(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109813
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】統合された伝導性縁シールを備える電気光学デバイスおよびその生産方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1675 20190101AFI20240806BHJP
G02F 1/167 20190101ALI20240806BHJP
【FI】
G02F1/1675
G02F1/167
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024083978
(22)【出願日】2024-05-23
(62)【分割の表示】P 2023503100の分割
【原出願日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】63/054,865
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500080214
【氏名又は名称】イー インク コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジョセフ カヤル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気光学および関連デバイスと、そのようなデバイスを生産するための方法とを提供する。
【解決手段】統合された伝導性縁シール155を備える電気光学デバイス100およびその生産方法が、提供される。電極の間に配置される電気泳動媒体を備える、電気泳動材料層122と、伝導性縁シールとを備える、改良された電気光学デバイスが、開示される。伝導性縁シールは、デバイス内の湿気の侵入を防止するだけではなく、電極に電気的に接続するためにも使用される。伝導性縁シールを有する、電気光学デバイスを生産する改良された方法もまた、開示される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、本明細書に開示される全ての他の特許および特許出願とともに、参照することによってその全体として組み込まれる、2020年7月22日に出願された、米国仮特許出願第63/054,865号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、電気光学および関連デバイスと、そのようなデバイスを生産するための方法とに関する。本発明は、特に、排他的ではないが、電気泳動媒体を備える、ディスプレイのために意図される。本発明はまた、それらが、固体外部表面を有するという意味で、固体である種々の他のタイプの電気光学媒体のために使用され得るが、媒体は、流体、すなわち、液体またはガスのいずれかを含有する、内部空洞を有し得る。したがって、用語「固体電気光学ディスプレイ」は、カプセル化電気泳動ディスプレイ、カプセル化液晶ディスプレイ、および他のタイプのデバイスを含む。
【背景技術】
【0003】
用語「電気光学」は、材料またはディスプレイまたはデバイスに適用されるように、撮像技術分野におけるその従来の意味において、少なくとも1つの光学性質が異なる第1および第2の表示状態を有する材料であって、材料への電場の印加によって、その第1の表示状態からその第2の表示状態に変化される材料を指すために、本明細書に使用される。光学性質は、典型的には、人間の眼に知覚可能な色であるが、これは、光学透過率、反射率、ルミネッセンス、または機械読取のために意図されるディスプレイの場合では、可視範囲外の電磁波長の反射の変化の意味における擬似色等の別の光学性質であってもよい。
【0004】
用語「グレー状態」は、撮像技術分野におけるその従来の意味において本明細書で使用され、2つの極端なピクセルの光学状態の中間の状態を指し、必ずしもこれらの2つの極端な状態の間の黒色-白色遷移を含意するわけではない。例えば、下記に参照されるE Ink特許および公開された出願のうちのいくつかは、中間の「グレー状態」が、実際には、薄青色であろうように、極端な状態が、白色および濃青色である、電気泳動ディスプレイを説明している。実際、既述のように、光学状態の変化は、色の変化では全くない場合もある。用語「黒色」および「白色」は、ディスプレイの2つの極端な光学状態を指すように以降で使用され得、厳密には黒色および白色ではない極端な光学状態、例えば、前述の白色および濃青色状態を通常含むものとして理解されるべきである。用語「単色」は、以降、いかなる介在グレー状態も伴わず、ピクセルをそれらの2つの極端な光学状態のみに駆動する、駆動スキームを表すために使用され得る。
【0005】
用語「双安定」および「双安定性」は、当技術分野におけるそれらの従来の意味において、少なくとも1つの光学性質が異なる第1および第2の表示状態を有する表示要素を備えるディスプレイであって、その第1または第2の表示状態のいずれかを呈するように、有限持続時間のアドレス指定パルスを用いて、任意の所与の要素が駆動された後、アドレス指定パルスが終了した後に、表示要素の状態を変化させるために要求されるアドレス指定パルスの最小持続時間の少なくとも数倍、例えば、少なくとも4倍、その状態が持続するであろうようなディスプレイを指すために、本明細書で使用される。米国特許第7,170,670号(特許文献1)では、グレースケール対応のいくつかの粒子ベースの電気泳動ディスプレイが、それらの極端な黒色および白色状態においてだけではなく、また、それらの中間グレー状態においても、安定しており、同じことが、いくつかの他のタイプの電気光学ディスプレイにも当てはまることが示されている。本タイプのディスプレイは、適切には、双安定性ではなく、「多安定性」と呼ばれるが、便宜上、用語「双安定性」が、本明細書では、双安定性および多安定性ディスプレイの両方を網羅するために使用され得る。
【0006】
いくつかのタイプの電気光学ディスプレイが、公知である。1つのタイプの電気光学ディスプレイは、例えば、米国特許第5,808,783号(特許文献2)、第5,777,782号(特許文献3)、第5,760,761号(特許文献4)、第6,054,071号(特許文献5)、第6,055,091号(特許文献6)、第6,097,531号(特許文献7)、第6,128,124号(特許文献8)、第6,137,467号(特許文献9)、および第6,147,791号(特許文献10)に説明されるような回転二色部材タイプである(本タイプのディスプレイは、多くの場合、「回転二色ボール」ディスプレイと称されるが、上記に言及される特許のうちのいくつかでは、回転部材が球状ではないため、用語「回転二色部材」が、より正確なものとして好ましい)。そのようなディスプレイは、異なる光学特性を伴う2つまたはそれを上回る区分と、内部双極子とを有する、多数の小さい本体(典型的には、球状または円筒形)を使用する。これらの本体は、マトリクス内の液体が充填された空胞内に懸濁され、空胞は、本体が自由に回転するように、液体で充填されている。ディスプレイの外観は、それに電場を印加し、したがって、本体を種々の位置に回転させ、視認表面を通して見られる本体の区分を変動させることによって、変更される。本タイプの電気光学媒体は、典型的には、双安定性である。
【0007】
別のタイプの電気光学ディスプレイは、Philipsによって開発され、Hayes, R.A., et al,「Video-Speed Electronic Paper Based on Electrowetting」,Nature,425,383-385(2003)に説明されている、エレクトロウェッティングディスプレイである。2004年10月6日に出願された(公開第2005/0151709号)、同時係属中の特許出願第10/711,802号に、そのようなエレクトロウェッティングディスプレイが、双安定性にされ得ることが示されている。
【0008】
長年にわたり研究および開発の関心の対象である、別のタイプの電気光学ディスプレイは、複数の荷電粒子が、電場の影響下で流体を通して移動する、粒子ベースの電気泳動ディスプレイである。電気泳動ディスプレイは、液晶ディスプレイと比較したときに、良好な輝度およびコントラスト、広視野角、状態双安定性、および低電力消費の属性を有することができる。それにもかかわらず、これらのディスプレイの長期の画像品質に伴う問題は、それらの広範な利用を妨げている。例えば、電気泳動ディスプレイを構成する粒子は、沈降する傾向があり、これらのディスプレイに関する不適正な使用可能寿命をもたらす。
【0009】
