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特開2024-109977抗加齢剤としてのニコチン酸リボシドのアミノ酸塩
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109977
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】抗加齢剤としてのニコチン酸リボシドのアミノ酸塩
(51)【国際特許分類】
   C07H 19/048 20060101AFI20240806BHJP
   A61P 15/08 20060101ALI20240806BHJP
   A61K 31/706 20060101ALI20240806BHJP
   C12N 5/075 20100101ALI20240806BHJP
   C12N 5/02 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
C07H19/048 CSP
A61P15/08
A61K31/706
C12N5/075
C12N5/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024090063
(22)【出願日】2024-06-03
(62)【分割の表示】P 2021516535の分割
【原出願日】2019-05-22
(31)【優先権主張番号】62/675,065
(32)【優先日】2018-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.LABRASOL
3.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】520448898
【氏名又は名称】ジャンプスタート ファーティリティ ピーティーワイ リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520447802
【氏名又は名称】ライフ バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520456206
【氏名又は名称】マルクシオ, セバスチャン マリオ
(71)【出願人】
【識別番号】520456217
【氏名又は名称】ジョイス, ロハン デイビッド
(71)【出願人】
【識別番号】520448902
【氏名又は名称】ワシエ, ミシェル
(71)【出願人】
【識別番号】520448913
【氏名又は名称】ドール, ローランド
(71)【出願人】
【識別番号】520448946
【氏名又は名称】タッカー, サイモン
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マルクシオ, セバスチャン マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョイス, ロハン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ワシエ, ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ドール, ローランド
(72)【発明者】
【氏名】タッカー, サイモン
(57)【要約】
【課題】 疾患を処置する方法を提供すること
【解決手段】 本件発明は、NADの欠乏に関連している障害ならびに疾患の治療に有用である式Iのニコチン酸リボシドのアミノ酸塩、ならびにその組成物に関するところのものである:
(ここで、M、R、R、ならびにRは、本件明細書に記載されているとおりのものである)。本件明細書中に詳細に説明されていてそして具体的に実証されているとおり、驚くべきことに、本件発明によれば、顕著な効果が奏される。これは、当業者が従来技術から容易に予想することができなかったものである。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年5月22日に出願された米国仮出願第62/675,065号に対する優先権及びその利益を主張し、その内容はそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、加齢に関連する障害及び疾患の治療に有用なニコチン酸リボシドの無機塩及びその組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
加齢は、生物学的、物理的、及び生化学的なプロセスを含む複雑な相互作用の結果であり、これは、様々な病気及び他のアウトカムとして現れる細胞及び器官の機能不全を引き起こす。例えば、女性の生殖能力は、加齢の影響を著しく受けやすい。例えば、米国疾病管理センター(USA Centers for Disease Control)は、生殖補助技術(ART)に関連する妊娠の割合及び出生の割合は、30代半ば以降の女性の間で、単胎生児出生をもたらすARTサイクルのおよそ25%から40歳までに14%に徐々に減少したと報告している(Centers for Disease Control and Prevention,American Society for
Reproductive Medicine,Society for Assisted Reproductive Technology.2011 Assisted Reproductive Technology National Summary Report.Atlanta(GA):US Dept of Health and Human Services;2013)。この傾向は40歳超で著しく増加し、CDCは、44歳を超える女性が、非常に低い成功可能性を有すると報告している。生児出生及び単胎生児出生の割合は、このグループにおいて約1%まで低下した。女性の年齢は、自身の卵子(卵母細胞)が使用される場合、生児出生の機会に影響を及ぼす最も重要な要因であると一般的に考えられている。
【0004】
加齢による卵母細胞の質的劣化は、受胎能力の低下における基礎的要因であることが理解される。より高齢の女性では、例えば、卵母細胞は、異常な染色体分裂を受けやすく、ミトコンドリアの質の低下、低いATP生成、酸化ストレスの増加、及び抗酸化レベルの低下を示すことが報告されている(Nelson SM,Telfer EE,Anderson RA.The ageing ovary and uterus:new biological insights.Hum Reprod Update.2013;19:67-83.;Wilding M.Potential long-term risks associated with maternal aging(the role of the mitochondria).Fertil Steril.2015;103:1397-401;3.Meldrum DR,Casper RF,Diez-Juan A,Simon C,Domar AD,Frydman R.Aging and the environment affect gamete and embryo potential:can we intervene?Fertil Steril.2016;105:548-59)。
【0005】
前述のすべての理由のため、卵母細胞は、加齢プロセスに対する影響を有し、さらに、加齢関連不妊症に対処する可能性を提供することが予期される治療様式の評価のための優れた標的組織を表す。
【0006】
加齢を治療するためのそのような可能性のある1つの治療様式は、NADの治療レベルを高める薬剤を含む。NADは、様々な代謝機能をサポートするために必要な細胞プロセスの必須成分である。NADの古典的役割は、解糖、脂肪酸ベータ酸化、またはトリカルボン酸サイクルなどの多くの基礎的代謝プロセスにおいて、細胞の酸化還元反応を触媒し、還元されてNADHになる補酵素である。また、これらの役割を果たすために、NADは、ポリ-ADP-リボースポリメラーゼ(PARP)、サーチュイン、及びCD38/157外酵素などのNAD消費酵素の基質として重要な役割を有する。これらのNAD消費酵素は、多くの基礎的細胞プロセスを媒介することが知られている。
【0007】
NADを合成するための5つの主要な前駆体及び中間体:トリプトファン、ニコチンアミド、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミドリボシド(NR)、及びニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)が存在する。NADは、アミノ酸トリプトファンが複数の酵素的工程を介してニコチン酸モノヌクレオチド(NaMN)に変換することによってデノボ合成され得る。NaMNは、NMN/NaMNアデニリルトランスフェラーゼ(NMNAT)によってニコチン酸ジヌクレオチド(NaAD)に変換され、次いでNADシンターゼによってNADにアミド化される。
【0008】
哺乳動物では、NAD生合成の主要な経路は、ニコチンアミドからのサルベージ経路である。ニコチンアミドは、この経路における律速酵素であるニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT)によって重要なNAD+中間体であるNMNに変換される。次いでNMNATは、NMNをNADに変換する。NAMPTは、細胞NAD+レベルの制御に重要な役割を果たす。一方、ニコチン酸は、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(NPT)によってNaMNに変換される。NRは、NR16をリン酸化するニコチンアミドリボースキナーゼ、すなわち、NMRK1及びNMRK2(NRK1及びNRK2としても知られている)によってNMNに変換される必要がある。適切なNAD生合成の維持は、細胞の生存及び機能にとって最重要である。正常なNAD恒常性からの悪化は、酸化還元反応に必要なNAD/NADHプールだけでなく、重要な細胞機能のためのNAD依存性酵素の活性にも実質的に影響を及ぼす。現在では、NADレベルが、加齢の過程の間に細胞、組織/器官、及び生物レベルで低下するというコンセンサスになりつつある。NAD消費酵素の活性は、このNAD低下によって影響を受け、広範囲の加齢関連に寄与している。
【0009】
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドは、還元酸化反応及びエネルギー代謝に関連するいくつかの酵素の機能にとって必須の酵素共因子である。(Katrina L.Bogan & Charles Brenner,Nicotinic Acid,Nicotinamide and Nicotinamide Riboside:A Molecular Evaluation of NADPrecursor Vitamins in Nutritions,28,Annual Review of Nutrition 115(2008)。NADは、アミノ酸、脂肪酸及び炭水化物のエネルギー代謝において電子担体として機能する(Bogan & Brenner,2008)。NADは、酸化還元反応のため、ならびにDNA修復、エネルギー代謝、細胞生存及び概日リズムの制御において、PARP(ポリアデノシド二リン酸リボースポリメラーゼ)及びサーチュイン(SIRT1~SIRT7)によるシグナル伝達のための基質として重要である(Bronkowski,M.S.& Sinclair,D.,Nat.Rev.Mole.Cell.Bio.,17,679-690,2016))。NAD濃度の上昇は、酵母、ハエ及びマウスにおける加齢を遅らせる(Mouchiroud et al.Cell 154,464-471,2014)。また、最近では、NADがタンパク質-タンパク質相互作用を直接制御し、その調節は、がん及び放射線被曝から保護し、加齢に対する直接的影響を有し得ることも実証されている(Li et al.,Science 355,1312-1317,2017)。よって、NM
N及びNRなどのNAD中間体を使用した介入は、利用可能なNADを復元させることによって系を強化し、加齢に関連する生理的衰えを緩和し得るという考えを支持する証拠物が増えている。
【0010】
NADは、アミノ酸トリプトファンからデノボ合成され得るが、このプロセスは、すべての組織で生じるわけではなく、ほとんどの細胞は、主に食事源を介して利用可能となる他の細胞内中間体からNADを再生するためのサルベージ経路(上述)に依存することが必要となる(Christopher R.Martens,et al.,Nat.Commun.9,1286,(2018)及びBogan,K.L.& Brenner,C.,Annu.Rev.Nutr.28,115-130,(2008))。ニコチン酸及びニコチンアミドのような他のNAD前駆体もまた、NAD細胞生物利用可能性を高めるために投与され得る。しかしながら、ニコチン酸の臨床的に関連するレベルは、治療用量で望ましくないフラッシングに関連しており(MacKay,D.,Hathcock,J.& Guarneri,E.,Nutr.Rev.70,357-366(2012))、ニコチンアミドは、NADの濃度の上昇にもかかわらずサーチュインを確実には活性化しない(阻害さえし得る)(Bitterman,K.J.,et al.,J.Biol.Chem.277,45099-45107(2002);Guan,X.,et al.,PLoS One.9,e107729(2014);及びTrammell,S.A.et al.Nat.Commun.7,12948(2016))。そのため、ニコチン酸またはニコチンアミドの投与は、加齢に伴う健康及び機能を維持するために広く採用される可能性は低い。
【0011】
ニコチン酸及びニコチンアミドとは対照的に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはニコチンアミドリボシド(NR)などのNAD代謝物の投与は、NADのレベルを増加させるようであり、動物モデルにおいて複数の生理的機能を改善する(Yoshino,J.et al.,Cell Metab.14,528-536(2011);Mills,K.F.et al.,Cell Metab.24,795-806(2016);及びFrederick,D.W.et al.,Cell Metab.24,269-282(2016))。これらの代謝物のうち少なくとも1つは、ヒトにおいてよく忍容され、NADレベルの上昇及び生理的機能の改善につながることが報告されているが、この探索的研究の知見を確認するためにはさらなる研究が必要である(Christopher R.Martens,et al.,Nat.Commun.9,1286,(2018))。さらに、最近の研究では、NRの単回用量は、健康なヒトにおいて血液細胞NAD代謝を用量依存的様式で刺激することが示され(Trammell,S.A.et al.,Nat.Commun.7,12948(2016))、この代謝物の限界を示している。しかしながら、既知のNAD+代謝物の多くは、様々な生理的環境において不安定であり、よって、そのような代謝物を必要とする患者においてNAD+レベルを高めるための前記患者への投与用の実行可能な薬学的薬物とはならない。
【0012】
