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特開2024-109811蒸発若しくは昇華および凝縮に浮力ファクターを用いた熱エネルギからの機械的/電気的エネルギの生成
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  • 特開-蒸発若しくは昇華および凝縮に浮力ファクターを用いた熱エネルギからの機械的/電気的エネルギの生成 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109811
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】蒸発若しくは昇華および凝縮に浮力ファクターを用いた熱エネルギからの機械的/電気的エネルギの生成
(51)【国際特許分類】
   F03G 7/00 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
F03G7/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083957
(22)【出願日】2024-05-23
(62)【分割の表示】P 2019174023の分割
【原出願日】2019-09-25
(31)【優先権主張番号】681
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NP
(71)【出願人】
【識別番号】519346125
【氏名又は名称】スダルシャン ケー.シー.
【氏名又は名称原語表記】Sudarshan K.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100163544
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 緑
(72)【発明者】
【氏名】スダルシャン ケー.シー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】太陽または海洋中の熱エネルギを含む熱エネルギから機械的および電気的エネルギを生成する。
【解決手段】面/平坦容器1には液体状態の天然ガスなどが充填され、容器は、液体チャンバ2に接続されて太陽や海水からの受熱エネルギで液上に気体が上昇する。チャンバの最上部は、熱エネルギでガス化した流体を貯蔵するガスチャンバ5、6、7がありタービン8、9、10にガスを供給する。タービンは、軸12に接続され、発電機13で電気エネルギに変換される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱エネルギから機械的および電気的エネルギを生成する方法であって、
該方法の効率を高めるために、浮力ファクターを適用することに加えて、
液体及び/又は固体及び/又はガスの蒸発若しくは昇華または加圧または凝縮または減圧のプロセスを介して、該方法が実行され、
これは、当該液体の必要とされる温度の適切なポイントでの熱エネルギの入力によって、沸騰したときに液体、または昇華したときに固体、または加圧されたときに液体、を通して得られる蒸気を、次のように液体においてより高いレベルに上昇させることを含む;
浮力によって、ガスが上方に加速され、
タービンが該液体に浸漬された状態に保たれる高さにガスは上昇し、
ガスがタービンを通過して回転され、
蒸気は、通常の条件下で、その温度が蒸発および凝縮される容器内部の該液体の沸点を超えない凝縮器内に保たれた液体の助けによって、凝縮/減圧される、又は
蒸気は、通常の条件下で、その温度が沸騰、蒸発、加圧、若しくは昇華された蒸気の温度を超えない凝縮器内に保たれた液体の助けによって、凝縮/減圧される、又は
蒸気は任意の他の可能な手段によって、凝縮/減圧される、
方法。
【請求項2】
前記生成は、蒸発若しくは昇華及び凝縮のプロセスを通して、および浮力ファクターを適用して、入力熱エネルギ及び温度及び通常の条件下でその温度が蒸発若しくは昇華及び凝縮される容器内の液体の沸点を超えない凝縮器内にある液体若しくはそれ以上の液体によって容易に沸騰することができる1つの液体またはそれ以上の液体、を使用して、前記プロセスの効率を増加させることによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記方法は、蒸発若しくは昇華及び凝縮のプロセスを通して、かつ、前記方法の効率を増加させるための浮力ファクターの適用によって、かつ、前記入力熱エネルギ及び温度及び通常の条件下で蒸発若しくは昇華及び凝縮される容器内の液体の沸点を超えない前記凝縮器内の1つ以上の液体により容易に沸騰することができる液体またはそれ以上の液体、を使用する、蒸発若しくは昇華及び凝縮プロセスの間の蒸気の流れによるエネルギの生成と共に、実行される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記方法は、蒸発若しくは昇華及び凝縮のプロセスを通して、および前記プロセスの効率を増加させるための浮力ファクターの適用によって実行され、
前記プロセスは、
前記入力熱エネルギ及び温度及び通常の条件下で蒸発若しくは昇華及び凝縮若しくは凍結されるべき容器内の液体の沸点を超えない凝縮器内の1つ以上の液体またはガスによって、加圧され得るガス若しくは容易に沸騰し得る1つ以上の液体若しくは昇華し得る固体、を使い、蒸発および凝縮プロセスの間の蒸気の流れによるエネルギの生成に伴って、効率が増加し、
前記熱エネルギは、
地上にある平坦な容器内に直接投入する太陽光から、または表面上の温度が-4℃未満であるとき0℃以上である海または海洋の水から、または塩水和物若しくは水酸化物などの水和および脱水などの異なる源から得られる熱から、または塩等、化石燃料、水素、その他のガス、ごみ、その他の資源・手段などの気化の潜熱から得られる、
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記方法は、蒸発若しくは昇華及び凝縮のプロセスを通して、および前記プロセスの効率を高めるための浮力ファクターの適用によって実行され、
前記プロセスの効率は、前記入力熱エネルギ及び温度及び通常の条件下で蒸発若しくは昇華及び凝縮される容器内の液体の沸点を超えない前記凝縮器内の1つ以上の液体によって容易に沸騰することができる1の液体またはそれ以上、を使用する蒸発および凝縮プロセスの間の蒸気の流れによる前記エネルギの生成とともに増加し、
前記熱エネルギは、塩水和物、水酸化物などのイオン性化合物の水和および脱水、または溶融時の塩の蒸発潜熱として貯蔵される熱、廃棄物に貯蔵される熱、熱水、化石燃料、林産物、水素ガス、またはそのような機械的および電気的エネルギの生成のために使用される任意の他の手段もしくは貯蔵源などの異なる源に貯蔵される熱である、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記方法は、蒸発若しくは昇華及び凝縮のプロセスを通して行われ、及び
容易に沸騰/昇華/加圧することができる液体/個体/ガス又はこれらの複数、または入力熱エネルギ及び温度及び通常の条件下で蒸発若しくは昇華及び凝縮される容器内の液体の沸点を超えない凝縮器内の1より多い液体により、容易に沸騰/昇華/加圧することができる液体/個体/ガス若しくはこれらの複数を、使用して、蒸発と凝縮プロセスとの間の蒸気の流れによるエネルギの発生に伴うプロセスの効率を増大させるために浮力ファクターの適用によっておこなわれ、
ここで、熱エネルギは、塩水和物、水酸化物などのイオン性化合物の水和および脱水、または溶融時の塩の蒸発潜熱として貯蔵された熱、廃棄物に貯蔵された熱、熱水に貯蔵された熱、化石燃料、林産物、水素ガス、または熱を発生させるために使用される、及び/又はそのような機械的および電気的エネルギの発生のために他の場所に輸送される任意の他の手段もしくは貯蔵源のような異なるソースに貯蔵される、
方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記方法は、蒸発若しくは昇華及び凝縮のプロセスを通して、及び
入力熱エネルギ及び温度及び通常の条件下で蒸発若しくは昇華及び凝縮される容器内の液体の沸点を超えない凝縮器内の1より多い液体により、容易に沸騰することができる1の液体またはそれ以上の液体を使い、前記蒸発と凝縮プロセスとの間に蒸気を流すことによって、エネルギの生成を伴うプロセスの効率を上昇させるために、浮力ファクターの適用によって実行され、
