(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109690
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】合板パネルの修復解決策
(51)【国際特許分類】
B27D 1/00 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
B27D1/00 A
B27D1/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024079179
(22)【出願日】2024-05-15
(62)【分割の表示】P 2021510790の分割
【原出願日】2019-06-07
(31)【優先権主張番号】20185760
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(71)【出願人】
【識別番号】502384266
【氏名又は名称】ラウテ・オーワイジェイ
【氏名又は名称原語表記】RAUTE OYJ
【住所又は居所原語表記】RAUTETIE 2, FI‐15550 NASTOLA, FINLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】カウラネン エルッキ
(72)【発明者】
【氏名】マキネン アンッティ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、合板パネルを修復するためのシステムに関する。
【解決手段】前記システムは、前記合板パネル(100)を走査するための少なくとも1つの検出装置(120)と、前記合板パネル(100)の修復操作を実行する少なくとも1つの修復装置(130)と、前記合板パネル(100)を搬送するコンベヤ装置(150)と、前記少なくとも1つの検出装置(120)で前記合板パネル(100)の走査操作を実行する前記システム内の前記合板パネル(100)を停止するために、また前記検出装置(120)で得られた情報に基づいて、前記少なくとも1つの修復装置(130)で修復操作を実行する合板パネル(100)を停止するために、前記コンベヤ装置(150)への少なくとも1つの制御信号を生成するための制御装置(160)と、を備える。本発明のいくつかの態様は、修復操作を実行するための方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合板パネル(100)を修復するためのシステムであって、前記システムは、
前記合板パネル(100)を走査する少なくとも1つの検出装置(120)と、
前記合板パネル(100)の修復操作を実行する少なくとも1つの修復装置(130)と、
前記合板パネル(100)を搬送するコンベヤ装置(150)と、
前記少なくとも1つの検出装置(120)で前記合板パネル(100)の走査操作を実行する前記システム内の前記合板パネル(100)を停止するために、また前記検出装置(120)で得られた情報に基づいて、前記少なくとも1つの修復装置(130)で修復操作を実行する前記合板パネル(100)を停止するために、前記コンベヤ装置(150)への少なくとも1つの制御信号を生成するための制御装置(160)と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの検出装置(120)が、走査中に前記合板パネル(100)上を少なくとも部分的に移動するように配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの修復装置(130)が、前記少なくとも1つの検出装置(120)で走査されるのと同じ位置で前記合板パネル(100)に対して修復操作を実行するように構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムが、前記合板パネル(100)を保持するための少なくとも1つの保持装置(210)をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの保持装置(210)は、プレスフットを備えた少なくとも1つのアクチュエータか、吸着カップを備えた少なくとも1つのアクチュエータのいずれかである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
吸着カップを備えた前記アクチュエータは、前記合板パネル(100)の反対側で前記少なくとも1つの修復装置(130)に対して作動するように配置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンベヤ装置(150)が、前記システムの中に前記合板パネル(100)を搬送することと、前記システムから前記合板パネル(100)を搬出することのうちの少なくとも1つを実行するように配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、前記システム内の前記合板パネル(100)の位置を決定するための測定データを取得するための少なくとも1つのセンサをさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサは、フォトセル、超音波センサ、静電容量センサのうちの1つである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの合板パネル(100)を修復するための方法であって、
