(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109941
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】モジュール式空気冷却および分配システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
G06F1/20 D
G06F1/20 C
G06F1/20 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024088070
(22)【出願日】2024-05-30
(62)【分割の表示】P 2020501535の分割
【原出願日】2018-07-16
(31)【優先権主張番号】62/532,680
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512330547
【氏名又は名称】イナーテック アイピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】コスタキス,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】グエン,ケン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】シャピロ,ドロン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い柔軟性、スケーラビリティ、設置の容易さ、およびデータセンタのような広い、開放的な、屋内領域の冷却のためのエネルギー消費を低減するモジュール式空気冷却及び分配システムを提供する。
【解決手段】冷却システムは、天井プレナム112と、複数のサーバラック110の複数の列によって形成された少なくとも1つのホットアイルの上に配置され、ホットアイルから天井プレナム中へ流体を導くように構成される封じ込めアセンブリ108と、ホットアイルまたは封じ込めアセンブリに流れる流体の速度を測定する冗長風速計150と、ホットアイルまたは封じ込めアセンブリに流れる流体の温度を測定するように構成される温度センサと、少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリ104と、測定された温度および速度に基づいて、少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリのファンの速さを調整するように構成される制御装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却システムであって、
建物の第1の天井と第2の天井との間に形成された天井プレナムと、
複数のサーバラックの複数の列によって形成された少なくとも1つのホットアイルの上に配置され、前記第1の天井の開口を通って伸びる封じ込めアセンブリであって、前記ホットアイルから前記天井プレナム中へ流体を導くように構成される、封じ込めアセンブリと、
前記ホットアイルまたは前記封じ込めアセンブリに流れる流体の速度を測定するように構成される流体速度センサと、
前記ホットアイルまたは前記封じ込めアセンブリに流れる前記流体の温度を測定するように構成される温度センサと、
少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリと、
前記測定された温度および速度に基づいて、前記少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリの少なくとも1つのファンの速さを調整するように構成される制御装置と、
を備える、冷却システムであり、
前記少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリの少なくとも1つのファンは、前記天井プレナムから、前記少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリの少なくとも1つの熱交換器を通して、前記複数のサーバラックへ流体を流す、冷却システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリが、複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第1の列、ならびに前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第1の列に隣接する複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第2の列を含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記速度センサおよび前記温度センサが風速計によって実装される、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項4】
冗長風速計をさらに備える、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリが、前記建物の外部にありかつ前記建物の壁に隣接する屋外エンクロージャの内部に配置され、
前記少なくとも1つのファンが、前記壁の開口を通して前記複数のサーバラックへ流体を流す、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記建物の床とスラブとの間に形成された床プレナムと、
前記天井プレナムと前記床プレナムとの間で流体結合されたエアダクトと、
をさらに備え、