ここで、前記熱エネルギは、塩水和物、水酸化物などのイオン性化合物の水和および脱水、または溶融時の塩の蒸発潜熱として貯蔵される熱、廃棄物に貯蔵される熱、熱水、化石燃料、林産物、水素ガス、または熱を発生させるために使用される他の手段もしくは貯蔵源、ならびに/または前記機械的および電気的エネルギの生成のために他の場所に輸送される他の手段もしくは貯蔵源のような、異なるソースに貯蔵される、又は、
機械、機器、化学物質、または他の材料が、限定されないが液体、デバイス、機器および他の構造および材料(存在する場合)を含む機械的および電気的エネルギの生産若しくは熱貯蔵ための、生産、輸送および操作において使用される、
方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記方法は、蒸発若しくは昇華及び凝縮のプロセスを通して、及び浮力ファクターの適用によって実行され、
ここで、
前記蒸発若しくは昇華された蒸気は、前記プロセスの効率を増加させるために、ある高さまで上昇させられ、
前記蒸気は、前記入力熱エネルギ及び通常の条件下でその温度が蒸気を凝縮させるために蒸発若しくは昇華及び凝縮される容器内の液体の沸点を超えない前記凝縮器内の1つ若しくはそれ以上の液体によりたやすく昇華できる固体若しくは沸騰できる液体を使い生成される、
方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記方法は、、蒸発若しくは昇華のプロセスを通して行われ、そして浮力ファクターの適用によって行われ、
ここで、
前記温度の条件は、調整することによって、液体及び/又は固体及び/又はガスが、蒸発若しくは昇華若しくは加圧のために利用でき、
そして、浮力ファクターによる液体を通じて通過の固体及び/又は液体及び/又はガスの圧力の増加は、及び/又は凝縮及び/又は昇華による蒸気/液体の凍結及び/又は凝縮及び/又は昇華は、上昇した高さにタービンを保つことの効果において上昇する効果があり、
任意の材料が、蒸発若しくは昇華及び凝縮で使用される液体および固体の好ましさに応じて、蒸発若しくは昇華または増加した圧力および凝縮及び/又は凍結に使用され、そして任意のタイプのエネルギまたは技術が蒸発若しくは昇華及び凝縮のために熱を生産するために使用され、そして任意のタイプの装置若しくは技術がタービンから生成される機械的エネルギを電気または他のエネルギに変換するために使用される、
方法。
【請求項10】
全ての図面、計算式及び実施態様が共に、適用される請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉鎖環境における調整可能な温度と、エネルギ生成の効率を高めるための浮力ファクターの使用とに基づいて、液体(または固体またはガス)との温度差によってもたらされる蒸発/昇華および凝縮サイクルによる、太陽エネルギまたは海洋中の水中に存在する熱エネルギを含む熱エネルギからの機械的または電気的電力の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
長い間、熱エネルギが使用されてきた。蒸気エンジンの始めから最新のディーゼルエンジンまで、熱エネルギは機械的または電気的エネルギに変換されてきた。内燃機関と外燃機関がある。蒸気エンジンは外燃機関であり、ディーゼルエンジンおよびガソリンエンジンは内燃機関である。内燃機関では、燃料の熱エネルギは、温度-圧力-容積相関を考慮する熱力学の法則に従って、機械的又は電気的エネルギに変換される。しかしながら、外燃機関の下では、蒸気が生成され、タービンを運転するために、またはランキンサイクルを展開するために使用される。石炭または他の熱は、太陽エネルギを含む蒸気発生に使用される。
【0003】
電気エネルギまたは機械エネルギへのいくつかの熱エネルギ変換では、以下に示すように、外部熱エネルギが利用される;
米国特許第9297366B2号明細書によると、光起電によって生成されたイオンは、高濃度から低濃度の蒸気に移され、低濃度の蒸気を通常の状態に戻すことによって、熱出力として戻される。同様に、米国特許第8794002B2号では、作動流体が熱交換器として使用され、低圧および高圧領域が生成され、それによって作動流体が高圧側から低圧側に向けられ、機械的エネルギに変換される作動領域で制御される。
【0004】
米国特許第8011182B2A号によるように、ガスおよび重力を、自然または人工の液体媒体中の装置に作用し、そのような力を機械的エネルギに変換する、浮力と同程度に効率的に、
利用する発電機を開示する。該発電機は、主として垂直面で上昇および下降し、主として垂直配置で水平に整列したシャフト上の回転スプロケットまたはプーリを有する1つまたは複数のチェーン、ベルト若しくはコンベアを駆動する、複数の重み付けされた独自に構成された可変密度容器の方法を含む。
【0005】
太陽電池パネルは、太陽からの光エネルギを捕捉し、電気エネルギに変換するだけであり、曇り時間のような太陽光がない時間中、または夜間に、電池の形態での貯蔵を必要とする。
【0006】
これらの変換方法は全て、理論効率が65%未満であり、実際にはより少ない。
【0007】
熱エネルギ変換方法の大部分は、高温を使用する。ガソリンおよびディーゼルエンジンは、空気を2000℃を超えるようにする。燃料は完全に消費される。蒸気エネルギはまた、蒸気が約600℃になることを必要とする。他の転化システムにおいても、高温が好ましい。高温要件のために、温和な温度を有する熱エネルギ、例えば10 ℃未満、は効率的に使用することができない。
【0008】
したがって、低温熱エネルギを高効率で使用することができる発明または革新が必要とされている。膨大な太陽エネルギをより少ないコストで使用することができる必要性がある。必要に応じて、エネルギの容易な貯蔵を行い、電気エネルギに変換することができる必要性がある。再生可能な太陽エネルギをある程度まで使用することができる必要性がある。将来のエネルギ危機に対応する必要がある。今日、世界全体が使用しているエネルギに等しい/よりも大きい可能性があるエネルギのフィン・テク・システム要件を見つける必要がある。浪費されたエネルギおよびゴミを使用することができる必要性がある。ブラックエネルギの代わりにクリーンエネルギを高度に採用することができる必要性がある。太陽エネルギを利用して地球温暖化を減少させることができる必要性がある。エネルギ危機を解決するために、豊富な太陽または地熱エネルギを使用することができる必要性がある。湖および海にある熱エネルギを、表面の温度が非常に低い冬季に利用することができる必要性がある。
【発明の概要】
【0009】
浮力ファクターの適用を伴う、蒸発若しくは昇華及び凝縮のプロセスによる機械的または電気的エネルギの生成は、エネルギ生産の効率を高める。それにより、必要な蒸発、沸騰または昇華温度での熱エネルギの入力によって、沸騰したときの液体若しくは昇華したときの固体若しくは加圧されたときのガスを通して得られる蒸気は、より高いレベル/秒で、液体中で上昇することを可能とし、
蒸気は、浮力によって、上方に加速され、
蒸気が、タービンが液体中に浸漬されたまま、ガスがタービンを通過し、それを回転させる高さに上昇し、
蒸気は、通常の条件下で、その温度が蒸発若しくは昇華および凝縮される容器内部の該液体(もしくは固体)の沸点/昇華点を超えない凝縮器内に保たれた液体の助けによって、凝縮される、
又は、
蒸気は、通常の条件下で、その温度が沸騰、蒸発、若しくは昇華された蒸気の温度を超えない凝縮器内に保たれた液体の助けによって、凝縮される、
又は
蒸気は、任意の他の可能な手段によって、凝縮され、
得られるエネルギが増加する。
【0010】
蒸気は、液体チャンバ内の液体を通って上昇すると、上方向に加速され、次いで、液体に
浸漬されたタービンを回転させて、タービンを通過するガスの体積にタービンの高さを乗じたものに等しい液体の重量に等しいエネルギを生成する。さらに、エネルギは、蒸気媒体中に保持されたタービンにおいて、蒸発媒体から凝縮媒体への蒸気の流れのプロセス中にも加算される。
【0011】
