(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109949
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】1つの調整ループを用いて多数の電源出力電圧を生成するための電子システム
(51)【国際特許分類】
H03K 19/00 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
H03K19/00 210
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024088706
(22)【出願日】2024-05-31
(62)【分割の表示】P 2022521293の分割
【原出願日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】19306329.4
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】520414848
【氏名又は名称】タレス・ディス・デザイン・サービシズ・エス・ア・エス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デュバル,バンジャマン
(72)【発明者】
【氏名】フルカン,オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥモリ,フレデリク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】1つの調整ループのみを使用して多数の電源出力電圧を発生させることを可能にする電子システムを提供する。
【解決手段】電子システム(1)は、各々が異なる電源出力電圧を供給されることが必要とされる複数のサブブロック、複数の出力を有し入力基準電圧(VRF)が増幅器の第1の入力に印加される差動増幅器(3)、増幅器の第1の出力および増幅器の第2の入力に接続される第1のトランジスタ(40)および可変抵抗器(5)を備える電圧調整ループ及び増幅器の各出力が、1つのゲートまたはベースに接続され、ドレイン、ソース、エミッタまたはコレクタが、サブブロックのうちの1つに接続される複数の追加トランジスタ(41、42、...)を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が異なる電源出力電圧(VDD1、VDD2、..)を供給されることが必要とされる、複数のサブブロック(21、22、..)、
複数の出力を有する差動増幅器(3)であって、入力基準電圧(VRF)が増幅器の第1の入力に印加される、差動増幅器(3)、
増幅器の第1の出力および増幅器の第2の入力に接続されるトランジスタフィードバックを伴う電圧調整ループであって、前記ループが第1のトランジスタ(40)および可変抵抗器(5)を備える、電圧調整ループ、
複数の追加トランジスタ(41、42、...)であって、増幅器の各出力が、前記追加トランジスタのうちの1つのゲートまたはベースに接続され、各追加トランジスタのドレイン、ソース、エミッタ、またはコレクタが、前記サブブロックのうちの1つに接続される、複数の追加トランジスタ(41、42、...)
を備え、
入力基準電圧(VRF)および可変抵抗器が、第1のサブブロック(21)がその必要とされる電源出力電圧(VDD1)を、それが接続されるトランジスタによって供給されるように構成され、
また前記増幅器が、第1のサブブロック以外の各サブブロック(22、...)がその必要とされる電源出力電圧(VDD2...)を、それが接続されるトランジスタによって供給されるように、その出力の各々において電源基準電圧(VG1、VG2...)を出力するように構成される、電子システム(1)。
【請求項2】
前記増幅器(3)の最終ステージが、少なくとも1つの構成要素であって、その端子の一方における電位が第1の電源基準電圧(VG1)に設定されるとき、第2の電源基準電圧(VG2...)が前記構成要素の他方の端子において生成されるように構成される、少なくとも1つの構成要素を備える、請求項1に記載の電子システム。
【請求項3】
前記構成要素が、抵抗器、ダイオード、MOSトランジスタ、またはスイッチトキャパシタの中の1つである、請求項2に記載の電子システム。
【請求項4】
前記サブブロックが、フラッシュメモリ(22)、デジタル回路(21)、アナログ回路、または入力/出力インターフェースの中の1つである、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項5】
