(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109620
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】ウェアラブル端末装置、プログラムおよび表示方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240806BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240806BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/0481
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024074244
(22)【出願日】2024-05-01
(62)【分割の表示】P 2023509925の分割
【原出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】伊東 伸悟
(72)【発明者】
【氏名】足立 智和
(72)【発明者】
【氏名】清水 解
(57)【要約】 (修正有)
【課題】VRおよびMRにおいて、ユーザの視認領域の外部にある仮想画像の存在を認識できるようなウェアラブル端末装置の提供。
【解決手段】ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置は、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、空間内における前記ユーザの視認領域を検出する。少なくとも一つのプロセッサは、空間に位置する仮想画像のうち、視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させる。少なくとも一つのプロセッサは、視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、第2の仮想画像の存在を所定の態様で示す表示を表示部に行わせる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置であって、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
空間内における前記ユーザの視認領域を検出し、
前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させ、
前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、前記第2の仮想画像の存在を所定の態様で示す表示を前記表示部に行わせる、ウェアラブル端末装置。
【請求項2】
前記表示部は、光透過性を有する表示部材を備え、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記表示部材を通して視認される前記空間に前記第1の仮想画像が視認されるように、前記第1の仮想画像を前記表示部材の表示面に表示させる、請求項1に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項3】
前記空間を撮影するカメラを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記カメラにより撮影された前記空間の画像、および当該空間の画像に重ねられた前記第1の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項1に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記視認領域の外部に位置する前記第2の仮想画像がある場合に、前記第2の仮想画像のリストを含むリスト画面を前記表示部に表示させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記視認領域の外部に位置する前記第2の仮想画像がある場合に、前記第1の仮想画像および前記第2の仮想画像のリストを含むリスト画面を前記表示部に表示させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項6】
前記リスト画面は、前記空間における前記ユーザの位置および向きによらず前記表示部における表示位置が固定されている、請求項4または5に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記リスト画面に含まれる一の仮想画像に対する所定の操作に応じて、当該一の仮想画像の表示態様を変化させる、請求項4~6のいずれか1つに記載のウェアラブル端末装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記リスト画面に含まれる一の前記第2の仮想画像に対する所定の操作に応じて、前記第2の仮想画像が位置する方向を示す表示を前記表示部に行わせる、請求項4~6のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記リスト画面に含まれる一の仮想画像に対する所定の複製操作に応じて、当該一の仮想画像を複製して前記表示部に表示させる、請求項4~8のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項10】
前記複製操作は、前記リスト画面に含まれる一の仮想画像に対するドラッグ操作およびドロップ操作を含み、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記ドロップ操作がなされた位置に前記一の仮想画像を複製して前記表示部に表示させる、請求項9に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つのプロセッサは、複製した前記一の仮想画像を編集する操作を受け付けた場合に、当該操作による編集内容を、複製元の前記一の仮想画像に反映させる、請求項9または10に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記リスト画面に含まれる一の仮想画像に対する所定の移動操作に応じて、当該一の仮想画像を前記移動操作に応じた位置に移動させる、請求項4~8のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項13】
前記移動操作は、前記リスト画面に含まれる一の仮想画像に対するドラッグ操作およびドロップ操作を含み、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記ドロップ操作がなされた位置に前記一の仮想画像を移動させる、請求項12に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項14】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記リスト画面に含まれる一または二以上の仮想画像を選択する操作を含む削除操作に応じて、選択された仮想画像、または前記リスト画面に含まれる仮想画像のうち選択されなかった仮想画像を前記空間から削除する、請求項4~13のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つのプロセッサは、第1の操作に基づいて、前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項16】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記視認領域のうち前記ユーザの位置から所定の操作対象範囲内の位置に前記第2の仮想画像を表示させる、請求項15に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項17】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第2の仮想画像の大きさを変更して前記表示部に表示させる、請求項15または16に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項18】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の仮想画像および前記第2の仮想画像を所定の態様で整列させる、請求項15~17のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項19】
前記仮想画像は、第1面および第2面を有し、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記ユーザに前記第1面および前記第2面のうち一方が向くように前記第1の仮想画像および前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項15~18のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項20】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の仮想画像を第1の規則に従う態様で前記表示部に表示させ、前記第2の仮想画像を前記第1の規則とは異なる第2の規則に従う態様で前記表示部に表示させる、請求項15~19のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項21】
前記仮想画像は、第1面および第2面を有し、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させた後、所定の操作に応じて少なくとも一部の仮想画像の表示する面を変更する、請求項15~20のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項22】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の仮想画像および前記第2の仮想画像を所定の条件に基づく順序で配列させる、請求項15~21のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項23】
