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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110073
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
A63F7/02 332B
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014425
(22)【出願日】2023-02-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.ウェブサイトの掲載日:令和4年2月14日(公式サイト) ウェブサイトのアドレス:https://www.dynam.jp/information/20220214.html 2.ウェブサイトの掲載日:令和4年3月4日(公式サイト) ウェブサイトのアドレス:https://p-town.dmm.com/machines/4099 3.ウェブサイトの掲載日:令和4年2月26日(YouTube) ウェブサイトのアドレス:https://www.bing.com/videos/search?q=youtube+1GAME+満開まつり&&view=detail&mid=7E8A377AFA009A5505D57E8A377AFA009A5505D5&&FORM=VRDGAR&ru=/videos/search?q=youtube+1GAME+%e6%ba%80%e9%96%8b%e3%81%be%e3%81%a4%e3%82%8a&FORM=HDRSC3#t=14m40s その他 17通
(71)【出願人】
【識別番号】399068889
【氏名又は名称】株式会社ダイナム
(74)【代理人】
【識別番号】110002882
【氏名又は名称】弁理士法人白浜国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】吉野 智行
(72)【発明者】
【氏名】福多 邦二郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一平
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BA02
2C088BA08
2C088BA09
2C088CA06
2C333AA11
2C333CA49
2C333CA79
2C333DA02
(57)【要約】
【課題】遊技者に今まで知ることができなかった正確な情報を与えることによって、遊技者が遊技台の良し悪しを見極めたり、金銭的な不安を解消することができることで、より安心して遊技できる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤2と、始動入賞口14,15と、遊技球を排出するアウト口19と、一般入賞口20と、始動入賞口14,15への入賞ごとに演出図柄の変動及び停止を表示する表示画面28とを含む遊技機1である。遊技機1は、通常遊技状態にて遊技球がアウト口19に排出された回数を求めるアウト口計数部54と、通常遊技状態にて遊技球が始動入賞口14,15に入賞した回数を求める始動入賞口計数部59と、一般入賞口計数部63と、アウト球数が所定の個数の場合にアウト球数とスタート回数を表示対象とする管理処理部58と、表示対象を表示画面28に表示する表示処理部55とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域とそれを囲む外枠とを有する遊技盤と、遊技球が入賞すると大あたり抽選を生じさせる始動入賞口と、遊技球を排出するアウト口と、遊技球が入賞すると賞球のみを生じさせる一般入賞口と、前記始動入賞口への入賞ごとに演出図柄の変動及び停止を表示する表示画面とを含む遊技機において、
遊技球が前記アウト口に排出された回数を求めるアウト口計数部と、
遊技球が前記始動入賞口に入賞した回数であるスタート回数を求める始動入賞口計数部と、
遊技球が前記一般入賞口に入賞した回数を求める一般入賞口計数部と、
前記始動入賞口又は前記一般入賞口に入賞した遊技球の数と前記アウト口に排出された遊技球の数の和であるアウト球数が所定の個数の場合に前記スタート回数を求めて前記アウト球数と前記スタート回数を表示対象とする管理処理部と、
前記表示対象を表示画面に表示する表示処理部と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記管理処理部及び前記表示処理部は、前記アウト球数の累計と前記スタート回数の累計を表示することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
遊技領域とそれを囲む外枠とを有する遊技盤と、遊技球が入賞すると大あたり抽選を生じさせる始動入賞口と、遊技球を排出するアウト口と、遊技球が入賞すると賞球のみを生じさせる一般入賞口と、前記始動入賞口への入賞ごとに演出図柄の変動及び停止を表示する表示画面とを含む遊技機において、
遊技球が前記アウト口に排出された回数を求めるアウト口計数部と、
遊技球が前記始動入賞口に入賞した回数であるスタート回数を求める始動入賞口計数部と、
遊技球が前記一般入賞口に入賞した回数を求める一般入賞口計数部と、
前記始動入賞口又は前記一般入賞口に入賞した遊技球の数と前記アウト口に排出された遊技球の数の和であるアウト球数が所定の個数の場合に前記スタート回数を求めて前記スタート回数を前記アウト球数で割り算した入賞率を表示対象とする管理処理部と、
前記表示対象を表示画面に表示する表示処理部と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
遊技領域とそれを囲む外枠とを有する遊技盤と、遊技球が入賞すると大あたり抽選を生じさせる始動入賞口と、遊技球を排出するアウト口と、遊技球が入賞すると賞球のみを生じさせる一般入賞口と、前記始動入賞口への入賞ごとに演出図柄の変動及び停止を表示する表示画面とを含む遊技機において、
所定の時間を計時する計時部と、
遊技球が前記始動入賞口に入賞した回数であるスタート回数を求める始動入賞口計数部と、を備え、
前記所定の時間あたりの前記スタート回数を求め、前記所定の時間と前記スタート回数とを表示対象とする管理処理部と、
前記表示対象を表示画面に表示する表示処理部と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
遊技領域とそれを囲む外枠とを有する遊技盤と、遊技球が入賞すると大あたり抽選を生じさせる始動入賞口と、遊技球を排出するアウト口と、遊技球が入賞すると賞球のみを生じさせる一般入賞口と、前記始動入賞口への入賞ごとに演出図柄の変動及び停止を表示する表示画面とを含む遊技機において、
遊技球が前記アウト口に排出された回数を求めるアウト口計数部と、
遊技球が前記始動入賞口に入賞した回数であるスタート回数を求める始動入賞口計数部と、
遊技球が前記一般入賞口に入賞した回数を求める一般入賞口計数部と、
前記スタート回数が所定の回数の場合に前記始動入賞口又は前記一般入賞口に入賞した遊技球の数と前記アウト口に排出された遊技球の数の和であるアウト球数を求めて前記スタート回数と前記アウト球数とを表示対象とする管理処理部と、
