(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110002
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】血漿収集システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/02 20060101AFI20240806BHJP
A61M 60/109 20210101ALI20240806BHJP
A61M 60/279 20210101ALI20240806BHJP
A61M 60/39 20210101ALI20240806BHJP
A61M 60/508 20210101ALI20240806BHJP
【FI】
A61M1/02 150
A61M60/109
A61M60/279
A61M60/39
A61M60/508
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092892
(22)【出願日】2024-06-07
(62)【分割の表示】P 2023004602の分割
【原出願日】2018-05-22
(31)【優先権主張番号】15/608,183
(32)【優先日】2017-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】594202615
【氏名又は名称】ヘモネティクス・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Haemonetics Corporation
【住所又は居所原語表記】125 Summer Street Boston MA 02110 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】ラグーサ,マイケル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】血漿製剤を収集するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】血漿収集方法が、ドナーの体重およびヘマトクリットを決定し、そして静脈アクセスデバイスをドナーに穿刺することを含んでいる。この方法は次いで、血液成分分離装置に接続されたドローラインを通じてドナーから血液を採取し、採取された血液中に抗凝固剤を導入する。血液成分分離装置は血液を、血漿成分および第2の血液成分へと分離し、そして血漿成分は血液成分分離装置から血漿収集容器へと収集される。この方法は次いで、(1)収集された血漿中における抗凝固剤成分の割合、および(2)血漿収集容器内に収集された純粋な血漿の容積を計算する。純粋な血漿の容積は、少なくとも部分的に、抗凝固剤の計算された割合に基づいていてよい。この方法は、目標容積の純粋な血漿が血漿収集容器内に収集されるまで継続されてよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血漿収集システムであって:
対象者から全血を採取し、そして血液成分を対象者に戻すための静脈アクセスデバイス;
採取された血液を血漿成分および第2の血液成分へと分離するための血液成分分離装置であって、出口を有し、血漿成分を血漿容器へと送出するように構成されている血液成分分離装置;
静脈アクセスデバイスに流体的に接続されており、採取された全血を血液成分分離装置に搬送するよう構成された血液ドローラインであって、血液ドローラインを通る流れが血液ドローポンプによって制御されている血液ドローライン;
抗凝固剤源に接続された抗凝固剤ラインであって、採取された全血へと抗凝固剤を導入するよう構成されている抗凝固剤ライン;および
血液成分分離装置および血液ドローポンプの動作を制御するよう構成されたコントローラであって、少なくとも、対象者のヘマトクリットに基づいて、(1)収集された血漿成分中における抗凝固剤の容積、および、少なくとも、収集された血漿成分中における抗凝固剤の容積に基づいて、(2)血漿容器内に収集された純粋な血漿の容積を計算するよう構成されており、目標容積の純粋な血漿が血漿容器内に収集された場合に血液ドローポンプを停止するよう構成されているコントローラを含む、システム。
【請求項2】
収集された血漿成分中における抗凝固剤の容積は少なくとも、採取された全血に添加された抗凝固剤の容積に基づいている、請求項1のシステム。
【請求項3】
抗凝固剤源の重量を測定するよう構成された抗凝固剤源重量センサーをさらに含み、コントローラはさらに、抗凝固剤源の測定された重量に基づいて抗凝固剤源内における容積変化をモニターするよう構成され、収集された血漿成分中における抗凝固剤の計算された容積は少なくとも、抗凝固剤源内の容積変化に基づいている、請求項1のシステム。
【請求項4】
コントローラは、抗凝固剤ポンプの回転数をモニターして全血中に導入された抗凝固剤の容積を決定するように構成されており、収集された血漿成分中における抗凝固剤の計算された容積は少なくとも、抗凝固剤ポンプの回転数に基づいている、請求項1のシステム。
【請求項5】
