例えば理論的な強度分布への補間またはフィットにより、検出された強度から形成され得る。この実施形態では、共焦点顕微鏡を調整するための光変向素子の設定は、求められた強度分布に基づき行われる。求められた強度分布に基づく設定は、光変向素子の反復設定に対して択一的または追加的に行われてもよい。反復設定に対して、求められた強度分布に基づく光変向素子の設定は、いくらかの確実性をもって、強度分布の全体的な最大値が光変向素子の設定の基礎として用いられる、という利点を有している。同様に、反復設定において強度分布の重心を光変向素子の設定の基礎として用いることも不可能である。
【0021】
1つの別の実施形態では、ステップe)において検出された強度がそれぞれ、所定の強度値よりも低い値を有している場合、および/またはステップf)において重心もしくは最大値を特定することができない場合に、第1の変位範囲および/または第2の変位範囲を拡大し、かつステップa)~g)を繰り返す。第1の変位範囲および/または第2の変位範囲を拡大することにより、強度分布の重心もしくは最大値を探す範囲が拡大される。これにより、強度分布の重心もしくは最大値が、調整の最初のサイクルにおいて、このサイクルにおいて求められた強度分布の外側に位置している場合でも、光変向素子の最適な設定を見つけることができる。
【0022】
1つの別の実施形態では、ステップe)において検出された強度がそれぞれ、所定の強度値よりも低い値を有している場合、および/またはステップf)において重心もしくは最大値を特定することができない場合に、ピンホールの直径を拡大し、かつステップa)~g)を繰り返す。反復設定と同様に、この実施形態では、共焦点顕微鏡を調整するために重心または最大値を特定することができない場合には、ピンホールの直径を拡大する。
【0023】
その他の特徴および利点は、添付の図面に関連して実施例をより詳細に説明する以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】1つの実施例による共焦点顕微鏡の概略図である。
図2】1つの別の実施例による共焦点顕微鏡の概略図である。
図3】1つの別の実施例による共焦点顕微鏡の概略図である。
図4】共焦点顕微鏡を調整する方法のフローチャートである。
図5】第1の実施例による、図4に示した方法の下位方法のフローチャートである。
図6】第2の実施例による、図4に示した方法の下位方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、1つの実施例による共焦点顕微鏡100が概略図で示されている。
【0026】
図示の実施例では、共焦点顕微鏡100は単に例示的に、共焦点レーザ走査型顕微鏡として形成されている。共焦点顕微鏡100により試料102の画像を生成するために、試料102が照明光線により走査式に照明され、これにより、その都度試料102の一部が、小さな光点により照明されている。共焦点顕微鏡100はその都度、試料102の被照明部分を結像し、このようにして得られた複数の個別画像から、試料102の1つの合成画像を生成する。
【0027】
共焦点顕微鏡100は、照明光線を発生させる照明ユニット104と、主光路106と、検出光路108と、を有している。検出光路108は、共焦点顕微鏡検査法の文脈では主ビームスプリッタとも呼ばれるビームスプリッタ110により主光路106から形成され、主光路106においてビームスプリッタ110は、照明光と、試料102を起点とする検出光と、を分離する。
【0028】
照明ユニット104は、照明光を発生させる照明光源112を有している。図示の実施例では、照明ユニット104はさらに、照明光から照明光線を発生させるように形成された光学素子114、例えばコリメータレンズを有している。共焦点顕微鏡100のビームスプリッタ110は、照明光線を受光し、照明光線を試料102に向かって共焦点顕微鏡100の主光路106内へ向ける。
【0029】
共焦点顕微鏡100の主光路106には、試料102から見て対物レンズ116と、スキャン接眼レンズ117と、走査ユニット118と、が含まれる。走査ユニット118は、ビームスプリッタ110から照明光線を受光し、照明光線を、スキャン接眼レンズ117を介して対物レンズ116に向け、これにより、試料102を照明する。対物レンズ116とスキャン接眼レンズとの間には、中間像119が形成されている。走査ユニット118は、照明光線を、共焦点顕微鏡100の視野内で変向することにより移動させるように形成されている。照明光線の移動により、試料102の走査照明が生ぜしめられる。図示の実施例では、走査ユニット118は、単に例示的に制御可能なマイクロスキャナとして形成されている。走査ユニット118の動きは、図1に2つの矢印P1,P2により示されている。
