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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109849
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】光触媒空気処理
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/00 20060101AFI20240806BHJP
   A61L 9/18 20060101ALI20240806BHJP
   F24F 8/167 20210101ALI20240806BHJP
【FI】
A61L9/00 C
A61L9/18
F24F8/167
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024084900
(22)【出願日】2024-05-24
(62)【分割の表示】P 2022577404の分割
【原出願日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】2009160.9
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ テニソン レイリー
(72)【発明者】
【氏名】ベン トーマス エドモンズ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】1つ以上の空中汚染物質を受け取るように構成された光触媒反応器を提供する。
【解決手段】光触媒反応器は、基板上に配置されて1つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒2004と、1つ以上の第1の発光ダイオード2009が第1の側面2006に取り付けられ1つ以上の第2の発光ダイオード2010が第2の側面2007に取り付けられた回路基板を備える発光ダイオード回路基板と、を備える。基板2003は、光触媒分解を促進するために、1つ以上の第1の発光ダイオードおよび1つ以上の第2の発光ダイオードの両方によって照らされるように配置される。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の空中汚染物質を受け取るように配置された光触媒反応器であって、
基板上に配置されて1つ以上の前記汚染物質を光触媒分解するための光触媒と、
1つ以上の第1の発光ダイオードが第1の側面に取り付けられ1つ以上の第2の発光ダ
イオードが第2の側面に取り付けられた回路基板を備える発光ダイオード回路基板とを有
し、
前記基板は、光触媒分解を促進するために、1つ以上の前記第1の発光ダイオードおよ
び1つ以上の前記第2の発光ダイオードの両方によって照らされるように配置される、
光触媒反応器。
【請求項2】
前記基板は、前記発光ダイオード回路基板を遮るように配置される、請求項1に記載の
光触媒反応器。
【請求項3】
前記基板は、前記発光ダイオード回路基板を取り囲むように配置される、請求項1また
は2に記載の光触媒反応器。
【請求項4】
前記発光ダイオード回路基板は、前記基板内に同心円状に配置される、請求項1から3
のいずれか一項に記載の光触媒反応器。
【請求項5】
空気入口と空気出口とを備え、前記空気入口と前記空気出口との間を通過する空気流が
前記光触媒に接触するように配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の光触媒
反応器。
【請求項6】
前記発光ダイオード回路基板は、両面回路基板および多層回路基板のいずれかを備える
、請求項1から5のいずれか一項に記載の光触媒反応器。
【請求項7】
前記基板は、表面を備え、前記表面から前記発光ダイオード回路基板に向かって延在す
る1つ以上の突起をさらに備えうる、請求項1から6のいずれか一項に記載の光触媒反応
器。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の光触媒反応器を備える空気処理装置。
【請求項9】
1つ以上の空中汚染物質を受け取るように配置された光触媒反応器であって、
基板上に配置されて1つ以上の前記汚染物質を光触媒分解するための光触媒と、
光触媒分解を促進するために前記光触媒を照射するための1つ以上の光源と、
前記光触媒と前記1つ以上の光源との間に配置され、それらを分離する少なくとも2つ
の透過材料の層と、
を備える、光触媒反応器。
【請求項10】
前記少なくとも2つの透過材料の層は、隙間によって第2の透過材料の層から分離され
た第1の層の透過材料を備える、請求項9に記載の光触媒反応器。
【請求項11】
前記光触媒反応器は、前記光触媒を含む第1の部分と、前記1つ以上の光源を含む第2
の部分と、を備え、少なくとも2つの透過材料の層は、前記第2の部分から前記第1の部
分を分離する、請求項9又は10に記載の光触媒反応器。
【請求項12】
前記第1の部分は、1つ以上の空中汚染物質を含む空気流を受け取るように配置され、
前記第2の部分は、前記1つ以上の光源に接触して空冷を提供する空気流を受け取るよう
に配置される、請求項11に記載の光触媒反応器であって、
前記1つ以上の光源は、1つ以上の発光ダイオードを備え得、好ましくは、回路基板に
取り付けられた1つ以上の複数の発光ダイオードを備える、
光触媒反応器。
【請求項13】
前記少なくとも2つの透過材料の層は、前記1つ以上の光源の周りに同心円状に配置さ
れた少なくとも2つの導管を備え、各導管の少なくとも一部は、前記透過材料を備える、
請求項9から12のいずれか一項に記載の光触媒反応器。
【請求項14】
請求項9から13のいずれか一項に記載の光触媒反応器を備える空気処理装置。
【請求項15】
1つ以上の空中汚染物質を受け取るように配置された光触媒反応器であって、
基板上に配置されて1つ以上の前記汚染物質を光触媒分解するための光触媒と、
1つ以上の第1の発光ダイオードが第1の側面に取り付けられ1つ以上の第2の発光ダイ
オードが第2の側面に取り付けられた回路基板を備える発光ダイオード回路基板と、
を備え、
前記基板は、前記1つ以上の第1の発光ダイオードおよび前記1つ以上の第2の発光ダ
イオードの両方によって照らされるように配置され、少なくとも2つの透過材料の層が、
前記発光ダイオード回路基板と前記光触媒との間に配置されてそれらを分離する、
光触媒反応器。
【請求項16】
請求項15に記載の光触媒反応器を備える空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気流を処理するための光触媒反応器および光触媒反応器を備える空気処理
