IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

特開2024-10955情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び印刷システム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び印刷システム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び印刷システム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び印刷システム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び印刷システム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び印刷システム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び印刷システム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び印刷システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010955
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び印刷システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240118BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240118BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G06F3/12 334
G06F3/12 310
G06F3/12 373
G06F3/12 329
G06F3/12 385
G03G21/00 510
G03G21/00 396
B41J29/38 301
B41J29/38 801
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112578
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 直弘
(72)【発明者】
【氏名】海保 浩
(72)【発明者】
【氏名】北澤 英明
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS02
2C061AS06
2C061HJ08
2C061HN02
2C061HN15
2C061HP00
2C061HP08
2C061HQ01
2C061HV02
2C061HV35
2C061HV60
2H270KA59
2H270KA61
2H270ND10
2H270ND11
2H270ND13
2H270ND16
2H270ND18
2H270RA03
2H270RA04
2H270RB09
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】エラーの原因となる項目を推定する。
【解決手段】サーバー装置200は、プリンター100と通信可能に接続するサーバー装置200であって、プリンター100は、第1プリンター100A、及び他のプリンター100Nを含み、第1プリンター100Aでエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報ERを、第1プリンター100Aから取得する第1取得部211と、エラー発生情報ERを取得した場合に、第1プリンター100Aの印刷動作を示す第1動作ログPL1と、正常に印刷動作する他のプリンター100Nの印刷動作を示す正常動作ログPLNと、を取得する第2取得部214と、第1動作ログPL1を正常動作ログPLNと比較する比較部215と、比較部215による比較結果に基づき、第1動作ログPL1に含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する推定部216と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置と通信可能に接続する情報処理装置であって、
前記印刷装置は、第1印刷装置、及び他の印刷装置を含み、
前記第1印刷装置でエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報を、前記第1印刷装置から取得する第1取得部と、
前記エラー発生情報を取得した場合に、前記第1印刷装置の印刷動作を示す第1動作ログと、正常に印刷動作する前記他の印刷装置の印刷動作を示す正常動作ログと、を取得する第2取得部と、
前記第1動作ログを前記正常動作ログと比較する比較部と、
前記比較部による比較結果に基づき、前記第1動作ログに含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する推定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記他の印刷装置は、第2印刷装置と、第3印刷装置とを含み、
前記エラー発生情報を取得した場合に、前記第1印刷装置の特徴を示す第1特徴情報と、前記第2印刷装置の特徴を示す第2特徴情報と、前記第3印刷装置の特徴を示す第3特徴情報と、を取得する第3取得部と、
前記第1特徴情報、前記第2特徴情報、及び前記第3特徴情報に基づいて、前記第2印刷装置、及び前記第3印刷装置のうち、前記正常動作ログを取得する印刷装置を選択する選択部と、
を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1特徴情報、前記第2特徴情報、及び前記第3特徴情報の各々は、前記印刷装置の製造番号、前記印刷装置の型式、前記印刷装置に対する設定値、前記印刷装置が印刷する画像を示す印刷データ、及び、前記印刷装置が配置された環境を示す環境情報、の少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1特徴情報、前記第2特徴情報、及び前記第3特徴情報の各々は、前記印刷装置の製造番号を含み、
前記選択部は、前記第2印刷装置の製造番号、及び前記第3印刷装置の製造番号のうち、前記第1印刷装置の製造番号に近い方の印刷装置を、前記正常動作ログを取得する印刷装置として選択する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1特徴情報、前記第2特徴情報、及び前記第3特徴情報の各々は、前記印刷装置の型式を含み、
前記選択部は、前記第2印刷装置の型式、及び前記第3印刷装置の型式のうち、前記第1印刷装置の型式に近い方の印刷装置を、前記正常動作ログを取得する印刷装置として選択する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1特徴情報、前記第2特徴情報、及び前記第3特徴情報の各々は、前記印刷装置に対する設定値、前記印刷装置によって印刷される画像を示す印刷データ、及び前記印刷装置が配置された環境を示す環境情報、の少なくとも1つを含み、
前記選択部は、前記第2特徴情報、及び前記第3特徴情報のうち、前記第1特徴情報と共通する項目の多い特徴情報に対応する印刷装置を、前記正常動作ログを取得する印刷装置として選択する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
印刷装置と通信可能に接続する情報処理装置の制御方法であって、
前記印刷装置は、第1印刷装置、及び他の印刷装置を含み、
前記第1印刷装置でエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報を、前記第1印刷装置から取得する第1取得ステップと、
前記エラー発生情報を取得した場合に、前記第1印刷装置の印刷動作を示す第1動作ログと、正常に印刷動作する前記他の印刷装置の印刷動作を示す正常動作ログと、を取得する第2取得ステップと、
前記第1動作ログを前記正常動作ログをと比較する比較ステップと、
前記比較ステップでの比較結果に基づき、前記第1動作ログに含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する推定ステップと、
含む、情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
印刷装置と、前記印刷装置と通信可能に接続する情報処理装置と、を備える印刷システムであって、
前記印刷装置は、第1印刷装置と、他の印刷装置と、を含み、
前記情報処理装置は、
前記第1印刷装置でエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報を、前記第1印刷装置から取得する第1取得部と、
前記エラー発生情報を取得した場合に、前記第1印刷装置の印刷動作を示す第1動作ログと、正常に印刷動作する前記他の印刷装置の印刷動作を示す正常動作ログと、を取得する第2取得部と、
前記第1動作ログを前記正常動作ログをと比較する比較部と、
