(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109555
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】放射線画像と創外固定装置の三次元モデルを登録する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240806BHJP
A61B 6/50 20240101ALI20240806BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20240806BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20240806BHJP
【FI】
A61B6/00 590C
A61B6/50 500Z
A61B6/46 506Z
A61B34/20
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024061317
(22)【出願日】2024-04-05
(62)【分割の表示】P 2021503895の分割
【原出願日】2019-07-24
(31)【優先権主張番号】62/702,378
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】518284743
【氏名又は名称】エーエムディーティー ホールディングス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AMDT HOLDINGS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】マラニー,マイケル ダヴリュー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】デジタル二次元放射線撮影空間の上にある投影三次元空間内の既知の物体集合の実際の位置と姿勢をデジタル的に決定する。
【解決手段】本方法は、二次元放射線撮影空間の上にある投影三次元空間内の既知の物体集合を示す第1のデジタル放射線画像をデジタル入力するステップを含む。本方法はまた、第1のデジタル放射線画像における二次元放射線撮影空間内の既知の物体集合の描写を利用して、二次元放射線撮影空間上にある投影三次元空間内の既知の物体集合の実際の位置と姿勢を決定するステップを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
デジタル二次元放射線撮影空間の上にある投影三次元空間内の既知の物体集合の実際の
位置と姿勢をデジタル的に決定するステップであって、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合を示
す第1のデジタル放射線画像をデジタル入力することと、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前
記実際の位置と姿勢を決定するために、前記第1のデジタル放射線画像における二次元放
射線撮影空間内の前記既知の物体集合の描写を利用することとを
含むステップを含む、方法。
【請求項2】
前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを
構築するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するために、前記第1のデジタル放
射線画像における前記二次元放射線撮影空間内の前記既知の物体集合の描写を利用する前
記ステップは、前記投影三次元空間を再構築するための前記第1のデジタル放射線画像内
の前記物体の描写の相対的な倍率をデジタル的に決定するステップを含む、請求項1に記
載の方法。
【請求項4】
前記第1のデジタル放射線画像に示された前記既知の物体集合と共通の物体の比較を介
して、前記第1のデジタル放射線画像間の関係を決定するステップをさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のデジタル放射線画像は、前記既知の物体集合に結合された少なくとも1つの
解剖学的構造の描写をさらに含み、前記投影三次元空間内の前記少なくとも1つの解剖学
的構造の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを構築するステップをさらに含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記既知の物体集合が整形外科用固定装置の基準マーカーを含む、請求項1に記載の方
法。
【請求項7】
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前
記実際の位置と姿勢を決定するステップは、前記第1のデジタル放射線画像に対する前記
既知の物体集合の前記位置と姿勢を定義する座標変換行列を構築するステップを含む、請
求項1に記載の方法。
【請求項6】
コンピュータプログラム製品であって、
デジタル二次元放射線撮影空間の上にある投影三次元空間内の既知の物体集合の実際の
位置と姿勢をデジタル的に決定する方法を実行するために、1つ以上の処理回路によって
読取り可能であり、1つ以上のプロセッサによって実行するための命令を格納するコンピ
ュータ可読記憶媒体であって、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合を示
す第1のデジタル放射線画像をデジタル入力するステップと、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前
記実際の位置と姿勢を決定するために、前記第1のデジタル放射線画像内の前記二次元放
射線撮影空間内の前記既知の物体集合の描写を利用するステップと
を含むコンピュータ可読記憶媒体を備える、製品。
【請求項7】
前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを
構築するステップをさらに含む、請求項6に記載の製品。
【請求項8】
前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するために、前記第1のデジタル放
射線画像における前記二次元放射線撮影空間内の前記既知の物体集合の描写を利用する前
記ステップは、前記投影三次元空間を再構築するための前記第1のデジタル放射線画像内
の前記物体の描写の相対的な倍率をデジタル的に決定するステップを含む、請求項6に記
載の製品。
【請求項9】
前記第1のデジタル放射線画像に示された前記既知の物体集合と共通の物体の比較を介
して、前記第1のデジタル放射線画像間の関係を決定するステップをさらに含む、請求項
8に記載の製品。
【請求項10】
前記第1のデジタル放射線画像は、前記既知の物体集合に結合された少なくとも1つの
解剖学的構造の描写をさらに含み、前記投影三次元空間内の前記少なくとも1つの解剖学
的構造の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを構築するステップをさらに含む、請求項
9に記載の製品。
【請求項11】
前記既知の物体集合が整形外科用固定装置の基準マーカーを備える、請求項6に記載の
製品。
【請求項12】
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前
記実際の位置と姿勢を決定するステップは、前記第1のデジタル放射線画像に対する前記
既知の物体集合の前記位置と姿勢を定義する座標変換行列を構築するステップを含む、請
求項の製品。
【請求項13】
システムであって、
メモリと、
メモリと通信する少なくとも1つのプロセッサと、
デジタル二次元放射線撮影空間の上にある投影三次元空間内の既知の物体集合の実際の
位置と姿勢をデジタル的に決定する方法を実行するために、前記メモリを介して1つ以上
のプロセッサによって実行可能なプログラム命令であって、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合を示
す第1のデジタル放射線画像をデジタル入力するステップと、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前
記実際の位置と姿勢を決定するために、前記第1のデジタル放射線画像内の前記二次元放
射線撮影空間内の前記既知の物体集合の描写を利用するステップと
を含むプログラム命令と
を備える、システム。
【請求項14】
前記投影三次元撮影空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢の三次元モデ
ルを構築することをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するために、前記第1のデジタル放
射線画像における前記二次元放射線撮影空間内の前記既知の物体集合の描写を利用する前
記ステップは、前記投影三次元空間を再構築するための前記第1のデジタル放射線画像内
の前記物体の描写の相対的な倍率をデジタル的に決定するステップを含む、請求項13に
記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のデジタル放射線画像に示された前記既知の物体集合と共通の物体の比較を介
して、前記第1のデジタル放射線画像間の関係を決定するステップをさらに含む、請求項
13に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のデジタル放射線画像は、前記既知の物体集合に結合された少なくとも1つの
解剖学的構造の描写をさらに含み、前記投影三次元空間内の前記少なくとも1つの解剖学
的構造の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを構築するステップをさらに含む、請求項
16に記載の製品。
【請求項18】
前記既知の物体集合は整形外科用固定装置の基準マーカーを含む、請求項17に記載の
製品。
【請求項19】
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前
