IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

<>
  • 特開-シフト装置 図1
  • 特開-シフト装置 図2
  • 特開-シフト装置 図3
  • 特開-シフト装置 図4
  • 特開-シフト装置 図5
  • 特開-シフト装置 図6
  • 特開-シフト装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010979
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20240118BHJP
   B60K 20/08 20060101ALI20240118BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240118BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20240118BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20240118BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20240118BHJP
【FI】
B60K20/02 G
B60K20/08
G06F3/041 580
G06F3/02 F
G06F3/16 680
G06F3/048
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112619
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
(72)【発明者】
【氏名】稲村 友峰
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 琢也
(72)【発明者】
【氏名】坂井 代育
(72)【発明者】
【氏名】西田 耕太
【テーマコード(参考)】
3D040
5B020
5E555
【Fターム(参考)】
3D040AA10
3D040AA13
3D040AA33
3D040AA40
3D040AB01
3D040AC36
3D040AD04
3D040AD05
3D040AD15
3D040AF29
5B020DD27
5B020GG03
5E555AA22
5E555AA26
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC01
5E555CB22
5E555DA13
5E555DA23
5E555DC11
5E555DC13
5E555DC26
5E555DC35
5E555DC37
5E555DD06
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】誤操作を抑制することができるシフト装置を得る。
【解決手段】シフト装置20は、操作手Fの接触により操作指示を与えるシフトスイッチ22と、シフトスイッチ22への操作手Fの接近を検知する接近検知部としての静電センサ24と、静電センサ24の検知情報に基づいて、シフトスイッチ22に操作手Fが接近したことを報知する報知部としての光出力部26と、を備える。シフトスイッチを押し誤る誤操作を抑制することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手の接触により操作指示を与えるシフトスイッチと、
前記シフトスイッチへの操作手の接近を検知する接近検知部と、
前記接近検知部の検知情報に基づいて、前記シフトスイッチに操作手が接近したことを報知する報知部と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
少なくとも2つの前記シフトスイッチが並んで設けられ、
前記報知部は、少なくとも2つの前記シフトスイッチのうち、操作手が接近した前記シフトスイッチを報知する
請求項1に記載のシフト装置。
【請求項3】
少なくとも2つの前記シフトスイッチは、フラット面に並んで配置されている
請求項2に記載のシフト装置。
【請求項4】
前記報知部は、前記接近検知部の検知情報に基づいて、操作手が前記シフトスイッチに接近したことを段階的に報知する
請求項1に記載のシフト装置。
【請求項5】
前記報知部は、光を出力する光出力部である
請求項1に記載のシフト装置。
【請求項6】
前記報知部は、音を出力する音出力部である