前記比較部による比較結果に基づき、前記第1動作ログに含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する推定部と、
を備える、印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンターのエラーに関する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、プリンターの動作音を、プリンターが正常時の動作音、又はプリンターが異常時の動作音と比較することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-150797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、プリンターが正常であるか異常であるかを推定することは可能であるが、エラーの原因を推定することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための一態様は、印刷装置と通信可能に接続する情報処理装置であって、前記印刷装置は、第1印刷装置、及び他の印刷装置を含み、前記第1印刷装置でエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報を、前記第1印刷装置から取得する第1取得部と、前記エラー発生情報を取得した場合に、前記第1印刷装置の印刷動作を示す第1動作ログと、正常に印刷動作する前記他の印刷装置の印刷動作を示す正常動作ログと、を取得する第2取得部と、前記第1動作ログを前記正常動作ログと比較する比較部と、前記比較部による比較結果に基づき、前記第1動作ログに含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する推定部と、を備える。
【0006】
上記課題を解決するための他の一態様は、印刷装置と通信可能に接続する情報処理装置の制御方法であって、前記印刷装置は、第1印刷装置、及び他の印刷装置を含み、前記第1印刷装置でエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報を、前記第1印刷装置から取得する第1取得ステップと、前記エラー発生情報を取得した場合に、前記第1印刷装置の印刷動作を示す第1動作ログと、正常に印刷動作する前記他の印刷装置の印刷動作を示す正常動作ログと、を取得する第2取得ステップと、前記第1動作ログを前記正常動作ログをと比較する比較ステップと、前記比較ステップでの比較結果に基づき、前記第1動作ログに含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する推定ステップと、含む。
【0007】
上記課題を解決するための更に別の一態様は、印刷装置と、前記印刷装置と通信可能に接続する情報処理装置と、を備える印刷システムであって、前記印刷装置は、第1印刷装置、及び他の印刷装置を含み、前記情報処理装置は、前記第1印刷装置でエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報を、前記第1印刷装置から取得する第1取得部と、前記エラー発生情報を取得した場合に、前記第1印刷装置の印刷動作を示す第1動作ログと、正常に印刷動作する前記他の印刷装置の印刷動作を示す正常動作ログと、を取得する第2取得部と、前記第1動作ログを前記正常動作ログをと比較する比較部と、前記比較部による比較結果に基づき、前記第1動作ログに含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する推定部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る印刷システムの構成の一例を示す図。
図2】本実施形態に係るプリンターの構成の一例を示す側面図。
図3】プリンターの第1制御装置の構成の一例を示す図。
図4】本実施形態に係るサーバー装置の構成の一例を示す図。
図5】特徴情報の一例を示す図表。
図6】動作ログの一例を示す図表。
図7】サーバー装置の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
[1.印刷システムの全体構成]
図1は、本実施形態に係る印刷システム1の構成の一例を示す図である。
印刷システム1は、プリンター100と、サーバー装置200と、を備える。プリンター100は、第1プリンター100Aと、他のプリンター100Nとを含む。他のプリンター100Nは、第1プリンター100Aとは相違するプリンターであって、第2プリンター100Bと、第3プリンター100Cと、を含む。すなわち、プリンター100は、第1プリンター100Aと、第2プリンター100Bと、第3プリンター100Cと、を含む。
第1プリンター100A、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cの各々は、サーバー装置200と、ネットワークNWを介して、通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)である。
【0011】
第1プリンター100Aと、第2プリンター100Bと、第3プリンター100Cとは、略同一の構成を有する。そこで、以下の説明では、第1プリンター100Aと、第2プリンター100Bと、第3プリンター100Cとを区別しない場合には、第1プリンター100A、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cの各々を、プリンター100と記載する場合がある。
プリンター100は、「印刷装置」の一例に対応する。第1プリンター100Aは、「第1印刷装置」の一例に対応する。第2プリンター100B及び第3プリンター100Cの各々は、「他の印刷装置」の一例に対応する。第2プリンター100Bは、「第2印刷装置」の一例に対応する。第3プリンター100Cは、「第3印刷装置」の一例に対応する。
【0012】
プリンター100は、記録媒体Mに画像を印刷する。本実施形態では、プリンター100が、例えば、いわゆるインクジェット方式の大判プリンターである場合について説明する。また、プリンター100は、エラーが発生したときに、エラー発生情報ERをサーバー装置200へ送信する。また、プリンター100は、特徴情報JP、及び動作ログPLをサーバー装置200へ送信する。特徴情報JPは、プリンター100の特徴を示す。動作ログPLは、プリンター100の印刷動作に関するログである。
なお、本実施形態では、第1プリンター100Aでエラーが発生し、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cが正常に動作する場合について説明する。
プリンター100については、図2及び図3を参照して更に説明する。
【0013】
特徴情報JPについては、図5を参照して更に説明する。第1プリンター100Aの特徴情報JPを、第1特徴情報JP1と記載し、第2プリンター100Bの特徴情報JPを、第2特徴情報JP2と記載し、第3プリンター100Cの特徴情報JPを、第3特徴情報JP3と記載する。
動作ログPLについては、図6を参照して更に説明する。第1プリンター100Aの動作ログPLを、第1動作ログPL1と記載し、第2プリンター100Bの動作ログPLを、第2動作ログPL2と記載し、第3プリンター100Cの動作ログPLを、第3動作ログPL3と記載する。
【0014】
サーバー装置200は、プリンター100からエラー発生情報ERを受信した場合に、プリンター100から特徴情報JP、及び動作ログPLを取得する。
サーバー装置200は、「情報処理装置」の一例に対応する。
本実施形態では、サーバー装置200は、第1プリンター100Aからエラー発生情報ERを受信する場合について説明する。
【0015】
本実施形態では、サーバー装置200は、第1プリンター100A、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cと、Ethernet(登録商標)ケーブル等によって有線通信可能に接続される場合について説明するが、これに限定されない。サーバー装置200が、第1プリンター100A、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cと、Wi-Fi(登録商標)等によって無線通信可能に接続されてもよい。
また、本実施形態では、ネットワークNWがWANである場合について説明するが、これに限定されない。ネットワークNWが、例えば、インターネットでもよいし、LAN(Local Area Network)でもよい。
【0016】
[2.プリンターの構成]
次に、図2を参照して、プリンター100の構成について説明する。図2は、本実施形態に係るプリンター100の構成の一例を示す側面図である。
プリンター100は、記録媒体Mにインクを吐出して、記録媒体Mの印刷面に画像を形成するインクジェット式の大判プリンターである。
【0017】
プリンター100は、記録媒体Mにインクを吐出する印刷ヘッド111を備える。プリンター100は、印刷ヘッド111から複数の色のインクを吐出することによってカラー印刷を行う。例えば、印刷ヘッド111は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及びホワイトの5色のインクを、それぞれ異なるノズルから吐出する。プリンター100が使用するインクの色数は特に制限されない。印刷ヘッド111に対向する位置には、プラテン112が配置される。プラテン112は、平面状に形成された支持面112Aにおいて、印刷ヘッド111に対向する位置で記録媒体Mを支持する。