上記のように、電気泳動媒体は、流体の存在を要求する。殆どの従来技術の電気泳動媒体では、本流体は、液体であるが、電気泳動媒体は、ガス状流体を使用して生成されることができる(例えば、Kitamura, T., et al. 「Electrical toner movement for electronic paper-like display」, IDW Japan,2001,Paper HCS1-1、およびYamaguchi, Y., et al.,「Toner display using insulative particles charged triboelectrically」,IDW Japan,2001,Paper AMD4-4を参照)。また、米国特許公開第2005/0001810号、欧州特許出願第1,462,847号、第1,482,354号、第1,484,635号、第1,500,971号、第1,501,194号、第1,536,271号、第1,542,067号、第1,577,702号、第1,577,703号、第1,598,694号、国際出願第WO2004/090626号、第WO2004/079442号、および第WO2004/001498号を参照されたい。そのようなガスベース電気泳動媒体は、例えば、媒体が垂直平面内に配置される看板において、媒体がそのような沈降を可能にする配向において使用されるときに、粒子沈降に起因する液体ベースの電気泳動媒体と同一のタイプの問題の影響を受けやすいと考えられる。実際、粒子沈降は、電気泳動粒子のより高速の沈降を可能にする流体の粘度と比較して、ガス状懸濁流体のより低い粘度のため、液体ベースの電気泳動媒体よりもガスベースの電気泳動媒体において深刻な問題であると考えられる。
【0010】
Massachusetts Institute of Technology (MIT)、E Ink Corporation、E Ink California,
LLC、および関連する企業に譲渡された、またはそれらの名義の多数の特許および出願は、カプセル化およびマイクロセル電気泳動および他の電気光学媒体に使用される種々の技術を説明している。カプセル化電気泳動媒体は、多数のマイクロカプセルを含み、そのそれぞれ自体は、電気泳動により移動可能な粒子を流体媒体中に含有する内相と、内相を包囲するカプセル壁とを含む。典型的には、マイクロカプセル自体が、高分子結合剤内に保持され、2つの電極の間に位置付けられるコヒーレント層を形成する。マイクロセル電気泳動ディスプレイでは、荷電粒子および流体は、マイクロカプセル内にカプセル化されず、代わりに、キャリア媒体、典型的には、高分子フィルム内に形成される複数の空洞内に留保される。これらの特許および出願に説明される技術は、以下を含む。
(a)電気泳動粒子、流体、および流体添加物(例えば、米国特許第7,002,728号および第7,679,814号参照)
(b)マイクロカプセル、結合剤、およびカプセル化プロセス(例えば、米国特許第6,922,276号および第7,411,719号参照)
(c)マイクロセル構造、壁材料、およびマイクロセルを形成する方法(例えば、米国特許第7,072,095号および第9,279,906号参照)
(d)マイクロセルを充填およびシールするための方法(例えば、米国特許第7,144,942号および第7,715,088号参照)
(e)電気光学材料を含有するフィルムおよびサブアセンブリ(例えば、米国特許第6,982,178号および第7,839,564号参照)
(f)バックプレーン、接着剤層、および他の補助層、およびディスプレイにおいて使用される方法(例えば、米国特許第7,075,703号、第7,116,318号、第7,535,624号、第7,554,712号、第7,561,324号、第7,649,674号、第7,733,554号、第8,034,209号、第8,610,988号、および第9,835,925号参照)
(g)色形成および色調節(例えば、米国特許第7,075,502号および第7,839,564号参照)
(h)ディスプレイを駆動するための方法(例えば、米国特許第7,012,600号および第7,453,445号参照)
(i)ディスプレイの適用(例えば、米国特許第7,312,784号および第8,009,348号参照)
(j)米国特許第6,241,921号および米国特許出願公開第2015/0277160号に説明されるような非電気泳動ディスプレイおよびディスプレイ以外のカプセル化およびマイクロセル技術の適用(例えば、米国特許第7,615,325号および米国特許出願刊行物第2015/0005720号および第2016/0012710号参照)
【0011】
前述の特許および出願のうちの多くは、カプセル化電気泳動媒体中の離散マイクロカプセルを囲繞する壁が、連続相によって置換され得、したがって、いわゆるポリマー分散電気泳動ディスプレイを生成し、その中で、電気泳動媒体が、電気泳動流体の複数の離散液滴と、高分子材料の連続相とを含み、そのようなポリマー分散電気泳動ディスプレイ内の電気泳動流体の離散液滴が、いかなる離散カプセル膜も各個々の液滴と関連付けられない場合でも、カプセルまたはマイクロカプセルと見なされ得ることを認識する。例えば、前述の米国特許第6,866,760号を参照されたい。故に、本願の目的のために、そのようなポリマー分散電気泳動媒体は、カプセル化電気泳動媒体の亜種と見なされる。
【0012】
関連タイプの電気泳動ディスプレイは、いわゆる「マイクロセル電気泳動ディスプレイ」である。マイクロセル電気泳動ディスプレイでは、荷電粒子および流体は、マイクロカプセル内にカプセル化されず、代わりに、キャリア媒体、典型的には、高分子フィルム内に形成される複数の空洞内に留保される。例えば、Sipix Imaging, Inc.に譲渡される、米国特許第6,672,921号および第6,788,449号の両方を参照されたい。
【0013】
カプセル化またはマイクロセル電気泳動ディスプレイは、典型的には、従来的な電気泳動デバイスのクラスタ化および沈降故障モードに悩まされることがなく、多種多様な可撓性および剛性基板上にディスプレイを印刷またはコーティングする能力等のさらなる利点を提供する。単語「印刷」の使用は、限定ではないが、パッチダイコーティング、スロットまたは押出コーティング、スライドまたはカスケードコーティング、カーテンコーティング等の前計量コーティング、ナイフオーバーロールコーティング、フォワードおよびリバースロールコーティング等のロールコーティング、グラビアコーティング、浸漬コーティング、吹き付けコーティング、メニスカスコーティング、スピンコーティング、ブラシコーティング、エアナイフコーティング、シルクスクリーン印刷プロセス、静電印刷プロセス、熱印刷プロセス、インクジェット印刷プロセス、電気泳動堆積、および他の類似する技法を含む、全ての形態の印刷およびコーティングを含むことを意図している。したがって、結果として生じるディスプレイは、可撓性であり得る。さらに、ディスプレイ媒体は、(種々の方法を使用して)印刷されることができるため、ディスプレイ自体は、安価に作製されることができる。
【0014】
電気光学ディスプレイが、通常、電気光学材料層と、電気光学材料層の対向側上に配置される、少なくとも2つの他の層(これらの2つの層のうちの1つは、電極層である)とを備える。大部分のそのようなディスプレイでは、両方の層が、電極層であって、電極層の一方または両方は、ディスプレイのピクセルを画定するようにパターン化される。例えば、一方の電極層は、伸長行電極に、他方は、行電極に対して直角に延設される、伸長列電極にパターン化され得、ピクセルは、行および列電極の交差によって画定される。代替として、かつより一般的には、一方の電極層は、単一連続電極の形態を有し、他方の電極層は、ピクセル電極のマトリクスにパターン化され、それぞれ、ディスプレイの1つのピクセルを画定する。ディスプレイと別個のスタイラス、印刷ヘッド、または類似する移動可能電極との併用が意図される、別のタイプの電気泳動ディスプレイでは、電気光学材料層に隣接する層のうちの1つのみが、電極を備え、電気光学材料層の反対側上の層は、典型的には、移動可能電極が、電気光学材料層に損傷させないように防止することが意図される、保護層である。
【0015】
前述の米国特許6,982,178号はまた、光透過性電極層とバックプレーンとの間の電気接続を形成するための方法を説明する。米国特許第6,982,178号の
図8および9に図示されるように、接続は、電気光学材料層を通した開口の作成と、伝導性ビアを形成するために、開口を伝導性材料で充填することとによって、達成される。本方法論は、具体的アーキテクチャを有する前駆体アセンブリのみが、バックプレーンの1つまたは限定される範囲と併用され得るように、伝導性ビアの場所が、バックプレーン設計の関数であるため、製造の視点から望ましくない。さらに、伝導性ビア方法論は、電気光学材料層の効果的領域を低減させ、結果として、電気光学デバイス自体のアクティブ領域を低減させる。
【0016】
故に、前述の米国特許第6,982,178号はまた、FPLの領域全体にわたって電気光学媒体をコーティングすることによって、必要な電気接続を形成し、次いで、電気接続を形成することが所望される、電気光学媒体を除去するための方法を説明する。しかしながら、電気光学媒体のそのような除去は、それ自体の問題を提起する。典型的には、電気光学媒体は、溶媒または機械的クリーニングの使用によって除去されなければならず、そのいずれかが、FPLの導電性層(本導電性層は、通常、金属酸化物、例えば、1μm厚未満の酸化インジウムスズの層である)への損傷またはその除去をもたらし、電気接続の失敗を生じさせ得る。究極の場合では、損傷はまた、伝導性層を支持および機械的に保護するために使用される、正面基板(典型的には、高分子フィルム)にも引き起こされ得る。ある場合には、そこから電気光学媒体が形成される、材料は、容易に溶媒和され得ず、侵襲性の溶媒および/または高機械的圧力の使用を伴わずに、それらを除去することは不可能であり得、そのいずれかが、前述の問題を悪化させるであろう。
