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特開2024-109894サーバ装置、入退場管理システム、サーバ装置の制御方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109894
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】サーバ装置、入退場管理システム、サーバ装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/109 20230101AFI20240806BHJP
【FI】
G06Q10/109
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024086726
(22)【出願日】2024-05-29
(62)【分割の表示】P 2022534588の分割
【原出願日】2020-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高田 果奈子
(72)【発明者】
【氏名】大澤 健一
(72)【発明者】
【氏名】米田 匡史
(72)【発明者】
【氏名】則枝 真
(72)【発明者】
【氏名】福岡 健太
(72)【発明者】
【氏名】田中 良志
(72)【発明者】
【氏名】赤崎 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】青柳 吉祥
(57)【要約】      (修正有)
【課題】訪問者が面会を希望する人物の位置を把握しつつ、当該人物と面会するか否かを容易に判断できるサーバ装置を提供する。
【解決手段】サーバ装置(20)は、入場者管理データベース(101)と、受信部(102)と、検索要求処理部(103)と、送信部(104)と、を備える。入場者管理データベース(101)は、制限エリアの入場者の位置情報及び入場日時を記憶する。受信部(102)は、制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末(10)から、訪問者が面会を希望する面会希望者の検索要求を受信する。検索要求処理部(103)は、検索要求に従い、入場者管理データベース(101)に記憶された入場者のうち面会希望者に対応する入場者の滞在時間を算出する。送信部(104)は、面会希望者の位置情報及び算出された滞在時間を認証端末(10)に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の特定情報を含む検索要求を受信する、受信部と、
前記制限エリアに入場可能な利用者の利用者ID及び各利用者を特定する特定情報を紐づけて記憶する、利用者情報データベースを参照して、前記検索要求に含まれる前記特定情報に紐づく前記利用者IDを特定し、前記制限エリアの入場者の位置情報、入場日時及び前記利用者IDを紐づけて記憶する、入場者管理データベースを参照して、前記特定した前記利用者IDに紐づく前記入場日時と現在時刻に基づき前記面会希望者の前記制限エリア内の滞在時間を算出する、検索要求処理部と、
前記面会希望者の前記位置情報及び前記算出された滞在時間を出力する、出力部と、
を備える、サーバ装置。
【請求項2】
前記利用者情報データベースは、前記利用者ID、前記特定情報に加え、前記制限エリアに入場可能な前記利用者の生体情報を記憶し、
前記受信部は、前記認証端末から前記訪問者の生体情報を含む認証要求を受信し、
前記認証要求に含まれる前記訪問者の生体情報と前記利用者情報データベースに記憶された前記利用者の生体情報を用いた前記訪問者の生体認証の結果を取得する、取得部をさらに備え、
前記出力部は、前記生体認証の結果を出力する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記訪問者の前記生体認証に成功した場合には、前記訪問者の前記利用者IDを含む前記生体認証の結果を出力する、請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記利用者情報データベースは、前記利用者の生体情報、前記利用者ID、前記各利用者を特定する情報に加え、前記各利用者の前記面会希望者に関する少なくとも1以上の候補者を記憶し、
前記受信部は、前記面会希望者を特定する情報を含まず、且つ、前記訪問者の前記利用者IDを含む前記検索要求を受信し、
前記検索要求処理部は、前記利用者情報データベースを参照して、前記検索要求に含まれる前記訪問者の前記利用者IDから前記候補者を特定すると共に、前記入場者管理データベースに記憶された入場者のうち前記候補者に対応する入場者の滞在時間を算出する、請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記制限エリアを撮影する少なくとも1以上のカメラ装置から得られる画像を解析し、前記入場者の前記位置情報を算出する、算出部をさらに備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末と、
前記認証端末と接続されたサーバ装置と、
を含み、
前記サーバ装置は、
前記認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の特定情報を含む検索要求を受信する、受信部と、
前記制限エリアに入場可能な利用者の利用者ID及び各利用者を特定する特定情報を紐づけて記憶する、利用者情報データベースを参照して、前記検索要求に含まれる前記特定情報に紐づく前記利用者IDを特定し、前記制限エリアの入場者の位置情報、入場日時及び前記利用者IDを紐づけて記憶する、入場者管理データベースを参照して、前記特定した前記利用者IDに紐づく前記入場日時と現在時刻に基づき前記面会希望者の前記制限エリア内の滞在時間を算出する、検索要求処理部と、
前記面会希望者の前記位置情報及び前記算出された滞在時間を出力送信する、出力部と、
を備える、入退場管理システム。
【請求項7】
前記認証端末は、前記面会希望者の位置をマーカにより表示する際、前記滞在時間に応じて前記マーカの色彩又はデザインを変更する、請求項6に記載の入退場管理システム。
【請求項8】
前記検索要求処理部は、前記制限エリアに前記面会希望者が不在の場合には、前記面会希望者が不在であることを前記認証端末に通知し、
前記認証端末は、前記面会希望者が不在の場合には、前記面会希望者が不在であることを表示する、請求項6又は7に記載の入退場管理システム。
【請求項9】
制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の特定情報を含む検索要求を受信し、
前記制限エリアに入場可能な利用者の利用者ID及び各利用者を特定する特定情報を紐づけて記憶する、利用者情報データベースを参照して、前記検索要求に含まれる前記特定情報に紐づく前記利用者IDを特定し、前記制限エリアの入場者の位置情報、入場日時及び前記利用者IDを紐づけて記憶する、入場者管理データベースを参照して、前記特定した前記利用者IDに紐づく前記入場日時と現在時刻に基づき前記面会希望者の前記制限エリア内の滞在時間を算出し、
前記面会希望者の前記位置情報及び前記算出された滞在時間を出力する、サーバ装置の制御方法。
【請求項10】
制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の特定情報を含む検索要求を受信する処理と、
前記制限エリアに入場可能な利用者の利用者ID及び各利用者を特定する特定情報を紐づけて記憶する、利用者情報データベースを参照して、前記検索要求に含まれる前記特定情報に紐づく前記利用者IDを特定し、前記制限エリアの入場者の位置情報、入場日時及び前記利用者IDを紐づけて記憶する、入場者管理データベースを参照して、前記特定した前記利用者IDに紐づく前記入場日時と現在時刻に基づき前記面会希望者の前記制限エリア内の滞在時間を算出する処理と、
前記面会希望者の前記位置情報及び前記算出された滞在時間を出力する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、入退場管理システム、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多様な働き方が推進されている。例えば、特定の机を決めず空いている席を自由に使って仕事を進める「フリーアドレス」が推進されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザの在席状況をその座席位置まで移動することなく確認することができるシステムを提供する、と記載されている。特許文献1に開示されたシステムは、ユーザ端末とサーバとを含む。ユーザ端末にはカメラが設けられる。ユーザ端末はカメラからの入力画像に基づいてユーザの顔を検出し、ユーザが在席しているか否かを判定し、判定結果を示す在席情報をサーバに送信する。サーバは各ユーザ端末から送信された在席情報を記憶する。また、サーバは他のユーザの端末からユーザの在席情報の確認要求があった場合、当該他のユーザの端末に、記憶した在席情報を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-101566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特定の部署に属する社員が1つのフリーアドレスフロアーを使用することもあるが、部署が異なる多数の社員が当該フロアーを使用することもある。この場合、面会者同士が初対面等の理由により、当該フロアーで打ち合わせ等をしたい場合に必要な人物を探すのに時間がかかる等の問題が発生することがある。