【0018】
記録媒体Mは、シート状であれば特に制限されず、紙、合成樹脂製のシート、布帛等を用いることができる。記録媒体Mは、定型サイズにカットされたカットシートであってもよいが、本実施形態では、長尺の記録媒体Mを用いる構成について説明する。
【0019】
プリンター100は、記録媒体Mがロール状に巻き回された繰出ローラー103を有する。プリンター100は、繰出ローラー103から繰り出された記録媒体Mを搬送する搬送ローラー105、及び搬送ローラー106を含む。
【0020】
搬送ローラー105、及び搬送ローラー106の各々は、一対のローラーによって記録媒体Mをニップして、記録媒体Mを搬送方向Fに送出する。印刷ヘッド111によって印刷された記録媒体Mは、巻取ローラー108に巻き取られる。搬送ローラー105、及び搬送ローラー106は、図略の搬送モーターによって駆動される。また、繰出ローラー103、及び巻取ローラー108は、搬送モーター又は他のモーターによって駆動される。
搬送ローラー105、及び搬送ローラー106は、プリンター100において記録媒体Mが搬送される搬送路FWに沿って配置され、図3を参照して後述する第1制御部160の制御に従って、記録媒体Mを搬送方向Fに搬送する。プリンター100は、繰出ローラー103から繰り出された記録媒体Mを搬送ローラー105に導く中継ローラー104、及び、記録媒体Mを巻取ローラー108に導く中継ローラー107を備える。中継ローラー104は、複数のローラーで構成されてもよい。中継ローラー107も同様である。
【0021】
プリンター100は、印刷ヘッド111によって印刷された記録媒体Mに対する測色を行う測色部121を有する。測色部121は、搬送方向Fにおいて印刷ヘッド111の下流に位置し、印刷ヘッド111が吐出するインクによって記録媒体Mの印刷面に形成された印刷画像を測色する。
なお、印刷ヘッド111と測色部121との間に、インクを定着させるための構成が設けられていてもよい。例えば、プリンター100が紫外線によって硬化するUVインクを用いて印刷を行う場合には、搬送方向Fにおいて印刷ヘッド111の下流に、紫外線照射装置が配置されてもよい。この場合には、測色部121は、紫外線照射装置の下流に配置される。また、プリンター100は、印刷ヘッド111の下流に、インクを乾燥させる乾燥装置が配置されてもよい。この場合には、測色部121は、乾燥装置の下流に配置される。
【0022】
本実施形態において、測色部121が測色を行う位置を測色位置Pと記載する。測色位置Pは、搬送方向Fにおける位置を示す。図2では、測色位置Pは、搬送方向Fにおいて印刷ヘッド111の下流に位置し、搬送ローラー106の上流に位置する。
【0023】
ここで、プラテン112の支持面112Aに対する垂直方向において、記録媒体Mに対して印刷ヘッド111側を、搬送路FWの上方と記載する。測色部121の各部は、搬送路FWに対して上方に配置されており、記録媒体Mにおいて印刷ヘッド111がインクを吐出した面に対向する。
【0024】
測色部121は、支持部材131に対向して配置される。支持部材131は、記録媒体Mを挟んで測色部121の反対側、すなわち搬送路FWの下方に位置する。支持部材131の上面は平面状であり、支持部材131の上面が記録媒体Mを支持する。
【0025】
次に、図3を参照して、プリンター100の第1制御装置150の構成について説明する。図3は、プリンター100の第1制御装置150の構成の一例を示す図である。
プリンター100は、第1制御装置150を備える。第1制御装置150は、第1制御部160、第1操作機構170、第1表示機構180、及び第1通信インターフェース190を備える。第1制御部160は、第1プロセッサー160A、及び第1メモリー160Bを備える。第1制御部160は、図2に示すプリンター100の各部の動作を制御する。第1制御部160には、印刷ヘッド111、測色部121、図略の各種モーターが接続される。
例えば、印刷ヘッド111は、第1制御部160からの指示に従って、インクを吐出して、記録媒体Mに印刷画像を形成する。
また、例えば、測色部121は、第1制御部160からの指示に従って、図略の測色素子による測色を実行し、色値を第1制御部160に出力する。
【0026】
第1プロセッサー160Aは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、マイコン等で構成される。第1プロセッサー160Aは、複数のプロセッサーにより構成されてもよいし、単一のプロセッサーで構成されてもよい。
第1プロセッサー160Aが、後述する各部の機能を実現するようにプログラムされたハードウェアであってもよい。すなわち、第1プロセッサー160Aは、第1制御プログラムPG1をハードウェア回路として搭載した構成であってもよい。この場合には、例えば、第1プロセッサー160Aは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成される。
以下の説明では、第1プロセッサー160Aが第1制御プログラムPG1を実行することによって、第1制御部160の各種の機能を実現する場合について説明する。
【0027】
第1メモリー160Bは、第1プロセッサー160Aが実行するプログラムや、第1プロセッサー160Aにより処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。第1メモリー160Bは、第1プロセッサー160Aが実行する第1制御プログラムPG1、及び、プリンター100の印刷動作に関する各種の設定値を含む設定データ等を記憶する。
第1メモリー160Bは、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。第1メモリー160Bは、不揮発性記憶領域として、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を備えてもよい。また、第1メモリー160Bは、揮発性記憶領域を備え、第1プロセッサー160Aが実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。第1メモリー160Bは、揮発性記憶領域として、例えば、RAM(Random Access Memory)等を備えてもよい。
【0028】
また、第1制御部160には、第1操作機構170、第1表示機構180、及び第1通信インターフェース190が接続される。
また、第1制御部160には、プリンター100の印刷動作に関する検出を行う各種のセンサーが接続される。例えば、繰出ローラー103に巻かれた記録媒体Mの残量を検出する残量センサー、プラテン112の上流及び下流の検出位置で記録媒体Mの有無を検出する媒体センサー等が接続される。また、印刷ヘッド111のノズルの詰まりを検出する各種のセンサーが接続されてもよい。
【0029】
第1操作機構170は、種々のキー、ボタン等を備え、ユーザー(例えば、プリンター100の作業者等)からの操作を受け付ける。そして、第1操作機構170は、受け付けた操作に対応する操作信号を生成し、生成した操作信号を第1制御部160へ出力する。
第1表示機構180は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、第1制御部160からの指示に従って、種々の画像をLCDに表示する。
第1通信インターフェース190は、コネクター及びインターフェース回路を備え、第1制御部160に接続される。本実施形態では、第1通信インターフェース190は、例えば、Ethernet(登録商標)規格に則って、サーバー装置200と通信するためのインターフェースである。
【0030】
また、図3に示すように、第1制御部160は、印刷制御部161、ログ生成部162、第1通信制御部163、設定条件記憶部164、第1特徴記憶部165、及び第1ログ記憶部166、を備える。これらの各部は、例えば、第1プロセッサー160Aが第1制御プログラムPG1を実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現される。
【0031】
設定条件記憶部164は、設定条件を記憶する。設定条件は、プリンター100の各部に設定する設定値と、印刷画像データとを含む。設定条件は、印刷制御部161によって設定条件記憶部164から読み出されて、プリンター100の各部に設定される。
【0032】
第1特徴記憶部165は、特徴情報JPを記憶する。特徴情報JPは、プリンター100の特徴を示す。特徴情報JPは、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3を含む。
第1プリンター100Aの第1特徴記憶部165は、第1特徴情報JP1を記憶する。第1特徴情報JP1は、第1プリンター100Aの特徴を示す。第2プリンター100Bの第1特徴記憶部165は、第2特徴情報JP2を記憶する。第2特徴情報JP2は、第2プリンター100Bの特徴を示す。第3プリンター100Cの第1特徴記憶部165は、第3特徴情報JP3を記憶する。第3特徴情報JP3は、第3プリンター100Cの特徴を示す。
