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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109601
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20240806BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240806BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240806BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240806BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B41J29/00 T
B41J29/42 F
G03G21/16 104
G03G21/00 376
G03G21/16 114
H04N1/00 350
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072009
(22)【出願日】2024-04-26
(62)【分割の表示】P 2021113507の分割
【原出願日】2021-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】小谷内 康雄
(72)【発明者】
【氏名】木村 星示
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザーの使い勝手を向上させる。
【解決手段】記録材を用いて印刷する印刷装置であって、静電式タッチパネル30aと、印刷を行う印刷媒体の搬送位置を操作する機械式キーを含む搬送操作部30dと、を備え、前記静電式タッチパネルが設けられたパネル設置面は、前記搬送操作部が設けられた搬送操作部設置面と異なる面である、印刷装置を構成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材を用いて印刷する印刷装置であって、
静電式タッチパネルと、
印刷を行う印刷媒体の搬送位置を操作する機械式キーを含む搬送操作部と、
を備え、
前記静電式タッチパネルが設けられたパネル設置面は、前記搬送操作部が設けられた搬送操作部設置面と異なる面である、
印刷装置。
【請求項2】
前記搬送操作部は、前記印刷媒体の搬送方向の一方である正方向に前記印刷媒体を搬送する機械式キーを含む正方向搬送操作部と、前記正方向と逆方向に前記印刷媒体を搬送する機械式キーを含む逆方向搬送操作部と、をさらに備え、
前記正方向搬送操作部と、前記逆方向搬送操作部とは、前記印刷媒体の搬送方向に並ぶ、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記搬送操作部は、前記印刷媒体の搬送方向の一方である正方向に前記印刷媒体を搬送する機械式キーを含む正方向搬送操作部と、前記正方向と逆方向に前記印刷媒体を搬送する機械式キーを含む逆方向搬送操作部と、をさらに備え、
前記正方向搬送操作部と前記逆方向搬送操作部とは、印刷装置を使用するユーザーの左右方向において、同じ位置にある、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
印刷装置の電源状態を移行させる機械式キーを含む電源操作部をさらに備え、
前記正方向搬送操作部と前記逆方向搬送操作部との間隔は、前記搬送操作部と前記電源操作部との間隔よりも狭い、
請求項2または請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
印刷装置の電源状態を移行させる機械式キーを含む電源操作部をさらに備え、
前記電源操作部が設けられた電源操作部設置面は、前記パネル設置面と異なる面である、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷装置の電源状態を移行させる機械式キーを含む電源操作部をさらに備え、
前記電源操作部が設けられた電源操作部設置面は、前記搬送操作部設置面と同一の面である、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記パネル設置面と前記電源操作部設置面との間には、前記電源操作部の機械式キーのストロークよりも大きい段差が存在する、
請求項5または請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項8】
印刷装置の電源状態を移行させる機械式キーを含む電源操作部をさらに備え、
前記搬送操作部に含まれる機械式キーと前記電源操作部に含まれる機械式キーとは、一列に並ぶ、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記電源操作部は、印刷装置を使用するユーザーから見た前記静電式タッチパネルの奥行方向において、中央部もしくは中央部よりも奥側に位置する、
請求項4~請求項8のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記搬送操作部は、印刷装置を使用するユーザーから見た前記静電式タッチパネルの奥行方向において、中央部もしくは中央部よりも手前側に位置する、
請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記印刷媒体の搬送方向と直交する方向において、前記搬送操作部と前記印刷媒体とは、前記静電式タッチパネルの同じ側にある、
請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記静電式タッチパネルの表面と、前記搬送操作部の機械式キーが操作されていない状態の表面と、の高さの差は、前記静電式タッチパネルの表面と前記パネル設置面に設けられた機械式キーが操作されていない状態の表面との高さの差よりも小さい、
請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記パネル設置面と前記搬送操作部設置面との間には、前記搬送操作部の機械式キーのストロークよりも大きい段差が存在する、
請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記搬送操作部は、前記搬送操作部の機械式キーの機能を表す点字を備え、
前記パネル設置面と前記搬送操作部設置面との間には、前記点字の高さよりも大きい段差が存在する、
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記パネル設置面と前記搬送操作部設置面は、非平行である、
請求項1~請求項14のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記静電式タッチパネルの表面と、前記搬送操作部の機械式キーが操作されていない状態の表面と、の高さの差は、前記パネル設置面と前記搬送操作部設置面との間の段差よりも小さい、
請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記静電式タッチパネルと前記搬送操作部との中央領域に、前記パネル設置面と前記搬送操作部設置面との間の段差が存在する、
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記静電式タッチパネルに表示される画面には、表示されている前記画面を元の前記画面に遷移させるソフトキーを含む復帰操作部と、前記復帰操作部以外のソフトキーを含む画面内操作部と、が含まれ、
前記搬送操作部と前記復帰操作部とは、前記画面内操作部を挟む
請求項1~請求項17のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記搬送操作部と前記画面内操作部とは、前記静電式タッチパネルの短手方向において同じ位置にある、
請求項18に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボタン等の操作部によって各種の入力を行うユーザーインターフェースが知られている。例えば、特許文献1においては、操作部を発光させ、または発光させないことで操作部の視認性を調整する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-120329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザーインターフェースの構成要素同士の位置関係に関する配慮がないと、操作性が悪くなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための印刷装置は、記録材を用いて印刷する印刷装置であって、静電式タッチパネルと、印刷を行う印刷媒体の搬送位置を操作する機械式キーを含む搬送操作部と、を備え、前記静電式タッチパネルが設けられたパネル設置面は、前記搬送操作部が設けられた搬送操作部設置面と異なる面である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】印刷装置の構成を示すブロック図。
図2】印刷装置の外観を示す図。
図3】UI部の外観を示す図。
図4】画面の階層構造を示す図。
図5】基本画面の例を示す図。
図6】画面の例を示す図。
図7】画面の例を示す図。
図8】UI部の側面図。
図9】画面の例を示す図。
図10】画面の例を示す図。
図11】UI部の外観を示す図。
図12】UI部の外観を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)印刷装置の構成:
(2)操作性向上のための配置:
(3)他の実施形態:
【0008】
(1)印刷装置の構成:
図1は、本発明の実施形態にかかる印刷装置1の構成を示すブロック図である。印刷装置1は、プロセッサー10と、不揮発性メモリー20と、UI(ユーザーインターフェース)部30と、通信部40と、印刷部50とを備える。プロセッサー10は、図示しないCPUやROMやRAM等を備え、不揮発性メモリー20に記録された種々のプログラムを実行し印刷装置1の各部を制御することができる。なお、プロセッサー10は、単一のチップで構成されても良いし、複数のチップで構成されても良いし、印刷装置を動作させる様々なの機能ブロックとともにSoCとして構成されていても良い。また、例えばCPUに替えてASICが採用されても良いし、CPUとASICとが協働する構成であっても良い。
【0009】
不揮発性メモリー20には、プロセッサー10が実行する図示しないプログラムや設定データ、画像データ等が記録される。設定データは、印刷装置1において各種の処理を実行する際の設定を示すデータである。画像データは、ユーザーインターフェースとしての画面をUI部30に表示させるなどのためのデータである。
【0010】
UI部30は、ユーザーの入力を受け付け、また、ユーザーに対して各種の情報を出力する装置である。本実施形態においてUI部30は、静電式タッチパネルと機械式キーを含む操作部とを有している。静電式タッチパネルは、各種の情報を表示する表示パネルと、表示パネルに重ねられた静電式のタッチ操作検出部とを備える。UI部30は、プロセッサー10の制御に従って様々な情報をUI部30の表示パネルに表示する。本実施形態において、プロセッサー10は、UI部30を制御し、静電式タッチパネルに設けられたソフトキーや、UI部30に設けられた機械式キーに対するユーザーの入力を受け付けることができる。プロセッサー10は、入力された内容に対応する処理を実行する。
【0011】
通信部40は、印刷装置1に装着された各種のリムーバブルメモリーや、有線または無線で印刷装置1に接続された機器と通信するためのインターフェース回路を含む。プロセッサー10は、当該通信部40を介して接続された機器に記録されたファイルを印刷対象として取得することができる。
【0012】
印刷部50は、インクジェット方式で印刷媒体に印刷を実行するためのアクチュエーターやセンサー、駆動回路、機械部品等を備えている。本実施形態において、印刷装置1は、ロール状に生地を蓄積する図示しない蓄積部を備えており、図示しない搬送機構によって生地を引き出し、所定の搬送経路に沿って搬送可能である。印刷部50は、搬送の過程で印刷位置に到達した生地に対して、記録材を記録し、印刷を行うことができる。
【0013】
図2は、本実施形態にかかる印刷装置1の外観を示す図である。図2に示すように、本実施形態にかかる印刷装置1は、略直方体の筐体を有しており、筐体の内部に印刷部50等が設けられている。本実施形態においては、直方体の各辺に平行な方向にx、y、z軸を定義する。図2においては、図面右斜め上側がx軸正方向、図面左斜め上側がy軸正方向、図面上側がz方向である。印刷装置1においては、最も大きい面を有し、x-z平面に平行な一面の中央に印刷媒体Mとしての生地の排出口が設けられている。印刷後の印刷媒体Mは、当該排出口から排出される。排出口からみて、x軸正方向側の上部には、UI部30が設けられている。本実施形態においては、印刷装置1の筐体の面に対してUI部30が傾斜した状態となるように、UI部30が印刷装置1に取り付けられている。
【0014】