合板パネル(100)を受け取るステップと、
少なくとも1つの検出装置(120)によって、第一の停止位置にある前記合板パネル(100)を走査するステップと、
少なくとも1つの修復装置(130)によって、制御装置(160)からの制御信号の受信に応答して、第二の停止位置で前記合板パネル(100)に対する修復操作を実行するステップであって、前記制御装置(160)は、前記少なくとも1つの検出装置(120)で得られた情報に基づいて、前記合板パネル(100)の欠陥の検出に応答して、前記少なくとも1つの修復装置(120)への前記制御信号を生成するように構成されている、ステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記制御装置(160)が、前記合板パネル(100)を停止するためにコンベヤ装置(150)への制御信号を生成するように配置されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第一の停止位置および前記第二の停止位置が同じである、請求項10または11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、木製品の製造の技術分野に関する。より具体的には、本発明は、合板製品の修復に関する。
【背景技術】
【0002】
合板の製造は、複数の段階からなるプロセスである。全体像では、主な段階は、丸太からのベニヤシートの準備、ベニヤシートからの合板の準備、および合板の仕上げである。合板の仕上げは、修復フェーズで構成され、その修復フェーズで、合板の品質を検査し、検査中に見つかった欠陥を修復するために必要な措置を講じる。欠陥のいくつかの非限定的な例は、節、節穴、亀裂、割れ目、色のずれなどである。
【0003】
従来技術の解決策では、合板パネルの修復は、生産ラインタイプの修復解決策で実行される。そこで、合板パネルはコンベヤラインで検査装置に運ばれる。検査装置は、例えば、問題の合板パネルを走査し、走査したデータを分析して、少なくとも1つの修復ツールに向けた修復コマンドを生成する。修復ツールは、修復中のパネルが生産ラインで前進するときに合板パネルの欠陥に適用可能な修復操作を実行し、修復が実行されると、合板パネルは生産ラインの最後で、すなわち、修復ラインで、スタックに集められる可能性がある。この種のアプローチは、特許文献1で採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来技術の解決策の欠点は、従来技術による修復ラインを取得するのが高価なことであるが、特にすべての費用を考慮に入れると、使用するのも高価なことである。費用の一部は、修復ラインの設置に要する床面積が広いことが必要なために、発生する。さらに、修復ラインの設置は困難で挑戦的である。したがって、少なくとも部分的に上記の欠点を軽減する木製パネルの修復を確立するために、代替の解決策を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下は、様々な発明の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。概要は、本発明の広範な概観ではない。本発明の主要または重要な要素を特定することも、本発明の範囲を区切ることも意図されていない。以下の概要は、本発明の例示的な実施形態のより詳細な説明への前置きとして、本発明のいくつかの概念を簡略化された形で提示するに過ぎない。
【0007】
本発明の目的は、少なくとも1つの合板パネルを修復するためのシステムおよび方法を提示することである。
【0008】
本発明の目的は、それぞれの独立特許項によって定義されるシステムおよび方法によって達成される。
【0009】
第一の態様によれば、合板パネルを修復するためのシステムが提供され、このシステムは、前記合板パネルを走査するための少なくとも1つの検出装置と、前記合板パネルの修復操作を実行する少なくとも1つの修復装置と、前記合板パネルを搬送するコンベヤ装置と、前記少なくとも1つの検出装置で前記合板パネルの走査操作を実行する前記システム内の前記合板パネルを停止するために、また前記検出装置で得られた情報に基づいて、前記少なくとも1つの修復装置で修復操作を実行する合板パネルを停止するために、前記コンベヤ装置への少なくとも1つの制御信号を生成するための制御装置と、を備える。
【0010】
前記少なくとも1つの検出装置は、走査中に前記合板パネル上を少なくとも部分的に移動するように配置され得る。
【0011】
さらに、前記少なくとも1つの修復装置は、前記少なくとも1つの検出装置で走査されるのと同じ位置で前記合板パネルに対して修復操作を実行するように構成され得る。
【0012】
前記システムは、前記合板パネルを保持するための少なくとも1つの保持装置をさらに備え得る。例えば、前記少なくとも1つの保持装置は、例えば、プレスフットを備えた少なくとも1つのアクチュエータか、吸着カップを備えた少なくとも1つのアクチュエータのいずれかであり得る。さらに、吸着カップを備えた前記アクチュエータは、前記合板パネルの反対側で前記少なくとも1つの修復装置に対して作動するように配置され得る。
