(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109876
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】IL-15コンジュゲートおよびその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 14/54 20060101AFI20240806BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240806BHJP
C12N 15/24 20060101ALI20240806BHJP
A61K 47/60 20170101ALI20240806BHJP
A61K 47/61 20170101ALI20240806BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20240806BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20240806BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240806BHJP
A61K 38/20 20060101ALI20240806BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20240806BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240806BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240806BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240806BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240806BHJP
C07K 16/42 20060101ALN20240806BHJP
C07K 14/76 20060101ALN20240806BHJP
【FI】
C07K14/54 ZNA
C07K19/00
C12N15/24
A61K47/60
A61K47/61
A61K47/54
A61K47/64
A61K47/68
A61K38/20
A61P7/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K45/00
C07K14/54
C07K16/42
C07K14/76
【審査請求】有
【請求項の数】50
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024085953
(22)【出願日】2024-05-28
(62)【分割の表示】P 2020544821の分割
【原出願日】2019-02-26
(31)【優先権主張番号】62/635,133
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】519050543
【氏名又は名称】シンソークス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】カロリーナ・イー・カッファーロ
(72)【発明者】
【氏名】ジェロド・プタシン
(72)【発明者】
【氏名】マルコス・ミラ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】抗腫瘍応答を刺激する効力を有する、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートを提供する。
【解決手段】修飾されたインターロイキン15(IL-15)ポリペプチドとインターロイキン15受容体α(IL-15Rα)との間の結合を減少させるが、インターロイキン15受容体βγ(IL-15Rβγ)シグナル伝達複合体との顕著な結合を保持してIL-15/IL-15Rβγ複合体を形成する、ポリペプチド上の位置の少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む単離および修飾されたIL-15ポリペプチドであって、IL-15Rαへの結合の減少が野生型IL-15ポリペプチドとIL-15Rαとの間の結合と比較される前記IL-15ポリペプチドが提供される。
【選択図】
図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
修飾されたインターロイキン15(IL-15)ポリペプチドとインターロイキン15受容体α(IL-15Rα)との間の結合を減少させるが、インターロイキン15受容体βγ(IL-15Rβγ)シグナル伝達複合体との顕著な結合を保持してIL-15/IL-15Rβγ複合体を形成する、ポリペプチド上の位置の少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む単離および修飾されたIL-15ポリペプチドであって、IL-15Rαへの結合の減少が野生型IL-15ポリペプチドとIL-15Rαとの間の結合と比較される前記IL-15ポリペプチド。
【請求項2】
半減期を増大させるポリペプチド上の位置の少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む単離および修飾されたインターロイキン15(IL-15)ポリペプチドであって、増大した半減期は野生型IL-15タンパク質の半減期と比較される前記IL-15ポリペプチド。
【請求項3】
修飾されたインターロイキン15(IL-15)ポリペプチドとインターロイキン15受容体α(IL-15Rα)との結合を減少させるが、インターロイキン15受容体βγ(IL-15Rβγ)シグナル伝達複合体との顕著なシグナル伝達効力を保持する、ポリペプチド上の位置の少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む単離および修飾されたIL-15ポリペプチドであって、IL-15Rαへの結合の減少は、野生型IL-15ポリペプチドとIL-15Rαとの結合と比較される前記IL-15ポリペプチド。
【請求項4】
シグナル伝達効力は、野生型IL-15ポリペプチドとIL-15Rβγとの間のシグナル伝達効力と比較される、請求項3に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項5】
修飾されたIL-15/IL-15Rβγ複合体と野生型IL-15/IL-15Rβγ複合体との間の受容体シグナル伝達効力の差は、1000倍未満、500倍未満、200倍未満、100倍未満、50倍未満、10倍未満、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、または1倍未満である、請求項4に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項6】
修飾されたIL-15/IL-15Rβγ複合体と野生型IL-15/IL-15Rβγ複合体との間の受容体シグナル伝達効力の差は、10倍超、20倍超、30倍超、40倍超、50倍超、100倍超、200倍超、300倍超、400倍超、または500倍超である、請求項4に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項7】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項8】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、
D22、A23、T24、L25、Y26、L44、E46、Q48、V49、E53、E89、E90、およびE93(残基位置は配列番号1に示される位置に対応する);
Y26、E46、V49、E53、およびL25(残基位置は配列番号1に示される位置に対応する);
A23、T24、E89、およびE93(残基位置は配列番号1に示される位置に対応する);
D22、L44、Q48、およびE90(残基位置は配列番号1に示される位置に対応する);
L25、E53、N77、およびS83(残基位置は配列番号1に示される位置に対応する);または
L25およびE53(残基位置は配列番号1に示される位置に対応する)
から選択される、請求項1または3に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項9】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、
E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、S51、L52、S54、G55、D56、A57、S58、H60、V63、I67、N71、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、L91、E92、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、およびF110(残基位置は配列番号1に示される位置に対応する);
D14、Q17、S18、K41、S51、L52、G55、D56、A57、S58、S75、S76、N77、N79、V80、T81、S83、G84、E92、K94、N95、K97、およびE98(残基位置は配列番号1に示される位置に対応する);
E13、L15、M19、H20、K36、V37、T38、S54、H60、I67、N71、G78、K86、E87、およびQ101(残基位置は配列番号1に示される位置に対応する);
I21、S34、C35、L44、V63、S73、L74、E82、C85、C88、L91、I96、L100、およびF110(残基位置は配列番号1に示される位置に対応する)
から選択される、請求項2に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項10】
少なくとも1つの非天然アミノ酸は、
・リジン類似体である;
・芳香族側鎖を含む;
・アジド基を含む;
・アルキン基を含む;または
・アルデヒドもしくはケトン基を含む
請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項11】
少なくとも1つの非天然アミノ酸は芳香族側鎖を含まない、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項12】
少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N6-アジドエトキシ-L-リジン(AzK)、N6-プロパルギルエトキシ-L-リジン(PraK)、BCN-L-リジン、ノルボルネンリジン、TCO-リジン、メチルテトラジンリジン、アリルオキシカルボニルリジン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、2-アミノ-8-オキソオクタン酸、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-アジドメチル-L-フェニルアラニン(pAMF)、p-ヨード-L-フェニルアラニン、m-アセチルフェニルアラニン、2-アミノ-8-オキ
ソノナン酸、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、3-メチル-フェニルアラニン、L-Dopa、フッ化フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、O-アリルチロシン、O-メチル-L-チロシン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、ホスホノチロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、2-アミノ-3-((2-((3-(ベンジルオキシ)-3-オキソプロピル)アミノ)エチル)セラニル)プロパン酸、2-アミノ-3-(フェニルセラニル)プロパン酸、またはセレノシステインを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項13】
少なくとも1つの非天然アミノ酸は、直交性tRNAシンテターゼ/tRNA対によって、修飾されたIL-15ポリペプチドに組み込まれる、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項14】
直交性シンテターゼ/tRNA対の直交性tRNAは、少なくとも1つの非天然核酸塩基を含む、請求項13に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項15】
直交性シンテターゼ/tRNA対の直交性tRNAは非天然塩基対を含む、請求項13に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項16】
修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を介してコンジュゲート化部分に共有結合している、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項17】
コンジュゲート化部分は、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質、またはペプチドを含む、請求項16に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項18】
水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメチルアクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、多糖、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、またはそれらの組み合わせを含む、請求項17に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項19】
水溶性ポリマーはPEG分子を含む、請求項17に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項20】
PEG分子は直鎖状PEGである、請求項19に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項21】
PEG分子は分枝状PEGである、請求項19に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項22】
水溶性ポリマーは多糖を含む、請求項17に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項23】
多糖は、デキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、またはヒドロキシエチルデンプン(HES)を含む、請求項22に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項24】
脂質は脂肪酸を含む、請求項17に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項25】
脂肪酸は、約6~約26個の炭素原子、約6~約24個の炭素原子、約6~約22個の炭素原子、約6~約20個の炭素原子、約6~約18個の炭素原子、約20~約26個の炭素原子、約12~約26個の炭素原子、約12~約24個の炭素原子、約12~約22個の炭素原子、約12~約20個の炭素原子、または約12~約18個の炭素原子を含む、請求項24に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項26】
脂肪酸は飽和脂肪酸である、請求項24に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項27】
タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、またはトランスチレチンを含む、請求項17に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項28】
コンジュゲート化部分はTLRアゴニストを含む、請求項16に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項29】
タンパク質は、抗体またはその結合断片を含む、請求項17に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項30】
抗体またはその結合断片は抗体のFc部分を含む、請求項29に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項31】
ペプチドは、XTENペプチド、グリジンに富むホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、またはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む、請求項17に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項32】
コンジュゲート化部分は、リンカーを介して、修飾されたIL-15の少なくとも1つの非天然アミノ酸に間接的に結合している、請求項16に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項33】
リンカーは、ホモ二官能性リンカー、ヘテロ二官能性リンカー、ゼロ長リンカー、切断可能または切断不可能なジペプチドリンカー、マレイミド基、スペーサー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項32に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項34】
修飾されたIL-15ポリペプチドは、残基位置N71、N72、またはN77での修飾をさらに含み、残基位置が配列番号1に示される位置に対応する、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項35】
修飾は、CMC条件および/または効力を改善する、請求項34に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項36】
修飾されたIL-15ポリペプチドは、残基E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、S51、L52、S54、G55、D56、A57、S58、H60、V63、I67、N71、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、L91、E92、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、またはF110をさらに含み、修飾は半減期の延長を改善する、請求項1または3に記載の単離および修飾されたIL15ポリペプチド。
【請求項37】
修飾されたIL-15ポリペプチドは、
残基D22、A23、T24、L25、Y26、L44、E46、Q48、V49、E53、E89、E90、もしくはE93(修飾はIL-15Rαとの相互作用を損なう);
残基N1、N4、S7、D8、K11、D61、T62、E64、N65、I68、L69、もしくはN72(修飾はIL-15Rβとの相互作用を損なう);
残基V3、I6、K10、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S102、V104、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、もしくはS114(修飾はIL-15Rγとの相互作用を損なう);または
それらの組合せ
で修飾をさらに含む、請求項2に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項38】
修飾は、天然アミノ酸または非天然アミノ酸への変更である、請求項36または37に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項39】
結合親和性の低下は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15Rαへの結合親和性の約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%の低下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項40】
結合親和性の低下は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15Rαに対して、約3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、またはそれ以下への低下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項41】
修飾されたIL-15ポリペプチドは、
完全長IL-15ポリペプチドの機能的に活性な断片;
組換えIL-15ポリペプチド;または
組換えヒトIL-15ポリペプチド
である、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項42】
修飾されたIL-15ポリペプチドは、N末端欠失、C末端欠失、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項43】
N末端欠失は、N末端からの最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、または30残基の欠失を含み、残基位置は、配列番号1の位置を基準にする、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項44】
C末端欠失は、C末端からの最後の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、またはそれ以上の残基の欠失を含み、残基位置は、配列番号1の位置を基準にする、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項45】
IL-15Rαへの結合親和性の低下を伴う修飾されたIL-15ポリペプチドは、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団、またはそれらの組み合わせを拡大することができる、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項46】
コンジュゲート化部分または非天然アミノ酸は、IL-15とIL-15Rαとの結合を損なうかまたは遮断する、請求項16に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項47】
コンジュゲート化部分または非天然アミノ酸は半減期を延長するが、IL-15とIL-15受容体との結合を損なわないかまたは遮断しない、請求項16に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項48】
コンジュゲート化部分または非天然アミノ酸は、IL-15のIL-15Rβおよび/またはIL-15Rγへの結合を増加させる、請求項16に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項49】
IL-15の増大した半減期は、野生型IL-15の血漿半減期よりも少なくとも90分、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、3日、4日、5日、6日、7日、またはそれより長い、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項50】
IL-15の増大した半減期は、約90分、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、3日、4日、5日、6日、または7日である、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項51】
修飾されたIL-15ポリペプチドによるIL-15Rβγ複合体を介したCD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、またはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団の活性化は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、前記細胞集団の活性化の顕著な効力を保持する、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項52】
修飾されたIL-15ポリペプチドのIL-15Rβγ複合体に対する受容体シグナル伝達効力は、IL-15Rβγ複合体に対する野生型IL-15ポリペプチドの受容体シグナル伝達効力よりも高い、請求項51に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項53】
修飾されたIL-15ポリペプチドのIL-15Rβγ複合体に対する受容体シグナル伝達効力は、IL-15Rβγ複合体に対する野生型IL-15ポリペプチドの受容体シグナル伝達効力よりも低い、請求項51に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項54】
少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む単離および修飾されたインターロイキン15(
IL-15)ポリペプチドであって、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、インターロイキン2/インターロイキン15受容体β(IL-2/IL-15Rβ)、インターロイキン15受容体γ(IL-15Rγ)、またはそれらの組み合わせとの修飾されたIL-15ポリペプチドの結合親和性を選択的に低下させるが、インターロイキン15受容体α(IL-15Rα)との相互作用に影響を及ぼさない残基位置にある、前記単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項55】
修飾されたIL-15ポリペプチドは、IL-15Rβへの低下した結合親和性を有する、請求項54に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項56】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、N4、S7、D8、K11、D61、T62、E64、N65、I68、L69、およびN72から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する、請求項55に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項57】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、
N4、S7、K11、およびD61;
D8、E64、N65、I68、およびN72;または
N1、T62、およびL69
から選択される、請求項55に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項58】
修飾されたIL-15ポリペプチドは、IL-15Rγへの低下した結合親和性を有する、請求項54に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項59】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V3、I6、K10、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S102、V104、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する、請求項58に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項60】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、
V3、K10、S29、D30、H32、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114;
E28、P33、S102、およびV104;または
IV6およびV31
から選択される、請求項58に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項61】
修飾されたIL-15ポリペプチドは、半減期の延長を改善するための修飾をさらに含む、請求項54~60のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項62】
修飾は、残基位置E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、S51、L52、S54、G55、D56、A57、S58、H60、V63、I67、N71、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、L91、E92、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、またはF110であり、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する、請求項61に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項63】
修飾されたIL-15ポリペプチドは、残基位置N71、N72、またはN77での修飾をさらに含み、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する、請求項54~62のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項64】
修飾は非天然アミノ酸への変更である、請求項61~63のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項65】
修飾は天然アミノ酸への変更である、請求項61~63のいずれか1項に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項66】
修飾はCMC条件および/または効力を改善する、請求項63に記載の単離および修飾されたIL-15ポリペプチド。
【請求項67】
インターロイキン15(IL-15)コンジュゲートであって、
単離および精製されたIL-15ポリペプチド;ならびに
アミノ酸残基の番号付けが配列番号1に対応する、N4、E46、D61、E64、N65、I68およびL69から選択されるアミノ酸位置で該単離および精製されたIL-15ポリペプチドに結合するコンジュゲート化部分
を含む前記IL-15コンジュゲート。
【請求項68】
アミノ酸残基はシステインまたはリジンに突然変異されている、請求項67に記載のIL-15コンジュゲート。
【請求項69】
N4、E46、N65、およびL69から選択されるアミノ酸残基は、さらに非天然アミノ酸に突然変異されている、請求項67に記載のIL-15コンジュゲート。
【請求項70】
医薬組成物であって、
請求項1~66のいずれか1項に記載の修飾されたIL-15ポリペプチドまたは請求項67~69のいずれか1項に記載のIL-15コンジュゲート;および
薬学的に許容される賦形剤
を含む前記医薬組成物。
【請求項71】
医薬組成物は非経口投与用に製剤化される、請求項70に記載の医薬組成物。
【請求項72】
それを必要とする対象における増殖性疾患または状態を治療する方法であって、請求項1~66のいずれか1項に記載される修飾されたIL-15ポリペプチドまたは請求項67~69のいずれか1項に記載されるIL-15コンジュゲートの治療的に有効な量を該対象に投与することを含む前記方法。
【請求項73】
増殖性疾患または状態はがんである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
がんは固形腫瘍がんである、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
固形腫瘍がんは、膀胱がん、骨がん、脳がん、乳がん、大腸がん、食道がん、眼がん、頭頸部がん、腎臓がん、肺がん、黒色腫、卵巣がん、膵臓がん、または前立腺がんである、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
がんは血液悪性腫瘍である、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、
濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外辺縁帯B細胞リンパ腫、節辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽球性大細胞リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大B細胞リンパ腫、血管内大B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
追加の治療剤を投与する工程をさらに含む、請求項72~77のいずれか1項記に記載の方法。
【請求項79】
修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートおよび追加の治療剤は同時に投与される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートおよび追加の治療剤は連続的に投与される、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、追加の治療剤の前に投与される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、追加の治療剤の投与後に投与される、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
対象はヒトである、請求項72~82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
エフェクターT(Teff)細胞、記憶T(Tmem)細胞、およびナチュラルキラー(NK)細胞集団を拡大させる方法であって、
a)細胞を請求項1~66のいずれか1項に記載の修飾されたIL-15ポリペプチド、または請求項67~69のいずれか1項に記載のIL-15コンジュゲートと接触させる工程;および
b)IL-15をIL-15RβおよびIL-15Rγサブユニットと相互作用させ、IL-15/IL-15Rβγ複合体を形成させる工程
を含み、IL-15コンジュゲートは、IL-15Rαサブユニットへの低下した親和性を有し、IL-15/IL-15Rβγ複合体は、Teff、Tmem、およびNK細胞の拡大を刺激する方法。
【請求項85】
細胞は真核細胞である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
細胞は哺乳動物細胞である、請求項84または85に記載の方法。
【請求項87】
細胞はヒト細胞である、請求項84~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
IL-15コンジュゲートは、単離および精製されたIL-15ポリペプチド、ならびにN4、E46、N65、およびL69から選択されるアミノ酸残基で該単離および精製されたIL-15ポリペプチドに結合するコンジュゲート化部分を含み、アミノ酸残基の番号付けは配列番号1に対応する、請求項84~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
低下した親和性は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15Rαへの結合親和性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90
%、95%または99%の低下である、請求項84~88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
IL-15Rαに対する低下した親和性は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、約1分の1、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、またはそれ以下である、請求項84~88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
コンジュゲート化部分は、IL-15とIL-15Rαとの結合を損なうかまたは遮断する、請求項84~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
キットであって、請求項1~66のいずれか1項に記載の修飾されたIL-15ポリペプチド、請求項67~69のいずれか1項に記載のIL-15コンジュゲート、または請求項70もしくは71に記載の医薬組成物を含む前記キット。
【請求項93】
キットであって、請求項1~66のいずれか1項に記載の修飾されたIL-15ポリペプチドをコードするポリ核酸分子を含む前記キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年2月26日に出願された米国仮特許出願第62/635,133号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
T細胞の別々の集団が、免疫ホメオスタシスおよび免疫寛容を維持するために免疫系を調節する。例えば、制御性T(Treg)細胞は、病的自己反応性を防ぐことによって免疫系による不適切な応答を防ぎ、一方、細胞傷害性T細胞は、感染細胞および/またはがん細胞を標的とし、破壊する。一部の実施形態では、T細胞の異なる集団の調節は、疾患または症状の治療のための選択肢を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書には、特定の実施形態において、IL-15コンジュゲート、およびがんの治療における使用が開示される。一部の実施形態では、本明細書には、IL-15受容体とIL-15受容体との間の相互作用を調節して、特異的T細胞集団を刺激または拡大する方法もまた記載される。追加の場合において、本明細書には、さらに、本明細書に記載される1つまたはそれ以上のIL-15コンジュゲートを含む医薬組成物およびキットが記載される。
【0004】
本明細書には、特定の実施形態において、少なくとも1つの翻訳後修飾された非天然アミノ酸を含む修飾されたインターロイキン15(IL-15)ポリペプチドが開示され、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、修飾されたIL-15ポリペプチドのインターロイキン15受容体α(IL-15Rα)との結合親和性を選択的に低下させる残基位置にあり、結合親和性の低下は、野生型IL-15ポリペプチドとIL-15Rαとの間の結合親和性に相対的であり、修飾されたIL-15ポリペプチドのインターロイキン2/インターロイキン15受容体βγ(IL-2/IL-15Rβγ)との相互作用は、顕著な影響を受けない。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D22、A23、T24、L25、Y26、L44、E46、Q48、V49、E53、E89、E90、およびE93;Y26、E46、V49、E53、およびL25;A23、T24、E89、およびE93;D22、L44、Q48、およびE90;L25、E53、N77、およびS83;またはL25およびE53から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E89、E53、E93、V49、E46、Y26、L25、T24、A23、D22、I21、およびL52から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の
実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46、Y26、V49、E53、T24、N4、K11、N65、L69、S18、H20、およびS83から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46、Y26、V49、E53、およびT24から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46、V49、E53、およびT24から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、Y26、V49、E53、およびT24から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V49、E53、およびT24から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46およびY26から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46であり、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、Y26であり、残基位置は、配列番号1に記載の位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V49であり、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E53であり、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、T24であり、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N4、K11、N65、L69、S18、H20、およびS83から選択され、残基の位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-ヨード-L-フェニルアラニン、O-メチル-L-チロシン、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、3-メチル-フェニルアラニン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-Dopa、フッ素化フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、またはN6-(2-アジドエトキシ)-カルボニル-L-リジンを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、
図2Cに示される非天然アミノ酸を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、直交性tRNAシンテターゼ/tRNA対によって修飾されたIL-15ポリペプチドに組み込まれる。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を介してコンジュゲート化部分にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、水溶性ポリマー、タンパク質、またはポリペプチドを含む。一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、多糖、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、もしくはそれらの組み合わせ;または多糖を含む。一部の実施形態では、水溶性ポリマーはPEGを含む。一部の実施形態では、PEGは直鎖状PEGまたは分枝状PEGである。一部の実施形態では、水溶性ポリマーはグリカンを含む。一部の実施形態では、多糖は、デキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、またはヒドロキシエチル-デンプン(HES)を含む。一部の実施形態では、コンジュ
ゲート化部分は、飽和脂肪酸を含む。一部の実施形態では、飽和脂肪酸は、ヘキサデカン酸、テトラデカン酸、または15-アジドペンタデカン酸を含む。一部の実施形態では、タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、トランスチレチン、または抗体のFc部分を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、XTENペプチド、グリジンに富むホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、またはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、修飾されたIL-15の少なくとも1つの非天然アミノ酸に直接結合される。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、リンカーを介して、修飾されたIL-15の少なくとも1つの非天然アミノ酸に間接的に結合される。一部の実施形態では、リンカーは、ホモ二官能性リンカーを含む。一部の実施形態では、ホモ二官能性リンカーは、Lomant試薬ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)DSP、3’3’-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、酒石酸ジスクシンイミジル(DST)、酒石酸ジスルホスクシンイミジル(スルホDST)、エチレングリコビス(コハク酸スクシンイミジル)(EGS)、グルタミン酸ジスクシンイミジル(DSG)、炭酸N、N’-ジスクシンイミジル(DSC)、アジピン酸ジメチル(DMA)、ピメリミジン酸ジメチル(DMP)、スベリミン酸ジメチル(DMS)、ジメチル-3,3’-ジチオビスプロピオンイミデート(DTBP)、1,4-ジ-(3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン(DPDPB)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、ハロゲン化アリール含有化合物(DFDNB)、例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンまたは1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼン、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)、ビス-[β-(4-アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド(BASED)、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、o-トルイジン、3,3’-ジメチルベンジジン、ベンジジン、α,α’-p-ジアミノジフェニル、ジヨード-p-キシレンスルホン酸、N,N’-エチレン-ビス(ヨードアセトアミド)、またはN,N’-ヘキサメチレン-ビス(ヨードアセトアミド)を含む。一部の実施形態では、リンカーは、ヘテロ二官能性リンカーを含む。一部の実施形態では、ヘテロ二官能性リンカーは、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(sPDP)、長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(LC-sPDP)、水溶性長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸(スルホ-LC-sPDP)、スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(sMPT)、スルホスクシンイミジル-6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサノエート(スルホ-LC-sMPT)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sMCC)、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-sMCC)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MB)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBs)、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(sIAB)、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセトイル)アミノベンゾエート(スルホ-sIAB)、スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(sMPB)、スルホスクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(スルホ-sMPB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル(GMB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMB)、スクシンイミジル6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノエート(sIAX)、スクシンイミジル6-[6-(((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ]ヘキサノエート(sIAXX)、スクシンイミジル4-((((ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sIAC)、スクシンイミジル6-(((((4-ヨードアセチル)アミノ)メ
