(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109915
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】樹脂付着の不良検出
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20240806BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20240806BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240806BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240806BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240806BHJP
【FI】
B29C64/393
B29C64/106
B33Y10/00
B33Y50/02
B33Y30/00
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024087129
(22)【出願日】2024-05-29
(62)【分割の表示】P 2022531007の分割
【原出願日】2020-11-20
(31)【優先権主張番号】62/941,183
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/951,543
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521440998
【氏名又は名称】ビーダブリューエックスティ・アドバンスト・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BWXT Advanced Technologies LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】キッチン,ライアン スコット
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ベンジャミン ディ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】付加製造プロセスを使用して部品を製造する場合にスラリー付着および硬化を検出するための装置および方法を提供する。
【解決手段】付加製造製品の監視製造方法は、層ごとに、堆積プロセスから、層の堆積後にスラリー層に残ったパターンの空隙画像、および堆積直後の層を新たなスラリー層に浸漬することによって形成された位置ずれ画像を含む画像を収集する。空隙画像および位置ずれ画像の画像特性が補正され、次いで、コンピュータ生成モデルからの二元予想画像と比較されて、層ごとに堆積直後の層の欠陥が特定される。追加の方法は、比較からの出力を使用して、付加製造製品の少なくとも一部に対応する3Dモデルを形成する。デジタルモデルデータに基づいて付加製造動作を制御し、製造上の欠陥に対して連続層をその場で監視するための構成要素は、コンピュータ制御付加製造機などのコンピュータシステムまたはコンピュータ支援機で具現化できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造製品の製造をその場で監視する方法であって、
第一堆積ステップにおいて前記付加製造製品の第一部分を形成するステップであって、前記付加製造製品は、付加製造機の構築ステージに取り付けられる、形成することと、
付加製造のためのスラリーの第一体積部を前記付加製造機の構築ゾーンに供給することと、
前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の第一画像を取込むことであって、前記第一画像において、前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部は供給されたままの状態にあり、前記付加製造機の前記構築ステージに向かって配向された上面と前記付加製造機の硬化性放射線源に向かって配向された底面との間の厚さを有する、取込むことと、
前記付加製造製品を前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部に浸漬することであって、第一浸漬位置において、前記付加製造製品の前記第一部分は、前記第一スラリー体積部の前記上面から第一層深さ(DLn)にあり、前記第一層深さ(DLn)は、前記供給されたままの状態の前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の前記厚さよりも薄い、浸漬することと、
堆積表面と前記第一スラリー体積部の前記底面との間に位置する前記第一スラリー体積部の少なくとも第一部分から前記第一部分の前記堆積表面上に第一層(Ln)を形成することであって、前記堆積表面と前記第一スラリー体積部の前記底面との間の距離が、前記第一層(Ln)の層厚(TLn)を画定する、形成することと、
前記付加製造製品を前記第一スラリー体積部から後退させることであって、第一後退位置において、前記第一層(Ln)は、前記第一スラリー体積部の前記上面を含み、前記構築ゾーンに亘る平面から離間している、後退させることと、
前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の第二画像を取込むことであって、前記第二画像では、前記付加製造製品は前記第一後退位置にあり、前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部は、前記第一スラリー体積部内に1つまたは複数の空隙を含む層形成後状態にある、取込むことと、
付加製造のためのスラリーの第二体積部を前記付加製造機の前記構築ゾーンに供給することと、
前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の第一画像を取込むことであって、前記第二画像において、前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部は供給されたままの状態にあり、前記付加製造機の前記構築ステージに向かって配向された上面と前記付加製造機の硬化性放射線源に向かって配向された底面との間の厚さを有する、取込むことと、
前記付加製造製品を前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部に浸漬することであって、第二浸漬位置において、第二層(Ln+1)が堆積されることになる前記第一層(Ln)の表面が、前記第二スラリー体積部の前記上面から第二層深さ(DLn+1)にあり、前記第二層深さ(DLn+1)が、前記供給されたままの状態の前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の前記厚さよりも薄い、浸漬することと、
前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の第二画像を取込むことであって、前記第二画像において、前記付加製造製品は前記第二浸漬位置にあり、前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部は、供給されたままの状態の前記第二スラリー体積部に対して、減少した第二スラリーの体積部を含む事前層形成状態にある、取込むことと、
補正された空隙画像を形成するために、前記第一スラリー体積部の前記第一画像に基づいて前記第一スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正することと、
補正された位置ずれ画像を形成するために、前記第二スラリー体積部の前記第一画像に基づいて前記第二スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正することと、および
(a)前記補正された空隙画像をコンピュータ生成モデルからの二元予想画像と、(b)前記補正された位置ずれ画像を前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と比較することであって、前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像は、前記第一層(Ln)に対応する前記付加製造製品内の層のものである、比較することと、および
前記比較するステップに基づいて、前記付加製造製品における欠陥の有無を特定することと、を含む、方法。
【請求項2】
(a)コンピュータ生成モデルからの前記補正された空隙画像と前記二元予想画像、および(b)前記コンピュータ生成モデルに基づく前記補正された位置ずれ画像と前記二元予想画像とを比較することに基づいて比較画像を作成することと、
前記付加製造製品の少なくとも一部に対応する3Dモデルを形成するために複数の比較画像を組み立てることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記欠陥を特定することが、前記付加製造製品内の前記欠陥の位置を特定することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記位置が、前記付加製造製品内の構築層および前記構築層内の位置によって特定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
(a)前記補正された空隙画像を前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と、(b)前記補正された位置ずれ画像を前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と比較することが、ピクセルレベルの比較である、請求項1から4の一項に記載の方法。
【請求項6】
前記二元予想画像は、1つまたは複数の連続領域を含み、前記補正された空隙画像を前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて、前記補正された空隙画像内の被覆率を定量化する、請求項1から4の一項に記載の方法。
【請求項7】
欠陥がないことは、前記補正された空隙画像の前記連続領域に対応する前記付加製造製品の部分における閾値空隙画像値を超える被覆率によって示される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記二元予想画像は1つまたは複数の連続領域を含み、前記補正された位置ずれ画像を前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて前記補正された位置ずれ画像内の被覆率を定量化する、請求項1から7の一項に記載の方法。
【請求項9】
欠陥がないことは、前記補正された位置ずれ画像の前記連続領域に対応する前記付加製造製品の部分における閾値位置ずれ画像値を超える被覆率によって示される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記二元予想画像は1つまたは複数の連続領域を含み、
前記補正された空隙画像を前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて、前記補正された空隙画像内の第一被覆率を定量化し、
前記補正された位置ずれ画像を前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて、前記補正された位置ずれ画像内の第二被覆率を定量化する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記付加製造製品の同じ部分に対応する前記補正された空隙画像の前記連続領域および前記補正された位置ずれ画像の前記連続領域について、前記付加製造製品の前記部分に欠陥がないことが、閾値空隙画像値を上回る前記第一被覆率および閾値位置ずれ画像値を下回る前記第二被覆率によって示される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記付加製造製品の同じ部分に対応する前記補正された空隙画像の前記連続領域および前記補正された位置ずれ画像の前記連続領域について、前記付加製造製品の前記部分における欠陥の存在が、閾値空隙画像値を下回る前記第一被覆率および閾値位置ずれ画像値を上回る前記第二被覆率によって示される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記欠陥が、前記第一スラリー体積部からの材料が前記付加製造製品に接着していない接着欠陥を含む、請求項1から12の一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第一スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正する前に、前記第一スラリー体積部の前記第一画像および前記第一スラリー体積部の前記第二画像が遠近法およびオフセットについて補正される、請求項1から13の一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第二スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正する前に、前記第二スラリー体積部の前記第一画像および前記第二スラリー体積部の前記第二画像が遠近法およびオフセットについて補正される、請求項1から14の一項に記載の方法。
【請求項16】
前記付加製造機は、
輸送フィルムであって、前記輸送フィルムの第一面が付加製造用の前記スラリーを支持し、前記スラリーを前記構築ゾーンに出し入れする、輸送フィルムと、
前記輸送フィルムを通って、前記構築ゾーンに配置された付加製造用の前記スラリーの前記層に硬化性放射線を投射するように配置された硬化性放射線源と、
前記構築ゾーンに配置された付加製造用の前記スラリーの前記層に可視光を投射するように配置された照明源と、
前記輸送フィルムを通して見た前記構築ゾーンを含む視野を有するように配置された画像取込装置と
を備える、請求項1から15の一項に記載の方法。
【請求項17】
プロセスによって実行するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、
第一堆積ステップにおいて前記付加製造製品の第一部分を形成するステップであって、前記付加製造製品は、付加製造機の構築ステージに取り付けられる、形成するステップ、
付加製造のためのスラリーの第一体積部を付加製造機の構築ゾーンに供給するステップ、
前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の第一画像を取込むステップであって、前記第一画像において、前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部は供給されたままの状態にあり、前記付加製造機の前記構築ステージに向かって配向された上面と前記付加製造機の硬化性放射線源に向かって配向された底面との間の厚さを有する、取込むステップ、
前記付加製造製品を前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部に浸漬するステップであって、第一浸漬位置において、前記付加製造製品の前記第一部分は、前記第一スラリー体積部の前記上面から第一層深さ(DLn)にあり、前記第一層深さ(DLn)は、前記供給されたままの状態の前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の前記厚さよりも薄い、浸漬するステップ、
堆積表面と前記第一スラリー体積部の前記底面との間に位置する前記第一スラリー体積部の少なくとも第一部分から前記第一部分の前記堆積表面上に第一層(Ln)を形成するステップであって、前記堆積表面と前記第一スラリー体積部の前記底面との間の距離が、前記第一層(Ln)の層厚(TLn)を画定する、形成するステップ、
前記付加製造製品を前記第一スラリー体積部から後退させるステップであって、第一後退位置において、前記第一層(Ln)は、前記第一スラリー体積部の前記上面を含み、前記構築ゾーンに亘る平面から離間している、後退させるステップ、
前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の第二画像を取込むステップであって、前記第二画像では、前記付加製造製品は前記第一後退位置にあり、前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部は、前記第一スラリー体積部内に1つまたは複数の空隙を含む層形成後状態にある、取込むステップ、
付加製造のためのスラリーの第二体積部を前記付加製造機の構築ゾーンに供給するステップ、
前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の第一画像を取込むステップであって、前記第二画像において、前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部は供給されたままの状態にあり、前記付加製造機の前記構築ステージに向かって配向された上面と前記付加製造機の硬化性放射線源に向かって配向された底面との間の厚さを有する、取込むステップ、
