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特開2024-109553製剤を製造するための反応器及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109553
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】製剤を製造するための反応器及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/18 20060101AFI20240806BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20240806BHJP
【FI】
B01J19/18
B01F35/71
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024050219
(22)【出願日】2024-03-26
(62)【分割の表示】P 2022530762の分割
【原出願日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】102019218404.9
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516074322
【氏名又は名称】スマートダイリヴァリー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エングラート, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】レーマン, マルク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製剤をバッチプロセスで調製するための、費用効果が高く、スケールアップが容易な反応器を提供する。
【解決手段】少なくとも2つのポートと混合室2とを含む反応器1であって、混合室は、高さhと、実質的に垂直な対称軸5とを有し、第1のポートは、自由に流れる物質を混合室に導入するために、基部内に、又は基部に隣接して混合室の側壁に0.6~0.0hの範囲の高さhで配置され、その内部又は上部に隣接して配置された逆流防止装置を有し、逆流防止装置は、ポートを通って混合室内に物質が流入するのを可能にするが、ポートを通って物質が混合室から流出するのを防止し、さらに、第1のポートは、最小値と最大値との間の範囲に延在するポート面積を有するように設計され、最小面積は0.05mmであり、最大面積は、V混合室[cm]/面積第1のポート[cm]≒5500から決定される値として定義される、反応器である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製剤を調製するための反応器であって、反応器は、少なくとも2つの開孔部と、基部と、基部から面一に延伸する少なくとも1つの側壁とを備え、基部及び側壁が一緒になって混合室を画定し、該混合室は、高さhと、基部に対して実質的に垂直に、かつ側壁から少なくとも距離rに配置された、少なくとも1つの対称軸とを有し、
自由に流れる物質及び/又は混合物を混合室に導入するために、第1の開孔部が、基部、又は基部に隣接して0.6~0.0hの範囲の高さhで混合室の側壁に配置され、
第1の開孔部は、その内部又はそれに隣接して配置された逆止弁を備えて構成され、逆止弁は、開孔部を介した混合室への自由に流れる物質の導入を可能にするが、開孔部を介した混合室からの自由に流れる物質の流出は防止し、
第1の開孔部は、最小値と最大値との間の範囲に延在する開孔部面積を有するように形成され、最小面積は0.05mmであり、最大面積は、体積混合室[cm]/面積第1の開孔部[cm]≒5500から得られる値によって決定される、反応器。
【請求項2】
第1の開孔部が、混合室の側壁において、基部に隣接して0.4~0.1hの範囲、好ましくは0.25~0.15hの範囲の高さhで配置される、請求項1に記載の反応器。
【請求項3】
側壁が円筒形である、請求項1又は2に記載の反応器。
【請求項4】
供給導管が、混合室から離れて面する側壁の側面上で第1の開孔部の周りに配置され、供給導管は、逆止弁を受容するための端子ねじを備える受け入れコネクタとして設計されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項5】
供給導管が、メスねじを有するねじ込みクロージャとして設計されている、請求項4に記載の反応器。
【請求項6】
第1の開孔部及び供給導管が、混合室から供給導管への液体の逆混入を防止するように、混合室に対して寸法決めされる、請求項4又は5に記載の反応器。
