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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110087
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】電気機器および情報同期システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/14 20060101AFI20240807BHJP
   A47J 27/00 20060101ALN20240807BHJP
   H05B 6/12 20060101ALN20240807BHJP
【FI】
G06F11/14 641D
A47J27/00 109Z
H05B6/12 304
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014444
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】井上 友見
(72)【発明者】
【氏名】前田 雄太
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 優司
【テーマコード(参考)】
3K151
4B055
【Fターム(参考)】
3K151CA43
3K151CA61
3K151CA63
4B055AA02
4B055BA31
4B055CC18
4B055CD73
4B055GB50
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、バックアップ電源に頼ることなく、電力供給部が外部からの電力の供給を行うことができない状態になる前の状態に自動的に戻すことができる電気機器を提供することである。
【解決手段】本発明に係る電気機器200は、第1情報を記憶する記憶部220と、サーバ100と通信するための通信部250と、記憶部および通信部を制御する共に情報処理を行う情報処理部210と、情報処理部、記憶部および通信部に外部からの電力を供給可能な電力供給部260と、を備え、電力供給部が、情報処理部、記憶部および通信部への電力の供給を行うことができない状態から情報処理部、記憶部および通信部への電力の供給を行う状態になった時、情報処理部は、サーバに記憶される第1情報をサーバから通信部を介して受信し、記憶部に記憶される第1情報を、サーバから受信した第1情報に置き換える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報を記憶する記憶部と、
サーバと通信するための通信部と、
前記記憶部および前記通信部を制御する共に情報処理を行う情報処理部と、
前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部に外部からの電力を供給可能な電力供給部と、を備え、
前記電力供給部が、前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行うことができない状態から前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行う状態になったとき、前記情報処理部は、前記サーバに記憶される前記第1情報を前記サーバから前記通信部を介して受信し、前記記憶部に記憶される前記第1情報を、前記サーバから受信した前記第1情報に置き換える
電気機器。
【請求項2】
前記第1情報を取得する取得部をさらに備え、
前記情報処理部は、前記通信部が前記サーバと通信可能な状態になった場合に、前記通信部を介して前記第1情報を前記サーバに送信する
請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記第1情報を取得する取得部をさらに備え、
前記情報処理部は、前記取得部が新たに取得した前記第1情報が、前記取得部が直前に取得した前記第1情報から変化した場合に、前記通信部を介して前記第1情報を前記サーバに送信する
請求項1に記載の電気機器。
【請求項4】
前記電力供給部が前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行っており、前記通信部が前記サーバと通信不可能な状態である間に、前記取得部が新たに取得した前記機器情報が、前記取得部が直前に取得した前記機器情報から変化すると、前記情報処理部は、前記通信部が前記サーバと通信可能な状態になってから、前記取得部により新たに取得された前記機器情報を、前記通信部を介して前記サーバに送信する
請求項2または3に記載の電気機器。
【請求項5】
前記第1情報は、前記電気機器の状態を示す状態情報である
請求項1から3のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項6】
前記第1情報は、前記電気機器における設定情報である
請求項1から3のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項7】
サーバと、
第1情報を記憶する記憶部と、前記サーバと通信するための通信部と、前記記憶部および前記通信部を制御すると共に情報処理を行う情報処理部と、前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部に外部からの電力を供給可能な電力供給部とを有する電気機器と、を備え、
前記電力供給部が、前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行うことができない状態から前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行う状態になった時、前記情報処理部は、前記サーバに記憶される前記第1情報を前記サーバから前記通信部を介して受信し、前記記憶部に記憶される前記第1情報を、前記サーバから受信した前記第1情報に置き換える
情報同期システム。
【請求項8】
前記第1情報を取得する取得部をさらに備え、
前記電力供給部が、前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行うことができない状態から前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行う状態になったとき、前記情報処理部は、前記記憶部に記憶される前記第1情報を、前記通信部を介して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記情報処理部から受信した前記第1情報と、前記サーバに記憶される前記第1情報とが異なる場合に、前記サーバに記憶される前記第1情報を、前記通信部を介して前記情報処理部に送信し、
前記情報処理部が、前記サーバに記憶される前記第1情報を前記サーバから前記通信部を介して受信するまでに、前記取得部が、前記記憶部に記憶される前記第1情報とは異なる前記第1情報を取得しなかった場合は、前記情報処理部は、前記記憶部に記憶される前記第1情報を、前記サーバから受信した前記第1情報に置き換え、
前記情報処理部が、前記サーバに記憶される前記第1情報を前記サーバから前記通信部を介して受信するまでに、前記取得部が、前記記憶部に記憶される前記第1情報とは異なる前記第1情報を取得した場合は、前記情報処理部は、前記記憶部に記憶される前記第1情報を、前記取得部が取得した前記第1情報に置き換える
