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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110075
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】画面ビルダ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240807BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014427
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】523037451
【氏名又は名称】山本 佑香
(71)【出願人】
【識別番号】523038470
【氏名又は名称】株式会社ネオス
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(74)【代理人】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(72)【発明者】
【氏名】山本 佑香
(72)【発明者】
【氏名】豊永 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】廣田 太洋
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ITに不慣れなユーザでも容易に建物・設備案内画面を作成できる画面ビルダを提供する。
【解決手段】画面ビルダ(7)は、ブラウザ(12)に常時表示されるメイン画面(24)を備え、メイン画面(24)にプロジェクト管理手段(26)と、マップ設定ボタン(27)と、シーン設定ボタン(28)と、室内フォト画像設定ボタン(29)と、アイコン設定ボタン(30)と、を設ける。プロジェクト管理手段(26)は、建物・設備案内画面ごとに用意するプロジェクトを管理する。マップ設定ボタン(27)は、建物の間取り図であるマップを設定する。シーン設定ボタン(28)は建物内の各部屋を設定し、室内フォト画像設定ボタン(29)は部屋の室内フォト画像の画像ファイルを指定する。アイコン設定ボタン(30)は、室内フォト画像に表示される設備に対して情報表示用アイコン(47、50)を貼りつけ設備情報ファイルへのリンクを張る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ別に端末のブラウザ上に表示される建物・設備案内画面を作成するための画面ビルダであって、
前記建物・設備案内画面は、建物内の部屋を示す間取り図からなるマップと、
前記建物内の部屋の内部を撮影した室内フォト画像と、
前記部屋内に設置されている設備について関連する情報が保存されている設備情報と、を備え、
前記マップにはそれぞれの前記部屋に対応する前記室内フォト画像へのリンクが張られ、ポインタデバイスによって選択されると前記ブラウザ上に前記室内フォト画像が表示されるようになっており、
前記室内フォト画像には、画像内に表示されている前記設備のそれぞれに対して情報表示用アイコンが貼りつけられ、前記ポインタデバイスにより前記情報表示用アイコンが選択されると、前記端末上にサブウィンドウが生成されて対応する前記設備情報が表示されるようになっており、
前記画面ビルダは、その起動中において前記ブラウザに常時表示されるようになっている1枚のメイン画面を備え、
前記メイン画面は、プロジェクト管理手段と、マップ設定ボタンと、シーン設定ボタンと、室内フォト画像設定ボタンと、アイコン設定ボタンと、が設けられ、
前記プロジェクト管理手段は、前記建物・設備案内画面ごとに用意するプロジェクトを管理するようになっており、新規作成または読み込みにより所定の前記プロジェクトを指定すると前記メイン画面において対応する前記建物・設備案内画面を作成・メンテナンスできるようになっており、
前記マップ設定ボタンを前記ポインタデバイスで選択するとマップ選択サブウィンドウが表示され、前記マップが格納されている任意のマップファイルを所定のフォルダから選択すると前記メイン画面に選択された前記マップが表示されるようになっており、
前記シーン設定ボタンを前記ポインタデバイスで選択するとシーン設定サブウィンドウが表示され、表示中の前記マップにおいて前記部屋のそれぞれを識別するためのシーンの設定ができると共に任意の前記シーンを編集対象として1個選択できるようになっており、
前記室内フォト画像設定ボタンを前記ポインタデバイスで選択すると、室内フォト画像選択サブウィンドウが表示され、編集対象の前記シーンに対応させる前記室内フォト画像の画像ファイルを所定のフォルダから選択するようになっており、選択すると前記メイン画面に前記室内フォト画像が編集対象として表示され、