【0006】
また、フロアーの訪問者は、打ち合わせ等の約束がない場合であっても、親しい社員等がフロアーに滞在していれば、情報交換等の目的で当該社員と面会したいという要望もある。しかし、面会を希望する社員がフロアーに入場した直後の場合などでは、当該社員は仕事を開始したばかりと想定され、訪問者は当該社員と面会することを躊躇することもある。
【0007】
本発明は、訪問者が面会を希望する人物の位置を把握しつつ、当該人物と面会するか否かを容易に判断できることに寄与する、サーバ装置、入退場管理システム、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の視点によれば、制限エリアの入場者の位置情報及び入場日時を記憶する、入場者管理データベースと、前記制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の検索要求を受信する、受信部と、前記検索要求に従い、前記入場者管理データベースに記憶された入場者のうち前記面会希望者に対応する入場者の滞在時間を算出する、検索要求処理部と、前記面会希望者の位置情報及び前記算出された滞在時間を前記認証端末に送信する、送信部と、を備える、サーバ装置が提供される。
【0009】
本発明の第2の視点によれば、制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末と、前記認証端末と接続されたサーバ装置と、を含み、前記サーバ装置は、前記制限エリアの入場者の位置情報及び入場日時を記憶する、入場者管理データベースと、前記認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の検索要求を受信する、受信部と、前記検索要求に従い、前記入場者管理データベースに記憶された入場者のうち前記面会希望者に対応する入場者の滞在時間を算出する、検索要求処理部と、前記面会希望者の位置情報及び前記算出された滞在時間を前記認証端末に送信する、送信部と、を備える、入退場管理システムが提供される。
【0010】
本発明の第3の視点によれば、制限エリアの入場者の位置情報及び入場日時を記憶する入場者管理データベースを備えるサーバ装置において、前記制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の検索要求を受信し、前記検索要求に従い、前記入場者管理データベースに記憶された入場者のうち前記面会希望者に対応する入場者の滞在時間を算出し、前記面会希望者の位置情報及び前記算出された滞在時間を前記認証端末に送信する、サーバ装置の制御方法が提供される。
【0011】
本発明の第4の視点によれば、制限エリアの入場者の位置情報及び入場日時を記憶する入場者管理データベースを備えるサーバ装置に搭載されたコンピュータに、前記制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の検索要求を受信する処理と、前記検索要求に従い、前記入場者管理データベースに記憶された入場者のうち前記面会希望者に対応する入場者の滞在時間を算出する処理と、前記面会希望者の位置情報及び前記算出された滞在時間を前記認証端末に送信する処理と、を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の各視点によれば、訪問者が面会を希望する人物の位置を把握しつつ、当該人物と面会するか否かを容易に判断できることに寄与する、サーバ装置、入退場管理システム、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体が提供される。なお、本発明の効果は上記に限定されない。本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態の概要を説明するための図である。
図2】第1の実施形態に係る入退場管理システムの概略構成の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る認証端末による表示の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る認証端末による表示の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る認証端末による表示の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る認証端末による表示の一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る認証端末の表示を説明するための図である。
図8】第1の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る利用者登録部の処理構成の一例を示す図である。
図10】第1の実施形態に係る利用者情報取得部の動作を説明するための図である。
図11】第1の実施形態に係る認証端末による表示の一例を示す図である。
図12】第1の実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図13】第1の実施形態に係る入場者管理データベースの一例を示す図である。
図14】第1の実施形態に係る入場者管理データベースの一例を示す図である。
図15】第1の実施形態に係る認証端末の処理構成の一例を示す図である。
図16】第1の実施形態に係る入退場管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図17】第2の実施形態に係る利用者情報取得部の動作を説明するための図である。
図18】第2の実施形態に係る利用者情報取得部の動作を説明するための図である。
図19】第2の実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図20】第2の実施形態に係る認証端末による表示の一例を示す図である。
図21】第2の実施形態に係る認証端末による表示の一例を示す図である。
図22】第2の実施形態に係る認証端末による表示の一例を示す図である。
図23】第3の実施形態に係る認証端末による表示の一例を示す図である。
図24】サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0015】
一実施形態に係るサーバ装置100は、入場者管理データベース101と、受信部102と、検索要求処理部103と、送信部104と、を備える(図1参照)。入場者管理データベース101は、制限エリアの入場者の位置情報及び入場日時を記憶する。受信部102は、制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末から、訪問者が面会を希望する面会希望者の検索要求を受信する。検索要求処理部103は、検索要求に従い、入場者管理データベース101に記憶された入場者のうち面会希望者に対応する入場者の滞在時間を算出する。送信部104は、面会希望者の位置情報及び算出された滞在時間を認証端末に送信する。
【0016】
サーバ装置100は、入場者管理データベース101を参照し、訪問者が面会を希望する人物の位置情報を取得すると共に、滞在時間を算出する。サーバ装置100は、面会希望者の位置情報及び滞在時間を認証端末に送信する。認証端末は、訪問者が面会希望者の位置や滞在時間を把握可能なように表示する。その結果、訪問者は、面会を希望する人物の位置を把握しつつ、滞在時間を考慮して当該面会希望者を訪問するか否かを容易に判断できる。
【0017】
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0018】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0019】
図2は、第1の実施形態に係る入退場管理システムの概略構成の一例を示す図である。図2を参照すると、入退場管理システムには、認証端末10と、サーバ装置20と、が含まれる。第1の実施形態に係る入退場管理システムは、フリーアドレスフロアー(以下、単にフロアーとも表記する)の利用者に関する入退場を管理する。
【0020】
図2に示すフロアーには少なくとも1台以上のカメラ装置30が設置されている。当該カメラ装置30は、フロアー全体を俯瞰するように設置されている。図2には1台のカメラ装置30を図示しているが、フロアー全体を俯瞰する画像を得るのに複数のカメラ装置30が必要な場合には当該目的を達成する台数のカメラ装置30が設置される。
【0021】
図2に示す各装置は相互に接続されている。例えば、認証端末10とサーバ装置20は、有線又は無線の通信手段により接続され、相互に通信が可能となるように構成されている。図2には認証端末10とサーバ装置20の接続線を図示しているが、他の構成要素(例えば、カメラ装置30)もサーバ装置20と接続されている。さらに、フロアー内に設置された据え置き型のPC(Personal Computer)もサーバ装置20と接続されている。
【0022】