装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気処理装置は、空気を処理して汚染物質を除去する。従来の空気処理装置は、サイズ
排除によって空中粒子を物理的に捕捉する微粒子フィルタを単独で使用し、高効率微粒子
空気(HEPA)フィルタによって0.3μm粒子の少なくとも99.97%を除去する
。一部の空気処理装置は、活性炭フィルタを使用して空気中の揮発性化学物質を濾過する
。活性炭は、空気の浄化に使用されるとき、汚染物質を吸着によって除去するため、限ら
れた除去容量しか有せず、その結果、濾過性能を維持する場合には、活性炭フィルタを交
換する必要がある。汚染物質を捕捉するよりもむしろ、光触媒酸化(PCO)などの技術
を使用して、特定の大気汚染物質を破壊することが可能である。光触媒酸化は、有害な大
気汚染物質を酸化して害の少ない化合物にするために、例えば、揮発性有機化合物(VO
C)を二酸化炭素および水へと酸化するために、使用され得る。この反応は、光子の吸収
によって活性化される触媒表面によって触媒される。空気中の水分および酸素は、反応が
進行するために必要な水素原子および酸素原子を提供するため、汚染物質以外に反応性化
学物質が消費されることはない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、1つ以上の空中汚染物質を受け取るように構成された光
触媒反応器が提供される。光触媒反応器は、基板上に配置されて1つ以上の汚染物質を光
触媒分解するための光触媒と、1つ以上の第1の発光ダイオードが第1の側面に取り付け
られ1つ以上の第2の発光ダイオードが第2の側面に取り付けられた回路基板を備える発
光ダイオード回路基板を備える。基板は、光触媒分解を促進するために、1つ以上の第1
の発光ダイオードおよび1つ以上の第2の発光ダイオードの両方によって照らされるよう
に配置される。
【0004】
基板は、発光ダイオード回路基板を遮るように配置され得る。基板は、発光ダイオード
回路基板から放出された光が基板に衝突するように配置され得る。基板は、発光ダイオー
ド回路基板を取り囲むように配置され得る。発光ダイオード回路基板は、基板内に同心円
状に配置され得る。
【0005】
光触媒反応器は、空気入口と空気出口とを備え、空気入口と空気出口との間を通過する
空気流が光触媒に接触するように配置され得る。
【0006】
回路基板は、両面回路基板および多層回路基板のいずれかを備え得る。基板は、表面を
備え得る。基板は、表面と、表面から発光ダイオード回路基板に向かって延在する1つ以
上の突起または突出とを備え得る。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様による光触媒反応器を備える空気処理装置が
提供される。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、1つ以上の空中汚染物質を受け取るように配置された光
触媒反応器が提供される。光触媒反応器は、基板上に配置されて汚染物質の1つ以上を光
触媒分解するための光触媒と、光触媒を照射して光触媒分解を促進するための1つ以上の
光源と、1つ以上の光源の間に配置され、1つ以上の光源を分離する少なくとも2つの透
過材料の層と、を備える。
【0009】
少なくとも2つの透過材料の層は、隙間によって第2の層の透過材料から分離された第
1の層の透過材料を備え得る。透過材料は、空気に対して不透過性であり得る。少なくと
も2つの透過材料の層は、光触媒反応器を、光触媒を含む第1の部分と、1つ以上の光源
を含む第2の部分と、に分離し得る。第1の部分は、1つ以上の空中汚染物質を含む空気
流を受けるように配置され得、第2の部分は、1つ以上の光源に接触して空冷を提供する
空気流を受けるように配置される。1つ以上の光源は、1つ以上の発光ダイオードを備え
得、好ましくは、回路基板に取り付けられた1つ以上の発光ダイオードを備える。
【0010】
少なくとも2つの透過材料の層は、1つ以上の光源の周りに同心円状に配置され1つ以
上の光源を光触媒から分離する少なくとも2つの導管を備え得、各導管の少なくとも一部
は、透過材料を備える。少なくとも2つの導管のうちの1つ以上は、透過材料の管を備え
得る。
【0011】
本発明の第4の態様によれば、第3の態様による光触媒反応器を備える空気処理装置が
提供される。
【0012】
本発明の第5の態様によれば、1つ以上の空中汚染物質を受け取るように配置された光
触媒反応器を備える空気処理装置が提供される。光触媒反応器は、基板上に配置されて1
つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒と、1つ以上の第1の発光ダイオードが
第1の側面に取り付けられ、1つ以上の第2の発光ダイオードが第2の側面に取り付けら
れた回路基板を備える発光ダイオード回路基板と、を備える。基板は、1つ以上の第1の
発光ダイオードおよび1つ以上の第2の発光ダイオードの両方によって照らされるように
配置される。光触媒反応器は、発光ダイオード回路基板と光触媒との間に配置され、発光
ダイオード回路基板を光触媒から分離する少なくとも2つの透過材料の層をさらに備える
【0013】
本発明の第6の態様によれば、第5の態様による光触媒反応器を備える空気処理装置が
提供される。
【0014】
もちろん、本発明の一態様に関連して説明した特徴は、本発明の他の態様に組み込まれ
得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】空気処理装置内で使用するための光触媒反応器の一例の斜視図である。
図1B図1Aの光触媒反応器の端面図である。
図2A】空気処理装置内で使用するためのさらなる光触媒反応器の一例の斜視図である。
図2B図2Aの光触媒反応器の端面図である。
図3A】空気処理装置内で使用するための別の光触媒反応器の一例の斜視図である。
図3B図3Aの光触媒反応器の端面図である。
図4】空気処理装置内で使用するためのさらなる光触媒反応器の一例の端面図である。
図5A】空気処理装置内で使用するための別の光触媒反応器の別の例の斜視図である。
図5B図5Aの光触媒反応器の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、改良された光触媒反応器の例を、図1Aおよび1Bを単なる例として参照して
説明する。光触媒反応器は、概して参照番号1000で示される。光触媒反応器1000
は、1つ以上の空中汚染物質を含む空気流を受け取るように配置された反応チャンバ10
01と、1つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒1004と、を備え、光触媒