【請求項7】
第2の開孔部が、自由に流れる物質及び/若しくは物質混合物を反応器の混合室に導入並びに/又は反応器の混合室から排出するための、開閉可能な導管として配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項8】
第2の開孔部が、混合室の少なくとも1つの対称軸に実質的に沿って混合室の基部に位置決めされた導管として配置されている、請求項7に記載の反応器。
【請求項9】
反応器のさらなる開孔部が、基部とは反対側に配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項10】
混合室が、側壁上に配置されている少なくとも1つの邪魔板を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項11】
調製される製剤が、ナノ構造担体システム、ポリプレックス、ナノ粒子、リポソーム、ミセル、微小粒子を含む群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の反応器と、撹拌ツールとを含む、製剤を調製するための反応器システムであって、撹拌ツールが、動作中に自由に流れる物質及び/又は混合物内に、混合室の対称軸と実質的に一致する回転軸が生ずるように反応器内に配置される、反応器システム。
【請求項13】
撹拌ツールが、軸流ミキサー、遠心ミキサー、磁気ミキサー、分散機を含む群から選択される、請求項12に記載の反応器システム。
【請求項14】
第1の開孔部及び/又は供給導管に接続された導入装置及び/又はポンプ装置をさらに備える、請求項12又は13に記載の反応器システム。
【請求項15】
製剤を調製する方法であって、
a.請求項12から14のいずれか一項に記載の反応器システムの混合室に第1の流体を添加する工程と、
b.渦を発生させるように第1の流体を撹拌する工程と、
c.容器から第2の流体を第1の流体に供給する工程であり、第1の流体に実質的に不溶性の物質又は物質混合物を第2の流体に溶解するが、第2の流体は、第1の流体に完全に可溶性であり、第2の流体は、流体要素の最高速度を示す渦の領域内で第1の流体に進入するように、第1の開孔部を介して第2の流体が混合室に供給される、工程と、
を含む方法。
【請求項16】
工程bにおいて、撹拌ツールは、撹拌ブレードを用いて第1の流体中に渦を発生させるために使用される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
工程cにおいて、第2の流体が、撹拌ツールの領域において、第1の流体に進入し、ここで、vtip∝πNDであり、式中、vtip=それぞれのインペラブレードの先端における速度、N=撹拌速度、D=撹拌ツールのインペラの直径である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第2の流体がポンプ装置を介して供給される、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
調製される製剤が、ナノ構造担体システム、ポリプレックス、ナノ粒子、リポソーム、ミセル、微小粒子を含む群から選択される、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の対象による、製剤を調製するための反応器に関し、請求項12の対象による反応器システムに関し、そして請求項15の対象による、反応器システムを使用して製剤を調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な工業分野において、流体又は自由に流れる物質の効果的な撹拌及び混合を必要とする工業プロセスが知られている。これらの工業分野は、採鉱工業、湿式冶金、石油工業、食品、パルプ及び製紙工業から医薬品及び化学工業まで多岐にわたる。一般に、「撹拌」という用語は、機械的手段により容器内の流体の移動が生じるプロセスに関する。一方、「混合」とは、2つ以上の別々の相又は流体を相互に不規則に分布させるプロセスに関する。流体を撹拌するのは、例えば、2つの混和性流体の混合を加速したり、液体中に固体を溶解したり、ガスを細かい気泡の形態で液体中に分散したりするためなどであり得る。例えば、反応容器又は反応器内の液体の混合は、化学系において、例えば反応器内の物質の均一な温度又は均一な濃度を必要とするような化学系である場合に、最適な操作条件をもたらす上で重要となり得る。
【0003】