図3は、UI部30の外観を示す図である。UI部30は、静電式タッチパネル30aと、ホーム操作部30bと、電源操作部30cと、搬送操作部30dと、を備えている。
電源操作部30cは、印刷装置1の電源状態を移行させる機械式キーである。本実施形態において、電源状態はオンまたはオフである。従って、印刷装置1の電源がオフの場合にユーザーが電源操作部30cを押し込み操作すると電源状態はオンに移行し、プロセッサー10が起動シーケンスを実行する。起動シーケンスが終了すると、印刷装置1において各種機能を実行可能になる。印刷装置1の電源がオンの場合にユーザーが電源操作部30cを押し込み操作すると、プロセッサー10がシャットダウンシーケンスを実行する。シャットダウンシーケンスが終了すると、電源状態はオフに移行する。
【0015】
ホーム操作部30bは、基本画面以外の画面から基本画面に遷移させる機械式キーである。本実施形態において、基本画面は、印刷装置1の起動後、最初に操作可能な画面として表示される画面である。すなわち、プロセッサー10は、印刷装置1の起動シーケンスが終了すると、不揮発性メモリー20に記録された画像データに基づいて、静電式タッチパネル30aに基本画面を表示させる。ユーザーの操作によって、静電式タッチパネル30aには各種の画面が表示されるが、基本画面以外の画面が表示されている状態でユーザーがホーム操作部30bを押し込み操作すると、プロセッサー10は、静電式タッチパネル30aに基本画面を表示させる。
【0016】
搬送操作部30dは、印刷を行う印刷媒体の搬送位置を操作する機械式キーを含む。本実施形態において、搬送操作部30dは、正方向搬送操作部30d1,逆方向搬送操作部30d2を含む。正方向搬送操作部30d1は、印刷媒体の搬送方向の一方である正方向に媒体を搬送する機械式キーである。逆方向搬送操作部30d2は、正方向と逆方向に媒体を搬送する機械式キーを含む。なお、本実施形態においては、印刷媒体に印刷を実行する際に印刷媒体が搬送される方向(排出口に向けた搬送方向)が正方向となっている。ユーザーが正方向搬送操作部30d1を押し込み操作すると、プロセッサー10は、図示しない搬送機構を制御し、押し込み操作された期間に応じた搬送量で正方向に印刷媒体を搬送させる。ユーザーが逆方向搬送操作部30d2を押し込み操作すると、プロセッサー10は、図示しない搬送機構を制御し、押し込み操作された期間に応じた搬送量で逆方向に印刷媒体を搬送させる。
【0017】
本実施形態において、ホーム操作部30bと、電源操作部30cと、正方向搬送操作部30d1と、逆方向搬送操作部30d2とのそれぞれは、1個の機械式キーである1個の押しボタンで構成されている。むろん、各操作部は、複数の機械式キーや他の物、例えば、文字や点字等が含まれていても良い。
【0018】
ユーザーは、静電式タッチパネル30aを視認可能な位置に立って、静電式タッチパネル30aや各操作部に対してタッチ操作する。印刷装置1を使用するためにユーザーがUI部30を視認する位置に立つと、ユーザーから見た左右方向が図2に示すx方向と平行になる。また、ユーザーから見た前後方向が図2に示すy方向と平行になる。
【0019】
上述のように、UI部30は、印刷装置1の筐体の面に対して傾斜するように取り付けられている。従って、UI部30における静電式タッチパネル30aの面は、x-z平面、y-z平面のいずれとも平行ではない。すなわち、静電式タッチパネル30aの長手方向は、ユーザーから見た左右方向およびx方向に平行であるが、静電式タッチパネル30aの短手方向は、z方向、y方向のいずれとも平行ではない。本実施形態においては、静電式タッチパネル30aの短手方向の一方(図3に示すy'軸正方向)を奥行き方向と呼ぶ。すなわち、印刷装置1を使用するユーザーから見て奥側の方向であるが、静電式タッチパネル30aの面と平行な方向を奥行き方向と呼ぶ。奥行き方向と反対の方向は手前方向である。
【0020】
本実施形態において、プロセッサー10は、不揮発性メモリー20に記録されたプログラムによって、静電式タッチパネル30aに各種の画面を表示させる。本実施形態において、複数の画面は、階層構造を形成し、最上位階層の画面は1種類の基本画面である。基本画面内に設定された操作部に対してユーザーがタッチ操作を行うと、当該操作部に対応した下位階層の画面が表示される。第2階層以下の階層の画面は複数の画面が存在し得る。
【0021】
図4は、本実施形態における画面の階層構造を示す図である。図4においては、左側に最上位階層、最上位階層の右側に第2階層、第2階層の右側に第3階層を示している。むろん、第3階層以下の階層が存在していても良い。なお、図4においては、複数の画面の一部について詳細に示している。本実施形態において、各画面には操作部と情報表示部とが存在する。操作部は、ユーザーによって操作可能なソフトキーを含む部位であり、各種の情報が表示されると共にユーザーによるタッチ操作の検出が有効な領域であるソフトキーが設定されている。情報表示部においては、各種の情報が表示されるが、ソフトキーは含まれていない。
【0022】
図4においては、各画面の内容が矩形内の文字で示されている。図4に示すように、本実施形態にかかる基本画面には、操作部と情報表示部とが存在し、操作部には固定操作部と詳細設定部とが含まれる。情報表示部には、例えば、印刷装置1において印刷可能であるか否かを示す印刷可否表示部や、印刷装置1が備える図示しないセンサーによって検出した温度や湿度などの環境情報を表示する環境情報表示部等が存在する。
【0023】
固定操作部は、複数の画面で共通し、かつ、固定された位置に表示される操作部である。詳細設定部は、複数の画面のそれぞれで異なり得る。図5は、静電式タッチパネル30aに表示される基本画面の一例である。図5に示す例において、静電式タッチパネル30a上のソフトキーはグレーに着色されている。本実施形態において、固定操作部31aは、複数個のソフトキーで構成され、静電式タッチパネル30aの表示可能領域の上辺に沿って並べて表示される。なお、図5に示す破線は表示可能領域の境界を示しているが、静電式タッチパネル30aにおいて当該境界が明示的に表示されるわけではない。
【0024】
固定操作部31aは、印刷装置1における詳細設定の指示や確認等を行うための画面を表示させる操作部であり、本実施形態においては、全ての画面において表示される。図5においては、6個の固定操作部31aが存在する例が示されている。固定操作部31aによる遷移先は、限定されないが、図4図5に示す例においては、各種の機能の設定画面への選択リストを表示させるメニューボタン、搬送部のクリーニングに関する指示を行う画面を表示させる搬送部クリーニングなどが存在する。
【0025】
詳細設定部においては、印刷装置1においてパラメーターを設定可能な項目の一部が選択可能に表示される。図5に示す例においては、印刷媒体に関する設定を行うための画面に遷移させるための媒体設定部32等が含まれる。さらに、本実施形態において、基本画面には、記録材の残量情報を表示するとともに、記録材に関する設定を行うための画面に遷移させるための記録材設定部33が含まれる。
【0026】
記録材の残量情報は、インクタンクの容量を示す矩形と残量を示す矩形とによって構成される棒グラフで示される。すなわち、記録材の色毎にこれらの矩形が表示され、インクタンクの容量と残量との相対的な関係がわかるように構成されている。プロセッサー10は、図示しないセンサーを利用して記録材の色毎にインクタンク内の記録材の残量を取得する。プロセッサー10は、取得した残量に基づいて残量情報を基本画面の既定の位置に、記録材の色毎の残量情報を表示させる。また、図5に示す例においては、各色の記録材の残量情報に対して、不具合を示す情報、例えば、使用不可能であることを示すアイコンや、警告を示すアイコンが重畳されている。
【0027】
各操作部に対するタッチ操作が行われると、プロセッサー10は、タッチ操作された操作部を特定し、特定された操作部に対応づけられた画面を特定する。プロセッサー10は、不揮発性メモリー20を参照し、特定された画面を生成するための画像データに基づいて静電式タッチパネル30aを制御し、当該画面を表示させる。
【0028】
図6は、図5に示す基本画面において、ユーザーが記録材設定部33に対してタッチ操作を行った場合に表示される記録材設定画面の例である。図6に示す記録材設定画面においても、図5に示す例と同様に、静電式タッチパネル30a上のソフトキーはグレーに着色され、表示可能領域の境界が破線で示されている。記録材設定画面においても、図4に示されるように、操作部と情報表示部が含まれる。
【0029】
記録材設定画面の情報表示部には、基本画面で表示されていた記録材の色毎の残量情報を示す記録材詳細表示部等が含まれる。記録材詳細表示部においては、図5と同様の態様で、記録材の色毎に残量を示す情報が示されている。また、各色の記録材の残量情報に対して、不具合等を示すアイコンが対応づけて表示される。なお、記録材詳細表示部においては、基本画面よりも詳細に色毎のステータスが表示されても良い。
【0030】
記録材設定画面の操作部には、固定操作部31aと復帰操作部34と画面内操作部35としてのメンテナンス操作部35aと詳細確認部35bとが含まれる。固定操作部31aは、上述のように、基本画面の固定操作部31aと同一である。復帰操作部34は、表示されている画面を元の画面に遷移させるソフトキーである。復帰操作部34は、表示中の画面に遷移する前に表示されていた画面に戻すための操作部であり、図6に示す記録材設定画面であれば、基本画面に戻すための操作部である。当該復帰操作部34は、第2階層以下の階層の全てにおいて表示される。
【0031】
メンテナンス操作部35aは、記録材を印刷媒体に記録させるための機構のメンテナンスを開始する指示を行うための操作部である。ユーザーが、当該メンテナンス操作部35aに対してタッチ操作を行うと、プロセッサー10は、記録材の吐出ノズルのクリーニング等のメンテナンスを行う。むろん、メンテナンスの詳細を指示することが可能な印刷装置1においては、メンテナンス操作部35aに対するタッチ操作に応じて、メンテナンスの詳細を指示するための画面に遷移しても良い。
【0032】
詳細確認部35bは、色毎の記録材の残量や記録材を吐出するための機構の状態等を詳細に確認する画面への遷移を指示するための操作部である。ユーザーが、当該詳細確認部35bに対してタッチ操作を行うと、プロセッサー10は、記録材の色毎の残量情報や記録材毎の不具合等の詳細情報を取得し、遷移後の画面に表示させる。
【0033】
以上の例示のように、本実施形態において、プロセッサー10は、階層構造を有するように定義された画面の一つを静電式タッチパネル30aに表示させ、ユーザーの入力に応じて画面遷移を実施することができる。
【0034】
本実施形態においてユーザーは、以上のように、UI部30に設けられた機械式キーやソフトキーの操作部によって各種の操作を行うことができる。これらの操作部は、図5等に示されたように、数が多く、また、多様な内容の指示を行うために使用される。従って、操作部とその周囲の物との位置関係に関する配慮がないと、操作性が悪くなりえる。
【0035】
例えば、印刷装置1を通常使用している場合、通常は、ユーザーが電源操作部30cに対する操作を行うことはない。しかし、電源操作部30cと他の操作部と位置関係に関して何ら配慮されていない場合、ユーザーが誤操作によって電源操作部30cに触れ、印刷装置1の電源状態が移行してしまうようなことがあり得る。そこで、本実施形態においては、操作部の操作性が悪くならないように、各種の配慮がなされている。
【0036】
(2)操作性向上のための配置:
本実施形態においては、静電式タッチパネル30aの表示パネル面に垂直な方向に沿ってUI部30を見た状態で、ホーム操作部30bは、電源操作部30cより静電式タッチパネル30aに近い。すなわち、図3に示すx-y'平面において、ホーム操作部30bは、電源操作部30cより静電式タッチパネル30aに近い。具体的には、図5に示すように、ホーム操作部30bと静電式タッチパネル30aとの距離L1は、電源操作部30cと静電式タッチパネル30aとの距離L2よりも短い。
【0037】
なお、操作部同士の距離は、種々の指標で評価可能であり、例えば、最短距離によって評価することが可能である。また、本実施形態においては、静電式タッチパネル30aと操作部との距離は、UI部30上で視認可能な静電式タッチパネル30aの縁部と操作部の縁部との距離である。本実施形態において、静電式タッチパネル30a、ホーム操作部30b、電源操作部30cは、矩形またはほぼ矩形であり、辺はx方向またはy'方向に平行である。従って、これらの間の距離は、x方向またはy'方向の距離である。
【0038】
なお、本実施形態において、ホーム操作部30bは、電源操作部30cより静電式タッチパネル30a上の操作部に近い。具体的には、静電式タッチパネル30a上の操作部の中で最もホーム操作部30bに近い操作部である記録材設定部33と、ホーム操作部30bと、の距離を距離L3とする。また、静電式タッチパネル30a上の操作部の中で最も電源操作部30cに近い操作部である左端の固定操作部31aと、電源操作部30cと、の距離を距離L4とする。このとき、距離L3<距離L4である。
【0039】
