(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110020
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】発光駆動回路
(51)【国際特許分類】
H05B 45/345 20200101AFI20240807BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20240807BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20240807BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240807BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240807BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20240807BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240807BHJP
H05B 45/44 20200101ALI20240807BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240807BHJP
【FI】
H05B45/345
G09G3/36
G09G3/34 J
G09G3/20 642A
G09G3/20 612A
G09G3/20 612E
G09G3/20 642P
G09G3/20 641P
G09G3/20 631U
G09G3/20 612U
G02F1/13357
G02F1/133 535
F21S2/00 498
H05B45/44
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014317
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】大橋 衛
【テーマコード(参考)】
2H193
2H391
3K244
3K273
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZG03
2H193ZG14
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2H193ZG51
2H193ZG56
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2H193ZH38
2H193ZH57
2H391AA03
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2H391CB22
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3K273AA05
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3K273GA25
3K273GA29
5C006AF13
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5C006AF46
5C006AF54
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5C080AA10
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5C080JJ02
(57)【要約】
【課題】電源回路から各発光素子へ印加される電圧の変動に起因した場合に各発光素子の輝度の変動を抑制することができる発光駆動回路を提供する。
【解決手段】発光駆動回路は、電源電圧を生成する電源回路と、前記電源電圧に基づいた発光電流が流れることにより、前記発光電流の値に応じた輝度の光を発する発光素子と、前記電源電圧の検出値が前記基準電圧の値と異なる場合に、前記発光電流の値が、前記基準電圧が前記発光素子に印加された場合に前記発光素子に流れる基準電流の値に近づくように、前記発光電流の流量を調整する電流制御回路と、を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電圧を生成する電源回路と、
前記電源電圧に基づいた発光電流が流れることにより、前記発光電流の値に応じた輝度の光を発する発光素子と、
前記電源電圧の検出値が基準電圧の値と異なる場合に、前記発光電流の値が、前記基準電圧が前記発光素子に印加された場合に前記発光素子に流れる基準電流の値に近づくように、前記発光電流の流量を調整する電流制御回路と、を備えた、
発光駆動回路。
【請求項2】
前記電流制御回路は、
