(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010976
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112613
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 賢治
(72)【発明者】
【氏名】橋本 良平
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA11
2C088CA28
2C088CA30
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】遊技機に対して行うべき作業内容を携帯端末において確認可能なシステムを提供する。
【解決手段】遊技機10に付与された固有情報に関する情報を管理可能な遊技場用システム1において、作業者が携帯可能な携帯端末40と、遊技機10に付与された固有情報が、作業者の操作によって入力された場合に固有情報を記憶可能なサーバ60とを備え、携帯端末40は、遊技機10の所定箇所に付された遊技機の固有情報を特定可能な情報を読み取る機能と、特定した固有情報に関する特定情報をサーバ60に送信する機能とを備え、サーバ60は、作業者の操作に基づいて、遊技機10に対して行うべき作業内容を、記憶している固有情報と紐づけて記憶可能であり、記憶している固有情報と携帯端末40から受信した特定情報とに基づいて携帯端末40に送信すべき作業内容を特定可能であり、特定された作業内容を携帯端末40に送信可能な構成としてある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に付与された固有情報に関する情報を管理可能な遊技場用システムにおいて、
作業者が携帯可能な情報処理手段と、
遊技機に付与された固有情報が、作業者の操作によって入力された場合に当該固有情報を記憶可能な管理手段と、
を備え、
前記情報処理手段は、
前記遊技機の所定箇所に付された当該遊技機の固有情報を特定可能な情報を読み取る機能と、
特定した固有情報に関する特定情報を前記管理手段に送信する機能と、
を備え、
前記管理手段は、
作業者の操作に基づいて、遊技機に対して行うべき作業内容を、記憶している固有情報と紐づけて記憶可能であり、
記憶している固有情報と前記情報処理手段から受信した特定情報とに基づいて、前記情報処理手段に送信すべき作業内容を特定可能であり、
特定された作業内容を前記情報処理手段に送信可能である
ことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記管理手段は、
前記作業内容が、遊技機を新たに遊技場に設置することを確認することに対応する内容である場合に、当該遊技機の設置位置として遊技場における位置を示す情報を前記情報処理手段に送信可能とし、
前記情報処理手段は、
表示手段を備え、
遊技場に設置された状態の前記遊技機の固有情報を特定可能な情報を読み取ることで前記特定情報を前記管理手段に送信した後に、前記管理手段から前記作業内容と遊技場における位置を示す情報を受信して前記表示手段に表示可能であり、
前記表示手段における表示内容を確認した作業者の操作に基づいて、確認が完了したことを示す確認情報を前記管理手段に送信可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記管理手段は、
前記作業内容が、遊技機を遊技場内において別の位置に移動することに対応する内容である場合に、当該遊技機の遊技場における移動前の位置と移動後の位置とを示す情報を前記情報処理手段に送信可能とし、
前記情報処理手段は、
表示手段を備え、
遊技場における前記移動後の位置に設置された状態の前記遊技機の固有情報を特定可能な情報を読み取ることで前記特定情報を前記管理手段に送信した後に、前記管理手段から前記作業内容と遊技場における移動前の位置と移動後の位置とを示す情報を受信して前記表示手段に表示可能であり、
前記表示手段における表示内容を確認した作業者の操作に基づいて、確認が完了したことを示す確認情報を前記管理手段に送信可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記管理手段は、
前記情報処理手段から前記確認情報を受信した場合に、受信した日時に関する情報を含む確認日時情報を記憶可能であり、
一の作業内容に対して、前記確認日時情報を複数記憶可能である
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記情報処理手段は、
表示手段を備え、
前記遊技機の固有情報を特定可能な情報を読み取る前に作業者に選択させた日付情報を、読み取った固有情報と紐づけて前記管理手段に送信可能とし、
前記管理手段は、
前記作業内容に対応する日付情報を記憶可能であり、
記憶している固有情報及び日付情報と、前記情報処理手段から受信した特定情報及び日付情報とに基づいて、前記情報処理手段に送信すべき作業内容を判定可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設置されている遊技機を管理可能なシステムが知られている。
