(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110042
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240807BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014358
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】390022471
【氏名又は名称】アオイ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 憲貴
(72)【発明者】
【氏名】黒羽 淳史
(72)【発明者】
【氏名】富家 正博
(72)【発明者】
【氏名】高尾 勝大
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA35
5E316AA43
5E316BB11
5E316CC02
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC32
5E316CC55
5E316DD25
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF15
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG18
5E316GG22
5E316GG23
5E316HH40
5E316JJ12
5E316JJ26
(57)【要約】
【課題】半導体装置の性能を向上させる。
【解決手段】半導体装置41は、絶縁層2と絶縁層2の上面2a上に形成された導体層3と絶縁層2の下面2b上に形成された導体層4とを有するベース基板1と、絶縁層2の開口部17内に配置された半導体チップ21と、を備えている。導体層4により複数の端子12が形成され、導体層3により複数の配線11が形成されている。半導体チップ21は、半導体チップ21の複数の電極22のそれぞれが複数の端子12のうちのいずれかと対向するように、絶縁層2の開口部17内に配置されている。半導体チップ21の複数の電極22は、それぞれ対向する端子12と電気的に接続されている。導体層4の厚さは、導体層3の厚さよりも厚い。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側に位置する第1主面および第2主面を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の前記第1主面上に形成された第1銅層と、前記第1絶縁層の前記第2主面上に形成された第2銅層と、を有する基板と、
前記第1絶縁層の第1開口部内に配置され、かつ、複数の表面電極を有する半導体チップと、
を備え、
前記第2銅層により複数の外部接続用端子が形成され、
前記第1銅層により複数の第1配線が形成され、
前記半導体チップは、前記半導体チップの前記複数の表面電極のそれぞれが前記複数の外部接続用端子のうちのいずれかと対向するように、前記第1絶縁層の前記第1開口部内に配置され、
前記半導体チップの前記複数の表面電極のそれぞれは、前記複数の外部接続用端子のうちのいずれかと電気的に接続され、
前記第2銅層の厚さは、前記第1銅層の厚さよりも厚い、半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第2銅層の厚さは、前記第1銅層の厚さの1.4倍以上である、半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1銅層上には、第1めっき層が形成され、
前記第2銅層上には、第2めっき層が形成され、
前記複数の配線のそれぞれは、前記第1銅層と前記第1めっき層とにより形成され、
前記複数の外部接続用端子のそれぞれは、前記第2銅層と前記第2めっき層とにより形成され、
前記複数の外部接続用端子のそれぞれの厚さは、前記複数の第1配線のそれぞれの厚さよりも厚い、半導体装置。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置において、
前記第1めっき層および前記第2めっき層は、それぞれ銅めっき層である、半導体装置。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置において、
前記第2銅層の厚さは、前記第1めっき層および前記第2めっき層のそれぞれの厚さよりも厚い、半導体装置。
【請求項6】
請求項4記載の半導体装置において、
前記第1絶縁層は、第2開口部を更に有し、
前記第2開口部内は、前記第1めっき層で充填され、
前記第2開口部内を充填する前記第1めっき層により、前記複数の外部接続用端子のうちのいずれかと前記複数の第1配線のうちのいずれかとを電気的に接続するプラグ部が形成されている、半導体装置。
【請求項7】
請求項3記載の半導体装置において、
前記半導体チップおよび前記複数の第1配線を覆い、かつ、前記第1絶縁層の前記第1開口部内を埋めるように、前記第1絶縁層上に形成された第2絶縁層を更に有する、半導体装置。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置において、
前記第1絶縁層の前記第2主面上に、前記複数の外部接続用端子のそれぞれの少なくとも一部を覆うように形成された、第3絶縁層を更に有し、
前記第3絶縁層と前記第1絶縁層は、互いに異なる材料からなり、
前記第1絶縁層の前記第2主面側において、前記第1開口部内の前記第2絶縁層は、前記第2銅層および前記第3絶縁層で覆われている、半導体装置。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置において、
前記第3絶縁層と前記第2絶縁層は、互いに異なる材料からなる、半導体装置。
【請求項10】
請求項8記載の半導体装置において、
前記複数の外部接続用端子のそれぞれの底面は、前記第3絶縁層で覆われておらず、その上に第3めっき層が形成されている、半導体装置。
【請求項11】
請求項10記載の半導体装置において、
前記第3めっき層は、金めっき層である、半導体装置。
【請求項12】
請求項10記載の半導体装置において、
前記複数の外部接続用端子のうちの第2端子は、その側面全体が前記第3絶縁層で覆われ、
前記複数の外部接続用端子のうちの第3端子は、その側面の一部上に前記第3めっき層が形成されている、半導体装置。
【請求項13】
請求項7記載の半導体装置において、
前記第2絶縁層上に形成された複数の第2配線と、
前記複数の第2配線を覆うように、前記第2絶縁層上に形成された第4絶縁層と、
を更に有する、半導体装置。
【請求項14】
請求項3記載の半導体装置において、
前記第1絶縁層の前記第1開口部の側面上に前記第1めっき層が形成されている、半導体装置。
【請求項15】
(a)互いに反対側に位置する第1主面および第2主面を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の前記第1主面上に形成された第1銅層と、前記第1絶縁層の前記第2主面上に形成された第2銅層と、を有する基板を準備する工程、
(b)前記第1銅層上に第1めっき層を形成し、前記第2銅層上に第2めっき層を形成する工程、
(c)前記第1めっき層および前記第1銅層をパターニングして複数の第1配線を形成し、前記第2めっき層および前記第2銅層をパターニングして複数の外部接続用端子を形成する工程、
(d)前記第1絶縁層の前記第2主面上に、前記複数の外部接続用端子のそれぞれの少なくとも一部を覆うように、第3絶縁層を形成する工程、
(e)前記第1絶縁層に第1開口部を形成する工程、
(f)複数の表面電極を有する半導体チップを、前記半導体チップの前記複数の表面電極のそれぞれが前記複数の外部接続用端子のうちのいずれかと対向するように、前記第1絶縁層の前記第1開口部内に配置する工程、