数度のあらゆる一般的な温度差を容易に利用することができ、低温(例えば、約0℃および-10℃以下)でさえも、浮力ファクターによって増加されるエネルギを生成することができる。低温であっても本技術の機能により、容易なエネルギ貯蔵媒体、例えば、脱水中に熱エネルギが貯蔵され、融解相中に貯蔵された塩または融解相中に貯蔵された塩からの水和または潜熱で得られる塩および水酸化物(例えば、NaOH)、または自然貯蔵として作用する冬の間に表面上の温度が凍結している0℃を超える海洋下の水でさえも使用することができる。または、天然または他の温水源もまた、熱エネルギの貯蔵源として利用され得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、低温熱エネルギを機械的または電気的エネルギに変換することができる。それは、余分な材料またはエネルギを費やすことなく、入力熱エネルギの100%以上を出力に変換することができる。使用上のボトルネックとなっている、太陽からの膨大な熱エネルギを、使いやすく、安価なシンプルな技術で活用することができる。それは、膨大なエネルギを貯蔵し、必要に応じて利用することさえできる容易な貯蔵メカニズムを有することができる。この技術を使えば、100メガワットを数ヶ月以上、低コストで簡単に保管することができる。化学物質(例えば、塩または水酸化物の水和および脱水など)によって与えられるこのような低温出力貯蔵は、貯蔵されたエネルギを失うことなく輸送することができる。熱エネルギを提供することができる廃棄物は、最良に利用することができる。太陽エネルギは再生可能でクリーンなエネルギであるので、巨大なエネルギを最良に利用し、貯蔵することができ、それによって、黒色エネルギおよび地球規模エネルギの消費も低減する。それは最終的に、将来のエネルギ危機をある程度まで解決するのに役立つ。水温が0℃を超え、冬季に表面温度が凍結する海洋に存在する膨大なエネルギは、これまで可能でなかった電気エネルギを生成するために最もよく利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、日光を使用する熱エネルギから機械的および電気的エネルギを生成するプロセスの実施のための複数の塔の例示的な実施形態、ならびに日光/冬季の夜間/冬季のための貯蔵システムである。
図2図2は、日中に太陽光エネルギのみを使用して熱エネルギから機械的および電気的エネルギを生成するプロセスを実施するための単一の塔の例示的な実施形態である。
図3図3は、日中に太陽光エネルギのみを使用して熱エネルギから機械的および電気的エネルギを生成するプロセスを実施するための複数の塔の例示的な実施形態である。
図4図4は、特に冬季(昼夜)における凍結湖/海/海洋上の熱エネルギから機械的および電気的エネルギを生成するプロセスを実施するための複数の塔の例示的な実施形態である。
図5図5は、温水エリア(昼/夜、および温水が利用可能な任意の季節)上の熱エネルギから機械的および電気的エネルギを生成するプロセスを実施するための複数の塔の例示的な実施形態である。
【0014】
本発明は、以下の部品/要素を使用する。
【符号の説明】
【0015】
1:面/平坦容器
2,3,4:液体チャンバ
5,6,7:ガスチャンバ
8,9,10:液体タービン
11:ガスタービン
12:軸
13:発電機
14:塔
15:蒸気を出すパイプ(蒸気を流すパイプ)
16:液体排出パイプ
17:凝縮器に入るパイプ
18:凝縮器から出るパイプ
19:水をいれるパイプ
20:水を出すパイプ
21:水パイプ
22:温水循環パイプ
23:液体再投入部
24,25:ワッシャ
26:気-液相弁
27,28:チャンババルブ(単に、バルブ若しくは弁とも記載)
29:液体投入弁
30:液体出力弁
31:凝縮器
32:シリンダ
33:マルチパイプ
34:プッシャ
35:化学物質貯蔵タンク
36:発熱タンク
37、38、39:モータ
40:温水リザーバ
41:水加熱器
42:水タンク
43:脱水容器
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、専門用語を用いて説明される。他の図[図1~5]は、大部分が互いに類似しており、相違点についてのみ説明されている。
【0017】
面/平坦容器1は、加熱が、蒸発若しくは昇華のために必要とされるものである。通常、太陽からの熱若しくは蓄熱媒体からの温水、あるいは海に浸漬したときに最大表面積になるように、平らな形状に作られる。しかしながら、容器の形状は、適用される熱源に応じて変更される。
【0018】
面容器内には液体がある。そして、面容器1は、加熱可能に保持されている。したがって、太陽エネルギについては、太陽光に向かって面し続ける[図1、2、3]。海水または湖水からのエネルギについては、凍結した上面の場合、氷面下の水の中に浸される[図4、5]。
【0019】
使用される熱エネルギ源が高温を作り出すことができる場合、例えば水素ガス、天然ガスまたは他の燃料などによる加熱も比較的小さい表面積で行われる。容器は、パイプ15および気-液相弁26を介して液体チャンバ2に接続されている。チャンバ内に存在する液体は、容器内と同じであっても異なっていてもよい。水に溶解しないペンテン、ブタン等の容器1内の液体については、バルブによって分離された液体チャンバ内の液体として水を使用することができるが、液体チャンバは、浮力を得るために液体を含まなければならない。
【0020】
チャンバの頂部には、やはり液体に浸漬される液体タービン8がある。チャンバの最上部は、ガスチャンバ5に接続されている。複数のチャンバ[図1、3、4、5]について、ガスチャンバ5は、バルブ27を介して液体チャンバ3に接続される。チャンバ3の頂部にはタービン9がある。液体チャンバ3は次のガスチャンバ6に接続され、次に、液体チャンバ4にバルブ28で接続される。前述のように、液体チャンバ4の頂部にはタービン10がある。液体チャンバ4は、最終的にガスチャンバ7に接続される。液体チャンバ内の液体の温度および蒸気の温度(すなわち、液体のB.P.)に応じて、一連の液体およびガスチャンバを追加することができるが、ここでは、説明のために3つのみを考慮した。
【0021】
全てのタービン8、9、10は、軸12に接続され、軸12は発電機13に接続されている。軸およびチャンバはすべて塔14によって支持されている。ガスチャンバ7の下部には、液体再投入部23が設けられている。そして、液体再投入部23のすぐ上には、次のガスタービン11が存在し、このガスタービン11を通ってガスがシリンダ32を通って凝縮器31に流れる。ガスタービン11が設けられており、このガスタービン11はまた、軸12と、2つの弁29、30と、液体再投入区画23内のワッシャ25とに接続されている。パイプ17、18は、それぞれ凝縮器31の内外に接続されている。ワッシャ24及び25は、同じ上向き及び下向きの流れで接合される。ガスチャンバ7内のワッシャ24の上方かつタービン11の下方には、外部回路に接続されたプッシャ34が設けられている。
【0022】
シリンダ32および凝縮器インパイプ(凝縮器に入るパイプ)17を介して最終ガスチャンバ7[図2のための単一ガスチャンバ]に接続された凝縮器31は、冷却液(一般に水)を含み、ここで、複数のパイプ33は、蒸気と冷却液との間の界面として作用する。凝縮器31の複数のパイプは、最後に、凝縮器出口パイプ(凝縮器から出るパイプ)18を介して液体再投入部23に接続される。液体再投入部23は、最終的にパイプ16を介して面容器1に接続される。
【0023】
軸12は、タービン/軸の回転機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機13に接続されたものである。
【0024】
また、太陽光を利用せずに発電する場合には、図1に示すように、NaOH水和若しくは溶融塩などの薬品から得られる温水を利用する。脱水された塩または水酸化物は、モータ37の助けにより発熱タンク36に接続された化学物質貯蔵タンク35に入れられる。また、水タンク42からの水パイプ21は、モータ38を介して発熱タンク36に接続されている。発熱タンク36は、温水リザーバ40に囲まれている。温水リザーバ40からの温水循環パイプ22は、モータ39を介して下方から各面/平坦容器1に接続されている。発熱タンク36は、上述したように、水タンク42を収容する水加熱器41に接続されている。水加熱器41は最後に脱水容器43に接続される。脱水容器は、ガラス、プラスチック等のような透明な媒体で覆われたより大きな表面積を有する単純な容器であり、水和された塩または水酸化物は、直射日光によって蒸発されて、日光からの熱を貯蔵する。容器43からの脱水された塩または水酸化物は、より長い貯蔵のために保持されるか、またはそれらの塩または水酸化物を貯蔵タンク35に移すことによって再使用される。
【0025】
また、図4に示すように、冬季に上層部が凍結した湖、海、海洋からの熱を利用する場合や、図5に示すように、温泉湖等の温水源からの熱を利用する場合には、湖、海、海に面/平坦容器1を浸漬する。図4または図5と同様に、ここで水中に浸漬された容器も、液再投入部23からの排出パイプ16と、気-液相弁26を介して液チャンバに接続されたパイプ15とに接続されている。
【0026】
本発明によれば、液体(または固体またはガス)は、熱の存在下で沸騰(または昇華または加圧)することができる、完全に密閉された平坦な面容器1内に配置される。容器1は、直