前記表示対象を表示画面に表示する表示処理部と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項6】
前記管理処理部及び前記表示処理部は、前記アウト球数若しくはスタート回数が一定数増加する毎に、又は一定時間が経過する毎に、前記表示画面に表示される内容を更新することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記管理処理部及び前記表示処理部は、前記表示画面に表示される内容を絵柄、図形又は記号により表示し、前記スタート回数が相対的に多い場合は前記絵柄、図形又は記号の数を相対的に多く表示し、前記スタート回数が相対的に少ない場合は前記絵柄、図形又は記号の数を相対的に少なく表示することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記所定の個数、所定の時間、又は所定の回数を任意に選択し、変更することができることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項9】
前記管理処理部は、オーバーフロー入賞を前記スタート回数から除外することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項10】
前記管理処理部は、通常遊技状態における前記アウト球数、前記スタート回数、前記入賞率等のみを表示対象とすることができる請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項11】
前記管理処理部及び前記表示処理部は、前記表示対象を時系列で複数段階に分け、各段階の前記表示対象を同時に表示し、前記アウト球数若しくは前記スタート回数が一定数増加する毎に、又は所定の時間が経過する毎に前記各段階の前記表示対象を更新して表示することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技用の遊技機の盤面上の風車、遊技釘、役物等の構造物は、遊技球の動きを左右するが、それらの間隔、角度等は厳密な意味で均一ではなく、個体ごとに極わずかな差がある。その結果、遊技球が入賞口に入る率(入賞率)にも遊技機ごとの個体差が生じ、遊技者にとって不公平となっていた。
【0003】
このため、遊技者が入賞率の悪い台で遊技をしたら大きく負ける結果になると不安を感じるおそれがある。特に現在では景品交換価値の高いいわゆる「4パチ」とこれより景品交換価値の低いいわゆる「1パチ」があり、入賞率の悪い遊技機の場合、「4パチ」では「1パチ」より大きく負ける可能性が高い。そこで、一部の遊技者は、遊技の際に自己で所定の回数だけプレイして何回入賞したかを数えるということもある。
【0004】
特許文献1には、遊技機における定められた入賞口に遊技球が入る確率である入賞率の計測値と、前記入賞率の規定値とに基づいて、アウト球により、前記遊技機を第1の特賞状態に遷移させるか否かの特賞抽選であるアウト抽選を行う抽選手段を備える遊技機が記載されている。これにより、遊技機は、規定入賞率と計測入賞率との差分を補完するように、アウト球により、第1の抽選を行うこととなり、遊技機入賞率の個体差による不公平さを低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-090550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の遊技機では遊技する台の遊技球がどのくらい始動入賞口に入賞するかなどの情報はわからない状態なので、遊技者にはどれくらいお金を使うかわからない不安があった。また、従来のデータ表示器(TL=トップランプ:遊技機の上部に設置されている各種データを表示する機器)に表示される内容は始動入賞口に入賞した回数であり、アウト球数の表示はない。また、遊技機から従来のデータ表示器に送信されるアウト球数信号は10球につき1信号であるため、若干のずれが生じてしまう問題点があった。
【0007】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたもので、遊技者に今まで知ることができなかった正確な情報を与えることによって、遊技者が遊技台の良し悪しを見極めたり、金銭的な不安を解消することができることで、より安心して遊技できる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の第1発明は、遊技領域とそれを囲む外枠とを有する遊技盤と、遊技球が入賞すると大あたり抽選を生じさせる始動入賞口と、遊技球を排出するアウト口と、遊技球が入賞すると賞球のみを生じさせる一般入賞口と、前記始動入賞口への入賞ごとに演出図柄の変動及び停止を表示する表示画面とを含む遊技機に関する。
【0009】
本願の第1発明に係る遊技機は、遊技球が前記アウト口に排出された回数を求めるアウト口計数部と、遊技球が前記始動入賞口に入賞した回数であるスタート回数を求める始動入賞口計数部と、遊技球が前記一般入賞口に入賞した回数を求める一般入賞口計数部と、前記始動入賞口又は前記一般入賞口に入賞した遊技球の数と前記アウト口に排出された遊技球の数の和であるアウト球数が所定の個数の場合に前記スタート回数を求めて前記アウト球数と前記スタート回数を表示対象とする管理処理部と、前記表示対象を表示画面に表示する表示処理部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本願の第1発明に係る遊技機は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
(1) 前記管理処理部及び前記表示処理部は、前記アウト球数の累計と前記スタート回数の累計を表示することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【0011】
本願の第2発明は、遊技領域とそれを囲む外枠とを有する遊技盤と、遊技球が入賞すると大あたり抽選を生じさせる始動入賞口と、遊技球を排出するアウト口と、遊技球が入賞すると賞球のみを生じさせる一般入賞口と、前記始動入賞口への入賞ごとに演出図柄の変動及び停止を表示する表示画面とを含む遊技機に関する。
【0012】
本願の第2発明に係る遊技機は、遊技球が前記アウト口に排出された回数を求めるアウト口計数部と、遊技球が前記始動入賞口に入賞した回数であるスタート回数を求める始動入賞口計数部と、遊技球が前記一般入賞口に入賞した回数を求める一般入賞口計数部と、前記始動入賞口又は前記一般入賞口に入賞した遊技球の数と前記アウト口に排出された遊技球の数の和であるアウト球数が所定の個数の場合に前記スタート回数を求めて前記スタート回数を前記アウト球数で割り算した入賞率を表示対象とする管理処理部と、前記表示対象を表示画面に表示する表示処理部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本願の第3発明は、遊技領域とそれを囲む外枠とを有する遊技盤と、遊技球が入賞すると大あたり抽選を生じさせる始動入賞口と、遊技球を排出するアウト口と、遊技球が入賞すると賞球のみを生じさせる一般入賞口と、前記始動入賞口への入賞ごとに演出図柄の変動及び停止を表示する表示画面とを含む遊技機に関する。
【0014】