外部から受信した外部デジタル信号により特定される入力階調値および前記電源電圧の検出値に基づいて、前記発光電流の値を前記基準電流の値に近づけるように、前記入力階調値を補正階調値へ変換する階調補正回路と、
前記補正階調値を示す補正デジタル信号を、前記補正階調値に対応する大きさのアナログ信号に変換するデジタル-アナログ変換回路と、
前記アナログ信号により特定される大きさの電圧に対応するように、前記発光電流の流量を制御する調整トランジスタと、さらに備えた、
請求項1に記載の発光駆動回路。
【請求項3】
前記階調補正回路は、
前記電源電圧を検出する電圧検出回路と、
前記電源電圧の複数の検出値にそれぞれ対応する複数種類の補正階調値グループを記憶したデータテーブルを含み、
前記電源電圧の検出値および前記データテーブルを用いて、前記複数種類の補正階調値グループから前記複数の検出値のうちの1つに対応する補正階調値グループを選択し、
選択された前記補正階調値グループから前記入力階調値に対応する前記補正階調値を選択し、選択された前記補正階調値に対応する前記補正デジタル信号を前記デジタル-アナログ変換回路へ出力する、
請求項2に記載の発光駆動回路。
【請求項4】
それぞれが前記電源回路である複数の電源回路と、
それぞれが前記発光素子を含む複数の発光領域と、
それぞれが前記電流制御回路である複数の電流制御回路と、を備えた、
請求項1に記載の発光駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、下記の特許文献1に開示されているように、表示装置の駆動回路の開発が行われている。この表示装置の駆動回路は、表示装置の液晶表示パネルの各画素の開口率を制御する。
【0003】
この液晶表示装置においては、各画素に電圧を印加するためのDAC(Digital Analog Converter)およびAMP(AMPlifier)等のオフセット電圧にバラツキが生じる。このオフセット電圧のバラツキに起因して、液晶表示パネルを構成する複数のブロック同士の間で輝度ムラが生じる。そのため、各ブロック内の複数の画素の時分割駆動によって、前述の輝度ムラを低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された技術によれば、電源回路から各発光素子へ印加される電圧の変動に起因した各発光素子の輝度の変動を抑制することはできない。
【0006】
本開示は、上述の問題に鑑みなされたものである。本開示の目的は、電源回路から各発光素子へ印加される電圧の変動に起因した場合に各発光素子の輝度の変動を抑制することができる発光駆動回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の発光駆動回路は、電源電圧を生成する電源回路と、前記電源電圧に基づいた発光電流が流れることにより、前記発光電流の値に応じた輝度の光を発する発光素子と、前記電源電圧の検出値が前記基準電圧の値と異なる場合に、前記発光電流の値が、前記基準電圧が前記発光素子に印加された場合に前記発光素子に流れる基準電流の値に近づくように、前記発光電流の流量を調整する電流制御回路と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1の液晶表示装置の全体構成を示す概念図である。
【
図2】実施の形態1のバックライトユニットのマトリックス状に配置された複数の発光領域を示す平面図である。
【
図3】実施の形態1のバックライトユニットの機能ブロック図である。
【
図4】実施の形態1の発光駆動回路の機能ブロック図である。
【
図5】実施の形態1の発光駆動回路の電流制御回路における階調補正回路に含まれるデータテーブルを示す図である。
【
図6】実施の形態2の発光駆動回路を示す機能ブロック図である。
【
図7】実施の形態3の発光駆動回路を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態の発光駆動回路を、図面を参照しながら説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
【0010】
(実施の形態1)
図1~
図5を用いて、実施の形態1の発光駆動回路LDを説明する。
【0011】
図1は、実施の形態1の液晶表示装置LCDの全体構成を示す概念図である。
【0012】
図1に示されるように、液晶表示装置LCDは、バックライトユニットBLと、液晶パネルLCPと、を備えている。バックライトユニットBLは、その平面視において、後述される一群の発光素子がマトリックス状に配置されている。バックライトユニットBLは、
図1に矢印で示されるように、一群の発光素子によって発せられた光が液晶パネルLCPへ向かうように、液晶パネルLPCに対向するように配置されている。
【0013】
液晶パネルLCPは、図示しない制御回路により制御されることにより、各画素の開口のバックライトユニットBLが発した光の通過量を調整する。それにより、液晶表示装置LCDは、液晶表示パネルLCPのバックライトユニットBLとは逆側に映像を表示する。
