(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109851
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】間欠性絶食に関連するβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)の組成物およびその使用法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/19 20060101AFI20240806BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20240806BHJP
A61K 31/215 20060101ALI20240806BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20240806BHJP
【FI】
A61K31/19
A61P3/04
A61K31/215
A23L33/10
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024084974
(22)【出願日】2024-05-24
(62)【分割の表示】P 2020557120の分割
【原出願日】2019-01-04
(31)【優先権主張番号】62/613,952
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520243617
【氏名又は名称】テキサス・テック・ユニバーシティー・オフィス・オブ・リサーチ・コマーシャライゼーション
(71)【出願人】
【識別番号】512157966
【氏名又は名称】メタボリック・テクノロジーズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100157923
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴喰 寿孝
(72)【発明者】
【氏名】ティンズリー,グラント
(72)【発明者】
【氏名】ラスメイチャー,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ピッチフォード,リサ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】間欠性絶食を行っている個体において、除脂肪体重の喪失を軽減し、除脂肪量を増加させ、筋性能を改善し、体脂肪喪失を増加させ、そして体脂肪パーセントを減少させるための方法を提供する。
【解決手段】間欠性絶食を行っている個体において脂肪喪失を促進するための方法であって、該個体に、約0.5g~約30gのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を含む組成物を投与する工程を含む、前記方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠性絶食を行っている個体において脂肪喪失を促進するための方法であって、該個体に、約0.5g~約30gのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を含む組成物を投与する
工程を含む、前記方法。
【請求項2】
前記HMBが、遊離酸型、その塩、そのエステルおよびそのラクトンからなる群より選択される、請求項1の方法。
【請求項3】
前記HMBがカルシウム塩である、請求項1の方法。
【請求項4】
前記HMBが遊離酸型である、請求項1の方法。
【請求項5】
前記間欠性絶食が時間制限摂食である、請求項1の方法。
【請求項6】
前記間欠性絶食が隔日絶食である、請求項1の方法。
【請求項7】
脂肪喪失を加速させる方法であって、間欠性絶食を行っている個体に約0.5g~約30gのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項8】
前記HMBが、遊離酸型、その塩、そのエステルおよびそのラクトンからなる群より選択される、請求項7の方法。
【請求項9】
前記HMBがカルシウム塩である、請求項7の方法。
【請求項10】
前記HMBが遊離酸型である、請求項7の方法。
【請求項11】
前記間欠性絶食が時間制限摂食である、請求項7の方法。
【請求項12】
前記間欠性絶食が隔日絶食である、請求項7の方法。
【請求項13】
間欠性絶食を行っている個体において筋性能を改善する方法であって、約0.5g~約30gのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を消費する工程を含む、前記方法。
【請求項14】
前記HMBが、遊離酸型、その塩、そのエステルおよびそのラクトンからなる群より選択される、請求項13の方法。
【請求項15】
前記HMBがカルシウム塩である、請求項13の方法。
【請求項16】
前記HMBが遊離酸型である、請求項13の方法。
【請求項17】
前記間欠性絶食が時間制限摂食である、請求項13の方法。
【請求項18】
前記間欠性絶食が隔日絶食である、請求項13の方法。
【請求項19】
個体において除脂肪量を増加させる方法であって、間欠性絶食を行っている個体に約0.5g~約30gのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を投与する工程を
含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本出願は、2018年1月5日出願の米国仮特許出願第62/613,952号に優先権を請求し、そして該仮出願は本明細書に援用される。
【0002】
分野
本発明は、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を含む組成物、および間欠性絶食(IF)と関連して該組成物を用いて、除脂肪体重喪失を軽減し、除脂肪量を増加させ、筋性能を改善し、体脂肪喪失を増加させ、そして体脂肪パーセントを減少させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
肥満の有病率増加は、大きな保健衛生上の危機である。2030年までに、米国の成人集団のおよそ50%が肥満となり、これには2型糖尿病(T2D)、心臓血管疾患(CVD)、高血圧、および多くの癌の増加の大きな結果が伴うと推定される。有効な長期療法アプローチはなく、その結果、肥満の管理には、代替法が調べられ続けているが、成功は限定的である。隔日絶食(ADF)と称される間欠性絶食(IF)の1つのよく研究されたアプローチは、制限されない食物消費の日、およびおよそ500kcalの1回の食事を消費する修飾された絶食日を交互に行うスケジュールを指示する。ADFが、食物消費を減少させ、体組成を改善し、そして多様な心臓血管および代謝健康マーカーを有益に修飾する能力は、繰り返し立証されてきている。
【0004】
間欠性絶食(IF)は、典型的な一晩絶食より長い食物欠如の定期的発生期間を伴う摂食パターンを含む、広義の用語である(1)。連続エネルギー制限の伝統的な方法とは対照的に、IFプログラムは、より制限されないまたは制限されない摂食期間に、厳しく制限されたエネルギー摂取の期間が散在することによる、間欠性エネルギー制限を利用する。時間制限摂食(TRF)(食物摂取を1日の特定の期間、典型的には各日8~12時間の間に制限する)、隔日絶食(ADF)(1日間のゼロカロリーおよび翌日の制限を伴わない摂食を交互に行う)、隔日修飾絶食(1日間の少カロリーおよび翌日の制限を伴わない摂食を交互に行う)および定期的絶食(週あたり1または2日間の絶食および週あたり5~6日間の自由な食物消費)を含む、IFのいくつかの型が記載されてきている(2)。ヒトにおける非常に多様な現存する研究は、太り過ぎおよび肥満の成人における、IFによって誘導される体重喪失および健康上の影響に焦点を置いている。総合すると、この研究は、IFプログラムが、体重喪失および健康改善に関して、伝統的な連続エネルギー制限の実行可能な代替法であることを立証している(3~5)。
【0005】
脂肪喪失のための食餌推奨は、典型的には、毎日のカロリー制限、つまり、通常の摂食スケジュールおよび頻度にしたがうが、より少量および/またはより少ないカロリーを各食事で消費するものを伴う。間欠性絶食、または反復短期絶食の使用は、食物消費を減少させ、体組成を修飾し、そして全体の健康状態を改善するように働く。これらの短期絶食は、典型的な一晩絶食より長いが、典型的には24時間より長い期間ではない。
【0006】
エネルギー摂取の意図的な減少は、しばしば、典型的には脂肪喪失を目的として、一般集団およびアスリートで同様に実行される。こうした低カロリー食餌状態と関連する1つの重要な考慮は、除脂肪体重を維持するか、またはその喪失を遅延させる能力である。除脂肪量は、機能的な能力およびアスリートの成績のために重要であるだけではなく、除脂
肪量の減少は、過食を誘発し、そして体重喪失後の脂肪量の再増加を促進する可能性もある。さらに、除脂肪量の維持は、安静代謝率に対するその大きな寄与のため、エネルギー支出の優れた維持につながりうる。したがって、最適脂肪喪失プログラムは、除脂肪量の最大維持を促進すべきである。
【0007】
低カロリー状態中の除脂肪体重の維持に関する伝統的な懸念に加えて、IFプログラムは、タンパク質消費を伴わない12~24時間の期間を必要とする絶食期間を実行する。この期間中、筋肉タンパク質分解が筋肉タンパク質合成活性を超え、したがって骨格筋における負のタンパク質バランスを生じると予期される。骨格筋組織は、肝臓糖新生のためのアミノ酸基質を提供するため、短期絶食中に分解されうる。これらの懸念にもかかわらず、抵抗運動は、16~20時間の絶食期間を利用するIFプログラム中、除脂肪体重の喪失を防止しうることが先に立証されてきている。しかし、アスリートにおける脱トレーニング期間には、そして一般集団においては身体活動要求を充たすことが困難であることが知られているため、IFを含む脂肪喪失プログラム中、骨格筋組織の潜在的な喪失を軽減する、非エクササイズ戦略の探査が必要である。
【0008】
