(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010981
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20240118BHJP
B60K 20/08 20060101ALI20240118BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20240118BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20240118BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240118BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B60K20/02 G
B60K20/08
G06F3/02 F
G06F3/048
G06F3/041 460
G06F3/041 580
G06F3/044 122
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112621
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
(72)【発明者】
【氏名】稲村 友峰
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 琢也
(72)【発明者】
【氏名】小林 耕司
【テーマコード(参考)】
3D040
5B020
5E555
【Fターム(参考)】
3D040AA10
3D040AA13
3D040AA33
3D040AA40
3D040AB01
3D040AC36
3D040AD05
3D040AF29
5B020DD27
5E555AA22
5E555AA26
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC01
5E555BE02
5E555CB22
5E555CB56
5E555DA13
5E555DC35
5E555DC36
5E555DD06
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】誤ったシフト位置が選択されてしまうのを抑制できるシフト装置を提供する。
【解決手段】シフト装置10のシフトパネル16には、操作領域24の上側にマーク24Aが形成され、下側にマーク24Bが形成されており、マーク24A、24Bは光透過性とされている。マーク24A、24Bの間には、P位置20PのP領域30P~D位置20DのD領域30Dが順に配置され、P領域30P~D領域30D内には、各々電極28P~28Dが配置されている。これにより、LEDによりシフトパネル16が裏側から照明されることで、操作領域24と共に、P領域30P~D領域30Dが明示されるので、シフト位置20を容易に選択できて、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを抑制できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々操作部が接触されることでシフト位置が選択可能とされ、前記操作部が接触されて前記シフト位置が選択されることで車両の変速機のシフトレンジが変更される複数の選択領域が操作領域内に配置されたシフト選択部と、
前記操作部が前記操作領域に接触される際に、前記操作領域を照明して前記選択領域を明示する照明手段と、
を含むシフト装置。
【請求項2】
前記照明手段は、前記操作領域の外周部の少なくとも一部を照明して、前記選択領域を明示する、ことを含む請求項1に記載のシフト装置。
【請求項3】
前記照明手段は、前記選択領域の外周部を照明して、前記選択領域を明示する、
ことを含む請求項1に記載のシフト装置。
【請求項4】
前記選択領域の各々には、前記シフト位置の各々を示すシンボルが配置され、
前記照明手段は、前記シンボルを照明して前記選択領域を明示する、
ことを含む請求項1に記載のシフト装置。
【請求項5】
前記照明手段は、複数の前記選択領域のうちで、前記操作部が接近された選択領域を明示する、ことを含む請求項1に記載のシフト装置。
【請求項6】
前記照明手段は、複数の前記選択領域のうちで、前記変速機の変更前のシフトレンジに対応する選択領域と、該シフトレンジとは異なるシフトレンジに対応する選択領域との間で照明状態を変える、ことを含む請求項1に記載のシフト装置。
【請求項7】
前記照明手段は、前記変速機において変更可能なシフトレンジに対応する選択領域を照明する、ことを含む請求項1に記載のシフト装置。
【請求項8】
前記照明手段は、前記操作部が前記操作領域に接触される際に前記操作領域を照明する、ことを含む請求項1に記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト位置が選択可能にされるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の入力装置では、機能凹部が接触されて、自動変速機のシフトレンジが変更される。
【0003】
ここで、機能凹部の位置を把握できなければ、自動変速機が誤ったシフトレンジに変更されてしまう懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開102014009355号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を鑑みて成されたものであり、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを抑制できるシフト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様のシフト装置は、各々操作部が接触されることでシフト位置が選択可能とされ、前記操作部が接触されて前記シフト位置が選択されることで車両の変速機のシフトレンジが変更される複数の選択領域が操作領域内に配置されたシフト選択部と、前記操作領域を照明して前記選択領域を明示する照明手段と、を含む。
【0007】