記実際の位置と姿勢を決定するステップは、前記第1のデジタル放射線画像に対する前記
既知の物体集合の前記位置と姿勢を定義する座標変換行列を構築するステップを含む、請
求項13に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年7月24日に出願された「複数の非直交放射線写真を使用した変
形分析」と題された米国仮特許出願第62/702,378号の利益を完全にし、主張し
、その全体は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、変形および/または整形外科的分析および/または矯正用の固定装
置(例えば、創外固定装置)の二次元画像(例えば、放射線画像)および三次元モデルの
登録のためのシステムおよび方法に関する。本システムおよび方法は、関心のある解剖学
的構造(例えば、2つ以上の骨部分)の画像および関心のある解剖学的構造に固定された
既知の固定装置(例えば、ヘキサポッドなどの創外固定装置)の固定装置に対する相対的
位置および方向/姿勢を決定する。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、
画像の焦点を決定し、画像の射影歪みを考慮し、座標変換行列を作成する。
【0003】
本開示の方法およびシステムは、骨部分の三次元コンピュータモデルおよび固定装置を
介した所望の位置への骨部分の移動を計画するための固定装置(例えば、創外固定装置)
の生成を可能にする。例えば、モデル上での操作により、そのような所望の配置を達成す
るための骨部分の所望の位置と方向/姿勢、および固定装置の調節を、固定装置の初期構
成にかかわらず、迅速かつ正確に決定することができる。次に、骨部分の所望の位置およ
び方向/姿勢を作成するために必要な操作を、対応する固定装置および骨部分に実施して
、所望の位置および方向/姿勢を達成してもよい。しかしながら、創外固定装置以外の他
の装置を本システムおよび方法とともに利用してもよい。
【背景技術】
【0004】
整形外科の変形の矯正には、通常、少なくとも一対のX線放射線写真が含まれる。一般
的には、患者のこれらの放射線写真は、体の前から後(AP)の方向および内側から外側
(ML)の方向という従来のラインに沿って、または他の直交するまたは既知の有利な地
点(または有利な地点間の既知の差)に沿って撮影されるように試みられている。慣例に
従って、APおよびMLの放射線写真は、患者空間内で互いに直交するように撮影または
仮定される(患者空間は、X軸が右から左へ、Y軸が前から後へ、Z軸が下から上へ揃っ
ていると定義される)。測定が行われ、一対の放射線写真内で変形軸と点に注釈が付けら
れる。次に、一対の放射線写真内のこれらの測定値および注釈を比較するか、さもなけれ
ば、変形を何らかの手段で操作して状態を修正できるように、変形の三次元表現を再構築
するために使用する。
【0005】
しかしながら、一対の放射線写真の有利な地点における不正確さ、およびそれらの相互
の空間的関係により、画像に含まれる患者およびそれに結合された物体(即ち、画像に示
されるアーチファクト)の表現が不正確になる。放射線写真や他の患者撮影技術は、それ
らの画像に含まれるアーチファクトの完全な画像を生成しない。画像に表示されるアーチ
ファクトと撮影される実際の物体との関係は、遠近法の1つであり、画像の近くにある物
体は、遠くにある物体よりも倍率が小さくなる。さらに、撮影装置の焦点に対する患者の
配置は手動操作であるため、画像の有利な地点は従来のライン/有利な地点と完全に整列
していない(したがって、一対の画像は真に直交していない)。画像のこれらの側面/不
正確さを考慮しないことによって、画像に含まれる患者および/またはそれに結合された
物体の3D再構成はその真の表現とはならない。
【0006】
その結果、患者の一部とそれに結合された物体の画像の不確かさ/不正確さを説明し、
その真の3Dモデルを構築するシステムおよび方法が必要である。さらに、物体に対して
患者の一部およびそれに結合された物体の画像の位置と姿勢/方向を、画像ごとに決定す
るシステムおよび方法が必要である。
【0007】
出願人の発明の開示を容易にするために従来の技術の特定の側面が議論されてきたが、
出願人はこれらの技術的側面を決して否定せず、それらの発明は1つ以上の従来の技術的
側面を包含し得ると考えられる。
【0008】
本明細書では、文書、行為、または知識項目が参照または議論されている場合、この参
照または議論は、文書、行為、または知識項目、またはそれらの任意の組合せが、優先日
に、公に利用可能であった、公知であった、一般的な知識の一部であった、またはその他
の方法で適用される法定規定に基づいて先行技術を構成していたことを、あるいは、本明
細書が関係する任意の問題を解決する試みに関連することが知られていることを認めるも
のではない。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、上記で論じた当技術分野の1つ以上の問題および欠陥に対処することができ
る。しかしながら、本発明は、多くの技術分野における他の問題および欠陥に対処する際
に有用であると証明できると考えられている。したがって、請求された発明は、本明細書
で論じられた特定の問題または欠陥のいずれかに対処することに限定されると必ずしも解
釈すべきではない。
【0010】
いくつかの実施形態では、患者の一部およびそれに結合された物体の放射線画像または
他の画像には、撮影したとき、その画像(例えば、放射線画像のフィルム)の上/下に姿
勢を取って位置づけられた/配置された三次元物体の影が含まれる。その影を落としてい
る画像に関する画像ソース(例えば、X線源)の見かけの線源の位置と方向は不明である
。
【0011】
理想的な世界では、撮影装置の焦点は、画像自体の上かつ中心にある無限の距離に配置
されたポイントソースである。理想的な表現では、画像内の影が実際の三次元物体の真の
二次元投影になる。このような2つの理想的な画像/表現が得られ、該画像/表現が共通
の軸を中心に互いに直交していることがわかっている場合、2セットの二次元データを直
接利用して、物体の三次元モデルと空間内でのその位置と姿勢を正確に再構築できる。
【0012】
しかしながら、これは、上記のように、患者の画像における現在の最先端技術(例えば
、単純フィルムの放射線写真を含む放射線技術)が射影歪みをもたらすことを考えると、
一般的には不可能である。さらに、画像(例えば、放射線写真)が両方の画像ソースの軌
跡と正確に直交し、かつ共通の軸を中心に互いに直交して撮影される可能性は、例えば、
実際の患者が所定の方法で横になる/ポーズを取るように指示されている場合、実際の撮
影装置(例えば、X線装置)でこれらの画像を取得することに関係する全ての変数を考慮
すると、ほとんどあり得ない。
【0013】
本開示のシステムおよび方法は、2つの主要な誤差原因、即ち焦点位置と姿勢、および
患者の向きを利用して、画像の実際の遠近法/有利な地点を最終的に修正/説明するため
の多くの結論を引き出し、画像内の物体(および場合によっては画像自体)の真の三次元
モデルを構築する。
【0014】
コンピュータベースのシステムおよび方法は、患者に結合された物体の部分(例えば、
放射線不透過性の部分)を決定することによって射影歪みを考慮してもよく、ここで当該
の部分は特定の形状および潜在的なサイズ(例えば、球形要素)があり、単一の画像(例
えば、単一の放射線画像)(または画像ごと)に投影される影である。例えば、本システ
ムおよび方法は、画像内の物体の多数の既知の部分、画像内にアーチファクトとして存在
する当該部分の影、および当該部分の既知の相対的な形状およびサイズ、および当該部分
の互いに対する関係を利用して、画像ソース(例えば、放射線画像用のX線源)の見かけ
の焦点位置と姿勢を決定してもよい。
【0015】
本システムおよび方法は、影の中心と、影を落とす実際の部分の中心と、撮影装置の焦
点位置とを通る複数の閉じたベクトルループを使用して、画像空間内の物体の既知の部分
の三次元集合の位置と姿勢を決定してもよい。複数の閉じたベクトルループが決定される
と、本システムおよび方法は、影画像空間内の物体の既知の三次元部分の集合のための座
標変換行列を構築することができる(即ち、行次元、列次元、および高さ次元)。
【0016】
第1の態様では、本開示は、既知の物体集合を利用する方法およびシステムを提供し、
該物体の影は、二次元X線放射線空間に投影され、二次元放射線空間の上にある、投影さ
れ、コンピュータモデル化された三次元空間内の既知の物体集合の実際の位置と姿勢を決
定する。
【0017】
いくつかの実施形態では、本方法およびシステムは、射影歪みを利用して、相対的な倍
率を決定して、三次元投影空間の再構成を支援することができる。いくつかの実施形態で
は、本方法およびシステムは、修正された相対空間配置で実際の三次元条件付きのモデル
を再構築することができる。
【0018】
現在開示されているシステムおよび方法の特定の実施形態は、いくつかの特徴を含んで
もよく、それら特徴のうちの1つがそれらの望ましい属性に対して単独で責任を負ことは
ない。本システムおよび方法の範囲を制限することなく、それらのより顕著な特徴につい
て簡単に説明する。この議論を検討した後、特に、本明細書の「発明を実施するための形
態」と題されたセクションを読んだ後、本明細書に開示された様々な実施形態の特徴が現
在の最先端技術に対して多くの利点をどのように提供するかを理解するであろう。
【0019】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および添付の図面
と併せて取られる本発明の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0020】
以下、本開示について以下の図面図と併せて説明するが、これらは理解を容易にするた
めに必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、同一の参照番号は様々な図面全体
にわたって同一または同様の要素または態様について、その名称と意味を保持している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】例示的な骨部分に結合された例示的な創外固定装置の斜視図である。