【0013】
さらに、前記コンベヤ装置は、前記システムの中に前記合板パネルを搬送することと、前記システムから前記合板パネルを搬出することのうちの少なくとも1つを実行するように配置され得る。
【0014】
前記システムは、前記システム内の前記合板パネルの位置を決定するために、測定データを取得するための少なくとも1つのセンサをさらに備え得る。例えば、前記少なくとも1つのセンサは、フォトセル、超音波センサ、静電容量センサのうちの1つである。
【0015】
第二の態様によれば、少なくとも1つの合板パネルを修復するための方法が提供され、この方法は、合板パネルを受け取るステップと、少なくとも1つの検出装置によって、第一の停止位置にある前記合板パネルを走査するステップと、少なくとも1つの修復装置によって、制御装置からの制御信号の受信に応答して、第二の停止位置で前記合板パネルに対する修復操作を実行するステップであって、前記制御装置は、前記少なくとも1つの検出装置で得られた情報に基づいて、前記合板パネルの欠陥の検出に応答して、前記少なくとも1つの修復装置への前記制御信号を生成するように構成されている、ステップと、を含む。
【0016】
前記制御装置が、前記合板パネルを停止するためにコンベヤ装置への制御信号を生成するように配置され得る。
【0017】
前記第一の停止位置および前記第二の停止位置は、同じであってもよい。
【0018】
「数」という表現は、本明細書で、1から始まる任意の正の整数、例えば、1、2、または3を指す。
【0019】
「複数」という表現は、本明細書で、2から始まる任意の正の整数、例えば、2、3、または4を指す。
【0020】
この文書では、「備える」および「含む」という動詞は、引用されていない機能の存在を除外することも、要求することもないオープンな制限として使用される。従属請求項に記載されている特徴は、特に明記しない限り、相互に自由に組み合わせることができる。さらに、本文書全体において、「1つの(aまたはan)」、すなわち、単数形の使用は、複数を除外しないことを理解されたい。
【0021】
構造および操作方法の両方に関する本発明の様々な例示的で非限定的な実施形態は、追加の目的およびその利点とともに、特定の例示的で非限定的な実施形態の以下の説明を、添付の図面に関連して読むと最もよく理解されるであろう。
【0022】
本発明の実施形態は、添付の図面の図において、限定としてではなく、例として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態による合板パネル修復システムを概略的に示す。
【
図2】本発明の別の実施形態による合板パネル修復システムを概略的に示す。
【
図3】本発明のさらに別の実施形態による合板パネル修復システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明で提供される特定の例は、添付の特許請求の範囲の枠および/または適用可能性を制限するものとして解釈されるべきではない。以下の説明に記載されている例のリストとグループは、特に明記されていない限り、網羅的なものではない。
【0025】
図1は、本発明の実施形態による合板パネル100修復システムを概略的に示す。合板パネル修復システムは、システムに入力された合板パネル100が、所定の欠陥を含むかどうかを決定するのに必要な装置と、1つまたは複数の所定の欠陥があると決定された場合、合板パネル100に対して少なくとも1つの修復操作を実行するのに必要な装置と、を含むエンティティを参照することができる。様々な実施形態によるシステムは、システム内の合板パネル100を走査する検出装置120を含み得る。検出装置120を用いて、処理中の合板パネル100を走査することができ、走査によって得られたデータを分析することによって、問題の合板パネル100に関して修復操作を行うべきかどうかを決定することができる。適用可能な検出装置120の非限定的な例は、カメラなどの画像キャプチャ装置、またはレーザスキャナで、別名、レーザプロファイルセンサであり得る。検出装置120は、例えば、シャフト140によって、フレーム構造110内に移動可能に配置することができ、その結果、合板パネル100に関する必要な情報を得るために、走査中に合板パネル100上を少なくとも部分的に移動するように配置され得る。さらに、システムは、少なくとも1つの修復装置130、すなわち、検出された欠陥の少なくともいくつかを修復することができるツールを備え得る。
図1に概略的に示されている非限定的な実装は、2つの修復装置130を備える。修復装置130は、また、修復中の合板パネル100上を少なくとも部分的に移動するように構成され得る。例えば、検出装置120と同様の種類のシャフト140配置を有する。修復装置130は、例えば、検出された欠陥を機械的に修正するためのツールと、欠陥または修正された欠陥に物質を入力するためのツールとを備え得る。例えば、修復装置130は、パテ埋め装置であり得る。
【0026】