本願の第3発明に係る遊技機は、所定の時間を計時する計時部と、遊技球が前記始動入賞口に入賞した回数であるスタート回数を求める始動入賞口計数部と、を備え、前記所定の時間あたりの前記スタート回数を求め、前記所定の時間と前記スタート回数とを表示対象とする管理処理部と、前記表示対象を表示画面に表示する表示処理部と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
本願の第4発明は、遊技領域とそれを囲む外枠とを有する遊技盤と、遊技球が入賞すると大あたり抽選を生じさせる始動入賞口と、遊技球を排出するアウト口と、遊技球が入賞すると賞球のみを生じさせる一般入賞口と、前記始動入賞口への入賞ごとに演出図柄の変動及び停止を表示する表示画面とを含む遊技機に関する。
【0016】
本願の第4発明に係る遊技機は、遊技球が前記アウト口に排出された回数を求めるアウト口計数部と、遊技球が前記始動入賞口に入賞した回数であるスタート回数を求める始動入賞口計数部と、遊技球が前記一般入賞口に入賞した回数を求める一般入賞口計数部と、前記スタート回数が所定の回数の場合に前記始動入賞口又は前記一般入賞口に入賞した遊技球の数と前記アウト口に排出された遊技球の数の和であるアウト球数を求めて前記スタート回数と前記アウト球数とを表示対象とする管理処理部と、前記表示対象を表示画面に表示する表示処理部と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
本願の第1~第4発明に係る遊技機は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。該実施の形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
(1)前記管理処理部及び前記表示処理部は、前記アウト球数若しくはスタート回数が一定数増加する毎に、又は一定時間が経過する毎に、前記表示画面に表示される内容を更新することを特徴とする。
(2)前記管理処理部及び前記表示処理部は、前記表示画面に表示される内容を絵柄、図形又は記号により表示し、前記スタート回数が相対的に多い場合は前記絵柄、図形又は記号の数を相対的に多く表示し、前記スタート回数が相対的に少ない場合は前記絵柄、図形又は記号の数を相対的に少なく表示することを特徴とする。
(3)前記所定の個数、所定の時間、又は所定の回数を任意に選択し、変更することができることを特徴とする。
(4)前記管理処理部は、オーバーフロー入賞を前記スタート回数から除外することを特徴とする。
(5)前記管理処理部は、通常遊技状態における前記アウト球数、前記スタート回数、前記入賞率等のみを表示対象とすることができる。
(6)前記管理処理部及び前記表示処理部は、前記表示対象を時系列で複数段階に分け、各段階の前記表示対象を同時に表示し、前記アウト球数若しくは前記スタート回数が一定数増加する毎に、又は所定の時間が経過する毎に前記各段階の前記表示対象を更新して表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本願発明に係る遊技機の一つ以上の実施態様によれば、遊技者が今まで知ることができなかった情報や遊技台の良し悪しを見極めたり、金銭的な不安を解消することができる。また、データ表示器(TL)ではなく、遊技機内でデータを管理するため、1球ごとのアウト球数が管理されるので、従来に比べて正確なデータを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は、本発明に係る遊技機の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本実施の形態の遊技機の正面図。
図2】本実施の形態の遊技盤の正面図。
図3】本実施の形態の遊技機の制御を説明する説明図。
図4】(a)~(h)は本実施の形態の遊技機の表示画面に表示される入賞情報を説明する説明図。
図5】本実施の形態の入賞情報表示の動作を示すフローチャート。
図6】本実施の形態の入賞情報表示のデータのレイアウトを説明する説明図。
図7】本実施の形態の入賞情報表示の動作を示すフローチャート(1)。
図8】本実施の形態の入賞情報表示の動作を示すフローチャート(2)。
図9】本実施の形態の入賞情報表示のデータのレイアウトを説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0021】
本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、および右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、および右側とする。
【0022】
まず、図1および図2を参照して、パチンコ機(遊技機)1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形(長方形)であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠11によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射装置(不図示)に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上面には操作ボタン9が設けられている。
【0023】
上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠11の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。また、ハンドル7を回転させることにより遊技球の発射装置(不図示)により遊技球がガイドレール3にガイドされ遊技領域を転動しながら流下する。
【0024】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8の左方には普通図柄作動ゲート13が設けられている。演出装置8の下方には、第一始動入賞口14が設けられている。第一始動入賞口14の下方には、第二始動入賞口15が設けられている。第二始動入賞口15の下方には、大入賞口17が設けられている。第一始動入賞口14は、遊技球が入賞可能に構成される。第二始動入賞口15は、開閉部材151を備え、開閉部材151が開放された場合(例えば大あたり遊技状態のとき)にのみ、遊技球は第二始動入賞口15に入賞できる。なお、第二始動入賞口15は、開閉部材151が閉鎖されているときも遊技球が入賞可能な構成でもよい。大入賞口17は、開閉部材171を備え、開閉部材171が開放された場合にのみ、遊技球は大入賞口17に入賞できる(例えば大あたり遊技状態のとき)。
【0025】
遊技領域4には、上記以外に、アウト口19、一般入賞口20、風車、遊技釘、各種電飾ランプ35等が設けられている。アウト口19は、遊技領域4の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動入賞口14、第二始動入賞口15、大入賞口17、および一般入賞口20のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口19を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0026】
