(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110088
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/66 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
H01R13/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014445
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 将司
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC40
5E021MA04
5E021MA29
(57)【要約】
【課題】コネクタにおいて、温度センサの組み付け性を高め、端子と温度センサとを良好に接触させる。
【解決手段】コネクタ10は、ハウジング20と、端子32と、保持部品31と、温度センサ36と、を備え、保持部品31は、端子収容部31Aと、第1方向D1に直交する第2方向D2に端子収容部31Aと連なる温度センサ収容部31Bと、を備え、温度センサ収容部31Bは、対向壁部31B1と、一対の側壁部31B2と、第1方向D1に開口する挿入口31B3と、を有し、一対の側壁部31B2は弾性片31B5を備え、弾性片31B5は、温度センサ36を温度センサ収容部31Bの内部に抜け止めする係止部31B6を備え、対向壁部31B1には、温度センサ収容部31Bの内部に突出する押圧部31B8が形成され、第2方向D2における押圧部31B8と端子32の外面との間隔の最小値L1は、第2方向D2における温度センサ36の寸法L2よりも小さくなっている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
端子と、
前記端子を保持する保持部品と、
前記端子の温度を測定するための温度センサと、を備え、
前記ハウジングは、ハウジング本体部と、前記ハウジング本体部を第1方向に貫通する貫通孔と、を有し、
前記保持部品は、前記端子を保持した状態で前記貫通孔に挿通されて前記ハウジングに組み付け可能とされ、
前記保持部品は、前記端子が収容される端子収容部と、前記第1方向に直交する第2方向に前記端子収容部と連なって配される温度センサ収容部と、を備え、
前記温度センサ収容部は、前記第2方向に前記温度センサと対向する対向壁部と、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に前記温度センサと対向する一対の側壁部と、前記保持部品が前記ハウジングに組み付けられた状態で前記第1方向に開口する挿入口と、を有し、
前記一対の側壁部は、挿入口の口縁部にそれぞれ撓み変形可能な弾性片を備え、
前記弾性片は、前記温度センサを前記温度センサ収容部の内部に抜け止めする係止部を備え、
前記対向壁部には、前記温度センサ収容部の内部に向かって突出する押圧部が形成されており、
前記第2方向における前記押圧部と前記端子の外面との間隔の最小値は、前記第2方向における前記温度センサの寸法よりも小さく設定されている、コネクタ。
【請求項2】
前記押圧部は、前記第1方向に延びるリブ状をなし、
前記第1方向について前記挿入口から前記温度センサ収容部の奥方に向かうにつれて、前記押圧部の前記温度センサ収容部の内部への突出量が大きくなっている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記端子収容部は、前記第2方向について前記温度センサと反対側から前記端子と接触する底壁部を備える、請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等の車両に搭載される高電圧コネクタとして、従来、特開2021-190364号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。このコネクタは、端子と、端子を収容するハウジングと、端子の温度を検出する温度センサと、を備えており、温度センサの検知結果に基づいて電源から電気機器への過電流を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のコネクタは、保持部材に温度センサを組み付けた後で、保持部材に端子を組み付ける態様とされている。一方で、保持部材に端子が組み付けられた後で、保持部材に温度センサが組み付けられる態様については、詳細に説明されていない。
