(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109619
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】マルチガススペクトルセンサのための小型マルチパスガスセル
(51)【国際特許分類】
G01N 21/03 20060101AFI20240806BHJP
G01N 21/3504 20140101ALI20240806BHJP
【FI】
G01N21/03 B
G01N21/3504
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024074237
(22)【出願日】2024-05-01
(62)【分割の表示】P 2021552856の分割
【原出願日】2020-03-04
(31)【優先権主張番号】62/813,714
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/808,238
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511248294
【氏名又は名称】シーウェア システムズ
【氏名又は名称原語表記】SI-WARE SYSTEMS
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】サブリー,ヤセル,エム.
(72)【発明者】
【氏名】サクル,ムハンマド
(72)【発明者】
【氏名】サーダニー,バッサム,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】アンワー,モーメン
(72)【発明者】
【氏名】アル ハロン,モハメド エイチ.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ガスの濃度(または吸収断面積)は異なる場合があるため、濃度の範囲毎に異なる経路長が必要になる場合がある。
【解決手段】本開示の態様は、2以上のリフレクタのセット、入力コリメート光学部品および出力集束光学部品を含むマルチパスガスセルに関する。入力および出力光学部品は、2以上のリフレクタのうちの少なくとも1つと一体化されている。例えば、入力および出力光学部品は、リフレクタのうちの単一のリフレクタの両端部に一体化されるか、あるいは単一のリフレクタの同じ端部に一体化されるものであってもよい。入力および出力光学部品は、異なるリフレクタとさらに一体化されるものであってもよい。いくつかの例では、リフレクタのセットおよび光学部品を同じ基板内に製造することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチパスガスセルであって、
マルチパスガスセルの光入力部で入力光を受け取るように光学的に結合され、入力光をコリメートしてコリメート光を生成するように構成された第1の光学部品と、
コリメート光を受け取るように光学的に結合され、マルチパスガスセル内でコリメート光を反射して、コリメート光の多重反射を生成するように構成された2以上のリフレクタのセットと、
コリメート光の多重反射から生じる出力光を受け取るように光学的に結合され、マルチパスガスセルの光出力部に向けて出力光を集束するように構成された第2の光学部品とを備え、
前記第1の光学部品および前記第2の光学部品が、前記2以上のリフレクタのセットのうちの少なくとも1のリフレクタと一体化されていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項2】
請求項1に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記少なくとも1のリフレクタが、前記2以上のリフレクタのセットのうちの単一のリフレクタを含むことを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項3】
請求項2に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1の光学部品および前記第2の光学部品が、曲面ミラーまたはレンズを含むことを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項4】
請求項2に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記2以上のリフレクタのセットが、第1の球面ミラー、第2の球面ミラーおよび第3の球面ミラーを含み、各々が、前記第1の球面ミラーと前記第2の球面ミラーおよび前記第3の球面ミラーの各々との間の距離に等しい同一の曲率半径を有し、
前記第1の球面ミラーが、前記マルチパスガスセルの第1の側に配置され、前記第2の球面ミラーおよび前記第3の球面ミラーがともに、前記第1の側とは反対側の前記マルチパスガスセルの第2の側に配置され、
前記第2の球面ミラーと前記第3の球面ミラーとの間の角度が、前記マルチパスガスセル内にコリメート光を維持するように選択され、
前記第1の球面ミラーが、前記単一のリフレクタを含むことを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項5】
請求項4に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1の球面ミラー、前記第2の球面ミラーおよび前記第3の球面ミラーが、それぞれ一定の厚さを有することを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項6】
請求項4に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1の光学部品が、前記第1の球面ミラーの第1の端部で一体化され、前記第2の光学部品が、前記第1の端部と反対側の前記第1の球面ミラーの第2の端部で一体化されていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項7】
請求項6に記載のマルチパスガスセルにおいて、
マルチパスガスセルの光入力部で追加の入力光を受け取るように光学的に結合された第3の光学部品をさらに備え、前記第3の光学部品が、追加の入力光をコリメートして、追加のコリメート光が前記第1の球面ミラーと前記第2の球面ミラーおよび前記第3の球面ミラーの各々との間で反射するように、追加のコリメート光を生成するように構成され、前記第3の光学部品が、前記第1の球面ミラーの第1の端部でさらに一体化されていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項8】
請求項7に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第2の球面ミラーが、前記第2の球面ミラーの第1の部分と前記第2の球面ミラーの第2の部分を生成する不連続部を含み、前記第1の部分と前記第2の部分が、異なるそれぞれの傾きを有し、前記マルチパスガスセル内に異なるそれぞれのマルチパス光路長を形成することを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項9】
請求項8に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第2の球面ミラーの第1の部分が、コリメート光の第1の反射回数を含む第1のマルチパス光路長を生成し、前記第2の球面ミラーの第2の部分が、追加のコリメート光の第2の反射回数を含む第2のマルチパス光路長を生成し、前記第1の反射回数が、前記第2の反射回数とは異なることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項10】
請求項7に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1の光学部品、前記第2の光学部品および前記第3の光学部品が、曲面ミラーまたはレンズを含み、前記第2の光学部品のサイズが、前記第1の光学部品および前記第3の光学部品の各々のサイズよりも大きいことを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項11】