1004は、反応チャンバ1001によって提供される基板1003上に配置される。光
触媒反応器1000は、プリント回路基板1008の第1の側面1006に取り付けられ
た複数の発光ダイオード1009を有するプリント回路基板1008を備える発光ダイオ
ードプリント回路基板(「LED PCB」)1012をさらに備える。光触媒反応器1
000は、光触媒分解を促進するために、基板1003が発光ダイオード1009によっ
て照らされるように配置される。特に、基板1003は、LED PCB1012の発光
ダイオード1009から放出された光が基板1003に衝突するように、LED PCB
1012を遮るように配置される。
【0017】
図1Aおよび1Bに示される例では、光触媒反応器1000は、反応チャンバ1001
の長さに沿って延在する細長いLED PCB1012を取り囲む細長い反応チャンバ1
001を備える。反応チャンバ1001は、反応チャンバ1001の第1の端に反応チャ
ンバ入口(図示せず)と、反応チャンバ1001の第2の端に反応チャンバ出口(図示せ
ず)と、を備え、反応チャンバ入口と反応チャンバ出口との間を通過する空気流は、基板
1003上に配置された光触媒1004と接触する。次に、隔壁/障壁1005A、10
05Bは、光触媒1004の反応チャンバをLED PCB1012から分離し、隔壁1
005A、1005Bの少なくとも一部は、発光ダイオード1009によって放出される
放射線に対して透過性であるため、光触媒1004は、発光ダイオード1009によって
照らされ得る。次に、LED PCB1012の複数の発光ダイオード1009は、離間
し、LED PCB1012の長さの第1の側面1006に沿って長手方向に整列し、そ
れによって、光触媒反応器1000の全長に沿って光源を提供する。
【0018】
図1Aおよび1Bに示される例では、反応チャンバ1001の基板1003は複数の突
起を備え、この複数の突起は、フィン1011A、1011Bによって設けられ反応チャ
ンバ1001の内面から離れて各々内向きに延在し、光触媒1004が、各フィン101
1A、1011Bの少なくとも1つの面上に配置される。これらのフィン1011A、1
011Bは、汚染物質の光触媒分解のための高い表面積を提供する。各フィン1011A
、1011Bは、細長く、細長い反応チャンバ1001の長さに沿った長さLと、フィン
1011A、1011Bが反応チャンバ1001のそれぞれの内面から離れて内向きにど
れだけ延在するかによって画定される高さHと、を有する。したがって、フィン1011
A、1011Bは、長手形状であり、各フィン1011A、1011Bの長手方向軸は、
発光ダイオード1009の光軸に対して垂直である。したがって、フィン1011A、1
011Bは、空気入口から空気出口への空気の流のための反応チャンバ1001の長さに
沿って延在するチャネル1002をフィン1011A、1011Bの間に画定する。図示
の例では、各フィン1011A、1011Bは、その高さに沿って部分的に湾曲した断面
(すなわちフィンの輪郭)を有する。しかしながら、別の配置では、各フィン1011A
、1011Bは、直線状の断面を有し得る。
【0019】
フィン1011A、1011Bは、第1のセットのフィン群1011Aのおよび第2の
セットのフィン群1011Bを備え、光触媒1004は、各フィン上に配置される。第1
のセットのフィン群1011Aおよび第2のセットのフィン群1011Bは、発光ダイオ
ード1009からの光が各フィン1011A、1011Bの面1013の長さの少なくと
も一部を面1013の高さ全体に沿って照らすように配置される。換言すれば、各発光ダ
イオード1009は、隣接するフィンからの影を受けることなく、各フィン1011A、
1011Bの少なくとも1つの面1013の全高を照らす。とはいえ、フィン1011A
、1011Bの全長を照らすために、複数の発光ダイオード(例えば、長手方向に分布し
た複数の発光ダイオード)1009が必要とされ得る。発光ダイオード1009は、各フ
ィン1011A、1011Bの少なくとも1つの面1013の長さの、異なるが重複する
可能性がある部分を各々照らすように分布する。
【0020】
図1Aおよび1Bに示される例では、第1のセットのフィン群1011Aの各々は、フ
ィン1011Aの基端1015からフィンの先端1016を通って延在するライン(例え
ば、フィンの高さに沿って延在し、翼弦線に類似するライン)が第1の収束点または交点
F1に向けられるように配置される。次いで、第2のセットのフィン群1011Bの各々
は、フィン1011Bの基端1015からフィン1011Bの先端1016を通って延在
するラインが第2の収束点F2に向けられるように配置される。第1の収束点F1は、第
2の収束点F2とは異なり、第1の収束点F1と第2の収束点F2との両方は、発光ダイ
オード1009の位置に対してオフセットする。
【0021】
第1のセットのフィン群1011Aは、反応チャンバ1001の第1の内面1018A
から内向きに延在し、第2のセットのフィン群1011Bは、反応チャンバ1001の第
2の内面1018Bから内向きに延在し、第1の内面1018Aおよび第2の内面101
8Bは、概して発光ダイオード1009に面する。第1の内面1018Aおよび第2の内
面1018Bは、発光ダイオードの光軸Oの周りに対称的に配置され、その結果、第1の
セットのフィン群1011Aは、各発光ダイオード1009の第1の半分によって照らさ
れるように配置され、第2のセットのフィン群1011Bは、各発光ダイオード1009
の第2の半分によって照らされるように配置される。図1Aおよび1Bに示される例では
、光触媒1004はまた、反応チャンバ1001の第1の内面1018Aおよび第2の内
面1018Bの両方の上に配置される。
【0022】
第1の内面1018Aおよび第2の内面1018Bは、別個の円弧形状の輪郭(すなわ
ち、それらの断面は、異なる焦点を有する湾曲セグメントである)を有し、第1の内面1
018Aの輪郭は、第2の内面1018Bの輪郭の鏡像である。換言すれば、第1の内面
1018Aおよび第2の内面1018Bは、互いの反射であり、その結果、それらが共に
鏡/反射対称性を有する。第1の内面1018Aおよび第2の内面1018Bは、各々、
円弧形状の輪郭および放物線形状の輪郭のいずれかを有し得る。
【0023】
図1Aおよび1Bに示される例では、隔壁1005A、1005Bは、発光ダイオード
1009と光触媒1004との間に配置され、それらを分離する2つの透過材料の層を備
える。これらの2つの透過材料の層は、隙間によって第2の透過材料の層1005Bから
分離された第1の透過材料の層1005Aを備える。これらの透過材料の層1005A、