また、特許文献1のコネクタにおいて、温度センサは、弾性変形可能な押圧アームに形成される突出部によって端子に押し付けられるようになっている。このため、車両等の振動環境下においては、押圧アームが弾性変形して、温度センサの端子への接触状態が不安定になることがありうる。この結果、温度センサによる温度測定の精度が低下するおそれがある。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、高電圧コネクタにおいて、温度センサの組み付け性を高めること、及び端子と温度センサとを良好に接触させて、温度測定の精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、ハウジングと、端子と、前記端子を保持する保持部品と、前記端子の温度を測定するための温度センサと、を備え、前記ハウジングは、ハウジング本体部と、前記ハウジング本体部を第1方向に貫通する貫通孔と、を有し、前記保持部品は、前記端子を保持した状態で前記貫通孔に挿通されて前記ハウジングに組み付け可能とされ、前記保持部品は、前記端子が収容される端子収容部と、前記第1方向に直交する第2方向に前記端子収容部と連なって配される温度センサ収容部と、を備え、前記温度センサ収容部は、前記第2方向に前記温度センサと対向する対向壁部と、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に前記温度センサと対向する一対の側壁部と、前記保持部品が前記ハウジングに組み付けられた状態で前記第1方向に開口する挿入口と、を有し、前記一対の側壁部は、挿入口の口縁部にそれぞれ撓み変形可能な弾性片を備え、前記弾性片は、前記温度センサを前記温度センサ収容部の内部に抜け止めする係止部を備え、前記対向壁部には、前記温度センサ収容部の内部に向かって突出する押圧部が形成されており、前記第2方向における前記押圧部と前記端子の外面との間隔の最小値は、前記第2方向における前記温度センサの寸法よりも小さく設定されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、コネクタにおいて、温度センサの組み付け性を高め、端子と温度センサとを良好に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態にかかるコネクタの斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3の拡大図であって、保持部品の周辺を拡大して示す図である。
【
図6】
図6は、
図5において温度センサを取り付ける様子を示す説明図である。
【
図7】
図7は、
図6の拡大図であって、押圧部について示す説明図である。
【
図11】
図11は、第1端子アッセンブリを斜め下前方から見た斜視図である。
【
図12】
図12は、保持部品を斜め上前方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
[1]本開示のコネクタは、ハウジングと、端子と、前記端子を保持する保持部品と、前記端子の温度を測定するための温度センサと、を備え、前記ハウジングは、ハウジング本体部と、前記ハウジング本体部を第1方向に貫通する貫通孔と、を有し、前記保持部品は、前記端子を保持した状態で前記貫通孔に挿通されて前記ハウジングに組み付け可能とされ、前記保持部品は、前記端子が収容される端子収容部と、前記第1方向に直交する第2方向に前記端子収容部と連なって配される温度センサ収容部と、を備え、前記温度センサ収容部は、前記第2方向に前記温度センサと対向する対向壁部と、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に前記温度センサと対向する一対の側壁部と、前記保持部品が前記ハウジングに組み付けられた状態で前記第1方向に開口する挿入口と、を有し、前記一対の側壁部は、挿入口の口縁部にそれぞれ撓み変形可能な弾性片を備え、前記弾性片は、前記温度センサを前記温度センサ収容部の内部に抜け止めする係止部を備え、前記対向壁部には、前記温度センサ収容部の内部に向かって突出する押圧部が形成されており、前記第2方向における前記押圧部と前記端子の外面との間隔の最小値は、前記第2方向における前記温度センサの寸法よりも小さく設定されている。
【0010】
このような構成によると、端子を保持する保持部品がハウジングに組み付けられた状態で、温度センサを挿入口から温度センサ収容部の内部に挿入することができる。温度センサを挿入口に挿入する際には弾性片を撓ませ、温度センサを温度センサ収容部の内部に収容した後で弾性片を自然状態に復帰させることで、係止部により温度センサを温度センサ収容部の内部に抜け止めすることができる。
また、温度センサ収容部の対向壁部は温度センサ収容部の内部に向かって突出する押圧部を備えるから、端子に対して温度センサを第2方向に押圧することができる。これにより、端子の温度を精度よく測定することができる。
【0011】
[2]上記[1]において、前記押圧部は、前記第1方向に延びるリブ状をなし、前記第1方向について前記挿入口から前記温度センサ収容部の奥方に向かうにつれて、前記押圧部の前記温度センサ収容部の内部への突出量が大きくなっていることが好ましい。
【0012】
このような構成によると、押圧部はリブ状をなしているから、押圧部と温度センサとの接触部分を小さくして、温度センサの温度センサ収容部への挿入力を低減することができる。また、押圧部は、第1方向について挿入口から温度センサ収容部の奥方に向かうにつれて突出量が大きくなっているから、温度センサの挿入を案内しつつ、温度センサ収容部の内部において温度センサを端子に対して十分に押圧することができる。