異なる工程に関して、反応器の設計についての一律の要件はない。これは、異なる形状の容器が工程の要件と合致することが多いためである。通常、設計の簡素化や、コストを最小限に抑えるために、標準的な反応器が使用される。実験室規模の実験結果を工業規模のシステムに移行する場合(「スケールアップ」)、スケールの調整は往々にして困難である。小規模のパイロット設備から始めて、パイロットプラントから上述した工業規模のシステムに至るまで、段階的に大型化する反応器が、建設され、そして試験される。この手法は、装置の寸法決め及び工程条件に関して、比較的高い移行可能性をもたらすプロセス開発の代表的な手法である一方、所要時間や費用が嵩むという欠点を伴う。医薬品ナノテクノロジーの分野では、多成分ナノ構造担体システムなどの複雑な粒子の製造のスケールアップのプロセスは、特に、画定された粒子組成物及び/又は粒径が要求される場合は、重要な問題に関連する。
【0004】
本発明は、不連続的な製造プロセス(「バッチプロセス」)において使用され得る、製剤を調製するための反応器を有利に提供する。不連続プロセスでは、製造容器(例えば、反応器、混合器)の容量によって制限される量の物質をシステムに全量供給し、製造プロセスの完了時にシステムから全量取り出す。本発明による製剤調製用反応器、特にナノテクノロジー領域の製剤を調製するための反応器は、先行技術の公知の反応器と比較して、費用効果が高く迅速なスケールアップの可能性を有利に提供する。本発明による反応器はさらに、様々な異なる製剤の製造用に使用し得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的、解決するための手段、及び利点
第1の態様では、本発明は、製剤を調製するための反応器に関し、反応器は、少なくとも2つの開孔部、基部、及び当該基部から面一に延びる少なくとも1つの側壁を備える。基部と側壁は一緒になって混合室を画定し、この混合室は、高さhと、基部に対して実質的に垂直で側壁から少なくとも距離rに配置された少なくとも1つの対称軸と、を有し、自由に流れる物質及び/又は混合物を混合室に導入するために、第1の開孔部は、基部内に、又は基部に隣接して混合室の側壁に0.6~0.0hの範囲の高さhで配置される。第1の開孔部は、その内部に又はそれに隣接して配置された逆止弁を備えて構成され、逆止弁は、自由に流れる物質が開孔部を通って混合室に流入するのを可能にするが、自由に流れる物質が開孔部を通って混合室から流出するのを防止する。第1の開孔部は、最小値と最大値の間の範囲に延在する開孔部面積を有するように形成され、最小面積は0.05mmであり、最大面積は、体積混合室[cm]/面積第1の開孔部[cm]≒5500から得られる値によって決まる。
【0006】
技術的には、製剤とは、1種以上の有効成分及び賦形剤を含む混合物として定義され、製剤は、製剤処方に従って定義された量の成分を混ぜ合わせることによって調製される。製剤は、薬物であって、例えば、低分子量物質、特に阻害剤、誘導剤若しくは造影剤、又は高分子量物質、特に治療上有用であり得る核酸(例えば、低分子干渉RNA、短鎖ヘアピンRNA、マイクロRNA、プラスミドDNA)及び/若しくはタンパク質(例えば、抗体、インターフェロン、サイトカイン)を含む薬物である場合もあり、製剤は、ワニス、エマルジョン塗料、又は合成物質である場合もある。この製剤を調製するための混合室は、基部及びそれと面一な側壁によって画定される。基部は、その形状に関して、特に制限されない。例えば、基部は、平面プレートの形態で混合室の内部を閉鎖してもよく、(球面の一部として形成される場合には)混合室の内部に対して凸形状又は凹形状を呈してもよく、又は円錐形であってもよい。したがって、基部と面一に終端する少なくとも1つの側壁は、基部から境界を画定されてもよく、又は基部に滑らかに移行してもよい。後者の状況は、例えば、実質的に円形の混合室に移行する場合であり得る。混合室の高さhは、好ましくは、基部の幾何中心(重心)に基づいて計算される。「幾何中心」という用語は、図形中の全ての点の算術平均位置である、平面図形中の定義された点を指す。側壁から少なくとも距離rに配置された、混合室の対称軸は動作中に、対応する地理座標系に対して垂直位置にある。「逆止弁」という用語は、逆流を防止する弁(逆流防止装置)を指し、これにより流れは一方向の流れのみ可能となる。通常の逆流防止装置は、所定の流れ方向から反転すると自動的に閉じ、許容された方向は流すように自動的に開く。逆止弁は、その最も単純な設計では、隔壁、又はスリットを有する膜、例えばシリコーン膜、又は穿刺後に例えば(密封されて)閉じる穿刺可能膜であってもよい。代替的な実施形態では、逆止弁は、閉止部材(例えば、プレート、コーン、ボール、又はニードル)が流体の流れの方向に実質的に平行に移動し、閉止部材の封止面が適切な形状の開孔部である弁座に押し込まれると流れが遮断される、狭義の弁であってもよい。基部内又は高さhで基部に隣接する側壁に配置されている、第1の開孔部もまた、その形状に関して制限されない。