前記付加製造製品を前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部に浸漬するステップであって、第二浸漬位置において、第二層(Ln+1)が堆積されることになる前記第一層(Ln)の表面が、前記第二スラリー体積部の前記上面から第二層深さ(DLn+1)にあり、前記第二層深さ(DLn+1)が、前記供給されたままの状態の前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の前記厚さよりも薄い、浸漬するステップ、
前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の第二画像を取込むステップであって、前記第二画像において、前記付加製造製品は前記第二浸漬位置にあり、前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部は、供給されたままの状態の前記第二スラリー体積部に対して、減少した第二スラリーの体積部を含む事前層形成状態にある、取込むステップ、
補正された空隙画像を形成するために、前記第一スラリー体積部の前記第一画像に基づいて前記第一スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正するステップ、
補正された位置ずれ画像を形成するために、前記第二スラリー体積部の前記第一画像に基づいて前記第二スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正するステップ、および
(a)前記補正された空隙画像をコンピュータ生成モデルからの二元予想画像と、(b)前記補正された位置ずれ画像を前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と比較するステップであって、前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像は、前記第一層(Ln)に対応する前記付加製造製品内の層のものである、比較するステップ、および
前記比較するステップに基づいて、前記付加製造製品における欠陥の有無を特定するステップ、を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
付加製造製品の製造をその場で監視する方法であって、
付加製造機の構築ゾーン内の第一体積部のスラリー中の付加製造用のスラリーの第一ベースライン画像を取得することと、
付加製造プロセスによって前記付加製造製品の層を形成することと、
空隙検出技術を使用して前記層内の1つまたは複数の欠陥を検出することと、
前記付加製造機の前記構築ゾーン内のスラリーの第二体積部におけるスラリーの第二ベースライン画像を取得することと、
位置ずれ検出技術を使用して前記層内の1つまたは複数の欠陥を検出することと、および
前記空隙検出技術および前記位置ずれ検出技術の出力を解析することにより、前記付加製造製品の製造上の欠陥の有無を特定することと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記空隙検出技術は、
付加製造プロセスによって前記付加製造製品の前記層を形成した後、付加製造製品を前記スラリーの第一体積部から第一後退位置に後退させることであって、前記第一後退位置では、前記最後に形成された層は、前記スラリーの第一体積部の上面を含み、前記構築ゾーンに亘る平面から離間している、後退させることと、および
前記構築ゾーン内の前記スラリーの第一体積部の空隙画像を取込むことであって、前記空隙画像において、前記付加製造製品は前記第一後退位置にあり、前記構築ゾーン内のスラリーの前記第一体積部は、前記スラリーの第一体積部において1つまたは複数の空隙を含む層形成後状態にある、取込むことと、を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記位置ずれ検出技術は、
前記付加製造製品を前記構築ゾーン内の前記第二体積部のスラリーに浸漬することであって、第二浸漬位置において、前記最後に形成された層の表面は、前記第二スラリー体積部の前記上面から層深さにあり、前記層深さは、供給されたままの状態の前記構築ゾーン内の前記スラリーの第二体積部の厚さよりも薄い、浸漬することと、および
前記構築ゾーン内の前記スラリーの第二体積部の位置ずれ画像を取込むことであって、前記位置ずれ画像において、前記付加製造製品は前記第二浸漬位置にあり、前記構築ゾーン内の前記スラリーの第二体積部は、供給されたままの状態の前記スラリーの第二体積部に対して、減少したスラリーの体積部を含む事前層形成状態にある、取込むことと、を含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記空隙検出技術および前記位置ずれ検出技術の前記出力を分析することが、前記空隙画像から形成された二元空隙画像、前記位置ずれ画像から形成された二元位置ずれ画像、ならびに前記二元空隙画像および前記二元位置ずれ画像に対応する前記層に関連する二元予想画像のピクセルレベルの比較を含む、請求項18から20の一項に記載の方法。
【請求項22】
前記二元予想画像は、1つまたは複数の連続領域を含み、前記二元空隙画像を前記二元予想画像と比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて、前記二元空隙画像内の被覆率を定量化する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
製造上の欠陥がないことは、前記二元空隙画像の前記連続領域に対応する前記付加製造製品の一部における閾値空隙画像値を超える被覆率によって示される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記二元予想画像は、1つまたは複数の連続領域を含み、前記二元位置ずれ画像と前記二元予想画像との比較は、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて、前記補正された位置ずれ画像の被覆率を定量化する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
製造上の欠陥がないことは、前記二元位置ずれ画像の前記連続領域に対応する前記付加製造製品の部分における閾値位置ずれ画像値を超える被覆率によって示される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記二元予想画像は、1つまたは複数の連続領域を含み、
前記二元空隙画像を前記二元予想画像と比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて、前記二元空隙画像内の第一被覆率を定量化し、
前記二元位置ずれ画像を前記二元予想画像と比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて、前記二元位置ずれ画像内の第二被覆率を定量化することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記付加製造製品の同じ部分に対応する前記二元空隙画像の前記連続領域および前記二元位置ずれ画像の前記連続領域について、前記付加製造製品の前記部分に製造上の欠陥がないことは、閾値空隙画像値を上回る前記第一被覆率、閾値位置ずれ画像値を下回る前記第二被覆率によって示される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記付加製造製品の同じ部分に対応する前記二元空隙画像の前記連続領域および前記二元位置ずれ画像の前記連続領域について、前記付加製造製品の前記部分における製造上の欠陥の存在が、閾値空隙画像値を下回る前記第一被覆率および閾値位置ずれ画像値を上回る前記第二被覆率によって示される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記製造上の欠陥は、前記スラリーの第一体積部からの材料が前記付加製造製品に接着していない接着欠陥を含む、請求項18から28の一項に記載の方法。
【請求項30】
前記付加製造機は、
輸送フィルムであって、前記輸送フィルムの第一面が付加製造用の前記スラリーを支持し、前記スラリーを前記構築ゾーンに出し入れする、輸送フィルムと、
前記輸送フィルムを通って前記構築ゾーンに位置する前記スラリーに硬化性放射線を投射するように配置された硬化性放射線源と、
前記構築ゾーン内の前記スラリーに可視光を投射するように配置された照明源と、
前記輸送フィルムを通して見た前記構築ゾーンを含む視野を有するように配置された画像取込装置と
を備える、請求項18から29の一項に記載の方法。
【請求項31】
プロセスによって実行するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、
付加製造機の構築ゾーン内のスラリーの第一体積部における付加製造用のスラリーの第一ベースライン画像を取得するステップ、
付加製造プロセスによって前記付加製造製品の層を形成するステップ、
空隙検出技術を使用して前記層内の1つまたは複数の欠陥を検出するステップ、
前記付加製造機の前記構築ゾーン内のスラリーの第二体積部における前記スラリーの第二ベースライン画像を取得するステップ、
位置ずれ検出技術を使用して前記層内の1つまたは複数の欠陥を検出するステップ、および
前記空隙検出技術および前記位置ずれ検出技術の出力を解析することにより、前記付加製造製品の製造上の欠陥の有無を特定するステップ、を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、硬化性樹脂またはセラミック組成物などのスラリーからの部品の製造、およびスラリーを使用して製造された部品の製造上の欠陥の検出に関する。特に、付加製造プロセスを使用して核分裂反応器に関連する部品を製造する場合など、付加製造プロセスを使用して部品を製造する場合にスラリー付着および硬化を検出するための装置および方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
以下の説明で、特定の構造および/または方法を参照する。しかし、以下の参考文献は、それらの構造および/または方法が先行技術を構成することを承認するものとして解釈されるべきではない。出願人は、そのような構造および/または方法が本発明に対する先行技術としての資格がないことを実証する権利を明確に留保する。
【0003】
3Dプリンタは、コンピュータ入力設計に基づいて様々な構成要素を製造する柔軟性を与える。しかし、3Dプリンタを使用する製造方法は、様々な要因によって引き起こされる接着不良剥離に悩まされる。これらの要因には、不十分なUV露光などの不十分な硬化、硬化材料の体積部が接着する製造された製品の既存の部分を有しない場合などの支持構造の欠如、または不適切な硬化または不十分な機械的特性に寄与する不適切な樹脂の配合が含まれる。各要因が、付加製造された材料をベース部品に接着できないようにする可能性がある。そのような不具合は、製造された部品が製品の仕様を満たさないことに至らしめる可能性がある。
【0004】
製造された部品の検査は困難であり得る。例えば、直接画像化によって、製造されたままの形状を検出および検証することは、構成材料の光学特性に対し、製造された材料の光学特性が、まさに均一であるため、実用的ではないことが多い。別の例で、製造されたままの製品は、現場以外または構築後の測定、特に光学ベースの測定を使用して、容易または正確に検出することができない複雑な内部の形状を含む形状を有することがある。
【0005】
さらに、接着不良などの製造上の欠陥が特定されると、そのような製造上の欠陥を修復することができる既知の技術がない。
【発明の概要】
【0006】
上記を考慮すると、樹脂ベースの製造された部品の製造中に品質管理を実行するための装置および方法を有することが有利であろう。樹脂接着などの樹脂構築品質の検出と、樹脂剥離などの硬化欠陥の検出の両方が、部品の製造を改善する。付加製造に加えて、また付加製造に関連して、その場での測定および印刷の検証は、複雑な形状および構造に対して品質管理を実行し、任意選択的に、接着不良などの製造上の欠陥を修復するための手段を提供することができる。
【0007】
一般に、本開示は、構成要素、特に核分裂反応器構造の構成要素を製造するための付加製造方法に関する。例示的な実施形態では、付加製造方法は堆積/硬化技術に基づいており、これらの技術は、例えば、3Dモデル、またはコンピュータ支援設計(CAD)モデル、付加製造ファイル(AMF)ファイル、またはステレオリソグラフィ輪郭(SLC)ファイル(通常は連続層)などの別の電子データソースからのデジタルモデルデータを使用して、ほぼ任意の形状または幾何学的形状の物体を製造するために使用することができる。液体系材料、例えばスラリーの硬化は、異なる技術を使用することができ、その各々は、製造された物体を構築するために層ごとの手法で液体系材料を固化または形成する。例としては、(関連する光反応性または化学反応性材料を有する)様々な光または化学ベースの硬化プロセスを利用するステレオリソグラフィ(SL)が挙げられる。例示的な実施形態では、付加製造製品の製造をその場で監視する方法を付加製造方法に組み込むことができる。その場の監視の方法は、構成要素の層の製造中および製造後のスラリーの画像を比較し、それらの画像の領域を、対応する層のデジタルモデルデータから導出された対応する画像と比較する。この比較に基づいて、閾値の基準を適用することによって、スラリー体積部からの材料が堆積表面に付着していない付着欠陥、層間剥離、または硬化不良などの製造上の欠陥の有無が判定される。製造上の欠陥は、例えば、スラリー体積部からの材料が堆積表面に十分に付着していない付着不良を含むことができる。付着不良は、典型的には、材料が印刷された部品よりも強く輸送フィルムの表面に付着し、部品が持ち上げられると表面を破壊することによって引き起こされる。他の製造上の欠陥には、例えば、露光不足または化学的問題のために樹脂が硬化しなかった(固化しなかった)硬化不良、および剥離が含まれ得る。比較は、製造された構成要素の連続的に製造された層で繰り返し行われる。
【0008】
本明細書に開示される実施形態は、付加製造製品の製造をその場で監視する方法を含む。
【0009】
第一実施形態では、付加製造製品の製造をその場で監視する方法は、付加製造機の構築ゾーン内の第一体積部のスラリー中の付加製造用のスラリーの第一ベースライン画像を取得することと、付加製造プロセスによって付加製造製品の層を形成することと、空隙検出技術を使用して層内の1つまたは複数の欠陥を検出することと、付加製造機の構築ゾーン内のスラリーの第二体積部におけるスラリーの第二ベースライン画像を取得することと、位置ずれ検出技術を使用して層内の1つまたは複数の欠陥を検出することと、および空隙検出技術および位置ずれ検出技術の出力を解析することにより、付加製造製品の製造上の欠陥の有無を特定することと、を含む。例示的な実施形態では、空隙検出技術は、空隙検出技術は、付加製造プロセスによって付加製造製品の層を形成した後、付加製造製品をスラリーの第一体積部から第一後退位置に後退させることであって、第一後退位置では、最後に形成された層は、スラリーの第一体積部の上面を含み、構築ゾーンに亘る平面から離間している、後退させることと、および構築ゾーン内のスラリーの第一体積部の空隙画像を取込むことであって、空隙画像において、付加製造製品は第一後退位置にあり、構築ゾーン内のスラリーの第一体積部は、スラリーの第一体積部において1つまたは複数の空隙を含む層形成後状態にある、取込むことと、を含む。例示的な実施形態では、位置ずれ検出技術は、付加製造製品を構築ゾーン内の第二体積部のスラリーに浸漬することであって、第二浸漬位置において、最後に形成された層の表面は、第二スラリー体積部の上面から層深さにあり、層深さは、供給されたままの状態の構築ゾーン内のスラリーの第二体積部の厚さよりも薄い、浸漬することと、および構築ゾーン内のスラリーの第二体積部の位置ずれ画像を取込むことであって、位置ずれ画像において、付加製造製品は第二浸漬位置にあり、構築ゾーン内のスラリーの第二体積部は、供給されたままの状態のスラリーの第二体積部に対して、減少したスラリーの体積部を含む事前層形成状態にある、取込むことと、を含む。
【0010】
第2の実施形態では、付加製造製品の製造をその場で監視する方法は、
第一堆積ステップにおいて付加製造製品の第一部分を形成することであって、付加製造製品は、付加製造機の構築ステージに取り付けられる、形成することと、
付加製造のためのスラリーの第一体積部を付加製造機の構築ゾーンに供給することと、
構築ゾーン内の第一スラリー体積部の第一画像を取込むことであって、第一画像において、構築ゾーン内の第一スラリー体積部は供給されたままの状態にあり、付加製造機の構築ステージに向かって配向された上面と付加製造機の硬化性放射線源に向かって配向された底面との間の厚さを有する、取込むことと、
付加製造製品を構築ゾーン内の第一スラリー体積部に浸漬することであって、第一浸漬位置において、付加製造製品の第一部分は、第一スラリー体積部の上面から第一層深さ(DLn)にあり、第一層深さ(DLn)は、供給されたままの状態の構築ゾーン内の第一スラリー体積部の厚さよりも薄い、浸漬することと、