重要な細胞及び生理的経路においてNADが果たす中心的役割を考慮すると、疾患状態においてまたは加齢プロセスの間にNADレベルを上昇させ得る改善した特性を有する新規な安定剤を開発することが、ヒトの状態を改善するために必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Nelson SM,Telfer EE,Anderson RA.The ageing ovary and uterus:new biological insights.Hum Reprod Update.2013;19:67-83.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本明細書では、驚くべきことに細胞NADレベルを増加させるNaRのアミノ酸塩が提供される。
【0015】
本出願の第1の態様は、式(I)の塩:ならびにそのエナンチオマー、立体異性体、及び互変異性体、
【化1】
(式中
は、双性イオン性アミノ酸であり;
、R及びRは、独立して、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、(C~Cアルキレン)C(O)C~Cアルキル、C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、または-[CH-CH-O]-Rであり、
またはR及びRまたはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換された5員複素環式環を形成し;
及びRは、独立して、各存在において、HまたはC~Cアルキルであり、そのアルキルは、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;
kは、1~8の整数である)
に関する。
【0016】
本開示の別の態様は、薬学的に許容可能な担体と併せられた式Iの塩、またはその薬学的に許容可能な塩を含む薬学的組成物に関する。
【0017】
本出願の別の態様は、加齢関連障害を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の式(I)の塩、またはそのエナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体を投与することを含む、方法に関する。
【0018】
本出願の別の態様は、不妊症を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の式(I)の塩、またはそのエナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体を投与することを含む、方法に関する。
【0019】
本出願の別の態様は、加齢関連障害を治療する方法において使用するための式(I)の塩、またはそのエナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体に関する。
【0020】
本出願の別の態様は、不妊症を治療する方法において使用するための式(I)の塩、またはそのエナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体に関する。
【0021】
本出願の別の態様は、加齢関連障害を治療するための薬剤の製造における式(I)の塩、またはそのエナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体の使用に関する。
【0022】
本出願の別の態様は、不妊症を治療するための薬剤の製造における式(I)の塩、またはそのエナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体の使用に関する。
【0023】
本開示の別の態様は、卵母細胞の質及び成熟を改善する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の式Iの塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0024】
本開示の別の態様は、加齢関連障害を治療するための薬剤の製造における式(I)の塩、またはそのエナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体の使用に関する。
【0025】
別の態様では、本発明は、加齢関連不妊症の治療のための、対象への着床前のex vivoでの式(I)の塩での卵母細胞の治療を含む。
【0026】
別の態様では、本発明は、加齢関連不妊症の治療のための、対象への着床前のex vivoでの式(I)の塩での胚盤胞の治療を含む。
【0027】
別の態様では、本発明は、不妊症の治療のための、対象への着床前のex vivoでの式(I)の塩での卵母細胞の治療を含む。
【0028】
別の態様では、本発明は、不妊症の治療のための、対象への着床前のex vivoでの式(I)の塩での胚盤胞の治療を含む。
【0029】
別の態様では、式(I)の塩は、加齢関連障害の治療における使用のためのex vivoでの細胞の治療における使用のための溶液中の成分として提供される。いくつかの実施形態では、加齢関連障害は、加齢関連不妊症である。他の態様では、式(I)の塩は、不妊症の治療における使用のためのex vivoでの細胞の治療における使用のための溶液中の成分として提供される。
【0030】
本開示の別の態様は、式(I)の塩を調製するためのプロセスであって、式Iの塩を生成するのに有効な好適な条件下で式IIのニコチン酸モノヌクレオチド誘導体を金属-アルカリ水酸化物と接触させることを含む、プロセスに関する。
【0031】
本開示はまた、疾患または障害からの回復を加速させる方法に関する。その方法は、それを必要とする対象に、前記疾患の指示された治療と組み合わせて有効量の式(I)の塩を投与することを含む。
【0032】
別の態様では、本開示は、式(I)の1つ以上の塩及び培養剤を含むin vitroでの受精のための細胞培養培地に関する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本出願は、加齢関連障害を治療または予防することが可能な塩及び組成物に関する。本出願は、加齢に関連する疾患または障害を治療、予防または好転させる方法であって、それを必要とする患者に治療的有効量の式(I)の塩、またはそのエナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体を投与することによる、方法を特徴とする。本出願の方法は、不妊症、細胞劣化を含むがこれらに限定されない加齢及び細胞復元のプロセスを予防、または好転させることによって様々な疾患及び障害の治療において使用され得る。
【0034】
式(I)の塩は、強力であり、臨床的に達成可能な用量で有効であり、様々な潜在的な投薬形態で安定であり、許容可能な溶解度、許容可能なpHを有し、結晶性であり、水を吸収する傾向が低く、取り扱いの容易性を示し、これらのすべてが薬剤の開発、製造及び使用と一致する。また、本明細書に開示される塩は、細胞NADレベルの増加、安定性の増加及びより生理学的に許容可能なpHに対する生物学的活性の増加を提供する。
【0035】
本開示の第1の態様は、式Iの塩
【化2】

(式中、M、R、R、及びRは、本明細書に記載されているとおりである)に関する。
【0036】
冠詞「a」及び「an」は、本開示において、その冠詞の文法的目的語の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。一例として、「要素(an element)」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0037】
用語「及び/または」は、特に示されない限り、本開示において、「及び」あるいは「または」のいずれかを意味するために使用される。
【0038】
用語「任意に置換されている」は、所定の化学部分(例えば、アルキル基)が、他の置換基(例えば、ヘテロ原子)に結合することができる(しかし、必須ではない)ことを意味すると理解される。例えば、任意に置換されているアルキル基は、完全飽和アルキル鎖(すなわち、純粋な炭化水素)であり得る。あるいは、同じ任意に置換されたアルキル基は、水素とは異なる置換基を有し得る。例えば、鎖に沿った任意の点で、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、または本明細書に記載されている他の任意の置換基に結合し得る。したがって、用語「任意に置換されている」は、所定の化学部分が他の官能基を含有する可能性を有するが、必ずしも任意のさらなる官能基を有するわけではないことを意味する。記載された基の任意置換に使用される好適な置換基には、限定されないが、ハロゲン、オキソ、-OH、-CN、-COOH、-CHCN、-O-(C~C)アルキル、(C~C)アルキル、C~Cアルコキシ、(C~C)ハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、-O-(C~C)アルケニル、-O-(C~C)アルキニル、(C~C)アルケニル、(C~C)アルキニル、-OH、-OP(O)(OH)、-OC(O)(C~C)アルキル、-C(O)(C~C)アルキル、-OC(O)O(C~C)アルキル、-NH、-NH((C~C)アルキル)、-N((C~C)アルキル)、-NHC(O)(C~C)アルキル、-C(O)NH(C~C)アルキル、-S(O)(C~C)アルキル、-S(O)NH(C~C)アルキル、及びS(O)N((C~C)アルキル)が含まれる。置換基は、任意に、それ自体が置換されていてもよい。「任意に置換されている」は、また、本明細書で使用されるとき、置換されていること、または非置換であることを指し、これらの意味は下記に記載されている。
【0039】
本明細書で使用されるとき、用語「置換されている」は、特定の基または部分が1つ以上の適切な置換基を有し、その置換基が、1つ以上の位置で特定の基または部分に接続し得ることを意味する。例えば、シクロアルキルで置換されているアリールは、シクロアルキルが、結合によって、またはアリールと融合して2個以上の共通の原子を共有すること
によって、アリールの1個の原子に接続していることを示し得る。
【0040】
本明細書で使用されるとき、用語「非置換」は、特定の基が置換基を有さないことを意味する。
【0041】
特に明確に定義されない限り、用語「アリール」は、フェニル、ビフェニル、またはナフチルなどの単環式または二環式基を含む、1~3つの芳香環を有する環式芳香族炭化水素基を指す。2つの芳香環(二環式など)を含有する場合、アリール基の芳香環は、一点で接合され得る(例えば、ビフェニル)、または縮合され得る(例えば、ナフチル)。アリール基は、任意に、1つ以上の置換基、例えば1~5つの置換基で任意の結合点において置換されていてもよい。例示的な置換基には、-H、-ハロゲン、-O-(C~C)アルキル、(C~C)アルキル、-O-(C~C)アルケニル、-O-(C~C)アルキニル、(C~C)アルケニル、(C~C)アルキニル、-OH、-OP(O)(OH)、-OC(O)(C~C)アルキル、-C(O)(C~C)アルキル、-OC(O)O(C~C)アルキル、NH、NH((C~C)アルキル)、N((C~C)アルキル)、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)NH(C~C)アルキル、及びS(O)N((C~C)アルキル)が含まれる。置換基は、任意に、それ自体が置換されていてもよい。さらに、2つの縮合環を含有する場合、本明細書で定義されるアリール基は、完全飽和環と縮合した不飽和または部分飽和環を有し得る。これらのアリール基の例示的な環系には、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナレニル、フェナントレニル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフタレニル、テトラヒドロベンゾアヌレニルなどが含まれるがこれらに限定されない。
【0042】
特に明記しない限り、「ヘテロアリール」とは、N、O、またはSから選択される1つ以上の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子がCである5~24個の環原子の一価の単環式芳香族ラジカルまたは多環式芳香族ラジカルを意味する。本明細書中で定義するヘテロアリールはまた、ヘテロ原子がN、O、またはSから選択される二環式ヘテロ芳香族基を意味する。芳香族ラジカルは、本明細書に記載されている1つ以上の置換基で任意に独立して置換されている。例には、フリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、インドリル、チオフェン-2-イル、キノリル、ベンゾピラニル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾール、インダゾール、ベンズイミダゾリル、チエノ[3,2-b]チオフェン、トリアゾリル、トリアジニル、イミダゾ[1,2-b]ピラゾリル、フロ[2,3-c]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、インダゾリル、ピロロ[2,3-c]ピリジニル、ピロロ[3,2-c]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、チエノ[3,2-c]ピリジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、チエノ[2,3-b]ピリジニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、インドリニル、インドリノニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾフラン、クロマニル、チオクロマニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾチアジン、ジヒドロベンゾキサニル、キノリニル、イソキノリニル、1,6-ナフチリジニル、ベンゾ[de]イソキノリニル、ピリド[4,3-b][1,6]ナフチリジニル、チエノ[2,3-b]ピラジニル、キナゾリニル、テトラゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、イソインドリル、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ピロロ[3,2-b]ピリジニル、イミダゾ[5,4-b]ピリジニル、ピロロ[1,2-a]ピリミジニル、テトラヒドロピロロ[1,2-a]ピリミジニル、3,4-ジヒドロ-2H-1□-ピロロ[2,1-b]ピリミジン、ジベンゾ[b,d]チオフェン、ピリジン-2-オン、フロ[3,2-c]ピリジニル、フロ[2,3-c]ピリジニル、1H-ピリド[3,4-b][1,4]チアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、フロ[2,3-b]ピリジニル、