好ましくは、第1の開孔部は実質的に円形であり、最小値と最大値との間の範囲に延在する面積を有するように形成され、最小値は0.05mmである。この面積は、30G超の外径(すなわち、外径≦0.3mm、表面積0.05mm、外径=0.25mm)を有するカニューレの面積に対応する。単位G(「ゲージ」の代用)は、米国のワイヤゲージ分類の単位に対応する。カニューレのミリメートル単位のそれぞれの外径は、欧州規格EN ISO6009でも規格化されている。ゲージの番数が大きくなるほど、カニューレの外径は小さくなる。したがって、第1の開孔部の面積は、開孔部から0.25mmの外径を有するカニューレを差し込むことができるように最小の寸法が決められる。混合室の容積が増大するにつれ、それに応じて、最大面積が、体積混合室[cm]/面積第1の開孔部[cm]≒5500から得られる値になるように、第1の開孔部の面積が調整される。容積が数百又は数千リットルを超える混合室を有する工業規模のプラントの場合、第1の開孔部の面積を複数の開孔部に分配することが好都合となり得る。これらのさらなる開孔部もまた、基部内又は混合室の側壁に基部に隣接して0.6~0.0hの範囲の高さhで配置される。有利には、このように設計された、製剤を調製するための反応器は、容易にスケーリングすることができ、少なくとも2つの開孔部を介した自由に流れる物質の所期の導入を可能にする。
【0007】
反応器のさらなる実施形態では、第1の開孔部は、基部に隣接して0.4~0.1hの範囲、好ましくは0.25~0.15hの範囲の高さhで混合室の側壁に配置され得る。
【0008】
本発明による反応器の好ましい実装形態では、側壁は円筒形であってもよい。このように設計された反応器は通常、多くの工業プロセスで使用される反応器(「標準型反応器」)に対応する。この種の反応器は、有利には、コストを最小に抑えることができる簡素な設計によって特徴付けられる。さらに、標準的なソフトウェアアプリケーションを、それぞれの幾何学的パラメータを調整する必要なく、低粘性流体の混合操作の計算に使用できる。
【0009】
好ましい実施形態では、供給導管は、側壁の混合室とは反対側に面する側で第1の開孔部の周りに配置され得る。供給導管は、逆止弁を受容するための端子ねじを有する受け入れコネクタとして設計される。特に有利な実施形態では、供給導管は、メスねじを有するねじ込みクロージャとして設計することができる。供給導管は、その下端に関して、第1の開孔部の開孔面に整合され得る。この種の位置合わせにより、第1の開孔部の開孔面領域の近傍には、わずかな体積のデッドスペースしか生じない。逆止弁を差し込むように設計された供給導管の寸法決めは、逆止弁の種類(例えば、穿刺可能膜/隔壁を有する螺着式蓋)に依存する。工業規模の用途で使用される場合、それぞれの開孔部から逆止弁が不注意により取り外されないように安全確保することが有利である。メスねじを備える供給導管は、例えば、従来のルアーシステムとして設計され得る。従来のルアーシステムは、医療分野においてシリンジや点滴セットを容易に接続することのできる標準化された接続システムである。例えば、通常のカニューレは、その端部によりルアーメスねじを有する受け入れコネクタと螺合されてもよく、これにより供給導管にロックされ、したがって不注意による取外しに対する安全確保がなされる。
【0010】
さらなる実装形態では、第1の開孔部及び供給導管は、混合室から供給導管への自由に流れる物質の逆混入を防止するように、混合室に対して寸法決めがなされ得る。これは、特に、供給導管が可能な限り最小の容積を有し、その下端が第1の開孔部の開孔面に実質的に整合される場合に達成される。この配置では、生成されるデッドスペースの容積(隙間容積)は有利なことに小さく、それによって混合プロセスの効率を高める(すなわち、ほとんど混合されない割合又は全く混合されない割合はごくわずかしか存在しない)。さらに、デッドスペースの容積が小さいと、物質の効率的な使用に関して有利である。
【0011】
本発明による反応器のさらなる実施形態では、第2の開孔部は、自由に流れる物質及び/又は物質混合物を反応器の混合室に導入及び混合室から排出するための開閉可能な導管として配置されてもよい。特に好ましい実施形態では、第2の開孔部は、混合室の少なくとも1つの対称軸に実質的に沿って混合室の基部に位置決めされた導管として配置されてもよい。反応器の通常の操作中、基部に配置されたこのような導管により、混合室からの自由に流れる物質及び/又は物質混合物の重力による容易な排出が可能になる。このような導管はまた、自由に流れる物質及び/又は自由に流れる物質混合物を導入するために利用され得る。したがって、組み込まれる開孔部並びにそれに取り付ける可能性のある流入口及び流出口の個数を制限することによって、反応器の製造が有利に簡素化される。