【
図2】例示的な骨部分に結合された例示的な創外固定装置を示す二次元放射線画像の正面図である。
【
図3】放射線画像の決定された焦点に対して正しい相対的な位置と姿勢でモデル内に表現された創外固定装置のデジタル二次元放射線画像とデジタル三次元モデルとを含む、構築されたデジタル三次元モデルの斜視図である。
【
図4】放射線画像をデジタル登録する例示的な方法の流れ図と、放射線画像に示された創外固定装置の三次元モデルである。
【
図5】放射線画像に示された創外固定装置の三次元モデルに対する放射線画像の位置と姿勢を識別する座標変換行列をデジタル的に構築するための例示的な方法を示す。
【
図6】本開示の態様を実行するために利用することができる例示的なコンピュータシステムを示す。
【
図7】本開示を組み込むことができるコンピュータプログラム製品の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の態様および特定の特徴、利点、およびその詳細は、添付の図面に示される非限
定的な実施形態を参照して、以下でより完全に説明される。本発明を不必要に詳細に曖昧
にしないために、周知の材料、製造ツール、処理技術などの説明は省略されている。しか
しながら、詳細な説明および特定の例は、本発明の実施形態を示しているが、例示として
のみ与えられており、限定するものではないことを理解すべきである。基礎となる本発明
の概念の精神および/または範囲内の様々な置換、修正、追加、および/または配置は、
本開示から当業者には明らかであろう。
【0023】
最初に
図1を参照すると、身体組織、例えば第1および第2の骨部分102、104は
、身体組織間の結合または他の治癒を促進するように整列および/または配向することが
できる。身体組織の整列および/または方向は、身体組織を整形外科用創外固定装置また
は固定器100などの調節可能な固定装置に接続することによって実現することができる
。固定装置は、患者の身体の外部に留まるが、例えば、低侵襲性の取付け部材を用いてそ
れぞれの目立たない身体組織に取り付けられる複数の別個の固定具プラットフォームまた
は部材を備えることができる。プラットフォームの互いに対する空間的配置を調節するこ
とにより、それに取り付けられたそれぞれの身体組織は、例えば、治癒過程中に身体組織
間の結合を促進するために、再配向および/またはそうでなければ互いに整列させること
ができる。本明細書に記載の画像分析および配置技術と組み合わせた創外固定装置の使用
は有利であり得る。
【0024】
固定部材は、調節支柱または部材を介して互いに接続することができ、調節支柱は、プ
ラットフォームの互いに対する空間的再配置を容易にするように構成されている。例えば
、
図1に示される図示の実施形態では、創外固定装置100は、少なくとも1つの上部リ
ングプラットフォーム106および下部リングプラットフォーム108の形態で一対のプ
ラットフォームまたは固定部材を備える。プラットフォームリング106、108は、同
じまたは異なる方法で構成することができる。例えば、プラットフォームリング106、
108は、同じまたは異なる直径を有することができる。同様に、プラットフォームリン
グ106、108は、様々な断面直径、厚さなどで構築することができる。固定装置10
0の固定部材は、図示された上部および下部プラットフォームリング106、108に限
定されず、固定装置100を代替的に構築することができることを理解すべきである。例
えば、追加の固定リングを提供し、上部リングプラットフォーム106および/または下
部リングプラットフォーム108と相互接続することができる。プラットフォームの形状
はリングに限定されず、プラットフォームのいずれかまたは全てなどの少なくとも1つは
、他の適切な形状を使用して代替的に構築することができることをさらに理解すべきであ
る。
【0025】
第1および第2の骨部分102、104は、プラットフォームリング106、108に
取り付けおよび/または結合することができる取付け部材(図示せず)を用いて、それぞ
れ上部および下部プラットフォームリング106、108にしっかりと取り付けることが
できる。例えば、創外固定装置は、上部および下部プラットフォーム106、108にお
よび、それぞれ、第1および第2の骨部分102、104に(例えば、直接またはクラン
プまたは他の任意の取付け機構構成を介して)固定または結合される取付けロッドおよび
/または取付けワイヤ(図示せず)を含んでもよい。
【0026】
取付け部材は、例えば、プラットフォーム106、108によって画定される開口部に
これらを結合することによって、プラットフォームリング106、108の周辺に沿った
所定の点でプラットフォームリング106、108に取り外し可能に取り付けることがで
きる。各プラットフォーム106、108に関して、取付け部材および/またはそれと結
合された取付け機構または部材は、プラットフォームの上面、プラットフォームの下面、
またはそれらの任意の組合せに取り付けることができる。取付け部材の構成は、上記の構
成に限定されないことを理解すべきである。例えば、任意の数量のピン、ワイヤなどの任
意の数量の取付け部材を使用して、必要に応じて、骨部分102、106およびそれぞれ
のプラットフォーム106、108に固定することができる。さらに、1つ以上の取付け
部材は、中間または追加の取付け機構を利用せずに、プラットフォーム106、108に
直接的に取り付けまたは結合するように構成することができ、または、取付け機構を介し
て、若しくは取付け機構の補助または支援を受けて、プラットフォーム106、108に
間接的に取り付けるように構成してもよいことを理解すべきである。
【0027】
図1に示すように、創外固定装置100の上部および下部プラットフォーム106、1
08は、複数の調節支柱または部材110によって互いに接続されている。調節支柱のう
ちの少なくとも1つ、例えば全てを、プラットフォーム106、108の空間的配置およ
び姿勢を互いに対して調節されるように調節するように構成することができる。例えば、
図示の実施形態では、上部および下部プラットフォームリング106、108は、それら
の間に(少なくとも部分的に)延びる6つの円周方向に間隔を置いた長さ調節可能な支柱
110で互いに接続されている。それにより、創外固定装置100は、ヘキサポッドまた
はスチュワートプラットフォームを備えることができる。しかしながら、固定装置100
の構造は、図示の実施形態の6つの支柱110に限定されず、必要に応じて、より多くの
またはより少ない支柱110を利用できることを理解すべきである。
【0028】
図1に示すように、1つ以上の長さ調節可能な支柱110は、ジョイント116を介し
て第1および第2のプラットフォーム106、108の1つに回転可能に結合された軸方
向に細長いねじ付きロッド部分112、および別のジョイント116を介して第1および
第2のプラットフォーム106、108の他方に回転可能に結合された軸方向に細長いバ
レル部分114を備えることができる。支柱110は、ねじ付きロッド部分112が、伸
縮方式でバレル部分114の少なくとも一部内に/貫通して延びるように構成される。図
1に示されるように、いくつかの実施形態では、支柱110は、第1または第2のプラッ
トフォーム106、108の同じ部分に結合された反対向きの支柱110の対で配置され
てもよい。
【0029】
ねじ付きロッド部分112とバレル部分114は、ねじ付きロッド部分112またはバ
レル部分114の少なくとも一部分が他の部分に対して回転することにより、それらの間
の相対的な軸方向位置を調節し、支柱110の軸方向のオーバーオールな長さまたは全長
を調節する(即ち、短くするまたは長くする)ように、ねじ留め可能に結合されている。
このようにして、支柱100を調節して、第1および第2のプラットフォーム106、1
08間の相対位置および/または姿勢/方向を変更または変化させることができる。いく
つかの実施形態では、
図1に示されるように、バレル部分114は、ねじ付きロッド部分
112とバレル部分114の(整列された)軸の周りで回転可能であり(そして潜在的に
それに沿って並進可能であり)、支柱アセンブリ110の全長を調節する(即ち、ねじ付
きロッド部分112およびバレル部分114の伸縮配置を調節する)ために、ねじ付きロ
ッド部分112の少なくとも一部分または他の部分にねじ留め可能に結合されているバレ
ル部分114を他の部分に対して回転するように構成された調節ノブを含んでもよい。し
かしながら、ねじ付きロッド部分112およびバレル部分114は、ねじ付きロッド部分
112およびバレル部分114の伸縮軸方向配置を調節して支柱アセンブリ110の全長
を調節することができるような任意の構成または配置を含んでもよい。第1および第2の
プラットフォーム106、108の位置を調節することは、長さ調節可能な支柱110の
長さを調節することに限定されないことを、しかも第1および第2のプラットフォーム1
06、108の互いに対する配置は、例えば、代替的に、固定装置100に接続された調
節部材のタイプおよび/または数量に従って調節することができることをさらに理解すべ
きである。
【0030】
したがって、各支柱アセンブリ110の軸方向の長さは、独立して調節することができ
る。調節可能な長さの支柱110およびそれらがプラットフォーム106、108に取り
付けられるユニバーサルジョイント116は、固定装置100がスチュワートプラットフ
ォームのように、より具体的には、仮骨延長術リングシステム、ヘキサポッド、またはテ
イラー・スペーシャル・フレームのように機能することを可能にする。したがって、支柱
110に長さ調節を行うことによって、プラットフォーム106、108の空間的配置、
したがってそれに結合された骨部分102、104の空間的配置を変更することができる
。例えば、1つの非限定的な実施形態では、骨部分102、104の長手方向軸が実質的
に互いに整列するように(例えば、それらのそれぞれの端部が互いに隣接するように、例
えば、治癒過程中に結合を促進するように)、1つ以上の支柱110の長さを変えること
により、上部および下部プラットフォーム106、108、したがってそれに結合された
骨部分102、104の相対的位置と姿勢が変わり得る。