堆積表面と第一スラリー体積部の底面との間に位置する第一スラリー体積部の少なくとも第一部分から第一部分の堆積表面上に第一層(Ln)を形成することであって、堆積表面と第一スラリー体積部の底面との間の距離が、第一層(Ln)の層厚(TLn)を画定する、形成することと、
付加製造製品を第一スラリー体積部から後退させることであって、第一後退位置において、第一層(Ln)は、第一スラリー体積部の上面を含み、構築ゾーンに亘る平面から離間している、後退させることと、
構築ゾーン内の第一スラリー体積部の第二画像を取込むことであって、第二画像では、付加製造製品は第一後退位置にあり、構築ゾーン内の第一スラリー体積部は、第一スラリー体積部内に1つまたは複数の空隙を含む層形成後状態にある、取込むことと、
付加製造のためのスラリーの第二体積部を付加製造機の構築ゾーンに供給することと、
構築ゾーン内の第二スラリー体積部の第一画像を取込むことであって、第二画像において、構築ゾーン内の第二スラリー体積部は供給されたままの状態にあり、付加製造機の構築ステージに向かって配向された上面と付加製造機の硬化性放射線源に向かって配向された底面との間の厚さを有する、取込むことと、
付加製造製品を構築ゾーン内の第二スラリー体積部に浸漬することであって、第二浸漬位置において、第二層(Ln+1)が堆積されることになる第一層(Ln)の表面が、第二スラリー体積部の上面から第二層深さ(DLn+1)にあり、第二層深さ(DLn+1)が、供給されたままの状態の構築ゾーン内の第二スラリー体積部の厚さよりも薄い、浸漬することと、
構築ゾーン内の第二スラリー体積部の第二画像を取込むことであって、第二画像において、付加製造製品は第二浸漬位置にあり、構築ゾーン内の第二スラリー体積部は、供給されたままの状態の第二スラリー体積部に対して、減少した第二スラリーの体積部を含む事前層形成状態にある、取込むことと、
補正された空隙画像を形成するために、第一スラリー体積部の第一画像に基づいて第一スラリー体積部の第二画像の画像特性を補正することと、
補正された位置ずれ画像を形成するために、第二スラリー体積部の第一画像に基づいて第二スラリー体積部の第二画像の画像特性を補正することと、および
(a)補正された空隙画像をコンピュータ生成モデルからの二元予想画像と、(b)補正された位置ずれ画像をコンピュータ生成モデルからの二元予想画像と比較することであって、コンピュータ生成モデルからの二元予想画像は、第一層(Ln)に対応する付加製造製品内の層のものである、比較することと、および
比較するステップに基づいて、付加製造製品における欠陥の有無を特定することと、を含む。
【0011】
開示された方法は、プロセスによって実行するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体内の命令として具現化することができる。
【0012】
開示された方法は、異なるタイプの付加製造方法に適用可能である。例えば、本明細書に開示される空隙検出技術および位置ずれ検出技術の両方は、スラリーのための輸送システムを使用する付加製造方法に適用可能である。また、例えば、本明細書に開示される位置ずれ検出技術は、スラリーのためにバット方式の堆積システムを使用するか、またはレーザ硬化性放射線、例えばSLAおよびDLPバット方式の堆積システムを使用する付加製造方法に適用可能である。
【0013】
開示された方法は、その場での反復的な欠陥検出を可能にし、それにより、例えば、構成要素の製造を停止し、必要に応じて部品を廃棄することができるという点で、製造における効率(時間および材料)が得られる。さらに、製造された1つの層で検出された欠陥は、後続の層の製造プロセスにおける調整によって、補い、正し、または「直す」ことができる(また、そのような修復は、構成要素の製造をさらに進める前に、その場で確認することができる)。
【0014】
前述の概要、ならびに実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むと、よりよく理解することができる。図示の実施形態は、図示の厳密な配置や手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】いくつかの実施形態による付加製造機の概略的なブロック図である。
【
図2A】
図1に示す付加製造機の様々なサブユニットの概略的なブロック図である。
【
図2B】
図1に示す付加製造機の様々なサブユニットの概略的なブロック図である。
【
図2C】
図1に示す付加製造機の様々なサブユニットの概略的なブロック図である。
【
図2D】
図1に示す付加製造機の様々なサブユニットの概略的なブロック図である。
【
図2E】
図1に示す付加製造機の様々なサブユニットの概略的なブロック図である。
【
図3A】付加製造機の輸送フィルムへのスラリーの供給を概略的に示す。
【
図3B】供給されたままの状態の輸送フィルム上の液体系スラリー材料の層の、輸送フィルムの下から見た、対応する例示的な画像である。
【
図4A】付加製造機の構築ステージを、構築ステージが液体系スラリー材料の体積部に浸漬される浸漬位置に、平行移動させることを、概略的に示す。
【
図4B】浸漬位置に構築ステージを有する輸送フィルム上の液体系スラリー材料の層の、輸送フィルムの下から見た、対応する例示的な画像である。
【
図5A】付加製造機の構築ステージを、浸漬位置から、構築ステージが液体系スラリー材料の体積部から除去される後退位置に平行移動させることを、概略的に示す。
【
図5B】後退位置に構築ステージを有する輸送フィルム上の液体系スラリー材料の層の、輸送フィルムの下から見て、またスラリー層に残る空隙を示している、対応する例示的な画像である。
【
図5C】
図5Bの画像の一部に対応する拡大および透視補正された画像である。
【
図6】複数のトンボが、画像取込装置の視野の内部に配置されることを示す画像である。
【
図7A】付加製造機の輸送フィルムへのスラリーの新鮮な層の供給を概略的に示す。
【
図7B】供給されたままの状態の輸送フィルム上の液体系スラリー材料の層の、輸送フィルムの下から見た、対応する例示的な画像である。
【
図7C】
図7Bの画像の一部に対応する拡大および透視補正された画像である。
【
図8A】付加製造機の構築ステージを、後退位置から、構築ステージが液体系スラリー材料の体積部から浸漬される浸漬位置に平行移動させることを、概略的に示す。
【
図8B】後退位置に構築ステージを有する輸送フィルム上の液体系スラリー材料の層の、輸送フィルムの下から見て、またスラリー層における位置ずれを示している、対応する例示的な画像である。
【
図8C】
図8Bの画像の一部に対応する拡大および透視補正された画像である。
【
図9】浸漬位置に対するスラリー体積部内に浸漬された付加製造製品を示す概略的な側面の断面図である。
【
図10A】付加製造製品の製造における後続のステップを概略的に示す。
【
図10B】最新の付加製造堆積プロセスから生じる空隙のパターンを示す、輸送フィルム上の液体系スラリー材料の層の、輸送フィルムの下から見た、対応する例示的な画像である。
【
図11A】付加製造製品を製造する方法の一実施形態におけるステップ、および付加製造製品のその場の監視製造を示す流れ図である。
【
図11B】付加製造製品を製造する方法の一実施形態におけるステップ、および付加製造製品のその場の監視製造を示す流れ図である。
【
図11C】付加製造製品を製造する方法の一実施形態におけるステップ、および付加製造製品のその場の監視製造を示す流れ図である。
【
図11D】付加製造製品を製造する方法の一実施形態におけるステップ、および付加製造製品のその場の監視製造を示す流れ図である。
【
図11E】付加製造製品を製造する方法の一実施形態におけるステップ、および付加製造製品のその場の監視製造を示す流れ図である。
【
図11F】付加製造製品を製造する方法の一実施形態におけるステップ、および付加製造製品のその場の監視製造を示す流れ図である。
【
図12】補正された空隙画像を形成するプロセスの異なる段階から得た例示的な画像である。
【
図13】補正された位置ずれ画像を形成するプロセスの異なる段階から得た例示的な画像である。画像である。
【
図14】閾値処理プロセスの態様を示す画像である。
【
図14E】動的閾値処理プロセス中の定数C
LowerおよびC
Higherの選択に使用されるピクセル値の頻度の図表の一例である。
【
図15】空隙画像に対する動的閾値処理の効果を示す画像である。
【
図16】位置ずれ画像に対する動的閾値処理の効果を示す画像である。
【
図17】比較プロセスで使用される例示的な画像であり、それぞれ、二元空隙画像、二元位置ずれ画像、二元予想画像、および結果として得られる比較画像を含む。
【
図18】比較画像の例示的な集合および比較画像の組み立てられた3Dレンダリングである。
【
図19】
図18(b)の組み立てられた3Dレンダリングに対応する付加製造プロトタイプサンプルの写真である。
【
図20A】空隙の周囲内の複数の残留スラリーを示す拡大版の補正された空隙画像である。
【
図20B】真の細孔を含む3D欠陥モデルの一例を示す画像である。
【
図21】いくつかの実施形態による付加製造機(AMM)コントローラを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
見やすさのため、いくつかの例で、図での名称付きの特徴の一部のみを、参照番号で分類させている。
【0017】
図1は、いくつかの実施形態による付加製造機100の概略的なブロック図である。付加製造機100は、付加製造製品を製造するために付加製造機100を動作させるように通信可能に結合されたいくつかのサブユニット(「構成要素」とも呼ばれる)を含む。サブユニットは、とりわけ、材料源を構築ゾーンに供給するための構成要素102、付加製造製品が構築される構成要素104、付加製造製品の連続層を形成する材料を堆積または硬化するための構成要素106、付加製造製品の連続層の堆積中に液体系材料を画像化するための構成要素108、およびデジタルモデルデータに基づいて付加製造動作を制御し、製造上の欠陥に対して付加製造製品の連続層をその場で監視するための構成要素110を含む。付加製造動作を制御する構成要素110は、有線接続112を介して、または無線接続114を介して、またはそれらの組み合わせを介して送信されるデジタル接続などの適切な手段によって、様々なサブユニットおよび構成要素に動作可能に接続することができる。様々なサブユニットは、別個の構成要素であってもよく、または組み合わされてもよく、あるいは構成要素を共有してもよい。
【0018】
様々なサブユニットの詳細は、
図2A~2Eを参照して示され説明される。
【0019】
例えば、
図2Aは、例えばスラリーなどの液体系材料202の供給源を含むリザーバ200を含む構築ゾーンに、材料の供給源を供給するための構成要素102を、概略的に示す。リザーバ200は、例えば、リザーバ200に接続された入口、および暫定リザーバ204内への(直接的または間接的な)出口208を有する配管206によって、暫定リザーバ204に流体連通している。バルブ210は、暫定リザーバ204への液体系材料202の流れを制御する。暫定リザーバ204から、液体系材料202は、ドクターブレードなどの計量装置212によって、輸送フィルム222に液体系材料202の薄い、例えば100ミクロン未満の層220に、形成される。適切な液体系材料202の体積部と、暫定リザーバ204、計量装置212、および輸送フィルム222の構造的配置との組み合わせは、輸送フィルム222が、堆積ゾーン230から構築ゾーン240の内外に並進(t)されるときに、輸送フィルム222の第一面224の層220に液体系材料202の連続体積部を形成するのに適切なヘッド圧力を、供給する。さらに、輸送フィルム222の液体系材料202の層220は、構築ゾーン240の長さ(L)および幅(W)全体に亘って、輸送フィルム222の第一面224に対して、例えば構築ステージ250に向かって、例えば構築ステージ250(
図2B参照)の堆積表面254に向かって配向された上面226と、硬化性放射線源280に向かって配向された底面228との間の厚さ(T)を有し、それにより、付加製造製品の堆積されるべき層を形成するのに十分な液体系材料202の体積部が構築ゾーン240に存在する。厚さ(T)は、計量装置212によって制御することができる。構築ゾーン240を通過した後、残留液体系材料202は、例えばリザーバ200に再循環されるように収集される。構築ゾーン240の寸法と一致する寸法に対して、液体系材料202の層220は、供給されたままの状態では連続的であり、計量装置212によって形成されるように、実質的に一貫した厚さ(T)を有する。
【0020】
輸送フィルム222は、輸送フィルム222を第一方向(M)に移動させるために回転(R)する回転可能なローラ216上に配置された連続ベルトの形態とすることができる。輸送フィルム222は、硬化性放射線が、液体系材料を、固化または別様には製造された物体の層に形成するように機能するのに、硬化性放射線に対して十分に透過性であり、(少なくとも液体系材料202が輸送フィルム222と接触する時間枠で)液体系材料202に対して十分に化学的に不活性であり、付加製造製品の組成に影響を与えず、画像取込装置300による画像の取得を可能にするのに十分に透明である任意の適切な材料であり得る。いくつかの実施形態では、輸送フィルム222は、ポリエチレンテレフタレートのフィルム、より具体的には二軸延伸ポリエチレンテレフタレートのフィルムであってもよい。
【0021】
図3Aは、供給されたままの状態の輸送フィルム222の液体系材料202の層220の例を概略的に示し、
図3Bは、画像取込装置300によって輸送フィルム222の下から見える、例えばA-A’として示される外観における、
図3Aからの層220の対応する例示的な画像である。
図3Bの例示的な画像に見られるように、層220は供給されたままの状態にあり、均一な外観を有し、これは均一な厚さ(T)および組成を示す。
【0022】
また、例えば、
図2Bは、構築ステージ250を含む、付加製造製品が構築される構成要素104を概略的に示す。構築ステージ250は、多軸並進可能であり、直交して配置されたX軸、Y軸およびZ軸252に対して任意の方向に移動することができ、Z軸は、輸送フィルム222の第一面224を含む平面に垂直であり、X軸は、輸送フィルム222の第一面224を含む平面に平行であり、輸送フィルム222が移動する第一方向(M)に平行な方向であり、Y軸は、輸送フィルム222の第一面224を含む平面に平行であり、輸送フィルム222が移動する第一方向(M)に垂直な方向である。構築ステージ250は、付加製造製品が構築される表面、例えば堆積表面254を含む。いくつかの実施形態では、表面252は、後続の層が形成される付加製造製品のベース層で事前に配置されるが、他の実施形態では、付加製造製品の第一層が堆積表面254に直接形成される。
図2Bでは、堆積表面254は、構築ステージ250の表面であるか、構築ステージに取り付けられている。他の図、例えば
図7Aでは、構築ステージ250はインプロセス付加製造製品10と共に示されており、堆積表面20はインプロセス付加製造製品10の表面であるか、またはインプロセス付加製造製品10の後続の層の場合、堆積表面20はインプロセス付加製造製品10の外面となり、これは各反復プロセス時に堆積表面254に対して(Z軸において)最も遠位の表面になるように再生成される。参考までに、構築ゾーン240の長さ(L)および幅(W)はX軸方向およびY軸方向に対応し、輸送フィルム222の液体系材料202の層220の厚さ(T)は、Z軸方向に対応する。
【0023】
典型的には、構築ステージ250は、構築ゾーン240の上方に配置させて、構築ゾーン240の液体系材料202の体積部上方の所望の位置に、構築ステージ250をX軸およびY軸に平行移動させ、また付加製造製品が構築される堆積表面254または堆積表面20(反復的堆積プロセスにある点に応じて)を構築ゾーン240の液体系材料202の体積部に浸漬するように、Z軸に平行移動させることができるようにする。
図3Aに示すように、構築ステージ250(特に、堆積表面254は)は、軸256に沿って硬化性放射線源280と位置合わせされる。
【0024】
例として、
図4Aに示すように、Z軸における構築ステージ250の第一平行移動において、堆積表面254(初期堆積層にある場合)またはインプロセス付加製造製品10の以前に堆積された層(後続またはインプロセス堆積層にある場合)は、構築ゾーン240の液体系材料202の体積部に浸漬することができる。構築ゾーン240の液体系材料202の体積部は供給されたままの状態で、計量装置212によって形成される際の液体系材料202の層220の厚さ(T)と一致している。堆積表面254(またはインプロセス付加製造製品10)を浸漬することにより、堆積表面を層深さ(D
L)(供給されたままの状態の液体系材料202の層220の上面226に対して)に配置する。層深さ(D
L)は、供給されたままの状態の構築ゾーン240内の液体系材料202の層220の厚さ(T)よりも小さい。層深さ(D
L)と層220の厚さ(T)との差は、付加製造製品の被堆積層の最大厚さ(T
L)に対応する(T
L=T-D
L)。