例えば、特許文献1には、遊技場に設置されている遊技機から出力されるID(遊技機ID)に基づいて、当該遊技機の台番号が適切であるか否かを管理する管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムには、改良すべき余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の遊技場用システムは、遊技機に付与された固有情報に関する情報を管理可能な遊技場用システムにおいて、作業者が携帯可能な情報処理手段と、遊技機に付与された固有情報が、作業者の操作によって入力された場合に当該固有情報を記憶可能な管理手段と、を備え、前記情報処理手段は、前記遊技機の所定箇所に付された当該遊技機の固有情報を特定可能な情報を読み取る機能と、特定した固有情報に関する特定情報を前記管理手段に送信する機能と、を備え、前記管理手段は、作業者の操作に基づいて、遊技機に対して行うべき作業内容を、記憶している固有情報と紐づけて記憶可能であり、記憶している固有情報と前記情報処理手段から受信した特定情報とに基づいて、前記情報処理手段に送信すべき作業内容を特定可能であり、特定された作業内容を前記情報処理手段に送信可能な構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。
【
図3】携帯端末の制御構成を示すブロック図である。
【
図5】在庫DBの構成を示すデータテーブルである。
【
図6】台入替DBの構成を示すデータテーブルである。
【
図7】新台納入に関する事前設定処理を示すシーケンス図である。
【
図8】台入替に関する事前設定処理を示すシーケンス図である。
【
図9】台入替に係る作業確認に関する処理を示すシーケンス図である。
【
図10】携帯端末に表示される表示画面を示す説明図である。
【
図11】携帯端末に表示される表示画面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る遊技場用システムの好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
図1に示すように、遊技場用システム1(以下、本システム1ともいう。)は、複数の遊技場と、複数の遊技場(遊技場A~遊技場C)の運営を管理する運営本部と、サーバ60等が通信可能に構成されており、サーバ60を中心としたスター型のネットワークを構成する。
遊技場用システム1は、遊技機10、台間機20、ホールコンピュータ30及び携帯端末40等が遊技場内に設けられ、本部端末50が運営本部内に設けられており、ホールコンピュータ30、携帯端末40及び本部端末50が、インターネットを介してサーバ60とデータ通信可能に接続される。
なお、
図1では、遊技場内の構成を簡略化して示しているが、遊技場内には、他の遊技用装置(例えば、呼出ランプ、計数機、中継装置(台コンピュータ)等)も設けられている。また、遊技場A以外の遊技場(遊技場B、遊技場C)も遊技場Aと同様の構成を有しているものとする。
【0008】
このような構成からなる遊技場用システム1においては、遊技機10に対して付与された固有情報(製造番号等)と、当該遊技機10に対して行うべき作業内容をサーバ60に予め記憶し、遊技機10の所定箇所に付され、固有情報を特定可能な情報(QRコード(登録商標))を携帯端末40によって読み取ることで、当該遊技機10に対して行うべき作業内容を、携帯端末40において閲覧可能なサービスを提供できるようになっている。
以下、このような遊技場用システム1について詳細に説明する。
【0009】
(遊技機)
図1に示すように、各遊技場には、複数の遊技機10(パチンコ機10a、スロットマシン10b)が設置されている。
遊技機10には、遊技者に遊技媒体を貸し出す台間機20(パチンコ機用台間機20a、スロットマシン用台間機20b)が隣接して配置されている。
各遊技機10において、遊技者は以下のような遊技の流れに沿って遊技を行う。
例えば、遊技者は、遊技の開始にあたり、遊技機10に隣接配置されている台間機20に現金又は所定のカードを投入するとともに、所定の貸出操作を行うことにより遊技媒体の貸し出しを行う。貸し出された遊技媒体は遊技機10に投入され遊技が可能となる。
パチンコ機10aでは、遊技者が発射ハンドルを操作して遊技媒体となる遊技球を遊技領域に発射させ、その発射した遊技球が所定の入賞口に入賞することで、所定数の遊技球が払い出される。
スロットマシン10bでは、遊技者が遊技媒体となる遊技用メダルを投入してスタートレバーを操作することにより、所定の絵柄や文字,数字等の図柄を表示した複数(通常は3個)のリールが回転を開始し、各リールに対応した複数(通常は3個)のストップボタンを任意のタイミングで押下することでリールを停止させ、停止したリールの図柄の配列に応じて所定数のメダルが払い出される。
また、遊技機10及び台間機20は、図示しない中継装置を介してホールコンピュータ30と通信可能に接続されており、遊技機10及び台間機20からは様々な遊技信号がホールコンピュータ30に送信される。
遊技信号には、遊技機10へ投入された遊技媒体数に対応して出力されるアウト信号、遊技機10から払い出された遊技媒体数に対応して出力されるセーフ信号、台間機20における貸出操作に応じて出力される貸出信号などがある。
なお、本実施形態に係る遊技機10は、従来の遊技機とほぼ同様の構成及び機能を備えており、遊技の内容や方法も同様のものとなっている。そのため、本実施形態では、本発明に関連するもの以外の遊技機の詳細な説明は省略する。
【0010】
(証紙ラベル)
遊技機10には、例えばメーカーによる組合によっての検査済みを示す証紙ラベル11が所定箇所に貼着されている。
パチンコ機10aの場合は、例えば、パチンコ機10aの外殻を形成し、遊技場の遊技島設備に取り付けられる遊技枠や、遊技枠に収容され、遊技領域内に所定の電動役物等を配設する遊技盤や、パチンコ機10aの主基板を収容する基板ケース等に証紙ラベル11が貼着されている。
遊技枠は、他のパチンコ機10aへの再利用が可能である。そのため、パチンコ機10aを新たに購入する際に遊技枠も購入することなく、遊技島に設置済の遊技枠を再利用してパチンコ機10aを設置することもできる。
スロットマシン10bの場合は、例えば、スロットマシン10bの筐体内に複数のリールを備えるリールユニットや、スロットマシン10bから払い出されるメダルを収容可能な受皿ユニットや、スロットマシン10bの主基板を収容する基板ケース等に証紙ラベル11が貼着されている。
【0011】
証紙ラベル11には、