第2の態様のシフト装置は、第1の態様において、前記照明手段は、前記操作領域の外周部の少なくとも一部を照明して、前記選択領域を明示する、ことを含む。
【0008】
第3の態様のシフト装置は、第1又は第2の態様において、前記照明手段は、前記選択領域の外周部を照明して、前記選択領域を明示する、ことを含む。
【0009】
第4の態様のシフト装置は、第1又は第2の態様において、前記選択領域の各々には、前記シフト位置の各々を示すシンボルが配置され、前記照明手段は、前記シンボルを照明して前記選択領域を明示する、ことを含む。
【0010】
第5の態様のシフト装置は、第1から第4の何れか1の態様において、前記照明手段は、複数の前記選択領域のうちで、前記操作部が接近された選択領域を明示する、ことを含む。
【0011】
第6の態様のシフト装置は、第1から第5の何れか1の態様において、前記照明手段は、複数の前記選択領域のうちで、前記変速機の変更前のシフトレンジに対応する選択領域と、該シフトレンジとは異なるシフトレンジに対応する選択領域との間で照明状態を変える、ことを含む。
【0012】
第7の態様のシフト装置は、第1から第5の何れか1の態様において、前記照明手段は、前記変速機において変更可能なシフトレンジに対応する選択領域を照明する、ことを含む。
【0013】
第8の態様のシフト装置は、第1から第7の何れか1の態様において、前記照明手段は、前記操作部が前記操作領域に接触される際に前記操作領域を照明する、ことを含む。
【発明の効果】
【0014】
第1の態様のシフト装置では、シフト選択部の操作領域内に複数の選択領域が配置されており、選択領域の各々は、シフト位置に対応され、操作部が選択領域に接触してシフト位置が選択されることで、車両の変速機のシフトレンジが変更される。
【0015】
ここで、照明手段は、操作領域を照明して選択領域を明示する。これにより、所望のシフト位置に対応する選択領域への操作部の接触が容易になるので、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを抑制できる。
【0016】
第2の態様のシフト装置では、照明手段が操作領域の外周部の少なくとも一部を照明する。これにより、操作領域が明瞭となって操作領域内の選択領域の各々を明瞭にできるので、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを効果的に抑制できる。
【0017】
第3の態様のシフト装置では、選択領域の外周部を照明して、選択領域を明示する。これにより、選択領域の各々を明瞭にできるので、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを効果的に抑制できる。
【0018】
第4の態様のシフト装置では、選択領域に選択領域が対応するシフト位置を示すシンボルが配置され、照明手段は、シンボルを照明して、選択領域を明示する。これにより、操作部が接触される選択領域及び選択領域が対応するシフト位置を明瞭にできるので、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを効果的に抑制できる。
【0019】
第5の態様のシフト装置では、照明手段が、複数の選択領域のうちで、操作部が接近された選択領域が明示されるように照明する。これにより、操作部が接近された選択領域を明瞭にできるので、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを一層効果的に抑制できる。
【0020】
第6の態様のシフト装置では、操作領域を照明する際、変速機のシフトレンジに対応する選択領域と、該選択領域とは異なる選択領域との間で照明状態を変える。これにより、現在のシフト位置が明瞭になるので、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを一層効果的に抑制できる。
【0021】
第7の態様のシフト装置では、照明手段が、変速機において変更可能なシフトレンジに対応する選択領域が明示されるように照明する。これにより、選択できるシフト位置が明瞭になるので、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを一層効果的に抑制できる。
【0022】
第8の態様のシフト装置では、操作部が操作領域に接触される際に照明手段が操作領域を照明する。これにより、操作部が操作領域に接触される際に、操作領域が照明されて選択領域が明示されるので、操作部が誤った選択領域に接触することによる誤ったシフト位置が選択されてしまうのを効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るシフト装置を示す表側から見た正面図である。
【
図2A】シフト装置を示す下方側から見た断面図である。
【
図2B】シフト装置に設けられた制御構成を示す概略図である。
【
図3A】シフト装置の照明状態を示す正面図である。
【
図3B】シフト装置の非照明状態を示す正面図である。
【
図4A】本発明の第2実施形態に係るシフト装置を示す表側から見た正面図であり、シフト装置の照明状態を示している。
【
図4B】第2実施形態に係るシフト装置の非照明状態を示す正面図である。
【
図5】本発明の第3実施形態に係るシフト装置を示す表側から見た正面図である。
【
図6A】第3実施形態に係るシフト装置の照明状態を示す正面図である。
【
図6B】第3実施形態に係るシフト装置の非照明状態を示す正面図である。
【
図7】シフトパネルの他の一例を示す主要部の左右方向視の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には、本発明の第1実施形態に係るシフト装置10が表側から見た正面図にて示されている。また、
図2Aには、シフト装置10が下側から見た断面図にて示され、
図2Bには、シフト装置10の制御構成が概略構成図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の表面側が矢印SFにて示され、シフト装置10の右方が矢印RHにて示され、シフト装置10の上方が矢印UPにて示されている。
【0025】
図1及び
