(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109997
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】物品供給装置
(51)【国際特許分類】
G07F 9/00 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
G07F9/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092234
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2022096672の分割
【原出願日】2022-06-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 順一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 創
(57)【要約】
【課題】複数の供給形態を切替可能な物品供給装置を提供すること。
【解決手段】物品供給装置は、物品を収容可能な収容部と、物品の供給を制御する物品供給制御部と、を備える。物品供給制御部は、収容部に収容されている物品を作為に選択して供給する第1供給モードと、収容部に収容されている物品を無作為に選択して供給する第2供給モードと、を切替可能に制御する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給装置であって、
物品を載置可能な複数の載置部を含む収容部と、
前記収容部に収容されている物品を作為に選択して供給する第1供給モードと、前記収容部に収容されている物品を無作為に選択して供給する第2供給モードと、を切替可能に制御する物品供給制御部と、
前記載置部に載置されている物品に関連する物品画像を第1表示部に表示する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記第1供給モードの稼働時において、前記載置部から載置されている物品が欠品した場合、前記欠品した物品の物品画像を、前記第1表示部に表示しないように制御し、
前記第2供給モードの稼働時において、前記載置部から載置されている物品が欠品した場合であっても、前記欠品した物品の物品画像を前記第1表示部に表示するように制御する、
物品供給装置。
【請求項2】
前記物品供給制御部は、前記収容部に収容されている物品の中から一つの物品を無作為に選択する抽選を実行可能に制御する、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記第1供給モードは、ユーザによって選択された物品を供給する供給態様であり、
前記第2供給モードは、収容部に収容されている物品の中から一つの物品を無作為に選択する抽選を実行し、当選した物品を供給する供給態様である、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記物品供給制御部は、物品供給装置の起動時において第2供給モードを設定する、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記収容部は、前記物品を前記載置部に整列した状態にて収容するように構成されている、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項6】
前記物品供給制御部は、前記載置部において一番手前側に収容されている複数の物品の中から一つの物品を選択のうえ、供給するように制御する、
請求項5に記載の物品供給装置。
【請求項7】
前記載置部は、載置されている物品同士が接しないように構成されている、
請求項5に記載の物品供給装置。
【請求項8】
前記載置部は、前記収容部において左右に並ぶ態様で並設され、該載置部の長手方向に一列に複数の物品を載置するように構成されている、
請求項7に記載の物品供給装置。
【請求項9】
前記物品供給制御部は、前記第1供給モード、及び前記第2供給モードにおいて、前記複数の載置部のうちの何れか一つの載置部を選択可能に制御する、
請求項7に記載の物品供給装置。
【請求項10】
前記載置部は、載置部毎に異なる種別の物品を載置可能に構成され、
各載置部には、同一又は同種の物品が載置される、
請求項7に記載の物品供給装置。
【請求項11】
前記物品供給制御部は、前記第1供給モードの設定時において、載置されている物品の欠品の検出を条件として、欠品している物品の供給を制限する制御を行う、
請求項10に記載の物品供給装置。
【請求項12】
前記収容部に収容されている物品に関連する物品情報を表示可能な第1表示部を備え、
前記第1表示部は、前記収容部に収容されている物品を視認不可能にするように設けられている、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、前記第2供給モードの稼働時において、第1表示部に表示する物品画像の数が前記載置部の数以下となるように制御する、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項14】
第1種別のユーザが操作可能な第1操作部をさらに備え、
前記物品供給制御部は、前記第1操作部の操作、及び代価の支払いの決済を条件として、物品を供給するように制御する、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項15】
前記第1操作部は、タッチパネルであり、タッチパネルに表示されている物品の画像に対し、操作可能に構成されている、
請求項14に記載の物品供給装置。
【請求項16】
第2種別のユーザのみが操作可能な第2操作部を備え、
前記物品供給制御部は、前記第2操作部の操作を条件として、前記第1供給モードと前記第2供給モードとを切替可能に制御する、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項17】
第2種別のユーザが操作可能な第2操作部を備え、
前記物品供給制御部は、前記第2操作部の操作を条件として、前記第1供給モードと前記第2供給モードとを切替可能に制御する、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項18】
前記物品供給制御部は、設定されている供給モードを提示可能に制御する、
請求項17に記載の物品供給装置。
【請求項19】
前記物品供給制御部は、前記第2供給モードの設定時において、代価の決済を条件として、前記収容部に収容されている物品を供給する、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項20】
第2表示部を備え、
前記表示制御部は、演出画像を、前記第1表示部と前記第2表示部とにおいて一連の画像として表示するように制御する、