図2に示すように、メーカーコードと、製造番号と、それらを含むデータを二次元コード化したQRコードが印刷されている。
製造番号は、遊技機固有の情報であって、数字等の文字からなり、部品ごとに割り当てられた番号である。例えば、パチンコ機10aの場合は、遊技枠製造番号(101~1nn)、遊技盤製造番号(201~2nn)、基板管理番号(301~3nn)のように付番されており、スロットマシン10bの場合は、回胴製造番号(601~6nn)、筐体製造番号(401~4nn)、基板管理番号(501~5nn)のように付番されている。
【0012】
QRコードには、例えば、メーカー名、機種名、製造番号、部品名等がコード化されている。
本実施形態では、各証紙ラベル11に付されたQRコードに含まれる固有情報(製造番号)を利用することで、日々の遊技場の運用において、遊技機10に対する作業の確認や遊技機の在庫管理を行うようにしている。
例えば、遊技場において、遊技機10の入替え作業を行う際に、作業者が入替対象の遊技機10に付されるQRコードを携帯端末40で読み取ることで、対象の遊技機10に対する作業内容を確認することができるようになっている。
また、例えば、遊技場の倉庫内作業の際に、作業者が対象の遊技機10に付されるQRコードを携帯端末40で読み取ることで、対象の遊技機10の設置予定や出庫予定を確認することができるようになっている。
なお、QRコードに限らず、一次元コードであってもよい。
【0013】
(ホールコンピュータ)
ホールコンピュータ30は、遊技場の管理者が操作可能な場所、例えば、カウンター奥の管理室などに設置されるパーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、その遊技場の遊技機10に関する各種情報を蓄積し、管理する。
ホールコンピュータ30は、LAN等のネットワークを介して遊技機10や台間機20等と接続され、遊技機10や台間機20から出力される遊技信号(例えば、アウト信号、セーフ信号、スタート信号、貸出信号等)を収集して遊技機10ごとの遊技情報を集計する。そして、ホールコンピュータ30は、この集計された遊技情報を、リアルタイムに順次蓄積するため、機種、台番号等、所定のカテゴリーに応じて編集し、提供することができる。
また、ホールコンピュータ30は、インターネットなどの公衆回線を介してサーバ60と通信可能に接続されており、サーバ60との間で各種情報の送受信を行うことができる。例えば、自店舗における遊技情報を、所定のタイミングで、サーバ60に送信する。
なお、ホールコンピュータ30の上記以外の構成や機能は、周知の構成や機能であり、詳細な説明は省略する。
【0014】
(携帯端末)
次に、本発明における情報処理手段の一例である携帯端末40について説明する。
携帯端末40は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等のインターネットなどの公衆回線への接続機能を有する通信端末機器である。本実施形態においては、携帯端末40として、画面へのタッチ操作やタップ操作に応じて各種機能を実行できるスマートフォンに適用した一例について説明する。
携帯端末40は、インターネットを介してサーバ60と通信可能に接続されており、サーバ60との間で各種情報の送受信を行うことができる。例えば、携帯端末40上で所定の操作を行うことでサーバ60に対して所定の要求を行い、本システム1で提供されるAPI等を介して、サーバ60から、当該要求に対応した各種情報を受信して、画面上に表示させることができる。
【0015】
携帯端末40は、
図3に示すように、画像読取部41、記憶部42、通信部43、表示部44及び制御部45によって構成されている。
画像読取部41は、例えば、カメラ等の撮像手段により撮影した二次元コード画像に含まれる情報を読み取る。
具体的には、証紙ラベル11に印字されたQRコードが、携帯端末40のカメラによって撮影されると、QRコード画像に含まれる特定情報を読み取る。特定情報としては、例えば、メーカー名、機種名、製造番号、部品名等が含まれる。
【0016】
記憶部42は、例えば、ROM、RAM等で構成することができ、携帯端末40の有する各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する。
また、記憶部42に記憶されているプログラムとしては、携帯端末40上で実行可能な機能を有するアプリケーションプログラム(以下、アプリという)がある。このアプリを介してサーバ60と通信可能になっている。
本実施形態では、このようなアプリの一つとして、「作業支援アプリ」が記憶されている。
なお、アプリは、携帯端末40に標準装備されたものであってもよく、あるいは、携帯端末40を購入後、通信部73を介してウェブサイトからダウンロードしたものであってもよい。
【0017】
通信部43は、サーバ60との通信を行うための通信インタフェースであり、例えば、画像読取部41で読み取られた特定情報や、アプリ内で入力された各種情報をサーバ60に送信する。
表示部44は、例えば、液晶パネル等で構成することができ、確認や操作に用いる文字、図形、データその他の画像(静止画像、動画像)を画面上に表示する。例えば、アプリの実行画面を表示する。
なお、表示部44は、タッチパネルで構成され、指やタッチペンで画面上の表示に触れることにより入力操作(例えば、通信操作、文字入力操作、選択操作等)が可能な操作部としても機能する。
制御部45は、例えば、CPUにより構成することができ、記憶部42に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、携帯端末40の構成各部に指令を送り、又は自ら動作して、携帯端末40の有する各種機能を制御する。
【0018】
(本部端末)
本部端末50は、運営本部の管理者等が操作可能なパーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。