【0031】
整形外科創外固定装置100の第1および第2のプラットフォーム106、108の再
配置を使用して、身体組織102、104の角形成、並進、回転、またはそれらの任意の
組合せの変位を修正することができる。本明細書に記載の技術を用いて利用される固定装
置100は、複数のそのような変位欠陥を個別にまたは同時に修正することができる。
【0032】
図1に示されるように、固定装置100は、それに結合された複数の基準マーカー11
8を含んでもよい。基準マーカー118は、互いに固定された関係にある第1または第2
のプラットフォーム106、108、プラットフォーム106、108、および支柱アセ
ンブリ110の少なくとも一部分に結合されてもよい。例えば、基準マーカー118は、
1つまたは一対の近接支柱アセンブリ110のジョイント116など、1つ以上の近接支
柱アセンブリ110の少なくとも一部分に対して固定された三次元空間関係に配置しても
よい。
【0033】
基準マーカー118は、固定装置100の他の構成要素のものとは異なる特定の形状お
よびサイズのものであってもよい。このようにして、基準マーカー118の形状およびサ
イズは、基準マーカー118に固有であってもよい。さらに、少なくとも1つの基準マー
カー118’は、他の基準マーカー118とは異なる可能性がある。例えば、
図1に示さ
れるように、1つの基準マーカー118’は、他の基準マーカー118と比較して、より
小さな球形であってもよい。これにより、固有の基準マーカー118’は、それが結合さ
れている特定のプラットフォーム106、108を他のプラットフォーム106、108
から識別または区別することができる。例えば、固有の基準マーカー118’は、第1の
上部プラットフォーム106に結合されてもよく、それによって、(以下に説明するよう
に)固定装置100の画像などにおいて、第2の下部プラットフォーム108から第1の
上部プラットフォーム106を識別または推定するために利用してもよい。
【0034】
図1に示されるように、いくつかの実施形態では、基準マーカー118は、プラットフ
ォーム106、108のうちの1つから延びる、および/または該プラットフォームの1
つに近接または隣接して配置される球形部分を備えてもよい。いくつかの実施形態では、
基準マーカー118は、プラットフォーム106、108の周りに円周方向または角度方
向に間隔を置いて配置してもよい。例えば、各基準マーカー118は、一対の支柱110
として、プラットフォーム106、108のうちの1つの同じ部分または一般的な領域に
固定的に結合されてもよい。
図1に示すように、固定装置100は、それにより、第1の
上部プラットフォーム106に結合された3つの基準マーカー118を含んでもよく、各
基準マーカー118は、それぞれのジョイント116を介して第1の上部プラットフォー
ム106に結合された一対の支柱アセンブリ110の端部に近接して位置する。
図1に示
されるように、固定装置100は、それにより、第2の下部プラットフォーム108に結
合された3つの基準マーカー118も含んでもよく、各基準マーカー118は、それぞれ
のジョイント116を介して第2の上部プラットフォーム108に結合された一対の支柱
アセンブリ110の端部に近接して位置する。
【0035】
基準マーカー118は、固定装置100がX線撮影など画像化されるときに見えるよう
に構成される。例えば、基準マーカー118の少なくとも(球形の)外面部分は、放射線
不透過性であってもよい。これにより、以下でさらに説明するように、基準マーカー11
8の所定のまたは既知の位置を使用して、固定装置100の画像(例えば、放射線写真/
X線写真)からプラットフォーム106、108、および/またはプラットフォーム10
6、108の位置と姿勢を識別または推定することができる。
【0036】
基準マーカー118については、固定装置100の画像化(例えば、その放射線画像化
)の前に、固定装置の構成要素の特定の事前に識別されたまたは既知の位置に取り付ける
ことができ、固定装置100の構成要素内に埋め込む、またはそれらの任意の組合せとす
ることができる。マーカー要素は、固定装置100の他の構成要素の視認性と比較した場
合に、固定装置100の画像の視認性を高めるように構成することができる。例えば、基
準マーカー118は、放射線不透過性材料などの異なる材料で構築されても、または固定
装置100の放射線画像内において基準マーカー118の他の構成要素からそれらを容易
に区別する形状で構築されてもよい。
【0037】
ここで
図2~
図4を参照すると、創外固定装置(およびそれに結合された骨部分または
他の組織などの解剖学的構造)を示すデジタル放射線画像201および示された創外固定
装置の三次元モデル300をデジタル的に登録する例示的な方法が示されている。より特
別には、解剖学的構造に結合された創外固定装置を有する患者のデジタル放射線画像20
1が
図2に示されている。これにより、デジタル放射線画像201は、(患者の創外固定
装置に対応する)創外固定装置200と、創外固定装置200のプラットフォーム206
、208に結合された解剖学的構造(例えば、骨部分または他の組織部分)202、20
4の描写を含む。創外固定装置200および患者の創外固定装置の三次元モデル300を
(したがって、図示された創外固定装置200も)示す
図2の放射線画像201をデジタ
ル登録する方法400の態様は、
図4のフローチャートに示されている。さらに、
図3は
、デジタル放射線画像201のデジタル的に構築されたモデル325と、
図4の方法40
0を介して構築された三次元モデル化された創外固定装置300に対する相対的な位置と
姿勢/方向にある患者の創外固定装置のデジタル三次元モデル300とを(したがって、
放射線画像201の図示された創外固定装置200も)示した。
【0038】
画像化される患者の創外固定装置、したがって画像201に示された創外固定装置20
0および三次元モデル325の三次元モデル化された創外固定装置300は、
図1に関し
て上記で説明した創外固定装置100と同じまたは類似した創外固定装置であってもよい
。例えば、画像化される患者の創外固定装置、したがって画像201に示される創外固定
装置200および三次元モデル325の三次元モデル化された創外固定装置300は、図
1の創外固定装置100と比較して、1つ以上の同様の構成要素、態様、機能、プロセス
および/または機能を含んでもよい。したがって、画像201に示される創外固定装置2
00に関して「2」で始まる同様の参照番号、および三次元的にモデル化された創外固定
装置300に関して「3」で始まる同様の参照番号は、
図1の創外固定装置100の同様
の構成要素、態様、機能、プロセスおよび/または機能を示すために使用され、それに向
けられた上記の説明は等しく適用され、簡潔さおよび明確さのために繰り返すことはしな
い。例えば、患者の解剖学的構造に結合されて画像化され、それによって画像201に示
される創外固定装置200およびモデル化された創外固定装置300は(デジタル的にモ
デル化または識別された画像201の焦点Oに対して真のまたは補正された相対位置と姿
勢で画像201とともに三次元モデル325に示されている)、それぞれ少なくとも2つ
の骨または組織部分に結合された少なくとも一対の第1の上部および第2の下部プラット
フォームと、プラットフォーム間に延びる6つの長さ調節可能な支柱と、各プラットフォ
ーム上の支柱対の端部に近接した球形の基準マーカー(と、特定のプラットフォームを識
別し、それによって各プラットフォームを識別するただ1つの基準マーカーと)を含むヘ
キサポッドとして構成されてもよい。
【0039】
図4に示されるように、方法400は、態様402で、第1の二次元デジタル放射線画
像、例えば、
図2に示されるように、第1および第2の骨または組織部分202、204
に結合された創外固定装置200を示す患者の画像201を入力することを含んでもよい
。
図2に示されるように、画像201は、創外固定装置描写200(基準マーカー描写2
18を含む)および第1および第2の骨または組織部分描写202、204を含んでもよ
い。画像201は、デジタル放射線画像、または射影歪みと、未知の、不正確な、または
誤認された視点/焦点を含む任意の他の二次元画像であってもよい。固定装置200およ
び第1および第2の骨または組織部分202、204の描写は、実際の固定装置と骨また
は組織部分が画像検出面と焦点との間に配置されている場合、フィルムまたは他の画像検
出面上に投げ掛けられた実際の固定装置および画像化された骨または組織部分の影と同等
または類似する場合があることに留意すべである。したがって、画像201は、固有の投
影歪みを含む。
【0040】
画像201は、ユーザによってデジタル入力されてもよいし、または画像201は、撮
影装置(図示せず)から取得されてもよい。例えば、デジタル画像201は、X線画像、
コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像、超音波、赤外線画像、写真、蛍光透視法、視覚ス
ペクトル画像、またはそれらの任意の組合せを使用して取得することができる。画像20
1は、実際の固定装置および骨または組織部分に対して任意の位置および/または方向か
らキャプチャすることができる。
【0041】
方法400は、実際の固定装置および骨または組織部分の複数の画像を入力することを
含んでもよく、それにより、異なる視点や焦点から取られた創外固定装置描写200(基
準マーカー描写218を含む)および第1および第2の骨または組織部分描写202、2
04を含む。方法400は、画像を互いに比較したり、対照したり、または他の方法で分
析したりするのではなく、各画像を別々にまたは個々に画像ごとに処理してもよい。
【0042】
図2に示されるように、例示的なデジタル入力画像201は、少なくとも2つの骨また
は組織部分202、204にそれぞれ結合された第1の上部および第2の下部プラットフ
ォーム206、208、およびプラットフォーム206、208と各プラットフォーム上
の支柱対の端部に近接する球形の基準マーカー218との間に延びる6つの長さ調節可能
な支柱110(および特定のプラットフォーム、したがって各プラットフォームを識別す