サーバ装置20は、フリーアドレスフロアーと同じ建物内に設置されていてもよいし、ネットワーク上(クラウド上)に設置されていてもよい。
【0023】
認証端末10は、フリーアドレスフロアーの入り口に設置された端末である。認証端末10はゲート40と接続されている。認証端末10は、訪問者の認証に成功すると、ゲート40を開き、当該訪問者によるフリーアドレスフロアーの利用を許可する。認証端末10は、入場できる利用者が制限(限定)された制限エリア(フリーアドレスフロアー)への訪問者の入場を制御する端末である。
【0024】
サーバ装置20は、フロアー内の利用者を管理する装置である。サーバ装置20は、認証端末10を介して取得した訪問者の生体情報(例えば、顔画像)を用いた認証処理を実行する。サーバ装置20は、認証処理の結果を認証端末10に通知する。
【0025】
サーバ装置20は、訪問者の認証に成功すると、当該認証成功者をフロアーの入場者(滞在者)として管理する。サーバ装置20は、データベース(後述する入場者管理データベース)を用いてフリーアドレスフロー内の入場者を管理する。サーバ装置20は、入場者の入場日時(認証時刻)も併せて管理する。
【0026】
サーバ装置20は、フロアー内の利用者(フロアーの入場者、滞在者)の位置を管理する。サーバ装置20は、任意の手段による各利用者の位置をリアルタイムに把握する。
【0027】
例えば、サーバ装置20は、利用者が所持する端末(スマートフォン等の端末)から位置情報を取得して利用者の位置を把握してもよい。この場合、利用者が所持する端末は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信して測位を実行し、自装置の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成すればよい。
【0028】
サーバ装置20は、カメラ装置30から得られる画像を解析することで、利用者の位置を検出してもよい。第1の実施形態では、サーバ装置20は、カメラ装置30から得られる画像を解析することで利用者の位置を把握する場合について説明する。
【0029】
サーバ装置20は、入場者管理データベースに記憶された入場者に関してその位置をリアルタイムに更新する。
【0030】
訪問者(フリーアドレスフロアーに入場しようとする利用者)は、フロアー内の利用者と面会(会議、打ち合わせ)を希望することがある。この場合、訪問者は、認証端末10による認証が成功した後、面会を希望する人物(以下、面会希望者と表記する)に関する情報を入力する。
【0031】
例えば、認証端末10は、図3に示すようなGUI(Graphical User Interface)を用いて訪問者の意思(訪問者が他の利用者と面会を希望するか否かの意思)を確認する。認証端末10は、訪問者が他の利用者と面会する意思を有していることがわかると、図4に示すようなGUIを用いて訪問者の操作を受け付ける。
【0032】
例えば、図4に示すような画面に接した訪問者は、文字入力領域に面会を希望する人物の氏名を入力する。訪問者は、面会希望者の氏名を入力した後、決定ボタンを押す。認証端末10は、図4に示すようなGUIにより取得した面会希望者の氏名をサーバ装置20に送信する。
【0033】
認証端末10は、液晶パネルとタッチパネルが一体となった入出力デバイスを備えており、当該入出力デバイスを用いてGUIに係る表示を行い利用者の操作を受け付ける。
【0034】
サーバ装置20は、認証端末10から取得した情報(面会希望者の氏名)に基づき、当該面会希望者の位置を特定し、当該特定した位置を認証端末10に通知する。
【0035】
認証端末10は、取得した情報を用いて、面会希望者の位置(フリーアドレスフロアー内の面会希望者の位置)を表示する。例えば、認証端末10は、図5に示すような画面を表示する。認証端末10は、例えば、図5に示すように、フリーアドレスフロアーを模したマップ情報を表示する。その上で、認証端末10は、面会希望者の位置を涙型のマーカ(涙形状の上下を反転にしたマーカ)により特定し、当該マーカの中に面会希望者の顔画像や氏名等を表示する。
【0036】
図5に示すような画面に接した訪問者は、面会希望者がフロアー中央の円卓に在席していることを把握する。訪問者は、目的とする人物の場所を容易に把握でき面会希望者を探す必要がない。
【0037】
サーバ装置20は、面会希望者の位置と共に滞在時間も認証端末10に通知する。そのため、認証端末10は、図6に示すように面会希望者の滞在時間を併せて表示することもできる。
【0038】
あるいは、認証端末10は、面会希望者の滞在時間に応じてマーカ等の表示を変更してもよい。例えば、認証端末10は、図7に示すように、面会希望者の滞在時間に応じてマーカの色や、色の濃淡を変更してもよい。例えば、滞在時間が長いと色が濃く、滞在時間が短いと色が薄くなる。図7の例では、図7に示すマーカM1が最も滞在時間が短く、図7に示すマーカM3が最も滞在時間が長い。図7に示すマーカM2は、マーカM1とマーカM3の間の滞在時間を示す。
【0039】
あるいは、認証端末10は、滞在時間に応じてマーカのデザインを変更してもよい。例えば、認証端末10は、滞在時間の相違を星型や三角形等の形状の相違で表現してもよい。即ち、認証端末10は、面会希望者の位置をマーカにより表示する際、滞在時間に応じて当該マーカの色彩又はデザインを変更してもよい。
【0040】
上記説明したように、訪問者がフロアー内の人物と面会を希望すると、認証端末10は、当該人物の位置を検索するようにサーバ装置20に依頼(要求)する。以降の説明において、認証端末10からサーバ装置20に送信される要求を「検索要求」と表記する。面会希望者の氏名のように面会希望者を特定する情報を「面会希望者情報」と表記する。サーバ装置20が認証端末10に送信する応答(検索要求に対する応答)に含まれる面会希望者の位置情報を「面接希望者位置情報」と表記する。
【0041】
<事前準備>
サーバ装置20による利用者の入退場管理を実現するためには、システム利用者(フリーアドレスフロアーの利用者)は事前準備を行う必要がある。以下、事前準備について説明する。
【0042】
利用者は、自身の生体情報、プロフィール等の属性値をシステム登録する。具体的には、利用者は、顔画像をサーバ装置20に入力する。また、利用者は、自身のプロフィール(例えば、氏名、社員番号、勤務地、所属部署、役職、連絡先等の属性情報)をサーバ装置20に入力する。
【0043】
なお、上記生体情報、プロフィール等の情報入力には任意の方法を用いることができる。例えば、利用者は、スマートフォン等の端末を利用して、自分の顔画像を撮像する。さらに、利用者は、端末を利用してプロフィールが記載されたテキストファイル等を生成する。利用者は、端末を操作して、上記情報(顔画像、プロフィール)をサーバ装置20に送信する。あるいは、利用者は、上記情報が格納されたUSB(Universal Serial Bus)等の外部記憶装置を用いて、サーバ装置20に必要な情報を入力してもよい。
【0044】
あるいは、サーバ装置20がWEB(ウェブ)サーバとしての機能を備え、利用者は当該サーバが提供するフォームにより必要な情報を入力してもよい。あるいは、フロアーの外部に上記情報入力を行うための端末が設置され、利用者は当該端末から必要な情報をサーバ装置20に入力してもよい。あるいは、利用者は、認証端末10から必要な情報をサーバ装置20に入力してもよい。
【0045】
サーバ装置20は、取得した利用者情報(生体情報、プロフィール等)を用いてシステム利用者を管理するデータベースを更新する。当該データベースの更新に関する詳細は後述するが、サーバ装置20は概略以下のような動作によりデータベースを更新する。なお、以降の説明において、本願開示のシステムを利用する利用者を管理するためのデータベースを「利用者情報データベース」と表記する。
【0046】
取得した利用者情報に対応する人物が利用者情報データベースに登録されていない新規な利用者である場合には、サーバ装置20は、当該利用者にID(Identifier)を割り当てる。また、サーバ装置20は、取得した顔画像を特徴付ける特徴量を生成する。
【0047】
サーバ装置20は、新規な利用者に割り当てたID、顔画像から生成した特徴量、利用者の顔画像、プロフィール等を含むエントリを利用者情報データベースに追加する。サーバ装置20が利用者情報を登録することで、利用者はフリーアドレスフロアーへの入場が可能となる。
【0048】
続いて、第1の実施形態に係る入退場管理システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
【0049】
[サーバ装置]
図8は、第1の実施形態に係るサーバ装置20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図8を参照すると、サーバ装置20は、通信制御部201と、利用者登録部202と、認証部203と、利用者管理部204と、検索要求処理部205と、記憶部206と、を備える。
【0050】
通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部201は、認証端末10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、認証端末10に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。なお、通信制御部201は、検索要求を受信する受信部としての機能と、認証結果等を送信する送信部としての機能と、を備える。