さらに、本実施形態において、ホーム操作部30bは、電源操作部30cより静電式タッチパネル30aの表示可能領域に近い。具体的には、静電式タッチパネル30aの表示可能領域の下側の縁部と、ホーム操作部30bと、の距離を距離L5とする。また、静電式タッチパネル30a上の表示可能領域の左側の縁部と、電源操作部30cと、の距離は距離L4である。このとき、距離L5<距離L4である。
【0040】
本実施形態においてホーム操作部30bは、電源操作部30cより静電式タッチパネル30aに近いため、静電式タッチパネル30a上のソフトキーとホーム操作部30bとの間で指を行き来させる操作を実行しやすい。ホーム操作部30bは、静電式タッチパネル30aに表示された基本画面以外の画面を基本画面に切り替えるための操作部である。従って、ユーザーは、電源操作部30cと静電式タッチパネル30aと間で指を移動させるより、ホーム操作部30bと静電式タッチパネル30aとの間で指を移動させる方が容易である。このため、ユーザーは、容易に、ホーム操作部30bと静電式タッチパネル30aとの間で指を移動させながら入力を行うことができる。
【0041】
ユーザーが、UI部30に対して各種入力を行っている状態において、印刷装置1の電源をオフにする可能性は低い。従って、電源操作部30cがホーム操作部30bよりも、静電式タッチパネル30aから遠くに配置されていることにより、ユーザーが印刷装置1の使用中に電源操作部30cを誤操作してしまう可能性は低い。また、電源操作部30cは、ホーム操作部30bよりもユーザーから見て奥側に存在する。従って、電源操作部30cは、ホーム操作部30bよりもユーザーから遠い位置に配置されている。このため、ユーザーが印刷装置1の使用中に電源操作部30cを誤操作してしまう可能性は低い。
【0042】
さらに、ホーム操作部30bは、画面を基本画面に切り替えるための操作部である。従って、ホーム操作部30bに対する操作が行われた場合、ユーザーは、切り替わった後の基本画面上のソフトキーに対する操作や、基本画面上の情報の確認などを実行しようとしている可能性が高い。ホーム操作部30bが、電源操作部30cよりも静電式タッチパネル30aに近ければ、ユーザーは、容易に、ホーム操作部30bと静電式タッチパネル30aとの双方を視野に入れながら操作することができる。従って、多数回の視線移動を行わなくても、静電式タッチパネル30a内の基本画面上のソフトキーを操作したり、基本画面上の情報を確認したりすることができる。このため、操作しやすいユーザーインターフェースを提供することができる。
【0043】
さらに、本実施形態においては、静電式タッチパネル30a上の全ての画面において、表示可能領域の上辺沿いに固定操作部31aが表示される。すなわち、固定操作部31aは、基本画面以外の画面にも表示される。従って、ホーム操作部30bに対する操作をユーザーが行った直後において、固定操作部31aに対する操作による画面の遷移前にも表示されていた固定操作部31aに対して操作が行われる可能性は低い。
【0044】
そこで、本実施形態においては、静電式タッチパネル30aの画面に表示される全ての操作部の中で、固定操作部31aを、ホーム操作部30bから見て(奥行き方向に)最も遠い位置に配置してある。この構成によれば、ホーム操作部30bに対する操作の直後に操作される操作部や、ホーム操作部30bに対する操作の直後に確認される情報を、相対的にホーム操作部30bの近くに配置することができる。このため、ホーム操作部30bに対する操作の直後の操作や情報の確認を実施しやすくなる。
【0045】
さらに、静電式タッチパネル30aとホーム操作部30bとの間の距離L1は、ホーム操作部30bの機械式キーの幅W1よりも小さい。なお、本実施形態において、幅W1は、奥行き方向におけるホーム操作部30bの機械式キーの長さであるが、当該機械式キーの奥行き方向の長さと左右方向の長さとは同一である。ホーム操作部30bの機械式キーの幅は、ホーム操作部30bをユーザーの1本の指の指先で操作できるように、指先で触れる面積よりもやや大きくなるように設定してある。
【0046】
従って、静電式タッチパネル30aとホーム操作部30bとの間の距離L1が、ホーム操作部30bの機械式キーの幅W1よりも小さい場合、静電式タッチパネル30aとホーム操作部30bとの距離L1は、指先の幅と同程度の距離となる。このため、ホーム操作部30bに対する操作の後に、指先の幅と同程度の距離だけ指を移動させれば、静電式タッチパネル30aまで指を移動させることができる。従って、指を短い移動距離だけ移動させるのみで、静電式タッチパネル30aへのタッチ操作が可能である。このため、ホーム操作部30bと静電式タッチパネル30a上のソフトキーとを利用した操作を容易に実行することができる。
【0047】
さらに、静電式タッチパネル30aと電源操作部30cとの間の距離L2は、ホーム操作部30bの機械式キーの幅W1よりも大きい。従って、静電式タッチパネル30aに対するタッチ操作が行われた後に、電源操作部30cに対してタッチ操作するためには、少なくとも、指先の幅よりも長い距離に渡って指を移動させる必要がある。すなわち、ユーザーは、静電式タッチパネル30aからある程度、指を移動させなければ電源操作部30cに触れることができない。従って、ユーザーが意図せずに電源操作部30cに対して誤操作する可能性を低減させることができる。
【0048】
さらに、本実施形態において、静電式タッチパネル30aを背面から照らす光源Lsは、静電式タッチパネル30aのホーム操作部30b側の端部に位置する。図6においては、光源Lsの位置を破線の矩形によって模式的に示している。本実施形態において、静電式タッチパネル30aは、エッジライト方式の液晶表示装置である。光源Lsは、UI部30の内部において、静電式タッチパネル30aの表示パネルの一辺側に配置され、導光板等によって表示パネルの全面の照明を行う。当該光源Lsが、本実施形態においては、静電式タッチパネル30aのホーム操作部30b側の端部に位置している。すなわち、図6において、静電式タッチパネル30aの下方の端部に配置されている。
【0049】
光源Lsは静電式タッチパネル30aの全面を照明する光源であり、また、光を背面に導光するための反射板等を伴う。従って、光源Lsの周囲には、ある程度のスペースが必要である。一方、ホーム操作部30bは機械式キーを含むため、機械式キーを構成する機構や、機械式キーのオン・オフを検出するための回路等が必要であり、ある程度のスペースが必要である。
【0050】
以上のように、光源Lsとホーム操作部30bとをUI部30の内部に設けるためには、それぞれの機構に応じたスペースが必要である。光源Lsとホーム操作部30bとが、静電式タッチパネル30aから見て異なる方向、例えば、上辺側と下辺側等に配置されていると、異なる方向にそれぞれのスペースが必要になる。しかし、図6に示すように、光源Lsとホーム操作部30bとが、静電式タッチパネル30aから見て同一の方向に配置されていると、それぞれが必要とするスペースを互いに共有した状態で光源Lsとホーム操作部30bとを配置することができる。この結果、静電式タッチパネル30aとホーム操作部30bとが占める空間を小さくすることが可能であり、UI部30をコンパクトにすることができる。
【0051】
さらに、本実施形態において、基本画面内の残量情報は、画面内において、電源操作部30cよりもホーム操作部30bに近い位置に表示される。図5に示す例において、残量情報は、記録材設定部33に表示されており、電源操作部30cと記録材設定部33との距離は距離L6である。ホーム操作部30bと記録材設定部33との距離は距離L3である。なお、電源操作部30cと記録材設定部33との距離L6は両者の最短距離であり、ホーム操作部30bと記録材設定部33との距離L3は両者の最短距離である。
【0052】
ホーム操作部30bは、基本画面以外の画面を基本画面に切り替えるための操作部である。従って、ホーム操作部30bを操作した後、ユーザーは、基本画面内の情報を確認するなどの意志を持っている可能性が高い。残量情報が電源操作部30cよりもホーム操作部30bに近い場合、ホーム操作部30bを視認しながらタッチ操作した直後において、電源操作部30cを視認しながらタッチ操作した直後よりも、少ない視線の移動量で残量情報を確認することができる。
【0053】
さらに、基本画面には複数のソフトキーが含まれ、残量情報にはソフトキーが含まれ、残量情報に含まれるソフトキーは、基本画面に表示される全てのソフトキーの中で最もホーム操作部30bに近い。すなわち、基本画面上の記録材設定部33は、記録材の色毎の残量を示す矩形によって色毎の残量情報を示している。記録材設定部33は、記録材に関する設定を行うための画面に遷移させるためのタッチ操作を受け付けるソフトキーでもあるため、残量情報を示す記録材設定部33はソフトキーを含んでいる。
【0054】
図5に示す基本画面には、当該記録材設定部33以外にも、ユーザーによるタッチ操作を受け付ける媒体設定部32等の操作部が含まれており、これらの操作部はグレーで着色されている。これらの操作部は、下位階層への画面遷移を指示するためのソフトキーである。そして、本実施形態においては、図5に示されるように、ホーム操作部30bに最も近い操作部(ソフトキー)が記録材設定部33である。
【0055】
ホーム操作部30bは、基本画面以外の画面を基本画面に切り替えるための操作部である。従って、ホーム操作部30bを操作した後、ユーザーは、基本画面内の操作部に対して操作する意志を持っている可能性が高い。操作部の中で、記録材設定部33がホーム操作部30bに最も近い場合、ホーム操作部30bに対するタッチ操作の直後において、他の操作部よりも短い距離の移動のみで記録材設定部33に対するタッチ操作を行うことができる。このため、ユーザーは、ホーム操作部30bに対するタッチ操作の直後に、非常に容易に記録材設定部33に対するタッチ操作を行うことができる。
【0056】
なお、本実施形態においては、上述のように、ホーム操作部30bから最短距離にある基本画面上の操作部である記録材設定部33までの距離L3は、電源操作部30cから最短距離にある基本画面上の操作部である左端の固定操作部31aまでの距離L4より小さい。従って、ホーム操作部30bに対するタッチ操作の直後において、電源操作部30cに対するタッチ操作の直後よりも、短い距離の移動のみで基本画面上の操作部に対してタッチ操作を行うことができる。このため、ユーザーは、ホーム操作部30bに対するタッチ操作の直後に、基本画面上の操作部に対して操作を行いやすく、基本画面上の操作部に対する操作の直後に電源操作部30cを誤操作する可能性は低い。
【0057】
本実施形態においては、基本画面より下位の階層の画面においても、操作部の配置に工夫がなされている。図6に示すように、記録材設定部33に対するタッチ操作で表示される記録材設定画面には、表示されている画面を元の画面に遷移させるソフトキーを含む復帰操作部34と、復帰操作部34以外のソフトキーを含む画面内操作部35と、が含まれている。なお、本実施形態において、画面内操作部35には、メンテナンス操作部35aと詳細確認部35bとが含まれる。
【0058】
図6は、基本画面より下位の階層の画面の一例であるが、本実施形態において、第2階層以下の階層の画面の全てにおいて、同一の位置に復帰操作部34が表示される。本実施形態においては、基本画面上に復帰操作部34は表示されない。従って、基本画面以外の画面を第1画面、基本画面を第2画面としたとき、復帰操作部34は、第1画面上に表示され、第2画面上には表示されない。本実施形態において基本画面は最上位階層の画面であるため、基本画面において復帰操作部34を表示させない構成とすれば、基本画面内に不要な操作部を配置せず、画面を効率的に使用することができる。
【0059】
また、上述のように、固定操作部31aは、基本画面を含む全ての画面において同一の位置に表示される。従って、ユーザーは、画面の階層がどの階層であったとしても、固定操作部31aとして挙げられた既定の機能の実行指示を行うことができる。画面内操作部35は、第2階層以下の画面に応じて異なる指示を行うための操作部であり、異なる画面内の画面内操作部35の表示位置は、互いに異なり得る。
【0060】
図6に示す例において、ホーム操作部30bと復帰操作部34とは、画面内操作部35を挟んでいる。具体的には、図6においては、ホーム操作部30bの中央から復帰操作部34の中央に延びる直線Loを一点鎖線で示している。当該直線Loは、画面内操作部35の一つであるメンテナンス操作部35aを通る直線であり、このような位置関係に各操作部が存在することにより、ホーム操作部30bと復帰操作部34とが、画面内操作部35を挟むように配置されている。
【0061】
なお、ホーム操作部30bと復帰操作部34とが、画面内操作部35を挟んでいるか否かを特定するための直線は、操作部の中央を通る直線に限定されず、操作部の任意の位置、例えば、端部を通る直線であっても良い。2個の操作部の中の任意の位置を通る直線が、これらの2個の操作部の間に存在する他の操作部を通っている場合、2個の操作部は他の操作部を挟んでいると言える(任意の操作部について同様である)。また、2個の操作部が他の操作部を挟んでいるか否かは、特定の方向、例えば、図6に示すy'方向やx方向において特定されても良い。例えば、図6に示す例であれば、y'方向において、ホーム操作部30bと復帰操作部34とが、画面内操作部35を挟んでいる。