請求項7に記載のマルチパスガスセルにおいて、
2つの光源と、
前記2つの光源に結合され、前記2つの光源を切り替えるように構成されたスイッチとをさらに備えることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項12】
請求項2に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記光入力部および前記光出力部が前記単一のリフレクタの第1の端部に位置するように、前記第1の光学部品および前記第2の光学部品がともに、前記単一のリフレクタの第1の端部で一体化されていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項13】
請求項12に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記単一リフレクタが、前記第1の端部とは反対側のその第2の端部に非対称部分を有し、それにより前記コリメート光を前記マルチパスガスセル内に反射して戻すことが可能となっていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項14】
請求項2に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記2以上のリフレクタのセットが、第1の凹面ミラーおよび第2の凹面ミラーを含み、前記第1の凹面ミラーが、前記単一のリフレクタを含み、
前記第1の凹面ミラーが、第1の曲率半径を有し、前記第2の凹面ミラーが、前記第1の曲率半径の2倍である第2の曲率半径を有し、
前記第1の凹面ミラーと前記第2の凹面ミラーとの間の距離が、前記第2の曲率半径と等しいことを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項15】
請求項14に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記コリメート光の迷光が前記マルチパスガスセルの光出力部に到達するのを防ぐために光学的に結合された吸収体をさらに備えることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項16】
請求項15に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記吸収体が、前記第1の凹面ミラーと前記第2の凹面ミラーとの間に配置されていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項17】
請求項15に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記吸収体が、前記第2の凹面ミラー上の吸収領域を含むことを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項18】
請求項16に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1の光学部品および前記第2の光学部品が、直角ミラー、曲面ミラーまたはレンズを含むことを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項19】
請求項1に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1の光学部品が、前記2以上のリフレクタのセットのうちの第1のリフレクタと一体化され、前記第2の光学部品が、前記2以上のリフレクタのセットのうちの第2のリフレクタと一体化されていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項20】
請求項19に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記2以上のリフレクタのセットが、少なくとも第1のミラー、第2のミラー、第3のミラーおよび第4のミラーを含み、
前記第1の光学部品が、前記第1のミラーと一体化され、
前記第2の光学部品が、前記第2のミラーと一体化されていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項21】
請求項20に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1の光学部品および前記第2の光学部品が、曲面ミラーまたはレンズを含むことを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項22】
請求項20に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記第3のミラーおよび前記第4のミラーの各々が、平面ミラーまたは円筒形ミラーを含むことを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項23】
請求項20に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1のミラーおよび前記第2のミラーの各々が第1の長さを有し、前記第3のミラーおよび前記第4のミラーの各々が、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有することを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項24】
請求項23に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1の光学部品が、前記第2のミラー、前記第3のミラー、前記第4のミラーおよび前記第1のミラーの間に、前記コリメート光の螺旋状のマルチパス光路を生成するように選択された角度で、前記コリメート光を前記第2のミラーに向けて導くように、前記第1のミラーの上部分に一体化され、
前記第2の光学部品が、前記第1のミラーから反射された出力光を受け取り、前記光出力部に向けて出力光を集束させるように、前記第2のミラーの下部分に一体化されていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項25】
請求項19に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記2以上のリフレクタのセットが、第1の平面ミラーおよび第2の平面ミラーを含み、前記第1の光学部品が、前記第1の平面ミラーと一体化され、前記第2の光学部品が、前記第2の平面ミラーと一体化され、
当該マルチパスガスセルがさらに、
前記第1の光学部品からのコリメート光を受け取るように光学的に結合され、前記第1の平面ミラーと前記第2の平面ミラーとの間の多重反射を含むマルチパスガスセルの内部を伝播するための入力ベッセルビームを生成するように構成された第1の光学ベッセル部品と、
前記多重反射から生じる出力ベッセルビームを受け取るように光学的に結合され、前記第2の光学部品によって受け取られる出力光として出力コリメート光を生成するように構成された第2の光学ベッセル部品とを備えることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項26】
請求項25に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記第1の光学部品および前記第2の光学部品が、曲面ミラーまたはレンズを含み、
前記第1の光学ベッセル部品および前記第2の光学ベッセル部品が、アキシコンレンズ、環状アパーチャまたは円錐形リフレクタを含むことを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項27】
請求項1に記載のマルチパスガスセルにおいて、
ガスを受け入れるように構成されたエンクロージャをさらに備え、前記2以上のリフレクタのセット、前記第1の光学部品および前記第2の光学部品が、前記エンクロージャ内に含まれていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項28】