ますます多くの研究が、IFの生理学的効果を報告してきているが、活動的なまたはエクササイズ中の個体においては、非常に限定された数の管理された試験しか行われてきていない(6~8)。2つの以前の研究によって、抵抗運動(RT)を実行している成人男性におけるTRFの効果が報告された(7、8)。Tinsleyら(7)は、8週間のTRF中、除脂肪量増加の明らかな減弱を観察したが、この結果は、対照食餌よりも低いタンパク質摂取を自己選択したTRF群(1.0対1.4g/kg/日)では悪化し、そして活動的な個体に関して準最適であった(9、10)。にもかかわらず、筋性能においては、両群において、匹敵する改善が観察された。Moroら(8)は、TRFおよび対照食餌においてより高いタンパク質摂取(1.9g/kg/日)を指示し、そして両群が除脂肪量を維持し、そして類似の筋性能を示す一方、TRFは、脂肪量(FM)の有意な減少、および生理学的マーカーに対する示差的な影響を生じることを見出した。
【0009】
活動的な個体においてIF摂食パターンが流行しており、そしてこの集団において現存する研究が少ないことから、さらなる研究が必要であることが示される。さらに、いくつかの報告が、ヒトにおいて、IFに対する反応に潜在的に性差があることを同定している(11、12)にも関わらず、以前の試験では、女性におけるIFプラスRTの効果を調べたものはない。さらに、IFプログラムは、筋肉タンパク質合成のアミノ酸誘導性刺激および筋肉タンパク質分解の抑制を伴わない期間を長期間必要とする(13)ため、アミノ酸またはその代謝産物の摂取を許すような絶食期間の修飾が、IF中の除脂肪量維持または増加に有益でありうるかどうかが疑問とされてきている(14)。しかし、以前の研究は、これを実験的に調べてこなかった。したがって、以下に記載する研究は、活動的な女性において、漸増RT中に朝食消費を必要とする対照食餌に対して、絶食期間中、ロイシン代謝産物、ベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート(HMB)の補充を伴うまたは伴わないTRFの生理学的および成績効果を比較するように設計された。
【0010】
ADFを含む間欠性絶食を含むすべての体重喪失プログラムに関連する1つの重要な懸念は、除脂肪体重(LBM)の潜在的な喪失である。いくつかの最近のADF試験は、脂肪量喪失および有益な健康上の改善を立証してきているが、LBMの喪失もまた報告されてきている。LBMは安静代謝率および機能的能力に対して大きく貢献するため、脂肪量減少を最大にしながら、LBM喪失を最小限にする体重喪失戦略を開発することが非常に重要である。近年、抵抗運動(RT)が、しばしば間欠性絶食中に見られるLBMの喪失を減少させうることが立証されてきており、そしてADFおよび有酸素エクササイズの組み合わせが、どちらか個々の処置よりも、より多くの体重および脂肪喪失を生じることもまた立証されてきている。しかし、これらの戦略のいずれも、LBMの関連する喪失を完
全に逆転させるには十分ではなかった。
【0011】
HMB
アルファ-ケトイソカプロエート(KIC)はロイシンの第一の主要でそして活性である代謝産物である。KIC代謝のより少ない産物は、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)である。HMBは、多様な適用の背景内で有用であることが見出されてきている。特に、米国特許第5,360,613号(Nissen)において、HMBは、総コレステロールおよび低密度リポタンパク質コレステロールの血中レベルを減少させるために有用であると記載されている。米国特許第5,348,979号(Nissenら)において、HMBは、ヒトにおいて、窒素保持を促進するために有用であると記載される。米国特許第5,028,440号(Nissen)は、動物において、除脂肪組織発生を増加させるためのHMBの有用性を論じる。また、米国特許第4,992,470号(Nissen)において、HMBは、哺乳動物の免疫反応を増進する際に有効であると記載される。米国特許第6,031,000号(Nissenら)は、疾患関連消耗を治療するためのHMBおよび少なくとも1つのアミノ酸の使用を記載する。
【0012】
タンパク質分解を抑制するためのHMBの使用は、ロイシンがタンパク質節約(protein-sparing)特性を有するという観察から生じる。必須アミノ酸ロイシンは、タンパク質合成に用いられるか、またはα-ケト酸(α-ケトイソカプロエート、KIC)にアミノ基転移されるか、いずれも可能である。1つの経路において、KICはHMBに酸化されることも可能であり、そしてこれは、ロイシン酸化のおよそ5%を占める。HMBは、筋肉量および強度を増進させる際に、ロイシンより優れている。HMBの最適効果は、HMBのカルシウム塩として投与された際、1日あたり3.0グラム、または1日あたり0.038g/kg体重で達成可能である一方、ロイシンの最適効果は、1日あたり30.0グラムより多くを必要とする。
【0013】
ひとたび産生されるかまたは摂取されると、HMBは2つの運命を有するようである。第一の運命は、尿中への単純な排出である。HMBが供給された後、尿濃度が増加し、尿へのおよそ20~50%のHMB喪失が生じる。別の運命は、HMBのHMB-CoAへの活性化に関する。ひとたびHMB-CoAに変換されたら、さらなる代謝、HMB-CoAのMC-CoAへの脱水またはHMB-CoAのHMG-CoAへの直接変換のいずれかが起こることも可能であり、これは細胞内コレステロール合成の基質を提供する。いくつかの研究によって、HMBがコレステロール合成経路に取り込まれ、そして損傷を受けた細胞膜の再生に用いられる、新規細胞膜の供給源となりうることが示されてきている。ヒト研究によって、血漿CPK(クレアチンホスホキナーゼ)の上昇によって測定される、激しい運動後の筋肉損傷は、最初の48時間以内のHMB補充で減少することが示されてきている。HMBの保護効果は、毎日の使用を続けると、最大3週間まで続いた。多くの研究によって、HMBの有効な用量が、CaHMB(カルシウムHMB)として、1日あたり3.0グラム(~38mg・kg体重-1・日-1)であることが示されてきている。HMBは安全性に関して試験されてきており、健康な若年層または高齢成人において、副作用はまったく示さない。L-アルギニンおよびL-グルタミンと組み合わせたHMBはまた、AIDSおよび癌患者に補充した際、安全であることが示されてきている。
【0014】
最近、HMBの新たな送達型であるHMB遊離酸が開発されてきている。この新規送達型は、CaHMBより迅速に吸収され、そしてより高い組織クリアランスを有することが示されてきている。新規送達型は、米国特許公報第20120053240号に記載され、該文献はその全体が本明細書に援用される。
【0015】
HMBは、高強度エクササイズからの回復を増進し、そして筋損傷を減弱させることが立証されてきている。HMBは、TNF-アルファでのタンパク質合成の低下を減弱させ
、そしてTNFと関連するタンパク質分解を減少させる。
【0016】
HMBは、若年層およびより高齢の成人集団の両方において、健康時および疾患時、筋肉タンパク質分解を減少させ、そして筋肉タンパク質合成を促進し、その結果、LBM増加および筋機能改善を生じる。さらに、HMBは、米国特許出願第15/170,329号において、HMB消費が脂肪量減少および脂肪喪失増加を生じることが立証されてきている。
【0017】
驚くべきことに、そして予期せぬことに、HMBの投与は、間欠性絶食が誘導する体重喪失中のLBMの喪失を、抵抗運動単独よりもより高い度合いまで軽減し、それによって代謝率の維持を増進させることが発見されてきている。また、間欠性絶食プログラムに伴うHMBの投与は、間欠性絶食プログラム単独での関与に比較した際、脂肪のより多い喪失を生じることもまた発見されてきている。さらに、HMB投与および間欠性絶食プログラムと関連する脂肪喪失は、HMB単独の投与に関連する脂肪喪失よりもより多い。
【0018】
除脂肪量獲得は、間欠性絶食または対照食餌よりも、間欠性絶食およびHMB投与でより高いことが発見されてきている。さらに、安静代謝率は間欠性絶食およびHMBで増加する一方、対照食餌および間欠性絶食群では減少する。
【0019】
急性絶食(単回24時間絶食)中、HMB補充に伴って、コルチゾールが減少することもまた発見されてきている。HMB補充は、コルチゾール濃度のより迅速な減少を生じることによって、コルチゾール覚醒反応を修飾する。HMB補充はまた、男性におけるテストステロン:コルチゾール比も改変する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第5,360,613号(Nissen)
【特許文献2】米国特許第5,348,979号(Nissenら)
【特許文献3】米国特許第5,028,440号(Nissen)
【特許文献4】米国特許第4,992,470号(Nissen)
【特許文献5】米国特許第6,031,000号(Nissenら)
【特許文献6】米国特許公報第20120053240号
【特許文献7】米国特許出願第15/170,329号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の1つの目的は、間欠性絶食と組み合わせて、除脂肪体重の喪失を軽減するための組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、絶食を経験している個体において、筋性能を改善するための組成物を提供することである。
【0022】
本発明のさらなる目的は、間欠性絶食と関連して組成物を投与して、体脂肪喪失を増加させ、そして/または体脂肪パーセントを減少させる方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、間欠性絶食と関連して組成物を投与して、除脂肪量を増加させる方法を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、間欠性絶食と関連して組成物を投与して、安静代謝率を増加させる方法を提供することである。
本発明のこれらのおよび他の目的は、以下の明細、図、および請求項を参照すると、当業者には明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、これまでに直面された困難を克服することを意図する。この目的に向けて、HMBを含む組成物を提供する。該組成物をその必要がある被験体に投与する。該組成物は、その必要がある被験体によって消費される。すべての方法は、動物にHMBを投与する工程を含む。本発明に含まれる被験体には、ヒトおよび非ヒト哺乳動物が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【発明を実施するための形態】
【0026】
