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特開2024-109707車両の動作を支援するためにLIDARシステムの多数の機能を結合
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109707
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】車両の動作を支援するためにLIDARシステムの多数の機能を結合
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20240806BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20240806BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/931
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024079978
(22)【出願日】2024-05-16
(62)【分割の表示】P 2022573258の分割
【原出願日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】16/915,404
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】520390450
【氏名又は名称】オーロラ・オペレイションズ・インコーポレイティッド
【氏名又は名称原語表記】AURORA OPERATIONS, INC.
【住所又は居所原語表記】1654 Smallman Street, Pittsburgh, PA 15222, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100211052
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 雄二
(72)【発明者】
【氏名】バーバー・ゼブ
(72)【発明者】
【氏名】クラウチ・ステファン
(72)【発明者】
【氏名】カドレック・エミル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】LIDAR(light detection and ranging)システムは、半導体基板と、半導体基板に配置される一つ以上の光コンポネントとを含む。
【解決手段】一つ以上の光コンポネントは、レーザ光源から光ビームを受信し-前記光ビームはLO(local oscillator)信号に関連する-、光ビームを第1分割光ビームと第2分割光ビームとに分割し、第1分割光ビームと第2分割光ビームとを光装置に送信し、第1分割光ビームに関連する第1反射ビームと第2分割光ビームに関連する第2反射ビームとを光装置から受信し、第1反射ビームをLO信号とペアリングし、第2反射ビームをLO信号とペアリングするように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板及び前記半導体基板に取り付けられる一つ以上の光コンポネントを含むLIDAR(light detection and ranging)システムにおいて、前記一つ以上の光コンポネントは、
レーザ光源から光ビームを受信し-前記光ビームはLO(local oscillator)信号に関連する-、
前記光ビームを第1分割光ビームと第2分割光ビームとに分割し、
前記第1分割光ビームと前記第2分割光ビームとを光装置に送信し、
前記第1分割光ビームに関連する第1反射ビームと前記第2分割光ビームに関連する第2反射ビームとを前記光装置から受信し、
前記第1反射ビームを前記LO信号とペアリングし、前記第2反射ビームを前記LO信号とペアリングするように構成されるLIDARシステム。
【請求項2】
前記一つ以上の光コンポネントは、
前記レーザ光源または前記第2レーザ光源によって生成された第2光ビームを受信し-前記第2光ビームはLO信号に関連する-、
前記第2光ビームを第3分割光ビームと第4分割光ビームとに分割し、
前記第3分割光ビームと前記第4分割光ビームとを前記光装置に送信し、
前記第3分割光ビームに関連する第3反射ビームと前記第4分割光ビームに関連する第4反射ビームとを前記光装置から受信し、
前記第3反射ビームを前記第2LO信号とペアリングし、前記第4反射ビームを前記第2LO信号とペアリングするように更に構成される請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記一つ以上の光コンポネントは、
前記LO信号を受信し、
前記LO信号を第1分割LO信号と第2分割LO信号とに分割するように更に構成される請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項4】
前記一つ以上の光コンポネントはLO入力から前記LO信号を受信するが、前記LO入力における前記LO信号は5ワット未満である請求項3に記載のLIDARシステム。
【請求項5】
第1光探知器と、
第2光探知器と、を更に含むが、
前記一つ以上の光コンポネントは、
前記第1分割LO信号及び前記第1反射ビームを前記第1光探知器に提供し、前記第1光探知器が前記第1分割LO信号及び前記第1反射ビームによって第1電気信号を生成させるようにし、
前記第2分割LO信号及び前記第2反射ビームを前記第2光探知器に提供し、前記第2光探知器が前記第2分割LO信号及び前記第2反射ビームによって第2電気信号を生成させるように更に構成される請求項3に記載のLIDARシステム。
【請求項6】
前記第1電気信号及び前記第2電気信号に関連する信号漏話(crosstalk)は、1MHz及び200MHz内で-55dB以下である請求項5に記載のLIDARシステム。
【請求項7】
前記第1光探知器は一対のフォトダイオードを含むが、前記一対のフォトダイオードは30dB以上のCMRR(common mode rejection ratio)を有する請求項5に記載のLIDARシステム。
【請求項8】
前記第1光探知器は80kHzと650MHzとの間で3dBの帯域幅を有する請求項5に記載のLIDARシステム。
【請求項9】
前記第1光探知器は0.9A/W(amperes per watt)以上の反応度(responsivity)を有し、前記光ビームは1550ナノメートルと同じであるか実質的に同じ動作波長を有する請求項5に記載のLIDARシステム。
【請求項10】
5×10-12平方根ヘルツ当たりワット(Watts per square root Hertz)未満のピークNEP(noise-equivalent power)を有するTIA(transimpedance amplifier)を更に含み、前記第1光探知器は前記第1電気信号を前記TIAに提供するように構成される請求項5に記載のLIDARシステム。
【請求項11】
4キロΩと25キロΩとの間の利得を有するTIAを更に含み、前記第1光探知器は前記第1電気信号を前記TIAに提供するように構成される請求項5に記載のLIDARシステム。
【請求項12】
半導体基板は前記一つ以上の光コンポネントを含むが、前記半導体基板は複数の出力を含み、前記複数の出力それぞれは31.75マイクロメートルと381マイクロメートルとの間にあるピッチに関連する請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項13】
前記光ビームは1400ナノメートルと1600ナノメートルとの間の動作波長を有する請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項14】
自律走行車両において、
操向システムまたはブレーキングシステムのうち少なくとも一つと、
一つ以上のプロセッサを含む車両制御器と、を含むが、前記一つ以上のプロセッサは、
半導体基板に配置される一つ以上の光コンポネントがレーザ光源によって生成された光ビームを受信するようにし-前記光ビームはLO信号に関連する-、
前記一つ以上の光コンポネントが前記光ビームを第1分割光ビームと第2分割光ビームとに分割するようにし、
前記一つ以上の光コンポネントが第1分割光ビームと第2分割光ビームとを光装置に送信するようにし、
前記一つ以上の光コンポネントが前記第1分割光ビームに関連する第1反射ビームと、前記第2分割光ビームに関連する第2反射ビームとを光装置から受信するようにし、
前記一つ以上の光コンポネントが前記第1反射ビームをLO信号とペアリングするようにし、前記第2反射ビームをLO信号とペアリングするようにし、
前記LO信号とペアリングされた前記第1反射ビームと前記LO信号とペアリングされた前記第2反射ビームとを使用して、前記操向システムまたは前記ブレーキングシステムのうち少なくとも一つを制御する自律走行車両。
【請求項15】
請求項1乃至請求項13のうちいずれか一項に記載のLIDARシステムを含む自律走行車両制御システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(ら)に対する相互参照
本出願は、2020年6月29日に出願され、現在米国特許10,948,600号として登録されている特許出願第16/915,404号に対して優先権を主張し、このような出願の開示内容がいずれも本願に参照として統合される。
【背景技術】
【0002】
光探知と測距(detection and ranging)のために通常ニーモニック(mnemonic)であるLIDARと参照され、時にはレーダRADARと称される、レーザを使用した光学的距離探知は、高度測量(altimetry)から撮影、衝突回避まで多様なアプリケーションで使用される。LIDARはRADAR(radio-wave detection and ranging)のような従来のマイクロ波測距システムより小さいビームサイズを有するより微細なスケールの測距解像度を提供する。光学的距離探知は異なる技法で達成されるが、これらの技法は、オブジェクトに対する光パルスの往復移動時間(round trip travel time)に基づく直接測距と、送信されたチャープ(chirped)光信号とオブジェクトから散乱されたリターン信号との間の周波数の差に基づくチャープ探知と、遅延信号と区別可能な単一周波数位相変化シーケンスに基づく位相符号化探知とを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の側面はおよそ光学分野のLIDAR(light detection and ranging)に関し、特にLIDARシステムの多数の機能を結合して車両の動作を支援するシステム及び方法に関する。
【0004】
本明細書に開示された具現はLIDARシステムに関する。LIDARシステムはレーザ光源によって生成された光ビームを受信するように構成される一つ以上の光コンポネントを含むが、光ビームはLO(local oscillator/ローカルオシレータ)信号に関連する。一部の具現において、一つ以上の光コンポネントは、第1分割光ビームと第2分割光ビームとに光ビームを分割するように構成される。一部の具現において、一つ以上の光コンポネントは、第1分割光ビームと第2分割光ビームとを光装置に送信するように構成される。一部の具現において、一つ以上の光コンポネントは、第1分割光ビームに関連する第1反射ビームと第2分割光ビームに関連する第2反射ビームとを光装置から受信するように構成される。一部の具現において、一つ以上の光コンポネントは、第1反射ビームをLO信号とペアリング(pairing)し、第2反射ビームをLO信号とペアリングするように構成される。
【0005】
