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特開2024-10958飛行ルート表示システム、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010958
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】飛行ルート表示システム、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/13 20060101AFI20240118BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20240118BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20240118BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G08G1/13
G06F3/04815
G09B29/10 A
G09B29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112584
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】520148806
【氏名又は名称】大倉 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(74)【代理人】
【識別番号】100217467
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴崎 一磨
(72)【発明者】
【氏名】大倉 健吾
【テーマコード(参考)】
2C032
5E555
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB05
2C032HB22
2C032HC09
2C032HC22
2C032HC23
2C032HC27
2C032HD16
5E555AA27
5E555BA02
5E555BA85
5E555BB02
5E555DB55
5E555DB56
5E555DC09
5E555DC10
5E555DC35
5E555DC43
5E555FA00
5H181AA26
5H181BB04
5H181FF22
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】飛行ルートをより明確に表示できる飛行ルート表示システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】飛行ルート表示システム1において、表示画面14aを有する表示部14と、表示部14に三次元地図を表示させる地図表示部111を有する制御部11と、を備えた。制御部11は、飛行体の位置を示す三次元の位置情報を取得する位置取得部112と、位置取得部112が連続的に取得した位置情報に基づいて、三次元地図上に飛行ルートを表示させるルート表示部114と、位置情報が示す位置から三次元地図の地表面に垂直に降ろした高度表示バーを表示させる高度表示部115と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する表示部と、
前記表示部に三次元地図を表示させる地図表示部を有する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
飛行体の位置を示す三次元の位置情報を取得する位置取得部と、
前記位置取得部が連続的に取得した前記位置情報に基づいて、前記三次元地図上に飛行ルートを表示させるルート表示部と、
前記位置情報が示す位置から前記三次元地図の地表面に垂直に降ろした高度表示バーを表示させる高度表示部と、
を備えている、
飛行ルート表示システム。
【請求項2】
前記高度表示バーは、半透明である、
請求項1に記載の飛行ルート表示システム。
【請求項3】
前記高度表示部は、高度に応じて異なる色で、前記高度表示バーを表示させる、
請求項1に記載の飛行ルート表示システム。
【請求項4】
前記高度表示部は、前記飛行体の移動における所定時間ごとに、前記位置情報に応じた前記高度表示バーを表示させる、
請求項1に記載の飛行ルート表示システム。
【請求項5】
前記位置取得部は、前記飛行体の出発から到着までの飛行シミュレーションに基づいて、前記位置情報を取得する、
請求項1ないし4のいずれかに記載の飛行ルート表示システム。
【請求項6】
前記高度表示部は、出発からの出発時所定期間、または、到着までの到着時所定期間の間、前記高度表示バーの表示位置を、本来の位置からずらして表示させる、