請求項7に記載の情報同期システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器および情報同期システムに関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「被調理物を入れる鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器の動作を制御する制御手段と、商用交流電源を直流電力に変換し少なくとも前記制御手段に電力供給する直流電源と、前記商用交流電源からの電力供給が停止した際に少なくとも前記制御手段に電力供給するバックアップ手段と、所定の動作モードにおいてのみ前記直流電源からの電力供給により前記バックアップ手段を充電できる充電手段とを備えた炊飯器」が提案されている(例えば、特開2013-215380号公報等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-215380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような電気機器(炊飯器など)は、外部(商用電源)からの電力を供給する電力供給部に加えて、リチウム電池などの電池から成るバックアップ電源を備えている。そして、電力供給部が例えば停電等によって電力の供給を行うことができない状態になったとしても、電池寿命が尽きていない場合、揮発性メモリに記憶される情報(例えば、電気機器の状態を示す状態情報、電気機器における設定情報、時刻情報など)がバックアップ電源によってリセットされないようにすることができる。しかし、電池寿命が尽きた状態で、電力供給部が電力の供給を行うことができない状態になった場合には、揮発性メモリに記憶される情報がリセットされてしまう。そして、上述のような電気機器では、そのような情報がリセットされると、電気機器の使用者は、電気機器を、電力供給部が電力の供給を行うことができない状態になる前の状態に戻す場合にはそれらの情報を自身で再入力しなければならず、このような作業が煩わしいと感じることがある。また、上述のような電気機器では、電池寿命が尽きた電池を交換することができるが、電気機器の使用者が電池を交換することは容易ではなく、電気機器の製造販売業者に電池の交換を依頼することが一般的であり、電気機器の使用者によってはこのような依頼が煩わしいと感じることがある。
【0005】
本発明の課題は、バックアップ電源に頼ることなく、電力供給部が外部からの電力の供給を行うことができない状態になる前の状態に自動的に戻すことができる電気機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気機器は、
第1情報を記憶する記憶部と、
サーバと通信するための通信部と、
前記記憶部および前記通信部を制御する共に情報処理を行う情報処理部と、
前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部に外部からの電力を供給可能な電力供給部と、を備え、
前記電力供給部が、前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行うことができない状態から前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行う状態になったとき、前記情報処理部は、前記サーバに記憶される前記第1情報を前記サーバから前記通信部を介して受信し、前記記憶部に記憶される前記第1情報を、前記サーバから受信した前記第1情報に置き換える。
【0007】
上記構成によれば、電力供給部が、例えば停電等によって情報処理部、記憶部および通信部への外部からの電力の供給を行うことができない状態から情報処理部、記憶部および通信部への外部からの電力の供給を行う状態になった時、情報処理部は、サーバに記憶される第1情報をサーバから通信部を介して受信し、記憶部に記憶される第1情報を、サーバから受信した第1情報に置き換える。このため、この電気機器は、バックアップ電源に頼ることなく、電力供給部が外部からの電力の供給を行うことができない状態になる前の状態に自動的に戻すことができる。なお、電気機器は、例えば、炊飯器、グリル鍋、カフェマシン、トースター、ベーカリー、餅つき機、空気清浄機、加湿器などである。また、第1情報は、例えば、電気機器の状態を示す状態情報、電気機器における設定情報、時刻情報などである。また、電気機器の状態を示す状態情報、および、電気機器における設定情報を併せて機器情報と称する場合がある。なお、第1情報が時刻情報である場合、「電力供給部が外部からの電力の供給を行うことができない状態になる前の状態に戻す」とは、時刻情報が正しい時刻を示すようにすることを意味する。
【0008】
本発明では、
前記第1情報を取得する取得部がさらに備えられ、
前記情報処理部は、前記通信部が前記サーバと通信可能な状態になった場合に、前記通信部を介して前記第1情報を前記サーバに送信すると好適である。
【0009】
上記構成によれば、情報処理部は、通信部がサーバと通信可能な状態になった場合に、通信部を介して第1情報をサーバに送信する。そして、情報処理部は、サーバが第1情報を記憶していないのであれば、送信した第1情報をサーバに新規で記憶させ、サーバが第1情報を既に記憶しているのであれば、サーバに記憶している第1情報を、サーバに送信した第1情報で置き換える。このため、この電気機器では、電気機器における最新の第1情報をサーバに記憶させておくことができる。
【0010】
本発明では、
前記第1情報を取得する取得部がさらに備えられ、
前記情報処理部は、前記取得部が新たに取得した前記第1情報が、前記取得部が直前に取得した前記第1情報から変化した場合に、前記通信部を介して前記第1情報を前記サーバに送信すると好適である。
【0011】
上記構成によれば、情報処理部は、取得部が新たに取得した第1情報が、取得部が直前に取得した第1情報から変化した場合に、通信部を介して第1情報をサーバに送信する。そして、情報処理部は、サーバが第1情報を記憶していないのであれば、送信した第1情報をサーバに新規で記憶させ、サーバが第1情報を既に記憶しているのであれば、サーバに記憶している第1情報を、サーバに送信した第1情報で置き換える。すなわち、この電気機器において、情報処理部は、第1情報の更新が必要になった場合のみ、サーバと通信することになる。このため、この電気機器は、サーバとの通信の量をできるだけ抑えつつ、最新の第1情報をサーバに記憶させておくことができる。
【0012】
本発明では、
前記電力供給部が前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行っており、前記通信部が前記サーバと通信不可能な状態である間に、前記取得部が新たに取得した前記第1情報が、前記取得部が直前に取得した前記第1情報から変化すると、前記情報処理部は、前記通信部が前記サーバと通信可能な状態になってから、前記取得部により新たに取得された前記第1情報を、前記通信部を介して前記サーバに送信すると好適である。
【0013】
上記構成によれば、通信部がサーバと通信不可能である間に、取得部が新たに取得した第1情報が、取得部が直前に取得した第1情報から変化すると、情報処理部は、通信部がサーバと通信可能な状態になってから、取得部により新たに取得された第1情報を、通信部を介してサーバに送信する。そして、情報処理部は、サーバに対して、この第1情報で、サーバに記憶される第1情報を置き換えさせる。このため、この電気機器では、電気機器およびサーバそれぞれに記憶される第1情報につき整合性をとることができる。
【0014】
本発明では、
前記第1情報は、前記電気機器の状態を示す状態情報であると好適である。
【0015】