図2Aに示すように、シフト装置10は、車両(自動車)のインストルメントパネル12の車幅方向中央部に配置され、ステアリングホイール(図示省略)の車幅方向内側に設置されている。また、シフト装置10は、表側、右方及び上方がそれぞれ車両の後側、右方及び上側に向けられている。
【0026】
シフト装置10は、設置体としての略直方体形箱状のケース14を備えており、ケース14は、インストルメントパネル12に固定されている。ケース14は、左右方向に長尺とされており、ケース14は、表側に略矩形状の開口14Aが形成されて内部が表側に開放されている。インストルメントパネル12には、車両後側に開放された矩形状の開口12Aが形成されている。ケース14は、開口12Aに嵌め込まれて取付けられており、ケース14内は、開口12Aから後側に開放されている。
【0027】
ケース14の表側には、選択体及びシフト選択部としての矩形板状のシフトパネル16が配置されており、シフトパネル16は、ケース14の開口14Aに嵌込まれている。シフトパネル16は、ケース14の表側の開口14Aを閉塞しており、インストルメントパネル12の開口12Aは、シフトパネル16とケース14の開口14A周縁部とにより閉塞されている。
【0028】
シフトパネル16には、表側にプレート18が設けられており、プレート18は、例えば樹脂製とされ、絶縁体とされている。プレート18の表側面は、インストルメントパネル12の車両後側面と面一とされており、プレート18の表面(及びケース14の開口14Aの周囲の枠面)は、インストルメントパネル12の車両後側面と共に、車両の車室内の意匠面を形成している。プレート18(シフトパネル16)は、操作部としての車両の乗員(特に運転者)の手指(手の指。以下、乗員の指F)が接触可能とされている。
【0029】
図1に示すように、プレート18の表側面には、複数のシフト位置20が設定されており、シフト位置20には、P(パーク)位置20P、R(リバース)位置20R、N(ニュートラル)位置20N、及びD(ドライブ)位置20Dが含まれる。P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dは、プレート18の表面側において左側から右側に向けてこの順番で所定の間隔(等間隔)で設定されている。また、プレート18には、シフト位置20を示すシンボルとしての表示22が配置されており、P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dには、表示22として、「P」(P表示22P)、「R」(R表示22R)、「N」(N表示22N)、及び「D」(D表示22D)が形成されている。
【0030】
また、プレート18の表側面には、操作領域24を示すシンボルとしてのマーク24A及びマーク24Bが配置されており、マーク24A、24Bは、各々左右方向に長いライン状とされている。マーク24Aは、P表示22P、R表示22R、N表示22N及びD表示22Dの上側に直線状に形成され、マーク24Bは、P表示22P、R表示22R、N表示22N及びD表示22Dの下側においてマーク24Aと略平行な直線状に形成されている。操作領域24は、マーク24A、マーク24Bにより囲われる(挟まれた)領域とされている。
【0031】
プレート18は、P表示22P、R表示22R、N表示22N、D表示22D、マーク24A及びマーク24Bの各々の部分が光透過性とされ、これら部分以外が遮光性(非光透過性)とされている。このため、プレート18は、裏側面から照明されると、P表示22P、R表示22R、N表示22N、D表示22D、及びマーク24A、24Bから照明光が透過される。
【0032】
シフトパネル16には、プレート18の裏側に検出部としての矩形シート状の電極シート26が取付けられており、電極シート26は、絶縁性かつ光透過性(透明シート)とされてプレート18の裏側面を被覆している。また、電極シート26のプレート18側の面には、検出手段としての矩形薄膜状の複数の電極28が設けられており、電極28には、P電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dが含まれる。P電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dは、シフトパネル16の表側から見て左側から右側に向けてこの順番とされて、互いの間が所定間隔(略等間隔)とされて電極シート26に配置されている。
【0033】
電極28は、各々IOT(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)等が用いられた導電性を有する透明電極とされている。なお、電極28は、各々導電性及び光透過性を有する矩形薄膜状であればよく、銀ナノワイヤ(AgNW)、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)、CNT(カーボンナノチューブ)等が用いられてもよく、細幅の金属によりメッシュ状に形成されてもよい。
【0034】
プレート18の表側面には、選択領域としての複数の領域30が設けられており、領域30には、P領域30P、R領域30R、N領域30N及びD領域30Dが含まれる。P領域30P、R領域30R、N領域30N及びD領域30Dは、各々マーク24Aとマーク24Bとの間の操作領域24内においてP表示22P、R表示22R、N表示22N、及びD表示22Dの各々を囲う所定範囲の領域とされている。P電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dは、各々プレート18の表側面においてP領域30P、R領域30R、N領域30N及びD領域30Dに重なる領域とされている。このため、P電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dの各々の位置は、マーク24A及びマーク24Bにより特定(把握)可能となっている。
【0035】
図2Bに示すように、シフト装置10には、制御手段としてのコントローラ(ECU)32が設けられている。コントローラ32には、CPU、ROM、RAM、不揮発性のメモリ(ストレージ)等がバスによって接続されたマイクロコンピュータ、及び所要の機能回路が設けられている(いずれも図示省略)。コントローラ32では、CPUがROM及びメモリに記憶されたプログラムを読出してRAMに展開しながら実行することでプログラムに応じた機能が実現される。