驚くべきことに、そして予期せぬことに、食物消費減少期間中、例えば間欠性絶食(IF)中に投与されたHMBは、食物消費減少から生じる除脂肪体重の喪失を軽減することが発見されてきている。間欠性絶食は、食物消費を減少させるために、典型的な一晩絶食よりは長いが、典型的には24時間よりも短い、短期間絶食反復を使用する。これらの絶食期間は、制限されない摂食期間と交互に行われ、そして毎日、1日おき、またはさらに週1日、実施されてもよい。
【0027】
限定されるわけではないが、制限されない食物消費の日、および単回の食事を消費するかまたは時間制限摂食(TRF)を行う修飾された絶食日を繰り返すスケジュールを指示する、隔日絶食(ADF)を含む、任意の間欠性絶食期間と組み合わせて、HMBの消費を用いてもよい。間欠性絶食は、食物消費を減少させ、体組成を改善し、そして多様な心臓血管および代謝健康マーカーを有益に修飾することが立証されてきている。HMBはまた、急性絶食と組み合わせて用いられてもよい。
【0028】
間欠性絶食を含むすべての体重喪失プログラムに関連する1つの重要な懸念は、関連するLBMの喪失であり、LBMは一般的に、有意な脂肪量喪失とともに観察され、そしてこれには有益な健康改善が付随する。LBMは安静代謝率および機能的能力に対して大きく貢献するため、脂肪量減少を最大にしながら、LBM喪失を最小限にする体重喪失戦略を開発することが非常に重要である。RTが、しばしばIF中に見られるLBMを減少させうることが立証されてきている。さらに、間欠性絶食および有酸素エクササイズの組み合わせが、どちらか個々の処置よりも、より多くの体重および脂肪喪失を生じることもまた立証されてきている。しかし、多くの個体は、エクササイズプログラムを着実に実行することに困難を感じ、そして大部分のアメリカ人は、推奨される身体活動推奨を満たしていない。したがって、エクササイズは、体重喪失プログラムの一部として奨励されるべきではあるが、体重喪失プログラム、例えば間欠性絶食中に、LBMを保持しうる、さらなる介入(最小限のエクササイズを補助するか、または事実上、完全にエクササイズではないかいずれか)に関する大きな必要性もまたある。本発明にしたがって、HMBは、間欠性絶食中にLBMを保持するために用いられる、1つのこうした介入である。HMB補充は、間欠性絶食が誘導する体重喪失中のLBM喪失を、抵抗運動単独よりもより高い度合いまで軽減し、それによって、代謝率の維持および脂肪量減少を増進させる。さらに、驚くべきことに、そして予期せぬことに、間欠性絶食プログラムと組み合わせたHMB補充が脂肪喪失を生じ、そしてこの脂肪喪失は、HMBを単独で用いた際に見られるよりも有意により高かったことが発見された。
【0029】
β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸またはβ-ヒドロキシ-イソ吉草酸は、(CH3)2(OH)CCH2COOHとして遊離酸の形で示されうる。用語「HMB」は、遊離酸および塩型の両方、ならびにその誘導体の、前述の化学式を有する化合物を指す。本発明の背景内で、任意の型のHMBを用いてもよいが、好ましくは、HMBは、遊離酸、塩、エ
ステル、およびラクトンを含む群より選択される。HMBエステルには、メチルおよびエチルエステルが含まれる。HMBラクトンには、イソバラリル(isovalaryl)ラクトンが含まれる。HMB塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、クロム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルカリ金属塩、および土類金属塩が含まれる。
【0030】
HMBおよびその誘導体を産生するための方法は、当該技術分野に周知である。例えば、ジアセトンアルコールの酸化によって、HMBを合成してもよい。1つの適切な方法は、Coffmanら, J. Am. Chem. Soc. 80: 2882-2887(1958)に記載される。本明細書に記載するように、HMBは、ジアセトンアルコールのアルカリ次亜塩素酸ナトリウム酸化によって合成される。産物は遊離酸型で回収され、これを塩に変換してもよい。例えば、HMBは、HMBの遊離酸を水酸化カルシウムで中和して、そして水性エタノール溶液からの結晶化によって回収する、Coffmanら(1958)の方法と同様の方法によって、そのカルシウム塩として調製されてもよい。HMBのカルシウム塩は、Metabolic Technologies、アイオワ州エームズより商業的に入手可能である。
【0031】
カルシウムβ-ヒドロキシ-βメチルブチレート(HMB)の補充。
20年以上前、HMBのカルシウム塩は、ヒトの栄養補助剤として開発された。研究によって、体重1kgあたり38mgのCaHMBは、平均的なヒトには有効な投薬量であるようであることが示されてきている。
【0032】
HMBがタンパク質分解を減少させ、そしてタンパク質合成を増加させる分子機構が報告されてきている。Eleyらは、HMBが、mTORリン酸化を通じて、タンパク質合成を刺激することを示すin vitro研究を行った。他の研究によって、筋肉タンパク質異化が、タンパク質分解誘導因子(PIF)、リポ多糖(LPS)、およびアンジオテンシンIIによって刺激された際に、ユビキチン-プロテオソームタンパク質分解経路の誘導の減弱を通じて、HMBがタンパク質分解を減少させることが示されてきている。さらに他の研究によって、HMBはまた、カスパーゼ-3および-8プロテアーゼの活性化も減弱させることが立証されてきている。
【0033】
HMB遊離酸型
大部分の場合、臨床研究において利用され、そしてエルゴジェニック補助として販売されるHMBは、カルシウム塩型であった。近年の進歩によって、栄養補助剤として使用するため、HMBが遊離酸型で製造されることが可能になってきている。近年、HMBの新規遊離酸型が開発されてきており、これは、CaHMBよりもより迅速に吸収され、より迅速でそしてより高いピーク血清HMBレベルおよび組織への改善された血清クリアランスを生じることが示された。
【0034】
HMB遊離酸は、したがって、特に、激しい運動の直前に投与される際には、カルシウム塩型よりもHMBを投与する、より有効な方法でありうる。しかし、一般の当業者は、本発明が任意の型のHMBを含むことを認識するであろう。
【0035】
約0.5グラムHMBから約30グラムHMBの典型的な投薬範囲を生じるような方式で、任意の型のHMBを送達および/または投与型に取り込んでもよい。
本発明の背景内で、任意の適切な用量のHMBを用いてもよい。適切な用量を計算する方法が当該技術分野に周知である。HMBの投薬量は、Ca-HMBの対応するモル量に関して示されてもよい。HMBを経口または静脈内投与してもよい投薬範囲は、24時間あたり、体重1キログラムあたり、0.01~0.2グラムHMB(Ca-HMB)の範囲内である。成人に関しては、約100~200ポンドの体重と仮定して、HMB(Ca-HMBに基づく)の経口または静脈内投薬量は、24時間あたり、被験体あたり、0.
5~30グラムの範囲であってもよい。
【0036】
組成物を可食型で経口投与する際、組成物は、好ましくは栄養補助食品、食料品または薬学的媒体の形であり、より好ましくは栄養補助食品または食料品の形である。組成物を含む任意の適切な栄養補助食品または食料品を本発明の背景内で利用してもよい。一般の当業者は、型(例えば栄養補助食品、食料品または薬学的媒体)に関わらず、組成物には、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂肪、糖、ミネラルおよび/または微量元素が含まれてもよいことを理解するであろう。
【0037】
栄養補助食品または食料品として組成物を調製するため、組成物は、通常、組成物が実質的に均一に栄養補助食品または食料品中に分布するような方式で、組み合わせられるかまたは混合されるであろう。あるいは、組成物を水などの液体中に溶解してもよい。
【0038】
栄養補助食品の組成物は、粉末、ゲル、液体であってもよいし、あるいは該組成物を錠剤にする(tabulated)かまたは被包してもよい。HMBに加えて、組成物には、ビタミン(例えばビタミンD、ビタミンB、ビタミンC等)、遊離型で(例えばアルギニン、グルタミン、リジン等)および/またはタンパク質を通じて送達されるアミノ酸、炭水化物、脂肪等を含む、他の構成要素が含まれてもよい。
【0039】
本発明の背景内で、組成物を含む任意の適切な薬学的媒体を利用してもよいが、好ましくは、組成物は、適切な薬学的キャリアー、例えばデキストロースまたはスクロースと組み合わせられる。
【0040】
さらに、薬学的媒体の組成物は、任意の適切な方式で、静脈内投与されてもよい。静脈内注入を通じた投与のため、組成物は、好ましくは水溶性の非毒性型である。静脈内(IV)療法を受けている入院患者には、静脈内投与が特に適切である。例えば、患者に投与するIV溶液(例えば生理食塩水またはグルコース溶液)に、組成物を溶解してもよい。また、組成物を栄養IV溶液に添加してもよく、これには、アミノ酸、グルコース、ペプチド、タンパク質および/または脂質が含まれてもよい。静脈内投与すべき組成物の量は、経口投与に用いられるレベルと同程度であってもよい。静脈内注入は、経口投与よりもより制御され、そして正確でありうる。
【0041】
組成物を投与する頻度を計算する方法は、当該技術分野に周知であり、そして投与の任意の適切な頻度を、本発明の背景内で(例えば1日あたり1回の6g用量または1日あたり2回の3g用量)、そして任意の適切な期間に渡って(例えば単回用量を5分間の期間に渡ってまたは1時間の期間に渡って投与してもよいし、あるいは多数回の用量を長期間に渡って投与してもよい)用いてもよい。組成物を長期間、例えば数週間、数ヶ月間または数年間に渡って投与してもよい。
【0042】
HMBの任意の適切な用量を本発明の背景内で用いてもよい。適切な用量を計算する方法が、当該技術分野に周知である。
用語、投与することまたは投与には、哺乳動物に組成物を提供すること、組成物を消費することおよびその組み合わせが含まれる。
【実施例0043】
実験実施例
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に例示するであろう。本明細書の実施例に一般的に記載されそして例示されるような、本発明の組成物は、多様な配合物および投薬型で合成されてもよいことが容易に理解されるであろう。したがって、本発明の方法、配合物および組成物の現在好ましい態様の以下のより詳細な説明は、請求するような本発明の範囲
を限定することを意図せず、本発明の現在好ましい態様を単に例示するものである。例えば、本発明は、投与される組成物の量または型に限定されないことが理解される。HMBの有効量は、当該技術分野に周知であり、そして実験実施例に例示されるように、1日あたり0.5グラム~30グラムのHMBの範囲に渡るすべての点で有効であることが認識される。