チル)シクロヘキサン-1-カルボニル)アミノ)ヘキサノエート(sIACX)、
p-ニトロフェニルヨードアセテート(NPIA)、4-(4-N-マレイミドフェニル)ブタン酸ヒドラジド(MPBH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-などのカルボニル反応性およびスルフヒドリル反応性架橋剤ヒドラジド-8(M
2C
2H)、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド(PDPH)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(NHs-AsA)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(スルホ-NHs-AsA)、スルホスクシンイミジル-(4-アジドサリチルアミド)ヘキサノエート(スルホ-NHs-LC-AsA)、スルホスクシンイミジル-2-(p-アジドサリチルアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAsD)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート(HsAB)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート(スルホ-HsAB)、N-スクシンミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(sANPAH)、スルホスクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(スルホ-sANPAH)、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド(ANB-NOs)、スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAND)、N-スクシンイミジル-4(4-アジドフェニル)1,3’-ジチオプロピオネート(sADP)、N-スルホスクシンイミジル(4-アジドフェニル)-1,3’-ジチオプロピオネート(スルホ-sADP)、スルホスクシンイミジル4-(p-アジドフェニル)ブチレート(スルホ-sAPB)、スルホスクシンイミジル2-(7-アジド-4-メチルクマリン)-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAED)、スルホスクシンイミジル7-アジド-4-メチルクメイン-3-アセテート(スルホ-sAMCA)、p-ニトロフェニルジアゾピルベート(pNPDP)、p-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸(PNP-DTP)、1-(p-アジドサリチルアミド)-4-(ヨードアセトアミド)ブタン(AsIB)、N-[4-(p-アジドサリチルアミド)ブチル]-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、ベンゾフェノン-4-ヨードアセトアミド、p-アジドベンゾイルヒドラジド(ABH)、4-(p-アジドサリチルアミド)ブチルアミン(AsBA)、またはp-アジドフェニルグリオキサール(APG)を含む。一部の実施形態では、リンカーは、切断可能なまたは切断不可能なジペプチドリンカーを含む。一部の施形態では、ジペプチドリンカーは、Val-Cit、Phe-Lys、Val-Ala、またはVal-Lysを含む。一部の実施形態では、リンカーはマレイミド基を含む。一部の実施形態では、リンカーはスペーサーを含む。一部の実施形態では、スペーサーは、p-アミノベンジルアルコール(PAB)、p-アミノベンゾキシオキシカルボニル(PABC)、それらの誘導体もしくは類似体を含む。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、修飾されたIL-15ポリペプチドの血清半減期を延長することができる。一部の実施形態では、結合親和性の低下は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-115αへの結合親和性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%の低下である。一部の実施形態では、IL-15Rαへの結合親和性の低下は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、約1分の1、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、またはそれ以下への低下である。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、全長IL-15ポリペプチドの機能的に活性な断片である。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、組換えIL-15ポリペプチドである。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、組換えヒトIL-15ポリペプチドである。一部の実施形態では、IL-15Rαへの結合親和性が低下した修飾されたIL-15ポリペプチドは、エフェクターT(Teff)細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞集団を拡大することができる。
【0005】
本明細書には、特定の実施形態において、翻訳後修飾された少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む修飾されたインターロイキン15(IL-15)ポリペプチドが開示され、少なくとも1つの非天然アミノ酸が、修飾されたIL-15ポリペプチドのインターロイキン15受容体α(IL-15Rα)またはIL-2/インターロイキン15受容体βγ(IL-2/IL-15Rβγ)との結合親和性に顕著な影響を及ぼさない。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、延長された半減期を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D22、A23、T24、L25、Y26、L44、E46、Q48、V49、E53、E89、E90、およびE93;Y26、E46、V49、E53、およびL25;A23、T24、E89、およびE93;D22、L44、Q48、およびE90;L25、E53、N77、およびS83;またはL25およびE53から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、M1、S18、H20、K36、K41、G55、D56、S75、S76、N77、G78、V80、T81、S83、およびK86から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-ヨード-L-フェニルアラニン、O-メチル-L-チロシン、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、3-メチル-フェニルアラニン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-Dopa、フッ素化フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、またはN6-(2-アジドエトキシ)-カルボニル-L-リジンを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、
図2Cに示される非天然アミノ酸を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、直交性tRNAシンテターゼ/tRNA対によって修飾されたIL-15ポリペプチドに組み込まれる。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を介してコンジュゲート化部分にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、水溶性ポリマー、タンパク質、またはポリペプチドを含む。一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、多糖、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、もしくはそれらの組み合わせ;または多糖を含む。一部の実施形態では、水溶性ポリマーはPEGを含む。一部の実施形態では、PEGは直鎖状PEGまたは分枝状PEGである。一部の実施形態では、水溶性ポリマーはグリカンを含む。一部の実施形態では、多糖は、デキストラン、ポリ
シアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、またはヒドロキシエチル-デンプン(HES)を含む。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、飽和脂肪酸を含む。一部の実施形態では、飽和脂肪酸は、ヘキサデカン酸、テトラデカン酸、または15-アジドペンタデカン酸を含む。一部の実施形態では、タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、トランスチレチン、または抗体のFc部分を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、XTENペプチド、グリジンに富むホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、またはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、修飾されたIL-15の少なくとも1つの非天然アミノ酸に直接結合される。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、リンカーを介して、修飾されたIL-15の少なくとも1つの非天然アミノ酸に間接的に結合される。一部の実施形態では、リンカーは、ホモ二官能性リンカーを含む。一部の実施形態では、ホモ二官能性リンカーは、Lomant試薬ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)DSP、3’3’-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、酒石酸ジスクシンイミジル(DST)、酒石酸ジスルホスクシンイミジル(スルホDST)、エチレングリコビス(コハク酸スクシンイミジル)(EGS)、グルタミン酸ジスクシンイミジル(DSG)、炭酸N、N’-ジスクシンイミジル(DSC)、アジピン酸ジメチル(DMA)、ピメリミジン酸ジメチル(DMP)、スベリミン酸ジメチル(DMS)、ジメチル-3,3’-ジチオビスプロピオンイミデート(DTBP)、1,4-ジ-(3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン(DPDPB)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、ハロゲン化アリール含有化合物(DFDNB)、例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンまたは1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼン、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)、ハロゲン化アリール含有化合物(DFDNB)、例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンまたは1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼン、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)、ビス-[β-(4-アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド(BASED)、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、o-トルイジン、3,3’-ジメチルベンジジン、ベンジジン、α,α’-p-ジアミノジフェニル、ジヨード-p-キシレンスルホン酸、N,N’-エチレン-ビス(ヨードアセトアミド)、またはN,N’-ヘキサメチレン-ビス(ヨードアセトアミド)を含む。一部の実施形態では、リンカーは、ヘテロ二官能性リンカーを含む。一部の実施形態では、ヘテロ二官能性リンカーは、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(sPDP)、長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(LC-sPDP)、水溶性長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸(スルホ-LC-sPDP)、スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(sMPT)、スルホスクシンイミジル-6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサノエート(スルホ-LC-sMPT)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sMCC)、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-sMCC)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MB)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBs)、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(sIAB)、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセトイル)アミノベンゾエート(スルホ-sIAB)、スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(sMPB)、スルホスクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(スルホ-sMPB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル(GMB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)ス
ルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMB)、スクシンイミジル6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノエート(sIAX)、スクシンイミジル6-[6-(((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ]ヘキサノエート(sIAXX)、スクシンイミジル4-((((ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sIAC)、スクシンイミジル6-(((((4-ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボニル)アミノ)ヘキサノエート(sIACX)、p-ニトロフェニルヨードアセテート(NPIA)、4-(4-N-マレイミドフェニル)ブタン酸ヒドラジド(MPBH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-などのカルボニル反応性およびスルフヒドリル反応性架橋剤ヒドラジド-8(M
2C
2H)、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド(PDPH)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(NHs-AsA)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(スルホ-NHs-AsA)、スルホスクシンイミジル-(4-アジドサリチルアミド)ヘキサノエート(スルホ-NHs-LC-AsA)、スルホスクシンイミジル-2-(p-アジドサリチルアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAsD)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート(HsAB)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート(スルホ-HsAB)、N-スクシンミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(sANPAH)、スルホスクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(スルホ-sANPAH)、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド(ANB-NOs)、スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAND)、N-スクシンイミジル-4(4-アジドフェニル)1,3’-ジチオプロピオネート(sADP)、N-スルホスクシンイミジル(4-アジドフェニル)-1,3’-ジチオプロピオネート(スルホ-sADP)、スルホスクシンイミジル4-(p-アジドフェニル)ブチレート(スルホ-sAPB)、スルホスクシンイミジル2-(7-アジド-4-メチルクマリン)-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAED)、スルホスクシンイミジル7-アジド-4-メチルクメイン-3-アセテート(スルホ-sAMCA)、
p-ニトロフェニルジアゾピルベート(pNPDP)、p-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸(PNP-DTP)、1-(p-アジドサリチルアミド)-4-(ヨードアセトアミド)ブタン(AsIB)、N-[4-(p-アジドサリチルアミド)ブチル]-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、ベンゾフェノン-4-ヨードアセトアミド、p-アジドベンゾイルヒドラジド(ABH)、4-(p-アジドサリチルアミド)ブチルアミン(AsBA)、またはp-アジドフェニルグリオキサール(APG)を含む。一部の実施形態では、リンカーは、切断可能なまたは切断不可能なジペプチドリンカーを含む。一部の施形態では、ジペプチドリンカーは、Val-Cit、Phe-Lys、Val-Ala、またはVal-Lysを含む。一部の実施形態では、リンカーはマレイミド基を含む。一部の実施形態では、リンカーはスペーサーを含む。一部の実施形態では、スペーサーは、p-アミノベンジルアルコール(PAB)、p-アミノベンゾキシオキシカルボニル(PABC)、それらの誘導体もしくは類似体を含む。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、全長IL-15ポリペプチドの機能的に活性な断片である。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、組換えIL-15ポリペプチドである。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、組換えヒトIL-15ポリペプチドである。一部の実施形態では、IL-15Rαへの結合親和性が低下した修飾されたIL-15ポリペプチドは、エフェクターT(Teff)細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞集団を拡大することができる。
【0006】
本明細書には、特定の実施形態において、翻訳後修飾された少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む修飾されたインターロイキン15(IL-15)ポリペプチドが開示され、
少なくとも1つの非天然アミノ酸が、修飾されたIL-15ポリペプチドのインターロイキン2/インターロイキン15受容体β(IL-2/IL-15Rβ)との結合親和性を選択的に低下させるが、インターロイキン15受容体α(IL-15Rα)との相互作用に影響を及ぼさない残基位置にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V3、I6、K10、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S102、V104、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V3、K10、S29、D30、H32、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114;E28、P33、S102、およびV104;またはI6およびV31から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、N4、S7、D8、K11、D61、T62、E64、N65、I68、L69、およびN72から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N4、S7、K11、およびD61;D8、E64、N65、I68、およびN72;またはN1、T62、およびL69から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-ヨード-L-フェニルアラニン、O-メチル-L-チロシン、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、3-メチル-フェニルアラニン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-Dopa、フッ素化フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、またはN6-(2-アジドエトキシ)-カルボニル-L-リジンを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、
図1~3に示される非天然アミノ酸を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、直交性tRNAシンテターゼ/tRNA対によって修飾されたIL-15ポリペプチドに組み込まれる。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を介してコンジュゲート化部分にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、水溶性ポリマー、タンパク質、またはポリペプチドを含む。一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、多糖、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、もしくはそれらの組み合わせ;または多糖を含む。一部の実施形態では、水溶性ポリマーはPEGを含む。一部の実施形態では、PEGは直鎖状PEGまたは分枝状PEGである。一部の実施形態では、水溶性ポリマーはグリカンを含む。一部の実施形態では、多糖は、デキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、またはヒドロキシエチル-デンプン(HES)を含む。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、飽和脂肪酸を含む。一部の実施形態では、飽和脂肪酸は、ヘキサデカン酸、テトラデカン酸、または15-アジドペンタデカン酸を含む。一部の実施形態では、タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、トランスチレチン、または抗体のFc部分を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、XTENペプチド、グリジンに富むホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、またはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、修飾されたIL-15の少なくとも1つの非天然アミノ酸に直接結合される。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は
、リンカーを介して、修飾されたIL-15の少なくとも1つの非天然アミノ酸に間接的に結合される。一部の実施形態では、リンカーは、ホモ二官能性リンカーを含む。一部の実施形態では、ホモ二官能性リンカーは、Lomant試薬ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)DSP、3’3’-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、酒石酸ジスクシンイミジル(DST)、酒石酸ジスルホスクシンイミジル(スルホDST)、エチレングリコビス(コハク酸スクシンイミジル)(EGS)、グルタミン酸ジスクシンイミジル(DSG)、炭酸N、N’-ジスクシンイミジル(DSC)、アジピン酸ジメチル(DMA)、ピメリミジン酸ジメチル(DMP)、スベリミン酸ジメチル(DMS)、ジメチル-3,3’-ジチオビスプロピオンイミデート(DTBP)、1,4-ジ-(3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン(DPDPB)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、ハロゲン化アリール含有化合物(DFDNB)、例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンまたは1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼン、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)、ビス-[β-(4-アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド(BASED)、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、o-トルイジン、3,3’-ジメチルベンジジン、ベンジジン、α,α’-p-ジアミノジフェニル、ジヨード-p-キシレンスルホン酸、N,N’-エチレン-ビス(ヨードアセトアミド)、またはN,N’-ヘキサメチレン-ビス(ヨードアセトアミド)を含む。一部の実施形態では、リンカーは、ヘテロ二官能性リンカーを含む。一部の実施形態では、ヘテロ二官能性リンカーは、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(sPDP)、長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(LC-sPDP)、水溶性長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸(スルホ-LC-sPDP)、スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(sMPT)、スルホスクシンイミジル-6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサノエート(スルホ-LC-sMPT)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sMCC)、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-sMCC)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MB)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBs)、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(sIAB)、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセトイル)アミノベンゾエート(スルホ-sIAB)、スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(sMPB)、スルホスクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(スルホ-sMPB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル(GMB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMB)、スクシンイミジル6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノエート(sIAX)、スクシンイミジル6-[6-(((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ]ヘキサノエート(sIAXX)、スクシンイミジル4-((((ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sIAC)、スクシンイミジル6-(((((4-ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボニル)アミノ)ヘキサノエート(sIACX)、p-ニトロフェニルヨードアセテート(NPIA)、4-(4-N-マレイミドフェニル)ブタン酸ヒドラジド(MPBH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-などのカルボニル反応性およびスルフヒドリル反応性架橋剤ヒドラジド-8(M
2C
2H)、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド(PDPH)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(NHs-AsA)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(スルホ-NHs-AsA)、スルホスクシンイミジル-(4-アジドサリチルアミド)ヘキサノエート(スルホ
-NHs-LC-AsA)、スルホスクシンイミジル-2-(p-アジドサリチルアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAsD)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート(HsAB)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート(スルホ-HsAB)、N-スクシンミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(sANPAH)、スルホスクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(スルホ-sANPAH)、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド(ANB-NOs)、スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAND)、N-スクシンイミジル-4(4-アジドフェニル)1,3’-ジチオプロピオネート(sADP)、N-スルホスクシンイミジル(4-アジドフェニル)-1,3’-ジチオプロピオネート(スルホ-sADP)、スルホスクシンイミジル4-(p-アジドフェニル)ブチレート(スルホ-sAPB)、スルホスクシンイミジル2-(7-アジド-4-メチルクマリン)-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAED)、スルホスクシンイミジル7-アジド-4-メチルクメイン-3-アセテート(スルホ-sAMCA)、p-ニトロフェニルジアゾピルベート(pNPDP)、p-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸(PNP-DTP)、1-(p-アジドサリチルアミド)-4-(ヨードアセトアミド)ブタン(AsIB)、N-[4-(p-アジドサリチルアミド)ブチル]-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、ベンゾフェノン-4-ヨードアセトアミド、p-アジドベンゾイルヒドラジド(ABH)、4-(p-アジドサリチルアミド)ブチルアミン(AsBA)、またはp-アジドフェニルグリオキサール(APG)を含む。一部の実施形態では、リンカーは、切断可能なまたは切断不可能なジペプチドリンカーを含む。一部の施形態では、ジペプチドリンカーは、Val-Cit、Phe-Lys、Val-Ala、またはVal-Lysを含む。一部の実施形態では、リンカーはマレイミド基を含む。一部の実施形態では、リンカーはスペーサーを含む。
一部の実施形態では、スペーサーは、p-アミノベンジルアルコール(PAB)、p-アミノベンゾキシオキシカルボニル(PABC)、それらの誘導体もしくは類似体を含む。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、修飾されたIL-15ポリペプチドの血清半減期を延長することができる。一部の実施形態では、結合親和性の低下は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15Rαへの結合親和性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%の低下である。一部の実施形態では、IL-15Rαへの結合親和性の低下は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、約1分の1、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、またはそれ以下への低下である。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、全長IL-15ポリペプチドの機能的に活性な断片である。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、組換えIL-15ポリペプチドである。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、組換えヒトIL-15ポリペプチドである。一部の実施形態では、IL-15Rαへの結合親和性が低下した修飾されたIL-15ポリペプチドは、エフェクターT(Teff)細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞集団を拡大することができる。
【0007】
本明細書には、特定の実施形態において、単離および精製されたインターロイキン15(IL-15)ポリペプチド;ならびにN4、E46、D61、E64、N65、I68およびL69から選択されるアミノ酸位置で単離および精製されたIL-15ポリペプチドに結合するコンジュゲート化部分を含むIL-15コンジュゲートが開示され、アミノ酸残基の番号付けは配列番号1に対応する。一部の実施形態では、アミノ酸位置はN4である。一部の実施形態では、アミノ酸位置はE46である。一部の実施形態では、アミノ酸位置は、D61である。一部の実施形態では、アミノ酸位置はE64である。一部の実
施形態では、アミノ酸位置はN65である。一部の実施形態では、アミノ酸位置はI68である。一部の実施形態では、アミノ酸位置はL69である。一部の実施形態では、アミノ酸残基は、システインに突然変異される。一部の実施形態では、アミノ酸残基は、リジンに突然変異される。一部の実施形態では、N4、E46、N65、およびL69から選択されるアミノ酸残基は、さらに非天然アミノ酸に突然変異される。一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-ヨード-L-フェニルアラニン、O-メチル-L-チロシン、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、3-メチル-フェニルアラニン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-Dopa、フッ素化フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、またはN6-(2-アジドエトキシ)-カルボニル-L-リジンを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、
図2Cに示される非天然アミノ酸を含む。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15受容体α(IL-15Rα)サブユニットへの低下した親和性を有する。一部の実施形態では、低下した親和性は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15Rαへの結合親和性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%の低下である。一部の実施形態では、IL-15Rαへの低下した親和性は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、約1分の1、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、またはそれ以下である。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、IL-15とIL-15Rαとの結合を損なうかまたは遮断する。
【0008】
本明細書には、特定の実施形態において、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲート;および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が開示される。一部の実施形態では、医薬組成物は、非経口投与のために製剤化される。
【0009】
本明細書には、特定の実施形態において、それを必要とする対象における増殖性疾患または状態を治療する方法であって、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの治療有効量を対象に投与することを含む方法が開示される。一部の実施形態では、増殖性疾患または状態はがんである。一部の実施形態では、がんは固形腫瘍がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍がんは、膀胱がん、骨がん、脳がん、乳がん、大腸がん、食道がん、眼がん、頭頸部がん、腎臓がん、肺がん、黒色腫、卵巣がん、膵臓がん、または前立腺がんである。一部の実施形態では、がんは、血液学的悪性腫瘍である。一部の実施形態では、血液悪性腫瘍が、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外辺縁帯B細胞リンパ腫、節辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大B細胞リンパ腫、血管内大B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症である。一部の実施形態では、本方法は、追加の治療剤を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートおよび追加の治療剤は、同時に投与される。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートおよび追加の治療剤は、連続的に投与される。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドまたは
IL-15コンジュゲートは、追加の治療剤の前に投与される。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、追加の治療剤の投与後に投与される。一部の実施形態では、対象はヒトである。
【0010】
本明細書には、特定の実施形態において、エフェクターT(Teff)細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞集団を拡大する方法が開示され、方法は、(a)細胞を修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートと接触させること;および(b)IL-15をIL-15RβおよびIL-15Rγサブユニットと相互作用させて、IL-15/IL-15Rβγ複合体を形成することを含み、IL-15コンジュゲートは、IL-15Rαサブユニットへの低下した親和性を有し、IL-15/IL-15Rβγ複合体は、TeffおよびNK細胞の拡大を刺激する。一部の実施形態では、細胞は真核細胞である。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。一部の実施形態では、細胞はヒト細胞である。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、単離および精製されたIL-15ポリペプチド、ならびにN4、E46、N65、およびL69から選択されるアミノ酸残基で単離および精製されたIL-2ポリペプチドに結合するコンジュゲート化部分を含み、アミノ酸残基の番号付けは配列番号1に対応する。一部の実施形態では、低下した親和性は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15Rαへの結合親和性における約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%の低下である。一部の実施形態では、IL-15Rαへの低下した親和性は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、約1分の1、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、またはそれ以下である。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、IL-15とIL-15Rαとの結合を損なうかまたは遮断する。
【0011】
本明細書には、特定の実施形態において、修飾されたIL-15ポリペプチド、IL-15コンジュゲート、または医薬組成物を含むキットが開示される。
【0012】
本明細書には、特定の実施形態において、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15ポリペプチドをコードするポリ核酸分子を含むキットが開示される。
【0013】
本開示の種々の態様は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本開示の特徴および利点のより良い理解は、本開示の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、およびその添付の図面を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】例示的な非天然アミノ酸を示す図である。この図は、Youngら、「Beyond the canonical 20 amino acids:expanding the genetic lexicon」、J.of Biological Chemistry、285巻(15号):11039~11044頁(2010年)の
図2から採用される。
【
図2A】例示的な非天然アミノ酸を示す図である。
図2Aは、例示的なリジン誘導体を示す。
【
図2B】例示的な非天然アミノ酸を示す図である。
図2Bは、例示的なフェニルアラニン誘導体を示す。
【
図3A】例示的な非天然アミノ酸を示す図である。これらの非天然アミノ酸(UAA)はタンパク質に遺伝的にコードされている(
図3A-UAA#1-42;
図3B-UAA#43-89;
図3C-UAA#90-128;
図3D-UAA#129-167。
図3A-
図3Dは、Dumasら、Chemical Science 2015年、6巻、50~69頁から採用される。
【
図3B】例示的な非天然アミノ酸を示す図である。これらの非天然アミノ酸(UAA)はタンパク質に遺伝的にコードされている(
図3A-UAA#1-42;
図3B-UAA#43-89;
図3C-UAA#90-128;
図3D-UAA#129-167。
図3A-
図3Dは、Dumasら、Chemical Science 2015年、6巻、50~69頁から採用される。
【
図3C】例示的な非天然アミノ酸を示す図である。これらの非天然アミノ酸(UAA)はタンパク質に遺伝的にコードされている(
図3A-UAA#1-42;
図3B-UAA#43-89;
図3C-UAA#90-128;
図3D-UAA#129-167。
図3A-
図3Dは、Dumasら、Chemical Science 2015年、6巻、50~69頁から採用される。
【
図3D】例示的な非天然アミノ酸を示す図である。これらの非天然アミノ酸(UAA)はタンパク質に遺伝的にコードされている(
図3A-UAA#1-42;
図3B-UAA#43-89;
図3C-UAA#90-128;
図3D-UAA#129-167。
図3A-
図3Dは、Dumasら、Chemical Science 2015年、6巻、50~69頁から採用される。
【
図4】陰イオン交換クロマトグラフィーのグラフを示す図である。
【
図5】逆相クロマトグラフィーのグラフを示す図である。
【
図6】CTLL2増殖アッセイにおける天然の効力を有する例示的なIL-15コンジュゲートのEC50値を示す図である。結果は、応答のパーセンテージとしてプロットされる。
【
図7】CTLL2増殖アッセイにおける減少した効力を有する例示的なIL-15コンジュゲートのEC50値を示す図である。ここに示されるように、部位特異的PEG化は、インビトロでの薬理学に寄与する。結果は、応答のパーセンテージとしてプロットされる。
【
図8】異なるPEGサイズにコンジュゲートされた例示的IL-15のEC50値を示す図である。結果は、応答のパーセンテージとしてプロットされる。
【