請求項1に記載の物品提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、くじ引きによる景品を提供する景品提供装置がある(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された景品提供装置は、代金投入部と、複数の景品が陳列された収納部と、景品が取り出される景品取出口と、外観上、景品とは無関係に配置された複数の選択手段と、景品を景品取出口へと送り出す景品送出機構と、代金投入から景品の取り出しまでを制御する制御装置とを備える。制御装置は、選択手段を、収納部内の景品と同じ数だけ選択可能な状態とし、選択手段と景品とを1対1でランダムに対応付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、物品の供給は、くじのような抽選により提供される物品を選択するものばかりでなく、様々な供給方法がある。このように、1台の物品供給装置により、複数の供給形態を切替可能な物品供給装置が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、複数の供給形態を切替可能な物品供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、物品供給装置であって、物品を収容可能な収容部と、前記物品の供給を制御する物品供給制御部と、を備え、前記物品供給制御部は、前記収容部に収容されている物品を作為に選択して供給する第1供給モードと、前記収容部に収容されている物品を無作為に選択して供給する第2供給モードと、を切替可能に制御する、物品供給装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の供給形態を切替可能な物品供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は第1の実施の形態における物品供給装置1の外観を示す図である。
【
図2】
図2は
図1に示した物品供給装置1の本体部2の内部構成を模式的に示す断面側面図である。
【
図3】
図3は第1の実施の形態における物品供給装置1の制御の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、物品テーブル、物品選択画面データ、及び演出用画像データの一例を示す図である。
【
図5】
図5は本実施の形態における物品供給装置1の動作のフローチャートである。
【
図6】
図6は物品選択待機状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
【
図7】
図7は物品選択状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
【
図8】
図8は物品供給状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
【
図9】
図9は第1の実施の形態の変形例における物品供給装置1のブロック図である。
【
図10】
図10は本実施の形態の変形例における物品供給装置1の動作のフローチャートである。
【
図11】
図11は物品供給装置1が物品抽選状態である場合の物品供給装置1の外観図である。
【
図12】
図12は物品供給装置1が物品抽選状態である場合の物品供給装置1の外観図である。
【
図13】
図13は第2の実施の形態における物品供給装置1の制御の構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は記憶部113に格納されているデータ例である。
【
図15】
図15は第2実施の形態における物品供給装置1の動作のフローチャートである。
【
図16】
図16は物品購入状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
【
図17】
図17は物品購入状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
【
図18】
図18は物品抽選状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
【
図19】
図19は物品供給装置1に表示される抽選結果演出画像1の一例である。
【
図20】
図20は物品供給装置1に表示される抽選結果演出画像2の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態を説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は第1の実施の形態における物品供給装置1の外観を示す図である。物品供給装置1は、本体部2と、操作表示部3と、表示部4(黒塗り部)と、供給口5と、紙幣挿入口、硬貨投入口及び返却レバーを含むパネル部6と、硬貨返却口7と、を備える。
【0010】
本体部2は、物品を供給する本体であり、供給する物品は、例えば、分割可能な球状カプセル内に玩具等が納められたものや、いわゆる食玩、シール等の物品である。
【0011】
操作表示部3は、画像を表示可能な表示部(ディスプレイ)を含むタッチパネルである。表示部(ディスプレイ)は、供給可能な物品の物品名や代価等の物品情報や、各種の情報等の画像を表示可能である。操作表示部3に表示された物品情報の領域をユーザがタッチ(選択)することにより、購入する物品を選択することができる。また、操作部4は、本体部2に収容される物品がユーザ(物品購入者)から視認不可能になるように構成され、物品供給装置1の前面に設けられている。
【0012】
表示部4は、例えば、大型液晶ディスプレイである。表示部4は、本体部2の正面の表示部41と、本体部2の左側面の表示部42と、本体部2の右側面の表示部43と、から構成される。表示部41は、操作表示部3と、供給口5と、紙幣挿入口、硬貨投入口及び返却レバーを含むパネル部6と、硬貨返却口7と、を除く部分を覆い隠すように配設されている。尚、表示部41は、操作表示部3及び供給口5を除く正面の領域の90パーセント以上の領域を占有することが好ましい。また、左側面の表示部42と右側面の表示部43とは、本体2の左側面と右側面とを覆い隠すように配設されている。尚、左側面の表示部42と右側面の表示部43とは、本体部2の左側面又は右側面の90パーセント以上の領域を占有することが好ましい。尚、本実施の形態では、表示部4を、本体部2の正面と本体部2の左側面と本体部2の右側面とに設けているが、本体部2の背面、上面にも設けても良い。
【0013】
供給口5は、ユーザが購入した物品を受け取るための開口であり、開閉扉において窓部よりも下方となる位置に形成してある。供給口5は、後述する開閉扉20に設けた物品取出扉によって常時閉成された状態にあり、物品取出扉を内側に向けて押し回すことで開放することができる。