修復システムは、修復中の合板パネル100が検出装置120で走査され、走査によって生成されたデータが分析されるように操作するように構成され得る。合板パネル100に所定の欠陥があるという検出に応答して、修復操作を実行するために、制御信号が修復装置130に生成され得る。前述のように、検出装置120および修復装置は、例えば、コンベヤ装置150の操作方向に対して横方向にコンベヤ装置上に延びる1つまたは複数のシャフト140に取り付けられ得る。シャフト140は、コンベヤ装置150の上に配置された1つまたは複数のレールに沿って移動するように配置され得、運動力は、例えば、それぞれのリニアモータで生成され得る。いくつかの他の実施形態では、シャフト140は、コンベヤ装置の操作方向に平行に配置され得る。すなわち、走査装置120および修復装置130は、コンベヤ装置150の操作方向に対して横方向に、すなわち、合板パネル100の移動方向に関して、操作する。さらに、それぞれの装置の少なくともいくつか、すなわち、検出装置120および修復装置130は、問題のシャフト140に移動可能に取り付けられ得る。例えば、そのため、レールはシャフト140内に配置され、それに沿って、装置120、130は、操作のためにそれ自体を配置するために移動するように配置され得る。そのような構成では、装置120、130および/またはレールは、必要な運動発生装置、例えば、適用可能な空気エンジンまたは適用可能なリニアモータなどを備え得る。さらに、装置120、130自体は、垂直方向への移動を可能にするアクチュエータをさらに備え得るが、それは、例えば、修復作業のために合板パネル100に到達するためである。
【0027】
一般的に言えば、システムは、説明された方法で配置された1つまたは複数のシャフト140を備え得る。検出装置120および修復装置130は、それ自体のシャフト140に配置され得るか、または装置120、130は、同じシャフト140に配置され得るか、あるいはシステムが、言及された装置120、130の複数の少なくとも1つを含む場合、説明したシャフト140の組み合わせを適用することができる。1つの有利な実施形態では、システムは、1つのシャフト140に2つの検出装置120が固定するように取り付けられ、同じシャフト140が、シャフト140に移動可能に取り付けられた修復装置130をさらに備えるように実装される。さらに、別の修復装置130は、別のシャフト140に移動可能に取り付けられる。そのような実装は、
図1に概略的に示されるものに対応する。
【0028】
修復システムの全体的な制御、したがって、少なくとも走査操作の少なくとも制御、分析、および修復装置130の制御、ならびにコンベヤ装置150の制御は、制御装置160によって実行され得、制御装置160は、通信可能に、また操作可能に、システムに属する他のエンティティに結合され得る。エンティティと制御装置160との間の通信は、例えば、既知の通信技術を適用することによって、有線方式または無線方式のいずれかで実装することができる。さらに、いくつかの実施形態では、修復システムは、修復中の合板パネル100を所定の位置に保持することができる1つまたは複数の保持装置を備え得る。これは、走査操作が実行されるときだけでなく、修復装置130の制御信号が生成されるときにも、修復装置130が合板パネル100の正しい位置で修復操作を実行するのを達成するために、重要である。さらに、修復操作中に、合板パネル100を1つまたは複数の保持装置で所定の位置に保持することが必要な場合がある。有利なことに、走査操作および修復操作の両方が合板パネル100に対して実行され、その結果、パネルは、この両操作の間、正確に同じ位置に留まる。代替または追加として、合板パネル100が走査操作と修復操作との間を移動するかどうかを監視し、移動量を決定するようにシステムを構成することができるように配置され得る。このようにして、修復装置130への制御信号を生成するために、位置の変化を考慮に入れることが可能である。位置の変化の測定は、任意の適用可能な測定装置またはシステムを用いて実行され得る。適用可能な保持装置の非限定的な例は、プレスフットを備えたアクチュエータであり得、これは、制御装置160の制御中に合板パネル100を修復中で保持し、例えば、修復操作の準備ができたときに、合板パネル100を解放するように配置され得る。
【0029】
上記の説明で述べたように、様々な実施形態による本発明は、システム内で合板パネル100を搬送するコンベヤ装置150をさらに備え得る。制御装置160は、コンベヤ装置150の操作を制御するように、例えば、停止した合板パネル100に対して走査および修復操作を実行できるようにコンベヤ装置を停止するような方法で、配置され得る。上述のように、いくつかの実施形態では、システム内での走査操作および修復操作で、合板パネル100の位置が互いに異なることがある。したがって、制御装置160は、コンベヤ装置150への制御信号を生成して、検出装置120を用いた合板パネル100の走査操作および修復装置130を用いた修復操作を実行するために、システム内の合板パネル100を停止するように配置され得る。修復操作は、合板パネル100の欠陥の検出に応答して、検出装置120で得られた情報に基づいてのみ、実行され得る。
【0030】
コンベヤ装置150自体は、1つまたは複数のベルトを含むコンベヤベルトタイプの解決策であり得る。ベルトの幅は、システムの全体的な操作が確認されるように選択できる。複数のベルトは、互いに適切な距離を置いて互いに平行に配置することができる。
【0031】