ベンゾチオフェニル、1,5-ナフチリジニル、フロ[3,2-b]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、ベンゾ[1,2,3]トリアゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジニル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール、1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[1,5-b][1,2]オキサジニル、4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、チアゾロ[5,4-d]チアゾリル、イミダゾ[2,1-b][1,3,4]チアジアゾリル、チエノ[2,3-b]ピロリル、3H-インドリル、及びそれらの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。さらに、2つの縮合環を含有する場合、本明細書で定義されるアリール基は、完全飽和環と縮合した不飽和または部分飽和環を有し得る。これらのヘテロアリール基の例示的な環系には、インドリニル、インドリノニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾフラン、クロマニル、チオクロマニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾチアジン、3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル、2,3-ジヒドロベンゾフラン、インドリニル、インドリル、及びジヒドロベンゾオキサニルが含まれる。
【0043】
ハロゲンまたは「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
【0044】
アルキルとは、1~12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素を指す。(C~C)アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びイソヘキシルが含まれるがこれらに限定されない。
【0045】
「アルコキシ」とは、その鎖に末端「O」を含有する1~12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素、すなわち、-O(アルキル)を指す。アルコキシ基の例には、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、またはペントキシ基が含まれる。
【0046】
「アルケニル」とは、2~12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の不飽和炭化水素を指す。「アルケニル」基は、その鎖に少なくとも1つの二重結合を含有する。アルケニル基の二重結合は、非共役であるか、または他の不飽和基に共役することができる。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、イソ-ブテニル、ペンテニル、またはヘキセニルが含まれる。アルケニル基は、非置換であっても、置換されていてもよい。アルケニルは、本明細書で定義されるとき、分枝鎖または直鎖であり得る。
【0047】
「アルキニル」とは、2~12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の不飽和炭化水素を指す。「アルキニル」基は、その鎖に少なくとも1つの三重結合を含有する。アルケニル基の例には、エチニル、プロパルギル、n-ブチニル、イソ-ブチニル、ペンチニル、またはヘキシニルが含まれる。アルキニル基は、非置換であっても、置換されていてもよい。
【0048】
用語「アルキレン」または「アルキレニル」は、二価のアルキルラジカルを指す。上述の一価アルキル基のいずれも、アルキルから第2の水素原子を引き抜くことによってアルキレンとなり得る。本明細書で定義されるとき、アルキレンはまた、C~Cアルキレンであり得る。アルキレンは、さらにC~Cアルキレンであり得る。典型的なアルキレン基には、-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-CHCH-、-CHCH(CH)-、-CHC(CH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-などが含まれるがこれらに限定されない。
【0049】
「シクロアルキル」とは、3~18個の炭素原子(例えば-C~C10)を含有する
単環式または多環式飽和炭素環(例えば、縮合、架橋、またはスピロ環)を意味する。シクロアルキル基の例には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプタニル、シクロオクタニル、ノルボラニル、ノルボレニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、またはビシクロ[2.2.2]オクテニルが含まれる。
【0050】
「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロアルキル」とは、炭素及び酸素、窒素、または硫黄から得られるヘテロ原子を含有する単環式または多環式環(例えば、縮合、架橋、またはスピロ環)であって、環炭素またはヘテロ原子の間で共有される非局在化π電子(芳香族性)が存在しないものを意味する。ヘテロシクロアルキルは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12員環であり得る。ヘテロシクロアルキル環構造は、1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。置換基は、任意に、それ自体が置換されていてもよい。ヘテロシクリル環の例には、オキセタニル、アゼタジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、ピラニル、チオピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサリニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS-オキシド、チオモルホリニルS-ジオキシド、ピペラジニル、アゼピニル、オキセピニル、ジアゼピニル、トロパニル、オキサゾリジノニル、及びホモトロパニルが含まれるがこれらに限定されない。本出願によれば、3~10員ヘテロシクリルとは、3~10個の原子を含有する飽和または部分飽和非芳香環構造であって、N、O、またはSの群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子が存在するものを指す。
【0051】
用語「ヒドロキシアルキル」は、アルキル基が1つ以上の-OH基で置換されている、上記に定義されたアルキル基を意味する。ヒドロキシアルキル基の例には、HO-CH-、HO-CH-CH-及びCH-CH(OH)-が含まれる。
【0052】
用語「ハロアルキル」は、本明細書で使用されるとき、1つ以上のハロゲンで置換されている本明細書で定義されたアルキル基を指す。ハロアルキル基の例には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、トリクロロメチルなどが含まれるがこれらに限定されない。
【0053】
用語「ハロアルコキシ」は、本明細書で使用されるとき、1つ以上のハロゲンで置換されている本明細書で定義されたアルコキシ基を指す。ハロアルキル基の例には、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ、トリクロロメトキシなどが含まれるがこれらに限定されない。
【0054】
用語「シアノ」は、本明細書で使用されるとき、三重結合によって窒素原子に結合した炭素原子を有する置換基、すなわち、C≡Nを意味する。
【0055】
用語「アミン」は、本明細書で使用されるとき、第1級(R-NH、R≠H)、第2級(R-NH、R≠H)及び第3級(R-N、R≠H)アミンを指す。置換アミンは、少なくとも1個の水素原子が置換基に置き換えられているアミンを意味することが意図される。
【0056】
用語「アミノ」は、本明細書で使用されるとき、少なくとも1個の窒素原子を含有する置換基を意味する。特に、NH、-NH(アルキル)またはアルキルアミノ、-N(アルキル)またはジアルキルアミノ、アミド、カルバミド、尿素及びスルファミド置換基が、用語「アミノ」に含まれる。
【0057】
本明細書中で使用する用語「オキソ」とは、「=O」基を指す。
【0058】
用語「異性体」は、同じ組成及び分子量を有するが、物理的及び/または化学的特性の点で異なる塩及び/または化合物を指す。この構造的差異は、構成(幾何異性体)または偏光平面を回転させる能力(立体異性体)であり得る。立体異性体に関して、式(I)の塩は、1個以上の不斉炭素原子を有し得、ラセミ体、ラセミ混合物及び個別の鏡像異性体またはジアステレオマーとして生じ得る。
【0059】
本開示は、有効量の開示される塩と、薬学的に許容可能な担体とを含む薬学的組成物も含む。代表的な「薬学的に許容可能な塩」には、例えば、水溶性及び水不溶性塩、例えば、酢酸塩、アムソン酸塩(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-二硫酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、カルシウム、エデト酸カルシウム、カンシル酸、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、クラブラン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、フィウナル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マグネシウム、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムカート(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩(1,1-メテン-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩、エンボン酸塩)、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、及び吉草酸塩が含まれる。
【0060】
「患者」または「対象」とは、哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、またはサル、チンパンジー、ヒヒ、もしくはアカゲザルなど非ヒト霊長類である。
【0061】
「有効量」とは、塩及び/または薬学的組成物に関連して使用される場合、本明細書に記載されている対象の疾患を治療または予防するのに有効な量である。
【0062】
用語「担体」は、本開示で使用されるとき、担体、賦形剤及び希釈剤を包含し、対象のある器官または身体の一部から別の器官または身体の一部への薬学的薬剤の運搬または輸送に関与する物質、組成物、または液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒などのビヒクル、または封入物質を意味する。
【0063】
対象に関して「治療」という用語は、対象の障害の少なくとも1つの症状の改善を指す。治療には、障害の治癒、改善、または少なくとも部分的な好転が含まれる。
【0064】
用語「障害」は、特に示されない限り、本開示において、疾患、状態、または疾病という用語を意味するために使用され、それらの用語と交換可能に使用される。
【0065】
用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」は、本開示で使用されるとき、開示される塩または組成物を対象に直接投与すること、あるいは対象の身体に当量の活性化合物を形成し得る、その塩のプロドラッグ誘導体もしくは類似体または組成物を対象に投与することのいずれかを指す。
【0066】
本出願の塩
本出願は、加齢及び細胞復元に関連する疾患及び障害の治療に有用な、加齢関連障害を治療または予防することが可能な塩またはそのエナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体に関する。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態では、Rは、独立して、各出現において、H、またはC~Cアルキルである。他の実施形態では、Rは、Hである。他の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。他の実施形態では、Rは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルキルである。他の実施形態では、Rは、C~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルキルである。他の実施形態では、Rは、1つ以上のC~Cアルケニルで置換されたC~Cアルキルである。他の実施形態では、Rは、1つ以上のC~Cアルキニルで置換されたC~Cアルキルである。他の実施形態では、Rは、1つ以上のm(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキルで置換されたC~Cアルキルである。他の実施形態では、Rは、1つ以上の(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキルで置換されたC~Cアルキルである。他の実施形態では、Rは、1つ以上の(C~Cアルキレン)C~C14アリールで置換されたC~Cアルキルである。他の実施形態では、Rは、1つ以上の(C~Cアルキレン)ヘテロアリールで置換されたC~Cアルキルである。他の実施形態では、Rは、メチルである。他の実施形態では、Rは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で置換されたメチルである。
【0068】
さらなる実施形態では、Rは、独立して、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、(C~Cアルキレン)C(O)C~Cアルキル、-C(O)OR、-C(O)NR、または-[CH-CH-O]-Rである。別の実施形態では、Rは、Hである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、C~Cハロアルキルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)C(O)C~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、-C(O)ORである。別の実施形態では、Rは、-[CH-CH-O]-Rである。別の実施形態では、Rは、C(O)C~Cアルキルである。
【0069】
一実施形態では、Rは、独立して、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、(C~Cアルキレン)C(O)C~Cアルキル、-C(O)OR、-C(O)NR、または-[CH-CH-O]-Rである。別の実施形態では、Rは、Hである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、C~Cハロアルキルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)C(O)C~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、-C(O)ORである。別の実施形態では、Rは、-[CH-CH-O]-Rである。別の実施形態では、Rは、C(O)C~Cアルキルである。