血液成分分離装置上に配置され、血液成分分離装置の内容物をモニターして、ある容積の抗凝固剤が血液成分分離装置に残存しているかを決定するよう構成された光学センサーをさらに含み、収集された血漿成分中における抗凝固剤の計算された容積は少なくとも、血液成分分離装置内の抗凝固剤の容積に基づいている、請求項1のシステム。
【請求項6】
血漿容器内に収集された血漿成分の容積をモニターするよう構成された血漿容器重量センサーをさらに含み、血漿容器内に収集された純粋な血漿の計算された容積は少なくとも、収集された血漿成分のモニターされた容積に基づいている、請求項1のシステム。
【請求項7】
血漿容器内に収集された血漿成分の重量をモニターするよう構成された血漿容器重量センサーをさらに含み、血漿容器内に収集された純粋な血漿の計算された容積は少なくとも、収集された血漿成分のモニターされた重量に基づいている、請求項1のシステム。
【請求項8】
血液成分分離装置上に配置され、血液成分分離装置内に収集された赤血球の容積をモニターするよう構成された光学センサーをさらに含み、コントローラは対象者のヘマトクリットを、少なくとも、血液成分分離装置内に収集された赤血球のモニターされた容積および対象者から採取された全血の容積に基づいて決定するように構成されている、請求項1のシステム。
【請求項9】
純粋な血漿の目標容積は少なくとも、対象者の体重に基づいている、請求項1のシステム。
【請求項10】
収集された血漿成分中における抗凝固剤の容積は、採取された血液中に導入された抗凝固剤の少なくとも一部分およびプライミング段階の間に添加された抗凝固剤の容積の少なくとも一部分を含む、請求項1のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、2017年5月30日に出願され、付与された代理人文書番号が1611/C80であり、マイケル・ラグーサを発明者として指名している「血漿収集システムおよび装置」と題する米国特許出願第15/608,183号の優先権を主張しており、その開示は全体を、参照によって本願に取り入れるものとする。
【0002】
本発明は、血液アフェレーシスのためのシステムおよび方法に関し、より特定的には、血漿製剤を収集するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アフェレーシスは、対象者から一時的に採取された全血から、個々の血液成分を分離および収集することのできる手順である。典型的には、全血は対象者の腕の静脈に穿刺(挿入)された針を通して、遠心分離ボウルのような細胞分離器内へと取り出される。全血がその種々の成分へと分離されたならば、成分の1つまたはより多く(例えば血漿)を遠心分離ボウルから取り出すことができる。残りの成分は、取り出された成分の容積分を補填するための任意選択的な補償流体と共に、対象者に戻すことができる。取り出しおよび戻しのプロセスは、所望とする成分量が収集されるまで継続され、その時点でプロセスは停止される。アフェレーシスシステムの中心的な特徴は、処理されたが所望ではない成分がドナー(供血者)に戻されることである。分離される血液成分には、例えば、赤血球のような高密度成分、血小板または白血球のような中間密度成分、および血漿のような低密度成分が含まれてよい。
【0004】
多くの法的管轄地域は、ドナーから取り出すことのできる全血および/または血液成分の量に関する規制を有している。例えば米国食品医薬品局(「FDA」)は、収集してよい血漿の容積の上限(例えば、175ポンド(約79.4キログラム)より重い成人男性については800ml)並びに全収集容積の上限(例えば、175ポンド(約79.4キログラム)より重い成人男性については880ml)の両者を設定している。従来技術の血漿収集システムは、収集された血漿の合計量を求めることができず(例えば、収集された製剤が血漿および抗凝固剤の混合物であるため)、そのため収集された血漿の合計量がFDAにより定められた限度未満であったとしても、全収集容積に基づいて収集を行っている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の幾つかの実施形態によれば、血漿収集方法は、ドナーの体重およびヘマトクリットを決定し、そして静脈アクセスデバイスをドナーに穿刺することを含んでいる。静脈アクセスデバイスが穿刺されたならば、この方法は、静脈アクセスデバイスおよび血液成分分離装置に接続されたドロー(採血)ラインを介して、ドナーから全血を採取してよい。この方法は次いで、抗凝固剤ラインを介して採取された全血中へと抗凝固剤を導入してよく、そして血液成分分離装置を使用して、採取された全血を血漿成分および少なくとも1つの第2の血液成分へと分離してよい。分離が行われたならば、血漿成分は血液成分分離装置から、血漿収集容器内へと収集されてよい。処理の間に、この方法は、(1)収集された血漿成分中における抗凝固剤の割合、および(2)血漿収集容器内に収集された純粋な血漿の容積を計算してよい。純粋な血漿の容積は、少なくとも部分的に、収集された血漿成分中における抗凝固剤の計算された割合に基づくものであってよい。この方法は、血漿収集容器内に純粋な血漿の容積が収集されるまで、このプロセス(例えば、全血の採取、全血中への抗凝固剤の導入、血液の分離、血漿の収集、および抗凝固剤の割合および純粋な血漿の容積の計算)を継続してよい。