上記構成によれば、使用者は、バックアップ電源に頼ることなく、電力供給部が外部からの電力の供給を行うことができない状態になる前の電気機器の状態を示す状態情報に基づいて、電気機器を操作することができる。
【0016】
本発明では、
前記第1情報は、前記電気機器における設定情報であると好適である。
【0017】
上記構成によれば、使用者は、バックアップ電源に頼ることなく、電力供給部が外部からの電力の供給を行うことができない状態になる前の電気機器における設定情報に基づいて、電気機器を操作することができる。
【0018】
本発明に係る情報同期システムは、
サーバと、
第1情報を記憶する記憶部と、前記サーバと通信するための通信部と、前記記憶部および前記通信部を制御すると共に情報処理を行う情報処理部と、前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部に外部からの電力を供給可能な電力供給部とを有する電気機器と、を備え、
前記電力供給部が、前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行うことができない状態から前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行う状態になった時、前記情報処理部は、前記サーバに記憶される前記第1情報を前記サーバから前記通信部を介して受信し、前記記憶部に記憶される前記第1情報を、前記サーバから受信した前記第1情報に置き換える。
【0019】
上記構成によれば、電力供給部が、例えば停電等によって情報処理部、記憶部および通信部への外部からの電力の供給を行うことができない状態から情報処理部、記憶部および通信部への外部からの電力の供給を行う状態になったとき、情報処理部は、サーバに記憶される第1情報をサーバから通信部を介して受信し、記憶部に記憶される第1情報を、サーバから受信した第1情報に置き換える。このため、この情報同期システムでは、電気機器のバックアップ電源に頼ることなく、電気機器を、電力供給部が外部からの電力の供給を行うことができない状態になる前の状態に自動的に戻すことができる。なお、電気機器は、例えば、炊飯器、グリル鍋、カフェマシン、トースター、ベーカリー、餅つき機、空気清浄機、加湿器などである。また、第1情報は、例えば、電気機器の状態を示す状態情報、電気機器における設定情報、時刻情報などである。
【0020】
本発明では、
前記第1情報を取得する取得部がさらに備えられ、
前記電力供給部が、前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行うことができない状態から前記情報処理部、前記記憶部および前記通信部への前記電力の供給を行う状態になったとき、前記情報処理部は、前記記憶部に記憶される前記第1情報を、前記通信部を介して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記情報処理部から受信した前記第1情報と、前記サーバに記憶される前記第1情報とが異なる場合には、前記サーバに記憶される前記第1情報を、前記通信部を介して前記情報処理部に送信し、
前記情報処理部が、前記サーバに記憶される前記第1情報を前記サーバから前記通信部を介して受信するまでに、前記取得部が、前記記憶部に記憶される前記第1情報とは異なる前記第1情報を取得しなかった場合は、前記情報処理部は、前記記憶部に記憶される前記第1情報を、前記サーバから受信した前記第1情報に置き換え、
前記情報処理部が、前記サーバに記憶される前記第1情報を前記サーバから前記通信部を介して受信するまでに、前記取得部が、前記記憶部に記憶される前記第1情報とは異なる前記第1情報を取得した場合は、前記情報処理部は、前記記憶部に記憶される前記第1情報を、前記取得部が新たに取得した前記第1情報に置き換えると好適である。
【0021】
上記構成によれば、情報処理部が、サーバに記憶される第1情報をサーバから通信部を介して受信するまでに、取得部が、記憶部に記憶される第1情報とは異なる第1情報を取得しなかった場合は、情報処理部は、記憶部に記憶される第1情報を、サーバから受信した第1情報に置き換える。このため、この情報同期システムでは、取得部が取得した新たな第1情報が、サーバに記憶される第1情報で置き換えらえることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る情報同期システムの構成を示すイメージ図である。
図2】本発明の実施形態に係る電気機器の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<本発明の実施形態に係る電気機器の構成>
本発明の実施形態に係る電気機器200は、図1に示されるように、通信ネットワーク50を介してサーバ100と相互に通信可能に接続されており、サーバ100と共に情報同期システム1を構成している。なお、通信ネットワーク50は、どのような通信網(例えば、インターネット、キャリア網など)で構成されてもよく、有線であるか無線であるかを問わない。以下、電気機器200の構成について説明してから、サーバ100の構成について説明する。
【0024】
1.電気機器
まず、電気機器200の構成について説明する。電気機器200は、例えば、メモリ220に記憶されている機器情報をサーバ100に送信して記憶させたり、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報をサーバ100から受信して自身のメモリ220に記憶させたりする。なお、電気機器200は、例えば、炊飯器、グリル鍋、カフェマシン、トースター、ベーカリー、餅つき機、空気清浄機、加湿器などであるが、説明の便宜上、以下、電気機器200を炊飯器として説明を行っている箇所があることに留意されたい。また、機器情報は、例えば、電気機器200の状態を示す状態情報(例えば、電気機器200が待機状態であることを示す情報、電気機器200の使用者によって選択されたメニューに含まれるどの工程を実行しているかを示す情報など)、設定情報(例えば、電気機器200が炊飯器である場合に電気機器200の使用者によって設定されたお米の銘柄を示す情報や、電気機器200が炊飯器である場合に炊飯器に搭載される早炊き等のどのメニューを選択したかを示すメニュー選択情報、IDなどの識別情報、電気機器200の使用者が住んでいる地域を示す地域情報など)などである。
【0025】
また、この電気機器200は、必要に応じてサーバ100のメモリ120に記憶される時刻情報(すなわち時刻を示す情報)を、サーバ100から受信して自身のメモリ220に記憶させる(言い換えると、電気機器200は、自身の時刻情報を、サーバ100の時刻情報と同期させている。)。なお、ここで、時刻情報は機器情報には含まれない。
【0026】
ところで、電気機器200は、図2に示されるように、主に、CPU(Central Processing Unit)210、メモリ220、表示部230、操作部240、通信インターフェイス250、電力供給部260および機器機能部270などから構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0027】
(1)CPU
CPU210は、例えば、電気機器200の使用者からの操作部240を介した入力情報などに従ってメモリ220に記憶されているプログラムを実行することによって、電気機器200の各部を制御したり、メモリ220から必要なデータを取得して演算処理(例えば、算術演算処理や論理演算処理など)を行ったり、機器情報を取得したりする。また、CPU210は、例えば、メモリ220に記憶されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。例えば、CPU210は、メモリ220に記憶されている時刻プラグラムを実行し、時を刻んでいる。なお、CPU210は、機器情報については、少なくとも、操作部240や、機器機能部270の温度測定部等から取得した最新の機器情報、および、この最新の機器情報を取得する直前に取得した記憶情報をメモリ220に記憶する。