他の側面において、本開示はLIDARシステムの多数の機能を結合する方法に関する。一部の具現において、その方法はレーザ光源によって生成された光ビームを受信するステップを含むが、光ビームはLO信号と関連する。一部の具現において、その方法は、第1分割光ビームと第2分割光ビームとに光ビームを分割するステップを含む。一部の具現において、その方法は、第1分割光ビームと第2分割光ビームとを光装置に送信するステップを含む。一部の具現において、その方法は、第1分割光ビームに関連する第1反射ビームと第2分割光ビームに関連する第2反射ビームとを光装置から受信するステップを含む。一部の具現において、その方法は、第1反射ビームをLO信号とペアリングし、第2反射ビームをLO信号とペアリングするステップを含む。
【0006】
他の側面において、本開示は半導体基板、及び半導体基板に配置される一つ以上の光コンポネントを含むLIDARシステムに関する。一つ以上の光コンポネントは、レーザ光源によって生成された光ビームを受信するように構成されるが、ここで光ビームはLO信号に関連する。一つ以上の光コンポネントは、第1分割光ビームと第2分割光ビームとに光ビームを分割するように構成される。一つ以上の光コンポネントは、第1分割光ビームと第2分割光ビームとを光装置に送信するように構成される。一つ以上の光コンポネントは、第1分割光ビームに関連する第1反射ビームと第2分割光ビームに関連する第2反射ビームとを光装置から受信するように構成される。一つ以上の光コンポネントは、第1反射ビームをLO信号とペアリングし、第2反射ビームをLO信号とペアリングするように構成される。
【0007】
一部の具現において、一つ以上の光コンポネントは、レーザ光源または第2レーザ光源によって生成された第2光ビームを受信するように構成されるが、ここで第2光ビームはLO信号に関連する。一つ以上の光コンポネントは、第3分割光ビームを第2分割光ビームと第4分割光ビームとに分割するように構成される。一つ以上の光コンポネントは、第3分割光ビームと第4分割光ビームとを光装置に送信するように構成される。一つ以上の光コンポネントは、第3分割光ビームに関連する第3反射ビームと、第4分割光ビームに関連する第4反射ビームを光装置から受信するように構成される。一つ以上の光コンポネントは、第3反射ビームを第2LO信号とペアリングし、第4反射ビームを第2LO信号とペアリングするように構成される。
【0008】
一部の具現において、一つ以上の光コンポネントはLO信号を受信し、LO信号を第1分割LO信号と第2分割LO信号とに分割するように構成される。一つ以上の光コンポネントはLO入力からLO信号を受信するように構成されるが、ここでLO入力におけるLO信号は5ミリワットより小さい。
【0009】
一部の具現において、LIDARシステムは第1光探知器と第2光探知器とを含む。一つ以上の光コンポネントは、第1分割LO信号及び第1反射ビームを第1光探知器に提供し、第1光探知器が第1分割LO信号及び第1反射ビームによって第1電気信号を生成させるようにする。一つ以上の光コンポネントは、第2分割LO信号及び第2反射ビームを第2光探知器に提供し、第2光探知器が第2分割LO信号及び第2反射ビームによって第2電気信号を生成させるようにする。第1電気信号及び第2電気信号に関連する信号漏話(crosstalk)は、1MHz及び200MHz内で-55dB以下である。
【0010】
一部の具現において、第1光探知器は一対のフォトダイオードを有するが、一対のフォトダイオードは30dB以上のCMRR(common mode rejection ratio)を有する。第1光探知器は80kHzと650MHzとの間で3dBの帯域幅を有する。第1光探知器は0.9A/W(amperes per watt)以上の反応度(responsivity)を有する。光ビームは1550ナノメートルと同じあるかまたは実質的に同じ動作波長を有する。
【0011】
一部の具現において、LIDARシステムは、5×10-12平方根ヘルツ当たりワット(Watts per square root Hertz)未満のピークNEP(noise-equivalent power)を有するTIA(transimpedance amplifier)を含む。第1光探知器はTIAに第1電気信号を提供するように構成される。一部の具現において、LIDARシステムは、4キロΩと25キロΩとの間の利得を有するTIAを含む。第1光探知器はTIAに第1電気信号を提供するように構成される。
【0012】
一部の具現において、LIDARシステムは半導体基板を含む。半導体基板は一つ以上の光コンポネントを含む。半導体基板は複数の出力を含むが、複数の出力それぞれは31.75マイクロメートルと381マイクロメートルとの間のピッチ(pitch)に関連する。一部の具現において、光ビームは1400ナノメートルと1600ナノメートルとの間の動作波長を有する。
【0013】
一部の具現において、LIDARシステムは、一つ以上の光コンポネントが光ビームを受信する前に光ビームを変調するように構成される変調器を含む。変調器は600MHzと1000MHzとの間の変調帯域幅を有する。一部の具現において、第1反射ビーム及び第1分割光ビームに関連する信号漏話は1MHzと200MHz内で55dB以下である。一部の具現において、第1分割光ビームの第1反射ビームへの内部散乱はTx送信パワーに比べ-66dB以下である。散乱は維持される分極に関連する。一部の具現において、第1分割光ビームの第1反射ビームへの内部散乱はTx送信パワーに比べ-84dB以下である。一部の具現において、散乱はフリップ(filp)された分極に関連する。一部の具現において、第1分割光ビームは33%以下のデューティサイクル(duty cycle)を有する。
【0014】
他の側面において、本開示はLIDARシステムの多数の機能を結合する方法に関する。該当方法は、半導体基板に配置される一つ以上の光コンポネントがレーザ光源によって生成された光ビームを受信するステップを含むが、ここで光ビームはLO信号に関連する。該当方法は、一つ以上の光コンポネントが光ビームを第1分割光ビームと第2分割光ビームとに分割するステップを含む。方法は、一つ以上の光コンポネントが第1分割光ビームと第2分割光ビームとを光装置に送信するステップを含む。方法は、一つ以上の光コンポネントが第1分割光ビームに関連する第1反射ビームと第2分割光ビームに関連する第2反射ビームとを光装置から受信するステップを含む。方法は、一つ以上の光コンポネントが第1反射ビームをLO信号とペアリングし、第2反射ビームをLO信号とペアリングするステップを含む。
【0015】
他の側面において、本開示は自律走行車両制御システムに関する。自律走行車両制御システムは、半導体基板と、半導体基板に配置される一つ以上のLIDAR回路と、一つ以上のプロセッサとを含む。一つ以上のLIDAR回路は、レーザ光源によって生成された光ビームを受信するように構成される。光ビームはLO信号に関連する。一つ以上のLIDAR回路は、光ビームを第1分割光ビームと第2分割光ビームとに分割するように構成される。一つ以上のLIDAR回路は、第1分割光ビームと第2分割光ビームとを光装置に送信するように構成される。一つ以上のLIDAR回路は、第1分割光ビームに関連する第1反射ビームと第2分割光ビームに関連する第2反射ビームとを光装置から受信するように構成される。一つ以上のLIDAR回路は、第1反射ビームをLO信号とペアリングして第1ペアリング信号を生成し、第2反射ビームをLO信号とペアリングして第2ペアリング信号を生成するように構成される。一つ以上のプロセッサは、第1ペアリング信号及び第2ペアリング信号を使用して自律走行車両の動作を制御するように構成される。
【0016】
他の側面において、本開示はLIDARシステムに関する。LIDARシステムは、光信号を出力するように構成されるレーザ光源とトランシーバとを含む。トランシーバは複数の送信(TX)出力及び複数の受信(RX)入力を含むが、複数の送信出力を介して光信号が環境に出力され、複数の受信入力を介して光ビームが環境内のオブジェクトから受信される。トランシーバは一つ以上のLO信号を受信し、レーザ光源から受信された一つ以上の光信号を複数のTX出力を介して環境に送信し、環境で一つ以上のオブジェクトから反射されてリターンされた第1光を複数のRX入力を介して受信し、一つ以上のLO信号のうち第1LO信号及び第1反射光を出力するように構成される。複数のTX出力及び複数のRX入力はトランシーバの第1側面に位置する。
【0017】
一部の具現において、複数のTX出力及び複数のRX入力はトランシーバの第1側面でインタリーブ(interleave)される。一部の具現において、LIDARシステムは第1リターン光及び第1LO信号が出力される探知器を含む。一部の具現において、トランシーバは、複数のTX出力を含む第1半導体基板と、複数のRX入力を含む第2半導体基板とを含む。一部の具現において、第1半導体基板及び第2半導体基板は複数のTX出力のピッチまたは複数のRX入力のビッチに当たる間隔で配置される。
【0018】
一部の具現において、トランシーバは一つ以上のLO入力と、一つ以上のTX入力と、複数の第1出力とを含むが、一つ以上のLO入力を介して一つ以上のLO信号がトランシーバに提供され、一つ以上のTX入力を介して一つ以上の光信号がトランシーバに出力され、複数の第1出力に第1リターン光と第1LO信号が提供される。一つ以上のLO出力、一つ以上のTX入力、及び複数の第1出力はトランシーバの第2側面に位置する。トランシーバは複数の第2RX出力を更に含む。トランシーバは複数のRX入力を介して環境内で一つ以上のオブジェクトから反射された第2リターン光を受信し、複数の第2RX出力に第2リターン光及び一つ以上のLO信号のうち第2LO信号を提供するように構成される。一つ以上のLO入力、一つ以上のTX入力、複数の第1出力、及び複数の第2RX出力はトランシーバの第2側面に位置する。一つ以上のLO入力及び一つ以上のTX入力は、(1)複数の第1RX出力と(2)複数の第2RX出力との間に位置する。一部の具現において、LIDARシステムは、自由空間を介して複数のTX出力から送信された一つ以上の光信号を受信するように構成されるスキャナを更に含む。
【0019】
他の側面において、本開示はLIDARシステム及び一つ以上のプロセッサを含む自律走行車両制御システムに関する。LIDARシステムは、光信号を出力するように構成されるレーザ光源とトランシーバとを含む。トランシーバは複数の送信(TX)出力及び複数の受信(RX)入力を含むが、複数の送信出力を介して光信号が環境に出力され、複数の受信入力を介して光ビームが環境内のオブジェクトから受信される。トランシーバは一つ以上のLO信号を受信し、レーザ光源から受信された一つ以上の光信号を複数のTX出力を介して環境に送信し、環境で一つ以上のオブジェクトから反射されてリターンされた第1光を複数のRX入力を介して受信し、一つ以上のLO信号のうち第1LO信号と第1反射光を出力するように構成される。複数のTX出力及び複数のRX入力はトランシーバの第1側面に位置する。一つ以上のプロセッサは、第1リターン光及び第1LO信号を使用して自律走行車両の動作を制御するように構成される。
【0020】
一部の具現において、複数のTX出力及び複数のRX入力はトランシーバの第1側面でインタリーブされる。一部の具現において、トランシーバは、複数のTX出力を含む第1半導体基板と、複数のRX入力を含む第2半導体基板とを含む。一部の具現において、第1半導体基板及び第2半導体基板は複数のTX出力のピッチまたは複数のRX入力のビッチに当たる間隔で配置される。
【0021】
一部の具現において、トランシーバは一つ以上のLO入力と、一つ以上のTX入力と、複数の第1出力とを含むが、一つ以上のLO入力を介して一つ以上のLO信号がトランシーバに提供され、一つ以上のTX入力を介して一つ以上の光信号がトランシーバに出力され、複数の第1出力に第1リターン光と第1LO信号が提供される。一つ以上のLO出力、一つ以上のTX入力、及び複数の第1出力はトランシーバの第2側面に位置する。トランシーバは複数の第2RX出力を更に含む。トランシーバは複数のRX入力を介して環境内で一つ以上のオブジェクトから反射された第2リターン光を受信し、複数の第2RX出力に第2リターン光及び一つ以上のLO信号のうち第2LO信号を提供するように構成される。一つ以上のLO入力、一つ以上のTX入力、複数の第1出力、及び複数の第2RX出力がトランシーバの第2側面に位置する。