(g)前記半導体チップおよび前記複数の第1配線を覆い、かつ、前記第1絶縁層の前記第1開口部内を埋めるように、前記第1絶縁層上に第2絶縁層を形成する工程、
を有し、
前記第2銅層の厚さは、前記第1銅層の厚さよりも厚い、半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項15記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程後で、前記(b)工程前に、
(a1)前記第1銅層および前記第1絶縁層に第2開口部を形成する工程、
を更に有し、
前記(b)工程では、前記第2開口部内を埋めるように、前記第1銅層上に前記第1めっき層が形成される、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関し、例えば、基板に半導体チップを内蔵させた半導体装置およびその製造方法に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造技術として、基板に半導体チップを埋め込む技術がある。
【0003】
特開2014-183179号公報(特許文献1)や特開2012-109621号公報(特許文献2)には、基板に半導体チップを埋め込む技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-183179号公報
【特許文献2】特開2012-109621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、基板の開口部内に半導体チップを埋め込んだ構造を有する半導体装置について検討している。基板の下面に外部接続用端子を設け、基板の上面に配線を設けることができ、基板の開口部内に半導体チップを埋め込むことで、半導体装置の小型化を図ることができる。このような半導体装置において、性能を更に向上させることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態によれば、半導体装置は、第1絶縁層と前記第1絶縁層の第1主面上に形成された第1銅層と前記第1絶縁層の第2主面上に形成された第2銅層とを有する基板と、前記第1絶縁層の第1開口部内に配置された半導体チップと、を備えている。前記第2銅層により複数の外部接続用端子が形成され、前記第1銅層により複数の第1配線が形成されている。前記半導体チップは、前記半導体チップの複数の表面電極のそれぞれが前記複数の外部接続用端子のうちのいずれかと対向するように、前記第1絶縁層の前記第1開口部内に配置されている。前記半導体チップの前記複数の表面電極は、それぞれ対向する前記外部接続用端子と電気的に接続されている。前記第2銅層の厚さは、前記第1銅層の厚さよりも厚い。
【発明の効果】
【0007】
一実施の形態によれば、半導体装置の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施の形態の半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図2】
図1に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図3】
図2に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図4】
図3に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図5】
図4に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図6】
図5に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図7】
図6に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図8】
図7に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図9】
図8に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図10】
図9に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図11】
図10に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図12】
図11に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図13】
図12に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図14】
図13に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図15】
図14に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図16】
図15に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図17】
図16に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図18】
図17に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図19】
図18に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図20】
図8に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図21】
図20に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図22】第1変形例の形態の半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図23】
図22に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図24】
図23に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図25】第2変形例の形態の半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図26】
図25に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図27】
図26に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図28】
図27に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図29】
図28に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図30】
図29に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図31】
図30に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図32】
図31に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図33】
図32に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図34】
図33に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図36】