【0025】
図4Bは、例えば、画像取込装置300によってB-B’として示される図において、輸送フィルム222の下から見た
図4Aの層220の対応する画像である。
図4Bの例示的な画像に見られるように、堆積表面254(またはインプロセス付加製造製品10)が浸漬された層220の領域Aでは、構築ゾーン240内の液体系材料202の体積部の一部が位置ずれしている。位置ずれは、堆積表面の幾何学的形状および他の構造的特徴に対応する層220の領域における液体系材料202の厚さの減少をもたらす。この位置ずれは、供給されたままの状態(一例として、
図4Bを
図3Bの供給状態の画像と比較する)における層220の外観に対する層220の外観の変化として観察可能である(輸送フィルム222の下から見て)。
図4Bの例示的な画像では、領域B(領域Aの外側)の層220は実質的に乱されず、供給されたままの状態であるが、領域Aの層220は、堆積表面254の浸漬に起因する位置ずれを反映して外観の変化を有する。
【0026】
また、例えば、Z軸における構築ステージ250の第二並進運動において、堆積表面上に堆積したままの層を形成するための堆積プロセスの後に(堆積表面254上であろうと、インプロセス付加製造製品10の後続またはインプロセス堆積層上であろうと)、堆積したばかりのインプロセス付加製造製品10は、構築ゾーン240内の液体系材料202の体積部から引き出される。典型的には、構築ステージ250のZ軸における第二平行移動は、ちょうど形成された層、例えば、第一層(Ln)または任意の後続の層(Ln+1)の堆積表面20が、層220の上面226を含み、構築ゾーン240に亘る平面から離間している後退位置に対するものである。離間することにより、輸送フィルム222が第一方向(M)に移動して液体系材料202の層220の新しい部分を構築ゾーン240に輸送するとき、形成されたばかりの層の堆積表面20は、液体系材料202の層220の上面226と接触せず、層220の供給されたままの状態を乱さない。
【0027】
また、
図2Bに概略的に示すように、構築ステージ250は、無線送受信機258を含むか、またはそれに動作可能に接続することができる。構築ステージ250に関連して示されているが、付加製造機100の構成要素のいずれか1つまたは複数は、無線送受信機を含むか、または無線送受信機を介して動作可能に接続することができる。
【0028】
図5Aは、後退位置にあり、構築ゾーン240内の液体系材料202の体積部に浸漬されている間に形成された後であり、輸送フィルム222が第一方向(M)に移動して液体系材料202の層220の新しい部分を構築ゾーン240に輸送する前のインプロセス付加製造製品10の一例を概略的に示し、
図5Bは、画像取込装置300によって、輸送フィルム222の下から、例えばC-C’として示される外観において見えるような
図5Aからの層220の対応する画像である。
図5Cは、
図5Bの画像における領域P1の拡大透視補正例である。例示的な画像では、液体系材料202の層220は、インプロセス付加製造製品10の堆積されたままの層に形成された液体系材料202によって形成された1つまたは複数の空隙290を含む。空隙は、液体系材料202の一部がインプロセス付加製造製品10の堆積されたままの層に製造された後に液体系材料202の層220に残っている負の空間を表す。さらに、空隙290のパターン292は、堆積表面20上の形成されたばかりの堆積されたままの層の堆積表面20を表しており、インプロセスの付加製造製品10は、液体系材料202の体積部から、例えば、後退位置に後退されている。そのような空隙290は、堆積プロセスのアーチファクトであり、幾何学的形状および他の構造的特徴において、形成されたばかりの堆積されたままの層に対応する。
図5Aおよび
図5Bの画像における領域P1のパターン292に加えて、画像は空隙の第二パターン292’を含む。この第二パターン292’は、前の堆積プロセス後に得られた画像に起因する。第一堆積プロセス後に得られた画像は、第二パターン292’を有していない。
【0029】
構築ステージ250の第一平行移動、第一堆積したままの層の形成、構築ステージ250の第二平行移動、次いで輸送フィルム222を移動させて液体系材料202の層220の新しい部分を構築ゾーン240に輸送するプロセスは、複数の堆積したままの層(L1、L2、....Ln-1、Ln)を形成するために反復的に繰り返すことができ、nは付加製造製品を形成する堆積したままの層の数に等しい。
【0030】
付加製造機100のサブユニットに戻ると、
図2Cは、硬化性放射線源280を含む付加製造製品の連続層を形成する材料を堆積または硬化させるための構成要素106を概略的に示す。様々な図に見られるように、硬化性放射線源280は、輸送フィルム222を通って、構築ゾーン240に位置する液体系材料202、例えば付加製造用のスラリーの層220内に硬化性放射線282を投射するように配置される。液体系材料202を硬化(または固化)させることができる任意の適切な硬化性放射線源280を使用することができる。例示的な実施形態では、硬化性放射線源280は、液体系材料202中の光反応性材料と反応する特定の波長の電磁放射線を使用する。ステレオリソグラフィ(SL)、デジタル光処理(DLP)、および電子ビームベースの技術を使用することができる。
【0031】
図2Dは、画像取込装置300および照明源310を含む、付加製造製品の連続層の堆積中に液体系材料を画像化するための構成要素108を概略的に示す。画像取込装置300は、付加製造製品の連続層の堆積中に液体系材料202の画像を取込むことができるように、輸送フィルム222を通して見た構築ゾーン240を含む軸302に沿った視野で配置される。そのような画像は、例えば、(i)供給されたままの状態の液体系材料202の層220、例えば
図3Bおよび
図7Bを参照されたい、(ii)インプロセス付加製造製品10が後退位置にあり、構築ゾーン240の液体系材料202の体積部に浸漬された後、輸送フィルム222が第一方向(M)に移動して液体系材料202の層220の新しい部分を構築ゾーン240、例えば
図5Bを参照されたい、に輸送する前の液体系材料202の層220の画像、および(iii)インプロセス付加製造製品10が構築ゾーン240の液体系材料202の体積部に浸漬され、インプロセス付加製造製品10の前の層(L
n-1)の堆積表面20が層の深さ(D
L)に位置するとき、例えば
図8Bを参照されたい、の液体系材料202の層220の画像を含むことができる。画像取込装置300の視野の軸302は、硬化性放射線源280から発する硬化性放射線に関連する軸256に対してある角度(α)であってもよい。角度(α)の値は、取得された各種画像の画像処理や解析に用いられる。任意選択的に、画像取込装置300は、硬化性放射線源280と一直線にすることができる。例示的な画像取込装置300は、CCD、CMOSまたはハイパースペクトル撮像技術を使用し、4メガピクセル以上16メガピクセル以下の解像度を有する高解像度カメラを含む。本明細書では画像として説明されているが、画像は静止画像またはビデオのいずれかであってもよく、デジタル形式を含むことができる。
【0032】
照明源310は、構築ゾーン240の液体系材料202の層220に向かって可視光312を投影するように配置される。典型的には、照明源310は、後続の画像分析を可能にするのに十分な質の画像の取得を可能にするのに十分な光を構築ゾーン240に設けるように、画像取込装置300と構築ゾーン240の同じ側にある。
【0033】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の、例えば複数のトンボが、画像取込装置300の視野の内部に配置される。
図6は、高コントラストのドットのパターンとして具現化されたトンボ330の例を示す。トンボ330は、2つの異なる収集画像間の位置合わせおよび対応を可能にする。例として、例示的な収集画像は、各ピクセルに、トンボ330に対して定義された第一軸332および第二軸334によって確立された座標系に対する位置を割り当てることができる。トンボ330はまた、構築ウィンドウ336内の画像の三角測量を可能にし、収集された画像の処理および分析に使用される。
図6のトンボ330は、固定標的ストリップ338上の、構築ウィンドウ3346に対する例示的な位置に示されているが、他の位置を使用することもできる。いくつかの実施形態では、構築ウィンドウ336は、構築ゾーン240に対応するウィンドウである。
【0034】
付加製造機100のサブユニットに戻ると、
図2Eは、デジタルモデルデータに基づいて付加製造動作を制御し、製造上の欠陥に対して付加製造製品の連続層をその場で監視するための構成要素110を概略的に示す。例示的な実施形態では、構成要素110は、1つまたは複数の処理ユニット(プロセッサまたはコア)、(任意選択的に)1つまたは複数のネットワークまたは他の通信インターフェース、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むメモリ、ならびに構成要素を相互接続するための通信バスおよび/または無線送受信機352を含む1つまたは複数の接続を有するコンピュータまたは他の制御装置350を含む。接続は、任意選択的に、システム構成要素間を相互接続し、システム構成要素間の通信を制御する回路(チップセットと呼ばれることもある)を含む。コントローラシステムは、ディスプレイ装置354を有するユーザインターフェースと、(任意選択的に)キーボード/マウスまたは他の入力装置などのユーザインターフェース356とを含む。これに代えて、あるいはこれに加えて、ディスプレイ装置354はタッチ感知面を含むことができ、この場合、ディスプレイ装置はタッチ感知ディスプレイである。
【0035】
図7Aは、付加製造製品の製造における後続のステップを概略的に示す。一例として、
図7Aに示すように、
図5A~5Cおよび
図6に関連して説明および図示したように、インプロセス付加製造製品10が後退位置にあるときに液体系材料202の層220の画像を取得した後、輸送フィルム222を第一方向(M)に移動させて、液体系材料202の層220の新しい部分を構築ゾーン240に輸送することができる。
図7Aは、供給されたままの状態で、構築ステージ250が後退位置にある輸送フィルム222上の液体系材料202の層220の一例を概略的に示す。これはインプロセスを表したものであり、インプロセス付加製造製品10は構築ステージ250上に配置され、堆積表面20上に次の層を堆積する準備ができていることに留意されたい。
図7Bは、例えば、画像取込装置300によってD-D’として示される図において、輸送フィルム222の下から見た
図7Aの層220の対応する例示的な画像である。
図7Bの例示的な画像に見られるように、層220は供給されたままの状態にあり、均一な外観を有し、これは均一な厚さ(T)および組成を示す。同じ条件下で同じスラリーを堆積させる場合、このインプロセス工程の供給されたままの状態は、製造プロセスの開始時の供給されたままの状態と実質的に同じであるべきであり、例えば、
図7Bの画像における供給されたままの状態の構築ゾーン240内の層220の外観は、
図3Bの画像における供給されたままの状態の構築ゾーン240内の層220の外観と実質的に同じであるべきである(画像化のパラメータが一貫していると仮定する)。しかしながら、
図7Bの画像は、次の堆積層のために構築ゾーン240から輸送されたパターン292’’などの最新の堆積プロセスの証拠を有することによって、
図3Bの画像とは異なり得る。
図7Cは、
図7Bの画像における領域P2の拡大透視補正例であり、空隙のパターン292’’を示す。
【0036】
構築ステージ250のZ軸における別の第一平行移動において、
図8Aに示すように、インプロセス付加製造製品10の以前に堆積された層の堆積表面20は、計量装置212によって形成される液体系材料202の層220の厚さ(T)と一致する供給されたままの状態にあるとき、構築ゾーン240内の液体系材料202の体積部に浸漬することができる。堆積表面20を浸漬することにより、堆積表面20を層深さ(D
L)(供給されたままの状態の液体系材料202の層220の上面226に対して)に配置する。層深さ(D
L)は、供給されたままの状態の構築ゾーン240内の液体系材料202の層220の厚さ(T)よりも小さい。層深さ(D
L)と層220の厚さ(T)との差は、付加製造製品の被堆積層の最大厚さ(T
L)に対応する(T
L=T-D
L)。
【0037】
図8Bは、例えば、画像取込装置300によってE-E’として示される図において、輸送フィルム222の下から見た
図8Aの層220の対応する画像である。
図8Cは、
図8Bの画像における領域P3の拡大透視補正例である。
図8Bおよび8Cの例示的な画像に見られるように、堆積表面20が浸漬された層220の領域Cでは、構築ゾーン240内の液体系材料202の体積部の一部が位置ずれしている。位置ずれは、堆積表面20の幾何学的形状および他の構造的特徴に対応する層220の領域における液体系材料202の厚さの減少をもたらす。この位置ずれは、供給されたままの状態(一例として、
図8Bおよび8Cを
図7Bおよび7Cの供給状態の画像と比較する)における層220の外観に対する層220の外観の変化として観察可能である(輸送フィルム222の下から見て)。
図8Bおよび8Cの例示的な画像では、領域D(領域Cの外側)の層220は、実質的に乱されておらず、供給されたままの状態にある。
【0038】
領域Cにおける位置ずれは、堆積表面20を表すパターン370を形成する。したがって、
図8Bおよび8Cの画像は、前の堆積プロセスで形成されたばかりであり、任意の後続の堆積プロセス(例えば、より一般的には、第二層(L
n+1)の堆積前の第一層(L
n)に関する情報)の前の堆積表面20の表面に関する情報を提供する。例えば、付加製造製品10を構築ゾーン240内のスラリー体積部に浸漬位置まで浸漬することによる位置ずれの影響のために、第一層(L
n)の表面と輸送フィルム222との間のスラリー体積部の部分は、供給されたままの状態の層220の厚さ(T)よりも薄い。さらに、この低減された厚さは、第一層(L
n)の表面の表面特徴を観察することができるほど十分に薄い。観察可能な表面特徴は、印刷部品の幾何学的形状を含む。表面特徴は、直接的または間接的に観察することができる。直接観察では、スラリーは、第一層(L
n)の表面の表面特徴が層220の厚さT
Lを通して観察可能であるように十分に透明である。間接的な観察において、第一層(L
n)の表面の表面特徴は、表面特徴に対応する特性をスラリーに付与する。
【0039】
例示の目的のために、構築ゾーン240内のスラリー体積部に浸漬された付加製造製品10を浸漬位置まで示す概略的断面側面図である
図9を参照すると、メサ400およびチャネル402を含む例示的な表面特徴が示されており、両方とも破線404で示す基準面からある距離(それぞれd
1、d
2)にある(これは、仮想基準面、または例えば、付加製造製品10の最後に堆積された層の表面とすることができる)。距離が異なるため、メサ400およびチャネル402の表面は、輸送フィルム222に対して異なる距離にある。したがって、メサ400の表面とチャネル402の表面との間の層220スラリーの厚さは異なる。表面(例えば、距離(d
1、d
2))の違いのために、スラリーの異なる領域A1およびA2は、輸送フィルム222を通して見たときに異なる視覚的外観を有する。これらの異なる視覚的外観は、下にある表面に対応し、表面特徴の二次的な表示を提供する。例えば、チャネル402(またはインプロセス付加製造製品10の穴)などの表面特徴は、表面特徴と輸送フィルム222との間のより厚いスラリーをもたらし、これは、スラリーの視覚的に暗いまたはより不透明な部分として観察可能である。対照的に、メサ400などの表面特徴は、表面特徴と輸送フィルム222との間のより薄いスラリーをもたらし、これは、スラリーの可視的により明るいまたはより透明な部分として観察可能である。いくつかの実施形態では、表面特徴と輸送フィルムとの間のより薄いスラリーは、実際の表面特徴が観察可能であるように十分に透明である。
【0040】
図10Aは、付加製造製品の製造における後続のステップを概略的に示す。一例として、
図10Aに示すように、インプロセス付加製造製品10が
図9A~9Cに関連して説明および図示した浸漬位置にあるときに液体系材料202の層220の画像を取得した後、また堆積表面20上に任意の後続の層(L
n+1)を形成した後に、堆積したばかりのインプロセス付加製造製品10は、構築ゾーン240内の液体系材料202の体積部から後退される。
図5A~5Cに関連して前述したように、典型的には、構築ステージ250のこの第二平行移動は、Z軸内にあり、後退位置にある。
図10Bは、画像取込装置300による、例えばF-F’として示される図において、輸送フィルム222の下から見た
図10Aの層220の対応する画像であり、最新の付加製造堆積プロセスから生じる空隙422のパターン420を示す。
【0041】
本開示はまた、付加製造プロセス中に付加製造製品の製造をその場で監視する方法に関する。
図11A~11Fは、付加製造プロセスのその場での製造を監視するための方法500の実施形態の概要を示す。
図11A~11Fのフローチャートのステップで概説された様々なプロセスは、