また、演出装置8は、LCD(Liquid Crystal Display)からなる表示画面28を中央に備える。表示画面28には様々な映像が表示されるが、特に大あたり判定の結果を遊技者に報知するための演出用の複数(本実施形態では、3つ)の演出図柄81(図2参照)が表示される。パチンコ機1は、演出図柄81を変動させた後に、大あたり判定の結果を示す演出図柄81の組み合わせを停止表示(確定表示)させる報知演出を行うことで、大あたり判定の結果を遊技者に報知する。本実施形態では、複数の演出図柄81のすべてが同じ図柄を示す組み合わせが大あたり判定の結果が大あたりであることを示し、複数の演出図柄81の少なくとも1つが他と異なる図柄を示す組み合わせが大あたり判定の結果がはずれであることを示す。大あたり判定では、大あたり遊技を実行するか否かの判定が行われる。
【0027】
また、表示画面28の右方には可動役物31が設けられている。可動役物31は、可動部を可動させることで各種演出を行う。可動役物31の下方には、大あたり判定の結果および保留球数を表示する図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、特別図柄表示部、普通図柄表示部、特別図柄記憶数表示LED(Light Emitting Diode)、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。特別図柄表示部は、7セグメントLEDからなり、大あたり判定の結果を示す特別図柄を表示する。なお、本実施形態では、1つの特別図柄のみが設けられているが、複数の特別図柄が設けられてもよい。
【0028】
普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通あたり判定の結果を表示する。特別図柄記憶数表示LEDは、大あたり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(いわゆる「特別図柄保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通あたり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(いわゆる「普通図柄保留球数」)を表示する。また、遊技盤2の背面側には、遊技の主制御、各種演出等を制御する制御部50(図3参照)が設けられている。
【0029】
パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1には、大あたり遊技および遊技者にとって通常の遊技状態である通常遊技状態(普通あたり遊技)が設けられている。本実施形態では、第一始動入賞口14または第二始動入賞口15へ遊技球が入賞すると、大あたり判定が行われ、図柄表示部24の特別図柄表示部において特別図柄の変動表示が開始される。図柄表示部24の特別図柄表示部は、特別図柄を所定の変動時間の間変動表示した後に、大あたり判定の結果を示す特別図柄を表示する。大あたり判定では、大あたりおよびはずれのいずれであるかが、大あたり乱数に基づいて判定される。大あたり判定において大あたりであると判定されると、判定結果が大あたりであることを示す特別図柄が図柄表示部24の特別図柄表示部に確定表示されて、大入賞口17の開閉部材171が、所定の回数開放状態にされる遊技者にとって有利な遊技状態の非通常遊技状態(大あたり遊技)が実行される。
【0030】
また、本実施形態では、普通図柄作動ゲート13を遊技球が通過すると、普通あたり判定が行われ、図柄表示部24の普通図柄表示部において普通図柄の変動表示が開始される。図柄表示部24の普通図柄表示部は、普通図柄を所定の変動時間の間変動表示した後に、普通あたり判定の結果を示す普通図柄を表示する。普通あたり判定では、普通あたりおよびはずれのいずれであるかが、普通あたり乱数に基づいて判定される。普通あたり判定によって普通あたりであると判定されると、判定結果が普通あたりであることを示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に確定表示されて、第二始動入賞口15の開閉部材151が所定回数開放状態にされる普通あたり遊技(通常遊技状態に含まれる)が実行される。
【0031】
また、パチンコ機1は、非確率変動状態(以下、「非確変状態」という。)または確率変動状態(以下、「確変状態」という。)を設定できる。非確変状態は、大あたり判定において大あたりであると判定される大あたり確率が通常の確率である遊技状態である。確変状態は、大あたり確率が非確変状態よりも高い確率に変動している遊技状態である。
【0032】
さらに、パチンコ機1は、非時短状態または時短状態を設定できる。非時短状態は、第二始動入賞口15の開閉部材151が開放状態にされる割合が通常の割合である遊技状態である。時短状態は、第二始動入賞口15の開閉部材151が開放状態にされる割合が非時短状態よりも高くなる遊技状態である。また、普通あたり遊技中の第二始動入賞口15の開閉部材151の最大開放時間は、非時短状態よりも時短状態の方が長い。さらに、非時短状態における普通図柄の変動時間よりも、時短状態における普通図柄の変動時間の方が短い。よって、遊技者は、時短状態において、非時短状態よりも第二始動入賞口15に容易に遊技球を入賞させることができる。このため、時短状態では、大あたり判定の実行頻度が非時短状態よりも多くなる。
【0033】
パチンコ機1は、確変状態および非確変状態のいずれかと、時短状態および非時短状態のいずれかと組み合わせて、複数種類の遊技状態を設定できる。本実施形態では、非確変状態と非時短状態との組合せによる「非確変非時短状態(通常遊技状態)」、確変状態と時短状態との組合せによる「確変時短状態(非通常遊技状態)」、非確変状態と時短状態との組合せによる「非確変時短状態(非通常遊技状態)」のいずれかが設定される。この他、パチンコ機1は、確変状態と非時短状態との組合せによる「確変非時短状態(非通常遊技状態)」等を含めた4種類以上の遊技状態を備えてもよいし、1または2つの遊技状態のみを備えてもよい。
【0034】
本実施形態のパチンコ機1は、大あたり遊技の終了後、所定の割合で確変時短状態および非確変時短状態のいずれかを生起する。確変時短状態が生起された場合には、次回の大あたり遊技が開始されるまで確変時短状態が継続する。一方、非確変時短状態が生起された場合には、大あたり遊技終了後の大あたり判定の実行回数が所定の時短回数に達した場合、または次回の大あたり遊技が開始された場合に、時短状態が終了する。なお、確変状態および時短状態の終了条件は、本実施形態に限定されず、本発明は、いわゆるST機、転落抽選機等の種々の遊技仕様にも適用できる。
【0035】
また、パチンコ機1は、遊技者にとって有利な状態(例えば非通常遊技状態)への移行のしやすさを示す複数の設定値のうちのいくつかを実設定値として設定できる。例えば、実設定値を大あたり判定に使用される設定値とする。その場合、大あたり確率が設定値に応じて異なる。本実施形態の設定値には、「設定1」~「設定6」の6段階の値が設けられている。設定値が高いほど有利な状態に移行しやすく、設定値が低いほど有利な状態に移行しにくい。
【0036】