前記第1のサブブロック(21)が、1.2Vに等しい第1の電源出力電圧(VDD1)を供給されるべきデジタル回路であり、第2のサブブロック(22)が、1.5Vに等しい第2の電源出力電圧(VDD2)を供給されるべきフラッシュメモリであり、前記構成要素が、そこを流れる電流によって分割される300mVに等しい値に設定される抵抗器である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の電子システム(1)を備える、システムオンチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源の分野に関し、より詳細には、1つの調整ループのみを使用して多数の電源出力電圧を発生させることを可能にする電子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の電子回路は、同じ電源電圧を供給されるように設計されていない。例えば、いくつかのデジタル回路が、1.2V電源を必要とし得る一方で、フラッシュメモリは、1.5V電源を必要とする。
【0003】
その結果、いかなる電子システムも、それが含む構成要素に必要とされる電源電圧を出力することができる電源を有することを必要とする。
【0004】
図1は、NMOSフィードバックを伴うキャパシタレス調整ループを使用した既存の電源アーキテクチャを示す。そのようなアーキテクチャでは、差動増幅器は、その端子の一方において入力基準電圧VRFを供給され、その出力VGは、トランジスタNFBのゲートに接続される。このトランジスタのソースは、電圧VDD_VFBにあり、可変抵抗器を通じて増幅器の他方の端子にフィードバックされる。本システムは、第2のトランジスタも含み、第2のトランジスタのゲートは、増幅器出力に接続され、第2のトランジスタのソースは、デジタルサブブロックに接続され、このデジタルサブブロックは、そして、VDD_VFBにほぼ等しい電圧VDDを供給される。入力基準電圧VRFおよび可変抵抗器は、VDD電圧が任意の所望の値に設定されるように設定され得る。
【0005】
大半の電子システムは、すべて同じ電圧を供給されない場合がある多数のサブブロックを備える。結果として、そのようなシステムは、多数の異なる電源出力電圧を同時に送達することができる電源ユニットを含まなければならない。
【0006】
図1に示されるアーキテクチャは、必要な異なる電源出力電圧の数と同じ数だけ複製され得、2つのサブブロックについて
図2に示されるように、各複製が、1つのシステムサブブロックに、その必要とされる電圧を供給する。それにもかかわらず、そのようなソリューションは、システムオンチップ(SOC)などの利用可能なシリコン面積に高い制約を伴う集積システムには適用することができない。
【0007】
その結果として、既存の電源アーキテクチャよりも小さいシリコン面積および電流消費を伴う、複数の異なる電源出力電圧を様々なサブブロックに出力することができる電源を含む電子システムが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、および第1の態様によれば、本発明は、したがって:
・各々が異なる電源出力電圧を供給されることが必要とされる、複数のサブブロック、
・複数の出力を有する差動増幅器であって、入力基準電圧が増幅器の第1の入力に印加される、差動増幅器、
・増幅器の第1の出力および増幅器の第2の入力に接続されるトランジスタフィードバックを伴う電圧調整ループであって、前記ループが第1のトランジスタおよび可変抵抗器を備える、電圧調整ループ、
・複数の追加トランジスタであって、増幅器の各出力が、前記追加トランジスタのうちの1つのゲートまたはベースに接続され、各追加トランジスタのドレイン、ソース、エミッタ、またはコレクタが、前記サブブロックのうちの1つに接続される、複数の追加トランジスタ
を備え、
・入力基準電圧および可変抵抗器は、第1のサブブロックがその必要とされる電源出力電圧を、それが接続されるトランジスタによって供給されるように構成され、
・また前記増幅器は、第1のサブブロック以外の各サブブロックがその必要とされる電源出力電圧を、それが接続されるトランジスタによって供給されるように、その出力の各々において電源基準電圧を出力するように構成される、電子システムに関する。
【0009】
そのようなシステムは、1つの増幅器および1つの調整ループのみを用いて、電源投入されることになるシステムのサブブロックによって必要とされるだけの数の電源出力電圧を生成することを可能にする。
【0010】
一実施形態において、前記増幅器の最終ステージは、少なくとも1つの構成要素であって、その端子の一方における電位が第1の電源基準電圧に設定されるとき、第2の電源基準電圧が前記構成要素の他方の端子において生成されるように構成される、少なくとも1つの構成要素を備える。
【0011】
それは、低減されたシリコン面積コストおよび電流消費を伴って、増幅器の多数の異なる電圧出力を容易に生成することを可能にする。
【0012】
前記構成要素は、抵抗器、ダイオード、MOSトランジスタ、またはスイッチトキャパシタの中の1つであってもよい。