射日光[図1、2、3]または加熱水[図1]のような他の手段によって加熱されるか、湖または海[図4、5]に浸漬されるか、または他の供給源、例えば、水素ガス、天然ガス、化石燃料、廃棄物などによってさえ加熱され得る。しかしながら、高温を与えることができる供給源を使用すると、容器1は、より大きな表面積を必要としない。液体が沸騰すると(又は固体が昇華するか又はガスが加圧すると)、蒸気は、パイプ15を通って気-液相弁26を通って液体チャンバ2に流れる。液体チャンバ2は、前記と同じ液体又は他の液体で完全に非常に高く満たされている。液体チャンバの上部には、液体に浸漬された液体タービン8と呼ばれるタービンがある。液体蒸気の上方への流れにより、液体タービン8は回転する。回転されたタービンは、軸12を回転させる。回転した軸は、順次、回転し、塔14によって支持された発電機13から電気を発生する。
【0027】
一方、蒸気は、液体チャンバ2からタービン8の上方の液体チャンバ2の頂部に進み、ガスチャンバ5に出会う。図1図3図4または図5では、ガスチャンバ5内のガスの圧力が上昇し、気-液部で液体チャンバ3内の液体の重量を超えると、ガスは弁27を通って液体チャンバ3に流れる。液体チャンバ3の頂部において、タービン9はタービン8として回転し、蒸気はガスチャンバ6に送られる。再び、ガスチャンバ6内の圧力が気-液部の液体の重量を超えると、ガスは弁28を通って別の液体チャンバ4に入る。液チャンバ4の上部では、蒸気がタービン10を回転させ、ガスがガスチャンバ7に入る。タービン9およびタービン10はまた、電気を発生させるために軸12に接続され、液体チャンバおよびガスチャンバのシリーズをさらに増加させることができる。このようにして、ガス(蒸気)は最終ガスチャンバ(ここではガスチャンバ7)に送られる。
【0028】
ガスチャンバ7内では、蒸気の圧力は時間と共に増加する。増加した圧力を有する蒸気は、ガスタービン11及びシリンダ32を通って凝縮器に送られる。ガスは、シリンダ32を通って凝縮器31に送られ、その大きさが入力エネルギの温度および凝縮速度に依存する圧力を制御する。より低い凝縮およびより高い蒸発のためには、より大きなシリンダが必要とされる。例えば、水素ガスなどの高温熱エネルギが作動液体、例えば沸点39.6℃のジクロロメタンに適用される場合、圧力は凝縮器の容量よりも急速に上昇することがある。したがって、シリンダは、凝縮前のある時間の間、蒸気を保持することができる。また、ガスタービン11は、回転時に発電する軸12に接続されている。ここで、ガスは凝縮器31に送られる。凝縮器31では、ガスはパイプ17を通って多数のパイプ33に入る。凝縮器31の蒸気と液体との間の相互接続媒体として作用する複数のパイプは、凝縮器31の外部低温液体(一般に、温度要件に基づいて水または他の液体/またはガス)と接触する蒸気の表面積を増大させるように維持される。凝縮器31の水(または他の液体など)の温度は、マルチパイプ33内の蒸気の温度よりも低いので、蒸気は凝縮し、凝縮器31の水(または他の液体)に熱を伝達する。
【0029】
最後に、凝縮器マルチパイプ33内の液体形態の凝縮蒸気(または、面/平坦容器1内で蒸発若しくは昇華または加圧される材料の性質に応じて、固体または高密度ガス)は、凝縮器から出るパイプ18および液体投入弁29を通って液体再投入部23に移動する。垂直に保たれる、液体再投入部23及び凝縮器から出るパイプ18内の凝縮された液の重量が、ワッシャの重量及びワッシャ24の上方の圧力よりも大きくなると、ワッシャ24と共にワッシャ25を徐々に上方に押す。ワッシャ24がプッシャ34まで徐々に押し上げられると、凝縮器31から出るパイプ18内の凝縮された液の重量が増加し、そして、ワッシャは、ワッシャ24に触れると外部回路に接続されたプッシャのモータへの電気の流れを開始する、プッシャの切換部分までさらに押し上げられる。プッシャは、ワッシャ25と共にワッシャ24を下方に押し、液体再投入部23内の液体を外側に放出する。プッシャがワッシャ24を最小レベルに押すと、プッシャのモータへの電力の切り換えがオフになり、プッシャは押すのを停止する。ワッシャは、液体再投入部23に入る凝縮器から出るパイプ18中の凝縮された液の重量が増加によって、前述のように再び徐々に上昇する。従って、ワッシャ24及び25の両方の上下運
動があり、液体再投入部23に蓄積された凝縮された液の連続的な流れは、バルブ30を通ってパイプ16に向かい、次に面容器1に向かう。凝縮した蒸気は、外部モータの適用によって容器に再投入することができる。
【0030】
このようにして、容器1内に熱供給がある場合、連続的な蒸発および凝縮があり、システムは、軸12によって回転される交流発電機を含む発電機13を介して電気を生成する。蒸発および凝縮プロセスによって生成される機械的または電気的エネルギは、塔チャンバの高さ、すなわち液体中でガスが上昇する高さに依存する浮力ファクターを使用して大幅に増大される。ガスは、蒸発プロセスと凝縮プロセスとの間で異なる液体-ガスチャンバを維持することによって、1つの液体チャンバ内で非常に高い高さまで、または数倍低い高さまで上昇させることができる。
【0031】
ここで、浮力ファクターは、効率を高めるために使用される。浮力ファクターにより、それが浸漬される液体よりも軽いものが自由に動くことができる場合、それは、自由に浮遊する材料および液体の高さによって移動される液体の重量に等しい力で、上方向に動く。ここで、自由に浮遊する材料は、蒸発中に生成される蒸気である。容器に当たる熱エネルギは、熱エネルギの強度、表面積、液体の沸点、液体の質量、および液体の蒸発エンタルピーに応じて、容器内の液体を蒸発させる。蒸気は、液体よりも低い密度を有する浸漬された材料として作用する。液体チャンバの頂部に向かって上方向に蒸気の流れがある。ここで、上方向に流れる蒸気は、移動する液体の重量及びタービンの高さに依存するエネルギを運ぶ。タービンの高さが高ければ高いほど、蒸気は、それに作用する浮力と呼ばれる連続的な上向きの力によって上向きの方向に加速する。
【0032】
このシステムは、底部レベルでの物質投入量と外部熱エネルギによってもたらされる物質上昇量との差のために、浮力ファクターを使用して過剰エネルギを生成することができる。浮力/重力メカニズムの大部分は、液体中の低密度物質を上昇させることから得られるエネルギが、それを連続的にするために、液体の底部に該物質を投入するために等しく使用されるべきであるため、機能しない。あるいは、換言すれば、得られるエネルギはエネルギ損失に等しい。密度「d」および高さ「h」の液体では、重量「w」および体積「v」を有する低密度物質が底部に投入されるとする。それは、浮力により上向きに加速する。そして、得られるエネルギは、上昇する物質の重量を引いた液体の高さに移動された液体の重量に等しい。重力は物質を下方に引っ張る。
したがって、
エネルギ取得 = [(v * d) * g * h] - w * h (i)
エネルギ = 移動した液体の質量*重力による加速度*高さ &
質量 = 体積*密度]
【0033】
さらに、プロセスを継続するために、最低レベルから同じ物質を投入すると、エネルギ損失であるエネルギ入力がある。
この入力エネルギ損失は、同じ物質を底部で液体の同じ圧力に置いたときの、頂部での液全体の体積の変化によって、投入に費やされたエネルギを引いた、上昇した高さから落下する物質から得られるエネルギである。
または、頂部での体積の上昇による底部での圧力の変化。
損失エネルギは、また、同じである。
エネルギ損失 = - [(P * v) - w * h]
体積変化エネルギ = 圧力 * 液体の体積変化 = 液体、前の高さ、の上昇による圧力変化*物質の体積
我々は、
圧力 = 力/面積 = 移動した液体の重量/所与の構造について移動した液体の面積
を知っている。
= (v * d) * g/a
したがって、
エネルギ損失= ((v * d) * g/a) * v
となる。ここで、
高さ(h) = 体積(v)/面積(a)
である。
従って、再び、
エネルギ損失=-[ [(v * d) * g * h] - w * h] (ii)
となる。
したがって、
エネルギ取得 = エネルギ損失 (i)および(ii)
である。
【0034】
しかし、我々のシステムでは、底部の投入材料は、より低い密度を有する液体であり、外部熱エネルギによって蒸気に変換された後、上昇することができる。ここで、投入と同じ質量であるが、複数倍小さい密度またはより大きい体積の蒸気を、ある高さまで上昇させ、浮力から増加したエネルギを得る。増加したエネルギは、投入物質(凝縮された液)と上昇物質(蒸発された蒸気)の体積の差によるものである。そして、この増分は、上昇することができる蒸気の体積と、底部に投入される凝縮された液の体積との倍数に等しい。