【0012】
反応器の好ましい実装形態では、反応器のさらなる開孔部は、基部とは反対側に配置され得る。この実施形態は、第2の開孔部が、自由に流れる物質及び/又は混合物を排出するための導管として基部に形成される場合、並びに反対側に配置されたさらなる開孔部を介して自由に流れる物質及び/又は混合物が導入される場合に特に有利である。
【0013】
さらなる実施形態では、混合室は、側壁に沿って配置された少なくとも1つの邪魔板を備えてもよい。「邪魔板」とは、撹拌による混合の際に混合室の側壁に沿った流体の流れを中断させる板を指す。適切な邪魔板がなく、特に撹拌速度が低い場合、自由に流れる物質は、単に移動しているだけで、実際には混合されない。工業プロセス及び多くの計算流体力学モデル化技法で使用される円筒形の「標準反応器」には通常、90°離隔した4枚の邪魔板が設けられている。
【0014】
本発明による反応器のさらなる実施態様では、調製される製剤は、ナノ構造担体システム、ポリプレックス、ナノ粒子、リポソーム、ミセル、微小粒子を含む群から選択され得る。「ナノ構造担体システム」とは、複数の分子から構成され得る、1μm未満のナノスケール構造体を指す。本発明による反応器内で、μm領域の製剤、例えば微小粒子もまた、有利に調製され得る。ナノ構造担体システムがポリマーを含む場合、「ナノ粒子」とも呼ばれ得、それが脂質を含む場合、「リポソーム」と呼ばれ得る(リポソームとは対照的に、「ミセル」は脂質の単層により特徴付けられる)。本発明のナノ構造担体システムは、ポリマー及び脂質を含み、有効成分及び/又は他の分子、例えば、抗体若しくは色素を輸送する(「担持する」)の機能を有する。ポリプレックスは、ナノ粒子担体システムとして定義され、このナノ粒子担体システムは、カチオン性ポリマー(例えば、ポリエチレンイミン、PEI)及び負に帯電した遺伝物質、例えばDNA又はRNAから実質的に構成され、カチオン性ポリマー(例えば、プロトン化アミノ基)の正電荷は、粒子のアッセンブリ中に遺伝物質のリン酸エステル基と相互作用し、こうして遺伝物質を保護する。本発明による反応器を用いて、nm~μmの範囲の粒径を有する粒子状製剤を調製することができる。本発明による反応器を利用することによって、反応器又は反応器の混合室の寸法に関係なく、所定の寸法範囲内において、定義された寸法の粒子を再現性よく調製することができ、粒子が示す変動幅は小さい(約+/-5nm)。
【0015】
第2の態様では、本発明は、上記のような反応器及び撹拌ツールを含む、製剤を調製するための反応器システムに関し、撹拌ツールは動作中に、自由に流れる物質及び/又は混合物において回転軸を発生させるように反応器内に配置され、この回転軸は混合室の対称軸と実質的に一致する。本明細書において、「撹拌ツール」という用語は、自由に流れる物質又は物質混合物を混合するための装置を指す。従来の撹拌ツールは一般に、モータによって回転可能な軸体であって、ほとんどの場合インペラ羽根が取り付けられる軸体を備え、これにより軸体の回転がインペラ羽根の動きに直接影響を与えるようにする。ただし、別法として、撹拌ツールはまた、互いに直接接続されていない撹拌子及び撹拌駆動装置から構成されてもよい(例えば、マグネティックスターラー)。さらなる別法として、超音波撹拌機を利用して撹拌を実現してもよく、超音波撹拌機は、混合室の内側又は外側のいずれかから自由に流れる物質及び/又は物質混合物に作用する。そのような撹拌ツールは、先行技術で公知である。動作中、撹拌ツールによって自由に流れる物質及び/又はその混合物において回転軸が発生する(例えば、撹拌された液体は、回転軸を中心に回転する)。ここで、回転軸とは、回転運動を定義又は記述する直線である。
【0016】
反応器システムの好ましい実施形態では、撹拌ツールは、軸流ミキサー、遠心ミキサー、磁気ミキサー、分散機を含む群から選択され得る。実際には、「層状」撹拌混合システムと「乱流」撹拌混合システムとに分類される。本発明による撹拌ツールは、乱流撹拌混合システムに属し、このシステムは、例えば、プロペラ、ピッチブレードタービン、ディスク型フラットブレードタービン(ラシュトンインペラ)及び湾曲ブレードタービンを含む。乱流を発生させる様々な種類のミキサーの中で、軸流ミキサーと遠心ミキサーにさらに分類される。遠心ミキサーでは、自由に流れる物質(以下、流体)は、インペラによって側壁に向け半径方向に駆動され、流体の流れは壁に沿って分割され、流体の約50%は(表面に向かう)一方向に循環され、一方残りは(底部に向かう)反対方向に循環される。流体の速度は、インペラの中心を通る水平線に沿ってインペラの直近で最も高くなる。遠心ミキサーの群は、例えば、上述したように、直線インペラを有するラシュトンタービンと、湾曲インペラを有するタービンとを含む。