【0006】
幾つかの実施形態においては、この方法は、抗凝固剤容器内における容積変化を決定してよく、収集された血漿中における抗凝固剤の計算された割合は、少なくとも部分的に、抗凝固剤容器内における容積変化に基づくものであってよい。これに加えて、または代替的に、この方法は全血中へと導入された抗凝固剤の容積を、抗凝固剤ポンプの回転数に基づいて決定してよい。こうした実施形態においては、収集された血漿中における抗凝固剤の計算された割合は、少なくとも部分的に、抗凝固剤ポンプの回転数に基づいていてよい。この方法はまた、血液成分分離装置内における抗凝固剤の容積を決定してよく、そして収集された血漿中における抗凝固剤の計算された割合は、少なくとも部分的に、血液成分分離装置内における抗凝固剤の容積に基づくものであってよい。
【0007】
さらなる実施形態において、この方法は血漿収集容器内に収集された血漿成分の容積および/または重量をモニター(監視)してよく(例えば、重量センサーを使用して)、そして血漿収集装置内に収集された純粋な血漿の計算された容積は、少なくとも部分的に、収集された血漿成分のモニターされた容積および/または重量に基づくものであってよい。これに加えて、または代替的に、ドナーのヘマトクリットを決定することは、血液分離装置内に収集された赤血球の容積をモニターすることを含んでよい。そうした実施形態においては、決定されたドナーのヘマトクリットは、少なくとも部分的に、血液分離装置内に収集された赤血球のモニターされた容積およびドナーから採取された全血の容積に基づくものであってよい。
【0008】
純粋な血漿の目標容積は、少なくとも部分的に、ドナーの体重に基づくものであってよい。収集された血漿中における抗凝固剤成分の割合は、採取された血液中に導入された抗凝固剤の少なくとも一部分、およびプライミング段階の間にシステムに加えられた抗凝固剤の容積の少なくとも一部分を含んでいてよい。純粋な血漿の目標容積の少なくとも一部分を収集した後に、この方法は、リターン(返血)ラインを介してドナーへと、第2の血液成分を戻してよい。
【0009】
追加的な実施形態によれば、血漿収集システムは、対象者から全血を採取し、そして対象者に血液成分を戻すための静脈アクセスデバイスと、および採取した血液を血漿成分および第2の血液成分へと分離するための血液成分分離装置とを含んでいる。血液成分分離装置は出口を有し、そして血漿成分を血漿容器へと送出するように構成されている。このシステムはまた、静脈アクセスデバイスおよび抗凝固剤源に接続された抗凝固剤ラインへと流体的に接続された血液ドローラインを含んでいてよい。血液ドローラインは採取された全血を血液成分分離装置へと搬送し、そして血液ドローラインを通る流れは、血液ドローポンプによって制御されてよい。抗凝固剤ラインは抗凝固剤を、採取された全血中へと導入してよい。
【0010】
付加的に、このシステムは、遠心分離ボウルの作動を制御するコントローラを含んでいてよい。このコントローラはまた、(1)収集された血漿中における抗凝固剤成分の割合、および(2)血漿容器内に収集された純粋な血漿の容積を計算してよい。純粋な血漿の容積は、少なくとも部分的に、収集された血漿中における抗凝固剤成分の割合に基づくものであってよい。コントローラは、純粋な血漿の目標容積(例えば、少なくとも部分的には、ドナーの体重に基づく)が血漿容器内に収集された場合に、血液ドローポンプを停止させてよい。幾つかの実施形態においては、収集された血漿中における抗凝固剤成分の割合は、少なくとも部分的に、採取された全血に添加された抗凝固剤の容積および対象者のヘマトクリットに基づくものであってよい。
【0011】
このシステムはまた、抗凝固剤源の重量を測定する、抗凝固剤源重量センサーを含んでいてよい。コントローラは、抗凝固剤源の測定重量に基づいて、抗凝固剤容器内の容積変化をモニターしてよく、そして収集された血漿中における抗凝固剤の計算された割合は、少なくとも部分的に、抗凝固剤源内の容積変化に基づくものであってよい。これに加えて、または代替的に、コントローラは抗凝固剤ポンプの回転数をモニターして、全血中へと導入された抗凝固剤の容積を決定することができる。こうした実施形態においては、収集された血漿中における抗凝固剤の計算された割合は、少なくとも部分的に、抗凝固剤ポンプの回転数に基づくものであってよい。
【0012】
幾つかの実施形態においては、このシステムは血液成分分離装置に配置された光学センサーを含んでいてよい。この光学センサーは血液成分分離装置の内容物をモニターすることができ、ある容積の抗凝固剤が血液成分分離装置内に残存しているかどうかを決定することができる。収集された血漿中における抗凝固剤の計算された割合は、少なくとも部分的に、血液成分分離装置内にある抗凝固剤の容積に基づくものであってよい。
【0013】