請求項27に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記エンクロージャ、前記2以上のリフレクタのセット、前記第1の光学部品および前記第2の光学部品が、射出成形光学部品を用いて同じ基板内に製造されていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項29】
請求項27に記載のマルチパスガスセルにおいて、
分光器と、
光源とをさらに備え、前記分光器および前記光源が、前記エンクロージャ内で組み立てられていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項30】
請求項27に記載のマルチパスガスセルにおいて、
前記エンクロージャの外部から前記エンクロージャの内部にガスを循環させるように構成された循環ユニットをさらに備えることを特徴とするマルチパスガスセル。
【請求項31】
請求項27に記載のマルチパスガスセルにおいて、
ガス中の水分を吸収または遮断するように構成された要素をさらに備えることを特徴とするマルチパスガスセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明する技術は、概して、マルチパス光学ガスセルに関し、特に、ガス分析器内に微小電気機械システム(MEMS)分光器などの分光器を有するマルチパス光学ガスセルの使用に関するものである。
【0002】
優先権主張
本出願は、2019年3月4日に米国特許商標庁に出願された仮出願第62/813,714号の優先権およびその利益を主張するものであり、その内容の全体は、その全体が以下に完全に記載されているかのように、また適用可能なすべての目的のために、引用により本明細書に援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
ガス分析には、ガスクロマトグラフィー、質量分析計、分光器、波長可変ダイオードレーザ分光器(TDLS)、光音響ベースのTDLSなど、様々な機構が使用されている。分光技術の中でも、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)は、幅広いスペクトル範囲を提供し、複数のガスを同時に分析することが可能である。また、MEMS分光器を用いることで、小型で安価なガス分析器を実現することができる。そのようなMEMSベースのFTIR分光器は、長さ10cmのガスセルに接続した場合、C2H2を350ppm、CO2を1800ppmの検出限界で測定することに成功している。また、平行移動MEMSミラーを他の個別の光学部品とともに利用するFTIR分光器は、6cmの経路長でプロパンおよびブタンの測定に使用されている。他のガス分析器の構成には、MEMSラメラ格子FTIR分光器と、掃引レーザ光源を有するMEMSベースの波長可変フィルタが含まれている。
【0004】
ガスセル内のガスは、ガスセルを介して光を送ることで検出することができる。光の一部はガスによって吸収されるが、残りの光は、例えばMEMS分光器によって、検出することができる。一部のガスセルは、ミラーのセットを使用して、光がガスセルから出るまで、複数のパスを通る光を反射する。ミラーには、球面ミラー、楕円ミラー、円形断面の円筒形ミラーなど、様々なデザインがある。また、ガスセルの反射面は、対向する放物面のペアや平行なペアの形をとることができ、あるいは複数の反射面の平面、円筒形、円形、螺旋状または直円柱状の配置の組合せを有することができる。ガスセルの例としては、ホワイトガスセルおよびハンストガスセルが含まれるが、これらに限定されるものではない。ホワイトガスセルは、セルを上下に進む光の各二重パスの後に、光源を再結像させ、光が出て行くまでセル内にエネルギーを閉じ込める。この閉じ込めにより、ミラーの非理想的な反射率だけが損失の原因となる。
【0005】
パスの数を増やすと、ガスによる光の吸収が増加する。光の吸収が増加すると、低濃度のガスの検出が容易になる。しかしながら、ガス分析システムのスループットは、反射損失により低下する。このトレードオフは、通常、光がガスセル内を進む総経路長の最適なポイントをもたらす。しかしながら、ガスの濃度(または吸収断面積)は異なる場合があるため、濃度の範囲毎に異なる経路長が必要になる場合がある。例えば、光路長が長すぎると、相対的に高濃度でガスが飽和して、吸収スペクトルにおいて線が消えてしまう可能性がある。そのため、複数のガスセルを用いて、または手動で経路長を調整できるガスセルを用いて、複数のガスを監視することもある。ガスセルを追加するとコストが増加し、手動調整では様々なガスの測定にかかる時間が長くなる。
【0006】
また、MEMS分光器を有するガス分析器はデバイスの小型化をもたらしたが、ガスセル自体をさらに小型化することで、MEMS技術との適合性が高まり、大量生産が可能になる可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
以下では、本開示の1または複数の態様の基本的理解を提供するために、そのような態様の簡略化された概要を提供する。この概要は、本開示のすべての考えられる特徴の広範囲な概要でなく、かつ本開示のすべての態様の主要な又は重要な要素を識別するようにも、本開示のいずれかまたはすべての態様の範囲を描写するようにも意図されていない。その唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前置きとしての形式で、本開示の1または複数の態様の幾つかの概念を提示することである。
【0008】
本開示の様々な態様は、2以上のリフレクタのセットと、入力コリメート光学部品と、出力集束光学部品とを含むマルチパスガスセルであって、入力および出力光学部品が2以上のリフレクタのうちの少なくとも1つと一体化された、マルチパスガスセルを提供する。いくつかの例では、入力および出力光学部品が、曲面ミラーまたはレンズを含むことができる。いくつかの例では、2以上のリフレクタのセットが、球面ミラー、凹面ミラー、平面ミラーまたは円筒形ミラーを含むことができる。
【0009】
一例では、2以上のリフレクタのセットが、3つの球面ミラーを含み、各々が、マルチパスガスセルの一方の側にある第1の球面ミラーと、マルチパスガスセルの他方の側にある第2および第3の球面ミラーの各々との間の距離に等しい同じ曲率半径を含む。また、第1の球面ミラーは、第2または第3の球面ミラーのそれぞれの長さよりも長い長さを有する。いくつかの例では、入力および出力光学部品が、第1の球面ミラーの両端部で一体化されている。他の例では、入力および出力光学部品が、第1の球面ミラーの同じ端部で一体化されている。この例では、大きい方の球面ミラーが、入力および出力光学部品を含む端部とは反対側の端部に非対称部分を含み、通常は光がマルチパスセルから出ることとなる点で、コリメート光をマルチパスセルに反射して戻すことが可能となっている。
【0010】
さらに他の例では、入力および出力光学部品が、第1の球面ミラーの両端部で一体化され、追加の入力光学部品が、他の入力光学部品と同じ第1の球面ミラーの端部で一体化されている。この例では、入力光学部品の各々が、それぞれの入力ビーム(例えば、入力光)を受け取るように光学的に結合され、それぞれのコリメート光を異なるマルチパス光路長に沿って導くように構成されている。異なるマルチパス光路長は、小さい方の球面ミラーの1つの不連続部によって実現されるものであってもよく、その不連続部によって形成される小さい方の球面ミラーのそれぞれの部分の間に傾きをもたらすことができる。マルチパスの光路長が異なると、それぞれのコリメート光の反射回数が異なる場合がある。いくつかの例では、マルチパスガスセルが、2つの異なる光源の間で切り替えるように構成されたスイッチをさらに含むことができ、各光源が、2つの入力光学部品の一方にそれぞれの入力光を提供することができる。
【0011】
別の例では、2以上のリフレクタのセットが、2つの凹面ミラーのセットを含むことができ、第1の凹面ミラーが、第1の曲率半径を有し、第2の凹面ミラーが、第1の曲率半径の2倍である第2の曲率半径を有する。それら凹面ミラー間の距離は、第2の曲率半径に等しい。この例では、迷光がマルチパスガスセルの光出力部に到達するのを防止するために、マルチパスガスセルに吸収体を挿入することができる。