【0022】
他の側面において、本開示は自律走行車両に関する。自律走行車両は操向(steer)システムまたはブレーキシステム、LIDARシステム、及び少なくとも一つのプロセッサのうち少なくとも一つを含む。LIDARシステムは、光信号を出力するように構成されるレーザ光源とトランシーバとを含む。トランシーバは複数の送信(TX)出力及び複数の受信(RX)入力を含むが、複数の送信出力を介して光信号が環境に出力され、複数の受信入力を介して光ビームが環境内のオブジェクトから受信される。トランシーバは一つ以上のLO信号を受信し、レーザ光源から受信された一つ以上の光信号を複数のTX出力を介して環境に送信し、環境で一つ以上のオブジェクトから反射されてリターンされた第1光を複数のRX入力を介して受信し、一つ以上のLO信号のうち第1LO信号と第1反射光を出力するように構成される。複数のTX出力及び複数のRX入力はトランシーバの第1側面に位置する。一つ以上のプロセッサは、第1リターン光及び第1LO信号を使用して操向システムまたはブレーキシステムのうち少なくとも一つの動作を制御するように構成される。
【0023】
また他の側面、特徴、及び利点は本発明を行う前に考慮された最善もモードを含み、多数の特定の具現例を説明することで以下のような詳細な説明から容易に理解できるはずである。なお、他の具現例はまた、他の特徴とは異なる特徴及び利点を有し、多数の細部事項は本発明の思想及び範囲を逸脱せずに多様で明白な側面で変形され得る。よって、図面及び説明は本質的に例示的なものであって、制限するとみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
具現例は制限するのではなく例として図示されており、添付した図面において同じ参照番号は同じ構成要素を指す。
図1a】一部の具現による自律走行車両のためのシステム環境の例を示すブロック図である。
図1b】一部の具現による商業用自律走行トラックのためのシステム環境の例を示すブロック図である。
図1c】一部の具現による商業用自律走行トラックのためのシステム環境の例を示すブロック図である。
図1d】一部の具現による商業用自律走行トラックのためのシステム環境の例を示すブロック図である。
図2】一部の具現による自律走行車両のためのLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。
図3】一部の具現による車両の動作のための例示的なコヒーレント(coherent)LIDARトランシーバを示すブロック図である。
図4】一部の具現による2つの半導体基板の例示的なコヒーレントLIDARトランシーバを示すブロック図である。
図5】具現によるLIDARシステムの多数の機能を結合する例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
LIDARシステムは送信(Tx)経路及び受信(Rx)経路を含む。送信(Tx)経路はLO信号から導出された(またはLO信号に関連する)(時に「ビーム」と称される)光信号を提供するレーザ光源と、CW(Continuous Wave)変調まては準(quasi)CW変調を使用して光信号の位相及び/または周波数を変調する一つ以上の変調器と、信号を光学機器(例えば、振動式スキャナ、単方向スキャナ、リスレープリズム(Risley prism)、サーキュレータ光学機器(circulator optic)、及び/またはビームコリメータ(collimator)など)に伝送する前に変調された信号を増幅する増幅器とを含む。
【0026】
光学機器はTx経路から受信した増幅された光をオブジェクトに向かって与えられた視野内の環境に操向し、オブジェクトから反射されたリターン信号を受信し、リターン信号を受信(Rx)経路に提供するように構成される。
【0027】
受信(Rx)経路は、LO信号をリターン信号とミキシングして下向き変換された(down-converted)信号を生成するミキサ(例えば、50/50)と、下向き変換された信号を増幅するTIA増幅器とを含む。オブジェクトまでの距離を決定、及び/またはオブジェクトの速度を測定するために、Rx経路は下向き変換された(今は増幅された)信号を自律走行車両制御システムに提供する。
【0028】
従来のLIDARシステムにおいて、(時に「繊維ケーブル(fiber calbe)」と称される)繊維結合(fiber coupling)は、Tx経路、Rx経路、及び光学機器を互いに連結する。繊維結合は、異なるチャネルが異なるTx/Rxアパーチャー(aperture)及び光循環(optical circulation)方法と共に使用されるようにするということから、LIDARシステムをテストし開発する間に柔軟性を提供する。
【0029】
しかし、繊維結合のかさ高さ(bulkiness)は、LIDARの設計者が追加のチャネルを追加-それぞれはより多い繊維カップリングを必要とする-及び/またはLIDARシステムの規模を効率的で自動車アプリケーションに必要なサイズに減らす能力を制限する。
【0030】
よって、本開示は、LIDARシステムの(例えば、分割、収集、結合、再指向(redirect)、ペアリングなどの)多数の機能を結合して車両の動作を支援するシステム及び方法に関する。
【0031】
後述するように、およそ多重チャネルコヒーレントLIDARトランシーバのTx経路は、レーザ光源から光ビームを(Tx入力を介して)受信する。レーザ光源はLO信号に基づいて光ビームを生成する。コヒーレントLIDARトランシーバのTx経路は、光ビームを多数の光経路に分割(例えば、増加、複製、再生など)し、光ビームを一つ以上のオブジェクトに向かって自由空間に(Tx出力を介して)放出する。多重チャネルコヒーレントLIDARトランシーバのRx経路は、一つ以上のオブジェクトからRx導波管に反射されるリターン光を(Rx入力を介して)受信する。Rx導波管それぞれはTx経路の各Tx出力とペアリングされる。Rx経路はLO信号を多数のLO信号に分割し、次にLO信号はスプリッタ(splitters)(例えば、50/50)を使用してRx導波管からリターンされた光と結合される。Rx経路は結合された信号を一つ以上の探知器に(Rx出力を介して)提供する。
【0032】
ここに記載の多様な例示的な具現は、以下の特徴のうち一つ以上を含む:(1)コヒーレントLIDARトランシーバのTx及びLO入力それぞれは2つの入力に分割されるが、これらの入力はLIDARエンジンアーキテクチャとのマッチングを改善する;(2)自由空間へのTx/Rx出力は導波管がTx/Rx出力とインターリーブ(例えば、Tx-Rx-Tx-Rxなど)するコヒーレントLIDARトランシーバの一つのエッジに沿って発生するが、ここでピッチは自由空間循環の必要条件及び/またはビームコリメーション(collimation)光学機器によって定義される;(3)LO及びTx入力はペアリング(例えば、LO_A、LO_B;Tx_A、Tx_Bなど)されて独立したサブシステムとして機能する;(4)Tx入力への入力パワーレベルは高い(例えば、それぞれ>1ワット);(5)コヒーレントLIDARトランシーバ入力への繊維結合は高いパワーを受信する;(6)(時に「指向性」と称される)Tx経路のRx経路への(例えば、探知器に向かう)散乱はインタリーブされる間に非常に小さい;(7)出力面からの反射は最小化される(例えば、コヒーレントLIDARトランシーバのアングル型光沢(Angled polish)が使用される);(8)出力ビーム品質が導波管の出力と規定される際、コヒーレントLIDARトランシーバの出力もモードは高い品質(例えば、横方向電磁気(TEMOO)ビームからの低い歪み)を有するべきである;(9)LIDARシステムの機能(例えば、分割、収集、結合、再指向、ペアリングなど)は一つの統合された光子(photonic)装置に結合される;(10)コヒーレントLIDARトランシーバはPLC(programmable logic controller)を使用して具現される。
【0033】
上述した説明において、説明の目的のために、本発明の実施例に対する完全な理解を提供するために多様な特定の細部事項が提示されている。しかし、当業者にとって本開示はこのような特定の細部事項がなくても実施し得るということは明白である。他の例において、公知の構造及び装置は本開示を不要に不明確にすることを避けるためにブロック図の形態で示されている。
【0034】
1.自律走行車両のシステム環境
図1aは、一部の具現による自律走行車両のためのシステム環境の例を示すブロック図である。
【0035】
図1aを参照すると、例示的な自律走行車両100は本明細書で開示された多様な技法が具現される。例えば、車両100は、エネルギーソース106が動力を供給する原動機(prime mover)104を含み、駆動トレイン(drivetrain)108に動力を供給するパワートレイン(powertrain)102と、方向制御器(direction control)112と、パワートレイン制御器114と、ブレーキ制御器116とを含む制御機システム110を含む。車両100は人及び/または貨物を輸送し、多様な環境で走行する車両を含んで多様な形態に具現されるが、上述したコンポネント102乃至116はこのコンポネントが使用される車両のタイプに基づいて幅広く変わり得ることを理解できるはずである。
【0036】
単純性のために、以下で論議される具現は、例えば、乗用車、バン、トラック、バスなど、車輪を有する陸上車両に注力する。そのような具現において、原動機104は(他のもののうち)一つ以上の電気モータ及び/または内燃機関を含む。エネルギーソースは、例えば、(例えば、揮発油、ガソリン、ディーゼル、水素などを提供する)燃料システム、バッテリシステム、太陽光パネル、また他の再生可能エネルギーソース、及び/または燃料電池システムを含む。駆動トレイン108は、制御可能に車両100を停止または車両の速度を下げるように構成される一つ以上のブレーキと、車両100の軌跡を制御するのに適切な方向または操向コンポネント(例えば、車両100の一つ以上のホイールが一般に垂直軸に対して回転してホイールの回転平面角が車両の長軸に対して変わるようにするラックアンドピニオン(rack and pinion)操向連結装置)だけでなく、原動機104の出力を車両の動きに変換するトランスミッション及び/または任意の他の機械的な駆動コンポネントと共に動作するホイール及び/またはタイヤを含む。一部の具現において、パワートレイン及びエネルギーソースの結合が(例えば、電気/ガスハイブリッド車両の場合に)使用され、一部の例において(例えば、個別ホイールまたは軸に専用の)多数の電気モータが原動機として使用される。
【0037】
方向制御器112は、方向または操向コンポネントからのフィードバックを制御及び受信して車両100が所望の軌跡に沿うようにする一つ以上のアクチュエータ及び/またはセンサを含む。パワー制御器114はパワートレイン102の出力を制御し、例えば、原動機104の出力パワーを制御して駆動とレイン108内のトランスミッションのギヤなどを制御するように構成され、それによって車両100の速度及び/または方向を制御する。ブレーキ制御器116は、車両の速度を下げるか停止する一つ以上のブレーキ、例えば、車両のホイールと結合されるディスクまたはドラムブレーキを制御するように構成される。
【0038】
オフロード車両、全地形(all-terrain)または軌道(tracked)車両、建設装備などを含むが、それに限らない他の車両のタイプは、不可避に異なるパワートレイン、駆動トレイン、エネルギーソース、方向制御器、パワートレイン制御器、及びブレーキ制御器を使用する。また、一部の具現においてコンポネントの一部が結合されるが、例えば、ここで車両の後方制御は主に一つ以上の原動機の出力を変えて処理される。よって、本明細書に記載の具現は自律走行車輪陸上車両において本明細書に記載された技法の特別アプリケーションに制限されない。
【0039】
