(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109719
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】薬剤分包装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20240806BHJP
B65B 1/30 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
B65B1/30 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024080980
(22)【出願日】2024-05-17
(62)【分割の表示】P 2021503672の分割
【原出願日】2020-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2019040633
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】柴田 知侑
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 高志
(72)【発明者】
【氏名】東 賢吾
(57)【要約】
【課題】 この発明は、使用するトレーに対応した薬剤分包が行うことができる薬剤分包装置を提供する。
【解決手段】 複数種の薬剤を貯留すると共に、処方データに基づいた薬剤を払い出し可能な薬剤供給部と、前記薬剤供給部から払い出された前記薬剤を、薬剤を収納する複数の収納凹部を有するトレーに分包する分包部と、を有する薬剤分包装置であって、分包部は、トレーを搭載可能なトレー投入ユニットと、トレーを移動させ、薬剤の払出し口21に、トレーの所望の前記収納凹部を移動させる、トレー駆動ユニットと、薬剤供給部から受け取った薬剤を払出し口21から払い出す薬剤供給装置と、を備え、薬剤供給装置は、薬剤供給部から受け取った薬剤を払出し口21まで案内する薬剤搬送装置474を有し、薬剤搬送装置474は使用するトレーに対応して交換可能に構成されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の薬剤を貯留すると共に、処方データに基づいた薬剤を払い出し可能な薬剤供給部と、前記薬剤供給部から払い出された前記薬剤を、薬剤を収納する複数の収納凹部を有するトレーに分包する分包部と、を有する薬剤分包装置であって、
前記分包部は、前記トレーを搭載可能なトレー投入ユニットと、前記トレーを移動させ、薬剤の払出し口に、前記トレーの所望の前記収納凹部を移動させる、トレー駆動ユニットと、前記薬剤供給部から受け取った前記薬剤を前記払出し口から払い出す薬剤供給装置と、を備え、
前記薬剤供給装置は、前記薬剤供給部から受け取った前記薬剤を前記払出し口まで案内する薬剤搬送装置を有し、前記薬剤搬送装置は使用する前記トレーに対応して交換可能に構成されている、
薬剤分包装置。
【請求項2】
前記薬剤搬送装置は、前記薬剤を前記払出し口まで案内する押出経路形成部に内蔵され、前記薬剤搬送装置は、前記薬剤を収納する収納用孔を有する押出ケースと、前記押出ケースの下方に配置され前記薬剤を収納する収納用孔を有する押出スペーサを有し、前記押出ケースと前記押出スペーサは、前記押出経路形成部に着脱自在に取り付けられている、
請求項1に記載の薬剤分包装置。
【請求項3】
前記押出ケースと押出スペーサは、使用する前記トレーに対応して形成されている
請求項2に記載の薬剤分包装置。
【請求項4】
前記トレー投入ユニットに隣接して配置され、前記薬剤が収納された前記トレーを搭載可能なトレー排出ユニットをさらに備え、前記トレー駆動ユニットは、前記トレーを脱着可能に支持し、前記トレー投入ユニット及び前記トレー排出ユニットの間の位置で前記支持した前記トレーを移動させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の薬剤分包装置。
【請求項5】
前記トレー投入ユニットから前記トレー駆動ユニットに前記トレーを取り付けるトレー取り付けユニットと、
前記トレー駆動ユニットから前記錠剤が収納されたトレーを取り外し、トレー排出ユニットに載置するトレー取り外しユニットと、をさらに備える、
請求項4に記載の薬剤分包装置。
【請求項6】
前記トレーを収容するアダプタをさらに備え、前記アダプタは、矩形の枠形状に構成された枠本体と、枠本体の底面を構成する底板を備え、前記枠本体に前記トレーの前記収納凹部に対応した開口が設けられたパックアダプタセット板が着脱自在に取り付けられる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の薬剤分包装置。
【請求項7】
前記薬剤供給装置の前記払出し口と前記トレーとの間に、前記トレーに対応した開口を有するパックスペーサが配置される、
請求項2に記載の薬剤分包装置。
【請求項8】
複数の前記薬剤供給部が設けられた薬剤収納部と、
処方データを記憶する処方データ記憶部と、
前記処方データ記憶部に記憶された処方データに基づいて処方される薬剤を示す薬剤データを抽出し、抽出した薬剤データに基づき前記複数の薬剤供給部を制御する制御部と、さらに備える、
請求項6に記載の薬剤分包装置。
【請求項9】
前記薬剤分包装置の情報を表示するモニタをさらに備え、前記制御部は、処方に従った前記トレーの種類と前記アダプタに収納されているトレーの種類を前記モニタに表示させる、
請求項8に記載の薬剤分包装置。
【請求項10】
前記複数の薬剤供給部の各々は、
薬剤を供給可能に収容する薬剤カセットと、
前記薬剤カセットに関する識別情報と、
前記薬剤カセットが装着される薬剤フィーダと、
前記薬剤カセットの使用状態を示すインジケータと、を有する、
請求項9に記載の薬剤分包装置。
【請求項11】
前記押出ケースと、前記押出スペーサと、前記パックアダプタセット板と、前記パックスペーサは、使用するトレーの区別する識別情報がそれぞれ設けられ、前記制御部は、読み取った前記識別情報を前記モニタに表示させ、使用するトレーに対応する前記押出ケースと、前記押出スペーサと、前記パックアダプタセット板と、前記バックスペーサを識別可能に構成しており、読み取った識別情報が要求されたものと異なる場合は、前記モニタにエラー表示を行う、
請求項10に記載の薬剤分包装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記処方データ記憶部に記憶された処方データに基づいて処方される全ての薬剤データと、全ての前記薬剤フィーダに装着されている薬剤カセットの前記識別情報と、を受け取り、前記インジケータを制御し、前記薬剤フィーダに装着されている前記薬剤カセットの中から分包に使用しない薬剤カセットを判別可能とするように前記インジケータを動作させる、
請求項10に記載の薬剤分包装置。
【請求項13】
前記処方データ記憶部は、複数の患者の処方データを記憶し、
前記薬剤カセットは、前記識別情報を記録した情報記録部が設けられ、
前記薬剤フィーダは、前記インジケータが設けられていると共に、前記情報記録部の情報を読み出す読取部が設けられ、
前記制御部は、前記処方データ記憶部に記憶されている複数の患者の処方データに基づいて処方される全ての薬剤データと、前記読取部で読み取られた全ての前記識別情報とを受け取り、前記インジケータを制御する、
請求項10に記載の薬剤分包装置。
【請求項14】
前記インジケータはLEDを有し、
前記制御部は、分包に使用する薬剤カセットが装着されている薬剤フィーダの前記インジケータの前記LEDを点灯させる、
請求項12に記載の薬剤分包装置。
【請求項15】
前記制御部は、分包処理の予約が行われると、前記処方データ記憶部から複数の患者の処方データを抽出し、抽出した複数の患者の処方データから前記薬剤フィーダに装着される前記薬剤カセットで使用される薬剤カセットを順次選択し、選択された薬剤カセットの数を算出し、算出された前記薬剤フィーダに装着される前記薬剤カセットの数が、全ての前記薬剤フィーダに装着される薬剤カセットの数を超えるまで、前記処方データに基づいて使用する前記薬剤カセットを選択する、
請求項12に記載の薬剤分包装置。
【請求項16】
前記制御部は、算出された前記薬剤フィーダに装着される前記薬剤カセットの数が、全ての前記薬剤フィーダに装着される薬剤カセットの数を超えると、超えた処方データに対応する処方データを解除する、
請求項13に記載の薬剤分包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薬剤分包装置に関するものであり、処方箋に応じて薬剤が収容された薬剤カセットから所定の薬剤を払出し、処方された毎服用分の薬剤を例えば、ブリスターパック形式のトレー(以下、単に「トレー」という。)に分包するものである。
【背景技術】
【0002】
7行4列に区画した収納凹部を有するウィークリーカレンダーパックと呼ばれるトレーの個々の収納凹部に処方された薬剤としての錠剤を自動的に分配・包装する錠剤分包装置が従来から知られている(特許文献1)。前記トレーは、一日4回の服用回数に応じて分包された錠剤を1行分の各収納凹部に収め、全7行で1週間分を収納できるようになっている。
【0003】
前記特許文献1の錠剤分包装置は、1つのトレー分の錠剤を1つのキャリアによって全て受け取り、そのキャリアを排出位置に待機しているトレー上まで移動させ、キャリアの底壁を構成するシャッターを開くことで、トレーの全収納凹部に錠剤を一斉に排出する錠剤分包装置である。この装置によれば、分包効率が高い上に分包ミスが少なく、また構造的にも簡素化できるという利点がある。
【0004】
ところで、処方される薬剤は多岐に亘り、その薬剤を収容する薬剤カセットの数も多くなる。しかしながら、薬剤分包装置にセットできる薬剤カセットの数は限りがあり、薬剤分包装置にセットできない薬剤カセットは、薬剤分包装置とは別の棚などに保管している。
【0005】
処方する薬剤を収容した薬剤カセットが薬剤分包装置にセットされていない場合には、棚に保管されている薬剤カセットの中から該当する薬剤カセットを取り出し、処方で未使用の薬剤カセットと差し替える。そして、薬剤分包装置は、分包動作を開始する。
【0006】
処方する薬剤に対応した薬剤錠剤カセットが錠剤分包装置にセットされていない場合には、処方に適した錠剤分包装置の装着位置をランプの点灯により表示する薬剤分包装置が
従来から知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5870931号公報
【特許文献2】特許第3310232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、分包処理を予定する処方データに基づく薬剤が薬剤分包装置にセットされている薬剤カセットに存在しない場合には、薬剤カセットを差し替えて分包処理を行うことになる。このため、薬剤カセットの差し替え作業で機械が停止する時間が長くなる。
【0009】
そこで、この発明は、使用するトレーに対応した薬剤分包が行うことができる薬剤分包装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、この発明の実施の形態に係る薬剤分包装置は、複数種の薬剤を貯留すると共に、処方データに基づいた薬剤を払い出し可能な薬剤供給部と、前記薬剤供給部から払い出された前記薬剤を、薬剤を収納する複数の収納凹部を有するトレーに分包する分包部と、を有する薬剤分包装置であって、前記分包部は、前記トレーを搭載可能なトレー投入ユニットと、前記トレーを移動させ、薬剤の払出し口に、前記トレーの所望の前記収納凹部を移動させる、トレー駆動ユニットと、前記薬剤供給部から受け取った前記薬剤を前記払出し口から払い出す薬剤供給装置と、を備え、前記薬剤供給装置は、前記薬剤供給部から受け取った前記薬剤を前記払出し口まで案内する薬剤搬送装置を有し、前記薬剤搬送装置は使用する前記トレーに対応して交換可能に構成されている。
【0011】
これにより、処方によりトレーが異なる場合においても、薬剤搬送装置を使用する前記トレーに対応して交換することで、種々のトレーに対応して分包処理が行える。
【0012】
他の観点によれば、この発明の実施の形態に係る薬剤分包装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記薬剤搬送装置は、前記薬剤を前記払出し口まで案内する押出経路形成部に内蔵され、前記押出ケースと前記押出スペーサは、前記押出経路形成部に着脱自在に取り付けられている。
【0013】
これにより、種々のトレーに対する分包処理が容易に行える。さらに、前記押出スペーサを簡単に取り出すことができるので、薬剤の払出し箇所の清掃も容易に行える。
【0014】
他の観点によれば、この発明の実施の形態に係る薬剤分包装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記トレーを収容するアダプタをさらに備え、前記アダプタは、矩形の枠形状に構成された枠本体と、枠本体の底面を構成する底板を備え、前記枠本体に前記トレーの前記収納凹部に対応した開口が設けられたパックアダプタセット板が着脱自在に取り付けられる。