【0017】
故に、したがって、電気光学デバイスの電極と類似デバイスの電極との間の電気接続を形成するための改良された方法の必要性が存在し、本発明は、そのような改良された方法を提供することを求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第7170670号明細書
【特許文献2】米国特許第5808783号明細書
【特許文献3】米国特許第5777782号明細書
【特許文献4】米国特許第5760761号明細書
【特許文献5】米国特許第6054071号明細書
【特許文献6】米国特許第6055091号明細書
【特許文献7】米国特許第6097531号明細書
【特許文献8】米国特許第6128124号明細書
【特許文献9】米国特許第6137467号明細書
【特許文献10】米国特許第6147791号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
一側面では、本発明は、アクティブ表示領域を有し、第1の光透過性電極層を備える、電気光学デバイスと、電気泳動材料層と、第2の電極層を備える、バックプレーンと、伝導性縁シールとを提供する。第1の光透過性電極層は、上面と、下面と、周面とを有し、第1の電極接触場所を備える。第1の光透過性層の上面は、長さと、幅とを有する。電気泳動材料層は、上面と、下面と、周面とを有する。電気泳動材料層の上面は、長さと、幅とを有する、周囲によって画定される。バックプレーンは、第2の電極層を備え、第2の電極層は、第2の電極接触場所を備える。バックプレーンは、上面と、下面と、周面とを有する。バックプレーンの上面は、長さと、幅とを有する。電気泳動材料層は、電気泳動媒体を備える。電気泳動材料層の上面は、第1の光透過性電極層の下面と接触する。電気泳動材料層の下面は、バックプレーンと接触する。伝導性縁シールは、電気泳動材料層および第1の光透過性電極層の周面上に配置される。伝導性縁シールは、第1の電極接触場所において第1の光透過性電極に、第2の電極接触場所において第2の電極層に電気的に接続する。第1の電極接触場所の少なくとも一部および第2の電極接触場所の少なくとも一部は、電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にある。これは、電気泳動材料層の上面の領域と実質的に同一である、デバイスのアクティブ表示領域をもたらす。電気泳動媒体は、非極性液体中に電気泳動粒子を備えてもよい。電気泳動媒体は、マイクロカプセルまたはマイクロセル内にコンパートメント化されてもよい。伝導性縁シールは、縁シール組成物によって形成される。縁シール組成物は、カーボンブラック粒子、グラファイト、カーボンナノチューブ、金属粒子、およびそれらの混合物から成る群から選択される伝導性粒子を備えてもよい。縁シール組成物は、伝導性ポリマーを備えてもよい。伝導性縁シールの抵抗率は、10キロオーム・cm未満であってもよい。
【0020】
別の側面では、本発明は、アクティブ表示領域を有し、第1の光透過性電極層と、第2の接着剤層と、電気泳動材料層と、第1の接着剤層と、第2の電極層を備えるバックプレーンと、伝導性縁シールとを備える、電気光学デバイスを提供する。第1の光透過性電極層は、上面と、下面と、周面とを有し、第1の電極接触場所を備える。第1の光透過性表面の上面は、長さと、幅とを有する。第1の接着剤層は、上面と、下面と、周面とを有する。第1の接着剤層の上面は、長さと、幅とを有する。電気泳動材料層は、上面と、下面と、周面とを有する。電気泳動材料層の上面は、長さと、幅とを有する、周囲によって画定される。第2の接着剤層は、上面と、下面と、周面とを有する。第2の接着剤層の上面は、長さと、幅とを有する。バックプレーンは、第2の電極層を備え、第2の電極層は、第2の電極接触場所を備える。バックプレーンは、上面と、下面と、周面とを有する。バックプレーンの上面は、長さと、幅とを有する。第2の接着剤層の上面は、第1の光透過性層の下面と接触し、第2の接着剤層の下面は、電気泳動材料層の上面と接触する。第1の接着剤層の上面は、電気泳動材料層の下面と接触する。第1の接着剤組成物の下面は、バックプレーンの上面と接触する。電気泳動材料層は、電気泳動媒体を備える。第1の光透過性電極層の上面の長さおよび幅と、バックプレーンの上面の長さおよび幅とは、電気泳動材料層の上面の周囲の長さおよび幅、第1の接着剤層の上面の長さおよび幅、および第2の接着剤層の上面の長さおよび幅より大きい。第1の光透過性電極層およびバックプレーンは、電気泳動材料層の上面の周囲の縁と、第1および第2の接着剤層の縁とを越えて外向きに延在し、溝を形成する。溝は、外向きに延在した第1の光透過性電極層と、第2の接着剤層の周面と、電気泳動材料層の周面と、第1の接着剤層の周面と、外向きに延在したバックプレーンとによって画定される。溝は、伝導性縁シールで充填される。
【0021】
別の側面では、本発明は、電気光学デバイスを生産するためのプロセスであって、(1)(a)電気泳動媒体を備え、上面と、下面と、周面とを有する、電気泳動材料層であって、電気泳動材料層の上面は、長さと、幅とを有する、周囲によって画定される、電気泳動材料層と、(b)上面と、下面と、周面とを有する、第1の接着剤層であって、第1の接着剤層の上面は、長さと、幅とを有し、第1の接着剤層の上面は、電気泳動材料層の下面と接触する、第1の接着剤層と、(c)第1の接着剤層の下面上に配置される、第1の剥離シートと、(d)上面と、下面と、周面とを有する、第2の接着剤層であって、第2の接着剤表面の上面は、長さと、幅とを有し、第2の接着剤層の下面は、電気泳動材料層の上面と接触する、第2の接着剤層と、(e)第2の接着剤層の上面上に配置される、第2の剥離シートとを備える、サブアセンブリを提供するステップと、(2)第1の剥離シートを除去し、バックプレーンと第1の接着剤層の暴露された下面を接触させるステップであって、バックプレーンは、第2の電極層を備え、バックプレーンは、上面と、下面と、周面とを有し、バックプレーンの上面は、長さと、幅とを有し、バックプレーンの上面は、第1の接着剤層の下面と接触し、第2の電極層は、第2の電極接触場所を備え、第2の電極接触場所の少なくとも一部は、電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にあり、バックプレーンは、電気泳動材料層の周囲の長さおよび幅および第1の接着剤層の長さおよび幅より大きい、長さと、幅とを有し、バックプレーンは、電気泳動材料層の上面の周囲の縁と、第1の接着剤層の縁とを越えて外向きに延在する、ステップと、(3)第2の剥離シートを除去し、第1の光透過性電極層と第2の接着剤層の暴露された上面を接触させるステップであって、第1の光透過性電極層は、第1の電極接触場所を備え、第1の電極接触場所の少なくとも一部は、電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にあり、第1の光透過性電極層は、上面と、下面と、周面とを有し、第1の光透過性電極の上面は、電気泳動材料層の上面の周囲の長さおよび幅、第1の接着剤層の長さおよび幅、および第2の接着剤層の長さおよび幅より大きい、長さと、幅とを有し、第1の光透過性層の下面は、第2の接着剤層の上面と接触し、第1の光透過性電極層は、電気泳動材料層の上面の周囲の縁と、第1および第2の接着剤層の縁とを越えて外向きに延在し、溝は、外向きに延在した第1の光透過性電極層と、第1の接着剤層の周面と、電気泳動材料層の周面と、第2の接着剤層の周面と、外向きに延在したバックプレーンとによって画定されて、形成される、ステップと、(4)溝の内側に縁シール組成物を配置するステップと、(5)伝導性縁シールを形成するために、縁シール組成物を硬化させるステップであって、伝導性縁シールは、第1の電極接触場所において第1の光透過性電極層と接触し、伝導性縁シールは、第2の電極接触場所において第2の電極層と接触する、ステップを含む、プロセスを提供する。第2の剥離シートを除去するための剥脱力は、第1の剥離シートを除去するための剥脱力より低くてもよい。
【0022】
別の側面では、本発明は、(1)(a)上面と、下面と、周面とを有する、第1の光透過性電極層であって、第1の光透過性電極は、第1の電極接触場所を備える、第1の光透過性電極層と、(b)電気泳動媒体を備え、上面と、下面と、周面とを有する、電気泳動材料層であって、電気泳動材料層の上面は、第1の光透過性電極層の下面と接触し、電気泳動材料層の上面は、周囲によって画定され、第1の電極接触場所の少なくとも一部は、電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にある、電気泳動材料層と、(c)上面と、下面と、周面とを有する、第1の接着剤層であって、第1の接着剤層の上面は、電気泳動媒体層の下面と接触する、第1の接着剤層と、(d)第1の剥離シートであって、第1の剥離シートは、第1の接着剤層の下面と接触する、第1の剥離シートとを備える、サブアセンブリを提供するステップと、(2)第1の剥離シートを除去し、バックプレーンと第1の接着剤層の暴露された下面を接触させ、バックプレーンは、第2の電極層を備え、第2の電極層は、第2の電極接触場所を備え、第2の電極接触場所の少なくとも一部は、電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にあり、バックプレーンは、上面と、下面と、周面とを有し、第1の接着剤層の下面は、バックプレーンの上面と接触するステップと、(3)第1の光透過性層の周面と、電気泳動媒体層の周面と、第1の接着剤層の周面のまわりに縁シール組成物を堆積させるステップと、(4)伝導性縁シールを形成するために、縁シール組成物を硬化させるステップとを含む、電気光学デバイスを生産するプロセスを提供する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