【0036】
コントローラ32には、電極シート26の各電極28が電気的に接続されている。また、コントローラ32には、車両の変速機34(自動変速機)の変速制御ECU36に接続されている。変速制御ECU36は、変速機34を制御して、変速機34におけるシフトレンジ(変速レンジ)をP(パーク)レンジ、R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レンジ及びD(ドライブ)レンジの間で切換える。なお、変速機34のシフトレンジは、インストルメントパネル12の所定位置に表示される。
【0037】
コントローラ32は、電極28(P電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28D)を用いた自己誘導方式の静電容量センサとして機能する。電極28には、乗員の指F(
図2Aに二点鎖線で示す)が接近することで、乗員の指Fとの間で静電容量が生じる。電極28に生じる静電容量は、乗員の指Fとの間隔及び対向する面積に応じて変化し、乗員の指Fが接近することで所定の静電容量が生じ、乗員の指F(
図2Aに実線で示す)がプレート18の表側面に接触することで静電容量がさらに変化する。
【0038】
コントローラ32は、各電極28の静電容量(静電容量に応じて変化する電圧)を検出し、プレート18の操作領域24に乗員の指Fが接近したか否かを検出する。また、コントローラ32は、各電極28の静電容量から乗員の指Fが何れかの領域30に接触したか否かを検出し、乗員が接触した領域30から何れのシフト位置20が選択されたかを検出(判定)する。また、コントローラ32は、選択されたシフト位置20に応じた信号を変速制御ECU36に出力することで、選択されたシフト位置20に応じて変速機34のシフトレンジ(変速ポジション)が切換えられるようにしている。
【0039】
一方、シフト装置10には、ケース14内に基板(回路基板)38が配置されている。基板38は、長尺の略矩形状とされており、基板38は、プレート18の裏側面と略平行とされてケース14内に取付けられている。基板38には、照明手段としての複数のLED40が配置されており、LED40には、LED40P、LED40R、LED40N、LED40D及びLED40Fが含まれている。LED40(40P、40R、40N、40D、40F)は、各々白色(R、G、Bの各色を合成した色)に発光でき、発光色及び光の強さの変更が可能となっている。
【0040】
LED40(40P、40R、40N、40D、40F)は、各々プレート18の裏側面(電極シート26の裏側面)において操作領域24内の所定領域に照明可能に対向されている。また、LED40P、LED40R、LED40N及びLED40Dは、各々P領域30P、R領域30R、N領域30N及びD領域30Dへ向けて照明可能とされている。さらに、LED40Fは、複数設けられて、マーク24A及びマーク24Bへ向けて照明可能とされている。なお、ケース14内において、プレート18の裏側面と基板38との間には、図示しない遮光壁等の所要の遮光手段が設けられ、照明光が各々に設定されている領域以外に漏れるのが抑制されている。
【0041】
コントローラ32には、LED40の各々(LED40P、LED40R、LED40N、LED40D及びLED40F)が電気的に接続されており、LED40の各々は、コントローラ32により点灯が制御される。また、コントローラ32は、複数の電極28により検出される静電容量(又は静電容量の変化)に応じ、LED40の各々の点灯を制御する。
【0042】
次に、第1実施形態の作用を説明する。
シフト装置10では、乗員の指Fがシフトパネル16(プレート18)上の領域30(P領域30P、R領域30R、N領域30N又はD領域30D)に接触することで、接触した領域30に対応するシフト位置20(P位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20D)が選択される。
【0043】
すなわち、シフト装置10では、シフト操作のために乗員の指Fがシフトパネル16(プレート18)に接近することで、複数の電極28の何れかの静電容量が増加し、乗員の指Fがプレート18の何れかの領域30に触れることで、乗員の指Fが触れた領域30の電極28に生じる静電容量がさらに増加する(最も大きくなる)。
【0044】
コントローラ32では、電極28の何れかにおいて検出される電圧Vcが予め設定しているしきい値Vth1以上となると(Vc≧Vth1)、その電極28が対応する領域30に乗員の指Fが接触したと判定する。また、コントローラ32は、乗員の指Fが接触していると判定される状態が所定のしきい値時間Tth(例えば、0.5sec)以上となると、その領域30に対応するシフト位置20(P位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20D)が選択されたと判定する。
【0045】
コントローラ32が乗員により何れかのシフト位置20が選択されたと判定すると、変速制御ECU36は、変速機34のシフトレンジを選択されたシフト位置20に対応するシフトレンジ(Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ又はDレンジ)に変更する。これにより、シフト装置10は。乗員の操作により車両の変速機34のシフトレンジを変更できる。
【0046】
一方、シフト装置10では、シフト位置を選択するために乗員の指Fがプレート18の操作領域24に接近することで、指Fの接近前に比して電極28に生じる静電容量が増加する。また、シフト装置10には、ケース14内に基板38に複数のLED40(40P、40R、40N、40、40F)が取付けられている。また、シフトパネル16では、電極シート26及び電極シート26に配置されている各電極28が透光性を有していると共に、プレート18において各表示22(P表示22P、R表示22R、N表示22N、D表示22D)、及びマーク24A、24Bの各々が透光性を有している。
【0047】