【0070】
一実施形態では、Rは、独立して、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、(C~Cアルキレン)C(O)C~Cアルキル、-C(O)OR、-C(O)NR、または-[CH-CH-O]-Rである。別の実施形態では、Rは、Hである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、C~Cハロアルキルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)C(O)C~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、-C
(O)ORである。別の実施形態では、Rは、-[CH-CH-O]-Rである。別の実施形態では、Rは、C(O)C~Cアルキルである。
【0071】
式Iの塩のさらなる実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5員複素環式環を形成し得る。式Iの塩のさらなる実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、6員複素環式環を形成し得る。式Iの塩のなおさらなる実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で置換された5員複素環式環を形成し得る。式Iの塩のなおさらなる実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で置換された6員複素環式環を形成し得る。
【0072】
式Iの塩のさらなる実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5員複素環式環を形成し得る。式Iの塩のさらなる実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、6員複素環式環を形成し得る。式Iの塩のなおさらなる実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で置換された5員複素環式環を形成し得る。式Iの塩のなおさらなる実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で置換された6員複素環式環を形成し得る。
【0073】
式Iの塩の別の実施形態では、Mは、双性イオン性アミノ酸である。別の実施形態では、Mは、式IIの双性イオン性アミノ酸:
【化3】

である。
【0074】
式Iの塩の一実施形態では、Rは、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは、Hである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。別の実施形態で
は、Rは、C~Cアルケニルである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルキニルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)C~C14アリールである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは、H、1つ以上の(C~Cアルキレン)SRで置換されたC~Cアルキルである。
【0075】
別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルケニルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルキニルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換された(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)
NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換された(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換された(C~Cアルキレン)C~C14アリールである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換された(C~Cアルキレン)ヘテロアリールである。
【0076】
式Iの塩の一実施形態では、Rは、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは、Hである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルケニルである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルキニルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)C~C14アリールである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)ヘテロアリールである。
【0077】
別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアル
キレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルケニルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルキニルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換された(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換された(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換された(C~Cアルキレン)C~C14アリールである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、SeH、(C~Cアルキレン)NR、(C~Cアルキレン)OR、(C~Cアルキレン)OC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)OR、(C~Cアルキレン)SR、(C~Cアルキレン)C(O)SR、(C~Cアルキレン)SC(O)R、(C~Cアルキレン)C(O)NR、(C~Cアルキレン)NC(O)NR
、(C~Cアルキレン)C(NR)NR、(C~Cアルキレン)NRC(NR)NR、(C~Cアルキレン)P(O)O、(C~Cアルキレン)S(O)NR、(C~Cアルキレン)S(O)OR、または(C~Cアルキレン)BOから選択される1つ以上の置換基で置換された(C~Cアルキレン)ヘテロアリールである。
【0078】
別の実施形態では、Rは、HまたはC~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、Hである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、シアノ、ハロ、(C~Cアルキレン)NR、または(C~Cアルキレン)ORから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、Hである。
【0079】
なお別の実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5員環を形成し得る。別の実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、シアノ、ハロ、(C~Cアルキレン)NR、または(C~Cアルキレン)ORから選択される1つ以上の置換基で置換された5員環を形成し得る。別の実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、6員環を形成し得る。別の実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、シアノ、ハロ、(C~Cアルキレン)NR、または(C~Cアルキレン)ORから選択される1つ以上の置換基で置換された6員環を形成し得る。
【0080】
さらなる実施形態では、Rは、独立して、各存在において、HまたはC~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、Hである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルキルである。
【0081】
さらなる実施形態では、Rは、独立して、各存在において、HまたはC~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、Hである。別の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。別の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)C~Cシクロアルキル、(C~Cアルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C~Cアルキレン)C~C14アリール、または(C~Cアルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で置換されたC~Cアルキルである。
【0082】
別の実施形態では、kは、各出現において、1、2、3、4、5、6、7、または8である。別の実施形態では、kは、1である。別の実施形態では、kは、2である。別の実施形態では、kは、3である。別の実施形態では、kは、4である。別の実施形態では、kは、5である。別の実施形態では、kは、6である。別の実施形態では、kは、7である。別の実施形態では、kは、8である。
【0083】
一実施形態では、mは、0、1、または2である。別の実施形態では、mは、0である。別の実施形態では、mは、1である。別の実施形態では、mは、2である。
【0084】
一実施形態では、nは、0、1、または2である。別の実施形態では、nは、0である。別の実施形態では、nは、1である。別の実施形態では、nは、2である。
【0085】
一実施形態では、pは、0、1、または2である。別の実施形態では、pは、0である。別の実施形態では、pは、1である。別の実施形態では、pは、2である。
【0086】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Iaの構造:
【化4】
を有する。
【0087】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Ibの構造:
【化5】
を有する。
【0088】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Icの構造:
【化6】
を有する。
【0089】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Idの構造:
【化7】
を有する。
【0090】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Ieの構造:
【化8】
を有する。
【0091】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Ifの構造:
【化9】
を有する。
【0092】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Igの構造:
【化10】
を有する。
【0093】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Ihの構造:
【化11】
を有する。
【0094】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Iiの構造:
【化12】
を有する。
【0095】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Ijの構造:
【化13】
を有する。
【0096】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Ikの構造:
【化14】
を有する。
【0097】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Ilの構造:
【化15】
を有する。
【0098】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Imの構造:
【化16】
を有する。
【0099】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Inの構造:
【化17】
を有する。
【0100】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Ioの構造:
【化18】
を有する。
【0101】
式Iの塩のいくつかの実施形態では、塩は、式Irの構造:
【化19】
を有する。
【0102】
別の実施形態では、好適な塩には、限定されないが:
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレートを有する(S)-2-アンモニオ-3-フェニルプロパノエート化合物(1:1)(I-001);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレートを有する(2S,3S)-2-アンモニオ-3-メチルペンタノエート化合物(1:1)(I-002);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレートを有する(S)-2-アンモニオ-3-(1H-インドール-3-イル)プロパノエート化合物(1:1)(I-003);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S
)-6-アミノ-2-アンモニオヘキサノエート(1:1)(I-004);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート(S)-5-アミノ-2-アンモニオ-5-オキソペンタノエート(1:1)(I-005);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-2-アンモニオ-4-メチルペンタノエート(1:1)(I-006);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-2-アンモニオ-4-カルボキシブタノエート(1:1)(I-007);
(S)-2-アンモニオ-3-メチルブタノエート-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート(1:1)(I-008);