図3A~3Bから10A~10Bの概略図および画像に関連して読み取られ解釈され得る。
【0042】
付加製造プロセスは、付加製造製品10の第一層(Ln)がその上に形成される表面、例えばベース表面を形成するか、そうでなければ設けることによって開始する。方法500の第一層(Ln)が付加製造製品10の初期層である場合、ベース表面は構築ステージ250の堆積表面254とすることができる。方法500の第一層(Ln)が付加製造製品10の後続の層である場合、ベース表面は、インプロセス付加製造製品10の堆積したばかりの前の層(Ln-1)の堆積表面20とすることができる。図示の方法500では、付加製造製品10の第一部分が第一堆積ステップS505で形成され、付加製造製品は付加製造機の構築ステージ250に取り付けられる。第一部分の形成は、付加製造製品10の第一層(Ln)を構築ステージ250上に形成するプロセスによって、または付加製造製品10の後続の層(Ln+1)を堆積したばかりの先行層(Ln)の堆積表面20上に形成するプロセスによって進行することができる。
【0043】
付加製造製品の第一部分が形成され、付加製造製品が構築ステージ250に取り付けられると、方法500は、付加製造機の構築ゾーンに付加製造用の第一体積部のスラリーを供給するステップS510によって継続する。
図3Aは、付加製造のためのスラリーの第一体積部を付加製造機の構築ゾーン240に供給するプロセス中の付加製造機を概略的に示す。暫定リザーバ204内に存在する液体系材料202の体積部、例えばスラリーは、計量装置212として機能するドクターブレード212によって、輸送フィルム222上の液体系材料202の薄い、例えば100ミクロン未満の層220に形成される。層220の例示的な厚さは、30~100ミクロン、例えば40~80ミクロンである。輸送フィルム222は、方向(M)に前進し、液体系材料202の層220を、付加製造製品10が形成される表面である構築ステージ250の下の構築ゾーン240にも移動させる。
【0044】
スラリーの第一体積部を供給し、輸送フィルム222上の液体系材料202の層220が供給されたままの状態になった(本明細書に記載されるように)後、方法500は、S515で構築ゾーン240内の第一スラリー体積部の画像を取込むことによって継続する。
図3A~3B(初期層の場合)は、構築ゾーン240の第一スラリー体積部の画像および例示的な画像510(本明細書では構築ゾーンの第一スラリー体積部の第一画像と呼ばれることもある)を取込むプロセス中の付加製造機を概略的に示す。第一画像510は、(適切な画質を提供するために必要に応じて)照明源310と共に画像取込装置300などの画像取込構成要素108によって取込まれ、供給されたままの状態の構築ゾーン240内の第一スラリー体積部のものである。第一スラリー体積部の第一画像510は、輸送フィルム222を通して撮影され、硬化性放射線源280に向かって配向された液体系材料202の層220の底面228を示す。第一画像510では、スラリー体積部は実質的に乱されておらず、均一である。第一画像510は、後続の較正および比較プロセスで使用される供給されたままの状態の液体系材料202の層220に関するベースライン情報を提供する。連続的なリアルタイムのベースライン情報をとることによって説明される他の要因は、照明などによる環境条件の変化を含む。例えば、
図3Bの第一画像510は、照明勾配(矢印512によって示されるように画像内で左から右に進むにつれて明から暗へ)および例えば照明源310または他の機器516からの反射514を含む照明効果を示す。スラリーの層220を形成する液体系材料202の不十分な層形成または不純物に起因するストリーキングなどから、スラリーの不均一性を検出することも可能である。
図7A~7Cは、後続の層のこのプロセスを示す。
【0045】
方法500は継続し、次いで付加製造製品10は、構築ゾーン240内の第一スラリー体積部に第一浸漬位置まで浸漬され(S520)、堆積表面上に第一層(L
n)が形成される。
図4A~4Bは、(初期層の)このプロセスを概略的に示す。第一浸漬位置では、付加製造製品20の第一部分(または付加製造製品10の最初の堆積の場合は構築ステージ250の第一部分)は、層220の上面226から第一層深さ(D
Ln)にあり、これはまた、構築ゾーン240に第一スラリー体積部を形成する。第一層深さ(D
Ln)は、供給されたままの状態の構築ゾーン240の第一スラリー体積部の厚さ(T)よりも小さく、第一層深さ(D
Ln)と層220の厚さ(T)との差は、付加製造製品の堆積される層の最大厚さ(T
L)に対応する(T
L=T-D
Ln)。第一層(L
n)は、堆積表面20と第一スラリー体積部の底面との間に位置する第一スラリー体積部の少なくとも第一部分から第一部分の堆積表面20上に形成されるS525。第一層(L
n)は、付加製造機を動作させて付加製造製品を作製するために使用される3Dモデルまたは他の電子データソース内のパラメータに基づいて、第一スラリー体積部を硬化性放射線源280からの硬化性放射線282に曝露することによって堆積表面20上に形成される。曝露は、新たに形成された材料を堆積表面に接続して連続体を形成する。さらに、堆積表面20と第一スラリー体積部の底面との間の距離は、第一層(L
n)の層厚(TL
n)を規定する。
図8A~Cは、後続の層のこのプロセスを示す。
【0046】
第一層(L
n)を形成した後、方法500は、S530で付加製造製品10を第一スラリー体積部から後退位置に引き出すことによって継続する。
図5Aは、後退位置にある付加製造製品10を概略的に示す。後退位置では、形成されたばかりの第一層(L
n)は、第一スラリー体積部の上面226を含み、構築ゾーン240(例えば、
図5Aに示すように、層220の上面226から距離SAだけ離間している)に亘る平面(P)から離間している。後退は、形成されたばかりの第一層(L
n)を、輸送フィルム222の方向(M)へのその後の移動中に、形成されたばかりの第一層(L
n)の一部が液体系材料202の層220と接触しない位置に配置して、液体系材料202の層220の使用されたばかりの部分を構築ゾーン240から移動させ、液体系材料202の層220の新しい部分(そのような部分は供給されたままの状態にある)を構築ゾーン240に移動させる。
【0047】
堆積表面20と第一スラリー体積部の底面228との間の材料の体積が第一層(Ln)を形成しているので、付加製造製品10を後退させることにより、第一層(Ln)に形成された後退された材料に対応する液体系材料202の層220に一連の開口部または空隙が残る。方法500は、この状態のスラリーの画像(本明細書では、構築ゾーン内の第一スラリー体積部の第二画像と呼ばれることもある)を取込むS535。例示的な画像530は、例えば層形成後状態で第一層(Ln)が形成され、付加製造製品10が後退位置に再配置された後の構築ゾーン内の第一スラリー体積部の画像である。画像530は、(適切な画質を提供するために必要に応じて)照明源310と共に画像取込装置300などの画像取込構成要素108によって取込まれ、堆積後の状態の構築ゾーン240内の第一スラリー体積部のものである。第一スラリー体積部の画像530は、輸送フィルム222を通して撮影され、硬化性放射線源280に向かって配向された液体系材料202の層220の底面228を示す。
【0048】
形成されたばかりの第一層(Ln)に関する情報は、画像530内の情報から推測することができる。例えば、層形成後の状態では、構築ゾーン内のスラリー体積部は、1つまたは複数の空隙290を含む。第一層(Ln)に形成された引き出された材料に対応するため、これらの空隙290を分析し、インプロセス付加製造製品10の形成されたばかりの第一層(Ln)の構築の質と相関させることができる。さらに、空隙290の周囲に残留スラリーがある場合、そのような残留スラリーは、形成されたばかりの第一層(Ln)の製造上の欠陥を示すことができ、例えば、形成されたばかりの第一層(Ln)のうち、スラリーから堆積された材料が欠けており、したがって形成されたばかりの第一層(Ln)の本体に細孔を形成している領域に対応する。形成されたばかりの第一層(Ln)に細孔が存在すると、連続する堆積プロセスに亘って、製造されたままの付加製造製品10に多孔性をもたらすことができる。
【0049】
画像530を取込んだ後、例えば、構築ゾーン240内の第一スラリー体積部の第二画像を取込んだ後、方法500は、付加製造のためのスラリー体積部(本明細書では第二体積部のスラリーと呼ばれることもある)を付加製造機の構築ゾーン240に供給するステップS540によって継続する。
図7Aは、付加製造のためのスラリーの第二体積部を付加製造機の構築ゾーン240に供給するプロセス中の付加製造機を概略的に示す。暫定リザーバ204内に存在する液体系材料202の体積部、例えばスラリーは、計量装置212として機能するドクターブレード212によって、輸送フィルム222上の液体系材料202の薄い、例えば100ミクロン未満の層220に形成される。層220の例示的な厚さは、30~100ミクロン、代替的に40~80ミクロンである。輸送フィルム222は、方向(M)に進められ、供給されたままの状態にある液体系材料202の層220の一部を構築ステージ250の下の構築ゾーン240に移動させる。同時に、輸送フィルム222を方向(M)に前進させると、最後の堆積プロセスで使用された層220の部分(例えば、空隙290を有する部分)が構築ゾーン240から移動する。最終的に、輸送フィルム222が方向(M)に前進する複数のサイクルの後、液体系材料202の層220は、輸送フィルム222から回収され、例えばリザーバ200への再循環のために収集される。
【0050】
付加製造用のスラリーの第二体積部を構築ゾーン240に供給した後、方法500は、供給されたままの状態のスラリーの第二体積部の画像(本明細書では構築ゾーン内の第二スラリー体積部の第一画像と呼ばれることもある)を取込むS545。例示的な画像550(
図7B参照)は、供給されたままの状態の構築ゾーン内の第二スラリー体積部の画像である。付加製造製品10は、まだ第二スラリー体積部と接触しておらず、好ましくは後退位置から再配置されていないことに留意されたい。画像550は、(適切な画質を提供するために必要に応じて)照明源310と共に画像取込装置300などの画像取込構成要素108によって取込まれる。第二スラリー体積部の画像550は、輸送フィルム222を通して撮影され、硬化性放射線源280に向かって配向された液体系材料202の層220の底面228を示す。画像550では、フィルムの「新しい」側の材料の外観の目に見える変化が最小限であるか、またはまったくない均一なスラリー表面が観察される。画像550は、後続の較正および比較プロセスで使用される供給されたままの状態の液体系材料202の層220に関するベースライン情報を提供する。
【0051】
方法500は継続し、付加製造製品10は、構築ゾーン240内の第二スラリー体積部に第二浸漬位置まで浸漬される(S550)。
図8Aはこの過程を模式的に示している。第二浸漬位置では、第二層(L
n+1)が堆積される第一層(L
n)の表面は、層220の上面226から第二層深さ(D
Ln+1)にあり、これはまた、構築ゾーン240に第二スラリー体積部を形成する。第二層深さ(D
Ln+1)は、供給されたままの状態の構築ゾーン240の第二スラリー体積部の厚さ(T)よりも小さく、第二層深さ(D
Ln+1)と層220の厚さ(T)との差は、付加製造製品の堆積される層の最大厚さ(T
L2)に対応する(T
L2=T-D
Ln-1)。
【0052】
いくつかの例では、第二浸漬位置は第一浸漬位置と同じであり、第二層深さ(DLn+1)は第一層深さ(DLn)と同じである(DLn+1=DLn=DL)。これは、典型的には、付加製造製品の第一連続的な特徴の層を反復的に堆積させる場合に当てはまる。しかしながら、付加製造製品の第一連続的な特徴から第二連続的な特徴に移行する場合などの他の例では、第二層深さ(DLn+1)は、第一層深さ(DLn)から変化し得る。
【0053】
付加製造製品10を構築ゾーン240の第二スラリー体積部に第二浸漬位置まで浸漬した後、堆積表面に第二層(L
n+1)を形成する前に、方法500は、スラリーの第二体積部の画像(本明細書では構築ゾーンの第二スラリー体積部の第二画像と呼ばれることもある)を取込むことS555によって継続する。例示的な画像570(
図8B参照)は、堆積表面上に第二層(L
n+1)を形成する前に、付加製造製品10が構築ゾーン240の第二スラリー体積部に第二浸漬位置まで浸漬された、構築ゾーンの第二スラリー体積部の画像である。画像570は、(適切な画質を提供するために必要に応じて)照明源310と共に画像取込装置300などの画像取込構成要素108によって取込まれる。第二スラリー体積部の画像570は、輸送フィルム222を通して撮影され、硬化性放射線源280に向かって配向された液体系材料202の層220の底面228を示す。
【0054】
第二層(L
n+1)を形成した後、方法500は、付加製造製品10を第二スラリー体積部から後退位置に引き出すことによって継続する(
図10Aを参照)。
【0055】
付加製造プロセスで形成された層の所望の画像を取込むのと同時に、またはその後に、方法500は、取込まれた画像を補正し、次いで分析することによって継続する。このプロセスでは、補正は、第一(ベースライン)画像に存在する詳細を除去することによって、第二(位置ずれ)画像および第三(空隙)画像から照明および表面テクスチャの変動を除去する。例えば、第一スラリー体積部(例えば、画像510)の第一画像に基づいて、第一スラリー体積部(例えば、画像530)の第二画像の画像特性を補正S560して、補正された空隙画像を形成する。また、第二スラリー体積部(例えば、画像570)の第二画像の画像特性は、補正された位置ずれ画像を形成するために、第二スラリー体積部(例えば、画像550)の第一画像に基づいて補正されるS565。各画像(例えば、画像510、530、550、570)の補正の一部として、得られたままの画像を三角測量のために補正し、層220の底面228に垂直な軸(例えば、
図6に関連して示され説明されたようなトンボ330を使用し、角度αに基づいて)からオフセットすることができ、これは「遠近補正」としても知られている。必要に応じて、レンズの曲率によって誘発される半径方向の歪みを説明する光学レンズ補正など、補正された空隙画像および/または補正された位置ずれ画像を形成するために補正する前に、他の補正を個々の画像に適用することができる(このような光学レンズ補正は、オープンソースソフトウェアOpenCV(Open Source Computer Vision Libraryから入手可能)の歪みのない機能を使用するなど、ソフトウェアを利用することができる)。
【0056】
補正された空隙画像の形成は、以下のように進行する。このプロセスの例は、
図12(a)~(c)の画像によって示されている。取込まれたままの画像700は、第一暫定補正画像710を形成するために遠近法およびオフセットのために補正される。次いで、第一暫定補正画像710は、(i)任意のガラス表面および輸送フィルム222の表面などの視野の表面の反射、(ii)スラリー202の着色の変動、および(iii)任意の照明勾配などの環境条件に対して補正される。このような補正は、第一スラリー体積部530の第一画像(例えば、「層の開始」画像)に基づいて標準化することによって行うことができる。第一スラリー体積部の第一画像はまた、遠近法およびオフセットのために補正されてもよく、第一スラリー体積部の補正された第一画像は、その後、環境条件のために空隙画像を補正するためのベースラインとして使用されてもよいことに留意されたい。補正結果は、補正された空隙画像720となる。
【0057】
補正された位置ずれ画像の形成は、以下のように進行する。このプロセスの例は、
図13(a)~(c)の画像によって示されている。取込まれたままの画像730は、第一暫定補正画像740を形成するために遠近法およびオフセットのために補正される。次いで、第一暫定補正画像740は、(i)任意のガラス表面および輸送フィルム222の表面などの視野の表面の反射、(ii)スラリー202の着色の変動、および(iii)任意の照明勾配などの環境条件に対して補正される。このような補正は、第二スラリー体積部570の第一画像(例えば、「層の開始」画像)に基づいて標準化することによって行うことができる。第二スラリー体積部の第一画像はまた、遠近法およびオフセットのために補正されてもよく、第二スラリー体積部の補正された第一画像は、環境条件の位置ずれ画像を補正するためのベースラインとして使用されてもよいことに留意されたい。補正結果は、補正された位置ずれ画像750となる。
【0058】
反復プロセスで堆積された各層は、少なくとも1つの補正された空隙画像720および少なくとも1つの補正された位置ずれ画像750、または代替的に、複数の補正された空隙画像720および複数の補正された位置ずれ画像750を有し、付加製造製品の製造に関連する補正された画像の集合を形成する。典型的には、1つの補正された空隙画像720と、1つの補正された位置ずれ画像750とが対になる。
【0059】