前記少なくとも一つのプロセッサは、複数の前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる場合に、スクロール操作によって当該複数の第2の仮想画像の任意の一部を表示可能なスクロール画面を前記表示部に表示させる、請求項15~22のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項24】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の仮想画像の少なくとも一部に重なるように前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項15~23のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項25】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の仮想画像および前記第2の仮想画像の一方を、他方よりも目立たせる所定の強調態様で前記表示部に表示させる、請求項15~24のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項26】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の操作に基づいて前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させているときに第2の操作がなされた場合に、少なくとも一部の前記第2の仮想画像を元の位置に戻す、請求項15~25のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項27】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第2の仮想画像を、前記ユーザの正面を通る経路で元の位置まで移動させる、請求項26に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項28】
前記少なくとも一つのプロセッサは、元の位置に戻した前記第2の仮想画像と、前記視認領域内の所定位置とを紐付けるラインを前記表示部に表示させる、請求項26または27に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項29】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記ラインに対する所定の操作に応じて、前記ラインが紐付けられている前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項28に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項30】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
第1空間、および前記第1空間とは別個の第2空間のいずれか一方に位置する前記仮想画像を生成し、
前記第1空間に自装置が位置している場合に、前記第2空間に位置する前記第2の仮想画像の存在を示す前記表示を前記表示部に行わせる、請求項1~29のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項31】
前記少なくとも一つのプロセッサは、自装置が前記第2空間から前記第1空間に移動した場合に、前記第2空間に位置する前記第2の仮想画像の存在を示す前記表示を前記表示部に行わせる、請求項30に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項32】
ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置に設けられたコンピュータに、
空間内における前記ユーザの視認領域を検出する処理、
前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させる処理、
前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、前記第2の仮想画像の存在を所定の態様で示す表示を前記表示部に行わせる処理、
を実行させる、プログラム。
【請求項33】
ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置における表示方法であって、
空間内における前記ユーザの視認領域を検出し、
前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させ、
前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、前記第2の仮想画像の存在を所定の態様で示す表示を前記表示部に行わせる、表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェアラブル端末装置、プログラムおよび表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが頭部に装着するウェアラブル端末装置を用いて、仮想画像および/または仮想空間をユーザに体感させる技術として、VR(仮想現実)、MR(複合現実)およびAR(拡張現実)が知られている。ウェアラブル端末装置は、ユーザが装着したときにユーザの視界を覆う表示部を有する。この表示部に、ユーザの位置および向きに応じて仮想画像および/または仮想空間を表示することで、あたかもこれらが存在しているかのような視覚効果を実現する(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
MRは、ユーザに現実空間を視認させつつ、現実空間の所定位置に仮想画像が存在しているように見せる表示を行うことで、現実空間と仮想画像とが融合した複合現実を体感させる技術である。また、VRは、MRにおける現実空間に代えて仮想空間をユーザに視認させることで、あたかもユーザが仮想空間にいるように体感させる技術である。
【0004】
VRおよびMRにおいて表示される仮想画像は、ユーザが位置する空間における表示位置が定められており、その表示位置がユーザの視認領域の内部にある場合に表示部に表示されてユーザに視認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0087021号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/0340822号明細書
【発明の概要】
【0006】
本開示のウェアラブル端末装置は、ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置であって、少なくとも一つのプロセッサを備える。前記少なくとも一つのプロセッサは、空間内における前記ユーザの視認領域を検出する。前記少なくとも一つのプロセッサは、前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させる。前記少なくとも一つのプロセッサは、前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、前記第2の仮想画像の存在を所定の態様で示す表示を前記表示部に行わせる。
【0007】
また、本開示のプログラムは、ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置に設けられたコンピュータに、空間内における前記ユーザの視認領域を検出する処理を実行させる。前記プログラムは、前記コンピュータに、前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させる処理を実行させる。前記プログラムは、前記コンピュータに、前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、前記第2の仮想画像の存在を所定の態様で示す表示を前記表示部に行わせる処理を実行させる。
【0008】
また、本開示の表示方法は、ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置における表示方法である。当該表示方法では、空間内における前記ユーザの視認領域を検出する。前記表示方法では、前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させる。前記表示方法では、前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、前記第2の仮想画像の存在を所定の態様で示す表示を前記表示部に行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係るウェアラブル端末装置の構成を示す模式斜視図である。
【
図2】ウェアラブル端末装置を装着しているユーザが視認する視認領域および仮想画像の例を示す図である。
【
図4】ウェアラブル端末装置の主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図5】仮想画像表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図6】第2の仮想画像の存在を認識させるためのリスト画面、および当該リスト画面に対する操作に応じて表示されるインジケーターを示す図である。
【
図7】リスト画面に対する操作に応じた表示態様の変化を示す図である。
【
図8】リスト画面に対する操作に応じた仮想画像の複製動作を示す図である。
【
図9】リスト画面に対する操作に応じた仮想画像の移動動作を示す図である。
【
図10】リスト画面に対する操作に応じた仮想画像の削除動作を示す図である。
【
図12】インジケーターにより第2の仮想画像の存在を認識させる表示動作を示す図である。
【
図13】仮想画像表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図14】第2の仮想画像の存在を認識させるために第2の仮想画像を視認領域内に移動させる動作を示す図である。
【
図15】表面を向けた状態で仮想画像を整列させる例を示す図である。
【
図16】裏面を向けた状態で仮想画像を整列させる例を示す図である。
【
図17】第1の仮想画像と第2の仮想画像とを異なる規則に従って整列させる例を示す図である。
【
図18】スクロール画面を表示させる例を示す図である。
【
図19】第1の仮想画像に重ねて第2の仮想画像を表示させる例を示す図である。
【
図20】第2の仮想画像を所定の強調態様で表示させる例を示す図である。
【
図21】第1の仮想画像を所定の抑制態様で表示させる例を示す図である。
【
図22】第1の仮想画像および第2の仮想画像が重ならないように仮想画像を移動させる表示動作を示す図である。
【
図23】第2の仮想画像を元の位置に戻す表示動作を示す図である。
【
図24】元の位置に戻した第2の仮想画像に紐付けられたラインを示す図である。
【
図25】複数の空間がある場合のリスト画像の例を示す図である。
【
図26】複数の空間がある場合に第2の仮想画像を視認領域内に移動させる動作を示す図である。
【
図27】第2の実施形態に係る表示システムの構成を示す模式図である。
【
図28】情報処理装置の主要な機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本開示のウェアラブル端末装置10および情報処理装置20は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0011】
〔第1の実施形態〕
図1に示すように、ウェアラブル端末装置10は、本体部10a、および当該本体部10aに取り付けられたバイザー141(表示部材)などを備える。
【0012】
本体部10aは、その周長を調整可能な環状の部材である。本体部10aの内部には、深度センサー153およびカメラ154などの種々の機器が内蔵されている。本体部10aを頭部に装着すると、ユーザの視界がバイザー141によって覆われるようになっている。