【0014】
パネル部6は、紙幣挿入口、硬貨投入口及び返却レバーを含む。紙幣挿入口は、紙幣を受け入れるための開口であり、硬貨投入口は、硬貨を受け入れるための開口である。返却レバーは、貨幣の返却を行う場合に操作するものである。
硬貨返却口7は、返却硬貨や釣り銭が払い出される部分である。
【0015】
図2は
図1に示した物品供給装置1の本体部2の内部構成を模式的に示す断面側面図である。
図2に示すように、本体部2には、開閉扉20が設けてある。開閉扉20は、本体部2の前面開口の開閉するものである。開閉扉20には、操作表示部3、供給口5、パネル部6、及び硬貨返却口7と、表示部4
1と、が設けられている。本体部2は、開口した直方状の物品供給装置であり、その内部に断熱構造の物品収容庫21が配設してある。物品収容庫21には、物品ラック22が上下方向に沿って複数段設けてある。これら物品ラック22は、それぞれ物品収容庫21の両側に立設された図示せぬラック支持側板間に架設されており、物品を収納するものである。
【0016】
物品ラック22は、複数の収納コラム(物品載置部)が左右に並ぶ態様で並設されることにより構成してある。物品ラック22を構成する1つの収納コラムは、コラムケースを備える。コラムケースは、例えば樹脂材等により形成され、前後方向が長手方向となる長尺状のものである。コラムケースには、スパイラルが設けられる。スパイラルは、例えば金属製の棒状体が前後方向(コラムケースの延在方向)に沿って螺旋状に巻回されることで形成されたものである。スパイラルは、その中心軸周りに図示しないモータなどによって回転可能なものである。スパイラルは、モータが駆動することにより、例えば、自身の中心軸回りに前方から見て時計回りの方向に回転するものである。スパイラルが中心軸回りに前方から見て時計回りの方向に回転することにより、各ピッチ間に拘束される物品を漸次前方に向けて搬出するとともに、最前のピッチ間に拘束された物品を物品収納通路から前方に向けて払い出すものである。このようにして、ひとつの収納コラム(物品載置部)は、長手方向に一列に複数の物品が載置可能であり、載置されている物品同士が接しないように構成される。また、コラムケースの最前部には、拘束される物品を検出する欠品アクチュエータが設けてある。この欠品アクチュエータにより、拘束される物品の有無を検出することができる。そして、欠品アクチュエータにより、拘束される物品が検出されなくなった場合、その収納コラムに収納された物品のすべてを搬出したこととなる。すなわち、その収納コラムの欠品である。
【0017】
物品ラック22の前方域には、その両側に左右一対となる態様で搬送レール23が配設してあり、これら搬送レール23間を搬送トレイ24が図示せぬ搬送機構により上下方向に沿って移動可能に配設してある。つまり、搬送レール23間には、搬送トレイ24を通過させるための搬送通路25が形成してある。この搬送通路25は、機械室26の前方まで延在しており、搬送通路25と機械室26とは区画断熱材により区画されている。
搬送トレイ24は、収納コラムから供給口5近傍の物品取出領域Xまで物品を搬送する。
【0018】
尚、物品が食品などの冷却が必要な場合、冷却手段を物品収容庫21内に設けても良い。例えば、物品収容庫21には、冷却手段としての蒸発器30が設けてある。蒸発器30は、機械室26に配設された圧縮機31や凝縮器32等と冷媒を循環させる冷凍サイクルを構成しており、自身の図示せぬ冷媒通路を通過する冷媒と、自身の周囲を通過する物品収容庫21の内部の空気とを熱交換させて該空気を冷却させるものである。
【0019】
蒸発器30の周囲で冷却された空気は、庫内送風ファン33が駆動することにより、物品収容庫21の背面に設置された背面ダクト34の吸込口35より通風路36に吸い込まれ、この通風路36を通過した後に吹出口37から吹き出されることにより、物品ラック22に収納された物品を冷却することになる。
【0020】
図3は物品供給装置1の制御の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、物品供給装置1は、冷熱装置100と、搬出装置101と、コインメック102と、ビルバリデータ103と、操作表示部3と、表示部4と、音出力部8と、本体制御部104と、物品供給主制御部105と、を備える。
【0021】
冷熱装置100は、本体制御部104の制御のもとに、食品が規定温度、例えば10℃以下となるように、上記した冷凍サイクルを制御する。
搬出装置101は、搬送トレイ24を介して、収納コラムから搬出された物品を収納コラムから供給口5の近傍の物品取出領域Xまでの搬送を行う。
【0022】
コインメック102は、各種硬貨の投入枚数を整理し、物品供給主制御部105に送信する。また、物品供給主制御部105からの指令に従い、各種硬貨を払い出すものである。なお、コインメック102には、硬貨の真贋及び金種を識別する金銭識別機能を有する。
【0023】
ビルバリデータ103は、紙幣の投入枚数を整理し、物品供給主制御部105に送信する。また、ビルバリデータ103は、物品供給主制御部105からの指令に従い、紙幣を払い出すものである。なお、ビルバリデータ103は、紙幣の真贋及び金種を識別する金銭識別機能を有する。
【0024】
本体制御部104は、物品供給主制御部105の制御のもと、冷熱装置100と搬出装置101とを制御する。また、本体制御部104は、物品供給主制御部105から送信された搬出命令に従って収納コラムの前端から物品を搬出する。
【0025】
操作表示部3は、タッチパネルである。タッチパネルのディスプレイ(表示部)には、表示制御部112により、供給する物品の物品情報(物品名、代価、物品の画像等)が表示され、ユーザのタッチ操作により、供給する物品を選択可能である。操作表示部3は、操作入力に応じた操作入力信号を物品供給主制御部105に出力する。操作入力信号は、選択した物品を特定する情報を含む。また、タッチパネルのディスプレイ(表示部)は、表示制御部112により、物品情報以外の画像も表示可能である。
【0026】
表示部4は、上述したように、本体部2の正面の表示部41と、本体部2の左側面の表示部42と、本体部2の右側面の表示部43と、から構成される。表示部4は、後述する表示制御部112の制御により、画像が表示される。
【0027】
音出力部8は、スピーカである。音出力部8は、後述する各演出用の画像の音声を出力する。
【0028】
物品供給主制御部105は、物品供給制御部111と、表示制御部112と、記憶部113と、を備える。
【0029】
物品供給制御部111は、記憶部113に記憶されている物品テーブルを用いて、操作表示部3によって選択された物品の代価の決済処理等を行う。また、物品供給制御部111は、記憶部113に記憶されている物品テーブルを用いて、操作部4によって選択された物品が載置されている収容コラムを特定し、本体制御部104に物品を供給する収容コラムの情報を通知する。