図35に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図37】
図36に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0010】
<半導体装置の構造と製造工程について>
図1~
図19は、本実施の形態の半導体装置(半導体パッケージ)の製造工程を示す断面図である。また、各図面では1パッケージ分のみ図示しているが、面方向に複数のパッケージが連結した状態で、複数のパッケージを同時に製造することができる。
【0011】
まず、
図1に示されるように、ベース基板1を準備する。ベース基板1は、絶縁層2と、絶縁層2の上面2a上に形成された導体層3と、絶縁層2の下面2b上に形成された導体層4とを有している。絶縁層2の上面2aと下面2bとは、互いに反対側に位置する主面である。絶縁層2は、絶縁性の基材層(ベース層)として機能する。
【0012】
絶縁層2は、例えば、樹脂材料が含侵されたガラス繊維などからなる。導体層3および導体層4は、それぞれ金属材料からなるが、好ましくは、銅(Cu)からなる。このため、導体層3および導体層4のそれぞれは、好ましくは銅層である。好ましくは、プリプレグ層を2枚の銅箔で挟んだものに対して加熱・加圧処理を施すことにより、ベース基板1を作製することができる。この場合、プリプレグ層が絶縁層2となり、一方の銅箔が導体層3となり、他方の銅箔が導体層4となる。導体層3および導体層4は、絶縁層2の両面にめっき法で形成されためっき膜ではなく、絶縁層2の両面に圧着された導体層であることが好ましい。
【0013】
導体層4の厚さT2は、導体層3の厚さT1よりも厚い(すなわちT2>T1)。導体層4の厚さT2は、好ましくは70μm以上であり、例えば70~100μm程度とすることができる。導体層3の厚さT1は、好ましくは50μm以下であり、例えば12~50μm程度とすることができる。導体層4の厚さT2は、好ましくは、導体層3の厚さT1の1.4倍以上である。絶縁層2の厚さT3は、例えば70~100μm程度とすることができる。
【0014】
次に、
図2に示されるように、ベース基板1の上方から導体層3とその下の絶縁層2に対してレーザー光等を照射することなどにより、絶縁層2および導体層3に開口部(孔部)5を形成する。開口部5は、導体層3および絶縁層2を貫通するが、導体層4は貫通せずに、開口部5の底部では、導体層4が残存する。
【0015】
次に、
図3に示されるように、めっき層6およびめっき層7を形成する。例えば、触媒付与処理を施してから無電解めっき処理を行うことにより、シード層(好ましくは銅のシード層)を形成し、そのシード層上に電解めっき層を形成することにより、めっき層6およびめっき層7を形成することができる。この場合、めっき層6およびめっき層7のそれぞれは、シード層とその上の電解めっき層とからなる。シード層よりも電解めっき層の方が厚いため、めっき層6およびめっき層7は、主として電解めっき層からなる。めっき層6およびめっき層7は、同じ金属材料からなる。めっき層6およびめっき層7のそれぞれは、好ましくは、銅(Cu)めっき層である。めっき層6は、開口部5内を埋めるように、導体層3上に形成される。めっき層7は、導体層4上に形成される。めっき層6とめっき層7とは、一つの工程で同時に形成することができる。めっき層6の厚さとめっき層7の厚さは、ほぼ同じである。めっき層6およびめっき層7のそれぞれの厚さは、導体層4の厚さよりも薄く、例えば20~30μm程度とすることができる。
【0016】
次に、
図4に示されるように、めっき層6上にレジストパターン8を形成し、めっき層7上にレジストパターン9を形成する。レジストパターン8は、例えば、フォトレジストフィルムをめっき層6上に貼り付けてから、そのフォトレジストフィルムを露光、現像することにより、形成することができる。同様に、レジストパターン9は、例えば、フォトレジストフィルムをめっき層7上に貼り付けてから、そのフォトレジストフィルムを露光、現像することにより、形成することができる。
【0017】
次に、
図5に示されるように、レジストパターン8をエッチングマスクとして用いてめっき層6および導体層3をエッチングし、レジストパターン9をエッチングマスクとして用いてめっき層7および導体層4をエッチングする。これにより、導体層3とその上のめっき層6とからなる積層膜がパターニングされて配線11が形成され、また、導体層4とその上のめっき層7とからなる積層膜がパターニングされて端子12が形成される。その後、
図6に示されるように、レジストパターン8とレジストパターン9は除去する。
【0018】
配線11は、パターニングされた導体層3およびめっき層6からなり、絶縁層2の上面2a上に複数形成される。端子12は、パターニングされた導体層4およびめっき層7からなり、絶縁層2の下面2b上に複数形成される。端子12は、製造する半導体装置41の外部接続用の端子である。配線11の厚さは、導体層3の厚さとめっき層6の厚さの合計に等しく、端子12の厚さは、導体層4の厚さとめっき層7の厚さの合計に等しい。上述のように、導体層4の厚さは導体層3の厚さよりも厚く、かつ、めっき層6の厚さとめっき層7の厚さはほぼ同じである。このため、端子12の厚さT5は、配線11の厚さT4よりも厚い(すなわちT5>T4)。
【0019】
また、絶縁層2の開口部5内に埋め込まれためっき層6により、導電性のプラグ部13が形成される。このため、プラグ部13は、配線11と一体的に形成される。プラグ部13の下面は、端子12と接している。プラグ部13は、配線11と端子12との間に位置して、その配線11と端子12とを電気的に接続する。
【0020】
ここで、端子12において、絶縁層2の下面2bと接する(対向する)面を、以下では端子12の上面と称し、絶縁層2の下面2bと接する(対向する)側とは反対側の面を、以下では、端子12の下面または端子12の底面と称する。また、絶縁層2の下面2b上に設けられた複数の端子12のうち、後述の
図10の工程で絶縁層2の開口部17内に半導体チップ21を配置したときに、半導体チップ21の電極22と対向する端子12を、以下では端子12aと称する。また、絶縁層2の下面2b上に設けられた複数の端子12のうち、後述の
図18の工程でめっき層38を形成したときに、その側面の一部にもめっき層38が形成される端子12を、以下では端子12bと称する。
【0021】
次に、
図7に示されるように、絶縁層2の下面2b上に、端子12を覆うように、絶縁層15を形成する。絶縁層15は、好ましくは、絶縁層2とは異なる材料からなる。絶縁層15としては、ソルダレジスト層を好適に用いることができる。例えば、スプレー塗布法により形成したソルダレジスト層を用いることができる。
図7の場合は、絶縁層15は、端子12の形状に対してコンフォーマルに塗布されている。他の形態として、隣り合う端子12の間が絶縁層15で満たされるように、絶縁層15を形成することもでき、その場合、絶縁層15として、ドライフィルムタイプのソルダレジスト層を好適に用いることができる。
【0022】
次に、
図8に示されるように、各端子12の一部が露出するように、絶縁層15をパターニングする。例えば、絶縁層15上にレジストパターン(図示せず)を上記レジストパターン9と同様の手法で形成してから、そのレジストパターンをエッチングマスクとして用いて絶縁層15をエッチングすることにより、絶縁層15をパターニングすることができる。このパターニング工程では、各端子12の下面上の絶縁層15が除去されることで、各端子12の下面が露出される。各端子12の側面上の絶縁層15は残存する。但し、絶縁層2の下面2b上に設けられた複数の端子12のうちの一部の端子12bについては、その端子12bの側面の一部上の絶縁層15は除去され、その端子12bの側面の一部が露出される。また、絶縁層2の下面2bの外周部上の絶縁層15は除去され得るが、絶縁層2の下面2bの外周部以外では、絶縁層2の下面2b上の絶縁層15は残存する。