【0028】
(2)メモリ
メモリ220は、各種のRAM(Random Access Memory)や、各種のROM(Read Only Memory)などである。メモリ220は、CPU210によって実行される時刻プログラムなどのプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ(時刻データを含む)、操作部240を介して入力されたデータ、機器機能部270の温度測定部等から送信されてくるデータ、通信ネットワーク50を介してサーバ100などから受信したデータなどを記憶する。なお、電気機器200の機器情報は、各種のRAMに記憶される。
【0029】
(3)表示部
表示部230は、CPU210からの信号に基づいて、テキスト、画像、映像などを表示する。なお、表示部230は、タッチパネル機能を有していてもよい。
【0030】
(4)操作部
操作部240は、ボタン、タッチパネル、マウス、キーボードなどであり、電気機器200の使用者からの入力情報を取得してCPU210に入力する。電気機器200の使用者は、例えば、機器情報などを入力情報として、操作部240を介して入力することができる。
【0031】
(5)通信インターフェイス
通信インターフェイス250は、通信ネットワーク50を介してサーバ100などの他の装置にCPU210からのデータを送信する。逆に、通信インターフェイス250は、通信ネットワーク50を介してサーバ100などの他の装置からのデータを受信してCPU210に受け渡す。
【0032】
(6)電力供給部
電力供給部260は、主に、電源回路基板、電源コードおよび電源プラグなどから構成される。電源回路基板は、電気機器200の各部(CPU210、メモリ220、表示部230、操作部240、通信インターフェイス250、および、機器機能部270における電気部品(例えば、電気機器200が炊飯器である場合、加熱部や温度測定部など))に外部(商用電源)からの電力を供給する電源を実現するための電源回路を構成する基板である。電源コードは、電源回路基板の電源回路に接続されている。電源プラグは、電源コードの先端に接続されている。そして、電源プラグがコンセントに差し込まれると、電気機器200の電源回路が、電源プラグおよび電源コードを介して電源接続される。
【0033】
なお、本発明の実施形態に係る電気機器200は、バックアップ電源(例えば、リチウム電池などの電池)を備えていない。このようなバックアップ電源は、停電が起きたり電源プラグがコンセントから抜けたりする等して電力供給部260が電気機器200の各部に外部からの電力の供給行うことができない状態になっている時に、外部からの電力に頼らずとも電気機器200の各部に電力を供給するものである。
【0034】
(7)機器機能部
機器機能部270は、電気機器200の諸機能を実現するために必要な構成要素である。電気機器200が例えば炊飯器である場合、機器機能部270は、例えば、筐体、筐体の開口を覆う蓋体、筐体の内部に配置される内鍋、内鍋内の内容物を加熱する加熱部、内鍋の温度や内鍋内の内容物から生じる蒸気の温度を測定する温度測定部などを備える。また、電気機器200が例えばカフェマシンである場合、機器機能部270は、例えば、筐体、筐体の開口を覆う蓋、水を供給するための給水タンク、給水タンクから供給される水を加熱する加熱部、水の温度を測定する温度測定部、コーヒー粉やコーヒー豆などを貯蔵する貯蔵部などを備える。
【0035】
2.サーバ
次に、サーバ100の構成について説明する。サーバ100は、電気機器200の製造販売業者等によって管理されるものであり、電気機器200から送信された機器情報を受信してメモリ120に記憶したり、メモリ120に記憶されている機器情報を電気機器200に送信してそのメモリ220に記憶させたりする。サーバ100は、図3に示されるように、主に、CPU110、メモリ120、表示部130、操作部140および通信インターフェイス150などから構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0036】
(1)CPU
CPU110は、例えば、サーバ100の管理者からの操作部140を介した入力情報などに従ってメモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御したり、メモリ120から必要なデータを取得して演算処理(例えば、算術演算処理や論理演算処理など)を行ったりする。また、CPU110は、例えば、メモリ120に記憶されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。例えば、CPU110は、メモリ120に記憶されている時刻プラグラムを実行し、時を刻んでいる。なお、CPU110は、電気機器200から受信した機器情報については、少なくとも、受信した最新の機器情報、および、この最新の機器情報を受信する直前に受信した記憶情報をメモリ120に記憶する。
【0037】
(2)メモリ
メモリ120は、各種のRAM、HDDやSSD等の読み書き可能な記憶装置などであり、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置(例えば、図示しないデータ管理サーバなど)の記憶媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行される時刻プログラムなどのプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ(時刻データを含む)、操作部140を介して入力されたデータ、通信ネットワーク50を介して電気機器200などから受信したデータなどを記憶する。
【0038】
(3)表示部
表示部130は、CPU110からの信号に基づいて、テキスト、画像、映像などを表示する。なお、表示部130は、タッチパネル機能を有していてもよい。
【0039】
(4)操作部
操作部140は、マウス、キーボード、ボタン、タッチパネルなどであり、サーバ100の管理者からの入力情報などをCPU110に入力する。
【0040】
(5)通信インターフェイス
通信インターフェイス150は、通信ネットワーク50を介して電気機器200などの他の装置にCPU110からのデータ(例えば、メモリ120に記憶される電気機器200の機器情報や時刻データなど)を送信する。逆に、通信インターフェイス150は、通信ネットワーク50を介して電気機器200からのデータ(例えば、電気機器200の機器情報など)を受信してCPU110に受け渡す。
【0041】
<本発明の実施形態に係る電気機器およびサーバにおける情報処理概要>
本発明の実施形態に係る電気機器200は、上述のように、サーバ100と共に情報同期システム1を構成している。以下、本発明の実施形態に係る電気機器200およびサーバ100における情報処理概要を、以下の1.~3.の3つの場合に分けて説明する。
【0042】
1.電気機器200の電力供給部260が各部に外部からの電力を供給していると共に、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能である状態である場合