【0030】
物品供給制御部111は、物品供給装置1の状態を判定する。物品供給装置1の状態には、物品選択待機状態と、物品選択状態と、物品供給状態と、がある。物品選択待機状態は、物品供給装置1が稼働しているが、ユーザによる購入する物品の選択を待機している状態である。物品選択可能状態とは、物品選択待機状態において、ユーザによる操作表示部3に対する操作(タッチ)を条件として、購入する物品の選択が可能となる状態である。物品供給状態とは、購入した物品を供給している状態である。物品供給装置1の状態の遷移は、物品選択待機状態から、物品選択状態、物品供給状態に遷移し、物品選択待機状態に戻る。物品供給制御部111は、物品供給装置1の状態を表示制御部112に通知する。
【0031】
表示制御部112は、物品供給制御部111からの物品供給装置1の状態の通知を受け、物品供給装置1の状態に応じて、操作表示部3と表示部4とに表示する画像を制御する。
表示制御部112は、物品供給装置1が物品選択待機状態である場合、操作表示部3と表示部4とに待機演出画像を表示する。待機演出画像は静止画、動画を問わない。待機演出画像は、操作表示部3と表示部4とにおいて一体化した画像であり、物品に関する情報を含む。例えば、物品に対応付けられたキャラクターに係る画像である。待機演出画像の代表的な例は、広告映像である。尚、待機演出画像は、かならずしも、供給する物品に関連する画像でなくても良い。
【0032】
表示制御部112は、物品供給装置1が物品選択状態である場合、操作表示部3に物品選択画面を表示し、表示部4に物品選択演出画像を表示する。物品選択画面は、供給する各物品の名称、物品の画像、及び代価(価格)等の情報を含む各物品情報画像を含む画面である。ユーザは、操作表示部3に表示された物品選択画面の物品情報画像の中から、購入を希望する物品の物品情報画像を選択(タッチ)することにより、購入を希望する物品を選択することができる。物品選択演出画像は、物品の選択を演出する映像であり、例えば、物品選択画面の説明や、操作表示部3の物品選択画面に対するタッチ等に応答した演出映像等である。尚、物品選択画面はユーザの操作対象となるが、物品選択演出画像はユーザの操作対象とはならない。また、物品選択画面、物品選択演出画像の少なくとも一方には、ユーザが操作表示部3を識別容易にするために、物品選択画面の位置を強調する画像が含まれていることが好ましい。
【0033】
表示制御部112は、物品供給装置1が物品供給状態である場合、操作表示部3と表示部4とに物品供給演出画像を表示する。物品供給演出画像は、物品の供給を演出する画像である。
尚、表示制御部112は、開閉扉20が開扉時には、操作表示部3及び表示部4の画像表示を中止する。
【0034】
記憶部113には、物品テーブルと、物品選択画面データと、演出用画像データと、が格納されている。
図4は、物品テーブル、物品選択画面データ、及び演出用画像データの一例を示す図である。
【0035】
物品テーブルは、供給する物品と、物品の代価、物品が載置されている収容コラムの識別情報と、が関連付けられたテーブルである。
図4の例では、物品Aの代価は500円であり、物品Aが載置されている収容コラムは収容コラム1である。
物品選択画面データは、操作表示部3に表示される物品選択画面のデータである。物品選択画面は、供給する各物品の物品情報画像を含む。
【0036】
演出用画像データは、待機演出画像と、物品選択演出画像と、物品供給演出画像と、が格納されている。待機演出画像、物品供給演出画像は、操作表示部3、表示部41、表示部42、及び表示部43にそれぞれ表示される画像が互いに関連するように編集されている。例えば、操作表示部3、表示部41、表示部42、及び表示部43にそれぞれ表示される画像が一連の画像となり、操作表示部3及び表示部41から表示部42、表示部43へと絵柄、文字等が流れるような動画像(映像)である。
【0037】
物品選択演出画像は、表示部41と表示部42と表示部43とにそれぞれ表示される画像が互いに関連するように編集されている。例えば、表示部41と表示部42と表示部43とにそれぞれ表示される画像が一連の画像となり、表示部41から表示部42、表示部43へと絵柄、文字等が流れるような動画像(映像)である。
また、各演出画像等は、立体的な3次元映像であっても良い。尚、これらは一例であり、それぞれの表示部に表示される画像が異なる画像であっても良い。
【0038】
次に、本実施の形態における物品供給装置1の動作を説明する。尚、本動作において、収納コラムID“1”の収納コラム(物品載置部)には物品Aが載置され、収納コラムID“2”の収納コラム(物品載置部)には物品Bが載置され、収納コラムID“3”の収納コラム(物品載置部)には物品Cが載置され、収納コラムID“4”の収納コラム(物品載置部)には物品Dが載置され、収納コラムID“5”の収納コラム(物品載置部)には物品Eが載置され、収納コラムID“6”の収納コラム(物品載置部)には物品Fが載置されているものとする。
【0039】
図5は本実施の形態における物品供給装置1の動作のフローチャートである。
物品供給制御部111は、物品供給装置1の状態を判定する。物品供給装置1の起動時は、物品選択待機状態である(Step 100)。物品供給制御部111は、表示制御部112に状態を通知する。表示制御部112は、記憶部113から待機演出画像を読み出し、操作表示部3及び表示部4に待機演出画像を表示する(Step 101)。
図6は物品選択待機状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
図6に示されるように、操作表示部3及び表示部4には待機演出画像が表示される。待機演出画像は、操作表示部3と表示部4とにおいて一体化した画像であり、物品Aから物品Fが属するシリーズである「XYZシリーズ」の広告であり、「販売中」、「XYZシリーズ」の文字が左側面の表示部4
2から正面の表示部4
1を経て、表示部4
3へと流れるような動画像(映像)である。この映像にあわせて音声も音出力部8から出力される。
【0040】
次に、物品供給制御部111は、ユーザの操作表示部3に対する接触(タッチ)を判定する(Step 102)。ユーザの操作表示部3に対する接触(タッチ)が検出されると、物品供給制御部111は、物品供給装置1を物品選択待機状態から物品選択状態に遷移させ、表示制御部112に通知する(Step 103)。表示制御部112は、記憶部113から物品選択画面及び物品選択演出画像を読み出し、操作表示部3に物品選択画面を表示し、表示部4に物品選択演出画像を表示する(Step 104)。
図7は物品選択状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