【0014】
図2は、実施の形態1のバックライトユニットBLのマトリックス状に配置された複数の発光領域Rを示す平面図である。
【0015】
図2に示されるように、バックライトユニットBLは、マトリックス状に配置された複数の発光領域Rを有している。複数の発光領域Rは、本実施の形態では、6行8列のマトリックスを構成しているが、行および列のそれぞれの数は、いかなるものであってもよい。複数の発光領域Rのそれぞれは、少なくとも1つの発光素子を含んでいる。複数の発光領域Rのそれぞれの少なくとも1つの発光素子は、後述される発光駆動回路LDによって独立して制御される。したがって、複数の発光領域Rのそれぞれの発光態様は、独立して発光駆動回路LDによって制御される。
【0016】
図3は、実施の形態1のバックライトユニットBLの機能ブロック図である。
【0017】
図3に示されるように、バックライトユニットBLは、複数の電源回路PS、複数の発光領域R、および複数の電流制御回路CC、を備えている。複数の発光領域Rのそれぞれごとに、1つの電源回路PSおよび1つの電流制御回路CCが設けられている。複数の発光領域Rのそれぞれは、複数の発光素子Lを含んでいる。複数の発光領域Rのそれぞれにおいて、電源回路PSにより生成された電源電圧Vが電流制御回路CCに印加される。電流制御回路CCは、電源電圧Vの値に応じて複数の発光素子Lに流れる発光電流Iの流量を調整する。その結果、複数の発光領域Rのそれぞれの複数の発光素子Lに流れる発光電流Iの流量がほぼ一定になるように調整される。ただし、複数の発光領域Rに1つだけ発光素子Lが設けられていてもよい。
【0018】
図4は、実施の形態1の発光駆動回路LDの機能ブロック図である。
図5は、実施の形態1の発光駆動回路LDの電流制御回路CCにおける階調補正回路GAに含まれるデータテーブルDTを示す図である。
【0019】
図4に示されるように、発光駆動回路LDは、電源回路PS、発光素子L、および電流制御回路CCを備えている。本実施の形態においては、バックライトユニットBLの内部に発光駆動回路LDが設けられている。しかしながら、発光駆動回路LDは、自発光素子を有する表示装置、たとえば、OLED(Organic Light Emitting Diode)を用いた表示装置またはQLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)を用いた表示装置の場合には、表示パネルそれ自身に設けられている。
【0020】
電源回路PSは、外部電源から供給された電力を利用して電源電圧Vを生成する。電源電圧Vは、一定値(基準電圧の値)、たとえば、15Vになるように設計されている。しかしながら、何等かの原因により、電源電圧Vが変動する。たとえば、基準電圧の値が15Vである場合に、電源電圧Vは、14.3V~15.8V(-5%~+5%)の間で変動する。したがって、発光素子Lに流れる発光電流を調整しなければ、発光素子Lの輝度は、基準輝度の-15%~+15%の間の間で変動する。なお、本実施の形態においては、電源回路PSは、バックライトユニットBLの内部に設けられているが、バックライトユニットBLの外部に設けられていてもよい。
【0021】
発光素子Lは、電流制御回路CCとアースとの間に順方向に接続されている。発光素子Lは、電源電圧Vに基づいた発光電流Iが流れることにより、発光電流Iの値に応じた輝度の光を発する。したがって、電源電圧Vが変動すると、発光素子Lの輝度も変動する。
【0022】
なお、本実施の形態においては、発光素子Lは、Mini-LED(Light Emitting Diode)であるが、電流の値に比例して輝度が変化する素子であれば、いかなるものであってもよい。たとえば、発光素子Lは、OLEDまたはQLEDと呼ばれる発光層であってもよい。
【0023】
具体的に言うと、電流制御回路CCは、電源電圧Vの検出値が基準電圧の値と異なる場合に、発光電流Iの値が、基準電圧が発光素子Lに印加された場合に発光素子Lに流れる基準電流の値に近づくように、発光電流Iの流量を調整する。つまり、電流制御回路CCは、電源電圧Vが変動しても、発光電流Iが一定の値(基準電流)になるように、発光電流Iの流量を調整する。
【0024】
その結果、本実施の形態の発光駆動回路LDよれば、電源回路PSから発光素子Lへ印加される電源電圧Vが変動した場合に、発光素子Lに流れる発光電流Iを調整することにより、発光素子Lの輝度の変動を抑制することができる。この詳細については、後述される。
【0025】
電流制御回路CCは、階調補正回路GA、デジタル-アナログ変換回路DA、および調整トランジスタTrを含んでいる。
【0026】