前記少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリが、前記エアダクト内に配置され、前記エアダクトを通して前記床プレナムへ、および前記床の開口を通して前記複数のサーバラックへ空気を流すように構成される、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記複数のサーバラックと前記少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリとの間で前記建物内に配置される内壁であって、前記第1の天井と接続し、前記第2の天井と前記内壁の頂部との間で内壁開口を形成するように前記建物の床から伸びる内壁をさらに備える、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項8】
複数の熱交換器が前記内壁と複数のファンとの間に配置され、前記複数のファンは、前記複数のサーバラックから、前記内壁開口を通って、前記天井プレナムへ、封じ込めアセンブリを通って空気を流すように構成される、請求項7に記載の冷却システム。
【請求項9】
複数のファンが前記内壁と複数の熱交換器との間に配置され、前記複数のファンは、前記天井プレナムから、前記内壁開口を通って、前記ファンおよび熱交換器アセンブリを介して前記複数のサーバラックへ空気を流すように構成される、請求項7に記載の冷却システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリが、ファンおよび熱交換器アセンブリエンクロージャを含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項11】
冷却システムであって、
建物内に配置され、複数のサーバラックの複数の列によって形成された少なくとも1つのホットアイルに隣接して配置される、第1の封じ込めアセンブリと、
前記第1の封じ込めアセンブリに流れる流体の速度を測定するように構成される流体速度センサと、
前記第1の封じ込めアセンブリに流れる前記流体の温度を測定するように構成される温度センサと、
前記建物の外部に配置される複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第1の列と、
前記建物の外部に配置され、前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第1の列に隣接して配置される、複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第2の列と、
前記測定された温度および速度に基づいて、前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第1および第2の列の複数のファンの速さを調整するように構成される制御装置と、
を備える、冷却システムであり、
前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの複数のファンは、前記ホットアイルから、前記第1の封じ込めアセンブリを通って、前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの複数の熱交換器を通って、前記複数のサーバラックへ空気を流す、冷却システム。
【請求項12】
前記第1の封じ込めアセンブリが、前記ホットアイルの側面と前記建物の外壁の少なくとも1つの開口との間に配置され、
前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第1および第2の列が、前記外壁の少なくとも1つの開口を介して前記第1の封じ込めアセンブリと流体連通する、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項13】
前記第1の封じ込めアセンブリが前記ホットアイルの上に配置される、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項14】
前記第1の封じ込めアセンブリの上に配置される第2の封じ込めアセンブリをさらに備える、請求項13に記載の冷却システム。
【請求項15】
前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリを収容するファンおよび熱交換器エンクロージャをさらに備える、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項16】
冷却システムであって、
建物内に配置され、複数のサーバラックの複数の列によって形成された少なくとも1つのホットアイルに隣接して配置される、第1の封じ込めアセンブリと、
前記封じ込めアセンブリに流れる流体の速度を測定するように構成される流体速度センサと、
前記封じ込めアセンブリに流れる前記流体の温度を測定するように構成される温度センサと、
前記複数のサーバラックの高さを超える高さで前記建物内に配置される、複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第1および第2の列と、
前記測定された温度および速度に基づいて、前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第1および第2の列の複数のファンの速さを調整するように構成される制御装置と
を備える、冷却システムであり、
前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの複数のファンは、前記ホットアイルから、前記第1の封じ込めアセンブリを通って、前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの複数の熱交換器を通って、前記複数のサーバラックへ空気を流す、冷却システム。
【請求項17】
前記第1の封じ込めアセンブリが、前記ホットアイルの側面に配置され、
前記ファンおよび熱交換器アセンブリが、前記第1の封じ込めアセンブリの上に配置されかつ前記第1の封じ込めアセンブリと流体連通する、
請求項16に記載の冷却システム。
【請求項18】
前記第1の封じ込めアセンブリの上に配置される第2の封じ込めアセンブリをさらに備え、