軸流ミキサーでは、流体は軸方向に、すなわちインペラ軸に平行に駆動される。全体として、流体はインペラ羽根により押し出される。流れは、インペラによって反応器の底部に向けられ、そこで半径方向に分割され、側壁の近くで上昇する。軸流ミキサーは、例えば、船舶用プロペラを含む。低粘性流体中では、マグネティックスターラーは、容器の幾何学的形状の関数として流体の半径方向及び軸方向の動きの両方を誘起する。本発明によるマグネティックスターラーは、動作中、混合室の対称軸と実質的に一致する回転軸を発生させるように動作する。「分散機」は、分散の工程において、物質(分散相)を他の物質(連続相)中に分散する。本発明による分散機は、好ましくは回転子-固定子構成である。「分散する」という用語は、相互に溶解しない(若しくはほとんど溶解しない)又は化学的に結合しない少なくとも2種類の物質の混合を指すと理解される。分散機の回転子の動作中、流体は、分散機のヘッド内に向けて軸方向に吸引され、ヘッド内で方向を変え、回転子-固定子組立体のスロットを通って半径方向に押圧される。加速力は、非常に強い剪断力及び推進力を物質に付与する。また、回転子と固定子との間の隙間内に発生する乱流が、分散される懸濁液又はエマルジョンを混合する。本発明による分散機は、動作中に、混合室の対称軸と実質的に一致する回転軸を発生させるように動作する。
【0017】
反応器システムのさらなる実装形態では、システムは、第1の開孔部及び/又は供給導管に接続された導入装置及び/又はポンプ装置をさらに備え得る。導入装置は、自由に流れる物質を混合室に供給するために利用されてもよく、従来のシリンジとして構成されてもよい。有利には、ポンプ装置を利用して、自由に流れる物質の供給を時間及び量に関して精密に調整することができる。そのような導入装置及び/又はポンプ装置(また、点滴ポンプ)は、先行技術で公知である。
【0018】
第3の態様では、本発明は、以下の工程を含む、製剤を調製するための方法に関する。第1の工程(a)において、第1の流体は、上記の反応器システムの混合室に添加される。好ましくは、第1の流体は、添加後、第1の開孔部の開孔面を完全に塞ぐ。その後、渦を発生させるように第1の流体を撹拌する。流体力学において、渦とは、直線状又は湾曲した回転軸の周りの流体要素の回転運動である。本発明によれば、様々な利用可能な技術によって渦を発生させることができる。第3の工程では、容器から第2の流体が第1の流体に供給される。この場合、第1の流体に実質的に不溶性の物質又は物質混合物を第2の流体に溶解するが、第2の流体は第1の流体に完全に溶解する。流体要素の最高速度を示す渦の領域において第2の流体が第1の流体に進入するように、第2の流体が第1の開孔部を介して混合室に供給される。
【0019】
本発明によれば、そのような物質は流体と呼ばれ、剪断力の影響下で連続的に変形する。物理学において、この用語は気体及び液体を包含する。本発明の文脈において、第1の流体は液体、好ましくは水溶液である。本発明によれば、第2の流体は、好ましくは、物質又は物質混合物が均一に分散した液体であり、当該物質又は当該物質混合物は、第1の流体に実質的に不溶性である。好ましくは、製剤を調製するための方法は沈殿反応であり、当該沈殿反応では、反応物は溶媒に溶解するが、少なくとも1種の反応生成物は、この溶媒に完全に不溶性であるか又は難溶性であって沈殿する。沈殿反応がナノ沈殿反応である場合、沈殿構造物はマイクロ粒子構造物さらにはナノ粒子構造物と呼ばれるほど微小であることが特に好ましい。これらの構造物は、濁りとして目視できることがあり、また視認できないことさえある。この工程はナノ沈殿と呼ばれる。
【0020】
本発明の容器は導入装置(例えば、カニューレに接続された皮下注射器)であってもよく、一方、導入装置はポンプ装置に接続されてもよい。
【0021】
本発明の方法は、有利には、不連続な「バッチ」プロセスにおける製剤の効率的な調製を可能とする。このプロセスは、選択された反応器システムに従って簡単な方法でスケーリングが可能であり、それによって小規模な調製そして工業規模の調製も等しく可能になる。
【0022】
本方法のさらなる実装形態では、工程bにおいて、撹拌羽根を備えた撹拌ツールを使用して、第1の流体中に渦を発生させてもよい。
【0023】
本方法のさらなる実施形態では、工程cにおいて、第2の流体は、vtipが最も高い撹拌ツールの領域において第1の流体に進入することができ、ここで、vtip∝πNDであり、式中、vtip=それぞれのインペラ羽根の先端速度、N=撹拌速度(RPM=毎分回転数)、及びD=撹拌ツールのインペラの直径である。剪断が最も強い領域(最大剪断は、最高速度の領域、すなわちインペラ先端で発生する)に添加することにより、添加された物質又は混合物に高い初期剪断応力が印加される。ナノ構造担体システムを調製するために、インペラ先端付近の高剪断応力の領域を通る流路数を予め規定することにより、有利には、ナノ構造担体システムのそれぞれの粒径の精密な設定が可能になる。