【0051】
利用者登録部202は、上述のシステム利用者登録を実現する手段である。利用者登録部202は、複数のサブモジュールを含む。図9は、利用者登録部202の処理構成の一例を示す図である。図9を参照すると、利用者登録部202は、利用者情報取得部211と、ID生成部212と、特徴量生成部213と、エントリ管理部214と、を備える。
【0052】
利用者情報取得部211は、上記説明した利用者情報を取得する手段である。利用者情報取得部211は、入退場管理システムを利用する複数の利用者それぞれの生体情報、プロフィールを取得する。より具体的には、利用者情報取得部211は、システム利用者の生体情報(例えば、顔画像)とプロフィール(例えば、氏名、所属等)を取得する。システム利用者は、自分の端末から上記情報をサーバ装置20に入力してもよいし、認証端末10を操作して上記情報を入力してもよい。
【0053】
利用者情報取得部211は、上記情報を入力するためのGUIやフォームを提供してもよい。例えば、利用者情報取得部211は、利用者の端末がサーバ装置20にアクセスすると、図10に示すような情報入力フォームを利用者が操作する端末に表示する。
【0054】
システム利用者は、図10に示す情報を入力する。システム利用者は、全ての情報を入力すると「送信」ボタンを押下し、生体情報、プロフィールをサーバ装置20に入力する。
【0055】
なお、利用者が認証端末10を用いて利用者情報を入力する場合には、認証端末10は図11に示すようなインターフェイスを用いて当該利用者の顔画像を取得する。認証端末10は、顔画像の取得に成功すると、プロフィールを入力するためのインターフェイスを利用者に提供する。
【0056】
利用者情報取得部211は、取得した利用者情報を記憶部206に格納する。
【0057】
ID生成部212は、システム利用者に割り当てるIDを生成する手段である。ID生成部212は、システム利用者が入力した利用者情報が新規登録に関する情報である場合、当該新規な利用者を識別するためのIDを生成する。例えば、ID生成部212は、取得した利用者情報(顔画像、プロフィール)のハッシュ値を計算し、当該ハッシュ値を利用者に割り当てるIDとしてもよい。あるいは、ID生成部212は、利用者登録のたびに一意な値を採番しIDとしてもよい。なお、以降の説明において、ID生成部212が生成するID(システム利用者を識別するためのID)を「利用者ID」と表記する。
【0058】
特徴量生成部213は、利用者情報に含まれる顔画像から当該顔画像を特徴付ける特徴量(複数の特徴量からなる特徴ベクトル)を生成する手段である。特徴量の生成処理に関しては既存の技術を用いることができるのでその詳細な説明を省略する。例えば、特徴量生成部213は、顔画像から目、鼻、口等を特徴点として抽出する。その後、特徴量生成部213は、特徴点それぞれの位置や各特徴点間の距離を特徴量として計算し、複数の特徴量からなる特徴ベクトル(顔画像を特徴づけるベクトル情報)を生成する。
【0059】
エントリ管理部214は、利用者情報データベースのエントリを管理する手段である。エントリ管理部214は、新規な利用者をデータベースに登録する際、ID生成部212により生成された利用者ID、特徴量生成部213により生成された特徴量、顔画像、及び、利用者から取得したプロフィールを含むエントリを利用者情報データベースに追加する。
【0060】
利用者登録部202が動作することにより、図12に示すような利用者情報データベース(システム利用者を識別する利用者ID、生体情報及びプロフィールを対応付けて記憶するデータベース)が構築される。なお、図12に示す利用者情報データベースに登録された内容は例示であって、利用者情報データベースに登録する情報を限定する趣旨ではないことは勿論である。
【0061】
図8に説明を戻す。認証部203は、フリーアドレスフロアーを訪問した訪問者の認証処理を行う手段である。認証部203は、認証端末10から認証要求を取得する。当該認証要求には、訪問者(被認証者)の生体情報(顔画像)が含まれるので、認証部203は当該顔画像を認証要求から取り出す。認証部203は、取得した顔画像から特徴量を算出する。
【0062】
認証部203は、認証端末10から取得した顔画像に基づき算出された特徴量を照合対象に設定し、利用者情報データベースに登録された特徴量との間で照合処理を行う。より具体的には、認証部203は、上記算出した特徴量(特徴ベクトル)を照合対象に設定し、利用者情報データベースに登録されている複数の特徴ベクトルとの間で1対N(Nは正の整数、以下同じ)照合を実行する。
【0063】
認証部203は、照合対象の特徴量と登録側の複数の特徴量それぞれとの間の類似度を計算する。当該類似度には、カイ二乗距離やユークリッド距離等を用いることができる。なお、距離が離れているほど類似度は低く、距離が近いほど類似度が高い。
【0064】
認証部203は、利用者情報データベースに登録された複数の特徴量のうち、照合対象の特徴量との間の類似度が所定の値以上、且つ、最も類似度が高い特徴量が存在すれば照合対象の認証に成功したと判断する。認証部203は、認証結果(認証成功、認証失敗)を照合要求に対する応答として認証端末10に送信する。
【0065】
認証部203は、認証に成功した人物に対応する利用者IDを利用者情報データベースから読み出す。なお、訪問者の生体認証に成功した場合には、認証部203は、認証成功者の利用者ID(訪問者の利用者ID)を含む応答(認証成功)を認証端末10に送信してもよい。また、認証部203は、当該読み出した利用者IDを利用者管理部204に引き渡す。
【0066】
このように、認証部203は、認証要求に含まれる訪問者の生体情報と利用者情報データベースに記憶された複数の利用者それぞれの生体情報を用いて訪問者の生体認証を行う。認証部203は、通信制御部201を介して、生体認証の結果を認証端末10に送信する。
【0067】
利用者管理部204は、フリーアドレスフロアー内の利用者(フロアー内の入場者、滞在者)を管理する手段である。利用者管理部204は、認証部203から取得した利用者IDを用いて入場者を管理する。具体的には、利用者管理部204は、利用者IDと当該利用者IDに対応する人物の位置情報等を対応付けて管理する。
【0068】
利用者管理部204は、入場者の位置をリアルタイムに算出する。上述のように、利用者管理部204は、任意の手段により入場者の位置を算出する。第1の実施形態では、利用者管理部204は、フリーアドレスフロアーの各所に配置されたカメラ装置30から得られる画像を解析して入場者の位置情報を算出する。利用者管理部204は、フリーアドレスフロアーの入場者に関する位置情報を算出する算出部として機能する。
【0069】
例えば、利用者管理部204は、カメラ装置30から取得した画像データから顔領域(顔画像)を抽出する。利用者管理部204は、当該抽出された顔画像から特徴量を算出し、利用者情報データベースを用いた照合処理により画像データに写る人物の利用者IDを特定する。さらに、利用者管理部204は、画像データにおける顔画像の座標(例えば、画像データの左下を原点とする座標系の座標)をフロアーにおける座標(出入口等を原点とする座標系の座標)に変換する。例えば、利用者管理部204は、予め用意された変換テーブルを用いて上記変換を行い利用者の位置情報を算出する。利用者管理部204は、上記特定された利用者IDの位置情報を、画像データを用いて算出された位置情報により更新する。なお、人の顔の大きさはある程度同一と捉えることができるので、顔の大きさから利用者とカメラ装置30までの距離が推測できる。そのため、抽出された顔領域の大きさごとに上記変換テーブルを用意することで、利用者管理部204は、利用者の位置を推定することができる。
【0070】
あるいは、フリーアドレスフロアーを碁盤目状に分割し、当該分割された小領域それぞれにカメラ装置30を割り当てもよい。この場合、利用者管理部204は、各カメラ装置30の撮像範囲と位置を対応付けた情報(例えば、テーブル情報)を参照し、各カメラ装置30から得られる画像データを解析することで利用者の位置を推定してもよい。即ち、利用者管理部204は、顔画像を含む画像を撮像したカメラ装置30の位置から当該顔画像に対応する人物の位置を推測してもよい。即ち、利用者管理部204は、カメラ装置30から得られる画像データに人物が写っていれば、当該カメラ装置30の撮像範囲に当該人物が存在していると判断し、位置を推測する。
【0071】
あるいは、利用者管理部204は、カメラ装置30として奥行方向の算出が可能なステレオカメラ等を用いて入場者の位置情報を算出してもよい。この場合、利用者管理部204は、2枚の画像データを解析し、カメラ装置30の位置を基準とする利用者の位置(座標)と方向を計算する。その後、利用者管理部204や、カメラ装置30の位置と利用者の位置を合成(カメラ装置30の絶対位置に利用者の相対位置を加算)することで、利用者の位置情報を算出してもよい。
【0072】
あるいは、上述のように、利用者管理部204は、利用者の所持する端末から位置情報を取得してもよい。利用者の端末は、GPSを用いて位置情報を生成してもよいし、WiFi(Wireless Fidelity)等の無線アクセスポイントから受信する電波の強度に基づき位置情報を生成してもよい。