【0023】
このため、
図8の段階では、絶縁層2の下面2b上に絶縁層15が形成され、端子12bの側面の一部と端子12b以外の端子12の側面全体とが絶縁層15で覆われた状態となる。端子12bの側面の一部と、端子12bの下面と、端子12b以外の端子12の下面は、絶縁層15で覆われずに露出している。
【0024】
次に、
図9に示されるように、絶縁層2に開口部17を形成する。開口部17は、絶縁層2を貫通するように形成され、開口部17の底部では、端子12aの上面と絶縁層15の上面とが露出される。なお、開口部17の底部で露出される端子12aの上面は、開口部17を形成する直前まで絶縁層2と接していた面である。また、開口部17の底部で露出される絶縁層15の上面は、開口部17を形成する直前まで絶縁層2と接していた面である。
【0025】
絶縁層2の開口部17は、レーザー加工、ドリルによる加工、あるいはサンドブラストによる加工などにより形成することができる。
【0026】
次に、
図10に示されるように、絶縁層2の開口部17内に半導体チップ21を配置する。半導体チップ21は、その表面に形成された複数の電極(パッド電極)22と、その裏面に形成された裏面電極23とを有している。半導体チップ21において、電極22と裏面電極23とは、互いに反対側に位置している。電極22は、半導体チップ21の表面側に形成されているため、表面電極とみなすことができる。各電極22は、半導体チップ21の最上層保護膜の開口部から露出する導電膜からなる。半導体チップ21の電極22上には、予め金属層を形成しておくこともでき、その場合は、その金属層も電極22の一部とみなすことができる。また、ここでは、半導体チップ21が裏面電極23を有する場合について図示および説明しているが、半導体チップ21が裏面電極23を有さない場合もあり得る。
【0027】
半導体チップ21は、半導体チップ21の裏面(裏面電極23)が上を向き、半導体チップ21の複数の電極22が複数の端子12aとそれぞれ対向するように、絶縁層2の開口部17内に配置される。すなわち、半導体チップ21は、フェイスダウンで配置される。
【0028】
半導体チップ21の各電極22と各端子12aとは、上下方向(ベース基板1の厚さ方向)に対向しているが、半導体チップ21の電極22と端子12aとの間には、導電性の接合材24(例えば半田)が介在する。半導体チップ21の配置後、接合材24を硬化させる処理を行う。接合材24が半田の場合は、この処理は半田リフロー処理である。半導体チップ21の各電極22は、導電性の接合材24を介して各端子12aと接合されて電気的に接続される。これにより、半導体チップ21は、端子12aに固定される。接合材24は、半田バンプなどのバンプ電極であってもよい。
【0029】
次に、
図11に示されるように、絶縁層26を形成する。絶縁層26は、半導体チップ21および配線11を覆い、かつ、開口部17内を埋める(充填する)ように、絶縁層2の上面2a上に形成される。絶縁層26は、好ましくは、絶縁層2とは異なる材料からなる。また、絶縁層26は、好ましくは、絶縁層15とは異なる材料からなる。絶縁層26としては、モールド樹脂を好適に用いることができる。モールド樹脂は、熱硬化性樹脂などの絶縁性の樹脂材料からなる。絶縁層26を形成すると、半導体チップ21と配線11は、絶縁層26で覆われるため、露出されない状態となる。半導体チップ21と絶縁層2の開口部17の側壁との間の隙間は絶縁層26で充填され、半導体チップ21は絶縁層26により封止される。
【0030】
次に、
図12に示されるように、絶縁層26に開口部27を形成する。開口部27の底部では、配線11の一部や、あるいは、半導体チップ21の裏面電極23が露出する。開口部27は、例えばレーザー加工などにより形成することができる。
【0031】
次に、
図13に示されるように、絶縁層26上に配線(配線層)28を形成する。配線28は、例えば、次のようにして形成することができる。すなわち、絶縁層26上に無電解めっき法を用いてシード層を形成してから、そのシード層上にレジストパターンを形成する。それから、レジストパターンで覆われずに露出する部分のシード層上に、電解めっき層を形成する。その後、レジストパターンを除去してから、電解めっき層で覆われずに露出する部分のシード層を、エッチングなどにより除去する。これにより、シード層と電解めっき層とからなる配線28が形成される。絶縁層26の開口部27内は、配線28の一部により埋め込まれる。このため、配線28は、絶縁層26の開口部27から露出される配線11または裏面電極23と電気的に接続される。配線28の厚さは、例えば20~30μm程度とすることができる。
【0032】
次に、
図14に示されるように、絶縁層26上に、配線28を覆うように、絶縁層31を形成する。例えば、絶縁フィルムを、配線28を覆うように、絶縁層26に貼り付けることにより、絶縁層31を形成することができる。
【0033】
次に、
図15に示されるように、絶縁層31に開口部32を形成する。開口部32の底部では、配線28の一部が露出する。開口部32は、例えばレーザー加工などにより形成することができる。
【0034】
次に、
図15に示されるように、絶縁層31上に配線(配線層)33を形成する。配線33の形成法は、配線28の形成法と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。絶縁層31の開口部32内は、配線33の一部により埋め込まれる。このため、配線33は、絶縁層31の開口部32から露出される配線28と電気的に接続される。配線33の厚さは、例えば20~30μm程度とすることができる。
【0035】
次に、
図16に示されるように、配線33上に電子部品35を配置する。配置する電子部品35の数は任意である。電子部品35の電極は、半田などの導電性の接合材36を介して、配線33と電気的に接続される。これにより、電子部品35を、配線11,28,33などを経由して、半導体チップ21が有するいずれかの電極や、あるいは端子12と電気的に接続することができる。電子部品35としては、例えばコイルやコンデンサなどを用いることができる。
【0036】
次に、
図17に示されるように、絶縁層31上に、電子部品35を覆うように、絶縁層37を形成する。絶縁層37としては、モールド樹脂を用いることができる。電子部品35は、絶縁層37により封止される。
【0037】
次に、
図18に示されるように、端子12の表面(露出面)上に、めっき層38を形成する。めっき層38は、例えば金めっき層などからなる。めっき層38は、端子12の表面のうち、絶縁層15で覆われずに露出する部分に形成される。端子12の下面は絶縁層15で覆われていないため、端子12の下面上には、めっき層38が形成される。また、めっき層38を形成する際に、端子12bは、その下面だけでなく、その側面の一部も、絶縁層15で覆われずに露出していたため、端子12bは、その下面上だけでなく、その側面の一部上にも、めっき層38が形成される。端子12b以外の端子12は、その側面全体が絶縁層15で覆われている。このため、端子12b以外の端子12は、その下面にはめっき層38が形成されるが、その側面には、めっき層38は形成されない。
【0038】
その後、隣り合う半導体パッケージ間をダイシングブレードなどにより切断することで、
図19に示される半導体装置(半導体パッケージ)41を得ることができる。
【0039】