前記アイコン設定ボタンを前記ポインタデバイスで選択すると、アイコン設定サブウィンドウが表示され、編集対象の前記室内フォト画像において、前記設備のそれぞれに対して前記情報表示用アイコンを貼りつけることができると共に、対応する前記設備情報が格納されている設備情報ファイルを所定のフォルダから選択して前記情報表示用アイコンにリンクを張り付けられるようになっている、画面ビルダ。
【請求項2】
前記室内フォト画像は3Dフォト画像からなり前記ポインタデバイスにより前記ブラウザ上において3D操作が可能になっている、請求項1に記載の画面ビルダ。
【請求項3】
前記マップ選択サブウィンドウは規定のフォルダであるマップフォルダから前記マップファイルを選択するようになっており、
前記室内フォト画像選択サブウィンドウは規定のフォルダである室内フォト画像フォルダから前記画像ファイルを選択するようになっている、請求項1または2に記載の画面ビルダ。
【請求項4】
前記設備情報ファイルは、PDFファイル、画像ファイル、動画ファイル、Excelファイル、またはWEB情報ファイル等である、請求項1または2に記載の画面ビルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物や建物内に設けられている設備について説明・案内するための、ブラウザで表示される建物・設備案内画面について、ユーザが作成するためのビルダ画面に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工場には製品の生産に必要な工作機械、産業機械等の各種設備が設けられている。それぞれの設備にはマニュアルが用意されており、設備を操作するにユーザはマニュアルを読む必要がある。ところでこのようなマニュアルの多くは紙媒体で管理されており、マニュアルの保管場所に行ってマニュアルを探す必要があり煩雑である。近年は電子ファイル化されたマニュアルも提供されているが、マニュアルを得るためにユーザがサーバ、フォルダ内を探す必要がある点で同様に煩雑である。このような設備にはマニュアル以外にも動画、写真等、設備の利用にあたって有用な情報が多々ある。このような情報も色々な場所に保管され、あるいはサーバ上の色々なフォルダに保存されているので、ユーザが探さなければならない、という問題がある。さらには、情報として保存されていないノウハウ、暗黙知もある。例えば、所定の操作や手順について、なぜそのように実施する必要があるのか、その目的は何か、等の現場のユーザにしかわからない情報である。このようなノウハウ、暗黙知は代々ユーザ間に口頭で説明されたりしているが、技術継承が確実にできるとは限らない。仮にノウハウが文書にまとめられても文書の保存場所が点在して探すことが困難でもあるし、散逸の虞もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、タッチパネル等に画面を表示させ、この画面によって施設や設備の情報を得ることができる施設情報閲覧システムが提案されている。この文献によると、画面には施設すなわち建物の内部の3D画像を表示させるようになっており、タッチパネル、マウス等のポインタデバイスによって3D操作ができるようになっている。すなわちユーザはあたかも建物にいるように操作することができ、建物内を自由に移動したり、視点の方向を変えたりすることができる。そして建物内には色々な設備が設けられているが、3D画像においてこれら設備にアイコンが張られ、アイコンを選択するとその設備に関する情報を表示させることができるようになっている。
【0005】
特許文献1に記載の施設情報閲覧システムのように、工場について建物・設備案内画面を提供することができれば、前記したようなマニュアル等の情報を探す煩雑さ、ノウハウ等の情報の散逸の問題から解放される。すなわち建物・設備案内画面として、工場の内部を撮影した3Dフォト画像を画面に表示させ、ポインタデバイスによって3D操作ができるようにする。そして3Dフォト画像において、工場内に設置されているそれぞれの設備に対してアイコンを張り付け、マニュアル等の各種情報の電子ファイルへのリンクを張っておく。ユーザは建物・設備案内画面を表示させて工場内部を3D操作によって自在に移動する。そして任意の設備についてアイコンを選択するとその設備についての情報を得ることができる。すなわち情報を探す煩雑さから解放される。また、ノウハウ等について文書にまとめて電子ファイル化し、そのリンクを対象の設備に貼りつけたアイコンに張れば、ノウハウ等の散逸の問題も解決される。つまり色々な種類、多数の情報について実質的に一元管理が行える。そうすると、このような建物・設備案内画面は、工場に不慣れなユーザ向けの教育用画面としての利用も可能になる。つまり確実に技術継承が行え、迅速にユーザを教育することもできる。