【0073】
なお、カメラ装置30の死角等がある場合には、利用者管理部204は、利用者の使用するPC(パーソナルコンピュータ)のアドレス情報等により利用者の位置を算出してもよい。例えば、PCのアドレス情報と当該PCが設置された位置情報を関連付けて記憶し、PCから得られるログイン情報(PCを利用する利用者を特定する情報)から入場者が特定され、位置情報が算出されてもよい。フリーアドレスにおいて、各テーブルに置いてあるPCに対して、IDとPW(Pass Word)、もしくは顔認証でログインすることで、PCの位置と、ログインしたIDから、利用者(ユーザ)がどの場所にいるかを特定してもよい。
【0074】
利用者管理部204は、利用者IDと、利用者がフロアーに入場した日時と、当該利用者の位置情報と、を対応付けて管理する。具体的には、利用者管理部204は、少なくとも上記3つの情報を格納するフィールドを持つ入場者管理データベースを用いて入場者を管理する。例えば、利用者管理部204は、図13に示すような入場者管理データベースを用いて入場者を管理する。なお、図13に示すように、入場者管理データベースは、少なくとも入退場が制限された制限エリア(フリーアドレスフロアー)の入場者に対応する利用者IDと、入場日時と、入場者の位置情報と、を対応付けて記憶するデータベースである。
【0075】
図13に示す入場者管理データベースは例示であって入場日時、位置情報に加え、入場者の状態(勤務状態)が管理されていてもよい。例えば、入場者が会議中であれば入場者の状態は「会議中」に設定され、入場者が円卓等で業務を執行している場合には入場者の状態は「通常勤務」に設定されてもよい(図14参照)。なお、入場者が存在する場所が会議室内であれば、当該入場者の状態は「会議中」に設定されてもよい。
【0076】
利用者管理部204は、利用者がフリーアドレスフロアーに入場した直後に入場者管理データベースに新たなエントリを追加する。また、利用者管理部204は、入場者がフロアーから退場した場合には、対応するエントリを入場者管理データベースから削除する。なお、利用者管理部204は、カメラ装置30から得られる画像を用いて利用者の入退場を検出する。
【0077】
図8に説明を戻す。検索要求処理部205は、認証端末10から受信する「検索要求」を処理する手段である。検索要求処理部205は、認証端末10に訪問者が面会を希望する面会希望者の位置情報、滞在時間等を送信する。検索要求処理部205は、認証端末10から受信した面会希望者の位置に関する検索要求に従い、入場者管理データベースに記憶された入場者のうち面会希望者に対応する入場者の滞在時間(フリーアドレスフロアー内の滞在時間)を算出する。検索要求処理部205は、通信制御部201を介して、面会希望者の位置情報、上記算出された滞在時間等を認証端末10に送信する。
【0078】
検索要求処理部205は、検索要求から面会希望者を特定する情報(面会希望者情報;例えば、氏名)を抽出する。検索要求処理部205は、当該抽出した情報を検索キーとして利用者情報データベースを検索し、対応する利用者IDを特定する。
【0079】
検索要求処理部205は、入場者管理データベースを参照し、当該特定された利用者IDに対応する位置情報(フロアー内の座標情報)を取得する。また、検索要求処理部205は、上記特定された利用者IDに対応する入場日時(入場時刻)と現在時刻に基づいて、特定された利用者の滞在時間(現在時刻と入場時刻の差分)を計算する。
【0080】
検索要求処理部205は、位置情報、滞在時間、検索対象となった面会希望者の氏名、顔画像等を含む検索結果を認証端末10に送信する。
【0081】
例えば、図2の例では、訪問者が入場者Uの位置について知りたいとすると、入場者Uの氏名(ABC)を含む検索要求がサーバ装置20に送信される。検索要求処理部205は、検索要求に含まれる氏名(ABC)に基づき対応する利用者IDを利用者情報データベースから取得する。検索要求処理部205は、入場者管理データベースを参照し、利用者情報データベースから読み出した利用者IDに対応する人物の位置情報を取得する。検索要求処理部205は、取得した位置情報、計算した滞在時間、検索対象者の氏名(ABC)及び顔画像を認証端末10に送信する。認証端末10は、取得した検索結果(氏名、顔画像、位置情報、滞在時間)を用いて面会希望者の位置を示す画面を表示する。例えば、認証端末10は、図5図6に示すような画面を表示する。
【0082】
なお、利用者情報データベースには同姓同名の利用者が登録されている場合もあり得る。この場合、検索要求処理部205は、複数の同姓同名者のうちいずれの人物が面会希望者か判断できないので、複数の人物の検索結果(氏名、顔画像、位置情報、滞在時間)を認証端末10に送信する。認証端末10は、当該複数の人物それぞれの検索結果を表示すればよい。この場合、訪問者は、表示された顔画像に基づき面会希望者を特定すればよい。あるいは、検索要求処理部205は、取得した氏名に対応する人物(データベースに登録された人物)が1人であれば氏名、位置情報、滞在時間を認証端末10に送信し、対応する人物が複数存在する場合には氏名、位置情報、滞在時間に加え顔画像も認証端末10に送信してもよい。即ち、検索要求処理部205は、取得した面会希望者の情報と利用者情報データベースから得られる結果に応じて、認証端末10に送信する内容を変更してもよい。
【0083】
このように、検索要求処理部205は、利用者情報データベースを参照して、検索要求に含まれる面会希望者を特定する情報(例えば、面会希望者の氏名)から対応する利用者IDを特定する。検索要求処理部205は、入場者管理データベースを参照して、当該特定された利用者IDから面会希望者に対応する入場者を特定する。
【0084】
記憶部206は、サーバ装置20の動作に必要な情報を記憶する手段である。記憶部206には、利用者情報データベース及び入場者管理データベースが構築される。利用者情報データベースは、制限エリアに入場可能な複数の利用者それぞれの生体情報、利用者ID及各利用者を特定する情報(例えば、氏名等)を対応付けて記憶するデータベースである。入場者管理データベースは、入場者の利用者ID、位置情報及び入場日時を対応付けて記憶するデータベースである。
【0085】
[認証端末]
認証端末10は、制限エリア(フリーアドレスフロアー)への入場を管理する端末である。認証端末10は、上記利用者情報データベースに登録された生体情報を用いた認証に成功した場合に、当該認証に成功した利用者が制限エリアに入場することを許可する。
【0086】
図15は、認証端末10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図15を参照すると、認証端末10は、通信制御部301と、顔画像取得部302と、認証要求部303と、検索要求部304と、検索結果出力部305と、記憶部306と、を備える。
【0087】
通信制御部301は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部301は、サーバ装置20からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部301は、サーバ装置20に向けてデータを送信する。通信制御部301は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部301は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部301を介して他の装置とデータの送受信を行う。
【0088】
顔画像取得部302は、カメラ装置(認証端末10が備えるカメラ装置)を制御し、面前の訪問者の顔画像(生体情報)を取得する手段である。顔画像取得部302は、定期的又は所定のタイミングにおいて自装置の前方を撮像する。顔画像取得部302は、取得した画像に人の顔画像が含まれるか否かを判定し、顔画像が含まれる場合には取得した画像データから顔画像を抽出する。
【0089】
なお、顔画像取得部302による顔画像の検出処理や顔画像の抽出処理には既存の技術を用いることができるので詳細な説明を省略する。例えば、顔画像取得部302は、CNN(Convolutional Neural Network)により学習された学習モデルを用いて、画像データの中から顔画像(顔領域)を抽出してもよい。あるいは、顔画像取得部302は、テンプレートマッチング等の手法を用いて顔画像を抽出してもよい。
【0090】
顔画像取得部302は、抽出した顔画像を認証要求部303に引き渡す。
【0091】
認証要求部303は、サーバ装置20に対して面前の訪問者に関する認証を要求する手段である。認証要求部303は、取得した顔画像を含む認証要求を生成し、サーバ装置20に向けて送信する。
【0092】
認証要求部303は、認証要求に対するサーバ装置20からの応答(認証成功、認証失敗)を受信する。認証要求部303は、サーバ装置20からの応答に利用者IDが含まれていれば、当該利用者IDを記憶部306に記憶する。
【0093】
認証要求部303は、認証結果が「認証失敗」であれば、その旨を訪問者に通知する。その際、認証要求部303は、認証失敗時等の連絡先等も併せて通知するのが好ましい。例えば、認証要求部303は、認証に失敗した旨と連絡先の電話番号等を液晶パネル等に表示する。