階調補正回路GAは、外部から受信した外部デジタル信号により特定される入力階調値および電源電圧Vの検出値に基づいて、発光電流Iの値を基準電流の値に近づけるように、入力階調値を補正階調値へ変換する。入力階調値と補正階調値との関係は、実験またはシミュレーション等によって予め決定されている。デジタル-アナログ変換回路DAは、階調補正回路GAが出力した補正階調値を示す補正デジタル信号を、補正階調値に対応する大きさのアナログ信号に変換する。
【0027】
調整トランジスタTrは、アナログ信号により特定される大きさの電圧に対応するように、発光電流の流量を制御する。たとえば、調整トランジスタTrがエンハンスメント型のトランジスタである場合には、電源電圧Vと調整トランジスタTrのゲート電極に印加された電圧と差に比例した大きさの発光電流Iが発光素子Lに流れる。また、調整トランジスタTrがデプレッション型のトランジスタである場合には、電源電圧Vと調整トランジスタTrのゲート電極に印加された電圧との差に反比例した大きさの発光電流Iが発光素子Lに流れる。なお、調整トランジスタTrは、p型トランジスタおよびn型トランジスタのいずれであってもよい。
【0028】
上記の本実施の形態の発光駆動回路LDによれば、入力階調値を予め実験または主シミュレーションにより適切に補正されることが確認された補正階調値へ変換することにより、発光電流Iの値が調整される。そのため、発光電流Iの値を基準電流の値に容易に近づけることができる。
【0029】
図4および
図5に示されるように、階調補正回路GAは、電圧検出回路VDおよびデータテーブルDTを含んでいる。電圧検出回路VDは、電源回路PSにより生成された電源電圧Vを検出する。データテーブルDTは、電源電圧Vの複数の検出値1~K(K=1~N:Nは自然数)にそれぞれ対応する複数種類の補正階調値グループ(
図5の縦の1列~N列のそれぞれのグループ)を記憶している。
【0030】
階調補正回路GAは、電源電圧Vの検出値およびデータテーブルDTを用いて、複数種類の補正階調値グループ(
図5の縦の1列~N列のそれぞれのグループ)から複数の検出値のうちの1つに対応する補正階調値グループK(K=1~N:Nは自然数)を選択する。また、階調補正回路GAは、選択された補正階調値グループ(
図5の縦の1列~N列のそれぞれのグループ)から入力階調値に対応する補正階調値(1行~N行のいずれか1つ)を選択する。たとえば、入力階調値がKであり、かつ、電源電圧VがKであった場合には、補正階調値グループKKが選択される。
【0031】
さらに、階調補正回路GAは、選択された補正階調値に対応する補正デジタル信号を前記デジタル-アナログ変換回路DAへ出力する。そのため、データテーブルDTを用いて入力階調値の補正を行うため、入力階調値の補正のための処理を迅速に行うことができる。
【0032】
また、本実施の形態のバックライトユニットBLの複数の発光駆動回路LDによれば、電源回路PSから複数の発光領域Rのそれぞれに含まれる発光素子Lへ印加される電圧の変動に起因した発光素子Lの輝度の変動を抑制することができる。そのため、一群の発光領域Rの基準電圧の値を同一しておければ、一群の発光領域R同士の間の輝度のバラツキを抑制することができる。したがって、一群の発光領域Rにおける輝度ムラを低減することができる。
【0033】
(実施の形態2)
図6を用いて、実施の形態2の発光駆動回路LDを説明する。なお、下記において実施の形態の発光駆動回路LDと同様である点についての説明は繰り返さない。本実施の形態の発光駆動回路LDは、以下の点で、実施の形態1の発光駆動回路LDと異なる。
【0034】
図6は、実施の形態2の発光駆動回路LDを示す機能ブロック図である。
【0035】
図6に示されるように、発光駆動回路LDは、実施の形態1と同様に、電源回路PS、発光素子L、および電流制御回路CCを備えている。ただし、本実施の形態の発光駆動回路LDは、電流制御回路CCが3つの回路基板1,2,3に分割されて設けられている点において、実施の形態1の発光駆動回路LDと異なる。なお、本実施の形態においては、発光素子Lは、第3回路基板3に搭載されている。
【0036】
第1回路基板1は、デューティリマッピング回路11、DEMURA回路12、およびスキャン回路13、I2C回路14、および階調補正回路GAを備えている。
【0037】
デューティリマッピング回路11は、入力階調値を受信し、受信した入力階調値に基づいて、発光素子Lのガンマ曲線を決定する回路である。DEMURA回路12は、デューティリマッピング回路11の出力結果に基づいて、個々の発光素子Lの輝度のバラツキを抑制するための処理を実行する回路である。スキャン回路13は、DEMURA回路12の出力結果に基づいて、各発光素子Lの発光のタイミングを制御する回路である。I2C回路14は、本実施の形態においては、階調補正回路GAの出力結果に基づいて、I2C信号を出力する回路である。
【0038】
第2回路基板2は、基準電圧生成回路21、ソースドライバ回路22、レベルシフタ23を備えている。
【0039】