【0015】
これにより、種々のトレーに対する分包処理が容易に行える。
【0016】
他の観点によれば、この発明の実施の形態に係る薬剤分包装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記薬剤供給装置の前記払出し口と前記トレーとの間に、前記トレーに対応した開口を有するパックスペーサが配置される。
【0017】
これにより、種々のトレーに対する分包処理が容易に行える。さらに、前記押出スペーサを簡単に取り外すことができるので、薬剤の払出し箇所の清掃も容易に行える。
【0018】
他の観点によれば、この発明の実施の形態に係る薬剤分包装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記薬剤分包装置の情報を表示するモニターとをさらに備え、前記制御部は、処方に従った前記トレーの種類と前記アダプタに収納されているトレーの種類を前記モニタに表示させる。
【0019】
これにより、薬剤分包装置にセットされている前記トレーと処方に使用するトレーを容易に識別することができる。
【0020】
他の観点によれば、この発明の実施の形態に係る薬剤分包装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記押出ケースと、前記押出スペーサと、前記パックアダプタセット板と、前記パックスペーサは、使用するトレーの区別する識別情報がそれぞれ設けられ、前記制御部は、読み取った前記識別情報を前記モニタに表示させ、使用するトレーに対応する前記押出ケースと、前記押出スペーサと、前記パックアダプタセット板と、前記パックスペーサを識別可能に構成している。
【0021】
これにより、前記トレーに対応した前記パックアダプタセット板と、前記パックスペーサと、前記押出ケースと前記押出スペーサとを薬剤分包装置に間違いなく取り付けることができる。
【0022】
他の観点によれば、この発明の実施の形態に係る薬剤分包装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記押出ケースと、前記押出スペーサと、前記パックアダプタセット板と、前記パックスペーサは、使用するトレーの区別する識別情報がそれぞれ設けられ、前記制御部は、読み取った前記識別情報を前記モニタに表示させ、使用するトレーに対応する前記押出ケースと、前記押出スペーサと、前記パックアダプタセット板と、前記パックスペーサを識別可能に構成しており、読み取った識別情報が要求されたものと異なる場合は、モニタにエラー表示を行う。
【0023】
これにより、ユーザは、処方を行うトレー24に該当する部品に間違いなく交換することができる。
【0024】
他の観点によれば、この発明の実施の形態に係る薬剤分包装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記制御部は、前記パックスペーサ、前記押出ケース、前記押出スペーサ、前記パックアダプタセット板のそれぞれに設けられた識別情報に基づき、各部品が所望する部品で有るか否か判断し、読み込んだ識別情報が所望する部品と異なる場合には、分包処理の実行を禁止する。さらに、モニタにエラー表示と共に、分包処理の実行を禁止している旨の表示を行うように構成してもよい。
【0025】
これにより、誤った部品により分包処理が行われることを禁止することができる。また、モニタにエラー表示と共に分包処理の実行が禁止している原因を把握することもできる。
【発明の効果】
【0026】
この発明に係る薬剤分包装置は、複数の処方データに基づいて差し替えが可能な薬剤カセットを選び出すことができ、その薬剤カセットを必要な薬剤カセットに差し替えることで、薬剤カセットの差し替え作業を極力削減し、薬剤カセットの差し替え作業で機械が停止する時間を削減し、分包処理の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、この発明の実施形態に係る薬剤分包装置の正面図である。
【
図3】
図3は、
図1の薬剤分包装置の引き出しを開けた状態の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の薬剤分包装置の分包部の配置構成を、分包部の蓋を開け、薬剤収納部を省略して示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2の蓋を外した状態におけるV-V線の断面図である。
【
図6】
図6は、
図1の薬剤収納部に含まれる薬剤供給装置の構成を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、薬剤供給装置の薬剤押出部の構成を示す断面図である。
【
図8】
図8は、マルチドーズ用の薬剤押出部の構成を示す斜視図である。
【
図9A】
図9Aは、マルチドーズ用の薬剤押出部の押出ケースを取り除いた状態の斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、マルチドーズ用の薬剤押出部の押出スペーサを外した状態の斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、シングルドーズ用の薬剤押出部の押出ケースを取り除いた状態の斜視図である。
【
図10B】
図10Bは、シングルドーズ用の薬剤押出部の押出スペーサを外した状態の斜視図である。
【
図11】
図11は、この発明の実施形態に係る薬剤分包装置の薬剤収納部分を拡大して示す正面図である。
【
図12】
図12は、この発明の実施形態に係る薬剤分包装置の制御構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、この発明の実施形態に係る薬剤分包装置の薬剤供給部の構造を示す模式図である。
【
図14】
図14は、この発明の実施形態に係る薬剤分包装置の制御動作を示すフロー図である。
【
図15】
図15は、この発明の実施形態に係る薬剤分包装置の制御動作を示すフロー図であり、全ての薬剤情報リストの作成動作を示している。
【
図16】
図16は、この発明の実施形態に係る薬剤分包装置の制御動作を示すフロー図であり、薬剤情報リスト取得動作を示している。
【
図17】
図17は、この発明の実施形態に係る薬剤分包装置の制御動作を示すフロー図であり、薬剤情報リストの作成動作を示している。
【
図18】
図18は、モニタに表示される薬剤分包装置の進捗状況を示す説明図である。
【
図19】
図19は、モニタに表示される薬剤情報リスト画面を示す説明図である。
【
図20】
図20は、この発明の第2の実施形態に係る薬剤分包装置の正面図である。
【
図21】
図21は、この発明の第2の実施形態に係る薬剤分包装置の薬剤収納部分を拡大して示す正面図である。
【
図22】
図22は、この発明の第2の実施形態に係る薬剤分包装置の制御動作を示すフロー図であり、薬剤情報リストの作成動作を示している。
【
図23】
図23は、この発明の第3の実施形態に係る薬剤分包装置のモニタの表示例を示す説明図であり、使用するトレー(パック)の確認の動作を表示している。
【
図24】
図24は、この発明の第3の実施形態に係る薬剤分包装置のモニタの表示例を示す説明図であり、トレー(パック)に対応する交換部品の情報を示している。
【
図25】
図25は、この発明の第3の実施形態に係る薬剤分包装置のモニタの表示例を示す説明図であり、トレー(パック)に対応する交換部品の交換動作の指示情報を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に基づきこの発明の実施の形態に係る薬剤分包装置について説明する。
【0029】
図1~
図3にこの実施形態に係る薬剤分包装置11の外観構成を示す。
図1に示した薬剤分包装置11は、フレーム12の上半部に薬剤収納部13が設けられ、下半分には前記上半部より前方に突き出した分包部14(
図2参照)、その下側に空きトレー等の収納部11a等が設けられる。前記薬剤収納部13に多数の薬剤供給部15が設けられている。
【0030】
なお、この実施形態に係る薬剤分包装置11について、
図1及び
図2に示すように、方向を定義する。すなわち、装置の幅方向をX軸、装置の前後方向をY軸、装置の高さ方向をZ軸とする。
【0031】
薬剤供給部15は、薬剤収納部13に多段に設けられている。そして、薬剤供給部15は、薬剤を収容する薬剤カセット16と、薬剤フィーダ17とからなり、薬剤フィーダ17に薬剤カセット16がセットされる。
【0032】
この薬剤カセット16は、薬剤フィーダ17に対して、着脱自在である。薬剤フィーダ17は、分包に必要な薬剤が収容された薬剤カセット16がセットされる。そして、分包に不要な薬剤カセット16は、薬剤フィーダ17から取り外され、分包に必要な薬剤を収容した薬剤カセット16に差し替えることができる。
【0033】
薬剤分包装置11は、入力装置100が接続される。入力装置100は、処方箋に記載されたバーコードまたはQRコード(登録商標)などを読み取るコードリーダ(図示せず)を備える。入力装置100は、コードリーダにより、読み取ったデータに基づく処方データを薬剤分包装置11に与える。入力装置100は、コードリーダ以外に、キーボードなどの操作入力装置(図示せず)を備え、操作入力装置を用いて、処方データ等の情報を薬剤分包装置11に与えることができる。
【0034】
薬剤分包装置11は、受け取った処方データに対応する処方IDを作成する。処方IDと処方データは関連づけられる。処方データは、薬種、薬剤の個数、服用時期など分包に必要な情報、患者情報などを含んでいる。そして、処方IDは、関連づけられた処方データを読み出す際に利用される。
【0035】
入力装置100は、例えば、パーソナルコンピューターで構成される。パーソナルコンピューターは、CPU、ROM、RAMなどを備える。CPUは、ROMに格納された各種のプログラムに従って演算処理を行う。
【0036】
そして、パーソナルコンピューターからなる入力装置100は、薬剤分包装置11に対して処方データを送る。また、薬剤分包装置11から与えられた処理中の状態情報に基づき、モニタ101に薬剤分包装置11の進捗情報、手撒き処理の手順などが表示される。
【0037】
なお、入力装置100は、薬局又は病院などのシステムとLANまたはインターネット等の通信ネットワークにより接続されている場合には、通信ネットワークを介して、薬局又は病院などのシステムから処方データを入手することができる。そして、入力装置100は、薬局又は病院などのシステムから入手した処方データを薬剤分包装置11に与える。
【0038】
薬剤収納部13は、多数の薬剤供給部15を備える。薬剤供給部15は、薬剤カセット16と、薬剤カセット16が装着される薬剤フィーダ17を有する。多数の薬剤カセット16は、この実施形態では、薬剤としての複数種類の薬剤を貯留する。そして、処方IDに対応した処方データに従って、薬剤は、薬剤フィーダ17により薬剤カセット16から払い出され、薬剤供給装置19に薬剤が落下する。薬剤は、薬剤フィーダ17の通路を通過する時に計数され、所定の数の薬剤が薬剤供給装置19に落下する。
【0039】
薬剤フィーダ17の下方には、薬剤供給装置19が設けられている。薬剤供給装置19は、薬剤フィーダ17から落下した薬剤を受け取る。受け取る薬剤は、薬剤カセット16内の薬剤から処方データに従った数と種類の薬剤である。薬剤供給装置19は、受け取った薬剤を中心に集め、前後方向に延びる薬剤押出部20に送る。薬剤は、薬剤押出部20内の手前方向に送られた後、後述するように、押出ケース490で押し出され、前記の分包部14の上部に位置づけられた下向きの払出し口21(
図6、
図7参照)から払い出される。
【0040】
薬剤供給装置19は、払出し口21から処方済みの薬剤を毎服用分ずつ払い出す。払出しは、例えば、一日4回1週間分、一日3回5日分、一日3回1ヶ月分等の分量が間欠的に払い出される。薬剤供給装置19は、払出し口21から処方に従って複数の薬剤が毎服用分ずつ払い出す,いわゆるマルチドーズの場合と、処方に従って、1つの薬剤が毎服用分払い出す、いわゆるシングルドーズの場合がある。
【0041】
この実施形態においては、薬剤分包装置11は、後述するように、複数の薬剤を1つの収納凹部に収納するように構成したトレー(パックシート)24、1つの薬剤を1つの収納凹部に収容するようにした構成したトレー24など、処方に従って使用するトレー24に対して、薬剤供給装置19などに用いる部材に変更できるように構成されている。トレー24の収納凹部に薬剤を収納した後、蓋シートが貼り付けられ、処方に応じたブリスターパックが構成される。
【0042】
薬剤供給部15の薬剤カセット16及び薬剤フィーダ17は、
図1及び
図3に示すように、薬剤カセット棚350に収納されている。薬剤カセット棚350は、鎧戸式シャッター18によって上下方向に開閉される。