る1つの固有の基準マーカー218)を示すことができる。
【0043】
図4に示すように、404で、実際の創外装置のデジタル寸法をデジタル入力してもよ
い。例えば、ユーザは、デジタル寸法であるか、またはそれに対応する実際の創外装置の
1つ以上の寸法を入力してもよい。例えば、実際の基準マーカーの直径、各プラットフォ
ーム上での実際の基準マーカー間のコード距離、および実際の支柱の軸方向の長さに対応
するデジタル寸法をデジタル入力してもよい。方法400は、距離と実際の支柱の軸方向
長さとの間の既知の関係を介して、各支柱の両端にある対応する基準マーカー間の距離を
計算してもよい。
【0044】
図3を参照すると、方法400は、画像201および任意の焦点Oに関連して、実際の
創外固定装置に対応する三次元モデル化された創外固定装置300を用いて三次元モデル
325をデジタルモデル化するか、または作成してもよい。三次元モデル化された創外固
定装置300については、(入力デジタル寸法を介して)既知のAB、BC、CAおよび
DE、EF、およびFDのコード距離を有し、(入力デジタル寸法を介して)既知の形状
A、B、C、D、E、Fとして機能する6つの放射線不透過性の球形基準マーカー318
を取り付けて、空間配置されたプラットフォーム306、308で構成してもよい。また
、基準マーカー形状A、B、およびCは、基準マーカー形状D、E、およびFから(入力
されたデジタル寸法を介して)既知の長さで間隔が空けられている。したがって、
図3は
、3×3の基準マーカー構成を示しており、これは、第1および第2のプラットフォーム
306、308のそれぞれ上にある3つの一致する基準マーカーを指す。この例では、A
で示される一意の基準マーカー318’は、(全て同じサイズの)残りの基準マーカー3
18よりも小さい。一意の基準マーカー318’Aは、第1のプラットフォーム306を
第2のプラットフォーム308と区別し、画像空間における第1のプラットフォーム30
6の回転を区別する。
【0045】
図1に示すように、実際の創外固定装置の基準マーカーが球形である場合、画像201
内の基準マーカー描写218は、
図2に示すように、基準マーカーに対する画像201の
焦点Oおよび画像化平面の位置関係に起因して、球形である。画像201内の楕円形の基
準マーカー描写218は、
図2に示すように、比較的鋭い外縁を含む可能性がある。方法
4000は、406で、
図4に示すように、画像201
内の楕円形の基準マーカー描写2
18をデジタル的に配置することができる。方法400は、楕円形の基準マーカー描写2
18の形状エッジを利用してもよく、基準マーカー描写218のソースであったそれぞれ
の基準マーカーは、実際には、影/描写218の上のどこかに位置し、配置された点であ
ると結論付けてもよい。方法400はまた、
図3に示すように、実際の各基準マーカーが
、各楕円形基準マーカー描写218の中心と画像201のソースの焦点との間の線を記述
するベクトル上にあると結論付けることができる。
【0046】
方法400は、408で、
図4に示すように、各楕円形基準マーカー描写218の拡大
係数を介して、各楕円形基準マーカー描写218と実際のそれぞれの基準マーカーとの間
の相対距離、および各楕円形基準マーカー描写218と画像ソースまたは焦点Oとの間の
距離をさらに決定または関連付ける(または定義する)ことができる。いくつかの実施形
態では、方法400は、画像201内の楕円形基準マーカー描写218のサイズおよび位
置を特定し、評価した。いくつかの実施形態では、方法400は、楕円形の基準マーカー
描写218のデジタル入力された実際の直径に関連して、デジタル決定された基準マーカ
ー描写218の短軸寸法を利用してもよく、これは、画像201と焦点Oとの間の相対距
離、および実際の基準マーカーが存在する場所の間に延びるベクトルに沿った高さに関連
していてもよい。いくつかの実施形態では、方法400は、画像解像度を利用して、デジ
タル入力された実際のサイズに対する基準マーカー描写218の初期画像スケールおよび
相対的なサイズを決定することができる。
【0047】
例えば、方法400は、各楕円形基準マーカー描写218の直径をデジタル的に識別ま
たは測定し(例えば、各楕円形基準マーカー描写218の短径または平均直径を識別また
は測定する)、各楕円形基準マーカー描写218の直径を、対応する実際の基準マーカー
の実際の直径と比較して、各楕円形基準マーカー描写218の拡大係数をデジタル的に決
定し、該拡大係数を利用して、画像201内の基準マーカー描写218と実際の基準マー
カーとの間の相対距離および基準マーカー描写218と画像ソースまたは焦点Oとの間の
距離を関連付けまたは記述してもよい。それにより、方法400は、各楕円形基準マーカ
ー描写218のデジタル的に決定された直径、および実際の固定装置のそれぞれの基準マ
ーカーのデジタル入力された実際の直径を利用し、基準マーカー描写218と画像ソース
または焦点Oとの間の距離の関数として、楕円形の基準マーカー描写218と実際の基準
マーカーとの間の相対距離を決定または説明してもよい。それにより、本方法は、各実際
の基準マーカーについて、画像201からの距離(例えば、画像201から垂直に延びる
Z軸に沿った距離)の方程式、式、または関係を決定してもよい。
【0048】
各楕円形基準マーカー描写218と実際のそれぞれの基準マーカーとの間の距離は、そ
れ自体では、画像ソースまたは焦点Oの位置と姿勢を示さない。方法400は、画像ソー
スまたは焦点Oの見かけの焦点位置と姿勢を決定するための実際の基準マーカー間の距離
に関連する入力寸法を利用してもよい。
【0049】
本システムおよび方法は、
図3に示すように、画像201および任意の焦点Oに対する
実際の創外固定装置に対応する三次元モデル化された創外固定装置300を用いてデジタ
ルモデル化または作成された三次元モデル325を介して、放射線画像201内に示され
た創外固定装置200に対応する実際の創外固定装置の位置と姿勢を決定してもよい。図
3に示すように、焦点Oは、画像210の上の空間に浮かぶ任意の点として定義される。
【0050】
方法400は、410で、
図3および
図4に示すように、それぞれが画像201の基準
マーカー描写218の中心、三次元モデル化された創外固定装置300のモデル化された
基準マーカー318の中心、および任意に選択された焦点位置Oのうちの少なくとも2つ
を通って延びるまたは通過する複数の閉じたベクトルループを構築することによって、複
数の制約を定義してもよい。非限定的な例として、方法400は、
図3に示すように、P
1A-O-P2A-P1Aの第1の閉ベクトルループ330、B2A-C-E-P1A-
B2Aの第2の閉ベクトルループ332、および/またはB0A-A-B-B1A-BO
Aの第3の閉ベクトルループ334を構築することができる。
【0051】
方法400は、412で、
図4に示すように、複数の閉じたベクトルループを解いて(
例えば、それらがそれ自体で崩壊するように、および/またはゼロに等しくなるように)
、創外固定器の実際の基準マーカーの(例えば、画像201のX座標とY座標およびZ座
標における)それぞれのノード位置A、B、C、D、E、F、および画像201の実際の
、真の、または補正された(例えば、画像201のX座標とY座標およびZ座標における
)焦点Oの位置を決定することができる。創外固定器の実際の基準マーカーのそれぞれの
ノード位置A、B、C、D、E、Fおよび画像201の実際の焦点Oの位置を、限定され
た数のこのような閉じたベクトルループを利用して決定することができることに留意すべ
きである。ただし、比較的多くのこのような閉じたベクトルループを使用して、結果を統
計的に改善できる。
【0052】
画像空間におけるノード位置A、B、C、D、E、F、およびOの全てを決定した後、
414で、方法400は、
図4に示すように、画像201に対する(入力寸法を介して)
既知の(少なくとも部分的に球形基準マーカーの集合によって示される)実際の創外固定
装置に適した第1の座標変換行列(または座標変換)を構築することができる。次に、方
法400は、414で、座標変換行列の逆行列を得て、
図4に示すように、実際の創外固
定装置に対する画像201の位置(例えば、X、Y、およびZ位置)と姿勢(即ち、X、
YおよびZにおける方向)を定義または記述する第2の座標変換行列を決定することがで
きる。
【0053】
いくつかの実施形態では、方法400は、原点が共通のノードに存在する2つの適切な
ベクトルの法線ベクトルを決定するために、共通プラットフォームのノード間の一対の適
切なベクトルの外積を決定することによって適切な第1の座標変換を構築してもよい。例
えば、方法400は、ABxACの外積を取り、それにより、原点がAにあるABおよび
ACの両方に垂直なベクトルを決定することができる。次に、方法400は、結果として
得られるベクトルを以前の適切なベクトルの1つと交差させて、この場合、(上記の例で
はABCによって定義されているような、選択されたそれぞれのノードによって定義され
る)画像空間内のプラットフォームを示すまたは記述する直交座標系(即ち、座標変換行
列)を決定することができる。複数の閉じたベクトルループが決定されると、方法400
は、それによって、影画像空間における既知の実際の基準マーカーの集合のための座標変
換を定義してもよい(即ち、行次元、列次元、および高さ次元を決定する)。
【0054】
方法400は、第2の座標変換行列を利用して、実際の創外固定の三次元モデル300
のデジタル三次元モデル325と、画像焦点Oの視点またはカメラ視野で、三次元モデル
化された創外固定装置300に対する相対位置と姿勢/方向にある画像201とを作成す
ることができる。本方法は、三次元モデル300をレンダリングして、三次元モデル30
0をユーザに表示することができるため、ユーザは、三次元モデル300を定性的に検査
またはレビューして、方法400を介して構築された三次元モデル300が画像201に
対して正しい位置と姿勢にあることを確実にすることができる。
【0055】
デジタルモデル化された創外固定器300および
図3の画像201について、第2の座
標変換行列、および結果として得られる座標変換行列を構築する例が、
図5に示されてい
る。
【0056】