【0062】
ホーム操作部30bは、基本画面以外の画面から基本画面に戻るための操作部であり、復帰操作部34は、表示中の画面に遷移する前に表示されていた画面に戻すための操作部である。このように、ホーム操作部30bと復帰操作部34との双方とも、画面を切り替えて元の画面、すなわち、直前の画面または最初の画面に戻す機能を有している。従って、ホーム操作部30bと復帰操作部34とが有する機能は類似の機能である。一方、メンテナンス操作部35a等の画面内操作部35は、画面の遷移を伴い得るものの、何らかの機能を選択するなど、特定の機能を選択することを念頭にしたユーザーが操作する操作部である。
【0063】
本実施形態のようにホーム操作部30bと復帰操作部34とが、画面内操作部35を挟んでいる場合、画面内操作部35から見てホーム操作部30bと復帰操作部34とが反対側に存在する。このため、類似の機能を有するホーム操作部30bと復帰操作部34とが互いに隣接した状態にはならない。類似の機能を有する操作部が隣接していると、ユーザーは、一方への操作を意図して他方の操作を行ってしまう誤操作が発生しやすいが、本実施形態によれば、類似の機能を有する操作部の一方に対するタッチ操作を意図したユーザーが誤って他方の操作部に対してタッチ操作をしてしまう可能性を低減することができる。特に、ユーザーがUI部30の操作に慣れた場合、ホーム操作部30bと復帰操作部34の位置が明確に異なることを認識することができるため、誤操作が発生してしまう可能性を低減することができる。
【0064】
なお、本実施形態において、復帰操作部34は、静電式タッチパネル30aの上辺寄りの部分に表示され、ホーム操作部30bは、静電式タッチパネル30aよりも手前側に配置されている。従って、復帰操作部34とホーム操作部30bとは、静電式タッチパネル30aの中央から見て互いに反対側に存在する。このため、類似の機能を有する操作部の一方に対するタッチ操作を意図したユーザーが誤って他方の操作部に対してタッチ操作をしてしまう可能性を低減することができる。
【0065】
さらに、本実施形態における画面には、ホーム操作部30bと電源操作部30cとが、画面内操作部35を挟むような画面も含まれる。図7は、本実施形態において静電式タッチパネル30aに表示され得るメンテナンス画面の例を示す図である。当該メンテナンス画面は、例えば、図6に示すメンテナンス操作部35aに対するタッチ操作に応じて表示される。メンテナンス画面においても、図5に示す例と同様に、静電式タッチパネル30a上のソフトキーはグレーに着色され、表示可能領域の境界が破線で示されている。メンテナンス画面においても、タッチ操作可能な操作部とタッチ操作不可能な情報表示部が含まれる。
【0066】
メンテナンス画面の情報表示部には、画面の説明(プリンターのお手入れ)の文字や、温度、湿度等の情報が表示される。メンテナンス画面の操作部には、固定操作部31aと復帰操作部34と画面内操作部35とが含まれる。画面内操作部35は、印刷装置1のメンテナンスの実行指示等を入力するための操作部であり、例えば、「プリントヘッドのノズルチェック」の実行指示や、「メンテナンスパーツ交換」の実行指示等を行うための操作部が含まれる。固定操作部31aは、図5に示す基本画面の固定操作部31aと同一であり、復帰操作部34は、図6に示す記録材設定画面の復帰操作部34と同一である。
【0067】
図7に示すメンテナンス画面においては、ホーム操作部30bの中央から電源操作部30cの中央に延びる直線Loを一点鎖線で示している。図7に示すように、当該直線Loは、画面内操作部35の少なくとも一つを通っている。従って、ホーム操作部30bと電源操作部30cとが、画面内操作部35を挟む。この構成によれば、画面内操作部35から見てホーム操作部30bと電源操作部30cとが反対方向に存在する。また、ホーム操作部30bと電源操作部30cとは、共に機械式キーを含んでおり、静電式タッチパネル30aの外部に設けられる。
【0068】
このため、図7に示す構成においては、ホーム操作部30bと電源操作部30cとが互いに隣接した状態にはならない。この構成によれば、ホーム操作部30bと電源操作部30cとの一方に対するタッチ操作を意図したユーザーが誤って他方の操作部に対してタッチ操作をしてしまう可能性を低減することができる。
【0069】
ホーム操作部30bは印刷装置1の使用過程で頻繁に操作され得るが、電源操作部30cは印刷装置1の使用過程において操作される可能性が低い。ホーム操作部30bと電源操作部30cとが近接して配置されていると、ホーム操作部30bに対するタッチ操作の際に間違って電源操作部30cに対してタッチ操作を行ってしまう可能性が高くなる。しかし、本実施形態のようにホーム操作部30bと電源操作部30cとが、画面内操作部35を挟む構成であれば、電源操作部30cに対する誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0070】
さらに、本実施形態における画面には、ホーム操作部30bと画面内操作部35とが、静電式タッチパネル30aの長手方向において同じ位置にある画面が含まれる。例えば、図6図7に示す画面のいずれにおいても、ホーム操作部30bを静電式タッチパネル30aの長手方向であるx方向に垂直なy'方向に仮想的に移動させると、画面内操作部35と重なる。なお、図5に示す基本画面に復帰操作部34は表示されないが、基本画面に表示された操作部(例えば、記録材設定部33)が復帰操作部34と異なる画面内操作部であると見なした場合に、ホーム操作部30bと画面内操作部とが、静電式タッチパネル30aの長手方向において同じ位置にある。
【0071】
以上のように、ホーム操作部30bと画面内操作部35とが、静電式タッチパネル30aの長手方向において同じ位置にある場合、静電式タッチパネル30aの長手方向に指を移動させず、短手方向に指を移動させるのみで、ホーム操作部30bと画面内操作部35との間で指を移動させることができる。従って、ホーム操作部30bへのタッチ操作の直後に画面内操作部35をタッチ操作したり、画面内操作部35へのタッチ操作の直後にホーム操作部30bをタッチ操作したりすることが容易になる。
【0072】
さらに、本実施形態において、電源操作部30cは、静電式タッチパネル30aの短手方向において画面内操作部35よりも印刷装置を使用するユーザーから見て奥側にある。
具体的には図5図7に示すように、静電式タッチパネル30aの短手方向であるy'方向において、電源操作部30cは、画面内操作部35よりも奥側に存在する。すなわち、y'方向において電源操作部30cの奥側の辺は、画面内操作部35の奥側の辺よりも、奥側に存在する。従って、電源操作部30cは、画面内操作部35よりも、印刷装置1を使用するユーザーから見て遠い位置に存在し、画面内操作部35に対する操作の過程で電源操作部30cを誤操作する可能性を低減することができる。
【0073】
なお、本実施形態における画面には、例えば、図5図7に示されるように、各種の操作部が存在する。本実施形態における電源操作部30cは、図5図7に示されるように、静電式タッチパネル30aの画面に表示される全ての操作部よりも奥側に存在する。従って、本実施形態においては、電源操作部30cは、静電式タッチパネル30aの画面に表示される全ての操作部の中で最も奥側に存在する。このため、電源操作部30cは、UI部30の全ての操作部の中で、印刷装置1を使用するユーザーから最も遠い位置に存在する。従って、電源操作部30c以外の操作部に対する操作の過程で電源操作部30cを誤操作する可能性を低減することができる。
【0074】
さらに、本実施形態において機械式キーであるホーム操作部30bと電源操作部30cとは、静電式タッチパネル30aを挟んでいる。例えば、図7に示す一点鎖線のように、ホーム操作部30bから電源操作部30cに延びる直線Loを仮想的に考えると、当該直線Loは、x-y'平面で静電式タッチパネル30aを通る。この構成によれば、ホーム操作部30bと、電源操作部30cとの間に、静電式タッチパネル30aが存在する構成とすることができる。従って、ホーム操作部30bと、電源操作部30cとを離して配置することができ、ホーム操作部30bへのタッチ操作の際に電源操作部30cが誤操作される可能性を低減することができる。また、電源操作部30cへのタッチ操作の際にホーム操作部30bが誤操作される可能性を低減することができる。
【0075】
さらに、本実施形態においては、ホーム操作部30bと電源操作部30cとは静電式タッチパネル30aに表示される残量情報を挟んでいる。具体的には、図5に示すように、残量情報は、基本画面に表示される記録材設定部33に含まれており、記録材設定部33は基本画面の左下に配置されているため、図5に示す実施形態において、ホーム操作部30bと電源操作部30cとの間に残量情報が挟まれている。この構成によれば、ホーム操作部30bと、電源操作部30cとを離して配置することができ、ホーム操作部30bへのタッチ操作の際に電源操作部30cが誤操作される可能性を低減することができる。また、電源操作部30cへのタッチ操作の際にホーム操作部30bが誤操作される可能性を低減することができる。
【0076】
さらに、本実施形態においてホーム操作部30bの機械式キーは、電源操作部30cの機械式キーよりも小さい。この構成によれば、電源操作部30cをホーム操作部30bよりも目立たせることができる。電源操作部30cは、印刷装置1の電源がオフである状態をオンである状態に切り替えるための機械式キーであるため、ユーザーから見てわかりやすいキーであることが好ましい。ホーム操作部30bの機械式キーが、電源操作部30cの機械式キーよりも小さい構成とすれば、電源操作部30cをホーム操作部30bよりもわかりやすく、目立つキーとすることができる。なお、電源操作部30cがホーム操作部30bよりも大きいことによって、わかりやすい機械式キーであるとしても、本実施形態においては、電源操作部30cを操作部の中で最も奥に配置し、ホーム操作部30bを操作部の中で最も手前に配置している。このため、ユーザーが、誤操作によって電源操作部30cに対してタッチ操作してしまう可能性は低減されている。
【0077】
さらに、本実施形態において、静電式タッチパネル30aが設けられたパネル設置面Spは、電源操作部30cが設けられた電源操作部設置面Soと異なる面である。図3においては、パネル設置面Spおよび電源操作部設置面Soを矢印によって示している。パネル設置面Spは、UI部30の外面を構成する複数の面の中で、静電式タッチパネル30aの表示パネルをユーザーに視認させるための開口部Spoが設けられた面である。電源操作部設置面Soは、UI部30の外面を構成する複数の面の中で、電源操作部30cの機械式キーが取り付けられた面である。
【0078】
本実施形態においては、図3に示されるように、パネル設置面Spの外形は矩形である。また、パネル設置面Spは、x-y'平面に平行な平面である。一方、電源操作部設置面Soの外形は矩形である。また、電源操作部設置面Soも、x-y'平面に平行な平面である。従って、本実施形態において、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとは平行である。但し、x-y'平面に垂直な方向(高さ方向と呼ぶ)において、パネル設置面Spの位置と電源操作部設置面Soの位置とは異なっている。すなわち、UI部30をユーザーから見た場合に、高さ方向に段差が形成されており、パネル設置面Spは、電源操作部設置面Soのよりも高い位置(ユーザー寄りの位置)に存在する。
【0079】
以上のように、本実施形態においては、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとは、段差を境界としてx方向において隣接している。そして、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの境界には段差が存在するため、これらの面は異なる面である。このように、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとが異なる面である場合、ユーザーから見ると、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとが非連続的に配置されていることが明らかになる。
【0080】
また、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとが異なる面である場合、一方の面から他方の面への指の移動は行いづらくなる。例えば、指が面の境界に触れたり、境界がユーザーに視認されることによって非連続的な面の間の指の移動であることがユーザーに認識されやすくなったりすることで、一方の面から他方の面への指の移動は行いづらくなる。従って、パネル設置面Spに設けられた操作部に対する操作を意図して、電源操作部設置面Soに設けられた操作部を誤操作する可能性は低くなる。また、電源操作部設置面Soに設けられた操作部に対する操作を意図して、パネル設置面Spに設けられた操作部を誤操作する可能性は低くなる。
【0081】