【0035】
上式で言えば、蒸気の体積は、液体の体積の「n」倍であり、
得られるエネルギ(蒸気上昇から) = (n * v * d) * g * h (iii)
である。
【0036】
蒸気の体積を同じ質量の液体の体積のn倍とする。
あるいは、
n = Vv/Vl = Dl/Dv [すなわち、液体対蒸気の密度]
である。
【0037】
蒸気が投入前に液体に置換されるので、
エネルギ損失(液体投入時) = ΔP * v
= [(v * d * g)/a] * v
= [v * d * g * h]
エネルギ獲得/エネルギ損失 = [(n * v * d * g * h)/(v * d * g * h)] = n
そして、
得られた正味エネルギ = [v * g * d * h] * (n-1)
そして、
正味電力 = [(v * d) * g * h) * (n-1)]/t
【0038】
ここで、体積と密度の乗算は、重力による加速度を乗じたときの質量であり、
したがって
正味エネルギ = w * h (n-1)
正味電力 = w * h (n-1)/t
である。
【0039】
ここで、tは、蒸気の該高さへの上昇、または蒸気の液体への置換、および液体の投入のいずれか早い方に伴って、液体を蒸気に置換するために必要な時間である。
【0040】
したがって、得られるエネルギは、液体の体積よりも大きい蒸気の体積の倍数である。しかしながら、2つの異なる液体が使用される場合、両方の液体の密度が出力に影響を及ぼ
す。蒸気は、タービンが保持される高さで、液体投入の複数倍を移動する。したがって、タービンを回転させるエネルギは、置換された量の重量およびタービンが位置する高さによって計算することができる。あるいは、換言すれば、蒸気のためにタービンの高さで置換された液体のポテンシャルエネルギから、凝縮した液体の投入時にその高さで置換された液体のポテンシャルエネルギを引いたものが、生成された全エネルギである。
【0041】
液体タービンで発生するエネルギ(E1) =
置換される液体の重量(W) * タービンの高さ(H) * (蒸気と液体の密度の比率 - 1)
【0042】
これは、次式で与えられる;
正味エネルギ(E1) = エネルギ発生量 - エネルギ損失量
= [w * h] * [(Dl/Dv)-1]
【0043】
ここで、蒸気に置換される液体の重量は、液体の蒸発潜熱、単位時間および単位面積当たりのエネルギ降下速度、蒸発容器の表面積、重力による加速度、液体の密度、および蒸気の密度に依存する。
【0044】
ここで、蒸発時に置換される液体の重量は、以下のように計算される;
W = (容器に投入するエネルギの割合(Ef) * 表面積(A) * 時間(T) * (液体の密度) * g / 液体の蒸発潜熱(Lv) * (蒸気密度)
【0045】
同じ凝縮速度を考慮すると、凝縮蒸気の投入時に置換される液体の重量は、次式で与えられる;
W = (容器のエネルギ降下率(Ef) * 表面積(A) * 時間(T) * g / 液体の蒸発潜熱(Lv)
【0046】
したがって、
E1 = ( [(Ef/Lv) * A * T] * g * H * [(Dl/DV)])-[(Ef/Lv) * A * T] * g * H
E1 =( ([Ef * A * T] * g * H)/Lv) * [(Dl/Dv)-1]
【0047】
さらに、蒸気は、外部エネルギによって凝縮され、蒸気相よりも体積は少ないが高密度でシステムに投入される。また、凝縮の間、圧力の変化に起因していくらかのエネルギを得ることができる。凝縮のために、蒸気は蒸気チャンバから凝縮器へと通過し、この蒸気の流れはまた、いくらかのエネルギを生成する。
【0048】
ガスタービンを通るガスチャンバ内のガスの体積の変化によって生成されるエネルギは、体積の変化によって行われる仕事として計算することができる。
【0049】
E2が、圧力PでのガスのV体積の凝縮によって時間Tの間に生成されるエネルギである場合、生成されるエネルギは、以下のように計算することができる;
ガスタービン発電エネルギ(E2) = 体積変化 * 圧力
=ΔV * P
=( [Ef * A * T]/Lv) [(1/Dv)-(1/Dl)] * P
【0050】
[凝縮速度=蒸発速度]
【0051】
生成される総エネルギは、
(TE) = E1 + E2
で与えられる。
【0052】
総エネルギ(TE)
= (([Ef * A * T] * g * H)/Lv)[(Dl/Dv) - 1] + ([Ef * A * T]/Lv) [(1/Dv) -(1/Dl)]* P
= [(Ef/Lv) * A * T] * g * H * [(Dl/Dv)-1]+ [(Ef/Lv) * A * T] [(1/Dv)-(1/Dl)] * P
【0053】
電力は以下のように与えられる;
電力(P) = 総エネルギ(TE)/時間(T)
= (([Ef * A * T] * g * H)/(Lv * T))[(Dl/Dv)-1]+ ([Ef * A * T]/ (Lv * T))[(1/Dv)-(1/Dl)]* P
= [(Ef/Lv) * A] * g * H * [(Dl/Dv)-1] +[(Ef/Lv) * A] [(1/Dv) -(1/Dl)] * P
【0054】
システムのエネルギ効率は、次式で与えられる;
効率 =(出力エネルギ/投入エネルギ) * 100%
= (([(Ef/Lv) * A * T] * g * H [(Dl/Dv)-1]+ [(Ef/Lv) * A * T] [(1/Dv)-(1/Dl)] * P)/ (Ef * A * T)) * 100%
= (( [g * H][(Dl/Dv)-1] +[P][(1/Dv)-(1/Dl)])/ Lv ) * 100%
【0055】
常圧は凝縮チャンバで維持されるので、
設定P = 101,325 N/m2、g= 9.8m/s2とする。
【0056】
効率 = ((9.8 H [(Dl-Dv)/Dv] +101,325 (Dl-Dv)/ (Dl * Dv) )/Lv)* 100%
= [(Dl/Dv)-1] * [9.8 H+ 101325/Dl]/Lv * 100%
【0057】
システムの効率は、総出力、すなわち所与の投入に対して生成されるエネルギの増加に伴って増加させることができる。所与の液体について、全エネルギまたは効率における全ての要因は、高さを除いて変更することができない。
【0058】
したがって、生成されるエネルギの効率は、蒸気が底部から流れる塔チャンバの高さに直接関係する。したがって、高さを必要な程度まで増大させると、効率を100%を超えても増大させることができる。
【0059】
さらに、液体の密度は常に蒸気の密度よりも大きいので、効率は常に正である。したがって、このシステムは、蒸気相および液相における所与の質量の体積の差のために機能し、高さの増加によって高度に支持される。
【0060】
しかしながら、高さが増加するにつれて、底部の圧力は増加する。チャンバの底部における圧力の増加は、蒸気の体積を減少させる。蒸気の体積の減少により、浮力は、下方で減少し、上方に加速するにつれて徐々に増加する。したがって、浮力は徐々に増加し、メタ加速度をもたらす。
【0061】
我々の目的のために、置換される液体の質量を考慮するために、蒸気の平均体積を考慮することができる。
底部圧力(P2) = [重量/面積] + P1
=( [面積 * 高さ * 密度 * 重力加速度] / 面積)+ P1
= [高さ * 密度 * g] + P1
【0062】
底部体積(Vb) = (P1 * Vt) / P2
= (P1 * Vt) / ( (Dl * H * g) + P1)
= (P1 * [Ef/Lv * A * T] / Dv) / [(Dl * H * g)+ P1]
【0063】
最上部体積(Vt) = [Ef/Lv * A * T] /Dv
【0064】
平均体積 (Va) = (Vb + Vt)/ 2
= (((P1 * [Ef/Lv * A * T] / Dv) / ((Dl * H * g) + P1))+ ([Ef/Lv * A * T] / Dv))/ 2
= ( [Ef/Lv * A * T] / Dv)* [P1/[(D1 * H * g)+P1] + 1]/ 2
= ( [Ef/Lv * A * T] / 2Dv) * ([P1+(Dl * H * g)+ P1]/[(Dl * H* g) +P1])
= ( [Ef/Lv * A * T][(Dl * H * g) + 2P1])/(2Dv [(Dl * H * g) + P1])