【0013】
バイザー141は、光透過性を有する。ユーザは、バイザー141を通して現実空間を視認することができる。バイザー141のうちユーザの目に対向する表示面には、本体部10aに内蔵されたレーザースキャナー142(
図4参照)から仮想画像等の画像が投影されて表示される。ユーザは、表示面からの反射光により仮想画像を視認する。このとき、ユーザは、併せてバイザー141越しに現実空間も視認しているため、あたかも現実空間に仮想画像が存在しているかのような視覚効果が得られる。
【0014】
図2に示すように、仮想画像30が表示された状態では、ユーザは、空間40における所定位置に、所定方向を向いた仮想画像30を視認する。本実施形態では、空間40は、ユーザがバイザー141越しに視認する現実空間である。仮想画像30は、光透過性を有するバイザー141に投影されているため、現実空間に重なる半透明の画像として視認される。
図2では、仮想画像30として平面状のウィンドウ画面を例示しているが、これに限られず、仮想画像30は、例えば矢印等のオブジェクトであってもよいし、各種の立体画像であってもよい。仮想画像30がウィンドウ画面である場合には、仮想画像30は表面(第1面)および裏面(第2面)を有し、このうち表面に必要な情報が表示され、通常、裏面には情報が表示されない。
【0015】
ウェアラブル端末装置10は、空間40におけるユーザの位置および向き(言い換えると、ウェアラブル端末装置10の位置および向き)に基づいて、ユーザの視認領域41を検出する。
図3に示すように、視認領域41は、空間40のうち、ウェアラブル端末装置10を装着しているユーザUの前方に位置する領域である。例えば、視認領域41は、ユーザUの正面から左右方向および上下方向にそれぞれ所定角度範囲内の領域である。この場合、視認領域41の形状に相当する立体を、ユーザUの正面方向に垂直な平面で切り取ったときの切り口の形状は矩形である。なお、視認領域41の形状は、当該切り口の形状が矩形以外(例えば、円形または楕円形等)となるように定められていてもよい。視認領域41の形状(例えば、正面から左右方向および上下方向の角度範囲)は、例えば以下の方法で特定することができる。
【0016】
ウェアラブル端末装置10では、初回起動時等の所定のタイミングにおいて、所定の手順で視野の調整(以下、キャリブレーションと記す)が行われる。このキャリブレーションにより、ユーザが視認できる範囲が特定され、以降、当該範囲内に仮想画像30が表示される。このキャリブレーションにより特定された視認可能な範囲の形状を、視認領域41の形状とすることができる。
【0017】
また、キャリブレーションは、上記の所定の手順で行われるものに限られず、ウェアラブル端末装置10の通常の操作を行っている中で自動的にキャリブレーションが行われてもよい。例えば、ユーザからのリアクションがなされるべき表示に対してリアクションがなされない場合に、当該表示を行っている範囲をユーザの視野の範囲外であるとみなして視野(および視認領域41の形状)を調整してもよい。また、視野の範囲外として定められている位置に試験的に表示を行い、当該表示に対するユーザのリアクションがあった場合に、当該表示を行っている範囲をユーザの視野の範囲内であるとみなして視野(および視認領域41の形状)を調整してもよい。
【0018】
なお、視認領域41の形状は、出荷時等において、視野の調整結果に基づかずに予め定められて固定されていてもよい。例えば、視認領域41の形状は、表示部14の光学設計上、最大限表示可能な範囲に定められていてもよい。
【0019】
仮想画像30は、ユーザの所定の操作に応じて、空間40における表示位置および向きが定められた状態で生成される。ウェアラブル端末装置10は、生成された仮想画像30のうち、視認領域41の内部に表示位置が定められている仮想画像30をバイザー141に投影させて表示する。
図2においては、視認領域41が鎖線で示されている。
【0020】
バイザー141における仮想画像30の表示位置および向きは、ユーザの視認領域41の変化に応じてリアルタイムに更新される。すなわち、「設定された位置および向きで空間40内に仮想画像30が位置している」とユーザが認識するように、視認領域41の変化に応じて仮想画像30の表示位置および向きが変化する。例えば、ユーザが仮想画像30の表側から裏側に向かって移動すると、この移動に応じて表示される仮想画像30の形状(角度)が徐々に変化する。また、ユーザが仮想画像30の裏側に回り込んだ後で当該仮想画像30の方向を向くと、仮想画像30の裏面が視認されるように裏面が表示される。また、視認領域41の変化に応じて、表示位置が視認領域41から外れた仮想画像30は表示されなくなり、表示位置が視認領域41に入った仮想画像30があれば当該仮想画像30が新たに表示される。
【0021】
図2に示すように、ユーザが手(または指)を前方にかざすと、手を伸ばした方向がウェアラブル端末装置10により検出され、当該方向に延びる仮想線51と、ポインタ52とがバイザー141の表示面に表示されてユーザに視認される。ポインタ52は、仮想線51と仮想画像30との交点に表示される。仮想線51が仮想画像30と交差しない場合には、仮想線51と空間40の壁面等との交点にポインタ52が表示されてもよい。ユーザの手と仮想画像30との距離が所定の基準距離以内である場合に、仮想線51の表示を省略して、ユーザの指先の位置に応じた位置にポインタ52を直接表示させてもよい。
【0022】
ユーザが手を伸ばす方向を変えることで、仮想線51の方向およびポインタ52の位置を調整することができる。仮想画像30に含まれる所定の操作対象(例えば、機能バー31、ウィンドウ形状変更ボタン32、およびクローズボタン33等)にポインタ52が位置するように調整した状態で所定のジェスチャーを行うことで、当該ジェスチャーがウェアラブル端末装置10により検出され、操作対象に対する所定の操作を行うことができる。例えば、ポインタ52をクローズボタン33に合わせた状態で、操作対象を選択するジェスチャー(例えば、指先をつまむジェスチャー)を行うことで、仮想画像30を閉じる(削除する)ことができる。また、ポインタ52を機能バー31に合わせた状態で選択するジェスチャーを行い、選択状態のまま手を前後左右に移動させるジェスチャーを行うことで、仮想画像30を奥行方向および左右方向に移動させることができる。仮想画像30に対する操作はこれらに限られない。
【0023】
このように、本実施形態のウェアラブル端末装置10は、あたかも現実空間に仮想画像30が存在するかのような視覚効果を実現し、仮想画像30に対するユーザの操作を受け付けて仮想画像30の表示に反映させることができる。すなわち、本実施形態のウェアラブル端末装置10はMRを提供する。
【0024】
次に、
図4を参照してウェアラブル端末装置10の機能構成について説明する。
ウェアラブル端末装置10は、CPU11(Central Processing Unit)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、表示部14と、センサー部15と、通信部16などを備え、これらの各部はバス17により接続されている。
図4に示す構成要素のうち表示部14のバイザー141を除いた各部は、本体部10aに内蔵されており、同じく本体部10aに内蔵されているバッテリーから供給される電力により動作する。
【0025】
CPU11は、各種演算処理を行い、ウェアラブル端末装置10の各部の動作を統括制御するプロセッサである。CPU11は、記憶部13に記憶されたプログラム131を読み出して実行することで、各種制御動作を行う。CPU11は、プログラム131を実行することで、例えば視認領域検出処理および表示制御処理などを実行する。このうち視認領域検出処理は、空間40内におけるユーザの視認領域41を検出する処理である。また、表示制御処理は、空間40における位置が定められた仮想画像30のうち、視認領域41の内部に位置が定められている仮想画像30を表示部14に表示させる処理である。
【0026】
なお、
図4では単一のCPU11が図示されているが、これに限られない。CPU等のプロセッサが2以上設けられていてもよく、本実施形態のCPU11が実行する処理を、これらの2以上のプロセッサが分担して実行してもよい。
【0027】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0028】
記憶部13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体である。記憶部13は、CPU11により実行されるプログラム131、および各種設定データなどを記憶する。プログラム131は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。記憶部13としては、例えばフラッシュメモリを備えたSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置が用いられる。
【0029】
記憶部13に記憶されるデータとしては、仮想画像30に係る仮想画像データ132などがある。仮想画像データ132は、仮想画像30の表示内容に係るデータ(例えば画像データ)、表示位置のデータ、および向きのデータなどを含む。
【0030】
表示部14は、バイザー141と、レーザースキャナー142と、当該レーザースキャナー142から出力された光をバイザー141の表示面に導く光学系とを有する。レーザースキャナー142は、CPU11からの制御信号に従って、画素ごとにオン/オフが制御されたパルス状のレーザー光を所定方向にスキャンしつつ光学系に照射する。光学系に入射したレーザー光は、バイザー141の表示面において2次元の画素マトリクスからなる表示画面を形成する。レーザースキャナー142の方式は、特には限られないが、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)によりミラーを動作させてレーザー光をスキャンする方式を用いることができる。レーザースキャナー142は、例えばRGBの色のレーザー光を射出する3つの発光部を有する。表示部14は、これらの発光部からの光をバイザー141に投影することでカラー表示を行うことができる。
【0031】
センサー部15は、加速度センサー151、角速度センサー152、深度センサー153、カメラ154およびアイトラッカー155などを備える。なお、センサー部15は、
図4に示されていないセンサーをさらに有していてもよい。
【0032】
加速度センサー151は、加速度を検出して検出結果をCPU11に出力する。加速度センサー151による検出結果から、ウェアラブル端末装置10の直交3軸方向の並進運動を検出することができる。
【0033】
角速度センサー152(ジャイロセンサー)は、角速度を検出して検出結果をCPU11に出力する。角速度センサー152による検出結果から、ウェアラブル端末装置10の回転運動を検出することができる。
【0034】
深度センサー153は、ToF(Time of Flight)方式で被写体までの距離を検出する赤外線カメラであり、距離の検出結果をCPU11に出力する。深度センサー153は、視認領域41を撮影できるように本体部10aの前面に設けられている。空間40においてユーザの位置および向きが変化するごとに深度センサー153による計測を繰り返し行って結果を合成することで、空間40の全体の3次元マッピングを行う(すなわち、3次元構造を取得する)ことができる。