以下、電力供給部260が電気機器200の各部(CPU210、メモリ220、表示部230、操作部240、通信インターフェイス250、および、機器機能部270における電気部品)に外部からの電力を供給していると共に、通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能である状態である場合の、電気機器200およびサーバ100における処理について説明する。
【0043】
・電気機器200における処理
まず、電気機器200のCPU210は、操作部240が取得した入力情報を機器情報として取得してメモリ220に記憶したり、メモリ220の各種のROMに記憶されているプログラムを実行することで機器情報を取得してメモリ220に記憶したりする。なお、電気機器200のCPU210は、時刻プログラムを実行して、例えば、時刻が12時00分であることを示す時刻情報を取得してメモリ220に記憶する。また、例えば、電気機器200が炊飯器であり、電気機器200の使用者が早炊きメニューを選択したことを示すメニュー選択情報を操作部240が取得している場合に、電気機器200のCPU210は、早炊きメニューにおける全工程のうち昇温工程を実行していることを示す情報を機器情報として取得してメモリ220に記憶する。なお、上述の通り、電気機器200のCPU210は、取得した最新の機器情報(以下「最新機器情報」という)だけではなく、最新機器情報を取得する直前に取得した機器情報(以下「直前機器情報」という)もメモリ220に記憶しておくことができる。そして、電気機器200のCPU210は、機器情報を取得してメモリ220に記憶することを繰り返し、メモリ220に記憶されている最新機器情報と直前機器情報とが異なると判定した場合(すなわち、メモリ220に記憶されている最新機器情報が直前機器情報から変化した場合)、メモリ220に記憶されている最新機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信し、その機器情報をサーバ100のメモリ120に記憶させる(すなわち、サーバ100との間で機器情報を同期している。)。
【0044】
なお、例えば、電気機器200が炊飯器である場合、直前機器情報が、炊飯器が待機状態であることを示す状態情報であり、最新機器情報が、電気機器200の使用者が早炊きメニューの予約をしたことを示す状態情報である場合などである。そして、状態情報は、電気機器200が早炊きメニューにおける各工程を実施する度に、例えば吸水工程を実施していることを示す情報→昇温工程を実施していることを示す情報→炊き上げ工程を実施していることを示す情報→蒸らし工程を実施していることを示す情報→保温工程を実施していることを示す情報などのように変化する。なお、電気機器200が炊飯器以外(例えば、グリル鍋、カフェマシン、トースター、ベーカリー、餅つき機など)である場合の状態情報の変化例については、変形例にて説明する。
【0045】
・サーバ100における処理
サーバ100のCPUは、通信インターフェイス150を介して電気機器200から機器情報を受信すると、受信した機器情報をメモリ120に記憶する。なお、サーバ100のCPUは、受信した機器情報よりも古い機器情報がサーバ100のメモリ120に記憶されている場合、受信した機器情報よりも古い機器情報を、受信した機器情報に置き換える。
【0046】
2.電気機器200の電力供給部260が各部に外部からの電力を供給している状態において、サーバ100と通信不可能な状態であった電気機器200の通信インターフェイス250が途中で通信可能な状態になった場合
以下、電気機器200の電力供給部260が各部に外部からの電力を供給している状態において、サーバ100と通信不可能な状態であった電気機器200の通信インターフェイス250が途中で通信可能な状態になった場合の、電気機器200およびサーバ100における処理について説明する。なお、例えば、電気機器200のネットワーク接続設定が完了していなかったり、プロバイダに通信障害が発生したりすると、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信不可能な状態になる。
【0047】
・電気機器200における処理
電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信不可能な状態であっても、電気機器200の電力供給部260が各部に外部からの電力を供給している状態においては、電気機器200のCPU210は、上述のように機器情報を取得してメモリ220に記憶する。このため、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能な状態になるまで、電気機器200のCPU210は、機器情報を取得してメモリ220に記憶することを繰り返す。そして、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能な状態になると、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている最新機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信し、その機器情報をサーバ100のメモリ120に記憶させる。
【0048】
なお、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信不可能である間に、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている最新機器情報が直前機器情報から変化したと判定すると、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能な状態になってから、メモリ220に記憶されている最新機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信することもできる。
【0049】
・サーバ100における処理
サーバ100のCPUは、通信インターフェイス150を介して電気機器200から機器情報を受信すると、受信した機器情報をメモリ120に記憶する。なお、サーバ100のCPUは、受信した機器情報よりも古い機器情報がサーバ100のメモリ120に記憶されている場合、受信した機器情報よりも古い機器情報を、受信した機器情報に置き換える。
【0050】
3.電力供給部260が電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態から電気機器200の各部に外部からの電力を供給する状態になり、通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続された場合
以下、電力供給部260が電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態から電気機器200の各部に外部からの電力を供給する状態になり、通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続された場合の、電気機器200およびサーバ100における処理について説明する。なお、電力供給部260が電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態は、例えば、停電が起きた状態や電源プラグがコンセントから抜けた状態等である。
【0051】
・電気機器200における処理