図3は本実施形態のパチンコ機1の制御部50を説明する説明図である。これらは、コンピュータ(RAM52(Random Access Memory)、ROM53(Read Only Memory)、CPU51(Central Processing Unit)、メモリ等に実行させるソフトウエアプログラムを含む。
【0037】
制御部50は、表示画面28と、アウト口19に排出された遊技球をカウントするアウト口計数部54と、遊技球の発射装置(不図示)により発射された遊技球をカウントする発射計数部61と、始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)に入賞した遊技球をカウントする始動入賞口計数部59と、管理処理部58と、一般入賞口20に入賞した遊技球をカウントする一般入賞口計数部63とを備えている。なお、アウト口19と始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)と一般入賞口20には、通過する遊技球を検知する検知センサ等(不図示)が設けられている。
【0038】
図4を参照する。管理処理部58は、例えば、始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)に入賞した遊技球と一般入賞口20に入賞した遊技球とアウト口19に排出された遊技球の和(以下「アウト球数」といい、通常は通常遊技状態の場合の値を計測するが、非通常遊技状態の場合も含めて計測してもよい。)が所定の個数(例えば、1,000個)の場合に始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)に入賞した回数(以下「スタート回数」といい、通常はオーバーフロー入賞を除くが、含んでもよい。)を求めて、表示処理部55はアウト球数の当該所定の個数(1,000個)とスタート回数(62回)である表示対象を表示画面28に表示する。表示位置は図2で示された情報表示位置70であってもよい。この例では、直近のアウト球数1,000個あたりのスタート回数が62回、その前のアウト球数1,000個あたりのスタート回数が82回、さらにその前のアウト球数1,000個あたりのスタート回数が59回と表示されている(図4(a)参照)。
【0039】
管理処理部58が、例えば、通常遊技状態にて始動入賞口(第一始動入賞口14又は第二始動入賞口15)に入賞した遊技球と一般入賞口20に入賞した遊技球とアウト口19に排出された遊技球の累計と当該累計に対するスタート回数(の累計)とを所定のタイミングで(例えば、アウト球数が1,000個増える度に)求めて、表示処理部55が、それらを表示画面28に表示することもできる(図4(b)参照)。
また、管理処理部58が、例えば、前記所定のアウト球数の単位(本実施例では1,000個)を他の一定数(例えば、100個又は10,000個)に変更して、当該一定数あたりのスタート回数を求め、表示処理部55が、当該一定数及び当該スタート回数を表示画面28に表示してもよい。
【0040】
管理処理部58が、例えば、通常遊技状態において、遊技球が1個発射されたる毎にアウト球数及び当該アウト球数あたりのスタート回数を求め、表示処理部55が、これらを表示画面28に表示してもよい(図4(c)参照)。
【0041】
通常遊技状態にて所定時間(例えば、10分間)を計時する計時部57を備え、管理処理部58が、例えば、所定時間毎のスタート回数を求め、表示処理部55が、これらを表示画面28に順次表示してもよい(図4(d)参照)。
【0042】
表示処理部55は、例えば、スタート回数が相対的に多い場合は絵柄の数を多く(例えば、星印3~5個)表示画面28に表示し、スタート回数が相対的に少ない場合は絵柄の数を少なく(例えば星印1~2個)表示画面28に表示することもできる(図4(e)参照)。
【0043】
管理処理部58が、スタート回数をアウト球数で割り算した入賞率を求め、表示処理部55が、これを表示画面28に表示することもできる(図4(f)参照)。
【0044】
管理処理部58は、スタート回数として、オーバーフロー入賞を込みで(オーバーフロー入賞の回数を含めて)表示対象とすることもできる(図4(g)参照)。オーバーフロー入賞とは、例えば、保留球(大あたり抽選中に始動入賞口に入賞し、後に大あたり抽選を発生させる球)の上限4個が満杯の場合における5個目以降の大あたり抽選を発生させない入賞をいう。
【0045】
管理処理部58は、通常遊技状態の場合に加え、非通常遊技状態(遊技者にとって有利な遊技状態で、例えば、時短、確変状態等を含む)の場合も含めて、アウト球数が所定の回数の場合にスタート回数を求めて、表示処理部55が当該アウト球数と当該スタート回数を表示画面28に表示することもできる(図4(h)参照)。
【0046】
管理処理部58は、所定のスタート回数(例えば、100回)あたりのアウト球数(例えば、2,525個)を求めて、当該所定のスタート回数及び当該アウト球数を表示画面28に表示することもできる(図4(i)参照)。
【0047】
管理処理部58は、所定の個数を任意に選択し、変更することができる。
【0048】
管理処理部58及び表示処理部55は、表示対象を時系列で複数段階に分け、各段階の表示対象を同時に表示し、アウト球数若しくはスタート回数が一定数増加する毎に、又は所定の時間が経過する毎に各段階の表示対象を更新して表示する。
【0049】
図4(a)~(i)は、本実施形態の遊技機の表示画面28に表示される情報を説明する説明図である。ただし、表示画面の構成は、図4(a)~(i)のような直近3単位の分割表示に限定されるものではなく、それ以外の直近複数単位の分割表示や直近1単位のみの表示でもよい。また、いずれの場合も、所定の単位ごとに最新のデータに更新され、表示が順次切り替わる。
【0050】
図4(a)の第1の例では、通常遊技状態における、直近=今回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数(例えば、62回)、その前=前回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数(例えば、82回)、及び、さらにその前=前々回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数(例えば、59回)が表示画面28に表示される。その後、アウト球数が1,000球追加される毎に表示内容が更新される。すなわち、前記前々回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数の表示が消え、当該表示の場所に前記前回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数が前々回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数として表示され、その隣に前記今回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数が前回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数として表示され、さらにその隣に最新のアウト球数1,000球あたりのスタート回数が今回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数として表示される。以降、同じパターンで表示内容が順次切り替わる。なお、アウト球数1,000球単位の表示を100球単位、10,000球単位その他一定数単位の表示に変更することも可能である。