【0035】
カメラ154は、RGBの撮像素子群により空間40を撮影し、撮影結果としてカラー画像データを取得してCPU11に出力する。カメラ154は、視認領域41を撮影できるように本体部10aの前面に設けられている。カメラ154からの出力画像は、ウェアラブル端末装置10の位置および向きなどの検出に用いられるほか、通信部16から外部機器に送信されて、ウェアラブル端末装置10のユーザの視認領域41を外部機器において表示するためにも用いられる。
【0036】
アイトラッカー155は、ユーザの視線を検出して検出結果をCPU11に出力する。視線の検出方法は、特には限られないが、例えば、ユーザの目における近赤外光の反射点をアイトラッキングカメラで撮影し、その撮影結果と、カメラ154による撮影画像とを解析してユーザが視認している対象を特定する方法を用いることができる。アイトラッカー155の構成の一部は、バイザー141の周縁部などに設けられていてもよい。
【0037】
通信部16は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールである。通信部16は、所定の通信プロトコルに従って外部機器との間で無線通信によるデータの送受信を行う。
【0038】
このような構成のウェアラブル端末装置10において、CPU11は、以下のような制御動作を行う。
【0039】
CPU11は、深度センサー153から入力された被写体までの距離データに基づいて空間40の3次元マッピングを行う。CPU11は、ユーザの位置および向きが変化するたびにこの3次元マッピングを繰り返し行い、都度結果を更新する。また、CPU11は、一繋がりの空間40を単位として3次元マッピングを行う。よって、壁などにより仕切られた複数の部屋の間をユーザが移動する場合には、CPU11は、それぞれの部屋を1つの空間40と認識し、部屋ごとに別個に3次元マッピングを行う。
【0040】
CPU11は、空間40内におけるユーザの視認領域41を検出する。詳しくは、CPU11は、加速度センサー151、角速度センサー152、深度センサー153、カメラ154およびアイトラッカー155による検出結果と、蓄積されている3次元マッピングの結果と、に基づいて、空間40におけるユーザ(ウェアラブル端末装置10)の位置および向きを特定する。そして、特定した位置および向きと、予め定められている視認領域41の形状と、に基づいて視認領域41を検出(特定)する。また、CPU11は、ユーザの位置および向きの検出をリアルタイムで継続して行い、ユーザの位置および向きの変化に連動して視認領域41を更新する。なお、視認領域41の検出は、加速度センサー151、角速度センサー152、深度センサー153、カメラ154およびアイトラッカー155のうちの一部による検出結果を用いて行われてもよい。
【0041】
CPU11は、ユーザの操作に応じて仮想画像30に係る仮想画像データ132を生成する。すなわち、CPU11は、仮想画像30の生成を指示する所定の操作(ジェスチャー)を検出すると、仮想画像の表示内容(例えば画像データ)、表示位置、および向きを特定し、これらの特定結果を表すデータを含む仮想画像データ132を生成する。
【0042】
CPU11は、視認領域41の内部に表示位置が定められている仮想画像30を表示部14に表示させる。以下では、視認領域41の内部に表示位置が定められている仮想画像30、すなわち視認領域41の内部に位置する仮想画像30を「第1の仮想画像30A」とも記す。また、視認領域41の外部に表示位置が定められている仮想画像30、すなわち視認領域41の外部に位置する仮想画像30を「第2の仮想画像30B」とも記す。ここで、「視認領域41の外部」には、ユーザが位置している空間40とは別個の空間40が含まれるものとする。CPU11は、仮想画像データ132に含まれる表示位置の情報に基づいて第1の仮想画像30Aを特定し、その時点における視認領域41と、第1の仮想画像30Aの表示位置との位置関係に基づいて、表示部14に表示させる表示画面の画像データを生成する。CPU11は、この画像データに基づいてレーザースキャナー142にスキャン動作を行わせ、バイザー141の表示面に、第1の仮想画像30Aを含む表示画面を形成させる。すなわち、CPU11は、バイザー141を通して視認される空間40に第1の仮想画像30Aが視認されるように、第1の仮想画像30Aをバイザー141の表示面に表示させる。CPU11は、この表示制御処理を連続して行うことで、ユーザの動き(視認領域41の変化)に合わせて表示部14による表示内容をリアルタイムで更新する。ウェアラブル端末装置10が電源オフ状態となっても仮想画像データ132が保持される設定となっている場合には、次にウェアラブル端末装置10が起動したときには、既存の仮想画像データ132が読み込まれ、視認領域41の内部に位置する第1の仮想画像30Aがあれば表示部14に表示される。
【0043】
なお、通信部16を介して外部機器から取得した指示データに基づいて仮想画像データ132を生成し、当該仮想画像データ132に基づいて仮想画像30を表示させてもよい。あるいは、通信部16を介して外部機器から仮想画像データ132そのものを取得し、当該仮想画像データ132に基づいて仮想画像30を表示させてもよい。例えば、遠隔指示者が操作する外部機器にウェアラブル端末装置10のカメラ154の映像を表示させるとともに、外部機器から仮想画像30を表示する指示を受け付け、指示された仮想画像30をウェアラブル端末装置10の表示部14に表示させてもよい。これにより、例えば、作業対象物の近傍に作業内容を示す仮想画像30を表示させて、遠隔指示者からウェアラブル端末装置10のユーザに対して作業を指示するといった動作が可能となる。
【0044】
CPU11は、深度センサー153およびカメラ154による撮像画像に基づいてユーザの手(および/または指)の位置および向きを検出し、検出した方向に延びる仮想線51と、ポインタ52とを表示部14に表示させる。また、CPU11は、深度センサー153およびカメラ154による撮像画像に基づいてユーザの手(および/または指)のジェスチャーを検出し、検出したジェスチャーの内容と、その時点におけるポインタ52の位置とに応じた処理を実行する。
【0045】
次に、視認領域41の外部に第2の仮想画像30Bがあるときのウェアラブル端末装置10の動作について説明する。
【0046】
上述のとおり、ウェアラブル端末装置10では、視認領域41の内部に表示位置が定められている第1の仮想画像30Aが表示部に表示され、ユーザに視認される。このため、従来、視認領域41の外部に第2の仮想画像30Bがあるか否かについて、ユーザは、その体勢のままでは確認することができないという課題があった。仮想画像30は、一旦生成されると削除されるまで空間40に残留する。このため、仮想画像30を生成したままユーザが移動すると、どの位置にどのような仮想画像30があるか把握しておくのが困難となり、上記の課題が問題となる。特に、ウェアラブル端末装置10が電源オフ状態となっても仮想画像30(仮想画像データ132)が消去されない設定の場合には、再度ウェアラブル端末装置10を起動したときに、視認領域41の外部にある既存の第2の仮想画像30Bを認識できないのは不便であった。
【0047】
そこで、本実施形態のウェアラブル端末装置10のCPU11は、視認領域41の外部に位置する第2の仮想画像30Bがある場合に、当該第2の仮想画像30Bの存在を所定の態様で示す表示を表示部14に行わせる。これにより、ユーザは、体勢を変えなくても、視認領域41の外部に第2の仮想画像30Bが存在することを簡易に認識することができる。
なお、視認領域41の内部と外部は、例えば、カメラ154からの出力画像を外部機器に表示させたとき、当該外部機器で表示している領域を視認領域41の内部、当該外部機器で表示していない領域を視認領域41の外部とみなしてよい。すなわち、ウェアラブル端末装置10が認識する視認領域41は、前記外部機器で表示しているカメラ154からの出力画像と一致してもよい。
また、カメラ154の視野角(画角)と、人間の視野角と、が一致しない場合、ウェアラブル端末装置10が認識する視認領域41は、カメラ154からの出力画像と同じでなくてもよい。すなわち、カメラ154の視野角(画角)が人間の視野角より広い場合、ウェアラブル端末装置10が認識する視認領域41は、前記外部機器で表示しているカメラ154からの出力画像のうちの一部に対応する領域であってもよい。また、人間の視野は、人間が視力を高く維持し、細かいものを認識できる範囲である有効視野(一般的に、左右両目を用いた有効視野は、水平方向に約60度、垂直方向に約40度)と、当該有効視野以外の範囲(細かいものを認識できない範囲)である周辺視野と、に大別することができる。視認領域41は、有効視野と対応するように定義されてもよいし、周辺視野まで含めた視野(一般的に、左右両目を用いた視野で、水平方向に約200度、垂直方向に約130度)と対応するように定義されてもよい。また視認領域41は、有効視野と対応するように定義されたものと、周辺視野まで含めた視野と対応するように定義されたものと、を含んでよく、ウェアラブル端末装置10のCPU11は、所定条件(例えば、ユーザの所定の操作によるモード変更、等)により、視認領域41がいずれの定義に基づくものか適宜変更してもよい。
以下、第2の仮想画像30Bの存在を示す表示の例を、
図5~
図26を参照して説明する。
【0048】
まず、
図5のフローチャートを参照して、本開示の一側面に係る仮想画像表示処理のCPU11による制御手順について説明する。
図5の仮想画像表示処理は、第2の仮想画像30Bがある場合に所定のリスト画面61(
図6参照)を表示させる特徴を少なくとも含むものである。
【0049】
図5に示す仮想画像表示処理が開始されると、CPU11は、ユーザの位置および向きに基づいて視認領域41を検出する(ステップS101)。
【0050】
CPU11は、検出した視認領域41の内部に表示位置が定められている第1の仮想画像30Aがあるか否かを判別し(ステップS102)、第1の仮想画像30Aがあると判別された場合には(ステップS102で“YES”)、第1の仮想画像30Aを表示部14に表示させる(ステップS103)。
【0051】
ステップS103が終了した場合、またはステップS102において第1の仮想画像30Aがないと判別された場合には(ステップS102で“NO”)、CPU11は、視認領域41の外部に表示位置が定められている第2の仮想画像30Bがあるか否かを判別する(ステップS104)。第2の仮想画像30Bがあると判別された場合には(ステップS104で“YES”)、CPU11は、所定のリスト画面61を表示部14に表示させる。
【0052】
ステップS105が終了した場合、またはステップS104において第2の仮想画像30Bがないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、CPU11は、ウェアラブル端末装置10による表示動作を終了させる指示がなされたか否かを判別する(ステップS106)。CPU11は、当該指示がなされていないと判別された場合には(ステップS106で“NO”)、処理をステップS101に戻し、当該指示がなされたと判別された場合には(ステップS106で“YES”)、仮想画像表示処理を終了させる。