本部端末50は、インターネットを介してサーバ60と通信可能に接続されており、サーバ60との間で各種情報の送受信を行うことができる。
本部端末50には、本部端末50上で実行可能な機能に対応したアプリが記憶部に記憶されており、このアプリを介してサーバ60と通信可能になっている。このようなアプリの一つとして、「遊技場管理アプリ」が記憶されている。
例えば、遊技場管理アプリ上で、所定の操作を行うことでサーバ60に対して所定の要求を行い、要求に応じた情報(各遊技場の遊技情報等)をサーバ60から受信して、表示することができる。そのため、運営本部の管理者等は、遊技場ごとの遊技機の稼動状況や売上状況などを把握でき、新台購入、増設、移設、撤去等を検討することで、遊技場の運営に活用することができる。
【0019】
また、本部端末50は、作業者の操作によって入力された各種情報をサーバ60に送信することができる。
例えば、新たな遊技機10を遊技場に設置(以下、新規設置)する場合、遊技場管理アプリ(新台登録画面)において、新規設置する遊技機10に付与された製造番号等を対象の遊技場と紐づけて入力することで、入力した情報をサーバ60に送信することができる。
また、遊技場内で遊技機10を移設(以下、台移設ともいう)する場合や、設置中の遊技機10を撤去(以下、台撤去ともいう)する場合には、遊技場管理アプリ(台入替設定画面)において、遊技機10の移動先や移動元、撤去先や撤去理由等を入力することで、入力した情報をサーバ60に送信することができる。
【0020】
(サーバ)
次に、本発明における管理手段の一例であるサーバ60について説明する。
サーバ60は、インターネットなどの公衆回線を介してホールコンピュータ30、携帯端末40及び本部端末50と通信可能に接続されている。
サーバ60には、Webサーバプログラムなどのミドルウェア上で稼働するソフトウェアが実装されるようになっている。このソフトウェアは、ホールコンピュータ30、携帯端末40及び本部端末50に対して、インターネットを介して、例えばAPI(Application Programming Interface)という形で利用可能なアプリケーションを提供する。
これにより、ホールコンピュータ30、携帯端末40及び本部端末50では、専用のアプリケーションプログラムやウェブブラウザ等を呼び出してログインすることにより、本発明に係る遊技場用システムの各種処理・機能を実行させ利用することができるようになる。
【0021】
サーバ60は、
図4に示すように、通信部61、記憶部62、表示部63、操作部64及び制御部65によって構成されている。
通信部61は、ホールコンピュータ30、携帯端末40及び本部端末50との通信を行うための通信インタフェースであり、インターネットを介して、各装置との間で必要な情報の送受信を行う。
【0022】
記憶部62は、サーバ60の各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶可能な記憶媒体(例えば、ROM、RAM、ハードディスク、SSDなど)で構成される。
記憶部62には、遊技情報DB、在庫DB、台入替DB、設置情報DB等が記憶されている。
遊技情報DBは、本部端末50から送信される遊技情報を、遊技場ごと及び営業日ごとに、蓄積したデータベースである。これらが全遊技場分、及び、過去の所定期間分、記憶されたデータによって構成されている。
なお、ホールコンピュータ30からアウト、セーフなどの遊技情報を受信し、これらの情報に基づいて遊技情報DBを構成することもできる。
【0023】
在庫DBは、遊技場内に保管される在庫台の情報が格納されたデータベースであり、
図5に示すように、例えば、遊技場、メーカー名、PS種別、機種名、入荷日、入荷後の対応、製造番号等が含まれ、「製造番号」をキーとして構成される。
「製造番号」には、パチンコ機10aの場合は、遊技枠製造番号、遊技盤製造番号、基板管理番号が記憶されており、スロットマシン10bの場合は、回胴製造番号、筐体製造番号、基板管理番号が記憶されている。
【0024】
台入替DBは、遊技機10の入替えに関する情報が格納されたデータベースであり、
図6に示すように、例えば、遊技場、機種名、入替日、作業内容、製造番号、QR読取日時等が含まれ、「製造番号」をキーとして構成される。
「入替日」は、遊技機10の入替え作業が行われる日である。
「作業種類」は、入替え作業の種類であり、例えば、新規設置、移設、撤去(廃棄、売却、他遊技場移動、一時退避)がある。
「移動前」、「移動後」は、入替前の設置位置と、入替後の設置位置であり、例えば、台番号や移動場所(「倉庫奥」、「倉庫手前」、「倉庫棚A」)等である。
「QR読取日時」は、本発明の確認日時情報に対応しており、証紙ラベル11のQRコードを読み取った日時である。すなわち、「QR読取日時」は、作業者が携帯端末40によってQRコードを読み取ったことを示す確認情報をサーバ60(通信部61)が受信すると、記憶されるようになっている。
また、「QR読取日時」は、一の作業内容に対して複数記憶可能である。
このように、台入替DBには、入替対象の遊技機10に対して行うべき作業内容やQRコードを読み取ったことを示す情報が製造番号(固有情報)と紐づけて記憶される。
【0025】
設置情報DBは、遊技場内に設置中の遊技機10や倉庫に保管中の遊技機10に関する情報が格納されたデータベースであり、例えば、現在及び過去の設置位置のデータや遊技機10の基本データを記憶している。
【0026】
表示部63は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示手段である。
操作部64は、キーボードやマウス等からなり、所定のデータや指示、命令等を選択、入力できる。
制御部65は、例えば、CPUにより構成することができ、記憶部62に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、サーバ60の構成各部に指令を送り、又は自ら動作して、サーバ60の有する各種機能を制御する。