【0006】
しかしながら、このような建物・設備案内画面については、解決すべき課題が見受けられる。具体的には、建物・設備案内画面を作成するための使いやすい適切な画面ビルダがないという課題である。例えばUNITY(登録商標)のような開発環境を利用して建物・設備案内画面を作成することはできる。しかしながらこのような開発環境は、汎用的に色々なアプリケーション開発ができるようになっており、必然的に操作が複雑になっている。開発の自由度を高めるためである。
【0007】
そうすると、建物・設備案内画面を作成する場合、開発環境においてメイン画面を表示させておき、例えば3Dフォト画像を割り付けたり、画像にアイコンを張り付けたりする場合、メイン画面に割り付けられているメニューバーから該当する項目を探さなければならない。さらにメニューバーで選択する場合にも、プルダウンされた複数の項目から必要な項目を探す必要がある。さらには項目を選択したら、メイン画面とは異なる別の画面に展開したりして、ユーザは混乱してしまう。このような汎用的な開発環境においてメニューバーからの操作をさせるようになっている最大の理由は、メイン画面の表示領域を大きく確保して、開発効率を高めるためであると考えられる。しかしながらITに不慣れなユーザはストレスを感じてしまい、建物・設備案内画面の作成を断念してしまう。
【0008】
本発明は、ITに不慣れなユーザであっても、建物や建物内に設けられている設備について説明・案内するためのブラウザで表示される建物・設備案内画面を直感的に、かつ容易に作成することができる画面ビルダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、端末のブラウザ上に表示される建物・設備案内画面を作成するための画面ビルダとして構成される。作成対象の建物・設備案内画面は、建物内の部屋を示す間取り図からなるマップと、建物内の部屋の内部を撮影した室内フォト画像と、部屋内に設置されている設備について関連する情報が保存されている設備情報と、を備えている。そしてマップにはそれぞれの部屋に対応する室内フォト画像へのリンクが張られ、ポインタデバイスによって選択されるとブラウザ上に室内フォト画像が表示されるようになっており、室内フォト画像には、画像内に表示されている設備のそれぞれに対して情報表示用アイコンが貼りつけられ、ポインタデバイスにより情報表示用アイコンが選択されると、端末上にサブウィンドウが生成されて対応する設備情報が表示されるようになっている。
【0010】
本発明に係る画面ビルダは、その起動中においてブラウザに常時表示されるようになっている1枚のメイン画面を備える。そして、メイン画面には、プロジェクト管理手段と、マップ設定ボタンと、シーン設定ボタンと、室内フォト画像設定ボタンと、アイコン設定ボタンと、を設ける。プロジェクト管理手段は、建物・設備案内画面ごとに用意するプロジェクトを管理するようになっており、新規作成または読み込みにより所定のプロジェクトを指定するとメイン画面において対応する建物・設備案内画面を作成・メンテナンスできるようになっている。マップ設定ボタンをポインタデバイスで選択するとマップ選択サブウィンドウが表示され、マップが格納されている任意のマップファイルを所定のフォルダから選択するとメイン画面に選択されたマップが表示されるようになっている。シーン設定ボタンをポインタデバイスで選択するとシーン設定サブウィンドウが表示され、表示中のマップにおいて部屋のそれぞれを識別するためのシーンの設定ができると共に任意のシーンを編集対象として1個選択できるようになっている。そして、室内フォト画像設定ボタンをポインタデバイスで選択すると、室内フォト画像選択サブウィンドウが表示され、編集対象のシーンに対応させる室内フォト画像の画像ファイルを所定のフォルダから選択するようになっており、選択するとメイン画面に室内フォト画像が編集対象として表示される。アイコン設定ボタンをポインタデバイスで選択すると、アイコン設定サブウィンドウが表示され、編集対象の室内フォト画像において、設備のそれぞれに対して情報表示用アイコンを貼りつけることができると共に、対応する設備情報が格納されている設備情報ファイルを所定のフォルダから選択して情報表示用アイコンにリンクを張り付けられるように構成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、画面ビルダのメイン画面に、プロジェクト管理手段と、マップ設定ボタンと、シーン設定ボタンと、室内フォト画像設定ボタンと、アイコン設定ボタンとが設けられている。これらのボタンはメイン画面の表示領域を若干消費してしまうが、ITに不慣れなユーザであっても、建物・設備案内画面の作成に際して所望の操作を直感的に実施することができる。なぜならば、画面作成に必要な操作について、実質的に全ての操作がメイン画面から実施することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態に係る建物・設備案内画面システムのブロック図である。