【0043】
薬剤カセット棚350に収容された薬剤カセット16の薬剤は、薬剤フィーダ17により払い出される。薬剤カセット16から払い出された薬剤が下方に落下し、薬剤フィーダ17の下方側に位置する薬剤供給装置19に導入される。そして、薬剤供給装置19の内部で薬剤押出部20まで運ばれた後、薬剤押出部20から払出し口21(
図6参照)へ押し出され、分包部14でトレー24に分包される。薬剤供給装置19の構成については、後述する。
【0044】
次に、分包部14について詳述する。分包部14は、
図3及び
図4に示すように、通常はカバー蓋22が被せられ、のぞき窓22aから内部を観察できるようになっている。例えば、のぞき窓22aからは、内部に収容されたトレー投入ユニット1を観察することができる。
【0045】
また、この実施形態では、分包部14の内部に手撒き容器が設けられている。そして、分包部14のカバー蓋22にのぞき窓22aとX方向に並んで手撒き蓋22bが設けられている。手撒き蓋22bを上方に引きあげることで手撒き容器が外部に露出し、手撒き容器に手撒き錠剤を投入することができる。また、トレー24の各収納凹部に1つの薬剤を投入する、いわゆるシングルドーズの場合には、手撒き容器を用いずに、カバー蓋22の上にトレー24を配置し、手撒き薬剤を投入する。
【0046】
分包部14には、
図1~
図5に示すように、装置外部から視認できるユニットとして、トレー投入ユニット1と、トレー排出ユニット2とが設けられている。
【0047】
分包部14の前面には、トレー投入ユニット1及びトレー排出ユニット2の構成部材として、それぞれ、分包部14の外部前方への引き出しと分包部14の内部への押し込みが自在となっている投入引き出し23a、排出引き出し23bが設けられている。
【0048】
また、手撒きの際には、手撒き蓋22bを上方に引きあげることで、手撒き容器を露出させる。手撒き容器は、トレー排出ユニット2の待機位置の上方に位置するように設定される。上述したように、いわゆるシングルドーズの場合には、手撒き容器を用いないので、カバー蓋22の上にトレー24を配置し、手撒き薬剤を投入する。
【0049】
トレー投入ユニット1は、処方前のトレー24を装置内に投入するためのユニットである。トレー投入ユニット1は、上記のように投入引き出し23aを有し、投入引き出し23aの内部にトレー24が載置される。
【0050】
図5に示したように、分包部14は、装置の内部にトレー駆動ユニット4と、トレー取付ユニット5と、トレー取り外しユニット6とを装置内部に備える。
【0051】
トレー投入ユニット1は、処方前のトレー24を装置内に投入するためのユニットである。トレー投入ユニット1は、上記のように投入引き出し23aと、投入引き出し23aの内部にトレー24を載置する第1載置台30aと、を備える。後述するように、アダプタ10にパックアダプタセット板10cが取り付けられ、このパックアダプタセット板10cにトレー24がセットされた状態で第1載置台30aに、アダプタ10が載置される。
【0052】
トレー投入ユニット1の投入引き出し23aは、投入引き出し23aが引き出された際に第1載置台30aが、分包部14外部のトレー扱い位置にあり、押し込まれたときに、分包部14内部の待機位置にあるように設定される。
【0053】
第1載置台30aは、装置に投入されるトレー24を配置するX方向に平行に配置された2本の第1支持部材36に設けられている。第1載置台30aは、トレー24のX方向両端を支持する。
【0054】
トレー24は、
図5に示すように、アダプタ10に収容された状態で第1支持部材36の第1載置台30aに搭載される。アダプタ10は、上方が開放し、トレー24を上方から収納可能な枠形状に構成される。アダプタ10は、セットするトレー24の種類に対応したものが用いられる。すなわち、この実施形態の薬剤分包装置11は、処方に対応して用いるトレー24を変更することができる。そして、トレー24に対応するアダプタ10用の部品及び薬剤供給装置19に用いられる部品があらかじめ用意されている。処方に対応するトレー24に用いられるアダプタ10用の部品に交換して、分包処理に使用することができる。同様に、薬剤供給装置19の押出スペーサ491と押出ケース490も使用するトレー24に対応して取り替えることができるように構成している。
【0055】
また、薬剤供給装置19の払出し口21とトレー24との間の隙間は、パックスペーサ10dにより所定の間隔に維持される。このため、使用するトレー24に対応するパックスペーサ10dもあらかじめ用意されている。パックスペーサ10dは、トレー24の収納凹部に対応した開口が設けられている。このパックスペーサ10dの開口からトレー24の収納凹部に薬剤が払い出される。
【0056】
アダプタ10用の部品と、パックスペーサ10dと、押出スペーサ491と、押出ケース490の構成については、後述する。
【0057】
図5に示すように、アダプタ10は、矩形の枠形状に構成された枠本体10aと、枠本体の底面を構成する底板10bを備える。枠本体10aにトレー24の収納凹部に対応した開口が設けられたパックアダプタセット板10cが取り付けられる。トレー24は、枠本体10aに装着されたパックアダプタセット板10cの上方側からトレー24の収納凹部とパックアダプタセット板10cの開口を合わせて載置することによってアダプタ10に収納される。パックアダプタセット板10cは、アダプタ10に着脱自在に取り付けられる。
【0058】
パックアダプタセット板10cは、使用するトレー24に応じて開口の大きさ、数等が相違する。このため、トレー24の種類に応じてパックアダプタセット板10cが用意されている。パックアダプタセット板10cは、処方に対応して選択されるトレー24に応じて決められる。トレー24に対応するパックアダプタセット板10cがアダプタ10に取り付けられる。言い換えれば、トレー24に対応してパックアダプタセット板10cを交換してアダプタ10に取り付けられる。
【0059】
図4に示すように、使用するトレー24に対応するパックスペーサ10dは、アダプタ10上に載置される。アダプタ10上にセットされたパックスペーサ10dは、トレー駆動ユニット4に送り込まれ、トレー取付ユニット5に装着される。薬剤供給装置19の払出し口21とトレー24との間の隙間は、パックスペーサ10dにより所定の間隔に維持される。パックスペーサ10dは、トレー24に対応して交換した後は、トレー取付ユニット5に装着された状態が維持される。交換時には、アダプタ10上にパックスペーサ10dが移動されるように構成されている。
【0060】
なお、パックアダプタセット板10cを用いずに、アダプタ10自体にトレー24の複数の収納凹部に対応した複数の凹所が形成されている場合には、アダプタ10をトレー24の種類に応じて交換すればよい。
【0061】
トレー排出ユニット2は、薬剤29が分包されたトレー24を搭載し、薬剤分包装置11から取り出すためのユニットである。トレー排出ユニット2は、トレー投入ユニット1とX方向に並ぶように、分包部14に設けられている。トレー排出ユニット2は、上記のように排出引き出し23bと、排出引き出し23bの内部にトレー24が載置される第2載置台30bと、を備える。
【0062】
トレー排出ユニット2の排出引き出し23bは、排出引き出し23bが引き出された際に第2載置台30bが、分包部14外部のトレー扱い位置にあり、押し込まれたときに、分包部14内部の待機位置にあるように設定される。
【0063】
第2載置台30bは、薬剤が分包されたトレー24を配置するX方向に平行に配置された2本の第2支持部材37に設けられている。第2載置台30bは、トレー24が収容されたアダプタ10のX方向両端を支持する。
【0064】
トレー駆動ユニット4は、X方向及びY方向へ水平移動可能に構成された搬送ステージ48を備える。搬送ステージ48は、トレー投入ユニット1に投入されたトレー24をアダプタ10ごと支持し、薬剤29を払い出す払出し口21がトレー24の各収納凹部26に対応するようにトレーを駆動させ、分包後、トレー排出ユニット2の上部まで搬送する。
【0065】
トレー取付ユニット5は、トレー投入ユニット1に搭載されたトレー24を収容したアダプタ10をトレー駆動ユニット4に取り付けるためのユニットである。
【0066】
トレー取り外しユニット6は、トレー駆動ユニット4に支持されているトレー24を収容したアダプタ10をトレー駆動ユニット4から取り外し、トレー排出ユニット2に搭載させるためのユニットである。
【0067】
トレー投入ユニット1に投入されたトレー24は、トレー駆動ユニット4により、薬剤を払い出す払出し口21がトレー24の各収納凹部に対応するように移動される。トレー24は、分包後、トレー排出ユニット2の上部まで搬送される。
【0068】
複数の薬剤供給部15の各々には、複数の薬剤が収容されている。すなわち、例えば、薬剤が錠剤である場合には、1つの薬剤カセット16の中に複数錠の薬剤29が収容されている(
図13参照)。
【0069】
複数の薬剤供給部15に注目した場合、原則として別々の薬剤供給部15には異なる種類の薬剤がそれぞれ収容されている。ただし、使用頻度が高い薬剤については、複数の薬剤供給部15にわたって同種類の薬剤が収容されていてもよい。
【0070】
複数の薬剤供給部15の各々は、それぞれの薬剤カセット16内部に収容している薬剤29を排出することができる。薬剤カセット16は、着脱の際に作業者が持つための取手を設けてもよい。この実施形態では、薬剤収納部13に上下多段に60個の薬剤供給部15が配列されているが、これはあくまで一例であり、薬剤収納部13は、設けられ薬剤供給部15の個数および配列の仕方は、ここに示したものに限らない。
【0071】
薬剤供給部15の薬剤カセット16及び薬剤フィーダ17は、
図1~
図3に示すように、薬剤カセット棚350に収納されている。薬剤カセット棚350は、鎧戸式シャッター18によって上下方向に開閉される。
【0072】
薬剤供給装置19の一部は、分包部14にまで延びるように形成される薬剤押出部20に連通される。さらに、薬剤供給装置19の薬剤押出部20の前端側が、払出し口21と連結され、一連の流路を形成する。
【0073】
薬剤カセット棚350に収容された薬剤カセット16の薬剤は、薬剤フィーダ17に払い出される。薬剤フィーダ17から払い出された薬剤が下方に落下し、薬剤フィーダ17の下方側に位置する薬剤供給装置19に導入される。そして、薬剤供給装置19の内部で薬剤押出部20まで運ばれた後、薬剤押出部20から払出し口21へ押し出され、分包部14でトレー24に分包される。
【0074】
薬剤供給装置19は、
図6に示すように、大別して、上側に位置する薬剤受止部365(365a,365b,365c,365d,365e)(導入部)と、その下方側に位置する左右2つの横搬送部366(一次搬送部)及び落下経路形成部367(経路形成部)を備える。落下経路形成部367の下方側には、薬剤押出ユニット368(二次搬送部)が形成されている。したがって、薬剤供給装置19は、横に延びた形状の薬剤受止部365(導入部)と、同じく横に延びた形状の横搬送部366(一次搬送部)と、縦に延びた形状の薬剤押出ユニット368(二次搬送部)が縦に積み重ねられた3段積み構造となっている。
【0075】
最上段の薬剤受止部365(365a,365b,365c,365d,365e)は、上方から落下してきた薬剤を受け止めるための部分であり、薬剤供給装置19の全体において、薬剤の導入部として機能する。薬剤受止部365は、X方向(薬剤カセット棚350の幅方向)における両端側に位置する端部側薬剤受止部365a,365dと、端部側薬剤受止部365a,365dに隣接し、X方向中間側に位置する間部薬剤受止部365b,365cと、間部薬剤受止部365b,365cの間に設けられた中央薬剤受止部365eを備えた構造となっている。端部側薬剤受止部365a,365dと、間部薬剤受止部365b,365cと、中央薬剤受止部365eとは、X方向につながるように配置されている。
【0076】
薬剤受止部365(365a,365b,365c,365d,365e)の薬剤導入空間370は、いずれも上下方向に外部と連通可能な空間であり、上側に薬剤の導入口となる開口面を有している。
【0077】
端部側薬剤受止部365a,365dは、薬剤受止姿勢で待機し、薬剤カセット16から薬剤フィーダ17を経て落下してくる薬剤を受け止める。そして、薬剤導入空間370の内部に薬剤が配置された状態で薬剤排出姿勢へ移行することにより、薬剤をさらに下方側へ供給する。言い換えると、薬剤導入空間370の内部に薬剤を一時的に貯留した後、下方側へ供給する。
【0078】
薬剤受止部365のうち、端部側薬剤受止部365a,365d及び間部薬剤受止部365b,365cの薬剤導入空間370に導入された薬剤は、中間段にある横搬送部366の一方へ供給され、横方向に押し移動されて落下経路形成部367に供給されて最下段の薬剤押出ユニット368(二次搬送部)に導入される。
【0079】