請求項5に記載の飛行ルート表示システム。
【請求項7】
前記位置取得部は、さらに、前記飛行体の実際の位置に基づいて、前記飛行体の位置を示す三次元の第2位置情報を取得し、
前記ルート表示部は、さらに、前記位置取得部が連続的に取得した前記第2位置情報に基づいて、前記三次元地図上に第2飛行ルートを表示させ、
前記高度表示部は、さらに、前記第2位置情報が示す位置から前記三次元地図の地表面に垂直に降ろした第2高度表示バーを表示させる、
請求項5に記載の飛行ルート表示システム。
【請求項8】
表示画面を有する表示部と、前記表示部を制御する制御部と、を有するコンピュータを飛行ルート表示システムとして機能させるプログラムであって、
前記制御部を、
前記表示部に三次元地図を表示させる地図表示部と、
飛行体の位置を示す三次元の位置情報を取得する位置取得部と、
前記位置取得部が連続的に取得した前記位置情報に基づいて、前記三次元地図上に飛行ルートを表示させるルート表示部と、
前記位置情報が示す位置から前記三次元地図の地表面に垂直に降ろした高度表示バーを表示させる高度表示部と、
として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体の飛行ルートを表示画面の三次元地図上に表示する飛行ルート表示システム、および、コンピュータを飛行ルート表示システムとして機能させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示画面に表示された地図上に、例えば航空機またはドローンなどの飛行体の飛行ルートを表示させる飛行ルート表示システムが開発されている。飛行ルート表示システムには、例えば飛行体の位置の緯度および経度に基づいて、二次元の地図上に飛行ルートを表示するものがある。当該表示システムの場合、飛行体の高度を表すことができない。また、飛行ルート表示システムには、さらに飛行体の高度情報を含めて、三次元の地図上に飛行ルートを表示するものがある。特許文献1には、三次元電子地図を用い、基地局にあるモニタ部の地図表示部に、移動局の移動軌跡を表示させる表示システムが開示されている。当該表示システムの場合、高度情報も利用して三次元電子地図上に表示されるので、移動軌跡を立体的に示すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-85188号公報
【特許文献2】特許第6899022号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、三次元の位置を二次元の表示画面に表示する場合、三次元上では異なる位置でも二次元の表示画面では同じ位置に表示されることがある。特許文献1に記載の表示システムでは、三次元電子地図においては異なる高さでも、地図表示部においては同じ高さに見えるように表示されることがあるので、正確な位置表現が不明確になる。例えば、丘陵地の高い上空を超える飛行ルートと、低い位置で丘陵地を回り込む飛行ルートとが、二次元の地図表示部では同様の高さに見えるように表示される。
【0005】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、飛行ルートをより明確に表示できる飛行ルート表示システムおよびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される飛行ルート表示システムは、表示画面を有する表示部と、前記表示部に三次元地図を表示させる地図表示部を有する制御部と、を備え、前記制御部は、飛行体の位置を示す三次元の位置情報を取得する位置取得部と、前記位置取得部が連続的に取得した前記位置情報に基づいて、前記三次元地図上に飛行ルートを表示させるルート表示部と、前記位置情報が示す位置から前記三次元地図の地表面に垂直に降ろした高度表示バーを表示させる高度表示部と、を備えている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記高度表示バーは、半透明である。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記高度表示部は、高度に応じて異なる色で、前記高度表示バーを表示させる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記高度表示部は、前記飛行体の移動における所定時間ごとに、前記位置情報に応じた前記高度表示バーを表示させる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記位置取得部は、前記飛行体の出発から到着までの飛行シミュレーションに基づいて、前記位置情報を取得する。