図2】本実施の形態に係る建物・設備案内画面システムにおけるドキュメント保存領域のフォルダの階層を示す図である。
図3】本実施の形態に係る建物・設備案内画面を示す図で、その(A)、(B)、(C)は、それぞれユーザによって操作されている建物・設備案内画面である。
図4】本実施の形態に係る画面ビルダを示す図で、その(A)、(B)、(C)は、それぞれユーザによって操作されている画面ビルダのメイン画面である。
図5】本実施の形態に係る画面ビルダを示す図で、その(A)、(B)、(C)は、それぞれユーザによって操作されている画面ビルダのメイン画面である。
図6】本実施の形態に係る画面ビルダを示す図で、その(A)、(B)、(C)は、それぞれユーザによって操作されている画面ビルダのメイン画面である。
図7】本実施の形態に係る画面ビルダを示す図で、その(A)、(B)、(C)は、それぞれユーザによって操作されている画面ビルダのメイン画面である。
図8】本実施の形態に係る画面ビルダを示す図で、その(A)、(B)、(C)は、それぞれユーザによって操作されている画面ビルダのメイン画面である。
図9】本実施の形態の変形例に係る画面ビルダを示す図で、その(A)、(B)は、それぞれユーザによって操作されている画面ビルダのメイン画面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<本実施の形態>
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1には、本実施の形態に係る建物・設備案内画面システム1が示されている。建物・設備案内画面システム1は、有線あるいは無線からなるネットワーク2と、このネットワーク2に接続されているサーバ3と、同様にネットワーク2に接続される複数の端末4a、4b、4c、…と、から構成されている。端末4a、4b、4c、…には、パソコン、タブレット、スマーフォフォン等を利用することができ、ブラウザを備えていればデバイスの種類に限定はない。サーバ3についても、1台あるいは複数台のコンピュータ群から構成することができ、その構成に限定はない。
【0014】
建物・設備案内画面システム1には、WEBサーバ6と、画面ビルダ7と、複数個の建物・設備案内画面9、9、…と、建物・設備案内画面9、9、…や画面ビルダ7によってアクセスされる情報を格納しているドキュメント保存領域10と、が設けられている。本実施の形態に係る画面ビルダ7は詳しくは後で説明するが、WEBサーバ6上で動作するようになっている。複数個の建物・設備案内画面9、9、…はユーザが画面ビルダ7を使って作成した画面群であり、これらもWEBサーバ6上で動作するようになっている。
【0015】
<ドキュメント保存領域>
本実施の形態に係る建物・設備案内画面システム1では、ユーザが作成する建物・設備案内画面9、9、…において表示される各種情報は、ルールに従って特定のフォルダに入れられるようになっている。具体的には図2に示されているように、あらかじめフォルダが用意されている。まず、フォルダ「project」、「ap_html」、「document」が所定の層に用意されている。そしてフォルダ「document」の下に、フォルダ「image」、「movie」、「panorama」、「pdf」が用意されている。フォルダ「project」は画面ビルダ7によって作成される、後で説明するプロジェクトのファイル、つまりプロジェクトファイルが格納される。フォルダ「ap_html」は建物・設備案内画面9、9、…を呼び出すhtmlファイルが格納される。フォルダ「image」には画像ファイルが、フォルダ「movie」には動画ファイルが、フォルダ「panorama」には3Dフォト画像または2次元フォト画像の画像ファイルが、そしてフォルダ「pdf」にはPDFファイルがそれぞれ格納されるようになっている。
【0016】
このように各種情報が、それぞれルールに従って特定のフォルダに入れられるようになっているので、ユーザが画面ビルダ7を使って建物・設備案内画面9、9、…を作成するとき、容易に必要な情報を探すことができる。つまり画面作成の効率が高い。なお、フォルダの構成は図2に示した構成に限定する必要はなく、他の構成にしてもよい。
【0017】
<建物・設備案内画面>