次いで、補正された画像の集合は、閾値の処理を使用して分析される。閾値の処理は、最近傍に基づいて領域ごとに適用される閾値レベルに基づいて、各画像内のピクセルを「暗」または「明」のいずれかに分類する。閾値範囲は、画像内(構築領域の外側)の未硬化樹脂のグレースケールまたは色の値の平均および標準偏差を決定することによって自動的に設定される。次いで、構築領域内のピクセルは、平均との差に基づいて「未硬化樹脂」または「部品」のいずれかに分類される。「構築領域」は、印刷された部品のジオメトリを囲む境界ボックスをマスキングすることによって決定される。この閾値化は、「部分」として分類される平均とのより大きな差を必要とするため、この閾値化は、コントラストがより高いので、(位置ずれ画像と比較して)空隙画像に対してより控えめである。
【0060】
画像閾値の処理は、画像内のピクセルを「未硬化樹脂」または「部分」のいずれかとして分類するために使用される。閾値処理プロセスは、各ピクセルのデータの値(一般に0~255)が特定の範囲内にあるかどうかを判定する。位置ずれ画像では、位置ずれした樹脂は、非常に均一な外観を有する未硬化樹脂スラリーよりも暗くまたは明るく見える。同様に、空隙画像において、空隙は、均一な外観を有する未硬化の樹脂スラリーよりも暗く見える。外観の違いは、ピクセルごとに上限および下限の閾値境界条件を確立することによって分類を可能にする。
上記の範囲外にある、すなわち、C
Lower以下またはC
Higher以上の任意のピクセル値は、(位置ずれ画像の場合)「位置ずれした」または(空隙画像の場合)空隙と見なされ、したがって「部分」として分解される。
【0061】
カラー画像にて色値間に重なりがあるために、上記の方法にはある程度の誤差があり得る。そのような誤差を最小にするために、CLowerおよびCHigherは、(後述するように)全体の誤差を最小にするように選択される。上記の一般式の使用は、スラリーの硬化部分および未硬化部分を二元ベースで、すなわち「未硬化樹脂」または「部品」のいずれかとして決定するための統計的方法を提供する。
【0062】
定数C
LowerおよびC
Higherは、位置ずれ画像に基づいてアルゴリズム上決定される。定数C
LowerおよびC
Higherを決定するプロセスは、ジオメトリファイルによって決定される縮小領域に完全位置ずれ画像をトリミングし、以前に構築された層といずれの画像も重ならないことを保証する。例えば、
図14(a)~(d)を参照すると、トリミングは、
図14(a)の画像の左側の空隙アーチファクト760など、トリミング領域C1の外側にある以前のプロセスからのアーチファクトをもたらし、一方、
図14(b)のトリミング画像内の位置ずれアーチファクト770を含む領域など、トリミング領域C1内の分析される領域を保持する。次に、トリミングされた画像の2つのサンプル、すなわち前景画像および背景画像が取得され、前景は予想される印刷部分であり、背景は未硬化の未露光樹脂である。これらの2つのサンプルは、例えば、3Dモデル、またはコンピュータ支援設計(CAD)モデル、付加製造ファイル(AMF)ファイル、またはステレオリソグラフィ輪郭(SLC)ファイルなどの別の電子データソースからのデジタルモデルデータからの予想される幾何学的形状を使用して(通常は連続層で)マスクされる。これらのモデルは、プリンタが印刷するように指令される層の形状を定義する画像「スライス」を提供し、これは二元の画像に変換することができる。この画像は、印刷されると予想される領域とそうでない領域とをマスクするために取込まれる画像上にオーバーレイされる。マスクされたエリアからのピクセル値は、ビニング法を使用して値の頻度の図表に変換される。
図14(c)はマスク画像の一例であり、
図14Eはピクセル値の頻度の図表の一例である。この方法では、0~255の特定の値に等しい各サンプルからのピクセル数がカウントされ、次いで、総カウントがピクセルの総数に分割されて頻度の値が提供される。前景の頻度数と背景の頻度のグラフ線の交点は、ピークの背景値から開始し、前景の頻度が背景の頻度よりも大きくなるまでピーク背景値の両側で外側に反復することによって、前景の上限閾値と下限閾値を決定する。
図14Eに示す例では、上側閾値、すなわちC
Higherは168のピクセル値にあり、下側閾値、すなわちC
Lowerは156のピクセル値にある。次いで、「バックグラウンド」の閾値外、すなわち、下側閾値より小さいか上側閾値より大きい画像ピクセル値は、「フォアグラウンド」として分類される。カラー画像を分析するとき、このプロセスは各カラーチャネルに対して別々に行われ、「フォアグラウンド」として分類されるためには、3つのカラーチャネルすべてが「バックグラウンド」の下限閾値および上限閾値の外側になければならない。
【0063】
閾値処理プロセスを続けると、画像内のピクセルは、白色または黒色になるように処理され、解析された画像は、さらなる分類および使用のために(黒色または白色ピクセルに基づいて)二元画像に変換される。
図14(d)は、そのような変換の二元画像の一例である。
【0064】
図15(a)~(b)は、空隙画像に対する動的閾値処理の効果を示す画像である。特に、補正された空隙画像800は、動的閾値処理によって処理され、二元空隙画像810をもたらす。
図16(a)~(b)は、位置ずれ画像に対する動的閾値処理の効果を示す画像である。特に、補正された位置ずれ画像820は、動的閾値処理によって処理され、二元位置ずれ画像830をもたらす。
【0065】
さらに、閾値処理のための一般式および一般的な方法は、グレースケールの代わりにカラースケールを使用して適用することができ、その場合、一般式および一般的な方法は、3つの色帯域(赤、緑、青)の各々に適用されることに留意されたい。
【0066】
次いで、付加製造プロセスで形成された各層の二元空隙画像および二元位置ずれ画像は、S570で、その層の二元予想画像と比較される。二元予想層は、参照の二元画像に基づく。参照の二元画像は、CADモデルまたは他の入力に基づいて生成することができ、付加製造機による層の製造を制御するために使用される入力に対応する。典型的には、電子構造として、二元予想画像は、画像取込装置300によって取込まれた画像のいずれよりも高い解像度を有する。あるいは、二元予想画像は、実際の付加製造製品のサンプリングに基づくことができる。
図17(a)~(d)は、二元空隙画像850と、二元位置ずれ画像860と、二元空隙画像850および二元位置ずれ画像860に対応する層に関連付けられた二元予想画像870と、ピクセル間比較890の結果の比較画像880とを含む、比較プロセスで使用される例示的な画像である。比較890では、樹脂位置ずれおよび空隙検出の両方からの二元画像が、ピクセルレベルで予想される幾何学的形状と比較される。製造された部品内の小さな接続領域は、領域的な「信頼水準」を提供するために比較される。
【0067】
複数の方法のうちの1つを使用して、全構築領域を「存在する」または「存在しないようにすることができる複数の領域に分割する。「信頼水準」は、予想ピクセル総数に対する「部分」として分類されるセグメント内のピクセルの比である。この比が十分に高ければ(すなわち、少なくとも50%であるが、これは、材料および経験的な体験に基づいて変化し得る)、セグメント全体が存在すると判断される。この方法は、特に、真の「部分」ピクセルの一部を「未硬化樹脂」として誤って分類する誤「部分」検出を最小限に抑えるようにピクセル分類器が調整されている場合に使用される。適切なセグメント化方法には、「輪郭によるもの」および「タイル化」が含まれる。「輪郭による」方法は、予想部分の各連続領域を単一のセグメントとして扱う。層間剥離欠陥が「輪郭」の部分的なセクションに亘って発生することはほとんど観察されていないので、この方法は層間剥離欠陥を検出するのに適している。タイル化の方法は、予想される部分を正方形タイルに分割し、部分的に付着した領域またはより小さい欠陥の検出を可能にする。
【0068】
比較のデフォルトの仮定は、1つまたは複数の強い信頼度指標が閾値を超えない限り「不具合」(または「欠陥」)であり、その場合、接続領域は正常に接着されたと見なされる。信頼性水準は、閾値処理またはコンピュータビジョン方法もしくはニューラルネットワークなどの他の適切な技術に基づいて実施することができる。
【0069】
例えば、二元予想画像は、典型的には、1つまたは複数の連続領域を含む。補正された空隙画像をコンピュータ生成モデルからの二元予想画像と比較するとき、補正された空隙画像における被覆率は、各連続領域内のピクセルのレベルの比較に基づいて定量化することができる。製造上の欠陥の存在(または非存在)は、補正された空隙画像の連続領域に対応する付加製造製品の部分における閾値空隙画像値を下回る(または上回る)被覆率に基づいて示すことができる。一実施形態では、閾値空隙画像値は97%であり、97%未満の被覆率は製造上の欠陥の存在と相関し、97%以上の被覆率は製造上の欠陥の非存在と相関する。補正された空隙画像をコンピュータ生成モデルからの二元予想画像と比較したのと同様、補正された位置ずれ画像における被覆率は、各連続領域内のピクセルのレベルの比較に基づいて定量化することができる。製造上の欠陥の存在(または非存在)は、補正された空隙画像の連続領域に対応する付加製造製品の部分における閾値位置ずれ画像値を下回る(または上回る)被覆率に基づいて特定するS555ことができる。一実施形態では、閾値位置ずれ画像値は97%であり、97%未満の被覆率は製造上の欠陥の存在に相関し、97%以上の被覆率は製造上の欠陥の非存在に相関する。
【0070】
本方法のいくつかの実施形態では、閾値空隙画像値および閾値位置ずれ画像値の両方は、製造上の欠陥がないことと相関するために閾値を超えなければならない。
【0071】
他の実施形態では、空隙画像は製造されたままの層の状態に関するより信頼性の高い情報を提供するので、閾値位置ずれ画像値が閾値を下回る場合であっても、閾値空隙画像値が閾値を上回ることは、製造上の欠陥がないことと相関するのに十分である。しかしながら、その一方で、そのような実施形態では、閾値位置ずれ画像値が閾値を上回っていても、閾値空隙画像値が閾値を下回ることは、製造上の欠陥の存在と相関するのに十分である。
【0072】
図17(d)では、F1およびF2とラベル付けされた領域は、比較が不具合の表示をもたらした層の領域を表す。そのような不具合の表示は、堆積材料の不足、硬化不良、層間剥離、または層内のその位置の付加製造における何らかの他の不良に対応する。複数の比較画像を収集し、製造されたままの付加製造製品に対応するか、または製造されたままの付加製造製品の少なくとも一部に対応する3Dモデルに組み立てることができる。
図18(a)は、比較画像880(不具合領域F1およびF2を含む)の例示的な集合であり、
図18(b)は、比較画像880の組み立てられた3Dレンダリング900である。3Dレンダリング900では、不具合領域F1およびF2が見える。
図19は、
図18(b)の組み立てられた3Dレンダリング900に対応する付加製造プロトタイプサンプルの写真であり、不具合領域F1およびF2を明確に示している。F1およびF2などの不具合領域を特定および視覚化し得ることは、不具合の検出を可能にする。不具合の検出は、遠隔監視することができ、品質管理中に、製造された部品を認定するときなど、製造後の製造プロセス中にその場で行うことができる。
【0073】
開示された方法はまた、付加製造製品内の細孔を検出する方法を提供する。本明細書で前述したように、空隙290の周囲内に残留スラリーが存在することは、形成されたばかりの第一層(Ln)の製造上の欠陥を示すことができる。これらの製造上の欠陥は、例えば、形成されたばかりの第一層(Ln)の本体の細孔であり得、それは形成されたばかりの第一層(Ln)の多孔性をもたらし、連続する堆積プロセスに亘って、製造されたままの付加製造製品10の多孔性をもたらす。細孔になる可能性のある残留スラリーを検出するために、補正された空隙画像の分析は、印刷層において多孔質になり得る残留物を任意選択的に検出することができる。印刷層の細孔が、空隙290を画定する領域内の輸送フィルム222上にスラリーの分離されたポケットを残すことがわかっているので、付加製造製品の予想される幾何学的形状の一部ではない空隙290の周囲内の層220から分離され、連続していない任意のスラリーは、細孔の証拠であると仮定することができる。この手法は、スラリー自体の流れ(粘度に応じて輪郭の様々な領域を覆うことができる)に関係なく機能するが、それは、スラリーのいずれの分離された液滴も堆積事象後の流れの結果ではなかったためである。
【0074】
図20Aは、拡大された補正された空隙画像910であり、空隙290の周囲内の複数の残留スラリー912を示す。残留スラリー912は、層220から分離され、連続していない。画像処理は、典型的には液滴の形態の残留スラリー912を30ミクロンの解像度で特定し、どの残留スラリー912がいずれかの潜在的なスラリー流から分離されているかを判定する。「細孔」を分類するプロセスの実施形態では、画像は、本明細書で前述した閾値の方法を使用して、「樹脂」または「空隙」のいずれかに分類される。次に、「樹脂」でシードされた「塗りつぶし」アルゴリズムを使用して、予想される部品ジオメトリの外側にあるピクセルを分類して、ジオメトリ内のものを含むすべての接続された「樹脂」分類ピクセルを除去する。次いで、残りのすべてのピクセルは、未硬化の樹脂と接続されていないため、樹脂流動の結果とはなり得ず、欠陥であると考えられる。一旦特定されると、残留スラリー912は細孔部位として分類され、一層の複数の細孔部位がカタログ化される。層ごとに、細孔部位のカタログが比較され、3つを超える層、あるいは1つを超える層に亘って持続する任意の細孔部位が、真の細孔であると考えられる。さらに、このプロセスによって特定された真の細孔は、3D欠陥モデルに組み込むことができる。
図20Bは、真の細孔922を含む3D欠陥モデル920の一例を示す画像である。
【0075】
このプロセスによって特定された真の細孔は、全部品密度の定量化および製造されたままの部品の潜在的な弱点の特定を可能にする。このプロセスによる細孔の高い特定精度は、製造されたままの部品の法医学的分析によって確認されている。特に、製造されたままの部品の3D欠陥モデルが作成され、予想される高い多孔度の領域が、例えばスライスによって露出され、顕微鏡を使用して検査された。顕微鏡を使用して観察された細孔の位置は、3D欠陥モデルの細孔の位置と一致した。
【0076】
いくつかの実施形態では、デジタルモデルデータに基づいて付加製造動作を制御し、製造上の欠陥に対して付加製造製品の連続層をその場で監視するための構成要素110は、コンピュータ制御付加製造機などのコンピュータシステムまたはコンピュータ支援機で具現化される。コンピュータ支援機械のコンピュータシステムまたはコンピュータ部分は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはとりわけ、付加製造機100を動作および制御するための命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、付加製造製品10に関連するコンピュータ支援設計(CAD)モデルまたは付加製造ファイル(AMF)ファイルまたはステレオリソグラフィ輪郭(SLC)ファイル(通常は連続層)などの電子データソースとを含むサーバとすることができる。
【0077】
図21は、いくつかの実施形態による付加製造機(AMM)コントローラ1000を示すブロック図である。AMMコントローラ1000は、典型的には、1つまたは複数の処理ユニット(プロセッサまたはコア)1002と、(任意選択的に)1つまたは複数のネットワークまたは他の通信インターフェース1004と、メモリ1006と、これらの構成要素を相互接続するための1つまたは複数の有線または無線接続部1008とを含む。例えば、そのような接続は、任意選択的に、システム構成要素間を相互接続し、システム構成要素間の通信を制御する回路(チップセットと呼ばれることもある)を任意選択的に含む通信バスを含むことができる。あるいは、構成要素は、無線送受信機を使用して無線で通信してもよい。AMMコントローラシステム1000は、ユーザインターフェース1010を含む。ユーザインターフェース1010は、ディスプレイ装置1012を含むことができ、キーボード/マウス、トラックパッド、および/または入力ボタンなどの入力装置1016を任意選択的に含む。これに代えて、あるいはこれに加えて、ディスプレイ装置1012はタッチ感知面1014を含むことができ、この場合、ディスプレイ装置はタッチ感知ディスプレイである。AMMコントローラシステム1000の接続部1008はまた、付加製造製品を製造するために付加製造機100を動作させるように通信可能に結合された様々なサブユニットに動作可能に接続し、それらとインターフェースする。したがって、コントローラシステム1000の接続部1008は、構築ゾーン(例えば、スラリー202の貯蔵、供給および輸送に関連する構成要素)に材料の供給源を供給するための構成要素102、付加製造製品が構築される構成要素104(構築ステージ250など)、付加製造製品の連続層を形成する材料を堆積または硬化させるための構成要素106(硬化性放射線源280など)、付加製造製品の連続層の堆積中に液体系材料を画像化するための構成要素108(画像取込装置300および照明源310など)に動作可能に接続され、それらとインターフェースする。デジタルモデルデータに基づいて付加製造動作を制御し、製造上の欠陥に対して付加製造製品の連続層をその場で監視するための他の構成要素も、含み得る。さらに、様々なサブユニットは、別個の構成要素であってもよく、または組み合わされてもよく、あるいは構成要素を共有してもよい。