一方、中央薬剤受止部365eの薬剤導入空間370に導入された薬剤は、中間段の横搬送部366を経ずに直接、落下経路形成部367に落下し最下段の薬剤押出ユニット368(二次搬送部)に導入される。
【0080】
続いて、中間段の横搬送部366について説明する。
図6に示すように、中間段にはX方向に並ぶようにX方向に対称で同一構造の2つの横搬送部366が配されている。2つの横搬送部366の薬剤排出口部(図示しない)は、隣接して配置される。2つの薬剤排出口部は、落下経路形成部367を挟んで配置される。
【0081】
横搬送部366は、薬剤を横方向に押し移動して落下経路形成部367に供給し、最下段の薬剤押出ユニット368(二次搬送部)に導入する。
【0082】
図6及び
図7に示すように、落下経路形成部367に繋がるシューター480は、薬剤押出部20の押出経路形成部473の上側に取り付けられ、内部を上下方向に貫通する第1薬剤供給用孔470が形成されている。この第1薬剤供給用孔470の上側に位置する開口部分は、薬剤押出ユニット368に対して薬剤が供給される際の導入口(薬剤導入口480a)となる。
【0083】
押出経路形成部473には薬剤搬送装置474が内蔵されている。
図7に示すように、薬剤搬送装置474は、押出ケース490と押出スペーサ491とを備えた構造となっており、図示しない駆動装置によって、薬剤押出部20内を直線的に移動する。
【0084】
図7に示すように、押出ケース490は、複数の薬剤を挿入可能な収納用孔490aが設けられている。この収納用孔490aは、トレー24の収納凹部の大きさに対応して形成されている。
【0085】
押出スペーサ491には、
図7で示すように、その一部に、天面から底面までを貫通する収納用孔520が形成されており、薬剤を搬送する。この収納用孔520は、トレー24の収納凹部の大きさに対応して形成されている。
【0086】
押出ケース490と押出スペーサ491は、使用するトレー24に対応して形成されている。この実施形態では、押出ケース490と押出スペーサ491は、薬剤搬送装置474に対して交換可能に設けられており、使用するトレー24に対応して取り付けられている。
【0087】
図7~
図10Bに従い、押出ケース490と押出スペーサ491について説明する。押出ケース490と押出スペーサ491は、上述したように、使用するトレー24に対応して形成されている。
【0088】
上述したように、トレー24は、複数の収納凹部を備え、各収納凹部に1錠のみ収納する,いわゆるシングルドーズタイプのトレー、収納凹部に複数錠収納する、いわゆるマルチドーズタイプのトレーがある。また、マルチドーズタイプのトレーも収納凹部の大きさ,形状が異なる種々のトレーがある。このように、トレー24は、収納凹部の大きさ、形状、収納凹部の数など異なる態様の種類がある。
【0089】
アダプタ10と、押出ケース490、押出スペーサ491は、用いるトレー24に対応した大きさ、形状に構成されている。このため、用いるトレー24に対応して、パックアダプタセット板10cと、パックスペーサ10dと、押出ケース490と、押出スペーサ491とを交換する。
【0090】
例えば、シングルドーズタイプのトレー24を用いる場合には、マルチドーズタイプに対して、薬剤経路を小さくする必要がある。
【0091】
図9A及び
図9Bは、マルチドーズタイプのトレー(マルチドーズパック)を用いる場合の押出ケース490と押出スペーサ491を示している。すなわち、複数の薬剤をトレーの1つの収納凹部に挿入する時に用いられる押出ケース490と押出スペーサ491を示している。押出ケース490と押出スペーサ491は、複数の薬剤が押出可能な大きさに形成されている。
【0092】
図8、
図9A、
図9Bに示すように、押出ケース490と押出スペーサ491は、押出経路形成部473に取り付けられている。複数の薬剤を1つの収納凹部に収納する場合おいても、トレー24によって収納凹部の形状が異なる。この収納用孔490a、520は、トレー24の収納凹部の大きさに対応して形成されている。
【0093】
押出ケース490と押出スペーサ491は、
図9Bに示すように,取り外し自在に設けられている。押出経路形成部473は、押出スペーサ491が係合される係合部473aが設けられている。この係合部473aに、押出スペーサ491を係合させることにより、押出経路形成部473に押出スペーサ491が取り付けられる。
【0094】
図10A及び
図10Bは、シングルドーズタイプのトレー(シングルドーズパック)を用いる場合の押出ケース490と押出スペーサ491を示している。すなわち、1つの薬剤をトレーの1つの収納凹部に挿入する時に用いられる押出ケース490と押出スペーサ491を示している。シングルドーズタイプは、1つの収納凹部に1つの薬剤を収納するので、押出ケース490と押出スペーサ491は、1つの薬剤を押し出すのに適した形状となっており、マルチドーズ用の押出ケース490と押出スペーサ491より小さく形成され、薬剤経路を小さくしている。
【0095】
マルチドーズタイプのトレー(マルチパック)からシングルドーズタイプのトレーに分包の処理を変える場合には、アダプタ10用の部品、押出ケース490及び押出スペーサ491を交換する。
【0096】
この実施形態においては、アダプタ10用のパックアダプタセット板10cと、パックスペーサ10dと、押出ケース490と、押出スペーサ491とは、処方に対応した識別情報としてのバーゴードなどが取り付けられている。後述するように、アダプタ10用のパックアダプタセット板10cと、パックスペーサ10dと、押出ケース490と押出スペーサ491を交換する際には、バーコードなどを読み取り、トレー24に対応したアダプタ10用のパックアダプタセット板10cと、パックスペーサ10dと、押出ケース490と、押出スペーサ491とを装置に間違いなく取り付けることができるように構成している。
【0097】
また、アダプタ10用のパックアダプタセット板10cと、パックスペーサ10dと、押出ケース490と、押出スペーサ491とに、RFID等を取り付け、無線でアダプタ10用のパックアダプタセット板10cと、パックスペーサ10dと、押出ケース490、押出スペーサ491が処方に対応した部品であるかを確認するように構成できる。
【0098】
また、この実施形態においては、押出スペーサ491を着脱自在に構成しているので、押出スペーサ491を使用するトレー24に対応して容易に交換することができる。これにより、種々のトレーに対する分包が容易に行える。さらに、押出スペーサ491を簡単に取り外すことができるので、薬剤の払出し箇所の清掃も容易に行える。
【0099】
次に、薬剤収納部13について説明する。
図11においては、薬剤収納部13の一部を拡大して示している。
図1に示すように、薬剤収納部13に上下多段に複数の薬剤供給部15が配列されている。そして、薬剤フィーダ17に薬剤カセット16がセットされている。薬剤フィーダ17は、インジケータ17eを有する。インジケータ17eは、薬剤カセット16の使用状態の有無、例えば、分包に使用する薬剤カセット16が分かるように表示を行う。
【0100】
インジケータ17eは、例えば、LED(Light Emitting Diode)で構成され、後述する処方制御装置200により、LEDの点灯、非点灯、点滅などを制御する。作業者は、インジケータ(LED)17eを確認することにより、薬剤カセット16の状態等を把握することができる。インジケータ17eは、赤、緑、青など複数のLEDで構成することにより、発光するLEDの色を変えて、作業者が薬剤カセット16の状態等を把握できるようにしてもよい。
【0101】
次に、薬剤供給部15について説明する。
図13は、薬剤供給部15の構造を示す模式図である。薬剤供給部15は、薬剤を収容する薬剤カセット16と、薬剤フィーダ17とを備える。
【0102】
薬剤カセット16は、情報記録部16aを含む。薬剤フィーダ17は、読取部17aを備える。情報記録部16aは薬剤カセット16に関する識別情報を記録する。この実施形態では、情報記録部16aは、例えば、RF(Radio Frequency)IDを用いている。
【0103】
情報記録部16aは薬剤カセット16に関する識別情報を記録するものであればよく、RFIDに限られず、バーコード、QRコード(登録商標)であってよい。
【0104】
薬剤カセット16を薬剤フィーダ17に装着した状態において、薬剤フィーダ17に設けられた読取部17aが情報記録部16aの情報を読み取る。この実施形態では、情報記録部16aがRFIDを用いているので、読取部17aはRFIDを読み取るRF読取装置が用いられる。この読み取られた薬剤カセット16の情報は、後述する処方制御装置200に送られる。
【0105】
薬剤カセット16は、内部に収容空間16bを有する。収容空間16bには複数の薬剤(錠剤)29が収められる。薬剤カセット16は、収容空間16bから薬剤(錠剤)29を所定量ずつ送り出すためのローター16cを備える。薬剤カセット16は、薬剤(錠剤)29を排出するための排出口16dを有する。
【0106】
薬剤フィーダ17は駆動部17bを備える。駆動部17bは、後述する処方制御装置200からの制御により、ローター16cを駆動し、薬剤(錠剤)29を所望の量だけ払い出す。
【0107】
駆動部17bは、ローター16cを回転させ、収容された薬剤29を攪拌しつつローター16cに設けられたポケット(図示せず)に保持させ、保持した薬剤29を順次排出口16dから排出させる。排出された薬剤29は、通路17fから薬剤供給装置19に落下する。薬剤29の排出量は通路17fに設けたセンサによってカウントし、所定数量に到達すると、駆動部17bは停止し、ローター16cの回転が停止する。
【0108】
薬剤フィーダ17は、カセット装着検出部17cと、カセット離脱検出部17dと、LEDからなるインジケータ17eを備える。
図13では、カセット装着検出部17cおよびカセット離脱検出部17dは、あくまで模式的に示されている。カセット装着検出部17cとカセット離脱検出部17dとは、同一のセンサによって兼ねられていてもよい。
【0109】
次に、この発明の実施形態に係る薬剤分包装置11の制御構成について、
図12に従い説明する。
【0110】
図12に示すように、薬剤分包装置11は、処方制御装置200を備える。薬剤分包装置11の処方制御装置200は、入力装置100が接続される。入力装置100のコードリーダに読み取られた処方データが処方制御装置200に与えられる。
【0111】
薬剤分包装置11は、LANまたはインターネット等の通信ネットワークと接続されている場合には、通信ネットワークを介して処方データを処方制御装置200に与えられる。
【0112】
処方制御装置200は、薬剤供給部15の払出し制御、薬剤供給装置19の薬剤供給制御、トレー駆動ユニット4の駆動制御等を行う。
【0113】
処方制御装置200は、制御装置210とデータ記憶部220とを備える。制御装置210は、CPU、ROM、RAMなどを備える。CPUは、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に格納された各種プログラムに従って各種の演算処理を実行し、各種制御動作を行う。
【0114】
図12においては、CPUが各動作に適したプログラムを実行することにより動作する各種制御動作を機能ブロックとして表している。各機能ブロックは、理解を容易にするために、CPUの演算処理により行われる制御動作を機能として表したものであり、CPUと各種プログラムにより実現される。
【0115】
制御装置210は、払出制御部211と、点灯制御部212と、処方データ整合部213と、処方データ抽出部214と、薬剤情報リスト作成部215とを備える。
【0116】
データ記憶部220は、各種データが記憶される。制御装置210は、薬剤フィーダ17の読取部17aで読み取られた薬剤カセット16のRFIDを入手し、入手した薬剤カセット16の情報をデータ記憶部220に与える。そして、データ記憶部220に与えられた薬剤カセット16の情報がカセット情報記憶部221に格納される。
【0117】
制御装置210は、カセット情報記憶部221からカセット情報を読み出すことで、薬剤フィーダ17にセットされている薬剤カセット16の薬剤の種類を把握する。
【0118】
制御装置210は、入力装置100または通信回線等を介して入力された複数の患者の処方データをデータ記憶部220に与え、データ記憶部220の処方データ記憶部222に複数の患者の処方データが記憶される。
【0119】
そして、制御装置210は、受け取った処方データに対応する処方IDを作成し、作成した処方IDは、データ記憶部220に与える。与えられた処方IDは、処方データに関連づけられて処方ID記憶部223に与えられる。
【0120】
処方データは、薬種、薬剤の個数、服用時期など分包に必要な情報、患者情報などを含んでいる。そして、処方IDは、関連づけられた処方データを読み出す際に利用される。
【0121】
払出制御部211は、処方データに従って複数の薬剤供給部15の薬剤フィーダ17の駆動部17bを駆動制御し、薬剤カセット16から薬剤を払出し、トレー24の該当する収納凹部に薬剤を収容させる制御を行う。