前記ファンおよび熱交換器アセンブリが、前記第2の封じ込めアセンブリと結合されかつ流体連通する、請求項16に記載の冷却システム。
【請求項19】
複数のサーバラックを冷却する方法であって、前記方法が、
複数のサーバラックの複数の列の間に画定された少なくとも1つのホットアイルの中または付近の流体温度を感知することと、
前記流体温度が所定の流体温度より高い場合、前記複数のサーバラック、前記ホットアイル、および熱交換器を通る流体を循環させる少なくとも1つのファンの速さを、所定の速さだけ上げることと、
前記流体温度が前記所定の流体温度より低い場合、流体速度を測定し、前記流体速度が所定の速度より大きいかどうかを判定することと、
前記測定された流体速度が前記所定の速度より大きい場合、前記ファンの速さを、別の所定の速さだけ下げることと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記流体温度および前記流体速度が、前記ホットアイルに隣接して配置される封じ込めアセンブリ内で測定される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記流体温度および前記流体速度が風速計で測定される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
データセンタサーバラックは、大量の熱を発生させる多数の電子機器を収容する。その結果、電子機器を冷却するために大量の電力が必要とされる。大きい消費電力に寄与する因子は、冷却流体または空気がどのようにサーバラックに提供されるかである。
【発明の概要】
【0002】
一態様では、本開示は、冷却システムを特徴とする。冷却システムは、建物の第1の天井と第2の天井との間に形成された天井プレナムと、サーバラックの列によって形成された少なくとも1つのホットアイルの上に配置され、第1の天井の開口を通って伸びる封じ込めアセンブリとを含む。封じ込めアセンブリは、ホットアイルから天井プレナム中へ流体を導く。冷却システムは、ホットアイルまたは封じ込めアセンブリに流れる流体の速度を測定する流体速度センサと、ホットアイルまたは封じ込めアセンブリに流れる流体の温度を測定する温度センサとを含む。冷却システムは、少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリと、測定された温度および速度に基づいて、少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリの少なくとも1つのファンの速さを調整する制御装置と、を含む。少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリの少なくとも1つのファンは、天井プレナムから、少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリの少なくとも1つの熱交換器を通して、複数のサーバラックへ流体を流す。
【0003】
態様では、少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリは、ファンおよび熱交換器アセンブリの第1の列、ならびにファンおよび熱交換器アセンブリの第1の列に隣接するファンおよび熱交換器アセンブリの第2の列を含む。
【0004】
態様では、速度センサおよび温度センサは風速計によって実装される。
【0005】
態様では、冷却システムは、冗長風速計を含む。
【0006】
態様では、少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリは、建物の外部にありかつ建物の壁に隣接する屋外エンクロージャの内部に配置され、少なくとも1つのファンは、壁の開口を通してサーバラックへ流体を流す。
【0007】
態様では、冷却システムは、建物の床とスラブとの間に形成された床プレナムと、天井プレナムと床プレナムとの間で流体結合されたエアダクトとを含む。少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリはエアダクト内に配置され、エアダクトを通して床プレナムへ、および床の開口を通してサーバラックへ空気を流す。
【0008】
態様では、冷却システムは、サーバラックと少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリとの間で建物内に配置される内壁であって、第1の天井と接続し、第2の天井と内壁の頂部との間で内壁開口を形成するように建物の床から伸びる内壁を含む。
【0009】
態様では、熱交換器は内壁とファンとの間に配置され、ファンは、サーバラックから、内壁開口を通って、天井プレナムへ、封じ込めアセンブリを通って空気を流すように構成される。
【0010】
態様では、ファンは内壁と熱交換器との間に配置され、ファンは、天井プレナムから、内壁開口を通って、ファンおよび熱交換器アセンブリを介してサーバラックへ空気を流す。
【0011】
態様では、少なくとも1つのファンおよび熱交換器アセンブリは、ファンおよび熱交換器アセンブリエンクロージャを含む。
【0012】
さらに別の態様では、本開示は、別の冷却システムを特徴とする。冷却システムは、建物内に配置され、サーバラックの列によって形成された少なくとも1つのホットアイルに隣接して配置される、第1の封じ込めアセンブリと、第1の封じ込めアセンブリに流れる流体の速度を測定する流体速度センサと、第1の封じ込めアセンブリに流れる流体の温度を測定する温度センサと、建物の外部に配置されるファンおよび熱交換器アセンブリの第1の列と、建物の外部に配置され、ファンおよび熱交換器アセンブリの第1の列に隣接して配置される、ファンおよび熱交換器アセンブリの第2の列と、測定された温度および速度に基づいて、ファンおよび熱交換器アセンブリの第1および第2の列のファンの速さを調整する制御装置と、を含む。ファンおよび熱交換器アセンブリのファンは、ホットアイルから、第1の封じ込めアセンブリを通って、ファンおよび熱交換器アセンブリの熱交換器を通って、サーバラックへ空気を流す。