決定された座標系を用いて、方法400は、各画像における一貫したアプローチを使用
して、複数の放射線画像のそれぞれにおける既知の三次元物体の集合を利用して、複数の
画像内における任意の対の画像間の座標変換を決定することができる。本システムおよび
方法は、三次元物体の真の三次元位置と姿勢を構築するときに、非直交または他の方法で
回転した画像のペアを補正し、したがって、放射線画像内で行われる他のどのような注釈
や測定も正確に記述することができる。
【0057】
本方法およびシステムは、画像ごとに複数の画像201のそれぞれに対して方法400
を使用して、より大きな患者空間内の同じ既知の基準マーカー(創外固定装置)を全て記
述する複数の座標系を決定することができる。
【0058】
当業者に明らかであるように、本開示の発明は、ヘキサポッドおよび骨部分モデリング
の分野を含め、創外固定装置および解剖学的構造コンピュータモデリングの分野において
重要な改善を提供する。さらに、本開示の発明は、放射線画像の歪み補正の分野を含め、
放射線画像の分野において重要な改善を提供する。本開示の発明はまた、ヘキサポッド調
節処方の分野を含め、創外固定装置調節処方規定の分野において重要な改善を提供する。
【0059】
当業者は、本発明の態様が、システム、方法、および/またはコンピュータプログラム
製品に具体化され得ることを認識するであろう。いくつかの実施形態では、本発明の態様
は、完全にハードウェアで、完全にソフトウェアで(例えば、ファームウェア、常駐ソフ
トウェア、マイクロコードなどで)、またはソフトウェアとハードウェアの態様の組合せ
で具体化することができ、これらは全て、本明細書では一般的に「システム」と呼ばれ、
回路および/またはモジュールを含む。
【0060】
図6は、本発明の1つ以上の態様を組み込んで使用するためのコンピュータシステムの
一例を示す。コンピュータシステム500は、物品を付加的に製造するために使用される
コンピュータシステムなどの物品製造および/または修理施設のコンピュータシステム、
および/または物品を製造するためにAM装置またはデバイスが使用するデータを生成す
るためのコンピュータシステムであってもよい。
図6のコンピュータシステム500は、
上記のプロセスを実行するためのプログラムコードなどのプログラムコードを格納および
/または実行するのに適しており、バス520を介してメモリ505に直接または間接的
に結合された少なくとも1つのプロセッサ502を含む。動作中、プロセッサ502は、
メモリ505から、プロセッサによる実行のための命令を取得することができる。メモリ
505は、プログラムコードの実際の実行中に使用されるローカルメモリ、バルクストレ
ージ、およびプログラムコード実行中にバルクストレージからコードを検索しなければな
らない回数を減らすために少なくともいくつかのプログラムコードの一時的ストレージを
提供するキャッシュメモリを含んでもよい。メモリ505の例の非限定的なリストは、ハ
ードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去
可能でプログラム可能な読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光フ
ァイバ、携帯型コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁
気記憶装置、または前述の任意の適切な組合せを含む。メモリ505は、オペレーティン
グシステム505と、回路設計のデジタルレイアウトへの調節を効果的に行うなど、本明
細書に記載の態様を実行するための1つ以上の実行プログラムなど、1つ以上のコンピュ
ータプログラム506とを含んでもよい。
【0061】
入出力(I/O)デバイス512、515(周辺デバイスなど)は、直接またはI/O
コントローラ510を介してシステムに結合してもよい。ネットワークアダプタ508は
また、システムに結合されて、コンピュータシステムが、介在するプライベートまたはパ
ブリックネットワークを介して、他のコンピュータシステムに結合されるようにすること
ができる。モデム、ケーブルモデム、およびイーサネットカードは、現在利用可能なタイ
プのネットワークアダプタ508のほんの一部である。一例では、ネットワークアダプタ
508は、本発明の態様を容易にするために、リモートソースからのデータの取得を容易
にする。
【0062】
コンピュータシステム500は、1つ以上のデータベースを有するストレージ516(
例えば、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブなどの不揮発性ス
トレージ領域)に結合してもよい。ストレージ516は、内部ストレージデバイス、また
は接続ストレージ、またはネットワークアクセス可能ストレージを含んでもよい。ストレ
ージ516内のコンピュータプログラムは、メモリ505にロードされ、プロセッサ50
2によって実行され得る。
【0063】
コンピュータシステム500は、図示よりも少ない構成要素、本明細書に図示されてい
ない追加の構成要素、または図示された構成要素と追加の構成要素とのいくつかの組合せ
を含んでもよい。コンピュータシステム500は、メインフレーム、サーバ、パーソナル
コンピュータ、ワークステーション、ラップトップ、ハンドヘルドコンピュータ、スマー
トフォン、テーブル、または他のモバイルデバイス、テレフォニーデバイス、ネットワー
クアプライアンス、仮想化デバイス、ストレージコントローラなどの任意のコンピューテ
ィングデバイスを含んでもよい。
【0064】
さらに、上記のプロセスは、コンピューティング環境の一部として協調して動作する複
数のコンピュータシステム500によって実行されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、本発明の態様は、コンピュータ可読媒体に具体化されたコン
ピュータプログラム製品の形をとってもよい。コンピュータ可読媒体は、その上にコンピ
ュータ可読プログラムコードを統合している可能性がある。様々なコンピュータ可読媒体
またはそれらの組合せを利用してもよい。例えば、コンピュータ可読媒体は、コンピュー
タ可読記憶媒体を含んでもよく、その例は、1つ以上の電子、磁気、光学、または半導体
システム、装置、またはデバイス、または前述の任意の適切な組合せを含んでもよい(が
、これらに限定されない)。コンピュータ可読記憶媒体の例には、例えば、1つ以上のワ
イヤを有する電気接続、携帯型コンピュータディスケット、ハードディスクまたは大容量
記憶装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、および/
またはEPROMまたはフラッシュメモリなどの消去可能でプログラム可能な読取り専用
メモリ、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)
、光記憶装置、磁気記憶装置(テープデバイスを含む)、または上記の任意の適切な組合
せが含まれる。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはプロセッ
サなどのデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムコードを
含むまたは格納することができる有形媒体を含むように定義される。したがって、コンピ
ュータ可読媒体内に格納されたプログラムコードは、プログラムコードを含む製品(「コ
ンピュータプログラム製品」など)を生成する。
【0066】
ここで
図7を参照すると、一例では、コンピュータプログラム製品600は、例えば、
本発明の1つ以上の態様を提供および促進するために、コンピュータ可読プログラムコー
ド手段またはロジック604をその上に格納する1つ以上のコンピュータ可読媒体602
を含む。
【0067】
コンピュータ可読媒体に含まれる、またはコンピュータ可読媒体上に格納されるプログ
ラムコードは、コンピュータシステム(コンピュータ、コンピュータシステムなどで、そ
の構成要素も含む)および/または他のデバイスによって取得および実行され、コンピュ
ータシステム、その構成要素、および/または他のデバイスを特定の方法で動作/機能さ
せることができる。プログラムコードは、無線、有線、光ファイバ、および/または無線
周波数を含む(がこれらに限定されない)任意の適切な媒体を使用して送信することがで
きる。本発明の態様を実行、達成、または促進するための操作を実行するためのプログラ
ムコードは、1つ以上のプログラミング言語で書く場合がある。いくつかの実施形態では
、プログラミング言語は、C、C++、C#、Javaなどのオブジェクト指向型および
/または手続き型プログラミング言語を含む。プログラムコードは、完全にユーザのコン
ピュータ上で、完全にユーザのコンピュータから離れて、または部分的にユーザのコンピ
ュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で実行してもよい。いくつかの実施形態で
は、ユーザのコンピュータとリモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(L
AN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)などのネットワークを介して、および
/または外部コンピュータを介して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用
してインターネットを介して)通信している。
【0068】
一例では、プログラムコードは、1つ以上のプロセッサによる実行のために取得された
1つ以上のプログラム命令を含む。コンピュータプログラム命令は、機械を製造するため
に、例えば、1つ以上のコンピュータシステムの1つ以上のプロセッサに提供されてもよ
く、そのようなプログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、本
発明の側面、例えば、本明細書に記載されたフローチャートおよび/またはブロック図に
記載された動作または機能を実行し、達成し、または促進する。したがって、本明細書に
示され、説明されるフローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、またはブ