図19に示される本実施の形態の半導体装置41は、絶縁層2と絶縁層2の上面2a上に形成された導体層3と絶縁層2の下面2b上に形成された導体層4とを有するベース基板1と、絶縁層2の開口部17内に配置された半導体チップ21と、を備えている。導体層3と導体層4は、具体的には、それぞれ銅層である。導体層4の厚さは、導体層3の厚さよりも厚い。半導体装置41は、複数の端子12を有しているが、それら複数の端子12は、ベース基板1の導体層4により形成されている。端子12は、半導体装置41の外部接続用端子である。また、ベース基板1の導体層3により、絶縁層2の上面2a上に複数の配線11が形成されている。半導体チップ21は、複数の電極(表面電極)22を有している。半導体チップ21は、半導体チップ21の複数の電極22のそれぞれが、半導体装置41が有する複数の端子12のうちのいずれかと対向するように、絶縁層2の開口部17内に配置されている。すなわち、半導体チップ21の各電極22は各端子12aと対向する。半導体チップ21の複数の電極22のそれぞれは、導電性の接合材24を介して、その電極22に対向する端子12(12a)と電気的に接続されている。
【0040】
より特定的には、導体層3上にはめっき層6が形成され、導体層4上にはめっき層7が形成されており、配線11は、導体層3とめっき層6とにより形成され、端子12は、導体層4とめっき層7とにより形成されている。めっき層6とめっき層7は、具体的には、それぞれ銅めっき層である。導体層4が導体層3よりも厚いことを反映して、端子12の厚さは、配線11の厚さよりも厚い。
【0041】
半導体装置41は、半導体チップ21および複数の配線11を覆い、かつ、絶縁層2の開口部17内を埋めるように絶縁層2上に形成された絶縁層26を更に有している。また、半導体装置41は、絶縁層26上に形成された複数の配線28と、それら複数の配線28を覆うように絶縁層26上に形成された絶縁層31とを、更に有している。
【0042】
半導体装置41の絶縁層2は、開口部5を更に有し、開口部5内はめっき層6で充填されている。開口部5内を充填するめっき層6により、導電性のプラグ部13が形成されている。半導体装置41は、プラグ部13を1つ以上有しており、好ましくはプラグ部13を複数有している。各プラグ部13は、半導体装置41が有する複数の端子12のうちのいずれかと、絶縁層2上に形成された複数の配線11のうちのいずれかとを、電気的に接続している。
【0043】
半導体装置41は、絶縁層2の下面2b上に、各端子12の少なくとも一部を覆うように形成された絶縁層15を、更に有している。絶縁層2と絶縁層15とは、互いに異なる材料からなり、絶縁層2の下面2b側において、開口部17内の絶縁層26は、導体層4および絶縁層15で覆われている。また、絶縁層26と絶縁層15とは、互いに異なる材料からなる。絶縁層15は、絶縁層26を形成する前に、形成されている。
【0044】
各端子12の下面(底面)は、絶縁層15で覆われておらず、その上にめっき層38が形成されている。めっき層38は、好ましくは金めっき層である。半導体装置41が有する複数の端子12のうちの一部の端子12bは、その側面の一部上にめっき層38が形成されており、端子12b以外の端子12は、その側面全体が絶縁層15で覆われている。端子12bは、例えば、半導体装置41が有する複数の端子12のうち、絶縁層2の下面2bの外周付近に位置する端子12である。
【0045】
本実施の形態の半導体装置41では、ベース基板1の上面2a上に形成された配線構造が含んでいる配線層は3層(配線11と配線28と配線33の3層)であるが、少なくとも1層以上であればよく、4層以上であってもよい。
【0046】
また、半導体装置41が電子部品35を含んでいない場合もあり得る。その場合は、絶縁層37の形成を省略することができ、また、配線33の形成を省略することができる。なお、半導体装置41が電子部品35を含んでいる場合は、半導体装置を実装する実装基板などにおいて、その電子部品を搭載するのに必要なスペースが不要となる。
【0047】
<主要な特徴と効果について>
本実施の形態の半導体装置41は、絶縁層2と絶縁層2の上面2a上に形成された導体層3と絶縁層2の下面2b上に形成された導体層4とを有するベース基板1と、絶縁層2の開口部17内に配置された半導体チップ21と、を備えている。ベース基板1の導体層4により、半導体装置41の外部接続用端子である複数の端子12が形成されている。また、ベース基板1の導体層3により、絶縁層2の上面2a上に複数の配線11が形成されている。半導体チップ21は、半導体チップ21の複数の電極22のそれぞれが半導体装置41が有する複数の端子12のうちのいずれかと対向するように、絶縁層2の開口部17内に配置されており、半導体チップ21の各電極22は、その電極22に対向する端子12と電気的に接続されている。絶縁層2の開口部17内に半導体チップ21が配置されていることで、半導体装置の小型化を図ることができる。
【0048】
本実施の形態の主要な特徴のうちの一つは、導体層4の厚さが導体層3の厚さよりも厚いことである。導体層4の厚さは、好ましくは、導体層3の厚さの1.4倍以上である。具体的には、導体層4の厚さは70μm以上であることが好ましく、また、導体層4の厚さは50μm以下であることが好ましい。
【0049】
半導体装置の外部接続用端子は、半導体装置の外部の種々の回路と半導体装置が内蔵する半導体チップ内の種々の回路との間の入出力経路として機能するため、外部接続用端子の電気抵抗をできるだけ抑制することが、半導体装置の性能の向上につながる。本実施の形態では、導体層4の厚さを厚くすることで、導体層4により形成される端子12の厚さを厚くすることができ、それによって、端子12の電気抵抗を抑制することができる。これにより、外部接続用端子としての端子12を有する半導体装置41の性能を向上させることができる。
【0050】
例えば、半導体チップ21がパワートランジスタを有する電力用の半導体チップの場合には、もしも端子12の電気抵抗が大きければ、半導体チップ21からの出力電力に対して端子12での電力損失が増大してしまい、要求される電気的特性が得られない可能性がある。それに対して、本実施の形態では、導体層4の厚さを厚くすることで、端子12の厚さを厚くし、それによって端子12の電気抵抗を抑制することができるため、半導体チップ21がパワートランジスタを有する電力用の半導体チップの場合には、半導体チップ21からの出力電力に対する端子12での電力損失を抑制することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、導体層4の厚さを厚くすることで、端子12の厚さを厚くし、それによって端子12の熱抵抗を抑制することができる。これにより、半導体チップ21で生じた熱を、端子12を通じて半導体装置41の外部に放熱しやすくなるため、半導体装置41の放熱特性を向上させことができる。
【0052】
また、絶縁層2の上面2a上に形成されるのは、半導体装置41の外部接続用端子ではなく、半導体装置41の内部配線である配線11である。半導体装置の外部接続用端子と内部配線は、いずれも低抵抗であることが望ましいが、電気抵抗を低減することの重要さは、半導体装置の内部配線よりも、半導体装置の外部接続用端子の方が大きい。言い換えると、半導体装置の性能向上のためには、半導体装置の外部接続用端子の電気抵抗を抑制することは、極めて重要であるが、それに比べると、半導体装置の内部配線の電気抵抗をそれほど小さくしない場合も許容できる。また、半導体装置の外部接続用端子の熱抵抗を抑制することは、半導体装置の放熱特性を向上させる上で重要であるが、半導体装置の内部配線は、半導体装置の放熱特性にあまり影響しない。このため、導体層4の厚さを厚くすることで、半導体装置41の放熱特性を向上させることができるが、導体層3を厚くしなくとも、半導体装置41の放熱特性にはほとんど影響しない。
【0053】
一方、導体層3を厚くすることは、半導体装置41の厚さの増加につながる。このため、半導体装置41の小型化(厚さの抑制)の観点では、導体層3の厚さを抑制することが望ましい。
【0054】