【0012】
別の例では、2以上のリフレクタのセットが、少なくとも4つのミラーを含むことができる。入力光学部品は、第1のミラーと一体化され、第2の光学部品は、第2のミラーと一体化されるようにしてもよい。第1および第2のミラーは、残りのミラーの長さよりも短い第1の長さを有することができる。入力光学部品は、第1のミラーの上部分で一体化され、ミラー間に螺旋状のマルチパス光路を生成するように選択された角度で、第2のミラーに向けてコリメート光を方向付けることができる。出力光学部品は、第1のミラーから反射された出力光を受け取り、マルチパスガスセルの光出力部に向けて出力光を集束するように、第2のミラーの下部分に一体化されるようにしてもよい。
【0013】
別の例では、2以上のリフレクタのセットが、2つの平面ミラーを含むことができる。入力光学部品は、第1の平面ミラーと一体化され、出力光学部品は、第2の平面ミラーと一体化されている。マルチパスガスセルは、入力光学部品からコリメートされた入力光を受け取るように光学的に結合され、マルチパスガスセルの内部を伝播して2つの平面ミラーの間に多重反射を生成するための入力ベッセルビームを生成するように構成された第1の光学ベッセル部品をさらに含む。マルチパスガスセルは、多重反射から生じる出力ベッセルビームを受け取るように光学的に結合され、出力光学部品に向けて出力コリメート光を生成するように構成された第2の光学ベッセル部品をさらに含む。いくつかの例では、第1および第2の光学ベッセル部品が、アキシコンレンズ、環状アパーチャまたは円錐形リフレクタを含むことができる。
【0014】
いくつかの例では、マルチパスガスセルが、ガスを受け入れるように構成されたエンクロージャを含むことができ、エンクロージャが、リフレクタのセットと、入力および出力光学部品とを含む。例えば、エンクロージャ、リフレクタのセット、および入力および出力光学部品は、射出成形光学部品を用いて同じ基板内に製造することができる。いくつかの例では、分光器および光源をエンクロージャの内部にさらに組み立てることができる。さらに、エンクロージャは、エンクロージャの外側からエンクロージャの内側にガスを循環させるように構成された循環ユニットを含むことができる。また、エンクロージャは、ガス中の水分を吸収または遮断するように構成された要素をさらに含むことができる。
【0015】
本発明のこれらや他の態様は、後に続く詳細な説明の検討により、一層完全に理解されるであろう。本発明の他の態様、特徴および実施形態は、添付の図面とともに、本発明の特定の例示的な実施形態の以下の説明を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。本発明の特徴は、以下の特定の実施形態および図面に関連して説明されるが、本発明のすべての実施形態は、本明細書で説明される有利な特徴の1または複数を含むことができる。換言すれば、1または複数の実施形態は、特定の有利な特徴を有するように説明されるが、かかる特徴の1または複数は、本明細書で説明される本発明の様々な実施形態に従って用いられるものであってもよい。同様に、例示的な実施形態は、デバイス、システムまたは方法の実施形態として以下で説明されるが、かかる例示的な実施形態が、様々なデバイス、システムおよび方法において実施され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、マルチパスガスセルを含むガス分析器の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、一体化されたコリメート光学部品および集束光学部品を含むマルチパスガスセルの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2のマルチパスガスセルの正面を示す図である。
【
図4】
図4は、一体化されたコリメート光学部品および集束光学部品を含むマルチパスガスセルの別の例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4のマルチパスガスセルの正面を示す図である。
【
図6】
図6は、複数のマルチパス光路長を含むマルチパスガスセルの別の例を示す図である。
【
図7】
図7は、
図6のマルチパスガスセルの正面を示す図である。
【
図8】
図8は、一体化されたコリメート光学部品および集束光学部品を含むマルチパスガスセルの別の例を示す図である。
【
図9】
図9は、一体化されたコリメート光学部品および集束光学部品を含むマルチパスガスセルの別の例を示す図である。
【
図12】
図12は、一体化されたコリメート光学部品および集束光学部品を含むマルチパスガスセルの別の例を示す図である。
【
図13】
図13は、一体化されたコリメート光学部品および集束光学部品を含むマルチパスガスセルの別の例を示す図である。
【
図14】
図14は、
図13のマルチパスガスセルにおけるリフレクタの例示的な構成を示す図である。
【
図15】
図15は、マルチパスガスセルを含む例示的な光学成形品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図され、且つ本明細書で説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すようには意図されていない。詳細な説明は、様々な概念の深い理解を提供するための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念が、それらの具体的な詳細なしに実施され得ることが、当業者には明らかであろう。幾つかの事例において、周知の構造およびコンポーネントが、かかる概念を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示されている。
【0018】
図1は、光源102、光学システム104、マルチパスガスセル106および光コアモジュール108を含むガス分析器100の一例を示している。光学システム104は、光源102の照明を増強するための1または複数の光学部品を含むことができる。ガスは、ガス入口110を介してマルチパスガスセル106に入ることができ、ガス出口112を介してマルチパスガスセル106から出ることができる。マルチパスガスセル内のガスは、光源102からの光を光学システム104を介してマルチパスガスセル106内に導くことによって検出することができる。光の一部はガスによって吸収される一方、光の残りの部分は光コアモジュール108によって検出され得る。
【0019】
光コアモジュール108は、例えば、分光器および検出器を含むことができる。例えば、分光器は、検出器によって検出されるインターフェログラムを生成するように構成されたFTIR分光器を含むことができる。検出器の出力は、検出された光のスペクトルを得るために処理され、その後、ガスを識別するために、あるいは、ガスに関連する他のパラメータ、例えば、ガスの濃度、ガス中のエネルギー含有量、総揮発性有機化合物、ガス中の粒子状物質の量、または他の適切なパラメータなどを得るために利用され得る。
【0020】
いくつかの例では、分光器および検出器が、微小電気機械システム(MEMS)チップ上に実装されてもよい。本明細書において、MEMSという用語は、微細加工技術による共通のシリコン基板上への機械的要素、センサ、アクチュエータおよび電子機器の統合を指している。例えば、微小電子機器は、典型的には集積回路(IC)プロセスを用いて作製され、一方、微小機械的部品は、シリコンウェハの一部を選択的にエッチングするか、または新しい構造層を追加して機械的および電気機械的部品を形成する適合性のある微細加工プロセスを用いて作製される。MEMS素子の一例は、反射モードまたは屈折モードで動作する誘電体または金属化表面を有する微小光学部品である。MEMS素子の他の例としては、アクチュエータ、検出器溝およびファイバ溝が挙げられる。
【0021】