【0013】
前記サブブロックは、フラッシュメモリ、デジタル回路、アナログ回路、または入力/出力インターフェースの中の1つであってもよい。
【0014】
例として、前記第1のサブブロックは、1.2Vに等しい第1の電源出力電圧を供給されるべきデジタル回路であってもよく、第2のサブブロックは、1.5Vに等しい第2の電源出力電圧を供給されるべきフラッシュメモリであってもよく、前記構成要素は、そこを流れる電流によって分割される300mVに等しい値に設定される抵抗器であってもよい。
【0015】
第2の態様によれば、本発明は、したがって、第1の態様による電子システムを備えるシステムオンチップにも関する。
【0016】
前述および関連目標の達成のため、1つ以上の実施形態は、これ以降に完全に説明され、特に特許請求の範囲内で指摘される特徴を含む。
【0017】
以下の説明および付属の図面は、特定の例証的態様を詳細に明記するが、実施形態の原則が用いられ得る様々なやり方のうちのいくつかを示すものである。他の利点および新規の特徴は、図面と併せて検討されるときに以下の詳細な説明から明らかになるものとし、開示された実施形態は、すべてのそのような態様およびそれらの等価物を含むことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】NMOSフィードバックを伴うキャパシタレス調整ループを使用した既存の電源アーキテクチャの概略図である。
【
図2】2つのサブブロックのための2つの電源出力電圧を生成する電源アーキテクチャの概略図である。
【
図3】MOSトランジスタを使用した本発明による電子システムの概略図である。
【
図4】バイポーラトランジスタを使用した本発明による電子システムの概略図である。
【
図5】本発明の実施形態によるPMOSトランジスタ差動対に基づいた増幅器アーキテクチャの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
第1の態様によれば、
図3に示されるように、本発明は、複数のサブブロック21、22...を備え、各サブブロックが異なる電源出力電圧VDD1、VDD2...を供給されることが必要とされる、電子システム1に関する。そのようなサブブロックは、例えば、1.5V電圧を供給されるべきであるフラッシュメモリ、1.2V電圧を供給されるべきであるデジタル回路、アナログ回路、入力/出力インターフェースであってもよい。
【0020】
そのような電子システムは、ポータブル電子デバイスに埋め込まれ得る。それは、例えば、スマートカード内に含まれ得るか、またはシステムオンチップ(SOC)に含まれ得る。
【0021】
サブブロックに供給されるべき電圧を生成するために、システム1は、差動増幅器3も含む。この増幅器は、複数の出力を伴う特定の設計を有する。入力基準電圧VRFは、増幅器の第1の入力に印加される。
図3に示される例では、入力基準電圧VRFは、増幅器の正入力に印加される。
【0022】
増幅器出力を所望の値に等しい定電圧にするために、本システムは、トランジスタフィードバックを伴うキャパシタレス電圧調整ループを備える。このループは、一方の端において増幅器の第2の入力に接続される。
図3の例では、それは、増幅器の負入力に接続される。
図3では、電子システムにおいて使用されるすべてのトランジスタは、フィードバックのためのものを含め、MOSトランジスタである。
図4は、本システムにおいて使用されるすべてのトランジスタがバイポーラトランジスタである別の例を提示する。本出願の残りにおいて、説明は、
図3に言及し、本システムにおいて使用されるトランジスタは、MOSトランジスタであると言及されるが、バイポーラトランジスタなどの任意の他の種類のトランジスタが、同じ効果を伴って、代わりに使用されてもよい。
【0023】
増幅器の第2の入力における電圧は、VFBと記される。ループは、他方の端において増幅器の第1の出力に接続され、電源基準電圧VG1を出力する。このループは、第1のMOSトランジスタ40および可変抵抗器5を含む。
図3に示される例では、このトランジスタは、NMOSトランジスタである。第1のトランジスタの閾値電圧は、VTHと記される(バイポーラトランジスタの場合、トランジスタは、閾値電圧VTHの代わりに、そのベース-エミッタ電圧VBEにより特徴付けられる)。この調整ループのアーキテクチャは、
図1に提示されるものと同じである。増幅器の第1の出力は、第1のトランジスタ40のゲートに(またはバイポーラトランジスタの場合は、そのベースに)接続される。第1のトランジスタのソース(またはバイポーラトランジスタの場合は、そのエミッタ端子)は、可変抵抗器の1つの端部端子に接続され、可変抵抗器の中央端子は、増幅器の第2の入力に接続される。
【0024】