さらに、本実施形態において、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間には、ホーム操作部30bの機械式キーのストロークよりも大きい段差が存在する。すなわち、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の段差は、ホーム操作部30bの機械式キーのストロークより大きい。
【0082】
機械式キーのストロークは、機械式キーが操作されていない状態と、押し込み方向に最大限操作した状態と、の間における機械式キーの押し込み方向の移動距離である。従って、機械式キーを操作する場合、ユーザーの指の高さ方向における移動距離はストローク以下となる。このため、ユーザーの指が、機械式キーの押し込み方向に機械式キーのストロークを超えるほど移動すると、ユーザーは、機械式キーの押し込み操作と異なる操作を行っていると認識することができる。従って、ホーム操作部30bへの操作後など、パネル設置面Spの周囲に指が存在する状態から、ユーザーが意図せずに段差を超えて電源操作部設置面Soに指を移動させて他の操作部に対して誤操作する可能性を低減することができる。
【0083】
また、本実施形態において、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間には、電源操作部30cの機械式キーのストロークよりも大きい段差が存在する。すなわち、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の段差は、電源操作部30cの機械式キーのストロークより大きい。そして、ユーザーの指が、機械式キーの押し込み方向に機械式キーのストロークを超えるほど移動すると、ユーザーは、機械式キーの押し込み操作と異なる操作を行っていると認識することができる。従って、電源操作部30cへの操作後など、電源操作部設置面Soの周囲に指が存在する状態から、ユーザーが意図せずに段差を超えてパネル設置面Spに指を移動させて他の操作部に対して誤操作する可能性を低減することができる。
【0084】
さらに、本実施形態において、静電式タッチパネル30aの表面Saと、ホーム操作部30bの機械式キーが操作されていない状態の表面Sbと、の高さの差は、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の段差よりも小さい。図8は、UI部30の左側(電源操作部30cが設けられている部位)をx-y'平面に平行な方向に沿って眺めた状態を示す側面図である。図8においては、各操作部が操作されていない状態を示している。
本実施形態において、静電式タッチパネル30aの表面Saは、パネル設置面Spよりも高さ方向に低い位置に存在する。ホーム操作部30bは直方体の外形であり、機械式キーが操作されていない状態において、指によってタッチされる面が高さ方向で最も高い位置に存在する。図8に示すように、本実施形態において各機械式キーの表面は、操作されていない状態において、設置面よりも僅かに高くなるように構成されている。
【0085】
従って、静電式タッチパネル30aの表面Saと、ホーム操作部30bの機械式キーが操作されていない状態の表面Sbと、の高さの差は、図8に示す差Δabである。パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の段差の大きさはΔopである。図8に示すように本実施形態においてはΔab<Δopである。この構成によれば、ユーザーは、段差の大きさΔopよりも小さい距離だけ高さ方向に指を移動させるのみで、ホーム操作部30bと静電式タッチパネル30aの表面Saとの間で指を行き来させることができる。
【0086】
そして、パネル設置面Spの周囲(例えば、ホーム操作部30bや画面上の操作部の周囲)に指が存在する場合、ユーザーは、静電式タッチパネル30aの表面Saとホーム操作部30bの表面Sbと、の高さの差Δabを超え、段差の大きさΔop程度の移動を行わなければ電源操作部30cに指を到達させることができない。従って、パネル設置面Spの周囲に指が存在する状態から、ユーザーが意図せずに電源操作部30cに対してタッチ操作を行う誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0087】
さらに、本実施形態においては、静電式タッチパネル30aの表面Saと、ホーム操作部30bの機械式キーが操作されていない状態の表面Sbと、の高さの差Δabは、静電式タッチパネル30aの表面Saと電源操作部30cの機械式キーが操作されていない状態の表面Scとの高さの差Δacよりも小さい。この構成によれば、ユーザーが意図せずに電源操作部30cに対してタッチ操作を行う誤操作が発生する可能性を低減することができる。具体的には、パネル設置面Spの周囲(例えば、ホーム操作部30bや画面上の操作部の周囲)に指が存在する場合、ユーザーは、高さの差Δabに相当する距離だけ指を移動させても、電源操作部30cに指を到達させることができない。すなわち、ユーザーは、少なくとも、高さの差Δacに相当する距離だけ高さ方向に指の位置を変化させなければ電源操作部30cに指を到達させることができない。従って、パネル設置面Spの周囲に指が存在する状態から、ユーザーが意図せずに電源操作部30cに対してタッチ操作を行う誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0088】
さらに、本実施形態においては、静電式タッチパネル30aの表面Saやパネル設置面Spよりも電源操作部30cの機械式キーが操作されていない状態の表面Scの方が低い位置にある。従って、本実施形態においてユーザーが電源操作部30cに対してタッチ操作を行う場合、ユーザーは、静電式タッチパネル30aの画面上の操作部や、パネル設置面Spに設けられたホーム操作部30bを操作する高さよりも遠くまで指を移動させる必要がある。このため、静電式タッチパネル30aの画面上の操作部や、パネル設置面Spに設けられたホーム操作部30bを操作しているユーザーが、誤操作によって電源操作部30cに対してタッチ操作してしまう可能性を低減することができる。
【0089】
さらに、本実施形態においては、静電式タッチパネル30aと電源操作部30cとの中央領域に、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の段差が存在する。すなわち、本実施形態においては、例えば、図5等のようにx-y'平面に垂直な方向に沿ってUI部30を見た場合に、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の境界Bである段差は、静電式タッチパネル30aと電源操作部30cとの間の中央付近に存在する。この構成によれば、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の段差が、静電式タッチパネル30aと電源操作部30cとの双方から近くない位置に存在するように構成することができる。この結果、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間でユーザーが指を移動させる際に、段差に引っ掛かりにくくすることができる。
【0090】
なお、段差が存在する中央領域は、静電式タッチパネル30aと電源操作部30cとの間の中央を含む領域であれば良く、例えば、静電式タッチパネル30aと電源操作部30cとの間を3等分した場合の中央の領域等が中央領域である。むろん3等分は一例であり、4等分して得られる領域の中央の2領域や、5等分して得られる領域の中央の領域等が、中央領域となっていてもよい。なお、図5においては、一点鎖線で挟まれる領域Zが中央領域である。
【0091】
さらに、本実施形態において、ホーム操作部30bは、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の段差よりも、静電式タッチパネル30aに近い。すなわち、図5に示すように、ホーム操作部30bから境界Bまでの距離L7よりも、ホーム操作部30bから静電式タッチパネル30aまでの距離L1の方が小さい。段差は、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の境界であるため、電源操作部30cは、x方向において、境界を挟んでホーム操作部30bの反対側にある。
【0092】
従って、距離L7よりも、距離L1の方が小さい構成によれば、ホーム操作部30bと電源操作部30cとを互いに遠くに配置し、かつ、ホーム操作部30bを静電式タッチパネル30aの近くに配置することができる。従って、ホーム操作部30bと静電式タッチパネル30aとの間でユーザーが指を移動させて操作部に対する操作を行うことが容易である。また、ホーム操作部30bや静電式タッチパネル30aの付近に指が存在する状態において、ユーザーが電源操作部30cに対して誤って操作する誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0093】
さらに、本実施形態において、静電式タッチパネル30aの第1方向にホーム操作部30bが位置し、静電式タッチパネル30aの第2方向に電源操作部30cが位置すると見なした場合、第1方向と第2方向とは直交方向であるか、反対方向である。なお、本実施形態において、第1方向および第2方向は、静電式タッチパネルの矩形の画面の辺に平行な直交軸、すなわち、x軸およびy'軸に沿った方向である。
【0094】
具体的には、図5に示す例であれば、ホーム操作部30bは、静電式タッチパネル30aから見てy'軸の負方向に存在するため、当該y'軸の負方向が第1方向である。電源操作部30cは、静電式タッチパネル30aから見てx軸方向の負方向に存在するため、当該x軸方向の負方向が第2方向である。そして、y'軸とx軸とは互いに直交するため、第1方向と、第2方向とは直交方向である。この構成によれば、ホーム操作部30bおよび電源操作部30cが、静電式タッチパネル30aから見て同じ方向に配置されることを防止することができる。
【0095】
このため、ホーム操作部30bへのタッチ操作の際に電源操作部30cが誤操作される可能性を低減することができる。また、電源操作部30cへのタッチ操作の際にホーム操作部30bが誤操作される可能性を低減することができる。なお、第1方向と第2方向とは、異なる方向であれば良く、反対方向であってもよい。第1方向と第2方向とが反対方向であっても、ホーム操作部30bへのタッチ操作の際に電源操作部30cが誤操作される可能性を低減することができる。また、電源操作部30cへのタッチ操作の際にホーム操作部30bが誤操作される可能性を低減することができる。
【0096】
なお、本実施形態において、第1方向は、印刷装置1を使用するユーザーの手前方向である。従って、ホーム操作部30bをユーザーから近い位置に配置することができ、ユーザーは、ホーム操作部30bに対して容易に操作することが可能である。第2方向は、印刷装置1を使用するユーザーの左方向である、人は、統計的には右利きが多いため、第2方向をユーザーから見た左方向とすれば、統計的に多くの人が利き手でタッチしづらい方向に電源操作部30cが存在する。このため、電源操作部30cに対する誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0097】
また、本実施形態において、静電式タッチパネル30aと電源操作部30cとの間の段差は、第1方向に延びる。本実施形態において、第1方向は印刷装置1を使用するユーザーの手前方向であり、第2方向は第1方向と直交する方向であり、ユーザーの左右方向である。従って、第1方向に延びる段差が存在することにより、静電式タッチパネル30aから電源操作部30cに向けた第2方向を分断する方向に延びる段差を形成することができる。このため、ユーザーは、静電式タッチパネル30aと電源操作部30cとの間が区別されていることを明確に把握することができる。
【0098】
さらに、基本画面に表示される残量情報を含む記録材設定部33は、基本画面内において、基本画面に表示される全てのソフトキーの中で最も第1方向側に存在する。具体的には、本実施形態において記録材設定部33は、全てのソフトキーの中でy'方向において最も手前側に配置される。この構成によれば、記録材設定部33を、基本画面内で最もユーザーが操作しやすい位置に配置することができる。
【0099】
さらに、基本画面に表示される残量情報を含む記録材設定部33は、基本画面内において、基本画面に表示される全てのソフトキーの中で最も第2方向側に存在する。具体的には、本実施形態において記録材設定部33は、全てのソフトキーの中でx方向において最も左側に配置される。本実施形態において、静電式タッチパネル30aの左側には正方向搬送操作部30d1、逆方向搬送操作部30d2等が配置され、静電式タッチパネル30aの右側には操作部が配置されていない。従って、静電式タッチパネル30aの画面において記録材設定部33を左側に配置することにより、記録材設定部33、ホーム操作部30b、正方向搬送操作部30d1、逆方向搬送操作部30d2等の操作を行う際に必要とされるユーザーの指の移動距離を小さくすることができる。
【0100】