【0027】
次に、遊技場用システム1の具体的な処理・動作について、
図7~
図11を参照して説明する。
本システム1のサービスを利用する者(作業者)は、遊技機10に貼着されている証紙ラベル11のQRコードを携帯端末40によって読み取ることで、当該遊技機10に対して行うべき作業内容や当該遊技機10の設置状態を確認する。
そのため、遊技場の管理者は、作業者が確認作業を行うまでに、対象となる遊技機10に関する情報の登録や作業内容の登録を、本システム1(サーバ60)に予め行う必要がある。
まず、管理者の操作に基づく事前設定処理について、
図7、8を参照して説明する。
【0028】
(新台納入に関する事前設定処理)
遊技場に新たに遊技機が納入される際の事前設定処理について、
図7を参照して説明する。
運営本部の管理者は、例えば、メーカーから新台や中古台を購入した場合や、遊技場(チェーン店舗)間で遊技機の移動があった場合には、対象の遊技機10に関する情報を本システム1に登録する作業を行う。
まず、本部端末50を操作して、「遊技場管理アプリ」を起動する(S10)。
当該アプリが起動されると、本部端末50には、アプリ上で提供される各種機能を選択可能な操作画像が表示され、それらのうち「新台登録」が選択操作されると、新台登録画面が表示される(S11)。
新台登録画面では、所定の入力フォームが表示され、遊技機10の固有の情報を入力可能になっている。
例えば、設置先の遊技場、機種名、入荷日、入荷後の対応、製造番号(パチンコ機10aの場合は、遊技枠製造番号、遊技盤製造番号、基板製造番号、スロットマシン10bの場合は、回胴製造番号、筐体製造番号、基板製造番号)等が入力可能であり、入力された情報の一部又は全部がサーバ60に送信される(S12)。
そして、本部端末50から送信された情報がサーバ60(通信部61)で受信され(S13)、サーバ60では、当該情報を、在庫DBに記憶する(S14)。
【0029】
図5は、新台登録作業が行われた場合の在庫DBの一例を示している。
図5に示す例では、遊技場Aに、3台の同機種(P-ABC)のパチンコ機10aと2台の同機種(S-ABC)のスロットマシン10bが入荷されることを示しており、3台のパチンコ機10aは、入荷後、遊技島に新規設置されることを示している。
また、遊技機10ごとに各種製造番号が記憶されている。
このように、本部端末50において、新規設置する遊技機10に付された製造番号等が、管理者(作業者)の操作によって入力されることで、予め、本システム1(サーバ60)に記憶することができる。
なお、製造番号等の入力は、例えばメーカーから提供される製造番号一覧を参照して、所定の入力フォームから入力することを想定しているが、これに限らず、製造番号等を含む情報がコード化された画像を所定の読取機で読み取ることで、自動的に入力がされるようにしてもよい。
【0030】
(台入替に関する事前設定処理)
次に、遊技場において遊技機10の台入替が行われる際の事前設定処理について、
図8を参照して説明する。
運営本部の管理者は、遊技場において新規設置、台移設、台撤去等の台入替が行われる場合には、入替日の前日までに、対象の遊技機10に関する情報を本システム1(サーバ60)に設定する作業を行う。
まず、本部端末50を操作して、「遊技場管理アプリ」を起動する(S20)。
当該アプリの各種機能のうち、「台入替設定」が選択操作されると、台入替設定画面が表示される(S21)。
【0031】
台入替設定画面は、対象の遊技場を指定することで、例えば、遊技場内の遊技島のレイアウトや遊技場の倉庫内のレイアウト等が表示される。遊技島レイアウト上には設置中の遊技機10が表示され、倉庫内レイアウト上には保管中の遊技機10が表示され、その他の表示領域に新規設置予定の遊技機10が表示される。
台入替設定画面では、マウスの操作によって、新規設置、台移設、台撤去等の設定を行うことができる。
例えば、入替日を指定した上で、遊技島レイアウト上に表示されている遊技機をマウスで選択し、所望の設置位置に移動操作を行うことで、入替日、移動前、移動後を指定した「台移設」の設定を行うことができる。
【0032】
また、入替日を指定した上で、遊技島レイアウト上に表示されている遊技機をマウスで選択し、倉庫内レイアウト上の所望の保管位置に移動操作を行うことで、入替日、移動前、移動後を指定した「台撤去」の設定を行うことができる。
台撤去の設定を行う場合には、その理由を入力することができる。例えば、廃棄、売却、他遊技場へ移動、期限切れ、一時退避等の理由を入力することができる。また、出庫予定日(廃棄日、売却日、他店移動日等)を入力することもできる。
【0033】
また、入替日を指定した上で、画面上に表示されている新規設置予定の遊技機をマウスで選択し、遊技島レイアウト上の所望の設置位置に移動操作を行うことで、新規設置先(移動後)を指定した「新規設置」の設定を行うことができる。
また、倉庫内レイアウト上から遊技島レイアウト上に移動操作を行うことで、遊技場内への移設の設定を行うこともできる。
なお、マウスの操作のみで遊技機の台入替に関する設定を行う場合で説明したが、これに限らず、所定の入力フォームを用いて各種情報を入力することで、設定を行うこともできる。
【0034】
台入替設定画面において、上述のような入力操作が行われると、入力された情報の一部又は全部がサーバ60に送信される(S22)。例えば、遊技場、機種名、入替日、作業内容等の情報が送信される。
そして、本部端末50から送信された情報がサーバ60(通信部61)で受信され(S23)、サーバ60では、当該情報を台入替DBに記憶する(S24)。
【0035】
図6は、台入替設定画面において設定が行われた場合の台入替DBの一例を示している。
図6に示す例では、遊技場Aにおいて、2022年6月22日(入替日)に、次のような台入替が設定されていることを示している。