ここで、コントローラ32は、電極28の静電容量に応じた電圧Vcが予め乗員の指Fがプレート18に接近したと判定できるように設定したしきい値Vth2に達すると(Vth1>Vc≧Vth2)、マーク24A、24Bを照明するためのLED40Fを点灯させる。また、コントローラ32は、各領域30(P領域30P、R領域30R、N領域30N、D領域30D)を照明するためのLED40(40P、40R、40N、40D)を点灯させる。
【0048】
なお、この際の電圧Vcは、複数の電極28の各々から検出される電圧の最大値を適用してもよく、複数の電極28の各々(又は隣接する2つの電極28)で検出される電圧の総和が適用されてもよい。また、しきい値Vth2は、適用される電圧(何れか一つの電極28の電圧、隣接する2つの電極28の電圧、又は電極28の各々の電圧の総和)に応じて設定されればよい。また、LED40は、各々同様の色(例えば白色)の光を発するように点灯される。
【0049】
これにより、シフト装置10では、LED40によりシフトパネル16(プレート18)が裏側から照明され、各表示22及びマーク24A、24Bの各々が明るくされる。
図3Aには、LED40により照明された状態におけるシフトパネル16が正面図にて示され、
図3Bには、非照明状態におけるシフトパネル16が正面図にて示されている。
【0050】
図3Bに示すように、シフト装置10では、LED40が点灯されていないことで、マーク24A、24Bの各々、及び表示22の各々が発光しない(光が射出されない)。このため、シフトパネル16では、車外が薄暗くなって車室内が暗くなると、各表示22及びマーク24A、24Bが見辛くなる。
【0051】
これに対して、
図3Aに示すように、シフト装置10では、LED40が点灯されることで、操作領域24及び操作領域24内の領域30の各々が照明される。このため、シフトパネル16では、車室が暗い夜間等であっても、マーク24A、24Bの各々、及び表示22の各々が明るくなり(明示され)、マーク24A、24Bの各々、及び表示22の各々が見易くなる。
【0052】
シフト装置10では、マーク24A、24Bが照明されることで、マーク24A、24Bが明るくなって領域30の各々が配列されているマーク24Aとマーク24Bとの間が明瞭となり、各P領域30P、R領域30R、N領域30N及びD領域30Dの把握が容易になる。これにより、シフト装置10では、シフト位置20(P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20D)を精度よく選択でき、誤ったシフト位置20が選択されてしまうのを効果的に抑制できる。
【0053】
また、シフト装置10では、表示22(P表示22P、R表示22R、N表示22N及びD表示22D)が照明されることで、領域30の各々(P領域30P。R領域30R、N領域30N及びD領域30D)が明るくなる(明瞭となる)。これにより、シフト装置10では、LED40点灯されることで、シフト位置20(P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20D)を一層精度よく選択でき、誤ったシフト位置20が選択されてしまうのを一層効果的に抑制できる。
【0054】
さらに、シフト装置10では、乗員の指Fがシフトパネル16に接触するのに先立ってLED40がシフトパネル16を裏側から照明する。これにより、シフト装置10では、シフトパネル16の表側面が明るくなり、乗員が誤った領域30に触れて、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを効果的に抑制できる。
【0055】
また、シフト装置10では、乗員の指Fがシフトパネル16に接近していない状態では、LED40が点灯されない。これにより、LED40が不必要に点灯されることにより、車室内が不必要に明るくなるのを抑制できる。しかも、シフト装置10では、シフト位置を変更するために乗員が指Fをシフトパネル16に接近させることで、LED40が点灯されるので、LED40を用いて効果的にシフトパネル16を照明できる。
【0056】
なお、シフト装置10では、シフトパネル16(プレート18)にマーク24A、24Bを用いた。しかしながら、操作領域24を示すシンボルは、上側のマーク24A又は下側のマーク24Bの少なくとも一方であってもよく、マーク24Aとマーク24Bとを左右方向の両端で連結した枠状に形成されてもよい。
【0057】
また、シフト装置10では、各LED40が同様の色(白色)の光を発するようにしたが、白色以外の色を発してもよく、少なくとも一つが他と異なる色の光を発するようにしてもよい。例えば、LED40P、LED40R、LED40N、LED40Dは白色、又はアンバー(amber:琥珀色)等の光を発し、LED40Fが青色などの光を発するようにしてもよい。これにより、乗員は、操作領域24、及び操作領域24内の各領域30を明瞭に識別できる。
【0058】
さらに、シフト装置10では、乗員の指Fがシフトパネル16に接触する際(指Fがシフトパネル16に接近することで)、LED40(40P、40R、40N、40D、40F)を点灯させた。しかしながら、これに限らず、予めLED40Fを点灯させておいて、乗員の指Fがシフトパネル16に接近することで、LED40P、LED40R、LED40N及びLED40Dを点灯させるようにしてもよい。
【0059】
また、シフト装置10は、乗員の指Fのシフトパネル16への接近を条件にLED40を点灯させたが、シフトパネル16の周囲の明るさ(表側面の照度)を条件とし、周囲が所定の明るさ(非照明状態で表示22が鮮明には見えない明るさ等)となったときにLED40を点灯させてもよく、車両の前照灯が点灯されるのと連動してLED40を点灯するようにしてもよい。
【0060】
さらに、LED40は、予め深緑などのダーク系の色で点灯され、乗員の指Fがシフトパネル16に接近することで黄色やオレンジなどのクリア系の色で点灯されるなど点灯色が変更されてもよい。また、LED40は、予め低い輝度(明るさ)で点灯され、乗員の指Fがシフトパネル16に接近することで、明るくなるように(輝度が高くなるように)点灯されてもよい。
【0061】