図9A】rHuIL-15、IL-15Rαに結合するIL-15とコンジュゲートされた化合物に対する応答単位(RU、Y軸)対時間(秒、X軸)を示す図である。
図9A:rHuIL-15;
図9B:IL15コンジュゲートN77PEG30およびS83PEG30;
図9C:IL15コンジュゲートE46PEG30およびE53PEG30。
【
図9B】rHuIL-15、IL-15Rαに結合するIL-15とコンジュゲートされた化合物に対する応答単位(RU、Y軸)対時間(秒、X軸)を示す図である。
図9A:rHuIL-15;
図9B:IL15コンジュゲートN77PEG30およびS83PEG30;
図9C:IL15コンジュゲートE46PEG30およびE53PEG30。
【
図9C】rHuIL-15、IL-15Rαに結合するIL-15とコンジュゲートされた化合物に対する応答単位(RU、Y軸)対時間(秒、X軸)を示す図である。
図9A:rHuIL-15;
図9B:IL15コンジュゲートN77PEG30およびS83PEG30;
図9C:IL15コンジュゲートE46PEG30およびE53PEG30。
【
図10】rHuIL-15、IL-15RαおよびIL-2Rβに結合するIL-15 N77PEG30に対する応答単位(RU、Y軸)対時間(秒、X軸)を示す図である。
【
図11】rHuIL-15、IL-15RαおよびIL-2Rβに結合するIL-15 E53PEG30に対する応答単位(RU、Y軸)対時間(秒、X軸)を示す図である。
【
図12】例示的なIL-15PEGコンジュゲートでの刺激時のNKおよびCD8+T細胞上のSTAT5リン酸化を示す図である。
図12Aおよび
図12C:半減期の延長(S83PEG30およびN77PEG30);
図12Bおよび
図12D:IL-15Rα(V49PEG30、E53PEG30およびL25PEG30)との調節された相互作用。
【
図13】0.3mg/kgでのrHuIL-15、IL-15 S83PEG30、IL-15 V49PEG30 IL-15 L25 PEG30およびIL-15 N77 PEG30の血漿中濃度プロファイルを示す図である。
【
図14】rHuIL-15またはPEG化された化合物が投薬されたマウスのCD8+T細胞(
図14A)、CD8記憶細胞(
図14B)、NK細胞(
図14C)、およびTreg細胞(
図14D)におけるSTAT5リン酸化のパーセンテージを示す図である。
【
図15】PEG化された化合物が投薬された動物のCD8+T細胞(
図15A)、NK細胞(
図15B)、CD8+Tmem細胞(
図15C)であるが、Treg細胞ではない(
図15D)における初期増殖分子マーカーKi67発現の増加を示す図である。
【
図17】マウスにおける、増加した用量のIL-15 L25PEG30によるNK細胞(
図17A)およびCD8+T(
図17B)におけるKi67発現の増加を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
がんは、異常な細胞増殖を伴う複雑な疾患群であり、身体の他の部位に浸潤または転移する潜在力を有する。がんの駆動因子および経路を標的とする放射線療法および化学療法などのがん治療は成功する可能性がある。いくつかの例では、がん細胞は、これらの治療に適応することができ、このような治療の効能を制限する。免疫療法は、手術、化学療法、または放射線療法とは異なり、免疫系を刺激して腫瘍細胞を認識し死滅させる。
【0016】
いくつかのサイトカインは、免疫応答を引き起こす能力があるので、免疫療法で使用される。しかしながら、サイトカインを利用した現在の免疫療法は、毒性および制御されない細胞増殖を含むいくつかの有害作用をもたらす。本明細書には、改善された治療および減少した有害事象をもたらす特異的T細胞およびNK集団を刺激または拡大する能力を有する、がんの治療に使用するための修飾されたサイトカインまたはサイトカインコンジュゲートが提供される。
【0017】
サイトカインには、細胞シグナル伝達タンパク質のファミリー、例えば、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、および腫瘍壊死因子が含まれる。サイトカインは、免疫細胞、例えば、マクロファージ、Bリンパ球、Tリンパ球および肥満細胞、内皮細胞、線維芽細胞、および様々な間質細胞などによって生成される。いくつかの例では、サイトカインは、体液性免疫応答と細胞性免疫応答との間のバランスを調節する。
【0018】
インターロイキンは、Tリンパ球およびBリンパ球ならびに造血細胞の発生および分化を調節するシグナル伝達タンパク質である。インターロイキンは、ヘルパーCD4 Tリンパ球、単球、マクロファージ、および内皮細胞によって生成される。場合によっては、約15種類のインターロイキン、インターロイキン1~13、インターロイキン15、およびインターロイキン17が存在する。
【0019】
インターロイキン-15(IL-15)は多面的サイトカインであり、その構造は14~15kDaの糖タンパク質である。IL-15の転写、翻訳および分泌は、複数の複雑なメカニズムを介して調節される。IL-15およびIL-15受容体α(IL-15Rα、CD215)タンパク質は、主に活性化単球および樹状細胞(DC)によって共発現される。ヘテロ二量体IL-15/IL-15Rαの転写は、単球/DCと1型もしくは2型インターフェロン(IFN)またはCD40ライゲーション、またはNF-kBを活
性化するToll様受容体(TLR)を介して作用する薬剤との相互作用に続いて起こる。さらに、IL-15/IL-15Rαタンパク質発現は、主に翻訳および分泌のレベルで制御される。
【0020】
IL-15は、固有のα鎖(IL-15Rα)、IL-2(CD122)と共有βサブユニット(IL-15Rβ、CD132)、およびいくつかのサイトカインと共有される共通γサブユニット(CD132;IL-15Rγ)を含むヘテロ三量体受容体を介してシグナルを伝達する。IL-15Rαは、IL-15に対して高い親和性を有し、Kdは約10-11Mである。
【0021】
一部の実施形態では、IL-15シグナル伝達は、T細胞応答を調節し、続いてがんの治療に利用される。一部の実施形態では、IL-15シグナル伝達は、活性化CD4-CD8-、CD4+CD8+、CD4+、andCD8+T細胞の増殖、および定義されたエフェクターT細胞サブセットにおけるそれらの分化をシミュレートするために利用される。一部の実施形態では、IL-15シグナル伝達は、ナチュラルキラー(NK)細胞の生成および増殖をシミュレートするために利用される。一部の実施形態では、IL-15シグナル伝達は、記憶CD8 T細胞、ナイーブCD8 T細胞、およびNK細胞の維持および生存を促進するために利用される。一部の実施形態では、IL-15シグナル伝達は、記憶CD8 T細胞の形成を誘導するために利用される。一部の実施形態では、IL-15シグナル伝達は、NK細胞標的特異的活性化のプライミングに利用される。一部の実施形態では、IL-15シグナル伝達は、Treg拡大をもたらさない。
【0022】
本明細書には、一部の実施形態では、T細胞応答を調節し、続いてがんを治療するための修飾されたIL-15ポリペプチドが記載される。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、インターロイキン15受容体α(IL-15Rα)との結合の低下を含む。一部の実施形態では、結合親和性の低下は、野生型IL-15ポリペプチドとIL-15Rαとの間の結合親和性に対して相対的である。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、修飾されたIL-15ポリペプチドとインターロイキン2/インターロイキン15受容体βγ(IL-2/IL-15Rβγ)との相互作用にほとんど影響を及ぼさないかまたは全く影響を及ぼさない。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、修飾されたIL-15ポリペプチドのIL-15RαおよびIL-15Rβγとの結合親和性にほとんど影響を及ぼさないかまたは全く影響を及ぼさない1つまたはそれ以上の修飾を含む。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、IL-2/IL-15Rβγとの結合の低下を含み、IL-15Rα相互作用は影響を受けない。
【0023】
本明細書には、抗腫瘍応答を刺激する効力を有する、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートが記載される。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、改善された安全性プロファイルを有する。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、半減期を増加させるための部位特異的PEG化を含む。一部の実施形態では、部位特異的PEG化は、半減期を増加させ、生物学的活性にほとんど影響を及ぼさないかまたは全く影響を及ぼさない。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートのシグナル伝達は、IL-15Rβγにバイアスされる。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、半減期を増加させ、毒性を減少させるための部位特異的PEG化を含む。一部の実施形態では、部位特異的PEG化は、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートのより少ない用量をもたらす。一部の実施形態では、毒性は、IL-15Rα相互作用を遮断する修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートによって減少する。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプ
チドまたはIL-15コンジュゲートの活性は、腫瘍部位に限定される。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、IL-15のトランス提示がナチュラルキラー(NK)細胞およびエフェクター細胞の増殖および機能に必要とされないように、部位特異的PEG化を含む。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、クリアランスが阻害または妨げるような部位特異的PEG化を含む。
【0024】
修飾されたIL-15ポリペプチドおよびIL-15コンジュゲート
本明細書には、一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドが記載される。いくつかの例では、修飾は、天然アミノ酸への変更である。いくつかの例では、修飾は非天然アミノ酸への変更である。いくつかの例では、本明細書には、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む、単離および修飾されたIL-15ポリペプチドが記載される。いくつかの例では、IL-15ポリペプチドは、単離され精製された哺乳動物IL-15、例えば、ヒトIL-15タンパク質である。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、ヒトIL-15タンパク質である。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、配列番号1または2と約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、配列番号1または2の配列を含むかまたはそれからなる。
【0025】
いくつかの例では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、切断された変異体である。いくつかの例では、切断はN末端欠失である。他の例では、切断はC末端欠失である。追加の例では、切断は、N末端とC末端の両方の欠失を含む。例えば、切断は、N末端もしくはC末端、または両方の末端からの少なくとももしくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20またはそれ以上の残基の欠失であり得る。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくとももしくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20またはそれ以上の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくとももしくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10残基のN末端欠失を含む。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくともまたは約2残基のN末端欠失を含む。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくともまたは約3残基のN末端欠失を含む。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくともまたは約4残基のN末端欠失を含む。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくともまたは約5残基のN末端欠失を含む。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくともまたは約6残基のN末端欠失を含む。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくともまたは約7残基のN末端欠失を含む。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくともまたは約8残基のN末端欠失を含む。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくともまたは約9残基のN末端欠失を含む。場合によっては、修飾されたIL-15ポリペプチドは、少なくともまたは約10残基のN末端欠失を含む。
【0026】
一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、機能的に活性な断片である。場合によっては、機能的に活性な断片は、IL-15領域5~114、10~114、15~114、20~114、1~110、5~110、10~110、15~110、20~110、1~105、5~105、10~105、15~105、20~105、1~100、5~100、10~100、15~100、または20~100を含み、残基位置は、配列番号1の位置を基準にする。いくつかの例では、機能的に活性な断片は、IL-15領域5~114、10~114、15~114、または20~114を含み、残基の位置は、配列番号1の位置を基準にする。いくつかの例では、機能的に活性な断片は、IL-15領域1~110、5~110、10~110、15~110、または2
0~110を含み、残基位置は、配列番号1の位置を基準にする。いくつかの例では、機能的に活性な断片は、IL-15領域1~105、5~105、10~105、15~105、または20~105を含み、残基位置は、配列番号1の位置を基準にする。いくつかの例では、機能的に活性な断片は、IL-15領域1~100、5~100、10~100、15~100、または20~100を含み、残基位置は、配列番号1の位置を基準にする。
【0027】
一部の実施形態では、機能的に活性なIL-15断片は、内部欠失を含む。場合によっては、内部欠失はループ領域を含む。場合によっては、内部欠失は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれ以上の残基の欠失を含む。
【0028】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、T27、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、A39、K41、L44、L45、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、S51、L52、S54、G55、D56、A57、S58、H60、V63、I67、N71、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、L91、E92、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、およびF110から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D14、Q17、S18、K41、S51、L52、G55、D56、A57、S58、S75、S76、N77、N79、V80、T81、S83、G84、E92、K94、K95、K97、およびE98から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、N4、S7、D8、K11、D61、T62、E64、N65、I68、L69、およびN72から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V3、I6、K10、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S102、V104、H105、Q1
08、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D22、A23、T24、L25、Y26、L44、E46、Q48、V49、E53、E89、E90、およびE93から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、Y26、E46、V49、E53、およびL25から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V3、K10、S29、D30、H32、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N4、S7、K11、およびD61から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、L25、E53、N77、およびS83から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、L25およびE53から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46、Y26、V49、E53、T24、N4、K11、N65、L69、S18、H20、およびS83から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46、Y26、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、Y26、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46およびY26から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、L25である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、Y26である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V49である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E53である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、T24である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N77である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N4、K11、N65、L69、S18、H20、およびS83から選択される。IL-15の例示的なアミノ酸配列は、下記の表1に示される。
【0029】
【0030】
いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N末端の近位に位置する。本明細書で使用される場合、近位とは、N末端残基から少なくとも1残基離れ、N末端残基から最大約50残基離れて位置する残基を指す。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N末端残基からの最初の10、20、30、40、または50残基内に位置する。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N末端残基からの最初の10残基内に位置する。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N末端残基からの最初の20残基内に位置する。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N末端残基からの最初の30残基内に位置する。場合によっては、少なくとも1つ
の非天然アミノ酸は、N末端残基からの最初の40残基内に位置する。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N末端残基からの最初の50残基内に位置する。
【0031】
いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N末端残基である。
【0032】
いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、C末端の近位に位置する。本明細書で使用される場合、近位とは、C末端残基から少なくとも1残基離れ、C末端残基から最大約50残基離れて位置する残基を指す。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、C末端残基からの最初の10、20、30、40、または50残基内に位置する。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、C末端残基からの最初の10残基内に位置する。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、C末端残基からの最初の20残基内に位置する。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、C末端残基からの最初の30残基内に位置する。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、C末端残基からの最初の40残基内に位置する。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、C末端残基からの最初の50残基内に位置する。
【0033】
いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、C末端残基である。
【0034】
一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む修飾されたIL-15ポリペプチドであって、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置が、インターロイキン15受容体α(IL-15Rα)に対するIL-15ポリペプチドの結合親和性を選択的に低下させる残基位置にある、上記修飾されたIL-15ポリペプチド。一部の実施形態では、結合親和性の低下は、野生型IL-15ポリペプチドとIL-15Rαとの間の結合親和性に対して相対的である。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドのIL-15Rαへの結合は、修飾されたIL-15ポリペプチドとインターロイキン2/インターロイキン15受容体βγ(IL-2/IL-15Rβγ)との相互作用に影響を与えず、または修飾されたIL-15ポリペプチドとIL-2/IL-15Rβγとの相互作用を改善する。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D22、A23、T24、L25、Y26、L44、E46、Q48、V49、E53、E89、E90、およびE93から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、Y26、E46、V49、E53、およびL25から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、A23、T24、E89、およびE93から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D22、L44、Q48、およびE90から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、Y26である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E46である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V49である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E53である。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、L25である。いくつかの例では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、PEGをさらに含む。場合によっては、PEGは、D22、A23、T24、L25、Y26、L44、E46、Q48、V49、E53、E89、E90、およびE93から選択される残基位置でコンジュゲートされる。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、半減期の増加のためにPEGをさらに含む。場合によっては、PEGは、半減期の増加ために、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、S51、L52、S54、G55、D56、A57、S58、H60、V63、I67、N71、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86
、E87、C88、L91、E92、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、およびF110から選択される残基位置でコンジュゲートされる。場合によっては、PEGは、N71、N72、およびN77から選択される残基位置でコンジュゲートされる。場合によっては、PEGにコンジュゲートされた残基は、天然アミノ酸に突然変異される。他の場合には、PEGにコンジュゲートされた残基は、非天然アミノ酸に突然変異される。追加の場合において、N71、N72、またはN77における突然変異は、CMC条件(例えば、収率、純度、安定性、凝集の低下、および/またはタンパク質フォールディングの改善)、効力、またはそれらの組み合わせをさらに改善する。
【0035】
いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む修飾されたIL-15ポリペプチドであって、少なくとも1つの非天然アミノ酸が、修飾されたIL-15ポリペプチドのIL-2/IL-15Rβ、IL-15Rγ、またはそれらの組み合わせとの結合親和性を選択的に低下させる残基位置にある、上記修飾されたIL-15ポリペプチド。一部の実施形態では、修飾されたIL-15は、IL-15Rαとの相互作用に対してほとんど影響を及ぼさないかまたは全く影響を及ぼさない。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E28、S29、D30、V31、H32、P33、D61、T62、E64、N65、I68、L69、N72、S102、V104、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、修飾されたIL-15ポリペプチドのIL-2/IL-15Rβとの結合親和性を選択的に低下させる残基位置にある。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、N4、S7、D8、K11、D61、T62、E64、N65、I68、L69、およびN72から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N4、S7、K11、およびD61から選択される。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D8、E64、N65、I68、およびN72から選択される。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N1、T62、およびL69から選択される。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N4である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、S7である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、K11である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D61である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、修飾されたIL-15ポリペプチドのIL-2/IL-15Rγとの結合親和性を選択的に低下させる残基位置にある。いくつかの例では少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V3、I6、K10、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S102、V104、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V3、K10、S29、D30、H32、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択される。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E28、P33、S102、およびV104から選択される。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、I6およびV31から選択される。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V3である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、K10である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、S29である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D30である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、H32である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、H105である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、Q108である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置
は、M109である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、I111である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N112である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、T113である。いくつかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、S114である。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、PEGをさらに含む。場合によっては、PEGは、N1、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E28、S29、D30、V31、H32、P33、D61、T62、E64、N65、I68、L69、N72、S102、V104、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択される残基位置でコンジュゲートされる。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、半減期の増加ためにPEGをさらに含む。場合によっては、PEGは、半減期の増加のために、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、S51、L52、S54、G55、D56、A57、S58、H60、V63、I67、N71、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、L91、E92、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、およびF110から選択される残基位置でコンジュゲートされる。場合によっては、PEGは、N71、N72、およびN77から選択される残基位置でコンジュゲートされる。場合によっては、PEGにコンジュゲートされた残基は、天然アミノ酸に突然変異される。他の場合には、PEGにコンジュゲートされた残基は、非天然アミノ酸に突然変異される。追加の場合において、N71、N72、またはN77における突然変異は、CMC条件(例えば、収率、純度、安定性、凝集の低下、および/またはタンパク質フォールディングの改善)、効力、またはそれらの組み合わせをさらに改善する。
【0036】
場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む修飾されたIL-15ポリペプチドであって、少なくとも1つの非天然アミノ酸が、修飾されたIL-15ポリペプチドのIL-15RαおよびIL-15Rβγとの結合親和性に影響しない残基位置にある、上記修飾されたIL-15ポリペプチド。一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、半減期の増加ために、PEGをさらに含む。一部の実施形態では、修飾されたIL-15は、生物学的活性に変化を伴わないPEGを含む。一部の実施形態では、残基は、半減期の延長のために修飾される。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、S51、L52、S54、G55、D56、A57、S58、H60、V63、I67、N71、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、L91、E92、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、およびF110から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D14、Q17、S18、K41、S51、L52、G55、D56、A57、S58、S75、S76、N77、N79、V80、T81、S83、G84、E92、K94、N95、K97、およびE98から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E13、L15、M19、H20、K36、V37、T38、S54、H60、I67、N71、G78、K86、E87、およびQ101から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、I21、S34、C35、L44、V63、S73、L74、E82、C85、C88、L91、I96、L100、およびF110から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N71、N72、およびN77から選択され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然ア
ミノ酸の残基位置は、N77およびS83から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D14である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、Q17である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、S18である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、K41である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、S51である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、L52である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、G55である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、D56である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、A57である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、S58である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、S75である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、S76である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N77である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N79である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、V80である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、T81である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、S83である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、G84である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E92である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、K94である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、N95である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、K97である。一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸の残基位置は、E98である。場合によっては、N71、N72、またはN77における突然変異は、天然アミノ酸への突然変異を含む。場合によっては、N71、N72、またはN77における突然変異は、CMC条件(例えば、収率、純度、安定性、凝集の低下、および/またはタンパク質フォールディングの改善)、効力、またはそれらの組み合わせをさらに改善する。
【0037】
一部の実施形態では、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含むIL-15ポリペプチドは、IL-15コンジュゲートを生成するために、コンジュゲート化部分にさらにコンジュゲートされる。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸のアミノ酸位置は、N1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、T27、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、A39、K41、L44、L45、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、またはS114であり、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。場合によっては、少なくとも1つの非天然アミノ酸のアミノ酸位置は、N1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、
E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、またはS114である。場合によっては、コンジュゲート化部分は、少なくとも1つの非天然アミノ酸に結合される。場合によっては、コンジュゲート化部分は、N末端またはC末端アミノ酸残基に結合される。いくつかの例では、コンジュゲート化部分は、少なくとも1つの非天然アミノ酸または末端残基に直接結合される。他の例では、コンジュゲート化部分は、下記に記載されるリンカーを介して、少なくとも1つの非天然アミノ酸または末端残基に間接的に結合される。
【0038】
一部の実施形態では、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15受容体α(IL-15Rα)サブユニットに対するIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの低下した親和性は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約10%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約20%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約40%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約50%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約60%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約80%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約90%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約95%である。一部の実施形態では、低下した親和性は100%である。
【0039】
一部の実施形態では、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15受容体α(IL-15Rα)サブユニットに対するIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの低下した親和性は、約1分の1、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、またはそれ以下である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約1分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約2分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約4分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約5分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約6分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約8分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約10分の1である。
【0040】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、IL-15Rαと相互作用しない。
【0041】
一部の実施形態では、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-2受容体(IL-2R)サブユニットに対するIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの低下した親和性は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%である。一部の実施形態では、IL-2Rサブユニットは、IL-2Rβγである。一部の実施形態では、低下した親和性は、約10%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約20%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約40%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約50%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約60%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約80%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約90%である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約95%である。一部の実施形態では、低下した親和性は100%である。
【0042】
一部の実施形態では、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-2受容体(IL-2R)サブユニットに対するIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの低下した親和性は、約1分の1、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、またはそれ以下である。一部の実施形態では、IL-2Rサブユニットは、IL-2Rβγである。一部の実施形態では、低下
した親和性は、約1分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約2分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約4分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約5分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約6分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約8分の1である。一部の実施形態では、低下した親和性は、約10分の1である。
【0043】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、IL-2Rαと相互作用しない。
【0044】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、増大した半減期を有する。いくつかの例では、増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期と比較される。
【0045】