1005Bは、空気に対して不透過性であり、発光ダイオード1009によって放出され
る放射に対して透過性である。図1Aおよび1Bに示される例では、2つの透過材料の層
1005A、1005Bは、管状であり、LED PCB1012の周りに同心円状に配
置され、これらの管の最も内側は、その内にLED PCB1012が位置し、発光ダイ
オード1009を冷却するために空気流が導管を通過することが可能であるように配置さ
れる導管を提供する。
【0024】
発光ダイオード1009と光触媒1004との間に二重層の隔壁を設けることによって
、汚染物質を含有する空気流を受け入れるように配置された反応チャンバ1001の第1
の部分1019と、LED PCB1012を収容する第2の部分1020との間の熱損
失が減少し、それによってエネルギー効率が改善する。この熱損失の減少は、発光ダイオ
ード1009の能動冷却を実施するときに特に有益である。
【0025】
図2Aおよび2Bは、改良された光触媒反応器のさらなる例を示す。光触媒反応器は、
概して参照番号2000によって示される。光触媒反応器2000は、1つ以上の空中汚
染物質を含む空気流を受け取るように配置された反応チャンバ2001と、1つ以上の汚
染物質を光触媒分解するための光触媒2004とを備え、光触媒2004は、反応チャン
バ2001によって提供される基板2003上に配置される。光触媒反応器2000は、
図1Aおよび1Bを参照して上述したものと非常に類似しており、したがって、対応する
参照番号は、これらの実施形態の同様のまたは対応する部分もしくは特徴に使用される。
特に、光触媒反応器2000は、反応チャンバ2001の長さに沿って延在する細長いL
ED PCB2012を取り囲む細長い反応チャンバ2001を備える。反応チャンバ2
001は、反応チャンバ2001の第1の端に反応チャンバ入口(図示せず)を備え、反
応チャンバ2001の第2の端に反応チャンバ出口(図示せず)を備え、反応チャンバ入
口と反応チャンバ出口との間を通過する空気流は、基板2003上に配置された光触媒2
004に接触する。次いで、隔壁/障壁2005は、反応チャンバ2001をLED P
CB2012から分離し、この隔壁2005の少なくとも一部は、発光ダイオード200
9、2010によって放出される放射線に対して透過性であるため、光触媒2004は、
発光ダイオード2009、2010によって照らされ得る。
【0026】
図2Aおよび2Bに示される例では、LED PCB2012は、両面を有する。した
がって、LED PCB2012は、プリント回路基板の第1の側面2006に取り付け
られた複数の第1の発光ダイオード2009とプリント回路基板の第2の側面2007に
取り付けられた複数の第2の発光ダイオード2010とを有するプリント回路基板200
8を備える。したがって、LED PCB2012は、両面回路基板および多層回路基板
のいずれかを備える。LED PCB2012の第1の発光ダイオード2009は、離間
し、LED PCB2012の長さの第1の側面2006に沿って長手方向に整列し、第
2の発光ダイオード2010は、離間し、LED PCB2012の長さの第2の側面2
007に沿って長手方向に整列し、それによって、光触媒反応器2000の全長に沿って
光源を提供する。
【0027】
次に、光触媒分解を促進するために、基板2003が第1の発光ダイオード2009お
よび第2の発光ダイオード2010の両方によって照射されるように、光触媒反応器20
00が配置される。特に、基板2003は、LED PCB2012を遮るように配置さ
れ、LED PCB2012の発光ダイオード2009、2010から放出された光は、
基板2003に衝突する。そのために、基板2003は、LED PCB2012を取り
囲むように配置される。
【0028】
図2Aおよび2Bに示される例では、光触媒反応器2000の反応チャンバ2001も
また、両面を有する。したがって、反応チャンバ2001は、第1の側面2001Aおよ
び第2の側面2001Bを備え、第1の側面2001Aは、プリント回路基板2008の
第1の側面2006および第2の側面2001Bに設けられた第1の発光ダイオード20
09によって照らされるように配置され、プリント回路基板2008の第2の側面200
7に設けられた第2の発光ダイオード2010によって照らされるように配置される。
【0029】
両面光触媒反応器を提供することによって、全体の容積を損なうことなく反応器の長さ
を短縮する。これは、光触媒反応器を家庭用空気処理装置に統合するときに特に重要であ
り、材料のコスト、特に隔壁2005A、2005Bおよびプリント回路基板2008に
関連するコストを削減する。
【0030】
次いで、反応チャンバ2001の第1の側面2001Aおよび第2の側面2001Bは
図1Aおよび1Bに示される反応チャンバ1001のフィン付き配置をそれぞれ複製す
る。具体的には、反応チャンバ2001の第1の側面2001Aは、第1のセットのフィ
ン群2011Aのおよび第2のセットのフィン群2011Bを備え、反応チャンバ200
1の第2の側面2001Bは、第3のセットのフィン群2011Cおよび第4のセットの
フィン群2011Dを備え、光触媒2004は、各フィン2011の少なくとも1つの面
2013上に配置される。第1のセットのフィン群2011Aおよび第2のセットのフィ
ン群2001Bは、第1の発光ダイオード2009からの光が各フィン2011A、20
11Bの面2013の長さの少なくとも一部を面2013の高さ全体に沿って照らすよう
に配置される。次に、第3のセットのフィン群2011Cおよび第4のセットのフィン群
2011Dは、第2の発光ダイオード2010からの光が各フィン2011C、2011
Dの面2013の長さの少なくとも一部を面2013の高さ全体に沿って照らすように配
置される。
【0031】
反応チャンバ2001の第1の側面2001A上で、第1のセットのフィン群2011
Aの各々は、フィン2011Aの基端2015からフィンの先端2016を通って延在す
るライン(例えば、フィンの高さに沿って延在し、翼弦線に類似するライン)が第1の収
束点または交点F1に向けられるように配置される。次いで、第2のセットのフィン群2
011Bの各々は、フィン2011Bの基端2015からフィン2011Bの先端201
6を通って延在する線が第2の収束点F2に向けられるように配置される。第1の収束点
F1は、第2の収束点F2とは異なり、第1の収束点F1と第2の収束点F2との両方が
、第1の発光ダイオード2009の位置に対してオフセットする。
【0032】
対応して、反応チャンバ2001の第2の側面2001B上で、第3のセットのフィン