電気機器200は、電気機器200の電力供給部260が電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態から電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができる状態になった直後に、以下の処理を実行する。なお、電気機器200の電力供給部260が電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態から電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができる状態になった直後において、電気機器200のCPU210は、商用電源の商用周波数が電力供給部260から入力されていない状態から商用電源の商用周波数が電力供給部260から入力された状態になったことを検出すると、電気機器200の再起動があったと判断する。
【0052】
まず、電気機器200のCPU210は、操作部240が取得した入力情報を機器情報として取得してメモリ220に記憶したり、メモリ220の各種のROMに記憶されているプログラムを実行することで機器情報を取得してメモリ220に記憶したりする。また、電気機器200のCPU210は、電気機器200の再起動があったことを検知した場合、通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続されると、メモリ220に記憶されている機器情報、機器情報要求情報および時刻情報要求情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信する。なお、電気機器200のCPU210は、通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続されると、電気機器200の使用者からの操作部240を介した入力情報を受け付けないようにすると共に、表示部230に何も表示させないようにする。ただし、電気機器200のCPU210は、所定時間が経過しても通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続されない場合は、電気機器200の使用者からの操作部240を介した入力情報を受け付ける。ところで、サーバ100のCPU110は、電気機器200のメモリ220に記憶されている機器情報、機器情報要求情報および時刻情報要求情報を、通信インターフェイス150を介して電気機器200から受信すると後述の処理を実行する。そして、電気機器200のCPU210は、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報をサーバ100から受信するまでに、メモリ220に記憶されている機器情報とは異なる機器情報を取得しなかった場合は、メモリ220に記憶されている機器情報を、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報に置き換える(すなわち、電気機器200の電力供給部260が電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態になる前の機器情報を復元する。)。なお、電気機器200のCPU210は、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報の復元を完了すると、電気機器200の使用者からの操作部240を介した入力情報を受け付けるようにする。また、このとき、電気機器200のCPU210は、表示部230に何も表示させない状態を解除する。
【0053】
なお、電気機器200のCPU210は、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報をサーバ100から受信するまでに、メモリ220に記憶されている機器情報とは異なる機器情報を新たに取得した場合は、メモリ220に記憶されている機器情報を、新たに取得した機器情報に置き換える。なお、ここで、新たに取得した機器情報は、例えば、電気機器200のCPU210が機器機能部270(例えば、温度測定部等)から取得した機器情報や、メモリ220の各種のROMに記憶されているプログラム(ただし、サーバ100との通信接続を必要とするプログラムを除く)を電気機器200のCPU210が実行して取得した機器情報等である。なお、電気機器200のCPU210は、その後にサーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報をサーバ100から受信すると、その機器情報を破棄する。また、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている機器情報を、新たに取得した機器情報に置き換えることを完了すると共に、サーバ100から受信した機器情報の破棄を完了させると、電気機器200の使用者からの操作部240を介した入力情報を受け付けるようにする。また、このとき、電気機器200のCPU210は、表示部230に何も表示させない状態を解除する。
【0054】
また、電気機器200のCPU210は、サーバ100から時刻情報を受信してメモリ220に記憶すると、時刻プログラムに対してこの時刻情報が示す時刻を起点として時刻計測を開始させる。
【0055】
・サーバ100における処理
サーバ100のCPUは、通信インターフェイス150を介して電気機器200から機器情報および機器情報要求情報を受信すると、電気機器200から受信した機器情報と、メモリ120に記憶されている機器情報とが異なるか否かを判定する。そして、サーバ100のCPUは、受信した機器情報と、メモリ120に記憶されている機器情報とが異なると判定した場合には、電気機器200から受信した機器情報をメモリ120に記憶しないようにすると共に、メモリ120に記憶されている機器情報を、通信インターフェイス150を介して電気機器200に送信する。また、サーバ100のCPUは、電気機器200から受信した機器情報と、メモリ120に記憶されている機器情報とが同じであると判定した場合には、電気機器200から受信した機器情報をメモリ120に記憶しないようにするだけであり、電気機器200に何も送信しない。なお、サーバ100のCPUは、通信インターフェイス150を介して電気機器200から機器情報および機器情報要求情報を受信したとしても、メモリ120に機器情報が記憶されていない場合は、電気機器200に何も送信しない。メモリ120に機器情報が記憶されていない場合は、例えば、サーバ100側で障害が発生し、メモリ120に記憶されていた機器情報が消失した場合等である。
【0056】
また、サーバ100のCPUは、通信インターフェイス150を介して電気機器200から時刻情報要求情報を受信すると、サーバ100のその時点の時刻情報を、通信インターフェイス150を介して電気機器200に送信する。
【0057】
<本発明の実施形態に係る電気機器の特徴>
(1)