= (Vt * [P2 + P1]) / 2[P2]
= Vt /2 + Vt P1/2P2
【0065】
平均体積は圧力の増加と共に減少するが、STPでは常に半分以上のままである。
【0066】
ここで、P1は大所与の投入に対して一定である。しかしながら気圧であり、Vtも大気圧におけるある質量の体積であり、したがって、両方とも、P2は、高さが増加するにつれて増加する。したがって、平均体積は、高さが増加するにつれて減少し、それによって蒸気[Dv]の密度が増加する。
【0067】
高さの増加に伴う平均体積の減少は、発電およびシステムの効率の低下をもたらす。
Dv = m/Vt
【0068】
新しい密度は、以下で与えられる;
Dv2 = m/Va
= m/ [Vt/2 +Vt/2(P1/P2)]
= m/ [Vt/2(1 +P1/P2)]
= m/ [Vt/2 +Vt/2[P1/ ((Dl * H * g) +P1)]]
【0069】
したがって、蒸気の密度は増加するが、密度は決して2倍を超えて増加しない。
【0070】
大気圧P1と同様に、質量「m」の体積Vtは一定である。
【0071】
新しい効率は、以下で与えられる;
= [Dl/ Dv2 - 1] * ([9.8 H +101325/Dl]/ Lv) * 100%
= [Vv2/V1-1] * ([9.8 H+ 101325/Dl]/Lv) * 100%
【0072】
新しい密度は、以前の密度の2倍まで上昇することができ、または蒸気の平均体積は、頂部での平均体積よりも半分まで上昇することができ、効率は、頂部および底部での蒸気が同じと考えられた以前の50%まで低下することができる。しかし、それでも、高さが増加すると100%を超えて到達することができる。この高さは、蒸発及び/又は昇華及び/又は加圧ガスの蒸気の臨界温度および圧力に達する前に達成することができる。
【0073】
高さを増した圧力が蒸発潜熱に及ぼす影響
【0074】
圧力が増加すると、蒸気の密度が増加し、臨界圧力では、沸点は、蒸発の潜熱がゼロである温度となる。従って、圧力の上昇と共に沸点は上昇するが、蒸発潜熱は減少する。
【0075】
高さの増加は、以下の利点を有する;
それは、容器上で沸騰する液体の圧力を増加させる。それは圧力を増加させ、それによっ
て蒸発の潜熱を減少させ、効率を増加させる。
【0076】
より多くの質量が、高さの増加に伴って表面上に投入する同じ熱を伴うガス状態に置換されるにつれて、容器内の液体から蒸発したガスの体積に等しい体積を伴うその高さでの液体の質量が増加する。したがって、高さが増加するにつれて、効率は増加し、100%を超える。しかしながら、増分は無限大ではなく、熱エネルギを用いて蒸気に置換される液体の臨界温度及び圧力に限定される。
【0077】
異なる高さでのペンタン液体の効率は、以下の添付の表に見ることができる;
各表の英文は以下;
Density of Liquid 液体の密度
Density of water 水の密度
Density of gas ガスの密度
Latent heat of vaporization 蒸発潜熱
Specific heat capacity 比熱容量
K of steel 鋼のK
Thickness 厚さ
Boiling point 沸点
Flow rate 流量
Radius 半径
Room temperature 室温
Heat falling rate 熱降下率
Acceleration due to gravity g 重力による加速度g
Atmospheric pressure p 大気圧p
Auto ignition 自動着火
Explosive limit 爆発限界
Molar mass モル質量
Universal gas constant 一般ガス定数
Input motor liquid expel 入力モータ液吐出
Figures 数値
Units 単位
Height 高さ
Pressure of liquid at vessel 容器の液体圧力
Effect on temperature 温度への影響
Power 電力
Effect 効果
Pressure of liquid at bottom of liquidchamber 液室底部の液圧
Volume at bottom 底部での体積
Volume at top 頂部での体積
【表1-1】
【表1-2】
【実施例0078】
例えば、330 Wのエネルギが平方メートル当たり投入しているとする。容器[A]の表面積は、1平方メートルであり、それに太陽電力が投入されている。計算時間を1時間とする。液体の蒸発潜熱を323kj/kgとする。液体の密度を1323kg/m3、蒸気の密度を2.114kg/m3とする。
エネルギ投入[EI] = 330 * 3600 = 1188 KJ
エネルギ出力 = (330 * 1 * 3600 * 1323 * 9.8 * 1)/( 323 * 1000 * 2.114)
= 22,557.7 J
【0079】
効率は次のように与えられる;
効率 = (出力エネルギ/投入エネルギ) * 100%
= (22557.7/1,188,000) * 100%
= 1.9%
【0080】
上記の例では、タービンの高さを例えば60メートルに増大させると、本発明での計算は以
下のようになる。
出力エネルギ(OE) = (330 * 1 * 3600 * 1323 * 9.8 * 60)/( 323 * 1000 * 2.114)
= 1,353,462 J
【0081】
本発明システムの効率は115%に達する。
効率 = (出力エネルギ/投入エネルギ) * 100%
= (1,353,462/1,188,000) * 100%
= 114.7%
【0082】
ここで、蒸気が封入される金属表面の表面積は、蒸気が生成される速度で蒸気を液体に凝縮させるのに必要な熱を伝達することができるように維持される。したがって、気化中に失われる熱は、気化のエンタルピーに等しい。すなわち、失われる全エネルギは、蒸発中に得られる全エネルギに等しい。
【0083】
熱損失 = 上記の総エネルギ(TE)
表面積(A) = (Lv * 蒸気の体積(V) * 蒸気の密度(D) * 金属の厚さ(l))/(金属の熱定数(k) * 時間(t)* 温度差(ΔT))
【0084】
本発明によるシステムは、沸騰及び凝縮が可能な状態で機能する。自然条件下では、水は0℃の凝固点を有する。従って、凝縮器では、水を使用することができ、容器内の液体の沸点は、常に凝縮器内の液体の沸点よりも高くなければならない。室温が20 ℃の場合、30℃を超える沸点を有する任意の液体を通常使用することができる。従って、沸騰させる容器内の液体の沸点と、凝縮器内の液体が凍結しない室温との間の、通常15℃の温度差を使用することができる。一般に、我々は、凝縮器内で水を使用し、容器内でジクロロメタン(Bp.:34.6℃)、メタノール(Bp.:63.4℃)、エタノール(Bp.:74℃)等のような液体を使用することができる。
【0085】
沸騰させる液体は、エアロックされており、空気と接触しないので、350 ℃を超える自己発火を有する液体が使用できる。蒸気の温度は、100℃を超えることは決してない。
【0086】
沸騰する液体は、完全にパイプおよびチャンバの内側にあり、外部環境と接触することができないので、気相の液体の危険性は完全に最小限に抑えられる。
【0087】
上記から、発電は、液体が蒸発(沸騰)し始めるときに始まり、一般に使用される液体の沸点は低いことが分かる。エタノールを使用する場合、沸点は約64 ℃であり、常温が約30℃であるところで、数分で容易に沸点に到達する。あるいは、沸点34.6 ℃のジクロロメタンを使用する場合、太陽などから十分な熱があるはずだが、室温が約20℃前後であっても発電を開始する。
【0088】
すなわち、十分な熱エネルギで、低温でも発電が開始される。本発明システムのこの特性は、より良く利用することができる。太陽光の少ない場所でも発電を開始できる。
【0089】
貯蔵:
さらに、エネルギの貯蔵は、低温熱エネルギを放出し、元の形態に戻すことができる材料で可能である。水酸化ナトリウム(NaOH)、塩化カルシウム(CaCl2)または水酸化カルシウム(CaOH2)を水に溶解すると、熱エネルギが放出され、水の温度が約80℃以上に上昇する。ここで、十分な量のこのような放熱材料を用いて、電気エネルギを生成することができる。この場合も、これらの材料は、太陽光または他のものの中で蒸発させ、太陽光がないときに電気エネルギを生成するために再使用することができる。
【0090】