本実施の形態に係る画面ビルダ7について説明する前に、画面ビルダ7が作成する建物・設備案内画面について図3によって説明する。端末4a、4b、4cにおいて、図3の(A)に示されているように、ブラウザ12から建物・設備案内画面のURLを呼び出す。そうすると、ブラウザ12において建物の名称を示す建物名称13と、建物の間取り図であるマップ14とが表示される。マップ14は常時最前面に表示されるようになっており、マウス、タッチパネル等のポインタデバイスによってその位置や大きさを自由に変更できるようになっている。マップ14の間取り図には、1個または複数の部屋が示されており、それぞれの部屋には、シーン移動アイコン16、16が貼りつけられている。シーンは、建物内のエリアを識別するためのものであり、一般的には部屋を識別するために使用される。通常、1部屋に1個のシーンが対応づけられている。
【0018】
マップ14において、所定の部屋に貼られているシーン移動アイコン16を選択する。そうすると、図3の(B)に示されているように、選択されたシーン、つまり選択された部屋に対して設定されている3Dフォト画像が読み込まれ、ブラウザ12に表示される。そしてシーン名称17が表示される。端末4a、4b、4cのブラウザ12は、例えばWebGL(登録商標)をサポートしており、部屋の内部を映している3Dフォト画像はポインティングデバイスによって3D操作が可能になっている。すなわち、部屋内を移動したり部屋内で向きを変えたりすることができるようになっている。
【0019】
3Dフォト画像において、部屋内に設置されている設備、例えば工作機械S1、竪型射出成形機S2には1個または複数個の情報表示用アイコン19、20、…が貼りつけられている。情報表示用アイコン19、20、…は、PDFファイル、画像ファイル、あるいは動画ファイルへのリンクが張られている。例えば、竪型射出成形機S2に貼りつけられているPDFファイルへのリンクを示す情報表示用アイコン19をクリックすると、図3の(C)に示されているように、サブウィンドウが表示されPDFファイルが閲覧できるようになる。このようにして、ユーザは、建物内を仮想的に移動し、部屋内にある設備について関連する情報を容易に得ることができるようになっている。
【0020】
<画面ビルダ>
本実施の形態に係る画面ビルダ7を説明する。画面ビルダ7は、上で説明したような色々な建物・設備案内画面9、9、…を作成することができるようになっている。画面ビルダ7は、端末4a、4b、4cにおいて所定のURLを指定して起動する。そうすると、図4の(A)に示されているようにメイン画面24が表示される。メイン画面24は本発明に特徴的な構成を備えている。すなわちメイン画面24には、プロジェクト管理手段であるプロジェクト管理ボックス26と、マップ設定ボタン27と、シーン設定ボタン28と、室内フォト画像設定ボタン29と、アイコン設定ボタン30と、建物名称表示欄32と、シーン名称表示欄33とが設けられている。以下に詳しく説明するがメイン画面24を開いた状態でメイン画面24から、建物・設備案内画面9、9、…を作成するのに必要な実質的に全ての操作が行えるようになっている。
【0021】
プロジェクト管理ボックス26は、プロジェクトの作成、保存、読み込みを行うためのアイコン群である。プロジェクトは、建物・設備案内画面9、9、…の1個ずつに対応して1個ずつ用意する開発の管理単位である。1個のプロジェクトに対して1個の建物・設備案内画面9を作成するようになっている。プロジェクト管理ボックス26の新規ボタン26aをクリックすると、図4の(B)に示されているように、プロジェクト作成サブウィンドウ35が表示される。プロジェクト作成サブウィンドウ35において、プロジェクトを新規で作成し、その名称を付与することができる。この例ではプロジェクト名称は「第2工場」になっている。
【0022】
以前に開発したプロジェクトを読み込んで開くこともできる。図4の(C)には、プロジェクト管理ボックス26の開くボタン26bをクリックして、プロジェクト読込サブウィンドウ36が表示された様子が示されている。このサブウィンドウにおいて、以前に作成したプロジェクトを選択して開くこともできるし、プロジェクトを削除することもできるようになっている。図4の(B)のプロジェクト作成サブウィンドウ35でプロジェクトを作成する、あるいは図4の(C)のプロジェクト読込サブウィンドウ36で既存のプロジェクトを選択すると、図4の(C)に示されているように建物名称表示欄32にプロジェクトの名称が表示される。そうするとプロジェクト作成サブウィンドウ35またはプロジェクト読込サブウィンドウ36が閉じられる。
【0023】
マップ設定ボタン27は、マップを設定するためのボタンであり、クリックすると図5の(A)に示されているようにマップ選択サブウィンドウ38が表示される。プロジェクトに対して1枚のマップを設定する必要がある。マップが格納されているマップファイルは画像ファイルからなり、図2で説明したフォルダ「image」に入れられている。つまりこのフォルダはマップファイルが入れられている規定のフォルダ、つまりマップフォルダということができる。マップ選択サブウィンドウ38が開かれると、このフォルダに入れられているマップファイルが自動的にリストされる。ユーザはこれらのマップファイルから当該建物つまり「第2工場」を示す間取り図を選択する。マップファイルが選択されると、図5の(B)に示されているようにマップ39が表示される。