また、シフト装置10では、コントローラ32が変速機34の変速制御ECU36に接続されている。ここから、シフト装置10では、LED40P、LED40R、LED40N及びLED40Dを点灯させる際、変速機34のシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30と、それ以外のシフト位置20の領域との間で発光する色が異なるようにされてもよい。また、シフト装置10では、変速機34において変更可能なシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30と、変速機34において変更不可となっているシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30とで、異なる色又は明るさで照明されてもよい。
【0062】
例えば、シフト装置10は、変速機34における現在のシフトレンジに対応するシフト位置20のLED40をオレンジ色(橙色)等のクリア系の色で点灯するようにし、それ以外のシフト位置20のLED40を白色、又はダーク系の色(例えば深緑等)に点灯させるようにしてもよい。また、シフト装置10は、変速機34における現在のシフトレンジに対応するシフト位置20のLED40の輝度をそれ以外のシフト位置20のLED40の輝度より低く(暗く)点灯させるようにしてもよい。
【0063】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。
第2実施形態に係るシフト装置50は、基本的構成が上記第1実施形態のシフト装置10とほぼ同様とされている。
図4A及び
図4Bには、第2実施形態に係るシフト装置50が表側から見た正面図にて示されている。なお、
図4Aには、照明状態のシフト装置50が示され、
図4Bには、非照明状態のシフト装置50が示されている。
【0064】
図4A及び
図4Bに示すように、第2実施形態に係るシフト装置50には、選択体及びシフト選択部としての矩形板状のシフトパネル52が配置されており、シフトパネル52は、シフトパネル16に変えてシフト装置50に用いられている。
【0065】
シフトパネル52は、プレート18に変えてプレート54を備えている。プレート54には、操作領域24を示すマーク24A、24Bが省略され、各領域30の周縁部に外枠56が形成されている。なお、シフト装置50では、マーク24A、24Bが設けられていないことで、基板38上のLED40Fを省略できる。
【0066】
外枠56は、P表示22Pを囲う外枠56P、R表示22Rを囲う外枠56R、N表示22Nを囲う外枠56N、及びD表示22Dを囲う外枠56Dを含んでいる。外枠56P、56R、56N、56Dは、各々P電極28P、R電極28R、N電極28N、D電極28Dを囲うように形成されている(僅かに大きく形成されている)。これにより、シフトパネル52(プレート54)では、外枠56の内側が電極28に対向する領域(乗員の指Fの接触を検出できる領域)となっている。なお、外枠56P、56R、56N、56Dは、各々P電極28P、R電極28R、N電極28N、D電極28Dの外周部に重なるように(同様の大きさに)形成されてもよい。
【0067】
これにより、プレート54では、外枠56P、56R、56N、56Dの全体により操作領域24が示され、外枠56P、56R、56N、56Dにより選択領域としてのP領域30P、R領域30R、N領域30N、D領域30Dの各々が示される。
【0068】
プレート54は、外枠56P、外枠56R、外枠56N及び外枠56Dの各部分が、各表示22(P表示22P、R表示22R、N表示22N及びD表示22)の部分と同様、光透過性とされ、これら部分以外が遮光性(非光透過性)とされている。
【0069】
これにより、シフト装置50では、LED40P、LED40R、LED40N及びLED40Dが点灯されることで、各々P表示22Pと外枠56P、R表示22Rと外枠56R、N表示22Nと外枠56N、及びD表示22Dと外枠56Dが明るく明示される。
【0070】
このように構成されているシフト装置50では、乗員の指Fがシフトパネル52(プレート54)の操作領域24に接近されることでLED40が点灯され、シフトパネル52(プレート54)が裏側から照明される。
【0071】
シフト装置50では、乗員の指Fがシフトパネル52(プレート54)上の複数の領域30(P領域30P、R領域30R、N領域30N又はD領域30D)の何れかに接触されて、シフト位置20の何れか(P位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20D)が選択されると、変速制御ECU36は、変速機34のシフトレンジを選択されたシフト位置20に対応するシフトレンジに変更する。
【0072】
ここで、
図4Bに示すように、シフト装置50では、LED40が点灯されていない場合、表示22及び外枠56の各々が照明されないことで、表示22及び外枠56の各々発光しない(光が射出されない)。このため、シフトパネル52では、車外が薄暗くなって車室内が明るくなっていないと(暗くなっていると)、各表示22及外枠56が見辛くなり、各領域30の正確な識別が難しくなって、適切なシフト位置20の選択が難しくなることがある。
【0073】
これに対して、
図4Aに示すように、シフト装置50では、乗員の指Fがシフトパネル16に接近されることでLED40が点灯され、操作領域24内の領域30の各々が照明される。このため、シフトパネル52では、車室内が暗い夜間等であっても、各領域30の表示22及び外枠56の各々が明るくなって、表示22及び外枠56の各々が明示されて、シフト位置20の各々の領域30が明確に識別可能になる。
【0074】
シフト装置50では、外枠56(56P、56R、56N、56D)の各々が明るくなる(照明される)ことで、領域30(P領域30P、R領域30R、N領域30N及びD領域30D)の各々が明瞭になって、各領域30の把握が容易になる。これにより、シフト装置10では、操作領域24を把握できて各シフト位置20(P位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20D)を精度よく選択できるので、誤ったシフト位置20が選択されてしまうのを効果的に抑制できる。
【0075】