本発明の実施形態に係る電気機器200では、電力供給部260が、電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態から電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができる状態になると、電気機器200のCPU210は、機器情報を取得してメモリ220に記憶する。そして、通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続されると、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている機器情報および機器情報要求情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信する。そして、サーバ100のCPU110は、電気機器200から受信した機器情報と、メモリ120に記憶されている200の機器情報とが異なると判定した場合、メモリ120に記憶されている機器情報を、通信インターフェイス150を介して電気機器200に送信する。そして、電気機器200のCPU210は、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100から受信するまでに、メモリ220に記憶されている機器情報とは異なる機器情報を取得しなかった場合は、メモリ220に記憶されている機器情報を、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報に置き換える。このため、この電気機器200では、バックアップ電源に頼ることなく、電力供給部260が外部からの電力の供給を行うことができない状態になる前の状態に自動的に戻すことができる。また、この電気機器200では、電気機器200のCPU210は、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100から受信するまでに、メモリ220に記憶されている機器情報とは異なる機器情報を取得した場合、メモリ220に記憶されている機器情報を、新たに取得した機器情報に置き換える。このため、この電気機器200では、新たに取得した機器情報が、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報で置き換えられることを防止することができる。
【0058】
(2)
本発明の実施形態に係る電気機器200では、電気機器200の電力供給部260が各部に外部からの電力を供給すると共に、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能な状態である場合、電気機器200のCPU210は、機器情報を取得してメモリ220に記憶することを繰り返す。そして、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている最新機器情報と直前機器情報とが異なると判定した場合、メモリ220に記憶されている最新機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信し、その機器情報をサーバ100のメモリ120に記憶させる。このため、この電気機器200では、電気機器200における最新の機器情報をサーバ100のメモリ120に記憶させておくことができる。
【0059】
(3)
本発明の実施形態に係る電気機器200では、電気機器200の電力供給部260が各部に外部からの電力を供給している状態であり、通信インターフェイス250がサーバ100と通信不可能な状態である間、電気機器200のCPU210は、機器情報を取得してメモリ220に記憶することを繰り返す。そして、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能な状態になると、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている最新機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信し、その機器情報をサーバ100のメモリ120に記憶させる。このため、この電気機器200では、電気機器200のメモリ220およびサーバ100のメモリ120それぞれに記憶される機器情報に関して整合性をとることができる。
【0060】
<変形例>
(A)
先の実施形態に係る電気機器200では、電気機器200の電力供給部260が各部に外部からの電力を供給すると共に、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能な状態である場合、電気機器200のCPU210は、機器情報を取得してメモリ220に記憶することを繰り返していた。そして、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている最新機器情報と直前機器情報とが異なると判定した場合、メモリ220に記憶されている最新機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信し、その機器情報をサーバ100のメモリ120に記憶させていた。しかし、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている最新機器情報と直前機器情報とが異なると判定した場合でなくても、機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信してもよい。例えば、電気機器200のCPU210は、機器情報を取得してメモリ220に記憶する度に、メモリ220に記憶されている最新機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信してもよい。
【0061】
(B)
先の実施形態に係る電気機器200では、電気機器200の電力供給部260が各部に外部からの電力を供給している状態であり、通信インターフェイス250がサーバ100と通信不可能な状態である間に、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている最新機器情報が直前機器情報から変化したと判定すると、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能な状態になってから、メモリ220に記憶されている最新機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信していた。しかし、電気機器200のCPU210は、電力供給部260が電気機器200の各部に電気機器200の外部からの電力を供給しており、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能な状態になっていない間に取得した機器情報を、電気機器200の通信インターフェイス250がサーバ100と通信可能な状態になってからも通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信しなくてもよい。
【0062】
(C)
先の実施形態に係る電気機器200では、電力供給部260が電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態から電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができる状態になった直後において、通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続されると、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている機器情報および機器情報要求情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信していた。そして、電気機器200のCPU210は、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100から受信するまでに、メモリ220に記憶されている機器情報とは異なる機器情報を取得した場合は、メモリ220に記憶されている機器情報を、新たに取得した機器情報に置き換えていた。しかし、電気機器200のCPU210は、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報を、通信インターフェイス250を介してサーバ100から受信するまでに、メモリ220に記憶されている機器情報とは異なる機器情報を取得した場合でも、メモリ220に記憶されている機器情報を、サーバ100のメモリ120に記憶させておいた機器情報に置き換えてもよい。