追加的な実施形態において、このシステムはまた、血漿収集容器内に収集された血漿成分の容積および/または重量をモニターする、血漿容器重量センサーを含んでいてよい。血漿収集容器内に収集された純粋な血漿の計算された容積は、少なくとも部分的に、収集された血漿成分のモニターされた容積および/または重量に基づくものであってよい。このシステムはまた、血液成分分離装置に配置された光学センサーを有していてよい。この光学センサーは、血液分離装置内に収集された赤血球の容積をモニターするものであってよい。コントローラは次いで、少なくとも部分的に、血液分離装置内に収集された赤血球のモニターされた容積およびドナーから採取された全血の容積に基づいて、対象者のヘマトクリットを決定してよい。収集された血漿中における抗凝固剤成分の割合は、採取された血液中に導入された抗凝固剤の少なくとも一部分、およびプライミング段階の間にシステムに加えられた抗凝固剤の容積の少なくとも一部分を含んでいてよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の上述した特徴は、添付図面に照らして以下の詳細な説明の参酌を行うことにより、より容易に理解されるであろう。添付図面において:
【0015】
図1は、本発明の幾つかの実施形態による血液処理システムの斜視図を概略的に示している。
【0016】
図2は、本発明の幾つかの実施形態による
図1の血液処理システムの平面図を概略的に示している。
【0017】
図3は、本発明の幾つかの実施形態による
図1の血液処理システムの内部に装着されたディスポーザブル(使い捨て)セットを概略的に示している。
【0018】
図4は、本発明の実施形態による血漿収集方法を表すフローチャートである。
【発明の実施の形態】
【0019】
本発明の例示的な実施形態は、目標容積の純粋な血漿を収集するための血液処理システムおよび方法を提供する。このシステム及び方法は、システムに添加された抗凝固剤の量およびドナーのヘマトクリットに基づいて、血漿収集容器内に収集された抗凝固剤の割合を計算する(例えば、容器内に収集された血漿に加えて)。このシステム/方法は次いで、容器内に収集された純粋な血漿(例えば、抗凝固剤を含まない血漿)の容積を計算する。例示的な実施形態の詳細は以下で説明する。
【0020】
図1および
図2に示されているように、血液処理システム100は、システム100の主たる部品(例えば、使い捨てでない部品)を収容するキャビネット110を含んでいる。キャビネット110内において、システム100は、対象者から全血を採取する第1の/血液ポンプ232、および採取された全血内へと抗凝固剤をシステム100を通して給送する第2の/抗凝固剤ポンプ234を含んでいてよい。加えてシステム100は、開放および/または閉鎖されてシステム100を通る流体の流れを制御することのできる、幾つかのバルブを含んでいてよい。例えばシステム100はドナーバルブ120を含んでいてよく、これは開閉されてドナーライン218(例えば入口ライン;
図3)を通る流体の流れを選択的に阻止または許容してよく、また血漿バルブ130を含んでいてよく、これは出口/血漿ライン222(
図3)を通る流体の流れを選択的に阻止または許容する。幾つかの実施形態はまた、生理食塩水バルブ135を含んでいてよく、これは生理食塩水ライン223を通って生理食塩水が流れるのを選択的に阻止または許容する。
【0021】
ディスポーザブルセットの接続および設置を容易にし、そして対応する液体容器を支持するために、システム100は抗凝固剤ポール150を含んでいてよく、その上には抗凝固剤溶液容器210(
図3)が吊り下げられてよく、また生理食塩水ポール160を含んでいてよく、その上には生理食塩水溶液容器217(
図3)が吊り下げられてよい(例えば、実施される手順が生理食塩水の使用を必要とする場合)。加えて幾つかの用途においては、処理のために対象者から採取された全血を濾過することが必要および/または所望であってよい。そのために、システム100は血液フィルターホルダー170を含んでいてよく、その中に血液フィルター(ディスポーザブルセット中に位置する)が配置されてよい。
【0022】
以下でより詳細に説明するように、本発明の実施形態によるアフェレーシスシステム100は、血液ポンプ232を使用して、静脈アクセスデバイス206(
図3)を介して対象者から全血を採取する。システム100が対象者から全血を採取するにつれて、全血はレーサム(Latham)型の遠心分離器のような血液成分分離装置214に流入される(他の型式の分離チャンバおよび装置も使用することができ、それには限定するものではないが、米国特許第4,983,158号および第4,943,273号に記載されたような一体型のブローモールド遠心分離ボウルなどがあり、これらの特許は参照によって本願に取り入れられる)。血液成分分離装置214は、全血をその構成成分(例えば、赤血球、白血球、血漿、および血小板)へと分離する。したがって、分離装置214の動作を容易にするために、システム100はまたウェル180を含んでいてよく、分離装置214はその中に配置されてよく、そして分離装置214はその中で回転する(例えば、全血を分離するのに必要な遠心力を生じさせるために)。
【0023】
ユーザー/技師がシステムの動作をモニターし、手順の種々のパラメータを制御/設定することを可能にするために、システム100はユーザーインターフェース190(例えばタッチスクリーンデバイス)を含んでいてよく、これは動作パラメータ、何らかのアラームメッセージ、およびユーザー/技師が押して種々のパラメータを制御することのできるボタンを表示する。血液処理システム100の追加の部品については、以下でより詳細に説明する(例えば、システムの動作に関連して)。