【0030】
対物レンズ116は、試料102を起点とする検出光を受光し、検出光を、スキャン接眼レンズ117を介して走査ユニット118に向ける。次いで走査ユニット118が、検出光をビームスプリッタ110へと戻し、これにより、検出光は検出光路108内へ変向させられる。この場合、走査ユニット118は、試料102を起点とする検出光をデスキャンするように、主光路106内に配置されかつ形成されており、これにより、検出光は、走査ユニット118の動きにもかかわらず、常に一定の点に結像される。
【0031】
検出光路108には、ピンホール光学系120と、変位可能な光変向素子122と、ピンホール124と、センサ素子126と、が含まれる。光変向素子122は、ビームスプリッタ110から到来する検出光をピンホール124に向ける。この場合、スキャン接眼レンズ117とピンホール光学系120との間には、無限光路が形成されている。次いでピンホール光学系は、この無限光路を再びピンホール124に集束させ、ピンホール124は、検出光の一部を遮断し、かつ残りの検出光をセンサ素子126に到達させる。したがって、対物レンズ116およびピンホール光学系120は、共焦点顕微鏡100の結像光学系の一部である。共焦点顕微鏡100が最適に調整されていると、対物レンズ116の焦点面からの検出光のみがセンサ素子126に到達する。特に、光変向素子122の設定に基づき、共焦点顕微鏡100の調整を行うことができる。光変向素子122の設定用の動きは、図1に矢印P3により示されている。
【0032】
共焦点顕微鏡100の制御ユニット128は、少なくとも照明ユニット104と、走査ユニット118と、光変向素子122と、に接続されており、共焦点顕微鏡100の上述の要素104,118,122を制御するように形成されている。制御ユニット128はさらに、共焦点顕微鏡100を調整する方法を実施するように形成されている。この方法では、照明光束が、中間像119の平面内に配置された、照明光により蛍光励起可能なテスト物体130に向けられる。センサ素子126により検出される、テスト物体130を起点とした検出光の強さが最大化されるまで、光変向素子122が変位させられる。以下で、共焦点顕微鏡100を調整する方法を、図4図5および図6に基づきさらに詳細に説明する。
【0033】
共焦点顕微鏡100はさらに、顕微鏡ステージ132を有しており、顕微鏡ステージ132上には試料102が配置されている。共焦点顕微鏡100の1つの実施形態では、テスト物体130は、顕微鏡ステージ132の、対物レンズ116に面した側に配置されていてもよい。共焦点顕微鏡100の全ての要素は、単に例示的にケーシング134内に配置されている。これにより、この共焦点顕微鏡100は、いわゆるボックス型顕微鏡を形成している。
【0034】
図2には、1つの別の実施例による共焦点顕微鏡200が概略図で示されている。
【0035】
図2に示す共焦点顕微鏡200は、図1に示した共焦点顕微鏡100と、照明ユニット202がインタフェース204を有しており、インタフェース204を介して、共焦点顕微鏡200を外部の照明光源206に接続することができる、という点で相違している。インタフェース204は、単に例示的にファイバカップリングとして形成されている。共焦点顕微鏡200の一部ではない外部の照明光源206は、グラスファイバ208を介して照明ユニット202に接続されている。外部の照明光源206により生成された照明光は、グラスファイバ208とインタフェース204とを介して照明ユニット202内に入射させられ、照明ユニット202により照明光線に形成される。
【0036】
図3には、1つの別の実施例による共焦点顕微鏡300が概略図で示されている。
【0037】
図3に示す共焦点顕微鏡300は、図1に示した共焦点顕微鏡100と、照明光路108が別のインタフェース302を有しており、インタフェース302を介して、共焦点顕微鏡300を外部の検出器ユニットに接続することができる、という点で相違している。別のインタフェース302は、例えばファイバカップリングであってよく、これにより、外部の検出器ユニットを、グラスファイバを介して照明光路108に連結することができる。択一的に、別のインタフェース302は、アダプタ光学系を有していてよい外部の検出器ユニット用のアダプタにより形成されてもよい。