アクティブ表示領域を有する電気光学デバイスであって、
上面と、下面と、周面とを有し、第1の電極接触場所を備える第1の光透過性電極層であって、前記第1の光透過性層の上面は、長さと、幅とを有する、第1の光透過性電極層と、
第2の電極層を備えるバックプレーンであって、前記第2の電極層は、第2の電極接触場所を備え、前記バックプレーンは、上面と、下面と、周面とを有し、前記バックプレーンの上面は、長さと、幅とを有する、バックプレーンと、
電気泳動媒体を備え、上面と、下面と、周面とを有する電気泳動材料層であって、前記電気泳動材料層の上面は、長さと、幅とを有する周囲によって画定され、前記電気泳動材料層の上面は、前記第1の光透過性電極層の下面と接触し、前記電気泳動材料層の下面は、前記バックプレーンの上面と接触する、電気泳動材料層と、
前記電気泳動材料層および前記第1の光透過性電極層の周面上に配置される伝導性縁シールであって、前記伝導性縁シールは、前記第1の電極接触場所において前記第1の光透過性電極に、前記第2の電極接触場所において前記第2の電極層に電気的に接続する、伝導性縁シールと
を備え、
前記第1の電極接触場所の少なくとも一部および前記第2の電極接触場所の少なくとも一部は、前記電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にあり、前記電気泳動材料層の上面の領域と実質的に同一である前記デバイスのアクティブ表示領域をもたらす、
電気光学デバイス。
(項目2)
前記電気泳動媒体は、非極性液体中に電気泳動粒子を備える、項目1に記載の電気光学デバイス。
(項目3)
前記電気泳動媒体は、マイクロカプセル内にコンパートメント化される、項目2に記載の電気光学デバイス。
(項目4)
前記電気泳動媒体は、マイクロセル内にコンパートメント化される、項目2に記載の電気光学デバイス。
(項目5)
前記伝導性縁シールは、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ジメチルポリシロキサン、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン-アルキレン共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、およびそれらの混合物から成る群から選択されるポリマーを備える縁シール組成物によって形成される、項目1に記載の電気光学デバイス。
(項目6)
前記伝導性縁シールは、カーボンブラック粒子、グラファイト、カーボンナノチューブ、金属粒子、およびそれらの混合物から成る群から選択される伝導性粒子を備える縁シール組成物によって形成される、項目1に記載の電気光学デバイス。
(項目7)
前記伝導性縁シールは、伝導性ポリマーを備える縁シール組成物によって形成される、項目1に記載の電気光学デバイス。
(項目8)
前記伝導性縁シールの抵抗率は、10キロオーム・cm未満である、項目1に記載の電気光学デバイス。
(項目9)
上面と、下面と、周面とを有する第1の接着剤層をさらに備え、前記第1の接着剤層の上面は、長さと、幅とを有し、前記第1の接着剤層の上面は、前記電気泳動材料層の下面と接触し、前記第1の接着剤組成物の下面は、前記バックプレーンの上面と接触する、項目1に記載の電気光学デバイス。
(項目10)
上面と、下面と、周面とを有する第2の接着剤層をさらに備え、前記第2の接着剤層の上面は、長さと、幅とを有し、前記第2の接着剤層の上面は、前記第1の光透過性層の下面と接触し、前記第2の接着剤層の下面は、前記電気泳動材料層の上面と接触する、項目9に記載の電気光学デバイス。
(項目11)
前記第1の光透過性電極層の上面の前記長さおよび幅と、前記バックプレーンの上面の前記長さおよび幅とは、前記電気泳動材料層の上面の周囲の前記長さおよび幅、前記第1の接着剤層の上面の前記長さおよび幅、および前記第2の接着剤層の上面の前記長さおよび幅より大きく、前記第1の光透過性電極層および前記バックプレーンは、前記電気泳動材料層の上面の周囲の縁と、前記第1および第2の接着剤層の前記縁とを越えて外向きに延在し、前記外向きに延在した第1の光透過性電極層と、前記第2の接着剤層の周面と、前記電気泳動材料層の周面と、前記第1の接着剤層の周面と、前記外向きに延在したバックプレーンとによって画定される溝を形成し、前記溝は、前記伝導性縁シールで充填される、項目10に記載の電気光学デバイス。
(項目12)
前記溝は、約20μm~約150μmの高さを有する、項目11に記載の電気光学デバイス。
(項目13)
前記溝は、約0.3mm~約5mmの幅を有する、項目11に記載の電気光学デバイス。
(項目14)
電気光学デバイスを生産するためのプロセスであって、前記プロセスは、
サブアセンブリを提供するステップであって、前記サブアセンブリは、(a)電気泳動媒体を備え、上面と、下面と、周面とを有する電気泳動材料層であって、前記電気泳動材料層の上面は、長さと、幅とを有する周囲によって画定される、電気泳動材料層と、(b)上面と、下面と、周面とを有する第1の接着剤層であって、前記第1の接着剤層の上面は、長さと、幅とを有し、前記第1の接着剤層の上面は、前記電気泳動材料層の下面と接触する、第1の接着剤層と、(c)前記第1の接着剤層の下面上に配置される第1の剥離シートと、(d)上面と、下面と、周面とを有する第2の接着剤層であって、前記第2の接着剤表面の上面は、長さと、幅とを有し、前記第2の接着剤層の下面は、前記電気泳動材料層の上面と接触する、第2の接着剤層と、(e)前記第2の接着剤層の上面上に配置される第2の剥離シートとを備える、ステップと、
前記第1の剥離シートを除去し、バックプレーンと前記第1の接着剤層の暴露された下面を接触させるステップであって、前記バックプレーンは、第2の電極層を備え、前記バックプレーンは、上面と、下面と、周面とを有し、前記バックプレーンの上面は、長さと、幅とを有し、前記バックプレーンの上面は、前記第1の接着剤層の下面と接触し、前記第2の電極層は、第2の電極接触場所を備え、前記第2の電極接触場所の少なくとも一部は、前記電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された前記体積の外側にあり、前記バックプレーンは、前記電気泳動材料層の周囲の前記長さおよび幅および前記第1の接着剤層の前記長さおよび幅より大きい長さと、幅とを有し、前記バックプレーンは、前記電気泳動材料層の上面の周囲の前記縁と、前記第1の接着剤層の前記縁とを越えて外向きに延在する、ステップと、
前記第2の剥離シートを除去し、第1の光透過性電極層と前記第2の接着剤層の前記暴露された上面を接触させるステップであって、前記第1の光透過性電極は、第1の電極接触場所を備え、前記第1の電極接触場所の少なくとも一部は、前記電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された前記体積の外側にあり、前記第1の光透過性電極層は、上面と、下面と、周面とを有し、前記第1の光透過性電極の上面は、前記電気泳動材料層の上面の周囲の前記長さおよび幅、前記第1の接着剤層の前記長さおよび幅、および前記第2の接着剤層の前記長さおよび幅より大きい長さと、幅とを有し、前記第1の光透過性層の下面は、前記第2の接着剤層の上面と接触し、前記第1の光透過性電極層は、前記電気泳動材料層の上面の周囲の前記縁と、前記第1および第2の接着剤層の前記縁とを越えて外向きに延在し、溝は、前記外向きに延在した第1の光透過性電極層と、前記第1の接着剤層の周面と、前記電気泳動材料層の周面と、前記第2の接着剤層の周面と、前記外向きに延在したバックプレーンとによって画定されて、形成される、ステップと、
前記溝の内側に縁シール組成物を配置するステップと、
伝導性縁シールを形成するために、前記縁シール組成物を硬化させるステップであって、前記伝導性縁シールは、前記第1の電極接触場所において前記第1の光透過性電極層と接触し、前記伝導性縁シールは、前記第2の電極接触場所において前記第2の電極層と接触する、ステップと
を含む、プロセス。
(項目15)
前記第1および第2の剥離シートは、伝導性である、項目14に記載の電気光学デバイスを生産するためのプロセス。
(項目16)
前記第2の剥離シートを除去するための剥脱力は、前記第1の剥離シートを除去するための前記剥脱力より低い、項目14に記載の電気光学デバイスを生産するためのプロセス。
(項目17)
前記第1および第2の剥離シートのうちの少なくとも1つは、60%より高い総光透過率を有する、項目14に記載の電気光学デバイスを生産するためのプロセス。