【0013】
態様では、第1の封じ込めアセンブリは、ホットアイルの側面と建物の外壁の少なくとも1つの開口との間に配置され、ファンおよび熱交換器アセンブリの第1および第2の列は、外壁の少なくとも1つの開口を介して第1の封じ込めアセンブリと流体連通する。
【0014】
態様では、第1の封じ込めアセンブリはホットアイルの上に配置される。
【0015】
態様では、冷却システムは、第1の封じ込めアセンブリの上に配置される第2の封じ込めアセンブリを含む。
【0016】
態様では、冷却システムは、ファンおよび熱交換器アセンブリを収容するファンおよび熱交換器エンクロージャを含む。
【0017】
さらに別の態様では、本開示は、さらに別の冷却システムを特徴とする。冷却システムは、建物内に配置され、サーバラックの列によって形成された少なくとも1つのホットアイルに隣接して配置される、第1の封じ込めアセンブリと、封じ込めアセンブリに流れる流体の速度を測定する流体速度センサと、封じ込めアセンブリに流れる流体の温度を測定する温度センサと、サーバラックの高さを超える高さで建物内に配置される、ファンおよび熱交換器アセンブリの第1および第2の列と、測定された温度および速度に基づいて、ファンおよび熱交換器アセンブリの第1および第2の列のファンの速さを調整する制御装置とを含む。ファンおよび熱交換器アセンブリのファンは、ホットアイルから、第1の封じ込めアセンブリを通って、ファンおよび熱交換器アセンブリの熱交換器を通って、サーバラックへ空気を流す。
【0018】
態様では、第1の封じ込めアセンブリはホットアイルの側面に配置され、ファンおよび熱交換器アセンブリは、第1の封じ込めアセンブリの上に配置されかつ第1の封じ込めアセンブリと流体連通する。
【0019】
態様では、冷却システムは、第1の封じ込めアセンブリの上に配置される第2の封じ込めアセンブリを含み、ファンおよび熱交換器アセンブリは、第2の封じ込めアセンブリと結合されかつ流体連通する。
【0020】
さらに別の態様では、本開示は、サーバラックを冷却する方法を特徴とする。方法は、サーバラックの列の間に画定された少なくとも1つのホットアイルの中または付近の流体温度を感知することと、流体温度が所定の流体温度より高い場合、サーバラック、ホットアイル、および熱交換器を通る流体を循環させる少なくとも1つのファンの速さを、所定の速さで上げることと、流体温度が所定の流体温度より低い場合、流体速度を測定し、流体速度が所定の速度より大きいかどうかを判定することと、測定された流体速度が所定の速度より大きい場合、ファンの速さを、別の所定の速さで下げることとを含む。
【0021】
態様では、流体温度および流体速度は、ホットアイルに隣接して配置される封じ込めアセンブリ内で測定される。
【0022】
態様では、流体温度および流体速度は風速計で測定される。
【0023】
本開示の1つまたは複数の態様は、本明細書の終わりに特許請求の範囲の例として具体的に指摘され、明確に主張されている。本開示の前述および他の目的、特徴、および利点は、以下のそのいくつかの実施形態の詳細な説明を、添付の図面と併せて参照することにより、当業者によってより容易に理解され得、いくつかの図を通して、類似の要素は同一の参照番号で指定される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の実施形態による、比較的低い天井高を有するデータセンタアセンブリの立面図である。
【
図2】断面A-Aに沿って取られた
図1の冷却アセンブリの正面断面図である。
【
図3】別の実施形態による、床下冷気分配を有するデータセンタアセンブリの立面図である。
【
図4】本開示のさらに別の実施形態による、比較的高い天井を有するデータセンタアセンブリの立面図である。
【
図5】本開示のさらに別の実施形態による、温かい頭上の還気を冷たい給気から分離するために垂直バッフルが使用されるデータセンタアセンブリの立面図である。
【
図6】本開示のさらに別の実施形態による、ホットアイルからの空気が地盤レベルの冷却モジュール中に引かれているのを示す、データセンタアセンブリの立面図である。
【
図7】本開示のさらに別の実施形態による、サーバラックの正面に冷気が吹き出す技術を示す、データセンタアセンブリの立面図である。
【
図8】本開示のさらに別の実施形態による、頭上に取り付けられた冷却モジュールを有するデータセンタアセンブリの立面図である。
【
図9】本開示のさらに別の実施形態による、冷却モジュールが床レベルより高い位置にあるデータセンタアセンブリの立面図である。
【
図10】本開示のさらに別の実施形態による、冷却モジュールまたはアセンブリが床レベルより高い位置にあるデータセンタアセンブリの立面図である。
【
図11】本開示の実施形態による、複数のファンおよび熱交換器モジュールを有するファンおよび熱交換器アセンブリの立面図である。
【
図12】本開示の実施形態による、複数のファンおよび熱交換器モジュールを有するファンおよび熱交換器アセンブリの正面図である。
【
図13】本開示の実施形態による、「スタータ」エンクロージャアセンブリの斜視図である。
【
図14】本開示の実施形態による、「追加」エンクロージャアセンブリの斜視図である。
【
図15】本開示の実施形態による、ファンおよび熱交換器アセンブリの分解図である。
【
図16】本開示の実施形態による、ファンおよび熱交換器アセンブリのファンを制御する方法例を示す流れ図である。
【
図17】本開示の実施形態による、風速計モジュールの分解図である。
【
図18】封じ込めアセンブリの壁上に設置された
図17の風速計モジュールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図は、例示のみを目的として本開示の実施形態を示す。以下の説明から、本明細書で説明された構造および方法の代替の実施形態が、本明細書に記載された本開示の原理から逸脱することなく採用され得ることを、当業者は容易に認識するであろう。