図1に概略的に示されている非限定的な例では、システムは、検出装置120のシャフトおよび修復装置130のシャフトがアイドル状態でシステムの異なる端部に存在するように実装されている。その両方は、フレーム内でコンベヤ装置150の上に配置された1つまたは複数のレールに沿って移動するように配置することができ、レールに沿ってシャフトを移動させるための運動力は、例えば、それぞれのリニアモータで生成され得る。そのような実施形態では、検出装置120および修復装置130の操作は、少なくとも部分的に互いに連続している。いくつかの他の実施形態では、検出装置120および修復装置130は、アイドル状態で同じ端に留まるように構成され得る。すなわち、その両方が、システムの同じ端からそれらの操作を開始する。有利なことに、そのような実施形態では、専用レールをフレーム上の両方の装置に配置することができる。レールは、垂直方向に様々なレベルで配置されているため、前述の装置は、操作時に互いに垂直に通過できる。このような実施形態では、検出装置120および修復装置130の操作も互いに連続していてもよいが、同時操作も構成され得る。同時操作モードでは、競合状況を回避するために、装置の相互位置の監視を調整する必要がある。
【0032】
図2は、システムのさらなる態様を開示する側面図としてのシステムの実施形態を概略的に示す。すなわち、様々な実施形態で述べられているように、システムは、合板パネル100を操作中に少なくともいくつかのフェーズで静止状態に保持するための1つまたは複数の保持装置を備えることができる。前述の説明で述べたように、適用可能な保持装置は、例えば、合板パネルの上で操作するプレスフットであり、1つまたは複数のプレスフットは、合板パネル100を所定の位置に保持する必要性に応じて、合板パネル100をコンベヤ装置150に対して押すように制御され得る。
図2では、合板パネル100を所定の位置に保持するための別の実装が開示されている。そこでは、保持は、修復装置130が操作するよりもコンベヤ装置150上にある合板パネルの反対側から実行されるように配置されている。そのような実施形態における保持装置210は、それによって、問題の合板パネル100を把持することが可能であるようなものであり得る。適用可能なタイプの保持装置210は、例えば、合板パネル100から把持するのに適した吸着カップを備えたアクチュエータであり得る。必要に応じて、アクチュエータの数を選択することができる。本発明のいくつかの実施形態では、吸着カップを備えたアクチュエータを含む保持装置210は、最初に修復装置130が合板パネル100をコンベヤ装置150に押し付けるように制御され、次に保持装置210を用いて、反対側から合板パネル100を把持するように制御される。言い換えれば、修復装置130による押し付けは、合板パネル100の第一の側から反力を生成し、合板パネル100の反対側からの保持装置210との把持を可能にする。記載された方法での把持は、走査の前に、および少なくとも修復操作の前に、調整することができる。1つまたは複数の保持装置210は、例えば、保持装置210の少なくとも垂直方向への移動を可能にするためのアクチュエータとして、例えば、エアエンジンを適用することによって移動可能に配置することができる。本発明の様々な実施形態において、吸着カップを備えた複数の保持装置210は、その垂直方向が、例えば、エアエンジンで制御され得る同じ本体内に配置され得る。保持装置210を任意の水平方向に移動させる必要がある場合、検出装置120および修復装置130と同様に、リニアモータ配置を備えたレールの実装を適用することができる。説明した保持装置210は、また、吸着カップおよび他の必要な機器を用いた真空吸引に基づくことができる。当然のことながら、1つまたは複数の保持装置210の制御は、制御装置160によっても実行され得る。
【0033】
一般的に言えば、本発明は、システム内の合板パネル100の入力を制限するものではない。様々な実施形態によれば、コンベヤ装置150は、それがセル自体のサイズを超えるように配置され得る。すなわち、システム内の合板パネル100を搬送するように配置された同じコンベヤ装置150が、システム内に合板パネル100を搬送するように、および/またはシステムからそれを搬出するように延在し得る。あるいは、コンベヤ装置150は、システム内でのみ操作することができ、合板パネル100をシステムのコンベヤ装置150に入力するように配置された別のコンベヤ装置または輸送装置が存在する。システムの出力側でも同様の配置を確立できる。さらに、合板パネル100は、本発明のタスクに適用可能な他の輸送装置を用いて、システムに入力し、システムから出力することができる。
【0034】
例えば、
図3には、本発明の非限定的な例として、合板パネル100が入力セクションから本発明によるシステムにもたらされる実施形態が概略的に示されている。非限定的な例では、合板パネル100は、入力セクションにおいてスタック320としてもたらされ得、輸送装置310は、スタック320から少なくとも1つの最上部の合板パネル100をピックアップするように配置され、それを本発明によるシステムに輸送する。より具体的には、輸送装置310は、合板パネル100を輸送して、コンベヤ装置150のベルトなどのコンベヤ装置150上に配置されるように配置することができる。システムは、例えば、1つまたは複数のセンサで、これを検出し、合板パネル100を走査位置に搬送するように、配置することができる。走査は、検出装置120を用いて実行され、修復操作は、修復装置130を用いて実行され得る。前述のように、走査中および修復中の合板パネル100は、それぞれの操作中に、コンベヤ装置150の操作を制御することによって停止される。議論されるように、様々な実施形態によるシステムは、例えば、走査中および/または修復中に、合板パネル100を保持する保持装置210を含み得る。