さらに、本実施形態において、静電式タッチパネル30aが設けられたパネル設置面Spは、搬送操作部30dが設けられた搬送操作部設置面Sfと異なる面である。なお、本実施形態において、電源操作部設置面Soと搬送操作部設置面Sfとは、同一の面である。図3に示されるように、パネル設置面Spは、x-y'平面に平行な矩形の平面である。搬送操作部設置面Sfも外形は矩形であり、x-y'平面に平行な平面である。従って、本実施形態において、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとは平行である。但し、x-y'平面に垂直な方向(高さ方向と呼ぶ)において、パネル設置面Spの位置と搬送操作部設置面Sfの位置とは異なっている。すなわち、UI部30をユーザーから見た場合に、高さ方向に段差が形成されており、パネル設置面Spは、搬送操作部設置面Sfのよりも高い位置(ユーザー寄りの位置)に存在する。
【0101】
以上のように、本実施形態においては、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとは、段差を境界としてx方向において隣接している。そして、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとの境界には段差が存在するため、これらの面は異なる面である。このように、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとが異なる面である場合、ユーザーから見ると、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとが非連続的に配置されていることが明らかになる。
【0102】
また、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとが異なる面である場合、一方の面から他方の面への指の移動は行いづらくなる。例えば、指が面の境界に触れたり、境界がユーザーに視認されることによって非連続的な面の間の指の移動であることがユーザーに認識されやすくなったりすることで、一方の面から他方の面への指の移動は行いづらくなる。従って、パネル設置面Spに設けられた操作部に対する操作を意図して、搬送操作部設置面Sfに設けられた操作部を誤操作する可能性は低くなる。また、搬送操作部設置面Sfに設けられた操作部に対する操作を意図して、パネル設置面Spに設けられた操作部を誤操作する可能性は低くなる。なお、本実施形態において、電源操作部設置面Soと搬送操作部設置面Sfとは、同一の面であるため、電源操作部30cと搬送操作部30dとを同一の面に設置することができ、UI部30にこれらの操作部を効率的に配置することができる。
【0103】
さらに、本実施形態において、搬送操作部30dに含まれる正方向搬送操作部30d1と、逆方向搬送操作部30d2とは、印刷媒体の搬送方向に並んでいる。具体的には、印刷装置1において印刷が行われる際には、図2に示すように、印刷装置1の筐体におけるUI部30が設置された面の中央から印刷媒体Mが排出される。ユーザーは、UI部30を視認可能な位置に立ってUI部30を操作するため、印刷装置1を使用するユーザーから見て印刷媒体Mは手前側に搬送されながら排出される。従って、排出の際の搬送方向である正方向がユーザーから見て手前側であると見なすと、搬送方向の逆方向はユーザーから見て奥側であると見なすことができる。
【0104】
本実施形態において、正方向搬送操作部30d1は、印刷された印刷媒体Mの排出方向である正方向に印刷媒体Mを搬送するための機械式キーであり、逆方向搬送操作部30d2よりも手前側に配置されている。逆方向搬送操作部30d2は、逆方向に印刷媒体Mを搬送するための機械式キーであり、正方向搬送操作部30d1よりも奥側に配置されている。従って、印刷媒体Mを手前側に搬送させるための機械式キーが手前側に配置され、印刷媒体Mを奥側に搬送させるための機械式キーが奥側に配置されている。
【0105】
この構成によれば、ユーザーは、印刷媒体Mを手前側に搬送させる際には手前側の機械式キーをタッチ操作すればよく、奥側に搬送させる際には奥側の機械式キーをタッチ操作すれば良い。従って、正方向搬送操作部30d1および逆方向搬送操作部30d2の配置がy'方向に逆である場合など、本実施形態の配置と異なる場合と比較して、ユーザーは直感的に操作を行うことができる。なお、印刷媒体Mはシート状であり、搬送方向を厳密に特定することは困難であるため、搬送方向は、特定の平面、例えば、x-y'平面に投影された状態で定義されて良い。
【0106】
さらに、正方向搬送操作部30d1と逆方向搬送操作部30d2とは、印刷装置を使用するユーザーの左右方向において、同じ位置にある。本実施形態において、ユーザーの左右方向は図3に示すx方向であるため、正方向搬送操作部30d1と逆方向搬送操作部30d2とが左右方向に同じ位置にある場合、y'方向に沿って並んだ状態にある。具体的には、搬送操作部30dに含まれる機械式キーと電源操作部30cに含まれる機械式キーとは、一列に並んでいる。
【0107】
本実施形態において、印刷媒体Mの搬送方向はy'方向に沿った方向、すなわち、手前方向と奥行き方向である。従って、正方向搬送操作部30d1と逆方向搬送操作部30d2とが左右方向において同じ位置にある場合、搬送方向に沿ってこれらの操作部が並んだ状態になる。従って、正方向搬送操作部30d1と逆方向搬送操作部30d2とが左右方向において異なる位置にある場合と比較して、ユーザーは直感的に操作を行うことができる。
【0108】
さらに、本実施形態において、正方向搬送操作部30d1と逆方向搬送操作部30d2との間隔は、搬送操作部30dと電源操作部30cとの間隔よりも狭い。この構成によれば、ユーザーは、搬送操作部30dに属する正方向搬送操作部30d1および逆方向搬送操作部30d2が対の機能の操作部であることを直感的に理解しやすくなる。また、搬送操作部30dに対する操作を意図しているユーザーが電源操作部30cを誤操作する可能性を低減することができる。
【0109】
さらに、本実施形態において、図8に示すように、静電式タッチパネル30aの表面と、搬送操作部30dの機械式キーが操作されていない状態の表面と、の高さの差をΔdcとする。この場合、高さの差Δdcは、静電式タッチパネル30aの表面とパネル設置面Spに設けられた機械式キーであるホーム操作部30bが操作されていない状態の表面との高さの差Δabよりも小さい。この構成によれば、ユーザーが意図せずに搬送操作部30dに対してタッチ操作を行う誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0110】
具体的には、パネル設置面Spの周囲(例えば、ホーム操作部30bや画面上の操作部の周囲)に指が存在する場合、ユーザーは、高さの差Δabに相当する距離だけ指を移動させても、搬送操作部30dに指を到達させることができない。すなわち、ユーザーは、少なくとも、高さの差Δdcに相当する距離だけ高さ方向に指の位置を変化させなければ搬送操作部30dに指を到達させることができない。従って、パネル設置面Spの周囲に指が存在する状態から、ユーザーが意図せずに搬送操作部30dに対してタッチ操作を行う誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0111】
さらに、本実施形態において、電源操作部30cは、印刷装置を使用するユーザーから見た静電式タッチパネル30aの奥行方向において、中央部もしくは中央部よりも奥側に位置する。本実施形態において、電源操作部30cは、静電式タッチパネル30aの奥行方向(短手方向、y'方向)において、静電式タッチパネル30aの中央部(奥行き方向の中心)よりも、奥側に位置する。この構成によれば、電源操作部30cをユーザーから遠くに配置することができ、電源操作部30cに対する誤操作が発生する可能性を低減することができる。なお、電源操作部30cが、奥行き方向の中央部に存在する場合であっても、他の操作部がユーザーに対して手前側に多く配置されることにより、電源操作部30cに対する誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0112】
さらに、搬送操作部30dは、印刷装置を使用するユーザーから見た静電式タッチパネル30aの奥行方向において、中央部もしくは中央部よりも手前側に位置する。本実施形態において、搬送操作部30dは、静電式タッチパネル30aの奥行方向(短手方向、y'方向)において、静電式タッチパネル30aの中央部(奥行き方向の中心)よりも、手前側に位置する。この構成によれば、搬送操作部30dをユーザーの近くに配置することができ、ユーザーは搬送操作部30dに対して容易に操作することができる。また、搬送操作部30dに対する操作の際に、他の操作部、例えば、電源操作部30cに対する誤操作が発生する可能性を低減することができる。なお、搬送操作部30dが、奥行き方向の中央部に存在する場合であっても、ユーザーから搬送操作部30dまで遠くはないため、搬送操作部30dに対して容易に操作を行うことが可能である。
【0113】
さらに、印刷媒体の搬送方向と直交する方向において、搬送操作部30dと印刷媒体とは、静電式タッチパネル30aの同じ側にある。すなわち、図3に示されるように、UI部30において、搬送操作部30dは、ユーザーから見て左側(x軸の負方向側)に存在する。そして、印刷装置1における印刷媒体Mの排出口は、図2に示すように、UI部30の左側に存在する。従って、静電式タッチパネル30aからみて、搬送操作部30dと印刷媒体Mとが同じ側にある。このため、ユーザーは、左側を見ることにより、視野内に印刷媒体Mを捉えながら、同一の視野内に搬送操作部30dが含まれる状態で搬送操作部30dに対する操作を行うことができる。従って、搬送操作部30dの度に印刷媒体Mの搬送具合を確認する必要がなく、印刷媒体Mを容易に搬送させることができる。
【0114】
さらに、本実施形態において、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとの間には、搬送操作部30dの機械式キーのストロークよりも大きい段差が存在する。すなわち、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとの間の段差Δopは、搬送操作部30dの機械式キーのストロークより大きい。ユーザーの指が、機械式キーの押し込み方向に機械式キーのストロークを超えるほど移動すると、ユーザーは、機械式キーの押し込み操作と異なる操作を行っていると認識することができる。従って、搬送操作部30dへの操作後など、搬送操作部設置面Sfの周囲に指が存在する状態から、ユーザーが意図せずに段差を超えてパネル設置面Spに指を移動させて他の操作部に対して誤操作する可能性を低減することができる。
【0115】
さらに、本実施形態においては、図8に示すように、静電式タッチパネル30aの表面Saと、搬送操作部30dの機械式キーが操作されていない状態の表面Sdと、の高さの差Δdcは、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとの間の段差Δopよりも小さい。この構成において、搬送操作部30dの操作後に、静電式タッチパネル30a上の操作部に対する操作を行うために、ユーザーは、搬送操作部30dの操作後における指の移動量を高さの差Δdcより大きくし、段差Δopを超える必要がある。この構成によれば、搬送操作部30dの周囲に指が存在する状態から、ユーザーが意図せずに静電式タッチパネル30aの画面の操作部に対してタッチ操作を行う誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0116】
本実施形態においては、静電式タッチパネル30aと搬送操作部30dとの中央領域に、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとの間の段差が存在する。すなわち、本実施形態においては、例えば、図5等のようにx-y'平面に垂直な方向に沿ってUI部30を見た場合に、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとの間の境界Bである段差は、静電式タッチパネル30aと搬送操作部30dとの間の中央付近に存在する。この構成によれば、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとの間の段差が、静電式タッチパネル30aと搬送操作部30dとの双方から近くない位置に存在するように構成することができる。この結果、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとの間でユーザーが指を移動させる際に、段差に引っ掛かりにくくすることができる。
【0117】
なお、段差が存在する中央領域は、静電式タッチパネル30aと搬送操作部30dとの間の中央を含む領域であれば良く、例えば、静電式タッチパネル30aと搬送操作部30dとの間を3等分した場合の中央の領域等が中央領域である。むろん3等分は一例であり、4等分して得られる領域の中央の2領域や、5等分して得られる領域の中央の領域等が、中央領域となっていてもよい。なお、図5においては、一点鎖線で挟まれる領域Zが中央領域であるが、領域Zが、静電式タッチパネル30aと搬送操作部30dとの間を3等分した場合の中央の領域に限定されないことについては上述の通りである。