【0026】
詳細な説明
本開示のモジュール式空気冷却および分配システムは、高い柔軟性、スケーラビリティ、設置の容易さ、およびデータセンタのような広い、開放的な、屋内領域の冷却のためのエネルギー消費の低減を可能にする。基本的なファン/熱交換器モジュール式アセンブリの組み合わせは、所与の建物の全体設計に最もよく適応するように、様々な方法で構成されてよい。
【0027】
本開示の実施形態は、サーバラックからの熱気を熱交換器へ導く、設置が容易であり、低コスト、低空気圧損失、モジュール式の空気冷却および分配システムに関する。熱気は、その後、液体、例えば冷媒または冷水によって冷却され、冷気は、データセンタの開放空間に吐き出されて戻る。実施形態では、サーバからの高温空気は、熱交換器の吸い込み口までずっと、天井またはホットアイル封じ込めおよび(必要な場合)短いダクトを使用することによって、冷却用空気から分離される。熱気を隔離された状態に保つことによって、より高温の熱を遮断でき、したがって、より「自由な」冷却、より低い液体流量、およびより高いエネルギー効率につながる。熱交換器は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる仮特許出願第62/380,039号に開示されているような、低空気圧損失の多列扁平アルミニウム管熱交換器である。この因子は、封じ込め/天井/プレナムを通して低空気圧損失と組み合わされ、低い全圧力損失およびファン電力をもたらす。解析は、いくつかの実施形態が、データセンタにわたって均一な空気温度分布を有することを示す。
【0028】
本開示は用語「空気」を使用するが、本開示の実施形態によれば、空気の代わりに気体状態の他の流体が使用されてよい。
【0029】
図1~
図10は、ファンおよび熱交換器アセンブリならびに気流の配置が所与の建物の構造の詳細に合わせて適用され得る、様々な実施形態を示す。
【0030】
図1は、比較的低い高さを有する下部天井102を有する実施形態を示す。冷却ユニットまたはモジュール104は外部に位置し、いかなる屋内床面積も必要としない。屋外冷却モジュールアセンブリ104は、工場で組み立てられてよく、モジュール式スラブの上に取り付けられてよい。冷却モジュールまたはアセンブリ104は、耐候性エンクロージャ内に配置されてよい。封じ込めアセンブリ108はサーバラック110に結合されてホットアイルを封じ込める。天井プレナム112は、下部天井102と上部天井103との間に画定されてよい。あるいは、上部天井103は取り除かれてよく、天井プレナム112は、下部天井102と勾配屋根105との間に画定されてよい。天井プレナム112は、還気114を冷却モジュールまたはアセンブリ104に供給するように構成される。
【0031】
冗長風速計150は、封じ込めアセンブリ108を通って流れる空気の温度および/または速度を測定するように、封じ込めアセンブリ108に結合される。他の実施形態では、別のタイプの流体速度センサおよび流体温度センサが、冗長風速計150の代わりに使用されてよい。例えば、流体温度センサは、封じ込めアセンブリ108中の流体の流れにより、パドルが機械的スイッチを前後に動かし、その結果、流体の流れの方向を感知するように、機械的スイッチに取り付けられたパドルに置き換えられてよい。流体の流れ方向は、あるいは、当該技術分野で知られている任意の他の流体流れ方向センサによって測定されてよい。流体速度センサは、任意の好適な低速型センサであってよい。
【0032】
温度および/または速度測定値は、ファンおよび熱交換器アセンブリの1つまたは複数のファンの速さを制御するために使用される。例えば、流体の速度および温度測定値は、ホットアイルとコールドアイルとの間の流体の漏れ率を示し、ファンおよび熱交換器アセンブリのファンの速さを調節して封じ込めアセンブリ内部の圧力を中和するために使用されてよい。実施形態では、風速計150は、空気の温度および速度の両方を同時に感知できる熱線風速計であってよい。
【0033】
実施形態では、制御システムは、温度設定値および速度設定値を使用してよい。例えば、温度設定値は、以下の方程式にしたがって計算されてよい:
温度設定値=ホットアイル温度-((ホットアイル温度-コールドアイル温度)/3)
温度設定値は、ファンおよび熱交換器アセンブリのファンに加速または減速を命令するために使用される。速度設定値は、ファンの速さを微調整して空気漏れを最小限にするために使用されてよい。例えば、速度設定値は、ファンの速さを減速させるために使用されてよい。
【0034】
制御システムは、手動モードおよび自動モードで動作してよい。手動モードでは、ファンは、自動設定に優先する固定の速さに設定される。例えば、初期速度設定値は、所定の速度、例えば、150ft/分に設定されてよい。自動モードでは、低負荷が適用される場合、制御システムは、まず、ホットアイルおよびコールドアイル設定温度が、例えば所定の温度、例えば5°Fより低いかどうかを判定してよい。ホットアイルおよびコールドアイル設定温度が5°Fより低い場合、ファンの速さは、所定の最低の速さでありうる最低の速さで維持される。計算された総IT負荷を動作中のファンおよび熱交換器アセンブリの総数で除したものが所定の割合(例えば30%)より小さい場合、またはファンおよび熱交換器アセンブリの吸い込み温度と吐き出し温度との間の温度差が所定の温度(例えば10°F)より小さい場合、ファンの速さは、以下の方程式例にしたがって計算されてよい:
【数1】
【0035】
計算された総IT負荷を動作中のファンおよび熱交換器アセンブリの総数で除したものが所定の割合(例えば30%)より大きい場合、ならびにファンおよび熱交換器アセンブリの吸い込み温度と吐き出し温度との間の温度差が所定の温度(例えば10°F)より大きい場合、ファンの全速率は、以下のように決定されてよい。風速計からの読み取りが、温度設定値(例えば10°F)より高い場合、ファンの速さは、所定の毎分回転数(RPM)(例えば100RPM)だけ上げられる。ファンの速さは、感知温度が温度設定値より低くなるまで上がり続ける。風速計からの温度の読み取りが温度設定値より低く、風速計からの速度の読み取りが速度設定値(例えば150ft/分)より大きい場合、ファンの速さは下げられる(例えば、ファンの速さは100RPMだけ下げられるか、または風速計の読み取りに基づいて、速度を制御するためのPID制御装置が適用される)。