基準電圧生成回路21は、I2C回路14から送信されてきたI2C信号を利用して、ソースドライバ回路22へ複数種類、たとえば、8種類の基準電圧を出力する。ソースドライバ回路22は、電圧の種類を増加させる。具体的には、ソースドライバ回路22は、8種類の基準電圧を用いて、たとえば、256種類の電圧を生成する。この電圧の種類の増加は、ラダー抵抗を用いて実行される。したがって、ソースドライバ回路22は、入力階調値を受信し、入力階調値を示す外部デジタル信号に基づいて、入力階調値に対応するアナログ信号である電圧を生成する。レベルシフタ23は、I2C回路14から送信されてきたI2C信号の電圧を増幅させる。
【0040】
第3回路基板3は、GOP回路31、第1トランジスタ32、補償回路33、第2トランジスタ34、およびコンデンサ35を備えている。
【0041】
GOP回路31は、レベルシフタ23によって増幅された電圧を利用して、第1トランジスタ32および第2トランジスタ34のスイッチをON/OFFする。それにより、第1トランジスタ32および第2トランジスタ34のそれぞれに、電流が流れたり、流れなくなったりする。具体的には、GOP回路31は、発光素子Lに発光電流Iが流れるときにONされ、発光素子Lに発光電流Iが流れないときにOFFされる。補償回路33は、発光素子Lの劣化補償を行うための回路である。コンデンサ35は、ノイズを除去するためのものである。
【0042】
本実施の形態においても、電流制御回路CCは、電源電圧Vの値に応じて複数の発光素子Lに流れる発光電流Iの流量を調整する。その結果、複数の発光領域Rのそれぞれの複数の発光素子Lに流れる発光電流Iの流量がほぼ一定になるように調整される。また、階調補正回路GAは、外部から受信した外部デジタル信号により特定される入力階調値および電源電圧Vの検出値に基づいて、発光電流Iの値を基準電流の値に近づけるように、入力階調値を補正階調値へ変換する。デジタル-アナログ変換回路DAは、階調補正回路GAが出力した補正階調値を示す補正デジタル信号を、補正階調値に対応する大きさのアナログ信号に変換する。調整トランジスタTrは、アナログ信号により特定される大きさの電圧に対応するように、発光電流の流量を制御する。たとえば、前述の階調補正回路GAの補正によって、タップ階調が1V程度上げられると、実際の最大発光輝度が100cd/m2程度上昇する。
【0043】
したがって、本実施の形態の発光駆動回路LDよっても、電源回路PSから発光素子Lへ印加される電源電圧Vの変動に起因した場合に、発光素子Lに流れる発光電流Iを調整することにより、発光素子Lの輝度の変動を抑制することができる。
【0044】
(実施の形態3)
図7を用いて、実施の形態3の発光駆動回路LDを説明する。なお、下記において実施の形態2の発光駆動回路LDと同様である点についての説明は繰り返さない。本実施の形態の発光駆動回路は、以下の点で、実施の形態2の発光駆動回路と異なる。
【0045】
図7は、実施の形態3の発光駆動回路LDを示す機能ブロック図である。
【0046】
本実施の形態の発光駆動回路LDは、実施の形態2において説明された第2回路基板2および第3回路基板3の2つの基板に分けて設けられている点が、実施の形態2の発光駆動回路LDと異なる。また、本実施の形態の発光駆動回路LDは、階調補正回路GAとして機能する検出ICが、第2回路基板2に設けられている点が、実施の形態2の発光駆動回路LDと異なる。したがって、本実施の形態においては、階調補正回路GAは、基準電圧生成回路21へ補正階調値を示す補正デジタル信号を直接出力し、基準電圧生成回路21が補正デジタル信号を用いて、前述の複数種類、たとえば、8種類の基準電圧を生成する。
【0047】
本実施の形態においても、電流制御回路CCは、電源電圧Vの値に応じて複数の発光素子Lに流れる発光電流Iの流量を調整する。その結果、複数の発光領域Rのそれぞれの複数の発光素子Lに流れる発光電流Iの流量がほぼ一定になるように調整される。また、階調補正回路GAは、外部から受信した外部デジタル信号により特定される入力階調値および電源電圧Vの検出値に基づいて、発光電流Iの値を基準電流の値に近づけるように、入力階調値を補正階調値へ変換する。デジタル-アナログ変換回路DAは、階調補正回路GAが出力した補正階調値を示す補正デジタル信号を、補正階調値に対応する大きさのアナログ信号に変換する。調整トランジスタTrは、アナログ信号により特定される大きさの電圧に対応するように、発光電流の流量を制御する。
【0048】
本実施の形態の発光駆動回路LDによっても、電源回路PSから発光素子Lへ印加される電源電圧Vの変動に起因した場合に、発光素子Lに流れる発光電流Iを調整することにより、発光素子Lの輝度の変動を抑制することができる。
【符号の説明】
【0049】
BL バックライトユニット
CC 電流制御回路
DA デジタル-アナログ変換回路
DL 発光駆動回路
DT データテーブル
GA 階調補正回路
I 発光電流
L 発光素子
PS 電源回路
R 発光領域
Tr 調整トランジスタ
V 電源電圧