請求項1に記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライバの操作手の接触によって、シフトレンジポジションを切り替え可能なシフトバイワイヤ式のシフト装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、ドライバが複数のボタンのいずれか1つを操作して、所望のギアシフトステージを選択することにより、ギアシフトステージを変更可能なボタン式電子ギアシフト装置が開示されている。
【0004】
ところで、このようなシフト装置では、誤操作を抑制することが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0363214号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、誤操作を抑制することができるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様のシフト装置は、操作手の接触により操作指示を与えるシフトスイッチと、前記シフトスイッチへの操作手の接近を検知する接近検知部と、前記接近検知部の検知情報に基づいて、前記シフトスイッチに操作手が接近したことを報知する報知部と、を備える。
【0008】
本発明の第2態様のシフト装置では、本発明の第1態様のシフト装置において、少なくとも2つの前記シフトスイッチが並んで設けられ、前記報知部は、少なくとも2つの前記シフトスイッチのうち、操作手が接近した前記シフトスイッチを報知する。
【0009】
本発明の第3態様のシフト装置では、本発明の第2態様のシフト装置において、少なくとも2つの前記シフトスイッチは、フラット面に並んで配置されている。
【0010】
本発明の第4態様のシフト装置では、本発明の第1態様から第3態様のいずれか1つのシフト装置において、前記報知部は、前記接近検知部の検知情報に基づいて、操作手が前記シフトスイッチに接近したことを段階的に報知する。
【0011】
本発明の第5態様のシフト装置では、本発明の第1態様から第4態様のいずれか1つのシフト装置において、前記報知部は、光を出力する光出力部である。
【0012】
本発明の第6態様のシフト装置では、本発明の第1態様から第5態様のいずれか1つのシフト装置において、前記報知部は、音を出力する音出力部である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1態様のシフト装置では、接近検知部の検知情報に基づいて、シフトスイッチに操作手が接近したことを報知する報知部を備えることで、ドライバがシフトスイッチを押そうとして、操作手をシフトスイッチに接近させると、シフトスイッチに操作手が接近したことが報知される。そのため、ドライバは、シフトスイッチを押す前に、シフトスイッチを認識することができる。その結果、シフトスイッチを押し誤る誤操作を抑制することができる。
【0014】
本発明の第2態様のシフト装置では、報知部は、少なくとも2つのシフトスイッチのうち、接近したシフトスイッチを報知することで、ドライバがシフトスイッチを押そうとして、操作手を目的のシフトスイッチに接近させると、目的のシフトスイッチに操作手が接近したことが報知される。そのため、ドライバは、シフトスイッチを押す前に、目的のシフトスイッチを認識することができる。その結果、目的のシフトスイッチを押し誤る誤操作を抑制することができる。
【0015】
本発明の第3態様のシフト装置では、少なくとも2つのシフトスイッチは、フラット面に並んで配置されていても、ドライバは、シフトスイッチを押す前に、目的のシフトスイッチを認識することができる。そのため、目的のシフトスイッチを押し誤る誤操作を抑制することができる。
【0016】
本発明の第4態様のシフト装置では、報知部は、接近検知部の検知情報に基づいて、操作手がシフトスイッチに接近したことを段階的に報知することで、ドライバがシフトスイッチを押そうとして、操作手をシフトスイッチに接近させると、シフトスイッチに操作手が接近したことが段階的に報知される。そのため、ドライバは、シフトスイッチを押す前に、押そうとしたシフトスイッチを段階的に認識することができる。その結果、シフトスイッチを押し誤る誤操作を抑制することができる。
【0017】
本発明の第5態様のシフト装置では、報知部を光出力部とすることで、ドライバがシフトスイッチを押そうとして、操作手をシフトスイッチに接近させると、シフトスイッチに操作手が接近したことが光によって報知される。そのため、ドライバは、シフトスイッチを押す前に、シフトスイッチを視覚的に認識することができる。その結果、シフトスイッチを押し誤る誤操作を抑制することができる。
【0018】