光コアモジュール108のMEMS分光器は、MEMSアクチュエータによって移動可能に制御することができる1または複数の微小光学部品(例えば、1または複数のリフレクタまたはミラー)を含むことができる。いくつかの例では、MEMS分光器が、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板に平行に伝播する自由空間光ビームを処理することができる微小光学部品および他のMEMS素子を製造するために、SOIウェハ上で深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)プロセスを使用して、作製されるものであってもよい。
【0022】
マルチパスガスセル106は、光がガスセル106を出るまで、ガスセル106内の複数のパスを通して光を反射するように構成された2以上のリフレクタのセットを含むことができる。本開示の様々な態様では、MEMS技術および大量生産に適合するようにマルチパスガスセル106を設計することができる。いくつかの例では、マルチパスガスセル106が、MEMS分光器との適合性を促進する光学部品を含むことができる。さらに、マルチパスガスセル106は、異なる吸収率をそれぞれ有する複数のガスを測定することを可能にするために、2以上のマルチパス光路長を提供することができる。
【0023】
図2は、本開示の態様に係るマルチパスガスセル200の一例を示す図である。マルチパスガスセル200は、3つのリフレクタ202、204、206のセットを含む。
図2に示す例では、各リフレクタ202、204、206が、球面ミラーである。球面ミラー202、204、206の各々は、ガスセル200の一方の側にある大きい方の球面ミラー202と、ガスセル200の他方の側にある2つの小さい方の球面ミラー204、206との間の間隔(距離)に等しい同じ曲率半径を有している。
図2に示すように、球面ミラー202は、球面ミラー204、206のいずれかのそれぞれの長さよりも長い長さを有している。例えば、長い方の球面ミラー202は、短い方のミラー204、206のいずれかの長さの2倍よりも僅かに小さい長さを有することができる。一例では、長い方のミラーが180mmの長さを有し、短い方の各ミラー204、206が100mmの長さを有することができる。このため、大きい方のミラー202の長さと、短い方のミラー204または206の長さとの比が、1.8である。さらに、球面ミラー204、206は、マルチパスガスセル200内に光を維持するように選択されたミラー204、206の間の小さな角度を提供するために、互いに対して傾いている。いくつかの例では、ミラー204、206の間の角度が1度~5度の範囲である。
【0024】
マルチパスガスセル200は、球面ミラー202とその第1の端部216で一体化された第1の光学部品208と、第1の端部216とは反対側の第2の端部218で、球面ミラー202と一体化された第2の光学部品210とをさらに含む。本明細書で使用される「一体化された」という用語は、構成要素が集合的に形成され、材料(例えば、金属、ガラス、プラスチック、誘電体、半導体基板、セラミックなど)の固体片をもたらすことを意味する。いくつかの例では、第1の光学部品208および第2の光学部品210はそれぞれ、曲面ミラーまたはレンズを含む。例えば、第1の光学部品208および第2の光学部品210は、軸外し放物面ミラーを含むことができる。
【0025】
ミラー202、204、206、208、210の反射率は、主に、ミラーの製造技術および製造に使用される材料によって決定される。いくつかの例では、ミラー202、204、206、208、210が、金属コーティングを含み、それにより高い反射率および広帯域応答がもたらされている。他の例では、ミラー202、204、206、208、210が、複数の誘電体の薄層で構成された誘電体ミラー(例えば、ブラッグミラー)であってもよい。誘電体層の数とその厚さは、様々な波長で指定された反射率を達成するように設計されている。誘電体ミラーは、金属ミラーに比べて反射率が高い場合がある。しかしながら、誘電体ミラーは、広い波長範囲にわたって超高反射率を提供しない場合がある。
【0026】
本開示の一態様では、球面ミラー202、204、206の各々が、例えば射出成形光学技術による、マルチパスガスセル200の大量生産を容易にするために、一定の厚さ(例えば、約5mm~約10mm)を有する。射出成形により、マルチパスガスセル200のミラー202、204、206、208、210の各々を、大量生産の環境下で自己整合的に製造することができる。さらに、2つの軸外し放物面ミラー208、210は、小型ガス分析器用途のためのMEMS分光器との適合性を提供することができる。
【0027】
図2や、
図3に示すマルチパスガスセル200の正面図に示すように、マルチパスガスセル200の光入力部に配置された軸外し放物面ミラー208は、入力ビーム(例えば、入力光)212を受け取るように光学的に結合されている。いくつかの例では、入力光212を、例えば、小型の光源(例えば、発光ダイオード(LED)またはフィラメント光源)によって生成することができる。軸外し放物面ミラー208は、入力光212をコリメートするように構成されている。いくつかの例では、放物面が、理想的なコリメータの形状を有し、そのため、コリメーションは、いかなる球面収差も伴わない。さらに、軸外し放物面ミラー208は、赤外線(IR)範囲にわたって非常に広い帯域の反射率を有する金属ミラーであってもよい。このため、コリメーションは、いかなる色収差も生じない可能性がある。
【0028】
軸外し放物面ミラー208は、結果として得られるコリメート光(例えば、平行光線)を球面ミラー206に向けて導くようにさらに構成され(または、ガスセル200内で方向付けられ)、球面ミラー206では、コリメート光が球面ミラー202に向けて反射される。その後、長い方の球面ミラー202と短い方の球面ミラー204、206の各々との間で、コリメート光の多重反射が起こり、マルチパスガスセル200を上下に進む少なくとも2のパスを生じさせることができる。軸外し放物面ミラー210は、多重反射から生じる(例えば、多重反射の完了後の)出力ビーム(例えば、出力光)を受け取るように光学的に結合され、出力光をガスセルの光出力部に向けて集束するように構成されている(または、ガスセル200内で方向付けられている)。例えば、光出力部は、MEMS分光器などの分光器に光学的に結合することができる。
【0029】
図4は、本開示の態様に係るマルチパスガスセル400の別の例を示す図である。
図4に示す例では、マルチパスガスセル400が、
図2に示すように構成された、3つの球面ミラー402、404、406のセットを含む。マルチパスガスセル400は、ガスセル400の光入力部で入力ビーム(入力光)412を受け取るように光学的に結合された第1の(または入力)光学部品408をさらに含み、この第1の光学部品は、入力光412をコリメートして、コリメートした入力光をガスセル400内に向けて導き、球面ミラー402、404、406を介した複数のパスを通るその多重反射を生成するように構成されている。さらに、マルチパスガスセル400は、コリメート光の多重反射から生じる(例えば、多重パスの後の)出力光414を受け取るように光学的に結合され、ガスセル400の光出力部に向けて出力光414を集束するように構成された第2の(または出力)光学部品410を含む。第1および第2の光学部品408、410は、曲面ミラーまたはレンズを含むことができる。例えば、第1および第2の光学部品408、410は、軸外し放物面ミラーを含むことができる。
【0030】
入力光学部品408は、球面ミラー402と第1の端部416で一体化されている。さらに、
図4に示す例では、光学部品410も、入力光学部品408と同じ球面ミラー402の第1の端部416で、球面ミラーと一体化されている。球面ミラー402の同じ端部416に光学部品(入力および出力)408、410の両方が一体化されていることにより、MEMSモジュール(例えば、MEMS分光器)および光源を備えたマルチパスガスセル400の組立てを簡素化することができる。
【0031】
いくつかの例では、
図5の正面図に示すように、球面ミラー402が、球面ミラー402の対称線420からの非対称部分422を含むことができる。非対称部分422は、軸外し放物面ミラー408、410が一体化された第1の端部416とは反対側の、球面ミラー402の第2の端部418にある。非対称部分422は、