【0053】
以下では、ステップS105におけるリスト画面61の具体的な表示動作について説明する。
【0054】
図6に示すように、CPU11は、視認領域41の外部に位置する第2の仮想画像30Bがある場合に、第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bのリストを含むリスト画面61を表示部14に表示させる。
図6では、視認領域41の内部に3つの第1の仮想画像30A(画像a~画像c)が表示されており、視認領域41の外部に、1つの第2の仮想画像30B(画像d)が存在する。
図6の状態では、画像dは表示部14に表示されていない。この場合において、画像a~画像dがリストアップされたリスト画面61が視認領域41に表示される。これにより、ユーザは、視認領域41の外部に画像dが存在することを簡易に認識することができる。
【0055】
リスト画面61は、画像a~画像dがリストアップされていることをユーザが認識可能であればどのような表示態様であってもよい。例えば、リスト画面61には、画像a~画像dのファイル名、画像a~画像dを示すアイコン、画像a~画像dを縮小表示したもの、またはこれらの組み合わせが表示されてもよい。
【0056】
リスト画面61は、空間40におけるユーザの位置および向きによらず表示部14における表示位置が固定されていてもよい。言い換えると、リスト画面61は、空間40における表示位置が設定(固定)されておらず、視認領域41が移動した場合においても、バイザー141の表示面における所定位置に表示され続けてもよい。これにより、ユーザは、自身の位置および向きによらず常にリスト画面61を視認することができる。
【0057】
図6に示すように、CPU11は、リスト画面61に含まれる一の第2の仮想画像30B(ここでは、画像d)に対する所定の操作に応じて、当該第2の仮想画像30Bが位置する方向を示すインジケーター62を表示部14に表示させてもよい。インジケーター62を表示させることで、ユーザは、画像dが位置している方向を直感的に把握することができる。上記の所定の操作は、
図6では、リスト画面61における画像dの項目を指でタップする操作であるが、これに限られず、例えばポインタ52を用いて画像dの項目を選択する操作などであってもよい。インジケーター62の形状および表示態様は、第2の仮想画像30Bが位置する方向を示すことが可能なものであればよく、
図6に示したものに限られない。
【0058】
図7に示すように、CPU11は、リスト画面61に含まれる一の仮想画像30(ここでは、画像a)に対する所定の操作に応じて、当該仮想画像30の表示態様を変化させてもよい。具体的には、CPU11は、リスト画面61における画像aの項目をタップする操作に応じて、画像aの色を変化させて(例えば色を濃くして)ハイライト表示させる。これにより、ユーザは、画像aの位置を直感的に把握することができる。表示態様の変化はハイライト表示に限られず、例えば仮想画像30の大きさを変化させたり、点滅させたり、仮想画像30の向きをユーザに正対する向きに変更したり、仮想画像30をユーザの近傍の見やすい位置に移動させたり、仮想画像30の近傍に所定のマークを表示させたりしてもよい。また、上記の所定の操作は、ポインタ52を用いてリスト画面61の項目を選択する操作などであってもよい。また、リスト画面61における第2の仮想画像30Bの項目に対する操作がなされた場合に、当該第2の仮想画像30Bの表示態様を変化させてもよい。これにより、ユーザは、当該第2の仮想画像30Bが視認領域41に入ったときに、簡易に当該第2の仮想画像30Bを認識することができる。
【0059】
図8に示すように、CPU11は、リスト画面61に含まれる一の仮想画像30(ここでは、画像d)に対する所定の複製操作に応じて、当該一の仮想画像30を複製して表示部14に表示させてもよい。ここで、複製操作は、例えば、リスト画面61に含まれる一の仮想画像30の項目に対するドラッグ操作およびドロップ操作を含む。この場合、CPU11は、ドロップ操作がなされた位置に当該一の仮想画像30を複製して表示部14に表示させる。ここで複製されるのは、リスト画面61に含まれる画像dの項目(ファイル名およびアイコン等)ではなく、視認領域41の外部に位置している画像dそのものである。これにより、ユーザは、自身の位置や向きを変えなくても、視認領域41の外部にある第2の仮想画像30Bの内容を確認することができる。なお、リスト画面61に含まれる画像dの項目が、画像dそのものの内容の少なくとも一部を含む場合(例えば、縮小画像である場合)などにおいて、ドラッグ操作およびドロップ操作に応じて、リスト画面61に含まれる画像dの項目を(必要に応じて拡大して)複製してもよい。また、複製操作の対象は、第2の仮想画像30Bに限られず、第1の仮想画像30Aであってもよい。例えば、視認領域41の内部に位置しているものの、ユーザから遠く内容を確認しにくい第1の仮想画像30Aを、ユーザの近傍位置に複製することで、当該第1の仮想画像30Aの内容を簡易に確認することができる。
【0060】
また、CPU11は、複製した一の仮想画像30(ここでは、画像d)を編集する操作を受け付けた場合に、当該操作による編集内容を、複製元の仮想画像30、すなわち、視認領域41の外部に位置する画像dに反映させてもよい。これにより、ユーザは、自身の位置や向きを変えなくても、視認領域41の外部にある第2の仮想画像30Bの内容を編集することができる。
【0061】
図9に示すように、CPU11は、リスト画面61に含まれる一の仮想画像30(ここでは、画像d)に対する所定の移動操作に応じて、当該一の仮想画像30を移動操作に応じた位置に移動させてもよい。ここで、移動操作は、例えば、リスト画面61に含まれる一の仮想画像30の項目に対するドラッグ操作およびドロップ操作を含む。この場合、CPU11は、ドロップ操作がなされた位置に当該一の仮想画像30を移動させる。ここで移動させるのは、リスト画面61に含まれる画像dの項目(ファイル名およびアイコン等)ではなく、視認領域41の外部に位置している画像dそのものである。これにより、ユーザは、自身の位置や向きを変えなくても、視認領域41の外部にある第2の仮想画像30Bの内容を確認することができる。移動操作の対象は、第2の仮想画像30Bに限られず、第1の仮想画像30Aであってもよい。例えば、視認領域41内に位置しているものの、ユーザから遠く内容を確認しにくい第1の仮想画像30Aを、ユーザの近傍位置に移動させることで、当該第1の仮想画像30Aの内容を簡易に確認することができる。移動させた仮想画像30は、所定の操作に応じて元の位置に戻すことが可能となっていてもよい。
【0062】
図10に示すように、CPU11は、リスト画面61に含まれる一または二以上の仮想画像30(ここでは、画像cおよび画像d)を選択する操作を含む削除操作に応じて、選択された仮想画像30を空間40から削除してもよい。具体的には、
図10の上図のリスト画面61では、各項目の右側に、当該項目の仮想画像30を選択するためのチェックボックス63が表示されている。削除する仮想画像30のチェックボックス63をチェックした状態で削除ボタン64を選択することで、
図10の下図に示すように、チェックした仮想画像30を一括して空間40から削除(消去)することができる。これにより、ユーザは、仮想画像30を操作可能な位置に移動しなくても、不要な仮想画像30を簡易に削除することができる。なお、チェックボックス63および削除ボタン64は、ユーザから呼び出された場合に表示されてもよい。また、ウェアラブル端末装置10の電源オフが指示された場合にチェックボックス63および削除ボタン64を表示して、各仮想画像30を削除するか否かをユーザに問い合わせてもよい。また、リスト画面61に含まれる仮想画像30のうち、チェックされなかった(選択されなかった)仮想画像30を空間40から削除してもよい。
【0063】
図11に示すように、CPU11は、視認領域41の外部に位置する第2の仮想画像30B(ここでは、画像dおよび画像e)がある場合に、第2の仮想画像30Bのリストを含むリスト画面61を前記表示部に表示させてもよい。すなわち、視認領域41において視認されている第1の仮想画像30A(画像a~画像c)についてはリスト画面61にリストアップせず、視認されていない第2の仮想画像30B(画像dおよび画像e)のみをリスト画面61にリストアップしてもよい。これにより、視認領域41の外部に位置する第2の仮想画像30Bを簡易に把握することができる。
【0064】
なお、
図6~
図11の態様に代えて、
図12に示すように、リスト画面61を表示せずに、第2の仮想画像30B(ここでは、画像d)が位置する方向を示すインジケーター62を表示部14に表示させてもよい。このようにインジケーター62を表示させることによっても、ユーザに第2の仮想画像30Bの存在を認識させることができる。すなわち、インジケーター62の表示は、「第2の仮想画像30Bの存在を所定の態様で示す表示」の一態様である。インジケーター62の形状および表示態様は、第2の仮想画像30Bが位置する方向を示すことが可能なものであればよく、
図12に示したものに限られない。
【0065】
次に、
図13のフローチャートを参照して、本開示の他の一側面に係る仮想画像表示処理のCPU11による制御手順について説明する。
図13の仮想画像表示処理は、第2の仮想画像30Bがあり、かつ、ユーザから第1の操作がなされた場合に、第2の仮想画像30Bを表示部14に(すなわち、視認領域41の内部に)表示させる特徴を少なくとも含むものである。
【0066】
図13に示す仮想画像表示処理が開始されると、CPU11は、ユーザの位置および向きに基づいて視認領域41を検出する(ステップS201)。
【0067】
CPU11は、検出した視認領域41の内部に表示位置が定められている第1の仮想画像30Aがあるか否かを判別し(ステップS202)、第1の仮想画像30Aがあると判別された場合には(ステップS202で“YES”)、第1の仮想画像30Aを表示部14に表示させる(ステップS203)。
【0068】
ステップS203が終了した場合、またはステップS202において第1の仮想画像30Aがないと判別された場合には(ステップS202で“NO”)、CPU11は、視認領域41の外部に表示位置が定められている第2の仮想画像30Bがあるか否かを判別する(ステップS204)。
【0069】
第2の仮想画像30Bがあると判別された場合には(ステップS204で“YES”)、CPU11は、所定の第1の操作がなされたか否かを判別する(ステップS205)。第1の操作がなされたと判別された場合には(ステップS205で“YES”)、CPU11は、第2の仮想画像30Bを視認領域41に移動させて表示部14に表示させる(ステップS206)。
【0070】