本発明の第6態様のシフト装置では、報知部を音出力部とすることで、ドライバがシフトスイッチを押そうとして、操作手をシフトスイッチに接近させると、シフトスイッチに操作手が接近したことが音によって報知される。そのため、ドライバは、シフトスイッチを押す前に、シフトスイッチを聴覚的に認識することができる。その結果、シフトスイッチを押し誤る誤操作を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るシフト装置が設けられたインストルメントパネルを車室内から車両前方を見て示す概略図である。
図2】本実施形態に係るシフト装置を示す斜視図である。
図3】本実施形態に係るシフト装置を示す断面図であり、図2のA-A断面を示す。
図4】本実施形態に係るシフト装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係るシフト装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図6】本実施形態に係るシフト装置のパーキングスイッチに操作手を接近させた状態を示す斜視図である。
図7】別の実施形態に係るシフト装置のパーキングスイッチに操作手を接近させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本実施形態に係るシフト装置について、図面を参照して説明する。本実施形態では、シフト装置20を、シフトスイッチを選択することでシフト操作をするシフトバイワイヤ式の車両用シフト装置とする例を説明する。
【0021】
なお、各図において、矢印UPは、車両上方を示し、矢印RHは、車両右方を示し、矢印Dは、シフト装置20の長手方向Dを示している。また、単に一端側及び他端側を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、シフト装置20の長手方向Dに対するものとする。
【0022】
[シフト装置の構成]
図1に示すように、本実施形態に係るシフト装置20は、車両10の車室内の前側に設けられたインストルメントパネル14に配置されている。シフト装置20は、ステアリングホイール12の車両右側に、車両幅方向に延在したガーニッシュ16に沿って設けられている。
【0023】
図2に示すように、シフト装置20は、長手方向Dの一端側から他端側に、シフトスイッチ22としてのパーキングスイッチ22Aと、リバーススイッチ22Bと、ニュートラルスイッチ22Cと、ドライブスイッチ22Dと、が並んで配置されている。運転席に着座したドライバの操作手(手指)Fがシフトスイッチ22に接触することで、シフトレンジポジションとしてのパーキングポジションPと、リバースポジションRと、ニュートラルポジションNと、ドライブポジションDと、を切り替える。
【0024】
図3に示すように、シフト装置20は、アッパーハウジング21と、接近検知部としての静電センサ24と、プリント基板28と、報知部としての光出力部26と、ケース29と、を備えている。
【0025】
(アッパーハウジング21)
アッパーハウジング21は、一辺が開口した矩形の箱状に形成されている。アッパーハウジング21は、意匠面を構成する天板21Aに、Pの文字を形成した文字部分Pと、Rの文字を形成した文字部分Rと、Nの文字を形成した文字部分Nと、Dの文字を形成した文字部分Dと、が形成されている。
【0026】
文字部分Pは、パーキングスイッチ22Aを構成し、文字部分Rは、リバーススイッチRを構成し、文字部分Cは、ニュートラルスイッチ22Cを構成し、文字部分Dは、ドライブスイッチ22Dを構成する。パーキングスイッチ22A、リバーススイッチR、ニュートラルスイッチ22C及びドライブスイッチ22Dは、長手方向Dに並んでフラット面に配置されている。
【0027】
アッパーハウジング21は、文字部分P、文字部分R、文字部分N及び文字部分Dが透明に形成されている。アッパーハウジング21は、例えば、透明な樹脂材で形成され、文字部分P,文字部分R,文字部分N及び文字部分D以外に不透明な塗料が塗布されることで形成することができる。なお、アッパーハウジング21は、透明な樹脂材で形成され、文字部分P,文字部分R,文字部分N及び文字部分Dが切り欠かれた不透明なフィルムが貼付されるようにしてもよい。
【0028】
(ケース29及びプリント基板28)
ケース29は、アッパーハウジング21の開口を塞ぐように配置されている。プリント基板28は、ケース29の上面に配置されている。
【0029】
(静電センサ24)
静電センサ24は、例えば、透明に形成され、アッパーハウジング21の天板21Aの裏面に取り付けられている。静電センサ24は、文字部分Pに対応する位置に配置された第1静電センサ24Aと、文字部分Rに対応する位置に配置された第2静電センサ24Bと、文字部分Nに対応する位置に配置された第3静電センサ24Cと、文字部分Dに対応する位置に配置された第4静電センサ24Dと、で構成されている。
【0030】