図7に示されるように、操作表示部3には物品Aから物品Fの物品情報画像を含む物品選択画面が表示され、表示部4には物品選択演出画像が表示されている。これらの映像にあわせて音声も音出力部8から出力される。また、物品選択演出画像には、操作表示部3が視認しやすいように、操作表示部3の位置を強調表示する画像が含まれている。
【0041】
購入する物品の選択は、操作表示部3に表示されている各物品の物品情報画像のうち購入する物品の物品情報画像を、ユーザがタッチ(選択)することにより実行可能である。物品供給制御部111は、物品情報画像がユーザによってタッチ(選択)されたか否かを判定する(Step 105)。物品情報画像がタッチ(選択)されない場合は、Step 100に戻り、物品供給装置1を物品選択状態から物品選択待機状態に遷移する。
【0042】
物品情報画像がタッチ(選択)された場合(Step 105)、物品供給制御部111は、物品テーブルを用いて、その物品の代価を特定し、その代価の決済処理を行い(Step 106)、物品の代価の決済が完了したかを判定する(Step 107)。物品の代価の決済が完了しない場合(Step 107)、返金処理等を行い(Step 114)、Step 100に戻り、物品供給装置1を物品選択状態から物品選択待機状態に遷移する。
【0043】
一方、物品供給制御部111は、決済完了である場合(Step 107)、物品供給装置1を物品選択状態から物品供給状態に遷移する(Step 108)。物品供給制御部111は、表示制御部112に通知する。表示制御部112は、記憶部113から物品供給演出画像を読み出し、操作表示部3及び表示部4に物品供給演出画像を表示する(Step 109)。
図8は物品供給状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
図8に示されるように、操作表示部3及び表示部4には物品供給演出画像が表示される。物品供給演出画像は、操作表示部3と表示部4とにおいて一体化した画像であり、物品が供給される間、「物品供給中」や「ありがとうございました。」等の物品の供給を演出する物品演出画像が表示されている。この映像にあわせて音声も音出力部8から出力される。
【0044】
物品供給制御部111は、選択された物品が載置されている収容コラム(載置部)を特定する処理を行う(Step 110)。例えば、物品Aが選択された場合、記憶部113の物品テーブルによれば、物品Aが載置されている収容コラムは収納コラムID“1”の収納コラムである。物品供給制御部111は、この特定された収納コラムに載置されている物品の搬出を実行するように、本体制御部104に指示を行う。本体制御部104はコラムケースのスパイラルを制御し、供給すべき物品を収納コラムから排出させる。搬出装置101は、搬送トレイ24を移動制御し、収納コラムから搬出された物品を収納コラムから供給口5の近傍の物品取出領域Xまでの搬送を行う(Step 111)。
【0045】
物品供給制御部111は、物品の搬出後、欠品アクチュエータにより欠品が検出された否かを判定する(Step 112)。欠品が検出されない場合は、物品供給制御部111は、Step 100に戻り、物品供給装置1を物品供給状態から物品選択待機状態に遷移する。
【0046】
一方、物品供給制御部111は、欠品が検出された場合、欠品が検出された収納コラムに対応する物品の物品情報画像を物品選択画面において、次回以降、非表示する指示を表示制御部112に行う(Step 113)。このようにすることにより、欠品した物品を購入ユーザが間違って選択するということがなくなる。そして、物品供給制御部111は、Step 100に戻り、物品供給装置1を物品供給状態から物品選択待機状態に遷移する。
【0047】
本実施の形態の物品供給装置1は、操作表示部3と表示部4とを備え、操作表示部3と表示部4とに表示する画像を、物品供給装置1の状態に応じて異ならせているので、物品供給の待機状態における広告的な演出や物品供給状態の供給演出等、物品供給装置1に効果的な演出を行わせることができる。特に、本実施の形態では、表示部4を、ユーザが視認し易い本体部2の正面と本体部2の左側面と本体部2の右側面とに設けているので、物品供給装置1全体が迫力ある映像を表示することができる。
【0048】
<第1の実施の形態の変形例1>
本発明の第1の実施の形態の変形例1を説明する。
第1の実施の形態の変形例は、第1の実施の形態における物品の供給後に抽選を行い、当選すると、更に、同一の物品を供給する例を説明する。
【0049】
図9は第1の実施の形態の変形例1における物品供給装置1のブロック図である。
図9に示すように、抽選処理部114が追加されている。抽選処理部114は、物品の供給後に、抽選を行い、当落を決定する。そして、抽選処理部114は、抽選結果を物品供給制御部111に通知する。
【0050】
また、物品供給制御部111は、物品の供給後、物品供給装置1を物品供給状態から物品抽選状態に遷移させ、表示制御部112に状態を通知し、抽選処理部114に抽選の指示を与える。
【0051】
表示制御部112は、物品抽選状態になると、抽選演出画像又は当落演出画像を操作表示部3及び表示部4に表示する。抽選演出画像又は当落演出画像は、記憶部113に格納されている。
【0052】
次に、第1の実施の形態の変形例の動作を説明する。
図10は本実施の形態の変形例における物品供給装置1の動作のフローチャートである。尚、Step 111までは、第1の実施の形態の動作と同様であるので、説明を省略する。
【0053】
物品の搬送後(Step 111)、物品供給制御部111は、物品供給装置1を物品供給状態から物品抽選状態に遷移させ、表示制御部112に状態を通知し、抽選処理部114に抽選の指示を与える(Step 120)。
【0054】
表示制御部112は、抽選演出画像を記憶部113から読み出し、抽選演出画像を操作表示部3及び表示部4に表示する(Step 121)。抽選処理部114は、抽選処理を実行し、その結果を物品供給制御部111及び表示制御部112に通知する(Step 122)。
【0055】
表示制御部112は、抽選の結果が当選の場合、当選演出画像を記憶部113から読み出し、当選演出画像を操作表示部3及び表示部4に表示する(Step 124)。そして、物品供給制御部111は、購入した物品と同一の物品が載置されている収容コラム(載置部)を特定する処理を行う(Step 125)。例えば、物品Aが購入された場合、記憶部113の物品テーブルによれば、物品Aが載置されている収容コラムは収納コラムID“1”の収納コラムである。物品供給制御部111は、この特定された収納コラムに載置されている物品の搬出を実行するように、本体制御部104に指示を行う。本体制御部104はコラムケースのスパイラルを制御し、供給すべき物品を収納コラムから排出させる。搬出装置101は、搬送トレイ24を移動制御し、収納コラムから搬出された物品を収納コラムから供給口5の近傍の物品取出領域Xまでの搬送を行う(Step 126)。