(S)-2-アンモニオ-5-グアニジノペンタノエート-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート(1:1)(I-009);及び
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-2-アンモニオ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(1:1)(I-010)
が含まれる。
【0103】
塩の調製のための方法
本出願の塩は、標準化学を含む様々な方法によって製造され得る。好適な合成経路は、以下で提供されるスキームに示されている。
【0104】
式(I)の塩は、以下の合成スキームによって部分的に示されるように、有機合成の技術分野で知られている方法によって調製され得る。以下に記載されるスキームにおいて、一般的な原理または化学に従って、必要に応じて、感受性または反応性基のための保護基が採用されることがよく理解される。保護基は、有機合成の標準的な方法に従って操作される(T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective
Groups in Organic Synthesis”,Third edition,Wiley,New York 1999)。これらの基は、当業者には容易に明らかな方法を使用して塩合成の好都合な段階で除去される。選択プロセス、及びそれらの実行の反応条件及び順序は、式(I)の塩の調製と一致しているものとする。
【0105】
当業者は、式(I)の塩に立体中心が存在するかどうかを認識する。したがって、本出願は、(合成で特定されない限り)可能な立体異性体の両方を含み、ラセミ塩だけでなく、個々のエナンチオマー及び/またはジアステレオマーも同様に含む。化合物または塩が単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして所望される場合、それは、立体特異的合成によって、または最終生成物もしくは任意の好都合な中間体の分割によって得られ得る。最終生成物、中間体、または出発物質の分割は、当該技術分野で知られている任意の好適な方法によって影響を受け得る。例えば、“Stereochemistry of Organic Compounds”by E.L.Eliel,S.H.Wilen,and L.N.Mander(Wiley-lnterscience,1994)を参照されたい。
【0106】
本明細書に記載されている塩及び化合物は、市販の出発物質から製造され得るか、または既知の有機、無機、及び/または酵素プロセスを使用して合成され得る。
【0107】
本出願の塩は、有機合成の当業者によく知られている多数の方法で調製され得る。例として、本出願の塩は、合成有機化学の技術分野で知られている合成方法、または当業者に理解されるようなその類型と共に、以下に記載される方法を使用して合成され得る。これらの方法には、以下に記載されるそれらの方法が含まれるがこれらに限定されない。本出願の塩は、様々な中間体を組み立てる異なるシーケンスを含む一般的スキーム1に概説された工程に従うことによって合成され得る。出発物質は、市販されているか、または報告された文献における既知の手順によってもしくは例示されるように製造される。
スキーム1
【化20】
【0108】
上述のプロセスから得られたエナンチオマー、ジアステレオマー、シス/トランス異性体の混合物は、分離の特質に応じて、キラル塩技術、順相、逆相またはキラルカラムを使用するクロマトグラフィーによってそれらの単一成分に分離され得る。
【0109】
上記に示された記載及び式において、スキーム中の基Rは、別段示される場合を除き、上記で定義されたとおりのRを表すことが理解されるべきである。さらに、合成目的のため、一般的スキーム1の塩は、本明細書で定義されるような式(I)の塩の一般的合成方法論を例示するために、選択されたラジカルを有する代表例にすぎない。
【0110】
また、本明細書に開示される塩は、中性電荷を有すること、及び式Iの構造は、必要に応じて、塩が中性電荷を示すことを可能にするために対イオンを用いてバランスがとられ得る属の代表にすぎないことが理解される。そのような対イオンには、限定されないが、臭素、塩素、及びトリフラートが含まれ得る。一実施形態では、本発明の塩は、溶液から単離することを必要とすることなく、in situで生成され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される塩は、別々の1:1または1:2の塩であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている塩はまた、他の比、例えば、1:1.5、1:5、または1:10で存在し得る。
【0111】
開示される塩を使用する方法
本開示の別の態様は、加齢、細胞劣化、及び/または細胞復元に関連する疾患または障害を治療または予防する方法に関する。そのような疾患及び障害の非限定的な例には、不妊症、加齢関連不妊症、眼機能の加齢関連喪失、骨密度の低下、肥満及びインスリン不感症が含まれる。一実施形態では、式(I)の塩は、加齢関連不妊症の治療に有用である。式(I)の塩の別の実施形態では、不妊症の治療に有用である。
【0112】
本出願の別の態様は、加齢、細胞劣化、及び/または細胞復元に関連する疾患または障害を治療または予防する方法に関する。一実施形態では、本開示の塩は、不妊症の治療に有用である。別の実施形態では
【0113】
本発明はまた、加齢、細胞復元、細胞劣化、または不妊症を治療するための薬剤の製造のための式Iの塩ならびにそのエナンチオマー、立体異性体、及び互変異性体の使用に関する。
【0114】
本開示のさらに別の態様は、卵母細胞または胚盤胞の質及び成熟を改善する方法に関する。その方法は、卵母細胞または胚盤胞を式(I)の塩を含むIVF培地と有効期間接触させることを含む。
【0115】
別の態様では、本開示は、式(I)の塩を含有する培地を提供する。式(I)の塩は、溶液中で驚くべき予想外の長期安定性を示し、よって、卵子、卵母細胞及び/または胚盤胞を、不妊症または加齢関連不妊症に罹患している対象への着床前にNAD+生成を増強させるために必要な期間、曝露するための培地中で有用である。いくつかの実施形態では、式(I)の塩を含む培地が提供される。いくつかの実施形態では、培地は、卵子、卵母細胞または胚盤胞が存在する成熟及び発達の段階に応じて、卵子、卵母細胞または胚盤胞に必要な様々な試薬及び因子を含む。例えば、培地は、以下の表1に列挙されるIVF培地に有用な薬剤または因子を含有し得る:
【表1】
【0116】
また、式(I)の1つ以上の塩及び培養剤を含むin vitroでの受精のための細胞培養液も提供される。
【0117】
一実施形態では、培養剤は、無機塩、エネルギー基質、アミノ酸、キレート剤、pH指示剤、抗生物質、血清、ビタミン、成長因子、またはそれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、無機塩は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0118】
一実施形態では、エネルギー基質は、グルコース、ピルベート、ラクテート、ピルベート、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0119】
一実施形態では、アミノ酸は、必須アミノ酸である。一実施形態では、必須アミノ酸は、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0120】
一実施形態では、アミノ酸は、非必須アミノ酸である。
【0121】
一実施形態では、非必須アミノ酸は、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、セリン、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0122】
一実施形態では、キレート剤は、クラスロキレート、アセチルアセトン、アミノポリカルボン酸、ATMP、BAPTA、BDTH2、クエン酸、クリプタンド、デフェラシロックス、2,3-ジヒドロ安息香酸、2,3-ジメルカプト-1-プロパンスルホン酸、ジメルカプトコハク酸、DOTA、DTPMP、EDDHA、EDDS、EDTMP、エチドロン酸、fura-2、グルコン酸、ホモクエン酸、イミノ二酢酸、Indo-1、ニトリル三酢酸、ペンテト酸(DTPA)、ホスホネート、フィトケラチ、ポリアスパラギン酸、ポリアスパラギン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、トランスフェリン、EDTA、EGTA、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0123】
一実施形態では、pH指示剤は、フェノールレッド、ブロモチモールブルー、アリザリンレッド、9-アミノアクリジン、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0124】
一実施形態では、抗生物質は、アクチノマイシンD、アンピシリン、カルベニシリン、セフォタキシム、ホスミドマイシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ペニシリン、ポリミキシンB、ストレプトマイシン、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0125】
一実施形態では、血清は、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ウシ胎児血清、合成血清、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0126】
一実施形態では、ビタミンは、アスコルビン酸、ビオチン、メナジオン重亜硫酸ナトリウム、マイトマイシンC、ピリドキサミン二塩酸塩、酢酸レチニル、(-)-リボフラビン、(+)-L-アスコルビン酸ナトリウム、(+)-α-トコフェロール、ビタミンB12、塩酸チアミン、i-イノシトール、塩酸ピリドキサール、ニコチンアミド、葉酸、D-パントテン酸カルシウム、塩化コリン、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0127】
一実施形態では、成長因子は、アドレノメデュリン、アンジオポエチン、骨形態形成タンパク質、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、表皮成長因子、エフリン、エリスロポエチン、線維芽細胞成長因子、成長分化因子-9、肝細胞成長因子、インスリン、インスリン様成長因子、インターロイキン、ケラチノサイト成長因子、遊走刺激因子、マクロファージ刺激タンパク質、ミオスタチン、ニューロトロフィン、t細胞成長因子、トロンボポエチン、形質転換成長因子、腫瘍壊死因子-アルファ、血管内皮成長因子、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0128】
一実施形態では、細胞培養培地は、卵母細胞、接合子、胚盤胞、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む。
【0129】
また、式(I)の1つ以上の塩を含む、卵母細胞または胚盤胞の成熟に必要な様々な薬剤、及び因子を含むIVF培地のためのキットも提供される。これらの薬剤及び共因子は、不妊症または加齢関連不妊症のための治療を必要とする患者への着床前に卵母細胞または胚盤胞を曝露するのに使用する直前にIVF培地を生成するために溶液に溶解され得る。
【0130】
本発明はまた、加齢、細胞復元、細胞劣化、または不妊症を治療するための薬剤の製造のための式Iの塩ならびにそのエナンチオマー、立体異性体、及び互変異性体の使用に関する。所定の実施形態では、治療される不妊症は、加齢関連不妊症である。
【0131】
本発明の別の態様は、式Iの塩及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物である。
【0132】
本発明の別の態様は、式Iの塩及び治療的有効量の1つ以上の追加の治療剤を含む薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物である。
【0133】
いくつかの実施形態では、式(I)の塩または本発明の塩及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物の投与は、細胞周期及び細胞生存の変化を誘導する。
【0134】
いくつかの実施形態では、式(I)の塩または本発明の塩及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物の投与は、加齢に関連する障害または疾患の予防的変化を誘導する。
【0135】
本発明の開示される塩は、対象における加齢に関連する障害の治療もしくは予防及び/または障害または疾患の発症を予防するのに有効な量で投与され得る。
【0136】
開示される塩の投与は、治療剤のための任意の投与様式を介して達成され得る。これらの様式には、経口、経鼻、非経口、経皮、皮下、経膣、頬部、直腸または局所投与様式などの全身または部分的投与が含まれる。
【0137】
意図される投与様式に応じて、開示される組成物は、時には単位投薬量による、従来の薬務と一致した、例えば、注射剤、錠剤、坐剤、丸剤、徐放性カプセル剤、エリキシル剤、チンキ剤、乳剤、シロップ剤、粉末剤、液剤、懸濁剤などの固体、半固体、または液体剤形であり得る。同様に、それらは、静脈内(ボーラス及び輸注の両方)、腹腔内、皮下、または筋肉内形態でも投与することができ、すべての使用形態は、薬学の技術分野の当業者によく知られている。
【0138】
開示される塩の有効な投薬量は、示される効果のために使用される場合、その状態の治療の必要性に応じて、約0.5mg~約5000mgの開示される塩の範囲である。インビボまたはインビトロでの使用のための組成物は、約0.5、5、20、50、75、100、150、250、500、750、1000、1250、2500、3500、もしくは5000mg、またはこの用量リストのある量から別の量までの範囲の開示される塩を含有し得る。1つの実施形態において、本組成物は、刻み目を付けることができる錠剤の形態である。
【0139】
開示される塩を利用する投薬量レジメンは、患者の種類、種、年齢、体重、性別及び医学的状態、治療される状態の重篤度、投与経路、患者の腎機能または肝機能、ならびに用いられる特定の開示される塩を含む様々な要因に従って選択される。当該技術分野における通常の技術を有する医師または獣医であれば、その状態を予防する、それに対抗する、またはその進行を停止させるのに必要な薬物の有効量を容易に決定及び処方することがで
きる。
【0140】