図2の例で示すように、コリメート光が通常はマルチパスガスセル400から出るであろう丁度そのときに、コリメート光をマルチパスガスセル400に反射して戻すことを可能にする。この反射により、コリメート光は、光が入るのと同じ側よりマルチパスガスセル400から出ることになる。このため、光入力部と光出力部は、マルチパスガスセル400の同じ側にある。
【0032】
図6は、複数のマルチパス光路長を含むマルチパスガスセル600の別の例を示す図である。異なるマルチパス光路長は、異なる吸収をそれぞれ有する異なるタイプのガスの測定をサポートすることができる。
図6に示す例では、マルチパスガスセル600が、2つの異なるマルチパス光路長を提供する。しかしながら、本明細書に記載の概念を用いて、追加のマルチパス光路長を構成できることを理解されたい。
【0033】
マルチパスガスセル600は、
図2および/または
図4に示すように構成された、3つの球面ミラー402、404、406のセットを含む。マルチパスガスセル600は、ガスセル600の光入力部において第1の光源612aから第1の入力ビーム(第1の入力光)を受け取るように光学的に結合された第1の入力光学部品608aをさらに含み、この第1の入力光学部品が、第1の入力光をコリメートして、第1のコリメートした入力光をガスセル600内に導いて、球面ミラー602、604、606を介した第1のマルチパス光路長にわたる複数のパスを通るその多重反射をもたらすように構成されている。また、マルチパスガスセル600は、ガスセル600の光入力部において第2の光源612bから第2の入力ビーム(第2の入力光)を受け取るように光学的に結合された第2の入力光学部品608aを含み、この第2の入力光学部品が、第2の入力光をコリメートし、第2のコリメートした入力光をガスセル600内に導いて、球面ミラー602、604、606を介した第2のマルチパス光路長にわたる複数のパスを通るその多重反射をもたらすように構成されている。
【0034】
さらに、マルチパスガスセル600は、第1のコリメート光および第2のコリメート光の各々の多重反射から生じる出力光(例えば、多重パスの後の出力光)を受け取るように光学的に結合され、ガスセル600の光出力部において分光器614(例えば、MEMS分光器)に向けて出力光を集束するように構成された出力光学部品610を含む。第1および第2の入力光学部品608a、608bの各々は、球面ミラー602と第1の端部618で一体化される一方、出力光学部品610は、第1の端部618とは反対側の球面ミラー602の第2の端部620で球面ミラー602と一体化されている。いくつかの例では、光学部品608a、608b、610が、曲面ミラーまたはレンズを含むことができる。例えば、光学部品608a、608b、610は、軸外し放物面ミラーを含むことができる。
【0035】
いくつかの例では、出力光学部品610が2つの異なるマルチパス光路長の各々から到来する出力光を収集することを可能にするために、出力光学部品610が、入力オフ光学部品608a、608bのそれぞれのサイズよりも大きいサイズを有する。例えば、大きい方の出力光学部品610のサイズは、小さい方の入力光学部品608a、608bのサイズの2倍であってもよい。一例では、出力光学部品のサイズが28mmであり、各入力光学部品608a、608bのサイズが14mmである。いくつかの例では、2つのマルチパス光路長で結合された総光パワーは、
図2および/または
図4の例で示した単一のマルチパス光路長で結合された総光パワーと等しくてもよい。すなわち、各マルチパス光路長は、
図2および/または
図4の例に示す単一のマルチパス光路長の光パワーの半分を結合するようにしてもよい。
【0036】
図6に示す例では、第3の球面ミラー606が、不連続部616を含み、この不連続部が、第3の球面ミラー606の第1の部分622aと、第3の球面ミラー606の第2の部分622bとをもたらす。第1の部分622aおよび第2の部分622bはそれぞれ、マルチパスガスセル600内に異なるマルチパス光路長を形成するように、異なるそれぞれの傾きを備える。例えば、
図6および
図7の正面図に示すように、第3の球面ミラー606の第1の部分622aは、第1のコリメート光の第1の反射回数を含む第1のマルチパス光路長を生成し、第3の球面ミラー606の第2の部分622bは、第2のコリメート光の第2の反射回数を含む第2のマルチパス光路長を生成する。ここで、第1の反射回数は、第2の反射回数とは異なり、異なるマルチパス光路長を作り出す。
【0037】
図8は、本開示の態様に係るマルチパスガスセル800の別の例を示す図である。マルチパスガスセル800は、第1の基板816および第2の基板812を含む。第1の基板816は、プラスチック、ガラス、金属、誘電体または半導体材料など、任意の適切な材料で構成することができる。第2の基板812は、例えば、光コアモジュール810が取り付けられたプリント回路基板であってもよい。光コアモジュール810は、分光器、プロセッサ、メモリ、およびガスを分析するための他の適切なコンポーネントを含むことができる。
【0038】
図8に示す例では、第1の基板816が、リフレクタ802、804のセットと、光学部品806、808とを含む。いくつかの例では、リフレクタ802、804のセットが、2つの凹面ミラーを含む。第1の凹面ミラー802は、第1の曲率半径を有する一方、第2の凹面ミラー804は、第1の曲率半径の2倍の第2の曲率半径を有する。さらに、第1凹面ミラー802と第2凹面ミラー804との間の距離818は、第2曲率半径と等しい。従来のホワイトガスセルとは異なり、いずれのミラー802、804にも傾きがなく、完全に対称的なガスセル800となっている。この対称性により、(ミラー802、804の対称線を基準にして)光源および検出器に対する角度が同じになる。セル800内で光が移動する総距離が従来のホワイトガスセルと比較して小さいため、ミラー802、804の異なる曲率半径により、光はビームコリメーションに影響を与えることなく、セル800内で往復して反射する。
【0039】
いくつかの例では、第1の光学部品(例えば、入力光学部品)806が、入力光をコリメートし、凹面ミラー802、804の間での多重反射のために入力光を第2の凹面ミラー804に向けて導くための、軸外し放物面ミラーなどの曲面ミラーまたはレンズを含む。第2の光学部品(例えば、出力光学部品)808は、第2の凹面ミラー804から出力光を受け取るように光学的に結合され(例えば、ガスセル800内に配置され)、出力光を光コアモジュール810に集束させるように構成された直角ミラーであってもよい。出力光学部品808は、出力光をコリメートするだけでなく、光軸を90度変えるために、さらに湾曲させることができる。第1および第2の光学部品806、808は、第1の凹面ミラー802とそれぞれの端部で一体化されるようにしてもよい。
【0040】
図8に示す例では、第1および第2の凹面ミラー802が、第1および第2の光学部品806、808とともに、第1の基板816内に製造されている。例えば、凹面ミラー802、804、コリメート光学部品/集束光学部品806、808は、射出成形光学系、エッチング(例えば、半導体基板の)、または他の適切な製造技術を使用して、基板816内にモノリシックにかつ自己整合で製造されるようにしてもよい。
【0041】
図8に示すガスセル構造は、第2の凹面ミラー804からの単一の反射を介して入力光学部品806から出力光学部品に進行する迷光に悩まされる可能性がある。出力から迷光を除去するために、一例では、吸収体814をガスセル800内に挿入して、凹面ミラー802、804の間に配置することができる。いくつかの例では、吸収体814が、第2の凹面ミラー804と一体化され、第1の基板816内に製造されるものであってもよい。他の例では、
図9に示すように、第2の凹面ミラー804が、迷光が出力部に到達するのを遮断するように構成された吸収領域820を含むことができる。例えば、第2の凹面ミラー804は、吸収領域820を形成する非金属化部分を含むように製造することができる。
【0042】
図10は、小型ガス分析器のためのMEMS分光器との適合性を与えるマルチパスガスセル1000の分解図である。
図10のマルチパスガスセル1000は、さらに