【0122】
点灯制御部212は、この実施形態では、薬剤フィーダ17に設けられたLEDからなるインジケータ17eの点灯制御を行う。この実施形態では、後述するように、複数の処方箋に基づく処方データにより使用される薬剤カセット16がセットされている薬剤フィーダ17のインジケータ17eを点灯させるように制御する。作業者は、必要とする薬剤カセット16を差し替える時に、インジケータ17eが点灯していない薬剤フィーダ17を選ぶことで、取り外してよい薬剤カセット16を判断することができる。
【0123】
処方データ整合部213は、処方する処方データの薬種と薬剤供給部15にセットされている薬剤カセット16の薬剤とを整合し、処方データの薬種に対応する薬剤カセット16を選択する。
【0124】
制御装置210の点灯制御部212は、処方データ整合部213で選択した薬剤カセット16に対応する薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDを点灯させる。
【0125】
そして、処方データの中の薬種が全ての薬剤供給部15にセットされている薬剤カセット16に存在しない場合には、整合する薬剤カセット16が無いことを入力装置100等に通知する。
【0126】
処方データ抽出部214は、データ記憶部220の格納されている複数の処方データの中から分包・払出しを行う処方データを抽出する。
【0127】
薬剤情報リスト作成部215は、抽出した処方データに基づいて分包処理を行うために用いる薬剤を表す薬品情報リストを作成する。制御装置210は、作成した薬剤情報リストはデータ記憶部220に与える。データ記憶部220に与えられた薬品情報リストは、薬剤情報リスト記憶部224に格納される。
【0128】
薬剤分包装置11の分包処理について説明する。分包処理を開始すると、処方制御装置200の制御装置210は、処方データ記憶部222に格納されている処方データとカセット情報記憶部221に格納されているカセット情報とを対応付ける。そして、処方制御装置200は、複数の薬剤フィーダ17に対して払出制御を行なう。各薬剤フィーダ17には駆動部17bが備わっているので、制御装置210の払出制御部211は、複数の駆動部17bに対して制御を行なう。
【0129】
薬剤フィーダ17により薬剤カセット16から払い出された薬剤は、薬剤供給装置19に落下する。処方制御装置200は薬剤供給装置19を制御し、薬剤供給装置19からトレー24の収納凹部に薬剤が投入される。
【0130】
処方制御装置200の制御装置210は、トレー駆動ユニット4の動作を制御し、薬剤供給装置19の払出し口21の位置にトレー24の該当する収納凹部が位置するように移動せる。そして、処方制御装置200も制御装置210は、薬剤供給装置19から収納凹部に薬剤を投入するように制御する。投入が終了すると、制御装置210は、次の収納凹部が薬剤供給装置19の払出し口の位置に移動するように、トレー駆動ユニット4の動作を制御する。
【0131】
処方制御装置200の制御装置210は、トレー24の全ての収納凹部に薬剤が投入されるまで上記の動作を繰り返す。その後、処方制御装置200の制御装置210は、トレー駆動ユニット4を制御し、トレー排出ユニット2にトレー24を移動させる。
【0132】
その後、作業者が、トレー排出ユニット2の排出引き出し23bの引き出しが可能になったことを確認し、トレー排出ユニット2から排出引き出し23bを引き出す。このようにして、薬剤の分包動作が行われる。
【0133】
分包処理動作は、上記のように、処方データ記憶部222に格納されている処方データを読み出し、その処方データに基づいて、薬剤フィーダ17とトレー駆動ユニット4を制御して、分包処理が行われる。
【0134】
上記したように、処方制御装置200の制御装置210は、払出制御部211を動作させ、処方データに基づいて、薬剤カセット16から薬剤を供給する供給動作を実行する。この薬剤供給動作では、前記処方データとカセット情報とに基づいて、前記処方データに応じた種類および数量の薬剤が供給されるように、該当する薬剤フィーダ17の駆動部17bを動作させる。処方データが入れ替われば、該当する薬剤フィーダ17の駆動部17bの対象も変わる。
【0135】
処方制御装置200は、入力装置100のモニタ101に処方毎の薬品情報リストを表示する。モニタ101に処方に用いる薬剤の一覧を表示させることで、処方に対応する薬剤の種類、個数等を作業者が把握できるように構成している。さらに、処方制御装置200は、処方毎の進捗状況、手撒き作業の際に利用される手撒き作業用フォーマットなど処方に対する諸情報を表示させる。
【0136】
上記したように、処方される薬剤は多岐に亘り、その薬剤を収容する薬剤カセット16の数も多くなる。薬剤分包装置11にセットできる薬剤カセット16は、薬剤フィーダ17の数が上限となる。すなわち、60個の薬剤フィーダ17を備える薬剤分包装置11は、60個の薬剤カセット16がセットできる。例えば、薬剤カセットが120個ある場合は、60個の薬剤カセット16を薬剤分包装置11にセットできる。しかし、残りの60個の薬剤カセット16は、薬剤分包装置11とは別の棚などに保管することになる。
【0137】
処方する薬剤に対応する薬剤カセット16が薬剤分包装置11にセットされていない場合には、棚に保管されている該当する薬剤カセット16を取り出し、処方で未使用の薬剤カセット16と差し替える必要がある。なお、棚に保管した薬剤カセット16に収容されている薬剤などのカセット情報は、処方制御装置200に通信手段などを用いて通知するように構成しておくと、薬剤カセット16を差し替える時に該当する薬剤カセット16が探し出すことが容易になる。
【0138】
この実施形態の薬剤分包装置11には、複数の処方が与えられ、処方データ抽出部214で複数の処方データを抽出し、順次抽出した各処方の処方データに基づいて分包処理が行われる。
【0139】
ところで、分包処理を予定する処方データに基づく薬剤が薬剤分包装置11にセットされている薬剤カセット16に存在しない場合においても、次の分包処理を予定する処方データでは、現在セットされている薬剤カセット16で分包が行える場合が考えられる。
【0140】
しかし、このような場合でも分包処理を処方が入力された順で分包処理を行うと、その都度、分包処理に使用する薬剤が薬剤分包装置にセットされていない場合に、薬剤カセットを差し替えて分包処理を行うことになる。このため、薬剤カセットの差し替え作業で機械が停止する時間が長くなる。
【0141】
そこで、この発明は、入力された複数の処方データに基づいて、使用可能な薬剤カセット16を抽出し、複数の処方データにおいて、セットされている薬剤カセット16の使用の有無を判断し、いずれの処方データでも使用しない薬剤カセット16がある場合には、その薬剤カセット16を判別可能なようにインジケータ17eを制御する。そして、複数の処方データに基づいて差し替えが可能な薬剤カセット16を選び出し。その薬剤カセット16を必要な薬剤カセット16に差し替えることで、薬剤カセット16の差し替え作業を極力削減し、薬剤カセット16の差し替え作業で機械が停止する時間を削減し、分包処理の効率化を図る。
【0142】
また、この実施形態の処方制御装置200は、薬剤分包装置11の進捗状況等を入力装置100のモニタ101に表示させるように制御する。
図18は、モニタに表示される薬剤分包装置の進捗状況を示す説明図である。
【0143】
モニタ101には、分包進捗表示エリア1100、分包リスト表示エリア1110、薬品リスト表示エリア1120、ファンクションキー表示エリア1130、分包装置操作エリア1140、手撒き用薬剤の撒き位置・撒き量案内表示エリア1150がそれぞれ表示される。
【0144】
分包進捗表示エリア1100は、分包の進捗及び状態を表示する。分包リスト表示エリア1110は、処方データの一覧を表示するエリアである。分包装置操作エリア1140は、分包装置の操作を行うエリアである。手撒き処方の際に用いられる手撒き用薬剤の撒き位置・撒き量案内表示エリア1150は、手撒き用薬剤を撒く位置とその薬剤の量を表示するエリアである。ファンクションキー表示エリア1130は各種処理を行うエリアである。
【0145】
分包装置操作エリア1140、ファンクションキー表示エリア1130は、それぞれ該当するエリアをマウスなどによりクリックすることにより、各エリアに表示された処理動作が行われる。
【0146】
分包進捗表示エリア1100は、投入引き出し23aの状態又は作業者への作業指示情報を示すL-Drawer領域1101、排出引き出し23bの状態又は作業者への作業指示情報を示すR-Drawer領域1102、払出し状態を表示するDispensing領域1103を表示する。
【0147】
分包進捗表示エリア1100は、制御装置200が分包の動作を解析し、分包の進捗状況に関連する項目に変更があった場合に、進捗状況を更新させる。
【0148】
L-Drawer領域1101は、投入引き出し23aにセットされたトレーに分包される処方IDを表示させる処方ID表示領域1101aと、投入引き出し23aの状態を作業者に知らせる通知領域1101bを備える。作業者は、L-Drawer領域1101の表示を確認することで、投入引き出し23aの進捗状況を確認することができる。この図では、投入引き出し23aにトレー24がセットされているので、通知領域1101bには、何も表示されていないが、投入引き出し23aにトレー24がセットされていない場合には、トレーをセットして下さいとの通知が表示される。
【0149】
L-Drawer領域1101の処方ID表示領域1101aは、次に分包する処方が存在する場合には、処方ID番号を表示される。次に、分包する処方がない場合には、表示はクリアされる。
【0150】
L-Drawer領域1101の通知領域1101bは、次に分包する処方が存在する場合、以下の表示条件に該当する操作指示内容を表示する。トレー24がセットされていない場合には、「トレーをセットして下さい。」の表示が行われる。投入引き出し23aが閉じていない場合は、「引き出しを閉じて下さい。」との表示が行われる。
【0151】
R-Drawer領域1102は、排出引き出し23bにセットされたトレー24に分包された処方データを表示させる処方ID表示領域1102aと、排出引き出し23bの状態を作業者に知らせる通知領域1102bを備える。作業者は、R-Drawer領域1102の表示を確認することで、排出引き出し23bの進捗状況を確認することができる。この図では、排出引き出し23bにセットされたトレー24に薬剤の分包が終了し、通知領域1102bでは、トレーを取り出して下さいとの通知が表示される。
【0152】
R-Drawer領域1102通知領域1102bは、以下の表示条件に該当する操作指示内容を表示する。なお、複数の表示条件を満たす場合は、最も新しい操作指示内容が表示される。
【0153】
トレー24がセットされている場合には、「トレーを取り出して下さい。」の表示が行われる。排出引き出し23bが閉じていない場合は、「引き出しを閉じて下さい。」との表示が行われる。
【0154】
Dispensing領域1103は、払出中を示す領域1103cと、現在払出している処方の処方データを表示する処方ID表示領域1103aと、手撒きが必要な処理を表示させる払出し通知領域1103bを備える。
【0155】
払出中を示す領域1103cは、分包する処方が存在する場合、以下の表示条件に該当する操作指示内容を表示する。処方内に手撒き薬品があり、手撒き完了登録をしていない場合には、「全ての手撒き薬品を完了させて下さい。」の表示が行われる。
【0156】
分包リスト表示エリア1110は、薬剤分包装置11に入力された処方IDと処方データ等が処方データ抽出部214で抽出された順に表示される。そして、現在処方している処方IDが分かるように、他の表示と変えて表示するように構成してもよい。
【0157】
さらに、この実施形態では、処方IDに基づいて処方データから分包する薬剤が収容されている薬剤カセット16を用いた分包処方と手撒き処方を示すカセット有タブ1160とカセット無タブ1161が表示される。
【0158】
カセット有タブ1160をマウスなどによりクリックすると、処方IDに基づいて処方データから分包する薬剤が収容されている薬剤カセット16だけを用いる処方また、薬剤カセット16を用いる処方と手撒きの処方の両方を行う処方の処方一覧を分包リスト表示エリア1110に表示される。
【0159】
カセット無タブ1161をマウスなどによりクリックすると、手撒きのみ行う処方の処方一覧を分包リスト表示エリア1110に表示される。
【0160】