ステップS206が終了した場合、ステップS204において第2の仮想画像30Bがないと判別された場合(ステップS204で“NO”)、またはステップS205において第1の操作がなされていないと判別された場合には(ステップS205で“NO”)、CPU11は、ウェアラブル端末装置10による表示動作を終了させる指示がなされたか否かを判別する(ステップS207)。CPU11は、当該指示がなされていないと判別された場合には(ステップS207で“NO”)、処理をステップS201に戻し、当該指示がなされたと判別された場合には(ステップS207で“YES”)、仮想画像表示処理を終了させる。
【0071】
以下では、ステップS206における第2の仮想画像30Bの具体的な表示動作について説明する。
【0072】
図14に示すように、CPU11は、第1の操作に基づいて、第2の仮想画像30B(ここでは、画像dおよび画像e)を表示部14に表示させる。すなわち、CPU11は、第2の仮想画像30Bを視認領域41の内部に移動させる。これにより、ユーザは、自身の位置や向きを変えなくても、視認領域41の外部に第2の仮想画像30Bがあることを認識できるとともに、第2の仮想画像30Bの内容を確認することができる。上記の第1の操作は、予め定められた任意の操作とすることができる。例えば、第1の操作は、ポインタ52がいずれの操作対象とも重なっていない状態で手を握るジェスチャーを行う操作であってもよい。移動後の第2の仮想画像30Bの位置は、任意に定めることができる。例えば、視認領域41に対して左側にあった第2の仮想画像30B(
図14の画像d)を視認領域41における左半分の範囲内に表示させ、視認領域41に対して右側にあった第2の仮想画像30B(
図14の画像e)を視認領域41における右半分の範囲内に表示させてもよい。
【0073】
ここで、CPU11は、視認領域41のうちユーザの位置から所定の操作対象範囲内の位置に第2の仮想画像30Bを表示させてもよい。操作対象範囲は、適宜定めることができる。例えば、仮想線51を用いずにポインタ52による操作が可能な範囲であってもよいし、予めユーザにより設定された距離範囲としてもよい。
【0074】
また、CPU11は、第2の仮想画像30B(ここでは、画像e)の大きさを変更して表示部14に表示させてもよい。
図14に示すように、移動前の画像eが小さく視認しにくいような場合に、画像eを拡大した上で視認領域41に移動させてもよい。また、移動させた複数の第2の仮想画像30Bの大きさを揃えてもよい。
【0075】
また、CPU11は、第1の操作に基づいて第2の仮想画像30Bを表示部14に表示させているときに第2の操作がなされた場合に、少なくとも一部の第2の仮想画像30Bを元の位置に戻してもよい。これにより、第2の仮想画像30Bの内容を確認した後で、簡易に第2の仮想画像30Bを元の配置に戻すことができる。上記の第2の操作は、第1の操作と同一の操作であってもよいし、第1の操作とは異なる操作として予め定められていてもよい。例えば、第2の操作は、指を弾くジェスチャーであってもよい。また、第1の操作がなされたときに視認領域41内で移動した第1の仮想画像30Aがあった場合において、第2の操作に応じて当該第1の仮想画像30Aを元の位置に戻してもよい。任意の仮想画像30を選択可能とし、第2の操作に応じて、選択されている仮想画像30を元の位置に戻してもよい。あるいは、選択されていない仮想画像30を元の位置に戻してもよい。
【0076】
図15に示すように、CPU11は、第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bを所定の態様で整列させてもよい。ここでは、第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bを、マトリクス状に配列させている。配列の態様はこれに限られず、例えば一列に配列させてもよい。これにより、各仮想画像30を視認しやすくすることができる。
【0077】
また、CPU11は、ユーザに表面(第1面)および裏面(第2面)のうち一方が向くように第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bを表示部14に表示させてもよい。
図15では、ユーザに表面が向くように第2の仮想画像30Bが表示されているとともに、第1の仮想画像30Aの向きが変更されている。これにより、各仮想画像30の表面の内容を確認することができる。あるいは、
図16に示すように、ユーザに裏面が向くように第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bを表示させてもよい。これにより、仮想画像30を挟んでユーザとは反対側にいる別のユーザに対して仮想画像30を見せるといった動作が可能となる。
【0078】
図17に示すように、CPU11は、第1の仮想画像30Aを第1の規則に従う態様で表示部14に表示させ、第2の仮想画像30Bを第1の規則とは異なる第2の規則に従う態様で表示部14に表示させてもよい。
図17の例において、第1の規則は、「仮想画像30の表裏を反転させないまま、ユーザに正対する向きに調整する」である。また、第2の規則は、「ユーザに表面が向くように表示させる」である。第1の規則および第2の規則は、これらに限られない。これにより、ユーザが所望する態様で第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bを表示することができる。
【0079】
また、CPU11は、第2の仮想画像30Bを表示部14に表示させた後、所定の操作に応じて少なくとも一部の仮想画像30の表示する面を変更してもよい。例えば、一旦、
図17の下図に示すように表裏が入り混じった状態で第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bを表示させた後に、所定の操作に応じて、
図15の下図に示すように全ての仮想画像30の表面がユーザに向くように表示面を反転させてもよい。また、所定の操作に応じた表示の遷移はこれに限られず、例えば、
図14~
図17のうち任意の2つの下図の状態間で遷移させてもよい。これにより、ユーザが所望する表示態様に簡易に遷移させることができる。
【0080】
また、CPU11は、第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bを所定の条件に基づく順序で配列させてもよい。例えば、仮想画像30の名称に基づく順序、仮想画像30の表示サイズに基づく順序、仮想画像30の属性に基づく順序、仮想画像30の表示位置とユーザの位置との間の距離に基づく順序、ユーザに対する仮想画像30の対向面(表面または裏面)に基づく順序などにしたがって仮想画像30を配列させてもよい。配列の態様は、
図15のようにマトリクス状に並べるものであってもよいし、一列に並べるものであってもよい。また、ユーザから見て複数の仮想画像30の少なくとも一部が重畳するように、奥行方向に配列させてもよい。これにより、所望の仮想画像30を見つけやすくすることができる。
【0081】
図18に示すように、CPU11は、複数の第2の仮想画像30Bを表示部14に表示させる場合に、スクロール操作によって当該複数の第2の仮想画像30Bの任意の一部を表示可能なスクロール画面65を前記表示部に表示させてもよい。
図18に示すスクロール画面65では、第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bが縦方向に一列に配列されており、この配列の一部が表示されている。スクロール画面65において表示させる部分は、スクロールバー66を上下に移動させることによって変更することができる。ここでは、第2の仮想画像30Bとともに第1の仮想画像30Aがスクロール画面65に表示されているが、第2の仮想画像30Bのみをスクロール画面65に表示させてもよい。また、スクロール画面65において、上述したように所定の条件に基づく順序で仮想画像30が配列されていてもよい。このようなスクロール画面65を表示することにより、多数の第2の仮想画像30Bが存在する場合であっても、簡易に第2の仮想画像30Bを確認することができる。
【0082】
図19に示すように、CPU11は、第1の仮想画像30Aの少なくとも一部に重なるように第2の仮想画像30Bを表示部14に表示させてもよい。これにより、第1の仮想画像30Aの表示状態を維持しつつ、視認しやすい状態で第2の仮想画像30Bを表示させることができる。
【0083】
図20に示すように、CPU11は、第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bの一方を、他方よりも目立たせる所定の強調態様で表示部14に表示させてもよい。これにより、第1の仮想画像30Aと第2の仮想画像30Bとを容易に区別することができる。
図20では、第2の仮想画像30Bの色を変化させて(例えば色を濃くして)ハイライト表示させることで、第2の仮想画像30Bを第1の仮想画像30Aよりも目立たせている例が示されている。これとは逆に、第1の仮想画像30Aを第2の仮想画像30Bよりも目立たせてもよい。強調表示は、
図20に示すようなハイライト表示に限られず、例えば仮想画像30の大きさを変化させたり、点滅させたり、仮想画像30の向きをユーザに正対する向きに変更したり、仮想画像30をユーザの近傍の見やすい位置に移動させたり、仮想画像30の近傍に所定のマークを表示させたりしてもよい。なお、
図14~
図18、および後述する
図21および
図22において上記の強調表示を行ってもよい。
【0084】
図21に示すように、CPU11は、第1の仮想画像30Aおよび第2の仮想画像30Bの一方を、他方よりも目立たなくする所定の抑制態様で表示部14に表示させてもよい。これによっても、第1の仮想画像30Aと第2の仮想画像30Bとを容易に区別することができる。
図21では、第1の仮想画像30Aの透明度を上げることで、第1の仮想画像30Aを第2の仮想画像30Bよりも目立たたなくする例が示されている。これとは逆に、第2の仮想画像30Bを第1の仮想画像30Aよりも目立たたなくさせてもよい。抑制態様は、
図21に示すような透明度を上げる表示態様に限られず、例えば仮想画像30を小さくしたり、仮想画像30を一時的に消去したりするものであってもよい。なお、
図14~
図18、および後述する
図22において上記の抑制表示を行ってもよい。
【0085】
図22に示すように、CPU11は、特定の仮想画像30を避けるように、当該特定の仮想画像30以外の仮想画像30の位置を変更してもよい。例えば、ユーザから見て、第2の仮想画像30Bに第1の仮想画像30Aが重ならないように、第1の仮想画像30Aの位置を変更してもよい。また、ユーザから見て全ての仮想画像30が互いに重ならないように各仮想画像30の位置を変更してもよい。これにより、仮想画像30の視認性を向上させることができる。
【0086】
図23に示すように、CPU11は、上述した第2の操作がなされた場合に、特定の仮想画像30のみを元の位置に戻してもよい。ここで、特定の仮想画像30は、例えばユーザが指定した仮想画像30であってもよいし、所定条件を満たすもの(一例を挙げると、移動前に視認領域41の外部にあった第2の仮想画像30B)であってもよい。特定の仮想画像30は、もともと視認領域41の内部にあり、位置が移動された第1の仮想画像30Aであってもよい。特定の仮想画像30を、