・3台の同機種(P-ABC)のパチンコ機10aは、701番台、702番台、703番台に新規設置する。
・設置中の701番台、702番台のパチンコ機10aは、901番台、902番台に移設する。
・設置中の703番台のパチンコ機10aは、撤去(売却)、901番台のパチンコ機10aは、撤去(廃棄)、902番台のパチンコ機10aは撤去(遊技場Bへ移動)する。
・901番台、902番台の遊技枠(遊技枠製造番号が181と182)は、再利用する。
【0036】
このように、本部端末50において、管理者(作業者)の操作により、対象の遊技機10に対して行うべき台入替の作業内容等が入力されることで、予め、本システム1(サーバ60)に記憶することができる。
なお、上述の説明では、事前設定処理を、本部端末50において行う場合で説明したが、これに代えて又は加えて、ホールコンピュータ30において行うこともできる。
【0037】
次に、遊技場の従業員が、本システム1のサービスを利用する場合の動作について、
図9~
図11を参照して説明する。
なお、以下の説明では、上述した事前設定処理が予め行われているものとし、在庫DB、台入替DBが、
図5、6に示すような状態であるものとする。
【0038】
(台入替に係る作業確認に関する処理)
遊技場において遊技機10の入替作業が行われる際に、作業者が遊技機10に対して行うべき作業の内容を確認する場合の各装置の処理について説明する。
ここでは、遊技場における遊技機10の入替作業は、入替日前日の営業終了後に行われるものとし、入替作業が終了し、遊技機10が新しい位置に設置又は保管された状態で確認作業を行うことを想定している。
【0039】
まず、作業確認を行う場合には、携帯端末40を操作して、「作業支援アプリ」を起動する(S30)。
なお、「作業支援アプリ」は、指定した日時(例えば、遊技場営業開始前の20時間前以降)にならないと、一部又は全部の機能が使用できないようにしてもよい。例えば、QRコードを読み取る機能を制限する、又は、QRコードを読み取っても結果画面の表示を制限するようにしてもよい。この場合、20時間前である旨のメッセージを表示することが好ましい。
【0040】
当該アプリが起動されると、携帯端末40には、例えば、
図10(a)に示すような、初期画面が表示され、棚卸確認画面と入替確認画面が、タブの選択操作によって切り替え可能になっている(S31)。なお、以降、便宜上、棚卸確認画面が選択されている状態を棚卸モードといい、入替確認画面が選択されている状態を入替モードともいう。
【0041】
入替確認画面は、
図10(a)に示すように、作業を行う遊技場を選択可能な「遊技場選択」項目と、入替日を選択可能な「入替日選択」項目が表示される(S32)。
「遊技場選択」項目欄内に表示される任意の遊技場を指定することができる。
「入替日選択」項目欄内のカレンダーアイコンを選択すると、年・月・日のカレンダーがポップアップ表示され、任意の日を指定することができる。
図10(a)に示す例では、「遊技場A」が選択されており、「2022年6月22日」の入替日が選択されていることを示している。
【0042】
入替確認画面において、「遊技場」と「入替日」を選択した状態で、画面下方に表示されるQR画像がタップ操作されると、QRコードの読み取り画面(非図示)が表示される。この読み取り画面において、作業者の操作により、遊技機10に貼着される証紙ラベル11に印字されたQRコードを撮影することができる。
これにより、携帯端末40(画像読取部41)は、QRコード画像に含まれる遊技機10の固有情報に関する特定情報(メーカー名、機種名、製造番号、部品名等)を読み取り、当該特定情報の一部又は全部と、「遊技場」及び「入替日」をサーバ60へ送信する(S33)。
【0043】
そして、携帯端末40から送信された情報がサーバ60(通信部61)で受信される(S34)。
サーバ60(制御部65)は、携帯端末40から受信した日付情報(入替日)及び特定情報(製造番号)と一致するデータが、台入替DBに記憶されているか否かを判定する(S35)。
判定の結果、記憶されていると判定した場合には、台入替DBに記憶されている情報(作業内容、各製造番号等)を特定(抽出)し、当該情報を携帯端末40に送信する。
携帯端末40は、当該情報を受信するとともに、当該情報が含まれる結果画面を表示する(S36)。
なお、判定の結果、記憶されていないと判定した場合、すなわち、QRコードを読み取った遊技機10が入替対象ではない場合には、その旨を示す情報を携帯端末40に送信してもよい。
【0044】
図10(b)~(d)は、入替モード中のQRコードの読み取り結果を示す表示画面である。
図10(b)は、「遊技場」=「遊技場A」、「入替日」=「2022/6/22」を指定して、遊技枠に貼着される証紙ラベル11のQRコードを読み取った結果、当該遊技機10に対する作業内容が「新規設置」であり、設置位置(移動後)が「701番台」であることを示している。
図10(c)は、「遊技場」=「遊技場A」、「入替日」=「2022/6/22」を指定して、遊技盤に貼着される証紙ラベル11のQRコードを読み取った結果、当該遊技機10に対する作業内容が「移設」であり、移動前の設置位置が「701番台」であり、移動後の設置位置が「901番台」であることを示している。
図10(d)は、「遊技場」=「遊技場A」、「入替日」=「2022/6/22」を指定して、基板ケースに貼着される証紙ラベル11のQRコードを読み取った結果、当該遊技機10に対する作業内容が「撤去」であり、移動前の設置位置が「703番台」であり、移動後の設置位置が「倉庫(手前)」であり、撤去理由が「売却の為」であることを示している。
【0045】
このように、作業者は、携帯端末40において遊技機10に対する入替作業の内容を確認することができる。
作業内容が「新規設置」の場合には、その設置位置(台番号)を確認することができる。