【0118】
さらに、本実施形態における画面には、搬送操作部30dと画面内操作部35とが、静電式タッチパネル30aの短手方向において同じ位置にある画面が含まれる。例えば、図6図7に示す画面のいずれにおいても、搬送操作部30dを静電式タッチパネル30aの短手方向であるy'方向に垂直なx方向に仮想的に移動させると、画面内操作部35と重なる。なお、図5に示す基本画面に復帰操作部34は表示されないが、基本画面に表示された操作部が復帰操作部34と異なる画面内操作部であると見なした場合に、搬送操作部30dと画面内操作部とが、静電式タッチパネル30aの短手方向において同じ位置にある。
【0119】
以上のように、搬送操作部30dと画面内操作部35とが、静電式タッチパネル30aの短手方向において同じ位置にある場合、静電式タッチパネル30aの短手方向に指を移動させず、長手方向に指を移動させるのみで、搬送操作部30dと画面内操作部35との間で指を移動させることができる。従って、搬送操作部30dへのタッチ操作の直後に画面内操作部35をタッチ操作したり、画面内操作部35へのタッチ操作の直後に搬送操作部30dをタッチ操作したりすることが容易になる。
【0120】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。印刷装置は、生地以外の印刷媒体、例えば、紙等に印刷を行う印刷装置であっても良い。また、印刷装置の大きさは、上述の実施形態よりも小型であっても良いし、大型であっても良い。印刷装置は、印刷装置以外の機能を有する機器、例えば、fax機能、スキャン機能、コピー機能等の少なくとも一つを実行可能な複合機であっても良い。さらに、UI部30の態様は、上述の実施形態に限定されない。例えば、UI部30の外形は上述の実施形態と異なる形状であっても良いし、パネル設置面Spが上述の実施形態と異なる向き、例えば、水平方向に平行等であっても良い。
【0121】
さらに、操作部の表示態様は一例であり、種々の態様が採用されてよい。例えば、基本画面には複数のソフトキーが含まれ、残量情報にはソフトキーが含まれ、残量情報に含まれるソフトキーは、基本画面に表示される全てのソフトキーの中で最も電源操作部30cに近い構成であっても良い。このような構成としては、例えば、図9のような構成が挙げられる。図9に示す例においては、基本画面内の最も左上の部分に記録材設定部33が表示されている。このため、残量情報を含むソフトキーである記録材設定部33が、全てのソフトキーの中で最も電源操作部30cに近い。
【0122】
この構成によれば、ユーザーが電源操作部30cを視認して操作を行った後、印刷装置1の起動した直後に表示される基本画面において、ユーザーは、少ない視線移動によって残量情報を確認することができる。また、ユーザーが電源操作部30cを視認して操作を行った後、印刷装置1の起動した直後に表示される基本画面において、ユーザーは、少ない指の移動距離の後に記録材設定部33に対するタッチ操作を行うことができる。
【0123】
上述の印刷装置1において、電源操作部30cと復帰操作部34とは、画面内操作部35を挟むように構成されていても良い。このような構成は、例えば、図10に示す画面によって実現される。図10に示す画面において、復帰操作部34は、画面の右上側に配置されている。他の構成は、図7に示す画面と同様である。但し、図9に示す固定操作部31aは、復帰操作部34以外の操作部であることから画面内操作部35であると考えることもでき、図10では画面内操作部35と表記されている。
【0124】
このような図10に示す例において、電源操作部30cと復帰操作部34とは、画面内操作部35を挟んでいる。すなわち、電源操作部30cの中央から復帰操作部34の中央に延びる一点鎖線で示す直線Loは、画面内操作部35を通る。復帰操作部34は、表示中の画面に遷移する前に表示されていた画面に戻すための操作部である。階層構造の複数の画面を遷移していきながら各種の指示を行うユーザーインターフェースにおいて、このような復帰操作部34は頻繁にタッチ操作され得る。
【0125】
本実施形態のように電源操作部30cと復帰操作部34とが、画面内操作部35を挟んでいる場合、画面内操作部35から見て電源操作部30cと復帰操作部34とが反対側に存在する。このため、電源操作部30cと復帰操作部34とが互いに隣接した状態にはならず、電源操作部30cと復帰操作部34とを離して配置することができる。この構成によれば、頻繁にタッチ操作され得る復帰操作部34に対するタッチ操作を意図したユーザーが誤って電源操作部30cに対して操作をしてしまう可能性を低減することができる。
【0126】
さらに、図10に示す例においては、搬送操作部30dと復帰操作部34とは、画面内操作部35を挟んでいる。すなわち、搬送操作部30dを構成する正方向搬送操作部30d1および逆方向搬送操作部30d2の中央から復帰操作部34の中央に延びる二点鎖線で示す直線Lf1,Lf2は、画面内操作部35を通る。復帰操作部34は、表示中の画面に遷移する前に表示されていた画面に戻すための操作部である。階層構造の複数の画面を遷移していきながら各種の指示を行うユーザーインターフェースにおいて、このような復帰操作部34は頻繁にタッチ操作され得る。搬送操作部30dは、印刷媒体Mの搬送を行うための操作部であり、印刷過程である場合、例えば、ある画像の印刷途中である場合、に搬送操作部30dが操作される可能性は低い。
【0127】
本実施形態のように搬送操作部30dと復帰操作部34とが、画面内操作部35を挟んでいる場合、画面内操作部35から見て搬送操作部30dと復帰操作部34とが反対側に存在する。このため、搬送操作部30dと復帰操作部34とが互いに隣接した状態にはならず、搬送操作部30dと復帰操作部34とを離して配置することができる。この構成によれば、頻繁にタッチ操作され得る復帰操作部34に対するタッチ操作を意図したユーザーが誤って搬送操作部30dに対して操作をしてしまう可能性を低減することができる。
【0128】
さらに、印刷装置1の機械式キーに点字が対応づけられていても良い。例えば、図8に示すように、電源操作部30cが、電源操作部30cの機械式キーの機能を表す点字30c1を備えていてもよい。この場合において、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間には、点字の高さHcよりも大きい段差Δopが存在する構成であっても良い。なお、点字30c1の高さHcは、電源操作部設置面Soから点字30c1の頂点までの、高さ方向の距離である。
【0129】
この構成によれば、点字30c1に基づいて電源操作部30cを操作した直後のユーザーの指は、段差Δopの高さ方向の頂点であるパネル設置面Spよりも低い位置に存在する。従って、ユーザーがパネル設置面Sp側に指を移動させるためには、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の段差を超える必要がある。このため、電源操作部30cの周囲に指が存在する状態から、ユーザーが意図せずに静電式タッチパネル30aの画面の操作部に対してタッチ操作を行う誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0130】
さらに、搬送操作部30dが、搬送操作部30dの機械式キーの機能を表す点字30d3を備え、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfとの間には、点字30d3の高Hdさよりも大きい段差Δopが存在する構成であっても良い。
【0131】
この構成によれば、点字30d3に基づいて正方向搬送操作部30d1や逆方向搬送操作部30d2を操作した直後のユーザーの指は、段差Δopの高さ方向の頂点であるパネル設置面Spよりも低い位置に存在する。従って、ユーザーがパネル設置面Sp側に指を移動させるためには、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の段差を超える必要がある。このため、搬送操作部30dの周囲に指が存在する状態から、ユーザーが意図せずに静電式タッチパネル30aの画面の操作部に対してタッチ操作を行う誤操作が発生する可能性を低減することができる。
【0132】
さらに、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soは、非平行であってもよい。また、パネル設置面Spと搬送操作部設置面Sfは、非平行であってもよい。図11は、電源操作部設置面Soと搬送操作部設置面Sfとが同一であり、これらの設置面がパネル設置面Spと異なる面である構成の例である。なお、図11において、操作部等の符号は図3に示す例と同一である。
【0133】
図11において、UI部30は、直方体の外形を有しており、印刷装置1の筐体の面に対してパネル設置面Spが傾斜する状態で取り付けられる。パネル設置面Spがx-y'平面に平行である状況は図3に示す実施形態と同様である。図11において、電源操作部設置面Soおよび搬送操作部設置面Sfは、ユーザーから見た左右方向(x方向)の左側に位置する側面である。
【0134】
このような構成によれば、パネル設置面Spと、電源操作部設置面Soおよび搬送操作部設置面Sfとを直交させることができる。従って、パネル設置面Sp側の操作部(ホーム操作部30bや静電式タッチパネル30a上の操作部)を操作している過程において、電源操作部30cや搬送操作部30dに対して誤操作する可能性を低減することができる。また、電源操作部30cや搬送操作部30dを操作している過程において、パネル設置面Sp側の操作部に対して誤操作する可能性を低減することができる。
【0135】
図12も、電源操作部設置面Soと搬送操作部設置面Sfとが同一であり、これらの設置面がパネル設置面Spと異なる面である構成の例である。図12においても、操作部等の符号は図3に示す例と同一である。図12において、UI部30は、印刷装置1の筐体から突出した多面体によって構成されている。図12に示す例においても、パネル設置面Spは図3に示したx-y'平面に平行である。図12において、電源操作部設置面Soおよび搬送操作部設置面Sfは、印刷装置1の筐体におけるユーザーに対面する面(x-z平面)である。そして、電源操作部30cおよび搬送操作部30dは、静電式タッチパネル30aが設けられた多面体の近傍に形成されている。
【0136】
このような構成によれば、パネル設置面Spと、電源操作部設置面Soおよび搬送操作部設置面Sfとが、ユーザーから見て明らかに異なる面となる。従って、パネル設置面Sp側の操作部(ホーム操作部30bや静電式タッチパネル30a上の操作部)を操作している過程において、電源操作部30cや搬送操作部30dに対して誤操作する可能性を低減することができる。また、電源操作部30cや搬送操作部30dを操作している過程において、パネル設置面Sp側の操作部に対して誤操作する可能性を低減することができる。
【0137】
印刷装置は、記録材を用いて印刷する印刷装置であれば良い。すなわち、印刷装置は、操作部や静電式タッチパネル等のユーザーインターフェースを用いて各種入力を行って、記録材を媒体に記録する印刷装置であればよい。記録材は、上述の実施形態のようなインクに限定されず、トナーであっても良いし、媒体上に画像を形成可能な各種の物質が記録材となってよい。印刷方式も限定されず、電子写真方式や転写式、昇華型などの各種の方式が採用されてもよい。
【0138】
静電式タッチパネルは、ユーザーの指等の接触によって入力が可能なインターフェースであり、画像を表示可能なディスプレイを備える。表示される画像は、上述の実施形態に限定されず、各種の態様での表示が行われてよい。すなわち、ソフトキーの配置やソフトキーとして機能する部位、ソフトキーとして機能せずに情報表示が行われる部位などの、態様は限定されない。
【0139】
また、同種または同一の画面、が複数の態様で表示可能であっても良い。例えば、設定等に応じて基本画面として表示される画面が異なる構成等であっても良い。なお、タッチパネルは、静電式であることが好ましいが、他の方式であっても良い。また、タッチパネルに表示される画面は任意の画面であって良い。従って、基本画面に記録材の残量情報が含まれないような構成であっても良い。
【0140】
ホーム操作部は、静電式タッチパネルに表示される画面を、記録材の残量情報を含む基本画面に遷移させる機械式キーを含む操作部である。すなわち、ホーム操作部は、静電式タッチパネルに表示された画面を遷移させるキーであるが、静電式タッチパネルによって形成されるソフトキーではなく、静電式タッチパネルとは異なる位置に設置される機械式キーである。
【0141】
記録材の残量情報は、印刷装置で使用可能な記録材の残量を示す情報である。残量を示す情報は、各種の態様であって良く、上述の実施形態のように、色毎の記録材の残量を棒グラフで示す態様に限定されない。例えば、色毎の記録材の残量が数値で表記されても良いし、残量の平均値であっても良いし、特定の色の残量が代表的に表示されても良く、種々の態様が採用されてよい。特定の色としては、例えば、残量が最小の色や残量が少ない順に既定数の色、使用頻度が高い色等が挙げられる。
【0142】