第1静電センサ24Aは、文字部分Pへの操作手Fの接近による静電容量の変化を測定する。すなわち、第1静電センサ24Aは、パーキングスイッチ22Aへの操作手Fの接近を検知する。第2静電センサ24Bは、文字部分Rへの操作手Fの接近による静電容量の変化を測定する。すなわち、第2静電センサ24Bは、リバーススイッチ22Bへの操作手Fの接近を検知する。第3静電センサ24Cは、文字部分Nへの操作手Fの接近による静電容量の変化を測定する。すなわち、第3静電センサ24Cは、ニュートラルスイッチ22Cへの操作手Fの接近を検知する。第4静電センサ24Dは、文字部分Dへの操作手Fの接近による静電容量の変化を測定する。すなわち、第4静電センサ24Dは、ドライブスイッチ22Dへの操作手Fの接近を検知する。
【0031】
(光出力部26)
光出力部26は、プリント基板28の上面に配置されている。光出力部26は、光を出力するLED(light-emitting diode)とすることができる。光出力部26は、文字部分Pに対応する位置に配置された第1光出力部26Aと、文字部分Rに対応する位置に配置された第2光出力部26Bと、文字部分Nに対応する位置に配置された第3光出力部26Cと、文字部分Dに対応する位置に配置された第4光出力部26Dと、で構成されている。
【0032】
第1光出力部26Aが発光すると、文字部分Pが光り、第2光出力部26Bが発光すると、文字部分Rが光り、第3光出力部26Cが発光すると、文字部分Nが光り、第4光出力部26Dが発光すると、文字部分Dが光るようになっている。
【0033】
[シフト装置の機能構成]
図4に示すように、シフト装置20は、機能的には、静電センサ24の検知情報が、制御部30に入力され、制御部30によって処理された情報が、光出力部26と車両制御装置40に出力されるようになっている。
【0034】
第1静電センサ24Aは、文字部分Pへの操作手Fの接近による静電容量の変化を測定する。第1静電センサ24Aの測定情報は制御部30に入力される。第2静電センサ24Bは、文字部分Rへの操作手Fの接近による静電容量の変化を測定する。第2静電センサ24Bの測定情報は制御部30に入力される。第3静電センサ24Cは、文字部分Nへの操作手Fの接近による静電容量の変化を測定する。第3静電センサ24Cの測定情報は制御部30に入力される。第4静電センサ24Dは、文字部分Dへの操作手Fの接近による静電容量の変化を測定する。第4静電センサ24Dの測定情報は制御部30に入力される。
【0035】
制御部30は、静電容量取得部31と、ポジション判定部32と、接近判定部33と、接触判定部34と、光出力指示部35と、シフトポジション指示部36と、を備えている。静電容量取得部31は、各静電センサ24が検知した静電容量を取得する。
【0036】
ポジション判定部32は、静電容量を検知した静電センサ24に基づいて、シフトレンジポジションを判定する。具体的には、第1静電センサ24Aが静電容量の変化を検知した場合、ポジション判定部32は、シフトレンジポジションをパーキングポジションPと判定する。第2静電センサ24Bが静電容量の変化を検知した場合、ポジション判定部32は、シフトレンジポジションをリバースポジションRと判定する。第3静電センサ24Cが静電容量の変化を検知した場合、ポジション判定部32は、シフトレンジポジションをニュートラルポジションNと判定する。第4静電センサ24Dが静電容量の変化を検知した場合、ポジション判定部32は、シフトレンジポジションをドライブポジションDと判定する。
【0037】
接近判定部33は、静電容量取得部31が取得した静電容量に基づいて、操作手Fがシフトスイッチ22に所定の距離(例えば、2~3cm)まで接近したか否かを判定する。具体的には、接近判定部33は、静電容量取得部31が取得した静電容量が所定の閾値Aより大きいか否かを判定する。
【0038】
接触判定部34は、静電容量取得部31が取得した静電容量に基づいて、操作手Fがシフトスイッチ22に接触したか否かを判定する。具体的には、接触判定部34は、静電容量取得部31が取得した静電容量が所定の閾値Bより大きいか否かを判定する。
【0039】
光出力指示部35は、ポジション判定部32の判定結果と接近判定部33の判定結果とに基づいて、第1光出力部26A~第4光出力部26Dの何れかを点灯する。
【0040】