【0033】
ここで、図5を参照して、特徴情報JPについて説明する。図5は、特徴情報JPの一例を示す図表である。図5に示すように、特徴情報JPは、製造番号310、型式320、設定値330、印刷データ340、及び環境情報350を含む。
【0034】
製造番号310は、プリンター100の製造番号である。換言すれば、製造番号310は、プリンター100の識別情報である。また、製造番号310は、プリンター100が製造された年月日時刻に応じて付与される。また、製造番号310は、プリンター100の製造ロットを示す。製造番号310は、例えば、プリンター100の製造時に、第1特徴記憶部165に記憶される。
【0035】
型式320は、プリンター100の型式である。型式320は、プリンター100を構成するハードウェア、及びソフトウェアの仕様を示す。型式320は、プリンター100の製造時に、第1特徴記憶部165に記憶される。
型式320は、例えば、英数字8桁で表される。型式320は、例えば、4桁のアルファベットと4桁の数字とで表される。型式320を構成する4桁のアルファベットは、例えば、プリンター100の用途、及び種類を示す。型式320を構成する4桁の数字は、プリンター100のバージョンを示す。型式320を構成する4桁の数字は、例えば、プリンター100のバージョンが新しい程、大きな数字が付与される。
本実施形態では、第1プリンター100A、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cの各々の型式320のうち、4桁のアルファベットは同一である。また、第1プリンター100A、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cの各々の型式320のうち、4桁の数字は、互いに相違する。
【0036】
設定値330は、印刷制御部161によって設定条件記憶部164から読み出されて、プリンター100の各部に設定される。設定値330は、印刷制御部161によってプリンター100の各部に設定される度に更新される。設定値330は、例えば、プリンター100の各部の動作を規定する。設定値330は、例えば、搬送ローラー105、及び搬送ローラー106による記録媒体Mの搬送速度の設定値、搬送ローラー105と搬送ローラー106との間における記録媒体Mの張力の設定値、中継ローラー107と巻取ローラー108との間における記録媒体Mの張力の設定値等を含む。
【0037】
印刷データ340は、印刷制御部161によって設定条件記憶部164から読み出されて、印刷ヘッド111に設定される。印刷データ340は、印刷制御部161によって印刷ヘッド111に設定される度に更新される。印刷データ340は、例えば、印刷画像のサイズ、印刷画像の記録媒体Mへの印刷位置等を含む。
【0038】
環境情報350は、プリンター100が配置された環境の状態を示す。環境情報350は、例えば、プリンター100が配置された場所の温度情報、及び湿度情報を含む。温度情報は、第1制御部160によって、プリンター100の周囲に配置された温度センサーから取得され、第1特徴記憶部165に記憶される。湿度情報は、第1制御部160によって、プリンター100の周囲に配置された湿度センサーから取得され、第1特徴記憶部165に記憶される。
【0039】
なお、以下の説明では、第1プリンター100Aの製造番号310を、第1番号311と記載し、第2プリンター100Bの製造番号310を、第2番号312と記載し、第3プリンター100Cの製造番号310を、第3番号313と記載する。また、第1プリンター100Aの型式320を、第1型式321と記載し、第2プリンター100Bの型式320を、第2型式322と記載し、第3プリンター100Cの型式320を、第3型式323と記載する。
【0040】
再び、図3に戻って、第1制御部160の構成について説明する。
第1ログ記憶部166は、動作ログPLを記憶する。動作ログPLは、ログ生成部162によって生成され、生成された動作ログPLが第1ログ記憶部166に記憶される。動作ログPLは、第1動作ログPL1、第2動作ログPL2、及び第3動作ログPL3を含む。
第1プリンター100Aの第1ログ記憶部166は、第1動作ログPL1を記憶する。第1動作ログPL1は、第1プリンター100Aのログ生成部162によって生成される。第2プリンター100Bの第1ログ記憶部166は、第2動作ログPL2を記憶する。第2動作ログPL2は、第2プリンター100Bのログ生成部162によって生成される。第3プリンター100Cの第1ログ記憶部166は、第3動作ログPL3を記憶する。第3動作ログPL3は、第3プリンター100Cのログ生成部162によって生成される。
【0041】
印刷制御部161は、設定条件記憶部164に記憶された設定条件を読み出して、プリンター100の各部に設定する。そして、印刷制御部161は、プリンター100に印刷動作を実行させる。また、印刷制御部161は、プリンター100にエラーが発生した場合に、エラー発生情報ERを生成し、生成したエラー発生情報ERをサーバー装置200へ送信する。エラー発生情報ERは、エラーが発生したことを示す。また、エラー発生情報ERは、発生したエラーの種類及び内容の少なくとも一方を示す情報を含んでもよい。
【0042】
ログ生成部162は、プリンター100の印刷動作に関するログである動作ログPLを生成する。ログ生成部162は、動作ログPLを、例えば、定期的に生成する。また、ログ生成部162は、動作ログPLを、例えば、サーバー装置200からの指示に応じて生成する。
そして、ログ生成部162は、生成した動作ログPLを、第1ログ記憶部166に記憶させる。また、ログ生成部162は、サーバー装置200からの指示に応じて、動作ログPLをサーバー装置200へ送信する。
動作ログPLについては、図6を参照して更に説明する。
【0043】
第1通信制御部163は、第1通信インターフェース190を介して、サーバー装置200との間の通信を制御する。第1通信制御部163は、例えば、サーバー装置200へ、エラー発生情報ER、特徴情報JP、及び動作ログPLを送信する。
【0044】
[3.サーバー装置の構成]
次に、図4を参照して、サーバー装置200の構成について説明する。図4は、本実施形態に係るサーバー装置200の構成の一例を示す図である。図4に示すように、サーバー装置200は、第2制御部210、第2操作機構220、第2表示機構230、及び第2通信インターフェース240を備える。第2制御部210は、第2プロセッサー210A、及び第2メモリー210Bを備える。第2制御部210は、サーバー装置200の各部の動作を制御する。
【0045】
第2プロセッサー210Aは、CPU、DSP、マイコン等で構成される。第2プロセッサー210Aは、複数のプロセッサーにより構成されてもよいし、単一のプロセッサーで構成されてもよい。
第2プロセッサー210Aが、後述する各部の機能を実現するようにプログラムされたハードウェアであってもよい。すなわち、第2プロセッサー210Aは、第2制御プログラムPG2をハードウェア回路として搭載した構成であってもよい。この場合には、例えば、第2プロセッサー210Aは、ASIC、FPGA等で構成される。
以下の説明では、第2プロセッサー210Aが第2制御プログラムPG2を実行することによって、第2制御部210の各種の機能を実現する場合について説明する。
【0046】
第2メモリー210Bは、第2プロセッサー210Aが実行するプログラムや、第2プロセッサー210Aにより処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。第2メモリー210Bは、第2プロセッサー210Aが実行する第2制御プログラムPG2、及び、サーバー装置200の動作に関する各種の画像データ、設定データ等を記憶する。
第2メモリー210Bは、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。第2メモリー210Bは、不揮発性記憶領域として、例えば、ROM、HDD、SSD等を備えてもよい。また、第2メモリー210Bは、揮発性記憶領域を備え、第2プロセッサー210Aが実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。第2メモリー210Bは、揮発性記憶領域として、例えば、RAM等を備えてもよい。
【0047】
また、第2制御部210には、第2操作機構220、第2表示機構230、及び第2通信インターフェース240が接続される。
【0048】
第2操作機構220は、種々のキー、ボタン等を備え、ユーザー(例えば、サーバー装置200の管理者、プリンター100の設計者、プリンター100のメンテナンス担当者等)からの操作を受け付ける。そして、第2操作機構220は、受け付けた操作に対応する操作信号を生成し、生成した操作信号を第2制御部210へ出力する。
第2表示機構230は、LCD等を備え、第2制御部210からの指示に従って、種々の画像をLCDに表示する。