【0024】
図3は本発明による、血液処理システム100、および血液処理システム100上/内に装填することのできるディスポーザブル収集セット200(入口ディスポーザブルセット200Aおよび出口ディスポーザブルセット200Bを含む)の概略的なブロック図である。収集セット200は、ドナーの腕208から全血を採取するための静脈アクセスデバイス206(例えば、静脈針)、抗凝固剤容器210、遠心分離ボウル214(例えば、血液成分分離装置)、生理食塩水容器217、および最終的な血漿収集バッグ216を含んでいる。血液/入口ライン218が静脈アクセスデバイス206をボウル214の入口ポート220に結合し、血漿/出口ライン222がボウル214の出口ポート224を血漿収集バッグ216に結合し、そして生理食塩水ライン223がボウル214の出口ポート224を生理食塩水容器217に接続している。抗凝固剤ライン225が抗凝固剤容器210を入口ライン218に接続している。以上に説明した
図3に示されている部品に加えて、血液処理システム100は、コントローラ226、モーター228、および遠心分離チャック230を含んでいる。コントローラ226は、2つのポンプ232および234、並びにモーター228を作動させるように結合されており、これらは次いで、チャック230を駆動させる。コントローラ226はユーザーインターフェース190を作動させるように結合されていてよく、またこれと通信していてよい。
【0025】
動作時には、ディスポーザブル収集セット200(例えば、入口ディスポーザブルセット200Aおよび出口ディスポーザブルセット200B)は、血液処理に先立って、血液処理システム100上/内へと装填されてよい。具体的には、血液/入口ライン218は血液/第1ポンプ232を経由するよう配置され、そして抗凝固剤容器210からの抗凝固剤ライン225は抗凝固剤/第2ポンプ234を経由するよう配置される。遠心分離ボウル214は次いで、チャック230内に固定的に装填されてよい。ボウル214が固定的に位置決めされたならば、技師は出口ディスポーザブルセット200Bを設置してよい。例えば技師は、ボウルのコネクタ300をボウル214の出口224に接続し、血漿容器216を重量センサー195内に設置し、生理食塩水ライン223をバルブ135を通して配置し、そして血漿/出口ライン222をバルブ130およびラインセンサー185を通して配置してよい。ディスポーザブルセット200が設置され、そして抗凝固剤容器および生理食塩水容器210/217が接続されたならば、システム100は血液処理を開始する準備が整ったことになる。
【0026】
図4は、本発明の種々の実施形態にしたがって血漿を収集するための例示的な方法を示すフローチャートである。ドナーを血液処理装置100に接続するに先立って、ドナーに関する幾つかの情報、すなわちドナーの体重(ステップ410)およびヘマトクリット(ステップ415)を取得/決定しておくことが有益である(そして幾つかの場合には恐らく必要である)。こうした情報は、その個人がドナーに適しているかどうか、および採取/収集できる血液成分の容積(例えば、FDAのガイドラインに徴して)を決定するのに役立つだけでなく、ヘマトクリットは処理の間に使用して、目標とする容積の血漿を収集するために役立つ。技師は、ドナーの体重測定をすることにより(例えば体重計で)、ドナーの体重を取得/決定してよい。ドナーのヘマトクリットを取得/決定するために、技師はドナーから血液サンプルを採取し、その血液サンプルをテストすることができる。これに加えて、または代替的に、以下でより詳細に説明するように、このシステムは、血液処理の間にヘマトクリットを決定してよい。例えば、血液処理装置100は、血液処理装置100内へと流入する血液のヘマトクリットを決定するヘマトクリットセンサー(図示せず)を含んでいてよく、および/または、システム100は、ボウル214内に収集された赤血球の容積に基づいてヘマトクリットを決定してよい。
【0027】
ライン222/223が配置され、技師がドナーの体重および/またはヘマトクリット(必要な場合)を決定したならば、ユーザー/技師は静脈アクセスデバイス206をドナーの腕208に穿刺してよい(ステップ420)。次にコントローラ226は、2つのポンプ232、234およびモーター228を作動させる。これら2つのポンプ232、234の作動は、ドナーからの全血の採取(ステップ425)、採取された全血中への容器210からの抗凝固剤の導入(ステップ430)、および抗凝固処理された全血のボウル214の入口ポート220への配送を生じさせる。
【0028】
抗凝固剤ライン225はまた細菌フィルター(図示せず)を含んでいてもよいことに留意すべきであり、これは抗凝固剤源210、抗凝固剤、または抗凝固剤ライン225にある何らかの細菌が、システム100および/または対象者に侵入することを防止する。加えて、抗凝固剤ライン225は空気検出器140を含んでいてよく、これは抗凝固剤内における空気の存在を検出する。システム100ラインのいずれかの内部における気泡の存在は、システム100の作動にとって問題となる可能性があり、そしてまた気泡が血流に入り込んだ場合には、対象者にとって有害でありうる。したがって、空気検出器は連動装置に接続されてよく、これは気泡が検出された場合に抗凝固剤ライン225内の流れを停止させ(例えば、抗凝固剤ポンプ234を停止させることにより)、それによって気泡が対象者に入り込むことを防止する。