群2011Cの各々は、フィン2011Cの基端2015からフィンの先端2016を通
って延在するラインが第3の収束点または交点F3に向けられるように配置される。次い
で、第4のセットのフィン群2011Dの各々は、フィン2011Dの基端2015から
フィン2011Dの先端2016を通って延在するラインが第4の収束点F4に向けられ
るように配置される。第3の収束点F3は、第4の収束点F4とは異なり、第3の収束点
F3と第4の収束点F4との両方が、第2の発光ダイオード2010の位置に対してオフ
セットする。
【0033】
第1のセットのフィン群2011Aは、反応チャンバ2001の第1の側面2001A
上の第1の内面2018Aから内向きに延在し、第2のセットのフィン群2011Bは、
反応チャンバ2001の第1の側面2001B上の第2の内面2018Bから内向きに延
在し、第1の内面2018Aおよび第2の内面2018Bは、概して第1の発光ダイオー
ド2009に面する。第3のセットのフィン群2011Cは、反応チャンバ2001の第
2の側面2001B上の第3の内面2018Cから内向きに延在し、第4のセットのフィ
ン群2011Dは、反応チャンバ2001の第2の側面2001B上の第4の内面201
8Dから内向きに延在し、第3の内面2018Cおよび第4の内面2018Dは、概して
第2の発光ダイオード2010に面する。
【0034】
図2Aおよび2Bから分かるように、LED PCB2012は、基板2003によっ
て画定された空間容積内の中心に位置する。次いで、隔壁2005は、発光ダイオード2
009、2010と光触媒2004との間に配置され、これらを分離する単層の透過材料
を備える。この透過材料の層は、空気に対して不透過性であり、発光ダイオード2009
、2010によって放出される放射線を透過する。図2Aおよび2Bに示される例では、
単層の透過材料2005は、管状であり、LED PCB3012の周りに同心円状に配
置される。この透過材料2005の管は、その内にLED PCB1012が位置し、発
光ダイオード2009、2010を冷却するために空気流が導管を通過できるように配置
された導管を提供する。
【0035】
当業者は、図1A、1B、2Aおよび2Bの光触媒反応器の重要な特徴を組み合わせる
ことが可能であることを理解するであろう。したがってここに、改良された光触媒反応器
のさらなる例を、図3Aおよび3Bを参照して説明する。光触媒反応器は、概して参照番
号3000で示される。光触媒反応器3000は、1つ以上の空中汚染物質を含む空気流
を受け取るように配置された反応チャンバ3001と、1つ以上の汚染物質を光触媒分解
するための光触媒3004とを備え、光触媒3004は、反応チャンバ3001によって
設けられる基板3003上に配置される。光触媒反応器3000は、図2Aおよび2Bを
参照して上記したものと非常に類似しており、したがって、対応する参照番号は、これら
の実施形態の同様のまたは対応する部品もしくは特徴に使用される。特に、光触媒反応器
3000は、反応チャンバ3001の長さに沿って延在する細長いLED PCB301
2を取り囲む細長い反応チャンバ3001を備える。反応チャンバ3001は、反応チャ
ンバ3001の第1の端に反応チャンバ入口(図示せず)と、反応チャンバ3001の第
2の端に反応チャンバ出口(図示せず)と、を備え、反応チャンバ入口と反応チャンバ出
口との間を通過する空気流は、基板3003上に配置された光触媒3004に接触する。
次いで、隔壁/障壁3005A、3005Bは、反応チャンバ3001をLED PCB
3012から分離し、この隔壁3005A、3005Bの少なくとも一部は、発光ダイオ
ード3009、3010によって放出される放射に対して透過性であるため、光触媒30
04は、発光ダイオード3009、3010によって照らされ得る。
【0036】
図3Aおよび3Bに示される例では、LED PCB3012および反応チャンバ30
01の両方は、両面を有する。しかしながら、図2Aおよび2Bに示される例とは異なり
、光触媒304をLED PCB3012から分離する隔壁3005A、3005Bは、
2つの透過材料の層を備える。これらの2つの透過材料の層は、隙間によって第2の層の
透過材料3005Bから分離された第1の層の透過材料3005Aを備える。これらの層
の透過材料3005A、3005Bは、空気に対して不透過性であり、発光ダイオード3
009、3010によって放出される放射に対して透過性である。図3Aおよび3Bに示
される例では、2つの層の透過材料3005A、3005Bは、管状であり、LED P
CB3012の周りに同心円状に配置され、これらの管の最も内側は、その内にLED
PCB3012が位置し、発光ダイオード3009、3010を冷却するために空気流が
導管を通過できるように配置される導管を提供する。
【0037】
改良された光触媒反応器のさらなる例を、図4を参照して説明する。光触媒反応器は、
概して参照番号4000で示され、図4において、断面で示される。光触媒反応器400
0は、各々、1つ以上の空中汚染物質を含む空気流を受け取るように配置された3つの反
応チャンバ4001、4101、4201と、1つ以上の汚染物質を光触媒分解するため
の光触媒4004と、を備え、光触媒4004は、反応チャンバ4001、4101、4
201の各々によって提供される基板4003上に配置される。光触媒反応器4000は
、反応チャンバ4012、4112、4212の各々の内に発光ダイオードプリント回路
基板(「LED PCB」)4012、4112、4212をさらに備える。各LED
PCB4012、4112、4212は、プリント回路基板4008の第1の側面に取り
付けられた複数の発光ダイオード4009を有するプリント回路基板4008を備える。
光触媒反応器4000は、光触媒分解を促進するために、反応チャンバ4001、410
1、4201の各々によって提供される基板4003が、対応するLED PCB401
2、4112、4212の発光ダイオード4009によって照らされるように配置される
。特に、反応チャンバ4012、4112、4212の各々によって提供される基板40
03は、対応するLED PCB4012、4112、4212を遮るように配置され、
LED PCB4012、4112、4212の発光ダイオード4009から放出される
光は、基板4003に衝突する。
【0038】
図4に示される例では、反応チャンバ4001、4101、4201の各々は、細長く
、反応チャンバ4001、4101、4201の長さに沿って延在するそれぞれの細長い
LED PCB4012、4112、4212を取り囲む。反応チャンバ4001、41
01、4201の各々は、反応チャンバの第1の端に反応チャンバ入口(図示せず)と、