第2通信インターフェース240は、コネクター及びインターフェース回路を備え、第2制御部210に接続される。本実施形態では、第2通信インターフェース240は、例えば、Ethernet(登録商標)規格に則って、第1プリンター100A、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cの各々と通信するためのインターフェースである。
【0049】
また、図4に示すように、第2制御部210は、第1取得部211、第3取得部212、選択部213、第2取得部214、比較部215、推定部216、第2通信制御部217、第2特徴記憶部218、及び第2ログ記憶部219を備える。これらの各部は、例えば、第2プロセッサー210Aが第2制御プログラムPG2を実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現される。
【0050】
第2特徴記憶部218は、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3を記憶する。第1特徴情報JP1は、第3取得部212によって第1プリンター100Aから取得され、第2特徴記憶部218に記憶される。第2特徴情報JP2は、第3取得部212によって第2プリンター100Bから取得され、第2特徴記憶部218に記憶される。第3特徴情報JP3は、第3取得部212によって第3プリンター100Cから取得され、第2特徴記憶部218に記憶される。
【0051】
第2ログ記憶部219は、動作ログPLを記憶する。動作ログPLは、第1動作ログPL1と、正常動作ログPLNとを含む。第1動作ログPL1は、第2取得部214によって、第1プリンター100Aから取得され、第2ログ記憶部219に記憶される。
正常動作ログPLNは、正常に動作するプリンター100の動作ログPLである。本実施形態では、正常動作ログPLNは、第2動作ログPL2、又は第3動作ログPL3である。第2動作ログPL2は、第2取得部214によって、第2プリンター100Bから取得され、第2ログ記憶部219に記憶される。第3動作ログPL3は、第2取得部214によって、第3プリンター100Cから取得され、第2ログ記憶部219に記憶される。
【0052】
第1取得部211は、第1プリンター100Aでエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報ERを、第1プリンター100Aから取得する。
【0053】
第3取得部212は、第1特徴情報JP1を第1プリンター100Aから取得し、第2特徴情報JP2を第2プリンター100Bから取得し、第3特徴情報JP3を第3プリンター100Cから取得する。そして、第3取得部212は、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3を第2特徴記憶部218に記憶させる。
【0054】
選択部213は、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3に基づいて、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cのうち、第2取得部214が正常動作ログPLNを取得するプリンター100を選択する。
【0055】
例えば、選択部213は、第2番号312及び第3番号313のうち、第1番号311に近い方の製造番号310に対応するプリンター100を、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。第1番号311は、第1プリンター100Aの製造番号310であり、第2番号312は、第2プリンター100Bの製造番号310であり、第3番号313は、第3プリンター100Cの製造番号310である。
換言すれば、第2番号312が第3番号313よりも第1番号311に近い場合には、選択部213は、第2プリンター100Bを、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。また、第3番号313が第2番号312よりも第1番号311に近い場合には、選択部213は、第3プリンター100Cを、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。
【0056】
また、例えば、選択部213は、第2型式322及び第3型式323のうち、第1型式321に近い方の型式320に対応するプリンター100を、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。第1型式321は、第1プリンター100Aの型式320であり、第2型式322は、第2プリンター100Bの型式320であり、第3型式323は、第3プリンター100Cの型式320である。
換言すれば、第2型式322が第3型式323よりも第1型式321に近い場合には、選択部213は、第2プリンター100Bを、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。また、第3型式323が第2型式322よりも第1型式321に近い場合には、選択部213は、第3プリンター100Cを、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。
【0057】
また、例えば、選択部213は、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3のうち、第1特徴情報JP1と共通する項目の多い特徴情報JPに対応するプリンター100を、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。この場合、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2及び第3特徴情報JP3の各々は、例えば、設定値330、印刷データ340、及び環境情報350である。
換言すれば、第2特徴情報JP2に含まれる設定値330~環境情報350が、第3特徴情報JP3に含まれる設定値330~環境情報350よりも、第1特徴情報JP1に含まれる設定値330~環境情報350と共通する項目が多い場合には、選択部213は、第2プリンター100Bを、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。また、第3特徴情報JP3に含まれる設定値330~環境情報350が、第2特徴情報JP2に含まれる設定値330~環境情報350よりも、第1特徴情報JP1に含まれる設定値330~環境情報350と共通する項目が多い場合には、選択部213は、第3プリンター100Cを、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。
【0058】
ここで、「共通する項目」とは、設定値330、印刷データ340、及び環境情報350の各々を構成する項目のうち、例えば、数値が互いに近似する項目を意味する。
例えば、項目が設定値330に含まれる記録媒体Mの搬送速度の設定値VSである場合には、選択部213は、次の式(1)を満たす場合に「共通する項目」であると判定する。
(VS-VS1)/(VSX-VSN)≦THV (1)
ここで、設定値VSは、第2特徴情報JP2又は第3特徴情報JP3に含まれる設定値330における記録媒体Mの搬送速度の設定値である。設定値VS1は、第1特徴情報JP1に含まれる設定値330における記録媒体Mの搬送速度の設定値である。最大値VSXは、プリンター100における搬送速度の最大値である。最小値VSNは、プリンター100における搬送速度の最小値である。速度閾値THVは、記録媒体Mの搬送速度の設定値が「共通する項目」であるか否かを判定する閾値である。速度閾値THVは、例えば、「0.05」である。
【0059】
また、例えば、項目が環境情報350に含まれるプリンター100が配置された場所の温度Tである場合には、選択部213は、次の式(2)を満たす場合に「共通する項目」であると判定する。
(T-T1)/(TX-TN)≦THT (2)
ここで、温度Tは、第2特徴情報JP2又は第3特徴情報JP3に含まれる環境情報350のうち、プリンター100(第2プリンター100B、又は第3プリンター100C)が配置された場所の温度である。温度T1は、第1特徴情報JP1に含まれる環境情報350のうち、第1プリンター100Aが配置された場所の温度である。最大値TXは、プリンター100が配置された場所の温度の最大値である。最大値TXは、例えば、30℃である。最小値VSNは、プリンター100が配置された場所の温度の最小値である。最小値VSNは、例えば、10℃である。温度閾値THTは、プリンター100が配置された場所の温度が「共通する項目」であるか否かを判定する閾値である。温度閾値THTは、例えば、「0.1」である。
【0060】
第2取得部214は、エラー発生情報ERを取得した場合に、第1プリンター100Aの印刷動作を示す第1動作ログPL1と、正常に印刷動作する他のプリンター100Nの印刷動作を示す正常動作ログPLNと、を取得する。本実施形態では、他のプリンター100Nは、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cである。また、第2取得部214は、第1動作ログPL1と正常動作ログPLNとを第2ログ記憶部219に記憶させる。