【0094】
認証要求部303は、認証結果が「認証成功」であれば、その旨を検索要求部304に通知する。
【0095】
検索要求部304は、面会希望者の検索をサーバ装置20に要求する手段である。検索要求部304は、訪問者が面会希望者の検索を行うか否かの意思を入力するための表示を行う。例えば、検索要求部304は、図3に示すような表示を行う。
【0096】
検索要求部304は、訪問者が面会希望者の検索を望まない場合(図3のNoが選択された場合)、ゲート40を開門する。検索要求部304は、訪問者がフロアーに入場した後にゲート40を閉門する。なお、訪問者がフロアーに入場したか否か(ゲート40を通過したか否か)は、ゲート40に設置されたセンサ(赤外線等を用いたセンサ)により検出され、認証端末10に検出結果が通知される。
【0097】
検索要求部304は、訪問者が面会希望者の検索を望む場合(図3のYesが選択された場合)、面会希望者に関する情報を入力するための表示を行う。例えば、検索要求部304は、図4に示すような表示を行う(GUIを生成する)。
【0098】
検索要求部304は、GUIを介して取得した情報(面会希望者情報;例えば、面会希望者の氏名等)を含む「検索要求」を生成する。検索要求部304は、当該生成した検索要求をサーバ装置20に送信する。
【0099】
検索要求部304は、サーバ装置20から上記要求に対する応答を取得する。検索要求部304は、取得した応答を検索結果出力部305に引き渡す。
【0100】
検索結果出力部305は、サーバ装置20から取得した検索結果に関する情報を出力する手段である。具体的には、検索結果出力部305は、面会希望者の位置に関する情報を出力する。検索結果出力部305は、サーバ装置20から取得した応答(面会希望者の氏名、顔画像、位置情報、滞在時間)を用いて、例えば、図5図6に示すような画面をディスプレイに表示する。
【0101】
管理者等は、図5図6に示す表示を行うために必要な情報を予め認証端末10に入力しておく。具体的には、管理者等は、フリーアドレスフロアーにレイアウト等に関する情報や座標系に関する情報を予め認証端末10に入力しておく。例えば、管理者等は、サーバ装置20から取得した位置情報(座標情報)をマップ上の座標に変換するための変換式等を認証端末10に格納する。
【0102】
図5図6に示す表示は例示であって、検索結果出力部305の出力形式、出力形態等を限定する趣旨ではない。例えば、検索結果出力部305は、検索結果を訪問者のメールアドレス等に送信してもよい。あるいは、検索結果出力部305は、面会希望者の位置情報を、当該位置情報を示す端的な表現に置き換えて訪問者に通知してもよい。例えば、図5図6の例では、「ABCさんは中央の円卓に在席しています」といった表示や音声が出力されてもよい。
【0103】
あるいは、上述のように、検索結果出力部305は、サーバ装置20から取得した滞在時間を用いて図6に示すような表示をしてもよい。
【0104】
記憶部306は、認証端末10の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0105】
[入退場管理システムの動作]
次に、第1の実施形態に係る入退場管理システムの動作について説明する。
【0106】
図16は、第1の実施形態に係る入退場管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。なお、図16は、訪問者が面会希望者の検索を希望する場合のシステム動作の一例を示すシーケンス図である。図16の動作に先立ち、システム利用者の登録は予め行われているものとする。
【0107】
訪問者が認証端末10の面前に位置すると、認証端末10は、訪問者の顔画像を取得する。認証端末10は、顔画像を含む認証要求をサーバ装置20に送信する(ステップS01)。
【0108】
サーバ装置20は、取得した顔画像を用いた認証処理(利用者情報データベースに登録された特徴量を用いた照合処理)を実行する(ステップS11)。サーバ装置20は、認証処理の結果(認証成功、認証失敗)を認証端末10に送信する。
【0109】
認証端末10は、訪問者が面会希望者の検索を希望する場合には、当該面会希望者の氏名等を含む検索要求をサーバ装置20に送信する(ステップS02)。
【0110】
サーバ装置20は、検索要求から面会希望者情報を抽出し、利用者情報データベース、入場者管理データベースを用いて面会希望者の位置情報を特定する(ステップS12)。
【0111】
サーバ装置20は、位置情報、滞在時間等を含む応答(検索要求に対する応答)を認証端末10に送信する(ステップS13)。
【0112】
認証端末10は、取得した位置情報や滞在時間等を用いて面会希望者の場所を明示するような情報を出力する(面会希望者の位置情報を出力;ステップS03)。
【0113】
以上のように、第1の実施形態に係るサーバ装置20は、入場者管理データベース等を参照して、訪問者が面会を希望する人物の位置情報を取得する。さらに、サーバ装置20は、当該面会希望者の滞在時間を算出する。サーバ装置20は、面会希望者の位置情報及び滞在時間を認証端末10に送信する。認証端末10は、訪問者が面会希望者の位置や滞在時間を把握可能なように表示する。その結果、訪問者は、面会を希望する人物の位置を把握しつつ、滞在時間を考慮して当該面会希望者を訪問するか否かを容易に判断できる。
【0114】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0115】
第2の実施形態では、訪問者が頻繁に面会をする利用者を事前に登録する場合について説明する。第2の実施形態では、訪問者が事前に登録した利用者(登録者)の位置や滞在時間を表示する場合について説明する。
【0116】
なお、第2の実施形態に係る入退場管理システムの構成は第1の実施形態と同一とすることができるので図2に相当する説明を省略する。また、第2の実施形態に係る認証端末10やサーバ装置20の処理構成も第1の実施形態と同一とすることができるので、その説明を省略する。以下、第1及び第2の実施形態の相違点を中心に説明する。
【0117】
サーバ装置20の利用者登録部202は、システム利用者の登録時に当該利用者が頻繁に訪れる人物の情報を取得する。より具体的には、利用者情報取得部211は、図17に示すようなGUIを生成する。当該GUIに接した利用者は、頻繁に訪問する人物の登録を希望する場合には、右下に設置された「登録」ボタンを押下する。
【0118】
当該ボタンの押下に応じて、利用者情報取得部211は、図18に示すようなGUIを生成する。当該GUIに従い、利用者は頻繁に訪れる人物の登録を行う。例えば、システム利用者は、協業している他部署の担当者等の氏名を入力する。あるいは、利用者情報取得部211は、デジタル化された社員名簿等を参照し、利用者が氏名の全部又は一部を入力すると登録者の候補を表示し、利用者が表示された候補のなかから登録者を選択するようなGUIを生成してもよい。あるいは、利用者情報取得部211は、氏名に替えて社員番号等により登録者を特定してもよい(社員番号を入力してもよい)。
【0119】
即ち、利用者情報取得部211は、利用者情報データベースに登録された各利用者の面会希望者の候補となる人物(候補者)に関する情報(候補者の氏名等)を取得する。
【0120】
利用者情報取得部211は、システム利用者の生体情報(顔画像、特徴量)及び属性情報(氏名、所属等)と共に取得した候補者の情報を利用者情報データベースに記憶する(図19参照)。図19に示すように、第2の実施形態に係る利用者情報データベースは、生体情報、利用者ID、各利用者を特定する情報(利用者の氏名等)に加え、各利用者の面会希望者に関する少なくとも1以上の候補者(候補者の氏名等)を記憶する。
【0121】
認証端末10の検索要求部304は、図20に示すようなGUIにより訪問者が面会希望者の検索を要望していることを把握すると、サーバ装置20に対して「検索要求」を送信する。その際、検索要求部304は、訪問者(認証成功者)の利用者IDを含む検索要求をサーバ装置20に送信する。なお、第2の実施形態では、認証端末10から送信される検索要求には、面会希望者の氏名等は含まれない。
【0122】
サーバ装置20の検索要求処理部205は、受信した検索要求から利用者IDを取得する。検索要求処理部205は、当該取得した利用者IDをキーとして利用者情報データベースを検索し、訪問者に対応するエントリを特定する。
【0123】
検索要求処理部205は、特定したエントリの候補者フィールドを参照し、候補者の情報(氏名、社員番号等)を取得する。図19の例では、利用者IDが「ID01」であれば、2人の候補者の氏名(AA1、AA2)が取得される。
【0124】
検索要求処理部205は、取得した候補者の氏名をキーとして利用者情報データベースを検索し、対応する利用者IDを取得する。上記の例では、「AA1」の氏名を持つ利用者の利用者IDとして「ID11」が、「AA2」の氏名を持つ利用者の利用者IDとして「ID12」がそれぞれ特定される。
【0125】
検索要求処理部205は、特定された利用者IDをキーとして入場管理データベースを検索し、対応するエントリを特定する。図13を参照すると、上記の例では、6行目、7行目のエントリが特定される。
【0126】