同様に、種々の塩は、それらが蒸発の潜熱に等しい熱を貯蔵し、結晶化するときに放出するので、貯蔵のために使用することができる低い融点を有する。さらに、酢酸ナトリウム(CH3COONa)、硝酸カルシウム(CaNO3)などのようないくつかの塩は、それらの融点未満で結晶化しない過冷却または準安定液体である。また、室温でも結晶化すると、蒸発潜熱と同等の熱を放出する。従って、そのような塩については、それらの熱を使用する前に融点を超える温度を維持することは必要ではなく、従って、貯蔵がより容易である。
【0091】
ここでは、水に溶解したときに発熱する水酸化ナトリウムを取り上げて説明する。NaOH・H2Oは、水に溶解されると、21.4 KJ/KGのエネルギを放出する。これは、100 ℃で、1:1の溶解能力を有する。したがって、1リットルの水中に1kgの水酸化ナトリウムを溶解させることにより、熱エネルギ1kg当たり548.97 KJ(@21.4 KJ/mol.)を得ることができ、本発明のシステムは、100%以上の熱エネルギを電気エネルギに変換するので、少なくとも100パーセントのエネルギまたは548.97 KJの電気エネルギを1kgの乾燥NaOHから確保することができる。1MWは、(1MJ*84,600秒= ) 84,600MJ/日のエネルギ貯蔵を必要とする。それは157.39 MtのNaOH中に貯蔵することができる。
【0092】
同様に、水酸化カルシウムを水に溶解する際に放出されるエネルギの@16.2 KJ/molを考慮すると、我々は、297.66MTのCaOH2中に1MW日のエネルギを貯蔵することができ、再使用のために脱水を必要とする(297.66立方メートル*0.005高さ)。
【0093】
さらに、塩化カルシウムを水に溶解する際に放出されるエネルギの81.3 KJ/mol(=739J/gm)を考慮すると、1MW日のエネルギを116.913MTで貯蔵することができる。
【0094】
酢酸ナトリウムを融点、すなわち58℃以上に加熱すると、結晶化時に室温でも264~289Kj/kgの熱エネルギを放出する。したがって、1MW日のエネルギを貯蔵するためには、306.5トンの酢酸ナトリウムが必要である。さらに、冷却しながら余分な熱エネルギを放出し、効率的に利用することもできる。
【0095】
硝酸カルシウムを融点、すなわち42.7℃より高く加熱すると、結晶化時に室温でも153KJ/Kg (36.1 Kj/mol)の熱エネルギを放出する。したがって、1MW日のエネルギを貯蔵するためには、552.9トンの酢酸ナトリウムが必要である。さらに、冷却しながら余分な熱エネルギを放出し、効率的に利用することもできる。
【0096】
冬季には、海面は-4℃以下から-30℃以下まで、一部の北部および南部地域ではそれ以下になることがある。このような低温のために、海または海洋の上部は凍結されるが、水中の野生生物を保護する氷の厚さ以下の水が依然として存在する。従って、水の温度は確かに0℃を超える。沸点が-1℃、融点が-114℃の液体ブタンを考慮すると、我々は、それを我々のシステムで使用して電気エネルギを生成することができる。
【0097】
ここで、沸騰は、0℃を超える氷の下の水によって行われ、凝縮は、温度が-50℃以下に達しても、一般に-4℃未満である表面上で行うことができる。それから膨大なエネルギを得ることができる。1リットルの水は、4.1kj/kgKを有する。あるいは、換言すれば、1立方メートルの水は、温度の差が1度しかない状態で4MJのエネルギを蓄えることができる。したがって、数千メガワットのエネルギをこの巨大な供給源で容易に生成することができる。
【0098】
しかし、表面より上の温度が一貫して-10℃以下である場合、より高い効率のために他の液体を使用することができる。塩素は-35℃の沸点を有する。したがって、表面温度が-35℃未満に持続的に低下する場合、ブタンの代わりに塩素液体を使用することができる。同様に、イソプロパンは-10℃の沸点を有し、これは-10℃未満で持続する温度に使用するこ
とができる。しかしながら、夏季には、ブタン、イソプロパン、塩素などのようなこれらの液体は、ガスに転化することがあるので、必要な圧力に対処することができる低温貯蔵タンクまたは貯蔵タンク内に保持されるべきである。また、システム内の液体は、温度に応じて変化する。20℃付近であれば、ジクロロメタン(BP.:39.6℃)、ペンタン(BP.:36℃)、または沸点が30℃を超える同様の液体が適している。
そして、低沸点の液体は、温度が-4℃以下に低下した次の冬に再使用することができる。
【0099】
要約すると、請求項に係る発明は、以下の用途及び利点を提供すると言うことができる。
- 本発明は、熱エネルギを機械エネルギ又は電気エネルギに変換する。
- 熱エネルギは、100%以上で、これまで可能でなかった機械的/電気的エネルギに変換される。
- 本発明は、太陽光、地熱、水素などのクリーンエネルギを利用する。
- 必要に応じて、他の廃棄物、ごみ、林産物、または化石燃料でさえも、熱を生成し、機械的および電気的エネルギに変換するために使用することができる。
- 機械または他の産業からの熱損失を利用することができる。
- 低温熱エネルギを100%以上の電気的または機械的エネルギに変換するので、容易な貯蔵方法を使用することができる。
- 容易に入手でき、環境にやさしい化学物質を使用して、低コストかつ低資本でエネルギを貯蔵することができる。
- 太陽光やその他の合理的な熱源がない地域や時期では、例えば数日間や数ヶ月間、あるいはそれ以上の間、膨大なエネルギのバックアップを行うことができるため、コストが低く、低資本で、エネルギを蓄えることが可能である。
- 利用可能な大量の太陽エネルギを機械的/電気的エネルギに変換し、世界の大量エネルギ需要を満たすために利用することができる。
- それは、世界が直面している将来のエネルギ危機を、予測可能な将来のために解決する。
- クリーンで再生可能なエネルギの生産量と消費量を膨大な割合まで増加させ、地球温暖化を減少させるのに役立つ。
- 黒色エネルギの使用量を減らし、廃棄物や生ごみをエネルギ生産に活用することで、汚染の低減に貢献する。
- Fin-Techシステムが直面しているエネルギニーズを満たすのに役立つ。このシステムは、2020年までに、世界全体が今日使用しているのと同じくらいのエネルギを必要とする。
- 太陽光がなく、気温が0℃未満から-30℃以下までの冬季には、海洋の膨大なエネルギを利用するのに役立つ。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要素を含む、機械的及び電気的エネルギーの生成のための熱-浮力高効率利用シス
テム:
・液体を有する少なくとも1つの加熱可能な容器(面/平坦容器ともいう、又はボイラー
ともいう)(1);
・一つの液体チャンバ(2)又は複数の連続する液体チャンバ(2)(3)(4)、ここで、各液体チャンバは、縦長のパイプの形状であり、その中に液体を含有する;
・蒸気を流すパイプ(15)、これは前記少なくとも1つの加熱可能な容器を、該液体チャン
バ(2)に、若しくは複数の連続する液体チャンバ(2)(3)(4)の最初のものに連結しており、該少なくとも1つの加熱可能な容器(1)からの蒸気が該液体チャンバにおいて浮力を獲得する;
・少なくとも1つの気-液相弁(26)、これは液体チャンバ(2)にある若しくは複数の連続
する液体チャンバ(2)(3)(4)の最初のものにある、液体から、少なくとも1つの加熱可能
な容器(1)にある、液体を分離する;
・各液体チャンバ(2)(3)(4)は、その上部側からガスチャンバ(5)(6)(7)に開口する、ここで、該ガスチャンバ(5)は、液体ガスチャンバ及びガスチャンバの単一のセット(2)(5)に
ついてはガスタービン(11)に連結され、一方、液体及びガスチャンバ(2)(3)(4)(5)(6)(7)の連続する場合は、最後のガスチャンバ(7)は別として、連続する液体チャンバ(3)(4)の
底部に連結され、該ガスチャンバと該連続する液体チャンバの底の間には連結部に設置されたチャンババルブ(27)(28)を有し、そして、最後のガスチャンバ(7)が、該ガスタービ
ン(11)に連結される;
・液体タービン(8)(9)(10)であって、該液体タービン(8)(9)(10)は、各液体チャンバ(2)(3)(4)の上部において液体に浸漬され、そして、前記蒸気が該液体タービン(8)(9)(10)を
通って流れるとき自体回転するように構成されている;
・前記液体チャンバ(2)(3)(4)を支える塔(14);
・軸(axle)(12)を経て前記液体タービン(8)(9)(10)に連結する発電機(13)であって、ここで該発電機は、当該タービンの機械エネルギーを電気エネルギーに変換する;
・前記ガスタービンに連結するシリンダ(32);及び