【0078】
メモリ1006は、DRAM、SRAM、DDR RAM、または他のランダムアクセスソリッドステートメモリ装置などの高速ランダムアクセスメモリを含み、1つまたは複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、および/または他の不揮発性ソリッドステート記憶装置などの不揮発性メモリを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ1006は、プロセッサ1002から遠隔に配置された1つまたは複数の記憶装置を含む。メモリ1006、あるいはメモリ1006内の不揮発性メモリデバイスは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。いくつかの実施形態では、メモリ1006、またはメモリ1006のコンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載の方法を(例えば、プロセッサによって)実行するための命令を記憶する。例えば、メモリは、以下のプログラム、モジュール、およびデータ構造、またはそれらのサブセットもしくはスーパーセットを格納する。
・ 様々な基本システムサービスを処理し、ハードウェア依存タスクを実行するための手順を含むオペレーティングシステム1020、
・ ネットワーク通信モジュール1022であって、コントローラシステム1000を、(有線または無線の)1つまたは複数の接続部1008および1つまたは複数のネットワーク通信インターフェース1004を介して他のコンピュータに接続するために使用される、ネットワーク通信モジュール、
・ 画像化構成要素108によって取込まれた画像またはビデオを処理するための画像/ビデオ取込モジュール1024(例えば、カメラモジュール)、
・ 以下のモジュール(または命令セット)、またはそのサブセットもしくはスーパーセットを含む、1つまたは複数のAMMモジュール1030、
○ リザーバ200、(任意選択的に)バルブ210、計量装置212、および暫定リザーバ204を含む構築ゾーンに材料の供給源を供給するために、構成要素102内のスラリー関連構成要素とインターフェース接続し、その動作を制御するためのスラリーモジュール1032、
○ 輸送フィルム222および回転可能ローラ216を含む構築ゾーンに材料の供給源を供給するために、構成要素102内の輸送フィルム関連構成要素とインターフェース接続し、その動作を制御するための輸送フィルムモジュール1034、
○ 構築ステージ250および無線送受信機258を含む、付加製造製品が構築される構成要素104内の構築ステージ関連構成要素とインターフェース接続し、その動作を制御するための構築ステージモジュール1036、
○ 硬化性放射線源280を含む付加製造製品の連続層を形成する材料を堆積または硬化させるために、構成要素106内の硬化性放射線源関連構成要素とインターフェース接続し、その動作を制御するための硬化性放射線源モジュール1038、
○ 画像取込装置300および照明源310を含む、付加製造製品の連続層の堆積中に液体系材料を画像化するために、構成要素108内の画像化関連構成要素とインターフェース接続し、その動作を制御するための画像化モジュール1040、および
○ 製造される部品のデジタルモデルに関連する電子情報、ならびに画像モジュールから取得されたデジタル画像情報の記憶、共有、およびアクセスに関連する構成要素とインターフェース接続し、その動作を制御するためのデジタルモデルデータモジュール1042、および
・ 以下のモジュール(または命令セット)、またはそのサブセットもしくはスーパーセットを含む、1つまたは複数の欠陥検出モジュール1060、
○ 様々に、(a)画像関連構成要素およびデジタル情報とインターフェース接続し、(b)分類、遠近補正、および閾値化のための一般式を含む様々な画像処理機能の動作および適用を制御し、(c)画像および画像関連データおよび情報を比較するための画像補正モジュール1062および画像比較モジュール1064、および
○ 製造される部品のデジタルモデルに関連する電子情報、ならびに画像モジュールから取込まれたデジタル画像情報の記憶、共有、およびアクセスに関連し、捕捉された画像の補正および分析、ならびに例えばコンピュータ支援三次元レンダリングによるそのような情報の視覚化に関連する構成要素とインターフェース接続し、制御するための製品再構成モジュール1066。
【0079】
上記の特定されたモジュールのそれぞれは、上記および/または本願に記載された方法(例えば、本明細書に記載の付加製造方法、コンピュータ実装方法、および他の情報処理方法)で説明された1つまたは複数の機能を実行するための実行可能命令のセットに対応する。しかしながら、これらのモジュール(例えば、命令のセット)は、別個のソフトウェアプログラム、手順またはモジュールとして実装される必要はなく、したがって、これらのモジュールの様々なサブセットは、任意選択的に、様々な実施形態において組み合わされるか、そうでなければ再配置される。いくつかの実施形態では、メモリ1006は、上記で特定されたモジュールおよびデータ構造のサブセットを記憶する。いくつかの実施形態では、メモリ1006は、上述していない追加のモジュールおよびデータ構造を記憶する。
【0080】
構成要素の製造に使用される材料の特定の要件(耐薬品性など)、装置自体の利用の特定の要件(特定の大気または真空の要件など)に対応することができ、製造された構成要素のサイズおよび幾何学的形状に対応することができる適切な付加製造装置を利用することができる。適切な付加製造装置の例には、SLAおよびDLP装置、電子ビームベースの付加製造装置、およびDLPステレオリソグラフィ装置が含まれ、これらの装置のいずれか1つは、特定の要件に合わせて修正または適合させることができる。
【0081】
付加製造の例示的な方法は、製造される構成要素の設計を付加製造装置のコントローラに設けることを含むことができる。そのような設計は、付加製造プロトコルに組み込むことができる。
【0082】
付加製造プロトコルは、任意の適切な付加製造プロセスでの使用のために開発および/または適合させることができる。適切な付加製造プロセスの例は、ISO/ASTM52900-15に開示されており、これは、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、材料押出、材料噴射、粉末床溶融、シート積層、および光重合を含む付加製造プロセスのカテゴリを定義している。ISO/ASTM52900-15の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。光造形法は、光重合プロセスを使用する付加製造の一形態である。例示的な実施形態では、ステレオリソグラフィ付加製造技術は、紫外線またはベータ線への曝露の光開始を含む。いくつかの例示的な実施形態において、紫外線は、デジタルライトプロセッサ(DLP)または光造形装置(SLA)において発生する。他の例示的な実施形態では、ベータ線は、電子ビーム(EBeam)装置または電子照射(EBI)装置で生成される。本明細書に開示される方法および組成物は、ステレオリソグラフィの文脈内で説明されているが、そのような方法および組成物は、他の付加製造プロセスに拡張および/または適合され得ることが明確に企図される。
【0083】
例示的な方法の別の態様では、槽またはリザーバなどのスラリー組成物の供給体積部が確立される。次いで、付加製造装置の可動ベースと接触しているスラリー組成物の一部を硬化させることによって、部品の未焼結体のベース部分が形成される。あるいは、ベース部分は、付加製造プロセスの開始前に予め製造することができる。部品の未焼結体の追加部分は、第一に、ベース部分と接触しているスラリー組成物の一部を硬化させて未焼結体の第一層を形成し、次に、第二に、供給体積部の表面と未焼結体の最後に形成された追加部分との間の界面に対して可動ベースを並進させながら、未焼結体の前の堆積層と接触しているスラリー組成物の一部を硬化させて追加部分を形成することによって、層ごとに形成される。可動ベースの並進は、典型的には、構成要素の設計によるものであり、付加製造プロトコルによって指示される。例示的な実施形態では、供給体積部の表面と未焼結体の最後に形成された追加部分との間の界面に対して可動ベースを並進させることは、50ミクロン以上のX軸分解能およびY軸分解能を有し、20ミクロン以上のZ軸分解能を有する。例示的な実施形態では、層ごとに形成された部品の未焼結体の各追加部分は、少なくとも25ミクロン、あるいは25ミクロン~50ミクロンの厚さを有する。構成要素の未焼結体の層ごとの製造が完了すると、構成要素の未焼結体は、付加製造装置から除去され、焼結(または他の脱バインダ/圧密化技術によって処理)されて緻密化セラミックを形成することができる。本明細書に記載の画像取込み、画像補正、および画像比較プロセスは、この方法に適切に組み込むことができる。
【0084】
特定された欠陥および/または他の偏差の1つまたは複数に基づいて、付加製造プロセスまたはスラリー組成物を調整して、欠陥および/または偏差を補正、緩和、または補償することができる。例えば、組成物の成分(材料化学または成分の量のいずれか)を調整および変更することができる。別の例として、構築ステージの移動(空間的および時間的)、堆積に関連する温度、ステップのシーケンスなど、付加製造技術の1つまたは複数のパラメータを調整および変更することができる。調整することができる他のプロセスパラメータには、リザーバの温度をより高い温度に上昇させること、粘度を低下させること、より均一な層厚を作成すること、付加製造印刷層の適切な平坦化を可能にするために照射前の遅延を調整すること、油圧軸受力および印刷窓剥離の緩和を可能にするために移動速度を調整すること、散乱を制限し硬化の深さを増加させるために層ごとに複数回の露光を施すこと、および所望の特性を最適化するために連続的に変化する強度露光(動画)などのパラメータが含まれる。調整することができる他の設計パラメータには、以下のようなパラメータが含まれる。印刷できるのに達しない薄い幾何学的形状の設計を変更する、小さすぎて露光中に散乱によって閉塞される可能性がある細孔を増加/除去する、捉えたスラリーの除去を助けるために部品に排水孔またはクリーニング孔を追加する、構造的および中立的に有用な材料で繊細な幾何学的形状をサポートするためにジャイロおよび格子形態を組み合わせる。組成および/またはパラメータの調整は、独立してまたは組み合わせて行うことができる。また、組成および/またはパラメータの調整は、進行中の反復堆積プロセスの後続の反復において、または後続の反復堆積プロセスにおいて実施することができる。あるいは、スラリーの組成または付加製造技術のパラメータの調整を行って、そのような組成/パラメータを変化させる効果を決定することができる。そのような原因および効果に関する情報は、進行中の反復堆積プロセスの後続の反復において、または後続の反復堆積プロセスにおいて開発および使用することができる。
【0085】
いくつかの製造方法または製造方法のステップでは、付加製造製品の特徴および構造(またはその一部)は、例えば付加製造プロセスを使用して統合的な一体構造として製造される。本明細書で使用される場合、付加製造プロセスは、層ごとに材料を追加することによって3D物体を構築する任意の技術を含む。一例では、開示された方法は、核分裂炉構造物および補助装置の製造に適用することができる。適切な付加製造プロセスの一例は、モリブデン含有金属合金、ジルカロイ-4またはハステロイXなどの金属合金の3D印刷を利用して、クラッドなどの上述の構造的特徴を形成する。他の実施形態では、核分裂反応器構造の一部として使用される核分裂性核燃料組成物および/または熱伝達剤および/または減速材材料および/または毒物は、供給原料内に複数の金属を有する適切なマルチマテリアル付加製造プロセスが使用される場合、統合的な一体構造内に含まれ得る。溶融金属が付加製造プロセスに含まれていない場合、付加製造プロセスを一時停止することができ、溶融金属の体積部が(液体または固体形態のいずれかで)燃料キャビティに配置され、付加製造プロセスは閉じたチャンバの構造を完成させるために継続される。供給原料内に複数の金属を有する適切な多材料付加製造プロセスを使用するときに、核分裂炉構造および補助装置に使用することができる他の合金には、鋼合金、ジルコニウム合金、およびモリブデン-タングステン合金(クラッド用および/または格納構造用)、ベリリウム合金(リフレクタ用)、およびステンレス鋼(格納構造用)が含まれる。付加製造プロセスによって製造されない場合であっても、上記材料は、そのような核分裂反応器および補助装置の様々な特徴および構造を製造する際に使用することができる。
【0086】
本明細書に開示される付加製造技術は、(a)予測的および因果的分析、(b)機械の視覚と組み合わせたその場での監視、および構造の層ごとの製造中の加速処理、(c)機械学習構成要素と組み合わせた自動分析、および(d)完成時の構造のデジタル表現の仮想検査の追加のステップを含むことができる。さらに、付加製造技術は、複雑な幾何学的形状を作成することができ、インサイチュセンサ、マシンビジョン画像、および人工知能と結合されると、構成要素が層ごとの付加的ベース(多くの場合、これらの層は50ミクロンのスケールである)で構築されるときの製造の質の調整を可能にし、そのような原子炉および構造物の製造の予測的な品質保証が得られる。
【0087】
様々な材料が、核分裂リアクタおよび補助装置の構成要素を付加製造するために使用され得る。被覆管には、通常、熱中性子の吸収断面積が低い耐食性材料が使用される。例示的な材料にはジルカロイまたは鋼が含まれるが、反応器の条件に適している場合には、他の材料、例えば金属およびセラミック系(Be、C、Mg、Zr、O、Si)、ならびにモリブデン、タングステン、レニウム、タンタル、ハフニウム、および炭化物を含むそれらの合金を含む組成物を使用してもよい。核分裂性核燃料の場合、組成物は、5%超20%未満のU235アッセイを含む高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)であり得るか、または20%以上のU235を含む高濃縮ウラン(HEU)であり得る。開示された燃料要素構造に適用可能な適切な核分裂性核燃料組成物は、20%未満濃縮されたウランの酸化ウラン(UO2)、10重量%モリブデン(U-10Mo)、窒化ウラン(UN)、および他の安定な核分裂性燃料化合物を含む。焼損性の毒物も含まれ得る。典型的には、核分裂性核燃料組成物は、WまたはMoを有するUO2およびWまたはMoを有するUNなどのセラミック材料(サーメット)の形態である。使用される場合、動作温度で溶融する塩または金属などの熱伝達剤を燃料要素構造に含めて、燃料組成物本体とクラッド本体との間の熱結合を改善することができる。さらに、熱伝達剤は、熱結合を促進するために、(最初に存在するか、または反応器の動作中に発生するかにかかわらず)燃料要素構造内の亀裂または他の欠陥を占有することができる。開示された核推進核分裂炉構造に含まれ、熱伝達接触をもたらすために燃料要素構造に含まれるのに適した溶融金属には、ナトリウム(Na)、ナトリウム-カリウム(NaK)、カリウム(K)、および鉄(Fe)が含まれる。
【0088】
また、本明細書では「第一」および「第二」という用語を使用して様々な要素を説明しているが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことも理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、様々な記載された実施形態の範囲から逸脱することなく、第一画像を第二画像と呼ぶことができ、同様に、第二画像を第一画像と呼ぶことができる。第一画像および第二画像は、いずれも画像であるが、同じ画像ではない。
【0089】
様々な図面のいくつかは特定の順序でいくつかの論理的なステージを示しているが、順序に依存しないステージは並べ替えられてもよく、他のステージは組み合わされても分割されてもよい。いくつかの並べ替えまたは他の群化が具体的に言及されているが、他のものは当業者には明らかであり、したがって、本明細書に提示される並べ替えおよび群化は、代替物の網羅的なリストではない。さらに、ステージは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装できることを認識されたい。
【0090】
さらに、本明細書に記載の様々な実施形態の説明で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。様々な記載された実施形態および添付の特許請求の範囲の説明で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連する列挙された用語のうちの1つまたは複数のありとあらゆる可能な組み合わせを指し、包含することも理解されよう。「含む(includes)」、「含む(including)」、「備える(comprises)」、および/または「備える(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0091】