第1のトランジスタのソースにおける電圧は、VDD_VFBと記され、第1のトランジスタのソースと増幅器の第2の入力との間の抵抗は、Rupと記され、増幅器の第2の入力と接地との間の抵抗は、Rdownと記される。そのような構成では、増幅器が理想であるとされるとき(VRF=VFB)、VDD_VFBおよびVG1は、以下の式を立証する:
VDD_VFB=VRF*(Rup+Rdown)/Rdown=VG1-VTH
【0025】
最後に、様々な電源出力電圧を本システムのサブブロックに供給するために、本システムは、複数の追加MOSトランジスタ41、42...を含む。増幅器の各出力は、これらの追加MOSトランジスタのうちの1つのゲートに接続され、各追加トランジスタのドレインまたはソースは、本システムのサブブロックのうちの1つに、その必要とされる電圧をそれに供給するために、接続される。
【0026】
図3の例では、本システムは、2つのサブブロックおよび2つの追加NMOSトランジスタを含む。第1の追加トランジスタのゲートは、電圧VG1にある増幅器の第1の出力に接続され、そのソースは、電圧VDD1を第1のサブブロックに供給する。第2の追加トランジスタのゲートは、電圧VG2にある増幅器の第2の出力に接続され、そのソースは、電圧VDD2を第2のサブブロックに供給する。
【0027】
第1のトランジスタ40は、グリッド幅Wおよびグリッド長さLを有する。第1の追加トランジスタ41は、グリッド幅W1およびグリッド長さL1を有する。関係:W1/L1=m1*W/Lによって規定される倍率m1を紹介することとする。第1のトランジスタのソースおよび第1の追加トランジスタのソースから流れ出る電流が、それぞれIFBおよびIDD1と名付けられる場合、IFBは、W/L*(VG1-VDD_FB-VTH)2に比例し、IDD1は、W1/L1*(VG1-VDD1-VTH)2に比例する。第1のサブブロックによって排出される所与の値のIDD1の場合、第1の追加トランジスタの比率W1/L1は、IFB*L/W=IDD1*L1/W1であるように設定され得、すなわち、VDD_FB/(Rup+Rdown)に等しいIFBでは、m1=IDD1/IFBである。そのような構成では、増幅器の第1の出力に接続される第1の追加MOSトランジスタ41によって第1のサブブロックに供給される電源出力電圧VDD1は、増幅器の第1の出力に接続されるゲートも有する調整ループの第1のトランジスタのソースにおける電圧VDD_VFBにほぼ等しく、すなわち、VDD1=VDD_VFBである。
【0028】
結果として、第1のサブブロックにその必要とされる電源出力電圧VDD1を供給するために、入力基準電圧VRFおよび可変抵抗器は、第1のサブブロックがその必要とされる電源出力電圧VDD1を、それが接続されるMOSトランジスタによって供給されるように構成される。異なる言い方をすると、VRFおよびRup/(Rup+Rdown)は、
VRF*(Rup+Rdown)/Rdown=VDD1
であるように設定される。これは、VG1=VDD1+VTHをもたらす。
【0029】
そのような式は、増幅器が理想ではないという設計欠陥に起因する電圧揺動またはオフセット、入力基準電圧VRF...の変動を考慮しない。そのような欠陥を考慮するために、VDD1およびVG1は、トリミングプロセスを行うことによって正確に設定され得る。
【0030】
加えて、各追加トランジスタiについて、それが供給するサブブロックに接続されるその端子における電圧VDDi、およびそのゲートが接続される増幅器の出力によって供給される電源基準電圧VGiは、以下の式:VGi=VDDi+VTHiを立証し、VTHiはトランジスタの閾値電圧である。第1の追加トランジスタについてここでは上に説明されるように、各追加トランジスタの比率グリッド幅/グリッド長さ(Wi/Li=mi*W/L)は、トランジスタのソースから出てそのサブブロックへ向かって流れる所望の電流を有するように設定され得る。
【0031】
全サブブロックにそれらの必要とされる電源出力電圧を供給するために、増幅器は、第1のサブブロック以外の各サブブロックがその必要とされる電源出力電圧(VDD2...)を、それが接続されるMOSトランジスタによって供給されるように、その出力の各々において異なる電源基準電圧VG1、VG2...を出力するように構成される。異なる言い方をすると、増幅器は、その出力iにおいて、この出力に接続されるi番目の追加トランジスタによって供給されるサブブロックがその必要とされる電源出力電圧VDDiを供給されることを確実にするVGi=VDDi+VTHiであるように、電圧VGiを出力するように構成される。
【0032】
複数の電源基準電圧を生成するために、電圧オフセットを生成する追加構成要素が、増幅器に含まれ得る。より正確には、増幅器の最終ステージは、少なくとも1つの構成要素であって、その端子の一方における電位が第1の電源基準電圧VG1に設定されるとき、第2の電源基準電圧VG2...が前記構成要素の他方の端子において生成されるように構成される、少なくとも1つの構成要素を備え得る。