また、作業内容が「移設」の場合には、その移動前の設置位置(台番号)と移動後の設置位置(台番号)を確認することができる。
また、作業内容が「撤去」の場合には、その保管先と移動前の設置位置(台番号)を確認することができる。
【0046】
なお、
図10に示す読み取り結果画面は、上記に限らず、次のような表示態様としてもよい。
例えば、関連する入替情報を合わせて表示してもよい。
入替作業として「新規設置」が行われる場合には、入替先(移動後)に既に設置されている遊技機は「移設」又は「撤去」の入替作業が行われることになる。この「移設」又は「撤去」に係る入替情報も合わせて表示するようにしてもよい。
入替作業として「移設」が行われる場合も、入替先に既に設置されている遊技機の「移設」又は「撤去」に係る入替情報を合わせて表示するようにしてもよい。
また、これに代えて又は加えて、読み取り結果画面に表示される移動前の台番号や移動後の台番号をタップ操作することで、当該遊技機の入替情報を表示するようにしてもよい。
また、再利用される遊技枠のQRコードを読み取った場合には、再利用前の入替情報と再利用後の入替情報を双方表示してもよい。
例えば、「遊技場」=「遊技場A」、「入替日」=「2022/6/22」を指定して、901番台の遊技枠に貼着される証紙ラベル11のQRコード(遊技枠製造番号:181)を読み取った場合には、「移設」に係る入替情報と「撤去」に係る入替情報を合わせて表示するようにしてもよい。
【0047】
QRコードの読み取り結果を確認した作業者によって、画面下方に表示される「確認OK」が操作されると、携帯端末40は、内容の確認が完了したことを示す確認情報をサーバ60へ送信する(S37)。
そして、携帯端末40から送信された確認情報がサーバ60(通信部61)で受信されると(S38)、サーバ60は、確認情報を受信した日時(確認日時情報)を、対応する作業内容に紐づけて台入替DBに記憶する(S39)。
【0048】
また、確認日時情報は、一の作業内容に対して複数記憶が可能である。
すなわち、サーバ60は、携帯端末40から確認情報を受信するごとに、対応する作業内容に紐づけて確認日時情報を順次記憶する。
図6に示す例では、例えば、「702番台」に「新規設置」する遊技機10において、証紙ラベル11のQRコードが2回読み取られたことによって、読み取られた順にQR読取日時(確認日時情報)が記憶されていることを示している。
なお、確認日時情報は、QRコードを読み取った部品ごとに記憶するようにしてもよい。これにより、部品ごとの読み取り結果を管理することができる。
また、過去の入替作業時に読み取られた確認日時情報も履歴として記憶することを想定しているが、これに限らず、一の入替日に対する確認日時情報のみを記憶するようにしてもよい。
また、QRコードを読み取った際に、携帯端末40に「〇回目の読み取りです」等、過去に読み取った履歴に基づいて所定のメッセージを通知してもよい。
【0049】
本システム1では、このように記憶された確認日時情報を、本部端末50から確認することができる。
例えば、本部端末50の遊技場管理アプリには、入替作業の進捗状況を管理可能な機能を備えており、遊技場や入替日を指定し、サーバ60に対し所定の要求を行うことで、表示部にQRコードの読み取り状況を表示することができる。
これにより、管理者等は、遊技機の入替作業の際に、作業者が確認作業を怠っていないかを監視することができる。
【0050】
(遊技機の設置・保管状態の確認作業)
遊技場おいて作業者が遊技機10の設置・保管状態を確認する場合には、棚卸確認画面を選択する。
棚卸確認画面では、
図11(a)に示すように、作業を行う遊技場を選択可能な「遊技場選択」項目が表示される。棚卸確認画面において、「遊技場」を選択した状態で、遊技機10に貼着される証紙ラベル11に印字されたQRコードを撮影することで、
図11(b)に示すような、読み取り結果を示す画面が表示される。
具体的には、サーバ60(制御部65)は、携帯端末40から受信した特定情報(製造番号)と一致するデータが、設置情報DBに記憶されているか否かを判定する。判定の結果、記憶されていると判定した場合には、設置情報DBに記憶されている情報(設置状態、各製造番号等)を特定(抽出)し、当該情報を携帯端末40に送信する。
図11(b)に示す例では、「遊技場」=「遊技場A」を指定して、遊技盤に貼着される証紙ラベル11のQRコードを読み取った結果、当該遊技機10の設置状態が「倉庫(奥)」であり、出庫予定日が「2022/6/30」であることを示している。
このように、遊技場の作業者は、携帯端末40において遊技機10の保管状態を確認することができる。
【0051】
以上のように、本実施形態に係る遊技場用システム1によれば、遊技場の作業者が、対象の遊技機10に付されるQRコードを携帯端末40で読み取ることで、当該遊技機に対して行うべき入替作業の内容を容易に確認することができる。
これにより、作業者は、遊技場で実際に設置されている遊技機10を確認しながら、当該遊技機10が入替対象であるか否かを確認することができる。
また、作業者は、入替作業が行われた際に、その作業内容(新規設置、台移設、撤去や移動前・移動後の位置)が適切であるか否かを確認することができる。
【0052】
また、QRコードを読み込む前に自ら選択した入替日と、読み取った後の結果画面に表示される入替日とで、二重に確認が可能となるため、入替日の間違いを防ぐことができる。
また、入替作業の内容が「撤去」の場合には、撤去理由を確認することで、作業の間違いを防ぐことができる。例えば、遊技機が人気機種であるにもかかわらず、撤去理由に「廃棄」と表示されているような場合には、入替対象とする遊技機を誤って選択した可能性を疑うことができる。
また、作業者は、遊技場の倉庫に保管されている遊技機に対して、保管状態を確認することができるため、倉庫内にある遊技機10の管理も容易に行うことができる。例えば、倉庫内の棚卸作業を行う場合、遊技機10の保管場所が適切であるか否かを確認することができる。