【0051】
図4(b)の第2の例では、まず、アウト球数1,000球までのスタート回数の累計(例えば、59回)が表示画面28に表示される。次に、その隣に、アウト球数2,000球までのスタート回数の累計(例えば、141回)が表示される。その後、その隣に、アウト球数3,000球までのスタート回数の累計(例えば、203回)が表示される。さらにその後、アウト球数が1,000球追加されると、表示内容が更新される。すなわち、前記アウト球数1,000球までのスタート回数の累計の表示が消え、当該表示の場所にアウト球数2,000球までのスタート回数の累計が表示され、その隣にアウト球数3,000球までのスタート回数の累計が表示され、さらにその隣にアウト球数4,000球までのスタート回数の累計が表示される。以降、同じパターンで表示内容が順次切り替わる。なお、1,000球増加毎の累計表示を100球増加毎、10,000球増加毎その他一定個数増加毎の累計表示に変更することも可能である。
【0052】
図4(c)の第3の例では、まず、アウト球数1,000球までのスタート回数(例えば、62回転)が表示画面28に表示される。その後、アウト球数が1球増加すると当該1球を含む直近の1,001球(1~1001球)あたりのスタート回数(例えば、62回転)が表示画面28に表示される。さらに、アウト球数が1球増加すると当該1球を含む直近の1,002球(1~1,002球)あたりのスタート回数(例えば、63回転)が表示画面28に表示される。さらにその後、アウト球数が1球追加されると、表示内容が更新される。すなわち、前記アウト球数1,000球までのスタート回数の表示が消え、当該表示の場所にアウト球数1,001球までのスタート回数が表示され、その隣にアウト球数1,002球までのスタート回数が表示され、さらにその隣にアウト球数1,003球までのスタート回数が表示される。以降、アウト球数が1球追加される毎に、同じパターンで表示内容が順次切り替わる。
【0053】
図4(d)の第4の例では、直近=今回の10分あたりのスタート回数(例えば、55回転)、その前=前回の10分あたりのスタート回数(例えば、60回転)、及び、さらにその前=前々回の10分あたりのスタート回数(例えば、52回転)が表示画面28に表示される。その後、10分経過する毎に表示内容が更新される。すなわち、前記前々回の10分あたりのスタート回数の表示が消え、当該表示の場所に前記前回の10分あたりのスタート回数が前々回の10分あたりのスタート回数として表示され、その隣に前記今回の10分あたりのスタート回数が前回の10分あたりのスタート回数として表示され、さらにその隣に直近の10分あたりのスタート回数が今回の10分あたりのスタート回数として表示される。以降、同じパターンで表示内容が順次切り替わる。なお、10分あたりの表示を1時間あたりその他一定時間あたりのスタート回数の表示に変更することも可能である。
【0054】
図4(e)の第5の例では、スタート回数が、数字ではなく、絵柄で表示される。すなわち、直近=今回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数として星印3個が、その前=前回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数として星印1個が、さらにその前=前々回のアウト球数1,000球あたりのスタート回数を星印2個が表示画面28に表示される。この場合、星印の数が多いほど、スタート回数が多いことを意味している。スタート回数を絵柄で表示すること以外は、図4(a)の第1の例とほぼ同じである。なお、図4(b)~(d)の例並びに(g)及び(h)の例においても、スタート回数を絵柄で表示することが可能である。また、図4(f)の例において、入賞率を絵柄で表示することも可能である。
【0055】
図4(f)の第6の例では、スタート回数の代わりに、入賞率が表示される。すなわち、直近=今回のアウト球数1,000球あたりの始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)に入賞した入賞率(例えば、6%)、その前=前回のアウト球数1,000球あたりの始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)に入賞した入賞率(例えば、8%)、及び、さらにその前=前々回のアウト球数1,000球あたりの始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)に入賞した入賞率(例えば、7%)が表示画面28に表示される。この場合の入賞率は、スタート回数÷アウト球数その他の方法で計算可能である。スタート回数の代わりに入賞率が表示されること以外は、図4(a)の第1の例とほぼ同じである。なお、図4(b)~(d)の例並びに(g)及び(h)の例においても、スタート回数の代わりに入賞率を表示することが可能である。
【0056】
図4(g)の第7の例では、スタート回数にオーバーフロー入賞の回数が含まれている。すなわち、直近=今回の1,000球(遊技球)あたりのオーバーフロー入賞を含む始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)に入賞した入賞数(例えば、62回)、その前=前回の1,000球あたりのオーバーフロー入賞を含む始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)に入賞した入賞数(例えば82回)、及び、さらにその前=前々回のオーバーフロー入賞を含む1,000球あたりの始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)に入賞した入賞数(例えば、59回)が表示画面28に表示される。スタート回数にオーバーフロー入賞の回数に含まれること以外は、図4(a)の第1の例と同じである。なお、図4(b)~(e)の例並びに(h)及び(i)の例においても、スタート回数の代わりに入賞率を表示することが可能である.また、図4(f)の例において、スタート回数にオーバーフロー入賞の回数を含めて入賞率を計算し、これを表示することも可能である。
【0057】
図4(h)の第8の例では、通常遊技状態と非通常遊技状態(遊技者にとって有利な遊技状態で時短状態、確変状態等を含む)とを区別しない。すなわち、通常遊技状態の場合に加え、非通常遊技状態の場合を含めて、直近=今回の1,000球あたりのスタート回数(例えば、62回転)、その前=前回の1,000球あたりのスタート回数(例えば、82回)、及び、さらにその前=前々回の1,000球あたりのスタート回数(例えば、59回)が表示画面28に表示される。非通常遊技状態の場合を含めてアウト球数を計測すること以外は、図4(a)の第1の例と同じである。なお、図4(b)~(g)及び(i)の例で表示されるのは、原則として、通常遊技状態において計測、計算等される数字に限られるが、それぞれの例においても、図4(h)の例と同じように、通常遊技状態の場合と非通常遊技状態の場合とを区別せずに、非通常遊技状態の場合を含めて計測、計算等された数字を表示することが可能である。