【0056】
一方、表示制御部112は、抽選の結果が落選の場合、落選演出画像を記憶部113から読み出し、落選演出画像を操作表示部3及び表示部4に表示する(Step 127)。そして、Step 112に進む。
【0057】
図11、
図12は、物品供給装置1が物品抽選状態である場合の物品供給装置1の外観図である。
図11は抽選処理部114が抽選処理実行中の抽選演出画像の例であり、
図12は抽選処理部114による抽選の結果が当選である場合の当選演出画像の例である。
【0058】
第1の実施の形態の変形例は、物品を購入したユーザの特典として、抽選による物品の提供の機会を付与しているので、ユーザの購買意欲を高めることができる。また、抽選の演出も、操作表示部3及び表示部4を使用して行われるので、迫力ある演出を行うことができる。
【0059】
尚、第1の実施の形態の変形例では、抽選によって当選した場合、ユーザが購入した物品と同一の物品をユーザに供給する例を説明した。しかし、供給する物品は同一物品である必要はなく、異なる物品でも良い。例えば、当選した場合、抽選処理部114が収容コラムを選択する抽選を行い、選択された収容コラムに載置されている物品を供給するように構成しても良い。抽選は、購入した物品以外の物品(購入した物品が載置されている収容コラム)から選択しても良いし、全ての物品(物品が載置されている収容コラム)から選択するようにしても良い。このような構成にすることにより、物品購入の興趣性が向上し、また、購入した物品とは異なる物品を取得可能となる。
【0060】
<第1の実施の形態の変形例2>
上述した第1の実施の形態は、代金の決済として現金を使用する例を説明したが、現金決済以外にも電子決済やQRコード等のコード決済も可能である。電子決済やコード決済の場合は、決済サーバと通信可能な決済部を、物品供給装置1を設けることにより可能である。
【0061】
コード決済については、決済用コード(例えば、QRコード)を物品供給装置1の前面の何れかの場所にシール等により貼付する方法がある。また、決済用コード(例えば、QRコード)を操作表示部3又は表示部4のいずれかに表示するようにしても良い。決済用コード(例えば、QRコード)を操作表示部3又は表示部4のいずれかに表示する場合は、決済用コード(例えば、QRコード)の変更が必要になった場合であっても、シール等の貼り替えが不要となり、決済用コード(例えば、QRコード)の変更が容易となる。
【0062】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は、物品供給装置1が複数の供給モード(態様)を設定することができる。
【0063】
図13は第2の実施の形態における物品供給装置1の制御の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態の物品供給装置1が第1の実施の形態の物品供給装置1と異なるところは、第1の実施の形態の構成に加えて、供給モード設定部115と物品抽選処理部116とを備えることである。
【0064】
供給モード設定部115は、物品供給装置1の供給モード(態様)を設定する部であり、供給モードには第1供給モードと第2供給モードとがある。第1供給モードは、購入ユーザが作為的に購入する物品の種別を選択できるモードであり、上述した第1の実施の形態における物品供給装置1の物品供給方法である。これに対し、第2供給モードは、購入ユーザが物品の購入を選択した場合、供給可能な複数種別の物品のうち物品供給装置1が無作為にひとつの種別の物品を選択し、選択した物品を購入ユーザに供給する物品供給方法である。ここで、供給する物品を無作為に選択する方法は、例えば、物品供給装置1が供給可能な複数種別の物品からいずれかひとつの種別を抽選により決定する方法がある。供給モード設定部115は、デフォルト(起動設定)として、第2供給モードが設定され、物品供給ユーザ(物品販売者)により、第2供給モードから第1供給モードに設定変更可能である。供給モード設定部115は、小型のディスプレイを備え、このディスプレイに現在設定されている供給モードを表示するように構成する。パスワード等の設定により、供給モード設定部115による供給モードの設定変更は、権限ある物品供給ユーザ(物品販売者)のみが可能にする。
【0065】
物品抽選処理部116は、第2供給モードが設定された場合、物品購入ユーザの購入の決定により、物品の代価の決済後、供給可能な複数種別の物品から抽選によりいずれかひとつの種別の物品を選択する。抽選は、所定の乱数による確率等により行われる。
【0066】
物品ラック22には、複数種別の物品が格納される。複数種別の物品には、それぞれレアリティが付されている。物品ラック22を構成する各1つの収納コラムには、ひとつの種別の物品が格納される。
物品抽選処理部116は、抽選により、複数種別の物品からひとつの種別の物品を選択し、選択した物品を、物品供給制御部111に通知する。
【0067】
物品供給制御部111は、通知された物品が収容された収納コラムを特定し、収納コラムから物品をひとつ搬出する。搬出装置101は、搬送トレイ24を介して、収納コラムから搬出された物品を収納コラムから供給口5の近傍の物品取出領域Xまでの搬送を行う。
【0068】
また、記憶部113には、物品テーブル、画像データが格納されている。
図14は記憶部113に格納されているデータ例である。
図14の例によれば、物品と、その物品のレアリティ(2段階)と、その物品が載置されている収容コラムIDと、が関連付けられた物品テーブルが記憶されている。また、画像データとして、待機演出画像、物品購入画面、物品購入演出画像、抽選結果演出画像1、抽選結果演出画像2、及び物品供給演出画像が記憶されている。
【0069】
<動作の説明>
次に、第2の実施の形態における物品供給装置1の動作を説明する。
図15は第2実施の形態における物品供給装置1の動作のフローチャートである。尚、以下の動作においては、供給する物品の種別は6種類あり、そのうち2種類が他の物品と比べてレアリティが高い物品とする(レアリティが2)。
【0070】
物品供給ユーザは、物品供給装置1の初期起動時において、物品供給装置1の供給モードの選択を行う。モード設定部114は、物品供給側のユーザにより指定されたモードに供給モードを設定する(Step 200)。ここで、モード設定部114のデフォルト(初期設定)のモードは、第2供給モードである。モード設定部114は、設定された供給モードの判定を行う(Step 201)。設定された供給モードが第2供給モード、すなわち、設定変更がされない場合、第2供給モードとして物品供給装置1を稼働する(Step 202)。一方、物品供給ユーザ(物品販売者)により、供給モードが設定変更され、設定された供給モードが第1供給モードである場合、第1供給モードとして物品供給装置1を稼働する(Step 213)。そして、上述した第1の実施の形態と同様な動作を行う。