【0029】
抗凝固処理された全血が対象者から採取され、血液成分分離装置214内部に収容されると、血液成分分離装置214はこの全血を幾つかの血液成分に分離する(ステップ435)。例えば、血液成分分離装置214は全血を、第1、第2、第3、そして恐らくは第4の血液成分へと分離してよい。より具体的には、血液成分分離装置214(および分離装置214の回転によって生成された遠心力)は、全血を血漿、血小板、赤血球(「RBC」)、および恐らくは白血球(「WBC」)へと分離することができる。より密度の高い成分、すなわちRBCはボウル214の外側の壁に向けて押しやられ、他方より密度の低い血漿は、コア(中心部)付近に存在する。血漿とRBCの間には、バフィコートが形成される。バフィコートは、血小板の内側層と、血小板およびWBCの遷移層と、そしてWBCの外側層から作られている。血漿は出口ポートに最も近い成分であり、そして抗凝固処理された追加の全血が入口ポート220を介してボウル214に流入するにつれて、出口ポート224を介してボウル214から流出されてくる最初の流体成分である。
【0030】
図3に示されているように、システム100はまた、ボウル214の肩の部分に適用されることのできる、光学センサー213を含んでいてよい。この光学センサーは、血液成分の層がボウル214の外側の壁からコアに向かって徐々に同軸的に前進されてくるにつれて、それらの層の各々をモニターする。光学センサー213は、バフィコートおよび/または赤血球が特定の半径に達したことを検出可能な位置(例えば、ウェル180の内部)に設けられてよく、そして対象者/ドナーから全血を採取し、その全血をボウル12内へと導入するステップは、検出に応じて変更および/または終了されてよい。
【0031】
加えて、幾つかの実施形態においては、光学センサー213は、処理の間にドナーのヘマトクリットを決定するために使用されてよい。例えば、ボウル214が赤血球で満たされ、そして光学センサー213が赤血球の層を検出したなら、システム100(例えば、コントローラ)は、赤血球層の位置および固定された/既知のボウル容積に基づいて、ボウル214内にある赤血球の容積を決定することができる。システム100は次いで、ボウル内部にある赤血球の容積、および、その時点までに処理された全血の容積に基づいて、ドナーのヘマトクリットを計算することができる。
【0032】
血液成分分離装置214が血液をその種々の成分に分離したならば、その成分の1つまたはより多くを血液成分分離装置214から取り出すことができる。例えば、血漿はライン222を介して、血漿容器216(例えば、血漿ボトル)へと取り出してよい(ステップ440)。上述したように、システム100の幾つかの実施形態は、収集された血漿の量を測定する重量センサー195(
図1)を含んでいてよい。血漿収集プロセスは、目標とする容積の純粋な血漿(以下でより詳細に説明する)が血漿収集容器216内に収集されるまで継続されてよい。図示されてはいないが、血液処理システム100および/またはディスポーザブルセット200が血小板バッグ、赤血球バッグ、および/または白血球バッグを含んでいる場合には、これらのバッグ/容器の各々は、同様の重量センサー(例えば、ロードセル)を含んでいてよい。
【0033】
幾つかの実施形態においては、システム100はまたラインセンサー185(上述)を含んでいてよく、これは血液成分分離装置214から出てくる流体の種類(例えば、血漿、血小板、赤血球など)を決定することができる。具体的には、ラインセンサー185は、ボウル214から流出してくる血液成分を通過する光を発するLED、および成分を通過した後の光を受光する光検出器からなっている。光検出器によって受信される光の量は、ラインを通って流れる流体の密度と相関されている。例えば、血漿がボウル214から流出している場合、ラインセンサー185は、ボウル214から流出する血漿が血小板で曇ったとき(例えば、ボウル214から流出する流体が血漿から血小板へと変化している)を検出することができる。システム100は次いでこの情報を使用して、ボウル214からの血液成分の取り出しを停止し、対象者からの全血の採取を停止し、または、例えば1つのバルブを閉じ別のバルブを開けることによって、流れの向きを変化させる。
【0034】
処理の間においては、赤血球の浸透圧が、全血中へと導入された抗凝固剤が赤血球に入り込み/残存する(例えば、ボウル214内において)ことを妨げることに留意することが重要である。抗凝固剤はむしろ、血漿成分と混ざり合う。したがって、抗凝固剤は血漿と共にボウル214から流出され、血漿と共に収集容器216内に収集される。換言すれば、重量センサー195によって測定された製剤の重量は、血漿および血漿と混ざり合った何らかの抗凝固剤の重量である-重量センサー195によって提供される重量は、純粋な血漿の重量ではない。
【0035】