本実施の形態とは異なり、導体層3の厚さと導体層4の厚さが同じ場合には、導体層4の厚さを厚くすると、必然的に導体層3の厚さも厚くなる。この場合、導体層4の厚さを厚くして端子12の電気抵抗を抑制すると、必然的に導体層3の厚さも厚くなり、半導体装置41の厚さが増大してしまう。
【0055】
本実施の形態では、導体層4の厚さは、導体層3の厚さよりも厚い。このため、配線11の厚さは端子12の厚さよりも薄くなるが、導体層3の厚さを薄くしたことで、半導体装置41の厚さを抑制することができ、半導体装置41の小型化を図ることができる。
【0056】
本実施の形態では、電気抵抗や熱抵抗を低減することの重要さは、半導体装置の内部配線よりも、半導体装置の外部接続用端子の方が大きいことを考慮し、導体層4の厚さと導体層3の厚さとを同じにするのではなく、導体層4の厚さを導体層3の厚さよりも厚くしている。これにより、導体層4の厚さを厚くして端子12の電気抵抗や熱抵抗を抑制することと、導体層3を薄くして半導体装置41の厚さを抑制することとを、両立させることができる。その結果、端子12の電気抵抗や熱抵抗の抑制による半導体装置41の性能向上と、半導体装置41の厚さの抑制による半導体装置41の小型化とを、両立させることができる。
【0057】
また、本実施の形態の半導体装置41においては、導体層3上にはめっき層6が形成され、導体層4上にはめっき層7が形成されており、配線11は、導体層3とめっき層6とにより形成され、端子12は、導体層4とめっき層7とにより形成されている。めっき層6とめっき層7は、具体的には、それぞれ銅めっき層である。
【0058】
本実施の形態とは異なり、導体層3の厚さと導体層4の厚さとを同じにし、かつ、導体層4上に厚いめっき層を形成して、外部接続用端子の厚さを厚くする場合を仮定する。この場合、厚いめっき層を形成することは生産効率の低下を招くため、半導体装置の製造コストの増加を招いてしまう。また、この場合、導体層3上のめっき層と、導体層4上のめっき層とを一つの工程で同時に形成すると、導体層4上のめっき層とを厚くすることは、必然的に導体層3上のめっき層を厚くすることにつながるため、半導体装置の厚さの増加を招いてしまう。一方、導体層3上のめっき層と、導体層4上のめっき層とを、別工程で形成すると、半導体装置の製造コストの増加を招いてしまう。
【0059】
それに対して、本実施の形態では、導体層4の厚さは、導体層3の厚さよりも厚く、好ましくは、70μm以上の厚さを有している。導体層4の厚さを厚くした分、導体層4上のめっき層7の厚さをそれほど厚くしなくとも、端子12の厚さを厚くすることができるため、端子12の電気抵抗や熱抵抗の抑制と、半導体装置の生産効率の向上とを、両立することができる。めっき層6およびめっき層7のそれぞれの厚さは、好ましくは、導体層4の厚さよりも薄く、これにより、半導体装置の生産効率を向上させることができる。
【0060】
また、導体層3上のめっき層6と導体層4上のめっき層7とは、一つの工程で同時に形成することが好ましく、それにより、半導体装置の製造工程数を低減することができる。この場合、導体層3上のめっき層6と導体層4上のめっき層7とは、ほぼ同じ厚さとなるが、本実施の形態では、導体層4の厚さを厚くした分、導体層4上のめっき層7の厚さを抑制でき、それを反映して、導体層3上のめっき層6の厚さも抑制することができる。このため、導体層3上のめっき層6と導体層4上のめっき層7とを一つの工程で同時に形成しても、端子12の厚さを厚くして端子12の電気抵抗や熱抵抗を抑制することと、配線11を薄くして半導体装置41の厚さを抑制することとを、両立させることができる。その結果、端子12の電気抵抗や熱抵抗の抑制による半導体装置41の性能向上と、半導体装置41の厚さの抑制による半導体装置41の小型化とを、両立させることができる。
【0061】
また、本実施の形態とは異なり、リードフレームを用いて半導体装置を製造する場合は、リードフレームの平面寸法を大きくすることは、容易ではない。なぜなら、平面寸法が大きなリードフレームは、搬送時などに変形やすいからである。
【0062】
それに対して、本実施の形態では、リードフレームではなく、絶縁層の両面に導体層が形成されたベース基板(上記ベース基板1に対応)を用いて半導体装置を製造している。このため、平面寸法が大きなベース基板を用いて半導体装置を製造することもできるため、一枚のベース基板から製造され得る半導体装置の数を多くすることができる。このため、半導体装置の生産効率を向上させることができる。
【0063】
また、本実施の形態の半導体装置41は、絶縁層2の開口部17内を充填し、かつ、半導体チップ21および複数の配線11を覆うように絶縁層2上に形成された絶縁層26を、更に有している。これにより、半導体チップ21を絶縁層26で封止して保護することができる。
【0064】
また、本実施の形態の半導体装置41は、各端子12の少なくとも一部を覆うように、絶縁層2の下面2b上に形成された絶縁層15を、更に有している。絶縁層2の下面2b側において、開口部17内の絶縁層26は、導体層4および絶縁層15で覆われている。これにより、絶縁層15が形成された状態で、すなわち、絶縁層2の開口部17の底部を絶縁層15と導体層4とで覆った状態で、絶縁層26を形成することができるため、絶縁層26を形成しやすくなる。絶縁層2と絶縁層15と絶縁層26とは、好ましくは、互いに異なる材料からなる。
【0065】
また、本実施の形態の半導体装置41において、各端子12の下面(底面)は、絶縁層15で覆われておらず、各端子12の下面上には、めっき層38が形成されている。めっき層38は、好ましくは金めっき層である。これにより、半導体装置41を実装基板などに実装する際に、半導体装置41の各端子12を実装基板などの端子に、半田などの導電性接合材を介して的確に接続することができる。
【0066】
また、本実施の形態の半導体装置41が有する複数の端子12のうちの一部の端子12bは、その側面の一部上にめっき層38が形成されており、端子12b以外の端子12は、その側面全体が絶縁層15で覆われている。これにより、半導体装置41を実装基板などに半田を用いて実装する際に、半導体装置41の端子12と実装基板などの端子との半田を介した接続状態を確認することができる。
【0067】
すなわち、半導体装置41を実装基板に実装する際には、半導体装置41の端子12が実装基板に対向する向きで半導体装置41を実装基板に搭載し、半導体装置41の外部接続用端子である端子12(具体的には端子12の表面のめっき層38)を実装基板の端子に、導電性接合材(ここでは半田)を介して接続する。この際、半導体装置41の端子12bの側面の一部にめっき層38が形成されていることで、半田は端子12bの側面上に這い上がり、フィレットが形成される。端子12bの側面に形成されたフィレットが、ベース基板1の側面よりも外に濡れ拡がることで、半導体装置41の端子12と実装基板の端子との半田接続の状態を、上面から、つまりはベース基板1の端子12が形成されている側とは反対の側から、容易に確認することができる。具体的には、外観検査において上面からフィレットが確認できる場合は、半導体装置41の端子12と実装基板の端子との半田接続が良好であると判断することができる。一方、上面からフィレットが確認できない場合は、半導体装置41の端子12と実装基板の端子との半田接続が良好ではないと判断することができる。
【0068】
また、本実施の形態の半導体装置41においては、絶縁層2は半導体チップ21を配置するための開口部17以外に、開口部5を更に有している。絶縁層2の開口部5内はめっき層6で充填されており、開口部5内を充填するめっき層6により、配線11と端子12とを電気的に接続する導電性のプラグ部13が形成されている。プラグ部13を設けたことにより、半導体装置41の端子12と絶縁層2の上面2a上の配線11とをプラグ部13を介して電気的に接続することができる。