車両100に対する多様なレベルの自律走行制御器は車両制御器システム120で具現されるが、車両制御機システム120は一つ以上のプロセッサ112と一つ以上のメモリ124とを含み、各プロセッサ122はメモリ124に保存されているプログラムコード命令126を実行するように構成される。プロセッサ(ら)は、例えば、グラフィック処理ユニット(ら)(「GPU(s)」)及び/または中央処理ユニット(ら)(「CPU(s)」)を含む。
【0040】
センサ130は、車両の動作を制御するのに使用される車両の周辺環境からの情報収集に適合した多様なセンサを含む。例えば、センサ130は、レーダセンサ134と、LIDAR136センサと、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁気計、またはGPS、GLONASS(Globalnaya Navigazionnaya Sputnikovaya Sistema、またはGlobal Navigation Satellite System)、BDS(BeiDou Navigation Satellite System)、ガリレオ(Galileo)、コンパス(Compass)などのような衛星航法システムのうちいずれか一つである3D測位センサ138とを含む。3D測位センサ138は、衛星信号を使用して地球上の車両の位置を決定するのに使用される。センサ130は、カメラ140及び/またはIMU(inertial measurement unit)142を含む。カメラ140はモノグラフィックまたはステレオグラフィックカメラであり、静止画及び/または動画を録画する。IMU 142は、3方向で車両100の線形及び回転動きを探知する多数のジャイロスコープ及び加速度計を含む。ホイールエンコーダのような一つ以上のエンコーダ(図示せず)は、車両100の一つ以上のホイールの回転をモニタリングするのに使用される。各センサ130は他のセンサ130のデータ速度とは異なる多様なデータ速度でセンサデータを出力する。
【0041】
センサ130の出力は、位置追跡(localization)サブシステム152、計画(planning)サブシステム156、認識サブシステム154、及び制御サブシステム158を含む制御サブシステムセット150に提供される。位置追跡サブシステム152は、周辺環境内で、そしておよそ一部の参照フレーム内で車両100の位置と方向(時に「姿勢」とも称される)を正確に決定するような機能を行う。自律走行車両の位置は分類された(labeled)自律走行車両のデータ生成の一部であって、同じ環境内の追加の車両の位置と比較される。認識サブシステム154は、車両100の周辺環境内のオブジェクトを検出、追跡、決定、及び/または識別するような機能を行う。一部の具現による機械学習モデルがオブジェクトの追跡に使用される。計画サブシステム156は、環境内で停止または移動するオブジェクトだけでなく、所望の目的地が与えられた一部の時間フレームに対して車両100に対する軌跡を計画するような機能を行う。一部の具現による機械学習モデルがオブジェクトの追跡計画に使用される。制御器サブシステム158は、車両100の計画された軌跡を具現するために制御器システム120において多様な制御器を制御するための適切な制御器信号を生成するような機能を行う。機械学習モデルは、一つ以上の信号を生成して自律走行車両を制御し、計画された軌跡を具現するのに使用される。
【0042】
車両制御システム120に対する図1aに図示したコンポネントの収集は本質的に単なる例示であることを理解できるはずである。個別センサは一部の具現において省略される。追加的または代案的に、一部の具現において、図1に示した多様なタイプのセンサは重複されて及び/または車両周辺の異なる領域をカバーするために使用されるが、他のタイプのセンサが使用されてもよい。類似して、制御サブシステムの異なるタイプ及び/または結合が他の具現例で使用されてもよい。また、サブシステム152乃至158がプロセッサ122及びメモリ124と分離されていると示したが、一部の具現において、サブシステム152乃至158の一部または全ての機能が一つ以上のメモリ124に常住するプログラムコード命令126で具現されて一つ以上のプロセッサ122によって実行され、一部の例においてこのサブシステム152乃至158が同じプロセッサ(ら)及び/またはメモリを使用して具現されることを理解できるはずである。サブシステムは、少なくとも部分的に多様な専用回路ロジック、多様なプロセッサ、多様な「FPGA」(field programmable gate arrays)、多様な「ASIC」(application-specific integrated circuits)、多様なリアルタイム制御器などを使用して具現され、上述したように多数のサブシステムは回路、プロセッサ、センサ及び/または他のコンポネントを使用する。また、車両制御システム120内の多様なコンポネントは多様な方式でネットワーキングされる。
【0043】
一部の具現において、車両100はまた車両100用の重複またはバックアップ制御システムとして使用される2次車両制御システム(図示せず)を含む。一部の具現において、2次車両制御システムは、車両制御器システム120で異常反応(adverse event)イベントで自律走行車両100を全体作動させるに対し、他の具現例において、2次車両制御システムは、制限された機能、例えば、1次車両制御システム120で探知された異常反応に応答して車両100の制御された停止を行うことのみを有してもよい。他の具現例において、2次車両制御システムは省略される。
【0044】
およそソフトウェア、ハードウェア、回路ロジック、センサ、ネットワークなどの多様な結合を含む無数の異なるアーキテクチャが図1aに図示した多様なコンポネントの具現に使用される。各プロセッサは、例えば、マイクロプロセッサで具現され、各メモリは、例えば、キャッシュメモリ、非揮発性またはバックアップメモリ(例えば、プログラマブルまたはフラッシュメモリ)、ROM(read only memory)などの補充レベルのメモリだけでなく、メインストレージを含むRAM(random access memory)装置で具現される。また、各メモリは仮想メモリであって、例えば、大量ストレージ装置または他のコンピュータまたは制御器に保存されるとして使用されるストレージ容量だけでなく、車両100内のどこかに物理的に位置するメモリストレージ、例えば、プロセッサ内の任意のキャッシュメモリを含むと考慮される。図1aに示した一つ以上のプロセッサまたは全体的に分離されているプロセッサが自律制御の目的を逸脱して車両100内の追加の機能、例えば、娯楽システムの制御、ドア、照明、便宜性特徴などの動作の具現に使用される。
【0045】
また、追加のストレージの場合、車両100は一つ以上の大量ストレージ装置、例えば、他のもののうち取り外し可能なディスクドライブ、ハードディスクドライブ、「DASD」(direct access storage device)、光ドライブ(例えば、CDドライブ、DVDドライブなど)、「SSD」(solid state storage drive)、ネットワーク取り付けストレージ、ストレージ領域ネットワーク(storage area network)、及び/またはテープドライブなどを含む。
【0046】
また、車両100は、使用者インタフェース164を含んで車両100が使用者または運営者から多数の入力を受信するようにし、使用者または運営者のための出力、例えば、一つ以上のディスプレイ、タッチスクリーン、音声及び/またはジェスチャーインタフェース、ボタン、及び他の触覚制御器などを生成するようにする。そうではなければ、使用者入力は他のコンピュータまたは電子装置、例えば、ポータブル装置上のアプリを介してまたはウェブインタフェースを介して受信される。
【0047】
また、車両100は、一つ以上のネットワーク170(例えば、他のもののうち「LAN」(Local Area Network)、「WAN」(wide area network)、無線ネットワーク及び/またはインターネット)と通信に適合した一つ以上のネットワークインタフェース、例えば、ネットワークインタフェース162を含み、例えば、車両100が自律制御に使用するための環境及び他のデータを受信するクラウドサービスのような中央サービスを含む、他のコンピュータ及び電子装置との情報の通信を許容する。一つ以上のセンサ130によって収集されたデータは他の処理のためにネットワーク170を介してコンピューティングシステム172にアップロードされる。一部の具現において、アップロード前に車両データの各インスタンス(instance)にタイムスタンプが追加される。
【0048】
本明細書に記述された多様な追加の制御器及びサブシステムだけでなく、図1aに示した各プロセッサは、以下で詳細に説明されるようにおよそ運営体制の下で動作し、多様なコンピュータソフトウェアアプリケーション、コンポネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、データ構造などを実行するかそれに依存する。なお、多様なアプリケーション、コンポネント、プログラム、オブジェクト、モジュールはまた、例えば、分散された、クラウド基盤の、またはクライアント-サーバコンピューティング環境でネットワーク170を介して車両100と結合された他のコンピュータで一つ以上のプロセッサ上で実行されるが、それによってコンピュータプログラムの機能の具現に必要な処理がネットワークを介して多数のコンピュータ及び/またはサービスに割り当てられる。
【0049】
およそ、本明細書で記述された多様な具現例を具現するように実行されたルーティンは、運営体制または特定のアプリケーション、コンポネント、プログラム、オブジェクト、モジュールまたは命令シーケンス、或いはこれらのサブセットで具現されるのか否かによって本明細書では「プログラムコード」と称される。プログラムコードは多様な時間にコンピュータの多様なメモリ及び保存装置に常住し、一つ以上のプロセッサによって読み取られるか実行される場合、本開示の多様な側面を具現するステップまたはエレメントの実行に必要なステップを行う一つ以上の命令語を含む。また、具現例は完全に機能するコンピュータ及びシステムの脈略で説明されており、後述するが、本明細書で記述された多様な具現例はプログラム製品として多様な形態に配布されてもよく、実際にこの配布を行うのに使用されるコンピュータで読み取り可能な媒体の特別なタイプに関わらずに具現例が具現されるということを理解できるはずである。
【0050】
コンピュータで読み取り可能な媒体の例は、他のもののうち、揮発性及び非揮発性メモリ装置、フロッピーディスク及び他の取り外し可能なディスク、SSD(solid state drive)、ハードディスクドライブ、磁気テープ及び光ディスク(例えば、CD-ROM、DVDなど)のように触れることができて非一時的な媒体を含む。
【0051】
また、後述する多様なプログラムコードは特定の具現例で具現されるアプリケーションに基づいて識別される。しかし、後述する任意の特定のプログラムの名称は単に便宜のためのものであって、本開示はこのような名称によって識別及び/または示唆される任意の特定のアプリケーションにのみ制限されてはならない。また、コンピュータプログラムがルーティン、手順、方法、モジュール、オブジェクトなどに組織化される無数の方式だけでなく、プログラム機能が典型的なコンピュータに常住する多様なソフトウェア階層(例えば、運営体制、ライブラリ、API、アプリケーション、アプレットなど)に割り当てられる多様な方式が当てられれば、本開示は本明細書に記述されたプログラム機能の特定の組織及び割り当てに制限されないということを理解すべきである。
【0052】
図1aに示した環境は、本明細書に開示された具現を制限するように意図されない。確かに、他の代案的なハードウェア及び/またはソフトウエア環境が本明細書に開示された具現例を範囲を逸脱せずに使用される。
【0053】
2.自律走行アプリケーション用のFM LIDAR