【0044】
実験実施例1
設計
本研究は、ランダム化プラセボ対照要因縮小(reduced factorial)設計を使用し、そしてTRF群における補充に関して二重盲検であった。活動的な女性を対照食餌(CD)、TRFまたはTRFプラス3g/日HMB(TRFHMB)にランダム化した。TRF群は、~8時間/日にすべてのカロリーを消費した。すべての群は8週の監視されたRTを完了し、そして補充ホエイタンパク質を消費した。体組成、筋性能、食餌摂取、身体活動、および生理学的変数を評価した。混合モデル、ならびにパープロトコル(PP)および治療企図(ITT)フレームワーク両方を用いて、非盲検化の前にデータを分析した。
【0045】
参加者および方法
概要
本研究は、ランダム化プラセボ対照要因縮小設計を使用した。該実験は、HMBおよびプラセボ補充に関して二重盲検であり、そして補助食餌プログラムに関してありうる場合は単盲検であった。以下の一次転帰測定を事前に特定した:FM、除脂肪体重(FFM)、体脂肪パーセント(BF%)、肘屈筋の筋肉の厚さ(MTEF)および膝伸筋の筋肉の厚さ(MTKE)。事前に特定された二次転帰測定には、筋性能の計量、安静代謝、血液マーカー、血圧、動脈壁硬化、身体活動レベルおよびアンケート反応が含まれた。
【0046】
参加者
18~30歳の健康な女性参加者を、ポスター、email告知および口伝えで募集した。参加者は、以前のRT経験を有する必要があり、これは、1週あたり2~4セッションの頻度での、そして主要な上半身および下半身筋肉群の毎週のトレーニングを伴うRT≧1年の報告と定義された。さらに、参加者は、多周波生体電気インピーダンス分析(MFBIA;mBCA 514/515、Seca、ドイツ・ハンブルグ)を用いて、BF%に関してスクリーニングされた。参加者の元来のターゲットBF%範囲は15~29%であった;が、本発明者らの実験室のデータは、抵抗運動を行った女性において、4成分モデルに比較した際、MFBIAを通じた体脂肪は過大評価されることを示していたため(15)、スクリーニング時に最大33%までの体脂肪を持つ個体は、適格と見なされた。前述の基準を満たしていないか、あるいは妊娠中であるか、妊娠しようとしているか、現在授乳中であるか、喫煙者であるか、乳タンパク質に対してアレルギーがあるか、またはペースメーカーもしくは他の電気移植機器を有する場合、個体を排除した。スクリーニング時の体脂肪パーセント(15~21%対>21%)および習慣的な朝食消費(≧5日/週対<5日/週)に基づいて適格な参加者を階層化し、次いで、ランダムシーケンス生成装置(http://www.random.org)を用い、そして1:1:1割り当て比に基づいて、3つの研究群(対照食餌プラスプラセボ[CD]、TRFプラスプラセボ[TRF]またはTRFプラスHMB[TRFHMB])の1つにランダムに割り当てた。所定の階層内の各参加者は、連続方式で、その階層に関するランダム整数シーケンスを用いて、ベースライン試験時に、最初の利用可能群割り当てに割り当てられた。ランダムシーケンスの生成および階層化ランダム化の実施は、主任研究者(GMT)によって実行された。
【0047】
栄養および補充プログラム
TRFおよびTRFHMBの参加者は、各日、正午から8PMの間にすべてのカロリーを消費するよう指示され、そしてCD参加者は、起床後、可能な限りすぐに朝食を消費し、そして1日の残り全体で、自身が選択した間隔で摂食を続けるよう指示された。割り当てられた摂食スケジュールに加えて、参加者は、重量測定された食餌記録および代謝試験の結果に基づいて、最小限の量の食餌アドバイスを提供された。特に、参加者は、≧1.4g/kg/日のタンパク質摂取を達成するため、提供されたホエイタンパク質補充剤(Elite 100%ホエイ、Dymatize Enterprises,LLC、米国テキサス州ダラス)を消費するよう指示された。この範囲は、エクササイズ中の個体における除脂肪体重増加または保持のために推奨されたタンパク質摂取推奨に基づいて選択された(9)。補充タンパク質のエネルギー含量は、~200-250kcal/日であった。すべての群において、ターゲットエネルギー摂取は、間接熱量測定法を通じた安静エネルギー支出(REE)に1.5の活動係数を乗じ、次いで250kcalを減じることによって規定された。小カロリー減少の目的は、筋肉肥大のためになお適切な栄養補助を提供しながら、脂肪喪失を促進することであった。介入開始前に、ならびに介入中の2つの別々の週の間に、重量測定した食餌記録を平日および週末に関して完了した。各参加者は、食品はかりを提供され、そしてどのように食品を適切に重量測定しそして記録するかを指示された。栄養成分表ラベルを再検討し、そして米国農務省(USDA)食品組成データベース(https://ndb.nal.usda.gov/ndb/)を利用することによって、生じた食餌記録をマニュアルで分析した。
【0048】
二重盲検方式で、TRFおよびTRFHMBの参加者には、それぞれ、プラセボ(乳酸カルシウム)またはカルシウムHMB補充剤を投与した。HMBおよびプラセボカプセルは同じ製造者(Metabolic Technologies, Inc.、米国アイオワ州エームズ)によって製造され、外見および味は同一であり、そしてカルシウム(102mg)、リン(26mg)およびカリウム(49mg)含量に関してはマッチしていた。TRFおよびTRFHMBの参加者は、1日3回:起床時、まだ絶食中である午前の中頃、および就寝前に2カプセルずつ、総用量3g/日を摂取するように指示された。CDの参加者もまた、TRFおよびTRFHMBで用いられる補充剤に関して、研究者の盲検状態を維持するため、ユニークな補充剤コードを用いて、朝食時、昼食時、および夕食時に消費するためのプラセボカプセルを受け取った。すべての研究者は、データ収集および統計分析が完了するまで、TRF群の補充剤割り当てに関して盲検状態であり、完了時点で、非盲検化のため、研究依頼者(study sponcer)が補充剤コードを提供した。さらに、RTプログラムを監視するトレーナーは、盲検状態を維持するため、参加者と群割り当てについて論じないよう要請された。参加者は、研究者によって提供されるもの以外のいかなるさらなるスポーツ補充剤も消費しないように指示されたが、一般的なマルチビタミン/ミネラル補充剤は例外とされた。
【0049】
抵抗運動プログラムおよび身体活動監視
すべての群は、割り当てられた食餌および補充剤プログラムと組み合わせた監視RTの8週間を完了した。トレーニングは、直接監視下、研究実験室内で行われた。RTセッションは、各週の連続しない3日間(すなわち月曜日、水曜日および金曜日)に完了し、そして上半身および下半身セッションを交互に行った(表1)。
【0050】
【0051】
表1. 抵抗運動プログラム。セット数x反復範囲、休憩間隔として示されるエクササ
イズ指示。
BB:バーベル;DB:ダンベル;s:秒;W:週。
【0052】
参加者は、各セットに関して、一時的に筋肉消耗するまでトレーニングするよう指示され、そして負荷は特定された反復範囲での順守を確実にするため、必要に応じて調整された。各エクササイズの各セットに関して完了するウェイトおよび反復を記録して、RT量の計算を可能にした。セッションは、12:00~18:00の間に行った。12:00~13:00の間にRTセッションを行うTRFおよびTRFHMBの参加者は、トレーニング日には、摂食ウィンドウを1時間早くシフトする(すなわち11:00~19:00)よう要請され、RTを絶食状態で行わないことを確実にした。各RTセッション後、各群の参加者は、25gのホエイタンパク質(Elite 100%ホエイ、Dymatize Enterpreses, LLC、米国テキサス州ダラス)を提供された。
【0053】
参加者は、研究介入の外では、いかなるRTも行わないように、また他の高強度エクササイズも回避するよう要請された。介入経過中、自由生活中の身体活動レベルを明確に評価するため、各参加者には、ベースライン、介入の最初の1/2中、および介入の第二の1/2中に、加速度計(ActiGraph GT9X Link;Actigraph
Inc、米国フロリダ州ペンサコーラ)を提供した。参加者らは、少なくとも4日間、起床している間、入浴中または睡眠中を除いていつでも、該デバイスを装着するよう指示された。加速度計は、30Hzのサンプリング率で加速を記録するようにセットされ、そしてポストデータプロセシング中、加速を、1分間のエポック長あたりの活動カウントに変換した。各監視日の装着時間を決定するため、活動カウントデータをスクリーニングし、非装着時間を、連続ゼロ活動カウント(すなわち動きなし)が≧60分間の期間と定義し、1分間あたり<100の活動カウントでの中断を2分間まで許容した(16)。1分間あたり>1951カウントの活動カウントに関してフリードソンの予測等式(17)を、そして1分間あたり≦1951カウントの活動カウントに関してウィリアムズの作業エネルギー等式(18)を用いて、装着時間の各分に関して、身体活動エネルギー支出(PAEE;kcal/分)を概算した。1日PAEEを各参加者の有効な日に関して平均し、ここで、有効な日は、装着時間が≧10時間の日と定義された。最後に、概算された非装着時間は非起床時間と仮定されたが、1日PAEEに影響を及ぼす誤判別の可能性があるため、最小二乗調整法(19)を用いて、各参加者に関する平均装着時間によって、平均1日PAEEを調整した。
【0054】
実験室評価の概説
ベースライン、ならびに介入4週および8週後、参加者は2つの試験セッションを完了した:(1)体組成、代謝、血管測定および主観的要因の評価のための、一晩絶食後に行われる午前の評価;ならびに(2)非絶食状態で行われる筋性能の午後の評価。午前の評価のため、参加者は、≧8時間、食べ、飲み、エクササイズし、そしてカフェインまたはニコチンを利用することなく、実験室に出頭した。参加者は、インタビューを受け、これらの評価前制限を着実に実行したことを確認された。エクササイズの節制は、実際には、エクササイズセッションのスケジュールのため、≧14時間であった。参加者は運動できる服装で実験室に出頭し、そしてすべての金属およびアクセサリーは試験前に体から外した。各参加者は排尿し、そして尿試料を提供した。尿試料は、デジタル屈折計(PA201X-093、Misco、米国オハイオ州ソロン)を用いて、尿比重(USG)に関して評価された。さらに、標準的尿HCG試験を行って、各参加者が妊娠中でないことを確認した。最後に、研究非盲検化後に尿HMB含量を評価するために、尿試料を-80℃で凍結した。排尿後、身長計を含むデジタルはかり(Seca 769、ドイツ・ハンブルグ)で、各参加者の体重(BM)および身長を決定した。一晩絶食後、Texas Tech University Student Health Serviceで、採血を行い、そして参加者は、コルチゾール覚醒反応(CAR)の評価のため、自宅で唾液収