・前記シリンダ(32)における温度及び圧力を調整する、シリンダ(32)に連結する、凝縮器(コンデンサーともいう)(31)であって、該凝縮器(31)は、凝縮液に浸漬されたマルチパイプ(33)を備え、及び、該凝縮器(31)は、液体再投入部(23)にある、凝縮器から出るパイプ(18)、プッシャ(34)若しくはモータ、及び液体排出パイプ(16)を通じて、少
なくとも一つの加熱可能な容器(1)に開口し、エネルギーの生産の継続のために、少なく
とも一つの加熱可能な容器(1)に、凝縮された液を再注入する。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記少なくとも一つの加熱可能な容器(1)は、保管庫、池、湖若しくは海にある温水に
浸されることによって温水から、又は地上レベルに設置されて太陽光から、低温熱源を受ける、若しくは、高温熱源を受ける、及び、
該加熱可能な容器(1)は、表面領域(平坦な面ということもある)とより狭い垂直首を
もつ平面をもち、該狭い垂直首に向けて液体で満たされ、及び、
加熱可能な容器(1)は、低温熱を受ける場合の大きな表面領域を持つ、又は、高温熱源
を受ける場合の蒸気圧を上げるための沸騰液の表面領域に等しい加熱可能な容器(1)内
にスペースもつ、より小さい表面領域を持つ、及び
ここで、加熱可能な容器(1)の圧は、導入熱の可能な源の熱に依存して、及び、液体チ
ャンバ(2)の与えられた高さ若しくは液体チャンバ(2)(3)(4)の連続の与えられた全高さに応じた、液体チャンバ(2)の底での圧に依存して、調節され、その結果、少なくとも一つ
の加熱可能な容器(1)における液体の沸騰点は、増加した高さと増加した圧を有する可能
な熱源の温度以上には上昇されず、及び、少なくとも一つの加熱可能な容器(1)における
液体は、少なくとも一つの加熱可能な容器(1)における表面領域を調節することによって
、可能な熱源の温度で沸騰させることが可能となる。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、少なくとも一つの加熱可能な容器(1)と液体チャン
バ(2)(3)(4)にある異なる液体は、少なくとも一つの気-液相弁(26)によって分離される。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、ガスチャンバ(5)若しくは最後のガスチャンバ(7)及びシリンダ(32)の間に設置されるガスタービン(11)は、蒸気若しくはガスの流れによる回転から、凝縮器にも、電気的エネルギーをおくる。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、液体チャンバ(2)の高さ若しくは液体チャンバ(2)(3)(4)の連続の全高さは、調整可能であり、前記システムにおいて、高さが増加すると、前記液体チャンバの底部又は前記加熱可能な容器内で臨界の温度及び圧力に達するまで、前記システムの出力及び効率と共に、浮力が増加する、システム。
【請求項6】
効率の向上を達成するために、底部でチャンババルブ(27)(28)と接合された液体チャンバ及びガスチャンバの連続(2)(3)(4);(5)(6)(7)を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記凝縮器(31)が地表面に設置され、前記マルチパイプ(33)が該マルチパイプ(33)内の蒸気と前記凝縮器(31)の容器内の凝縮液との接触面積を増加させ、該マルチパイプ(33)の外側の凝縮液が、熱を大気若しくは海上の氷に渡す、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記シリンダ(32)が、熱源の温度及び凝縮器(31)へ通過する蒸気の体積に応じて、前記蒸気を前記凝縮器(31)へ通過させる前に蒸気を一時的に貯蔵するため、及び、圧力及び温度を調整するために、前記凝縮器(31)の前に設置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つの加熱可能な容器(1)内の液体が、適用された熱源の温度で沸騰し、少なくとも液体チャンバの高さによる圧力の増加による沸点の増加が必要に応じて少なくとも1
つの加熱可能な容器(1)の面積を変更することによって、適用された熱源の温度に調整さ
れ、液体チャンバ(2)(3)(4)内の液体が冷却蒸気又は大気温度にもかかわらず液体状態に
なるように調整される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
太陽光からの低温熱は、大面積をもつ脱水容器(43)によって捕捉され、一方、廃熱エネルギー又は廃電気エネルギーが加熱タンクに捕捉され、現在又は将来の使用のために貯蔵タンク(35)内にて化学物質、溶融塩又は液体に貯蔵され;及び、
液体の場合には、液体が少なくとも1つの加熱可能な容器(1)を直接加熱するために使用され、
一方、化学物質又は溶融塩の場合には、化学物質又は溶融塩が第1のモータ(38)及び水パ
イプ(21)を通って搬送される水加熱器(41)内の水タンク(42)からの清浄水によって、発熱タンク(36)内で水和され、
温水リザーバ(40)内の温水は、発熱タンク(36)の熱交換面を通って、発熱タンク(36)によって加熱され、
温水循環パイプ(22)内の第2のモータ(39)は、少なくとも1つの加熱可能な容器(1)に熱水
を供給し及び定期的に熱を供給するために温水リザーバ(40)に冷却水を戻す、請求項1に
記載のシステム。
【請求項11】
以下を含む、機械的および電気的エネルギーを生成するための熱ー浮力高効率利用システム:
・液体有する、少なくとも1つの加熱可能な容器(1);
・液体チャンバ(2)若しくは液体チャンバの連続(2)(3)(4)、ここで各液体チャンバ(2)若
しくは(2)(3)(4)は、縦長のパイプの形状であり、液体を含む;
・蒸気を流すパイプ(15)、それは、少なくとも1つの加熱可能な容器(1)を、該液体チャンバ(2)に、若しくは、複数の連続する液体チャンバ(2)(3)(4)の最初のものに、連結し、該少なくとも1つの加熱可能な容器(1)からの液体の蒸気(気体)が、液体チャンバ(2)(3)(4)
において浮力を得る;
・少なくとも一つの気-液相弁(26)、これは、少なくとも1つの加熱可能な容器(1)内の液体を、液体チャンバ(2)にある、若しくは、複数の連続する液体チャンバ(2)(3)(4)の最初のものにある、液体から、分離する;
・各液体チャンバ(2)(3)(4)は、その上部側からガスチャンバ(5)(6)(7)に開口し、ここで、該ガスチャンバ(5)は、液体チャンバ及びガスチャンバ(2)(5)の単一セットのためにつ
いては、ガスタービン(11)に連結され、一方、液体チャンバ及びガスチャンバの連続(2)(3)(4);(5)(6)(7)のために、最後のガスチャンバ(7)を除き、後続の液体チャンバ(3)(4)
の底部に連結され、チャンババルブ(27)(28)がガスチャンバと後続の液体チャンバの底部との間の連結部に設置され、そして、最後のガスチャンバ(7)は、ガスタービン(11)に連
結される;
・液体タービン(8)(9)(10)、これは、各液体チャンバ(2)(3)(4)内の上部で、液体に浸漬
され、そして、前記蒸気が該液体タービン(8)(9)(10)を通って流れるときに自体回転するように構成される;
・発電機(13)、これは軸(12)を介してタービン(8)(9)(10)に連結され、該タービンの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する;
・前記ガスタービン(11)に連結されたシリンダ(32);及び
・シリンダ(32)内の圧力を調整するための凝縮器に入るパイプ (17)を介してシリンダ(32)に連結された凝縮器(31)、ここで、該凝縮器(31)は、凝縮液に浸漬されたマルチパイプ(33)を備え、該凝縮器 (31)は、液体再投入部(23)にある、凝縮器から出るパイプ(18)、プッシャ(34)若しくはモータ、および液体排出パイプ(16)を介して、少なくとも1つの加熱
可能な容器(1)に開口し、室温でエネルギーを生成するために、少なくとも1つの加熱可能な容器(1)に液体を再投入する。
【請求項12】
前記少なくとも1つの加熱可能な容器(1)は、周囲環境の空気若しくは海洋の水から熱を受け取り、前記少なくとも1つの加熱可能な容器(1)で使用される前記液体は、室温で、若しくは、室温以下で、かつ前記凝縮器(31)の温度より以上で、沸騰することができる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記凝縮器(31)内の前記凝縮液は、海洋の氷から得られる、請求項11に記載のシステム。