カセット有タブ1160とカセット無タブ1161により、どちらかのタブが選択された時に、分包リスト表示エリア1110の一番上の処方ID、すなわち、現在分包作業が行われている処方IDに基づく情報を表示させる。これは、手撒き作業が必要な時に、作業者に手撒きに必要な情報を手撒き用薬剤の撒き位置・撒き量案内表示エリア1150に表示させ、手撒き作業を容易且つ間違いなく行うためである。特に、「カセット無」の場合は、作業者がトレー24に対して薬剤の手撒き作業を行う。この時、手撒き用薬剤の撒き位置・撒き量案内表示エリア1150に手撒き位置と薬剤の数を表示することで、作業者の作業が容易且つ安全に行える。すなわち、作業者が対象の薬剤(錠剤)を間違えずに正しい場所に、正しい薬剤数を撒くことができ、安全性が向上する。例えば、作業は、朝、昼、夕の一日三回服用するのであれば、マトリクスの右上から順番に、朝に服用する薬剤(錠剤)、続いて、昼に服用する薬剤(錠剤)、次に、夕方に服用する薬剤と撒かれる。
【0161】
また、モニタ101に現在選択されているタブが「カセット有」、「カセット無」かが判別することができる表示を行ってもよい。
【0162】
分包装置操作エリア1140は、分包装置のスタートボタン、分包装置のストップボタン、分包装置の一時停止ボタン、排出引き出し23bのロック解除ボタンなどが表示され、それぞれのボタンをクリックすると、該当動作が行われる。
【0163】
薬品リスト表示エリア1120は、分包リストの選択行を表示する選択行ラベル、分包リストの選択行の患者名を表示する患者名ラベル、処方内薬品の一覧を表示する処方内薬品リスト、処方内薬品リストに表示されている薬品を表示する薬品数ラベルを備える。
【0164】
薬品リスト表示エリア1120は、後述する分包予約動作において、与えられた処方データに対応する全ての薬剤データを表示する。
【0165】
上記した分包リスト表示エリア1110は、後述する分包予約動作において、入力装置100から入力されるコマンドに応じて、表示の態様が変化する。例えば、リストとして表示されている複数の処方データの中から対象の処方データを選択すると、その選択された処方データが分かるように、星印などを付けて他の表示と変えて表示する。
【0166】
そして、この状態で、薬剤分包装置11にセットされている薬剤カセット16と別の棚に保管されている薬剤カセット16の在庫状態などを確認するコマンドが入力装置100から入力されると、薬品リスト表示エリア1120に表示されているリストは、選択された処方データに対応する薬剤カセット16と別の棚に収容されている薬剤カセット16などが分かるように表示する。
【0167】
薬品リスト表示エリア1120は、表示されている薬剤の状態を表示する。即ち、セットされている薬剤カセット16に収容されている薬剤か、保管されている薬剤カセット16に収容されている薬剤か、手撒きを行う薬剤かが分かるように表示する。
【0168】
モニタ101の表示は、入力装置100から入力されるコマンドにより変更される。
図19は、薬品リスト表示エリア1120に薬品情報リストを表示する例を示す説明図である。予約分包処理動作の際に、処方データに基づく薬剤情報が薬品情報リスト1120aに表示される。薬品情報リスト1120aは、選択中の処方データにより払い出される薬剤のリストを表示する。
【0169】
Closeボタン1120bは、薬品情報リスト1120aを閉じる際に用いられる。Refillボタン1120cは、薬剤の充填に対する詳細な情報を表示する際に用いられる。
【0170】
手撒き抽出ボタン1120dは、薬品情報リスト1120aに手撒きを行う薬剤を表示する時に用いられる。
【0171】
手撒き抽出ボタン1120dをクリックすることで、手撒き行う薬剤が薬品情報リスト1120aに表示される。これにより、作業者は、対象の処方に、手撒き容器に手撒きする薬剤が存在することが分かる。そして、作業者は、事前に薬剤の準備又は予備撒き用のトレー(図示しない)に薬剤を手撒きして準備する際に、必要となる薬剤を確認することができる。
【0172】
カセット抽出ボタン1120eは、薬品情報リスト1120aに薬剤カセット16を用いて払い出す薬剤を表示する時に用いられる。
【0173】
全薬品抽出ボタン1120fは、薬品情報リスト1120aに抽出された全薬品を表示する時に用いられる。
【0174】
未装着ボタン1120gは、装着されていない薬剤カセット16の薬剤情報を表示するときに用いられる。
【0175】
未装着ボタン1120gをクリックすることで、薬品情報リスト1120aに、薬剤分包装置11に装着されておらず、別の棚などに収容されている全ての薬剤カセット16に収容されている薬剤情報が表示される。すなわち、薬品情報リスト1120aは、別の棚などに収容されている全ての薬剤カセット16のみの薬剤情報を表示する。
【0176】
これにより、作業者は、対象とする処方で薬剤カセット16から払い出す薬剤で薬剤分包装置11に装着されていない薬剤カセット16のみを確認することができる。そして、作業者は、別途保管している棚等の場所から対象となる薬剤カセット16を収集することができる。作業者は、収集した薬剤カセット16を薬剤分包装置11に装着されている薬剤カセット16と差し替えればよい。この時、いずれの処方データでも使用しない薬剤カセット16がある場合には、その薬剤カセット16を判別可能なようにインジケータ17eのLEDを非点灯状態になるように制御している。従って、作業者は、点灯していない薬剤フィーダ17の薬剤カセット16を取り外し、収集した薬剤カセット16に差し替えればよい。
【0177】
薬品在庫不足ボタン1120hは、装着された薬剤カセット16に在庫不足がある薬品情報を薬品情報リスト1120aに表示する時に用いられる。
【0178】
これにより、対象の処方において必要な処方量の薬剤を払い出すことができない薬剤カセット16を特定できるので、作業者は、分包動作を開始する前に薬剤を補充することができる。従って、薬剤カセット16に収容された薬剤の在庫不足により、薬剤分包装置11の分包動作が中断することを回避することができる。この時、薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDを点滅させるように制御する。作業者は、インジケータ17eのLEDが点滅している薬剤カセット16が在庫不足であると認識できる。また、作業者が薬品在庫不足ボタン1120hをクリックしない場合には、抜き取ってはいけない薬剤カセット16であるので、薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDは点灯した状態を保っている。
【0179】
この発明では、いずれの処方データでも使用しない薬剤カセット16がある場合には、その薬剤カセット16を判別可能なようにインジケータ17eのLEDの点灯状態を制御している。上記した全薬品抽出ボタン1120fを押すと、今回の分包予約で使用する薬剤カセット16がセットされている薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDを点灯させる。そして、いずれの処方データでも使用しない薬剤カセット16は、薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDを非点灯状態にする。
【0180】
そして、インジケータ17eのLEDの点灯状態により、差し替えが可能な薬剤カセット16を選び出し、その薬剤カセット16を必要な薬剤カセット16に差し替えることができる。複数の処方データの分包処理を行う際に、薬剤カセット16の差し替え作業を極力削減し、分包処理が行える。
【0181】
さらに、薬品リスト表示エリア1120は、手撒き作業に関連する表示も行う。手撒き作業に関連する手撒き用薬剤の撒き位置・撒き量案内表示エリア1150の各マス内に、薬剤カセット16から払い出された薬剤と手撒きされた薬剤の合計数が表示される。この全薬剤表示ボタンをクリックすると、手撒き用薬剤の撒き位置・撒き量案内表示エリア1150には、当該処方において、手撒き薬剤に該当する処方薬と薬剤カセット16から払い出された薬剤の両方が表示される。そして、各マスには、収容される全ての薬剤の合計数量に関する情報が表示される。これにより、全ての薬剤の払出し及び手撒きが完了し、排出引き出し23bを引き出した時に、表示された数量と実際のトレー24内の各マスの数量を目視で鑑査することもできる。
【0182】
また、手撒き作業に関連する手撒き用薬剤の撒き位置・撒き量案内表示エリア1150に各マス内に手撒きした薬剤の各マスの合計数を表示させる。手撒き薬剤のマス内に収容された情報を表示させるための手撒き薬品のみ表示ボタンが表示される。この手撒き薬品のみ表示ボタンをクリックすると、各マスに手撒きとして撒かれた処方薬剤の合計数の情報を表示させる。
【0183】
また、手撒きスキップボタンが表示され、この手撒きスキップボタンがクリックされると、手撒き薬剤の完了確認がスキップされる。
【0184】
手撒き用薬剤の撒き位置・撒き量案内表示エリア1150は、手撒き用薬剤の撒き位置及び撒き量案内の表示内容を表示する手撒き用薬剤の撒き位置及び撒き量案内情報タイトルラベル、「個数(かけら)」を表示する単位ラベル、マスイメージを表示するマスイメージ、「ロット番号」を表示するロット番号ラベル、薬品の有効期限を表示する有効期限ラベル、手撒き薬品の撒き状態を更新する手撒き完了ボタンを備える。
【0185】
さらに、モニタ101は、薬品のロット番号を入力するロット番号テキストボックス、薬品の有効期限を入力する有効期限テキストボックス1151を備える。
【0186】
対象処方の順番が回ってこないと、処方制御装置200は、撒き完了のボタンがアクティブにならないように制御する。このため、ロット番号の入力ができない。
【0187】
また、モニタ101の画面では分包リスト表示エリア1110で処方の一覧が表示されているが、分包中あるいは順番が回ってきたものと順番待ちのものが表示されている。
【0188】
手撒き作業が全部完了し、手撒き完了を押して完了にすると完了コマンド処方制御装置200に送られる。手撒きセットボタンを押下し、蓋を閉じると薬剤がトレー24に落下する。
【0189】
処方制御装置200は、薬剤カセット16からの払出しと手撒きが全て完了すると、排出引き出し23bにトレー24を到達させ、トレー24に貼付するシートの照合ダイアログが表示され、シートのバーコードを読んで照合が正しく完了すると右の排出引き出し23bのロックを解除し、分包動作が終了する。
【0190】
このようにして、この実施形態の処方制御装置200は、薬剤分包装置11の進捗状況を入力装置100のモニタ101に表示させるように制御させることができ、作業者に分包の進捗情報を逐次知らせることができる。この表示に基づいて、作業者は入力された複数の処方データを纏めて使用する薬剤リストを作成する際に、モニタ101の表示を確認しながら抽出した処方の解除などを行うことができる。
【0191】
次に、この発明の動作につき、
図14~
図17のフロー図に従って説明する。
図14は、この発明の動作を説明するフロー図である。この発明では、複数の処方箋に基づく処理を行う。このため、処方制御装置200の制御装置210は、複数の分包処理の予約を行って処理することになる。すなわち、制御装置210は、複数の分包処理の予約に対応して処方データ抽出部214が処方データ記憶部222から複数の処方データを抽出する。
【0192】
制御装置210は、データ記憶部220に格納された処方データを抽出された順序でモニタ101の分包リスト表示エリア1110に表示する(
図18参照)。分包リスト表示エリア1110は、処方データの一覧が表示される。
【0193】
そして、作業者は、モニタ101に表示された処方データの中から分包予約処理を行う処方を選択すると、制御装置210は、選択された処方データから予約一覧情報リストを作成する(ステップS1)。そして、モニタ101に選択された処方データを表示する。例えば、分包リスト表示エリア1110に表示されている処方データの一覧から選択された処方データのナンバー(No.)表示の表示態様を変えて、選択されている処方データを分かるように表示する。
【0194】
続いて、制御装置210は、選択された予約一覧情報リストの処方データ件数を判断し(ステップS2)、選択された処方データが0件の場合には、処方データがないとの表示を行い(ステップS4)、動作を終了する。選択された処方データが1件以上の場合には、ステップS3に進む。
【0195】
ステップS3において、選択された処方データに対応する全ての薬品情報リストを作成する動作を開始する。すなわち、複数の処方データで使用する全ての薬剤を抽出し、処方データ整合部213で薬剤カセット16に収容されている薬剤と整合し、その薬剤を収容してセットされている薬剤カセット16と、セットされていない薬剤カセット16に収容されている薬剤、手撒きする薬剤のリストを作成する。この全ての薬品情報リスト作成動作については、
図15に従い後述する。
【0196】
作業者は、作成された薬品情報リストに基づき、分包処理の効率などから分包処理を遅らせる処方データを選ぶ場合がある。作業者は、薬品情報リスト作成動作の際に分包処理を遅らせる処方データが有る場合には、該当する処方データを解除する設定を行う。
【0197】
そこで、制御装置210は、予約一覧情報から今回の作業から解除する処方データが有るか否か判断する(ステップS5)。
【0198】