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記高度表示部は、出発からの出発時所定期間、または、到着までの到着時所定期間の間、前記高度表示バーの表示位置を、本来の位置からずらして表示させる。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記位置取得部は、さらに、前記飛行体の実際の位置に基づいて、前記飛行体の位置を示す三次元の第2位置情報を取得し、前記ルート表示部は、さらに、前記位置取得部が連続的に取得した前記第2位置情報に基づいて、前記三次元地図上に第2飛行ルートを表示させ、前記高度表示部は、さらに、前記第2位置情報が示す位置から前記三次元地図の地表面に垂直に降ろした第2高度表示バーを表示させる。
【0014】
本発明によって提供されるプログラムは、表示画面を有する表示部と、前記表示部を制御する制御部と、を有するコンピュータを飛行ルート表示システムとして機能させるプログラムであって、前記制御部を、前記表示部に三次元地図を表示させる地図表示部と、飛行体の位置を示す三次元の位置情報を取得する位置取得部と、前記位置取得部が連続的に取得した前記位置情報に基づいて、前記三次元地図上に飛行ルートを表示させるルート表示部と、前記位置情報が示す位置から前記三次元地図の地表面に垂直に降ろした高度表示バーを表示させる高度表示部と、として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、制御部は、連続的に取得した位置情報に基づいて、三次元地図上に飛行ルートを表示させ、位置情報が示す位置から三次元地図の地表面に垂直に降ろした高度表示バーを表示させる。操作者は、高度表示バーと地表面との交点により地表面における飛行ルートを認識し、高度表示バーの長さにより飛行ルートの高度を認識できる。
【0016】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る飛行ルート表示システムのハード構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る飛行ルート表示システムで表示される3次元地図上の飛行ルートを説明するための図である。
図3】第1実施形態に係る飛行ルート表示システムの飛行ルート表示処理の一例を示すフローチャートである。
図4】第2実施形態に係る飛行ルート表示システムのハード構成の一例を示すブロック図である。
図5】第2実施形態の変形例に係る飛行ルート表示システムで表示される3次元地図上の飛行ルートを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
<第1実施形態>
本発明に係る飛行ルート表示システム1は、表示画面の三次元地図上に、飛行体の飛行ルートを表示するためのシステムであり、本実施形態では、飛行シミュレーションによる飛行ルートを表示する。飛行体は、飛行する物体であり、例えば飛行機、ヘリコプター、ドローン、空飛ぶタクシー、eVTOL(electric vertical takeoff and landing)などが含まれるが、これらに限定されない。本実施形態では、飛行ルート表示システム1は、汎用的なコンピュータ(例えば、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、またはタブレット型端末、スマートフォンなど)に飛行ルート表示プログラムをインストールすることで実現される。飛行ルート表示プログラムは、コンピュータを飛行ルート表示システム1として機能させるためのプログラムであり、後述する飛行ルート表示処理を行うプログラムなどを含んでいる。本実施形態では、飛行ルート表示システム1が、汎用的なノート型コンピュータに飛行ルート表示プログラムをインストールすることで実現された場合について説明する。なお、飛行ルート表示システム1は、コンピュータにあらかじめ飛行ルート表示プログラムが記憶された専用装置であってもよい。
【0020】
図1は、飛行ルート表示システム1のハード構成の一例を示すブロック図である。飛行ルート表示システム1は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15、および、バス16を備えている。制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、および通信部15は、バス16によって相互にデータ伝送可能に接続されている。
【0021】
飛行ルート表示システム1は、通信回線2を介してサーバ3から飛行ルート表示プログラムをダウンロードして、記憶部12に読み込んでいる。なお、当該プログラムをフラッシュメモリやCD-ROMなどの記録メディアから読み込むようにしてもよい。