トラックはLIDARシステム(例えば、図1aの車両制御システム120、図2のLIDARシステム201など)を含む。一部の具現において、LIDARシステムは周波数変調を使用して光信号をエンコーディングし、エンコーディングされた光信号を光学機器を使用して自由空間に散乱させる。エンコーディングされた光信号及びオブジェクトによって反射されたリターン信号との間の周波数の差を探知することで、FM(frequency modulated) LIDARシステムはオブジェクトの位置を決定し、及び/またはドップラー効果を利用してオブジェクトの速度を精密に測定する。一部の具現において、FM LIDARシステムは(FMCW LIDARと称される)連続波、または(FMQW LIDARと称される)準連続波を使用する。一部の具現において、LIDARシステムはPM(phase modulation)を使用して光信号をエンコーディングし、エンコーディングされた光信号を光学機器を使用して自由空間に散乱させる。
【0054】
FMまたは位相変調(PM)LIDARシステムは、自動走行及び/または商業的なトラックアプリケーションに対して従来のLIDARシステムより実質的な利点を提供する。一部の例において、オブジェクト(例えば、暗い色の服を着ている歩行者)は、FMまたはPM LIDARシステムのセンサ(例えば、図1aのセンサ130)にオブジェクトにぶつかった光の小さい量(例えば、10%以下)が反射されてリターンされるということから低い反射率を有する。他の例において、オブジェクト(例えば、道路表示板)は、FMまたはPM LIDARシステムのセンサにオブジェクトにぶつかった光の多い量が反射されてリターンされるということから(例えば、10%より高い)反射率を有する。
【0055】
オブジェクトの反射率とは関係なく、FM LIDARシステムは従来のLIDARシステムより遠い距離で(例えば、2x)オブジェクトを探知(例えば、分類、認識、発見など)することができる。例えば、FM LIDARシステムは300メートル向こうにある低い反射率オブジェクト、400メートル向こうにある高い反射率のオブジェクトを探知することができる。
【0056】
探知能力におけるこのような改善を達成するために、FM LIDARシステムはセンサ(例えば、図1aのセンサ130)を使用する。一部の具現において、そのようなセンサは単一光子に敏感であるが、これは最も小さい量の光の探知が可能であることを意味する。FM LIDARシステムは、一部のアプリケーションにおいて赤外線波長(例えば、950nm、1550nmなど)を使用するが、赤外線波長の範囲(例えば、近赤外線:800nm-1500nm;中間赤外線:1500nm-5600nm;及び遠赤外線:5600nm-1,000,000nm)に制限されない。FMまたはPM LIDARシステムを赤外線波長で作動させることで、FMまたはPM LIDAシステムは目の安全基準を満足しながらも、より強い光パルスまたは光ビームをブロードキャスティングすることができる。従来のLIDARシステムは時々単一光子に敏感ではなく、及び/または近赤外線波長でのみ作動し、目の安全上の理由で光出力(及び距離探知能力)を制限することが要求される。
【0057】
よって、より遠い距離でオブジェクトを探知することで、FM LIDARシステムは予期せぬ障害物に反応するのにより多くの時間を有する。確かに数ミリ秒の余分の時間さえ安全と安定を改善することができ、高速道路の速度で運転している大型車両(例えば、商業用トラック車両)の場合は特にそうである。
【0058】
FM LIDARシステム他の利点は、各データポイントに対して瞬間的に正確な速度を提供するということである。一部の具現において、速度の測定は半径方向の速度(例えば、探知されたオブジェクトとセンサとの間の方向ベクトル)またはレーザ信号の周波数のうち少なくとも一つに基づいて、オブジェクトから受信された光の周波数をシフトするドップラー効果を使用して達成される。例えば、速度が100m/s未満のオンロード(on-road)状況にある速度の場合、1550ナノメートル(nm)の波長においてこのようなシフトは130MHz未満の周波数シフトに当たる。このような周波数シフトは光ドメインで直接探知することが難しいくらい小さい。しかし、FMCW、PMCW、またはFMQW LIDARシステムにおいてコヒーレント探知を使用することで、信号はその周波数シフトが多様な信号処理技法を使用して計算されるようにRFドメインに変換される。これは自律走行車両制御システムが入力されるデータをより速く処理できるようにする。
【0059】
瞬間的な速度の計算はまた、FM LIDARシステムが距離またはオブジェクトとしての希少なデータポイントを決定し、及び/またはそのポイントが時間によってどのように移動するのか追跡することをより容易にする。例えば、FM LIDARセンサ(例えば、図1aのセンサ130)は300m離れたオブジェクトによる数個のリターン(例えば、ヒット(hit))のみを受信するが、そのリターンが関心速度値(例えば、>70mphの速度で車両に向かって移動)を提供すれば、FM LIDARシステム及び/または自律走行車両制御システムはオブジェクトに関連する確率に対するそれぞれの重みを決定する。
【0060】
FM LIDARシステムのより速い識別及び/または追跡は、自律走行車両制御システムに車両を起動させるためにより多くの時間を提供する。オブジェクトがどれぐらい速く移動するのかをよりよく知ることも、自律走行車両制御システムがよりよい反応を計画できるようにする。
【0061】
FM LIDARシステムの他の利点は、従来のLIDARシステムに比べ少なく静的であるということである。つまり、光により敏感に設計された従来のLIDARシステムは、通常明るい陽ざしでは低調に動作する。このようなシステムはまた、漏話(例えば、センサが互いの光パルスまたは光ビームによって混乱になる場合)及び自己干渉(例えば、センサが自らの以前の光パルスまたは光ビームによって混乱になる場合)に影響を受ける傾向がある。このような短所を克服するために、従来のLIDARシステムを使用する車両はこのような「雑音」を管理するために通常余分のハードウエア、複雑なソフトウェア、及び/またはより計算的な能力を必要とする。
それに対し、FM LIDARシステムはこのような問題を経験しない。なぜならば、各センサは自らの光特性(例えば、光ビーム、光波、光パルス)にのみ反応するように設計されているためである。リターン光が元々伝送されていたタイミング、周波数及び/または波長とマッチングしなければ、FMセンサはそのデータポイントをフィルタリングする(例えば、除去、無視などをする)。そのようなFM LIDARシステムはより少ないハードウエアまたはソフトウェアでより正確なデータを生産(例えば、生成、導出)し、より安全でスムーズな運転を可能にする。
【0062】
最後に、FM LIDARシステムは従来のLIDARシステムよりサイズ調整が容易である。より自律的な走行する車両(例えば、自動車、商業用トラックなど)が道路に現れたら、FM LIDARシステムを備えた車両なセンサ漏話による干渉問題に取り組む必要がない。また、FM LIDARシステムは従来のLIDARセンサより光ピークパワーを少なく使用する。そのようなFM LIDAR用の光コンポネントの一部または全部が単一のチップ上に生産され、本明細書で論議されたように固有の利点を作り出す。
【0063】
2.1 商業用トラック
図1bは、一部の具現による商業用自律走行トラックのためのシステム環境の例を示すブロック図である。環境100Bは貨物106Bを輸送ための商業用トラック102Bを含む。一部の具現において、商業用トラック102Bは長距離貨物輸送、地域貨物輸送、インターモーダル(intermodal)貨物輸送をするように構成された車両(つまり、道路基盤の車両が貨物を移動させるための多数の輸送モードのうち一つとして使用される運送)、及び/またはあるの他の道路基盤の貨物輸送アプリケーションを含む。一部の具現において、商業用トラック102Bは、フラットベッド(flatbed)トラック、冷蔵トラック(例えば、リーファー(reefer)トラック、通風バン(vented van)(例えば、乾式バン(dry van))、移動トラックなどである。一部の具現において、貨物106Bは商品及び/または生産物である。一部の具現において、商業用トラック102Bは、プラットベッドトレーラー、ローボーイ(lowboy)トレーラー、ステップデック(step deck)トレーラー、拡張可能なプラットベッドトレーラー、サイドキット(sidekit)トレーラーなどのように貨物106Bを運ぶためのトレーラーを含む。
【0064】
環境100Bは、トラックから30メートル以下の距離範囲内にある(図1bで他の車両として図示された)オブジェクト110Bを含む。
【0065】
商業用トラック102Bは、オブジェクト110Bまでの距離を決定、及び/またはオブジェクト110Bの速度を測定するためのLIDARシステム104B(例えば、図1aのFM LIDARシステム、車両制御システム120、図2のLIDARシステム201など)を含む。図1bは一つのLIDARシステム104Bが商業用トラック102Bの正面に取り付けられていることを示しているが、商業用トラックのLIDARシステムの個数及びLIDARシステムの取り付け領域は特定個数または特定領域に制限されない。商業用トラック102Bは、商業用トラック102Bの任意の領域(例えば、正面、後面、側面、上部、下部、底面、及び/または下部)に取り付けられる任意の個数のLIDARシステム104B(またはセンサ、変調器、コヒーレント信号生成器などのようなコンポーネント)を含み、商業用トラック102Bに対して任意の自由空間におけるオブジェクトの探知を容易にする。
【0066】
図示したように、環境100B内のLIDARシステム104Bは商業用トラック102Bから近い距離(例えば、30メートル以下)にあるオブジェクト(例えば、他の車両、自転車、木、街の表示板、窪んだところ(pothole)など)を探知するように構成される。
【0067】
図1cは、一部の具現による商業用自律走行トラックのためのシステム環境の例を示すブロック図である。環境100Cは、環境100Bに含まれる同じコンポーネント(例えば、商業用トラック102B、貨物106B、LIDARシステム104Bなど)を含む。
【0068】
環境100Cは、商業用トラックから(i)30メートルより大きい、及び(ii)150メートル以下の距離範囲にある(図1cに他の車両として図示された)オブジェクト110Cを含む。図示したように、環境100Cにおいて、LIDARシステム104Bは商業用トラック102Bからある距離(例えば、100メートル)にあるオブジェクト(例えば、他の車両、自転車、木、街の表示板、窪んだところなど)を探知するように構成される。
【0069】
図1dは、一部の具現による商業用自律走行トラックのためのシステム環境の例を示すブロック図である。環境100Dは、環境100Bに含まれる同じコンポーネント(例えば、商業用トラック102B、貨物106B、LIDARシステム104Bなど)を含む。
【0070】
環境100Dは、商業用トラック102Bから150メートルより大きい距離範囲にある(図1dに他の車両として図示された)オブジェクト100Dを含む。図示したように、環境100Dにおいて、LIDARシステム104Bは商業用トラック102Bからある距離(例えば、300メートル)にあるオブジェクト(例えば、他の車両、自転車、木、街の表示板、窪んだところなど)を探知するように構成される。
【0071】
商業用トラックアプリケーションにおいて、増加された重量及びそれによってそのような車両に必要なより長い停止距離による全ての範囲で効果的にオブジェクトを探知することが重要である。FM LIDARシステム(例えば、FMCW及び/またはFMQWシステム)またはPM LIDARシステムは上述した利点のため商業用トラックアプリケーションに非常に適切である。その結果、そのようなシステムを備えた商業用トラックは、人及び商品を短距離または長距離で安全に移動させるための改善された能力を有するため、商業用トラックだけでなく周辺車両の安全も改善する。多様な具現において、そのようなFMまたはPM LIDARシステムは、商業用トラックに運転者がいて、商業用トラックの一部の機能がFMまたはPM LIDARシステムを使用して自律的に作動する半自律走行アプリケーションに、または商業用トラックがFMにまたはPM LIDARシステム単独に、または他の車両システムと結合して全体作動する完全自律走行アプリケーションに使用される。