【0013】
[3]上記[1]または[2]において、前記端子収容部は、前記第2方向について前記温度センサと反対側から前記端子と接触する底壁部を備えることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、第2方向について押圧部と底壁部との間に温度センサと端子とを挟んで配置することができる。このため、温度センサと端子との接触を確保しやすくなる。
【0015】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」や「垂直」や「直交」は、厳密に平行や垂直や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用ならびに効果を奏する範囲内で概ね平行や垂直や直交の場合も含まれる。
【0016】
各図面では、互いに垂直な3方向を示し、当該3方向をそれぞれ第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3として示している。すなわち、第1方向D1と第2方向D2とは互いに垂直であり、第1方向D1と第3方向D3とは互いに垂直であり、第2方向D2と第3方向D3とは互いに垂直である。各方向を示す実線の両側に矢印を記載していることにより、符号が記載された側の矢印の方向のみならず、符号が記載されていない側の矢印の方向も当該方向を示すものとする。
【0017】
また、本明細書の説明で使用される「筒状」は、周方向全周にわたって連続して周壁が形成されたものだけではなく、複数の部品を組み合わせて筒状をなすものや、C字状のように周方向の一部に切り欠きなどを有するものも含む。また、「筒状」の形状には、円形、楕円形、及び、尖ったまたは丸い角を有する多角形が含まれる。
【0018】
また、本明細書における「環」は、外縁形状が円形の円環、外縁形状が楕円形や長円形の環、外縁形状が多角形の多角形環、外縁形状が角丸多角形の環を含み、外縁形状が直線又は曲線で結ばれる任意の閉じた形状からなるものを言う。「環」は、外縁形状と内縁形状とが同じ形状であるものや、外縁形状と内縁形状とが異なる形状であるものを含む。「環」は、中心軸方向に沿って延びる所定の長さを有するものを含み、その長さの大小は問わない。また、本明細書における「環状」は、全体として環と見做せればよく、C字状のように一部に切り欠きやスリット等を有するものを含む。
【0019】
また、本明細書における「対向」とは、面同士又は部材同士が互いに正面の位置にあることを指し、互いが完全に正面の位置にある場合だけでなく、互いが部分的に正面の位置にある場合を含む。また、本明細書における「対向」とは、2つの部分の間に、2つの部分とは別の部材が介在している場合と、2つの部分の間に何も介在していない場合の両方を含む。
【0020】
<実施形態>
(コネクタ10の構成)
コネクタ10は、車両用の相手側機器(図示せず)に接続されるコネクタ10である。相手側機器は、例えば駆動用の高圧バッテリやモータなどである。相手側機器は、導電性の金属材料で構成された筐体と、筐体内に設けられた機器側ハウジング及び機器側端子と、を備えている。
【0021】
図1に示すように、コネクタ10は、ハウジング20と、第2方向D2(上下方向)に並んで配された2つの端子アッセンブリ30,40と、温度センサ36と、を備えている。2つの端子アッセンブリ30,40のうち下側のものは第1端子アッセンブリ30とされ、上側のものは第2端子アッセンブリ40とされている。第1端子アッセンブリ30は、第2端子アッセンブリ40よりも第1方向D1(前後方向)に長く、第2端子アッセンブリ40が備えない温度センサ収容部31Bを備える。その他の点については、各端子アッセンブリ30,40の構成はほぼ同様であるため、以下の説明においては、第1端子アッセンブリ30を代表として説明する。
【0022】
(ハウジング20の構成)
図3に示すように、ハウジング20は、ハウジング本体部21と、ハウジング本体部21の外周側に張り出す取付板22と、第2方向D2に並んで配された2つのナット保持壁23と、フード部24と、第2方向D2に並んで配された2つの端子収容壁25と、を備えている。ハウジング20の材料としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの樹脂材料を挙げることができる。
【0023】
(ハウジング本体部21の構成)
ハウジング本体部21は、各端子アッセンブリ30,40が取り付けられる貫通孔21Aを有している。ハウジング本体部21は、機器側ハウジングに嵌合する部分である嵌合部21Bを有している。ハウジング本体部21は、
図2に示すように、第1方向D1から見て上下方向に長い略方形のブロック状とされている。
【0024】
嵌合部21Bの外周面には、
図4に示すように、環状の第1シール部材21Cが装着されている。第1シール部材21Cは軸シールである。嵌合部21Bが機器側ハウジングに嵌合すると、嵌合部21Bの外周面と機器側ハウジングの内周面とによって第1シール部材21Cが全周にわたって圧縮された状態となり、機器側ハウジングの内部がシールされる。