【0024】
シーン設定ボタン28は、シーンを設定するためのボタンであり、クリックすると図5の(C)に示されているようにシーン設定サブウィンドウ40が表示される。マップ39に示されているように建物「第2工場」には2部屋がある。そこで、シーン設定サブウィンドウ40において、部屋数だけシーンを新規作成する。シーン設定サブウィンドウ40で所定のシーン、例えば「第1ルーム」のシーン「room1」を選択すると、以後「第1ルーム」について編集することができるようになる。シーンが選択されると、図6の(A)に示されているようにシーン名称表示欄33にシーン名称が表示される。
【0025】
室内フォト画像設定ボタン29は、編集中のシーンに対して設定する室内フォト画像を設定するためのボタンであり、クリックすると図6の(A)に示されているように、室内フォト画像選択サブウィンドウ42が表示される。室内フォト画像選択サブウィンドウ42は、図2に示されているフォルダ「panorama」の中の画像ファイルがリスト表示される。つまりフォルダ「panorama」は室内フォト画像の画像ファイルが入れられる規定のフォルダ、つまり室内フォト画像フォルダになっている。室内フォト画像は、3Dフォト画像が好ましいが、2次元のフォト画像であってもよい。例えば、現在編集中のシーンである「第1ルーム」に対応する3Dフォト画像の画像ファイル「room1.insp」を選択すると、図6の(B)に示されているように、メイン画面24に「第1ルーム」の3Dフォト画像が表示される。以後、ポインタデバイスによって3D操作をすることができるようになる。すなわち、3次元的に表示を変化させて、あたかも部屋内を移動したり部屋内で向きをかえたりすることができる。なお、2次元のフォト画像の画像ファイルが選択される場合には、ポインタデバイスによる移動は二次元的な移動、つまりスライドのみに限定される。
【0026】
アイコン設定ボタン30は、編集中のシーンにおける室内フォト画像に対して、各種の情報表示用アイコンを設定するためのボタンになっている。クリックすると図6の(C)に示されているように、アイコン設定サブウィンドウ43が表示される。アイコン設定サブウィンドウ43には、移動アイコンを設定するためのボタン43a、動画の情報表示用アイコンを設定するためのボタン43b、PDFの情報表示用アイコンを設定するためのボタン43c、Excelフィルの情報表示用アイコンを設定するためのボタン43d、画像の情報表示用アイコンを設定するためのボタン43e、URLの情報表示用アイコンを設定するためのボタン43f等が割り付けられている。
【0027】
図7の(A)に示されているように、移動用アイコンを設定するためのボタン43aを選択してマップ39に表示されている部屋にドラッグする。そうするとマップ39の部屋に移動アイコン45が貼りつけられる。移動アイコン45は、室内フォト画像における任意の場所に貼りつけてもよい。貼りつけた移動アイコン45について、例えばマウスの右ボタンで選択すると、図7の(B)に示されているように、移動先シーン設定サブウィンドウ46が表示される。ここで所望の移動先のシーンを設定する。そうすると、移動アイコン45にシーンが紐付けられる。そうすると、できあがった建物・設備案内画面において、移動アイコン45がポインタデバイスによって選択されたときにそのシーンに移動することになる。
【0028】
図7の(C)に示されているように、PDFの情報表示用アイコンを設定するためのボタン43cを選択して、室内フォト画像における任意の場所にドラッグする。例えば、竪型射出成形機S2にドラッグする。そうすると、竪型射出成形機S2に対してPDFの情報表示用アイコン47が貼りつけられる。画面ビルダ7は、3Dフォト画像において、竪型射出成形機S2だけでなく他の設備、壁、床等の表示されている全ての対象について、それぞれの3次元座標を認識している。したがって、情報表示用アイコン47を任意の設備にドラッグすると、ドラッグした位置に対応する、その設備の表面の3次元座標に情報表示用アイコン47が貼りつけられることになる。したがって、できあがった建物・設備案内画面において、ポインタデバイスによって室内フォト画像を3D操作すると、情報表示用アイコン47は対象の設備と共に移動することになる。
【0029】