場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも90分、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、14日、21日、28日、30日、またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも90分またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも2時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも3時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも4時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも5時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも6時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも10時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも12時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも18時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも24時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも36時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも48時間またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-
15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも3日またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも4日またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも5日またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも6日またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも7日またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも10日またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも12日またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも14日またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも21日またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも28日またはそれより長い。場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期よりも少なくとも30日またはそれより長い。
【0046】
場合によっては、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの増大した半減期は、野生型IL-15タンパク質または野生型IL-15コンジュゲートの半減期と比較して、約4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、14日、21日、28日、または30日である。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約90分の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約2時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約3時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約4時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約5時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約6時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約7時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約8時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約9時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約10時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約11時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約12時間の増大した半減
期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約18時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約24時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約36時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約48時間の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約3日の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約4日の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約5日の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約6日の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約7日の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約10日の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約12日の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約14日の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約21日の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約28日の増大した半減期を有する。場合によっては、生物学的に活性なIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートは、約30日の増大した半減期を有する。
【0047】
一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、インターロイキン15受容体βγ(IL-15Rβγ)シグナル伝達複合体との顕著なシグナル伝達効力を保持する。場合によっては、シグナル伝達効力は、野生型IL-15ポリペプチドとIL-15Rβγとの間のシグナル伝達効力と比較される。場合によっては、修飾されたIL-15/IL-15Rβγ複合体と野生型IL-15/IL-15Rβγ複合体との間の受容体シグナル伝達効力の相違は、1000倍未満、500倍未満、200倍未満、100倍未満、50倍未満、10倍未満、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、または1倍未満である。場合によっては、修飾されたIL-15/IL-15Rβγ複合体と野生型IL-15/IL-15Rβγ複合体との間の受容体シグナル伝達効力の相違は、10倍超、20倍超、30倍超、40倍超、50倍超、100倍超、200倍超、300倍超、400倍超、または500倍超である。いくつかの例では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、部分アゴニスト、例えば、受容体(例えば、IL-15βγシグナル伝達複合体)を活性化するが、完全アゴニストと比較して受容体において部分的な効能しか有しないアゴニストである。いくつかの例では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、完全アゴニスト、例えば、最大応答で受容体(例えば、IL-15βγシグナル伝達複合体)を活性化するアゴニストである。
【0048】
いくつかの例では、受容体シグナル伝達効力はEC50値によって測定される。いくつかの例では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、野生型IL-15/IL-15Rβγ複合体のEC50値より1000倍未満、500倍未満、200倍未満、100倍未満、50倍未満、10倍未満、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、または1倍未満の異なるEC50値を提供する。いくつかの例では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、野生型IL-15/IL-15Rβγ複合体のEC50値より10倍超、20倍超、30倍超、40倍超、50倍超、100倍超、200倍超、300倍超、400倍超、または500倍超の異なるEC50値を提供する。
【0049】
いくつかの例では、受容体シグナル伝達効力はED50値によって測定される。いくつかの例では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、野生型IL-15/IL-15Rβγ複合体のEC50値より1000倍未満、500倍未満、200倍未満、100倍未満、50倍未満、10倍未満、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、または1倍未満の異なるED50値を提供する。いくつかの例では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、野生型IL-15/IL-15Rβγ複合体のEC50値より10倍超、20倍超、30倍超、40倍超、50倍超、100倍超、200倍超、300倍超、400倍超、または500倍超の異なるED50値を提供する。
【0050】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、化学、製造および品質管理(CMC)段階の間、半減期を延長し、安定性を改善し、精製収率を改善し、純度を改善し、凝集を低下させ、タンパク質フォールディングを改善するため、またはそれらの組み合わせのために修飾される(例えば、PEG化される)。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、アミノ酸位置N71、N72、またはN77で修飾され、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、CMC段階の間、半減期を延長し、安定性を改善し、精製収率を改善し、純度を改善し、凝集を低下させ、タンパク質フォールディングを改善するために、またはそれらの組み合わせのために、残基N77において、例えば、PEG化を介して修飾される。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、N1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、またはS114位でさらに修飾される。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、D22、A23、T24、L25、Y26、L44、E46、Q48、V49、E53、E89、E90、またはE93位でさらに修飾され、修飾はIL-15Rαとの相互作用を損なう。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、N1、N4、S7、D8、K11、D61、T62、E64、N65、I68、L69またはN72位でさらに修飾され、修飾はIL-15Rβとの相互作用を損なう。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、V3、I6、K10、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S102、V104、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、またはS114位でさらに修飾され、修飾はIL-15Rγとの相互作用を損なう。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、S51、L52、S54、G55、D56、A57、S58、H60、V63、I67、N71、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、L91、E92、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、またはF110位でさらに修飾され、修飾は半減期の延長を改善する。場合によっては、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rαとの相互作用を損ない、IL-15Rβとの相互作用を損ない、IL-15Rγとの相互作用を損ない、半減期の延長を改善し、またはそれらの組み合わせのために、上記の1つまたはそれ以上の位置でさらに修飾される。
【0051】
IL-15コンジュゲート前駆体
本明細書には、修飾されたIL-15ポリペプチドを含むIL-15コンジュゲート前
駆体が開示され、1つまたはそれ以上のアミノ酸が野生型アミノ酸から突然変異されている。このような前駆体は、疾患または状態の治療のために、しばしば、本明細書に開示される方法とともに使用される。一部の実施形態では、IL-15前駆体はコンジュゲートされない。このような突然変異は、様々に、付加、欠失、または置換を含む。場合によっては、付加は、IL-15ポリペプチドのN末端、C末端、または内部領域における1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の残基の含有を含む。追加の場合において、欠失は、IL-15ポリペプチドのN末端、C末端、または内部領域からの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の残基の除去を含む。
【0052】
天然アミノ酸および非天然アミノ酸
一部の実施形態では、本明細書に開示されるアミノ酸残基(例えば、IL-15ポリペプチド内)は、コンジュゲート化部分に結合する(またはそれと反応する)前に、リジン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、またはチロシンに突然変異される。例えば、リジン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、またはチロシンの側鎖は、本明細書に開示されるコンジュゲート化部分に結合することができる。いくつかの例では、アミノ酸残基が、システイン、リジン、またはヒスチジンに突然変異される。場合によっては、アミノ酸残基が、システインに突然変異される。場合によっては、アミノ酸残基は、リジンに突然変異される。場合によっては、アミノ酸残基は、ヒスチジンに突然変異される。場合によっては、アミノ酸残基は、チロシンに突然変異される。場合によっては、アミノ酸残基は、トリプトファンに突然変異される。いくつかの例では、アミノ酸残基は、N末端またはC末端の近位に、N末端またはC末端に、または内部残基位置に位置する。いくつかの例では、アミノ酸残基は、N末端またはC末端残基であり、突然変異は、システインまたはリジンに対する。いくつかの例では、アミノ酸残基は、N末端残基またはC末端残基の近位(例えば、N末端残基またはC末端残基から50、40、30、20、または10残基以内)に位置し、突然変異は、システインまたはリジンに対する。
【0053】
いくつかの例では、アミノ酸残基は、N末端またはC末端残基に付加され、すなわち、IL-15ポリペプチドは、N末端またはC末端のいずれかで追加のアミノ酸残基を含み、および追加のアミノ酸残基は、システインまたはリジンである。場合によっては、追加のアミノ酸残基はシステインである。場合によっては、追加のアミノ酸は、コンジュゲート化部分にコンジュゲートされる。
【0054】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるアミノ酸残基(例えば、IL-15ポリペプチド内)は、非天然アミノ酸に突然変異される。一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、コンジュゲート化部分とコンジュゲートされない。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-15ポリペプチドは、非天然アミノ酸を含み、IL-15は、タンパク質にコンジュゲートされ、結合点は、非天然アミノ酸ではない。
【0055】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるアミノ酸残基(例えば、IL-15ポリペプチド内)は、コンジュゲート化部分に結合する前に、非天然アミノ酸に突然変異される。場合によっては、非天然アミノ酸への突然変異は、免疫系の自己抗原応答を防ぎ、または最小限にする。本明細書で使用される場合、用語「非天然アミノ酸」は、タンパク質に天然に存在する20個のアミノ酸以外のアミノ酸を指す。非天然アミノ酸の非制限的な例には、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-ヨード-L-フェニルアラニン、p-メトキシフェニルアラニン、O-メチル-L-チロシン、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、3-メチル-フェニルアラニン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-Dopa、フッ素化フェ
ニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、p-ボロノフェニルアラニン、O-プロパルギルチロシン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p-ブロモフェニルアラニン、セレノシステイン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、N6-[(2-アジドエトキシ)カルボニル]-L-リジン(AzK)、チロシンアミノ酸の非天然類似体;グルタミンアミノ酸の非天然類似体;フェニルアラニンアミノ酸の非天然類似体;セリンアミノ酸の非天然類似体;スレオニンアミノ酸の非天然類似体;アルキル、アリール、アシル、アジド、シアノ、ハロ、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドロキシル、アルケニル、アルキニル、エーテル、チオール、スルホニル、セレノ、エステル、チオ酸、ホウ酸塩、ボロン酸塩、ホスホ、ホスホノ、ホスフィン、複素環、エノン、イミン、アルデヒド、ヒドロキシルアミン、ケト、またはアミノ置換アミノ酸、またはそれらの組み合わせ;光活性化可能な架橋剤を含むアミノ酸;スピン標識アミノ酸;蛍光アミノ酸;金属結合アミノ酸;金属含有アミノ酸;放射性アミノ酸;光ケージ化および/または光異性化可能なアミノ酸;ビオチンもしくはビオチン類似体を含むアミノ酸;ケト含有アミノ酸;ポリエチレングリコールまたはポリエーテルを含むアミノ酸;重原子置換アミノ酸;化学的に開裂可能なもしくは光開裂可能なアミノ酸;伸長した側鎖を有するアミノ酸;毒性基を含むアミノ酸;糖置換アミノ酸;炭素連結した糖含有アミノ酸;酸化還元活性アミノ酸;α-ヒドロキシ含有酸;アミノチオ酸;α,α二置換アミノ酸;β-アミノ酸;プロリンまたはヒスチジン以外の環状アミノ酸、およびフェニルアラニン、チロシンまたはトリプトファン以外の芳香族アミノ酸が含まれる。
【0056】
一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、選択的反応基、または標的ポリペプチドの部位選択的標識のための反応基を含む。いくつかの例では、化学反応は、生体直交性反応(例えば、生体適合性および選択的反応)である。場合によっては、化学は、Cu(I)触媒または「銅を含まない」アルキン-アジドトリアゾール生成反応、シュタウジンガーライゲーション、逆電子要求ドディールス・アルダー(IEDDA)反応、「光クリック」化学反応、またはオレフィンメタセシスおよびSuzuki-Miyauraまたはソノガシラ交差カップリングなどの金属媒介プロセスである。
【0057】
一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、光反応性基を含み、例えば、UVとの照射時に架橋する。
【0058】
一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、光ケージ化アミノ酸を含む。
【0059】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、パラ置換、メタ置換、またはオルト置換アミノ酸誘導体である。
【0060】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-アジドメチル-L-フェニルアラニン(pAMF)、p-ヨード-L-フェニルアラニン、O-メチル-L-チロシン、p-メトキシフェニルアラニン、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、3-メチル-フェニルアラニン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-Dopa、フッ素化フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、またはイソプロピル-L-フェニルアラニンを含む。
【0061】
場合によっては、非天然アミノ酸は、3-アミノチロシン、3-ニトロチロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、または3-ヨードチロシンである。
【0062】
場合によっては、非天然アミノ酸は、フェニルセレノシステインである。
【0063】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、ベンゾフェノン、ケトン、ヨウ化物、メトキシ、アセチル、ベンゾイル、またはフェニルアラニン誘導体を含有するアジドである。
【0064】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、ベンゾフェノン、ケトン、ヨウ化物、メトキシ、アセチル、ベンゾイル、またはアジドを含有するリジン誘導体である。
【0065】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、芳香族側鎖を含む。
【0066】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、芳香族側鎖を含まない。
【0067】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、アジド基を含む。
【0068】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、Michael-アクセプタ基を含む。いくつかの例では、マイケル-アクセプタ基は、1,2-付加反応を介して共有結合を形成することができる不飽和部分を含む。いくつかの例では、マイケル-アクセプタ基は、電子欠損アルケンまたはアルキンを含む。いくつかの例では、マイケル-アクセプタ基には、限定されないが、α、β不飽和:ケトン、アルデヒド、スルホキシド、スルホン、ニトリル、イミン、または芳香族が含まれる。
【0069】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、デヒドロアラニンである。
【0070】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、アルデヒドまたはケトン基を含む。
【0071】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、アルデヒドまたはケトン基を含むリジン誘導体である。
【0072】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、ベータ、ガンマ、またはデルタ位置に1つまたはそれ以上のO、N、Se、またはS原子を含むリジン誘導体である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、ガンマ位置にO、N、Se、またはS原子を含むリジン誘導体である。
【0073】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、イプシロンN原子が酸素原子で置換されたリジン誘導体である。
【0074】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、天然に存在する翻訳後修飾リジンではないリジン誘導体である。
【0075】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、側鎖を含むアミノ酸であり、アルファ位からの6番目の原子はカルボニル基を含む。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、側鎖を含むアミノ酸であり、アルファ位からの6番目の原子はカルボニル基を含み、アルファ位からの5番目の原子は窒素である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、側鎖を含むアミノ酸であり、アルファ位置からの7番目の原子は酸素原子である。
【0076】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、セレンを含むセリン誘導体である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、セレノセリン(2-アミノ-3-ヒドロセレノプロパン酸)
である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-3-(((2-(3-(ベンジルオキシ)-3-オキソプロピル)アミノ)エチル)セラニル)プロパン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-3-(フェニルセラニル)プロパン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、セレンを含み、セレンの酸化は、アルケンを含む非天然アミノ酸の形成をもたらす。
【0077】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、シクロオクチニル基を含む。
【0078】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、トランスシクロテニル基を含む。
【0079】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、ノルボルネニル基を含む。
【0080】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、シクロプロペニル基を含む。
【0081】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、ジアジリン基を含む。
【0082】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、テトラジン基を含む。
【0083】
いくつかの例では、非天然アミノ酸はリジン誘導体であり、側鎖窒素はカルバミル化される。いくつかの例では、非天然アミノ酸はリジン誘導体であり、側鎖窒素はアシル化される。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-Boc-N6-メチルリジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-アセチルリジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、ピロリジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-トリフルオロアセチルリジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(p-ヨードベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(p-ニトロベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-プロリルリジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(シクロペンチルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(シクロペンタンカルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(テトラヒドロフラン-2-カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(3-エチニルテトラヒドロフラン-2-カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((プロパ-2-yn-1-イルオキシ)カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(2-アジドシクロペンチルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-[(2-アジドエトキシ)カルボニル]リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(2-ニトロベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(2-シクロオクチルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(2-アミノブタ-3-イノイル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-((2-アミノブタ-3-イノイル)オキシ)ヘキサン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(アリルオキシカルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(ブテニル-4-オキシカルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(ペンテニル-5-オキシカルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、
N6-((ブタ-3-yn-1-イルオキシ)カルボニル)-リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(((ペンタ-4-yn-1-イルオキシ)カルボニル)-リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(チアゾリジン-4-カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-8-オキソノナン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-8-オキソオクタン酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(2-オキソアセチル)リジンである。
【0084】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-プロピオニルリジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-ブチリルリジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(ブタ-2-エノイル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イルオキシ)カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((スピロ[2.3]ヘキサ-1-エン-5-イルメトキシ)カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(((4-(1-(トリフルオロメチル)シクロプロパ-2-エン-1-イル)ベンジル)オキシ)カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イルメトキシ)カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、システイニルリジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((1-(6-ニトロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エトキシ)カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((2-(3-メチル-3H-ジアジリン-3-イル)エトキシ)カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((3-(3-メチル-3H-ジアジリン-3-イル)プロポキシ)カルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((メタニトロベニルオキシ)N6-メチルカルボニル)リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((ビシクロ[6.1.0]ノン4-yn-9-イルメトキシ)カルボニル)-リジンである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((シクロヘプト-3-エン-1-イルオキシ)カルボニル)-L-リジンである。
【0085】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-3-(((((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)メチル)セラニル)プロパン酸である。
【0086】
一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、別の用途で使用するアンバー、オパール、またはオーカー終止コドンによってIL-15ポリペプチドに組み込まれる。
【0087】
一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、4塩基コドンによってIL-15ポリペプチドに組み込まれる。
【0088】
一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、別の用途で使用する希少センスコドンまたは別の用途で使用するコモンセンスコドンによってIL-15ポリペプチドに組み込まれる。
【0089】
一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、非天然核酸を含む合成コドンによってIL-15ポリペプチドに組み込まれる。
【0090】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、直交する修飾されたシンテターゼ/tRNA対によってIL-15に組み込まれる。このような直交した対は、a)他の内因性アミノ酸の非天然tRNA上への付加、およびb)非天然アミノ酸の他の内因性tRNA上への付加を最小限にしながら、非天然tRNAに非天然アミノ酸を付加することができる非天然シンテターゼを含む。このような直交した対は、内因性シンテターゼによって他の内因性
アミノ酸を付加されることを避けながら、非天然シンテターゼによる付加を受けることが可能なtRNAを含む。一部の実施形態では、このような対は、細菌、酵母、古細菌、またはヒト供給源などの種々の生物から同定される。一部の実施形態では、直交性シンテターゼ/tRNA対は、単一の生物由来の成分を含む。一部の実施形態では、直交性シンテターゼ/tRNA対は、2つの異なる生物由来の成分を含む。一部の実施形態では、直交性シンテターゼ/tRNA対、修飾前に2つの異なるアミノ酸の翻訳を促進する成分を含む。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたアラニンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたアルギニンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたアスパラギンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたアスパラギン酸シンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたシステインシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたグルタミンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたグルタミン酸シンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたアラニングリジンである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたヒスチジンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたロイシンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたイソロイシンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたリジンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたメチオニンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたフェニルアラニンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたプロリンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたセリンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたスレオニンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたトリプトファンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたチロシンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたバリンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性シンテターゼは、修飾されたホスホセリンシンテターゼである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたアラニンtRNAである。一部の実施形態では、直交性RNAは、修飾されたアルギニンtRNAである。一部の実施形態では、直交tRNAは、修飾されたアスパラギンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたアスパラギン酸tRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたシステインtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたグルタミンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたグルタミン酸tRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたアラニングリジンである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたヒスチジンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたロイシンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたイソロイシンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたリジンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたメチオニンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたフェニルアラニンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたプロリンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたセリンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたスレオニンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたトリプトファンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたチロシンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたバリンtRNAである。一部の実施形態では、直交性tRNAは、修飾されたホスホセリンtRNAである。
【0091】
一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、アミノアシル(aaRSまたはRS)-tRNAシンテターゼ-tRNA対によってIL-15ポリペプチドに組み込まれる。例示的
なaaRS-tRNA対には、限定されないが、メタノカルドコックス・ヤンナスキイ(Methanococcus jannaschii)(Mj-Tyr)aRS/tRNA対、大腸菌(E.coli)TyrRS(Ec-Tyr)/バチルス・ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)tRNACUA対、大腸菌LeuRS(Ec-Leu)/バチルス・ステアロサーモフィラスtRNACUA対が含まれる。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、Mj-TyrRS/tRNA対によってサイトカイン(例えば、ILポリペプチド)に組み込まれる。Mj-TyrRS/tRNA対によって組み込むことができる例示的なUAAとしては、限定されないが、パラ置換フェニルアラニン誘導体、例えば、p-アミノフェニルアラニンおよびp-メトイフェニルアラニン;メタ置換チロシン誘導体、例えば、3-アミノチロシン、3-ニトロチロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、および3-ヨードチロシン;フェニルセレノシステイン;p-ボロノフェニルアラニン;およびo-ニトロベンジルチロシンが挙げられる。
【0092】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、Ec-Tyr/tRNACUAまたはEc-Leu/tRNACUA対によってIL-15ポリペプチドに組み込まれる。Ec-Tyr/tRNACUAまたはEc-Leu/tRNACUA対によって組み込まれ得る例示的なUAAとしては、限定されないが、ベンゾフェノン、ケトン、ヨウ化物、またはアジド置換基を含むフェニルアラニン誘導体;O-プロパルギルチロシン;α-アミノカプリル酸、O-メチルチロシン、O-ニトロベンジルシステイン;および3-(ナフタレン-2-イルアミノ)-2-アミノ-プロパン酸が挙げられる。
【0093】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、ピロリシルtRNA対によってIL-15ポリペプチドに組み込まれる。場合によっては、PylRSは、古細菌、例えば、メタン生成古細菌から得られる。場合によっては、PylRSは、メタノサルキナ・バルケリ(Methanosarcina barkeri)、メタノサルキナ・マゼイ(Methanosarcina mazei)、またはメタノサルキナ・アセチボランス(Methanosarcina acetivorans)から得られる。ピロリシルtRNA対によって組み込まれ得る例示的なUAAとしては、限定されないが、アミドおよびカルバメート置換リジン、例えば、2-アミノ-6-(((R)-テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド)ヘキサン酸、N-ε-D-プロルイル-L-リジンおよびN-ε-シクロペンチルオキシカルボニル-L-リジン;N-ε-アクリロイル-L-リジン;N-ε-[(1-(6-ニトロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エトキシ)カルボニル]-L-リジン;およびN-ε-(1-メチルシクロプロ-2-エンカルボキサミド)リジンが挙げられる。
【0094】
いくつかの例では、米国特許第9,988,619号および米国特許第9,938,516号に開示されるシンテターゼによって、非天然アミノ酸はIL-15ポリペプチドに組み込まれる。このようなシンテターゼによって組込まれる例示的なUAAとしては、パラ-メチルアジド-L-フェニルアラニン、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアラルキル非天然アミノ酸、および他が挙げられる。一部の実施形態では、このようなUAAは、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チオフェニル、または他の複素環を含む。一部の実施形態におけるこのようなアミノ酸は、アジド、テトラジン、または水溶性部分などのカップリングパートナーへのコンジュゲーションが可能な他の化学基を含む。一部の実施形態では、このようなシンテターゼを発現させ、使用して、インビボでUAAをサイトカインに組み込む。一部の実施形態では、このようなシンテターゼを使用して、無細胞翻訳系を用いてUAAをサイトカインに組み込む。
【0095】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、天然に存在するシンテターゼによってIL-1
5ポリペプチドに組み込まれる。一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、1つまたはそれ以上のアミノ酸に栄養要求性である生物によってサイトカインに組み込まれる。一部の実施形態では、栄養要求性アミノ酸に対応するシンテターゼは、対応するtRNAに非天然アミノ酸を付加することができる。一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、セレノシステイン、またはその誘導体である。一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、セレノメチオニン、またはその誘導体である。一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、芳香族アミノ酸であり、芳香族アミノ酸は、ヨウ化物などのハロゲン化アリールを含む。実施形態では、非天然アミノ酸は、構造的に要求性栄養素アミノ酸に類似している。
【0096】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、