【0025】
(取付板22の構成)
取付板22は、
図2に示すように、ハウジング本体部21の外周面から第2方向D2及び第3方向D3に張り出した部分である。取付板22は、第1方向D1から見て略方形の板状とされている。取付板22の四隅には、金属製のカラー22Aが圧入又はインサート成形によって固定されている。カラー22Aにボルトを挿通して筐体のボルト孔に締結することにより、コネクタ10が相手側機器に取り付け固定される。
【0026】
図1に示すように、取付板22における筐体と対向する面には、第2シール部材22Bが装着されている。第2シール部材22Bは面シールである。コネクタ10が相手側機器に取り付けられると、筐体と取付板22とによって第2シール部材22Bが圧縮された状態となり、筐体の内部がシールされる。
【0027】
図3に示すように、ハウジング本体部21と取付板22の間には、金属製のシールド部材50が取り付けられている。シールド部材50は、第1方向D1から見て略方形の筒状をなしている。端子32のうち筐体の外部に配された部分は、シールド部材50の内側に位置するようになっている。
図1に示すように、シールド部材50は、コネクタ10が相手側機器に取り付けられた際に、筐体に接触する複数の接触片51を有している。
【0028】
(ナット保持壁23の構成)
図10に示すように、ナット保持壁23は、嵌合部21Bの底壁から第1方向D1に突出して形成された板状の基板部23Aと、基板部23Aの上面から第2方向D2における貫通孔21Aの内方(上方)に突出し、第1方向D1に延びる一対の側板部23Bと、を備える。一対の側板部23Bは、第3方向D3に並んで平行に配されている。側板部23Bの先端は、嵌合部21Bの開口縁と基板部23Aの先端との間に配されている。一対の側板部23Bの外側面には、一対の被係止部23Cが設けられている。第3方向D3において一対の側板部23Bの間には、支持部23Dが形成されている。支持部23Dは、基板部23Aから上方に突出している。支持部23Dは、基板部23Aにおける嵌合部21B寄りの位置に配され、第1方向D1に延びている。
【0029】
ナット35は、
図3に示すように、第1端子アッセンブリ30がハウジング本体部21に取り付けられた状態では、基板部23Aによって支持されるようになっている。ナット35は、基板部23Aと端子32の端子接続部32Bとの間に適合して収容されるため、第2方向D2に位置決め状態に保持される。保持部品31によって仮保持されたナット35は、基板部23Aによって保持部品31に保持され、保持部品31から離脱することが抑制される。
【0030】
ナット35は、
図9に示すように、第1端子アッセンブリ30がハウジング本体部21に取り付けられた状態では、一対の側板部23Bの間に適合して収容されるようになっている。機器側端子と端子32とを締結する際にナット35が回転しようとした場合でも、一対の側板部23Bがナット35の外周面に係合することでナット35の回転及び位置ずれが抑制される。
【0031】
(フード部24及び端子収容壁25の構成)
図3に示すように、フード部24は、取付板22から嵌合部21Bとは反対側に突出して形成されている。フード部24は、第1方向D1から見て略方形の筒状をなしている。フード部24の内部には、一対の端子収容壁25が収容されている。端子収容壁25は、第1方向D1から見て略方形の筒状をなしている。各端子収容壁25は、上下一対の貫通孔21Aに対応する位置に配されている。端子収容壁25の内部と対応する貫通孔21Aとは連通している。
【0032】
貫通孔21Aのうち端子収容壁25側の端部開口は、端子32のみを通過させる大きさに形成されている。このため、後述する第3シール部材33は、端子32とともに貫通孔21Aに挿入された場合に、ハウジング本体部21の内部に保持され、貫通孔21Aを通過して端子収容壁25側には飛び出さないようになっている。したがって、端子収容壁25の内部には端子32のみがハウジング本体部21から突出して配される。
【0033】
(第1端子アッセンブリ30の構成)
第1端子アッセンブリ30は、
図11に示すように、保持部品31と、端子32と、第3シール部材33と、絶縁部材34と、ナット35と、を備える。端子32と機器側端子は、ボルトをナット35に締結することによって接続される。第3シール部材33は、第1方向D1から見て横長円形の環状とされている。
【0034】
(端子32の構成)
端子32は、第1方向D1に長い略方形の板状とされている。端子32の材料として、例えば、鉄系または銅系またはアルミニウム系などの金属材料を挙げることができる。端子32の両側縁部には、一対のシール部材装着部32Aが溝状をなして形成されている。第3シール部材33を端子32に第1方向D1から装着すると、シール部材装着部32Aの外周面及び端子32の上下面に第3シール部材33の内周リップが密着するようになっている。
【0035】