例示的な薬学的組成物は、本発明の塩及び薬学的に許容可能な担体、例えば、a)希釈剤、例えば、精製水、トリグリセリド油、例えば、硬化もしくは部分硬化植物油もしくはそれらの混合物、コーン油、オリーブ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、魚油、例えば、EPAもしくはDHA、またはそれらのエステルもしくはトリグリセリドもしくはそれらの混合物、オメガ-3脂肪酸もしくはその誘導体、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、ナトリウム、サッカリン、グルコース、及び/またはグリシン、b)滑沢剤、例えば、シリカ、滑石、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、及び/またはポリエチレングリコール、錠剤の場合さらに、c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、炭酸マグネシウム、天然糖、例えば、グルコースもしくはベータ-ラクトース、コーン甘味料、天然及び合成ガム、例えば、アカシア、トラガカント、もしくはアルギン酸ナトリウム、ワックス及び/またはポリビニルピロリドン、所望される場合、d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、メチルセルロース、ベントナイト、キサンタンガム、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡性混合物、e)吸収剤、着色剤、風味剤、及び甘味料、f)乳化剤または分散剤、例えば、Tween 80、Labrasol、HPMC、DOSS、Caproyl 909、Labrafac、Labrafil、Peceol、Transcutol、Capmul MCM、Capmul PG-12、Captex 355、Gelucire、Vitamin E TGPS、もしくは他の許容可能な乳化剤、ならびに/あるいはg)塩の吸収を向上させる薬剤、例えば、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-シクロデキストリン、PEG400、PEG200を含む錠剤及びゼラチンカプセル剤である。
【0141】
アミノ酸のほとんどは、塩として緩衝特性を有し得、それらの複数のpKa値は、生体液とより適合性があり、結果的に、IV投与にとってより好適な安定なpH値のより大きな範囲をもたらし得る。天然に存在するアミノ酸、NMN、及びNaMNは、内因性物質である。そのため、そのようなものの混合物は、哺乳動物に対して毒性である可能性が低い。生成物のいくつかは、向上した溶解性及び固体形態安定性を有し得る。一実施形態では、塩は、向上した水溶解性を有し得る。一実施形態では、塩は、向上した固体形態安定性を有し得る。一実施形態では、塩は、向上した化学安定性を有し得る。
【実施例0142】
本開示は、以下の実施例及び合成スキームによってさらに例示され、これらは、本開示の範囲または趣旨を本明細書に記載の特定の手順に限定するものと解釈されるべきではない。実施例は、ある特定の実施形態を例示するために提供されること及びそれによって本開示の範囲に対するいかなる制限も意図されないことが理解されるべきである。本開示の趣旨及び/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それら自体を当業者に示唆し得る、様々な他の実施形態、修正及びその均等物に対する手段が取られてもよいことがさらに理解されるべきである。
【0143】
本明細書に開示される以下の塩は、限定されないが、バリン、ロイシン、アラニン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンなどの試薬を含む一般的合成方法論を使用して調製した。メタノール、エタノール、水、酢酸、エチレングリコール、イソプロパノールなどの好適な溶媒も使用した。
以下の実施例及び本明細書の他の箇所で使用される略語は以下である:
AcOH 酢酸
anh. 無水
atm 気圧
aq. 水性
br ブロード
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
ブライン 飽和水性塩化ナトリウム
n-BuLi n-ブチルリチウム
n-BuOH n-ブタノール
Calc’d 計算済
CDCl 重水素化クロロホルム
CDI カルボニルジイミダゾール
クロロホルム-d 重水素化クロロホルム
d 二重項
dd 二重項の二重項
dt 三重項の二重項
O 重水素化水(酸化重水素)
DCE ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAc N,N-ジメチルアセトアミド
DMAP N,N-ジメチルピリジン-4-アミン
DME 1,2-ジメトキシエタン
DMEDA N,N’-ジメチルエチレンジアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO-d 重水素化ジメチルスルホキシド
EDA エチレンジアミン
EDC 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
ESI エレクトロスプレーイオン化
g グラム
h 時間(複数可)
H 水素
H NMR 核磁気共鳴(陽子核)
HATU [ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HBTU 3-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-3H-ベンゾトリアゾール-1-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高圧(または高速)液体クロマトグラフィー
Hz ヘルツ
J カップリング定数
KHCO 炭酸水素カリウム
KHMDS カリウムヘキサメチルジシラジド
KOAc 酢酸カリウム
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
LHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
[#]M モル濃度
m 多重項
[M+H] 分子イオンプラス水素
[M-tBu+H] 分子イオンマイナスtert-ブチルプラス水素
mCPBA メタ-クロロパーオキシ安息香酸
MeNH ジメチルアミン
MeNBr テトラメチルアンモニウムブロミド
MeCN アセトニトリル
MeNH メチルアミン
MeOH メタノール
メタノール-d 重水素化メタノール
2-MeTHF 2-メチルテトラヒドロフラン
mg ミリグラム
MHz メガヘルツ
min 分
mmol ミリモル
mL ミリリットル
MS 質量分析
MS ES 質量分析エレクトロスプレー
MsO メタンスルホン酸無水物
MTBE メチルtert-ブチルエーテル
MW マイクロ波
m/z 質量対電荷比
μL マイクロリットル
窒素
NaHCO 重炭酸ナトリウム
NaMN ニコチン酸モノヌクレオチド
NIS N-ヨードスクシンイミド
NMP N-メチル-2-ピロリドン
NMR 核磁気共鳴
PEPPSI-iPr [1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン](3-クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド
PdCl(Amphos) ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(OAc) 酢酸パラジウム(II)
PdCl(dppf) [1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
PdCl(MeCN) ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)
PdCl(PPh ビス(トリフェニルホスフィンパラジウム(II)ジクロリド
Pd(P(Cy)Cl ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
Pd(t-BuP) ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)
pH 水素イオン指数
PMB 4-メトキシベンジル
PMBCl 4-メトキシベンジルクロリド
ppm 百万分率
prep 分取
py ピリジン
q 四重項
qd 二重項の四重項
quant. 定量的
quin. 五重項
quind 二重項の五重項
RBF 丸底フラスコ
Rt 保持時間
rt 室温
s 一重項
sat. 飽和
sat.aq. 飽和水性
SEMCl 2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド
t 三重項
t-BuLi tert-ブチルリチウム
td 二重項の三重項
TMS トリメチルシリル
TMSCl トリメチルシリルクロリド
tt 三重項の二重項
T3P ポリホスホン酸無水物
TBAB テトラブチルアンモニウムブロミド
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
TFAA トリフルオロ酢酸無水物
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TPPO トリフェニルホスフィンオキシド
XantPhos 4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
XPhos 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル
実施例1.1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレートを有する(S)-2-アンモニオ-3-フェニルプロパノエート化合物(1:1)の合成
【化21】

水凝縮器が装着された50mLの1NのRBFにNaR(0.100g、0.392mmol、1当量)及び10mlの蒸留した脱イオン水を入れ、混合して溶液(かすかな懸濁液も該当する)を形成した。この溶液を氷/水浴を使用して冷却した。次いでこの溶液にL-フェニルアラニンを一度に(0.0647g、392mmol、1.0当量)を添加した。この添加の後、pHは約4.9~5.2となり、すべての固体が溶液に入った。次いでフラスコを除去し、無色の溶液を液体窒素を使用して凍結させた。フラスコを凍結
させている間、それを凍結乾燥機に接続した。これにより水を徐々に除去する。乾燥させると、生成物は無色の固体となる。
収率:160.6mg(98%)
融点:130~133℃(補正済、分解)、145℃ガス放出
分析データ.H-NMR (400 MHz, DO) δ = 9.47 (s,1H
), 9.18 (d, 1H), 8.96 (d, 1H), 8.21 (dd, 1H)
, 7.48-7.32 (m, 5H), 6.25 (d, 1H),4.51 (m, 2H), 4.38 (t, 1H), 4.10-4.00 ( 2 x dd,2H), 3.92 (dd, 1H), 3.31 (dd, 1H),3.15 (dd, 1H) ppm
【0144】
実施例2.1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレートを有する(2S,3S)-2-アンモニオ-3-メチルペンタノエート化合物(1:1)の合成
【化22】

水凝縮器が装着された50mLの1NのRBFにNaR(0.100g、0.392mmol、1当量)及び20mlの蒸留した脱イオン水を入れ、混合して溶液(かすかな懸濁液も該当する)を形成した。この溶液を氷/水浴を使用して冷却した。次いでこの溶液にL-イソロイシンを一度に(0.080g、392mmol、1.0当量)を添加した。この添加の後、pHは約4.6~4.9となり、すべての固体が溶液に入った。
次いでフラスコを除去し、無色の溶液を液体窒素を使用して凍結させた。フラスコを凍結させている間、それを凍結乾燥機に接続した。これにより水を徐々に除去する。乾燥させると、生成物は無色の固体となる。
収率:147.1mg(97%)
融点:144~148℃(補正済、分解)
分析データ.H-NMR (400 MHz, DO) δ = 9.48 (s,1H
), 9.18 (d, 1H), 8.98 (d, 1H), 8.21 (dd, 1H)
, 6.24 (d, 1H), 4.48-4.55 (m, 2H),4.38 (t, 1H), 4.07 ( dd, 1H), 3.93 (dd, 1H), 3.69(d, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.55-1.45(m, 1H), 1.35-1.24 (m, 1H), 1.04 (d, 3H), 0.95 (t,3H) ppm
【0145】
実施例3.1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレートを有する(S)-2-アンモニオ-3-(1H-インドール-3-イル)プロパノエート化合物(1:1)の合成
【化23】

水凝縮器が装着された50mLの1NのRBFにNaR(0.100g、0.392mmol、1当量)及び30mlの蒸留した脱イオン水を入れ、混合して溶液(かすかな懸濁液も該当する)を形成した。この溶液を氷/水浴を使用して冷却した。次いでこの溶液にL-トリプトファンを一度に(0.080g、392mmol、1.0当量)を添加した。この添加の後、pHは約4.9~5.2となり、すべての固体が溶液に入った。
次いでフラスコを除去し、無色の溶液を液体窒素を使用して凍結させた。フラスコを凍結させている間、それを凍結乾燥機に接続した。これにより水を徐々に除去する。乾燥させると、生成物は黄色の固体となる。
収率:171.8mg(96%)
融点:117~126℃(補正済、分解)、133℃ガス放出
分析データ.H-NMR (400 MHz, DO) δ = 9.42 (s,1H
), 9.12 (d, 1H), 8.93 (d, 1H), 8.15 (dd, 1H)
, 7.72 (d, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.30(s + t, 2H), 7.20 (t, 1H), 6.28 (d, 1H), 4.481(m, 2H), 4.38 (t, 1H), 4.10-4.00( m, 2H), 3.92 (dd, 1H), 3.51 (dd, 1H), 3.32 (dd,1H) ppm
【0146】
実施例4.1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-6-アミノ-2-アンモニオヘキサノエート(1:1)の合成
【化24】

水凝縮器が装着された250mLの1NのRBFにNaR(0.200g、0.784mmol、1当量)及び40mlの蒸留した脱イオン水を入れ、混合して溶液(かすかな懸濁液も該当する)を形成した。この溶液を氷/水浴を使用して冷却した。次いでこの溶液にL-リジンを一度に(0.115g、0.744mmol、0.95当量)を添加した。この添加の後、pHは9.63となり、すべての固体が溶液に入った。
次いでフラスコを除去し、無色の溶液を液体窒素を使用して凍結させた。フラスコを凍結させている間、それを凍結乾燥機に接続した。これにより水を徐々に除去する。乾燥させると、生成物は茶色に着色した固体となる。
収率:定量的
分析データ.H-NMR (400 MHz, DO) δ = 9.43 (s,1H
), 9.13 (d, 1H), 8.92 (d, 1H), 8.17 (dd, 1H)