加えて、ドナーのヘマトクリットによって決定されるように、全血が含有する血漿の量は可変的である。典型的なドナーのヘマトクリットは38%から54%まで変動しうるものであり、このことは、100mlの全血について、血漿の容積が36mlから62mlまで変動しうることを意味している。さらにまた、採取された全血に添加される抗凝固剤の量は固定されており(例えば、それはドナーのヘマトクリットに依存しない)、このことは、38%から54%の間のドナーのヘマトクリットについて、収集された血漿中における抗凝固剤の割合が、それぞれ9.7%から12.7%に変動しうることを意味している。したがって、重量センサー195によって測定された容積が抗凝固剤の容積を含むだけでなく、その抗凝固剤の容積はヘマトクリットに基づいて、ドナーごとに変動しうる。
【0036】
上述したように、本発明の幾つかの実施形態は、目標とする容積の純粋な血漿(例えば、血漿のみであり、血漿と混合された何らかの抗凝固剤の容積は目標容積に含まれない)が血漿収集容器216内に収集されるまで、血液処理/分離手順を継続する。そのために、本発明の幾つかの実施形態は、血漿収集容器216内にある純粋な血漿の容積を計算してよい。例えば、技師またはシステム100(例えば、コントローラ)は、全血中へと添加/計量された抗凝固剤の量およびドナーのヘマトクリットに基づいて、収集された血漿(例えば、血漿収集容器216内に収容された血漿)中の抗凝固剤の割合を計算してよい(ステップ455)。技師および/またはシステムは、以下の式にしたがって抗凝固剤の割合を計算することができ、式中のACはシステム100に添加された抗凝固剤の量である。上記したように、赤血球はその浸透圧が、抗凝固剤が赤血球と混ざり合うことを妨げるため、本質的にはすべての抗凝固剤がボウル214から流出し、そして血漿と共に血漿収集容器216内に収集される。
【数1】
【0037】
システム100に添加された抗凝固剤の量は、幾つかの方法で決定することができる。例えば、システム100は抗凝固剤の量(例えば、上記の式中における「AC」の値)を、抗凝固処理された全血の単位当たりの抗凝固剤の所定の比率に基づくものとすることができる。幾つかの実施形態においては、「AC」の値は、この所定比率の逆数であってよい(例えば、抗凝固剤と抗凝固処理された全血の比率が1:16であった場合、「AC」は16である)。これに加えて、または代替的に、技師/システム100は、システムに添加された抗凝固剤の容積をモニターすることができる。こうした実施形態においては、技師/システムは、システム100に添加された抗凝固剤の容積を、抗凝固剤ポンプの回転数(例えば、抗凝固剤ポンプの各回転は、設定された容積の抗凝固剤をシステム100内へと導入する)に基づいて、および/または重量センサーによって測定された抗凝固剤容器210の重量における変化(以下でより詳細に説明する)に基づいてモニターすることができる。
【0038】
技師/システム100が血漿収集容器216内の抗凝固剤の割合を計算したならば、技師/システム100は次いで、血漿収集容器216内の純粋な血漿の容積を計算するために、その情報を使用してよい(ステップ465)。例えば、技師/システム100は、容器内の抗凝固剤の容積を決定し(容器216内の抗凝固剤の割合に基づいて)、そしてこの容積を、重量センサー195によって測定された容器216内の流体の全容積から減算してよい。システム100は、容器216内に収集された純粋な血漿の容積のモニターを継続してよく、そして血漿収集容器216内に目標容積(例えば、175ポンド(約79.4キログラム)より重い成人男性については800ml、或いはFDAまたは同様の政府機関により定められた他の限界)の純粋な血漿が収集されるまで、全血の処理を継続(例えば、ステップ425、430、435、440、455、460および465の実行を継続)してよい(ステップ470)。
【0039】
システム100が血漿収集容器216内に、目標容積の純粋な血漿を収集したならば、システム100は残っている成分(例えば、ボウル214内に残存している成分)を対象者に戻すことができる(ステップ475)。例えば、血漿が全部取り出されて、ボウル214がRBC(および収集されなかった何らかの他の血液成分)で満たされたならば、コントローラ226は対象者からの全血の採取を停止し、血液/第1ポンプ232の方向を反転させて、RBC(および他の成分)をボウル214から引き出し、対象者へと直接に戻す。代替的に、システム100がそのように構成されている場合には、システムは成分を対象者へと、専用のリターンラインを介して返血してよい。
【0040】
収集されない血液成分(例えば、ボウル214内に残存する成分)に加えて、システム100はまた、生理食塩水を患者/対象者に戻してもよい。生理食塩水は、取り出され収集されて、患者に返血されない血液成分(例えば、血漿)の容積を補填するための補償流体として用いられてよい。そのために、リターンステップ(例えば、ステップ475)の間に、生理食塩水バルブ135が開放されてよく、かくして生理食塩水容器217からの生理食塩水は生理食塩水ライン223を通ってボウル214内へと(出口224を介して)流れることが許容され、そこにおいて残存する血液成分と共に、またはそれらの後から、患者/ドナーへと戻されることができる。