検索要求処理部205は、特定したエントリの情報に基づいて認証端末10に送信する検索結果を生成する。上記の例では、検索要求処理部205は、2人の登録者それぞれに関し、位置情報、滞在時間、氏名(候補者の氏名)、顔画像を含む検索結果を認証端末10に送信する。
【0127】
検索要求処理部205は、候補者が不在の場合(特定された利用者IDが入場管理データベースに記憶されていない場合)、その旨を含む検索結果を認証端末10に送信する。具体的には、不在となっている候補者(事前登録された面会希望者)の氏名、顔画像等を含む検索結果を認証端末10に送信する。検索要求処理部205は、フリーアドレスフロアーに訪問者の面会希望者が不在の場合には、当該面会希望者が不在であることを認証端末10に通知する。
【0128】
認証端末10の検索要求部304は、サーバ装置20から取得した応答(検索結果)を検索結果出力部305に引き渡す。
【0129】
検索結果出力部305は、サーバ装置20から取得した応答(候補者の氏名、顔画像、位置情報、滞在時間等)を用いて、例えば、図21に示すような画面をディスプレイに表示する。図21では、図7を用いて説明したように、候補者(面会希望者)の滞在時間に応じてマーカの色が変更されている。
【0130】
候補者が不在であれば、検索結果出力部305は、図22に示すような表示を行い、不在者を明示する。認証端末10は、面会希望者が不在の場合には、面会希望者が不在であることを表示する。
【0131】
以上のように、第2の実施形態に係るサーバ装置20は、利用者情報データベースを参照して、検索要求に含まれる訪問者の利用者IDから候補者を特定する。サーバ装置20は、入場者管理データベースに記憶された入場者のうち候補者に対応する入場者の滞在時間を算出し、位置情報等と共に認証端末10に送信する。即ち、第2の実施形態では、訪問者は、面会希望者の氏名等を入力する必要はなく、簡単な操作で面会希望者の位置と滞在時間を知ることができる。
【0132】
[第3の実施形態]
続いて、第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0133】
第3の実施形態では、第1及び第2の実施形態の組み合わせについて説明する。第3の実施形態では、訪問者が指定した面会希望者の位置を検索する場合(第1の実施形態)と訪問者が事前に登録した面会希望者の位置を検索する場合(第2の実施形態)を組み合わせる場合について説明する。
【0134】
なお、第3の実施形態に係る入退場管理システムの構成は第1及び第2の実施形態と同一とすることができるので図2に相当する説明を省略する。また、第3の実施形態に係る認証端末10やサーバ装置20の処理構成も第1及び第3の実施形態と同一とすることができるので、その説明を省略する。以下、第1乃至第3の実施形態の相違点を中心に説明する。
【0135】
第3の実施形態に係る認証端末10の検索要求部304は、図23に示すようなGUIにより訪問者が希望する検索方法を取得する。訪問者が事前に登録した利用者の検索を希望する場合、第3の実施形態に係る入退場管理システムの動作は第2の実施形態に係る入退場管理システムの動作と同一とすることができるのでその説明を省略する。
【0136】
検索要求部304は、訪問者が面会希望者を指定した場合に、当該面会希望者を特定する情報(面会希望者情報;氏名等)と認証成功者(訪問者)の利用者IDを含む検索要求をサーバ装置20に送信する。
【0137】
検索要求処理部205は、第1の実施形態と同様に、当該要求を処理する。また、検索要求処理部205は、検索要求に含まれる訪問者の利用者IDをキーとして利用者情報データベースを検索し、対応するエントリを特定する。検索要求処理部205は、特定したエントリの候補者フィールドに検索要求に含まれる面会希望者情報(面会が要望されている人物の氏名等)を記憶する。即ち、検索要求処理部205は、訪問者が検索を指示した利用者を第2の実施形態にて説明した「事前登録者」として扱い、利用者情報データベースに登録する。
【0138】
事前登録された利用者(面会希望者の候補者)の位置を検索することが要望された場合、検索要求処理部205は、上記利用者情報データベースを検索対象とすることで、事前登録された人物だけでなく、過去の位置検索により指定された人物も含む位置検索を可能とする。
【0139】
以上のように、第3の実施形態に係る、サーバ装置20は、検索要求に面会希望者を特定する情報と訪問者の利用者IDが含まれる場合には、利用者情報データベースの訪問者に対応するエントリに面会希望者を特定する情報を候補者の情報として記憶する。その結果、利用者情報データベースが記憶する候補者が強化され、利用者の利便性を向上させることができる。
【0140】
続いて、入退場管理システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。図24は、サーバ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0141】
サーバ装置20は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、図24に例示する構成を備える。例えば、サーバ装置20は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信が可能となるように構成されている。
【0142】
但し、図24に示す構成は、サーバ装置20のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。サーバ装置20は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、サーバ装置20に含まれるプロセッサ311等の数も図24の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311がサーバ装置20に含まれていてもよい。
【0143】
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
【0144】
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
【0145】
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0146】
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
【0147】
サーバ装置20の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
【0148】
なお、認証端末10もサーバ装置20と同様に情報処理装置により構成可能であり、その基本的なハードウェア構成はサーバ装置20と相違する点はないので説明を省略する。例えば、認証端末10は、カメラ装置や液晶ディスプレイ等を備えていればよい。
【0149】
サーバ装置20は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることでサーバ装置20の機能が実現できる。また、サーバ装置20は、当該プログラムによりサーバ装置20の制御方法を実行する。
【0150】
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明した入退場管理システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
【0151】
上記実施形態では、サーバ装置20から認証端末10に面会希望者の氏名や顔画像を送信することを説明した。しかし、これらの情報に加え、又は、替えて、他の情報が認証端末10に送信されてもよい。例えば、面会希望者の状態(例えば、通常勤務中、会議中)が認証端末10に送信されてもよい。認証端末10は、面会希望者の状態も表示することで、訪問者が面会希望者を本当に訪ねるか否かの判断材料を提供する。
【0152】
サーバ装置20は、フロアーの入場者に関する情報を管理する他のサーバやデータベースと連携してもよい。例えば、サーバ装置20は、面会希望者の氏名や社員番号を上記他のサーバ等に送信し、面会希望者の予定情報を取得する。サーバ装置20は、当該取得した予定情報も認証端末10に送信してもよい。このような対応により、認証端末10、面会希望者が不在であれば、当該不在者の戻る時間や滞在先に関する表示を行うことができる。
【0153】
あるいは、図21図22に示すように、複数の面会希望者(不在者を含む面会希望者)の位置情報が表示される場合には、認証端末10は、訪問者が選択した面会希望者の予定情報を表示してもよい。例えば、図21の例では、訪問者が、面会希望者AA1の予定を知りたい場合には、当該面会希望者のマーカをクリックすることで対応する予定情報が表示される。このような対応により、訪問者は、面会希望者の予定を知ることができ、当該面会希望者を訪問するか否かに関する適切な判断が行える。例えば、面会希望者が直ぐに会議で不在となるような場合には、訪問者は、当該面会希望者との面会を控えるようになる。
【0154】
上記実施形態では、サーバ装置20は、各入場者に関するフリーアドレスフロアー内の滞在時間を計算する場合について説明した。しかし、サーバ装置20は、当該フロアーを細かく分割して管理し、小領域における滞在時間を計算してもよい。サーバ装置20は、入場者が小領域から外れて別の小領域に移動した場合、当該移動先の小領域の滞在時間を計算してもよい。即ち、サーバ装置20は、制限エリア(フリーアドレスフロアー)内で実質的に同じ場所に留まっている時間を各入場者の滞在時間として計算してもよい。