【0022】
記憶部12は、各種情報を記憶する構成である。記憶部12は、一次記憶部としてのROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)と、二次記憶部とを備えている。ROMは、読み取り専用の記憶媒体であって、基本プログラムが記憶されている。RAMは、書き換え可能な記憶媒体であって、応用プログラムを格納するエリアとプログラムを処理するためのワークエリアとを提供する。二次記憶部は、例えばフラッシュメモリやハードディスクなどであり、ダウンロードした応用プログラムや各種データを記憶している。本実施形態では、サーバ3からダウンロードされた飛行ルート表示プログラムが、記憶部12の二次記憶部に記憶されている。また、記憶部12は、三次元地図を生成するための三次元地図データを記憶している。なお、三次元地図データは、飛行ルート表示プログラムの実行により、通信回線2を介してサーバ3または他のサーバからダウンロードされてもよい。
【0023】
操作部13は、操作者からの操作入力を受け付ける構成であり、例えばキーボードおよびマウスなどの操作手段を備えている。操作部13は、操作者による操作手段の操作に応じた操作信号を制御部11に出力する。
【0024】
表示部14は、例えば液晶などの表示画面14aを有し、各種表示を行う構成である。表示部14は、制御部11から入力される画像を表示画面14aに表示させる。
【0025】
通信部15は、通信回線2を介して、外部の装置との間で通信を行う構成であり、例えば無線LANモジュールなどの通信手段を備えている。なお、通信部15は、無線通信を行うものに限定されず、有線通信を行うものであってもよい。本実施形態では、通信部15は、サーバ3と通信を行い、飛行ルート表示プログラムをダウンロードする。
【0026】
制御部11は、飛行ルート表示システム1が備える各部の動作を統括制御する構成であり、CPU(Central Processing Unit)によって実現されている。制御部11は、記憶部12に記憶された飛行ルート表示プログラムを実行し、これに応じて、表示部14に表示を行わせる。制御部11は、機能構成として、少なくとも、地図表示部111、位置取得部112、位置演算部113、ルート表示部114、および高度表示部115を備えている。機能構成である各部111~115は、制御部11が記憶部12に記憶された飛行ルート表示プログラムを実行することで実現される。
【0027】
地図表示部111は、表示画面14aに三次元地図を表示させるための機能構成である。地図表示部111は、三次元地図を生成するために必要な三次元地図データを記憶部12から読み出す。そして、地図表示部111は、表示画面14aに表示するための変換を行って、表示部14に出力することで、表示画面14aに三次元地図を表示させる。なお、地図表示部111による三次元地図の生成方法は限定されない。
【0028】
図2(a)は、制御部11が、飛行ルート表示プログラムを実行して、表示画面14aに表示させた画像の一例を示す図である。図2(a)に示すように、表示画面14aには、三次元地図50が表示されている。
【0029】
位置取得部112は、飛行ルートの三次元の位置情報を取得するための機能構成である。本実施形態では、位置取得部112は、飛行体の出発から到着までの飛行シミュレーションに基づいて、飛行ルートの所定時間ごとの位置情報を連続的に取得する。なお、所定時間は限定されず、飛行体の最高速度などに応じて適宜設定される。三次元の位置情報は、例えば緯度、経度、および高度に基づく情報を含んでいる。飛行ルート表示システム1は、飛行シミュレーションのための各種情報をあらかじめ取得している。各種情報には、例えばスタート地点、途中地点、およびゴール地点の各位置情報、各区間での速度情報(水平方向の速度、上昇(下降)速度)、および飛行パワー情報などが含まれる。飛行パワー情報は、飛行体が備える例えばモータの出力(パワー)およびトルク、ならびに、飛行体の重量などの情報であり、これらに基づいて垂直離陸時の鉛直方向の加速度、速度、および位置や、水平飛行時の水平方向の加速度、速度、および位置などが算出される。なお、各種情報はこれらに限定されない。各種情報は、設定画面での操作者による入力、および、入力値からの演算により取得される。位置取得部112は、各種情報に基づいて、飛行体の移動における所定時間ごとの飛行体の位置の位置情報を演算する。なお、飛行ルートの所定時間ごとの位置情報があらかじめ記憶部12に記憶され、位置取得部112は、記憶部12からこれを読み出すことで取得してもよい。
【0030】