図11A~
図11Dに示すマルチパスガスセル1000の様々な図面を参照して説明される。マルチパスガスセル1000は、エンクロージャ上部1002およびエンクロージャ下部1004から形成されたエンクロージャを含む。さらに、マルチパスガスセル1000は、光源1006、MEMS分光器1008、ミラー1012a~1012e、およびファン1014を含む。光源1006およびMEMS分光器1008は、マルチパスガスセル1000内に挿入可能なプリント回路基板1010または他の適切な基板に取り付けられるものであってもよい。
【0043】
ミラー構造は、
図4および
図5に示す構造と同様であってもよい。例えば、
図10、
図11A、
図11Bに示すように、ミラー1012は、3つの球面ミラー1012a、1012b、1012cのセットと、コリメート入力ミラー1012dと、集束出力ミラー1012eとを含むことができる。
図11A~
図11Dに示すように 入力ミラー1012dは、光源1006から入力光を受け取るように光学的に結合され、入力光をコリメートして、コリメートした入力光を球面ミラー1012cに導き、球面ミラー1012aと球面ミラー1012b、1012cとの間でコリメート光を多重反射させるように構成されている。出力ミラー1012eは、球面ミラー1012bから出力光を受け取り、出力光をMEMS分光器1008に向けて集束するように光学的に結合されている。
【0044】
図4および
図5のように、入力ミラー1012dおよび出力ミラー1012eは、光源1006およびMEMS分光器1008との位置合わせおよび組立てを容易にするために、大きい方の球面ミラー1012aの同じ側に配置されている。また、ミラー1012d、1012eは、球面ミラー1012aと一体化されている。例えば、ミラー1012a、1012e、1012eは、任意の適切な製造技術を用いて同一基板内に製造することができる。
【0045】
図10、
図11A、
図11Bに示す例では、ファン1014が、エンクロージャ1002/1004の外側からエンクロージャ1002/1004の内側にガスを循環させる機構を提供することができる。この循環により、エンクロージャ内部の圧力が高くなり、低濃度の微量ガスを検出するのに役立つと考えられる。他の例では、ガスの循環を提供するために、ファン1014の代わりに、加熱要素または機械的なポンプを使用することができる。さらに他の例では、チューブ(図示省略)を介してマルチパスガスセル1000の内外にガスを導くことができる。いくつかの例では、マルチパスガスセル1000の様々な構成要素(例えば、エンクロージャ1002/1004および他の適切な構成要素)を、一部のガスへの曝露から生じる可能性のある腐食を防止するために、ニッケルメッキするようにしてもよい。いくつかの例では、マルチパスガスセル1000の様々な構成要素(例えば、エンクロージャ1002/1004および他の適切な構成要素)に吸着防止コーティングを施すことにより、表面へのガスの吸着を防止することができ、それが現在またはその後のガス濃度の正確な予測に繋がる可能性がある。
【0046】
図12は、本開示の態様に係るマルチパスガスセル1200の別の例を示す図である。マルチパスガスセル1200は、2つのリフレクタ1202、1204のセットを含む。
図12に示す例では、各リフレクタ1202、1204が平面ミラーである。マルチパスガスセル1200は、第1の(または入力)光学部品1206と、第2の(または出力)光学部品1208とをさらに含む。第1および第2の光学部品1206、1208は、曲面ミラーまたはレンズを含むことができる。例えば、第1および第2の光学部品1206、1208は、軸外し放物面ミラーを含むことができる。
【0047】
入力光学部品1206は平面ミラー1202と一体化され、出力光学部品1208は平面ミラー1204と一体化されている。例えば、入力光学部品1206は、平面ミラー1202と同じ基板1210a内に製造される一方、出力光学部品1208は、平面ミラー1204と同じ基板1210b内に製造されるものであってもよい。いくつかの例では、基板1210a、1210bが、射出成形によって製造可能なマルチパスガスセル1000を含む光学成形品の別個の半体であってもよい。他の例では、基板1210a、1210bが、3Dマイクロマシニング技術を用いて半導体基板にエッチングされるようにしてもよい。
【0048】
さらに、マルチパスガスセル1200は、第1の光学ベッセル部品1216および第2の光学ベッセル部品1218を含む。第1および第2の光学ベッセル部品1216、1218は、球面ミラーを使用せずに、回折による損失を低減するために利用することができる。いくつかの例では、第1および第2の光学ベッセル部品が、アキシコンレンズ、環状アパーチャまたは円錐形リフレクタを含むことができる。
【0049】
一例では、入力光学部品1206が、光源1212から入力ビーム(入力光)を受け取るように光学的に結合され、入力光をコリメートして、コリメートした入力光を第1の光学ベッセル部品1216に方向付けるように構成されている。第1の光学ベッセル部品1216は、コリメートされた入力光を受け取るように光学的に結合され、平面ミラー1202、1204の間の多重反射を含むマルチパスガスセル内部の伝播のための入力ベッセルビームを生成するように構成されている。第2の光学ベッセル部品1218は、多重反射から生じる出力ベッセルビームを受け取るように光学的に結合され、出力光として出力コリメート光を生成するように構成されている。出力光学部品1208は、第2の光学ベッセル部品1218から出力光を受け取るように光学的に結合され、出力光を分光器1214(例えば、MEMS分光器)に向けて集束するように構成されている。
【0050】
図13は、本開示の態様に係るマルチパスガスセル1300の別の例を示す図である。
図13に示す例では、マルチパスガスセル1300が、4つのリフレクタ1302a、1302b、1302c、1302dのセットを含む。
図13に示す例では、各リフレクタ1302a、1302b、1302c、1302cが、平面ミラーである。他の例では、リフレクタ1302a、1302b、1302c、1302dが、円筒形ミラーであってもよい。例えば、より大きなガスセル1300では、円筒形ミラーがビームの発散を減少させる可能性がある。また、4つのリフレクタのうち2つ(例えば、リフレクタ1302a、1302b)は、光がガスセル1300に出入りできるように、他の2つのリフレクタ(例えば、リフレクタ1302c、1302d)よりも短くてもよい。例えば、リフレクタ1302a、1302bは、第1の長さ1312aを有し、リフレクタ1302c、1302dは、第1の長さよりも長い第2の長さ1312bを有することができる。
【0051】
マルチパスガスセル1300は、第1の(または入力)光学部品1304と、第2の(または出力)光学部品1306とをさらに含む。第1および第2の光学部品1304、1306は、曲面ミラーまたはレンズを含むことができる。例えば、第1および第2の光学部品1304、1306は、軸外し放物面ミラーを含むことができる。
【0052】
入力光学部品1304は、平面ミラー1302aと一体化され、出力光学部品1306は、平面ミラー1302cと一体化されるものであってもよい。例えば、入力光学部品1304は、平面ミラー1302a、1302bと同じ基板(簡略化のために図示省略)内に製造される一方、出力光学部品1306は、平面ミラー1302c、1302dと同じ基板(簡略化のために図示省略)内に製造されるものであってもよい。いくつかの例では、基板が、射出成形によって製造可能なマルチパスガスセル1300を含む光学成形品の別個の半体であってもよい。
【0053】
一例では、入力光学部品1304が、(例えば、長さのより短い)第1の平面ミラー1302aの上部分1308に一体化されている。入力光学部品1304は、入力光1314を受け取り、入力光をコリメートするとともに、第2の平面ミラー1302b、第3の平面ミラー1302c、第4の平面ミラー1302dおよび第1の平面ミラー1302aの間でコリメート光の螺旋状のマルチパス光路を生成するように選択された角度で、コリメート光を第2の平面ミラー1302bに向けて方向付けるように、さらに光学的に結合されている(例えば、第1の平面ミラー1302a上に配置されている)。出力光学部品1306は、(例えば、長さのより短い)第2平面ミラー1302cの下部分1310に一体化されている。出力光学部品1306は、第4の平面ミラー1302dから出力光1316を受け取り、出力光1316をガスセル1300の光出力部に向けて集束させるように光学的に結合されている(例えば、第2の平面ミラー1302cの下部分に配置されている)。