【0069】
絶縁層2の開口部17は、レーザー加工、ドリルによる加工、あるいはサンドブラストによる加工などにより形成することができる。
【0070】
図20および
図21は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の断面図である。
図20には、上記
図9と同じ工程(開口部17形成工程)が示され、
図21には、上記
図10と同じ工程(半導体チップ21配置工程)が示されている。
【0071】
レーザー加工により開口部17を形成した場合には、
図20にも示されるように、開口部17の底部で露出する絶縁層15がレーザー照射により除去されてしまい、開口部17の底部で絶縁層15に開口部(貫通孔)51が形成されてしまう場合がある。この絶縁層15の開口部51は、絶縁層2の開口部17と連通する。この場合、
図21に示されるように、絶縁層2の開口部17内に半導体チップ21を配置すると、開口部17の底部において、絶縁層15に開口部51が形成された状態は維持される。この状態で、絶縁層2の開口部17内を充填する上記絶縁層26を形成しようとすると、絶縁層26を形成するための樹脂材料が、絶縁層15の開口部51から漏れ出てしまい、上記絶縁層26を的確に形成することが難しくなる。このため、絶縁層15に開口部51が形成される場合には、樹脂漏れ防止用のテープ部材を用いて、絶縁層26を形成するための樹脂材料が絶縁層15の開口部51から漏れ出るのを防ぐか、または、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザーを用いるとともに、絶縁層15としてYAGレーザーが透過可能な透明な樹脂材料を用いることにより、絶縁層2の開口部17をYAGレーザーを用いて形成する際に、開口部17の底部で絶縁層15に開口部が形成されるのを防ぐことが好ましい。
【0072】
<第1変形例>
本実施の形態の第1変形例は、絶縁層15形成工程の変形例である。
図22~
図24は、第1変形例の半導体装置の製造工程中の断面図である。以下、
図22~
図24を参照して、第1変形例の製造工程について説明する。
【0073】
上述のようにして上記
図6の構造を得た後、
図22に示されるように、絶縁層2の下面2b上に絶縁層15aを形成する。絶縁層15aは、液状樹脂からなる。絶縁層15aの厚さは、端子12の厚さよりも薄く、例えば端子12の厚さの半分程度である。このため、絶縁層15aを形成すると、各端子12の一部が絶縁層15aから突出した状態となる。
【0074】
次に、絶縁層15a上に、各端子12を覆うように、絶縁層15bを形成してから、各端子12の一部が露出するように絶縁層15bおよび絶縁層15aをパターニングすることにより、
図23の構造が得られる。第1変形例の場合は、絶縁層15は、絶縁層15aと絶縁層15a上の絶縁層15bとの積層膜からなる。絶縁層15bとしては、例えばソルダレジスト層を好適に用いることができる。
図23に示されるように、絶縁層2の下面2b上に、絶縁層15aと絶縁層15a上の絶縁層15bとの積層膜からなる絶縁層15が形成され、端子12bの側面の一部と端子12b以外の端子12の側面全体とが絶縁層15で覆われた状態となる。端子12bの側面の一部と、端子12bの下面と、端子12b以外の端子12の下面とは、絶縁層15で覆われずに露出している。
【0075】
次に、
図24に示されるように、絶縁層2に開口部17を形成する。開口部17の形成法は、上述した通りである。開口部17は、絶縁層2を貫通するように形成され、開口部17の底部では、端子12aの上面と絶縁層15の上面とが露出される。なお、開口部17の底部で露出される端子12aの上面は、開口部17を形成する直前まで絶縁層2と接していた面である。また、開口部17の底部で露出される絶縁層15の上面は、開口部17を形成する直前まで絶縁層2と接していた絶縁層15aの上面である。
【0076】
以降の工程は、上記
図10~
図19の工程と同様であるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0077】
<第2変形例>
本実施の形態の第2変形例は、半導体装置の製造工程の変形例である。
図25~
図36は、第2変形例の半導体装置の製造工程中の断面図である。以下、
図25~
図36を参照して、第2変形例の製造工程について説明する。
【0078】
上記
図1に示されるように、絶縁層2と絶縁層2の上面2a上の導体層3と絶縁層2の下面2b上の導体層4とを有するベース基板1を準備した後、
図25に示されるように、ベース基板1の上方から導体層3とその下の絶縁層2に対しレーザー光等を照射することなどにより、絶縁層2および導体層3に開口部5および開口部17を形成する。開口部5および開口部17は、導体層3および絶縁層2を貫通するが、導体層4は貫通せずに、開口部5および開口部17のそれぞれの底部では、導体層4が残存する。
【0079】
次に、
図26に示されるように、めっき層6およびめっき層7を形成する。めっき層6およびめっき層7の形成法については、上記
図3を参照して説明したものと同様である。めっき層6およびめっき層7は、同じ金属材料からなり、好ましくは、それぞれ銅(Cu)めっき層である。
【0080】
めっき層6は、開口部5内を埋めるように、導体層3上に形成される。開口部17の平面寸法(平面積)は開口部5の平面寸法よりも大きい。このため、開口部5内はめっき層6で充填されるが、開口部17内はめっき層6で完全には埋まらずに、絶縁層2の上面2a上のめっき層6とほぼ同じ厚さのめっき層6が、開口部17の側面(側壁)上と、開口部17の底部で露出する導体層4上とに、形成される。めっき層7は、導体層4上に形成される。めっき層6とめっき層7とは、一つの工程で同時に形成することができ、めっき層6の厚さとめっき層7の厚さは、ほぼ同じである。めっき層6およびめっき層7のそれぞれの厚さは、導体層4の厚さよりも薄く、例えば、20~30μm程度とすることができる。
【0081】
次に、
図27に示されるように、めっき層6上にレジストパターン61を形成する。レジストパターン61は、例えば、フォトレジストフィルムをめっき層6上に貼り付けてから、そのフォトレジストフィルムを露光、現像することにより、形成することができる。
【0082】
次に、
図28に示されるように、レジストパターン61をエッチングマスクとして用いてめっき層6および導体層3をエッチングする。これにより、導体層3とその上のめっき層6とからなる積層膜がパターニングされて配線11が形成される。その後、
図29に示されるように、レジストパターン61を除去する。開口部17の側面上のめっき層6と開口部17の底部で露出する導体層4上のめっき層6は、除去されずに残存している。また、めっき層7も残存している。配線11は、パターニングされた導体層3およびめっき層6からなり、絶縁層2の上面2a上に複数形成される。また、絶縁層2の開口部5内に埋め込まれためっき層6により、導電性のプラグ部13が形成される。このため、プラグ部13は、配線11と一体的に形成される。
【0083】
次に、
図30に示されるように、絶縁層2の上面2a上に、配線11およびめっき層6を覆うように、かつ、開口部17内を埋めるように、レジスト層63を形成する。また、めっき層7上にレジストパターン62を形成する。レジスト層63およびレジストパターン62は、液状のフォトレジストを用いて形成することができる。レジストパターン62は、塗布後に露光、現像されることで、パターニングされている。
【0084】
次に、
図31に示されるように、レジストパターン62をエッチングマスクとして用いてめっき層7および導体層4をエッチングする。これにより、導体層4とその上のめっき層7とからなる積層膜がパターニングされて端子12が形成される。
【0085】