集を完了した。
【0055】
体組成評価
二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)および生体インピーダンス分光法(BIS)データから産生した、修飾4成分(4C)モデル(20、21)を用いて、体組成を評価した。enCOREソフトウェア(v.16.2)を含むLunar Prodigyスキャナ(General Electric、米国マサチューセッツ州ボストン)上で、DXAスキャンを行った。使用前の毎朝、品質管理ブロックを用いてスキャナを較正し、そして製造者の推奨にしたがって、参加者の配置を行った。各参加者は、スキャンニング寸法内に当てはまることが可能であった。DXA骨ミネラル含量(BMC)を0.9582で割って、骨ミネラル(Mo)の概算を得た(22)。さらに、Wilsonらによって、General Electric DXAスキャナ用に開発された等式を用いて、DXA除脂肪軟組織(lean soft tissue)(LST)、脂肪量(FM)およびBMCから、身体容積(BV)を概算した(20)。
【0056】
【0057】
BISを利用して、体内総水分量(TBW)概算を得た。BISは、他のインピーダンス法(例えば生体電気インピーダンス分析(25))によって用いられる回帰方程式ではなく、Coleモデリング(23)および混合理論(24)を利用して、体液を予測する。本研究で用いたBISデバイス(SFB7、ImpediMed、米国カリフォルニア州カールスバッド)は、4~1,000kHzに渡る256の測定周波数を使用する。各参加者は、製造者が推奨する手から足への電極配置を用いた評価の直前に、≧5分間仰臥位を維持した。2つ組評価を行い、分析のため、値を平均した。Coleプロットの視覚検査を通じて、品質保証のため、評価を検討した。
【0058】
全身FMの概算に関しては、Wangらの4C等式を利用した(26):
【0059】
【0060】
FFMはBM-FMとして計算し、そしてBF%は(FM/BM)x100として計算した。
全身組成概算に加えて、肘屈筋(MTEF)および膝伸筋の筋肉の厚さ(MTKE)を、ベースラインおよび研究完了時に、超音波検査(Logiq e、General Electric、米国マサチューセッツ州ボストン)を通じて評価した。肘屈筋測定を肩甲骨の肩峰から肘窩までの距離の66%で行い、そして膝伸筋測定を上前腸骨棘から膝蓋骨上縁までの距離の50%で行った(27、28)。参加者が立った状態でこれらの距離を測定し、そしてベースラインでの測定距離を記録し、そして最終評価で用いた。すべての評価は、体の右側で行った。肘屈筋測定のため、仰臥位で、腕を保持しながら、参加者の腕を~80°に外転させた。膝伸筋測定のため、膝の下に気泡パッドを置き、膝関節で~10°の屈曲を可能にした。すべての評価に関して、印をつけた測定位置に伝達ゲルをたっぷりと適用し、そして組織への圧迫を回避するため、トランスデューサーによって、最小限の圧を適用した。3つの単一横断画像を各位置で撮り、分析のため値を平均した。所定の部位でのすべての測定に関して、トランスデューサーのゲインや深度を一定に維持した。超音波画像を分析に関して盲検化し、そしてImageJ(v.1.52a;米国国立衛生研究所)を用いて、単一の盲検化された研究者が分析した。超音波画像を分析す
る研究者の信頼性は、2つの場合で28のランダムに選択された超音波画像の盲検化分析を通じて決定した。このエクササイズは、MTEFに関して0.07cm、そしてMTKEに関して0.14cmの最小相違(MD)を生じた。
【0061】
筋性能評価
筋性能評価を、非絶食状態の12:00~18:00の間に行い、そして参加者は試験の前に、好ましい食物および水分摂取パターンにしたがうように指示された。評価は、固定自転車上での自身が選択したペースを用いた5分間のウォーミングアップ期間で始まった。このウォーミングアップ期間に続いて、機械化スクワットデバイス上で試験する、対抗運動垂直ジャンプ(CMVJ)成績、ならびにベンチプレスおよびヒップスレッドエクササイズでの筋肉強度および耐久性の評価を行った。第4週の評価時には、CMVJおよびヒップスレッド評価は行われなかった。
【0062】
CMVJ試験のため、参加者は、自身の履物を履いて8回の試験を完了した。およそ30秒間の休憩で各試験を分けた。1kHzでサンプリングする、2つの力台を用いたCMVJ中、地面反力(GRF)データを得た(OPT464508;Advanced Mechanical Technology, Inc.、米国マサチューセッツ州ウォータータウン)。参加者は各足を力台に置き、そして手を腰において動かずに立った後、自身で選択した深さを用い、そして可能な限り最高の垂直移動を達成するために最大の努力でジャンプする対抗運動動作でCMVJを開始した。各足がそれぞれの力台に接触するように着地する他は、テイクオフから、そして下方への動きを止め、そして動かない立位に戻るまで、着地期に関しての指示は提供されなかった。30Hzカットオフ周波数を伴う4次低域Butterworthデジタルフィルタを用いて、2つの力台からの生GRFデータを整えた。2つの力台由来の整えたGRFを、次いで、垂直軸に沿って合計して、質量の体心で作用する垂直GRFを得た。CMVJ開始は、体重が2.5%減少した時点と定義された(29)。テイクオフは、合計垂直GRFが20N閾値未満に減った際の時間と定義された(30)。次いで、ジャンプ時間を、秒の単位で表される、CMVJ開始およびテイクオフの間に経過した時間として計算した。力積-運動量関係を用いて垂直ジャンプの高さを計算し、そしてメートルの単位で表した。
【0063】
機械化スクワットデバイス(Exerbotics eSq、米国オクラホマ州タルサ)を用いて、等尺性および等速性スクワットを行った(31、32)。最初の評価時、スクワットデバイスの足台上に重ねたカスタムグリッドを用いて、各参加者の好ましい足配置を決定した。この足配置を記録し、そしてすべての試験時に利用した。ウェイトベルト、ニーラップ、または他の補助は試験中には利用しなかった。試験前、等速性試験に関する参加者の動きの範囲を決定した。動きの範囲は、ゴニオメーターによって決定されるように、太腿および下肢の間で、反復の最低部では90°に、そして反復の最高ではおよそ170°に設定された。等尺性試験には、120°および150°の膝の角度での最大努力プッシュが含まれた。各参加者は、スクワットの動きを完了しようとしながら、出来る限り強くそして迅速に、デバイスを押すよう指示された。各膝角度で、2回の等尺性プッシュを行い、そして各努力はおよそ2~3秒間続いた。等尺性試験後、3回の反復の最大等速性力産生試験を完了した。試験前に、参加者は機械の動きを観察し、そして評価の適切なパフォーマンスに関して口頭の指示を受けた。最大等速性力産生試験中の反復は各々、4秒間の伸張性収縮(エキセントリック)期、その後、90°の膝位置でのおよそ半秒のポーズ、そして4秒間の短縮性収縮(コンセントリック)期からなった。試験中、力のシグナルを1kHzのロードセルからサンプリングし(MP100;Biopac Systems, Inc.、米国カリフォルニア州サンタバーバラ)、パソコン上に保存し、そして特注のソフトウェア(LabVIEW、バージョン11.0;National Instruments、米国テキサス州オースティン)を用いてオフラインでプロセシングした。スケーリングした力シグナルを、10Hzカットオフで低域フィルタリングし
た(零相ラグ、4次Butterworthフィルタ)。スケーリングし、そしてフィルタリングした力シグナルに対して、すべての続く分析を行った。等尺性力産生試験に関しては、特注Lab VIEWプログラム内の力産生開始をマニュアルで特定することによって、特定の時間間隔(すなわち30、50、100および200ms)に渡る力発展速度(RFD)を計算した。最大等速性力産生試験の各反復に関しては、等速性ピーク力(PF)を、短縮性収縮および伸張性収縮試験の両方に関して、最高平均25msエポックとして決定した(すなわちPFCONCおよびPFECC)。
【0064】
ベンチプレスおよびヒップスレッドエクササイズに関する抵抗運動成績を、1-反復最大(1RM)および1RMの70%での失敗までの反復を通じて評価した。1RM試験プロトコルは、National Strength and Conditioning
Associationの推奨に基づいた(33)。簡潔には、ウォーミングアップセットを完了した後、参加者は、ほぼ最大と推定される負荷を用いて、2~3回の反復を完了した。次いで、1RM試行を開始し、3~5の間の試行で1RMを得ることを目的とした。試行の間に3分間の休憩を許可した。適切なフォームでの最大ウェイトリフトを1RMとして記録した。1RMが得られた後、3分間の休憩期間を許可し、その後、1RMの70%を用いて、失敗までの反復(RTF)を完了した。すべての参加者に関して、機械化スクワット試験後、下半身の回復を可能にするために、レッグプレスの前に、ベンチプレスを試験した。
【0065】
代謝および生理学的測定
間接熱量測定法を通じて、REEおよび基質利用を評価した(TrueOne 2400、ParvoMedics、米国ユタ州サンディ)。製造者の明記にしたがって、各午前に、気体および流動較正を行い、そしてCompherら(34)の評価前手順を利用した。参加者は、評価中、動かないままであるが覚醒しているように指示され、評価は明かりを薄暗くした空調室で行われた。各試験の最初の5分間は放棄され、そして≦5%のREEに関する変動係数(CV)で連続5分間の期間があるまで、評価を続けた。本研究において、REEに関する平均CVは3.2±1.1%(平均±SD)であった。
【0066】
自動化カフ血圧計(HEM-907,オムロン・ヘルスケア、日本・京都)を用いて、上腕血圧を測定した。この測定から、平均血圧および拡張期血圧を用い、圧平眼圧測定(SphygmoCorPVx、AtCor Medical、米国イリノイ州イタスカ)を用いて、左橈骨動脈で測定した集合平均圧波形を較正した。一般的な伝達関数も用いて、橈骨動脈測定から大動脈波形を合成した。大動脈圧波形の波分離分析によって、動脈壁硬化の指標である大動脈パルス波速度(PWV)の概算が可能になった。各参加者は血管評価前、≧10分間、仰臥位のままであった。2つ組測定を得て、そして分析のために平均した。
