(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109787
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】SFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器
(51)【国際特許分類】
H01S 3/10 20060101AFI20240806BHJP
H01S 3/067 20060101ALI20240806BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H01S3/10 D
H01S3/067
G02B6/42
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083442
(22)【出願日】2024-05-22
(62)【分割の表示】P 2022516120の分割
【原出願日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】202010725346.3
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522096396
【氏名又は名称】ウーシー タックリンク オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WUXI TACLINK OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Block 93-C, Sci.&Tech. Industry Park. New District Wuxi, Jiangsu 214028 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジンロン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ソングイ
(72)【発明者】
【氏名】ホウ ジェンホア
(72)【発明者】
【氏名】フォン ユンビン
(72)【発明者】
【氏名】リー シェンチン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】SFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器を提供する。
【解決手段】SFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器は、筐体並びに筐体の内部に配置された回路デバイス及び光路デバイスを含んでいる。筐体は、ベース11とカバープレート12を含み、光路デバイス全体は回路デバイスに対してカバープレートと反対側に位置している。回路デバイスには、筐体の外部に露出するゴールドフィンガー型電源コネクタが配置されている。光路デバイスは、第1のアイソレータと波長分割多重化装置とを含むツーインワンデバイス31、第2のアイソレータと光スプリッタとフォトダイオードとを含むスリーインワンデバイス32、エルビウム添加光ファイバ33及びアダプタ34を含む。エルビウム添加光ファイバは、環状構造を含んでおり、ツーインワンデバイスとスリーインワンデバイスはいずれも環状構造の内部に位置しており、アダプタは環状構造の外に位置する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体並びに前記筐体の内部に配置された回路デバイス及び光路デバイスを含んでおり、
前記筐体、前記回路デバイス、及び前記光路デバイスは、SFP+パッケージと互換性があり、
前記光路デバイスは、入力された光信号を増幅して出力し、
前記回路デバイスは、前記光信号を増幅するための電力を供給し、
前記筐体は、ベース、及び前記ベースをカバーするカバープレートを含んでおり、
前記ベースにおいて収容空間が形成されており、
前記回路デバイスと前記光路デバイスはいずれも前記収容空間の内部に位置しており、
前記光路デバイス全体は、前記回路デバイスに対して前記カバープレートと反対側に位置しており、
前記回路デバイスに、前記筐体の外部に露出するようにゴールドフィンガー型電源コネクタが配置されており、
前記光路デバイスは、第1のアイソレータと波長分割多重化装置とを含むツーインワンデバイス、第2のアイソレータと光スプリッタとフォトダイオードとを含むスリーインワンデバイス、エルビウム添加光ファイバ及び外部からの光ファイバが接続されるアダプタを含んでおり、
前記エルビウム添加光ファイバは、環状構造を含んでおり、
前記ツーインワンデバイスと前記スリーインワンデバイスはいずれも前記環状構造の内部に位置しており、
前記ツーインワンデバイスは、前記回路デバイスに含まれるポンプ光源に接続されており、
前記ツーインワンデバイスの入力端は前記光信号を入力するのに用いられ、
前記ツーインワンデバイスの出力端と前記スリーインワンデバイスの入力端との間は前記エルビウム添加光ファイバを介して接続されており、
前記スリーインワンデバイスの出力端は前記光信号を出力するのに用いられ、