具体的には、ポジション判定部32が、パーキングポジションPと判定し、接近判定部33が、操作手Fがシフトスイッチ22に所定の距離(例えば、2~3cm)まで接近したと判定した場合、光出力指示部35は、第1光出力部26Aに対して出力指示を与える。ポジション判定部32が、リバースポジションRと判定し、接近判定部33が、操作手Fがシフトスイッチ22に所定の距離(例えば、2~3cm)まで接近したと判定した場合、光出力指示部35は、第2光出力部26Bに対して出力指示を与える。ポジション判定部32が、ニュートラルポジションNと判定し、接近判定部33が、操作手Fがシフトスイッチ22に所定の距離(例えば、2~3cm)まで接近したと判定した場合、光出力指示部35は、第3光出力部26Cに対して出力指示を与える。ポジション判定部32が、ドライブポジションDと判定し、接近判定部33が、操作手Fがシフトスイッチ22に所定の距離(例えば、2~3cm)まで接近したと判定した場合、光出力指示部35は、第4光出力部26Dに対して出力指示を与える。
【0041】
シフトポジション指示部36は、ポジション判定部32の判定結果と接触判定部34の判定結果とに基づいて、所定の指示を車両制御装置40に与える。
【0042】
具体的には、ポジション判定部32が、パーキングポジションPと判定し、接触判定部34が、操作手Fがシフトスイッチ22に接触したと判定した場合、シフトポジション指示部36は、車両制御装置40に対して、パーキングポジションPの指示を与える。ポジション判定部32が、リバースポジションRと判定し、接触判定部34が、操作手Fがシフトスイッチ22に接触したと判定した場合、シフトポジション指示部36は、車両制御装置40に対して、リバースポジションRの指示を与える。ポジション判定部32が、ニュートラルポジションNと判定し、接触判定部34が、操作手Fがシフトスイッチ22に接触したと判定した場合、シフトポジション指示部36は、車両制御装置40に対して、ニュートラルポジションNの指示を与える。ポジション判定部32が、ドライブポジションDと判定し、接触判定部34が、操作手Fがシフトスイッチ22に接触したと判定した場合、シフトポジション指示部36は、車両制御装置40に対して、ドライブポジションDの指示を与える。
【0043】
[シフト装置による報知処理の流れ]
図5に示されるように、報知処理が開始されると、静電容量取得部31は、静電センサ24が検知した静電容量を取得する(ステップS101)。
【0044】
次いで、ポジション判定部32は、シフトレンジポジションがパーキングポジションPであるか否かを判定する(ステップS102)。シフトレンジポジションがパーキングポジションPであると判定された場合(ステップS102でYES)、シフトレンジポジションをパーキングポジションPと判定する(ステップS103)。
【0045】
次いで、接近判定部33は、静電容量取得部31が取得した静電容量が所定の閾値Aより大きいか否かを判定する(ステップS104)。静電容量が所定の閾値Aより大きいと判定された場合(ステップS104でYES)、ステップS105に進む。一方、静電容量が所定の閾値Aより小さいと判定された場合(ステップS104でNO)、ステップS104に戻る。
【0046】
ステップS105に進むと、光出力指示部35は、第1光出力部26Aに対して出力指示を与える。これにより、第1光出力部26Aは、パーキングスイッチ22Aを明示して報知する。
【0047】
次いで、接触判定部34は、静電容量取得部31が取得した静電容量が所定の閾値Bより大きいか否かを判定する(ステップS106)。静電容量が所定の閾値Bより大きいと判定された場合(ステップS106でYES)、ステップS107に進む。一方、静電容量が所定の閾値Bより小さいと判定された場合(ステップS106でNO)、ステップS106に戻る。
【0048】
ステップS107に進むと、シフトポジション指示部36は、パーキングポジションPの指示を車両制御装置40に与え、報知処理を終了する。
【0049】
一方、ステップS102において、シフトレンジポジションがパーキングポジションPでないと判定された場合(ステップS102でNO)、ポジション判定部32は、シフトレンジポジションがリバースポジションRであるか否かを判定する(ステップS110)。シフトレンジポジションがリバースポジションRであると判定された場合(ステップS110でYES)、シフトレンジポジションをリバースポジションRと判定する(ステップS111)。
【0050】
次いで、接近判定部33は、静電容量取得部31が取得した静電容量が所定の閾値Aより大きいか否かを判定する(ステップS112)。静電容量が所定の閾値Aより大きいと判定された場合(ステップS112でYES)、ステップS113に進む。一方、静電容量が所定の閾値Aより小さいと判定された場合(ステップS112でNO)、ステップS112に戻る。
【0051】
ステップS113に進むと、光出力指示部35は、第2光出力部26Bに対して出力指示を与える。これにより、第2光出力部26Bは、リバーススイッチ22Bを明示して報知する。
【0052】