【0067】
有資格の医療関係者によって収集された血液試料を、分析のため、宅配業者によって、地域の臨床実験室(University Medical Center Health System、米国テキサス州ルボック)に輸送した。標準的な装置(Cobas 6000、Roche Diagnostics、スイス・リッシュ-ロートクロイツ)を用いて試験を行った。酵素的比色分析アッセイを用いて、総コレステロール、トリグリセリドおよびHDLコレステロールを評価し、そしてVLDLおよび非HDLコレステロールを計算した。Martin-Hopkins等式を用いて、LDLコレステロールを計算した(35)。酵素的UV試験を用いて、グルコースを測定し、そして電気化学発光イムノアッセイを通じて、インスリンを評価した。臨床実験分析の結果を研究者に提供した。
【0068】
各参加者は、ベースライン訪問時に唾液収集法に習熟した。受動的よだれ法を用いて唾
液収集を行い、製造者の推奨にしたがって、口から小さなバイアルに唾液を移した(36)。コルチゾール覚醒反応(CAR;覚醒の際のコルチゾール濃度の特徴的な増加(37))の評価のため、ベースライン期間中に3回の唾液試料を収集した。起床の0分、30分および45分後に、参加者の自宅で、これらの試料を収集した。研究参加者には、唾液試料を正確に指示されたとおりに収集する重要性を強く強調した。参加者には、ベッドサイドに置くリマインダーサインが提供され、そして唾液収集時点のためにアラームをセットするよう指示された。試料を得たら、各参加者は、実験室に輸送可能になるまで、バイアルをフリーザーに入れるよう指示された。実験室に送達されたら、唾液の各バイアルは、分析のための唾液試験施設(Salimetrics LLC、米国カリフォルニア州カールスバッド)に輸送されるまで、-80℃で保存された。分析のため、試料を室温に融解して、ボルテックスし、そして次いで、アッセイを実行する直前におよそ3,000RPM(1,500xg)で15分間遠心分離した。高感度酵素イムノアッセイ(カタログ番号1-3002)を用いて、唾液コルチゾールに関して試料を試験した。試料試験体積は、測定あたり唾液25μlであった。アッセイは0.007μg/dLの感度下限を有し、標準曲線は0.012~3.0μg/dLの範囲であり、そして平均アッセイ内変動係数は4.60%であり、そして平均アッセイ間変動係数は6.00%であり、これはSalivary Bioscienceの正確さおよび再現性に関する製造者規準を満たし、そして厳密さおよび透明性を通じた再現可能性増進に関する適用可能なNIH指針を超えている。
【0069】
アンケート
スクリーニング法の一部として、参加者は、ベースライン摂食およびエクササイズ習慣の決定のため、ライフスタイルアンケートを用いて、インタビューを受けた。参加者は、続く研究訪問時に、フォローアップライフスタイルアンケートを完了した。さらに、参加者は、各午前研究室評価セッション時に、気分および感情アンケート(38)、Pittsburgh睡眠品質指標(39)、3要素摂食アンケート改訂18アイテムバージョン(40)および生理周期アンケートを完了した。
【0070】
統計分析
TRFおよびRTの以前の研究から概算したエフェクトサイズ(ES)を用いて、アプリオリ検出力分析を行った(G*Power、v.3.1.9.2)(8)。一次従属変数としてFMを特定し、そして検出力分析に用いるESは、TRFにおけるFM減少に関する観察ESから対照群におけるFM減少に関するESを減じたものであった。このES(d=0.46)、0.05のαエラー確率、および0.8の検出力を用いて、脂肪量における有意な変化を検出するために15人の参加者が必要であると概算された。同じ研究から筋性能改善に関するESを用いて検出力分析を行った場合(d=0.25)、ソフトウェアは、有意な変化を検出するために36人の参加者が必要であると概算した。したがって、より感受性の低い測定のための適切な検出力を促進するため、そして10%の摩耗率を考慮して、ターゲットサンプルサイズは40であった。
【0071】
すべてのデータ分析は、研究者の非盲検化の前に、そして尿HMB濃度を受け取る前に行った。モデルに基づく尤度法を用いて、治療企図(ITT)フレームワークでデータを分析し、すなわち介入効果は、介入プロトコルに適合しているか(例えばフォローアップ評価の際に欠席しているかまたはドロップアウトしたか)どうかにかかわらず、ベースライン時にグループにランダム化されたすべての参加者に関して概算されたことを意味する。研究からドロップアウトしたかまたは研究プロトコルを順守できなかった(割り当てられた摂食スケジュールを<80%しか順守しなかったか、22/24のRTセッション未満しか完了しなかったか、またはカプセル計数によって決定されるように、カプセル補充剤を<70%しか順守しなかったと定義される)参加者を排除することによって、さらなるパープロトコル(PP)分析を行った。ITTおよびPP分析両方に関して、制限され
た最大尤度法を伴う線形混合モデルを用いて、群(すなわちTRF、TRFHMBおよびCD)に渡る長期間の転帰変数の変化を試験した。反復測定のための非構造化分散-共分散構造に基づいてモデルを確立し、そして失われた値は、ランダムに失われていると仮定した。Q-Qプロットの視覚的検査を用いて、残差仮定の正規性を試験した。時間相互作用効果による群が有意であるならば、適切であるように一方向または反復測定ANOVAを用いて、単純効果試験を、そして多数の比較のためにBonferroni調整を行った。時間相互作用によっては統計的に有意な群がない場合、Sidakの対比較を用いて、フォローアップを伴い、主効果を調べた。プールされた標準偏差によって、ベースラインおよび第8週(W8)の間の相違を割ることによって、各群に関して、CohenのdESを計算した。統計的有意性に関しては、<0.05のファミリーワイズアルファレベルを用い、そしてIBM SPSS v.25およびMicrosoft Excel v.16.16.3を用いて、すべてのデータ分析を行った。
【0072】
結果
参加者
40人の参加者をランダム化して、そしてITT分析に含める一方、24人の参加者をPP分析に含めた。どちらの分析においてもベースライン相違は存在しなかった(表2)。
【0073】
【0074】
表2. 参加者特性
平均±SD。一方向ANOVAによるP値。
CD:対照食餌;ITT:治療企図;PP:パープロトコル;RT:抵抗運動;TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充
参加者は、ITT分析においては非順守のために排除はされなかったが、割り当てられたプロトコルへの平均群順守は、割り当てられた摂食スケジュールに関しては≧89%、そしてカプセル計数に基づく割り当てられたカプセル補充に関しては≧84%であった(補助表1)。PP分析においては、群順守は、摂食スケジュールに関して≧91%、そしてカプセル補充に関して≧87%であった。どちらの分析においても、尿HMB濃度は、介入前期間から介入まで、TRFHMBで有意に増加し、TRFまたはCDでは変化はなかった(補助表2)。
【0075】
栄養および補充
介入前に、1日の最初のまたは最後の摂食機会の時間に相違はなく、また摂食ウィンドウの総期間にも相違はなかった(補助表3)。介入中、最初の摂食機会の時間は、CDに比較した際、TRFおよびTRFHMBではより遅い一方、最後の摂食機会の時間はCDにおいてより遅かった。これらの相違は、TRF(ITT:7.5±0.6時間/日;PP:7.5±0.5時間/日)またはTRFHMB(ITT:7.6±0.7時間/日;PP:7.5±0.5時間/日)に比較した際、CD(ITT:13.2±1.6時間/日、PP:13.3±1.8時間/日)に関して有意により長い摂食ウィンドウを生じた。摂食ウィンドウ内で、食事頻度は介入前または介入中に群間で異ならなかった。
【0076】
介入前期間中、重量測定食餌記録の分析によって、すべての群が、ベースラインREEに匹敵する平均エネルギー摂取を有することが示された(ITT:0~-164kcal/日、PP:-55~-194kcal/日)。介入中、エネルギー摂取はすべての群で増加し(ITT:23~194kcal/日、PP:90~250kcal/日)、群間で相違はなかった(表3)。
【0077】
【0078】
表3.栄養摂取。
平均±SE;混合モデル分析からのP値;*合わせたすべての群における有意変化(時間主効果)
CD:対照食餌;I:時間相互作用による群;ITT:治療企図;PP:パープロトコル
;TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充。
【0079】
エネルギー摂取の増加の度合いは、提供されたホエイタンパク質補充剤から消費される平均1日カロリーに近似した(~200-250kcal/日)。エネルギー摂取のこの増加にもかかわらず、1日カロリー消費は、ベースラインREE(ITT:+22~75kcal/日、PP:-32~+195kcal/日)およびW8 REE(ITT:+8~93kcal/日、PP:-77~+240kcal/日)で近いままであった。すべての群におけるタンパク質摂取は、介入前期間から介入まで増加し、介入中の平均取り込みは1.5~1.7g/kg/日であった。炭水化物および脂肪摂取は、一般的に、介入中に変化しなかった。
【0080】
抵抗運動プログラムおよび身体活動監視
いずれの分析においても、上半身または下半身セッション量または総量に関して、群間の相違はなかった(補助表4)。すべての群において、介入の前半から介入の後半に向かって量は増加し、群セッション量における増加の度合いは15~27%の範囲であった。介入中、群ステップカウントは、7.354~8.830ステップ/日の範囲であり、群間でまたは時間に渡って、有意な相違はなかった(補助表5)。時間相互作用による群を、PAEE、座っている時間および軽強度PAに関して示した。群間の相違は、座っている時間および軽強度PAに関して、介入前期間には存在したが、初期または後期介入期間中には存在しなかった。さらに、群内の時点間には統計的に有意な相違は観察されず、ITT分析における介入前と比較した際の初期介入中のTRF群において座っている時間がより長く観察されたことが例外であった。
【0081】
体組成
PP分析において、FFMは、すべての群において1.0~1.4kg増加し、群間の有意差はなかった(表4)。しかし、除脂肪量獲得は、TRF+HMB群で、CDまたはTRF単独におけるよりも数値的により高く(TRF+HMBの1.4kg対CDの1.1およびTRFの1.0)、そしてより大きなエフェクトサイズを有した(0.32対0.25および0.23)。