【0038】
図4には、共焦点顕微鏡100を調整する方法のフローチャートが示されている。
【0039】
この方法は特に、図1図2または図3に示した共焦点顕微鏡100、200、300のうちの1つの制御ユニット128により実施され得る。この方法は特に、共焦点顕微鏡100、200、300の起動時に、例えば共焦点顕微鏡100、200、300のスイッチが入れられると自動的に実施される。択一的または追加的に、この方法は所定の時間間隔が経過した後に、規則的に自動的に実施されてもよい。
【0040】
ステップS400では、方法を開始する。ステップS402では、制御ユニット128が照明ユニット104、202を制御して、照明光線を生成する。外部の照明光源206が使用される場合には、制御ユニット128は特に、外部の照明光源206を制御することもできる。ステップS404では、制御ユニット128が走査ユニット118を制御し、これにより中間像119の平面内に配置されたテスト物体130を、照明光線により照明する。制御ユニット128は、択一的に顕微鏡ステージ132も制御し、これにより、テスト物体130を照明光線内に移動させてもよい。ステップS406では、センサ素子126により検出された、テスト物体130を起点とする検出光の強さが最適化されるまで、制御ユニット128が光変向素子122を変位させる。特に、センサ素子126により検出された、テスト物体130を起点とする検出光の強さが最大化されるまで、制御ユニット128が光変向素子122を変位させる。ステップS406については、以下で図4および図5に基づきさらに詳細に説明する。ステップS408では、方法を終了する。
【0041】
図5には、第1の実施例による、図4に示した方法の下位方法のフローチャートが示されている。
【0042】
図5に示す下位方法は、光変向素子122を最適に設定するために、ステップS406において実施される。図5に示す下位方法では、光変向素子122の設定を反復して行う。ステップS500では、下位方法を開始する。ステップS502では、制御ユニット128が光変向素子122を、連続する複数の段階で第1の軸線に沿って変位させる。この場合、制御ユニット128は光変向素子122を、所定の第1の段階幅でかつ第1の変位範囲内で変位させる。光変向素子122が第1の軸線に沿って変位させられる各段階において、センサ素子126が、テスト物体130を起点とする検出光の強さを検出する。ステップS504では、制御ユニット128が光変向素子122を第1の軸線に沿って、テスト物体130を起点とする検出光の検出された強さが最大の位置に変位させる。
【0043】
ステップS506では、制御ユニット128が光変向素子122を、連続する複数の段階で第2の軸線に沿って変位させる。好適には、この第2の軸線は、第1の軸線に対して垂直である。この場合、制御ユニット128は光変向素子122を、所定の第2の段階幅でかつ第2の変位範囲内で変位させる。第1の段階幅と第2の段階幅とは、同じ大きさであってよい。光変向素子122が第2の軸線に沿って変位させられる各段階でも、センサ素子126が、テスト物体130を起点とする検出光の強度を検出する。ステップS508では、制御ユニット128が光変向素子122を第2の軸線に沿って、テスト物体130を起点とする検出光の検出された強度が最大の位置に変位させる。ステップS502~S508は、ステップS504およびS508における、第1の軸線および第2の軸線に沿った光変向素子122の位置変化が、それぞれ所定の値よりも小さくなるまで繰り返される。
【0044】
任意のステップS510では、第1の変位範囲および/または第2の変位範囲を拡大し、その後、ステップS502~S508を、新規の変位範囲でもって繰り返す。任意のステップS512では、制御ユニット128がピンホール124を制御して、ピンホール124の直径を拡大し、その後、ステップS502~ステップS508を繰り返す。ステップS510およびS512は、特にステップS502およびS506において検出された強度がそれぞれ、所定の強度値よりも小さな値を有している場合に実施される。ステップS510およびS512は、各ステップにおいて最大値が特定され得ない場合でも、すなわち、光変向素子122の反復設定が収束しない場合でも実施され得る。例えば、ステップS502~S508を所定数繰り返した後に、第1の軸線および第2の軸線に沿った光変向素子122の位置変化が依然として所定の値よりも大きい場合に、ステップS510およびS512が実施され得る。ステップS514では、下位方法を終了する。