【0036】
風速計からの温度の読み取りが温度設定値より低く、風速計からの速度の読み取りが、例えば現場の条件に依存し得る速度設定値(例えば、75ft/分または150ft/分)より小さい場合、ファンの速さは変更されない。いくつかの実施形態では、温度または速度のいずれかについて風速計測定値が不安定な場合、制御装置は、瞬時測定の代わりに、時間平均測定(例えば、3~5秒にわたる)を適用してよい。
【0037】
図2は、一実施形態例による、断面A-Aに沿って取られた、任意選択のモジュール式空気壁部の断面図である。モジュール式空気壁部は、縦に2つおよび横に6つ配置された、12のファンおよび熱交換器モジュールまたはアセンブリに対応する12のガードまたはルーバー部202を含む。言い換えれば、ガードまたはルーバー部202は、6つのファンおよび熱交換器アセンブリを各々有する、2列のファンおよび熱交換器アセンブリに対応する。実施形態では、データセンタの容量要件および/または構成に依存して、任意の数の列のファンおよび熱交換器アセンブリがあってよい。例えば、3列のファンおよび熱交換器アセンブリがあってよく、または7列のファンおよび熱交換器アセンブリがあってよい。ガードまたはルーバー部202の各々は、流体の流れを導く、または角度をつけて流体を拡散させるための流体デフレクタを含んでよい。流体デフレクタの角度は調節可能であり得る。
【0038】
機械および電気チェース204は、ガードまたはルーバー部202の間に配置され、ファンおよび熱交換器アセンブリのファンおよび/または熱交換器の間に配置されてよい。壁開口部または開口206は、還気導管208およびガードまたはルーバー部202を受けるために形成される。実施形態では、還気導管208は、プレナム室106に入る単一または共通の還気導管に組み合わされてよい。モジュール式空気壁部は、さらなる冷却容量が必要な場合に、天井プレナム112からプレナム室106中へより多くの還気を運ぶためのさらなる流体ダクトを受けるために取り外されてよい、取り外し可能な還気パネル208も含む。
【0039】
図3は、床下冷気分配を有するデータセンタアセンブリ例の実施形態を示す。還気214は、天井302と屋根303との間の天井プレナム312を通り、金網スクリーン330を有するファンおよび熱交換器アセンブリを通り、スラブ322と穴あき床タイル324との間に形成された体積を通り、その後サーバラック210を通って循環する。
【0040】
図4は、多層の建物の別の床に対応してよい、比較的高い天井403を有するコールドアイル封じ込め構成のデータセンタアセンブリ例の実施形態を示す。実施形態では、高い天井403は、コンクリートのT形梁で形成され、天井プレナム412の一部を形成する。実施形態では、高い天井403は、高い天井403が低い天井402により近づくように構築されてよい。垂直バッフル431は、温かい還気414を冷たい給気413から分離する。ファン吐き出し気流は反転し、冷気413は、サーバラック210によって形成されたコールドアイルを包含する封じ込めアセンブリ408を介して、サーバラック210の正面に分配される。また、温かい空気414は、ファンおよび熱交換器アセンブリのファンによって、サーバラック210の1つまたは複数のホットアイルから引き抜かれる。制御モジュール432および電力モジュール434は、封じ込めアセンブリ408に流れる流体と流体連通する風速計150ならびにファンおよび熱交換器アセンブリに結合されて、封じ込めアセンブリ408ならびにファンおよび熱交換器アセンブリに制御信号および電力をそれぞれ提供し、例えば、ファンおよび熱交換器アセンブリの可変速ファンの速さを制御する制御信号を提供する。制御モジュール431は、任意の好適な制御装置によって実装されてよく、流体温度および速度測定値を使用する方法を含む本明細書に開示される方法を実行するための、プロセッサおよびメモリを含んでよい。
【0041】
図5は、温かい頭上の還気514を冷たい給気513から分離するために垂直バッフル431が使用されるホットアイル封じ込め構成のデータセンタアセンブリ例の実施形態を示す。ファン吐き出し気流(冷たい給気513)の方向は、
図4のファン吐き出し気流(温かい還気414)の方向と逆である。ファンおよび熱交換器アセンブリのファンは、冷たい給気513をサーバラック210の正面に分配する。また、温かい還気514は、封じ込めアセンブリ508から流出する。
【0042】
図6は、サーバラック210のホットアイルからの温かい還気414が、地盤レベルの屋外ファンおよび熱交換器アセンブリ中に引き込まれる冷却システムの実施形態を示す。冷たい給気413は、頭上からサーバラック210の正面に供給される。サーバラック210間の1つまたは複数のホットアイルは、サーバラック210の高さまたは頂部で覆いによって囲まれ、熱気封じ込めアセンブリ608は、サーバラック210の最も右のサーバラックと建物または施設の壁またはパネル632との間に配置される。熱気封じ込めアセンブリ608は、外部ファンおよび熱交換器アセンブリと気流連通する。
【0043】
図7は、冷たい給気713が、サーバラック210の正面に吹き出す冷却システムの実施形態を示す。頭上のホットアイル封じ込めアセンブリは、サーバラック210からファンおよび熱交換器アセンブリ720の吸い込み口へ温かい還気714を引くために使用される。
【0044】
図8は、頭上に取り付けられたファンおよび熱交換器アセンブリ820a、820bを有する冷却システムの実施形態を示す。