換言すれば、第2取得部214は、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cのうち、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択部213が選択したプリンター100から正常動作ログPLNを取得する。
【0061】
例えば、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択部213が第2プリンター100Bを選択した場合には、第2取得部214は、以下の処理を実行する。すなわち、第2取得部214は、第1動作ログPL1を第1プリンター100Aから取得し、正常動作ログPLNとして第2動作ログPL2を第2プリンター100Bから取得する。
また、例えば、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択部213が第3プリンター100Cを選択した場合には、第2取得部214は、以下の処理を実行する。すなわち、第2取得部214は、第1動作ログPL1を第1プリンター100Aから取得し、正常動作ログPLNとして第3動作ログPL3を第3プリンター100Cから取得する。
【0062】
比較部215は、第1動作ログPL1を正常動作ログPLNと比較する。比較部215は、動作ログPLを構成する項目ごとに、第1動作ログPL1を正常動作ログPLNと比較する。また、比較部215は、動作ログPLを構成する項目のうち、第1動作ログPL1と正常動作ログPLNとの差が顕著な項目を抽出する。
【0063】
項目が数値で表される場合には、比較部215は、例えば、次の式(3)を満たす場合に、「差が顕著な項目」であると判定する。
ΔP/ΔQ≧THP (3)
ここで、差分値ΔPは、第1動作ログPL1と正常動作ログPLNとの差分値である。範囲ΔQは、項目が取り得る値の範囲である。換言すれば、範囲ΔQは、項目が取り得る最大値と、項目が取り得る最小値との差分値である。閾値THPは、「差が顕著な項目」であるか否かを判定する閾値である。閾値THPは、例えば、「0.5」である。
【0064】
項目が制御対象の実測値である場合には、比較部215は、例えば、次の式(4)を満たす場合に、「差が顕著な項目」であると判定する。
ΔAC≧THA (4)
ここで、制御精度差分値ΔACは、第1動作ログPL1に含まれる制御精度AC1と、正常動作ログPLNに含まれる制御精度ACNとの差分値である。制御精度閾値THAは、「差が顕著な項目」であるか否かを判定する閾値である。制御精度閾値THAは、例えば、「3%」である。
【0065】
項目が数値で表されない場合には、例えば、「差が顕著な項目」であるか否かを判定する条件を予め設定しておき、比較部215は、この条件を満たす場合に「差が顕著な項目」であると判定する。
【0066】
推定部216は、比較部215の比較結果に基づき、第1動作ログPL1に含まれる項目の中から、エラー発生情報ERの示すエラーと関連する項目を推定する。なお、エラー発生情報ERの示すエラーと関連する項目は、エラーの原因となる項目の候補である。
推定部216は、例えば、比較部215が「差が顕著な項目」として抽出した項目を、エラー発生情報ERの示すエラーと関連する項目であると推定する。「差が顕著な項目」とは、動作ログPLを構成する項目のうち、第1動作ログPL1と正常動作ログPLNとの差が顕著な項目である。
【0067】
第2通信制御部217は、エラー発生情報ER、特徴情報JP、及び動作ログPLをプリンター100から受信する。具体的には、第2通信制御部217は、エラー発生情報ER、第1特徴情報JP1、及び第1動作ログPL1を第1プリンター100Aから取得する。また、第2通信制御部217は、第2特徴情報JP2、及び第2動作ログPL2を第2プリンター100Bから取得する。また、第2通信制御部217は、第3特徴情報JP3、及び第3動作ログPL3を第3プリンター100Cから取得する。
【0068】
[4.動作ログ]
次に、図6を参照して、動作ログPLについて説明する。図6は、動作ログPLの一例を示す図表である。図6に示すように、動作ログPLは、シーケンスログ410と、メモリーログ420と、詳細ログ430と、制御関連メモリーログ440とを含む。
【0069】
シーケンスログ410は、プリンター100の動作シーケンスを示すログである。メモリーログ420、及び制御関連メモリーログ440は、プリンター100の制御挙動を示すログである。
【0070】
詳細ログ430は、PID(Proportional―Integral―Differential)制御ログ431と、ATC(Automatic Tension Control)制御ログ432と、巻取制御ログ433と、テンションログ434と、測色調整ログ435と、を含む。
【0071】
PID制御ログ431は、プリンター100の搬送ローラー105、及び搬送ローラー106による記録媒体Mの搬送速度に対するPID制御の挙動を示すログである。ATC制御ログ432は、搬送ローラー105と搬送ローラー106との間の記録媒体Mに付与される張力に対する制御の挙動を示すログである。巻取制御ログ433は、中継ローラー107と巻取ローラー108との間の記録媒体Mに付与される張力に対する制御の挙動を示すログである。テンションログ434は、搬送ローラー105と搬送ローラー106との間の記録媒体Mに付与される張力の挙動を示すログである。測色調整ログ435は、測色部121の調整結果を示すログである。
【0072】
図6に示すように、動作ログPLは、シーケンスログ410と、メモリーログ420と、詳細ログ430と、制御関連メモリーログ440と、を含む。また、詳細ログ430は、PID制御ログ431、ATC制御ログ432、巻取制御ログ433、テンションログ434、及び測色調整ログ435を含む。したがって、推定部216は、比較部215の比較結果に基づき、第1動作ログPL1に含まれる項目の中から、エラーの原因となる項目を推定することが可能になる。
【0073】
本実施形態では、動作ログPLが詳細ログ430として、PID制御ログ431、ATC制御ログ432、巻取制御ログ433、テンションログ434、及び測色調整ログ435を含む場合について説明するが、これに限定されない。第1動作ログPL1が詳細ログ430として、PID制御ログ431、ATC制御ログ432、巻取制御ログ433、テンションログ434、及び測色調整ログ435に加えて、他のログを含んでもよい。また、動作ログPLとして取得するログの内容を、ユーザー(例えば、プリンター100の設計者、プリンター100のメンテナンス担当者等)が、サーバー装置200を介して、プリンター100に設定してもよい。この場合には、ユーザーの利便性を向上できる。
【0074】
本実施形態では、動作ログPLがシーケンスログ410と、メモリーログ420と、詳細ログ430と、制御関連メモリーログ440と、を含む場合について説明するが、これに限定されない。動作ログPLが、少なくとも、シーケンスログ410と、メモリーログ420と、制御関連メモリーログ440と、を含めばよい。シーケンスログ410、メモリーログ420、及び制御関連メモリーログ440によって、プリンター100の挙動の概要が把握できるからである。
【0075】
[5.制御部の処理]
次に、図7を参照して、サーバー装置200の第2制御部210の処理について説明する。図7は、サーバー装置200の処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図7では、選択部213が、製造番号310及び型式320に基づいて、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cのうち、正常動作ログPLNを取得するプリンター100を選択する場合について説明する。
【0076】
図7に示すように、まず、ステップS101において、第1取得部211は、エラー発生情報ERを、第1プリンター100Aから取得したか否かを判定する。
エラー発生情報ERを取得していないと第1取得部211が判定した場合(ステップS101;NO)には、処理が待機状態になる。エラー発生情報ERを取得したと第1取得部211が判定した場合(ステップS101;YES)には、処理がステップS103へ進む。
そして、ステップS103において、第3取得部212は、第1特徴情報JP1を第1プリンター100Aから取得し、第2特徴情報JP2を第2プリンター100Bから取得し、第3特徴情報JP3を第3プリンター100Cから取得する。
【0077】
次に、ステップS105において、選択部213は、第2型式322が第3型式323よりも第1型式321に近いか否かを判定する。第1型式321は、第1プリンター100Aの型式320であり、第2型式322は、第2プリンター100Bの型式320であり、第3型式323は、第3プリンター100Cの型式320である。
第2型式322が第3型式323よりも第1型式321に近いと選択部213が判定した場合(ステップS105;YES)には、処理がステップS117へ進む。第2型式322が第3型式323よりも第1型式321に近くはないと選択部213が判定した場合(ステップS105;NO)には、処理がステップS107へ進む。
そして、ステップS107において、選択部213は、第3型式323が第2型式322よりも第1型式321に近いか否かを判定する。