位置演算部113は、三次元の位置情報を二次元の位置情報に変換する演算を行う機能構成である。具体的には、位置演算部113は、位置取得部112が取得した三次元の位置情報を、表示画面14aに表示するための二次元の位置情報に変換する演算を行う。このときの視点および視線の方向は、地図表示部111において三次元地図データを表示画面14aに表示するための変換に用いられた視点および視線の方向を利用する。なお、位置演算部113による変換方法は限定されない。位置演算部113は、変換後の二次元の位置情報をルート表示部114に出力する。
【0031】
ルート表示部114は、表示画面14aに表示された三次元地図50上に飛行ルートを表示させる機能構成である。ルート表示部114は、位置演算部113から入力される二次元の位置情報に対応する表示画面14aの位置に、飛行体を示すマーク53(図2(a)参照)を表示させる。本実施形態では、マーク53を矩形状のオブジェクトとしているが、マーク53の形状は限定されない。マーク53の形状は、例えば飛行体の形状のオブジェクトとしてもよい。位置取得部112が飛行ルートの所定時間ごとの位置情報を連続的に取得するので、ルート表示部114は、飛行ルートに沿った所定時間ごとの飛行体の位置にマーク53を表示させる。また、ルート表示部114は、スタート地点を示す点51およびゴール地点を示す点52(図2(a)参照)も表示させる。なお、点51および点52の代わりに、スタート地点およびゴール地点もマーク53が表示されてもよい。さらに、ルート表示部114は、隣り合うマーク53を接続する線分54(図2(a)参照)を表示させる。点51とこれに隣接するマーク53との間、および、点52とこれに隣接するマーク53との間にも線分54が表示される。これにより、図2(a)に示すように、表示画面14aに表示された三次元地図50上に、飛行体を示す複数のマーク53、スタート地点を示す点51、およびゴール地点を示す点52と、これらを接続する線分54とによる飛行ルートが表示される。
【0032】
高度表示部115は、表示画面14aに表示された三次元地図50上に高度表示バー55(図2(a)参照)を表示させる機能構成である。高度表示バー55は、位置演算部113から入力される二次元の位置情報が示す位置から三次元地図50の地表面まで垂直に延びる、例えば直方体形状のオブジェクトである。本実施形態では、高度表示バー55は、半透明のオブジェクトとして表示される。すなわち、高度表示バー55は、その背後に位置するものを視認可能に表示される。図2(a)において、高度表示バー55は、半透明であることを示すために、破線で記載されている。高度表示部115は、位置演算部113から入力される二次元の位置情報に対応する表示画面14aの位置に、高度表示バー55を表示させる。これにより、図2(a)に示すように、表示画面14aに表示された三次元地図50上に、ルート表示部114が表示させた飛行体を示すマーク53の下から地表面まで延びる半透明の高度表示バー55が立体的に表示される。
【0033】
なお、高度表示バー55の色および形状などの表示態様は限定されない。高度表示バー55は、例えば線分であってもよい。また、高度表示バー55は、外形だけが実線または破線などで表示(各面および内部は透明)された直方体形状のオブジェクトであってもよい。これらの場合でも、その背後に位置するものが視認可能になる。また、高度表示部115は、高度に応じて異なる色で、高度表示バー55を表示させてもよい。この場合、操作者は、高度表示バー55の色によって、飛行体の高度を直感的に認識しやすい。また、高度表示部115は、高度表示バー55を垂直方向に並ぶ複数の部位に分けて表示し、各部位を異なる色(例えば地表面に一番近い部位を青色、その上の部位を黄色、さらにその上を赤色など)で表示してもよい。この場合、操作者は、高度表示バー55を見ることで、飛行体の高度をより直感的に認識しやすい。
【0034】
また、制御部11はスタート地点やゴール地点の周辺情報(地理、歴史情報、観光案内、本日の天気など)を表示画面14aに表示させてもよい。また、制御部11は、ルート表示部114がスタート地点からゴール地点まで飛行ルートに沿ってマーク53および線分54を順次表示させる際に、飛行体の飛行音をスピーカ(図示なし)から出力させて、臨場感を演出してもよい。
【0035】
図3は、制御部11が行う飛行ルート表示処理の一例を示すフローチャートである。当該処理は、例えば、操作者がメニュー画面で飛行ルート表示処理を選択した場合に開始される。なお、飛行ルート表示処理を開始する前に、操作者は、メニュー画面で設定画面を選択して、飛行シミュレーションのための各種情報をあらかじめ入力しておく必要がある。
【0036】