図1に示された非天然アミノ酸を含む。
【0097】
いくつかの例では、非天然アミノ酸は、リジンもしくはフェニルアラニン誘導体または類似体を含む。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、リジン誘導体またはリジン類似体を含む。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、ピロリジン(Pyl)を含む。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、フェニルアラニン誘導体またはフェニルアラニン類似体を含む。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、Wanら、「Pyrrolysyl-tRNA synthetase: an ordinary enzyme but an
outstanding genetic code expansion tool」、Biocheim Biophys Aceta 1844巻(6号):1059~4070頁(2014年)に記載される非天然アミノ酸である。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、
図2(例えば、
図2Aおよび
図2B)に示される非天然アミノ酸を含む。
【0098】
一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、
図3A~
図3Dに示される非天然アミノ酸を含む(Dumasら、Chemical Science、2015年、6巻、50~69頁から採用される)。
【0099】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドに組み込まれた非天然アミノ酸は、米国特許第9,840,493号;米国特許第9,682,934号;米国特許出願公開第2017/0260137号;米国特許第9,938,516号;または米国特許出願公開第2018/0086734号に開示される。このようなシンテターゼによって組み込まれる例示的なUAAとしては、パラ-メチルアジド-L-フェニルアラニン、アラルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアラルキル、およびリジン誘導体の非天然アミノ酸が挙げられる。一部の実施形態では、このようなUAAは、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チオフェニル、または他の複素環を含む。一部の実施形態におけるこのようなアミノ酸は、アジド、テトラジン、または水溶性部分などのカップリングパートナーへのコンジュゲーションが可能な他の化学基を含む。一部の実施形態では、UAAは、アルキルリンカーを介して芳香族部分に結合したアジドを含む。一部の実施形態では、アルキルリンカーは、C1-C10リンカーである。一部の実施形態では、UAAは、アルキルリンカーを介して芳香族部分に結合したテトラジンを含む。一部の実施形態では、UAAは、アミノ基を介して芳香族部分に結合したテトラジンを含む。一部の実施形態では、UAAは、アルキルアミノ基を介して芳香族部分に結合したテトラジンを含む。一部の実施形態では、UAAは、アルキル鎖を介してアミノ酸側鎖の末端窒素(例えば、リジン誘導体のN6、またはより短いアルキル側鎖を含む誘導体のN5、N4、もしくはN3)に結合したアジドを含む。一部の実施形態では、UAAは、アルキル鎖を介してアミノ酸側鎖の末端窒素に結合したテトラジンを含む。一部の実施形態では、UAAは、アルキルリンカーを介してアミドに結合したアジドまたはテトラジンを含む。一部の実施形態では、UAAは、3-アミノアラニン、セリン、リジン、またはそれらの誘導体のアジドまたはテトラジン含有カルバメートまたはアミドである。一部の実施形態では、このようなUAAは、インビボでサイトカインに組み込まれる。一部の実施形態では、このようなUAAは、無細胞系においてサイトカインに組み込まれる。
【0100】
コンジュゲート化部分
特定の実施形態では、本明細書には、上述の1つまたはそれ以上の修飾されたIL-15ポリペプチドに結合されるコンジュゲート化部分が開示される。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、IL-15とその受容体との相互作用を撹乱する分子である。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、IL-15に結合した場合、IL-15コンジュゲートが免疫応答を調節することを可能にする任意の分子である。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、共有結合を介してIL-15に結合される。いくつかの例では、本明細書に記載されるIL-15は、トリアゾール基を有するコンジュゲート化部分に結合される。いくつかの例では、本明細書に記載されるIL-15は、ジヒドロピリダジンまたはピリダジン基を有するコンジュゲート化部分に結合される。いくつかの例では、コンジュゲート化部分は、水溶性ポリマーを含む。他の例では、コンジュゲート化部分は、タンパク質またはその結合断片を含む。追加の例において、コンジュゲート化部分はペプチドを含む。追加の例において、コンジュゲート化部分は核酸を含む。追加の例において、コンジュゲート化部分は小分子を含む。追加の例において、コンジュゲート化部分は、バイオコンジュゲート(例えば、TLRアゴニスト、例えばTLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、もしくはTLR9アゴニスト;または合成リガンド、例えばPam3Cys、CFA、MALP2、Pam2Cys、FSL-1、Hib-OMPC、ポリ I:C、ポリA:U、AGP、MPL
A、RC-529、MDF2β、CFA、もしくはフラジェリン)を含む。場合によっては、コンジュゲート化部分は、血清半減期を増加させ、および/または安定性を改善する。場合によっては、コンジュゲート化部分は、1つまたはそれ以上のサイトカイン受容体ドメインまたはサブユニットとのサイトカイン相互作用を減少させる。追加の場合において、コンジュゲート化部分は、IL-15と、1つまたはそれ以上のIL-15ドメインもしくはサブユニットと、またはその同族受容体(単数または複数)との相互作用を遮断する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、複数のコンジュゲート化部分を含む。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、IL-15ポリペプチド中の非天然または天然アミノ酸に結合される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、天然アミノ酸に結合したコンジュゲート化部分を含む。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、サイトカインペプチド中の非天然アミノ酸に結合される。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、IL-15ポリペプチドのNまたはC末端アミノ酸に結合される。種々の組み合わせ部位が本明細書に開示されており、例えば、第1のコンジュゲート化部分はIL-15ポリペプチド中の非天然または天然アミノ酸に結合され、第2のコンジュゲート化部分はIL-15ポリペプチドのNまたはC末端アミノ酸に結合される。一部の実施形態では、単一のコンジュゲート化部分は、IL-15ポリペプチドの複数の残基(例えば、ステープル)に結合される。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、IL-15ポリペプチドのNとC末端アミノ酸の両方に結合される。
【0101】
水溶性ポリマー
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲート化部分は、水溶性ポリマーである。一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、非ペプチド性、非毒性、および生体適合性である。本明細書で使用される場合、物質は、生体組織(例えば、患者への投与)に関連する物質の単独でまたは他の物質(例えば、IL-15部分などの活性剤)との使用に関連付けられる有益な効果が、臨床医、例えば、医師によって評価されるような任意の有害な効果を上回る場合、生体適合性とみなされる。一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、さらに非免疫原性である。一部の実施形態では、物質は、インビボでの物質の意図された使用が望ましくない免疫応答(例えば、抗体の形成)を生じない場合、または免疫応答が生じた場合、このような応答が臨床医、例えば、医師、毒性学者、または臨床開発専門家によって評価されるように、臨床的に顕著または重要であるとみなされない場合、
非免疫原性とみなされる。
【0102】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、約2~約300末端を有するものとして特徴付けられる。例示的な水溶性ポリマーとしては、限定されないが、ポリ(アルキレングリコール)、例えば、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)、エチレングリコールとプロピレングリコール等のコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、多糖、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(「POZ」)(国際公開WO2008/106186号に記載される)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、および前述のいずれかの組み合わせが含まれる。
【0103】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、特定の構造に限定されない。一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、直鎖状(例えば、末端がキャップされた、例えば、アルコキシPEGまたは二官能性PEG)、分枝状または多腕状(例えば、フォーク状PEG、またはポリオールコアに結合したPEG)、樹枝状(または星状)構造であり、各々は、1つまたはそれ以上の分解性連結を有するか否かを問わない。さらに、水溶性ポリマーの内部構造は、任意の数の異なる繰り返しパターンで組織化することができ、ホモポリマー、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互トリポリマー、ランダムトリポリマー、およびブロックトリポリマーからなる群から選択することができる。
【0104】
一部の実施形態では、IL-21コンジュゲート中の水溶性ポリマーの重量-平均分子量は、約100ダルトン~約150,000ダルトンである。例示的な範囲としては、例えば、5,000ダルトン~約100,000ダルトンの範囲、約6,000ダルトン~約9,000ダルトンの範囲、約10,000ダルトン~約85,000ダルトンの範囲、約10,000ダルトン~約85,000ダルトンの範囲、約20,000ダルトン~約85,000ダルトンの範囲、約53,000ダルトン~約85,000ダルトンの範囲、約25,000ダルトン~約120,000ダルトンの範囲、約29,000ダルトン~ら約120,000ダルトンの範囲、約35,000ダルトン~約120,000ダルトンの範囲、および約40,000ダルトン~約120,000ダルトンの範囲の重量-平均分子量が挙げられる。
【0105】
水溶性ポリマーに関する例示的な重量-平均分子量には、約100ダルトン、約200ダルトン、約300ダルトン、約400ダルトン、約500ダルトン、約600ダルトン、約700ダルトン、約750ダルトン、約800ダルトン、約900ダルトン、約1,000ダルトン、約1,500ダルトン、約2,000ダルトン、約2,200ダルトン、約2,500ダルトン、約3,000ダルトン、約4,000ダルトン、約4,400ダルトン、約4,500ダルトン、約5,000ダルトン、約5,500ダルトン、約6,000ダルトン、約7,000ダルトン、約7,500ダルトン、約8,000ダルトン、約9,000ダルトン、約10,000ダルトン、約11,000ダルトン、約12,000ダルトン、約13,000ダルトン、約14,000ダルトン、約15,000ダルトン、約20,000ダルトン、約22,500ダルトン、約25,000ダルトン、約30,000ダルトン、約35,000ダルトン、約40,000ダルトン、約45,000ダルトン、約50,000ダルトン、約55,000ダルトン、約60,000ダルトン、約65,000ダルトン、約70,000ダルトン、および約75,000ダルトンが含まれる。前述のいずれかの総分子量を有する水溶性ポリマー(例えば、2つの20,000ダルトンのポリマーで構成される分岐状40,000ダルトン水溶性ポリマー)の分岐状バージョンもまた使用することができる。1つまたはそれ以上の実施形態では、コンジュゲートは、約6,000ダルトン未満の重量平均分子量を有するPEGと直
接的または間接的に結合した任意のPEG部分を有しない。
【0106】
PEGは、典型的には、多数の(OCH2CH2)モノマー[または(CH2CH2O)モノマー、PEGがどのように定義されるかに応じて]を含む。本明細書で使用される場合、繰り返し単位の数は、「(OCH2CH2)n」の下付き文字「n」によって同定される。したがって、(n)の値は、典型的には、以下の範囲:2~約3400、約100~約2300、約100~約2270、約136~約2050、約225~約1930、約450~約1930、約1200~約1930、約568~約2727、約660~約2730、約795~約2730、約909~約2730、および約1,200~約1,900の1つまたはそれ以上に含まれる。分子量が公知である任意の所与のポリマーについて、ポリマーの総重量-平均分子量を繰り返しモノマーの分子量で割ることによって、繰り返し単位の数(すなわち、「n」)を決定することが可能である。
【0107】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、末端キャップポリマー、すなわち、比較的不活性な基、例えば、低級C1-6アルコキシ基、またはヒドロキシル基でキャップされた少なくとも1つの末端を有するポリマーである。ポリマーがPEGである場合、例えば、メトキシ-PEG(一般的には、mPEGと称される)を使用することができ、これは、ポリマーの一方の末端がメトキシ(-OCH3)基であるPEGの直鎖状形態であり、他方の末端は、ヒドロキシル、または場合により化学的に修飾される他の官能基である。
【0108】
一部の実施形態では、例示的な水溶性ポリマーとしては、限定されないが、Quanta Biodesign,Ltd.からの直鎖状または分枝状の別個のPEG(dPEG);Nektar Therapeuticsからの直鎖状、分枝状またはフォーク状のPEG;JenKem Technologyからの直鎖状、分枝状またはY字のPEG誘導体が挙げられる。
【0109】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドは、ポリ(アルキレングリコール)、例えば、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)、エチレングリコールとプロピレングリコール等のコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、多糖、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(「POZ」)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、およびそれらの組み合わせから選択される水溶性ポリマーにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、PEG(例えば、PEG化された)にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、PPGにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、POZにコンジュゲートされる。いくつかの例では、IL-15ポリペプチドは、PVPにコンジュゲートされる。
【0110】
いくつかの例では、水溶性ポリマーは、ポリグリセリン(PG)を含む。場合によっては、ポリグリセリンは、高分岐状PG(HPG)(例えば、Imranら、「Influence of architecture of high molecular weight linear and branched polyglycerols on their biocompatibility and biodistribution」、Biomaterials、33巻:9135~9147頁(2012年)に記載される)である。他の場合には、ポリグリセリンは直鎖状PG(LPG)である。追加の場合において、ポリグリセリンは、中機能性PG、直鎖状-ブロック-超分岐状PG(例えば、Wurmら、「Squaric acid mediated synthesis and biological activity of a libra
ry of linear and hyperbranched poly(glycerol)-protein conjugates」、Biomacromolecules、13巻:1161~1171頁(2012年)に記載される)、または側鎖機能性PG(例えば、Liら、「Synthesis of linear polyether polyol derivatives as new materials for bioconjugation」、Bioconjugate Chem.、20巻:780~789頁(2009年)に記載される)である。
【0111】
いくつかの例では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドは、PG、例えば、HPG、LPG、中機能性PG、直鎖状-ブロック-超分岐状PG、または側鎖機能性PGにコンジュゲートされる。
【0112】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、分解性の合成PEG代替物である。代表的な分解性の合成PEG代替物としては、限定されないが、ポリ[オリゴ(エチレングリコール)メチルメタクリレート](POEGMA);テレケリックまたは二末端官能化PEGベースのマクロモノマーの重合によって生じる骨格修飾されたPEG誘導体;ポリ[(エチレンオキシド)-co-(メチレンエチレンオキシド)][P(EO-co-MEO)]などの分解性連結を含むコモノマーを含むPEG誘導体、OEGMAと共重合された5,6-ベンゾ-2-メチレン-1,3-ジオキセパン(BMDO)、2-メチレン-1,3-ジオキセパン(MDO)、および2-メチレン-4-フェニル-1,3-ジオキソラン(MPDL)などの環状ケテンアセタール;ポリ-(ε-カプロラクトン)-グラフト-ポリ(エチレンオキシド)(PCL-g-PEO)が挙げられる。
【0113】
いくつかの例では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドは、分解性の合成PEG代替物、例えば、POEGM;テレケリックまたは二末端官能化PEGベースのマクロモノマーの重合により生じる骨格修飾されたPEG誘導体;P(EO-co-MEO);OEGMAと共重合されるBMDO、MDOおよびMPDLなどの環状ケテンアセタール;またはPCL-g-PEOにコンジュゲートされる。
【0114】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリ(双性イオン)を含む。例示的なポリ(双性イオン)としては、限定されないが、ポリ(スルホベタインメタクリレート)(PSBMA)、ポリ(カルボキシベタインメタクリレート)(PCBMA)、およびポリ(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)(PMPC)が挙げられる。いくつかの例では、IL-15ポリペプチドは、PSBMA、PCBMA、またはPMPCなどのポリ(双性イオン)にコンジュゲートされる。
【0115】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリカーボネートを含む。例示的なポリカーボンとしては、限定されないが、ペンタフルオロフェニル5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキサン-5-カルボン酸塩(MTC-OC6F5)が挙げられる。いくつかの例では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドは、MTC-OC6F5などのポリカーボネートにコンジュゲートされる。
【0116】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーには、ポリマーハイブリッド、例えば、ポリカーボネート/PEGポリマーハイブリッド、ペプチド/タンパク質-ポリマーコンジュゲート、またはヒドロキシル含有および/もしくは双性イオン誘導体化ポリマー(例えば、ヒドロキシル含有および/もしくは双性イオン誘導体化PEGポリマー)が含まれる。いくつかの例では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドは、ポリマーハイブリッド、例えば、ポリカーボネート/PEGポリマーハイブリッド、ペプチド/タンパク質-ポリマーコンジュゲート、またはヒドロキシル含有および/もしくは双性イオン誘導体化ポリマー(例えば、ヒドロキシル含有および/もしくは双性イオン誘導体化PEGポリマー
)にコンジュゲートされる。
【0117】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、多糖を含む。例示的な多糖には、限定されないが、デキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、またはヒドロキシエチルデンプン(HES)が挙げられる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、デキストランにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、PSAにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、HAにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、アミロースにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヘパリンにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、HSにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、デキストリンにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、HESにコンジュゲートされる。
【0118】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、グリカンを含む。例示的な種類のグリカンとしては、N-連結型グリカン、O-連結型グリカン、糖脂質、O-GlcNAc、およびグリコサミノグリカンが挙げられる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、グリカンにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、N-連結型グリカンにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、O-連結型グリカンにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、糖脂質にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、O-GlcNAcにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、グリコサミノグリカンにコンジュゲートされる。
【0119】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリオキサゾリンポリマーを含む。ポリオキサゾリンポリマーは、直鎖状合成ポリマーであり、PEGと同様に、低多分散性を含む。一部の実施形態では、ポリオキサゾリンポリマーは、平均分子量で特徴付けられる多分散性ポリオキサゾリンポリマーである。一部の実施形態では、ポリオキサゾリンポリマーの平均分子量には、例えば、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、10,000、12,000、20,000、35,000、40,000、50,000、60,000、100,000、200,000、300,000、400,000、または500,000Daが含まれる。一部の実施形態では、ポリオキサゾリンポリマーは、ポリ(2-メチル2-オキサゾリン)(PMOZ)、ポリ(2-エチル2-オキサゾリン)(PEOZ)、またはポリ(2-プロピル2-オキサゾリン)(PPOZ)を含む。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ポリオキサゾリンポリマーにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、PMOZにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、PEOZにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、PPOZにコンジュゲートされる。
【0120】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリアクリル酸ポリマーを含む。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ポリアクリル酸ポリマーにコンジュゲートされる。
【0121】
一部の実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリアミンを含む。ポリアミンは、2つ以上の第一級アミノ基を含む有機ポリマーである。一部の実施形態では、ポリアミンは、分枝状ポリアミン、直鎖状ポリアミン、または環状ポリアミンを含む。一部の実施形態では、ポリアミンは、低分子量直鎖状ポリアミンである。例示的なポリアミンとしては、プトレシン、カダベリン、スペルミジン、スペルミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプ
ロパン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチルメチレンジアミン、およびピペラジンが挙げられる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ポリアミンにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、プトレシン、カダベリン、スペルミジン、スペルミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチルメチレンジアミン、またはピペラジンにコンジュゲートされる。
【0122】
脂質
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲート化部分は、脂質である。いくつかの例では、脂質は脂肪酸である。場合によっては、脂肪酸は飽和脂肪酸である。他の場合には、脂肪酸は不飽和脂肪酸である。例示的な脂肪酸には、限定されないが、約6~約26個の炭素原子、約6~約24個の炭素原子、約6~約22個の炭素原子、約6~約20個の炭素原子、約6~約18個の炭素原子、約20~約26個の炭素原子、約12~約26個の炭素原子、約12~約24個の炭素原子、約12~約22個の炭素原子、約12~約20個の炭素原子、または約12~約18個の炭素原子を含む脂肪酸が含まれる。場合によっては、脂質は、1つまたはそれ以上の血清タンパク質に結合し、それによって血清の安定性および/または血清半減期を増加させる。
【0123】
一部の実施形態では、脂質は、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドにコンジュゲートされる。いくつかの例では、脂質は、脂肪酸、例えば、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸である。場合によっては、脂肪酸は、約6~約26個の炭素原子、約6~約24個の炭素原子、約6~約22個の炭素原子、約6~約20個の炭素原子、約6~約18個の炭素原子、約20~約26個の炭素原子、約12~約26個の炭素原子、約12~約24個の炭素原子、約12~約22個の炭素原子、約12~約20個の炭素原子、または約12~約18個の炭素原子である。場合によっては、脂肪酸は、長さが約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26個である炭素原子を含む。場合によっては、脂肪酸は、カプロン酸(ヘキサン酸)、エナント酸(ヘプタン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ウンデシル酸(ウンデカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、トリデシル酸(トリデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸(ペンタデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、ノナデシル酸(ノナデカン酸)、アラキジン酸(エイコサン酸)、ヘネイコシル酸(ヘネイコサン酸)、ベヘン酸(ドコサン酸)、トリコシル酸(トリコサン酸)、リグノセリン酸(テトラコサン酸)、ペンタコシル酸(ペンタコサン酸)、またはセロチン酸(ヘキサコサン酸)が含まれる。
【0124】
一部の実施形態では、IL-15脂質コンジュゲートは、血清安定性および/または血清半減期を増大させる。
【0125】
タンパク質
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲート化部分は、タンパク質またはその結合断片である。例示的なタンパク質としては、アルブミン、トランスフェリン、またはトランスチレチンが挙げられる。一部の実施形態では、タンパク質またはその結合断片は、抗体またはその結合断片を含む。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、タンパク質またはその結合断片を含む。一部の実施形態では、タンパク質またはその結合断片を含むIL-15コンジュゲートは、増加した血清半減期および/または安定性を有する。一部の実施形態では、タンパク質またはその結合断片を含むIL-15コンジュゲートは、1つまたはそれ以上のIL-15R/IL-2Rサブユニットとの減少したIL-15相互作用を有する。追加の場合において、タンパク質またはその結合断片は、1つまたはそれ以上のIL-15R/IL-2RサブユニットとのIL-15相互作用
を遮断する。
【0126】
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分はアルブミンである。アルブミンは、水溶性球状タンパク質のファミリーである。血漿中によくみられ、全血漿タンパク質の約55~60%を占める。ヒト血清アルブミン(HSA)は、3次構造が3つのドメイン、ドメインI(アミノ酸残基1~195)、ドメインII(アミノ酸残基196~383)、およびドメインIII(アミノ酸残基384~585)に分割される585アミノ酸ポリペプチドである。各ドメインは、さらに、長鎖および中鎖脂肪酸、ビリルビン、もしくはヘミンなどの内因性リガンド、または複素環化合物もしくは芳香族化合物などの外因性化合物と可逆的または不可逆的に相互作用し得る結合部位を含む。
【0127】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、アルブミンにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヒト血清アルブミン(HSA)にコンジュゲートされる。追加の場合において、IL-15ポリペプチドは、アルブミンの機能的断片にコンジュゲートされる。
【0128】
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分はトランスフェリンである。トランスフェリンは、大きさが約80kDaである679アミノ酸ポリペプチドであり、一方がN末端ドメインに、他方がC末端ドメインにある2つのFe3+結合部位を含む。一部の実施形態では、ヒトトランスフェリンは、約7~12日の半減期を有する。
【0129】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、トランスフェリンにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヒトトランスフェリンにコンジュゲートされる。追加の場合において、IL-15ポリペプチドは、トランスフェリンの機能的断片にコンジュゲートされる。
【0130】
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、トランスチレチン(TTR)である。トランスサイレチンは、血清および脳脊髄液に局在する輸送タンパク質であり、甲状腺ホルモンチロキシン(T4)、およびレチノールに結合したレチノール結合タンパク質を輸送する。
【0131】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、(その末端の1つを介して、または内部ヒンジ領域を介して)トランスチレチンにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、トランスチレチンの機能的断片にコンジュゲートされる。
【0132】
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、抗体、またはその結合断片である。一部の実施形態では、抗体またはその結合断片は、ヒト化抗体もしくはその結合断片、マウス抗体もしくはその結合断片、キメラ抗体もしくはその結合断片、モノクローナル抗体もしくはその結合断片、一価Fab’、二価Fab2、F(ab)’3断片、一本鎖可変断片(scFv)、ビス-scFv、(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、トリアボディ、テトラボディ、ヒューマボディ、ジスルフィド安定化Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、IgNAR、ラクダ抗体もしくはその結合断片、二重特異性抗体もしくはその結合断片、またはその化学的に修飾された誘導体を含む。
【0133】
いくつかの例では、コンジュゲート化部分は、scFv、ビス-scFv、(scFv)2、dsFv、またはsdAbを含む。場合によっては、コンジュゲート化部分はscFvを含む。場合によっては、コンジュゲート化部分はビス-scFvを含む。場合によっては、コンジュゲート化部分は(scFv)2を含む。場合によっては、コンジュゲー
ト化部分はdsFvを含む。場合によっては、コンジュゲート化部分はsdAbを含む。
【0134】
一部実施形態では、コンジュゲート化部分は、抗体のFc部分、例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、またはIgDのFc部分を含む。一部の実施形態では、部分は、IgG(例えば、IgG1、IgG3、またはIgG4)のFc部分を含む。
【0135】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、抗体またはその結合断片にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヒト化抗体もしくはその結合断片、マウス抗体もしくはその結合断片、キメラ抗体もしくはその結合断片、モノクローナル抗体もしくはその結合断片、一価Fab’、二価Fab2、F(ab)’3断片、一本鎖可変断片(scFv)、ビス-scFv、(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、トリアボディ、テトラボディ、ヒューマボディ、ジスルフィド安定化Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、IgNAR、ラクダ抗体もしくはその結合断片、二重特異性抗体もしくはその結合断片、またはその化学的に修飾された誘導体にコンジュゲートされる。追加の場合において、IL-15ポリペプチドは、抗体のFc部分にコンジュゲートされる。追加の場合において、IL-15ポリペプチドは、IgG(例えば、IgG1、IgG3、またはIgG4)のFc部分にコンジュゲートされる。
【0136】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、水溶性ポリマー(例えば、PEG)および抗体またはその結合断片にコンジュゲートされる。場合によっては、抗体またはその結合断片は、ヒト化抗体もしくはその結合断片、マウス抗体もしくはその結合断片、キメラ抗体もしくはその結合断片、モノクローナル抗体もしくはその結合断片、一価Fab’、二価Fab2、F(ab)’3断片、一本鎖可変断片(scFv)、ビス-scFv、(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、トリアボディ、テトラボディ、ヒューマボディ、ジスルフィド安定化Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、IgNAR、ラクダ抗体もしくはその結合断片、二重特異性抗体もしくはその結合断片、またはその化学的に修飾された誘導体を含む。場合によっては、抗体またはその結合断片は、scFv、ビス-scFv、(scFv)2、dsFv、またはsdAbを含む。場合によっては、抗体またはその結合断片は、scFvを含む。場合によっては、抗体またはその結合断片は、IL-15コンジュゲートを目的の標的細胞に導き、水溶性ポリマーは安定性および/または血清半減期を増加させる。
【0137】
いくつかの例では、1つまたはそれ以上のIL-15ポリペプチド-水溶性ポリマー(例えば、PEG)コンジュゲートは、抗体またはその結合断片にさらに結合される。いくつかの例では、IL-15コンジュゲート対抗体の比は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1または12:1である。場合によっては、IL-15コンジュゲート対抗体の比は、約1:1である。他の場合には、IL-15コンジュゲート対抗体の比は、約2:1、3:1、または4:1である。追加の場合において、IL-15コンジュゲート対抗体の比は、約6:1以上である。
【0138】
一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のIL-15ポリペプチド-水溶性ポリマー(例えば、PEG)コンジュゲートは、抗体またはその結合断片に直接結合される。他の例では、IL-15コンジュゲートは、リンカーを用いて、抗体またはその結合断片に間接的に結合される。例示的なリンカーとしては、ホモ二官能性リンカー、ヘテロ二官能性リンカー、マレイミド系リンカー、ゼロトレースリンカー、自己不浸透性リンカー、スペーサーなどが挙げられる。
【0139】
一部の実施形態では、抗体またはその結合断片は、IL-15ポリペプチド-水溶性ポ
リマー(例えば、PEG)コンジュゲートのIL-15ポリペプチド部分に直接的または間接的に結合される。このような場合、IL-15ポリペプチドへの抗体のコンジュゲーション部位は、IL-15ポリペプチドとIL-15Rとの結合を妨げない部位にある。追加の場合において、IL-15ポリペプチドへの抗体のコンジュゲーション部位は、IL-15ポリペプチドのIL-15Rとの結合を部分的に遮断する部位にある。他の実施形態では、抗体またはその結合断片は、IL-15ポリペプチド-水溶性ポリマー(例えば、PEG)コンジュゲートの水溶性ポリマー部分に直接的または間接的に結合される。
【0140】
ペプチド
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲート化部分は、ペプチドである。一部の実施形態では、ペプチドは、非構造化ペプチドである。一部の実施形態では、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、またはTNF)ポリペプチドは、ペプチドにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、ペプチドを含むIL-15コンジュゲートは、増加した血清半減期および/または安定性を有する。一部の実施形態では、ペプチドを含むIL-15コンジュゲートは、1つまたはそれ以上のIL-15Rサブユニットとの減少したIL-15相互作用を有する。追加の場合において、ペプチドは、1つまたはそれ以上のIL-15RサブユニットとのIL-15相互作用を遮断する。
【0141】
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、XTEN(商標)ペプチド(Amunix Operating Inc.)であり、修飾は、XTENイル化と呼ばれる。XTENイル化は、目的のポリペプチドをコードする核酸と、XTEN(商標)ペプチド(Amunix Operating Inc.)をコードする核酸との遺伝的融合であり、6つのアミノ酸:Ala、Glu、Gly、Ser、およびThrの異なるパーセンテージを含む長い非構造化親水性ペプチドである。一部の実施形態では、XTEN(商標)ペプチドは、目的のポリペプチドと組み合わせて、発現、遺伝的安定性、溶解性、凝集抵抗性、増大した半減期、増加された効力、および/または増加したインビトロ活性などの特性に基づいて選択される。一部の実施形態では、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、またはTNF)ポリペプチドは、XTENペプチドにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、XTENペプチドにコンジュゲートされる。
【0142】
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、グリジンに富むホモアミノ酸ポリマー(HAP)であり、修飾は、HAPイル化と呼ばれる。HAPイル化は、目的とするポリペプチドをコードする核酸と、グリジンに富むホモアミノ酸ポリマー(HAP)をコードする核酸との遺伝的融合である。一部の実施形態では、HAPポリマーは、(Gly4Ser)n反復モチーフを含み、時には、長さは約50、100、150、200、250、300、またはそれ以上の残基である。一部の実施形態では、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、またはTNF)ポリペプチドは、HAPにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、HAPにコンジュゲートされる。
【0143】
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、PASポリペプチドであり、修飾はPASイル化と呼ばれる。PASイル化は、目的のポリペプチドをコードする核酸とPASポリペプチドをコードする核酸との遺伝的融合である。PASポリペプチドは、Pro、AlaおよびSer残基からなる親水性の非荷電ポリペプチドである。一部の実施形態では、PASポリペプチドの長さは、少なくとも約100、200、300、400、500または600アミノ酸である。一部の実施形態では、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、またはTNF)ポリペプチドは、PASポリペプチドにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、PASポリペプチドにコンジュゲートされる。
【0144】
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、エラスチン様ポリペプチド(ELP)であり、修飾は、ELPイル化と呼ばれる。ELPイル化は、目的とするポリペプチドをコードする核酸と、エラスチン様ポリペプチド(ELP)をコードする核酸との遺伝的融合である。ELPは、xがプロリンを除く任意のアミノ酸であるVPGxG反復モチーフを含む。一部の実施形態では、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、またはTNF)ポリペプチドは、ELPにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ELPにコンジュゲートされる。
【0145】
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、CTPペプチドである。CTPペプチドは、31アミノ酸残基ペプチドFQSSSS*KAPPPS*LPSPS*RLPSGPS*DTPILPQを含み、S*はO-グリコシル化部位(OPKO)を示す。一部の実施形態では、CTPペプチドは、サイトカインポリペプチド(例えば、IL-15ポリペプチド)に遺伝的に融合される。一部の実施形態では、サイトカインポリペプチド(例えば、IL-15ポリペプチド)は、CTPペプチドにコンジュゲートされる。
【0146】
一部の実施形態では、サイトカイン(例えば、IL-15ポリペプチド)は、グルタミル化によって修飾される。グルタミル化(またはポリグルタミル化)は、グルタミン酸の可逆的翻訳後修飾であり、グルタミン酸のγ-カルボキシ基が、遊離グルタミン酸のアミノ基とペプチド様結合を形成し、α-カルボキシ基がポリグルタミン酸鎖に伸長する。
【0147】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーによって修飾される。一部の実施形態では、GLKポリマーは、Gly-Xaa-Yaaの複数の反復を含み、XaaおよびYaaは、それぞれ、主にプロリンおよび4-ヒドロキシプロリンを含む。一部の実施形態では、GLKポリマーは、アミノ酸残基Pro、Gly、Glu、Qln、Asn、Ser、およびLysをさらに含む。一部の実施形態では、GLKポリマーの長さは、約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、150残基またはそれ以上である。
【0148】
追加のコンジュゲート化部分
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、細胞外バイオマーカーを含む。一部の実施形態では、細胞外バイオマーカーは、腫瘍抗原である。一部の実施形態では、例示的な細胞外バイオマーカーとしては、CD19、PSMA、B7-H3、B7-H6、CD70、CEA、CSPG4、EGFRvIII、EphA3、EpCAM、EGFR、ErbB2(HER2)、FAP、FRα、GD2、GD3、ルイス-Y、メソテリン、Muc1、Muc16、ROR1、TAG72、VEGFR2、CD11、Gr-1、CD204、CD16、CD49b、CD3、CD4、CD8、およびB220が挙げられる。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、IL-15に結合させるかまたはコンジュゲートする。一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、例えば、IL-15のN末端またはC末端で遺伝的に融合される。
【0149】