特定の実施形態を参照してきたが、それらの精神および範囲から逸脱することなく、他の実施形態および変形形態が他の当業者によって考案され得ることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような実施形態および均等な変形を含むと解釈されることを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造製品の製造をその場で監視する方法であって、
第一堆積ステップにおいて前記付加製造製品の第一部分を形成することであって、前記付加製造製品は、付加製造機の構築ステージに取り付けられる、形成することと、
付加製造のためのスラリーの第一体積部を前記付加製造機の構築ゾーンに供給することと、
前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の第一画像を取込むことであって、前記第一画像において、前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部は、供給されたままの状態にあり、前記付加製造機の前記構築ステージに向かって配向された上面と前記付加製造機の硬化性放射線源に向かって配向された底面との間の厚さを有する、取込むことと、
前記付加製造製品を前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部に浸漬することであって、第一浸漬位置において、前記付加製造製品の前記第一部分は、前記第一スラリー体積部の前記上面から第一層深さ(DLn)にあり、前記第一層深さ(DLn)は、前記供給されたままの状態の前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の前記厚さよりも薄い、浸漬することと、
堆積表面と前記第一スラリー体積部の前記底面との間に位置する前記第一スラリー体積部の少なくとも第一部分から前記付加製造製品の前記第一部分の前記堆積表面上に第一層(Ln)を形成することであって、前記堆積表面と前記第一スラリー体積部の前記底面との間の距離が、前記第一層(Ln)の層厚(TLn)を画定する、形成することと、
前記付加製造製品を前記第一スラリー体積部から後退させることであって、第一後退位置において、前記第一層(Ln)は、前記第一スラリー体積部の前記上面を含み、前記構築ゾーンに亘る平面から離間している、後退させることと、
前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の第二画像を取込むことであって、前記第二画像において、前記付加製造製品は前記第一後退位置にあり、前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部は、前記第一スラリー体積部内に1つまたは複数の空隙を含む層形成後状態にある、取込むことと、
付加製造のためのスラリーの第二体積部を前記付加製造機の前記構築ゾーンに供給することと、
前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の第一画像を取込むことであって、前記第二スラリー体積部の前記第一画像において、前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部は、供給されたままの状態にあり、前記付加製造機の前記構築ステージに向かって配向された上面と前記付加製造機の硬化性放射線源に向かって配向された底面との間の厚さを有する、取込むことと、
前記付加製造製品を前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部に浸漬することであって、第二浸漬位置において、第二層(Ln+1)が堆積されることになる前記第一層(Ln)の表面が、前記第二スラリー体積部の前記上面から第二層深さ(DLn+1)にあり、前記第二層深さ(DLn+1)が、前記供給されたままの状態の前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の前記厚さよりも薄い、浸漬することと、
前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の第二画像を取込むことであって、前記第二スラリー体積部の前記第二画像において、前記付加製造製品は前記第二浸漬位置にあり、前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部は、供給されたままの状態の前記第二スラリー体積部に対して、減少した第二スラリーの体積部を含む事前層形成状態にある、取込むことと、
補正された空隙画像を形成するために、前記第一スラリー体積部の前記第一画像に基づいて前記第一スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正することと、
補正された位置ずれ画像を形成するために、前記第二スラリー体積部の前記第一画像に基づいて前記第二スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正することと、および
(a)前記補正された空隙画像とコンピュータ生成モデルからの二元予想画像と、および(b)前記補正された位置ずれ画像と前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と、を比較することであって、前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像は、前記第一層(Ln)に対応する前記付加製造製品内の層のものである、比較することと、
前記比較することに基づいて、前記付加製造製品における欠陥の有無を特定すること、を含む、方法。
【請求項2】
(a)前記補正された空隙画像とコンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と、および(b)前記補正された位置ずれ画像と前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と、を比較することに基づいて比較画像を作成することと、
前記付加製造製品の少なくとも一部に対応する3Dモデルを形成するために複数の比較画像を組み立てることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記欠陥の有無を特定することが、前記付加製造製品内の前記欠陥の位置を特定することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記欠陥の位置が、前記付加製造製品内の構築層および前記構築層内の位置によって特定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
(a)前記補正された空隙画像と前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と、および(b)前記補正された位置ずれ画像と前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と、を比較することが、ピクセルレベルの比較である、請求項1から4の一項に記載の方法。
【請求項6】
前記二元予想画像は、1つまたは複数の連続領域を含み、前記補正された空隙画像と前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像とを比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて、前記補正された空隙画像内の被覆率を定量化する、請求項1から4の一項に記載の方法。
【請求項7】
欠陥がないことは、前記補正された空隙画像の前記連続領域に対応する前記付加製造製品の部分における閾値空隙画像値を超える被覆率によって示される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記二元予想画像は1つまたは複数の連続領域を含み、前記補正された位置ずれ画像と前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像とを比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて前記補正された位置ずれ画像内の被覆率を定量化する、請求項1から7の一項に記載の方法。
【請求項9】
欠陥がないことは、前記補正された位置ずれ画像の前記連続領域に対応する前記付加製造製品の部分における閾値位置ずれ画像値を超える被覆率によって示される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記二元予想画像は1つまたは複数の連続領域を含み、
前記補正された空隙画像と前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像とを比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて、前記補正された空隙画像内の第一被覆率を定量化し、
前記補正された位置ずれ画像と前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像とを比較することは、各連続領域内のピクセルレベルの比較に基づいて、前記補正された位置ずれ画像内の第二被覆率を定量化する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
前記付加製造製品の同じ部分に対応する前記補正された空隙画像の前記連続領域および前記補正された位置ずれ画像の前記連続領域について、前記付加製造製品の前記部分に欠陥がないことが、閾値空隙画像値を上回る前記第一被覆率および閾値位置ずれ画像値を下回る前記第二被覆率によって示される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記付加製造製品の同じ部分に対応する前記補正された空隙画像の前記連続領域および前記補正された位置ずれ画像の前記連続領域について、前記付加製造製品の前記部分における欠陥の存在が、閾値空隙画像値を下回る前記第一被覆率および閾値位置ずれ画像値を上回る前記第二被覆率によって示される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記欠陥が、前記第一スラリー体積部からの材料が前記付加製造製品に接着していない接着欠陥を含む、請求項1から12の一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第一スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正する前に、前記第一スラリー体積部の前記第一画像および前記第一スラリー体積部の前記第二画像が遠近法およびオフセットについて補正される、請求項1から13の一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第二スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正する前に、前記第二スラリー体積部の前記第一画像および前記第二スラリー体積部の前記第二画像が遠近法およびオフセットについて補正される、請求項1から14の一項に記載の方法。
【請求項16】
前記付加製造機は、
輸送フィルムであって、前記輸送フィルムの第一面が付加製造用の前記スラリーを支持し、前記スラリーを前記構築ゾーンに出し入れする、輸送フィルムと、
前記輸送フィルムを通って、前記構築ゾーンに配置された付加製造用の前記スラリーの層に硬化性放射線を投射するように配置された硬化性放射線源と、
前記構築ゾーンに配置された付加製造用の前記スラリーの前記層に可視光を投射するように配置された照明源と、
前記輸送フィルムを通して見た前記構築ゾーンを含む視野を有するように配置された画像取込装置と
を備える、請求項1から15の一項に記載の方法。
【請求項17】
プロセスによって実行するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、
第一堆積ステップにおいて前記付加製造製品の第一部分を形成することであって、前記付加製造製品は、付加製造機の構築ステージに取り付けられる、形成することと、
付加製造のためのスラリーの第一体積部を前記付加製造機の構築ゾーンに供給することと、
前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の第一画像を取込むことであって、前記第一画像において、前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部は、供給されたままの状態にあり、前記付加製造機の前記構築ステージに向かって配向された上面と前記付加製造機の硬化性放射線源に向かって配向された底面との間の厚さを有する、取込むことと、
前記付加製造製品を前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部に浸漬することであって、第一浸漬位置において、前記付加製造製品の前記第一部分は、前記第一スラリー体積部の前記上面から第一層深さ(DLn)にあり、前記第一層深さ(DLn)は、前記供給されたままの状態の前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の前記厚さよりも薄い、浸漬することと、
堆積表面と前記第一スラリー体積部の前記底面との間に位置する前記第一スラリー体積部の少なくとも第一部分から前記付加製造製品の前記第一部分の前記堆積表面上に第一層(Ln)を形成することであって、前記堆積表面と前記第一スラリー体積部の前記底面との間の距離が、前記第一層(Ln)の層厚(TLn)を画定する、形成することと、
前記付加製造製品を前記第一スラリー体積部から後退させることであって、第一後退位置において、前記第一層(Ln)は、前記第一スラリー体積部の前記上面を含み、前記構築ゾーンに亘る平面から離間している、後退させることと、
前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部の第二画像を取込むことであって、前記第二画像において、前記付加製造製品は前記第一後退位置にあり、前記構築ゾーン内の前記第一スラリー体積部は、前記第一スラリー体積部内に1つまたは複数の空隙を含む層形成後状態にある、取込むことと、
付加製造のためのスラリーの第二体積部を前記付加製造機の前記構築ゾーンに供給することと、
前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の第一画像を取込むことであって、前記第二スラリー体積部の前記第一画像において、前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部は、供給されたままの状態にあり、前記付加製造機の前記構築ステージに向かって配向された上面と前記付加製造機の硬化性放射線源に向かって配向された底面との間の厚さを有する、取込むことと、
前記付加製造製品を前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部に浸漬することであって、第二浸漬位置において、第二層(Ln+1)が堆積されることになる前記第一層(Ln)の表面が、前記第二スラリー体積部の前記上面から第二層深さ(DLn+1)にあり、前記第二層深さ(DLn+1)が、前記供給されたままの状態の前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の前記厚さよりも薄い、浸漬することと、
前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部の第二画像を取込むことであって、前記第二スラリー体積部の前記第二画像において、前記付加製造製品は前記第二浸漬位置にあり、前記構築ゾーン内の前記第二スラリー体積部は、供給されたままの状態の前記第二スラリー体積部に対して、減少した第二スラリーの体積部を含む事前層形成状態にある、取込むことと、
補正された空隙画像を形成するために、前記第一スラリー体積部の前記第一画像に基づいて前記第一スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正することと、
補正された位置ずれ画像を形成するために、前記第二スラリー体積部の前記第一画像に基づいて前記第二スラリー体積部の前記第二画像の画像特性を補正することと、
(a)前記補正された空隙画像とコンピュータ生成モデルからの二元予想画像と、および(b)前記補正された位置ずれ画像と前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像と、を比較することであって、前記コンピュータ生成モデルからの前記二元予想画像は、前記第一層(Ln)に対応する前記付加製造製品内の層のものである、比較することと、
前記比較するステップに基づいて、前記付加製造製品における欠陥の有無を特定することと、を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【外国語明細書】