(項目18)
順番に、(a)前記第1の光透過性電極層の上面上に第3の接着剤層をコーティングするステップと、(b)前記第3の接着剤層上に保護シートを取り付けるステップとをさらに含み、前記ステップ(a)および(b)は、前記縁シール組成物の前記硬化ステップに続く、項目14に記載の電気光学デバイスを生産するためのプロセス。
(項目19)
前記伝導性縁シールを形成するための前記縁シール組成物の前記硬化は、熱硬化によって、またはUV硬化によって実施される、項目14に記載の電気光学デバイスを生産するためのプロセス。
(項目20)
サブアセンブリを提供するステップであって、前記サブアセンブリは、(a)上面と、下面と、周面とを有する第1の光透過性電極層であって、前記第1の光透過性電極は、第1の電極接触場所を備える、第1の光透過性電極層と、(b)電気泳動媒体を備え、上面と、下面と、周面とを有する電気泳動材料層であって、前記電気泳動材料層の上面は、前記第1の光透過性電極層の下面と接触し、前記電気泳動材料層の上面は、周囲によって画定され、前記第1の電極接触場所の少なくとも一部は、前記電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にある、電気泳動材料層と、(c)上面と、下面と、周面とを有する第1の接着剤層であって、前記第1の接着剤層の上面は、前記電気泳動媒体層の下面と接触する、第1の接着剤層と、(d)第1の剥離シートであって、前記第1の剥離シートは、前記第1の接着剤層の下面と接触する、第1の剥離シートとを備える、ステップと、
前記第1の剥離シートを除去し、バックプレーンと前記第1の接着剤層の暴露された下面を接触させるステップであって、前記バックプレーンは、第2の電極層を備え、前記第2の電極層は、第2の電極接触場所を備え、前記第2の電極接触場所の少なくとも一部は、前記電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にあり、前記バックプレーンは、上面と、下面と、周面とを有し、前記第1の接着剤層の下面は、前記バックプレーンの上面と接触する、ステップと、
前記第1の光透過性層の周面と、前記電気泳動媒体層の周面と、前記第1の接着剤層の周面のまわりに縁シール組成物を堆積させるステップと、
伝導性縁シールを形成するために、前記縁シール組成物を硬化させるステップと
を含む、電気光学デバイスを生産するプロセス。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】
図1Aは、フロントプレーン積層を使用して形成される、本発明の電気光学デバイスを図示する、概略断面である。
【0024】
【
図1B】
図1Bは、二重剥離フィルムを使用して形成される、本発明の電気光学デバイスを図示する、概略断面である。
【0025】
【
図1C】
図1Cおよび2Dは、溝を備える、本発明の電気光学デバイスを図示する、概略断面である。
【
図1D】
図1Cおよび2Dは、溝を備える、本発明の電気光学デバイスを図示する、概略断面である。
【0026】
【
図1E】
図1E-1Hは、本発明の電気光学デバイスを図示する、3次元概略である。
【
図1F】
図1E-1Hは、本発明の電気光学デバイスを図示する、3次元概略である。
【
図1G】
図1E-1Hは、本発明の電気光学デバイスを図示する、3次元概略である。
【
図1H】
図1E-1Hは、本発明の電気光学デバイスを図示する、3次元概略である。
【0027】
【
図2A】
図2A-2Cおよび3A-3Cは、本発明による、電気光学デバイスを生産するプロセスの種々の段階を図示する、概略断面である。
【
図2B】
図2A-2Cおよび3A-3Cは、本発明による、電気光学デバイスを生産するプロセスの種々の段階を図示する、概略断面である。
【
図2C】
図2A-2Cおよび3A-3Cは、本発明による、電気光学デバイスを生産するプロセスの種々の段階を図示する、概略断面である。
【
図3A】
図2A-2Cおよび3A-3Cは、本発明による、電気光学デバイスを生産するプロセスの種々の段階を図示する、概略断面である。
【
図3B】
図2A-2Cおよび3A-3Cは、本発明による、電気光学デバイスを生産するプロセスの種々の段階を図示する、概略断面である。
【
図3C】
図2A-2Cおよび3A-3Cは、本発明による、電気光学デバイスを生産するプロセスの種々の段階を図示する、概略断面である。
【0028】
【
図4】
図4は、当技術分野において開示される電気光学デバイスと、伝導性材料を備える開口を有する、電気光学デバイスの対応する構造とを図示する、概略断面である。
【0029】
【
図5】
図5は、本デバイスのアクティブ表示領域を図示する、本発明の電気光学デバイスの上面図である。
【0030】
【
図6】
図6は、本デバイスの表示領域を図示する、伝導性材料を備える開口を有する、電気光学デバイスの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
本発明は、いくつかの異なる側面を有する。これらの種々の側面が、主に、下記に別個に説明されるが、その単一電気光学デバイスまたはコンポーネントが、本発明の複数の側面を利用し得ることが認識されるべきである。
【0032】
本発明の電気光学デバイスは、電気泳動ディスプレイであってもよい。
【0033】
本発明の種々の側面を詳細に説明する前に、ある定義を設定することが有用である。
【0034】
比較される2つの領域を参照する用語「実質的に同一」は、領域の一方が他方の領域の約97%~約103%であることを意味する。
【0035】
用語「光透過性」は、そのように指定される層が、電気泳動媒体の表示状態における変化を観察するために、観察者が層を通して見ることを可能にするように、十分な光を透過させることを意味し、これは、通常、存在する場合、第1の電極層および隣接する基板を通して視認されるであろう。
【0036】
用語「光透過性電極層」は、電気光学ディスプレイの当技術分野において、かつ前述の特許および公開された出願において、光透過性である剛性または可撓性材料を意味するように、その従来の意味と一致して使用される。光透過性電極層は、最も一般には、ディスプレイ視認側全体を横断して延在する、単一連続電極(導電性材料を備える)を備える。典型的には、観察者に可視である光透過性電極層の表面は、それを通して観察者がディスプレイを視認する、視認表面を形成するが、正面基板と視認表面との間に介在される付加的層が存在してもよい。バックプレーンと同様に、正面基板は、ディスプレイの視認側を通した湿気および他の汚染物質の侵入を防止するために、十分な障壁性質を提供するべきである。
【0037】
用語電気泳動ディスプレイの「視認側」または「視認表面」は、その上に画像が表示され、かつ視認者によって視認されることができる、電気泳動ディスプレイの側である。典型的電気光学デバイスが、2つの側、すなわち、視認側および裏側を有する。しかしながら、電気光学デバイスが、2つの視認側を有してもよい。
【0038】
材料または層またはシールに関して、本明細書で使用されるような用語「伝導性」は、「導電性」材料または層またはシールを指す。
【0039】
本発明の電気光学デバイスは、第1の光透過性電極層を備える。第1の光透過性電極層は、上面と、下面と、周面とを有する。上面および下面は、第1の光透過性電極層の反対側上にある。用語「第1の電極層の長さおよび幅」は、第1の光透過性電極層の上面の長さおよび幅を指す。第1の光透過性層は、第1の電極接触場所を備える。
【0040】
本発明の電気泳動材料層は、電気泳動媒体を備える。電気泳動媒体は、マイクロカプセル内またはマイクロセル内にコンパートメント化されてもよい。電気泳動材料層は、上面と、下面と、周面とを有する。上面および下面は、電気泳動材料層の反対側上にある。電気泳動材料層の上面は、周囲によって画定される。周囲は、長さと、幅とを有する。
【0041】
本発明の電気光学デバイスは、第1の接着剤層および/または第2の接着剤層を備えてもよい。第1の接着剤層は、上面と、下面と、周面とを有する。上面および下面は、第1の接着剤層の反対側上にある。用語「第1の接着剤層の長さおよび幅」は、第1の接着剤層の上面の長さ幅寸法を指す。第2の接着剤層は、上面と、下面と、周面とを有する。上面および下面は、第2の接着剤層の反対側上にある。用語「第2の接着剤層の長さおよび幅」は、第2の接着剤層の上面の長さおよび幅寸法を指す。
【0042】
本発明の電気光学デバイスは、バックプレーンを備える。バックプレーンは、第2の電極層を備える。バックプレーンは、上面と、下面と、周面とを有する。上面および下面は、バックプレーンの反対側上にある。用語「バックプレーンの長さおよび幅」は、バックプレーンの上面の長さおよび幅を指す。
【0043】
用語「バックプレーン」は、1つまたはそれを上回る電極を有する電極層を備える剛性または可撓性材料を意味するように、電気光学デバイスの当技術分野および前述の特許および公開された出願におけるその従来の意味と一貫して、本明細書で使用される。バックプレーンはまた、ディスプレイをアドレス指定するための電子機器を具備し得る、またはそのような電子機器は、バックプレーンと別個のユニットで提供され得る。可撓性ディスプレイでは、バックプレーンがディスプレイの非視認側(ディスプレイは、当然ながら、通常、バックプレーンから遠隔の側から視認される)を通した湿気の侵入および他の汚染物質を防止するために、十分な障壁性質を提供することが著しく望ましい。