【0054】
いくつかの例では、マルチパスガスセル1300が、4以上のリフレクタ1302a~1302dを含むことができる。例えば、
図14に示すように、マルチパスガスセルは、4つのリフレクタ1302a~1302d、5つのリフレクタ1302a~1302e、または6つのリフレクタ1302a~1302fを有するように設計されるものであってもよい。各例において、入力ビームは、マルチパスガスセルの光入力部で、(例えば、入力コリメート光学部品を介して)第1のリフレクタ1302aにより受け取られ、出力ビームは、(例えば、出力集束光学部品を介して)第2のリフレクタ1302bによりマルチパスガスセルの光出力部に向けて導かれる。このため、
図13に示す例のように、第1および第2のリフレクタ1302a、1302bの各々は、光をガスセルに出し入れするために、他のリフレクタ1302c~1302fよりも長さが短い。
【0055】
図15は、本開示の態様に係るマルチパスガスセル1500の別の例を示す図である。
図15は、マルチパスガスセル1500の側面図および斜視図を含み、このマルチパスガスセルは、光源1504、光コアモジュール1506および様々な光学デバイス(例えば、上述した
図2~
図14のいずれかに示されるような、多重反射をもたらすための入力/出力光学部品およびリフレクタ)を含む光学成形品1502(例えば、エンクロージャ)を有する。なお、光学デバイスは、光学成形品1502の内部にあり、そのため、
図15では、簡略化のために図示していない。光学成形品1502は、例えば、自己整合光学デバイスが得られるマルチパスガスセル1500の大量生産を可能にするために、例えば射出成形光学技術を用いて作製することができる。射出成形では、光学成形品1502は、1または複数の対称軸に関してほぼ対称である2つの部分として作製することができる。
【0056】
光コアモジュール1506は、例えば、MEMS分光器を含むことができる。さらに、光源1504は、例えば、発光ダイオード(LED)またはフィラメント光源を含むことができる。
図15に示す例では、マルチパスガスセル1500が、ガス中の水分を吸収または遮断するように構成された要素1508をさらに含むことができる。いくつかの例では、その要素1508が、ガス中の湿度または水分を吸収または遮断するためのフィルタまたは他の適切な構造を含むことができる。
【0057】
本開示内において、「例示的な」という単語は、「例、事例または実例として働く」ことを意味するために用いられる。「例示的な」として本明細書で説明される如何なる実施態様または形態も、本開示の他の態様よりも好ましいかまたは有利であると必ずしも解釈されるべきではない。同様に、「態様」という用語は、本開示のすべての態様が、説明された特徴、利点、または動作モードを含むことを必要とするわけではない。「結合される」という用語は、2つの対象間の直接または間接的結合を指すために本明細書で用いられる。例えば、対象Aが、対象Bに物理的に接触し、かつ対象Bが、対象Cに接触する場合に、対象AおよびCは、たとえそれらが、互いに直接に物理的に接触していない場合であっても、やはり互いに結合されていると見なされてもよい。例えば、たとえ第1の対象が、第2の対象に直接に物理的に接触していなくても、第1の対象は、第2の対象に結合され得る。「回路」および「回路構成要素」という用語は、広く用いられ、かつ接続され構成された場合に、電子回路のタイプに関する制限なしに、本開示で説明される機能の遂行を可能にする電気デバイスのハードウェア実施態様およびコンダクタの両方と同様に、プロセッサによって実行された場合に、本開示で説明される機能の遂行を可能にする情報および命令のソフトウェア実施態様を含むように意図されている。
【0058】
図1~
図15に示されているコンポーネント、ステップ、特徴および/または機能のうちの1または複数は、単一のコンポーネント、ステップ、特徴または機能に再配置され、かつ/または組み合わされるか、または幾つかのコンポーネント、ステップまたは機能で具体化されてもよい。追加の素子、コンポーネント、ステップおよび/または機能も、本明細書で開示される新規の特徴から逸脱せずに追加され得る。
図1~
図15に示されている装置、デバイスおよび/またはコンポーネントは、本明細書で説明される方法、特徴またはステップの1または複数を実行するように構成されてもよい。本明細書で説明される新規のアルゴリズムはまた、ソフトウェアにおいて効率的に実施され、かつ/またはハードウェアに埋め込まれてもよい。
【0059】
開示される方法のステップにおける特定の順序または階層が、例示的なプロセスの実例であることを理解されたい。設計の優先度に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層が、再配置されてもよいことを理解されたい。添付の方法クレームは、例示的な順序における様々なステップの要素を提示し、かつ特許請求の範囲において特に挙げられない限り、提示される特定の順序または階層に限定されるようには意図されていない。
【0060】
前述の説明は、当業者が、本明細書で説明される様々な態様を実施できるようにするために提供される。これらの態様に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかになるであろうし、本明細書で定義される一般的な原理は、他の態様に適用されてもよい。従って、クレームは、本明細書で示された態様に限定されるようには意図されず、クレームの文言と一致する完全な範囲を与えられるべきであり、単数形の要素への言及は、特に単数と言明されていない限り、「1つだけ」を意味するように意図されず、むしろ「1または複数」である。特に別段の言明がない限り、「幾つか」という用語は、1または複数を指す。用語リスト「の少なくとも1つ」は、単一のメンバーを含む、それら用語の任意の組み合わせを指す。例として、「a、bまたはcの少なくとも1つ」は、a、b、c、aとb、aとc、bとc、およびaとbとcをカバーするように意図されている。当業者に周知かまたは後で周知になる、この開示の全体にわたって説明された様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的な等価物は、参照によって本明細書に明示的に援用され、かつクレームによって包含されるように意図されている。更に、本明細書で開示される何ものも、かかる開示が、クレームで明示的に挙げられているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図されていない。請求要素のどれも、要素が、「~のための手段(means for)」という句を用いて明示的に挙げられるか、または方法クレームの場合に、要素が、「~のためのステップ(step for)」という句を用いて挙げられていない限り、米国特許法第112条(f)の条項下で解釈されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチパスガスセルであって、
マルチパスガスセルの光入力部で入力光を受け取るように光学的に結合され、入力光をコリメートしてコリメート光を生成するように構成された第1の光学部品と、
コリメート光を受け取るように光学的に結合され、マルチパスガスセル内でコリメート光を反射して、コリメート光の多重反射を生成するように構成された2以上のリフレクタのセットと、
コリメート光の多重反射から生じる出力光を受け取るように光学的に結合され、マルチパスガスセルの光出力部に向けて出力光を集束するように構成された第2の光学部品とを備え、
前記第1の光学部品および前記第2の光学部品が、前記2以上のリフレクタのセットのうちの少なくとも1のリフレクタと一体化されていることを特徴とするマルチパスガスセル。
【外国語明細書】