【0041】
幾つかの実施形態では、血漿収集容器216内における純粋な血漿の容積を決定するのに役立つ、幾つかの追加のステップ、および任意選択的なステップを実行してよいことに留意すべきである。例えば上述したように、幾つかの実施形態では、抗凝固剤容器210の重量変化(例えば、抗凝固剤容器210の重量センサー/ロードセルによって測定されるような)をモニターしてよい(ステップ445)。この測定は、システム100へと添加された抗凝固剤の容積の指標をもたらし、血漿収集容器216内の抗凝固剤の割合を決定するのに役立つように使用されてよい。これに加えて、または代替的に、幾つかの実施形態では同様にして、血漿収集容器216内に収集された血漿および抗凝固剤の重量および/または容積における変化をモニター(例えば、重量センサー195を介して)してよい(ステップ450)。この測定は、血漿収集容器216内に収集された純粋な血漿の全容積を計算するために使用されてよい(例えば、抗凝固剤の計算された容積を減算するための合計重量を取得するために)。
【0042】
幾つかの実施形態ではまた、(任意選択的に)ボウル214内に残存している抗凝固剤(例えば、血漿と混ざり合わず、および/またはその他によりボウル内に残存する抗凝固剤)の容積をモニターしてよい(ステップ460)。例えば、システム100は、ボウル214に適用された光学センサーを利用して、ボウル214内に何らかの抗凝固剤が残存しているかどうかを決定してよい。残存している場合には、方法400/システム100は、ボウル214内に残存している抗凝固剤の容積に基づいて、血漿収集容器内に収集された純粋な血漿の量の計算を修正してよい(例えば、計算された量を増大させ、または計算された量を低減させる)。
【0043】
本発明の種々の実施形態は、従来技術の血漿収集システムに対して多くの利点をもたらす。特に、上述したように、従来技術の血漿アフェレーシス装置は、抗凝固処理された血漿の合計容積(例えば、純粋な血漿に加えて添加された抗凝固剤)に基づいて、血漿収集を終了させる。これは、製剤収集容器の重量を測定することしか必要としないため、最も簡単な方法であるが、真の製剤-純粋な血漿-の量は、ドナーのヘマトクリットに依存している。換言すれば、従来技術のシステムは、製剤中における抗凝固剤の割合が変動することから、ヘマトクリットの低いドナーからは、ヘマトクリットの高いドナーよりも多くの血漿を収集することになる。本発明の種々の実施形態は、標準容積(例えば、目標容積)の純粋な血漿を各ドナーから収集することによって、従来技術のシステムにおけるこの課題に対処している。上述したように、本発明の実施形態はこれを、ドナーのヘマトクリットについての知識、および血漿収集容器216内に収集された抗凝固剤の量についての知識を用い(例えば、ポンプの回転数を数え、および/または重量計/重量センサーを用いること等により)、製剤中における抗凝固剤の割合を決定することによって達成している。加えて、収集された純粋な血漿の容積に基づいて血漿収集プロセスを停止させることにより、本発明の実施形態は、血漿/抗凝固剤の混合物に基づいて停止を行う従来技術のシステムと比較して、より多くの容積の血漿を収集することができる。
【0044】
また、上述した種々の実施形態は血漿を収集する血液処理システムに関するものであるが、本願で説明した特徴は、任意の型式の血液処理システムにも適用されてよいことに留意することが重要である。例えば本願で説明した特徴は、赤血球、血小板、および/または白血球を収集および/または処理する血液処理システム上で実施されてよい。
【0045】
以上に説明した発明の実施形態は、単に例示的であることを意図したものである;この技術の当業者には、多くの変更および修正が明らかである。そうした変更および修正はすべて、添付の請求の範囲のいずれかに規定された本発明の範囲内にあることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血漿収集システムであって:
対象者から全血を採取し、そして血液成分を対象者に戻すための静脈アクセスデバイス;
採取された血液を血漿成分および第2の血液成分へと分離するための血液成分分離装置であって、出口を有し、血漿成分を血漿容器へと送出するように構成されている血液成分分離装置;
静脈アクセスデバイスに流体的に接続されており、採取された全血を血液成分分離装置に搬送するよう構成された血液ドローラインであって、血液ドローラインを通る流れが血液ドローポンプによって制御されている血液ドローライン;
抗凝固剤源に接続された抗凝固剤ラインであって、採取された全血へと抗凝固剤を導入するよう構成されている抗凝固剤ライン;および
血液成分分離装置および血液ドローポンプの動作を制御するよう構成されたコントローラであって、少なくとも、対象者のヘマトクリットに基づいて、(1)収集された血漿成分中における抗凝固剤の容積、および、少なくとも、収集された血漿成分中における抗凝固剤の容積に基づいて、(2)血漿容器内に収集された純粋な血漿の容積を計算するよう構成されており、目標容積の純粋な血漿が血漿容器内に収集された場合に血液ドローポンプを停止するよう構成されているコントローラを含む、システム。