【0044】
用語「アクティブ表示領域」は、可変画像が表示され得る、電気泳動ディスプレイの視認表面の領域である。電気泳動ディスプレイの可変画像は、電気泳動ディスプレイの電気泳動材料層上の電場の印加の結果として作成され得る、画像である。
【0045】
本発明は、電気光学デバイスの性能およびコストを改良し、その製造方法を促進する。そのようなデバイスの実施例が、
図1A、1B、1D、および5に図示される。
【0046】
図1Aは、フロントプレーン積層から開始して構築され得る、本発明による、電気光学デバイス100の実施例の概略断面である。電気光学デバイス100は、第1の光透過性電極層130と、カプセル化電気泳動媒体を備える電気泳動材料層122と、第1の接着剤層143と、第2の電極層を備えるバックプレーン110と、伝導性縁シール155とを備える。第1の光透過性電極層は、第1の電極接触場所190を備える。電気泳動材料層122は、マイクロカプセル内にコンパートメント化される電気泳動媒体を備える。代替として、電気泳動媒体は、マイクロセル内にコンパートメント化されてもよい。電気泳動媒体は、非極性液体中に電気泳動粒を備えてもよい。バックプレーン110は、第2の電極層(
図1Aに示されない)を備え、第2の電極層は、第2の電極接触場所195を備える。電気泳動材料層122は、上面と、下面と、周面とを有する。電気泳動材料層の上面は、周囲によって画定され、これは、長さと、幅とを有する。電気光学デバイスの他の層、すなわち、第1の光透過性電極層130、第1の接着剤層143、およびバックプレーン110はそれぞれ、上面と、下面と、周面とを有する。電気泳動材料層122の上面は、第1の光透過性電極層130の下面と接触する。電気泳動材料層122の下面は、第1の接着剤層143の上面と接触する。第1の接着剤層143の下面は、バックプレーン110の上面と接触する。伝導性縁シール155は、第1の光透過性電極層130、電気泳動材料層122、および第1の接着剤層143の周面上に配置される。伝導性縁シール155はまた、バックプレーン110の周面またはバックプレーン110の周面の一部上に配置されてもよい。
【0047】
典型的電気光学デバイスでは、縁シールは、電気泳動材料の中への湿気の侵入を防止するために使用される。
図1Aのデバイス100では、伝導性縁シール155はまた、それぞれ、第1の電極接触場所190において、および第2の電極接触場所195において、バックプレーン110の第1の光透過性電極層130および第2の電極層に電気的に接続するために使用される。第1の電極接触場所190の少なくとも一部および第2の電極接触場所195の少なくとも一部は、電気泳動材料層122の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にある。
【0048】
図1Aの電気光学デバイス100は、3層電気光学ディスプレイである。その製造プロセスは、少なくとも1つの積層動作を伴い得る。例えば、前述のEインク特許および出願のうちのいくつかでは、カプセル化電気泳動ディスプレイを製造するためのプロセスが、説明され、結合剤内にマイクロカプセルを備える、カプセル化電気泳動媒体が、インジウム-スズ-酸化物(ITO)または類似伝導性コーティングを備える、可撓性基板上にコーティングされる。本伝導性コーティングは、第1の光透過性電極層130である。マイクロカプセル/結合剤コーティングの乾燥または硬化は、第1の光透過性層130に堅く接着される、電気光学材料層122を形成する。別個に、ピクセル電極を駆動回路網に接続するために、ピクセル電極のアレイおよび半導体の適切な配列を有する、第2の電極層を備える、バックプレーン110が、調製される。電気泳動材料層122を有する基板は、第1の接着剤層143の積層接着剤を使用して、バックプレーン110上に積層される。非常に類似するプロセスが、バックプレーンを、それにわたってスタイラスまたは他の移動可能電極が摺動し得る、プラスチックフィルム等の単純な保護層と置換することによって、スタイラスまたは類似する移動可能電極と併用可能である、電気泳動ディスプレイを調製するために使用されることができる。そのようなプロセスの一形態では、バックプレーン自体が、可撓性であり、プラスチックフィルムまたは他の可撓性基板上にピクセル電極および導体を印刷することによって、調製される。本プロセスによるディスプレイの大量生産のための積層技法は、積層接着剤を使用する、ロール積層である。類似する製造技法が、他のタイプの電気光学デバイスと併用されてもよい。例えば、マイクロセル電気泳動媒体または回転二色部材媒体が、カプセル化電気泳動媒体と実質的に同一様式で、バックプレーンに積層されてもよい。
【0049】
図1Aの電気光学デバイス100は、順番に、光透過性導電性層、電気泳動材料層、第1の接着剤層、および剥離シートを備える、フロントプレーン積層を使用して、製造されてもよい。光透過性層は、光透過性基板上に担持され得、これは、基板が、例えば、恒久的な変形を伴わずに、25mmの直径でドラムのまわりに手動で巻回され得るという意味で、好ましくは可撓性である。基板は、典型的には、高分子フィルムであり、通常、約1~約25ミル(25~634μm)、好ましくは、約2~約10ミル(51~254μm)の範囲内の厚さを有するであろう。光透過性導電性層は、便宜的に、例えば、アルミニウムまたはインジウム-スズ-酸化物(ITO)の薄金属層である、または伝導性ポリマーであってもよい。アルミニウムまたはITOでコーティングされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは、例えば、E.I. du Pont de NemoursおよびCompany, Wilmington Del.,からの「アルミ被覆Mylar」(「Mylar」は、登録商標である)として商業的に利用可能であり、そのような商業的材料は、フロントプレーン積層における良好な結果と併用され得る。
【0050】
そのようなフロントプレーン積層を使用する、電気光学デバイスのアセンブリは、フロントプレーン積層から剥離シートを除去し、第1の接着剤層をバックプレーンに接着させるために効果的な条件下で、バックプレーンと第1の接着剤層を接触させ、それによって、バックプレーンに第1の接着剤層、電気泳動媒体、および導電性層を固着させることによってもたらされ得る。本プロセスは、フロントプレーン積層が、典型的には、ロール/ロールコーティング技法を使用して大量生産され、次いで、具体的バックプレーンと併用するために必要とされる任意のサイズの断片に切断され得るため、大量生産によく適合されている。次いで、縁シール組成物が、縁シール組成物の乾燥または硬化後に伝導性縁シールを作成するために、断片のまわりに分注される。本デバイスは、典型的には、縁シーリング前に、ある温度および相対湿度において湿気調整ステップに暴露される。
【0051】
図1Bは、本発明による、電気光学デバイスの別の実施例の概略断面である。電気光学デバイス101は、第1の光透過性電極層131と、第2の接着剤層114と、電気泳動材料層123と、第1の接着剤層144と、バックプレーン111と、伝導性縁シール156とを備える。
【0052】
第1の光透過性電極層131は、第1の電極接触場所191を備える。電気泳動材料層123は、マイクロカプセル内にコンパートメント化される電気泳動媒体を備える。電気泳動媒体は、非極性液体中に電気泳動粒子を備えてもよい。バックプレーン111は、第2の電極層を備え、第2の電極層は、第2の電極接触場所196を備える。電気泳動材料層123は、上面と、下面と、周面とを有する。電気泳動材料層の上面は、周囲によって画定され、これは、長さと、幅とを有する。電気光学デバイスの他の層、すなわち、第1の光透過性電極層131、第2の接着剤層114、第1の接着剤層144、バックプレーン111はそれぞれ、上面と、下面と、周面とを有する。
【0053】
第1の光透過性電極層131の下面は、第2の接着剤層114の上面と接触し、第2の接着剤層114の下面は、電気泳動材料層の上面123と接触する。電気泳動材料層123の下面は、第1の接着剤層144の上面と接触する。第1の接着剤層144の下面は、バックプレーン111の上面と接触する。
【0054】
伝導性縁シール156は、第1の光透過性電極層131、第2の接着剤層114、電気泳動材料層123、および第1の接着剤層144の周面上に配置される。伝導性縁シール156はまた、バックプレーン111の周面またはバックプレーン111の周面の一部上に配置されてもよい。
【0055】
典型的電気光学デバイスでは、縁シールは、電気泳動材料の中への湿気の侵入を防止するために使用される。
図1Bのデバイス101では、伝導性縁シール156もまた、それぞれ、第1の電極接触場所191において、および第2の電極接触場所196において、バックプレーン111の第1の光透過性電極層131および第2の電極層に電気的に接続するために使用される。第1の電極接触場所191の少なくとも一部および第2の電極接触場所196の少なくとも一部は、電気泳動材料層123の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にある。