【0072】
3.連続波変調及び準連続波変調
CW変調を使用するLIDARシステムにおいて、変調器はレーザ光を連続して変調する。例えば、変調サイクルが10秒であれば、入力信号は全10秒間変調される。代わりに、準連続波変調を使用するLIDARシステムにおいて、変調器はレーザ光を変調して活性部及び非活性部を有する。例えば、10サイクルの場合、変調器は8秒間のみレーザ光をを変調するが(時に「活性部」と称する)、2秒間はレーザ光を変調しない(時に「非活性部」と称する)。このようにすることで、LIDARシステムは変調器が連続信号を提供する必要がないため、2秒間パワーの消費を減らすことができる。
【0073】
自律走行アプリケーションのためのFMCW LIDARにおいて、FMCW測定及び信号処理方法が使用される準CW変調を使用するLIDARシステムを動作させることが有利であるが、光信号は常にオン(on)(例えば、エネーブルされた、パワーオンされた、送信するなどの)状態ではない。一部の具現において、準CW変調は1%以上及び最大50%のデューティサイクルを有する。オフ(ディスエーブルされた、パワーダウンされたなどの)状態でエネルギーが実際の測定時間の間に所要されるのであれば、SNR(signal-to-noise ratio)に対するブースト(boost)及び/またはより長い時間領域で全てのエネルギーをコヒーレントに統合するための信号処理の必要条件の減少があり得る。
【0074】
4.多数のチャネルを有するコヒーレントLIDARトランシーバ
図2は、一部の具現による自律走行車両のためのLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。環境200は、送信(Tx)経路及び受信(Rx)経路を含むLIDARシステム201を含む。Tx経路は一つ以上のTx入力/出力ポート(図示せず)を含み、一つ以上のRx入力/出力ポート(図示せず)を含む。
【0075】
一部の具現において、半導体基板及び/または半導体パッケージはTx経路及びRx経路を含む。一部の具現において、第1半導体基板及び/または第1半導体パッケージはTx経路を含み、第2半導体基板及び/または第2半導体パッケージはRx経路を含む。一部の配列において、Rx入力/出力ポート及び/またはTx入力/出力ポートは一つ以上の半導体基板及び/または半導体パッケージの一つ以上のエッジに沿って発生する。
【0076】
環境200は、LIDARシステム201に結合される一つ以上の光学機器210(例えば、振動スキャナ、単方向スキャナ、リスレープリズム、サーキュレータ光学機器、及び/またはビームコリメータなど)を含む。一部の具現において、一つ以上の光学機器210は、一つ以上のTx入力/出力ポートを介してTx経路に結合される。一部の具現において、一つ以上の光学機器210は、一つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合される。
【0077】
環境200は、LIDARシステムに結合された車両制御システム(例えば、図1の車両制御システム120)を含む。一部の具現において、車両制御システム120は、一つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合される。
【0078】
Tx経路は、レーザ光源202と、変調器204Aと、変調器204Bと、増幅器206とを含む。Rx経路は、ミキサ208と、探知器212と、TIA 212とを含む。図2は選択された個数のコンポネント及びたった一つの入力/出力チャネルを示すが、環境200は任意の配列で互いに連結された(任意の結合の)任意の個数のコンポネント及び/または入力/出力チャネルを含み、LIDARシステムの多数の機能を結合を容易にして車両動作を支援する。
【0079】
レーザ光源202は、LO信号から導出された(またはそれに関連する)光信号を生成するように構成される。一部の具現において、光ビームは1550ナノメートルと同じであるかまたは実質的に同じ動作波長を有する。一部の具現において、光ビームは1400ナノメートルと1600ナノメートルとの間の動作波長を有する。
【0080】
レーザ光源202は光信号を変調器204Aに提供するように構成され、変調器は(図2に「RF1」と図示された)第1RF(radio frequency)信号に基づいて、CW変調または準CW変調を使用して光信号の位相及び/または周波数を変調し、変調された光信号を生成するように構成される。変調器204Aは、変調された光信号を増幅器206に送信するように構成される。増幅器206は、変調された光信号を増幅して増幅された光信号を光学機器210に生成するように構成される。
【0081】
光学機器はTx経路から受信した増幅された光をオブジェクト218に向かって与えられた視野内の環境に操向し、オブジェクトから反射されたリターン信号を受信し、リターン信号を受信(Rx)経路のミキサ208に提供するように構成される。
【0082】
レーザ光源202はLO信号を変調器204Bに提供するように構成され、変調器は(図2に「RF2」と図示された)第2RF信号に基づいて、CW変調または準CW変調を使用してLO信号の位相及び/または周波数を変調して変調されたLO信号を生成し、変調されたLO信号をRx経路のミキサ208に伝送する。
【0083】
ミキサ208は、変調されたLO信号をリターン信号とミックス(例えば、結合、増加など)して下向き変換された信号を生成し、下向き変換された信号を探知器212伝送する。一部の配列において、ミキサ208は変調されたLO信号を探知器212に送信するように構成される。
【0084】
探知器212は下向き変換された信号に基づいて電気信号を生成し、電気信号をTIA 214に伝送する。一部の配列ににおいて、探知器212は下向き変換された信号及び変調された信号に基づいて電気信号を生成するように構成される。
【0085】
TIA 214は電気信号を増幅し、増幅された電気信号を車両制御システム120に伝送するように構成される。
【0086】
一部の具現において、TIA 214は平方根ヘルツ当たり5ピコワット(つまり、平方根ヘルツ当たり5×10-12ワット)未満のピークNEP(noise-equivalent power)を有する。一部の具現において、TIA 214は4キロΩと25キロΩとの間の利得を有する。
【0087】
一部の具現において、探知器212及び/またはTIA 214は80kHzと650MHzとの間で3デシベルの帯域幅を有する。
【0088】
車両制御システム210は、TIAから受信した一つ以上の電気信号に基づいてオブジェクト218までの距離を決定し、及び/またはオブジェクト218の速度を測定するように構成される。
【0089】
一部の具現において、変調器204A及び/または変調器204Bは600MHzと1000MHzとの間の帯域幅を有する。
【0090】
図3は、一部の具現による車両の動作のための例示的なコヒーレントLIDARトランシーバを示すブロック図である。環境300は、コヒーレントLIDARトランシーバ301と、探知器303、304、305、306、307、308、309、310(集合的に「探知器303乃至310」と称する)とを含む。レーザ光源(例えば、図2のレーザ光源202)はTx経路(例えば、図2のTx経路)を介してLO信号を生成し、(変調されているか変調されていない)LO信号を(図3に「LOA-A」と図示された)LO入力360に提供する。一部の具現において、LO入力360においてLO信号は5ミリワット未満である。
【0091】
コヒーレントLIDARトランシーバ301は、LO入力306から受信されたLO信号をLO信号360-1とLO信号306-2とに分割する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、LO信号360-1をLO信号360-1aとLO信号306-1bとに分割する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、LO信号360-2をLO信号360-2aとLO信号306-2bとに分割する。
【0092】
レーザ光源は(変調されているか変調されていない)LO信号を(図3に「LOA-B」と図示された)LO入力366に提供する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、LO入力366から受信されたLO信号をLO信号366-1とLO信号366-2とに分割する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、LO信号366-1をLO信号366-1aとLO信号366-1bとに分割する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、LO信号266-2をLO信号366-2aとLO信号366-2bとに分割する。
【0093】
レーザ光源はTx経路(例えば、図2のTx経路)を介してLO信号を生成し、(変調されているか変調されていない)光信号を(図3に「Tx-A」と図示された)Tx入力362に提供する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、Tx入力362から受信された光信号を光信号362-1と光信号362-2とに分割する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、光信号362-1を光信号362-1aと光信号362-1bとに分割する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、光信号362-2を光信号362-2aと光信号362-2bとに分割する。
【0094】
レーザ光源は(変調されているか変調されていない)光信号を(図3に「Tx-B」と図示された)Tx入力364に提供する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、Tx入力364から受信された光信号を光信号364-1と光信号364-2とに分割する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、光信号364-1を光信号364-1aと光信号364-1bとに分割する。コヒーレントLIDARトランシーバ301は、光信号364-2を光信号364-2aと光信号364-2bとに分割する。
【0095】
コヒーレントLIDARトランシーバ301は、一つ以上のオブジェクトに向かってTx出力320を介して自由空間に光信号362-1aを放出し、Rx入力322を介してオブジェクトから反射されたリターン光を受信し、リターン光及びLO信号360-2bを(図3に「RX-1」と図示された)探知器303に提供する。探知器303は、リターン光及び/またはLO信号360-2bに基づいて電気信号を生成する。
【0096】
コヒーレントLIDARトランシーバ301は、一つ以上のオブジェクトに向かってTx出力324を介して自由空間に光信号362-1bを放出し、Rx入力326を介してオブジェクトから反射されたリターン光を受信し、リターン光及びLO信号360-2aを(図3に「Rx-2」と図示された)探知器304に提供する。探知器304は、リターン光及び/またはLO信号360-2aに基づいて電気信号を生成する。
【0097】
コヒーレントLIDARトランシーバ301は、一つ以上のオブジェクトに向かってTx出力328を介して自由空間に光信号362-2aを放出し、Rx入力330を介してオブジェクトから反射されたリターン光を受信し、リターン光及びLO信号360-1bを(図3に「Rx-1」と図示された)探知器305に提供する。探知器305は、リターン光及び/またはLO信号360-1bに基づいて電気信号を生成する。