【0155】
システム利用者のプロフィール(利用者の属性値)はスキャナ等を用いて入力されてもよい。例えば、利用者は、自身の名刺の関する画像を、スキャナを用いてサーバ装置20に入力する。サーバ装置20は、取得した画像に対して光学文字認識(OCR;Optical Character Recognition)処理を実行する。サーバ装置20は、得られた情報に基づき利用者のプロフィールを決定してもよい。
【0156】
上記実施形態では、認証端末10からサーバ装置20に「顔画像」に係る生体情報が送信される場合について説明した。しかし、認証端末10等からサーバ装置20に「顔画像から生成された特徴量」に係る生体情報が送信されてもよい。サーバ装置20は、取得した特徴量(特徴ベクトル)を用いて利用者情報データベースに登録された特徴量との間で照合処理を実行してもよい。
【0157】
サーバ装置20は、面会希望者に対して訪問者の来訪を通知してもよい。具体的には、サーバ装置20は、認証端末10を介して訪問者からの面会希望者の氏名等を含む検索要求を取得した場合には、当該面会希望者に対して訪問者の存在を通知するメールを送信してもよい。
【0158】
上記実施形態では、認証端末10が、フリーアドレスフロアーへの入場を制御する場合について説明した。しかし、認証端末10の用途はフリーアドレスフロアーへの入場を制御する場合に制限されない。例えば、認証端末10はイベント会場や展示会等の入場を制限する用途に用いられてもよい。認証端末10は、フロアーに入場する際に2要素認証を行うような端末であってもよく、顔認証で決済するような端末(例えば、顔認証セルフレジ)であってもよい。
【0159】
上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0160】
上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
【0161】
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、企業等のフリーアドレスフロアーにて行われる入退場管理システムなどに好適に適用可能である。
【0162】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
制限エリアの入場者の位置情報及び入場日時を記憶する、入場者管理データベースと、
前記制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の検索要求を受信する、受信部と、
前記検索要求に従い、前記入場者管理データベースに記憶された入場者のうち前記面会希望者に対応する入場者の滞在時間を算出する、検索要求処理部と、
前記面会希望者の位置情報及び前記算出された滞在時間を前記認証端末に送信する、送信部と、
を備える、サーバ装置。
[付記2]
前記制限エリアに入場可能な複数の利用者それぞれの生体情報、利用者ID及各利用者を特定する情報を対応付けて記憶する、利用者情報データベースをさらに備え、
前記入場者管理データベースは、前記入場者の利用者ID、位置情報及び入場日時を対応付けて記憶し、
前記検索要求には、前記面会希望者を特定する情報が含まれ、
前記検索要求処理部は、前記利用者情報データベースを参照して、前記検索要求に含まれる前記面会希望者を特定する情報から対応する前記利用者IDを特定すると共に、
前記入場者管理データベースを参照して、前記特定された利用者IDから前記面会希望者に対応する入場者を特定する、付記1に記載のサーバ装置。
[付記3]
前記受信部は、前記認証端末から前記訪問者の生体情報を含む認証要求を受信し、
前記認証要求に含まれる生体情報と前記利用者情報データベースに記憶された生体情報を用いて前記訪問者の生体認証を行う、認証部をさらに備え、
前記送信部は、前記生体認証の結果を前記認証端末に送信する、付記2に記載のサーバ装置。
[付記4]
前記送信部は、前記訪問者の生体認証に成功した場合には、前記訪問者の利用者IDを含む認証結果を前記認証端末に送信する、付記3に記載のサーバ装置。
[付記5]
前記利用者情報データベースは、前記生体情報、利用者ID、前記各利用者を特定する情報に加え、各利用者の前記面会希望者に関する少なくとも1以上の候補者を記憶し、
前記受信部は、前記面会希望者を特定する情報を含まず、且つ、前記訪問者の利用者IDを含む前記検索要求を受信し、
前記検索要求処理部は、前記利用者情報データベースを参照して、前記検索要求に含まれる前記訪問者の利用者IDから前記候補者を特定すると共に、前記入場者管理データベースに記憶された入場者のうち前記候補者に対応する入場者の滞在時間を算出する、付記4に記載のサーバ装置。
[付記6]
前記検索要求処理部は、前記検索要求に前記面会希望者を特定する情報と前記訪問者の利用者IDが含まれる場合には、前記利用者情報データベースの前記訪問者に対応するエントリに前記面会希望者を特定する情報を前記候補者の情報として記憶する、付記5に記載のサーバ装置。
[付記7]
前記検索要求処理部は、前記面会希望者に対応する入場者の入場日時と現在時刻に基づき前記滞在時間を算出する、付記1乃至6のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記8]
前記生体情報は、顔画像又は前記顔画像から生成された特徴量である、付記2乃至6のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記9]
前記制限エリアを撮影する少なくとも1以上のカメラ装置から得られる画像を解析し、前記入場者の位置情報を算出する、算出部をさらに備える、付記1乃至8のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記10]
制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末と、
前記認証端末と接続されたサーバ装置と、
を含み、
前記サーバ装置は、
前記制限エリアの入場者の位置情報及び入場日時を記憶する、入場者管理データベースと、
前記認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の検索要求を受信する、受信部と、
前記検索要求に従い、前記入場者管理データベースに記憶された入場者のうち前記面会希望者に対応する入場者の滞在時間を算出する、検索要求処理部と、
前記面会希望者の位置情報及び前記算出された滞在時間を前記認証端末に送信する、送信部と、
を備える、入退場管理システム。
[付記11]
前記認証端末は、前記面会希望者の位置をマーカにより表示する際、前記滞在時間に応じて前記マーカの色彩又はデザインを変更する、付記10に記載の入退場管理システム。
[付記12]
前記検索要求処理部は、前記制限エリアに前記面会希望者が不在の場合には、前記面会希望者が不在であることを前記認証端末に通知し、
前記認証端末は、前記面会希望者が不在の場合には、前記面会希望者が不在であることを表示する、付記10又は11に記載の入退場管理システム。
[付記13]
制限エリアの入場者の位置情報及び入場日時を記憶する入場者管理データベースを備えるサーバ装置において、
前記制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の検索要求を受信し、
前記検索要求に従い、前記入場者管理データベースに記憶された入場者のうち前記面会希望者に対応する入場者の滞在時間を算出し、
前記面会希望者の位置情報及び前記算出された滞在時間を前記認証端末に送信する、サーバ装置の制御方法。
[付記14]
制限エリアの入場者の位置情報及び入場日時を記憶する入場者管理データベースを備えるサーバ装置に搭載されたコンピュータに、
前記制限エリアへの訪問者の入場を制御する認証端末から、前記訪問者が面会を希望する面会希望者の検索要求を受信する処理と、
前記検索要求に従い、前記入場者管理データベースに記憶された入場者のうち前記面会希望者に対応する入場者の滞在時間を算出する処理と、
前記面会希望者の位置情報及び前記算出された滞在時間を前記認証端末に送信する処理と、
を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0163】
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0164】
10 認証端末
20、100 サーバ装置
30 カメラ装置
40 ゲート
101 入場者管理データベース(DB;Data Base)
102 受信部
103、205 検索要求処理部
104 送信部
201、301 通信制御部
202 利用者登録部
203 認証部
204 利用者管理部
206、306 記憶部
211 利用者情報取得部
212 ID生成部
213 特徴量生成部
214 エントリ管理部
302 顔画像取得部
303 認証要求部
304 検索要求部
305 検索結果出力部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス
M1、M2、M3 マーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24