【0033】
そのような構成要素は、例えば、抵抗器、ダイオード、MOSトランジスタ、スイッチトキャパシタ...であってもよい。
【0034】
増幅器のそのようなアーキテクチャの例は、
図5に提示される。そのような例では、増幅器アーキテクチャは、PMOSトランジスタ差動対に基づく。それは、その出力トランジスタNOUTのドレインにおいて第1の電源基準電圧VG1を生成する。抵抗器Roffsetは、トランジスタNOUTと電流源Irefとの間に挿入される。それは、電圧オフセットVoffを生成し、これが、電流源Irefに接続されるその端子において電圧VG2=VG1+Voffをもたらす。
【0035】
そのような例では、そのような増幅器が
図3の構成で使用されるとき、第1のサブブロックは、1.2Vに等しい第1の電源出力電圧VDD1を供給されるべきデジタル回路であり、第2のサブブロックは、1.5Vに等しい第2の電源出力電圧VDD2を供給されるべきフラッシュメモリである。そのような場合、VG1とVG2との間に生成されることになるオフセットは、300mVであり、構成要素は、そこを流れる電流によって分割される300mVに等しい値に設定される抵抗器である。電流Irefが1μAに設定されるとき、抵抗器は、300kオームに設定される。
【0036】
VDDiがVDD1よりも低いとき、負のオフセットが必要とされる。そのような場合、増幅器に追加されるべき構成要素は、増幅器の第1の出力と出力トランジスタNOUTとの間に挿入され得る。
【0037】
結果として、本発明によるシステムは、1つの増幅器および1つの調整ループのみを用いて、電源投入されるべきシステムのサブブロックによって必要とされるだけの数の電源出力電圧を生成することを可能にする。シリコン面積および電力消費は低減される。1つのみのトリミングプロセスが、すべての電源出力電圧をそれらの必要とされる値へと正確に設定するために必要とされる。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が異なる電源出力電圧(VDD1、VDD2、..)を供給されることが必要とされる、複数のサブブロック(21、22、..)、
複数の出力を有する差動増幅器(3)であって、入力基準電圧(VRF)が増幅器の第1の入力に印加される、差動増幅器(3)、
増幅器の第1の出力および増幅器の第2の入力に接続されるトランジスタフィードバックを伴う電圧調整ループであって、前記ループが第1のトランジスタ(40)および可変抵抗器(5)を備える、電圧調整ループ、
複数の追加トランジスタ(41、42、...)であって、増幅器の各出力が、前記追加トランジスタのうちの1つのゲートまたはベースに接続され、各追加トランジスタのドレイン、ソース、エミッタ、またはコレクタが、前記サブブロックのうちの1つに接続される、複数の追加トランジスタ(41、42、...)
を備え、
入力基準電圧(VRF)および可変抵抗器が、第1のサブブロック(21)がその必要とされる電源出力電圧(VDD1)を、それが接続されるトランジスタによって供給されるように構成され、
また前記増幅器が、第1のサブブロック以外の各サブブロック(22、...)がその必要とされる電源出力電圧(VDD2...)を、それが接続されるトランジスタによって供給されるように、その出力の各々において電源基準電圧(VG1、VG2...)を出力するように構成され、
前記増幅器(3)の最終ステージが、少なくとも1つの構成要素であって、前記構成要素の端子の一方における電位が第1の電源基準電圧(VG1)に設定されるとき、第2の電源基準電圧(VG2...)が前記構成要素の他方の端子において生成されるように構成される、少なくとも1つの構成要素を備え、少なくとも1つの構成要素が、電圧調整ループの可変抵抗器(5)に追加のものであり、
前記構成要素が、抵抗器、ダイオード、MOSトランジスタ、またはスイッチトキャパシタの中の1つである、電子システム(1)。
【請求項2】
前記サブブロックが、フラッシュメモリ(22)、デジタル回路(21)、アナログ回路、または入力/出力インターフェースの中の1つである、請求項1に記載の電子システム。
【請求項3】
前記第1のサブブロック(21)が、1.2Vに等しい第1の電源出力電圧(VDD1)を供給されるべきデジタル回路であり、第2のサブブロック(22)が、1.5Vに等しい第2の電源出力電圧(VDD2)を供給されるべきフラッシュメモリであり、前記構成要素が、そこを流れる電流によって分割される300mVに等しい値に設定される抵抗器である、請求項1または2に記載の電子システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の電子システム(1)を備える、システムオンチップ。