【0024】
本発明による方法の好ましい実装形態では、第2の流体は、ポンプ装置を介して供給されてもよい。この種の送達は、時間設定及び供給される流体の量の精密な制御を有利に可能にする。
【0025】
本方法のさらなる実施形態では、調製される製剤は、ナノ構造担体システム、ポリプレックス、ナノ粒子、リポソーム、ミセル、微小粒子を含む群から選択され得る。
【0026】
以下、非限定例として、本発明の特定の実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【0027】
特定の実施形態は、一般的な発明概念の単なる説明であり、決して本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による反応器の概実質的に図である。
図2】本発明による反応器の第1の開孔部の領域の詳細図である。
図3】撹拌ツールが挿入された反応器の代替実施形態を示す図である。
図4】異なる寸法の本発明による反応器を利用して調製された様々な製剤(この場合、ナノ構造担体システム)の特性を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、製剤を調製するための本発明による反応器(1)を示す。反応器(1)は、混合室(2)を備え、混合室は、基部(3)と、そこから面一に延伸する少なくとも1つの側壁(4)とによって画定される。混合室(2)は、高さh(垂直点線)と、本実施形態では、側壁(4)から距離r(水平点線)において基部(3)に対して垂直に配置される対称軸(5、一点鎖線)と、によって特徴付けられる。混合室(2)は、実質的に円筒形(「標準反応器」に対応する)として配置され、基部(3)は、混合室(2)の内部に関して、平坦化領域(6)が中央に配置された凸状球面状セグメントとして構成される。側壁(4)には、基部(3)に隣接して第1の開孔部(7)が形成され、第1の開孔部は、自由に流れる物質及び/又は混合物を混合室(2)に導入するために、0.18hの高さhに配置される。第1の開孔部(7)は、最小値と最大値との間の範囲に延在する開孔部面積を有して構成される。第1の開孔部(7)の最小面積は0.05mmであり、これは、0.25mmの外径を有する従来のカニューレの面積に対応する。スケーリング工程の一部として、開孔部面積を混合室の容積に適合させることができ、最大面積は、体積混合室[cm]/面積第1の開孔部[cm]≒5500から得られる値によって決まる。第1の開孔部(7)は、供給導管(8)と一緒に配置される。反応器(1)は、第2の開孔部(9)をさらに備え、第2の開孔部は、基部(3)の中央に配置された平坦化領域(6)に混合室(2)の対称軸(5)に沿って配置され、第2の開孔部(9)は、開閉可能な導管として設計されている。反応器の通常運転中に、自由に流れる物質及び/又は混合物は、重力に従い導管を介して混合室(2)から排出され得るが、自由に流れる物質及び/又は物質混合物の流入もまた、導管を介して行われ得る。この場合、第2の開孔部(9)から延びる導管には分岐部(10)が形成され、これを通して反応生成物を別々に取り出すことができる。反応器(1)には、基部(3)とは反対側に、第3の開孔部(11)が形成され、この第3の開孔部は、本実施形態では蓋(12)によって封止される。この第3の開孔部(11)を介して、さらなる自由に流れる物質及び/若しくは物質混合物並びに/又は撹拌ツール(13)などの器具を混合室(2)に導入することができる。軸流ミキサー、遠心ミキサー、及び分散機の群から選択される従来のミキサーは、混合操作を実行するために考慮されてもよいが、別法として、マグネティックスターラー(13、図示)や、撹拌軸なしで操作可能な他の撹拌機を利用することによって混合を実施してもよい。例えば、マグネティックスターラーの場合、混合室の外側の回転磁場が混合室内に位置する撹拌子を駆動するため、撹拌軸は必要ない。第3の開孔部(11)の上方に配置された蓋(12)は、規定の環境条件下での製剤の調製を可能にし、温度計又はpH計などの測定装置を追加の開孔部(14,15,16)を介して混合室(2)に導入することができる。
【0030】