まず、表示画面14aに三次元地図50が表示される(S1)。具体的には、地図表示部111が、必要な三次元地図データを記憶部12から読み出し、表示画面14aに表示するための変換を行って、表示部14に出力する。次に、スタート地点が表示される(S2)。具体的には、位置取得部112がスタート地点の位置情報を取得し、位置演算部113が二次元の位置情報に変換して、ルート表示部114が二次元の位置情報に基づいて、スタート地点を示す点51を表示させる。
【0037】
次に、飛行体の移動における所定時間後の飛行体の位置の位置情報が取得される(S3)。具体的には、位置取得部112が、各種情報に基づいて、所定時間後の飛行体の位置の位置情報を演算する。次に、ゴール地点であるか否かが判別される(S4)。具体的には、制御部11が、ステップS3で取得された位置情報がゴール地点の位置情報に一致するか否かを判別する。ゴール地点でない場合(S4:NO)、二次元の位置情報が演算される(S5)。具体的には、位置演算部113が、位置取得部112が取得した三次元の位置情報を、表示画面14aに表示するための二次元の位置情報に変換する。次に、飛行ルートが表示される(S6)。具体的には、ルート表示部114が、位置演算部113から入力される二次元の位置情報に対応する表示画面14aの位置に、飛行体を示すマーク53を表示させる。そして、ルート表示部114は、前回表示されたマーク53(または点51)と今回表示されたマーク53とを接続する線分54を表示させる。次に、高度表示バー55が表示される(S7)。具体的には、高度表示部115が、位置演算部113から入力される二次元の位置情報に対応する表示画面14aの位置に、高度表示バー55を表示させる。その後、ステップS3に戻って、次の位置情報が取得されて、ステップS3~S7が繰り返される。
【0038】
ステップS4において、ゴール地点である場合(S4:YES)、ゴール地点が表示される(S8)。具体的には、位置演算部113が、ステップS3で取得された位置情報(ゴール地点の位置情報)を二次元の位置情報に変換して、ルート表示部114が二次元の位置情報に基づいて、ゴール地点を示す点52を表示させる。また、ルート表示部114は、前回表示されたマーク53と点52とを接続する線分54を表示させる。その後、飛行ルート表示処理が終了される。
【0039】
なお、図3に示すフローチャートは飛行ルート表示処理の一例であって、制御部11が行う飛行ルート表示処理は、これに限定されない。例えば、ステップS6において、飛行体を示すマーク53を表示させる前に、線分54を表示させてもよい。また、ステップS6の前にステップS7を行ってもよい。
【0040】
次に、第1実施形態に係る飛行ルート表示システム1の作用効果について説明する。
【0041】
本実施形態によると、高度表示部115は、表示画面14aに表示された三次元地図50上に高度表示バー55を表示させる。したがって、飛行ルート表示システム1は、飛行ルートの表示に加えて、高度表示バー55を表示させることで、飛行ルートをより明確に表示できる。例えば、図2(a)にマーク53および線分54で示す飛行ルートだけだと、飛行体が湖59の上空を飛行するのか、湖59を迂回して飛行するのか明確でない。しかし、高度表示バー55の三次元地図50の地表面との交点を見ると、飛行体が湖59の上空を飛行することが明確である。
【0042】
また、本実施形態によると、高度表示バー55は、半透明のオブジェクトとして表示される。したがって、操作者は、高度表示バー55の背後に位置するものを視認できる。また、高度表示部115が、高度に応じて異なる色で高度表示バー55を表示させる場合、または、高度表示バー55を垂直方向に並ぶ異なる色の複数の部位に分けて表示する場合、操作者は、高度表示バー55を見ることで、飛行体の高度を直感的に認識しやすい。
【0043】
また、本実施形態によると、高度表示部115は、飛行体の移動における所定時間ごとに、高度表示バー55を表示させる。したがって、操作者は、高度表示バー55の間隔によって、飛行体の速度の大小を判断できる。また、これに基づいて、飛行シミュレーションにおいて設定した飛行パワー情報の調整を行うことができる。
【0044】