一部の実施形態では、コンジュゲート化部分は、翻訳後修飾からの分子を含む。一部の実施形態では、翻訳後修飾の例には、ミリストイル化、パルミトイル化、イソプレニル化(またはプレニル化)(例えば、ファルネシル化またはゲラニルゲラニル化)、グリピル化、アシル化(例えば、O-アシル化、N-アシル化、S-アシル化)、アルキル化(例えば、メチルまたはエチル基などのアルキル基の付加)、アミド化、グリコシル化、ヒドロキシル化、ヨード化、ヌクレオチド付加、酸化、リン酸化、スクシニル化、硫酸化、糖化、カルバミル化、グルタミル化、または脱アミド化が含まれる。一部の実施形態では、IL-15は、ミリストイル化、パルミトイル化、イソプレニル化(またはプレニル化)(例えば、ファルネシル化またはゲラニルゲラニル化)、グリピル化、アシル化(例えば
、O-アシル化、N-アシル化、S-アシル化)、アルキル化(例えば、メチルまたはエチル基などのアルキル基の付加)、アミド化、グリコシル化、ヒドロキシル化、ヨード化、ヌクレオチド付加、酸化、リン酸化、スクシニル化、硫酸化、糖化、カルバミル化、グルタミル化、または脱アミド化などの翻訳後修飾によって修飾される。
【0150】
リンカー
一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドにコンジュゲート化部分をコンジュゲートまたは結合させるための有用な官能性反応基は、例えば、ゼロまたは高次リンカーを含む。いくつかの例では、本明細書に記載されるインターロイキンに組み込まれた非天然アミノ酸は、官能性反応基を含む。いくつかの例では、リンカーは、本明細書に記載されるインターロイキンに組み込まれた非天然アミノ酸と反応する官能反応性基を含む。いくつかの例では、コンジュゲート化部分は、本明細書に記載されるインターロイキンに組み込まれた非天然アミノ酸と反応する官能反応基を含む。いくつかの例では、コンジュゲート化部分は、本明細書に記載されるリンカー(場合により、サイトカインペプチドに予め結合している)と反応する官能性反応基を含む。一部の実施形態では、リンカーは、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチド中の天然アミノ酸と反応する反応基を含む。場合によっては、高次リンカーは、ホモ二官能性リンカーまたはヘテロ二官能性リンカーなどの二官能性リンカーを含む。例示的なホモ二官能性リンカーとしては、限定はされないが、Lomant試薬ジチオビス(プロピオン酸スクシンイミジル)DSP、3’3’-ジチオビス(プロピオン酸スルホスクシンイミジル)(DTSSP)、スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)、スベリン酸ビス(スルホスクシンイミジル)(BS)、酒石酸ジスクシンイミジル(DST)、酒石酸ジスルホスクシンイミジル(スルホDST)、エチレングリコビス(コハク酸スクシンイミジル)(EGS)、炭酸ジスクシンイミジル(DSG)、炭酸N,N’-ジスクシンイミジル(DSC)、アジピン酸ジメチル(DMA)、ピメリミジン酸ジメチル(DMP)、スベリミン酸ジメチル(DMS)、ジメチル-3,3’-ジチオビスプロピオンイミデート(DTBP)、1,4-ジ-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン(DPDPB)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、ハロゲン化アリール含有化合物(DFDNB)、例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンもしくは1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼン、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)、ビス-[β-(4-アジドサリチルアミド))エチル]ジスルフィド(BASED)、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、o-トルイジン、3,3’-ジメチルベンジジン、ベンジジン、α,α’-p-ジアミノジフェニル、ジヨード-p-キシレンスルホン酸、N,N’-エチレン-ビス(ヨードアセトアミド)、またはN,N’-ヘキサメチレン-ビス(ヨードアセトアミド)が挙げられる。
【0151】
一部の実施形態では、二官能性リンカーは、ヘテロ二官能性リンカーを含む。例示的なヘテロ二官能性リンカーには、限定されないが、アミン反応性およびスルフヒドリル架橋リンカー、例えば、プロピオン酸N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)(sPDP)、プロピオン酸長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)(LC-sPDP)、プロピオン酸水溶性長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)(スルホ-LC-sPDP)、スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(sMPT)、スルホスクシンイミジル-6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサノエート(スルホ-LC-sMPT)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sMCC)、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-sMCC)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBs)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBs)、N-スクシンイミジル(4-ヨ
ードアセチル)アミノ安息香酸塩(sIAB)、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸塩(スルホ-sIAB)、スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(sMPB)、スルホスクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(スルホ-sMPB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル(GMB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMB)、スクシンイミジル6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノエート(sIAX)、スクシンイミジル6-[6-((((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ]ヘキサノエート(sIAXX)、スクシンイミジル4-((((ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sIAC)、スクシンイミジル6-((((4-ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボニル)アミノ)ヘキサノエート(sIACX)、p-ニトロフェニルヨードアセテート(NPIA)、カルボニル反応性およびスルフヒドリル反応性架橋リンカー、例えば、4-(4-N-マレイミドフェニル)ブタン酸ヒドラジド(MPBH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-ヒドラジド-8(M2C2H)、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド(PDPH)、アミン反応性および光反応性架橋リンカー、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(NHs-AsA)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(スルホ-NHs-AsA)、スルホスクシンイミジル-(4-アジドサリチルアミド)ヘキサノエート(スルホ-NHs-LC-AsA)、スルホスクシンイミジル-2-(p-アジドサリチルアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAsD)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート(HsAB)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート(スルホ-HsAB)、N-スクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(sANPAH)、スルホスクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(スルホ-sANPAH)、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド(ANB-NOs)、スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAND)、N-スクシンイミジル-4(4-アジドフェニル)1,3’-ジチオプロピオネート(sADP)、N-スルホスクシンイミジル(4-アジドフェニル)-1,3’-ジチオプロピオネート(スルホ-sADP)、スルホスクシンイミジル4-(p-アジドフェニル)ブチレート(スルホ-sAPB)、スルホスクシンイミジル2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAED)、スルホスクシンイミジル7-アジド-4-メチルクメイン-3-アセテート(スルホ-sAMCA)、p-ニトロフェニルジアゾピルベート(pNPDP)、p-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオネート(PNP-DTP)、スルフヒドリル反応性および光反応性架橋リンカー、例えば、1-(p-アジドサリチルアミド)-4-(ヨードアセトアミド)ブタン(AsIB)、N-[4-(p-アジドサリチルアミド)ブチル]-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、ベンゾフェノン-4-ヨードアセトアミド、ベンゾフェノン-4-マレイミドカルボニル反応性および光反応性架橋リンカー、例えば、p-アジドベンゾイルヒドラジド(ABH)、カルボキシレート反応性および光反応性架橋リンカー、例えば、4-(p-アジドサリチルアミド)ブチルアミン(AsBA)、およびアルギニン反応性および光反応性架橋リンカー、例えば、p-アジドフェニルグリオキサール(APG)が含まれる。
【0152】
いくつかの例では、反応性官能基は、結合部分(例えば、コンジュゲート化部分またはIL-15上)に存在する求電子基に対して反応性である求核基を含む。例示的な求電子基には、カルボニル基、例えば、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、アミド、エノン、ハロゲン化アシルまたは酸無水物が含まれる。一部の実施形態では、反応性官能基は、アルデヒドである。例示的な求核基には、ヒドラジド、オキシム、アミノ、ヒドラ
ジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレート、およびアリールヒドラジドが含まれる。一部の実施形態では、本明細書に記載されるインターロイキンに組み込まれる非天然アミノ酸は、求電子性基を含む。
【0153】
一部の実施形態では、リンカーは、切断可能なリンカーである。一部の実施形態では、切断可能なリンカーは、ジペプチドリンカーである。一部の実施形態では、ジペプチドリンカーは、バリン-シトルリン(Val-Cit)、フェニルアラニン-リジン(Phe-Lys)、バリン-アラニン(Val-Ala)およびバリン-リジン(Val-Lys)である。一部の実施形態では、ジペプチドリンカーは、バリン-シトルリンである。
【0154】
一部の実施形態では、リンカーは、例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、20、25、30、35、40、45、50個、またはそれ以上のアミノ酸を含むペプチドリンカーである。いくつかの例では、ペプチドリンカーは、せいぜい2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、20、25、30、35、40、45、50個、またはそれ以下のアミノ酸を含む。追加の場合において、ペプチドリンカーは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、20、25、30、35、40、45、または50個のアミノ酸を含む。
【0155】
一部の実施形態では、リンカーは、自己免疫性リンカー部分を含む。一部の実施形態では、自己免疫性リンカー部分は、p-アミノベンジルアルコール(PAB)、p-アミノベンジオキシカルボニル(PABC)、またはそれらの誘導体もしくは類似体を含む。一部の実施形態では、リンカーは、ジペプチドリンカー部分および自己免疫性リンカー部分を含む。一部の実施形態では、自己免疫性リンカー部分は、米国特許第9089614号、およびWIPO出願公開第WO2015038426号に記載されているようなものである。
【0156】
一部の実施形態では、切断可能なリンカーは、グルクロニドである。一部の実施形態では、切断可能なリンカーは、酸切断可能なリンカーである。一部の実施形態では、酸切断可能なリンカーは、ヒドラジンである。一部の実施形態では、切断可能なリンカーは、還元性リンカーである。
【0157】
一部の実施形態では、リンカーは、マレイミド基を含む。いくつかの例では、マレイミド基は、マレイミドスペーサーとも呼ばれる。いくつかの例では、マレイミド基は、カプロン酸をさらに含み、マレイミドカプロイル(mc)を形成する。場合によっては、リンカーは、マレイミドカプロイル(mc)を含む。場合によっては、リンカーはマレイミドカプロイル(mc)である。他の例では、マレイミド基は、マレイミドメチル基、例えば、上記のスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sMCC)、またはスルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-sMCC)を含む。
【0158】
一部の実施形態では、マレイミド基は、自己安定化マレイミドである。いくつかの例では、自己安定化マレイミドは、ジアミノプロピオン酸(DPR)を利用して、マレイミドに隣接する塩基性アミノ基を組み込み、チオスクシンイミド環加水分解の分子内触媒を提供し、それにより、逆マイケル反応を介して脱離反応を受けるマレイミドを除去する。いくつかの例では、自己安定化マレイミドは、Lyonら、「Self-hydrolyzing maleimides improve the stability and
pharmacological properties of antibody-drug conjugates」、Nat.Biotechnol.、32巻(10号):1059~1062頁(2014年)に記載されるマレイミド基である。いくつかの例では、リンカーは、自己安定化マレイミドを含む。いくつかの例では、リンカーは、自
己安定化マレイミドである。
【0159】
コンジュゲーション化学
種々のコンジュゲーション反応を用いて、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドに組み込まれるリンカー、コンジュゲーション部分、および非天然アミノ酸をコンジュゲートする。このようなコンジュゲーション反応は、しばしば、「生体直交性」反応などの水性条件と適合する。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、リンカー、コンジュゲーション部分、または非天然アミノ酸上に見出される触媒、光、または反応性化学基などの化学試薬によって媒介される。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、酵素によって媒介される。一部の実施形態では、本明細書で使用されるコンジュゲーション反応は、Gong,Y.、Pan,L.、Tett.Lett.、2015年、56巻、2123頁に記載されている。一部の実施形態では、本明細書で使用されるコンジュゲーション反応は、Chen,X.;Wu.Y-W.、Org.Biomol.Chem.、2016年、14巻、5417頁に記載される。
【0160】
本明細書に記載される一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、ケトンまたはアルデヒドと求核剤との反応を含む。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、ケトンとアミノキシ基との反応を含み、オキシムを形成する。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、ケトンとアリールまたはヘテロアリールアミン基との反応を含み、イミンを形成する。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、アルデヒドとアリールまたはヘテロアリールアミン基との反応を含み、イミンを形成する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、オキシムを介して結合されたリンカーまたはコンジュゲーション部分を含むIL-15ポリペプチドをもたらす。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、アルデヒドまたはケトンとトリプタミン求核剤とのPictet-Spengler反応を含む。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、ヒドラジノ-Pictet-Spengler反応を含む。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、Pictet-Spenglerライゲーションを含む。
【0161】
本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、アジドおよびホスフィンの反応(シュタウジンガーライゲーション)を含む。一部の実施形態では、ホスフィンは、アリールホスフィンである。一部の実施形態では、アリールホスフィンは、オルトエステル基を含む。一部の実施形態では、ホスフィンは、メチル2-(ジフェニルホスファニル)安息香酸エステルの構造を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、アリールアミドを介して結合されたリンカーまたはコンジュゲーション部分を含むIL-15ポリペプチドをもたらす。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、アミドを介して結合されたリンカーまたはコンジュゲーション部分を含むIL-15ポリペプチドをもたらす。
【0162】
本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、1,3-双極性環状付加反応を含む。一部の実施形態では、1,3-双極性環状付加反応は、アジドとホスフィンとの反応(「クリック」反応)を含む。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、銅によって触媒される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、トリアゾールを介して結合されたリンカーまたはコンジュゲーション部分を含むIL-15ポリペプチドをもたらす。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、アジドと歪んだオレフィンとの反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、アジドと歪んだアルキンとの反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、アジドとシクロアルキン、例えば、OCT、DIFO、DIFB
O、DIBO、BARAC、TMTH、または他の歪んだシクロアルキンとの反応を含み、その構造はGong,Y.、Pan,L.、Tett.Lett.、2015年、56巻、2123頁に示される。一部の実施形態では、1,3-双極子環状付加反応は、光(「光クリック」)によって触媒される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、末端アリル基とテトラゾールおよび光との反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、末端アルキニル基とテトラゾールおよび光との反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、O-アリルアミノ酸とテトラジンおよび光との反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、O-アリルチロシンとテトラジンおよび光との反応を含む。
【0163】
本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、ジエンおよびジエノフィルを含む逆電子需要付加環化反応を含む。一部の実施形態では、ジエンはテトラジンを含む。一部の実施形態では、ジエノフィルはアルケンを含む。一部の実施形態では、ジエノフィルはアルキンを含む。一部の実施形態では、アルキンは、歪んだアルキンである。一部の実施形態では、アルケンは、歪んだジエンである。一部の実施形態では、アルキンはトランス-シクロオクチンである。一部の実施形態では、アルキンはシクロオクテンである。一部の実施形態では、アルケンはシクロプロペンである。一部の実施形態では、アルケンはフルオロシクロプロペンである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、環中の2つの窒素原子を含む6員環複素環を介してリンカーまたはコンジュゲーション部分に結合したIL-15ポリペプチドの形成をもたらす。
【0164】
本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、オレフィンメタセシス反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、アルケンおよびアルキンとルテニウム触媒との反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、2つのアルケンとルテニウム触媒との反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、2つのアルキンとルテニウム触媒との反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、アルケンまたはアルキンと、ルテニウム触媒およびアリル基を含むアミノ酸との反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、アルケンまたはアルキンと、ルテニウム触媒およびアリルスルフィドまたはセレン化物を含むアミノ酸との反応を含む。一部の実施形態では、ルテニウム触媒は、Hoveda-Grubbs第2世代触媒である。一部の実施形態では、オレフィンメタセシス反応は、1つまたはそれ以上の歪んだアルケンまたはアルキンの反応を含む。
【0165】
本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、(4+2)環化付加反応とアルケンとの反応を含む。
【0166】
本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、交差カップリング反応を含む。一部の実施形態では、交差カップリング反応は、遷移金属触媒、例えば、イリジウム、金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、ニッケル、白金、または他の遷移金属触媒、および1つまたはそれ以上の配位子を含む。一部の実施形態では、遷移金属触媒は、水溶性である。本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、Suzuki-Miyaura交差カップリング反応を含む。本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、ハロゲン化アリール(またはトリフラート、またはトシレート)、アリールまたはボロン酸アルケニル、およびパラジウム触媒の反応を含む。本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応
は、Sonogashira交差カップリング反応を含む。本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、ハロゲン化アリール(またはトリフラート、またはトシレート)、アルキン、およびパラジウム触媒の反応を含む。一部の実施形態では、架橋結合反応は、炭素-炭素結合を介して、リンカーまたはコンジュゲート化部分のIL-15ポリペプチドへの結合をもたらす。
【0167】
本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、コンジュゲーション前の反応基の脱保護または「アンケージング」反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、光による反応基のアンケージング、続くコンジュゲーション反応を含む。一部の実施形態では、反応基は、1つまたはそれ以上のニトロ基を含むアラルキル部分で保護される。一部の実施形態では、反応基のアンケージングは、遊離アミン、硫化物、または他の反応基をもたらす。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、遷移金属触媒による反応基のアンケージング、続くコンジュゲーション反応を含む。一部の実施形態では、遷移金属触媒は、パラジウムおよび1つまたはそれ以上の配位子を含む。一部の実施形態では、反応基は、アリル部分で保護される。一部の実施形態では、反応基は、アリルカルバメートで保護される。一部の実施形態では、反応基は、プロパルギル部分で保護される。一部の実施形態では、反応基は、プロパルギルカルバメートで保護される。一部の実施形態では、反応基は、ジエノフィルで保護され、ジエン(テトラジンなど)への曝露は、反応基の脱保護をもたらす。
【0168】
本明細書に記載される一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、リガンド指向性反応を含み、反応基に結合したリガンド(場合による)は、反応基とIL-15ポリペプチドとの間のコンジュゲーション部位を容易にする。一部の実施形態では、リガンドは、IL-15ポリペプチドと反応基との反応中または反応後に切断される。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドのコンジュゲーション部位は、天然アミノ酸である。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドのコンジュゲーション部位は、リジン、システイン、またはセリンである。一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドのコンジュゲーション部位は、本明細書に記載される非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、反応基は、電子不足アリール基またはヘテロアリール基などの脱離基を含む。一部の実施態様では、反応基は、IL-15ポリペプチドによって置換される電子不足アルキル基などの脱離基を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、ラジカル捕捉剤とラジカル種との反応を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、酸化的ラジカル付加反応を含む。一部の実施形態では、ラジカル捕捉剤は、アリールアミンである。一部の実施形態では、ラジカル種は、チロシルラジカルである。一部の実施形態では、ラジカル種は、ルテニウム触媒([Ru(bpy)3]など)および光によって生じる。
【0169】
酵素反応は、場合により、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応のために使用される。例示的な酵素的コンジュゲーションには、SortA媒介コンジュゲーション、TGs媒介コンジュゲーション、またはFGE媒介コンジュゲーションが含まれる。一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲーション反応は、アミド結合を形成させるために、末端1-アミノ-2-チオ基とチオエステルとの天然タンパク質連結(NPL)を含む。
【0170】
リンカーまたはコンジュゲート化部分をIL-15ポリペプチドと反応させるための種々のコンジュゲーション反応が本明細書中に記載され、IL-15ポリペプチド中の天然(「カノニカル」)アミノ酸と反応が生じる。一部の実施形態では、天然アミノ酸は、野生型配列中に見出されるコンジュゲーション位置に見出されるか、または代わりに、その位置が突然変異されている。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、IL-1
5残基でのジスルフィド結合の形成を含む。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、システインまたはリジンの1,4マイケル付加反応を含む。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、IL-15のシアノベンゾチアゾール連結を含む。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、1,3-ジクロロ-2-プロピオンなどのアセトン部分との架橋を含む。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、システインとO-メシチレンスルホニルヒドロキシルアミンとの反応によって形成されるデヒドロアラニンへの1,4マイケル付加を含む。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、チロシンとトリアゾリンジオン(TAD)またはTAD誘導体との反応を含む。一部の実施形態では、コンジュゲーション反応は、トリプトファンとロジウムカルベノイドとの反応を含む。
【0171】
使用方法
増殖性疾患または状態
一部の実施形態では、それを必要とする対象における増殖性疾患または状態を治療する方法であって、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートの治療有効量を対象に投与することを含む方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、単離および精製されたIL-15ポリペプチドならびにコンジュゲート化部分を含み、IL-15コンジュゲートは、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15受容体α(IL-15Rα)サブユニットへの低下した親和性を有する。一部の実施態様では、IL-15コンジュゲートは、単離および精製されたIL-15ポリペプチド;ならびにN1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、T27、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、A39、K41、L44、L45、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択されるアミノ酸位置で単離および精製されたIL-15ポリペプチドに結合するコンジュゲート化部分を含み、アミノ酸残基の番号付けは配列番号1に対応する。一部の実施態様では、IL-15コンジュゲートは、単離および精製されたIL-15ポリペプチド;ならびにN1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択されるアミノ酸位置で単離および精製されたIL-15ポリペプチドに結合するコンジュゲート化部分を含む。
【0172】
一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、IL-15RβおよびIL-15Rβγサブユニットと優先的に相互作用して、IL-15/IL-15Rβγ複合体を形成する。一部の実施形態では、IL-15/IL-15Rβγ複合体は、Teff細胞(例えば、CD8+Teff細胞)および/またはNK細胞の増殖を刺激および/または増
大させる。追加の場合において、Teff細胞の拡大は、Teff:Treg比をTeff集団へと偏らせる。
【0173】
一部の実施形態では、増殖性疾患または状態はがんである。一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、固形腫瘍を治療するために、それを必要とする対象に投与される。このような場合、対象は、膀胱がん、骨がん、脳がん、乳がん、大腸がん、食道がん、眼がん、頭頸部がん、腎臓がん、肺がん、黒色腫、卵巣がん、膵臓がん、または前立腺がんを有する。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、膀胱がんの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、乳がんの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、大腸がんの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、食道がんの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、頭頸部がんの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、腎臓がんの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、肺がんの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、黒色腫の治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、卵巣がんの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、膵臓がんの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、前立腺がんの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、転移性がんの治療のために対象に投与される。追加の場合において、IL-15コンジュゲートは、再発性または難治性がんの治療のために対象に投与される。
【0174】
一部の実施形態では、がんは、血液学的悪性腫瘍である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、血液学的悪性腫瘍を治療するために、それを必要とする対象に投与される。一部の実施形態では、対象は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外辺縁帯B細胞リンパ腫、節外辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症を有する。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、CLLの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、SLLの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、FLの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、DLBCLの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、MCLの治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症の治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、多発性骨髄腫の治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、バーキットリンパ腫の治療のために対象に投与される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、転移性血液悪性腫瘍の治療のために対象に投与される。追加の場合において、IL-15コンジュゲートは、再発性または難治性の血液悪性腫瘍の治療のために対象に投与される。
【0175】
一部の実施形態では、追加の治療剤が、対象にさらに投与される。一部の実施形態では、追加の治療剤は、IL-15コンジュゲートと同時に投与される。他の場合には、追加
の治療剤およびIL-15コンジュゲートは連続的に投与され、例えば、IL-15コンジュゲートは、追加の治療剤に先立って投与されるか、またはIL-15コンジュゲートは、追加の治療剤の投与後に投与される。
【0176】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、化学療法剤、免疫療法剤、標的療法、放射線療法、またはそれらの組み合わせを含む。例示的な追加の治療剤としては、限定されないが、アルキル化剤、例えば、アルトレタミン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、ロムスチン、メルファラン、オキサラプラチン、テモゾロミド、またはチオテパ;代謝拮抗薬、例えば、5-フルオロウラシル(5-FU)、6-メルカプトプリン(6-MP)、カペシタビン、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、またはペメトレキセド;アントラサイクリン、例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン;トポイソメラーゼI阻害剤、例えば、トポテカンまたはイリノテカン(CPT-11);トポイソメラーゼII阻害剤、例えば、エトポシド(VP-16)、テニポシド、またはミトキサントロン;有糸分裂阻害剤、例えば、ドセタキセル、エストラムスチン、イクサベピロン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、またはビノレルビン;またはコルチコステロイド、例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、またはデキサメタゾンが挙げられる。
【0177】
場合によっては、追加の治療剤は、第一選択療法を含む。本明細書で使用される場合、「第一選択療法」は、がんを有する対象に対する第一選択療法を含む。いくつかの例では、がんが原発がんまたは局所がんである。他の例では、がんは転移性または再発性のがんである。場合によっては、第一選択治療として化学療法が行われる。他の場合には、第一選択治療は、免疫療法、標的療法、または放射線療法である。当業者は、異なる第一選択治療が異なるタイプのがんに適用可能であることを容易に理解する。
【0178】
一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、アルキル化剤、例えば、アルトレタミン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、ロムスチン、メルファラン、オキサラプラチン、テモゾロミド、またはチオテパ;代謝拮抗薬、例えば、5-フルオロウラシル(5-FU)、6-メルカプトプリン(6-MP)、カペシタビン、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、またはペメトレキセド;アントラサイクリン、例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン;トポイソメラーゼI阻害剤、例えば、トポテカンまたはイリノテカン(CPT-11);トポイソメラーゼII阻害剤、例えば、エトポシド(VP-16)、テニポシド、またはミトキサントロン;有糸分裂阻害剤、例えば、ドセタキセル、エストラムスチン、イクサベピロン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、またはビノレルビン;またはコルチコステロイド、例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、またはデキサメタゾンから選択される追加の治療剤とともに投与される。
【0179】
いくつかの例では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、酵素ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)の阻害剤とともに投与される。例示的なPARP阻害剤としては、限定されないが、オラパリブ(AZD-2281、Lynparza(登録商標)、Astra Zenecaから)、ルカパリブ(PF-01367338、Rubraca(登録商標)、Clovis Oncologyから)、ニラパリブ(MK-4827、Zejula(登録商標)、Tesaroから)、タラゾパリブ(BMN-673、BioMarin Pharmaceutical Inc.から)、ベリパリブ(ABT-888、AbbVieから)、CK-102(以前のCEP 9722、Teva Pharmaceutical Industries Ltd.から)、E7016(Eisaiから)、イニパリブ(BSI 201、Sanofiから)、および
パミパリブ(BGB-290、BeiGeneから)が挙げられる。場合によっては、IL-15コンジュゲートは、PARP阻害剤、例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、タラゾパリブ、ベリパリブ、CK-102、E7016、イニパリブ、またはパミパリブと組み合わせて投与される。
【0180】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)とともに投与される。例示的なTKIには、限定されないが、アファチニブ、アレクチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、セリチニブ、コビメチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イブルチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、オシメルチニブ、パゾパニブ、ポナチニブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、トファシチニブ、およびバンデタニブが含まれる。
【0181】
いくつかの例では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、免疫チェックポイント調節因子とともに投与される。例示的なチェックポイント調節因子は、以下を含む。
【0182】
PD-L1調節因子、例えば、GenentechのMPDL3280A(RG7446)、Merck/PfizerからのAvelumab(Bavencio)、AstraZenecaからのデュルバルマブ(Imfinzi)、BioXcellからの抗マウスPD-L1抗体クローン10F.9G2(カタログ番号BE0101)、Bristol-Meyer’s Squibbからの抗PD-L1モノクローナル抗体MDX-1105(BMS-93559)、BMS-93559およびBMS-986192、XytomX TherapeuticsからのMSB0010718C、マウス抗PD-L1クローン29E.2A3、CX-072、Novartis PharmaceuticalsからのFAX053、3D MedicineからのKN035、Eli LillyからのLY3300054、およびAstraZenekaのMEDI4736。
【0183】
PD-L2調節因子、例えば、GlaxoSmithKlineのAMP-224(Amplimmune)、およびrHIgM12B7。
【0184】
PD-1調節因子、例えば、BioXcellからの抗マウスPD-1抗体クローンJ43(カタログ番号BE0033-2)、BioXcellからの抗マウスPD-1抗体クローンRMP-14(カタログ番号BE0146)、マウス抗PD-1抗体クローンEH12、MerckのMK-3475抗マウスPD-1抗体(Keytruda、ペンブロリズマブ、ラムブロリズマブ)、ANB011として公知であるAnaptysBioの抗PD-1抗体、抗体MDX-1 106(ONO-4538)、Bristol-Myers SquibbのヒトIgG4モノクローナル抗体ニボルマブ(Opdivo(登録商標)、BMS-936558、MDX1106)、AstraZenecaのAMP-514およびAMP-224、Eli Lilly/Innovent Biologicsからのシンチリマブ(IBI-308)、AgenusからのAGEN 2034、BeiGeneからのBGB-A317、Boehringer-Ingelheim PharmaceuticalsからのB1-754091、CBT PharmaceuticalsからのCBT-501(ゲノリムズマブ)、IncyteからのINCSHR1210、Janssen Research&DevelopmentからのJNJ-63723283、MedImmuneからのMEDI0680、Novartis PharmaceuticalsからのPDR001、PfizerからのPF-06801591、Regeneron PharmaceuticalsからのREGN2810、およびCureTech LtdからのPidilizumab(CT-0
11)。
【0185】
CTLA-4調節因子、例えば、Bristol Meyers Squibbの抗CTLA-4抗体イピリムマブ(Yervoy(登録商標)、MDX-010、BMS-734016およびMDX-101としても公知である)、Milliporeからの抗CTLA4抗体クローン9H10、Pfizerのトレメリムマブ(CP-675,206、チシリムマブ)、AgenusからのAGEN 1884、およびAbcamからの抗CTLA4抗体クローンBNI3。
【0186】
LAG3調節因子、例えば、eBioscienceからの抗Lag-3抗体クローンeBioC9B7W(C9B7W)、LifeSpan Biosciencesからの抗Lag3抗体LS-B2237、Novartis PharmaceuticalsからのIMP701およびLAG525、ImmutepからのIMP321(ImmuFact)、Bristol-Myers Squibbからの抗Lag3抗体BMS-986016、BMS-986016、Regeneron PharmaceuticalsからのREGN3767、ならびにLAG-3キメラ抗体A9H12。
【0187】
B7-H3調節因子、例えば、MGA271。
【0188】
KIR調節因子、例えば、Bristol-Myers Squibbからのリリルマブ(IPH2101)。
【0189】
CD137調節因子、例えば、ウレルマブ(BMS-663513、Bristol-Myers Squibb)、PF-05082566(抗4-1BB、PF-2566、Pfizer)、またはXmAb-5592(Xencor)。
【0190】
PS調節因子、例えば、バビツキシマブ。
【0191】
OX40調節因子、例えば、Bristol-Myers SquibbからのBMS-986178、GlaxoSmithKlineからのGSK3174998、AgenusからのINCAGN1949、MedImmuneからのMEDI0562、PfizerからのPF-04518600、またはGentechからのRG7888。
【0192】
GITR調節因子、例えば、Novartis PharmaceuticalsからのGWN323、AgenusからのINCAGN1876、またはLeap TherapeuticsからのTRX518。
【0193】
TIM3調節因子、例えば、Novartis PharmaceuticalsからのMBG453、またはTESAROからのTSR-042。
【0194】