図10に示すように、端子32の第1方向D1における一端部には、端子接続部32Bが形成されている。端子接続部32Bには、ボルト挿通孔32Cが板厚方向に貫通して形成されている。一方、端子32の第1方向D1における他端部には、絶縁部材34が装着されている。絶縁部材34は、絶縁性の樹脂材料によって構成されている。例えば、絶縁部材34と端子32とは互いに凹凸嵌合する形状を有して設けられてもよい。また、絶縁部材34はインサート成形により端子32と一体的に設けられてもよい。
【0036】
(ナット35の構成)
図11に示すように、ナット35は、例えば、四角柱に形成されている。ナット35は、ナット35を厚さ方向に貫通する貫通孔35Aを有している。貫通孔35Aは、ナット35の上面から下面まで貫通するように形成されている。貫通孔35Aは、例えば、その貫通孔35Aの貫通方向(ここでは、第2方向D2)から見た形状が円形状に形成されている。貫通孔35Aは、例えば、上面及び下面の平面中央に形成されている。貫通孔35Aは、例えば、端子32及びナット35が保持部品31に取り付けられた状態において、端子接続部32Bのボルト挿通孔32Cと同軸状に配される。ナット35は、例えば、貫通孔35Aの貫通方向から見た平面形状が四角形に形成されている。ナット35の外周面は、4つの平坦な外周側面によって構成されている。
【0037】
(保持部品31の構成)
図5に示すように、保持部品31は、端子32が内部に収容される端子収容部31Aと、温度センサ36が内部に収容される温度センサ収容部31Bと、ナット35が内部に収容されるナット収容部31Cと、端子32に直交する配置で板状をなすフランジ部31Dと、を備えている。
図12に示すように、温度センサ収容部31Bは、端子収容部31Aに連なって設けられている。ナット収容部31Cは端子収容部31Aに連なって設けられている。保持部品31は、ハウジング20よりも柔らかい樹脂材料で構成されている。
【0038】
(端子収容部31Aの構成)
端子収容部31Aは、
図12に示すように、フランジ部31Dを第1方向D1に貫通する配置で設けられている。端子収容部31Aは、ナット収容部31Cと一体に形成された前側収容部31A1と、フランジ部31Dを中心として前側収容部31A1と反対側に形成された後側収容部31A2と、を備えている。
【0039】
前側収容部31A1は、略方形の枠状に形成されている。前側収容部31A1は、底壁部31A3と、底壁部31A3から上方に延びる周壁部31A4と、底壁部31A3の前側部分を上下方向に貫通する連通孔31A5と、を有する。連通孔31A5により端子収容部31Aの内部とナット収容部31Cの内部とが連通されている。周壁部31A4は、第1方向D1に延びて第3方向D3に対向する一対の第1壁部31A6と、一対の第1壁部31A6におけるフランジ部31Dと反対側の端部(前端部)を第3方向D3に接続する第2壁部31A7と、を備える。
図5に示すように、前側収容部31A1には、端子32における端子接続部32Bを含む前半部分が収容される。端子32は底壁部31A3により支持されることで、第2方向D2に位置決めされている。
図4に示すように、端子32は一対の第1壁部31A6に当接することで、第3方向D3に位置決めされている。また、端子32は第2壁部31A7に当接し前止まりされることで、第1方向D1に位置決めされている。
【0040】
図12に示すように、後側収容部31A2は、横長の筒状をなしており、第1方向D1に貫通する端子挿通孔31A8を有している。
図4及び
図5に示すように、端子挿通孔31A8には、端子32が挿通されるようになっている。端子32は、端子挿通孔31A8の周壁に対して当接するようになっており、これにより第2方向D2と第3方向D3とに位置決めされるようになっている。
【0041】
(温度センサ収容部31Bの構成)
温度センサ収容部31Bは、
図14に示すように、フランジ部31Dを第1方向D1に貫通して形成されている。温度センサ収容部31Bは、第2方向D2に端子収容部31Aと連なって配されている。
図12に示すように、温度センサ収容部31Bは、対向壁部31B1と、対向壁部31B1から第2方向D2における端子収容部31A側(下側)に延びる一対の側壁部31B2と、を備える。一対の側壁部31B2は第3方向D3に互いに対向している。また、温度センサ収容部31Bは、第1方向D1におけるナット収容部31C側(前側)に開口する挿入口31B3を有する。挿入口31B3は、対向壁部31B1と一対の側壁部31B2とにより構成されている。
図7に示すように、温度センサ収容部31Bは、挿入口31B3と反対側(後側)に配され、対向壁部31B1から下側に延びる当接壁部31B4を備える。
【0042】
図12に示すように、一対の側壁部31B2におけるフランジ部31Dから挿入口31B3の口縁部に至る領域には、一対のスリットS1が第1方向D1に延びて形成されている。スリットS1は前方に開口している。スリットS1は一対の側壁部31B2における対向壁部31B1側の端部(上端部)に形成されている。これにより、各側壁部31B2は、対向壁部31B1から分離された弾性片31B5を備える。弾性片31B5は、フランジ部31D側を基端部として、第3方向D3に撓み変形可能に形成されている。一対の弾性片31B5は、第3方向D3に対向する配置とされている。