前記アダプタは前記環状構造の外に位置しており、
前記ツーインワンデバイスと前記スリーインワンデバイスはいずれも前記アダプタに接続されていることを特徴とするSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器。
【請求項2】
前記筐体がSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージにロックされた状態、又は前記ロックされた状態が解除された状態にするためのモジュールロック解除機構が前記筐体にさらに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器。
【請求項3】
前記モジュールロック解除機構は、プルリングとスライドブロックと弾性部材とを含んでおり、
前記プルリングは前記ベースの一端に配置されており、
前記スライドブロックは前記カバープレートに配置されており、
前記弾性部材は前記スライドブロックに配置されており、
前記プルリングと前記スライドブロックとが連結されており、
前記プルリングが引っ張られるとき、前記スライドブロックが動くように押され、前記弾性部材が圧縮され、前記筐体がSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージにロックされた状態が解除され、
前記プルリングが解放されるとき、前記弾性部材の弾性力によって、前記スライドブロックが初期状態に戻り、前記筐体がSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージにロックされた状態にすることを特徴とする請求項2に記載のSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器。
【請求項4】
前記ポンプ光源は、3ピン無冷却シリーズポンプレーザを含んでいることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器。
【請求項5】
前記回路デバイスは、プリント回路基板と、前記プリント回路基板に配置された前記ポンプ光源、光電式検出器、アナログ回路及びデジタル回路とを含んでいることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器。
【請求項6】
前記アナログ回路とデジタル回路は、いずれも表面実装形式で前記プリント回路基板の両面に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器。
【請求項7】
前記アダプタは、前記カバープレートによって押さえられて位置決めされていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器。
【請求項8】
前記筐体の長手方向の一端側に、前記アダプタは配置され、
前記筐体の前記長手方向の他端側に、前記ゴールドフィンガー型電源コネクタは配置され、
前記ツーインワンデバイスおよび前記スリーインワンデバイスは、前記筐体の前記長手方向に沿って配置されることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器。
【請求項9】
筐体並びに前記筐体の内部に配置された回路デバイス及び光路デバイスを含んでおり、
前記筐体、前記回路デバイス、及び前記光路デバイスは、SFP+パッケージと互換性があり、
前記光路デバイスは、入力された光信号を増幅して出力し、
前記回路デバイスは、前記光信号を増幅するための電力を供給し、
前記筐体は、ベース、及び前記ベースをカバーするカバープレートを含んでおり、
前記ベースにおいて収容空間が形成されており、
前記回路デバイスと前記光路デバイスはいずれも前記収容空間の内部に位置しており、
前記光路デバイス全体は、前記回路デバイスに対して前記カバープレートと反対側に位置しており、
前記回路デバイスに、前記筐体の外部に露出するようにゴールドフィンガー型電源コネクタが配置されており、
前記筐体がSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージにロックされた状態、又は前記ロックされた状態が解除された状態にするためのモジュールロック解除機構が前記筐体にさらに配置されており、
前記モジュールロック解除機構は、プルリングとスライドブロックと弾性部材とを含んでおり、
前記プルリングは前記ベースの一端に配置されており、
前記スライドブロックは前記カバープレートに配置されており、
前記弾性部材は前記スライドブロックに配置されており、
前記プルリングと前記スライドブロックとが連結されており、
前記プルリングが引っ張られるとき、前記スライドブロックが動くように押され、前記弾性部材が圧縮され、前記筐体がSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージにロックされた状態が解除され、