また、シフト装置50では、表示22(P表示22P、R表示22R、N表示22N及びD表示22D)が照明されることで、シフト位置20(P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20D)が明確になる。これにより、シフト装置50では、シフト位置20(P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20D)を一層精度よく選択でき、誤ったシフト位置20が選択されてしまうのを一層効果的に抑制できる。
【0076】
さらに、シフト装置50では、乗員の指Fがシフトパネル52に接触するのに先立ってシフトパネル52を裏側から照明する。これにより、シフト装置50では、各表示22及び外枠56が明るくなるので、乗員が誤った領域30に触れて、誤ったシフト位置が選択されてしまうのを効果的に抑制でき、シフト装置50では、シフト装置10と同様の効果を奏することができる。
【0077】
なお、シフト装置50は、予め各LED40を点灯させておいて、乗員の指Fがシフトパネル52に接近することで点灯色を変えてもよく、乗員の指Fがシフトパネル52に接近することで各LED40の輝度を高くして(明るくして)もよい。この際、LED40は、シフトパネル16の周囲の明るさ(表側面の照度)を条件とし、周囲が所定の明るさ(非照明状態で表示22が鮮明には見えない明るさ等)となったときにLED40を点灯させてもよく、車両の前照灯が点灯されるのと連動してLED40を点灯するようにしてもよい。すなわち、LED40は、昼間と夜間とで点灯状態が切換えられてもよい。
【0078】
また、シフト装置50では、変速機34のシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30と、それ以外のシフト位置20の領域との間で発光する色が異なるようにRED40が点灯されてもよい。また、シフト装置50では、変速機34において変更可能なシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30と、変速機34において変更不可となっているシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30とで、異なる色又は明るさで照明されてもよい。
【0079】
また、各領域30の外枠56と表示22とは、異なる色、明るさ、及びタイミングで照明されるように構成されてもよい。この場合、例えば、外枠56が表示22よりも先に照明されてもよい。さらに、各領域30の外枠56と表示22とは、外枠56がダーク系の色で照明され、表示22がクリア系の色で照明されるなど、外枠56と表示22とで異なる明るさや色で照明されたりしてもよい。
【0080】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。
第3実施形態に係るシフト装置60は、基本的構成が上記第1実施形態のシフト装置10及び第2実施形態のシフト装置50の各々とほぼ同様とされている。
図5、
図6A及び
図6Bには、第3実施形態に係るシフト装置60が表側から見た正面図にて示されている。なお、
図6Aは、照明されたシフト装置60が示され、
図6Bには、非照明状態のシフト装置60が示されている。
【0081】
図5に示すように、第3実施形態に係るシフト装置60には、選択体及びシフト選択部としての矩形板状のシフトパネル62が配置されており、シフトパネル62は、シフトパネル16、52に変えてシフト装置60に用いられている。
【0082】
シフトパネル62は、プレート18、54に変えてプレート64を備えている。プレート64には、操作領域24を示すマーク24A、24B及び外枠56が省略されている。 これにより、プレート64では、各領域30(P領域30P、R領域30R、N領域30N、D領域30D)に表示22(P表示22P、R表示22R、N表示22N、D表示22D)が形成されている。
【0083】
また、シフト装置60では、乗員の指Fがシフトパネル62(プレート64)に接近した場合と、乗員の指Fがシフトパネル62(プレート64)の領域30の何れかに接触してシフト位置20が選択された場合とでLED40が発光する色を異ならせている。
【0084】
このように構成されているシフト装置60では、乗員の指Fがシフトパネル62(プレート64)の操作領域24に接近されることでLED40が点灯され、シフトパネル62(プレート64)が裏側から照明される。また、シフト装置60では、乗員の指Fが領域30に接触することで、シフトパネル62(プレート64)が照明される色が変化される。なお、シフト装置60では、乗員の指Fが何れかの領域30に接触して、シフト位置20が選択されると、変速制御ECU36が、変速機34のシフトレンジを選択されたシフト位置20に対応するシフトレンジに変更する。
【0085】
ここで、
図6Bに示すように、シフト装置60では、LED40が点灯されていない場合、表示22が照明されない(表示22が明るくならない)。このため、シフトパネル62では、車室内が薄暗かったりしていると、各表示22が見辛くなり、各領域30の正確な識別が難しくなって、適切なシフト位置20の選択が難しくなってしまうことがある。
【0086】
これに対して、シフト装置60では、乗員の指Fがシフトパネル62に接近されることでLED40が点灯(例えば、白色に点灯)され、操作領域24内の各領域30の表示22が明るくなる。このため、シフト装置60では、車室内が暗い夜間等であっても、乗員が指Fを触れる領域30が明瞭となり、各シフト位置20を適切に認識可能となる。
【0087】
また、
図6Aに示すように、シフト装置60では、乗員の指Fがシフトパネル62の領域30の何れかに接触すると、接触した領域30に対応するLED40と、その他の領域30に対応するLED40とで異なる色に発光される。なお、
図6Aでは、乗員の指FがN領域30Nに接触されて、LED40Nがオレンジ色(暖色系の色)に点灯され、LED40P、LED40R及びLED40Dが青色(寒色系)に点灯された状態が示されている。
【0088】