【0063】
また、電力供給部260が電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態から電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができる状態になり、電気機器200のCPU210が、機器情報を取得してメモリ220に記憶した場合において、通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続されると、電気機器200のCPU210は、メモリ220に記憶されている機器情報要求情報だけを、通信インターフェイス250を介してサーバ100に送信してもよい。そして、サーバ100のCPU110は、機器情報要求情報を受信した場合、メモリ120に記憶されている電気機器200の機器情報を、通信インターフェイス150を介して電気機器200に送信してもよい。そして、電気機器200のCPU210が、サーバ100から受信した機器情報と、メモリ220に記憶されている機器情報とが異なるか否かを判定してもよい。そして、電気機器200のCPU210は、判定の結果、それらが異なると判定した場合、メモリ220に記憶されている機器情報を、サーバ100から受信した機器情報に置き換えてもよい。電気機器200のCPU210は、判定の結果、それらが同じであると判定した場合、サーバ100から受信した機器情報を削除してもよいし、メモリ220に記憶している機器情報をサーバ100から受信した機器情報に置き換えてもよい。
【0064】
(D)
先の実施形態に係る電気機器200では、電気機器200の電力供給部260が、電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態から電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができる状態になった直後の処理において、電気機器200のCPU210は、通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続されると、電気機器200の使用者からの操作部240を介した入力情報を受け付けないようにしていた。しかし、電気機器200のCPU210は、通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続されたとき以外に、電気機器200の使用者からの操作部240を介した入力情報を受け付けないようにしてもよい。例えば、電気機器200のCPU210は、機器情報を取得してメモリ220に記憶した後且つ通信インターフェイス250がサーバ100と再通信接続される前において、電気機器200の使用者からの操作部240を介した入力情報を受け付けないようにしてもよい。また、先の実施形態に係る電気機器200では、電気機器200のCPU210は、電気機器200の使用者からの操作部240を介した入力情報を受け付けないようにしたとき、表示部230に何も表示させないようにしていた。しかし、このとき、電気機器200のCPU210は、表示部230に何かしらの情報(例えば、「サーバ100からデータを受信中」等の状況を示す情報)を表示させてもよい。これにより、電気機器200の使用者に対して現在の状況をできるだけ分かりやすく認識させることができる。
【0065】
(E)
先の実施形態では電気機器200が炊飯器である場合の状態情報の変化例について説明したが、ここでは、電気機器200が炊飯器以外(例えば、グリル鍋、カフェマシン、トースター、ベーカリー、餅つき機など)である場合の状態情報の変化例について説明する。まず、電気機器200がグリル鍋である場合、状態情報は、例えば待機状態であることを示す情報→予約が完了したことを示す情報→昇温工程を実施していることを示す情報→温度調節工程を実施していることを示す情報→保温工程を実施していることを示す情報などのように変化する。電気機器200がカフェマシンである場合、状態情報は、例えば待機状態であることを示す情報→予約が完了したことを示す情報→蒸らし工程を実施していることを示す情報→攪拌工程を実施していることを示す情報→保温工程を実施していることを示す情報などのように変化する。電気機器200がトースターである場合、状態情報は、例えば待機状態であることを示す情報→加熱工程または発酵工程を実施していることを示す情報→加熱工程または発酵工程が完了したことを示す情報などのように変化する。電気機器200がベーカリーである場合、状態情報は、例えば待機状態であることを示す情報→予約が完了したことを示す情報→発酵工程を実施していることを示す情報→捏ね工程を実施していることを示す情報→加熱工程を実施していることを示す情報→加熱工程が完了したことを示す情報などのように変化する。電気機器200が餅つき機である場合、状態情報は、例えば待機状態であることを示す情報→予約が完了したことを示す情報→給水工程を実施していることを示す情報→蒸し工程を実施していることを示す情報→つき工程を実施していることを示す情報→捏ね工程を実施していることを示す情報→捏ね工程が完了したことを示す情報などのように変化する。
【0066】
(F)
先の実施形態に係る情報同期システム1では、電気機器200の製造販売業者等によって管理されるものとしてサーバ100を説明していた。しかし、サーバ100は、電気機器200の使用者が保有する情報端末(例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなど)によって実現されてもよい。
【0067】
(G)
先の実施形態に係る情報同期システム1では言及しなかったが、電気機器200の使用者が保有する情報端末が情報同期システム1に構成されてもよい。そして、電気機器200のCPU210は、情報端末を介して入力された入力情報を、通信ネットワーク50を介して情報端末から受信してもよい。
【0068】
(H)
先の実施形態に係る電気機器200では、電力供給部260は、主に、電源回路基板、電源コードおよび電源プラグなどから構成され、電源コードは、電源回路基板の電源回路に接続され、電源プラグは、電源コードの先端に接続されていた。そして、電源プラグがコンセントに差し込まれると、電気機器200の電源回路が電源プラグおよび電源コードを介して電源接続されていた。しかし、電力供給部260は、AC/DCアダプタを備えてもよく、上記電源コードがAC/DCアダプタと接続され、AC/DCアダプタのケーブルが電源回路基板の電源回路に接続されてもよい。そして、電気機器200の電力供給部260が電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができない状態から電気機器200の各部に外部からの電力を供給することができる状態になった直後において、電気機器200のCPU210は、電力供給部260から電力が供給された時に電気機器200の再起動があったことを判断するとよい。
【0069】
なお、上記変形例は各例単独で適用されてもよいし、複数の例が組み合わされて適用されてもよい。また、本発明の具体的な構成および処理内容は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 情報同期システム
100 サーバ
200 電気機器
210 CPU(情報処理部、取得部)
220 メモリ(記憶部)
240 操作部(取得部)
250 通信インターフェイス(通信部)
260 電力供給部
図1
図2
図3