反応チャンバの第2の端に反応チャンバ出口(図示せず)とを備え、反応チャンバ入口と
反応チャンバ出口との間を通過する空気流は、基板4003上に配置された光触媒400
4に接触する。次いで、隔壁/障壁4005は、光触媒4004を各LED PCB40
12、4112、4212から分離し、隔壁4005の少なくとも一部は、発光ダイオー
ド4009によって放出される放射線に対して透過性であり、光触媒4004は、発光ダ
イオード4009によって照らされ得る。次に、各LED PCB4012、4112、
4212の複数の発光ダイオード4009は、離間し、プリント回路基板4008の長さ
の第1の側面に沿って長手方向に整列し、それによってそれぞれの反応チャンバ4001
、4101、4201の全長に沿って光源を提供する。
【0039】
図4に示される例では、各反応チャンバ4001、4101、4201の基板4003
は複数の突起を備え、この複数の突起は、フィン4011A、4011Bによって設けら
れ反応チャンバ4001A、4001B、4001Cの内面から離れて各々内向きに延在
し、光触媒4004が、各フィン4011A、4011Bの少なくとも1つの面上に配置
される。これらのフィン4011A、4011Bは、汚染物質の光触媒分解のための高い
表面積を提供する。各フィン4011A、4011Bは、細長く、細長い反応チャンバ4
001A、4001B、4001Cの長さに沿った長さと、フィン4011A、4011
Bが反応チャンバ4001、4101、4201のそれぞれの内面から離れて内向きにど
れだけ延在するかによって画定される高さとを有する。したがって、フィン4011A、
4011Bは、長手形状であり、各フィン4011A、4011Bの長手方向軸は、発光
ダイオード4009の光軸に対して垂直である。したがって、フィン4011A、401
1Bは、空気入口から空気出口までの空気の流のためのそれぞれの反応チャンバ4001
、4101、4201の長さに沿って延在するチャネル4002をそれらの間に画定する
。図示の例では、各フィン4011A、4011Bは、その高さに沿って直線状の断面(
すなわち、フィンの輪郭)を有する。しかし、別の配置では、各フィン4011A、40
11Bは、湾曲した断面を有し得る。
【0040】
各反応チャンバ4001、4101、4201内のフィン4011A、4011Bは、
第1のセットのフィン群4011Aおよび第2のセットのフィン群4011Bを備え、光
触媒1004は、各フィン上に配置される。第1のセットのフィン群4011Aおよび第
2のセットのフィン群4011Bは、対応する発光ダイオード4009からの光が、面4
013の高さ全体に沿って各フィン4011A、4011Bの面4013の長さの少なく
とも一部を照らすように配置される。換言すれば、反応チャンバ4001、4101、4
201内で、各発光ダイオード4009は、隣接するフィンからの影を受けることなく、
各フィン4011A、4011Bの少なくとも1つの面4013の全高を照らす。とはい
え、複数の発光ダイオード4009(例えば、長手方向に分布した複数の発光ダイオード
)は、フィン4011A、4011Bの全長を照らすために必要であり得る。各反応チャ
ンバ4001、4101、4201内で、発光ダイオード4009は、各フィン4011
A、4011Bの少なくとも1つの面4013の長さの、異なるが重複する可能性がある
部分を各々照らすように分布する。
【0041】
図4に示される例では、各反応チャンバ4001、4101、4201内で、第1のセ
ットのフィン群4011Aの各々は、フィン4011Aの基端4015からフィンの先端
4016を通って延在するライン(例えば、フィンの高さに沿って延在し、翼弦線に類似
するライン)が第1の収束点または交点F1に向けられるように配置される。次いで、第
2のセットのフィン群4011Bの各々は、フィン4011Bの基端4015からフィン
4011Bの先端4016を通って延在するラインが第2の収束点F2に向けられるよう
に配置される。第1の収束点F1は、第2の収束点F2とは異なり、第1の収束点F1と
第2の収束点F2との両方は、発光ダイオード4009の位置に対してオフセットする。
【0042】
第1のセットのフィン群4011Aは、それぞれの反応チャンバ4001、4101、
4201の第1の内面4018Aから内向きに延在し、第2のセットのフィン群4011
Bは、それぞれの反応チャンバ4001、4101、4201の第2の内面4018Bか
ら内向きに延在し、第1の内面4018Aおよび第2の内面4018Bは、概して発光ダ
イオード4009に面する。第1の内面4018Aおよび第2の内面4018Bは、発光
ダイオードの光軸の周りに対称的に配置され、その結果、第1のセットのフィン群401
1Aは、各発光ダイオード4009の第1の半分によって照らされるように配置され、第
2のセットのフィン群4011Bは、各発光ダイオード4009の第2の半分によって照
らされるように配置される。図4に示される例では、光触媒4004はまた、各反応チャ
ンバ4001、4101、4201の第1の内面4018Aおよび第2の内面4018B
の両方の上に配置される。
【0043】
各反応チャンバ4001、4101、4201内で、第1の内面4018Aおよび第2
の内面4018Bは、別個の弧状の輪郭を有し(すなわち、それらの断面は、異なる焦点
を有する湾曲セグメントである)、第2の内面4018Bの輪郭の鏡像である第1の内面
4018Aの輪郭を有する。換言すれば、第1の内面4018Aおよび第2の内面401
8Bは、互いの反射であり、その結果、共に鏡/反射対称性を有する。第1の内面401
8Aおよび第2の内面4018Bは各々、円弧形状の輪郭および放物線形状の輪郭のいず
れかを有し得る。
【0044】
図4から分かるように、反応チャンバ4001、4101、4201は、共通の軸の周
りに分布する。特に、3つの反応チャンバ4001、4101、4201は、配置が共通
軸の周りで3回回転対称性を有するように配置される。3つの反応チャンバ4001、4
101、4201はまた、反応チャンバ4001、4101、4201の基板4003が
、その内にLED PCB4012、4112、4212が位置する空間の容積を画定す
るように、連続して配置される。隔壁4005は、LED PCB4012、4112、
4212の間に配置され、これらを光触媒4004から分離する、単層の透過材料を備え
る。この透過材料の層は、空気に対して不透過性であり、発光ダイオード4009によっ
て放出される放射に対して透過性である。図4に示される例では、単層の透過材料400
5は、分岐管の形態を有し、LED PCB4012、4112、4212の周りに同心