このように構成されているシフト装置60においても、第1実施形態のシフト装置10及び第2実施形態のシフト装置50と同様の効果を奏することができる。また、シフト装置60では、乗員が選択したシフト位置20(乗員が選択していないシフト位置20)を明瞭にできる。
【0089】
なお、シフト装置60では、乗員の指Fが接触している領域30のLED40をオレンジ色に点灯させ、それ以外の領域30のLEDを青色に点灯させることで表示22の色を異ならせた。しかしながら、乗員の指Fが接触している領域30のLED40の明るさ(輝度)を、それ以外の領域30のLED40の明るさよりも明るくしてもよく、乗員の指Fが接触している領域30のLED40の明るさを、それ以外の領域30のLED40の明るさよりも暗くするようにしてもよい。
【0090】
また、シフト装置60では、変速機34のシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30と、それ以外のシフト位置20の領域との間で発光する色又は明るさが異なるようにRED40が点灯されてもよい。また、シフト装置60では、変速機34において変更可能なシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30と、変速機34において変更不可となっているシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30とで、色又は明るさが異なるようにLED40が点灯されてもよい。
【0091】
また、シフト装置60においてもシフトパネル62の周囲の明るさ(表側面の照度)を条件とし、周囲が所定の明るさ(非照明状態で表示22が鮮明には見えない明るさ等)となったときにLED40を点灯させてもよく、車両の前照灯が点灯されるのと連動してLED40を点灯するようにしてもよい。
【0092】
さらに、シフト装置60においてもシフト装置10及びシフト装置50と同様に、LED40は、予め深緑などのダーク系の色で点灯され、乗員の指Fがシフトパネル62に接近することで黄色やオレンジなどのクリア系の色で点灯されるなど点灯色が変更されてもよい。また、LED40は、予め低い輝度(明るさ)で点灯され、乗員の指Fがシフトパネル16に接近することで、輝度が高くなる(明るくなる)ように点灯されてもよい。
【0093】
また、シフト装置60では、変速機34のシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30と、それ以外のシフト位置20の領域との間で発光する色が異なるようにRED40が点灯されてもよい。また、シフト装置50では、変速機34において変更可能なシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30と、変速機34において変更不可となっているシフトレンジに対応するシフト位置20の領域30とで、異なる色又は明るさで照明されてもよい。
【0094】
一方、操作部が接触する操作領域は、操作領域又は選択領域の各々を認識可能とするための凸部又は凹部が設けられていてもよい。
【0095】
図7には、表面に操作領域24及び選択領域としての領域30認識可能と形状とされた選択体及びシフト選択部としてのシフトパネル70が示されている。このシフトパネル70は、シフト装置10のシフトパネル16、シフト装置50のシフトパネル52又はシフト装置60のシフトパネル62に変えて用いることができる。なお、
図7では、シフトパネル70の主要部が左右方向の一側から見た断面図にて示されている。また、
図7では、電極28が配置された電極シート26の図示が省略されている。
【0096】
図7に示すように、シフトパネル70のプレート72には、操作領域24の上側にマーク74Aが形成され、下側にマーク74Bが形成されている。また、プレート72には、マーク74A、74Bの間の領域30にシフト位置20を示す表示22が形成されている(図示省略)。
【0097】
マーク74A、74Bは、光透過性とされており、マーク74A、74Bは、表側が断面略円状に突出された突出部74Cとされている。また、プレート72には、領域30の中心部に半球状の突部76が形成されている。また、マーク74A、74Bの突出部74C及び突部76の突出高さとしては、塵や汚れの付着を抑えることができ、乗員の指Fが接触しても違和感が生じることなく、乗員がマーク74A、74B及び突部76の存在を感じることができる高さであることが好ましく、例えば0.数mm~2mmの範囲にできる。
【0098】
このように構成されているシフトパネル70(プレート72)では、裏側面から照射される光がマーク74A、74Bを透過し、マーク74A、74Bの頂部で偏光されることで、マーク74A、74Bの間の操作領域24が明るくされて領域30が明示される。また、プレート72の表側面からマーク74A、74Bの突出部74Cが突出していることで、マーク74A、74Bを透過した光が偏光されて拡散されるので、マーク74A、74Bの幅が狭くとも操作領域24及び領域30を明確に視認可能にできる。
【0099】
さらに、乗員の指Fが領域30に接触する際には、マーク74A、74Bにより乗員の指Fを領域30内に的確に案内でき、突部76により領域30の中心位置が容易に把握可能になる。これにより、乗員が誤ったシフト位置20を選択してしまうのを一層効果的に抑制できる。しかも、シフトパネル70では、マーク74A、74Bや突部76が突出形成されることで加飾されるので、見栄えをよくできて意匠性を向上できる。
【0100】
なお、マーク74A、74Bの突出部74C及び突部76は、少なくとも一方が設けられればよい。また、マーク74A、74Bは、突出部74Cに変えて溝状の凹部が設けられてもよい。さらに、突部76に変えて半球状の凹部が設けられてもよく、表示22が突出形成されてもよい。
【符号の説明】
【0101】
10、50、60・・・シフト装置、16、52、62、70・・・シフトパネル、20(20P、20R、20N、20D)・・・シフト位置、22(22P、22R、22N、22D)・・・表示、24・・・操作領域、24A、24B、74A、74B・・・マーク、26・・・電極シート、28(28P、28R、28N、28D)・・・電極、30(30P、30R、30N、30D)・・・領域(選択領域)、40(40P、40R、40N、40D)・・・LED(照明手段)。