図23に示すように強調態様で表示してもよい。また、CPU11は、第2の操作がなされた場合に、第2の仮想画像30Bを、ユーザの正面(目の前)を通る経路67で元の位置まで移動させてもよい。これにより、第2の仮想画像30Bが元の位置に戻ることを把握しやすくできる。また、どの第2の仮想画像30Bが元の位置に戻るのかを確認することができる。
【0087】
図24に示すように、CPU11は、元の位置に戻した第2の仮想画像30Bと、視認領域41内の所定位置とを紐付けるライン68を表示部14に表示させてもよい。ライン68は、直線状であってもよいし、視認領域41の内部を通る距離が長くなるように湾曲していてもよい。このようなライン68を表示させることで、元の位置に戻った第2の仮想画像30Bがあること、および当該第2の仮想画像30Bの方向を認識しやすくすることができる。
【0088】
また、
図24の下図に示すように、CPU11は、ライン68に対する所定の操作(第3の操作)に応じて、ライン68が紐付けられている第2の仮想画像30Bを表示部14に表示させてもよい。これにより、視認領域41の外部に戻した第2の仮想画像30Bのうち所望の第2の仮想画像30Bを、簡易に再度表示させて内容を確認することができる。上記の第3の操作は、例えば68を指でタッチする操作、またはポインタ52を用いて選択する操作とすることができるが、これらに限られない。
【0089】
図6~
図24を参照して説明した各動作は、第1の仮想画像30Aと第2の仮想画像30Bとが別個の空間に位置している場合にも適用できる。以下では、第1空間40Aに位置が定められた3つの第1の仮想画像30A(画像a~画像c)があり、第1空間40Aとは別個の第2空間40Bに位置が定められた2つの第2の仮想画像30B(画像dおよび画像e)がある場合を例に挙げて説明する。このような例において、CPU11は、第1空間40Aに自装置(ユーザ)が位置している場合に、第2空間40Bに位置する第2の仮想画像30Bの存在を示す表示を表示部14に行わせてもよい。また、CPU11は、自装置(ユーザ)が第2空間40Bから第1空間40Aに移動した場合に、第2空間40Bに位置する第2の仮想画像30Bの存在を示す表示を表示部14に行わせてもよい。これにより、ユーザが部屋を移動した場合のように、一の空間から他の空間に移動した場合において、ユーザは、移動前の空間に第2の仮想画像30Bが存在することを簡易に認識することができる。
【0090】
具体的には、
図25に示すように、CPU11は、第2空間40Bに位置する第2の仮想画像30B(ここでは、画像dおよび画像e)のリストを含むリスト画面61を表示部14に表示させてもよい。第1空間40Aのうち視認領域41の外部にも第2の仮想画像30Bがある場合には、当該第2の仮想画像30Bをさらにリスト画面61に表示させてもよい。
【0091】
また、
図26に示すように、CPU11は、第1の操作に基づいて、第2空間40Bにある第2の仮想画像30B(ここでは、画像dおよび画像e)を表示部14に表示させてもよい。これにより、第1空間40Aにいながら、第2空間40Bにある第2の仮想画像30Bの内容を確認することができる。
【0092】
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態に係る表示システム1の構成について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態においてウェアラブル端末装置10のCPU11が実行していた処理の一部を外部の情報処理装置20が実行する点で第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との相違点について説明し、共通する点については説明を省略する。
【0093】
図27に示すように、表示システム1は、ウェアラブル端末装置10と、当該ウェアラブル端末装置10に通信接続された情報処理装置20(サーバ)とを備える。ウェアラブル端末装置10と情報処理装置20との間の通信経路の少なくとも一部は、無線通信によるものであってもよい。ウェアラブル端末装置10のハードウェア構成は、第1の実施形態と同様とすることができるが、情報処理装置20が実行する処理と同一の処理を行うためのプロセッサは省略してもよい。
【0094】
図28に示すように、情報処理装置20は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、操作表示部24と、通信部25などを備え、これらの各部はバス26により接続されている。
【0095】
CPU21は、各種演算処理を行い、情報処理装置20の各部の動作を統括制御するプロセッサである。CPU21は、記憶部23に記憶されたプログラム231を読み出して実行することで、各種制御動作を行う。
【0096】
RAM22は、CPU21に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0097】
記憶部23は、コンピュータとしてのCPU21により読み取り可能な非一時的な記録媒体である。記憶部23は、CPU21により実行されるプログラム231、および各種設定データなどを記憶する。プログラム231は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部23に格納されている。記憶部23としては、例えばフラッシュメモリを備えたSSD、またはHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶装置が用いられる。
【0098】
操作表示部24は、液晶ディスプレイ等の表示装置と、マウスおよびキーボードといった入力装置とを備える。操作表示部24は、表示装置において表示システム1の動作ステータスや処理結果等の各種表示を行う。ここで、表示システム1の動作ステータスには、ウェアラブル端末装置10のカメラ154によるリアルタイムの撮影画像が含まれてもよい。また、操作表示部24は、入力装置に対するユーザの入力操作を操作信号に変換してCPU21に出力する。
【0099】
通信部25は、ウェアラブル端末装置10と通信を行ってデータを送受信する。例えば、通信部25は、ウェアラブル端末装置10のセンサー部15による検出結果の一部または全部を含むデータ、およびウェアラブル端末装置10が検出したユーザの操作(ジェスチャー)に係る情報などを受信する。また、通信部25は、ウェアラブル端末装置10以外の他の装置との通信が可能であってもよい。
【0100】
このような構成の表示システム1において、情報処理装置20のCPU21は、第1の実施形態においてウェアラブル端末装置10のCPU11が実行していた処理の少なくとも一部を実行する。例えば、CPU21は、深度センサー153による検出結果に基づいて空間40の3次元マッピングを行ってもよい。また、CPU21は、センサー部15の各部による検出結果に基づいて空間40内におけるユーザの視認領域41を検出してもよい。また、CPU21は、ウェアラブル端末装置10のユーザの操作に応じて仮想画像30に係る仮想画像データ132を生成してもよい。また、CPU21は、深度センサー153およびカメラ154による撮像画像に基づいてユーザの手(および/または指)の位置および向きを検出してもよい。また、CPU21は、リスト画面61の表示に係る処理、および/または第2の仮想画像30Bを視認領域41に移動させる処理を実行してもよい。
【0101】
CPU21による上記の処理結果は、通信部25を介してウェアラブル端末装置10に送信される。ウェアラブル端末装置10のCPU11は、受信した処理結果に基づいてウェアラブル端末装置10の各部(例えば表示部14)を動作させる。また、CPU21は、ウェアラブル端末装置10に制御信号を送信して、ウェアラブル端末装置10の表示部14の表示制御を行ってもよい。
【0102】
このように、情報処理装置20において処理の少なくとも一部を実行することで、ウェアラブル端末装置10の装置構成を簡素化することができ、また製造コストを低減することができる。また、より高性能な情報処理装置20を用いることで、MRに係る各種の処理を高速化および高精度化することができる。よって、空間40の3Dマッピングの精度を高めたり、表示部14による表示品質を高めたり、ユーザの動作に対する表示部14の反応速度を高めたりすることができる。
【0103】
〔その他〕
なお、上記実施形態は例示であり、様々な変更が可能である。
例えば、上記の各実施形態では、ユーザに現実空間を視認させるために、光透過性を有するバイザー141を用いたが、これに限られない。例えば、遮光性を有するバイザー141を用い、カメラ154により撮影された空間40の画像をユーザに視認させてもよい。すなわち、CPU11は、カメラ154により撮影された空間40の画像、および当該空間40の画像に重ねられた第1の仮想画像30Aを表示部14に表示させてもよい。このような構成によっても、現実空間に仮想画像30を融合させるMRを実現できる。
【0104】
また、カメラ154による現実空間の撮影画像に代えて、予め生成された仮想空間の画像を用いることで、仮想空間にいるように体感させるVRを実現できる。このVRにおいても、ユーザの視認領域41が特定されて、仮想空間のうち視認領域41の内部にある部分、および視認領域41の内部に表示位置が定められている仮想画像30が表示される。よって、上記各実施形態と同様に、視認領域41の外部にある第2の仮想画像30Bを示すための表示動作を適用できる。
【0105】
ウェアラブル端末装置10は、
図1に例示した環状の本体部10aを有するものに限られず、装着時にユーザが視認可能な表示部を有していれば、どのような構造であってもよい。例えば、ヘルメットのように頭部全体を覆う構成であってもよい。また、メガネのように、耳に掛けるフレームを有し、フレーム内に各種機器が内蔵されていてもよい。
【0106】
仮想画像30は必ずしも空間40において静止していなくてもよく、所定の軌跡で空間40の内部を移動していてもよい。
【0107】
ユーザのジェスチャーを検出して入力操作として受け付ける例を用いて説明したが、これに限られない。例えば、ユーザが手に持ったり、体に装着したりして使用するコントローラにより入力操作が受け付けられてもよい。
【0108】
その他、上記実施の形態で示した構成および制御の具体的な細部は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態で示した構成および制御を適宜組み合わせ可能である。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本開示は、ウェアラブル端末装置、プログラムおよび表示方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 表示システム
10 ウェアラブル端末装置
10a 本体部
11 CPU(プロセッサ)
12 RAM
13 記憶部
131 プログラム
132 仮想画像データ
14 表示部
141 バイザー(表示部材)
142 レーザースキャナー
15 センサー部
151 加速度センサー
152 角速度センサー
153 深度センサー
154 カメラ
155 アイトラッカー
16 通信部
17 バス
20 情報処理装置
21 CPU
22 RAM
23 記憶部
231 プログラム
24 操作表示部
25 通信部