次いで、接触判定部34は、静電容量取得部31が取得した静電容量が所定の閾値Bより大きいか否かを判定する(ステップS114)。静電容量が所定の閾値Bより大きいと判定された場合(ステップS114でYES)、ステップS115に進む。一方、静電容量が所定の閾値Bより小さいと判定された場合(ステップS114でNO)、ステップS114に戻る。
【0053】
ステップS115に進むと、シフトポジション指示部36は、リバースポジションRの指示を車両制御装置40に与え、報知処理を終了する。
【0054】
一方、ステップS110において、シフトレンジポジションがリバースポジションRでないと判定された場合(ステップS110でNO)、ポジション判定部32は、シフトレンジポジションがニュートラルポジションNであるか否かを判定する(ステップS120)。シフトレンジポジションがニュートラルポジションNであると判定された場合(ステップS120でYES)、シフトレンジポジションをニュートラルポジションNと判定する(ステップS121)。
【0055】
次いで、接近判定部33は、静電容量取得部31が取得した静電容量が所定の閾値Aより大きいか否かを判定する(ステップS122)。静電容量が所定の閾値Aより大きいと判定された場合(ステップS122でYES)、ステップS123に進む。一方、静電容量が所定の閾値Aより小さいと判定された場合(ステップS122でNO)、ステップS122に戻る。
【0056】
ステップS123に進むと、光出力指示部35は、第3光出力部26Cに対して出力指示を与える。これにより、第3光出力部26Cは、ニュートラルスイッチ22Cを明示して報知する。
【0057】
次いで、接触判定部34は、静電容量取得部31が取得した静電容量が所定の閾値Bより大きいか否かを判定する(ステップS124)。静電容量が所定の閾値Bより大きいと判定された場合(ステップS124でYES)、ステップS125に進む。一方、静電容量が所定の閾値Bより小さいと判定された場合(ステップS124でNO)、ステップS124に戻る。
【0058】
ステップS125に進むと、シフトポジション指示部36は、ニュートラルポジションNの指示を車両制御装置40に与え、報知処理を終了する。
【0059】
一方、ステップS120において、シフトレンジポジションがニュートラルポジションNでないと判定された場合(ステップS120でNO)、ポジション判定部32は、シフトレンジポジションをドライブポジションDと判定する(ステップS131)。
【0060】
次いで、接近判定部33は、静電容量取得部31が取得した静電容量が所定の閾値Aより大きいか否かを判定する(ステップS132)。静電容量が所定の閾値Aより大きいと判定された場合(ステップS132でYES)、ステップS133に進む。一方、静電容量が所定の閾値Aより小さいと判定された場合(ステップS132でNO)、ステップS132に戻る。
【0061】
ステップS133に進むと、光出力指示部35は、第4光出力部26Dに対して出力指示を与える。これにより、第4光出力部26Dは、ドライブスイッチ22Dを明示して報知する。
【0062】
次いで、接触判定部34は、静電容量取得部31が取得した静電容量が所定の閾値Bより大きいか否かを判定する(ステップS134)。静電容量が所定の閾値Bより大きいと判定された場合(ステップS134でYES)、ステップS135に進む。一方、静電容量が所定の閾値Bより小さいと判定された場合(ステップS134でNO)、ステップS134に戻る。
【0063】
ステップS135に進むと、シフトポジション指示部36は、ドライブポジションDの指示を車両制御装置40に与え、報知処理を終了する。
【0064】
[本実施形態の作用]
本実施形態のシフト装置20は、操作手Fの接触により操作指示を与えるシフトスイッチ22と、シフトスイッチ22への操作手Fの接近を検知する接近検知部としての静電センサ24と、静電センサ24の検知情報に基づいて、シフトスイッチ22に操作手Fが接近したことを報知する報知部としての光出力部26と、を備える(図3参照)。
【0065】
静電センサ24の検知情報に基づいて、シフトスイッチ22に操作手Fが接近したことを報知する光出力部26を備えることで、図6に示すように、例えば、ドライバがパーキングスイッ22Aを押そうとして、操作手Fをパーキングスイッチ22Aに接近させると、パーキングスイッチ22Aに操作手Fが接近したことが報知される。そのため、ドライバは、シフトスイッチ22を押す前に、シフトスイッチ22を認識することができる。その結果、シフトスイッチ22を押し誤る誤操作を抑制することができる。
【0066】
本実施形態のシフト装置20では、4つのシフトスイッチ22が並んで設けられ、光出力部26は、4つのシフトスイッチ22のうち、操作手Fが接近したシフトスイッチ22を明示して報知する(図3参照)。