第3型式323が第2型式322よりも第1型式321に近いと選択部213が判定した場合(ステップS107;YES)には、処理がステップS113へ進む。第3型式323が第2型式322よりも第1型式321に近くはないと選択部213が判定した場合(ステップS107;NO)には、処理がステップS109へ進む。例えば、第2型式322及び第3型式323の各々が、第1型式321と同一の型式である場合に、処理がステップS109へ進む。
【0078】
そして、ステップS109において、選択部213は、第2番号312が第3番号313よりも第1番号311に近いか否かを判定する。第1番号311は、第1プリンター100Aの製造番号310である。第2番号312は、第2プリンター100Bの製造番号310である。第3番号313は、第3プリンター100Cの製造番号310である。
第2番号312が第3番号313よりも第1番号311に近いと選択部213が判定した場合(ステップS109;YES)には、処理がステップS117へ進む。第2番号312が第3番号313よりも第1番号311に近くはないと選択部213が判定した場合(ステップS109;NO)には、処理がステップS111へ進む。
そして、ステップS111において、選択部213は、第3番号313が第2番号312よりも第1番号311に近いと判定する。
次に、ステップS113において、選択部213は、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として、第3プリンター100Cを選択する。
次に、ステップS115において、第2取得部214は、第3プリンター100Cから第3動作ログPL3を正常動作ログPLNとして取得する。そして、処理がステップS121へ進む。
【0079】
ステップS105でYESの場合、又は、ステップS109でYESの場合には、ステップS117において、選択部213は、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として、第2プリンター100Bを選択する。
次に、ステップS119において、第2取得部214は、第2プリンター100Bから第2動作ログPL2を正常動作ログPLNとして取得する。
次に、ステップS121において、比較部215は、第1動作ログPL1を正常動作ログPLNと比較する。
次に、ステップS123において、推定部216は、比較部215の比較結果に基づき、第1動作ログPL1に含まれる項目の中から、エラー発生情報ERの示すエラーと関連する項目を推定する。その後、処理が終了する。
【0080】
なお、ステップS101は、「第1取得ステップ」の一例に対応する。ステップS115及びステップS119は、「第2取得ステップ」の一例に対応する。ステップS121は、「比較ステップ」の一例に対応する。ステップS123は、「推定ステップ」の一例に対応する。
【0081】
図7では、選択部213が、製造番号310及び型式320に基づいて、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cのうち、正常動作ログPLNを取得するプリンター100を選択する場合について説明するが、これに限定されない。
選択部213は、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3に基づいて、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cのうち、第2取得部214が正常動作ログPLNを取得するプリンター100を選択すればよい。
選択部213は、例えば、特徴情報JPに含まれる設定値330~環境情報350に基づいて、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cのうち、第2取得部214が正常動作ログPLNを取得するプリンター100を選択してもよい。選択部213は、例えば、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3のうち、第1特徴情報JP1と共通する項目の多い特徴情報JPに対応するプリンター100を、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。
【0082】
[6.構成と効果]
以上説明したように、本実施形態のサーバー装置200は、プリンター100と通信可能に接続するサーバー装置200であって、プリンター100は、第1プリンター100A、及び他のプリンター100Nを含み、第1プリンター100Aでエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報ERを、第1プリンター100Aから取得する第1取得部211と、エラー発生情報ERを取得した場合に、第1プリンター100Aの印刷動作を示す第1動作ログPL1と、正常に印刷動作する他のプリンター100Nの印刷動作を示す正常動作ログPLNと、を取得する第2取得部214と、第1動作ログPL1を正常動作ログPLNと比較する比較部215と、比較部215による比較結果に基づき、第1動作ログPL1に含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する推定部216と、を備える。
【0083】
この構成によれば、第1動作ログPL1を正常動作ログPLNと比較し、その結果に基づき、第1動作ログPL1に含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する。
よって、第1動作ログPL1を正常動作ログPLNと比較するため、第1動作ログPL1に含まれる項目の中から、エラーと関連する項目を適正に推定できる。したがって、エラーの原因となる項目を推定することが可能になる。
【0084】
また、他のプリンター100Nは、第2プリンター100Bと、第3プリンター100Cとを含み、エラー発生情報ERを取得した場合に、第1プリンター100Aの特徴を示す第1特徴情報JP1と、第2プリンター100Bの特徴を示す第2特徴情報JP2と、第3プリンター100Cの特徴を示す第3特徴情報JP3と、を取得する第3取得部212と、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3に基づいて、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cのうち、正常動作ログPLNを取得するプリンター100を選択する選択部213と、を備える。
この構成によれば、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3に基づいて、第2プリンター100B、及び第3プリンター100Cのうち、正常動作ログPLNを取得するプリンター100を選択する。
よって、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3の各々を構成する項目を適正に設定することによって、正常動作ログPLNを取得するプリンター100を適正に選択できる。したがって、適正な正常動作ログPLNを取得できる。
【0085】
また、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3の各々は、プリンター100の製造番号310、プリンター100の型式320、プリンター100に対する設定値330、プリンター100が印刷する画像を示す印刷データ340、及び、プリンター100が配置された環境を示す環境情報350、の少なくとも1つを含む。
この構成によれば、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3の各々は、プリンター100の製造番号310、プリンター100の型式320、プリンター100に対する設定値330、プリンター100が印刷する画像を示す印刷データ340、及び、プリンター100が配置された環境を示す環境情報350、の少なくとも1つを含む。
よって、正常動作ログPLNを取得するプリンター100を適正に選択できる。したがって、適正な正常動作ログPLNを取得できる。
【0086】
また、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3の各々は、プリンター100の製造番号310を含み、選択部213は、第2プリンター100Bの製造番号310(第2番号312)、及び第3プリンター100Cの製造番号310(第3番号313)のうち、第1プリンター100Aの製造番号310(第1番号311)に近い方のプリンター100を、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。
この構成によれば、第2番号312、及び第3番号313のうち、第1番号311に近い方のプリンター100を、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。
よって、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として第1番号311に近い製造番号310のプリンター100を選択するため、正常動作ログPLNを取得するプリンター100を適正に選択できる。したがって、適正な正常動作ログPLNを取得できる。
【0087】