【0082】
表4. 体組成。
【0083】
【0084】
平均±SE;混合モデル分析からのP値;*統計的に有意(p<0.05);a合わせたすべての群において、W4およびW8でベースラインとは有意に異なる;b明記する群において、ベースライン値と有意に異なる;c合わせたすべての群において、W4でベースラインとは有意に異なる;d合わせたすべての群において、ベースライン値とは有意に異なる;eCDよりもTRFにおいてより高いベースライン値;BF%:4成分モデル体脂肪パーセント;BM:体重;CD:対照食餌;ES:エフェクトサイズ;FM:4成分モデル脂肪量;FFM:4成分モデル除脂肪量;I:時間相互作用による群;ITT:治療企図;MTEF:肘屈筋の超音波での筋肉の厚さ;MTKE:膝伸筋の超音波での筋肉の厚さ;PP:パープロトコル;TRF:時間制限摂食:TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充。
【0085】
脂肪量はCDでは変化がなかったが、TRFおよびTRF
HMBでは有意な減少が観察された(
図1)。
図1において、パーセント変化(平均±SEM)を、各変数に関する、ベースラインおよびベースライン値と比較した最終値の間の相違として示す。上部パネルは、パープロトコル(PP)分析の結果を示し、そして下部パネルは治療企図(ITT)分析の結果を示す。4成分モデルを用いて総体組成を概算する一方、超音波検査を通じて筋肉の厚さを評価した。括弧つきのアステリスクは、混合モデル分析に基づいた、すべての群における有意な変化を示し(すなわち時間主効果)、群間に有意差はなかった。1つの列のみの上のアステリスクは、明記する群でのみの変化を示す(すなわち、フォローアップ試験を伴う混合モデル分析における時間相互作用による有意群)。
【0086】
FMはTRFにおいて、第4週(W4)でベースラインより有意に低かったが、W8のFMはベースラインとは有意に異ならなかった。対照的に、TRFHMBにおけるFMは、W8でベースラインより低かった。CDにおいては、BF%の変化は観察されず、そしてBF%の減少は、W8で、TRFHMBでは統計的に有意であったが、TRFでは有意ではなかった。MTEFおよびMTKEに関しては時間主効果が存在し、すべての群で増加を示した。ITT分析において、FFMはすべての群で0.9~1.2kg増加し、群間で有意差はなかった。PP分析とは対照的に、時間相互作用による群は、FMまたはBF%に関して統計的に有意ではなかったが、時間主効果は、合わせたすべての群において、FMおよびBF%で減少を示した。統計的に有意ではなかったが、筋肉の厚さの増加の度合いは、どちらの分析においても、上半身および下半身に関して、群間で潜在的に異なるようであった。
【0087】
筋性能
最大強度および筋肉耐久性は、すべての群で改善し、群間で統計的有意差はなかった(
図2;表5)。筋性能は改善し、群間で有意差はなかったが、下半身力生成の試験に関する平均エフェクトサイズは、TRFまたはCD(d=0.3~0.4)に比較した際、TRF
HMB(d=0.6~0.7)で好ましかった。
【0088】
【0089】
表5. 筋性能
平均±SE;混合モデル分析からのP値
a合わせたすべての群において、各時点間で有意に異なる;bW8で、ベースラインおよびW4と有意に異なる;cW8でベースラインと有意に異なる;
PP.PP分析において、CDと比較した際、TRFにおいて、より大きい1RMLPであった(p=0.02)ことを例外として、群間にベースライン相違は存在しなかった。1-RMBP:ベンチプレスエクササイズに関する1反復最大値;1-RMLP:レッグプレスエクササイズに関する1反復最大値;CD:対照食餌;ES:エフェクトサイズ;I:時間相互作用による群;ITT:治療企図;PFCON:短縮性収縮ピーク力;PFECC:伸張性収縮ピーク力;PP:パープロトコル;RTFBP:ベースライン1-RMの70%を用いたベンチプレスエクササイズに関する失敗までの反復;RTFLP:ベースライン1-RMの70%を用いたレッグプレスエクササイズに関する失敗までの反復;TRF:時間制限摂食:TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充。
【0090】
図2において、パーセント変化(平均+SEM)を、各変数に関する、ベースラインおよびベースライン値と比較した最終値の間の相違として示す。上部パネルは、パープロトコル(PP)分析の結果を示し、そして下部パネルは治療企図(ITT)分析の結果を示す。括弧つきのアステリスクは、混合モデル分析に基づいた、すべての群における有意な変化を示し(すなわち時間主効果)、群間に有意差はなかった。最大強度(1RM)および失敗までの反復(RTF)をレッグプレスおよびベンチプレスエクササイズに関して得て、ピーク力(PF)を等速性スクワット試験から得て、力発展速度(RFD)を等尺性スクワット試験から得て、そしてジャンプの高さ(JH)を、力台を用いて計算した。RFD値を計算する期間を、下付き文字に示す。
【0091】
いくつかのRFD変数もまた、すべての群において、特にITT分析において改善された(補助表6)。増加したジャンプの高さに関する時間主効果の傾向(p=0.06)がITT分析において観察されたが、CD(d=0.63)およびTRFHMB(d=0.65)におけるESは、TRF(d=0.00)より大きいようであった(補助表7)。
【0092】
代謝および生理学的変数
いかなる群でもREEまたはRQの有意な変化は観察されなかった(補助表8)。CDおよびTRF群において、45~71kcal/日のREEの有意でない減少(d=-0.29~-0.42)が観察される一方、REEは、TRFHMB(d=0.09~0.30)において、ベースラインよりも15~49kcal/日より高かった。安静代謝率はTRF+HMB群(+47kcal/日;3%)において増加する一方、CD(-45kcal/日;-3%)およびTRF(-63kcal/日;-4%)群では減少した。血液マーカーは、一般的に、研究介入によっては不変であったが、PP分析において、LDL増加に関する有意な時間主効果が観察された(補助表9)。血管評価、コルチゾール覚醒反応または平均コルチゾール濃度に有意な変化はないことが観察された(補助表10および11)。
【0093】
アンケート
総合すると、研究中に大きな副作用または不都合な事象は起こらなかった。W4で、参加者の84%は副作用なしと報告した。報告された副作用には、TRFにおける食欲抑制(n=1)および関連するいら立ちを伴う食欲増加(n=1)の両方、TRFHMBにおける朝の疲労(n=1)、CDにおける悪心(n=1)、ならびにCDおよびTRFHMBにおける胃膨満(各n=1)が含まれた。W8で、90%の参加者が副作用なしと報告した。報告された副作用には、TRFにおける食欲抑制(n=1)、ならびにTRFおよびTRFHMB両方における胃膨満(各n=1)が含まれた。
【0094】
アンケート反応に関して、群間に相違は観察されなかった。時間主効果は、すべての群において、ベースラインに比較して、W4およびW8で、気分および感情アンケートに関して、スコアの改善を示した(補助表12)。ITT分析において、3要素摂食アンケートの非管理摂食スコアは、すべての群において、時間の経過とともに減少し、PP分析において同じ効果の傾向があった。各群において、定期的に起こる月経周期を伴う参加者の比率は、PP分析において57~78%の範囲であり、そしてITT分析において69~79%の範囲であった(補助表13)。
【0095】
考察
本研究は、女性参加者における、RTを加えたIFの最初の試験である。試験の目的は、漸増RT中、絶食期間中のHMB補充を伴うまたは伴わないTRFの効果を、朝食消費を必要とする対照食餌に比較することであった。
【0096】
本研究において、TRFの着実な実行は、FFM増加、骨格筋肥大または筋性能の改善を妨げることなく、FMの喪失を生じた。PP分析において、FMはTRFおよびTRFHMBにおいて減少した。ITT分析において、効果の度合いは予期されるように減少した。FMおよびBF%に関して、群間の統計的有意性は生じないが、PP分析におけるものと同じ傾向が観察された。筋性能における改善は、群間で有意には異ならないが、1RMLP、PFCON、PFECC、およびRFDを含む、下半身における迅速な力の生成に関連する測定の改善の度合いは、群間で異なる。これらの測定に関しては、CDおよびTRFの両方において0.3~0.4であるのに比較して、TRFHMBにおける平均ESは0.6~0.7であった。
【0097】
迅速な力の生成の計量値とは対照的に、筋肉耐久性(すなわちRTFLPおよびRTFBP)の改善の度合いは、PP分析においてのみ、より長い摂食ウィンドウ(すなわちCD)を含む食餌パターンを支持している可能性もあり、平均ESはCDにおいては2.3であったが、TRFおよびTRFHMBにおいては1.5であった。
【0098】
本研究中に提供される食餌アドバイスは最小限であった。特に、各参加者は、群割り当て時に、主任研究者と短時間(<10分間)会って、割り当てられた摂食スケジュールおよびタンパク質消費ターゲットを議論した。2回のさらなるフォローアップ訪問時に、同様の時間で、重量測定食餌記録の結果の議論を許可した。自己報告食餌摂取の欠点はよく確立されており、そして生じる栄養摂取概算は注意深く評価しなければならないが(50、51)、重量測定食餌記録は、エネルギーまたは主要栄養素摂取に関して、群間で有意な相違を明らかにしなかった。概算されるエネルギー摂取は、典型的にはターゲット摂取より低いため、一次食餌フィードバックは、タンパク質含有食物および提供される補充剤の消費を通じた高タンパク質摂取を達成することであった。すべての群において、平均タンパク質摂取は、介入前期間の1.1~1.3g/kg/日から、研究介入中の1.5~1.7g/kg/日に増加し、範囲は筋肉適応のための最適摂取に一致した(9、10)。
【0099】
RTへの適応に際して、タンパク質摂取の1日分布の影響を解明するためには、長期に渡るデータが必要であることが認識されてきている(9)。IFは、食餌アミノ酸を通じた筋肉タンパク質合成の刺激および筋肉タンパク質分解の抑制を伴わない長期間を必要とするため(13)、この疑問を調べる機会を提示する。本研究は、~13.5時間/日に比較して、~7.5時間/日に、すべてのタンパク質および他の栄養摂取を限定した際、RT適応への有害な影響がないことを明らかにする。IFの背景において、選択されたアミノ酸またはその代謝産物の摂取を可能にする修飾絶食期間の実行が、除脂肪量維持または増加に、特に活動的な個体において、有益でありうるかどうかもまた検討されてきてい