26 バス
30 仮想画像
30A 第1の表示画像
30B 第2の表示画像
31 機能バー
32 ウィンドウ形状変更ボタン
33 クローズボタン
40 空間
40A 第1空間
40B 第2空間
41 視認領域
51 仮想線
52 ポインタ
61 リスト画面
62 インジケーター
63 チェックボックス
64 削除ボタン
65 スクロール画面
66 スクロールバー
67 経路
68 ライン
U ユーザ
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示のウェアラブル端末装置は、ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置であって、少なくとも一つのプロセッサを備える。前記少なくとも一つのプロセッサは、空間内における前記ユーザの視認領域を検出する。前記少なくとも一つのプロセッサは、前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させる。前記少なくとも一つのプロセッサは、前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、第1の操作に基づいて、前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本開示のプログラムは、ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置の表示部を制御可能なコンピュータに、空間内における前記ユーザの視認領域を検出する処理を実行させる。前記プログラムは、前記コンピュータに、前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を前記表示部に表示させる処理を実行させる。前記プログラムは、前記コンピュータに、前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、第1の操作に基づいて、前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる処理を実行させる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本開示の表示方法は、ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置における表示方法である。当該表示方法では、空間内における前記ユーザの視認領域を検出する。前記表示方法では、前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させる。前記表示方法では、前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、第1の操作に基づいて、前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置であって、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
空間内における前記ユーザの視認領域を検出し、
前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させ、
前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、第1の操作に基づいて、前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、ウェアラブル端末装置。
【請求項2】
前記表示部は、光透過性を有する表示部材を備え、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記表示部材を通して視認される前記空間に前記第1の仮想画像が視認されるように、前記第1の仮想画像を前記表示部材の表示面に表示させる、請求項1に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項3】
前記空間を撮影するカメラを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記カメラにより撮影された前記空間の画像、および当該空間の画像に重ねられた前記第1の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項1に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記視認領域のうち前記ユーザの位置から所定の操作対象範囲内の位置に前記第2の仮想画像を表示させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第2の仮想画像の大きさを変更して前記表示部に表示させる、請求項1~4のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の仮想画像および前記第2の仮想画像を所定の態様で整列させる、請求項1~5のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項7】
前記仮想画像は、第1面および第2面を有し、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記ユーザに前記第1面および前記第2面のうち一方が向くように前記第1の仮想画像および前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項1~6のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の仮想画像を第1の規則に従う態様で前記表示部に表示させ、前記第2の仮想画像を前記第1の規則とは異なる第2の規則に従う態様で前記表示部に表示させる、請求項1~7のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項9】
前記仮想画像は、第1面および第2面を有し、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させた後、所定の操作に応じて少なくとも一部の仮想画像の表示する面を変更する、請求項1~8のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の仮想画像および前記第2の仮想画像を所定の条件に基づく順序で配列させる、請求項1~9のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つのプロセッサは、複数の前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる場合に、スクロール操作によって当該複数の第2の仮想画像の任意の一部を表示可能なスクロール画面を前記表示部に表示させる、請求項1~10のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の仮想画像の少なくとも一部に重なるように前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項1~11のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項13】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の仮想画像および前記第2の仮想画像の一方を、他方よりも目立たせる所定の強調態様で前記表示部に表示させる、請求項1~12のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項14】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第1の操作に基づいて前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させているときに第2の操作がなされた場合に、少なくとも一部の前記第2の仮想画像を元の位置に戻す、請求項1~13のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第2の仮想画像を、前記ユーザの正面を通る経路で元の位置まで移動させる、請求項14に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項16】
前記少なくとも一つのプロセッサは、元の位置に戻した前記第2の仮想画像と、前記視認領域内の所定位置とを紐付けるラインを前記表示部に表示させる、請求項14または15に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項17】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記ラインに対する所定の操作に応じて、前記ラインが紐付けられている前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項16に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項18】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
第1空間、および前記第1空間とは別個の第2空間のいずれか一方に位置する前記仮想画像を生成し、
前記第1空間に自装置が位置している場合に、前記第2空間に位置する前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項1~17のいずれか一項に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項19】
前記少なくとも一つのプロセッサは、自装置が前記第2空間から前記第1空間に移動した場合に、前記第2空間に位置する前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、請求項18に記載のウェアラブル端末装置。
【請求項20】
ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置の表示部を制御可能なコンピュータに、
空間内における前記ユーザの視認領域を検出する処理、
前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を前記表示部に表示させる処理、
前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、第1の操作に基づいて、前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる処理、
を実行させる、プログラム。
【請求項21】
ユーザが装着して使用するウェアラブル端末装置における表示方法であって、
空間内における前記ユーザの視認領域を検出し、
前記空間に位置する仮想画像のうち、前記視認領域の内部に位置する第1の仮想画像を表示部に表示させ、
前記視認領域の外部に位置する第2の仮想画像がある場合に、第1の操作に基づいて、前記第2の仮想画像を前記表示部に表示させる、表示方法。