前記プルリングが解放されるとき、前記弾性部材の弾性力によって、前記スライドブロックが初期状態に戻り、前記筐体がSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージにロックされた状態にすることを特徴とするSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器。
【請求項10】
前記弾性部材は、前記スライドブロックの両側のそれぞれに対称に配置されたばねを含んでいることを特徴とする請求項3または9に記載のSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ増幅器の技術分野に関し、特にSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
現代通信の発展が早く、伝送システムの互換性と集積度への要求がますます高くなっている。しかし、互換によりさらに大きな損失をもたらし、システムの集積度への要求も高いことにより、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)の外形体積への要求が高くなっており、且つ、好ましくは使いやすいように従来のシステムにおいて挿抜ができる。
【発明の概要】
【0003】
関連技術においてホットスワップを実現できない問題を解決し、それと同時に体積を減らすように、本発明は、SFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器を提供する。
【0004】
本発明の1つの態様として、SFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器を提供し、筐体並びに筐体の内部に配置された回路デバイス及び光路デバイスを含んでいる。前記筐体は、SFP+パッケージ互換の構造を含んでいる。前記筐体の内部に、収容空間が設けられており、前記回路デバイスと前記光路デバイスはいずれも前記収容空間の内部に位置している。前記光路デバイスは前記回路デバイスの下方に位置している。前記回路デバイスには、前記筐体の外部に露出可能なようにゴールドフィンガー型電源コネクタが配置されている。
【0005】
さらに、前記筐体は、ベースと、前記ベースをカバーするカバープレートとを含んでおり、前記ベースにおいて前記収容空間が形成されている。
【0006】
さらに、前記筐体にモジュールロック解除機構が配置されている。前記モジュールロック解除機構は、前記筐体とSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージをロック又は解除するのに用いられる。
【0007】
さらに、前記モジュールロック解除機構は、プルリングとスライドブロックと弾性部材とを含んでいる。前記プルリングは前記ベースの一端に配置されており、前記スライドブロックは前記カバープレートに配置されており、前記弾性部材は前記スライドブロックに配置されている。前記プルリングと前記スライドブロックとが連結されており、前記プルリングが引っ張られるとき、前記スライドブロックが動くように押され、前記弾性部材が圧縮され、前記筐体とSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージとをロック解除することが実現される。前記プルリングが解放されるとき、前記弾性部材の弾性力によって、前記スライドブロックが初期状態に戻り、前記筐体とSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージとをロックすることが実現される。
【0008】
さらに、前記弾性部材は、前記スライドブロックの両側のそれぞれに対称に配置されたばねを含んでいる。
【0009】
さらに、前記光路デバイスは、ツーインワンデバイス、スリーインワンデバイス、エルビウム添加光ファイバ及びアダプタを含んでいる。エルビウム添加光ファイバは、環状構造を含んでいる。前記ツーインワンデバイスと前記スリーインワンデバイスはいずれも前記環状構造の内部に位置している。前記ツーインワンデバイスはポンプ光源に接続されており、前記ツーインワンデバイスの入力端は光信号を入力するのに用いられる。前記ツーインワンデバイスの出力端と前記スリーインワンデバイスの入力端との間は前記エルビウム添加光ファイバを介して接続されている。前記スリーインワンデバイスの出力端は光信号を出力するのに用いられる。前記アダプタは前記環状構造の外に位置している。前記ツーインワンデバイスと前記スリーインワンデバイスはいずれも前記アダプタに接続されている。
【0010】
さらに、前記ツーインワンデバイスは、第1のアイソレータと波長分割多重化装置とを含んでおり、前記スリーインワンデバイスは、第2のアイソレータと光スプリッタとフォトダイオードとを含んでいる。
【0011】
さらに、前記ポンプ光源は3ピン無冷却シリーズポンプレーザを含んでいる。
【0012】
さらに、前記回路デバイスは、プリント回路基板と、前記プリント回路基板に配置されたポンプ光源、光電式検出器、アナログ回路及びデジタル回路とを含んでいる。
【0013】
さらに、前記アナログ回路とデジタル回路は、いずれも表面実装形式で前記プリント回路基板の両面に配置されている。