【0067】
光出力部26は、4つのシフトスイッチ22のうち、操作手Fが接近したシフトスイッチ22を明示して報知することで、ドライバがシフトスイッチ22を押そうとして、操作手Fを目的のシフトスイッチ22に接近させると、目的のシフトスイッチ22に操作手Fが接近したことが報知される。
【0068】
例えば、並んで配置される2つのシフトスイッチ22の間の位置を、操作手Fが押そうとした場合、ドライバは、何れのシフトスイッチ22が選択されているかを、事前に確認することができる。そのため、ドライバが目的のシフトスイッチ22を押し誤る誤操作を抑制することができる。
【0069】
本実施形態のシフト装置20では、少なくとも2つのシフトスイッチ22は、フラット面に並んで配置されている(図3参照)。
【0070】
ところで、複数のシフトスイッチ22がフラット面に並んで配置されていると、各シフトスイッチ22の境目が分からなくなる。そのため、ドライバが目的のシフトスイッチ22を押し誤る可能性がある。
【0071】
本実施形態では、4つのシフトスイッチ22は、フラット面に並んで配置されていても、ドライバは、シフトスイッチ22を押す前に、目的のシフトスイッチ22を認識することができる。そのため、目的のシフトスイッチ22を押し誤る誤操作を抑制することができる。
【0072】
また、シフトスイッチ22の間に境目を形成する部品を設ける必要がないため、シフト装置20の小型化を図ることができる。
【0073】
以上、本発明のシフト装置を、上記実施形態に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更などは許容される。
【0074】
また、図7(A)に示すように、シフト装置20がタッチパネルにされて、例えば、パーキングスイッチ22Aに、操作手Fが接近した場合、文字部分Pを大きくして示してもよい。
【0075】
また、例えば、パーキングスイッチ22Aに、操作手Fが接近した場合、文字部分Pの色を変えて光らせてもよいし、文字部分Pの光を点滅させてもよい。
【0076】
また、例えば、パーキングスイッチ22Aに、操作手Fが接近した場合、文字部分Pを消灯し、他の文字部分(文字部分R,文字部分N及び文字部分D)を光らせてもよい。
【0077】
また、例えば、パーキングスイッチ22Aに、操作手Fが接近した場合、文字部分P、文字部分R,文字部分N及び文字部分Dを光らせてもよい。
【0078】
また、全てのシフトスイッチ22が光っていて、例えば、パーキングスイッチ22Aに、操作手Fが接近した場合、文字部分Pの点灯を維持し、他の文字部分(文字部分R,文字部分N及び文字部分D)を消灯してもよい。
【0079】
また、全てのシフトスイッチ22が消えたブラックアウト状態から、例えば、パーキングスイッチ22Aに、操作手Fが接近した場合、文字部分Pを点灯させてもよい。
【0080】
また、例えば、パーキングスイッチ22Aに、操作手Fが接近した場合、文字部分Pを光らせると共に、別の場所に配置された表示部(例えば、メータパネル)の表示も同様に光らせてもよい。
【0081】
上記実施形態では、報知部を光出力部26とする例を示した。しかし、図7(B)に示すように、報知部は、音を出力する音出力部126とすることもできる。この場合、例えば、パーキングスイッチ22Aに、操作手Fが接近した場合、音出力部126は、「Pレンジです」と音声を出力することもできる。
【0082】
上記実施形態では、操作手Fがシフトスイッチ22に接近した場合、シフトスイッチ22が光る例を示した。しかし、操作手Fがシフトスイッチ22に接近した場合、シフトスイッチ22を徐々に輝度が高くなるように、段階的に光らせてもよい。
【0083】
上記実施形態では、シフトスイッチ22は、車両幅方向に並んで配置される例を示した。しかし、シフトスイッチは、この態様に限定されず、車両上下方向に並んで配置されてもよいし、L字状、十字状、環状に配置されてもよい。
【0084】
上記実施形態では、接近検知部を静電センサ24とする例を示した。しかし、接近検知部は、シフトスイッチへの操作手Fの接近を検知できるものであればよく、例えば、カメラとすることもできる。
【0085】
上記実施形態では、シフト装置20は、インストルメントパネル14に配置されている例を示した。しかし、シフト装置は、センターコンソール、ステアリングその他の車室内の部品に配置することができる。
【符号の説明】
【0086】
20・・・シフト装置、24・・・静電センサ(接近検知部の一例)、26・・・光出力部(報知部の一例)、F・・・操作手
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7