図3に示す実施形態では、保持装置210は、プレスフットである。
図3に概略的に示されている本発明の非限定的な例は、共通のフレーム構造110が入力セクション、すなわちスタック側と、本発明によるシステムの両方に配置されるように実施される。しかしながら、フレーム構造110は、合板パネル100の輸送が何らかの方法で構成されている限り、エンティティごとに分離することができる。
図3の実施形態のコンベヤ装置150は、合板パネル100をシステムから搬出するように実装されているが、他の構成を使用することもできる。
【0035】
明確にするために、輸送装置310は、輸送される合板パネル100を把持することができる複数の把持装置を有する装置を実装することができる。グリッパ装置は、合板パネルに到達するために垂直方向に移動することができ、問題の物体を把持するための真空吸着または真空カップ(吸着カップを参照)などの手段を有することができるようなものであり得る。さらに、輸送装置160の実施は、フレーム構造110に取り付けられたレールに基づくことができ、そのレールに沿って、輸送装置310を移動させることができる。輸送装置310は、輸送装置310の運動を引き起こす力を生成して、合板パネルの輸送を達成するために、リニア電気モータなどの運動生成装置を備える。言い換えれば、輸送装置310は、合板パネル100を入力セクションとシステムとの間で、典型的には入力セクションAからシステムに輸送し、そこで輸送された合板パネル100を解放するように制御され得る。
【0036】
様々な実施形態による本発明は、システム内の合板パネル100の位置を監視するための1つまたは複数のセンサを含むことができ、センサデータに基づいて、制御ユニットは、コンベヤ装置150の操作を制御する1つまたは複数の制御信号を生成することができる。本発明の様々な実施形態では、検出装置120を使用して、位置データを導出することができる。代替または追加として、赤外線ベースのセンサのようなフォトセルなどのさらなるセンサを配置して、例えば、合板パネル100がコンベヤ装置150とともに搬送されるときに、合板パネル100の少なくとも1つのエッジを検出し、センサデータによる検出に基づいてコンベヤ装置150の操作を制御することも可能である。他の適用可能なセンサタイプは、例えば、超音波センサまたは静電容量センサである。センサを用いた操作は、センサの送信機と受信機との間の信号が合板パネル100、または合板パネル100の位置を表す他の任意の所定の要素によって遮断されたときに、検出されるように実施することができ、検出に基づいて、コンベヤ装置150を制御するための制御信号を生成することができる。複数のセンサの場合のように、様々なさらなる実装を確立することができ、位置を表す検出の共通値(平均値など)を生成し、コンベヤ装置150の制御に使用することができる。
【0037】
したがって、上記のようなシステムは、少なくとも1つの合板パネル100を修復するための方法を実行するように構成され得、この方法では、少なくとも1つの合板パネル100がシステムに受け入れられる。合板パネル100は、例えば、コンベヤ装置を介して受け入れられる。さらに、この方法では、少なくとも1つの合板パネル100、典型的にはシステムに入るすべての合板パネルを、システム内の検出装置120で走査することができ、合板パネル100の欠陥の検出に応答して、修復装置120への制御信号を生成するように構成された制御装置160からの制御信号の受信に応答して、修復装置130を用いて合板パネル100に対して修復操作を実行することができる。欠陥の検出は、走査中に停止した合板パネル100から検出装置120で得られた情報に基づいて、例えば、その得られた情報を分析することにより、実行することができる。この方法は、また、合板パネル100が走査位置にあるという検出に従って、制御装置160がコンベヤ装置150を停止するための制御信号を生成するステップを含み得る。あるいは、制御装置160は、前述の説明で論じたように、合板パネル100をシステム内で所定の距離だけ移動させるための制御信号を生成し、合板パネル100を別の位置で停止して修復操作を実行するように配置され得る。この方法に関連するさらなる態様は、システムの説明に記載されてきた。
【0038】
上記の説明から明らかになるように、本発明は、合板パネルを修復することが可能なシステムに関する。修復は、少なくとも検出操作および修復操作を含む。システムは、修復を実行するための装置および/または機能などの必要なエンティティを備える。修復を実行するように構成されたエンティティが本明細書の説明ではシステムと呼ばれる場合でも、合板パネルの修復を実行するために、説明されてきたように、必要な要素およびエンティティを備える装置として理解され得る。
【0039】