【0056】
図1Bの電気光学デバイス101は、4層電気泳動ディスプレイである。その製造プロセスは、順番に、2つの接着剤層の間に挟装され、接着剤層のうちの一方または両方は、剥離シート(二重剥離シート)によって被覆される、電気泳動材料層を備える構造から開始して、少なくとも2つの積層動作を伴い得る。第1の積層では、二重剥離シートは、第1の光透過性電極層に積層され、次いで、第2の積層では、電気泳動材料層の他の側が、電気泳動ディスプレイを形成するために、バックプレーン上に積層される。これらの2つの積層の順序は、所望される場合、逆転され得る。
図1Bの電気光学デバイスはまた、順番に、光透過性保護層、光透過性電極層、第2の接着剤層、電気泳動材料、第1の接着剤層、および剥離シートを備える構造から開始して構築され得る。剥離シートの除去および構造上へのバックプレーンの取付の後に、電気泳動材料層および接着剤層のまわりの伝導性縁シール組成物の分注と、電気光学デバイスを形成する伝導性縁シールを作成するために、分注される組成物の乾燥または硬化とが続く。本デバイスは、典型的には、縁シーリング前に、ある温度および相対湿度において湿気調整ステップに暴露される。
図1Bに図示されるタイプの電気光学デバイスが、良好な低温度性能と良好な分解能を組み合わせることができる。
【0057】
本発明による、電気光学デバイスの別の実施例の概略断面が、
図1Dに提供される。電気光学デバイス103は、第1の光透過性電極層132と、第2の接着剤層115と、カプセル化電気泳動媒体を備える電気泳動材料層124と、第1の接着剤層145と、第2の電極層を備えるバックプレーン112と、伝導性縁シール157とを備える。伝導性縁シール157は、第2の接着剤層115、電気泳動材料層124、および第1の接着剤層145の周面上に配置される。
図1Dの電気光学デバイス103は、
図1Bの電気光学デバイス101に似ている。層の上面の長さおよび幅が、他の層の上面の長さおよび幅に類似する、
図1Bの電気光学デバイス101と対照的に、
図1Dの電気光学デバイス103の層の上面の長さおよび幅は、同一ではない。具体的には、デバイス103では、第1の光透過性電極層132の上面の長さおよび幅およびバックプレーン112の上面の長さおよび幅は、電気泳動材料層124の上面の周囲の長さおよび幅、第1の接着剤層145の上面の長さおよび幅、および第2の接着剤層115の上面の長さおよび幅より大きい。
【0058】
デバイス103の第1の光透過性電極層132およびバックプレーン112は、電気泳動材料層の上面の周囲の縁と、第1および第2の接着剤層の縁とを越えて外向きに延在する。したがって、溝が、外向きに延在した第1の光透過性電極層132と、第2の接着剤層115の周面と、電気泳動材料層124の周面と、第1の接着剤層145の周面と、外向きに延在したバックプレーン112とによって画定されて、形成される。形成された溝は、伝導性縁シール157で充填される。デバイス101におけるように、デバイス103内の伝導性縁シール157は、それぞれ、電気泳動材料の中への湿気の侵入を防止するだけではなく、第1の電極接触場所193において、および第2の電極接触場所198において、バックプレーン112の第1の光透過性電極層132および第2の電極層を電気的に接続するためにも使用される。第1の電極接触場所193の少なくとも一部および第2の電極接触場所198の少なくとも一部は、電気泳動材料層124の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にある。
図1Dの電気光学デバイスは、4層電気泳動ディスプレイである。
図1Dのデバイスの前駆体は、
図1Cに示される構造102であり、第1の光透過性電極層132およびバックプレーン112の上面は、電気泳動材料124の上面の周囲の長さおよび幅、および接着剤層115および145の上面の長さおよび幅より大きい、長さと、幅とを有する。第1の光透過性電極層132およびバックプレーン112は、電気泳動材料層124の上面の周囲の縁および第1および第2の接着剤層115および124の縁を越えて外向きに延在する。したがって、溝141が、外向きに延在した第1の光透過性電極層132と、第2の接着剤層115の周面と、電気泳動材料層124の周面と、第1の接着剤層145の周面と、外向きに延在したバックプレーン112とによって画定されて、形成される。電気光学デバイス103は、溝141の中に縁シーリング組成物を分注することと、伝導性縁シール157を形成するために、縁シーリング組成物を乾燥または硬化させることとによって完成される。溝は、約20μm~約150μmの高さおよび約0.3mm~約5mmの幅であってもよい。
【0059】
図1Eは、
図1Bに図示される電気光学デバイス101の斜視図を示すが、伝導性縁シールを示さない。隣接層は、単に、層の3次元の観点を促進するために、
図1Eにおいて相互と無関係に現れる。デバイスは、順番に、第1の光透過性電極層131、第2の接着剤層114、電気泳動材料層123、第1の接着剤層144、およびバックプレーン111を備える。
図1Fは、電気泳動材料層123のみの斜視図である。
図1Fは、電気泳動材料層123の上面171と、電気泳動材料層123の周面172とを示す。これはまた、電気泳動材料層123の上面171の周囲175も示す。電気泳動材料層171の上面は、周囲175によって画定される。電気泳動材料層123の上面171の周囲175は、
図1Fに示されるように、長さLおよび幅Wによって画定される。
【0060】
図1Fは、電気泳動材料層123の上面171と、電気泳動材料層123の周面172とを示す。これはまた、電気泳動材料層123の上面171の周囲175も示す。電気泳動材料層の上面171は、周囲175によって画定される。電気泳動材料層123の上面171の周囲175は、
図1Fに示されるように、長さLおよび幅Wによって画定される。
【0061】
図1Gおよび1Hは、電気光学デバイスの前駆体102(
図1Cにも図示される)の斜視図を示す。102における隣接層は、単に、層の3次元の観点を促進するために、
図1Gにおいて相互から無関係に現れる。デバイスは、順番に、第1の光透過性電極層132、第2の接着剤層115、電気泳動材料層124、第1の接着剤層145、およびバックプレーン112を備える。
【0062】
第1の光透過性電極層132およびバックプレーン112の上面は、電気泳動材料124の上面の周囲の長さおよび幅および接着剤層115および145の上面の長さおよび幅より大きい、長さと、幅とを有する。第1の光透過性電極層132およびバックプレーン112は、電気泳動材料層124の上面の周囲の縁および第1および第2の接着剤層115および124の縁を越えて外向きに延在する。したがって、溝が、外向きに延在した第1の光透過性電極層132と、第2の接着剤層115の周面と、電気泳動材料層124の周面と、第1の接着剤層145の周面と、外向きに延在したバックプレーン112とによって画定されて、形成される。その中に伝導性縁シール組成物が配置され得る溝は、
図1Hに示されるように、高さ186および幅187を有する。
【0063】
図2A-2Cおよび3A-3Cは、二重剥離フィルムを使用して、本発明の電気泳動ディスプレイの実施例の製造のプロセスの実施例を図示する。
図2Aに図示されるように、第1のステップは、第2の剥離シート211上に第2の接着剤層213を形成するために、第2の剥離シート211上の第2の接着剤組成物212のコーティングを伴う。続いて、第3の剥離シート214が、第1の剥離ロール210を形成するために、第2の接着剤層213上に設置される。
図2Bに図示される別個のサブプロセスでは、電気泳動材料組成物が、第4の剥離シート221上の電気泳動材料層222である、構造220を形成するために、第4の剥離シート221上にコーティングされる。第1の剥離ロール210から第3の剥離シート214を剥離し、構造220の電気泳動材料層222と暴露された第2の接着剤層213を接触させた後、中間電気光学ウェブ230が、形成される。中間電気光学ウェブ230は、
図2Cに図示されるように、二重剥離フィルム250を形成するために使用されることができる。より具体的には、第1の接着剤組成物242が、第2の剥離ロール240を形成するために、第1の剥離シート241上にコーティングされる。中間電気光学ウェブ230から第4の剥離シート221を剥離し、第2の剥離ロール240の第1の接着剤層243と電気泳動材料層222の暴露された表面を接触させた後、二重剥離フィルム250は、形成される。二重剥離フィルム250は、電気光学デバイスを形成するために、使用されることができる。二重剥離シートは、後の時間における電気光学デバイスの生産のために、保管および使用されてもよい。プロセスの実施例が、
図3A-3Cに図示される。二重剥離フィルム250の第1の剥離シート241は、
図3Aに示されるように、除去され、バックプレーン310が、構造320を形成するために、第1の接着剤層243の暴露された表面に接続される。構造320からの第2の剥離シート211は、除去され、暴露された第2の接着剤層213は、第1の光透過性電極層331を有する構造340を形成するために、第1の光透過性電極層330に接続される。