図8に示すように、一対の弾性片31B5の自由端部における対向部には一対の係止部31B6が形成されている。各弾性片31B5は、第1方向D1について挿入口31B3から温度センサ収容部31Bの内部に向かうにつれて、第3方向D3について温度センサ収容部31Bの内部に向かうように配されるガイド面31B7を備える。
【0043】
図14に示すように、温度センサ収容部31Bには、対向壁部31B1から第2方向D2について温度センサ収容部31Bの内部に向かって突出する押圧部31B8が形成されている。本実施形態の押圧部31B8は、第1方向D1に延びるリブ状をなしている。また、
図7に示すように、押圧部31B8は、第1方向D1について挿入口31B3から温度センサ収容部31Bの奥方に向かうにつれて、第2方向D2について温度センサ収容部31Bの内部への突出量が大きくなる傾斜部31B9を有する。第2方向D2における押圧部31B8と端子収容部31A内の端子32の外面(上面)との間隔の最小値L1は、第2方向D2における温度センサ36の寸法L2よりも小さく設定されている。ここで、第2方向D2における温度センサ36の寸法L2とは、具体的には、温度センサ36の温度センサ収容部31B内に収容される部分(センサ本体36A)のうち、押圧部31B8に当接する部分の第2方向D2における寸法のことを示している。
【0044】
(温度センサ36の構成)
図8に示すように、温度センサ36は、センサ本体36Aと、センサ本体36Aから延びるリード線36Bとを有している。センサ本体36Aは、例えば略直方体状をなす。センサ本体36Aは、リード線36Bに接続されたセンサ素子(図示せず)が例えば樹脂製の保護部に埋設されて構成されている。センサ素子は、温度変化に応じた信号を、リード線36Bを介して出力する。リード線36Bは、センサ素子からの信号に基づいてバッテリの充電に関する制御を行う制御部(図示せず)に電気的に接続される。なお、温度センサ36としては、例えば、NTCサーミスタや、PTCサーミスタや、PTセンサなどを用いることができる。
【0045】
温度センサ36のセンサ本体36Aは、温度センサ収容部31Bの内部に収容され、リード線36Bは挿入口31B3から引き出されるようになっている。センサ本体36Aは、当接壁部31B4により後方から当接され、一対の係止部31B6により前方から係止されている。これにより、センサ本体36Aは第1方向D1に位置決めされている。また、センサ本体36Aは一対の側壁部31B2により第3方向D3に位置決めされている。
【0046】
図5に示すように、温度センサ収容部31Bは第2方向D2に端子収容部31Aと連なっており、端子収容部31Aに端子32が収容された状態では端子32の上面がセンサ本体36Aの下面と接触するようになっている。一方、センサ本体36Aの上面は押圧部31B8と接触している。ここで、
図7に示すように、第2方向D2における押圧部31B8と端子収容部31A内の端子32との間隔の最小値L1は、第2方向D2におけるセンサ本体36Aの寸法L2よりも小さく設定されているから、押圧部31B8によってセンサ本体36Aが端子32に押し付けられるようになっている。したがって、センサ本体36Aと端子32とを十分に接触させることができるから、温度センサ36により端子32の温度を精度よく測定することができる。
【0047】
図5に示すように、温度センサ収容部31Bの下方において、端子32は端子収容部31Aの底壁部31A3に支持されている。よって、第2方向D2について押圧部31B8と底壁部31A3との間に温度センサ36と端子32とを挟んで配置することができ、温度センサ36と端子32との接触をより確保しやすくなる。
【0048】
また、温度センサ収容部31Bの下方において、底壁部31A3はハウジング20の支持部23Dにより下方から支持され、対向壁部31B1はハウジング20の嵌合部21Bにより上方から当接されている。よって、ハウジング20により、第2方向D2について押圧部31B8と底壁部31A3との間に温度センサ36と端子32とをさらに強固に挟みつけることができる。
【0049】
(ナット収容部31Cの構成)
図12及び
図13に示すように、ナット収容部31Cは、第2方向D2に開口する略方形の枠状に形成されている。ナット収容部31Cの周壁のうち第1方向D1に対向する壁部には、第2方向D2に延びるリブ状をなす複数の仮保持リブ31C1が形成されている。本実施形態ではナット収容部31Cの前側壁部(フランジ部31Dと反対側の壁部)に1つの仮保持リブ31C1が配され、後側壁部(フランジ部31D側の壁部)に3つの仮保持リブ31C1が配されている。
【0050】
ナット収容部31Cの前側壁部には、一対の位置決めリブ31C2が形成されている。一対の位置決めリブ31C2は、第2方向D2に延びるリブ状をなし、前側壁部の仮保持リブ31C1を中心として対称となるように配されている。
図9及び
図11に示すように、一対の位置決めリブ31C2は、ナット35に当接することでナット35を第3方向D3に位置決め可能とされている。ナット35は、一対の位置決めリブ31C2によって第3方向D3に位置決めされて仮保持されるとともに、複数の仮保持リブ31C1によって第1方向D1に位置決めされて仮保持されている。