コンパクトなサイズの合板パネル修復システムを可能にするという利点に加えて、本発明によって、少なくともいくつかの操作のために合板パネル100を停止するというアイデアを用いて、さらなる利点を得ることができる。すなわち、走査のために合板パネル100を停止することにより、捕捉された画像の品質が改善され、したがって、欠陥の検出が改善され得る。特に、合板パネル100が走査操作と修復操作との間で静止している場合、修復の精度が著しく向上する可能性がある。その結果、修復された合板パネルの品質が高く、パテなどの修復物質の消費が最適化され得る。合板パネル100が走査操作と修復操作との間で管理可能な距離だけ動かされたとしても、同じ利点が実質的に達成され得る。合板パネルがコンベヤ装置に沿って移動する既存の解決策と比較して、合板パネルはそれらの位置を変えることができるが、本発明の利点は注目に値する。
【0040】
上記の説明で提供された特定の例は、添付の特許請求の範囲の適用性および/または解釈を制限するものとして解釈されるべきではない。上記の説明で提供されている例のリストおよびグループは、特に明記されていない限り、網羅的なものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合板パネル(100)を修復するためのシステムであって、前記システムは、
前記合板パネル(100)を走査する少なくとも1つの検出装置(120)と、
前記合板パネル(100)の修復操作を実行する少なくとも1つの修復装置(130)と、
前記合板パネル(100)を搬送するコンベヤ装置(150)と、
合板パネルがスタック(320)として入力される入力セクションから合板パネルのスタック(320)から前記合板パネル(100)をピックアップし、前記コンベヤ装置(150)上で前記合板パネル(100)を輸送するように配置された輸送装置(310)と、
前記少なくとも1つの検出装置(120)で前記合板パネル(100)の走査操作を実行する前記システム内の前記合板パネル(100)を停止するために、また前記検出装置(120)で得られた情報に基づいて、前記少なくとも1つの修復装置(130)で修復操作を実行する前記合板パネル(100)を停止するために、前記コンベヤ装置(150)への少なくとも1つの制御信号を生成するための制御装置(160)と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの検出装置(120)が、走査中に前記合板パネル(100)上を少なくとも部分的に移動するように配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの修復装置(130)が、前記少なくとも1つの検出装置(120)で走査されるのと同じ位置で前記合板パネル(100)に対して修復操作を実行するように構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムが、前記合板パネル(100)を保持するための少なくとも1つの保持装置(210)をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの保持装置(210)は、プレスフットを備えた少なくとも1つのアクチュエータか、吸着カップを備えた少なくとも1つのアクチュエータのいずれかである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
吸着カップを備えた前記アクチュエータは、前記合板パネル(100)の反対側で前記少なくとも1つの修復装置(130)に対して作動するように配置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記システム内の前記合板パネル(100)の位置を決定するための測定データを取得するための少なくとも1つのセンサをさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサは、フォトセル、超音波センサ、静電容量センサのうちの1つである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記輸送装置(310)は、少なくとも1つの前記合板パネル(100)を把持する複数の把持装置を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の前記把持装置は、垂直に移動可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の前記把持装置は、少なくとも1つの前記合板パネル(100)を把持する吸引手段を備えている、請求項9または請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記輸送装置(310)は、フレーム構造(110)上に取り付けられたレールに沿って移動するように配置されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記フレーム構造(110)は、少なくとも1つの前記検出装置(120)および少なくとも1つの前記修復装置(130)が前記合板パネル(100)上を少なくとも部分的に移動するように配置された1つまたは複数のレールを備える、請求項12に記載のシステム。
【外国語明細書】