【0014】
本発明が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器は、内部空間が非常にコンパクトであり、製品の外形が標準のSFP+パッケージと互換性があり、電気インターフェースピンも従来のSFP+パッケージの要求を満たしている。そして、動的挿抜やプラグアンドプレイが可能であり、非常に使いやすい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面は、本発明をより理解できるように提供されており、明細書の構成の一部として、以下の具体的な実施態様と併せて、本発明について説明するものであるが、本発明を制限するものではない。図面において、
【
図1】
図1は本発明が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の外形構造の概略図である。
【
図2】
図2は、
図1のカバープレートを取り外した構造の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の分解概略図である。
【
図4】
図4は、本発明が提供する光路デバイスの構造のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
矛盾しない範囲で、本発明の実施形態及び実施形態の特徴を互いに組み合わせることができることに留意されたい。以下、図面を参照しながら、実施形態と併せて本発明について詳細に説明する。
【0017】
当業者が本発明の解決手段をより理解しやすいように、以下では本発明の実施形態における図面と併せて、本発明の実施形態における技術的解決手段を明確に、完全に説明する。記載された実施形態は、本発明の実施形態の一部に過ぎず、全ての実施形態ではないことが明らかである。本発明における実施形態に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得た他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するべきである。
【0018】
本発明の明細書、特許請求の範囲及び上記の図面における、「第一」及び「第二」などの用語は、類似するものを区別するのに用いられ、特定の順番又は前後の順序を説明するために用いられるものではないことに留意されたい。本発明の実施形態を説明できるように、このように使われた数値は適切な状況で互いに置きかえることができると理解するべきである。また、「含む」および「備える」並びにこれらのいずれかの変形は、非排他的な「含む」をカバーすることが意図されている。例えば、一連の工程若しくはユニットのプロセス、方法、システム、製品、又は装置を含み、明確に列挙された工程又はユニットに限定されず、明確に列挙されていない、又はこれらのプロセス、方法、製品、若しくは装置に関する固有の他の工程若しくはユニットを含むことができる。
【0019】
本実施形態では、SFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器が提供される。この光ファイバ増幅器は、
図1-
図3に示すように、筐体10並びに筐体10の内部に配置された回路デバイス20及び光路デバイス30を含んでいる。筐体10は、SFP+パッケージ互換の構造を含んでいる。筐体10の内部に、収容空間が設けられており、回路デバイス20と光路デバイス30はいずれも前記収容空間の内部に位置している。光路デバイス30は回路デバイス20の下方に位置している。回路デバイス20には、筐体10の外部に露出可能なようにゴールドフィンガー型電源コネクタ21が配置されている。
【0020】
本発明の実施形態が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器は、内部空間が非常にコンパクトであり、製品の外形が標準のSFP+パッケージと互換性があり、電気インターフェースピンも従来のSFP+パッケージの要求を満たしている。そして、動的挿抜やプラグアンドプレイが可能であり、非常に使いやすい。
【0021】
本発明の実施形態におけるSFP+(Small Form-factor Pluggables)はGBIC(Gigabit Interface Converter)のアップグレードしたバージョンと簡単に理解してよいことに留意されたい。
【0022】
具体的に、筐体10は、ベース11と、ベース11をカバーするカバープレート12とを含んでおり、ベース11において前記収容空間が形成されている。
【0023】
また、
図3に示すように、本発明の実施形態が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器は、さらに、閉じた後のベースとカバープレート12を固定するのに用いられるEMCリード40を含んでいることに留意されたい。
【0024】