, 6.21 (d, 1H), 4.48 (m, 2H), 4.33(t, 1H), 4
.02 ( dd, 1H), 3.88 (dd, 1H), 3.46 (t, 1H), 2.98 (d, 2H), 1.8-1.6(m,4H), 1.5-1.3 (m, 2H
) ppm
【0147】
実施例5.1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート(S)-5-アミノ-2-アンモニオ-5-オキソペンタノエート(1:1)の合成
【化25】

水凝縮器が装着された100mLの1NのRBFにNaR(0.200g、0.784mmol、1当量)及び15mlの蒸留した脱イオン水を入れ、混合して溶液(かすかな懸濁液も該当する)を形成した。この溶液を氷/水浴を使用して冷却した。次いでこの溶液にL-グルタミンを一度に(0.109g、0.744mmol、0.95当量)を添加した。この添加の後、pHは4.95となり、すべての固体が溶液に入った。
次いでフラスコを除去し、無色の溶液を液体窒素を使用して凍結させた。フラスコを凍結させている間、それを凍結乾燥機に接続した。これにより水を徐々に除去する。乾燥させると、生成物は茶色に着色した固体となる。
収率:定量的
分析データ.H-NMR (400 MHz, DO) δ = 9.45 (s,1H
), 9.13 (d, 1H), 8.92 (d, 1H), 8.17 (dd, 1H)
, 6.20 (d, 1H), 4.50-4.43 (m, 2H),4.33 (t, 1H), 4.03 ( dd, 1H), 3.89 (dd, 1H), 3.75(t, 1H), 2.50-2.37 (ddd, 2H),2.15-2.07 (m, 2H) ppm
【0148】
実施例6.1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-2-アンモニオ-4-メチルペンタノエート(1:1)
【化26】

水凝縮器が装着された100mLの1NのRBFにNaR(0.200g、0.784mmol、1当量)及び15mlの蒸留した脱イオン水を入れ、混合して溶液(かすかな懸濁液も該当する)を形成した。この溶液を氷/水浴を使用して冷却した。次いでこの溶液にL-ロイシンを一度に(0.098g、0.744mmol、0.95当量)を添加した。この添加の後、pHは5.61となり、すべての固体が溶液に入った。
次いでフラスコを除去し、無色の溶液を液体窒素を使用して凍結させた。フラスコを凍結
させている間、それを凍結乾燥機に接続した。これにより水を徐々に除去する。乾燥させると、生成物は無色となる。
収率:定量的
分析データ.H-NMR (400 MHz, DO) δ = 9.43 (s,1H
), 9.12 (d, 1H), 8.92 (d, 1H), 8.17 (dd, 1H)
, 6.21 (d, 1H), 4.50-4.43 (m, 2H),4.34 (t, 1H), 4.03 ( dd, 1H), 3.89 (dd, 1H), 3.71(app t, 1H), 1.8-1.6 (m, 3H),0.98-0.9 (2 x d, 6H)
ppm
【0149】
実施例7.1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-2-アンモニオ-4-カルボキシブタノエート(1:1)の合成
【化27】

水凝縮器が装着された100mLの1NのRBFにNaR(0.200g、0.784mmol、1当量)及び15mlの蒸留した脱イオン水を入れ、混合して溶液(かすかな懸濁液も該当する)を形成した。この溶液を氷/水浴を使用して冷却した。次いでこの溶液にL-グルタミン酸を一度に(0.110g、0.744mmol、0.95当量)を添加した。この添加の後、pHは3.52となり、すべての固体が溶液に入った。
次いでフラスコを除去し、無色の溶液を液体窒素を使用して凍結させた。フラスコを凍結させている間、それを凍結乾燥機に接続した。これにより水を徐々に除去する。乾燥させると、生成物は無色となる。
収率:定量的
分析データ.H-NMR (400 MHz, DO) δ = 9.45 (appm
, 1H), 9.15 (app m, 1H), 8.94 (app m, 1H), 8.18 (app m, 1H), 6.21 (app m, 1H),4.50-4.43(m, 2H), 4.34 (m, 1H), 4.05 ( m, 1H), 3.89 (m,
1H), 3.78 (app m, 1H),2.55 (m, 2H), 2.25-2.15 (m, 2H) ppm
【0150】
実施例8.(S)-2-アンモニオ-3-メチルブタノエート-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート(1:1)の合成
【化28】
水凝縮器が装着された100mLの1NのRBFにNaR(0.200g、0.784mmol、1当量)及び15mlの蒸留した脱イオン水を入れ、混合して溶液(かすかな懸濁液も該当する)を形成した。この溶液を氷/水浴を使用して冷却した。次いでこの溶液にL-バリンを一度に(0.087g、0.744mmol、0.95当量)を添加した。この添加の後、pHは5.67となり、すべての固体が溶液に入った。
次いでフラスコを除去し、無色の溶液を液体窒素を使用して凍結させた。フラスコを凍結させている間、それを凍結乾燥機に接続した。これにより水を徐々に除去する。乾燥させると、生成物は無色となる。
収率:定量的
分析データ.H-NMR (400 MHz, DO) δ = 9.43 (s,1H
), 9.13 (d, 1H), 8.92 (dt, 1H), 8.17 (dd, 1H
), 6.21 (d, 1H), 4.50-4.43 (m, 2H),4.34 (t, 1H), 4.03 ( dd, 1H), 3.89 (dd, 1H),3.59 (d, 1H), 2.30-2.20 (m, 1H), 1.03,0.97(2 x d, 6H
) ppm
【0151】
実施例9.(S)-2-アンモニオ-5-グアニジノペンタノエート-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート(1:1)の合成
【化29】

100mLの3NのRBFにNaR(0.25g、0.979mmol、1当量)及び25mlの蒸留した脱イオン水を入れ、混合して溶液(かすかな懸濁液も該当する)を形成した。この溶液を氷/水浴を使用して冷却した。次いでこの溶液にL-アルギニンを一度に(0.152g、0.979mmol、1.0当量)を添加した。
次いでフラスコを除去し、無色の溶液を液体窒素を使用して凍結させた。フラスコを凍結させている間、それを凍結乾燥機に接続した。これにより水を徐々に除去する。乾燥させると、生成物は黄色の固体となる。
収率:定量的
分析データ.H-NMR (400 MHz, DO) δ = 9.42 (s,1H
), 9.12 (d, 1H), 8.93 (d, 1H), 8.15 (dd, 1H)
, 6.28 (d, 1H), 4.481 (m, 2H), 4.38(t, 1H),
4.10-3.9 (dq, 2H), 3.3 (m, 1H), 3.18 (dd, 1H). 1.5-1.8 (m, 4H) ppm
【0152】
実施例10.1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-2-アンモニオ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(1:1)の合成
【化30】

100mLの3NのRBFにNaR(0.25g、0.979mmol、1当量)及び25mlの蒸留した脱イオン水を入れ、混合して溶液(かすかな懸濁液も該当する)を形成した。この溶液を氷/水浴を使用して冷却した。次いでこの溶液にL-ヒスチジンを一度に(0.152g、0.979mmol、1.0当量)を添加した。
次いでフラスコを除去し、無色の溶液を液体窒素を使用して凍結させた。フラスコを凍結させている間、それを凍結乾燥機に接続した。これにより水を徐々に除去する。乾燥させると、生成物は無色の固体となる。
収率:定量的。
分析データ.H-NMR (400 MHz, DO) δ = 9.42 (s,1H
), 9.12 (d, 1H), 8.93 (d, 1H), 8.15 (dd, 1H)
, 7.72 (d, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.28(d, 1H), 4
.481 (m, 2H), 4.38 (t, 1H), 4.10-3.9 (dt, 2H), 4.0 (q, 4H), 3.18 (dd,2H) ppm。
【0153】
実施例11.NAD細胞アッセイ
参照により本明細書に組み込まれるZhu及びRand,PLoS One(2012)のNAD循環法に基づいてNADレベルをアッセイした。COV434細胞を6ウェルプレートにおいて維持し、示された化合物で200uMの濃度で4時間処理した。培地を除去し、プレートを低温PBSで洗浄し、細胞を10mMのニコチンアミド、50mMのトリスHCl、0.1%のTriton X-100を含有するNAD抽出緩衝液中で平らにした。細胞を超音波によって5秒間ホモジナイズし、サンプルを7,000gで4度において5分間遠心分離した。アリコートを後のタンパク質アッセイのために採取し、次いでサンプルを14,000gで4度において30分間、10kDaのアミコンフィルターに通してサンプルからタンパク質を除去した。25μLのサンプルを100μLのADH循環ミックス(0.2mg/mlのアルコール脱水素酵素、2%のエタノール、100mMのトリスpH8.5)に添加して、各サンプルを技術的に三重に測定した。サンプルを室温で10分間循環させ、続いて50μLのMTT/PMS溶液(0.1mMのフェナジンメトスルフェート、0.8mMの3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)、100mMのトリス-HCl pH8.5)を添加した。次いでプレートを15分間インキュベートし、吸光度を570nMで測定した。NAD濃度を標準曲線から外挿し、BCAタンパク質アッセイによって決定されたタンパク質濃度に対して正規化した。
【0154】
上述したアッセイの結果を表2(以下)に示す。調整された倍数増加は、比較される塩とその親対応物との間のモルベース当たりのモルでの直接的比較により得られる。すなわち、NaR親分子に由来する本化合物は、細胞において試験された同量(モル)の塩に基づいてNaRに対して測定されたそれらのNAD活性レベルを有するにすぎない。例えば、化合物I-002の倍数増加は、細胞における同じモル量及びNaR親のものについての直接的比較において観察されたNAD活性に基づく。同様に、I-003の倍数増加は、NaRとの直接的比較に基づく。
【表2】
【0155】
均等物
当業者は、本明細書に具体的に記載されている特定の実施形態に対する多数の均等物を、慣用の実験を超えるものを使用せずに、認識し、または確認することができる。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【0156】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
式(I)の塩:
【化1】
またはそのエナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体
(式中、
は、双性イオン性アミノ酸であり;
、R 、及びR は、独立して、H、C ~C アルキル、C ~C ハロアルキル、(C ~C アルキレン)C(O)C ~C アルキル、C(O)R -C(O)OR 、-C(O)NR 、または-[CH -CH -O] -R であり、
またはR 及びR 、またはR 及びR は、それらが結合している原子と一緒になって、C ~C アルキル、C ~C アルケニル、C ~C アルキニル、(C ~C アルキレン)C ~C シクロアルキル、(C ~C アルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C ~C アルキレン)C ~C 14 アリール、または(C ~C アルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換された5員複素環式環を形成し;
及びR は、独立して、各存在において、HまたはC ~C アルキルであり、前記アルキルは、(C ~C アルキレン)C ~C シクロアルキル、(C ~C アルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C ~C アルキレン)C ~C 14 アリール、または(C ~C アルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;
kは、1~8の整数である)。
(項2)
は、Hである、上記項1に記載の塩。
(項3)
は、メチルである、上記項1に記載の塩。
(項4)
は、式(II)の双性イオン性アミノ酸:
【化2】
(式中
及びR は、独立して、各存在において、HまたはC ~C アルキル、C ~C アルケニル、C ~C アルキニル、(C ~C アルキレン)C ~C シクロアルキル、(C ~C アルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C ~C アルキレン)C ~C 14 アリール、または(C ~C アルキレン)ヘテロアリールであり、前記アルキ
ル、前記アルケニル、前記アルキニル、前記アルキレン、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、または前記ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、SeH、(C ~C アルキレン)NR 、(C ~C アルキレン)OR 、(C ~C アルキレン)OC(O)R 、(C ~C アルキレン)C(O)OR 、(C ~C アルキレン)SR 、(C ~C アルキレン)C(O)SR 、(C ~C アルキレン)SC(O)R 、(C ~C アルキレン)C(O)NR 、(C ~C アルキレン)NC(O)NR 、(C ~C アルキレン)C(NR )NR 、(C ~C アルキレン)NR C(NR )NR 、(C ~C アルキレン)P(O)O 、(C ~C アルキレン)S(O) NR 、(C ~C アルキレン)S(O) OR 、または(C ~C アルキレン)BO から選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;
は、HまたはC ~C アルキルであり、前記アルキルは、シアノ、ハロ、(C ~C アルキレン)NR 、または(C ~C アルキレン)OR から選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、またはR 及びR は、それらが結合している原子と一緒になって、シアノ、ハロ、(C ~C アルキレン)NR 、または(C ~C アルキレン)OR から選択される1つ以上の置換基で任意に置換された5~6員環を形成し;