ロックの組合せについては、いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム命令によ
って実施することができる。
【0069】
図を参照して示され、説明されたフローチャートおよびブロック図は、本発明の態様に
よるシステム、方法、および/またはコンピュータプログラム製品の可能な実施形態のア
ーキテクチャ、機能、および動作を示す。したがって、これらのフローチャート図および
/またはブロック図は、本発明の態様による方法、装置(システム)、および/またはコ
ンピュータプログラム製品であり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、上記のように、フローチャートまたはブロック図の各ブロッ
クは、モジュール、部分、またはコードの一部分を表すことができ、ブロックの指定され
た動作および/または論理機能を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む。当業者
は、ブロックによって指定または実行される動作/機能が、図示および/または説明とは
異なる順序で発生するか、または1つ以上の他のブロックと同時に、または部分的/完全
に同時に発生する可能性があることを理解するであろう。実際、連続して表示される2つ
のブロックは、実質的に同時に実行される場合もあれば、逆の順序で実行される場合もあ
る。さらに、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、並びにブロック
図および/またはフローチャート図のブロックの組合せは、ブロックまたはブロック図ま
たはフローチャート全体で指定された動作/機能を実行する専用のハードウェアベースの
システムによって、またはコンピュータ命令と組み合わせて完全に実施することができる
。
【0071】
上記の説明は例示を意図したものであり、限定を意図したものではないことを理解すべ
きである。当業者は、以下の特許請求の範囲およびその同等物によって定義される本発明
の一般的な精神および範囲から逸脱することなく、本明細書において多数の変更および修
正を行ってもよい。例えば、上記の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み
合わせて使用してもよい。さらに、特定の状況または材料を、それらの範囲から逸脱する
ことなく、様々な実施形態の教示に適合させるために、多くの修正を行ってもよい。本明
細書に記載の材料の寸法およびタイプは、様々な実施形態のパラメータを定義することを
意図しているが、それらは決して限定するものではなく、単なる例示である。上記の説明
を検討すると、他の多くの実施形態が当業者には明らかであろう。したがって、様々な実
施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような請求項が権利を与えられ
る同等物の全範囲とともに決定されるべきである。
【0072】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、
本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a
」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含
むことを意図している。さらに、「含む、備える(comprise)」(および「co
mprises」や「comprising」などの任意の形の「comprise」)
、「有する(have)」(および「has」や「having」などの任意の形の「h
ave」)、「含む(include)」(および「includes」や「inclu
ding」などの任意の形の「include」)、「含む(contain)」(およ
び「contains」や「containing」などの任意の形の「contain
」)、およびその他の文法上の変形という用語は、終わりのない連結動詞であることが理
解されよう。結果として、1つ以上のステップまたは要素を「含む、備える(compr
ises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」または「含む(c
ontains)」方法または物品は、それらの1つ以上のステップまたは要素を所有す
るが、それらの1つ以上のステップまたは要素のみを所有することに限定されない。同様
に、1つ以上の特徴を「含む、備える(comprises)」、「有する(has)」
、「含む(includes)」または「含む(contains)」方法または物品の
要素のステップは、それらの1つ以上の特徴を所有するが、それらの1つ以上の特徴のみ
を所有することに限定されない。
【0073】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」、「有する(has)
」、「含む(including)」、「含む(containing)」、およびそれ
らの他の文法的変形という用語は、「からなる(consisting of)」および
「本質的にからなる(consisting essentially of)」という
用語を包含する。
【0074】
本明細書で使用される場合の「本質的に~からなる(consisting esse
ntially of)」という句またはその文法的変形は、記載された特徴、整数、ス
テップまたは構成要素を指定するものと解釈されるべきであるが、1つ以上の追加の特徴
、整数、ステップ、構成要素またはそれらの群の追加を排除しないが、追加の特徴、整数
、ステップ、構成要素、またはそれらの群が、請求項に係る組成物または方法の基本的か
つ新規な特性を実質的に変更しない場合に限る。
【0075】
本明細書で引用される全ての刊行物は、あたかも個々の出版物が、完全に説明されてい
るかのように、参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されている
かのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0076】
参照により組み込まれる主題は、特に明記されていない限り、任意の請求項制限の代替
とは見なされない。
【0077】
本明細書全体で1つ以上の範囲が参照される場合、各範囲は、情報を提示するための省
略形であることが意図され、その範囲は、同じことが本明細書に完全に記載されているか
のように、範囲内の各離散点を包含すると理解される。
【0078】
本発明のいくつかの態様および実施形態が本明細書に説明および図示されているが、代
替の態様および実施形態は、同じ目的を達成するために当業者によって影響を受ける可能
性がある。したがって、本開示および添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神および
範囲内にあるような全てのそのようなさらなる代替の態様および実施形態を網羅すること
を意図している。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
デジタル二次元放射線撮影空間の上にある投影三次元空間内の整形外科用固定装置から既知の物体集合の実際の位置と姿勢をデジタル的に決定するステップであって、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合を示す第1のデジタル放射線画像をデジタル入力することと、
前記第1のデジタル放射性画像における既知の物体集合の描写のサイズを測定することと、
前記整形外科用固定装置から物体集合の既知のサイズと、前記測定サイズとを比較することと、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するために、前記比較を利用することとを
含むステップを含む、方法。
【請求項2】
前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを構築するために、前記比較を利用するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較を利用する前記ステップは、前記投影三次元空間を再構築するための前記第1のデジタル放射線画像内の前記物体の描写の相対的な倍率をデジタル的に決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のデジタル放射線画像における前記既知の物体集合の選択された描写間の距離を測定するステップと、
焦点を決定するために、前記整形外科用固定装置から物体集合間の既知距離と、前記測定距離とを比較するステップとをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のデジタル放射線画像は、前記既知の物体集合に結合された少なくとも1つの解剖学的構造の描写をさらに含み、前記投影三次元空間内の前記少なくとも1つの解剖学的構造の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを構築するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記既知の物体集合が、前記整形外科用固定装置の基準マーカーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するステップは、前記第1のデジタル放射線画像に対する前記既知の物体集合の前記位置と姿勢を定義する座標変換行列を構築するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータプログラム製品であって、
デジタル二次元放射線撮影空間の上にある投影三次元空間内における整形外科用装置からの既知の物体集合の実際の位置と姿勢をデジタル的に決定する方法を実行するために、1つ以上の処理回路によって読取り可能であり、1つ以上のプロセッサによって実行するための命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合を示す第1のデジタル放射線画像をデジタル入力するステップと、