【0051】
保持部品31によってナット35を仮保持する際には、ナット35を保持部品31のナット収容部31Cの内部に第2方向D2から取り付けることになるものの、保持部品31がハウジング20よりも柔らかい樹脂材料で構成されているため、圧入用の機械が不要で、人手で取り付けることができる。さらに、仮保持リブ31C1と位置決めリブ31C2とによって第1方向D1と第3方向D3とからナット35が位置決めされるため、圧入時の位置ずれ等の不具合が発生しないようにできる。
【0052】
図11に示すように、ナット収容部31Cの周壁のうち第3方向D3に対向する壁部にはスリットS2が形成されており、このスリットS2によって前側収容部31A1と分離された撓み片31C3が設けられている。撓み片31C3は、ナット収容部31Cの位置決めリブ31C2側を基端部としてフランジ部31D側に向けて突出する片持ち梁状に形成されている。撓み片31C3は、第3方向D3に対向する配置で一対設けられている。一対の撓み片31C3の自由端部における対向部には一対の係止突起31C4が形成されている。
【0053】
図9に示すように、第1端子アッセンブリ30がハウジング20に取り付けられた状態では、一対の係止突起31C4が一対の被係止部23Cに係止することで、第1端子アッセンブリ30がハウジング20に保持されるようになっている。第1端子アッセンブリ30をハウジング20に取り付ける途中では、係止突起31C4が被係止部23Cに乗り上げるように撓み片31C3が撓み変形し、係止突起31C4が被係止部23Cを乗り越えると同時に撓み片31C3が復帰変形する。したがって、第1端子アッセンブリ30をハウジング20に人手で取り付けることができる。
【0054】
(フランジ部31Dの構成)
図12に示すように、フランジ部31Dは、第1方向D1から見て略方形の板状をなし、端子収容部31Aの外周面から外周側に張り出すように形成されている。フランジ部31Dは、基壁31D1と、基壁31D1の外周縁部から後方に延びる周壁31D2(
図11参照)と、基壁31D1を第1方向D1に貫通する組付用開口31D3と、を有する。組付用開口31D3は、端子収容部31Aの底壁部31A3の下方に配されている。
【0055】
図3に示すように、組付用開口31D3には、ナット保持壁23が挿通されるようになっている。周壁31D2は嵌合部21Bの外周面及びナット保持壁23の外周面に嵌合する。このように周壁31D2が嵌合部21B及びナット保持壁23に外嵌することで、保持部品31がハウジング20に対して第2方向D2及び第3方向D3に位置決めされるようになっている。また、嵌合部21Bの先端が基壁31D1に当接することで、第1端子アッセンブリ30がハウジング本体部21に対して第1方向D1に位置決めされる。
【0056】
図9に示すように、周壁31D2は、嵌合部21Bの外周面に嵌着された第1シール部材21Cの位置決め機能を有する。第1シール部材21Cを嵌合部21Bの外周面に装着し、第1端子アッセンブリ30をハウジング本体部21に取り付けると、周壁31D2が嵌合部21Bの外周面に外嵌することで、第1シール部材21Cが嵌合部21Bの外周面から離脱することが防止され、嵌合部21Bの外周面に位置決めされて保持される。
【0057】
(第1端子アッセンブリ30の組み立て方法)
次に、第1端子アッセンブリ30を組み立てる方法について説明する。まず、第3シール部材33と絶縁部材34を端子32に対して装着する。
【0058】
次に、端子32を保持部品31に対して第1方向D1から取り付ける。端子32は、端子収容部31Aの内部に位置決め状態で装着される。ナット収容部31Cは、端子接続部32Bによって上方から覆われた状態となっているため、ナット35をナット収容部31Cの内部に装着するには、第2方向D2(端子接続部32Bと反対側)から取り付けることになる。
【0059】
図11に示すように、ナット35をナット収容部31Cの内部に装着すると、複数の仮保持リブ31C1によってナット35が第1方向D1から挟まれて位置決め状態で仮保持されるとともに、一対の位置決めリブ31C2に当接することでナット35が第3方向D3に位置決めされる。また、ナット35の上面が端子接続部32Bの下面に当接することでナット35が第2方向D2に位置決めされる。以上により、第1端子アッセンブリ30の組み立てが完了する。
【0060】
第1端子アッセンブリ30が組み立てられた状態では、端子32と第3シール部材33とナット35との相対的な位置関係が保持部品31という一つの部品によって決定される。この状態から、
図10に示すように、第1端子アッセンブリ30をハウジング20の嵌合部21Bの内部に第1方向D1から挿入していく。挿入の途中で、端子32の先端が貫通孔21Aに進入し、ナット保持壁23がフランジ部31Dの組付用開口31D3に進入する。また、保持部品31の係止突起31C4がハウジング20の被係止部23Cに乗り上げて撓み片31C3が撓み変形する(
図9参照)。
【0061】