、及びR は、独立して、各存在において、HまたはC ~C アルキルであり、前記アルキルは、(C ~C アルキレン)C ~C シクロアルキル、(C ~C アルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C ~C アルキレン)C ~C 14 アリール、または(C ~C アルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;
m、n、及びpは、独立して、各存在において、0、1、または2である)
である、上記項1~3のいずれか1項に記載の塩。
(項5)
は、Hである、上記項1~4のいずれか1項に記載の塩。
(項6)
は、Hである、上記項1~5のいずれか1項に記載の塩。
(項7)
は、Hである、上記項1~6のいずれか1項に記載の塩。
(項8)
は、C ~C アルキル、(C ~C アルキレン)C ~C 14 アリール、もしくは(C ~C アルキレン)ヘテロアリール、または1つ以上の(C ~C アルキレン)SR で置換されたC ~C アルキルである、上記項1~6のいずれか1項に記載の塩。
(項9)
は、C ~C アルキルである、上記項8に記載の塩。
(項10)
は、
【化3】
である、上記項1または9に記載の塩。
(項11)
は、Hである、上記項1~10のいずれか1項に記載の塩。
(項12)
は、C(O)C ~C アルキルである、上記項1~10のいずれか1項に記載の塩。
(項13)
は、C ~C アルキルである、上記項1~10のいずれか1項に記載の塩。
(項14)
は、Hである、上記項1~13のいずれか1項に記載の塩。
(項15)
は、C(O)C ~C アルキルである、上記項1~13のいずれか1項に記載の塩。
(項16)
は、C ~C アルキルである、上記項1~13のいずれか1項に記載の塩。
(項17)
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレートを有する(S)-2-アンモニオ-3-フェニルプロパノエート化合物(1:1)(I-001);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレートを有する(2S,3S)-2-アンモニオ-3-メチルペンタノエート化合物(1:1)(I-002);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレートを有する(S)-2-アンモニオ-3-(1H-インドール-3-イル)プロパノエート化合物(1:1)(I-003);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-6-アミノ-2-アンモニオヘキサノエート(1:1)(I-004);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート(S)-5-アミノ-2-アンモニオ-5-オキソペンタノエート(1:1)(I-005);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-2-アンモニオ-4-メチルペンタノエート(1:1)(I-006);
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-2-アンモニオ-4-カルボキシブタノエート(1:1)(I-007);
(S)-2-アンモニオ-3-メチルブタノエート-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート(1:1)(I-008);
(S)-2-アンモニオ-5-グアニジノペンタノエート-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート(1:1)(I-009);及び
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリジン-1-イウム-3-カルボキシレート-(S)-2-アンモニオ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(1:1)(I-010)
からなる群から選択される、上記項1に記載の塩。
(項18)
上記項1~17のいずれか1項に記載の塩及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物。
(項19)
加齢関連不妊症を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の上記項1~17のいずれか1項に記載の塩または上記項18に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
(項20)
不妊症を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の上記項1~17のいずれか1項に記載の塩または上記項18に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
(項21)
卵母細胞または胚盤胞の質及び成熟を改善する方法であって、前記卵母細胞または前記胚盤胞を、加齢関連不妊症の治療を必要とする対象への着床前に、有効量の上記項1~17のいずれか1項に記載の塩または上記項18に記載の組成物と接触させることを含む、前記方法。
(項22)
卵母細胞または胚盤胞の質及び成熟を改善する方法であって、前記卵母細胞または前記胚盤胞を、加齢関連不妊症の治療を必要とする対象への着床前に、有効量の上記項1~17のいずれか1項に記載の塩または上記項18に記載の組成物と接触させることを含む、前記方法。
(項23)
前記卵母細胞または前記胚盤胞は、前記塩を含有するIVF培地で培養される、上記項21または22に記載の方法。
(項24)
加齢関連障害を治療するための薬剤の製造における上記項1~17のいずれか1項に記載の使用。
(項25)
不妊症を治療するための薬剤の製造における上記項1~17のいずれか1項に記載の使用。
(項26)
加齢関連不妊症を治療するための薬剤の製造における上記項1~17のいずれか1項に記載の使用。
(項27)
式Iの塩:
【化4】
(式中:
は、双性イオン性アミノ酸であり;
、R 及びR は、独立して、H、C ~C アルキル、C ~C ハロアルキル、(C ~C アルキレン)C(O)C ~C アルキル、-C(O)OR 、-C(O)NR 、または-[CH -CH -O] -R であり、
またはR 、R 及びR は、それらが結合している原子と一緒になって、C ~C
アルキル、C ~C アルケニル、C ~C アルキニル、(C ~C アルキレン)C ~C シクロアルキル、(C ~C アルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C ~C アルキレン)C ~C 14 アリール、または(C ~C アルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換された5員複素環式環を形成し;
及びR は、独立して、各存在において、HまたはC ~C アルキルであり、前記アルキルは、(C ~C アルキレン)C ~C シクロアルキル、(C ~C アルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C ~C アルキレン)C ~C 14 アリール、または(C ~C アルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;
kは、1~8の整数である)
の調製のためのプロセスであって、式IIの化合物
【化5】
(式中
及びR は、独立して、各存在において、HまたはC ~C アルキル、C ~C アルケニル、C ~C アルキニル、(C ~C アルキレン)C ~C シクロアルキル、(C ~C アルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C ~C アルキレン)C ~C 14 アリール、または(C ~C アルキレン)ヘテロアリールであり、前記アルキル、前記アルケニル、前記アルキニル、前記アルキレン、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、または前記ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、SeH、(C ~C アルキレン)NR 、(C ~C アルキレン)OR 、(C ~C アルキレン)OC(O)R 、(C ~C アルキレン)C(O)OR 、(C ~C アルキレン)SR 、(C ~C アルキレン)C(O)SR 、(C ~C アルキレン)SC(O)R 、(C ~C アルキレン)C(O)NR 、(C ~C アルキレン)NC(O)NR 、(C ~C アルキレン)C(NR )NR 、(C ~C アルキレン)NR C(NR )NR 、(C ~C アルキレン)P(O)O 、(C ~C アルキレン)S(O) NR 、(C ~C アルキレン)S(O) OR 、または(C ~C アルキレン)BO から選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;
は、HまたはC ~C アルキルであり、前記アルキルは、シアノ、ハロ、(C ~C アルキレン)NR 、または(C ~C アルキレン)OR から選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、
またはR 及びR は、それらが結合している原子と一緒になって、シアノ、ハロ、(C ~C アルキレン)NR 、または(C ~C アルキレン)OR から選択される1つ以上の置換基で任意に置換された5~6員環を形成し;
、及びR は、独立して、各存在において、HまたはC ~C アルキルであり、前記アルキルは、(C ~C アルキレン)C ~C シクロアルキル、(C ~C アルキレン)ヘテロシクロアルキル、(C ~C アルキレン)C ~C 14 アリール、または(C ~C アルキレン)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;
m、n、及びpは、独立して、各存在において、0、1、または2である)
を、式Iの生成物塩を製造するのに有効な条件下で金属-アルカリ水酸化物と接触させることを含む、前記プロセス。
(項28)
前記金属-アルカリ水酸化物は、式IIの前記化合物の溶液に滴下添加される、上記項27に記載のプロセス。
(項29)
in vitroでの受精のための細胞培養培地であって:
上記項1~17のいずれか1項から選択される化合物;及び
培養剤
を含む、前記細胞培養培地。
(項30)
前記培養剤は、無機塩、エネルギー基質、アミノ酸、キレート剤、pH指示剤、抗生物質、血清、ビタミン、成長因子、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項29に記載の細胞培養培地。
(項31)
前記無機塩は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項30に記載の細胞培養培地。
(項32)
前記エネルギー基質は、グルコース、ピルベート、ラクテート、ピルベート、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項30に記載の細胞培養培地。
(項33)
前記アミノ酸は、必須アミノ酸である、上記項30に記載の細胞培養培地。
(項34)
前記必須アミノ酸は、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項33に記載の細胞培養培地。
(項35)
前記アミノ酸は、非必須アミノ酸である、上記項30に記載の細胞培養培地。
(項36)
前記非必須アミノ酸は、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、セリン、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項35に記載の細胞培養培地。
(項37)
前記キレート剤は、クラスロキレート、アセチルアセトン、アミノポリカルボン酸、ATMP、BAPTA、BDTH2、クエン酸、クリプタンド、デフェラシロックス、2,3-ジヒドロ安息香酸、2,3-ジメルカプト-1-プロパンスルホン酸、ジメルカプトコハク酸、DOTA、DTPMP、EDDHA、EDDS、EDTMP、エチドロン酸、fura-2、グルコン酸、ホモクエン酸、イミノ二酢酸、Indo-1、ニトリル三酢酸、ペンテト酸(DTPA)、ホスホネート、フィトケラチ、ポリアスパラギン酸、ポリアスパラギン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、トランスフェリン、EDTA、EGTA、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項30に記載の細胞培養培地。
(項38)
前記pH指示剤は、フェノールレッド、ブロモチモールブルー、アリザリンレッド、9-アミノアクリジン、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項30に記載の細胞培養培地。
(項39)
前記抗生物質は、アクチノマイシンD、アンピシリン、カルベニシリン、セフォタキシム、ホスミドマイシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ペニシリン、ポリミキシンB、ストレプトマイシン、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項30に記載の細胞培養培地。
(項40)
前記血清は、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ウシ胎児血清、合成血清、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項32に記載の細胞培養培地。
(項41)
前記ビタミンは、アスコルビン酸、ビオチン、メナジオン重亜硫酸ナトリウム、マイトマイシンC、ピリドキサミン二塩酸塩、酢酸レチニル、(-)-リボフラビン、(+)-L-アスコルビン酸ナトリウム、(+)-α-トコフェロール、ビタミンB 12 、塩酸チアミン、i-イノシトール、塩酸ピリドキサール、ニコチンアミド、葉酸、D-パントテン酸カルシウム、塩化コリン、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項30に記載の細胞培養培地。
(項42)
前記成長因子は、アドレノメデュリン、アンジオポエチン、骨形態形成タンパク質、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、表皮成長因子、エフリン、エリスロポエチン、線維芽細胞成長因子、成長分化因子-9、肝細胞成長因子、インスリン、インスリン様成長因子、インターロイキン、ケラチノサイト成長因子、遊走刺激因子、マクロファージ刺激タンパク質、ミオスタチン、ニューロトロフィン、t細胞成長因子、トロンボポエチン、形質転換成長因子、腫瘍壊死因子-アルファ、血管内皮成長因子、またはそれらの任意の組み合わせである、上記項30に記載の細胞培養培地。
(項43)
前記細胞培養培地は、卵母細胞、接合子、胚盤胞、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、上記項29に記載の細胞培養培地。
【外国語明細書】