ステップS5において、解除するリストが0件の場合には、ステップS9に進む。そして、ステップS9において、選択された処方データに基づく薬品情報リストをモニタ101に表示させ、動作を終了する。
【0199】
ステップS5において、解除するリストが1件以上の場合には、ステップS6に進み、選択された処方リストの解除を確認するメッセージをモニタ101に表示させ、ステップS7へ進む。
【0200】
ステップS7において、解除行う、すなわち、解除OK(S7:Yes)であれば、ステップS8に進む。解除をしない(S7:No)の場合は、ステップS9に進む。そして、ステップS9において、選択された処方データに基づく薬品情報リストをモニタ101に表示させ、動作を終了する。
【0201】
ステップ8において、選択された処方データの解除を行い、ステップS9に進む。ステップS9において、選択された処方データに基づく薬品情報リストを作成する。すなわち、選択された複数の処方データで使用する全ての薬剤を抽出し、その薬剤を収容してセットされている薬剤カセット16と、セットされていない薬剤カセット16に収容されている薬剤、手撒きする薬剤のリストを作成する。そして、使用する薬剤カセット16は、インジケータ17eのLEDを点灯させ動作を終了する。
【0202】
そして、使用されない薬剤カセット16は、薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDが非点灯で判断できる。そして、インジケータ17eのLEDが非点灯の薬剤フィーダ17から薬剤カセット16を取り外し、必要とする薬剤カセット16をセットする。差し替え用の薬剤カセット16がセットされた薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDは薬剤カセット16の情報により点灯する。
【0203】
作業者は薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDの点灯、非点灯を確認することで、薬剤カセット16の差し替え作業を間違えることなく行える。
【0204】
その後、分包処理動作を開始し、順次処方データに従って分包が行われる。そして、手撒きが必要な場合には、手撒きの作業が行われ、全ての作業が終わると分包処理動作が終了する。
【0205】
次に、薬品情報リスト作成動作につき、
図15のフロー図に従い説明する。薬品情報リスト作成動作を開始すると、まず、使用する薬剤カセット16がセットされている薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDを点灯させるために、ステップS11において、LED使用フラグをオンにする。そして、モニタ101に薬剤情報をロード中というロード画面の表示を行い(ステップS12)。
【0206】
続いて、制御装置210は、分包中か否か判断する(ステップS13)。分包中であると判断される(S13:Yes)と、ステップS14に進み、LEDフラグをオフにする。すなわち、分包中であれば、薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDは、エラー表示などに使われる可能性があるため、差し替え可能な薬剤カセット16を判別するためのLED点灯制御は行わない。分包動作が終われば、差し替え可能な薬剤カセット16を判別するためのインジケータ17eのLED点灯制御を行う。
【0207】
分包中でない場合(S13:No)には、ステップS15に進み、薬品情報リストを取得する動作を行う。取得する薬品情報リストの取得動作については、
図16に従い後述する。
【0208】
続いて、ステップS16に進み、制御装置210は、取得した薬品情報リストの件数を判定する。薬品情報リストが0件の場合には、ステップS17に進む。そして、ステップS17において、薬品情報リストが無い旨をモニタ101に表示させ、動作を終了する。
【0209】
ステップS16において、薬品情報リストが1件以上ある場合には、ステップS18に進む。そして、ステップS18において、薬品情報リストをモニタ101に表示する設定を行い、ステップS19に進む。
【0210】
ステップS19においては、薬品情報リストに基づく薬剤カセット16の数が薬剤フィーダ17の数を超えないように、制御装置210は取得した全薬剤リストで使用する薬剤カセット16の数を算出する。そして、算出した薬剤カセット16の数が薬剤フィーダ17の数を超えると、処方データの入力順に薬剤カセット16の使用数をカウントし、薬剤フィーダ17の数を薬剤カセット16が超えた処方データとその後に続く処方データを解除するための選択解除番号リストを作成し、モニタ101に表示させる。そして、モニタ101のロード画面を非表示にし(ステップS20)、動作を終了し、
図14のステップS5に戻る。
【0211】
次に、薬品情報リスト取得動作について、
図16に従い説明する。薬品情報リスト取得動作を開始すると、分包予約されている全ての処方データを検索する(ステップS31)、そして、検索された全ての処方データに基づき、分包予約に基づく薬品情報リストの作成ルーチン動作を行い(ステップS32)、薬品情報リスト取得動作を終了し、
図15のステップS16に戻る。
【0212】
分包予約に基づく薬品情報リストの作成ルーチン動作について、
図17に従い説明する。
【0213】
分包予約に基づく薬品情報リストの作成動作を開始すると、分包予約されている全ての処方データの薬剤別の薬剤カセット16の情報と薬剤カセット16に収容されていない薬剤の情報、薬剤フィーダ17にセットされている薬剤カセット16の種別を取得する(ステップS41)。
【0214】
そして、ステップS42に進み、1処方ごとに処方データの薬剤別の薬剤カセット16の情報と薬剤カセット16に収容されていない薬剤の情報、薬剤フィーダ17にセットされている薬剤カセット16の種別を抽出し、処方データを分包処理の順番に分類し(ステップS42)、ステップS43に進む。
【0215】
分包処理する処方データの順番(i)を1に初期化し(ステップS43)、ステップS44に進む。
【0216】
ステップS44において、現在処理している処方データの順番(i)が全処方データの件数以下か否か判断する。そして、処方データの順番(i)が全処方データの件数以下の場合は、(S44:Yes)、ステップS45に進み、処方の順番(i)が全処方件数を超えている場合(S44:No)、ステップS48に進む。
【0217】
ステップS45では、i番目の処方データにおいて、薬剤フィーダ17にセットできる薬剤カセット16の数の上限を超えるか否か判断する(ステップS45)。超える場合(S45:YES)には、ステップS46に進み、現在処理しているi番目の処方データの抽出情報を削除し、ステップS48に進む。
【0218】
また、ステップS46において、制御装置210は、処方の抽出情報を削除した処方の順番などを処方データに関する情報として記憶し、入れ替え可能な薬剤カセット16を表示するためのカセット情報を取得して、ステップS48に進む。
【0219】
薬剤フィーダ17にセットできる薬剤カセット16の数の上限を超える場合の処理は、例えば、次のように行われる。処方選択時にセットされている薬剤カセット16の全てが処方データで必要であり、差し替えることができる薬剤カセット16がないときは、一処方ごと確認し、この実施形態では最大60種類の薬剤カセット16を超えるか否かを確認する。
【0220】
この場合、順次複数の処方データを処理して行き、薬剤カセット16の数の上限を超える処方データになると、その処方データを分包対象から外して、上限を超えない複数の処方データに基づき、薬剤カセット16の差し替えなどを行えばよい。
【0221】
具体的には、8つの処方データが、それぞれ薬剤が異なる8種とする。薬剤は、薬剤カセット16に収容されているとする。また、セットできる薬剤カセット16の個数は60個である。
【0222】
この場合、7処方目までで56種の薬剤カセット16を使用しているので、8処方目は薬剤カセット16の種類が足りなくなる。そこで、8処方目で「これ以降は薬剤フィーダ数以下になるように以下処方を選択対象としてよいですか」のメッセージを行う。そして、8処方目の処方データは解除し、次の処方で既に選択されている薬剤カセット16と同じ薬剤がある場合には、薬剤カセット16の数の上限を超えない場合もあるので、順次処方データの処理を続ければよい。解除した処方データは、分包リスト表示エリア1110において、ソートされ、順序が後になり、表示される。
【0223】
ステップS45において、セットできる薬剤カセット16の数の上限を超えていない場合(S45:No)には、ステップS47に進み、ステップS47において、順番(i)を1つインクリメントし、ステップS44に戻り、前述の動作を繰り返す。
【0224】
前述の動作を繰り返し、処方データの順番(i)が全処方件数を超えると、ステップS48に進む。ステップS48において、抽出して削除されなかった処方データの処理に進むために、抽出した処方データのカウント数(j)を1に初期化し、ステップS49に進む。
【0225】
ステップS49において、抽出して削除されなかった処方データ数、即ち、薬品情報リストの対象となる処方データ数の全数(A)より、現在の処方データのカウント数(j)が超えているか否か判断する。現在の処方データのカウント数(j)が処方データ数の全数(A)を超えていない場合(S49:Yes)には、ステップS50に進む。
【0226】
ステップS50においては、抽出したカウント数(j)の処方データに基づいて、新規薬剤の情報を設定する。そして、ステップS51に進む。
【0227】
ステップS51においては、薬品情報の更新処理を行う。その後、ステップS52に進む。そして、ステップS52において、抽出したカウント数(j)処方データの薬剤情報をリストへ登録し、ステップS53に進む。
【0228】
ステップS53において、カウント数(j)を1つインクリメントし、ステップS49に戻り、ステップS49において、抽出して削除されなかった処方数の全数(A)より、現在の処方データのカウント数(j)が超えるまで、前述の動作を繰り返す。抽出して削除されなかった処方数の全数(A)より、現在の処方データのカウント数(j)が超えると薬品情報リスト作成動作が終了する。そして、
図16に示すステップS32のルーチンが終了し、
図15のステップS16に戻る。
【0229】
この薬品情報リスト作成動作により、処方データ内の薬剤の一覧リストが作成され、モニタ101の薬品リスト表示エリア1120に表示される。
【0230】
制御装置210は、モニタ101の薬品リスト表示エリア1120に薬剤リストの一覧を表示させる。そして、薬品情報リストにより選ばれている薬剤の中で薬剤フィーダ17にセットされている薬剤カセット16内に収容されているものを抽出する。抽出された薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDを点灯させ、抽出した処方データに用いられる薬剤カセット16を作業者に認識させる。
【0231】
作業者が抽出された処方データの中で使用されていない薬剤カセット16がある場合には、薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDが点灯していない薬剤カセット16を取り出し、薬剤カセット16を差し替える。薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDが点灯していない数だけ、薬剤カセット16を差し替えることができる。
【0232】
このようにして、使用できる薬剤カセット16を薬剤フィーダ17にセットした後、分包処理を開始する。分包処理を開始すると、複数の処方データを薬剤カセット16の差し替えを行わずに行えるため、装置を停止させる時間が削減され、分包処理の効率が向上する。
【0233】
また、手撒きする薬剤がある場合には、薬剤分包装置11を通さずに行う。この時、モニタ101には手撒きするトレー24の収納凹部(マス)の位置を表示させる。このように、薬剤分包装置11を通さずに手撒きを行うことで、薬剤カセット16のみの処方を払出中に手撒きを並行に行うことができ、機械が止まる時間を減らすことができる。
【0234】
また、上述したように、モニタ101に手撒き指示を表示するため、手撒き場所の把握ができる。特に、シングルドーズタイプのトレー24を用いて、手撒きを行う場合には、薬剤分包装置11を用いずに、トレー24の収納凹部に手撒きを行うので、モニタ101に手撒き指示を行うことで、手撒き処理が容易に行える。
【0235】
上記した実施形態においては、薬剤カセット16は、同じサイズである。しかし、薬剤分包装置11においては、薬剤カセット16のサイズが異なり、それに対応する薬剤フィーダ17も異なるように構成した装置がある。
図20及び
図21に大小2種類の薬剤カセットを用いた薬剤分包装置11を示している。この
図20及び