図8の冷却システムは、第1の空気封じ込めアセンブリ807および第1の空気封じ込めアセンブリ807の上に配置される第2の空気封じ込めアセンブリ808を含む。ファンおよび熱交換器アセンブリ820a、820bは、第2の空気封じ込めアセンブリ808の最も右の部分の下側に、階段状の構成で結合され、第2の空気封じ込めアセンブリ808と気流連通する。ファンおよび熱交換器アセンブリ820a、820bの熱交換器は、水冷システムから冷水を受け取りかつ水冷システムへ冷水を戻すために冷水供給および戻り配管840に結合される。ファンおよび熱交換器アセンブリ820a、820bは、ファンおよび熱交換器アセンブリ820a、820bに電力および制御信号をそれぞれ供給する電源モジュール434および制御モジュール432に結合される。
【0045】
図9は、ファンおよび熱交換器アセンブリ920が、床950のレベルより高い位置にある別の実施形態を示す。温かい還気は、床950のレベルでサーバラック210によって形成されたホットアイルから引かれ、冷たい給気913は、上から下へ、サーバラック210の正面に分配される。封じ込めアセンブリ908は、最も右のサーバラック910、ならびにファンおよび熱交換器アセンブリ920の下側に結合される。この構成では、ファンおよび熱交換器アセンブリは、サーバラック210のホットアイルから封じ込めアセンブリ908を通して温かい空気914を引く。
【0046】
図10は、ファンおよび熱交換器アセンブリ920がまた、床950のレベルより高い位置にある冷却システムの別の実施形態を示す。冷却システムは、第1の空気封じ込めアセンブリ1007および第1の空気封じ込めアセンブリ1007の頂部に結合され、第1の空気封じ込めアセンブリ1007と気流連通する第2の空気封じ込めアセンブリ1008を含む。ファンおよび熱交換器アセンブリ920は、第2の空気封じ込めアセンブリ1008の最も右の部分1009の下側に結合され、第2の空気封じ込めアセンブリ1008と気流連通する。ファンおよび熱交換器アセンブリ920の熱交換器は、水冷システムから冷却水を運びかつ水冷システムへ水を戻す、冷水供給および戻り配管に結合される。ファンおよび熱交換器モジュールのファンは、ファンに電力および制御信号を供給する、電源および制御モジュールに結合される。温かい還気は、第2の空気封じ込め構造から頭上プレナム中へ引かれ、サーバラックの正面周辺に吹き出す。
【0047】
図11および
図12はそれぞれ、組み立てられてより大きいファンおよび熱交換器アセンブリを形成するファンおよび熱交換器モジュールまたはアセンブリの例を示す、側面図および正面図である。実施形態では、2つ、3つ、または4つのファンおよび熱交換機アセンブリが積層されて、積層ファンおよび熱交換器アセンブリ1102、1104、および1106をそれぞれ形成してよい。実施形態では、任意の数の積層ファンおよび熱交換器アセンブリ1102、1104、および1106が、隣り合って接続されてよく、例えば、6つのスタックが隣り合って接続されてよい。
【0048】
図13は、「スタータエンクロージャアセンブリ」例1302を示し、例えば、横に1つのファンおよび熱交換器モジュールならびに縦に2つのファンおよび熱交換器モジュールであってよい。スタータエンクロージャアセンブリ1302は、左壁パネル1304、右壁パネル1306、後壁パネル1309、および屋根パネル1310を含む。左壁パネル1304および右壁パネル1306は、積層ファンおよび熱交換器モジュールまたはアセンブリにアクセスするためのアクセスドア1308を含んでよい。
【0049】
図14は、「追加エンクロージャアセンブリ」例1402を示し、例えば、横に1つのファンおよび熱交換器モジュールならびに縦に2つのファンおよび熱交換器モジュールであってよい。追加エンクロージャアセンブリ1402は、左壁パネル1304、後壁パネル1309、および屋根パネル1310を含み、
図13のスタータエンクロージャアセンブリ1302に追加されてよい。
【0050】
図15は、スタータアセンブリ1302、追加アセンブリ1402、ならびにスタータエンクロージャアセンブリ1302および追加エンクロージャアセンブリ1402に収容された積層ファンおよび熱交換器モジュールまたはアセンブリの組み立てを示す分解図である。積層ファンおよび熱交換器アセンブリ1501は、ファンガード1502(例えば、3つのファンガード)、可変速ファン1504(例えば、3つの可変速ファン)、ファンハウジング1506(例えば、互いに結合されるように構成される3つのファンハウジング)、ならびに熱交換器1508(例えば、互いに結合されるように構成される3つの熱交換器)を含む。エンクロージャアセンブリ1302、1402ならびに積層ファンおよび熱交換器アセンブリ1501は、部分的に組み立てられたキットとして出荷されてよい。その後、最終組み立てが、現地で行われてよい。
【0051】
ファンの速さは、ホットアイル封じ込め領域またはアセンブリからのある一定の空気流量を保証するために、熱線風速計によって、サーバ気流に適合するように制御されてよい。
図16は、実施形態による、ファンおよび熱交換器アセンブリのファンを制御する方法例を示す流れ図である。ブロック1602で、風速計から温度が読み取られる。その後、ブロック1604で、温度が所定の温度、例えば80°Fより高いかどうかが判定される。温度が所定の温度より高い場合、ブロック1606で、ファンの速さは所定の速さ、例えば100 RPMだけ上げられる。
【0052】
温度が所定の温度より高くない場合、ブロック1608で、風速計速度が所定の速度、例えば150ft/分より大きいかどうかが判定される。風速計速度が所定の速度より大きい場合、ブロック1610で、ファンの速さは、所定の速さだけ、または別の所定の速さだけ下げられる。風速計速度が所定の速度より大きくない場合、プロセスはブロック1602に戻って風速計から温度を読み取る。
【0053】