貼りつけたPDFの情報表示用アイコン47について、例えばマウスの右ボタンで選択すると、図8の(A)に示されているように、PDFリンク設定サブウィンドウ49が表示される。PDFファイルは、図2に示されているフォルダ「pdf」に格納されており、PDFリンク設定サブウィンドウ49には、このフォルダにある全てのPDFファイルが表示される。所望のPDFファイルを選択すると、PDFの情報表示用アイコン47にそのPDFファイルへのリンクが張られる。できあがった建物・設備案内画面において、PDFの情報表示用アイコン47がポインタデバイスによって選択されたときに対応するPDFファイルが表示されることになる。
【0030】
アイコン設定サブウィンドウ43における、動画の情報表示用アイコンを設定するためのボタン43b、Excelフィルの情報表示用アイコンを設定するためのボタン43d、画像の情報表示用アイコンを設定するためのボタン43eのそれぞれは、PDFファイルと同様に、それぞれ動画ファイル、Excelファイル、画像ファイルを表示するための情報表示用アイコンを室内フォト画像の設備に貼りつけるために使用する。そして、それぞれの情報表示用アイコンを、例えばマウスの右ボタンで選択すると、動画ファイル、Excelファイル、あるいは画像ファイルを選択してリンクすることができるようになっている。なお、URLの情報表示用アイコンを設定するためのボタン43fは、室内フォト画像に情報表示用アイコンを貼りつけた後に、所望のURLをリンクづけられるようになっている。これによってネットワーク上の任意の情報を表示することができる。
【0031】
室内フォト画像に色々な種類の情報表示用アイコン47、50、51、…を貼りつけた状態が、図8の(B)に示されている。プロジェクト管理ボックス26のプレビューボタン26dを選択すると、図8の(C)に示されているように、プレビューモードに切り替わり建物・設備案内画面を操作することができる。つまり、設備に貼りつけられている情報表示用アイコン47、50、51、移動アイコン45、45、等の動作を確認することができる。プレビューモードになっているとき、プロジェクト管理ボックス26にはプレビュー終了ボタン53が表示されている。このプレビュー終了ボタン53を選択するとプレビューモードが終了して、図8の(B)に示されているように通常モードに戻る。プロジェクト管理ボックス26の保存ボタン26cを選択するとプロジェクトを保存することができる。すなわち、建物・設備案内画面が完成する。ブラウザ12を閉じて、画面ビルダ7を終了する
【0032】
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態に係る画面ビルダ7は、色々な変形が可能である。例えば、プロジェクト管理手段を変形することができる。本実施の形態においてプロジェクト管理手段は、プロジェクト管理ボックス26として提供され、メイン画面24に表示されている。これを、図9の(A)に示されているように、プロジェクトボタン55として提供するようにしてもよい。そしてプレビューボタン57を独立したボタンとしてメイン画面24に表示してもよい。プロジェクトボタン55を選択すると、図9の(B)に示されているように、プロジェクト管理サブウィンドウ59を表示させるようにする。このサブウィンドウ59からプロジェクトの作成、読込つまり開く、保存、等の操作をさせるようにすることができる。メイン画面24‘に表示させるボタンを増やすこともできる。図9の(A)、(B)に示されているように、環境設定ボタン60を増やすことができる。環境設定ボタン60は、メイン画面24の表示色を変更したり、メイン画面24の備えている属性を変更することができるようにする。
【符号の説明】
【0033】
1 建物・設備案内画面システム 2 ネットワーク
3 サーバ
4a、4b、4c 端末
6 WEBサーバ 7 画面ビルダ
9 建物・設備案内画面 10 ドキュメント保存領域
12 ブラウザ 13 建物名称
14 マップ 16 シーン移動アイコン
17 シーン名称 19 情報表示用アイコン
20 情報表示用アイコン 21 情報表示用アイコン
24 メイン画面 26 プロジェクト管理ボックス
27 マップ設定ボタン 28 シーン設定ボタン
29 室内フォト画像設定ボタン 30 アイコン設定ボタン
32 建物名称表示欄 33 シーン名称表示欄
35 プロジェクト作成サブウィンドウ 36 プロジェクト読込サブウィンドウ
38 マップ選択サブウィンドウ 39 マップ
40 シーン設定サブウィンドウ 42 室内フォト画像選択サブウィンドウ
43 アイコン設定サブウィンドウ 45 移動アイコン
46 移動先シーン設定サブウィンドウ 47 PDFの情報表示用アイコン
49 PDFリンク設定サブウィンドウ 50 情報表示用アイコン
51 情報表示用アイコン 53 プレビュー終了ボタン
55 プロジェクトボタン 57 プレビューボタン
59 プロジェクト管理サブウィンドウ 60 環境設定ボタン
S1 工作機械 S2 竪型射出成形機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9