端子12は、パターニングされた導体層4およびめっき層7からなり、絶縁層2の下面2b側に複数形成される。上述のように、導体層4の厚さは導体層3の厚さよりも厚く、かつ、めっき層6の厚さとめっき層7の厚さはほぼ同じである。このため、端子12の厚さT5は、配線11の厚さT4よりも厚い(すなわちT5>T4)。プラグ部13は、配線11と端子12との間に位置して、その配線11と端子12とを電気的に接続する。
【0086】
また、
図31のエッチング工程で、開口部17の底部のめっき層6のうち、端子12a上に位置しない部分のめっき層6は、エッチングされて除去される。一方、端子12aの上面上に位置する部分のめっき層6は、エッチングされずに残存する。このため、端子12aの上面上には、めっき層6が存在している。
【0087】
次に、
図32に示されるように、絶縁層2の下面2b上に絶縁層15を形成する。絶縁層15は、絶縁層2とは異なる材料からなり、レジスト層を好適に用いることができる。例えば、液状の樹脂を絶縁層2の下面2b上に、端子12を覆うように塗布した後、露光、現像を行いパターニングすることにより、絶縁層15を形成することができる。その後、
図33に示されるように、レジストパターン62とレジスト層63を除去する。
図33に示されるように、絶縁層2の下面2b上に絶縁層15が形成され、端子12bの側面の一部と端子12b以外の端子12の側面全体とが絶縁層15で覆われた状態となる。端子12bの側面の一部と、端子12bの下面と、端子12b以外の端子12の下面とは、絶縁層15で覆われずに露出している。また、絶縁層2の下面2b側において、開口部17の底部は、絶縁層15と端子12aとで塞がれている。
【0088】
また、絶縁層2の下面2b上に、ドライフィルムレジストを貼り付けてからパターニングすることにより、
図34に示されるように絶縁層15上にレジスト層64をさらに形成しても良い。この場合、液状の樹脂による絶縁層15の形成が不十分で、端子12間の絶縁層15による封止が不十分であったとしても、絶縁層15上のレジスト層64がそれを補い、端子12のめっき層38を形成する領域を、正確に露出させることができる。また、めっき層38を形成する領域が最小限となるよう、端子12の一部までレジスト層64で覆うことで、端子12におけるめっき層38を形成する領域を減少させ、めっきに用いる金属を削減することができる。
【0089】
次に、
図35に示されるように、絶縁層2の開口部17内に半導体チップ21を配置する。半導体チップ21は、半導体チップ21の裏面が上を向き、半導体チップ21の複数の電極22が複数の端子12aとそれぞれ対向するように、絶縁層2の開口部17内に配置される。
【0090】
なお、
図35~
図37は、絶縁層15上にレジスト層64を形成しなかった場合について図示しているが、
図34のように絶縁層15上にレジスト層64を形成した場合には、
図35~
図37においても、
図34と同様に絶縁層15上にレジスト層64が形成された状態となる。
【0091】
半導体チップ21の各電極22と各端子12aとは、上下方向(ベース基板1の厚さ方向)に対向しているが、半導体チップ21の電極22と端子12aとの間には、導電性の接合材24(例えば半田)とめっき層6とが介在する。この場合、導電性の接合材24は、半導体チップ21の電極22と端子12a上のめっき層6との間に介在する。半導体チップ21の配置後、接合材24を硬化させる処理(例えば半田リフロー処理)を行う。半導体チップ21の各電極22は、導電性の接合材24およびめっき層6を介して各端子12aと電気的に接続される。
【0092】
また、半導体チップ21の電極22を、めっき層6を介して絶縁層2の上面2a上の配線11aと電気的に接続することができる。具体的には、半導体チップ21の電極22を、導電性の接合材24と、端子12a上のめっき層6と、開口部17の側面上のめっき層6とを介して、絶縁層2の上面2a上の配線11aと電気的に接続することができる。ここで、配線11aは、絶縁層2の上面2a上に形成された複数の配線11のうち、半導体チップ21の電極22と電気的に接続すべき配線11である。
【0093】
次に、
図35に示されるように、絶縁層26を形成する。絶縁層26は、半導体チップ21、配線11および開口部17内のめっき層6を覆い、かつ、開口部17内を埋めるように、絶縁層2の上面2a上に形成される。半導体チップ21は絶縁層26により封止される。
【0094】
その後の工程は、上記
図12~
図19の工程と同様であるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
図35に示されるように絶縁層26を形成した後、上記
図12~
図19の工程と同様の工程を行うことにより、
図36に示される半導体装置41aが製造される。ここで、第2変形例の半導体装置41を半導体装置41aと称する。
【0095】
図36に示される第2変形例の半導体装置41aは、以下の点が、上記
図19に示される半導体装置41と相違している。
【0096】
すなわち、第2変形例の半導体装置41aにおいては、絶縁層2の開口部17の側面上にめっき層6が形成されている。また、開口部17の底部において、端子12aの上面上にめっき層6が形成されている。半導体チップ21の電極22は、半導体チップ21の電極22と端子12aとの間に介在する導電性の接合材24とめっき層6とを介して、端子12aと電気的に接続されている。
【0097】
また、第2変形例の半導体装置41aにおいては、半導体チップ21の電極22を、めっき層6を介して絶縁層2の上面2a上の配線11aと電気的に接続することができる。具体的には、半導体チップ21の電極22を、導電性の接合材24と、端子12aの上面上のめっき層6と、開口部17の側面上のめっき層6とを介して、絶縁層2の上面2a上の配線11aと電気的に接続することができる。
【0098】
このため、第2変形例の場合は、半導体チップ21の電極22を導電性の接合材24と端子12aとプラグ部13とを介して絶縁層2の上面2a上の配線11aと電気的に接続する場合に比べて、半導体チップ21の電極22と絶縁層2の上面2a上の配線11aとの間の接続抵抗を低減することできる。これにより、半導体装置の性能を更に向上させることができる。
【0099】
また、第2変形例の場合は、半導体チップ21の電極22は、導電性の接合材24を介して端子12a上のめっき層6と接続され、そのめっき層6を介して端子12aと接続される。端子12aの表面は、開口部17を形成するまで絶縁層2の下面2bと接していた導体層4の表面であるため、表面粗さが大きい(粗い)状態になっている。端子12aの表面に比べると、端子12a上のめっき層6の表面は、表面粗さが小さい。第2変形例の場合は、半導体チップ21の電極22は、表面粗さが大きい端子12aの表面ではなく、表面粗さが小さいめっき層6の表面に対して、導電性の接合材24を介して接続されるため、半導体チップ21の電極22と端子12a上のめっき層6との接続抵抗を低減することができる。その結果、半導体チップ21の電極22と端子12aとの接続抵抗を低減することができる。
【0100】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0101】
1 ベース基板
2 絶縁層
2a 上面
2b 下面
3,4 導体層
5 開口部
6,7 めっき層
8,9 レジストパターン
11,11a 配線
12,12a,12b 端子
13 プラグ部
15,15a,15b 絶縁層
17 開口部
21 半導体チップ
22 電極
23 裏面電極
24 接合材
26 絶縁層
27 開口部
28 配線
31 絶縁層
32 開口部
33 配線
35 電子部品
36 接合材
37 絶縁層
38 めっき層
41,41a 半導体装置
51 開口部
61,62 レジストパターン
63,64 レジスト層