【0058】
図4(i)の第9の例では、図4(a)~(h)のように一定単位のアウト球数あたりのスタート回数又は入賞率を表示するのではなく、一定単位のスタート回数あたりのアウト球数を表示する。すなわち、直近=今回のスタート回数100回あたりのアウト球数(例えば、2,525個)、その前=前回のスタート回数100回あたりのアウト球数(例えば1,850個)、及び、さらにその前=前々回のスタート回数100球あたりのアウト球数(例えば1,600個)が表示画面28に表示される。なお、スタート回数の単位としては、100回に限らず、10回、50回、200回その他任意の数を選択できる。
【0059】
管理処理部58は、所定の個数を任意に選択し、変更することができる。
【0060】
管理処理部58及び表示処理部55は、表示対象を時系列で複数段階に分け、各段階の表示対象を同時に表示し、アウト球数若しくはスタート回数が一定数増加する毎に、又は所定の時間が経過する毎に各段階の表示対象を更新して表示する。なお、図4(a)~(i)を様々な態様で組み合わせてもよいことは勿論である。
【0061】
図5は、本実施の形態の情報表示の動作を示すフローチャートである。代表として上述の図4(a)の場合の動作を説明する。
【0062】
ステップS101では、管理処理部58が、遊技者にとって通常の遊技状態である通常遊技状態か否かを判断する。通常遊技状態の場合に処理はステップS102に進む。非通常遊技状態(遊技者にとって有利な遊技状態であって、時短状態、確変状態等を含む)の場合に処理はステップS103に進む。
【0063】
ステップS102では、管理処理部58が、遊技球の発射状態か否かを判断する。遊技球の発射状態であると判断した場合に処理はステップS104に進む。遊技球の発射状態でないと判断した場合に処理はステップS103に進む。
【0064】
ステップS103では、始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)及び一般入賞口20に入賞した遊技球並びにアウト口19に排出された遊技球のデータなし(アウト球なし)と判断され、処理を終了する(遊技を行っていない状態等を含む)。
【0065】
ステップS104では、管理処理部58が、遊技球が始動入賞口(第一始動入賞口14又は第二始動入賞口15)に入賞(スタート入賞ともいう)したか否かを判断する。入賞したと判断した場合に処理はステップS105に進む。入賞していないと判断した場合に処理はステップS106に進む。
【0066】
ステップS105では始動入賞口(第一始動入賞口14又は第二始動入賞口15)に入賞した入賞回数(原則として、オーバーフロー入賞の回数は除かれる。)のカウントデータを記憶部62に保管する。
【0067】
ステップS106では、管理処理部58が、始動入賞口(第一始動入賞口14若しくは第二始動入賞口15)若しくは一般入賞口20に入賞し、又はアウト口19に排出された遊技球(アウト球)のカウントデータをアウト球数として記憶部62に保管する。
【0068】
ステップS107では、管理処理部58は、アウト球数が「1,000個」に達したか否かを判断する。「1,000個」に達したと判断した場合に処理はステップS108に進む。「1,000個」に達していないと判断した場合に処理はステップS101に戻る。
【0069】
ステップS108では、最新(直近)のアウト球数1,000個に対してのスタート回数を更新し、表示画面28に表示する。その後、1,001球目から2,000球目のアウト球、2,001球目から3,000球目のアウト球、3,001球目から4,000球目のアウト球及び4,001球目以降のアウト球についても同じ動作を繰り返す。図4(a)の場合、直近の3,000球のアウト球に対するスタート回数が1,000球単位で3列に同時に表示される。すなわち、直近の1,000球(今回)のアウト球に対するスタート回数、その前(前回)の1,000球のアウト球に対するスタート回数、及び、さらにその前(前々回の)の1,000球のアウト球に対するスタート回数が並列表示される。なお、最初の3,000球までは、まず、最初の1球目から1,000球目のスタート回数(1回目表示データ)が「今回」の位置に表示され、次に、1,001球目から2,000球目のデータ(2回目表示データ)が前記「今回」の位置に表示されると同時に前記1回目表示データは「前回」の位置に表示され、その後、2,001球目から3,000球目のデータ(3回目表示データ)が前記「今回」の位置に表示されると同時に前記2回目表示データが「前回」の位置に、前記1回目表示データが「前々回」の位置に表示される。さらに、その後、アウト球が1,000球増える度に、元の「今回」のデータは「前回」のデータとして一列ずれて表示され、元の「前回」のデータは「前々回」のデータとして一列ずれて表示され、元の「前々回」のデータは消去される。
【0070】
図6は、本実施の形態の情報表示のデータのレイアウトを説明する説明図である。
【0071】
図6では、1球目から1,000球目のデータ(1回目表示データ)は削除されている。そして、1,001球目から2,000球目のデータ(2回目表示データ)は「前々回」表示データとして記憶部62に保管されている。また、2,001球目から3,000球目のデータ(3回目表示データ)は「前回」表示データとして記憶部62に保管されている。さらに、3,001球目から4,000球目のデータ(4回目表示データ)は「今回」表示データとして記憶部62に保管されている。そして、4,001球目以降のデータは、次の表示に備えて保管中である。このような形でデータを保管し、1,000球毎のスタート回数を画面28に3回分表示する。例えば、図4(a)の例が、最初の3,000球分のデータを表示していると仮定すると、最初の1から1,000球目のアウト球に対するスタート回数(59回)は消去され、次の1,001球目から2,000球目のアウト球に対するスタート回数(82回)が「前々回」のデータの位置に、その後の2,001球目から3,000球目のアウト球に対するスタート回数(62回)が「前回」のデータの位置に、3,001球目から4,000球目のアウト球に対するスタート回数(X回)が「今回」のデータの位置に表示される。その後もアウト球が1,000球増える度に同じパターンで表示が次々と切り替わる。
【0072】
図7及び図8は、他の実施形態の情報表示の動作を示すフローチャートである。ここでは、図4(a)のデータ表示を10球毎に更新する場合の動作を説明する。
【0073】
ステップS201では、管理処理部58が、遊技者にとって通常の遊技状態である通常遊技状態か否かを判断する。通常遊技状態の場合に処理はステップS202に進む。非通常遊技状態(遊技者にとって有利な遊技状態で時短状態、確変状態等を含む)の場合に処理はステップS203に進む。
【0074】
ステップS202では、管理処理部58が、遊技球の発射状態か否かを判断する。遊技球の発射状態であると判断した場合に処理はステップS204に進む。遊技球の発射状態でないと判断した場合に処理はステップS203に進む。
【0075】
ステップS203では、始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)及び一般入賞口20に入賞した遊技球並びにアウト口19に排出された遊技球のデータなし(アウト球なし)と判断され、処理を終了する(遊技を行っていない状態等を含む)。