ならびに調節因子、例えば、抗体またはその断片(例えば、モノクローナル抗体、ヒト、ヒト化、またはキメラ抗体)、RNAi分子、またはCD52、CD30、CD20、CD33、CD27、ICOS、BTLA(CD272)、CD160、2B4、LAIR1、TIGHT、LIGHT、DR3、CD226、CD2、もしくはSLAMに対する小分子。
【0195】
いくつかの例では、IL-15コンジュゲートをペンブロリズマブ、ニボルマブ、トレメリムマブ、またはイピリムマブと組み合わせて投与する。
【0196】
いくつかの例では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、アレムツズマ
ブ、トラスツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、ブレンツキシマブ・ベドチン、アド-トラスツズマブ・エムタンシン、またはブリナツムマブなどの抗体とともに投与される。
【0197】
いくつかの例では、IL-15コンジュゲートは、抗VEGFR抗体から選択される追加の治療剤とともに投与される。例示的な抗VEGFR抗体は、限定されないが、ベバシズマブまたはラムシルマブを含む。いくつかの例では、IL-15コンジュゲートは、追加の治療剤のADCC効果を増大させる。
【0198】
いくつかの例では、IL-15コンジュゲートを、セツキシマブ、イムガツズマブ、マツズマブ(EMD72000)、トムゾツキシマブ、またはパニツムマブから選択される追加の治療剤とともに投与する。いくつかの例では、IL-15コンジュゲートは、追加の治療剤のADCC効果を増大させる。
【0199】
いくつかの例では、IL-15コンジュゲートは、追加のサイトカイン(例えば、天然サイトカイン、またはPEG化および/または融合サイトカインなどの操作されたサイトカインのいずれか)から選択される追加の治療剤とともに投与される。いくつかの例では、追加のサイトカインは、Tエフェクター細胞の拡大および/または増殖を、増大するおよび/または相乗作用を与える。場合によっては、追加のサイトカインは、IL-1β、IL-2、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-18、IL-21、またはTNFαを含む。場合によっては、追加のサイトカインはIL-2である。場合によっては、追加のサイトカインはIL-21である。場合によっては、追加のサイトカインはIL-10である。場合によっては、追加のサイトカインはTNFαである。
【0200】
いくつかの例では、IL-15コンジュゲートは、受容体アゴニストから選択される追加の治療剤とともに投与される。いくつかの例では、受容体アゴニストは、Toll様受容体(TLR)リガンドを含む。場合によっては、TLRリガンドは、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、またはTLR9を含む。場合によっては、TLRリガンドは、合成リガンド、例えば、Pam3Cys、CFA、MALP2、Pam2Cys、FSL-1、Hib-OMPC、ポリI:C、ポリA:U、AGP、MPL A、RC-529、MDF2β、CFA、またはフラジェリンを含む。場合によっては、IL-21コンジュゲートは、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、およびTLR9から選択される1つまたはそれ以上のTLRアゴニストとともに投与される。場合によっては、IL-15コンジュゲートは、Pam3Cys、CFA、MALP2、Pam2Cys、FSL-1、Hib-OMPC、ポリI:C、ポリA:U、AGP、MPL A、RC-529、MDF2β、CFA、およびフラジェリンカーら選択される1つまたはそれ以上のTLRとともに投与される。
【0201】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、養子T細胞移植(ACT)療法とともに使用される。一実施形態では、ACTは、例えば、抗腫瘍活性を有する、対象における自己Tリンパ球の同定、インビトロでの自己Tリンパ球の拡大、およびその後の対象への拡大されたTリンパ球の再輸注を伴う。別の実施形態では、ACTは、例えば、抗腫瘍活性を有する同種Tリンパ球の使用、インビトロでのTリンパ球の拡大、およびそれを必要とする対象への拡大された同種Tリンパ球のその後の輸注を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、ACT療法の一部として、自己Tリンパ球とともに使用される。他の例では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、ACT療法の一部として、同種Tリンパ球とともに使用される。一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、ACT療法と同時に、それを必要とする対象に投与される。他の場合には、IL-15コンジュゲートは、ACT療
法を必要とする対象に、ACT療法とともに連続的に投与される。
【0202】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、自己および/または同種T細胞移植のエクスビボ活性化および/または拡大のために使用される。このような場合、IL-15コンジュゲートは、自己T細胞および/または同種T細胞を含む試料を活性化および/または拡大するために使用され、IL-15コンジュゲートは、それを必要とする対象に試料を投与する前に、場合により試料から除去される。
【0203】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15コンジュゲートは、ワクチンとともに投与される。いくつかの例では、IL-21コンジュゲートは、腫瘍崩壊性ウイルスと組み合わせて利用される。このような場合、IL-21コンジュゲートは、免疫応答を調節するための刺激剤として作用する。いくつかの例では、IL-21コンジュゲートは、アジュバント療法の一部として腫瘍崩壊性ウイルスとともに使用される。例示的な腫瘍崩壊性ウイルスには、T-Vec(Amgen)、G47Δ(Todoら)、JX-594(Sillajen)、CG0070(Cold Genesys)、およびReolysin(Oncolytics Biotech)が含まれる。場合によっては、IL-21コンジュゲートは、T-Vec、G47Δ、JX-594、CG0070、またはReolysinなどの腫瘍崩壊性ウイルスと組み合わせて使用される。
【0204】
一部の実施形態では、IL-15コンジュゲートは、放射線療法と組み合わせて投与される。
【0205】
細胞集団の拡大の方法
一部の実施形態では、本明細書には、リンパ球集団、例えば、エフェクターT(Teff)細胞、記憶T(Tmem)細胞、および/またはナチュラルキラー(NK)細胞集団を拡大する方法が追加的に記載される。一部の実施形態では、本方法は、本明細書に記載されるサイトカインコンジュゲートと細胞を接触させること、およびサイトカインをサイトカイン受容体と相互作用させて複合体を形成することを含み、複合体は、別個のリンパ球集団の拡大を刺激する。
【0206】
一部の実施形態では、エフェクターT(Teff)細胞、記憶T(Tmem)細胞、および/またはナチュラルキラー(NK)細胞集団を拡大する方法であって、(a)細胞を修飾されたIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートと接触させること、およびIL-15をIL-15RβおよびIL-15Rγサブユニットと相互作用させてIL-15/IL-15Rβγ複合体を形成することを含み、IL-15コンジュゲートは、IL-15Rαサブユニットへの低下した親和性を有し、IL-15/IL-15Rβγ複合体はTeff、Tmem、およびNK細胞の拡大を刺激する。本明細書に記載されるように、一部の実施形態では、修飾されたIL-15ポリペプチドは、N1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、T27、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、A39、K41、L44、L45、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択される残基位置で少なくとも1つの翻訳後修飾された非天然アミノ酸を含み、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、残基位置は、N1、W2、V3
、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、S51、L52、S54、G55、D56、A57、S58、H60、V63、I67、N71、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、L91、E92、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、およびF110から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、D14、Q17、S18、K41、S51、L52、G55、D56、A57、S58、S75、S76、N77、N79、V80、T81、S83、G84、E92、K94、K95、K97、およびE98から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、N1、N4、S7、D8、K11、D61、T62、E64、N65、I68、L69、およびN72から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、V3、I6、K10、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S102、V104、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、D22、A23、T24、L25、Y26、L44、E46、Q48、V49、E53、E89、E90、およびE93から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、Y26、E46、V49、E53、およびL25から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、V3、K10、S29、D30、H32、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、N4、S7、K11、およびD61から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、L25、E53、N77、およびS83から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、L25およびE53から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、E46、Y26、V49、E53、T24、N4、K11、N65、L69、S18、H20、およびS83から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、E46、Y26、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、E46、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、Y26、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、E46およびY26から選択される。一部の実施形態では、残基位置はE46である。一部の実施形態では、残基位置はL25である。一部の実施形態では、残基位置はY26である。一部の実施形態では、残基位置はV49である。一部の実施形態では、残基位置はE53である。一部の実施形態では、残基位置はT24である。一部の実施形態では、残基位置はN77である。一部の実施形態では、残基位置はS83である。
【0207】
本明細書に記載されるエフェクターT(Teff)細胞、記憶T(Tmem)細胞、および/またはナチュラルキラー(NK)細胞集団を拡大する方法は、一部の実施形態では、細胞をIL-15コンジュゲートと接触させることを含む。本明細書に記載されるように、一部の実施形態では、インターロイキン15(IL-15)コンジュゲートは、単離および精製されたIL-15ポリペプチド;ならびにN1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20
、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、T27、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、A39、K41、L44、L45、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択されるアミノ酸位置で単離および精製されたIL-15ポリペプチドに結合するコンジュゲート化部分を含み、残基位置は、配列番号1に示される位置に対応する。一部の実施形態では、残基位置は、N1、W2、V3、N4、I6、S7、D8、K10、K11、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、D22、A23、T24、L25、Y26、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、E46、Q48、V49、S51、L52、E53、S54、G55、D56、A57、S58、H60、D61、T62、V63、E64、N65、I67、I68、L69、N71、N72、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、E89、E90、L91、E92、E93、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、S102、V104、H105、Q108、M109、F110、I111、N112、T113、およびS114から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、E13、D14、L15、Q17、S18、M19、H20、I21、S34、C35、K36、V37、T38、K41、L44、S51、L52、S54、G55、D56、A57、S58、H60、V63、I67、N71、S73、L74、S75、S76、N77、G78、N79、V80、T81、E82、S83、G84、C85、K86、E87、C88、L91、E92、K94、N95、I96、K97、E98、L100、Q101、およびF110から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、D14、Q17、S18、K41、S51、L52、G55、D56、A57、S58、S75、S76、N77、N79、V80、T81、S83、G84、E92、K94、K95、K97、およびE98から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、N1、N4、S7、D8、K11、D61、T62、E64、N65、I68、L69、およびN72から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、V3、I6、K10、E28、S29、D30、V31、H32、P33、S102、V104、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、D22、A23、T24、L25、Y26、L44、E46、Q48、V49、E53、E89、E90、およびE93から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、Y26、E46、V49、E53、およびL25から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、V3、K10、S29、D30、H32、H105、Q108、M109、I111、N112、T113、およびS114から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、N4、S7、K11、およびD61から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、L25、E53、N77、およびS83から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、L25およびE53から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、E46、Y26、V49、E53、T24、N4、K11、N65、L69、S18、H20、およびS83から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、E46、Y26、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、E46、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、Y26、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、V49、E53、およびT24から選択される。一部の実施形態では、残基位置は、E46およびY26から選択される。一部の実施形態では、残基位置はE46である。一部の実施形態では、残基位置はL25である。一
部の実施形態では、残基位置はY26である。一部の実施形態では、残基位置はV49である。一部の実施形態では、残基位置はE53である。一部の実施形態では、残基位置はT24である。一部の実施形態では、残基位置はN77である。一部の実施形態では、残基位置はS83である。
【0208】
IL-15ポリペプチド生成
一部の実施形態では、天然アミノ酸突然変異または非天然アミノ酸突然変異のいずれかを含む、本明細書中に記載されるIL-15ポリペプチドは、組換え的に生成されるか、または化学的に合成される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドは、組換え的に、例えば、宿主細胞系によって、または無細胞系において、生成される。
【0209】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、宿主細胞系を介して組換え的に生じる。一部の実施形態では、宿主細胞は、真核細胞(例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞または植物細胞)、原核細胞(例えば、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌)、または古細菌細胞である。場合によっては、真核生物宿主細胞は、哺乳類宿主細胞である。場合によっては、哺乳動物宿主細胞は、安定な細胞株であるか、または、目的の遺伝物質を自身のゲノムに組み込んで、何世代にもわたる細胞分裂の後に遺伝物質の産物を発現する能力を有する細胞株である。他の場合には、哺乳動物宿主細胞は、一過性の細胞株であるか、または、目的の遺伝物質を自身のゲノムに組み込んでおらず、何世代にもわたる細胞分裂の後にも遺伝物質の産物を発現する能力を有しない細胞株である。
【0210】
例示的な哺乳動物宿主細胞としては、293T細胞株、293A細胞株、293FT細胞株、293F細胞、293H細胞、A549細胞、MDCK細胞、CHODG44細胞、CHO-S細胞、CHO-K1細胞、Expi293F(商標)細胞、Flp-In(商標)T-REx(商標)293細胞株、Flp-In(商標)-293細胞株、Flp-In(商標)-3T3細胞株、Flp-In(商標)-BHK細胞株、Flp-In(商標)-CHO細胞株、Flp-In(商標)-CV-1細胞株、Flp-In(商標)-Jurkat細胞株、FreeStyle(商標)293-F細胞、FreeStyle(商標)CHO-S細胞、GripTite(商標)293MSR細胞株、GS-CHO細胞株、HepaRG(商標)細胞、T-REx(商標)Jurkat細胞株、Per.C6細胞、T-REx(商標)-293細胞株、T-REx(商標)-CHO細胞株、およびT-REx(商標)-HeLa細胞株が挙げられる。
【0211】
一部の実施形態では、真核生物宿主細胞は、昆虫宿主細胞である。例示的な昆虫宿主細胞としては、ショウジョウバエS2細胞、Sf9細胞、Sf21細胞、High Five(商標)細胞、およびexpresSF+(登録商標)細胞が挙げられる。
【0212】
一部の実施形態では、真核生物宿主細胞は、酵母宿主細胞である。例示的な酵母宿主細胞としては、GS115、KM71H、SMD1168、SMD1168H、およびX-33などのピキア・パストリス(Pichia pastoris)酵母株、ならびにINVSc1などのサッカロミケス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)酵母株が挙げられる。
【0213】
一部の実施形態では、真核生物宿主細胞は、植物宿主細胞である。一部の実施形態では、植物細胞は、藻類由来の細胞を含む。例示的な植物細胞株としては、コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)137c、またはシネココッカス・エロンガタス(Synechococcus elongatus)PPC 7942由来の株が挙げられる。
【0214】
一部の実施形態では、宿主細胞は、原核生物宿主細胞である。例示的な原核宿主細胞としては、BL21、Mach1(商標)、DH10B(商標)、TOP10、DH5α、DH10Bac(商標)、OmniMax(商標)、MegaX(商標)、DH12S(商標)、INV110、TOP10F’、INVαF、TOP10/P3、ccdB Survival、PIR1、PIR2、Stbl2(商標)、Stbl3(商標)、またはStbl4(商標)が挙げられる。
【0215】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドを生成するための適切なポリ核酸分子またはベクターは、真核生物または原核生物起源のいずれかに由来する任意の適切なベクターを含む。例示的なポリ核酸分子またはベクターは、細菌(例えば、大腸菌)、昆虫、酵母(例えば、ピキア・パストリス)、藻類、または哺乳動物起源由来のベクターを含む。細菌ベクターとしては、例えば、pACYC177、pASK75、pBADベクターシリーズ、pBADMベクターシリーズ、pETベクターシリーズ、pETMベクターシリーズ、pGEXベクターシリーズ、pHAT、pHAT2、pMal-c2、pMal-p2、pQE ベクターシリーズ、pRSET A、pRSET B、pRSET C、pTrcHis2シリーズ、pZA31-Luc、pZE21-MCS-1、pFLAG ATS、pFLAG CTS、pFLAG MAC、pFLAG
Shift-12c、pTAC-MAT-1、pFLAG CTC、またはpTAC-MAT-2が含まれる。
【0216】
昆虫ベクターとしては、例えば、pFastBac1、pFastBac DUAL、pFastBac ET、pFastBac HTa、pFastBac HTb、pFastBac HTc、pFastBac M30a、pFastBact M30b、pFastBac、M30c、pVL1392、pVL1393、pVL1393 M10、pVL1393 M11、pVL1393 M12、FLAGベクター、例えば、pPolh-FLAG1もしくはpPolh-MAT 2、またはMATベクター、例えば、pPolh-MAT1、もしくはpPolh-MAT2が挙げられる。
【0217】
酵母ベクターとしては、例えば、Gateway(登録商標)pDEST(商標)14ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)17ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)24ベクター、Gateway(登録商標)pYES-DEST52ベクター、pBAD-DEST49Gateway(登録商標)デスティネーションベクター、pAO815ピキアベクター、pFLD1ピキアパストリスベクター、pGAPZA、B、およびCピキアパストリスベクター、pPIC3.5Kピキアベクター、pPIC6A、B、およびCピキアベクター、pPIC9Kピキアベクター、pTEF1/Zeo、pYES2/酵母ベクター、pYES2/CT酵母ベクター、pYES2/NTA、B、およびC酵母ベクター、またはpYES3/CT酵母ベクターが挙げられる。
【0218】
藻類ベクターとしては、例えば、pChlamy-4ベクターまたはMCSベクターが挙げられる。
【0219】
哺乳動物ベクターとしては、例えば、一過性発現ベクターまたは安定な発現ベクターが挙げられる。例示的な哺乳動物一過性発現ベクターとしては、p3xFLAG-CMV 8、pFLAG-Myc-CMV 19、pFLAG-Myc-CMV 23、pFLAG-CMV 2、pFLAG-CMV 6a、b、c、pFLAG-CMV 5.1、pFLAG-CMV 5a、b、c、p3xFLAG-CMV 7.1、pFLAG-CMV 20、p3xFLAG-Myc-CMV 24、pCMV-FLAG-MAT1、pCMV-FLAG-MAT2、pBICEP-CMV 3、またはpBICEP-CMV
4が挙げられる。例示的な哺乳動物安定発現ベクターとしては、pFLAG-CMV
3、p3xFLAG-CMV 9、p3xFLAG-CMV 13、pFLAG-Myc-CMV 21、p3xFLAG-Myc-CMV 25、pFLAG-CMV 4、p3xFLAG-CMV 10、p3xFLAG-CMV 14、pFLAG-Myc-CMV 22、p3xFLAG-Myc-CMV 26、pBICEP-CMV 1、またはpBICEP-CMV 2が挙げられる。
【0220】
一部の実施形態では、無細胞系は、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドを生成するために使用される。一部の実施形態では、無細胞系は、細胞由来の細胞質および/または核成分の混合物(例えば、完全に精製された組換え成分または部分的に精製された成分で構成される)を含み、インビトロ核酸合成に適している。いくつかの例では、無細胞系は、原核細胞成分を利用する。他の例では、無細胞系は、真核細胞成分を利用する。核酸合成は、例えば、ショウジョウバエ細胞、アフリカツメガエル卵、古細菌、またはHeLa細胞に基づく無細胞系において得られる。例示的な無細胞系としては、大腸菌S30抽出系、大腸菌T7 S30系、またはPURExpress(登録商標)、XpressCF、およびXpressCF+が挙げられる。
【0221】
無細胞翻訳系は、プラスミド、mRNA、DNA、tRNA、シンテターゼ、放出因子、リボソーム、シャペロンタンパク質、翻訳開始および伸長因子、天然および/もしくは非天然アミノ酸、ならびに/またはタンパク質発現に使用される他の成分などの成分を様々に含む。このような成分は、場合により、収率を改善し、合成速度を増加させ、タンパク質生成物の忠実度を増加させ、または非天然アミノ酸を組み込むように修飾される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるサイトカインは、米国特許第8,778,631号明細書;米国特許出願公開第2017/0283469号;米国特許出願公開第2018/0051065号;米国特許出願公開第2014/0315245号;または米国特許第8,778,631号に記載される無細胞翻訳系を用いて合成される。一部の実施形態では、無細胞翻訳系は、修飾された放出因子、または1つもしくはそれ以上の放出因子を系から除去することさえも含む。一部の実施形態では、無細胞翻訳系は、減少したプロテアーゼ濃度を含む。一部の実施形態では、無細胞翻訳系は、非天然アミノ酸をコードするために使用される再割り当てされたコドンを有する修飾されたtRNAを含む。一部の実施形態では、非天然アミノ酸の組み込みのための本明細書に記載されるシンテターゼは、無細胞翻訳系において使用される。一部の実施形態では、tRNAは、無細胞翻訳系に添加される前に、酵素的または化学的方法を用いて、非天然アミノ酸を予めロードされる。一部の実施形態では、無細胞翻訳系のための成分は、修飾された生物、例えば、修飾された細菌、酵母、または他の生物から得られる。
【0222】
一部の実施形態では、IL-15ポリペプチドは、発現宿主系を介してまたは無細胞系を介して、環状順列形態として生じる。
【0223】
非天然アミノ酸を含むIL-15ポリペプチドの生成
本開示では、直交性または拡張された遺伝暗号を使用することができ、IL-15ポリペプチドの核酸配列中に存在する1つまたはそれ以上の特異的コドンは、直交性tRNAシンテターゼ/tRNA対を使用することによってIL-15に遺伝的に組み込まれ得るように、非天然アミノ酸をコードするように割り当てられる。直交性tRNAシンテターゼ/tRNA対は、非天然アミノ酸をtRNAに付加することができ、コドンに応答してその非天然アミノ酸をポリペプチド鎖に組み込むことができる。
【0224】
一部の実施形態では、コドンは、コドンアンバー、オーカー、オパールまたは四重項コドンである。場合によっては、コドンは、非天然アミノ酸を運ぶために使われる直交性tRNAに対応する。場合によっては、コドンはアンバーである。他の場合には、コドンは、直交性コドンである。
【0225】
いくつかの例では、コドンは四重項コドンであり、直交性リボソームribo-Q1によってデコードされる。場合によっては、四重項コドンは、Neumannら、「Encoding multiple unnatural amino acids via
evolution of a quadruplet-decoding ribosome」、Nature、464巻(7287号):441~444頁(2010年)に例示される通りである。
【0226】
いくつかの例では、本開示で使用されるコドンは、記録されたコドン、例えば、同義コドン、または代替コドンで置換される稀なコドンである。場合によっては、再コード化されたコドンは、Napolitanoら、「Emergent rules for codon choice elucidated by editing rare arginine codons in Escherichia coli」、PNAS、113巻(38号):E5588~5597頁(2016年)に記載される通りである。場合によっては、再コード化されたコドンは、Ostrovら、「Design,synthesis,and testing toward a 57-codon genome」、Science、353巻(6301号):819~822頁(2016年)に記載される通りである。
【0227】
一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の非天然アミノ酸のIL-15への組み込みを導く非天然核酸が利用される。例示的な非天然核酸としては、限定されないが、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、2-アミノアデニン-9-イル、5-メチルシトシン(5-me-c)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピルウラシルおよびシトシン、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニンならびに3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンが挙げられる。特定の非天然核酸、例えば、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジンおよびN-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-メチルシトシン、二重鎖形成の安定性を増加させるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、無差別核酸、サイズ拡大核酸、フッ素化核酸、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジンおよびN-2、N-6および0-6置換プリン、例えば、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロピニルシトシン、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチル、アデニンおよびグアニンの他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CH3)ウラシル、5-プロピニルシトシン、ピリミジン核酸の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグア
ニン、3-デアザアデニン、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-クランプ、フェノキサジンシチジン(例えば、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環で置換されているもの、7-デアザアデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、アザシトシン、5-ブロモシトシン、ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、2-アミノ-アデニン、6-チオ-グアニン、2-チオ-チミン、4-チオ-チミン、5-プロピニル-ウラシル、4-チオ-ウラシル、N4-エチルシトシン、7-デアザグアニン、7-デアザ-8-アザグアニン、5-ヒドロキシシトシン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン、ならびに米国特許第3,687,808号;同第4,845,205号;同第4,910,300号;同第4,948,882号;同第5,093,232号;同第5,130,302号;同第5,134,066号;同第5,175,273号;同第5,367,066号;同第5,432,272号;同第5,457,187号;同第5,459,255号;同第5,484,908号;同第5,502,177号;同第5,525,711号;同第5,552,540号;同第5,587,469号;同第5,594,121号;同第5,596,091号;同第5,614,617号;同第5,645,985号;同第5,681,941号;同第5,750,692号;同第5,763,588号;同第5,830,653号;および同第6,005,096号;国際公開第WO99/62923号;Kandimallaら、(2001年)Bioorg.Med.Chem.、9巻:807~813頁;The Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、Kroschwitz,J.I.編集、John Wiley & Sons、1990年、858~859頁;Englischら、Angewandte Chemie、International Edition、1991年、30巻、613頁;およびSanghvi、Chapter 15、Antisense Research and Applications、Crookeand Lebleu編集、CRC Press、1993年、273~288頁に記載されているもの。追加の塩基修飾は、例えば、米国特許第3,687,808号;Englischら、Angewandte Chemie、International Edition、1991年、30巻、613頁;およびSanghvi、Chapter 15、Antisense Research and Applications、289~302頁、Crooke and Lebleu編集、CRC Press、1993年に見出すことができる。
【0228】
種々の複素環塩基および種々の糖部分(および糖類似体)を含む非天然核酸が当該技術分野において入手可能であり、場合によっては、核酸は、天然に存在する核酸の主な5塩基成分以外の1つまたは複数の複素環塩基を含む。例えば、複素環塩基は、場合によっては、ウラシル-5-イル、シトシン-5-イル、アデニン-7-イル、アデニン-8-イル、グアニン-7-イル、グアニン-8-イル、4-アミノピロロ[2.3-d]ピリミジン-5-イル、2-アミノ-4-オキソピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル、2-アミノ-4-オキソピロロ[2.3-d]ピリミジン-3-イル基を含み、プリンは、9位を介して核酸の糖部分に、1位を介してピリミジンに、7位を介してピロロピリミジンに、および1位を介してピラゾロピリミジンに結合する。
【0229】
一部の実施形態では、ヌクレオチド類似体はまた、リン酸部分で修飾される。修飾されたリン酸部分には、限定されないが、2つのヌクレオチド間の連結において修飾を有するものを含み、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルおよび3’-アルキレンホスホネートおよびキラルホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、ホスホルアミデート、例えば、3’-アミノホスホルアミデートおよびアミノアルキルホスホルアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホオネート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートが含まれる、2つのヌクレオチド間のこれらのリン酸または修飾されたリン酸連結は、3’-5’連結または2’-5’連結を介しており、連結は、3’-5’から5’-3’、または2’-5’から5’-2’などの逆極性を含むことが理解される。種々の塩、混合塩および遊離酸形態も含まれる。多数の米国特許は、修飾されたリン酸塩を含有するヌクレオチドの製造および使用方法を教示し、限定されないが、米国特許第3,687,808号;同第4,469,863号;同第4,476,301号;同第5,023,243号;同第5,177,196号;同第5,188,897号;同第5,264,423号;同第5,276,019号;同第5,278,302号;同第5,286,717号;同第5,321,131号;同第5,399,676号;同第5,405,939号;同第5,453,496号;同第5,455,233号;同第5,466,677号;同第5,476,925号;同第5,519,126号;同第5,536,821号;同第5,541,306号;同第5,550,111号;同第5,563,253号;同第5,571,799号;同第5,587,361号;および同第5,625,050号が挙げられる。
【0230】
一部の実施形態では、非天然核酸は、2’,3’-ジデオキシ-2’,3’-ジデヒドロ-ヌクレオシド(PCT/US2002/006460)、5’-置換DNAおよびRNA誘導体(PCT/US2002/033961;Sahaら、J.Org Chem.、1995年、60巻、788~789頁;Wangら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、1999年、9巻、885~890頁;およびMikhailovら、Nucleosides & Nucleotides、1991年、10巻(1~3号)、339~343頁;Leonidら、1995年、14巻(3~5号)、901~905頁;およびEppacherら、Helvetica Chimica Acta、2004年、87巻、3004~3020頁;PCT/JP2000/004720;PCT/JP2003/002342;PCT/JP2004/013216;PCT/JP2005/020435;PCT/JP2006/315479;PCT/JP2006/324484;PCT/JP2009/056718;PCT/JP2010/067560)、または修飾塩基を有する一リン酸塩として作製された5’-置換モノマーが含まれる。
【0231】
一部の実施形態では、非天然核酸には、5’-CH2-置換2’-O-保護ヌクレオシド(Wuら、Helvetica Chimica Acta、2000年、83巻、1127~1143頁、およびWuら、Bioconjugate Chem.、1999年、10巻、921~924頁)などの糖環(PCT/US94/02993)の5’位および2’位での修飾が含まれる。場合によっては、非天然核酸には、オリゴヌクレオチドへの組み込みのために製造されたアミド連結ヌクレオシド二量体が含まれ、二量体中の3’結連結ヌクレオシド(5’から3’)は、2’-OCH3および5’-(S)-CH3を含む(Mesmaekerら、Synlett、1997年、1287~1290頁)。非天然核酸は、2’-置換5’-CH2(またはO)修飾ヌクレオシド(PCT/US92/01020)を含むことができる。非天然核酸は、5’-メチレンホスホネートDNAおよびRNAモノマー、および二量体を含むことができる(Bohringerら、Tet.Lett.、1993年、34巻、2723~2726頁;Collingw
oodら、Synlett、1995年、7巻、703~705頁;およびHutterら、Helvetica Chimica Acta、2002年、85巻、2777~2806頁)。非天然核酸は、2’-置換(米国特許出願公開第2006/00074035号)および他の修飾5’-ホスホネートモノマー(国際公開第WO1997/35869号)を有する5’-ホスホネートモノマーを含むことができる。非天然核酸は、5’-修飾メチレンホスホネートモノマー(EP614907およびEP629633)を含むことができる。非天然核酸は、5’および/または6’位にヒドロキシル基を含む5’または6’-ホスホネートリボヌクレオシドの類似体を含むことができる(Chenら、Phosphorus,Sulfur and Silicon、2002年、777巻、1783~1786頁;Jungら、Bioorg.Med.Chem.、2000年、8巻、2501~2509頁;Gallierら、Eur.J.Org.Chem.、2007年、925~933頁;およびHamptonら、J.Med.Chem.、1976年、19巻(8号)、1029~1033頁)。非天然核酸は、5’-ホスホネートデオキシリボヌクレオシドモノマーおよび5’-リン酸基を有する二量体を含むことができる(Nawrotら、Oligonucleotides、2006年、16巻(1号)、68~82頁)。非天然核酸は、6’-ホスホネート基を有するヌクレオシドを含むことができ、5’または/および6’位は、置換されないか、またはチオ-tert-ブチル基(SC(CH3)3)(およびその類似体);メチレンアミノ基(CH2NH2)(およびその類似体)もしくはシアノ基(CN)(およびその類似体)で置換されている(Fairhurstら、Synlett、2001年、4巻、467~472頁;Kapplerら、J.Med.Chem.、1986年、29巻、1030~1038頁;Kapplerら、J.Med.Chem.、1982年、25巻、1179~1184頁;Vrudhulaら、J.Med.Chem.、1987年、30巻、888~894頁;Hamptonら、J.Med.Chem.、1976年、19巻、1371~1377頁;Gezeら、J.Am.Chem.Soc、1983年、105巻(26号)、7638~7640頁;およびHamptonら、J.Am.Chem.Soc、1973年、95巻(13号)、4404~4414頁)。
【0232】
一部の実施形態では、非天然核酸はまた、糖部分の修飾を含む。場合によっては、核酸は、糖基が修飾された1つまたはそれ以上のヌクレオシドを含む。このような糖修飾されたヌクレオシドは、増大したヌクレアーゼ安定性、増加した結合親和性、またはいくつかの他の有益な生物学的特性を付与し得る。特定の実施形態では、核酸は、化学的に修飾されたリボフラノース環部分を含む。化学的に修飾されたリボフラノース環の例としては、限定されないが、置換基(5’および/または2’置換基を含む)の付加;二環核酸(BNA)を形成するための2つの環原子の架橋;リボシル環酸素原子のS、N(R)、またはC(R1)(R2)(R=H、C1-C12アルキルまたは保護基)での置換;およびそれらの組み合わせが挙げられる。化学的に修飾された糖の例は、国際公開第WO2008/101157号、米国特許出願公開第2005/0130923号、および国際公開第WO2007/134181号に見出すことができる。
【0233】
いくつかの例では、修飾された核酸は、修飾された糖または糖類似体を含む。したがって、リボースおよびデオキシリボースに加えて、糖部分は、ペントース、デオキシペントース、ヘキソース、デオキシヘキソース、グルコース、アラビノース、キシロース、リキソース、または糖「類似体」シクロペンチル基であり得る。糖は、ピラノシルまたはフラノシル形であり得る。糖部分は、リボース、デオキシリボース、アラビノースまたは2’-O-アルキルリボースのフラノシドであり、糖は、[アルファ]または[ベータ]アノマ立体配置のいずれかで、それぞれの複素環塩基に結合される。糖修飾には、限定されないが、2’-アルコキシ-RNA類似体、2’-アミノ-RNA類似体、2’-フルオロ-DNA、および2’-アルコキシ-またはアミノ-RNA/DNAキメラが含まれる。例えば、糖修飾は、2’-O-メチル-ウリジンまたは2’-O-メチル-シチジンを含
み得る。糖修飾には、2’-O-アルキル置換デオキシリボヌクレオシドおよび2’-O-エチレングリコール様リボヌクレオシドが含まれる。これらの糖または糖類似体、およびこのような糖または類似体が複素環塩基(核酸塩基)に結合しているそれぞれの「ヌクレオシド」の製造は公知である。また、糖修飾を行い、他の修飾と組み合わせることができる。
【0234】
糖部分への修飾には、リボースおよびデオキシリボースの天然修飾ならびに非天然修飾が含まれる。糖修飾には、限定されないが、2’位での以下の修飾が含まれる:OH;F;O-、S-またはN-アルキル;O-、S-またはN-アルケニル;O-、S-またはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキル(アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、置換または非置換のC1~C10アルキル、またはC2~C10アルケニルおよびアルキニルであり得る)。また、2’糖修飾には、限定されておらず、-O[(CH2)nO]mCH3、-O(CH2)nOCH3、-O(CH2)nNH2、-O(CH2)nCH3、-O(CH2)nONH2、および-O(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2(nおよびmは、1~約10である)が含まれる。
【0235】
2’位における他の修飾には、限定されないが、C1~C10低級アルキル、置換された低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、O-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換されたシリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、および同様の特性を有する他の置換基が含まれる。同様の修飾はまた、糖上の他の位置、特に、3’末端ヌクレオチド上の糖の3’位置で、または2’-5’連結オリゴヌクレオチド中の糖の5’位置、および5’末端ヌクレオチドの5’位置において行うことができる。また、修飾された糖には、CH2およびSなどの架橋環酸素の修飾を含むものが含まれる。ヌクレオチド糖類似体はまた、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分などの糖模倣体を有することができる。このような修飾された糖構造の製造を教示し、一連の塩基修飾を詳細に記載する多数の米国特許が存在し、例えば、米国特許第4,981,957号;同第5,118,800号;同第5,319,080号;同第5,359,044号;同第5,393,878号;同第5,446,137号;同第5,466,786号;同第5,514,785号;同第5,519,134号;同第5,567,811号;同第5,576,427号;同第5,591,722号;同第5,597,909号;同第5,610,300号;同第5,627,053号;同第5,639,873号;同第5,646,265号;同第5,658,873号;同第5,670,633号;同第4,845,205号;同第5,130,302号;同第5,134,066号;同第5,175,273号;同第5,367,066号;同第5,432,272号;同第5,457,187号;同第5,459,255号;同第5,484,908号;同第5,502,177号;同第5,525,711号;同第5,552,540号;同第5,587,469号;同第5,594,121,同第5,596,091号;同第5,614,617号;同第5,681,941号;および同第5,700,920号が挙げられ、各々は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0236】