る(14)。本研究は、この問題を直接調べる最初の試験であり、そしてFM減少のためのHMB補充および下半身筋性能の利点を明らかにする。
【0100】
TRFプログラムの絶食期間中の補充HMBは、TRF単独に比較した際、脂肪喪失を増進させ、そして下半身筋性能に利益をもたらす。
実験実施例2
β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)補充で生じる脂肪喪失の量は、間欠性絶食と組み合わせた際に増加しうる。本実施例において、間欠性絶食を伴うHMB補充が、HMB補充単独よりもより多い脂肪喪失を生じることを立証する。
【0101】
実施例1において、活動的な女性(n=7、22±3.3歳、63.7±7.0kg)を、時間制限摂食に加えた3g/日カルシウム-HMB(TRFHMB)にランダム化した。TRFHMB群は、~8時間/日の間にすべてのカロリーを消費した。TRFHMB群は、8週間の監視された抵抗運動を完了した。二重エネルギーX線吸収測定(DXA)および生体インピーダンス分光法(BIS)データから生じる修飾4成分(4C)モデル1、2を用いて、体組成を、ベースライン、ならびに第4週および第8週に評価した。enCOREソフトウェア(v.16.2)を含むLunar Prodigyスキャナ(General Electric、米国マサチューセッツ州ボストン)上で、DXAスキャンを行った。
【0102】
Pantonら(54)に記載される以前の研究では、トレーニングしたおよびしていない女性(n=18、27±2.1歳、62.3±2.2kg)が、間欠性絶食を伴わず、3g/日のカルシウム-HMBにランダム化された。HMB単独の群は、4週間の監視された抵抗運動を完了し、そして週3回運動した。水中計量法(55)を用いて、4週間の運動前および運動後の体組成を測定した。体脂肪パーセント(BF%)をSiri等式5から概算した。
【0103】
TRFHMB群では、BF%は、4週間で、29.1±2.5から27.0±2.7%に減少した(p<0.05)。4週間Δ変化は-2.1%であり、エフェクトサイズはd=-0.31であった。この脂肪喪失効果は、8週を通じて維持された。HMB単独群では、BF%は、4週間で、23.7±1.1から23.0±1.2%に有意でなく減少した。4週間Δ変化は-0.7%であり、エフェクトサイズはd=-0.15であった。絶対エフェクトサイズはTRFHMBで2倍大きく、そしてHMB補充を間欠性絶食と組み合わせた際、BF%喪失に関してより強い効果があることが示される。
【0104】
結論として、これらのデータは、驚くべきことに、HMB補充の使用を間欠性絶食と組み合わせると、HMB単独の補充に比較して、体脂肪喪失が加速されることを裏付ける。
前述の説明および図は、本発明の例示的態様を含む。本明細書に記載する前述の態様および方法は、当業者の能力、経験、および優先度に応じて多様でありうる。特定の順序で方法の工程を単に列挙した場合であっても、方法の工程の順序に関するいかなる限定も構成しない。前述の説明および図は、本発明を単に説明し、そして例示し、そして本発明は、請求項がそのように限定しない限り、こうしたものに限定されない。当業者は、本開示を読めば、本発明の範囲から逸脱することなく、その修飾および変動を行うことが可能であろう。
【0105】
参考文献
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
補助表1.参加者の順守。
平均±SD;一方向ANOVAからのP値。*食事タイミング順守は、TRFよりCDでより高かった(p=0.03)が、CDおよびTRFHMB間(p=0.29)またはTRFHMBおよびTRF間(p=0.96)では異ならなかった。
CD:対照食餌;ITT:治療企図;PP;パープロトコル:TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充。
【0113】
【0114】
補助表2.尿HMB濃度。
*統計的に有意(p<0.05);a値をnmоl/mLで示す。
CD:対照食餌;I:相互作用;ITT:治療企図;PP;パープロトコル:TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充。
【0115】
【0116】
補助表3.摂食ウィンドウのタイミング
平均±SD;混合モデル分析からのP値。a摂食機会を時間:分で示す。
*統計的に有意(p<0.05);aTRFおよびTRFHMBの両方で、CDとは有意に異なる;b介入前および介入の間で有意に異なる;c介入中、最後の摂食機会のタイミングは、TRFおよびTRFHMBの両方よりも、CDで遅かった;d介入前に比較して、介入摂食ウィンドウはCDにおいてより長いが、TRFおよびTRFHMBにおいてより短かった;e最初の摂食機会のタイミングは、TRFおよびTRFHMBに関しては介入前期間よりも介入中でより遅いが、CDでは異ならなかった。
CD:対照食餌;I:相互作用;ITT:治療企図;PP;パープロトコル:TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充。
【0117】
【0118】
補助表4.ワークアウト量
平均±SE;混合モデル分析からのP値。
*介入の第一および第二の4週の間で統計的に有意(p<0.05)な差
CD:対照食餌;ES:エフェクトサイズ:I:相互作用;ITT:治療企図;LB:下半身;PP;パープロトコル:TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充;UB:上半身
【0119】
【0120】
補助表5.身体活動
平均±SE;混合モデル分析からのP値。
*統計的に有意(p<0.05);a介入前期間中、TRFとCDの間で異なる値、介入中には群間の相違なし;bTRF単独において、時間に関する単純主効果、しかし時点間の比較は統計的に有意ではなかった;cTRF単独において、介入前と初期介入の間で異なる値;d介入前LIPAはTRFHMBよりもTRFで高く、そして介入前から初期介入までに、TRF単独でLIPAは減少した
CD:対照食餌;ES:エフェクトサイズ:I:相互作用;ITT:治療企図;LIPA:軽強度身体活動;MVPA:中程度または強強度身体活動;PAEE:身体活動エネルギー支出;PP;パープロトコル:TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充。
【0121】
【0122】
補助表6.力発展速度
平均±SE;混合モデル分析からのP値。
*統計的に有意(p<0.05);a時点間の対比較は、統計的に有意ではなかった;b合わせたすべての群で、W8の値は、ベースラインよりも高かった
CD:対照食餌;ES:エフェクトサイズ:I:相互作用;ITT:治療企図;PP;パープロトコル:RFD:力発展速度;TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充。RFDの時間の下付き表示は、RFDを計算した期間を示す;W4:第4週;W8:第8週
【0123】
【0124】
補助表7.垂直ジャンプ成績
平均±SE;混合モデル分析からのP値。
*合わせたすべての群で、ベースラインおよびW8値の間で統計的有意差
CD:対照食餌;ES:エフェクトサイズ:I:相互作用;ITT:治療企図;PP;パ
ープロトコル:TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充;W8:第8週
【0125】
【0126】
補助表8.代謝
平均±SE;混合モデル分析からのP値。
*合わせた両方の時点に渡って、CDおよびTRFHMBの間で統計的有意差
CD:対照食餌;ES:エフェクトサイズ:I:相互作用;ITT:治療企図;PP;パ
ープロトコル:RMR;安静代謝率;RQ:呼吸商;TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充;W8;第8週
【0127】
【0128】
補助表9.血液変数
平均±SE;混合モデル分析からのP値。
*合わせたすべての群で、ベースラインおよびW8値の間で統計的有意差
CD:対照食餌;ES:エフェクトサイズ:HDL:高密度リポタンパク質コレステロール;I:相互作用;ITT:治療企図;LDL:低密度リポタンパク質コレステロール;PP;パープロトコル:TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充;VLDL:超低密度リポタンパク質コレステロール
【0129】
【0130】
補助表10.血管評価
平均±SE;混合モデル分析からのP値。
*群主効果はCDおよびTRFHMBの間の相違を示す
CD:対照食餌;ES:エフェクトサイズ;I:相互作用;ITT:治療企図;PP;パ
ープロトコル:TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充;W8:第8週
【0131】
【0132】
補助表11.コルチゾール覚醒反応
平均±SE;混合モデル分析からのP値。
aベースラインでは、AUC(p=0.08)または平均コルチゾール(p=0.13)に関して、群間で有意差はなかった;bベースラインでは、AUC(p=0.48)または平均コルチゾール(p=0.43)に関して、群間で有意差はなかった
AUC:曲線下面積;CD:対照食餌;ES:エフェクトサイズ;I:相互作用;ITT:治療企図;PP;パープロトコル:TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充;W8:第8週
【0133】
【0134】
補助表12.アンケート反応
平均±SE;混合モデル分析からのP値。
*統計的に有意(p<0.05);aW4およびW8で、ベースラインとは異なる値;bW8で、ベースラインとは異なる値
CD:対照食餌;CR;認識される抑制;EE:感情的摂食;I:相互作用;ITT:治
療企図;MFQ:気分および感情アンケート;PP;パープロトコル:PSQI:Pittsburgh睡眠品質指標;TFEQ:3要素摂食アンケート;TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充;UE:非管理摂食;W4:第4週:W8:第8週
【0135】
【0136】
補助表13.月経周期分析
CD:対照食餌;ITT:治療企図;PP;パープロトコル;TRF:時間制限摂食;TRFHMB:時間制限摂食に加えてベータ-ヒドロキシ・ベータ-メチルブチレート補充;W4:第4週:W8:第8週