【0098】
コヒーレントLIDARトランシーバ301は、一つ以上のオブジェクトに向かってTx出力332を介して自由空間に光信号362-2bを放出し、Rx入力334を介してオブジェクトから反射されたリターン光を受信し、リターン光及びLO信号360-1aを(図3に「Rx-2」と図示された)探知器306に提供する。探知器306は、リターン光及び/またはLO信号360-1aに基づいて電気信号を生成する。
【0099】
コヒーレントLIDARトランシーバ301は、一つ以上のオブジェクトに向かってTx出力336を介して自由空間に光信号364-1aを放出し、Rx入力338を介してオブジェクトから反射されたリターン光を受信し、リターン光及びLO信号366-2bを(図3に「Rx-1」と図示された)探知器307に提供する。探知器307は、リターン光及び/またはLO信号366-2bに基づいて電気信号を生成する。
【0100】
コヒーレントLIDARトランシーバ301は、一つ以上のオブジェクトに向かってTx出力340を介して自由空間に光信号364-1bを放出し、Rx入力342を介してオブジェクトから反射されたリターン光を受信し、リターン光及びLO信号366-2aを(図3に「Rx-2」と図示された)探知器308に提供する。探知器308は、リターン光及び/またはLO信号366-2aに基づいて電気信号を生成する。
【0101】
コヒーレントLIDARトランシーバ301は、一つ以上のオブジェクトに向かってTx出力344を介して自由空間に光信号364-2aを放出し、Rx入力346を介してオブジェクトから反射されたリターン光を受信し、リターン光及びLO信号366-1bを(図3に「Rx-1」と図示された)探知器309に提供する。探知器309は、リターン光及び/またはLO信号366-1bに基づいて電気信号を生成する。
【0102】
コヒーレントLIDARトランシーバ301は、一つ以上のオブジェクトに向かってTx出力348を介して自由空間に光信号364-2bを放出し、Rx入力350を介してオブジェクトから反射されたリターン光を受信し、リターン光及びLO信号366-1aを(図3に「Rx-2」と図示された)探知器310に提供する。探知器310は、リターン光及び/またはLO信号366-1aに基づいて電気信号を生成する。
【0103】
一部の具現において、LIDARセンサに内部表面からリターンされたリターン光(時に「リターンビーム」と称される)に関連する信号漏話及び該当光信号(例えば、光信号362-1a、362-1b、362-2a、362-2b、364-1a、364-1b、364-2a、364-2bなど)の放出は、反射ビームが獲得されるチャネルに対する全ての他のチャネルにおいて1MHz及び200MHz以内で-55dB以下である。
【0104】
一部の具現において、内部表面からLIDARセンサに反射された該当リターン光への光信号の散乱は送信されたTxパワーに対して-66dB以下であるが、散乱は維持される分極に関連する。
【0105】
一部の具現において、内部表面からLIDARセンサに反射された該当リターン光への光信号の散乱は送信されたTxパワーに対して-84dB以下であるが、散乱は90度に回転された分極に関連する。
【0106】
一部の具現において、探知器303乃至310によって生成された任意の電気信号の間の信号漏話は、1MHz及び200MHzの周波数範囲内の他の探知器上で生成された電気信号に対して-55dB以下である。
【0107】
一部の具現において、一つ以上の探知器303乃至301は一対のフォトダイオードを含む。一部の具現において、探知器内のフォトダイオードの対は30dB以上のCMRRを有する。
【0108】
一部の具現において、探知器303乃至310のうちいずれかは80kHzと650MHzとの間で3dBの帯域幅を有する。
【0109】
一部の具現において、一つ以上の探知器303乃至310は0.9A/W以上の反応度(responsivity)を有する。
【0110】
一部の具現において、光信号のうちいずれか(例えば、光信号362-1a、362-1b、362-2a、362-2b、364-1a、364-1b、364-2a、364-2bなど)は33%以下のデューティサイクルを有する。
【0111】
図4は一部の具現による2つの半導体基板上の例示的なコヒーレントLIDARトランシーバを示すブロック図である。環境400は、Rx/LO経路を含む半導体基板402及びTx経路を含む半導体基板404を含む。半導体基板402及び404は、単一チップの概念でピッチ(例えば、2つの入力/出力の中心の間の距離)に近い間隔「A」で続けて配置される。一部の具現において、半導体基板の入力/出力それぞれは31.75マイクロメートルと381マイクロメートルとの間にあるピッチを有する。
【0112】
図5は、具現によるLIDARシステムの多数の機能を結合する例示的な方法を示すフローチャートである。図5において、ステップは説明のために特別な順番に統合的なステップとして示されているが、他の具現において、一つ以上のステップまたはその一部は、異なる順番に、または時間上に重畳して、直接または並列に行われるか、省略されるか、一つ以上の追加のステップが追加されるか、或いは方法は一部の方式が結合されて変更されてもよい。一部の具現において、方法500の一部または全体の動作は図3のコヒーレントLIDARトランシーバ301によって行われる。
【0113】
方法500は、レーザ光源によって生成された光ビームを受信するステップ502を含む。一部の具現において、光ビームはLO信号に関連する。方法500は、第1分割光ビームと第2分割光ビームとに光ビームを分割するステップ504を含む。方法500は、第1分割光ビームと第2分割光ビームとを光装置に送信するステップ506を含む。方法500は、第1分割光ビームに関連する第1反射ビームと第2分割光ビームに関連する第2反射ビームとを光装置から受信するステップ508を含む。方法500は、第1反射ビームをLO信号とペアリングし、第2反射ビームをLO信号とペアリングするステップ510を含む。
【0114】
上述した説明は、当業者が本明細書に記載された多様な側面を実施し得るように提供される。このような側面に対する多様な変更は当業者に自明であり、本明細書で定義された一般的な原理(generic principles)は他の側面に適用される。よって、請求項は本明細書で示した側面に制限されず、言語請求項と一致する全体範囲に符合するようにするためのものであり、本明細書で単数で構成要素を称することはそのように明示されない限り「一つそしてたった一つ」を意味するのではなく、かえって「一つ以上」を意味する。異なるように明示されない限り、用語「一部」は一つ以上を指す。当業者に公知であるか公知される説明を介して記述された多様な側面の構成要素に対する全ての構造的で機能的な等価物は本参照として明確に統合され、本請求項によって達成される。また、本明細書に開示されているいかなるものもそのような開示が請求項に明白に言及されているのか否かに関わらずに共用であると指定されることはない。いかなる請求項の構成要素も、該当構成要素が明白に「手段」と言及されていなければ手段及び機能と解釈すべきである。
【0115】
開示されたプロセスのうちある特定の順番やブロックの階層構造は説明的な接近の例であることを理解できるはずである。設計の選好度に基づいて、プロセス内のステップの特定の順番またはブロックの階層構造が前記説明の範囲内で維持されながら再配置されることを理解できるはずである。伴う方法は、サンプルの順番で多様なブロックの現在の構成要素を請求、提示された特定の順番や階層構造に制限されることを意味しない。
【0116】
開示された具現例の上述した説明は、当業者が開示された発明の要旨を製作または使用し得るように提供される。このような具現に対する多様な変更は当業者に自明であり、本明細書に定義された一般的な原理は前記説明の思想または範囲を逸脱しないながらも他の具現に適用される。よって、上述した説明は本明細書で提示された具現に制限されるように意図されず、本明細書に開示された原理及び新しい特徴と一致する最も広い範囲に合致される。
【0117】
図示され記述された多様な例は請求項の多様な特徴を説明するために単に例として提供されている。任意の与えられた例に対して図示され記述された特徴は必ずしも関連例に制限されず、図示され記述された他の例と共に使用または結合される。また、請求項はいずれか一つの例に制限しようとするものではない。
【0118】
上述した方法の説明とプロセッサのフローチャートは単に説明する例として提供されており、多様な例のブロックが提示された順番に行われるべきであることを要求または示唆するものではない。上述した例において、ブロックの順番は任意の順に行われてもよいことを当業者は理解できるはずである。「その後」、「それから」、「次に」のような単語はブロックの順番を制限するものでははない。これらの単語は単に方法を説明することで読者をガイドするように使用される。また、単数表現の請求項の構成要素に関するいかなる言及も構成要素を単数に限定するように解釈してはならない。
【0119】
本明細書の開示内容に関して説明された多様な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこれらの組み合わせとして具現される。ハードウェアソフトウェアのこのような相互交換性を明白に説明するために、多様な例示的なコンポネント、ブロック、モジュール、回路、及びステップがこれらの機能性(functionality)の観点で一般的に上述されている。そのような機能性がハードウエアまたはソフトウェアとして具現されるのか否かは、全体のシステム上に課された設計の制約及び特定のアプリケーションによって左右される。当業者はそれぞれの特定のアプリケーションに対する方法を変化させながら記載された機能性を具現してもよいが、そのような具現の決定が本開示物の範囲を逸脱させると解釈されてはならない。
【0120】
本明細書の開示内容に関して説明される多様な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、または他のプログラム可能な論理ディバイス、離散ゲートまたはトラジスタロジック、離散ハードウェアコンポネント、またはここに説明された機能を行うように設計された任意の組み合わせで具現されるか行われる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであるが、代案的にプロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシンであってもよい。また、プロセッサはコンピューティング装置の組み合わせであって、例えば、DSP及びマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアを有する一つまたはそれ以上のマイクロプロセッサ、またはそのような他の構成の任意の組み合わせとして具現される。または、一部のブロックまたは方法は与えられた機能にと特定された回路によって行われてもよい。
【0121】