図17は、本開示の実施形態による、流体速度および流体温度を測定するために使用される風速計モジュール1700の分解図である。風速計モジュール1700は、風速計ハウジング1702、風速計保持具1704、ハウジングナット保持具1706、風速計1708、および風速計ナット保持具1710を含む。風速計保持具1704は、ハウジングナット保持具1706で風速計ハウジング1702に固定される。風速計1708は、風速計1708の2つの測定窓が、風速計ハウジング1704の中央に位置し、
図18に示す流体の流れ方向1810に垂直であるように、風速計保持具1704中に挿入される。風速計1708は、風速計ナット保持具1710によって正しい場所に固定される。
【0054】
図18に示すように、
図17の風速計モジュール1700は、コールドアイル1804からホットアイル1806を分離する封じ込めアセンブリ壁1802中のカットアウトに、風速計ハウジング1702のハニカム側が封じ込めアセンブリ壁1802と同一平面になるように、設置される。ハニカム設計は、流体の流れを整えるのを助けて乱流を低減し、それにより風速計の正確度を上げる。
【0055】
熱交換器中の液体(例えば、グリコールおよび水)の流れは、所望の空気吐き出し温度を維持するように調節されてよい。2つ以上のモジュールが使用される機械的冗長性の他に、システム全体は、任意の好適な通信ネットワークを経由した制御のためのネットワーク冗長性を採用する。
【0056】
その内容全体が参照により全体として組み込まれる、2017年8月28日に出願された“Cooling Systems and Methods Using Single-Phase Fluid and a Flat Tube Heat Exchanger with Counter-Flow Circuiting”と題された国際出願第PCT/US2017/048969号に開示されている熱交換器の実施形態を含む、任意の好適な熱交換器設計が、本開示の実施形態で使用されてよい。
【0057】
その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、“Cooling Systems and Methods Using Single-Phase Fluid”と題された米国特許出願第15/697445号に開示されている流体冷却器(cooler)/冷却器(chiller)の実施形態を含む、液体などの任意の好適な流体を熱交換器に提供する任意の好適な流体冷却器(cooler)/冷却器(chiller)が、本開示の実施形態によるファンおよび熱交換器アセンブリの熱交換器で使用されてよい。しかしながら、水または水/グリコール混合物などの任意の好適な液体が、使用されてよい。
【0058】
本開示の実施形態が添付図面を参照して説明されたが、様々な変更および修正が当業者に明らかになることに留意すべきである。そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本開示の範囲内に含まれるものとして理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却システムであって、
建物の第1の天井と第2の天井との間に形成された天井プレナムと、
複数のサーバラックの複数の列によって形成された少なくとも1つのホットアイルの上に配置され、前記第1の天井の開口を通って伸びる封じ込めアセンブリであって、前記ホットアイルから前記天井プレナム中へ流体を導くように構成される、封じ込めアセンブリと、
前記ホットアイルまたは前記封じ込めアセンブリに流れる流体の速度を測定するように構成される流体速度センサと、
前記ホットアイルまたは前記封じ込めアセンブリに流れる流体の温度を測定し、測定された温度を与えるように構成される温度センサと、
単一の熱交換器および前記単一の熱交換器に直接隣接して配置された単一のファンをそれぞれ含む、複数のファンおよび熱交換器アセンブリと、
前記複数のサーバラックと前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリとの間で前記建物内に配置され、かつ、前記第1の天井と接続し、前記第2の天井と前記内壁の頂部との間で内壁開口を形成するように前記建物の床から伸びる内壁と、
測定された温度および速度に基づいて、前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの少なくとも1つのファンの速さを調整するように構成される制御装置と、
を備える、冷却システムであり、
前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの少なくとも1つのファンは、前記天井プレナムから、前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの少なくとも1つの熱交換器を通して、前記複数のサーバラックへ流体を流し、
複数のファンが前記内壁と複数の熱交換器との間に配置され、前記複数のファンは、前記天井プレナムから、前記内壁開口を通して、前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリを介して前記複数のサーバラックへ空気を流すように構成される、冷却システム。
【請求項2】
前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリが、前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第1の列、ならびに前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第1の列に隣接する前記複数のファンおよび熱交換器アセンブリの第2の列を含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記流体速度センサおよび前記温度センサが風速計によって実装される、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項4】
冗長風速計をさらに備える、請求項3に記載の冷却システム。