円状に配置される。この分岐管の透過材料4005は、その内にLED PCB4012
、4112、4212が位置し、発光ダイオード4009を冷却するために空気流が導管
を通過できるように配置された導管を提供する。
【0045】
上記の光触媒反応器4000は、3つの反応チャンバを備える。当業者は、光触媒反応
器4000が任意の数の反応チャンバを備え得ることを理解するであろう。上記の光触媒
反応器4000は、細長い。当業者は、必ずしもそうである必要がないことを理解するで
あろう。
【0046】
図1A、1B、2A、2B、3A、3Bおよび4の光触媒反応器はすべて、照射される
表面積を最大にし、それによって光触媒反応器の効率を最大にするように配置された、フ
ィンを備える。そうすることで、この配置はまた、影の欠如が各発光ダイオードによって
照射される表面積を最適化するため、フィンを照らすために必要な発光ダイオードの数を
最小限に抑える。
【0047】
図1A、1B、2A、2B、3A、3Bおよび4の光触媒反応器はすべて、光触媒の比
較的大きな表面積を提供するフィンを備える。このようなフィンを備えない代替の改良さ
れた光触媒反応器の例を、図5Aおよび5Bを参照して説明する。光触媒反応器は、概し
て参照番号5000で示される。光触媒反応器5000は、各々1つ以上の空中汚染物質
を含む空気流を受け取るように配置された2つの反応チャンバ5001、5101と、1
つ以上の汚染物質を光触媒分解するための光触媒5004と、を備え、光触媒5004は
、反応チャンバ5001、5101の各々によって提供される基板5003、5103上
に配置される。図5Aおよび5Bに示される例では、光触媒反応器5000は、両面発光
ダイオードプリント回路基板(「LED PCB」)5012をさらに備える。したがっ
て、LED PCB5012は、プリント回路基板5008の第1の側面5006に取り
付けられた複数の第1の発光ダイオード5009とプリント回路基板5008の第2の側
面5007に取り付けられた複数の第2の発光ダイオード5010とを有する、プリント
回路基板5008を備える。したがって、LED PCB5012は、両面回路基板およ
び多層回路基板のいずれかを備える。
【0048】
次に、光触媒反応器5000は、第1の反応チャンバ5001の基板5003が、プリ
ント回路基板5008の第1の側面5006に取り付けられた第1の発光ダイオード50
09によって照らされるように配置され、一方、第2の反応チャンバ5101の基板51
03は、プリント回路基板5008の第2の側面5007に取り付けられた第2の発光ダ
イオード5010によって照らされるように配置される。特に、第1の反応チャンバ50
01の基板5003は、LED PCB5012を遮るように配置され、第1の発光ダイ
オード5009から放出された光は、基板5003に衝突し、一方、第2の反応チャンバ
5101の基板5103は、LED PCB5012を遮るように配置され、第2の発光
ダイオード5010から放出された光は、基板5103に衝突する。
【0049】
図5Aおよび5Bに示される例では、光触媒反応器5000は細長く、第1および第2
の反応チャンバ5001、5101が光触媒反応器5000の軸の周りに分布し、配置は
、軸の周りで2回回転対称を有する。また、反応チャンバ5001、5101は、反応チ
ャンバ5001、5101の基板5003、5103がその内にLED PCB5012
が位置する空間容積を画定するように、連続して配置される。特に、LED PCB50
12は、細長く、細長い光触媒反応器5000内で軸方向に整列し、反応チャンバ500
1、5101の長さに沿って延在する。LED PCB5012の第1の発光ダイオード
5009は、離間し、LED PCB5012の長さの第1の側面5006に沿って長手
方向に整列し、第2の発光ダイオード5010は、離間し、LED PCB5012の長
さの第2の側面5007に沿って長手方向に整列し、それによって、光触媒反応器500
0の全長に沿って光源を提供する。
【0050】
次いで、反応チャンバ5001、5101は各々、反応チャンバ5001、5101の
第1の端に反応チャンバ入口(図示せず)と、反応チャンバ5001、5101の第2の
端に反応チャンバ出口(図示せず)と、を備え、反応チャンバ入口と反応チャンバ出口と
の間を通過する空気流は、それぞれの基板5003、5103上に配置された光触媒50
04に接触する。次いで、隔壁/障壁5005は、反応チャンバ5001、5101をL
ED PCB5012から分離し、この隔壁5005の少なくとも一部は、発光ダイオー
ド5009、5010によって放出される放射線に対して透過性であり、光触媒5004
は、発光ダイオード5009、5010によって照らされ得る。図5Aおよび5Bに示さ
れる例では、隔壁5005は、管状であり、LED PCB5012の周りに同心円状に
配置される、単層の透過材料を備える。この透過材料の管は、その内にLED PCB5
012が位置し、発光ダイオード5009、5010を冷却するために空気流が導管を通
過可能であるように配置された、導管を提供する。
【0051】
図5Aおよび5Bに示される例では、反応チャンバ5001、5101の各々は、第1
の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B、5118Bを備え、光触媒
5004は、第1の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B、5118
Bの両方に配置される。第1の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B
、5118Bは、別個の放物線形状の輪郭を有し、これは、それらの断面が、異なる焦点
を有する湾曲セグメントであり、第2の内面5018B、5118Bの輪郭の鏡像である
第1の内面5018A、5118Aの輪郭を有することを意味する。次に、光触媒反応器
5000は、LED PCB5012の対応する面5006、5007の発光ダイオード
5009、5010が第1の内面5018A、5118Aと第2の内面5018B、51
18Bとの両方を照らすように配置される。特に、各反応チャンバ5001、5101の
第1の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B、5118Bは、対応す
る発光ダイオード5009、5010の光軸Oの周りに対称的に配置され、その結果、第
1の内面5018A、5118Aは、発光ダイオード5009、5010の第1の半分に
よって照らされ、第2の内面5018B、5118Bは、発光ダイオード5009、50
10の第2の半分によって照らされるように配置される。各反応チャンバ5001、51