【0076】
ステップS204では、管理処理部58が、遊技球が始動入賞口(第一始動入賞口14又は第二始動入賞口15)に入賞(スタート入賞ともいう)したか否かを判断する。入賞したと判断した場合に処理はステップS205に進む。入賞していないと判断した場合に処理はステップS206に進む。
【0077】
ステップS205では、管理処理部58が、始動入賞口(第一始動入賞口14及び第二始動入賞口15)に入賞した回数(原則として、オーバーフロー入賞の回数は除かれる。)のカウントデータを記憶部62に保管する。
【0078】
ステップS206では、管理処理部58が、始動入賞口(第一始動入賞口14若しくは第二始動入賞口15)若しくは一般入賞口20に入賞し、又はアウト口19に排出された遊技球(アウト球)のカウントデータをアウト球数として記憶部62に保管する。
【0079】
ステップS207では、管理処理部58が、アウト球数(累計)が3,000個を超えたか否かを判定する。3,000個を超えたと判定した場合に処理はステップS208に進む。3,000個を超えていないと判定した場合に処理はステップS209に進む。
【0080】
ステップS208では、管理処理部58が、直近(最新)のアウト球(以下「最新アウト球」という。)3,000個以外のデータ(最新アウト球3,000個より前のアウト球に対するスタート回数のデータ)に関しては破棄(削除)をする処理をした後、ステップS209に進む。
【0081】
ステップS209では、管理処理部58が、表示処理を更新するか否かを判断する。アウト球数を10で割った余りが0の場合に処理はステップS210に進む。アウト球数を10で割った余りが0ではない場合に処理はステップS201に戻る。
【0082】
ステップS210では、管理処理部58が、最新アウト球が3,000個に達したか否かを判定する。3,000個に達したと判定した場合に処理はステップ211に進んだ後、ステップ212に進む。3,000個に達していないと判定した場合に処理はステップ212に進む。
【0083】
ステップS211では、パチンコ機1の情報表示位置70の「直近1,000個のアウト球」(=今回の1,000球)のデータとして、最新アウト球3,000球のうちの「2,001~3,000球目」に対するスタート回数を表示する。
【0084】
ステップS212では、管理処理部58が、最新アウト球が2,000個に達したか否かを判断する。2,000個に達したと判定した場合に処理はS213に進んだ後、ステップ214に進む。2,000個に達していないと判定した場合に処理はS214に進む。
【0085】
ステップS213では、パチンコ機1の情報表示位置70の「直近1,001~2,000個のアウト球」(=前回の1,000球)のデータとして、最新アウト球3,000球のうちの「1,001~2,000球目」に対するスタート回数を表示する。
【0086】
ステップS214では、管理処理部58が、最新アウト球数が1,000個に達したか否かを判定する。1,000個に達したと判定した場合に処理はS215に進む。
【0087】
ステップS215では、パチンコ機1の情報表示位置70の「直近2,001~3,000個のアウト球」(=前々回の1,000球)のデータとして、最新アウト球3,000球のうちの「1~1,000球目」に対するスタート回数を表示する。
【0088】
残りの図4(b)~図4(i)の動作は省略するが、上記のフローチャートを適宜変更すればよいことはもちろんである。
【0089】
図9は、図7及び図8に示した実施形態の入賞情報表示のデータのレイアウトを説明する説明図である。
【0090】
前提として、まず、データの表示及び更新のパターンを説明する。まず、最初の1球目から1,000球目のスタート回数が「今回(最新1~1,000球)」の位置に表示されるが、」その後は、アウト球数が10個増加する度に、最新1,000球に対するスタート回数が次々と表示(更新)される。そして、次に、アウト球数が2,000球になった時点で、1,001球目から2,000球目のデータが前記「今回(最新1,000球)」の位置に表示されると同時に前記最初の1球目から1,000球目のスタート回数は「前回(最新1001~2,000球)」の位置に表示され、その後は、また、アウト球数が2,990球になるまで、アウト球数が10個増加する度に、それぞれのデータが次々と表示(更新)される。さらに、アウト球数が3,000球になった時点で、2,001球目から3,000球目のスタート回数が前記「今回(最新1,000球)」の位置に表示されると同時に前記1,001球目から2,000球目のスタート回数が「前回(最新1001~2,000球)」の位置に、前記最初の1球目から1,000球目のスタート回数が「前々回(最新2001~3,000球)」の位置に表示される。その後も、同じパターンで、アウト球数が10個増加する度に、それぞれのデータが次々と表示(更新)される。
【0091】
図9では、直近(最新)のアウト球3,000球分のデータが1,000球ずつ3分割されて表示され、当該アウト球3,000球より前のデータは削除されている。具体的に説明すると、まず、(1)で、最初に表示された1球目から1,000球目のアウト球のデータが削除され、1,001球目から2,000球目のアウト球のデータ、2,001球目から3,000球目のアウト球のデータ及び3,001球目から4,000球目のアウト球のデータが、それぞれ「前々回1,000球の表示データ」、「前回1,000の表示データ」及び「今回1,000表示データ」として表示される。その後(2)で、1,001球目から1,010球目のアウト球のデータが削除され、1,011球目から2,010球目のアウト球のデータ、2,011球目から3,010球目のアウト球のデータ及び3,011球目から4,010球目のアウト球のデータが、それぞれ「前々回1,000球の表示データ」、「前回1,000球の表示データ」及び「今回1,000球の表示データ」として表示される。さらにその後(3)で、1,011球目から1,020球目のアウト球のデータが削除され、1,021球目から2,020球目のアウト球のデータ、2,021球目から3,020球目のアウト球のデータ及び3,021球目から4,020球目のアウト球のデータが、それぞれ「前々回1,000球の表示データ」、「前回1,000球の表示データ」及び「今回1,000球の表示データ」として表示される。データの更新は、このようにアウト球数が10球増える毎に順次進んでいく。
【0092】
以上、本発明の実施形態をいくつか説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 遊技機(パチンコ機)
2 遊技盤
4 遊技領域
14 第一始動入賞口
15 第二始動入賞口
19 アウト口
20 一般入賞口
28 表示画面
50 制御部
51 CPU
52 RAM
53 ROM
54 アウト口計数部
55 表示処理部
57 計時部
58 管理処理部
59 始動入賞口計数部
60 インタフェイス
63 一般入賞口計数部
70 情報表示位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9