また、QRコードを読み取った際の結果画面において、「出庫予定日」が間近であるにもかかわらず、当該遊技機が倉庫奥に保管されているような場合には、倉庫手前に移動するなどの対応をとることもできる。
【0053】
(他の実施形態)
以上説明した実施形態に係る遊技場用システム1は、次に説明するような他の実施形態として適用することもできる。
(1)上述の実施形態では、何れかの証紙ラベル11のQRコードを読み取った後に確認操作がされると、サーバ60(台入替DB)に確認日時情報が記憶される場合で説明したが、これに限らず、特定の部品に貼着されている証紙ラベル11のQRコードを読み取った場合に記憶するようにしてもよい。
例えば、パチンコ機10aの場合、少なくとも、遊技盤に貼着されているQRコードと遊技枠に貼着されているQRコードの双方の読み取りと確認操作がされたことで、確認日時情報を記憶するようにしてもよい。
パチンコ機10aの場合、遊技枠を再利用する場合があるため、遊技枠と遊技盤の組み合わせが正常であることを確認する作業を作業者に徹底させることができる。
なお、遊技枠製造番号が印刷された証紙ラベル11と遊技盤製造番号が印刷された証紙ラベル11を近接した位置になるように設けてもよい。これにより、QRコードの読み取り作業をし易くすることができる。
【0054】
(2)台入替の作業確認の際に、他の確認事項も同時に確認可能にしてもよい。例えば、外枠に所定の役物を備える遊技機の場合、役物を保護するための保護部材が納入時に装着されている場合がある。
この保護部材が新規設置時に取り外されているか否かを確認可能にしてもよい。
例えば、QRコードの読み取り結果画面内に、保護部材の画像を表示することで、保護部材の取り外しの注意喚起を作業者に対して行ってもよい。
これにより、遊技機10の新規設置後に保護部材が装着されたまま放置されてしまうことを防止することができる。
【0055】
(3)上述の実施形態では、事前設定処理において、遊技機10に付されている全ての製造番号を本システム1(サーバ60)に記憶する場合で説明したが、これに限らず、一部の部品の製造番号のみを記憶するようにしてもよい。
【0056】
以上説明したように、本発明においては、遊技機に付与された固有情報(製造番号等)に関する情報を管理可能な遊技場用システム1において、作業者が携帯可能な情報処理手段(携帯端末40)と、遊技機に付与された固有情報が、作業者の操作によって入力された場合に当該固有情報を記憶可能な管理手段(サーバ60)と、を備え、情報処理手段は、遊技機の所定箇所に付された遊技機の固有情報を特定可能な情報を読み取る機能と、特定した固有情報に関する特定情報を管理手段に送信する機能と、を備え、管理手段は、作業者の操作に基づいて、遊技機に対して行うべき作業内容を、記憶している固有情報と紐づけて記憶可能であり、記憶している固有情報と情報処理手段から受信した特定情報とに基づいて、情報処理手段に送信すべき作業内容を特定可能であり、特定された作業内容を情報処理手段に送信可能な構成としている。
【0057】
このように、本発明に係る遊技場用システム1によれば、遊技機10に対して付与された固有情報(製造番号等)と、当該遊技機10に対して行うべき作業内容をサーバ60に予め記憶し、遊技機10の所定箇所に付されるQRコードを携帯端末40によって読み取ることで、遊技機10に対して行うべき作業内容を確認することができる。
これにより、作業者は、遊技場で実際に設置されている遊技機10を確認しながら、当該遊技機10に対する作業内容が適切であるか否かを確認することができる。
【0058】
これに対し、従来の技術は、遊技機から出力される遊技機固有の遊技機IDを用いて、当該遊技機の台番号が適切であるか否かを管理することはできても、遊技場で実際の遊技機の設置状況を確認しながら作業を行うことができず、また、倉庫にある遊技機などに対しての作業に課題があった。
本発明によれば、このような従来の技術における課題の一部又は全部を解決することができる。
【0059】
以上、本発明に好ましい実施形態について説明したが、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、アプリの起動時に、作業者を特定できる識別情報(例えば、IDとパスワード)を入力可能なログイン画面を表示してもよい。そして、ログインした際の識別情報をサーバ60に送信し、サーバ60では、携帯端末40から送信される識別情報に基づいて、誰が確認作業を行ったかを管理可能としてもよい。
これにより、本システム1のセキュリティを高めることができるとともに、作業者を特定することで管理を強化することができる。
【0060】
また、サーバ60に記憶されている各データベースの情報を用いて、所轄の警察署に提出する申請書など、遊技機の流通管理上で必要となる各種書類を自動的に作成する機能を備えてもよい。
これにより、書類の作成作業を軽減することができるため、管理者の労力を大幅に軽減することが可能となる。
【0061】
また、本システム1において、一の装置が備える構成・機能の一部又は全部を他の装置が備えてもよく、複数の装置にそれぞれ備えられている構成・機能の一部又は全部を一の装置が備えてもよい。
また、遊技機10は、スロットマシン10bやパチンコ機10aに限るものではない。
例えば、スロットマシン10bは、メダルなどの現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆるメダルレス遊技機(スマスロ)でもよい。パチンコ機10aは、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機(スマパチ)でもよい。
【符号の説明】
【0062】
10 遊技機
11 証紙ラベル
30 ホールコンピュータ
40 携帯端末(情報処理手段)
50 本部端末
60 サーバ(管理手段)