なお、本実施形態では、表示画面14aに、地図表示部111が三次元地図50を表示させ、ルート表示部114が飛行ルートを表示させ、高度表示部115が高度表示バー55を表示させる場合について説明したが、これに限られない。制御部11は、三次元地図データと、位置取得部112が取得した三次元の位置情報に基づく飛行体を示すマーク、線分、および高度表示バーの三次元の情報とから三次元画像を生成し、当該三次元画像を二次元画像に変換して、表示画面14aに表示させてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、ルート表示部114が隣り合うマーク53を接続する線分54を表示させる場合について説明したが、これに限られない。ルート表示部114は、線分54を表示させなくてもよいし、代わりに、飛行体の進む方向を示す矢印(例えば、飛行体の速度ベクトルを表す矢印:矢印の向きで速度の方向を示し、矢印の長さで速度の大きさを示す)を表示させてもよい。また、速度ベクトルを表す矢印は、速度の大きさ(矢印の長さ)により色を変化させてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、三次元の位置情報が、緯度、経度、および高度に基づく情報、すなわち、地球の中心位置からの三次元極座標に基づく情報を含む場合について説明したが、これに限られない。三次元の位置情報は、三次元直交座標に基づく情報を含んでいてもよい。
【0047】
<変形例>
飛行体が例えばヘリコプター、ドローン、空飛ぶタクシー、eVTOLなどの垂直離着陸が可能である飛行体の場合、離陸時および着陸時に、飛行体は垂直移動を行う。この場合、スタート地点およびゴール地点において、高度表示バー55が重ねて表示されることになる。これを防ぐために、高度表示部115は、出発からの出発時所定期間、または、到着までの到着時所定期間の間、高度表示バー55の表示位置を、本来の位置からずらして表示させてもよい。出発時所定期間および到着時所定期間は、飛行体が垂直移動を行っている期間であり、三次元の位置情報の緯度および経度が変わらない期間である。また、この場合、ルート表示部114も同様に、マーク53の位置を、本来の位置からずらして表示させる。図2(b)は、スタート地点から所定の高度まで垂直に上昇して、当該高度でゴール地点の上空まで移動し、ゴール地点まで垂直に下降する飛行ルートを、本変形例に係る飛行ルート表示システム1が、表示画面14aに表示したものである。図2(b)において、本来、各マーク53aは点51の上側に表示されるものであり、各高度表示バー55aは点51の上側に重ねて表示されるものである。しかし、本変形例では、各マーク53aおよび各高度表示バー55aは、進行方向に少しずつずらして表示されている。また、本来、各マーク53bは点52の上側に表示されるものであり、各高度表示バー55bは点52の上側に重ねて表示されるものである。しかし、本変形例では、各マーク53bおよび各高度表示バー55bは、進行方向の反対方向に少しずつずらして表示されている。このように、本変形例によると、垂直移動時に、高度表示バー55が重ねて表示されてしまうことを防止できる。
【0048】
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態に係る飛行ルート表示システム1’のハード構成の一例を示すブロック図である。図4において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、上記第1実施形態と同一の符号を付している。本実施形態に係る飛行ルート表示システム1’は、飛行体の実際の飛行ルートを表示する点で、第1実施形態に係る飛行ルート表示システム1と異なる。
【0049】
第2実施形態に係る飛行ルート表示システム1’の位置取得部112は、飛行体4との通信によって、飛行体4の三次元の位置情報を取得する。飛行体4は、通信部41、GPS(Global Positioning System)42、および高度センサ43を備えている。GPS42は、衛星から発信される信号を受信して、飛行体4の位置情報(緯度および経度)を検出する。高度センサ43は、例えば気圧高度計または電波高度計を備え、飛行体4の高度を検出する。なお、高度センサ43の高度検出方法は限定されない。通信部41は、通信回線2を介して、飛行ルート表示システム1’の通信部15と通信を行う。なお、通信部41は、通信部15と直接、通信を行ってもよい。通信部41は、GPS42が検出した位置情報(緯度および経度)と、高度センサ43が検出した高度とを、三次元の位置情報として、通信部15に送信する。飛行ルート表示システム1’の位置取得部112は、通信部15が受信した三次元の位置情報を、所定時間ごとに取得する。位置演算部113は、位置取得部112が取得した三次元の位置情報を二次元の位置情報に変換する。位置演算部113が変換した二次元の位置情報に基づいて、ルート表示部114が飛行ルートを表示させ、高度表示部115が高度表示バー55を表示させる。これにより、飛行ルート表示システム1’は、リアルタイムで、飛行体4の飛行ルート(飛行軌跡)および高度表示バー55を表示できる。
【0050】