図3Bに示されるように、バックプレーン310は、電気泳動材料層222および第1および第2の接着剤層243および213の対応する長さおよび幅より大きい、長さと、幅とを有してもよい。したがって、バックプレーン310は、電気泳動材料層222の上面の周囲の縁および第1および第2の接着剤層243および213を越えて外向きに延在してもよい。同様に、第1の光透過性電極層331は、電気泳動材料層222の上面の周囲および第1および第2の接着剤層243および213の対応する長さおよび幅より大きい、長さと、幅とを有してもよい。したがって、第1の光透過性電極層331は、電気泳動材料層222の上面の周囲の縁および第1および第2の接着剤層243および213を越えて外向きに延在してもよい。これらの条件が、満たされる場合、溝341が、外向きに延在した第1の光透過性電極層331と、第2の接着剤層213の周面と、電気泳動層222の周面と、第1の接着剤層243の周面と、外向きに延在したバックプレーン310とによって画定されて、構造340に形成される。伝導性縁シール組成物350が、
図3Cに図示されるように、溝341の中に配置され、電気光学デバイス360を形成するために、縁シール355に硬化される。
【0064】
本発明の電気光学デバイスは、第1の電極接触場所において第1の光透過性電極層と、第2の電極接触場所において第2の電極層と接触する、伝導性縁シールを備える。第1の電極接触場所および第2の電極接触場所の少なくとも一部は、電気泳動材料層の上面の周囲の垂直延在部によって画定された体積の外側にある。第1の電極接触場所において、および第2の電極接触場所において第1および第2の電極層と電気的に接続する、伝導性縁シールは、デバイスのアクティブ表示領域が、最適化され、電気泳動材料層の領域と実質的に同一であることを可能にする。これは、本発明による、電気光学デバイスの上面図を図示する、
図5に示される。
図5における電気光学デバイス360は、電気光学デバイスに対応し(
図3Cにはその断面が提供される)、第1の光透過性電極層およびバックプレーン310の両方は、電気泳動材料層の縁を越えて外向きに延在する。溝中に配置され、第1の光透過性電極層および第2の電極層の延在部によって作成される、伝導性縁シール355は、それぞれ、第1の電極接触場所(390)において、および第2の電極接触場所(395)において、第1の光透過性層および第2の電極層を電気的に接続する。アクティブ表示領域560は、
図5および6に示される、本発明の電気光学デバイスの異なる構造を有する、アクティブ表示領域とは対照的に、電気泳動材料層の上面の領域と実質的に同一である。
【0065】
図4は、先行技術による、電気光学デバイスの概略断面である。電気光学デバイス470は、第1の光透過性電極層430と、第2の接着剤層213と、カプセル化電気泳動媒体を備える電気泳動材料層222と、第1の接着剤層243と、(第2の電極層を備える)バックプレーン410と、非伝導性縁シール455と、開口480とを備える。開口480は、電気泳動材料層および第1および第2の接着剤層を通して、切断される。開口は、第1の光透過性電極層430およびバックプレーン410の第2の電極層を電気的に接続するために、金属等の伝導性材料で充填される。伝導性材料は、場所490において第1の光透過性電極層430に、場所495においてバックプレーン410の第2の電極層に接続される。
図4はまた、電気光学デバイス470の生産のプロセスの実施例に加わる、中間構造を説明する。電気光学デバイス470は、第1の剥離シート211と、第2の接着剤層213と、電気泳動材料層222と、第1の接着剤層243と、第2の剥離シート241とを備える、二重剥離フィルム250から調製されてもよい。開口480が、二重剥離フィルムを通して切断され、伝導性材料で充填される。剥離シート211および241の逐次除去および第1の光透過性電極層430およびバックプレーン410の取付、および非伝導性縁シール455の形成は、電気光学デバイス470を形成する。開口480における伝導性材料は、場所490において第1の光透過性電極層および場所495においてバックプレーン410における第2の電極層を電気的に接続する。
【0066】
図6は、先行技術の発明による、電気光学デバイス470の上面図を図示し、これは、その断面が
図4に提供される、電気光学デバイスに対応する。
図3Cおよび5に図示される、本発明の電気光学デバイス360と対照的に、電気光学デバイス470の縁シールは、伝導性ではなく、第1の光透過性電極層と第2の電極層との間の電気接続に関与しない。電気光学デバイス470における本電気接続は、場所490において第1の光透過性電極層に、および場所495において第1の電極層に接続する、伝導性材料を含有する開口480を作成することによって達成される。開口480を使用する本電気接続は、
図3Cおよび5の本発明の電気光学デバイス360のアクティブ表示領域とは対照的に、
図6(破線の内側)に示されるように、電気泳動材料層の領域未満である電気光学デバイスのアクティブ表示領域660をもたらし、アクティブ表示領域560は、電気泳動材料層222の領域と実質的に同一である。
【0067】
アクティブ表示領域を最大限にすることに加え、上記に示されるように、本発明による、電気光学デバイスの構造および製造方法によって達成される、他の利益が存在する。第1に、本発明のデバイスは、電気泳動材料層を通して開口を作成し、伝導性材料(伝導性ビア)でそれを充填する必要はないため、より少ないステップを使用して製造されることができる。また、本発明のプロセスに従って、ディスプレイの製造の間、光透過性電極層の一部のクリーニングのステップを含む必要性は存在しない。そのようなステップが、典型的には、フロントプレーン積層を使用する、電気光学デバイスの作製方法に含まれる。フロントプレーン積層が、光透過性電極層上に電気泳動材料コーティングを備える。光透過性電極層の一部が、通常、電気光学デバイス内の電気接続に関する清浄表面を作成するために、コーティングされた電気泳動媒体からクリーニングされる。第2に、本発明は、デバイスを横断した抵抗性電圧降下を最小限にし、バックプレーンにおいてより小さいかつ安価な薄膜トランジスタを使用することを可能にし、対応するデバイスおよび前駆体構造の品質の単純評価を可能にする。
【0068】
本発明の電気光学デバイスは、デバイスを横断した電圧降下を低減させるために、第1の光透過性電極層と伝導性縁シールとの間に1つを上回る第1の接触場所を備えてもよい。電気光学デバイスは、2つまたはそれを上回る、3つまたはそれを上回る、または5つまたはそれを上回る第1の接触場所を備えてもよい。同様に、本発明の電気光学デバイスは、第2の電極層と伝導性縁シールとの間に1つを上回る第2の接触場所を備えてもよい。電気光学デバイスは、2つまたはそれを上回る、3つまたはそれを上回る、または5つまたはそれを上回る第2の接触場所を備えてもよい。
【0069】
本発明の電気光学デバイスの伝導性縁シールは、デバイスの中への湿気の侵入を防止し、デバイスの第1および第2の電極層を電気的に接続することが可能であるように、十分な障壁性質および電気伝導性性質を有しなければならない。したがって、伝導性縁シールの水蒸気透過速度は、60℃および100%相対湿度(RH)において測定され、重量測定法(ASTM E96)で測定される際、0.1g・m-2・日-1未満、または0.05g・m-2・日-1未満、またはg・m-2・日-1未満でなければならない。縁シールの抵抗率は、ASTM D257を使用して測定される際、2ミルのフィルム厚さに関して50キロオーム・cm未満または10キロオーム・cm未満でなければならない。
【0070】
縁シール組成物は、ポリマーまたはポリマーの組み合わせを備えてもよい。縁シール組成物の乾燥または硬化は、デバイスの縁シールを形成する。ポリマーの非限定的実施例は、ポリウレタン、エポキシ、ジメチルポリシロキサン、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン-アルキレン共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリ(エチレン-共-ノルボルネン)、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体、およびそれらの混合物である。縁シール組成物は、金属粒子、金属ナノ粒子、金属ワイヤ、金属ナノワイヤ、金属ナノファイバ、伝導性カーボンブラック粒子、カーボンナノチューブ、グラファイト、およびそれらの組み合わせ等の伝導性充填材を備えてもよい。縁シール組成物はまた、伝導性ポリマーを備えてもよい。伝導性ポリマーの非限定的実施例は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸(PEDOT-PSS)、ポリアセチレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンビニレン、およびそれらの組み合わせである。
【0071】
多数の変更および修正が、本発明の範囲から逸脱することなく、上記に説明される本発明の具体的実施形態に行なわれ得ることが、当業者に明白であろう。故に、前述の実施形態全体が、限定的意味ではなく、例証的意味で解釈されるべきである。
【外国語明細書】