図2に示す詳細図は、図1に示した反応器の第1の開孔部(7)の領域に限定され、そこには開孔部に隣接する領域に配置された供給導管(8)が形成されている。第1の開孔部(7)は、例えばカニューレの直径に対応する直径、例えば11G(3.0mm)で構成される。第1の開孔部(7)の周りに配置された供給導管(8)は、混合室(2)から供給導管(8)への液体の逆混入を防止するように、混合室(2)に対して寸法決めされる。この配置により、デッドスペースの容積(隙間容積)が可能な限り小さく保たれ、それによって混合プロセスの効率を高める。また、第1の開孔部を通して供給される、混合プロセスに必要な物質の量は可能な限り少なく維持され、これにより製剤調製時の高い対費用効果が可能になる。供給導管(8)には、端子オスねじ(図2には図示せず)が形成されている。本発明による逆止弁は、オスねじを利用して、第1の開孔部(7)、したがって混合室(2)を環境から閉鎖密封することができる。図示の実施形態では、逆止弁は、対応するメスねじにより供給導管(8)のオスねじ(17)に螺合され得るスクリューキャップ(18)として設計されている。逆止弁は、針の穿刺後に自己シールが確保されるように、好ましくは弾性物質(例えばブロモブチルゴム)からなる穿刺可能膜(19)をさらに備える。
【0031】
図3には、撹拌ツールを混合室に挿入した反応器の代替実施形態が示されている。図示の撹拌ツール(13)は、開孔部15を介して導入されたロッドミキサーであり、ロッドミキサーは、有利には、反応器(1)の混合室(2)の対称軸(5)に沿って配置された撹拌軸(13a)を有する。撹拌軸(13a)の動作端には、撹拌羽根(13b)が配置されている。本明細書では、ミキサーは、遠心ミキサー又は軸流ミキサーであり得る。第2の流体(図示せず)は、スクリューキャップ(18)内に配置された穿刺可能膜(図示せず)を穿刺するために使用される導入装置(20)によって、第1の開孔部(7)を介して、混合室(2)内に存在する第1の流体(図示せず)に添加される。導入は、撹拌ツール(13)の撹拌羽根(13b)の領域で行われる。撹拌ツール(13)によって第1の流体に発生する渦の領域では、流体要素の速度が最大である。追加の測定機器又はプローブ(例えば、温度プローブ/pHプローブ)を、蓋(12)の追加の開孔部(14,16)を介して導入してもよい。ここでは例として開孔部(14)に導入された温度プローブが示されている。
【0032】
図4は、異なる寸法の、本発明による反応器(500mL、2L)を用いて調製された様々な製剤(ここで、ナノ構造担体システム)の特性を要約する表を示す。ナノ構造担体システムを、粒径及び多分散指数(PDI)に関して調べた。Z平均は、散乱光シグナルの強度分布に基づく平均粒径を示す。多分散性は、分布の幅を評価する。統計的には、z平均は、生の相関関数データへの特定のフィッティングによる強度に基づく平均である。フィッティングは累積法とも呼ばれ、単純なガウス分布への結果の強制的フィッティングと見なすことができ、z平均は平均値であり、PDIは(単一の平均値を仮定する)その単純な分布の幅に関連する。ここで、粒径は78nm~160nmの範囲で変動し、例えば、500mL及び2L反応器の両方で、所望の粒径約160nmを達成することができた。分布幅に関して、調製された全てのナノ構造担体システムは、所望通り、0.2未満の多分散指数であった。以上から、調製に使用された反応器の寸法にかかわらず、全ての製剤は、粒子の優れた均一性により特徴付けられた。
【符号の説明】
【0033】
1 反応器
2 混合室(高さh
3 基部
4 側壁
5 対称軸
6 基部の中央に配置された平坦部
7 第1の開孔部(高さh
8 供給導管
9 第2の開孔部
10 分岐部
11 追加開孔部
12 蓋
13 撹拌ツール
13a 撹拌ツールの軸体
13b 撹拌羽根
14 蓋開孔部
15 蓋開孔部
16 蓋開孔部
17 供給導管のオスねじ
18 スクリューキャップ
19 穿刺可能膜
20 導入装置
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製剤を調製するための反応器であって、反応器は、少なくとも2つの開孔部と、基部と、基部から面一に延伸する少なくとも1つの側壁とを備え、基部及び側壁が一緒になって混合室を画定し、該混合室は、高さhと、基部に対して実質的に垂直に、かつ側壁から少なくとも距離rに配置された、少なくとも1つの対称軸とを有し、
自由に流れる物質及び/又は混合物を混合室に導入するために、第1の開孔部が、基部、又は基部に隣接して0.6~0.0hの範囲の高さhで混合室の側壁に配置され、
第1の開孔部は、その内部又はそれに隣接して配置された逆止弁を備えて構成され、逆止弁は、開孔部を介した混合室への自由に流れる物質の導入を可能にするが、開孔部を介した混合室からの自由に流れる物質の流出は防止し、
第1の開孔部は、最小値と最大値との間の範囲に延在する開孔部面積を有するように形成され、最小面積は0.05mmであり、最大面積は、体積混合室[cm]/面積第1の開孔部[cm]=5500から得られる値によって決定される、反応器。
【外国語明細書】