また、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3の各々は、プリンター100の型式320を含み、選択部213は、第2プリンター100Bの型式320(第2型式322)、及び第3プリンター100Cの型式320(第3型式323)のうち、第1プリンター100Aの型式320(第1型式321)に近い方のプリンター100を、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。
この構成によれば、第2型式322、及び第3型式323のうち、第1型式321に近い方のプリンター100を、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。
よって、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として第1型式321に近い型式320のプリンター100を選択するため、正常動作ログPLNを取得するプリンター100を適正に選択できる。したがって、適正な正常動作ログPLNを取得できる。
【0088】
また、第1特徴情報JP1、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3の各々は、プリンター100に対する設定値330、プリンター100によって印刷される画像を示す印刷データ340、及びプリンター100が配置された環境を示す環境情報350、の少なくとも1つを含み、選択部213は、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3のうち、第1特徴情報JP1と共通する項目の多い特徴情報に対応するプリンター100を、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。
この構成によれば、第2特徴情報JP2、及び第3特徴情報JP3のうち、第1特徴情報JP1と共通する項目の多い特徴情報に対応するプリンター100を、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として選択する。
よって、正常動作ログPLNを取得するプリンター100として第1特徴情報JP1と共通する項目の多い特徴情報に対応するプリンター100を選択するため、正常動作ログPLNを取得するプリンター100を適正に選択できる。したがって、適正な正常動作ログPLNを取得できる。
【0089】
本実施形態のサーバー装置200の制御方法は、プリンター100と通信可能に接続するサーバー装置200の制御方法であって、プリンター100は、第1プリンター100A、及び他のプリンター100Nを含み、第1プリンター100Aでエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報ERを、第1プリンター100Aから取得する第1取得ステップと、エラー発生情報ERを取得した場合に、第1プリンター100Aの印刷動作を示す第1動作ログPL1と、正常に印刷動作する他のプリンター100Nの印刷動作を示す正常動作ログPLNと、を取得する第2取得ステップと、第1動作ログPL1を正常動作ログPLNと比較する比較ステップと、前記比較ステップでの比較結果に基づき、第1動作ログPL1に含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する推定ステップと、含む。
本実施形態のサーバー装置200の制御方法によれば、本実施形態のサーバー装置200と同様の作用効果を奏する。
【0090】
本実施形態の印刷システム1は、プリンター100と、プリンター100と通信可能に接続するサーバー装置200と、を備える印刷システム1であって、プリンター100は、第1プリンター100A、及び他のプリンター100Nを含み、サーバー装置200は、第1プリンター100Aでエラーが発生した場合に、エラーが発生したことを示すエラー発生情報ERを、第1プリンター100Aから取得する第1取得部211と、エラー発生情報ERを取得した場合に、第1プリンター100Aの印刷動作を示す第1動作ログPL1と、正常に印刷動作する他のプリンター100Nの印刷動作を示す正常動作ログPLNと、を取得する第2取得部214と、第1動作ログPL1を正常動作ログPLNと比較する比較部215と、比較部215による比較結果に基づき、第1動作ログPL1に含まれる項目の中から、前記エラーと関連する項目を推定する推定部216と、を備える。
本実施形態の印刷システム1によれば、本実施形態のサーバー装置200と同様の作用効果を奏する。
【0091】
[7.他の実施形態]
上述した実施形態は、本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0092】
本実施形態では、便宜上、印刷システム1が3台のプリンター100を含む場合について説明するが、これに限定されない。印刷システム1が4台以上のプリンター100を含んでもよい。
また、本実施形態では、他のプリンター100Nが、第2プリンター100Bと、第3プリンター100Cとを含む場合について説明するが、これに限定されない。他のプリンター100Nが、3台以上のプリンター100を含んでもよい。
【0093】
また、本実施形態では、プリンター100が、インクジェット方式の大判プリンターである場合について説明するが、いわゆる、ビジネスプリンターでも良いし、家庭用プリンターでも良い。
また、本実施形態では、「情報処理装置」がサーバー装置200である場合について説明するが、これに限定されない。「情報処理装置」が、例えば、パーソナルコンピューターでもよいし、タブレット端末でもよいし、スマートフォンでもよい。
【0094】
また、本実施形態では、特徴情報JPが、製造番号310、型式320、設定値330、印刷データ340、及び環境情報350を含む場合について説明するが、これに限定されない。特徴情報JPが、製造番号310、型式320、設定値330、印刷データ340、及び環境情報350の少なくとも1つを含めばよい。例えば、特徴情報JPが、製造番号310、及び型式320で構成されてもよい。また、例えば、特徴情報JPが、設定値330、印刷データ340、及び環境情報350で構成されてもよい。また、特徴情報JPが、例えば、動作ログPLを含んでもよい。
【0095】
また、例えば、図7のフローチャートの処理単位は、サーバー装置200の第2制御部210の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割してもよい。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、その処理の順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0096】
また、図3、及び図4の各々に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プリンター100、及びサーバー装置200の各々における他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0097】
また、図4に示すサーバー装置200の第2制御部210の機能ブロックは、サーバー装置200の第2制御部210が備える第2プロセッサー210Aに、第2メモリー210Bに記憶された第2制御プログラムPG2を実行させることで実現できる。また、この第2制御プログラムPG2は、コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。
記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、サーバー装置200の第2制御部210が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。また、この第2制御プログラムPG2を他のサーバー装置等に記憶させておき、他のサーバー装置からサーバー装置200の第2制御部210に、第2制御プログラムPG2をダウンロードすることでサーバー装置200の第2制御部210の機能ブロックを実現することもできる。
【符号の説明】
【0098】
1…印刷システム、100…プリンター(印刷装置)、100A…第1プリンター(第1印刷装置)、100B…第2プリンター(他の印刷装置、第2印刷装置)、100C…第3プリンター(他の印刷装置、第3印刷装置)、100N…他のプリンター(他の印刷装置)、111…印刷ヘッド、121…測色部、200…サーバー装置(情報処理装置)、210…第2制御部、211…第1取得部、212…第3取得部、213…選択部、214…第2取得部、215…比較部、216…推定部、217…第2特徴記憶部、218…第2ログ記憶部、310…製造番号、320…型式、330…設定値、340…印刷データ、350…環境情報、ER…エラー発生情報、JP…特徴情報、JP1…第1特徴情報、JP2…第2特徴情報、JP3…第3特徴情報、PG2…第2制御プログラム、PL…動作ログ、PL1…第1動作ログ、PL2…第2動作ログ、PL3…第3動作ログ、PLN…正常動作ログ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7