【0045】
図6には、第2の実施例による、図4に示した方法の下位方法のフローチャートが示されている。
【0046】
図6に示す下位方法は、光変向素子122を最適に設定するために、ステップS406において実施され、図5に示した下位方法に対する代替手段を成している。図6に示す下位方法では、光変向素子122の設定が、共焦点顕微鏡100,200により測定された強度分布を用いて行われる。
【0047】
ステップS600では、下位方法を開始する。ステップS602では、制御ユニット128が光変向素子122を、連続する複数の段階で第1の軸線に沿って変位させる。この場合、制御ユニット128は光変向素子122を、所定の第1の段階幅でかつ第1の変位範囲内で変位させる。光変向素子122が第1の軸線に沿って変位させられる各段階において、センサ素子126が、テスト物体130を起点とする検出光の強度を検出する。ステップS604では、制御ユニット128が光変向素子122を、第2の軸線に沿って所定の段階幅だけ変位させる。第2の軸線は、好適には第1の軸線に対して垂直である。ステップS602とS604とは、光変向素子122が第2の軸線に沿って、第2の変位範囲に相当する所定の値の分だけ変位させられるまで、交互に繰り返される。
【0048】
ステップS606では、制御ユニット128が、それぞれステップS602において検出された強度から、二次元強度分布を特定する。ステップS606では制御ユニット128がさらに、二次元強度分布の重心または最大値、とりわけ全体的な最大値を特定する。任意のステップS608では、第1の変位範囲および/または第2の変位範囲を拡大し、その後、ステップS602およびS604を、新規の変位範囲でもって繰り返す。任意のステップS610では、ピンホール124を制御して、ピンホール124の直径を拡大し、その後、ステップS602およびステップS604を繰り返す。任意のステップS608およびS610は特に、強度分布の重心および/または最大値を特定することができない場合に実施される。任意のステップS608およびS610は、強度分布の値が、重心もしくは最大値において所定の強度値より小さい場合にも実施され得る。
【0049】
ステップS612では、制御ユニット128が光変向素子122を第1の軸線および第2の軸線に沿って、二次元強度分布の重心もしくは最大値に相当する位置に変位させる。次いでステップS614では、下位方法を終了する。
【0050】
本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる全ての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。
【0051】
いくつかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が、対応する方法の説明も表していることが明らかであり、ここではブロックまたは装置がステップまたはステップの特徴に対応している。同様に、ステップの文脈において説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明も表している。
【符号の説明】
【0052】
100 共焦点顕微鏡
102 試料
104 照明ユニット
106 主光路
108 検出光路
110 ビームスプリッタ
112 照明光源
114 光学素子
116 対物レンズ
117 スキャン接眼レンズ
118 走査ユニット
119 中間像
120 ピンホール光学系
122 光変向素子
124 ピンホール
126 センサ素子
128 制御ユニット
130 テスト物体
132 顕微鏡ステージ
134 ケーシング
200 共焦点顕微鏡
202 照明ユニット
204 インタフェース
206 照明光源
208 グラスファイバ
300 共焦点顕微鏡
302 インタフェース
P1,P2,P3 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】