【0071】
物品供給装置1が第2供給モードにより稼働した場合、物品供給装置1の状態を物品選択待機状態とする(Step 203)。尚、以下の説明において、物品供給装置1の各収容コラムには、それぞれ1種類の物品が載置されているものとする。物品供給制御部111は、表示制御部112に状態を通知する。表示制御部112は、記憶部113から待機演出画像を読み出し、操作表示部3及び表示部4に待機演出画像を表示する(Step 204)。待機演出画像は、上述した
図6と同様なものである。
【0072】
次に、物品供給制御部111は、ユーザの操作表示部3に対する接触(タッチ)を判定する(Step 205)。ユーザの操作表示部3に対する接触(タッチ)が検出されると、物品供給制御部111は、物品供給装置1を物品選択待機状態から物品購入状態に遷移させ、表示制御部112に通知する(Step 206)。表示制御部112は、記憶部113から物品購入画面及び物品購入演出画像を読み出し、操作表示部3に物品購入画面を表示し、表示部4に物品購入演出画像を表示する(Step 207)。
図16、
図17は、物品購入状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
図16に示されるように、物品購入画面として、操作表示部3には、供給可能な6種類の物品のうち、4種類の物品の画像と、レアリティが高い2種類の物品の画像の代わりに「?」の画像と、6種類の物品の共通の代価である「500円」が表示された物品購入ボタンと、が表示されている。また、表示部4には物品購入演出画像が表示されている。ユーザは、物品を購入する場合は、物品購入ボタンを選択(タッチ)する。ユーザが物品購入ボタンを選択(タッチ)すると、物品購入画面として、操作表示部3には、
図17に示されるように、操作表示部3には代価投入後にハンドル操作により物品を購入するための物品購入画面が表示され、表示部4には物品購入演出画像が表示されている。これらの映像にあわせて音声も音出力部8から出力される。また、物品購入演出画像には、操作表示部3が視認しやすいように、操作表示部3の位置を強調表示する画像が含まれている。
【0073】
ユーザは、物品を購入する場合、代価投入後、操作表示部3に表示されている物品購入画面を操作する(Step 208)。物品購入画面が操作されない場合は、返金処理(Step 220)を行い、Step 203に戻り、物品供給装置1を物品購入状態から物品選択待機状態に遷移する。
【0074】
物品購入画面が操作された場合は、物品供給制御部111は、物品の代価の決済処理を行い(Step 209)、決済完了である場合(Step 210)、物品供給装置1を物品購入状態から物品抽選状態に遷移する(Step 211)。物品供給制御部111は、表示制御部112に状態を通知する。
【0075】
表示制御部112は、記憶部113から物品抽選演出画像を読み出し、操作表示部3及び表示部4に物品抽選演出画像を表示する(Step 212)。
図18は物品抽選状態における物品供給装置1の外観を示す図である。
図18に示されるように、操作表示部3及び表示部4には物品抽選演出画像が表示される。物品抽選演出画像は、操作表示部3と表示部4とにおいて一体化した画像であり、物品が供給される間、「レアカプセル当選?」や「レアカプセル落選?」、「抽選中」等の抽選を演出する物品抽選演出画像が表示されている。この映像にあわせて音声も音出力部8から出力される。
【0076】
物品抽選処理部116は、抽選処理を実行する(Step 213)。物品抽選処理部116は、供給可能な複数種別の物品から抽選によりいずれかひとつの種別の物品を選択する。物品抽選処理部116は、選択した物品のレアリティを取得し、そのレアリティが所定値以上か否かを判断する(Step 214)。物品のレアリティは、物品テーブルから取得する。
【0077】
物品抽選処理部116は、選択した物品のレアリティが所定値以上の場合(Step 214)、記憶部113から抽選結果演出画像1を読み出し、抽選結果演出画像1を操作表示部3及び表示部4に表示する(Step 215)。
図19は物品供給装置1に表示される抽選結果演出画像1の一例である。
図19の抽選結果演出画像1は、所定値が2であり、選択した物品のレアリティが2である場合の抽選結果演出画像である。
【0078】
一方、物品抽選処理部116は、選択した物品のレアリティが所定値未満の場合(Step 214)、記憶部113から抽選結果演出画像2を読み出し、抽選結果演出画像2を操作表示部3及び表示部4に表示する(Step 221)。
図20は物品供給装置1に表示される抽選結果演出画像2の一例である。
図20の抽選結果演出画像1は、所定値が2であり、選択した物品のレアリティが1である場合の抽選結果演出画像である。
【0079】
物品抽選処理部116は、抽選結果(選択した物品の情報)を物品供給制御部111に通知する。物品供給制御部111は、物品供給装置1を物品抽選状態から物品供給状態に遷移する(Step 216)。物品供給制御部111は、表示制御部112に通知する。
【0080】
表示制御部112は、記憶部113から物品供給演出画像を読み出し、操作表示部3及び表示部4に物品供給演出画像を表示する(Step 217)。物品供給演出画像は、上述した
図8と同様なものである。
【0081】
物品供給制御部111は、選択された物品が載置されている収容コラム(載置部)を特定する処理を行う(Step 218)。例えば、物品Aが選択された場合、記憶部113の物品テーブルによれば、物品Aが載置されている収容コラムは収納コラムID“1”の収納コラムである。物品供給制御部111は、この特定された収納コラムに載置されている物品の搬出を実行するように、本体制御部104に指示を行う。本体制御部104はコラムケースのスパイラルを制御し、供給すべき物品を収納コラムから排出させる。搬出装置101は、搬送トレイ24を移動制御し、収納コラムから搬出された物品を収納コラムから供給口5の近傍の物品取出領域Xまでの搬送を行う(Step 219)。そして、物品供給制御部111は、Step 203に戻り、物品供給装置1を物品供給状態から物品選択待機状態に遷移する。尚、物品供給制御部111は、物品の搬出後、欠品アクチュエータにより欠品が検出された場合、欠品の物品が抽選に当選しないように、物品テーブルに欠品のフラグを立て、物品抽選処理部116は、欠品した物品が選択されないように抽選処理を行う。但し、
図16に示されるような供給する物品を説明する画像からは、欠品した物品の画像を非表示にする必要はない。
【0082】
第2の実施の形態の物品供給装置は、購入ユーザが作為的に購入する物品の種別を選択できる第1供給モードと、購入ユーザが物品の購入を選択した場合、供給可能な複数種別の物品のうち物品供給装置1が無作為にひとつの種別の物品を選択し、選択した物品を購入ユーザに供給する第2供給モードと、を選択することができる。これにより、多様な販売形態(供給形態)に対応することができる。