修飾された糖部分を有する核酸の例としては、限定されないが、5’-ビニル、5’-メチル(RまたはS)、4’-S、2’-F、2’-OCH3、および2’-O(CH2)2OCH3置換基を含む核酸が挙げられる。2’位の置換基はまた、アリル、アミノ、アジド、チオ、O-アリル、O-(C1-C1Oアルキル)、OCF3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)、およびO-CH2-C(=O)-N(Rm)(Rn)から選択することができ、各RmおよびRnは、独立して、Hまたは
置換もしくは非置換C1-C1Oアルキルである。
【0237】
特定の実施形態では、本明細書に記載される核酸は、1つまたはそれ以上の二環状核酸を含む。特定のこのような実施形態では、二環式核酸は、4’および2’リボシル環原子間の架橋を含む。特定の実施形態では、本明細書で提供される核酸は、1つまたはそれ以上の二環状核酸を含み、架橋は、4’から2’の二環状核酸を含む。このような4’から2’の二環式核酸の例としては、限定されないが、4’-(CH2)-O-2’(LNA);4’-(CH2)-S-2’;4’-(CH2)2-O-2’(ENA);4’-CH(CH3)-O-2’および4’-CH(CH2OCH3)-O-2’、ならびにそれらの類似体(例えば、米国特許第7,399,845号を参照されたい);4’-C(CH3)(CH3)-O-2’およびその類似体(国際公開第WO2009/006478号、国際公開第WO2008/150729号、米国特許出願公開第2004/0171570号、米国特許第7,427,672号、Chattopadhyayaら、J.Org.Chem.、2009年、74巻、118~134号および国際公開第WO2008/154401号を参照されたい)。また、例えば、Singhら、Chem.Commun.、1998年、4巻、455~456頁;Koshkinら、Tetrahedron、1998年、54巻、3607~3630頁;Wahlestedtら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、2000年、97巻、5633~5638頁;Kumarら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、1998年、8巻、2219~2222頁;Singhら、J.Org.Chem.、1998年、63巻、10035~10039頁;Srivastavaら、J.Am.Chem.Soc.、2007年、129巻(26号)8362~8379頁;Elayadiら、Curr.Opinion Invens.Drugs、2001年、2巻、558~561頁;Braaschら、Chem.Biol、2001年、8巻、1~7頁;Oramら、Curr.Opinion Mol.Ther.,2001年、3巻、239~243頁;米国特許第4,849,513号;同第5,015,733号;同第5,118,800号;同第5,118,802号;同第7,053,207号;同第6,268,490号;同第6,770,748号;同第6,794,499号;同第7,034,133号;同第6,525,191号;同第6,670,461号;および同第7,399,845号;国際公開第WO2004/106356号、同WO1994/14226号、同第WO2005/021570号、同第WO2007/090071号、および同第WO2007/134181号;米国特許出願公開第2004/0171570号、同第2007/0287831号、および同第2008/0039618号;米国仮特許出願第60/989,574号、同第61/026,995号、同第61/026,998号、同第61/056,564号、同第61/086,231号、同第61/097,787号、および同第61/099,844号;ならびに国際出願第PCT/US2008/064591号、同第PCT/US2008/066154号、同第PCT/US2008/068922号、および同第PCT/DK98/00393号を参照されたい。
【0238】
特定の実施形態では、核酸は、連結した核酸を含む。核酸は、任意の核酸間連結を用いて一緒に連結することができる。核酸間連結基の2つの主要なクラスは、リン原子の有無によって定義される。核酸間連結を含む代表的なリンとしては、限定されないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホラミデート、およびホスホロチオエート(P=S)が挙げられる。代表的な非リン含有核酸連結基としては、限定されないが、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル(-O-C(O)-S-)、チオノカルバメート(-O-C(O)(NH)-S-);シロキサン(-O-Si(H)2-O-);およびN,N*-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3))が挙げられる。特定の実施形態では、キラル原子を有する核酸間連結は、ラセミ混合物として、別個のエナンチオマー、例えば、アルキルホスホネートおよびホスホロチオエートとして製造することができる。非天然核酸は
単一の修飾を含むことができる。非天然核酸は、1つの部分内または異なる部分間に複数の修飾を含有することができる。
【0239】
核酸に対する骨格リン酸修飾としては、限定されないが、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート(架橋または非架橋)、ホスホトリエステル、ホスホロジチオエート、ホスホジチオエート、およびボラノホスフェートが挙げられ、任意の組み合わせで使用することができる。他の非リン酸連結もまた使用することができる。
【0240】
特定の実施形態では、骨格修飾(例えば、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロアミデートおよびホスホロジチオエートヌクレオチド間連結)は、修飾された核酸に対して免疫調節活性を付与することができ、および/またはインビボでのそれらの安定性を増大させることができる。
【0241】
いくつかの例では、リン誘導体(または修飾されたリン酸基)は、糖または糖類似体部分に結合され、一リン酸、二リン酸、三リン酸、アルキルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミデートなどであり得る。修飾されたリン酸連結または非リン酸連結を含む例示的なポリヌクレオチドは、Peyrottesら、1996年、Nucleic Acids Res.、24巻:1841~1848頁;Chaturvediら、1996年、Nucleic Acids Res.、24巻:2318~2323頁;およびSchultzら、(1996年)Nucleic Acids Res.、24巻:2966~2973頁;Matteucci、1997年、「Oligonucleotide Analogs:an Overview」、Oligonucleotides as Therapeutic Agents、(Chadwick and Cardew編集)、John Wiley and Sons、New York、NY;Zon、1993年、「Oligonucleoside Phosphorothioates」、Protocols for Oligonucleotides and Analogs、Synthesis and Properties、Humana Press、165~190頁;Millerら、1971年、JACS、93巻:6657~6665頁;Jagerら、1988年、Biochem.、27巻:7247~7246頁;Nelsonら、1997年、JOC、62巻:7278~7287頁;米国特許第5,453,496号;およびMicklefield、2001年、Curr.Med.Chem.、8巻:1157~1179頁に見出すことができる。
【0242】
場合によっては、骨格修飾は、ホスホジエステル連結を、アニオン性、中性またはカチオン性基などの別の部分で置換することを含む。このような修飾の例としては、アニオン性ヌクレオシド間連結;N3’からP5’ホスホラミデート修飾;ボラノホスフェートDNA;プロオリゴヌクレオチド;メチホスホネートなどの中性ヌクレオシド間連結;アミド連結されたDNA;メチレン(メチルイミノ)連結;ホルマセタールおよびチオフォームアセタール連結;スルホニル基を含む骨格;モルホリノオリゴ;ペプチド核酸(PNA);および正に荷電したデオキシリボ核酸グアニジン(DNG)オリゴ(Micklefield、2001年、Current Medicinal Chemistry、8巻:1157~1179頁)が挙げられる。修飾核酸は、1つまたはそれ以上の修飾、例えば、ホスホジエステルおよびホスホロチオエート連結の組み合わせなどのリン酸連結の組み合わせを含む、キメラまたは混合骨格を含み得る。
【0243】
リン酸塩の置換基としては、例えば、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、混合ヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、または1つまたはそれ以上の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環ヌクレオシド間連結が挙げられる。これらには、モルホリノ連結(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される);
シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシドおよびスルホン骨格;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファメート骨格;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格;スルホネートおよびスルホンアミド骨格;アミド骨格;ならびに混合N、O、SおよびCH2構成部分を有する他のものが含まれる。多数の米国特許は、これらのタイプのリン酸塩置換を製造し、使用する方法を開示しており、限定されないが、米国特許第5,034,506号;同第5,166,315号;同第5,185,444号;同第5,214,134号;同第5,216,141号;同第5,235,033号;同第5,264,562号;同第5,264,564号;同第5,405,938号;同第5,434,257号;同第5,466,677号;同第5,470,967号;同第5,489,677号;同第5,541,307号;同第5,561,225号;同第5,596,086号;同第5,602,240号;同第5,610,289号;同第5,602,240号;同第5,608,046号;同第5,610,289号;同第5,618,704号;同第5,623,070号;同第5,663,312号;同第5,633,360号;同第5,677,437号;および同第5,677,439号が挙げられる。また、ヌクレオチドの糖とリン酸部分の両方が、例えば、アミド型連結(アミノエチルグリジン)(PNA)によって置換されることもヌクレオチド置換において理解される。米国特許第5,539,082号;同第5,714,331号;および同第5,719,262号は、PNA分子の作製法および使用法を教示しており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。Nielsenら、Science、1991年、254巻、1497~1500頁も参照されたい。他のタイプの分子(コンジュゲート)をヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体に連結させて、例えば、細胞取り込みを増大させることも可能である。コンジュゲートは、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体に化学的に連結することができる。このようなコンジュゲートには、限定されないが、脂質部分、例えば、コレステロール部分(Letsingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1989年、86巻、6553~6556頁)、コール酸(Manoharanら、Bioorg.Med.Chem.Let.、1994年、4巻、1053~1060頁)、チオエーテル、例えば、ヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharanら、Ann.KY.Acad.Sci.、1992年、660巻、306~309頁;Manoharanら、Bioorg.Med.Chem.Let.、1993年、3巻、2765~2770頁)、チオコレステロール(Oberhauserら、Nucl.Acids Res.、1992年、20巻、533~538頁)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオールもしくはウンデシル残基(Saison-Behmoarasら、EM5O J、1991年、10巻、1111~1118頁;Kabanovら、FEBS Lett.、1990年、259巻、327~330頁;Svinarchukら、Biochimie、1993年、75巻、49~54頁)、リン脂質、例えば、ジヘキサデシル-rac-グリセリンもしくはトリエチルアンモニウム 1-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-S-H-ホスホネート(Manoharanら、Tetrahedron Lett.、1995年、36巻、3651~3654頁;Sheaら、Nucl.Acids
Res.、1990年、18巻、3777~3783頁)、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖(Manoharanら、Nucleosides & Nucleotides、1995年、14巻、969~973頁)、またはアダマンタン酢酸(Manoharanら、Tetrahedron Lett.ら、1995年、36巻、3651~3654頁)、パルミチル部分(Mishraら、Biochem.Biophys.Acta、1995年、1264巻、229~237頁)、またはオクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crookeら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1996年、277巻、923~937頁)が含まれる。多数の米国特許は、このようなコンジュゲートの製造を教示し、限定されないが、米国特許第4,828,979号;同第4,948,882号;同第5,218,105号;同第5,525,465号;同第5,541,313号;同第5,54
5,730号;同第5,552,538号;同第5,578,717号、同第5,580,731号;同第5,591,584号;同第5,109,124号;同第5,118,802号;同第5,138,045号;同第5,414,077号;同第5,486,603号;同第5,512,439号;同第5,578,718号;同第5,608,046号;同第4,587,044号;同第4,605,735号;同第4,667,025号;同第4,762,779号;同第4,789,737号;同第4,824,941号;同第4,835,263号;同第4,876,335号;同第4,904,582号;同第4,958,013号;同第5,082,830号;同第5,112,963号;同第5,214,136号;同第5,112,963号;同第5,214,136号;同第5,245,022号;同第5,254,469号;同第5,258,506号;同第5,262,536号;同第5,272,250号;同第5,292,873号;同第5,317,098号;同第5,371,241号、同第5,391,723号;同第5,416,203号、同第5,451,463号;同第5,510,475号;同第5,512,667号;同第5,514,785号;同第5,565,552号;同第5,567,810号;同第5,574,142号;同第5,585,481号;同第5,587,371号;同第5,595,726号;同第5,597,696号;同第5,599,923号;同第5,599,928号および同第5,688,941号が含まれる。
【0244】
一部の実施形態では、非天然核酸は、さらに、非天然塩基対を形成する。インビボでの条件下で非天然DNAまたはRNA塩基対(UBP)を形成することができる例示的な非天然ヌクレオチドには、限定されないが、5SICS、d5SICS、NAM、dNaM、TPT3TP、dTPT3TP、およびそれらの組み合わせが含まれる。一部の実施形態では、非天然ヌクレオチドは、以下を含む:
【化1】
【0245】
一部の実施形態では、非天然塩基対は、Dumasら、「Designing logical codon reassignment-Expanding the chemistry in biology」、Chemical Science、6巻:50~69頁(2015年)に記載される非天然アミノ酸を生じる。
【0246】
本明細書に開示される構築物またはベクターが導入された宿主細胞は、tRNA、tRNAシンテターゼおよび目的のタンパク質が生成されるように、適切な培地中で培養または維持される。培地はまた、目的のタンパク質が非天然アミノ酸(単数または複数)を組み込むように非天然アミノ酸(単数または複数)を含む。
【0247】
直交性tRNAシンテターゼ/tRNA対は、非天然アミノ酸をtRNAに付加し、コドンに応答して非天然アミノ酸をポリペプチド鎖に組み込む。例示的なaaRS-tRNA対としては、限定されないが、メタノカルドコックス・ヤンナスキイ(Methanococcus jannaschii)(Mj-Tyr)aaRS/tRNA対、大腸菌TyrRS(Ec-Tyr)/バチルス・ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)tRNACUA対、大腸菌LeuRS(Ec-Leu)/バチルス・ステアロサーモフィルスtRNACUA対、およびピロリシル-tRNA対が挙げられる。
【0248】
非天然アミノ酸(単数または複数)を含むIL-15ポリペプチドは、tRNAおよびtRNAシンテターゼを含み、1つまたはそれ以上のインフレーム直交性(終止)コドンを有する目的の核酸配列を含む、本明細書に記載される核酸構築物を宿主細胞に導入することによって製造される。宿主細胞は、非天然アミノ酸(単数または複数)を含む生理的溶液に曝露され、その後、宿主細胞は、目的のタンパク質のコード配列の発現を可能にする条件下で維持される。非天然アミノ酸(単数または複数)は、コドンに応答してポリペプチド鎖に組み込まれる。例えば、1つまたはそれ以上の非天然アミノ酸がIL-15ポリペプチドに組み込まれる。あるいは、2つ以上の非天然アミノ酸が、タンパク質中の2つ以上の部位でIL-15ポリペプチドに組み込まれる。
【0249】
複数の非天然アミノ酸をIL-15ポリペプチドに組み込む場合、複数のコドンを所望の位置のコード核酸配列に組み込む必要があり、その結果、tRNAシンテターゼ/tRNA対がコドン(単数または複数)に応答して非天然アミノ酸の組み込みを指示することができる。核酸をコードする少なくとも1、2、3、4個、またはそれ以上のコドンは、目的とする核酸配列に組み込まれ得る。
【0250】
単一のタンパク質に1を超えるタイプの非天然アミノ酸を組み込むことが望ましい場合、第2のまたはさらなる直交性tRNA-tRNAシンテターゼ対を使用して、第2のまたはさらなる非天然アミノ酸を組み込むことができ;適切には、上記第2のまたはさらなる直交性tRNA-tRNAシンテターゼ対は、目的のタンパク質をコードする核酸中の異なるコドンを認識し、その結果、2つ以上の非天然アミノ酸を、単一の製造工程において、タンパク質中の異なる定義された部位に特異的に組み込むことができる。特定の実施形態では、したがって、2つ以上の直交性tRNA-tRNAシンテターゼ対を使用することができる。
【0251】
一旦、非天然アミノ酸(単数または複数)を組み込んだIL-15ポリペプチドが宿主細胞内に生成されると、それは、酵素的、化学的ならびに/または浸透圧的溶解および物理的破壊を含む、当該技術分野において公知である種々の技術によって、宿主細胞から抽出することができる。IL-15ポリペプチドは、分取用クロマトグラフィー、アフィニティ精製または任意の他の適切な技術などの当該技術分野において公知である標準技術によって精製することができる。
【0252】
適切な宿主細胞としては、細菌細胞(例えば、大腸菌)が含まれ得るが、最も適切な宿主細胞は、真核細胞、例えば、昆虫細胞(例えば、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)などのショウジョウバエ)、酵母細胞、線虫(
例えば、シノラブディス・エレガンス(Caenorhabditis elegans))、マウス(例えば、ハツカネズミ(Mus musculus))、または哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)もしくはCOS細胞、ヒト293T細胞、HeLa細胞、NIH3T3細胞、およびマウス赤白血病(MEL)細胞)、もしくはヒト細胞または他の真核細胞である。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。適切には、宿主細胞は、哺乳動物細胞、例えばヒト細胞、または昆虫細胞である。
【0253】
本発明の実施形態では一般的に使用される他の適切な宿主細胞は、実施例の節において言及されているものである。ベクターDNAは、従来の形質転換またはトランスフェクション技術を介して宿主細胞に導入することができる。本明細書で使用される場合、用語「形質転換」および「トランスフェクション」は、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションを含む、宿主細胞に外来核酸分子(例えば、DNA)を導入するための種々のよく知られた技術を指すことが意図される。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションするための適切な方法は、当該技術分野において周知である。
【0254】
細胞株を作製する場合、一般的に、安定した細胞系を製造することが好ましい。例えば、哺乳動物細胞の安定したトランスフェクションのためには、使用される発現ベクターおよびトランスフェクション技術に依存して、外来DNAがそのゲノムに組み込まれる細胞はごくわずかなことがあることが公知である。これらの組込み体を同定し、選択するために、選択マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコードする遺伝子を、一般的に、目的の遺伝子とともに宿主細胞に導入する。好ましい選択マーカーには、G418、ヒグロマイシン、またはメトトレキサートなどの薬物に対する耐性を付与するマーカーが含まれる。選択マーカーをコードする核酸分子は、同じベクター上の宿主細胞に導入することができ、または別のベクター上に導入することもできる。導入された核酸分子で安定にトランスフェクトされた細胞は、薬物選択によって同定することができる(例えば、選択マーカー遺伝子を組み込んだ細胞は生存し、一方、他の細胞は死滅する)。
【0255】
一実施形態では、本明細書に記載される構築物は、宿主細胞のゲノムに組み込まれる。安定した組込みの利点は、個々の細胞またはクローン間の均一性が達成されることである。別の利点は、最良の産生細胞の選択が行われる場合があることである。したがって、安定した細胞株を作製することが望ましい。別の実施形態では、本明細書に記載される構築物は、宿主細胞にトランスフェクトされる。構築物を宿主細胞にトランスフェクトする利点は、タンパク質収率が最大化されることである。一態様では、本明細書に記載される核酸構築物またはベクターを含む細胞が記載される。
【0256】
医薬組成物および製剤
一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物および製剤は、限定されないが、非経口、経口、または経皮投与経路を含む、複数の投与経路によって対象に投与される。場合によっては、非経口投与は、静脈内、皮下、筋肉内、脳内、鼻腔内、動脈内、関節内、皮内、硝子体内、骨内輸注、腹腔内、または髄腔内投与を含む。いくつかの例では、医薬組成物は、局所投与のために製剤化される。他の例では、医薬組成物は、全身投与のために製剤化される。
【0257】
一部の実施形態では、医薬製剤としては、限定されないが、水性液体分散液、自己乳化分散液、リポソーム分散液、エアロゾル、即放性製剤、制御放出製剤、遅延放出製剤、徐放性製剤、拍動性放出製剤、ならびに混合した即放性および制御放出製剤が挙げられる。
【0258】
一部の実施形態では、医薬製剤は、本明細書に開示される組成物との適合性に基づいて選択された担体または担体材料、および所望の投薬形態の放出プロファイル特性を含む。
例示的な担体材料としては、例えば、結合剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、潤滑剤、湿潤剤、希釈剤などが挙げられる。薬学的に適合可能な担体材料としては、限定されないが、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピリドン(PVP)、コレステロール、コレステロールエステル、カゼイン酸ナトリウム、大豆レシチン、タウロコール酸、ホスホチジルコリン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、セルロースおよびセルロースコンジュゲート、糖ナトリウムステアロイルラクチレート、カラゲナン、モノグリセリド、ジグリセリド、アルファ化デンプンなどが挙げられる。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、Nineteenth編集(Easton,Pa.:Mack Publishing Company、1995年)、Hoover,John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania、1975年、Liberman,H.A.およびLachman,L.編集、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980年、およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版(Lippincott Williams & Wilkins 1999年)を参照されたい。
【0259】
場合によっては、医薬組成物は、リポソームの脂質二重層に直接的または間接的に結合した複数のIL-15コンジュゲートを含む免疫リポソームとして製剤化される。例示的な脂質としては、限定されないが、脂肪酸;リン脂質;コレステロールなどのステロール;スフィンゴミエリンなどのスフィンゴ脂質;ガングリオシド、グロボシド、およびセレブロシドなどのスフィンゴ糖脂質;ステアリル、オレイル、およびリノレイルアミンなどの界面活性剤アミンが挙げられる。いくつかの例では、脂質はカチオン性脂質を含む。いくつかの例では、脂質はリン脂質を含む。例示的なリン脂質には、限定されないが、ホスファチジン酸(「PA」)、ホスファチジルコリン(「PC」)、ホスファチジルグリセリン(「PG」)、ホスファチジルエタノールアミン(「PE」)、ホスファチジルイノシトール(「PI」)、およびホスファチジルセリン(「PS」)、スフィンゴミエリン(脳スフィンゴミエリンを含む)、レシチン、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、セレブロシド、ジアラキドイルホスファチジルコリン(「DAPC」)、ジデカノイル-L-アルファ-ホスファチジルコリン(「DDPC」)、ジエリドイルホスファチジルコリン(「DEPC」)、ジラウロイルホスファチジルコリン(「DLPC])、リノレオイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン(「DMPC」)、ジオレオイルホスファチジルコリン(「DOPC」)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(「DPPC」)、ジステアロイルホスファチジルコリン(「DSPC」)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルコリン(「POPC」)、ジアラキドイルホスファチジルコリン(「DAPG」)、ジデカノイル-L-アルファ-ホスファチジルグリセリン(「DDPG」)、ジエライドイルホスファチジルグリセリン(「DEPG」)、ジラウロイルホスファチジルグリセリン(「DLPG」)、ジリノレオイルホスファチジルグリセリン、ジミリストイルホスファチジルグリセリン(「DMPG」)、ジオレオイルホスファチジルグリセリン(「DOPG」)、ジパルミトイルホスファチジルグリセリン(「DPPG」)、ジステアロイルホスファチジルグリセリン(「DSPG」)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルグリセリン(「POPG」)、ジアラキドイルホスファチジルエタノールアミン(「DAPE」)、ジデカノイル-L-アルファ-ホスファチジルエタノールアミン(「DDPE」)、ジエライドイルホスファチジルエタノールアミン(「DEPE」)、ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン(「DLPE」)、ジリノレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(「DMPE」)、ジオレオイルホスファチジル
エタノールアミン(「DOPE」)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(「DPPE」)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(「DSPE」)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(「POPE」)、ジアラキドイルホスファチジルイノシトール(「DAPI」)、ジデカノイル-L-アルファ-ホスファチジルイノシトール(「DDPI」)、ジエラドイルホスファチジルイノシトール(「DEPI」)、ジラウロイルホスファチジルイノシトール(「DLPI」)、ジリノレオイルイチロイルホスファチジルイノシトール、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(「DMPI」)、ジオレオイルホスファチジルイノシトール(「DOPI」)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(「DPPI」)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(「DSPI」)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチドイリノシトール(「POPI」)、ジアラキドイルホスファチジルセリン(「DAPS」)、ジデカノイル-L-アルファ-ホスファチジルセリン(「DDPS」)、ジエラドイルホスファチジルセリン(「DEPS」)、ジラウロイルホスファチジルセリン(「DLPS」)、ジリノレオイルホスファチジルセリン、ジミリストイルホスファチジルセリン(「DMPS」)、ジオレオイルホスファチジルセリン(「DOPS」)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(「DPPS」)、ジステアロイルホスファチジルセリン(「DSPS」)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルセリン(「POPS」)、ジアラキドイルスフィンゴミリン、ジデカノイルスフィンゴミエリン、ジエライドイルスフィンゴミエリン、ジラウロイルスフィンゴミエリン、ジリノレオイルスフィンゴミエリン、ジミリストイルスフィンゴミエリン、スフィンゴミエリン、ジオレオイルスフィンゴミエリン、ジパルミトイルスフィンゴミエリン、ジステアロイルスフィンゴミエリン、および1-パルミトイル-2-オレオイルスフィンゴミエリンが含まれる。
【0260】
一部の実施形態では、医薬製剤は、さらに、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸および塩酸などの酸、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびトリス-ヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基、ならびにクエン酸/デキストロース、重炭酸ナトリウムおよび塩化アンモニウムなどの緩衝剤を含むpH調整剤または緩衝剤を含む。このような酸、塩基および緩衝液は、組成物のpHを許容範囲に維持するのに必要な量に含まれる。
【0261】
いくつかの例では、医薬製剤は、組成物の浸透圧を許容範囲内にするのに必要な量の1つまたはそれ以上の塩を含む。このような塩には、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムカチオンおよび塩化物、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩または重亜硫酸アニオンを有するものが含まれ、適切な塩には塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸アンモニムが含まれる。
【0262】
一部の実施形態では、医薬製剤は、限定されないが、ポリペプチドの溶解度およびインビボ安定性を増加させるために、トレハロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、マルトース、グルコースのような糖、またはリン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸アンモニウムのような塩、および/またはヘパリンのような他の薬剤を含む。
【0263】
一部の実施形態では、医薬製剤は、より安定な環境を提供することができるため、化合物を安定化するために使用される希釈剤をさらに含む。緩衝溶液に溶解された塩(pH制御または維持を提供することもできる)は、限定されないが、リン酸緩衝生理食塩水溶液を含む、当該技術分野における希釈剤として利用される。
【0264】
安定剤には、任意の酸化防止剤、緩衝剤、酸、保存剤などの化合物が含まれる。安定剤の例としては、L-アルギニン塩酸塩、トロメタミン、アルブミン(ヒト)、クエン酸、ベンジルアルコール、フェノール、二リン酸二ナトリウム二水和物、プロピレングリコー
ル、メタクレゾールまたはm-クレゾール、酢酸亜鉛、ポリソルベート-20もしくはTween(登録商標)20、またはトロメタモールが挙げられる。
【0265】
界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュセートナトリウム、Tween60または80、トリアセチン、ビタミンE TPGS、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポラキソマー、胆汁塩、モノステアリン酸グリセリン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)などの化合物が含まれる。追加の界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油、例えば、ポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油、ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40が挙げられる。時折、界面活性剤は、物理的安定性を高めるため、または他の目的のために含まれる。
【0266】
治療レジメン
一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、治療用途のために投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、1日1回、1日2回、1日3回またはそれ以上投与される。医薬組成物は、毎日(daily)、毎日(every day)、隔日、週5日、週1回、隔週、月2週間、月3週間、月1回、月2回、月3回、またはそれ以上投与される。医薬組成物は、少なくとも1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月、7ヵ月、8ヵ月、9ヵ月、10ヵ月、11ヵ月、12ヵ月、18ヵ月、2年、3年、またはそれ以上投与される。
【0267】
患者の状態が改善された場合、医師の裁量により、組成物の投与を連続的に行うか、あるいは、投与される組成物の用量を一時的に減少させるか、または一定の時間(すなわち、「休薬期間」)一時的に停止させる。一部の実施形態では、休薬期間の長さは、2日~1年の間で変化し、例としては、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、または365日が挙げられる。休薬期間中の用量の減少は、10%~100%であり、例としては、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が挙げられる。
【0268】
一旦、患者の状態の改善が見られると、必要に応じて維持用量が投与される。その後、症状の関数として、改善された疾患、障害または状態が保持されるレベルまで、投薬量または投薬頻度、またはその両方を減少させることができる。
【0269】
一部の実施形態では、このような量に対応する所与の薬剤の量は、特定の化合物、疾患の重症度、治療を必要とする対象または宿主の固有性(例えば、体重)などの要因に依存して変化するが、それにもかかわらず、例えば、投与される特定の薬剤、投与経路、および治療される対象または宿主を含む、ケースを取り巻く特定の状況に従って当該技術分野において公知である方法でルーチンに決定される。一部の実施形態では、所望の用量は、単回用量または同時に(または短期間にわたって)、または適切な間隔で、例えば、1日あたり2回、3回、4回またはそれ以上のサブ用量として投与される分割用量として都合よく示される。
【0270】
上記の範囲は、個々の治療レジメンに関する変数の数が多く、これらの推奨値からのかなりの逸脱が稀ではないことから、単に示唆的なものに過ぎない。このような投薬量は、多数の変数、限定されないが、使用される化合物の活性、治療される疾患または状態、投
与の様式、個々の対象の要件、治療される疾患または状態の重症度、および医師の判断に応じて変更される。
【0271】
一部の実施形態では、このような治療レジメンの毒性および治療効力は、限定されないが、LD50(集団の50%に対する致死用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)の決定を含む、細胞培養または実験動物における標準的な製薬手順によって決定される。毒性と治療効能の間の用量比は治療指数であり、LD50とED50の間の比として表される。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトにおいて使用するための投薬量範囲の製剤化に使用される。このような化合物の投薬量は、好ましくは、最小毒性でED50を含む循環濃度の範囲内にある。投薬量は、採用される投薬形態および利用される投与経路に依存して、この範囲内で変化する。
【0272】
キット/製造物
本明細書には、特定の実施形態において、本明細書に記載される1つまたはそれ以上の方法および組成物とともに使用するためのキットおよび製造物が開示される。このようなキットには、バイアル、チューブなどの1つまたはそれ以上の容器を受け入れるように区画化されたキャリア、パッケージ、または容器が含まれ、容器(単数または複数)の各々は、本明細書に記載される方法に使用される別個の要素のうちの1つを含む。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管が挙げられる。一実施形態では、容器は、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成される。
【0273】
本明細書で提供される製造物は、パッケージング材料を含む。医薬パッケージ材料の例としては、限定されないが、ブリスタパック、ボトル、チューブ、バッグ、容器、および選択された製剤ならびに意図された投与および処置の様式に適した任意のパッケージング材料が挙げられる。
【0274】
例えば、容器(単数または複数)は、IL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲートの送達を容易にするために、本明細書に開示される1つまたはそれ以上のIL-15ポリペプチドまたはIL-15コンジュゲート、および場合により、本明細書に記載される1つまたはそれ以上の医薬賦形剤を含む。このようなキットは、場合により、本明細書に記載される方法におけるその使用に関連する識別記述または標識または指示をさらに含む。
【0275】
キットは、典型的には、内容物および/または使用説明書を列挙した標識、および使用説明書を伴う添付文書を含む。典型的には、一組の説明書も含まれる。
【0276】
一実施形態では、標識は、容器上にあるかまたは容器に関連している。一実施形態では、標識を形成する文字(letter)、数字または他の文字(character)が容器自体に取り付けられ、成形され、またはエッチングされる場合、標識は容器上にあり、標識は、例えば、パッケージ挿入物として、容器も保持するレセプタクルまたはキャリア内に存在する場合、容器に関連付けられる。一実施形態では、標識は、内容物が特定の治療用途に使用されるべきであることを示すために使用される。また、標識は、本明細書に記載される方法などの、内容物の使用のための指示を示す。
【0277】
特定の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に提供される化合物を含有する1つまたはそれ以上の単位投与形態を含有するパックまたはディスペンサデバイス中に提供される。パックは、例えば、ブリスタパックなどの金属またはプラスチックホイルを含む。一実施形態では、パックまたはディスペンサデバイスは、投与のための指示書が付される。一実施形態では、パックまたはディスペンサにはまた、医薬品の製造、使用または販売を規
制する政府機関によって規定される様式で容器に関連する通知も添付される。この通知は、ヒトまたは獣医学的投与のための医薬品の形態の当局による承認を反映するものである。このような通知は、例えば、米国食品医薬品局が承認した医薬品の標識または承認された製品の添付文書である。一実施形態では、相溶性の医薬担体中に製剤化された本明細書で提供される化合物を含む組成物もまた製造され、適切な容器に入れられ、指示された状態の処置のために標識される。
【0278】
特定の用語
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、請求された主題事項が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。詳細な説明は、例示的および説明的なものに過ぎず、請求された主題事項を限定するものではないことが理解されるべきである。本出願において、単数形の使用は、特に記述がない限り、複数形を含む。本明細書で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈による明確に別段の指定がない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本出願において、「または」の使用は、特に記述がない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含んでいる」の使用、ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含んで(included)」などの他の形態の使用は、限定するものではない。
【0279】
本発明の種々の特徴は、単一の実施形態との関連で説明することができるが、特徴は、別個にまたは任意の適切な組み合わせで提供することもできる。逆に、本発明は、明確化のために、別個の実施形態との関連で本明細書に記載されるが、本発明はまた、単一の実施形態で実施される。
【0280】
本明細書において、「一部の実施形態」、「実施形態」、「1つの実施形態」または「他の実施形態」というときは、実施形態に関連して記載された特定の特徴(feature)、構造または特徴(characteristic)が、少なくとも一部の実施形態に含まれるが、必ずしもすべての実施形態に含まれないことを意味する。
【0281】
本明細書で使用される場合、範囲および量は、特定の値または範囲として「約」として表すことができる。また、約には正確な量も含まれる。したがって、「約5μL」は、「約5μL」および「5μL」を意味する。一般的に、「約」という用語は、実験誤差内にあることが予想される量を含む。
【0282】
本明細書で使用される節の見出しは、組織上の目的のためのみであり、記載される主題を制限するものと解釈されるべきではない。
【0283】
本明細書で使用される場合、用語「個体(単数または複数)」、「対象(単数または複数)」および「患者(単数または複数)」は、任意の哺乳動物を意味する。一部の実施形態では、哺乳動物はヒトである。一部の実施形態では、哺乳動物はヒト以外である。いずれの用語も、医療従事者(例えば、医師、登録看護師、正看護師、医師の助手、用務員またはホスピス職員)の監督(例えば、常時または断続的)によって特徴付けられる状況を必要とせず、限定されない。
【0284】
本明細書で使用される場合、受容体結合に関して「顕著な」および「顕著に」という用語は、IL-15ポリペプチドの標的受容体への結合に影響を与えるのに十分な変化を意味する。いくつかの例では、用語は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上の変化を指す。いくつかの例では、用語は、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、またはそれ以上の変化を意味する。
【0285】
いくつかの例では、サイトカインシグナル伝達複合体を介した1つまたはそれ以上の細胞集団の活性化に関して「顕著に」という用語は、細胞集団を活性化するのに十分な変化を意味する。場合によっては、細胞集団を活性化する変化は、受容体シグナル伝達効力として測定される。このような場合には、EC50値を示すことができる。他の場合には、ED50値を提供し得る。追加の場合においては、サイトカインの濃度または用量を提供することができる。
【0286】
本明細書で使用される場合、用語「効力」は、標的効果を生じさせるのに必要なサイトカイン(例えば、IL-15ポリペプチド)の量を指す。いくつかの例では、用語「効力」は、標的サイトカイン受容体(例えば、IL-15受容体)を活性化するのに必要なサイトカイン(例えば、IL-15ポリペプチド)の量を指す。他の例では、用語「効力」は、標的細胞集団を活性化するのに必要なサイトカイン(例えば、IL-15ポリペプチド)の量を指す。場合によっては、効力は、ED50(有効用量50)、または最大効果の50%を生じさせるのに必要な用量として測定される。他の場合には、効力は、EC50(有効濃度50)、または集団の50%において標的効果を生じさせるのに必要な用量として測定される。
【0287】
本明細書で使用される場合、用語「腫瘍浸潤性免疫細胞(単数または複数)」とは、腫瘍細胞を含む領域(例えば、腫瘍微小環境)に浸潤した免疫細胞を指す。いくつかの例では、腫瘍浸潤性免疫細胞は、腫瘍細胞破壊、腫瘍細胞増殖の低下、腫瘍組織量の減少、またはそれらの組み合わせと関連する。いくつかの例では、腫瘍浸潤性免疫細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含む。いくつかの例では、腫瘍浸潤性免疫細胞は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球または好塩基球を含む。いくつかの例では、腫瘍浸潤性免疫細胞は、CD4+またはCD8+T細胞を含む。
【実施例0288】
これらの実施例は、単に例示的な目的のために提供され、本明細書に提供される特許請求の範囲を限定するものではない。