筐体10は、SFP+パッケージ互換の形式を採用しており、筐体10は、ベース11と、ベース11をカバーするカバープレート12とを含んでおり、ベース11において前記収容空間が形成されている。回路デバイス20は、プリント回路基板を含んでいる。ベース11に受動素子が配置されており、プリント回路基板にポンプ光源と光電式検出器とが配置されている。光路デバイス30は、プリント回路基板の下方に位置している。前記プリント回路基板の一側にゴールドフィンガー型電気インターフェースが設けられている。本発明が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器は、構造がコンパクトであり、従来のSFP+光送受信モジュールのサイズとピン説明図とに互換性がある。
【0025】
具体的に、SFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取り付けをより便利にするために、筐体10にモジュールロック解除機構が配置されている。前記モジュールロック解除機構は、前記筐体とSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージをロック又はロック解除するのに用いられる。
【0026】
一部の実施態様において、前記モジュールロック解除機構は、プルリング13とスライドブロック14と弾性部材15とを含んでいる。プルリング13はベース11の一端に配置されており、スライドブロック14はカバープレート12に配置されており、弾性部材15はスライドブロック14に配置されている。プルリング13とスライドブロック14とが連結されており、プルリング13が引っ張られるとき、スライドブロック14が動くように押され、弾性部材15が圧縮され、前記筐体とSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージとをロック解除することが実現される。プルリング13が解放されるとき、弾性部材15の弾性力によって、スライドブロック14が初期状態に戻り、前記筐体とSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の取付ケージとをロックすることが実現される。
【0027】
好ましくは、弾性部材15は、スライドブロック14の両側のそれぞれに対称に配置されたばねを含んでいる。
【0028】
図3に示すように、ロックを解除するとき、プルリング13を引っ張ると、プルリング13によってスライドブロック14が押されて前へ移動する。スライドブロック14のヘッド部の斜面で、取付ケージのロックメタルドームがカバープレート12におけるロック用三角ブロック16から離れるように押圧し、ロックを解除する。プルリング13が解放されるとき、スライドブロック14の2つのばねの弾力を利用し、SFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器が取付ケージに挿入するときにロックできるようにスライドブロック14を初期状態に戻す。
【0029】
具体的に、
図3と
図4に示すように、光路デバイス30は、ツーインワンデバイス31、スリーインワンデバイス32、エルビウム添加光ファイバ33及びアダプタ34を含んでいる。エルビウム添加光ファイバ33は、環状構造を含んでいる。ツーインワンデバイス31とスリーインワンデバイス33はいずれも前記環状構造の内部に位置している。ツーインワンデバイス31はポンプ光源22に接続されており、ツーインワンデバイス31の入力端は光信号を入力するのに用いられる。ツーインワンデバイス31の出力端とスリーインワンデバイス32の入力端との間はエルビウム添加光ファイバ33を介して接続されている。スリーインワンデバイス32の出力端は光信号を出力するのに用いられる。アダプタ34は前記環状構造の外に位置している。ツーインワンデバイス31とスリーインワンデバイス32はいずれもアダプタ34に接続されている。
【0030】
さらに、具体的に、ツーインワンデバイス31は、第1のアイソレータと波長分割多重化装置とを含んでおり、スリーインワンデバイス32は、第2のアイソレータと光スプリッタとフォトダイオードとを含んでいる。
【0031】
ツーインワンデバイス31はポンプ光源22に接続されており、ツーインワンデバイス31とスリーインワンデバイス32との間はエルビウム添加光ファイバ33を介して接続されている。ツーインワンデバイス31は入力光信号に接続されており、スリーインワンデバイス32は出力光信号に接続されている。本実施形態が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器は、出力電力をリアルタイムに監視することができ、増幅器の安定した出力を良好に保持できる。
【0032】
好ましくは、ポンプ光源22は3ピン無冷却シリーズポンプレーザを含んでいる。
【0033】
アダプタ34は、プロトコルの要求によってベース11の環状槽内に配置されており、カバーを閉じるとき、上のカバーでアダプタをしっかり押さえ、完全な位置決めを実現する。ポンプ光源22はベースの内部に、だいたい中間の位置に配置されており、良好な放熱が保障されるように、ベースの対応する位置にあるボスと密接に接しているようにする。光路デバイスと熱収縮融着点は、ポンプ光源の両側に配置されており、デバイスとベースの内部の2つの側壁との間に、エルビウム添加光ファイバが配置できる充分な空間があるようにする。回路デバイスはプロトコルの要求によってベースの内部に、光路デバイスの全体の真上に配置されている。