本実施形態においても、高度表示部115が表示画面14aに表示された三次元地図50上に高度表示バー55を表示させるので、飛行ルート表示システム1’は、飛行ルートをより明確に表示できる。また、飛行ルート表示システム1’は、飛行ルート表示システム1と共通する構成をとることにより、飛行ルート表示システム1と同等の効果を奏する。さらに、位置取得部112が飛行体4から三次元の位置情報をリアルタイムに取得するので、飛行ルート表示システム1’は、飛行体4の実際の飛行ルート(飛行軌跡)をリアルタイムで表示できる。
【0051】
なお、飛行体4は、GPS42および高度センサ43が検出した三次元の位置情報を記録しておき、まとめて飛行ルート表示システム1’に送信してもよい。また、飛行体4が三次元の位置情報を記録媒体に記録しておき、飛行ルート表示システム1’が当該記録媒体から三次元の位置情報を読み出して利用してもよい。これらの場合、リアルタイムでの表示はされないが、飛行体4の実際の飛行ルートを表示できる。また、飛行ルート表示システム1’は、飛行体4に搭載されて、飛行体4の搭乗者が飛行ルートを視認するために用いられてもよい。
【0052】
<変形例>
また、飛行ルート表示システム1’は、飛行シミュレーションに基づく飛行ルートも一緒に表示してもよい。この場合、飛行ルート表示システム1’の位置取得部112は、通信部15が受信した飛行体4の実際の位置情報取得し、かつ、飛行シミュレーションに基づく位置情報を取得する。位置演算部113は、位置取得部112が取得した各三次元の位置情報(実際の位置情報および飛行シミュレーションに基づく位置情報)を二次元の位置情報に変換する。位置演算部113が変換した各二次元の位置情報に基づいて、ルート表示部114が各飛行ルートを表示させ、高度表示部115が各高度表示バーを表示させる。これにより、飛行ルート表示システム1’は、飛行シミュレーションに基づく飛行ルートと、飛行体4の実際の飛行ルート(飛行軌跡)と、を表示画面14aに重ねて表示できる。
【0053】
図5は、本変形例に係る飛行ルート表示システム1’が表示画面14aに表示させた画像の一例を示す図である。図5に示すように、本変形例に係るルート表示部114は、飛行シミュレーションに基づく飛行ルートとして、飛行体を示す白色矩形状オブジェクトであるマーク53および破線で示す線分54を表示させている。また、ルート表示部114は、実際の飛行ルートとして、飛行体を示す黒色矩形状オブジェクトであるマーク53’および実線で示す線分54’を表示させている。また、高度表示部115は、飛行シミュレーションに基づく高度を示す高度表示バー55と、実際の高度を示す高度表示バー55’と、を表示させている。なお、高度表示バー55と高度表示バー55’とは、色または濃度を異ならせている。なお、マーク53,53’、線分54,54’および高度表示バー55,55’の表示態様は、これに限定されない。それぞれが区別できるように表示されていればよい。また、図5においては、飛行シミュレーションに基づく飛行ルートおよび高度表示バー55がゴール地点まで表示されているが、これに限られず、実際の飛行ルートの表示とタイミングをあわせて、表示されてもよい。
【0054】
本変形例によると、実際の飛行ルート(飛行軌跡)と、飛行シミュレーションに基づく飛行ルートとが表示画面14aに重ねて表示される。したがって、飛行体4の操縦者は、表示画面14aを見ることで飛行シミュレーションとの誤差を認識でき、当該誤差を修正するように操作を行うことができる。また、飛行シミュレーションにより計算した高度、速度、およびパワーと実際に測定した高度、速度、およびパワーとの誤差を計算することにより、誤差を少なくするようにパワーをコントロールできる。
【0055】
空飛ぶタクシーなどの重量が大きく、速度が速い飛行体を実現する場合、出力が大きく、かつ、重量を抑制できるモータ装置が必要になる。このようなモータ装置として、本発明の発明者が以前発明した特許文献2に記載のモータ装置が適している。
【0056】
本発明に係る飛行ルート表示システムおよびプログラムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る飛行ルート表示システムおよびプログラムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0057】
1,1’:飛行ルート表示システム、11:制御部、111:地図表示部、112:位置取得部、113:位置演算部、114:ルート表示部、115:高度表示部、12:記憶部、13:操作部、14:表示部、14a:表示画面、15:通信部、16:バス、2:通信回線、3:サーバ、4:飛行体、41:通信部、42:GPS、43:高度センサ、50:三次元地図、53,53a,53b,53’:マーク、54,54’:線分、55,55a,55b,55’:高度表示バー、59:湖
図1
図2
図3
図4
図5