前記第1のデジタル放射線画像における前記既知の物質集合の描写の少なくとも1つのサイズと、前記第1のデジタル放射線画像における前記既知の物質集合の選択された描写間の距離とを測定するステップと、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するために、前記第1のデジタル放射線画像から前記二次元放射線撮影空間内の前記既知の物体集合の少なくとも1つの前記測定サイズと、前記測定距離とを利用するステップと
を含むコンピュータ可読記憶媒体を備える、製品。
【請求項9】
前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを構築するステップをさらに含む、請求項8に記載の製品。
【請求項10】
前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するために、前記第1のデジタル放射線画像における前記二次元放射線撮影空間内の前記既知の物体集合の描写を利用する前記ステップは、前記投影三次元空間を再構築するための前記第1のデジタル放射線画像内の前記物体の描写の相対的な倍率をデジタル的に決定するステップを含む、請求項8に記載の製品。
【請求項11】
前記第1のデジタル放射線画像に示された前記既知の物体集合と共通の物体の比較を介して、前記第1のデジタル放射線画像間の関係を決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の製品。
【請求項12】
前記第1のデジタル放射線画像は、前記既知の物体集合に結合された少なくとも1つの解剖学的構造の描写をさらに含み、前記投影三次元空間内の前記少なくとも1つの解剖学的構造の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを構築するステップをさらに含む、請求項11に記載の製品。
【請求項13】
前記既知の物体集合が前記整形外科用固定装置の基準マーカーを備える、請求項8に記載の製品。
【請求項14】
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するステップは、前記第1のデジタル放射線画像に対する前記既知の物体集合の前記位置と姿勢を定義する座標変換行列を構築するステップを含む、請求項8の製品。
【請求項15】
システムであって、
メモリと、
前記メモリと通信する少なくとも1つのプロセッサと、
デジタル二次元放射線撮影空間の上にある投影三次元空間内の整形外科用固定装置から既知の物体集合の実際の位置と姿勢をデジタル的に決定する方法を実行するために、前記メモリを介して1つ以上のプロセッサによって実行可能なプログラム命令であって、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合を示す第1のデジタル放射線画像をデジタル入力するステップと、
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するために、前記第1のデジタル放射線画像から前記二次元放射線撮影空間内の前記既知の物体集合の選択された描写間の測定距離と、整形外科用固定装置から物体集合間の既知距離とを利用するステップと
を含むプログラム命令と
を備える、システム。
【請求項16】
前記投影三次元撮影空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを構築するために、整形外科用固定装置から物質集合間の既知距離と、前記測定距離とを比較することをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するために、前記第1のデジタル放射線画像における前記二次元放射線撮影空間内の前記既知の物体集合の描写を利用する前記ステップは、前記投影三次元空間を再構築するための前記第1のデジタル放射線画像内の前記物体の描写の相対的な倍率をデジタル的に決定するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のデジタル放射線画像に示された前記既知の物体集合と共通の物体の比較を介して、前記第1のデジタル放射線画像間の関係を決定するステップをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1のデジタル放射線画像は、前記既知の物体集合に結合された少なくとも1つの解剖学的構造の描写をさらに含み、前記投影三次元空間内の前記少なくとも1つの解剖学的構造の前記実際の位置と姿勢の三次元モデルを構築するステップをさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記既知の物体集合は前記整形外科用固定装置の基準マーカーを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記二次元放射線撮影空間の上にある前記投影三次元空間内の前記既知の物体集合の前記実際の位置と姿勢を決定するステップは、前記第1のデジタル放射線画像に対する前記既知の物体集合の前記位置と姿勢を定義する座標変換行列を構築するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
取付け部材は、例えば、プラットフォーム106、108によって画定される開口部に
これらを結合することによって、プラットフォームリング106、108の周辺に沿った
所定の点でプラットフォームリング106、108に取り外し可能に取り付けることがで
きる。各プラットフォーム106、108に関して、取付け部材および/またはそれと結
合された取付け機構または部材は、プラットフォームの上面、プラットフォームの下面、
またはそれらの任意の組合せに取り付けることができる。取付け部材の構成は、上記の構
成に限定されないことを理解すべきである。例えば、任意の数量のピン、ワイヤなどの任
意の数量の取付け部材を使用して、必要に応じて、骨部分102、104およびそれぞれ
のプラットフォーム106、108に固定することができる。さらに、1つ以上の取付け
部材は、中間または追加の取付け機構を利用せずに、プラットフォーム106、108に
直接的に取り付けまたは結合するように構成することができ、または、取付け機構を介し
て、若しくは取付け機構の補助または支援を受けて、プラットフォーム106、108に
間接的に取り付けるように構成してもよいことを理解すべきである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
図1に示すように、実際の創外固定装置の基準マーカーが球形である場合、画像201
内の基準マーカー描写218は、
図2に示すように、基準マーカーに対する画像201の
焦点Oおよび画像化平面の位置関係に起因して、球形である。画像201内の楕円形の基
準マーカー描写218は、
図2に示すように、比較的鋭い外縁を含む可能性がある。方法
400は、406で、
図4に示すように、画像201内の楕円形の基準マーカー描写21
8をデジタル的に配置することができる。方法400は、楕円形の基準マーカー描写21
8の形状エッジを利用してもよく、基準マーカー描写218のソースであったそれぞれの
基準マーカーは、実際には、影/描写218の上のどこかに位置し、配置された点である
と結論付けてもよい。方法400はまた、
図3に示すように、実際の各基準マーカーが、
各楕円形基準マーカー描写218の中心と画像201のソースの焦点との間の線を記述す
るベクトル上にあると結論付けることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
図6は、本発明の1つ以上の態様を組み込んで使用するためのコンピュータシステムの
一例を示す。コンピュータシステム500は、物品を付加的に製造するために使用される
コンピュータシステムなどの物品製造および/または修理施設のコンピュータシステム、
および/または物品を製造するためにAM装置またはデバイスが使用するデータを生成す
るためのコンピュータシステムであってもよい。
図6のコンピュータシステム500は、
上記のプロセスを実行するためのプログラムコードなどのプログラムコードを格納および
/または実行するのに適しており、バス520を介してメモリ
504に直接または間接的
に結合された少なくとも1つのプロセッサ502を含む。動作中、プロセッサ502は、
メモリ
504から、プロセッサによる実行のための命令を取得することができる。メモリ
504は、プログラムコードの実際の実行中に使用されるローカルメモリ、バルクストレ
ージ、およびプログラムコード実行中にバルクストレージからコードを検索しなければな
らない回数を減らすために少なくともいくつかのプログラムコードの一時的ストレージを
提供するキャッシュメモリを含んでもよい。メモリ
504の例の非限定的なリストは、ハ
ードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去
可能でプログラム可能な読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光フ
ァイバ、携帯型コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁
気記憶装置、または前述の任意の適切な組合せを含む。メモリ
504は、オペレーティン
グシステム505と、回路設計のデジタルレイアウトへの調節を効果的に行うなど、本明
細書に記載の態様を実行するための1つ以上の実行プログラムなど、1つ以上のコンピュ
ータプログラム506とを含んでもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
コンピュータシステム500は、1つ以上のデータベースを有するストレージ516(
例えば、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブなどの不揮発性ス
トレージ領域)に結合してもよい。ストレージ516は、内部ストレージデバイス、また
は接続ストレージ、またはネットワークアクセス可能ストレージを含んでもよい。ストレ
ージ516内のコンピュータプログラムは、メモリ504にロードされ、プロセッサ50
2によって実行され得る。
【外国語明細書】