図21に示す薬剤分包装置11は、最下段に大きな薬剤カセット16と薬剤フィーダ17から成る薬剤供給部15が配置されている。他の段には、小さな薬剤カセット16と薬剤フィーダ17から成る薬剤供給部15が配置されている。
【0236】
図20及び
図21に示すように、大きな薬剤カセット16と薬剤フィーダ17から成る薬剤供給部15が小さな薬剤カセット16と薬剤フィーダ17から成る薬剤供給部15よりその個数が少ない。このような場合、薬品情報リスト作成動作のルーチンが異なる。他の制御フローは、単一のサイズを用いた薬剤分包装置11と同様であるので、薬品情報リスト作成動作のルーチンについて、
図22に従い説明する。
【0237】
第2の実施形態に係る薬剤分包装置11は、分包予約に基づく薬剤情報リストの作成動作を開始すると、分包予約されている全ての処方データの薬剤別の薬剤カセット16の情報と薬剤カセット16に収容されていない薬剤の情報、薬剤フィーダ17にセットされている薬剤カセット16の種別を取得する(ステップS61)。
【0238】
そして、ステップS62に進み、1処方ごとに処方データの薬剤別の薬剤カセット16の情報と薬剤カセット16に収容されていない薬剤の情報、薬剤フィーダ17にセットされている薬剤カセット16の種別を抽出し、処方データを分包処理の順番に分類し(ステップS62)、ステップS63に進む。
【0239】
分包処理する処方データの順番(i)を1に初期化し(ステップS63)、ステップS64に進む。
【0240】
ステップS64において、現在処理している処方データの順番(i)が全処方データの件数以下か否か判断する。そして、処方データの順番(i)が全処方データの件数以下の場合は、(S64:Yes)、ステップS65に進み、処方の順番(i)が全処方件数を超えている場合(S64:No)、ステップS70に進む。
【0241】
ステップS65では、大きな薬剤カセット16を使用する個数が上限に達しているか判断し、上限に達している場合には、大きな薬剤カセット16を用いる薬剤は、手撒き動作に振り分ける。そして、ステップS66に進む。
【0242】
ステップS66では、大きな薬剤カセット16と小さな薬剤カセット16との使用個数をカウントし、ステップS67に進む。ステップS66においては、抽出した処方データで使用する薬剤カセット16の総数がカウントされる。
【0243】
続いて、ステップS67において、i番目の処方データにおいて、薬剤フィーダ17にセットできる薬剤カセット16の数の上限を超えるか否か判断する(ステップS67)。超える場合(S67:YES)には、ステップS68に進み、現在処理しているi番目の処方データの抽出情報を削除し、ステップS70に進む。
【0244】
ステップS68において、制御装置210は、処方の抽出情報を削除した処方の順番などを処方データに関する情報として記憶し、入れ替え可能な薬剤カセット16を表示するためのカセット情報を取得して、ステップS70に進む。
【0245】
ステップS67において、セットできる薬剤カセット16の数の上限を超えていない場合(S67:No)には、ステップS69に進み、ステップS69において、順番(i)を1つインクリメントし、ステップS64に戻り、前述の動作を繰り返す。
【0246】
前述の動作を繰り返し、処方データの順番(i)が全処方件数を超えると、ステップS70に進む。ステップS70において、抽出して削除されなかった処方データの処理に進むために、抽出した処方データのカウント数(j)を1に初期化し、ステップS71に進む。
【0247】
ステップS71において、抽出して削除されなかった処方データ数、即ち、薬品情報リストの対象となる処方データ数の全数(A)より、現在の処方データのカウント数(j)が超えているか否か判断する。現在の処方データのカウント数(j)が処方データ数の全数(A)超えていない場合(S71:Yes)には、ステップS72に進む。
【0248】
ステップS72においては、抽出したカウント数(j)処方データに基づいて、新規薬剤の情報を設定する。そして、ステップS73に進む。
【0249】
ステップS73においては、薬品情報の更新処理を行う。その後、ステップS74に進む。そして、ステップS74において、抽出したカウント数(j)処方データの薬剤情報をリストへ登録し、ステップS75に進む。
【0250】
ステップS75において、カウント数(j)を1つインクリメントし、ステップS71に戻り、ステップS71において、抽出して削除されなかった処方数の全数(A)より、現在の処方データのカウント数(j)が超えるまで、前述の動作を繰り返す。抽出して削除されなかった処方数の全数(A)より、現在の処方データのカウント数(j)が超えると薬品情報リスト作成動作が終了する。そして、前述した
図16に示すステップS32のルーチンが終了し、前述した
図15のステップS16に戻る。
【0251】
この薬品情報リスト作成動作により、処方データ内の薬剤の一覧リストが作成され、モニタ101の薬品リスト表示エリア1120に表示される。
【0252】
制御装置210は、モニタ101の薬品リスト表示エリア1120に薬剤リストの一覧を表示させる。そして、薬品情報リストにより選ばれている薬剤の中で薬剤フィーダ17にセットされている薬剤カセット16内に収容されているものを抽出する。抽出された薬剤フィーダ17のインジケータ17eのLEDを点灯させ、抽出した処方データに用いられる薬剤カセット16を作業者に認識させる。
【0253】
薬剤カセット16の種類は、2個に限らず、大、中、小の3サイズなど種類は、用途に応じて適宜選択される。
【0254】
また、この発明の第3の実施形態においては、処方制御装置200は、薬剤分包装置11のトレーの種類に対応した処理等を入力装置100のモニタ101に表示させるように制御する。
図23は、モニタに表示される薬剤分包装置の進捗状況を示す説明図である。
【0255】
モニタ101には、処理状態表示エリア1200、パック設定エリア1210、分包リスト表示エリア1250、薬品リスト表示エリア1260、ファンクションキー表示エリア1130、選択処方数メッセージボックス1240等がそれぞれ表示される。
【0256】
処方制御装置200は、薬剤分包装置11を用いて、分包処理を行う場合には、処理状態表示エリア1200には、パックリストと表示して、処理可能な状態を表示している。
【0257】
パック設定エリア1210は、選択された処方で使用する使用パック(トレー)を表示するエリア1211と現在薬剤分包装置11に装着されている部品が対応するパック(トレー)を表示するエリア1212と、払出可能な処方を選択するための選択アイコン(払出可能処方選択)1213が表示されている。
【0258】
分包リスト表示エリア1250は、処方データの一覧を表示するエリアである。分包装置操作エリア1140は、分包装置の操作を行うエリアである。ファンクションキー表示エリア1130は各種処理を行うエリアである。
【0259】
ユーザが、分包リスト表示エリア1250から分包処理する処方データを選択すると、処方制御装置200は、選択された処方の欄の表示を網掛けなどに変更する。これにより、ユーザは選択した処方を確認できる。
【0260】
そして、選択アイコン1213がクリックされると、処方制御装置200は、選択された処方の数をメッセージボックス1240に表示させる。そして、処方制御装置200は、処方データに基づいて、分包処理に使用するトレー24を判定する。処方制御装置200は、薬剤分包装置11にセットされているトレー(パック)用のアダプタ10等にセット部品を確認する。
【0261】
図23に示す実施形態においては、セットされている部品はシングルドーズ用のトレー(パック)である。エリア1212にはシングルドーズパックと表示されている。
【0262】
処方制御装置200は、パック設定エリア1210の選択した処方に用いるトレー24はマルチドーズ用のトレー(マルチドーズパック)であることをエリア1211に表示する。
【0263】
この実施形態では、分包に使用するトレー24と薬剤分包装置11にセットされているトレー用の部品は異なる。このため、薬剤分包装置11にセットしているトレー用の部品を交換する必要がある。
【0264】
このため、メッセージボックス1240に表示されているOKアイコン1240aをクリックすると、
図24に示すように、処方制御装置200は、トレー用部品をユーザが交換するように促す表示をモニタ101に行う。
【0265】
この実施形態では、処方制御装置200は、パックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cをマルチドーズ用パック(トレー)に変更するための表示をモニタに行う。
【0266】
ユーザは、マルチドーズ用パック用のパックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cを用意する。パックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cには、それぞれ対応するトレー24を識別するためのバーコードが設けられている。
【0267】
処方制御装置200は、パックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cのバーコードをそれぞれ読み込ませて、取り替えることを促す表示をモニタ101に行う。
【0268】
ユーザはパックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cのバーコードを読み込ませる。処方制御装置200は、読み込んだパックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cのバーコードにより、選択したパックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cが所望する部品で有るか否か判断する。バーコードで読み込んだ情報が所望する部品と異なる場合には、エラー表示を行う。
【0269】
そして、
図25に示すように、処方制御装置200は、パックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cが所望の部品と判断すると、パックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cを取り替えるようにモニタ101に表示する。モニタ101は、該当する箇所を網掛けにするなどしてユーザに分かりやすく表示する。
【0270】
これにより、ユーザは、処方を行うトレー24に該当する部品に間違いなく交換することができる。この後、処方制御装置200は、分包処理を実行させる。
【0271】
また、処方制御装置200は、読み込んだパックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cのバーコードにより、選択したパックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cが所望する部品で有るか否か判断する。バーコードで読み込んだ情報が所望する部品と異なる場合には、分包処理の実行を禁止する。
【0272】
これにより、誤った部品により分包処理の実行が行われることを禁止することができる。また、モニタ101にエラー表示と共に分包処理の実行が禁止している原因を把握することもできる。
【0273】
このようにして、複数種類のトレーに対応した部品に交換して分包処理動作を行うことができる。
【0274】
なお、バーコードの代わりにパックスペーサ10d、押出ケース490、押出スペーサ491、パックアダプタセット板10cそれぞれにRFID等の無線による識別情報を持たせ、それぞれが正しい部品であることを、本体装着時に認証、確認を行わせてもよく、同様に対象の部品で無いと判定した場合にはモニタにエラー表示を行っても良い。
【0275】
上記した実施形態では、薬剤として錠剤を用いた場合について説明したが、錠剤に限らずカプセルなど分包できる薬剤であれば薬剤の種類は問わない。
【0276】
また、上記した実施形態では、ブリスターパック形式のトレーに分包する場合について説明したが、分包容器は、これに限らず、分包紙又はバイヤル瓶などに分包する薬剤分包装置にもこの発明は適用することができる。
【0277】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0278】
1 :トレー投入ユニット
2 :トレー排出ユニット
3 :ユニット
10 :アダプタ
11 :薬剤分包装置
13 :薬剤収納部
14 :分包部
15 :薬剤供給部
16 :薬剤カセット
16a :情報記録部
17 :薬剤フィーダ
17a :読取部
17e :インジケータ
19 :薬剤供給装置
24 :トレー
100 :入力装置
101 :モニタ
200 :処方制御装置
210 :制御装置
211 :払出制御部
212 :点灯制御部
213 :処方データ整合部
214 :処方データ抽出部
215 :薬品情報リスト作成部
220 :データ記憶部
221 :カセット情報記憶部
222 :処方データ記憶部
223 :処方ID記憶部
224 :薬品情報リスト記憶部