01の第1の内面5018A、5118Aおよび第2の内面5018B、5118Bもま
た、連続する。
【0052】
図5Aおよび5Bの配置では、表面特徴(例えば、フィンまたは他の突起)の欠如によ
って、光触媒5004の総表面積が図1A、1B、2A、2B、3A、3Bおよび4に示
される配置と比較して減少する一方で、光触媒5004を担持する基板5003、510
3が、光触媒5004の放射照度を最大にするために、光源5009、5010のできる
だけ近くに配置される。しかしながら、空気が光触媒反応器5000を通過可能にするた
めには、隔壁5005と基板5003、5103との間に隙間が必要であり、隔壁500
5と基板5003、5103との間の離隔距離を最適化することによって、反応チャンバ
5001、5101内の空気の洗浄および混合を最適化するより薄い空気の層が提供され
る。図5Aおよび5Bに示される例では、隔壁5005は、約35mmの直径Dを有し、
隔壁5005の外面と基板5003、5013との間の離隔距離Sは、最大約3mmを有
する。しかしながら、離隔距離Sは、最大で10mm以下、好ましくは7mm以下、より
好ましくは1mm~7mmであり得る。
【0053】
光触媒反応器内の空気が均等に処理されるように、触媒表面全体に均一な放射照度を生
成することも望ましい。ただし、LEDは、円筒対称に光を放出するのではなく、ランベ
ルト分布で光を放出する。LED光源を利用する従来の光触媒反応器は、通常、円筒状の
基板を有し、したがって、LEDによって放射される光を基板の表面全体に均一に分布さ
せるために、LEDと基板との間に配置されるレンズを必要とし、レンズの搭載によって
、LEDパッケージにコストおよび大きさが追加される。この問題を克服するために、出
願人は、断面形状が2つの別個の放物線弧によって画定される基板を提供することによっ
て、基板のより均一な放射照度が得られることを発見した。特に、そのような放物線輪郭
の使用は、LED光源によって提供される局所放射照度を考慮に入れるために、触媒を有
する内面の成形を容易にする。放物線輪郭を有するこのような内面は、角度αの関数とし
ての内面での放射照度の差を減少させることを可能にし、光触媒を設けた内面でより大き
な放射照度均一性を提供する。この点に関して、第1の内面5018A、5118Aおよ
び第2の内面5018B、5118Bの各々の断面輪郭形状は、ベジエ曲線、特に2次ベ
ジエ曲線によって画定され得る。したがって、第1の5018A、5118Aおよび第2
の5018B、5118Bの各々の断面輪郭は、次の式によって定義される3点ベジエ曲
線によって画定され得る。
【0054】
【数1】
【0055】
ここで、P0は、曲線の始点、P2は、曲線の終点、P1は、曲線の制御点である。ベ
ジエ曲線を使用すると、角度αの関数として、光触媒表面でより均一な放射照度を提供す
ることが可能である。
【0056】
前述のように、当業者は、空気処理装置において従来の光触媒反応器の代わりに上記の
光触媒反応器が使用され得ることを理解するであろう。
【0057】
前述の説明において、既知、明白なまたは予見可能な均等物を有する整数または要素が
言及されている場合、そのような均等物は、あたかも個別に記載されているかのように本
明細書に組み込まれる。本発明の真の範囲を決定するために特許請求の範囲を参照すべき
であり、特許請求の範囲はそのような等価物を包含するように解釈されるべきである。ま
た、好ましい、有利、便利などと記載された本発明の構成要素または特徴は任意であり、
独立請求項の範囲を限定しないことを読者は理解するであろう。さらに、そのような任意
の整数または特徴は、本発明のいくつかの実施形態では有益である可能性があるが、望ま
しくない場合があり得、したがって他の実施形態では存在しない場合があり得ることを理
解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の空中汚染物質を受け取るように配置された光触媒反応器であって、
基板上に配置されて1つ以上の前記汚染物質を光触媒分解するための光触媒と、
光触媒分解を促進するために前記光触媒を照射するための1つ以上の光源と、
前記光触媒と前記1つ以上の光源との間に配置され、それらを分離する少なくとも2つの透過材料の層と、
を備える、光触媒反応器。
【請求項2】
前記少なくとも2つの透過材料の層は、隙間によって第2の透過材料の層から分離された第1の層の透過材料を備える、請求項1に記載の光触媒反応器。
【請求項3】
前記光触媒反応器は、前記光触媒を含む第1の部分と、前記1つ以上の光源を含む第2の部分と、を備え、少なくとも2つの透過材料の層は、前記第2の部分から前記第1の部分を分離する、請求項1又は2に記載の光触媒反応器。
【請求項4】
前記第1の部分は、1つ以上の空中汚染物質を含む空気流を受け取るように配置され、前記第2の部分は、前記1つ以上の光源に接触して空冷を提供する空気流を受け取るように配置される、請求項3に記載の光触媒反応器。
【請求項5】
前記1つ以上の光源が、1つ以上の発光ダイオードを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の光触媒反応器。
【請求項6】
前記1つ以上の光源が、回路基板に取り付けられた1つ以上の複数の発光ダイオードを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の光触媒反応器。
【請求項7】
前記少なくとも2つの透過材料の層は、前記1つ以上の光源の周りに同心円状に配置された少なくとも2つの導管を備え、各導管の少なくとも一部は、前記透過材料を備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の光触媒反応器。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の光触媒反応器を備える空気処理装置。
【請求項9】
1つ以上の空中汚染物質を受け取るように配置された光触媒反応器であって、
基板上に配置されて1つ以上の前記汚染物質を光触媒分解するための光触媒と、
1つ以上の第1の発光ダイオードが第1の側面に取り付けられ1つ以上の第2の発光ダイ
オードが第2の側面に取り付けられた回路基板を備える発光ダイオード回路基板と、
を備え、
前記基板は、前記1つ以上の第1の発光ダイオードおよび前記1つ以上の第2の発光ダイオードの両方によって照らされるように配置され、少なくとも2つの透過材料の層が、前記発光ダイオード回路基板と前記光触媒との間に配置されてそれらを分離する、
光触媒反応器。
【請求項10】
請求項9に記載の光触媒反応器を備える空気処理装置。
【外国語明細書】