【0083】
<第2の実施の形態の変形例1>
上述した第2の実施の形態においては、物品ラック22を構成する各1つの収納コラムには、ひとつの種別の物品が格納される例を説明した。しかし、1つの収納コラムに複数種別の物品をランダムに載置するようにしても良い。そして、物品抽選処理部116は、抽選によりひとつの収容コラムを選択するように構成する。
このように構成した場合であっても、供給する物品の種別はランダムになるので、第2の実施の形態と同様な効果を得ることができる。但し、供給される物品のレアリティが不明となるので、抽選結果演出画像は不要となる。
【0084】
<第2の実施の形態の変形例2>
上述した第2の実施の形態においては、本体部2を囲む表示部4を設けた例を説明したが、物品を供給する供給モードの切り替えという点においては、表示部4は必須の構成要素ではなく、表示部4を有しない物品供給装置であっても、第2の実施の形態は適用可能である。
【0085】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することができる。
【0086】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
[付記1]
物品供給装置であって、
物品を収容可能な収容部と、
前記物品の供給を制御する物品供給制御部と、
を備え、
前記物品供給制御部は、前記収容部に収容されている物品を作為に選択して供給する第1供給モードと、前記収容部に収容されている物品を無作為に選択して供給する第2供給モードと、を切替可能に制御する、
物品供給装置。
【0087】
[付記2]
前記物品供給制御部は、前記収容部に収容されている物品の中から一つの物品を無作為に選択する抽選を実行可能に制御する、
付記1に記載の物品供給装置。
【0088】
[付記3]
前記第1供給モードは、ユーザによって選択された物品を供給する供給態様であり、
前記第2供給モードは、収容部に収容されている物品の中から一つの物品を無作為に選択する抽選を実行し、当選した物品を供給する供給態様である、
付記1又は付記2に記載の物品供給装置。
【0089】
[付記4]
前記物品供給制御部は、物品供給装置の起動時において第2供給モードを設定する、
付記1から付記3のいずれかに記載の物品供給装置。
【0090】
[付記5]
前記収容部は、前記物品を整列した状態にて収容するように構成されている、
付記1から付記4のいずれかに記載の物品供給装置。
【0091】
[付記6]
前記物品供給制御部は、前記収容部において一番手前側に収容されている複数の物品の中から一つの物品を選択のうえ、供給するように制御する、
付記5に記載の物品供給装置。
【0092】
[付記7]
前記収容部は、物品を載置可能な複数の載置部を含み、
前記載置部は、載置されている物品同士が接しないように構成されている、
付記5又は付記6に記載の物品供給装置。
【0093】
[付記8]
前記載置部は、長手方向に一列に複数の物品を載置するように構成されている、
付記7に記載の物品供給装置。
【0094】
[付記9]
前記物品供給制御部は、前記第1供給モード、及び前記第2供給モードにおいて、複数の載置部のうちの何れか一つの載置部を選択可能に制御する、
付記7から付記8のいずれかに記載の物品供給装置。
【0095】
[付記10]
前記載置部は、載置部毎に異なる種別の物品を載置可能に構成され、
各載置部には、同一又は同種の物品が載置される、
付記7に記載の物品供給装置。
【0096】
[付記11]
前記物品供給制御部は、前記第1供給モードの設定時において、載置されている物品の欠品の検出を条件として、欠品している物品の供給を制限する制御を行う、
付記10に記載の物品供給装置。
【0097】
[付記12]
前記収容部に収容されている物品に関連する物品情報を表示可能な表示部を備え、
前記表示部は、前記収容部に収容されている物品を視認不可能にするように設けられている、
付記1から付記11のいずれかに記載の物品供給装置。
【0098】
[付記13]
前記載置部に載置されている物品に関連する物品画像を、前記表示部に表示する表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記第2供給モードの稼働時において、表示部に表示する物品画像の数が前記載置部の数以下となるように制御する、
付記1から付記12のいずれかに記載の物品供給装置。
【0099】
[付記14]
前記表示制御部は、
前記第1供給モードの稼働時において、前記載置部から載置されている物品が欠品した場合、前記欠品した物品の物品画像を、前記表示部に表示しないように制御し、
前記第2供給モードの稼働時において、前記載置部から載置されている物品が欠品した場合であっても、前記欠品した物品の物品画像を前記表示部に表示する、
付記13に記載の物品供給装置。
【0100】
[付記15]
第1種別のユーザが操作可能な第1操作部をさらに備え、
前記物品供給制御部は、前記第1操作部の操作、及び代価の支払いの決済を条件として、物品を供給するように制御する、
付記1から付記14のいずれかに記載の物品供給装置。
【0101】
[付記16]
前記第1操作部は、タッチパネルであり、タッチパネルに表示されている物品の画像に対し、操作可能に構成されている、
付記15に記載の物品供給装置。
【0102】
[付記17]
第2種別のユーザのみが操作可能な第2操作部を備え、
前記物品供給制御部は、前記第2操作部の操作を条件として、前記第1供給モードと前記第2供給モードとを切替可能に制御する、
付記1から付記16のいずれかに記載の物品供給装置。
【0103】
[付記18]
第2種別のユーザが操作可能な第2操作部を備え、
前記物品供給制御部は、前記第2操作部の操作を条件として、前記第1供給モードと前記第2供給モードとを切替可能に制御する、
付記1から付記17のいずれかに記載の物品供給装置。
【0104】
[付記19]
前記物品供給制御部は、設定されている供給モードを提示可能に制御する、
付記18に記載の物品供給装置。
【0105】
[付記20]
前記物品供給制御部は、前記第2供給モードの設定時において、同額の代価の決済を条件として、前記収容部に収容されている物品を供給する、
付記1から付記19のいずれかに記載の物品供給装置。
【符号の説明】
【0106】
1 物品供給装置
2 本体部
3 操作表示部
4 表示部
5 供給口
6 パネル部
7 硬貨返却口
8 音出力部
100 冷熱装置
101 搬出装置
102 コインメック
103 ビルバリデータ
104 本体制御部
105 物品供給主制御部
111 物品供給制御部
112 表示制御部
113 記憶部
114 抽選処理部
115 供給モード設定部
116 物品抽選処理部