一部の例示的な例において、記述された機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の結合で具現される。ソフトウェアとして具現される場合、機能は非一時的なコンピュータで読み取り可能な保存媒体、または非一時的なプロセッサで読み取り可能な保存媒体に一つ以上の命令語またはコードとして保存される。本明細書に開示された方法またはアルゴリズムのブロックは非一時的なコンピュータで読み取り可能な保存媒体、または非一時的なプロセッサで読み取り可能な保存媒体に常住するプロセッサで実行可能なソフトウェアモジュールに具体化される。非一時的なコンピュータで読み取り可能な保存媒体または非一時的なプロセッサで読み取り可能な保存媒体は、コンピュータまたはプロセッサによってアクセスされる任意の保存媒体である。例として、しかし制限しないように、そのような非一時的なコンピュータで読み取り可能な保存媒体または非一時的プロセッサで読み取り可能な保存媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROMまたは他の光ディスク保存、磁気ディスク保存または他の磁気保存装置、または命令語またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを保存し、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含む。ここで使用されるディスク(disk及びdisc)は、CD(compact disc)、レーザディスク、光ディスク、DVD(digital versatile disc)、フロッピーディスク(disk)、及びブルーレイディスク(blu-ray disc)を含むが、ここでディスク(disk)は通常データを磁気的に再生するが、ディスク(disc)はレーザを利用して光学的にデータを再生する。上述したものの組み合わせもまた、非一時的なコンピュータで読み取り可能な及びプロセッサで読み取り可能な媒体の範囲内に含まれる。また、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品内に統合されてもよい非一時的なプロセッサで読み取り可能な及び/またはコンピュータで読み取り可能な保存媒体上に、コード及び/または命令のうち一つまたは任意の組み合わせまたはセットとして常住する。
【0122】
開示された例の上述した説明は、当業者が本開示を製作または使用し得るように提供される。このような例に対する多様な変更は当業者に自明であり、ここで定義された一般的な原理は上述した説明の思想または範囲を逸脱しないながらも他の具現に適用される。よって、上述した説明は本明細書で提示された具現に制限されるように意図されず、本明細書に開示された原理及び新しい特徴と一致する最も広い範囲に合致するはずである。
【0123】
広範囲で提示された数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、非制限的な例に提示された数値はできる限り正確に報告される。しかし、全ての数値には本質的に本明細書を作成する際にそれぞれのテスト測定で発見された標準偏差によって発生する特定のエラーが含まれる。また、文脈から特に明確な場合ではなければ、本明細書で提示された数値は最下位の数字によって与えられた示唆的な精密度を有する。よって、1.1の値は1.05乃至1.15までの値を意味する。用語「大略(約)」は与えられた値を中心により広い範囲を示すために使用されるが、文脈で明確ではなければ、「約1.1」が1.0乃至1.2の範囲を意味するように最下位の数字周囲のより広い範囲を意味する。もし最下位の数字が不明瞭であれば、「大略(約)」という用語は2倍(a factor of two)を意味する。例えば、「大略(約)X」は0.5X乃至2Xの範囲の値を意味する。例えば、約100は50乃至200範囲内の値を意味する。また、本願に開示された全ての範囲はその中に含まれる任意の及び全ての下位範囲を含むと理解すべきである。例えば、「10未満」の範囲には最小値0と最大値10との間(及びそれらを含む)任意の及び全ての下位範囲が含まれる。つまり、0と同じであるか0より大きい最小値、そして10と同じであるか10より小さい最大値(例えば、1乃至4)を有する任意の及び全ての会範囲が含まれる。
【0124】
本発明の一部の具現は個人自動車のある領域(例えば、正面、後面、側面、上部及び/または下部)の上に取り付けられる一つ以上の高解像度のドップラーLIDARシステムの文脈で記述されたが、具現はこの文脈に限らない。他の具現において、同じタイプの一つまたは多数のシステム、またはドップラーコンポネントなしに重畳または非重畳された視野があるかまたはない他の高解像度のLIDAR、或いは大きいかまたは小さい、運転者があるかまたは自律走行の地上、海上車両または空中飛行体に取り付けられる一つ以上のそのようなシステムが採用される。他の具現において、スキャニング高解像度LIDARが地上または海上の一時的にまたは永久的に固定された位置に取り付けられる。

図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信光ビームを生成するように構成された光源と、
トランシーバであって、
第1ローカルオシレータ信号を受信するように構成された第1ローカルオシレータ入力と、
第2ローカルオシレータ信号を受信するように構成された第2ローカルオシレータ入力と、
前記第1ローカルオシレータ入力と前記第2ローカルオシレータ入力との間に配置され、前記送信光ビームを受信するように構成された送信入力であって、前記送信入力、前記第1ローカルオシレータ入力、及び、前記第2ローカルオシレータ入力は、前記トランシーバの第1側面に配置される、該送信入力と、
前記送信入力に結合された複数の送信出力であって、前記送信光ビームを周辺環境に送信するようにそれぞれ構成された、該複数の送信出力と、
前記周辺環境からの戻り光ビームを受信するようにそれぞれ構成された複数の受信入力と、
を含む、該トランシーバと、
前記戻り光ビームと、前記送信光ビームに関連する1以上のローカルオシレータ信号とに基づいて電気信号を生成するように構成された探知器であって、前記1以上のローカルオシレータ信号が、前記第1ローカルオシレータ信号及び前記第2ローカルオシレータ信号を含む、該探知器と、
を備える、LIDAR(light detection and ranging)システム。
【請求項2】
前記複数の送信出力及び前記複数の受信入力は、前記トランシーバの前記第1側面とは異なる前記トランシーバの第2側面に配置される、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記複数の送信出力及び前記複数の受信入力は、前記トランシーバの前記第2側面でインターリーブされる、請求項2に記載のLIDARシステム。
【請求項4】
トランシーバは、前記複数の送信出力を含む第1基板と前記複数の受信入力を含む第2基板とを更に備える、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項5】
第1基板及び第2基板は、複数の送信出力又は複数の受信入力のピッチに対応する間隔で配置される、請求項4に記載のLIDARシステム。
【請求項6】
前記探知器は、前記トランシーバから前記第1ローカルオシレータ信号を受信するように構成された第1探知器と、前記トランシーバから前記第2ローカルオシレータ信号を受信するように構成された第2探知器とを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項7】
前記複数の送信出力は、前記トランシーバの前記第1側面とは異なる前記トランシーバの第2側面に配置される、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項8】
前記光源はレーザを含み、前記送信光ビームはレーザビームを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項9】
前記光源を前記トランシーバに結合するように構成された繊維結合であって、前記トランシーバの前記送信入力に前記送信光ビームを送達するように構成された繊維ケーブルを含む、該繊維結合を更に備える、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項10】
LIDAR(light detection and ranging)システムを備え、
前記LIDARシステムは、
送信光ビームを生成するように構成された光源と、
トランシーバであって、
第1ローカルオシレータ信号を受信するように構成された第1ローカルオシレータ入力と、
第2ローカルオシレータ信号を受信するように構成された第2ローカルオシレータ入力と、
前記第1ローカルオシレータ入力と前記第2ローカルオシレータ入力との間に配置され、前記送信光ビームを受信するように構成された送信入力であって、前記送信入力、前記第1ローカルオシレータ入力、及び、前記第2ローカルオシレータ入力は、前記トランシーバの第1側面に配置される、該送信入力と、
前記送信入力に結合された複数の送信出力であって、前記送信光ビームを周辺環境に送信するようにそれぞれ構成された、該複数の送信出力と、
前記周辺環境からの戻り光ビームを受信するようにそれぞれ構成された複数の受信入力と、
を含む、該トランシーバと、
前記戻り光ビームと、前記送信光ビームに関連する1以上のローカルオシレータ信号とに基づいて電気信号を生成するように構成された探知器であって、前記1以上のローカルオシレータ信号が、前記第1ローカルオシレータ信号及び前記第2ローカルオシレータ信号を含む、該探知器と、
を備える、自律走行車両制御システム。
【請求項11】
前記複数の送信出力が、前記トランシーバの前記第1側面とは異なる前記トランシーバの第2側面に配置される、請求項10に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項12】
前記探知器は、前記トランシーバから前記第1ローカルオシレータ信号を受信するように構成された第1探知器と、前記トランシーバから前記第2ローカルオシレータ信号を受信するように構成された第2探知器とを含む、請求項10に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項13】
前記光源を前記トランシーバに結合するように構成された繊維結合であって、前記トランシーバの前記送信入力に前記送信光ビームを送達するように構成された繊維ケーブルを含む、該繊維結合を更に備える、請求項10に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項14】
前記複数の送信出力及び前記複数の受信入力は、前記トランシーバの前記第1側面とは異なる前記トランシーバの第2側面に配置される、請求項10に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項15】
前記複数の送信出力および前記複数の受信入力は、前記トランシーバの前記第2側面でインターリーブされる、請求項14に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項16】
前記トランシーバは、前記複数の送信出力を含む第1基板と前記複数の受信入力を含む第2基板とを更に備える、請求項10に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項17】
LIDAR(light detection and ranging)システムを備え、
前記LIDARシステムは、
送信光ビームを生成するように構成された光源と、
トランシーバであって、
第1ローカルオシレータ信号を受信するように構成された第1ローカルオシレータ入力と、
第2ローカルオシレータ信号を受信するように構成された第2ローカルオシレータ入力と、
前記第1ローカルオシレータ入力と前記第2ローカルオシレータ入力との間に配置され、前記送信光ビームを受信するように構成された送信入力であって、前記送信入力、前記第1ローカルオシレータ入力、及び、前記第2ローカルオシレータ入力は、前記トランシーバの第1側面に配置される、該送信入力と、
前記送信入力に結合された複数の送信出力であって、前記送信光ビームを周辺環境に送信するようにそれぞれ構成された、該複数の送信出力と、
前記周辺環境からの戻り光ビームを受信するようにそれぞれ構成された複数の受信入力と、
を含む、該トランシーバと、
前記戻り光ビームと、前記送信光ビームに関連する1以上のローカルオシレータ信号とに基づいて電気信号を生成するように構成された探知器であって、前記1以上のローカルオシレータ信号が、前記第1ローカルオシレータ信号及び前記第2ローカルオシレータ信号を含む、該探知器と、
を備える、自律走行車両。
【外国語明細書】