【0034】
本発明の実施形態が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の外形及び回路デバイスは、SFF-8432 V5.2の関連要求に完全に適合し、対応するSFP+の取付ケージ及び電気インターフェースを利用して増幅器のホットスワップを実現できる。
【0035】
具体的に、前記回路デバイスは、プリント回路基板と、前記プリント回路基板に配置されたポンプ光源、光電式検出器、アナログ回路及びデジタル回路とを含んでいる。
【0036】
好ましくは、前記アナログ回路とデジタル回路は、いずれも表面実装形式で前記プリント回路基板の両面に配置されている。
【0037】
プリント回路基板(PCB)の設計について、デバイスが表裏表面実装形式で配置されており、PCBのサイズを最大限に小さくする。レイアウトについて、アナログ回路とデジタル回路は、それぞれの機能に応じて相対的に集中して配置されており、デジタル部分がアナログ回路への干渉を回避し、特に出力信号光の検出への影響を回避する。
【0038】
一部の実施形態において、筐体10の外形寸法は72mm×13.55mm×8.55mmである。前記筐体の内部に位置している光ファイバも、比較的細く、直径が165μmであるものがメインである。エルビウム添加光ファイバの直径も165μmである。これによって、空間を節約でき、SFP+パッケージ互換のEDFA(エルビウム添加光ファイバ増幅器)を可能にする。
【0039】
製品外部の通信と情報交換のシステムに、250μmの光ファイバが多く使用されているため、製品の入力出力端が165μmの光ファイバを直接使うと、モードフィールド径が異なるため、過剰な損失が生じる。この問題を解決するために、本発明の実施形態では、ハイブリッド光ファイバタイプの合成デバイスが用いられている(ツーインワンデバイスの入力とスリーインワンデバイスの出力が250μmの光ファイバであり、ツーインワンデバイスの出力及びポンプ端が165μmの光ファイバであり、スリーインワンデバイスの入力が165μmの光ファイバである)。このように、合成デバイスによって、光ファイバを250μmから165μmに移行させ、165μmのエルビウム添加光ファイバに接続した後、ハイブリッド光ファイバのスリーインワンデバイスによって、また250μmの光ファイバになる。ツーインワンデバイスのポンプ端に165μmの光ファイバが用いられており、本発明の実施形態が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器におけるポンプ光ファイバの直径も165μmであるため、ポンプにおいてもスムーズに融着接続できる。本発明の実施形態におけるSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器は、250μmの光ファイバと165μmの光ファイバとの融着接続点がないため、異なる光ファイバのモードフィールド径による過剰な損失が避けられる。
【0040】
増幅器の小型化を実現するために、本発明では2芯熱収縮スリーブがさらに用いられており、1つの熱収縮スリーブに2つの光ファイバ融着接続点が配置されており、これにより空間を最大限度で節約できる。
【0041】
本発明に記載の増幅器の出力電力が大きくなく、最大16dbmの出力をサポートでき、そしてモジュールの外形寸法が72mm×13.55mm×8.55mmしかないため、小型の無冷却ポンプのみを選べる。ポンプレーザとして3ピン無冷却シリーズポンプが採用されており、製品が正常作動時に発生する熱量が小さいため、放熱において問題がなく、製品の信頼性に対する要求を満たせる。
【0042】
本発明の実施形態が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器の内部構造は、多層の設計が用いられており、プリント回路基板の下、ベースの上方に光路デバイスが配置されている。光路デバイスはガラスパッケージであり、金属スリーブパッケージの構造を備えていないため、PCBと接触するとき、PCBの基板におけるデバイスの短絡を起こすことはない。また、本発明が提供するSFP+パッケージ互換の光ファイバ増幅器は、構造がコンパクトであり、従来のSFP+光送受信モジュールのサイズとピン説明図に完全互換性がある。体積が小さく、取付が便利で挿抜ができ、さらに消費電力が極めて低いため、本発明は、高密度に集積された発射又は受信PCBに非常に適している。光ファイバ通信システム基幹ネットワーク、アクセスネットワーク及びケーブルテレビネットワークの要求に満たせる。
【0043】
上記の実施態様は、本発明の原理を説明するために用いられる例示的なものであり、本発明はこれらに限定されない。当業者が本発明の趣旨を脱逸しない範囲で得られる様々な変形や改善も本発明の保護範囲に属すべきである。