基本画面は記録材の残量情報を含む画面であれば良い。静電式タッチパネルに表示される複数の画面が階層構造を形成し、上位階層から下位階層に遷移させるように画面を切り替えることが可能な構成において、基本画面は、最も上位階層の画面であることが好ましい。また、基本画面は、静電式タッチパネルに複数の画面を表示可能な構成において、最初に表示される画面、例えば、電源投入後の最初に表示される画面、スリープ状態からの復帰後の最初に表示される画面等であっても良い。むろん、これらの構成は一例であり、基本画面は、当該基本画面から設定した画面において、より詳細な情報を表示し、また、詳細な設定を実施可能であってよく、最上位の階層より下の階層の画面であっても良い。
【0143】
機械式キーは、可動部位の動作に応じてユーザーによるキーへの入力が検出される装置であれば良く、例えば、タクトスイッチ等の各種スイッチによって構成されるボタンなど、種々の態様によって実現可能である。なお、ホーム操作部は、機械式キーを含んでいれば良く、機械式キー以外のものを含む部位であっても良い。これは他の操作部についても同様である。また、機械式キーなどのキーの大きさは、種々の手法で特定されてよく、例えば、直径や半径等の径の大きさや、面積、特定の方向の大きさ等であってもよい。
【0144】
ソフトキーは、可動部位の動作が検出対象となるキーではなく、可動部位の動作とは異なる現象によってオン、オフが行われるキーであればよい。すなわち、静電式タッチパネルの任意の範囲に対する検出によって特定の入力を受け付ける場合に、当該範囲がキーとして機能し、これがソフトキーである。ソフトキーにおいては、キーに関連した任意の情報が表示されていても良いし、表示されていなくても良い。なお、ソフトキーを含む操作部は、ソフトキーを含んでいれば良く、ソフトキー以外の情報を含む部位であっても良い。これは他の操作部についても同様である。
【0145】
電源操作部は、印刷装置の電源状態を移行させる機械式キーを含む操作部である。すなわち、印刷装置は複数の電源状態で動作可能であり、ユーザーは電源操作部に対して操作を行うことで、ある電源状態から他の電源状態に移行させることができる。電源状態の数は、2以上であれば良く、電源状態の数が2の場合、電源状態はオンとオフである。電源状態の数が3の場合、電源状態が例えば、オンとオフとスリープの3状態である例が挙げられる。すなわち、印刷装置の電源状態を移行させる機械式キーとは、印刷装置をオン状態からスリープ状態に移行させる機能のみを持った機械式キーであってもよいし、印刷装置をオン状態からスリープ状態との間で相互に移行させる機能を持った機械式キーであってもよい。ただし、印刷装置の電源状態をオン状態からオン状態よりも電力消費が少ない状態に移行させる機能を少なくとも有する機械式キーであることが望ましい。
【0146】
ホーム操作部が、電源操作部より静電式タッチパネルに近い状態は、この状態が実現されていることにより、この状態が実現されていない場合と比較して、操作性が良くなっていれば良い。例えば、ホーム操作部が、電源操作部より静電式タッチパネルに近いことにより、電源操作部よりもホーム操作部の方が、操作直後に静電式タッチパネルに指を移動させやすい。このため、電源操作部よりもホーム操作部の方が、操作直後に静電式タッチパネルの操作を容易に行うことができる。このように、ホーム操作部の方が、電源操作部よりも、静電式タッチパネルに近いことに起因して、操作直後に静電式タッチパネルに指を移動させやすく、操作性が高い状況にあるならば、ホーム操作部、電源操作部、静電式タッチパネルの関係は、任意である。
【0147】
また、例えば、電源操作部が、ホーム操作部よりも静電式タッチパネルから遠いことにより、電源操作部よりもホーム操作部の方が、操作直後に静電式タッチパネルに指を移動させにくい。このため、静電式タッチパネルに対する操作後に、意図せずにユーザーが機械式キーに触れてしまう誤操作が発生する可能性は、電源操作部の方がホーム操作部よりも低い。電源操作部に対する誤操作は、意図外の電源状態の移行の原因となるが、通常使用中に電源状態が移行すると多くの場合、印刷ができない状態になるため、ホーム操作部への誤操作よりも誤操作による悪影響が大きい。このように、電源操作部の方が、ホーム操作部よりも、静電式タッチパネルから遠いことに起因して、影響の大きい誤操作の発生を防止しやすい状況にあるならば、ホーム操作部、電源操作部、静電式タッチパネルの関係は、任意である。
【0148】
以上のように、ホーム操作部、電源操作部、静電式タッチパネルの関係は、操作性が良くなるような関係であれば良く、ホーム操作部が、電源操作部より静電式タッチパネルに近い状態であるか否かは、種々の指標で評価されて良い。すなわち、上述の実施形態のように、各操作部と静電式タッチパネルとの最短距離で評価されても良いし、他の指標によって評価されても良い。例えば、各操作部の重心と静電式タッチパネルの重心との距離によって評価されても良い。また、既定の軸、例えば、静電式タッチパネルの画面上の座標を特定するための直交軸や、ユーザーから見た前後方向、左右方向等に平行な方向に沿った距離によって評価されても良い。さらに、例えば、各操作部の機械式キーを操作する際の指の位置と、静電式タッチパネルのソフトキーを操作する際の指の位置との距離によって評価されても良い。
【0149】
なお、操作部同士の距離も、種々の指標で評価されて良い。すなわち、上述の実施形態のように、操作部同士の最短距離で評価されても良いし、各操作部の重心同士の距離で評価されても良い。また、既定の軸、例えば、静電式タッチパネルの画面上の座標を特定するための直交軸や、ユーザーから見た前後方向、左右方向等に平行な方向に沿った距離によって評価されても良い。さらに、例えば、各操作部の機械式キーを操作する際の指の位置同士の距離によって評価されても良い。
【0150】
操作部の幅は、任意の方向の幅であってよい。矩形または略矩形の機械式キーであれば、その辺に沿ったいずれの方向の幅であっても良い。多角形や円形等の機械式キーであれば、その中心を通る径や直径等の長さが幅となりえる。
【0151】
復帰操作部は、静電式タッチパネルに表示されている画面を元の画面に遷移させるソフトキーを含む操作部であれば良い。上述の実施形態において、復帰操作部のソフトキーは、直前の画面に戻る、すなわち、画面が属する階層を1階層だけ上層に遷移させるためのソフトキーである。しかし、復帰操作部のソフトキーは、このようなソフトキーに限定されず、例えば、下位階層への遷移を指示するソフトキーであっても良いし、2階層以上上位または下位の階層への遷移を指示するソフトキーであっても良いし、これらの組合せであっても良い。また、過去に表示されていた特定の画面に遷移させるためのソフトキー、例えば、基本画面に遷移させるためのソフトキー等であっても良い。
【0152】
印刷装置には、ユーザーインターフェースとして静電式タッチパネルおよび操作部が設けられる。静電式タッチパネルや操作部は、大きさを有するインターフェースであるため、印刷装置に設置するためには静電式タッチパネルや操作部よりも広い面が必要である。
このように、静電式タッチパネルや操作部が取り付けられた面が設置面である。設置面は、静電式タッチパネルや操作部が設けられた面であれば良く、印刷装置が備える筐体の面であっても良いし、上述の実施形態のように、筐体に取り付けられた構造体が有する面であっても良い。
【0153】
設置面は、平面であっても良いし、曲面であっても良い。設置面は、ひとつながりの部位としてカウントできるか否かによって互いに区別される。例えば、多面体において面同士の境界を構成する辺や稜が存在する場合、当該境界で区別される部位同士は異なる面である。従って、平面同士は、面の位置や向きが一致しているか否かで区別可能である。曲面であれば、曲面が滑らかに変化して連続する一連の面であると判断される場合には、同一の面と見なされるが、辺や稜などの境界が存在すれば、境界で区分けされた面同士は異なった面である。また、溝等の境界で区切られた隣接する面が存在する場合に、一方の面を延長すると他の面と重なるなど、連続する状態になる場合であっても、境界が存在するならば異なる面であると見なすことができる。
【0154】
段差は、例えば、隣接する2個の面の境界において、各面の位置が異なることによって形成される。この場合、特定の方向(例えば、面に垂直な方向)における面同士の距離が段差の大きさに相当する。機械式キーのストロークは、機械式キーが操作されていない状態と、可動部位が最大限移動した状態と、の間の距離を評価するための指標であればよい。この指標は、例えば、両状態の差異が測定されて得られた指標であっても良いし、両状態の設計上の差異を示す指標であっても良く、種々の指標であっても良い。
【0155】
点字は、視覚障害者等が触覚によって情報を読み取るものであればよく、設置位置や形式や示す情報は限定されない。例えば、各操作部の点字は、各操作部の機械式キーの周囲に設置されても良いし、機械式キー上に設置されても良い。搬送操作部のキーに対応して矢印形状に凸となったものを形成した場合は、これも点字に含まれる。また、点字以外に電源操作部設置面Soに凹凸が設けられていてもよい。これらの場合であっても、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間に、点字や凹凸の高さよりも大きい段差Δopが存在する構成とすることで、ユーザーがパネル設置面Sp側に指を移動させるためには、パネル設置面Spと電源操作部設置面Soとの間の段差を超える必要があるようにすることが望ましい。
【0156】
静電式タッチパネルの第1方向にホーム操作部が位置し、静電式タッチパネルの第2方向に電源操作部が位置し、第1方向と第2方向とは直交方向であるか、反対方向である構成は、この構成によってホーム操作部と電源操作部とが近い領域に存在しないようにできればよい。これにより、ホーム操作部と電源操作部との一方の操作後に他方を誤操作してしまうことを防止することができればよい。
【0157】
このため、第1方向および第2方向は、静電式タッチパネルを基準とした場合に、同じ側にあるか否かを判断できるように定義されれば良い。このような方向の定義は、上述の実施形態のように静電式タッチパネルの矩形の画面の辺に平行な直交軸に沿った方向として第1方向および第2方向が定義される構成以外にも種々の手法で定義されて良い。例えば、ユーザーの視点を基準とした定義がなされてもよい。また、静電式タッチパネル上の1点を基準とし、基準からホーム操作部に向けた方向が第1方向、基準から電源操作部に向けた方向が第2方向のように定義されても良い。
【符号の説明】
【0158】
1…印刷装置、10…プロセッサー、20…不揮発性メモリー、30…UI部、30a…静電式タッチパネル、30b…ホーム操作部、30c…電源操作部、30c1…点字、30d…搬送操作部、30d1…正方向搬送操作部、30d2…逆方向搬送操作部、30d3…点字、31a…固定操作部、32…媒体設定部、33…記録材設定部、34…復帰操作部、35…画面内操作部、35a…メンテナンス操作部、35b…詳細確認部、40…通信部、50…印刷部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体上に画像を形成可能な物質を用いて印刷する印刷装置であって、
静電式タッチパネルと、
印刷を行う印刷媒体の搬送位置を操作する機械式キーを含む搬送操作部と、
印刷装置の電源状態を移行させる機械式キーである電源操作部と、
を備え、
前記静電式タッチパネルが設けられたパネル設置面は、前記電源操作部が設けられた電
源操作部設置面と異なる面であり、
印刷装置。
【請求項2】
前記パネル設置面と前記電源操作部設置面は、非平行である、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記静電式タッチパネルの短手方向において、前記搬送操作部と前記電源操作部とは前
記静電式タッチパネルの同じ側にある、
請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記タッチパネルの中央から前記電源操作部までの距離は、前記タッチパネルの中央か
ら前記搬送操作部までの距離よりも大きい、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項5】
水平方向から見た場合において、
前記電源操作部の一部は、前記静電式タッチパネルにおける表示可能領域と重複し、
前記電源操作部の一部以外は、前記静電式タッチパネルにおける表示可能領域と重複し
ない、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記電源操作部は押し込み操作される機械式キーであり、
前記静電式タッチパネルの表面よりも前記電源操作部の機械式キーが押し込み操作され
ていない状態の表面の方が低い、
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記静電式タッチパネルと前記電源操作部との中央領域に、前記パネル設置面と前記電
源操作部設置面との間の段差が存在する、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記パネル設置面と、前記電源操作部設置面と、は隣接する面である、
請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の印刷装置。