第1端子アッセンブリ30がハウジング本体部21に正規に取り付けられると、
図3に示すように、保持部品31の周壁31D2が嵌合部21Bに外嵌し、嵌合部21Bの先端がフランジ部31Dに当接することで、第1端子アッセンブリ30がハウジング本体部21に対して第1方向D1に位置決めされる。ここで、端子32は保持部品31によって位置決めされているから、第3シール部材33が端子32と貫通孔21Aの内壁との間で均等に潰され、本来の防水性能が発揮されることになる。この結果、貫通孔21Aがシールされ、端子収容壁25内と嵌合部21B内との間が止水される。
【0062】
また、
図9に示すように、ナット35は一対の側板部23Bの間に緊密に嵌まり込み、ナット35の外周面は一対の側板部23Bに係合している。ここで、側板部23Bを構成するハウジング20は、保持部品31よりも硬くて丈夫な樹脂材料で構成されているため、保持部品31によって位置決めされたナット35がボルト締結の際に回転することを抑制できる。
【0063】
(温度センサ36の取り付け方法)
次に、温度センサ36を取り付ける方法について説明する。
図6に示すように、端子収容部31Aに端子32が収容された状態で、挿入口31B3から第1方向D1に温度センサ36を挿入する。温度センサ36が一対の弾性片31B5のガイド面31B7に摺接することで、センサ本体36Aが挿入口31B3の内部に案内される。一対の弾性片31B5が撓みつつ、センサ本体36Aは温度センサ収容部31Bの内部に挿入されていく。センサ本体36Aの前端が一対の係止部31B6を乗り越えると、一対の弾性片31B5が復帰変形し、一対の係止部31B6はセンサ本体36Aに前方から係止する(
図8参照)。また、当接壁部31B4はセンサ本体36Aに後方から当接する。これにより、温度センサ36が温度センサ収容部31Bの内部に収容される。
【0064】
温度センサ収容部31Bには押圧部31B8が形成されているため、センサ本体36Aを温度センサ収容部31Bの内部に挿入する際、挿入力がかかる。しかし、押圧部31B8はリブ状をなしているため、例えば、押圧部31B8が対向壁部31B1と同程度の幅(第3方向D3における寸法)を有して形成される場合と比較して挿入力を抑えることができる。また、押圧部31B8は傾斜部31B9を有し、温度センサ収容部31Bの奥方において突出量が大きくなっているから、挿入口31B3近傍においては挿入力を小さくすることができる。また、センサ本体36Aを温度センサ収容部31Bの奥方へと案内することができる。
【0065】
温度センサ収容部31Bの挿入口31B3は、保持部品31がハウジング20に組み付けられた状態で第1方向D1に開口しているから、第1端子アッセンブリ30をハウジング20に組み付けた後に、温度センサ36の取り付け作業が可能となっている。また、温度センサ36の取り付け作業は、第1端子アッセンブリ30をハウジング20に組み付ける前に行うことも可能である。
【0066】
(本実施形態の作用効果)
(1)コネクタ10は、ハウジング20と、端子32と、端子32を保持する保持部品31と、端子32の温度を測定するための温度センサ36と、を備え、ハウジング20は、ハウジング本体部21と、ハウジング本体部21を第1方向D1に貫通する貫通孔21Aと、を有し、保持部品31は、端子32を保持した状態で貫通孔21Aに挿通されてハウジング20に組み付け可能とされ、保持部品31は、端子32が収容される端子収容部31Aと、第1方向D1に直交する第2方向D2に端子収容部31Aと連なって配される温度センサ収容部31Bと、を備え、温度センサ収容部31Bは、第2方向D2に温度センサ36と対向する対向壁部31B1と、第1方向D1及び第2方向D2に直交する第3方向D3に温度センサ36と対向する一対の側壁部31B2と、保持部品31がハウジング20に組み付けられた状態で第1方向D1に開口する挿入口31B3と、を有し、一対の側壁部31B2は、挿入口31B3の口縁部にそれぞれ撓み変形可能な弾性片31B5を備え、弾性片31B5は、温度センサ36を温度センサ収容部31Bの内部に抜け止めする係止部31B6を備え、対向壁部31B1には、温度センサ収容部31Bの内部に向かって突出する押圧部31B8が形成されており、第2方向D2における押圧部31B8と端子32の外面(上面)との間隔の最小値L1は、第2方向D2における温度センサ36の寸法L2よりも小さく設定されている。
【0067】
このような構成によると、端子32を保持する保持部品31がハウジング20に組み付けられた状態で、温度センサ36を挿入口31B3から温度センサ収容部31Bの内部に挿入することができる。温度センサ36を挿入口31B3に挿入する際には弾性片31B5を撓ませ、温度センサ36を温度センサ収容部31Bの内部に収容した後で弾性片31B5を自然状態に復帰させることで、係止部31B6により温度センサ36を温度センサ収容部31Bの内部に抜け止めすることができる。
また、温度センサ収容部31Bの対向壁部31B1は温度センサ収容部31Bの内部に向かって突出する押圧部31B8を備えるから、端子32に対して温度センサ36を第2方向D2に押圧することができる。これにより、端子32の温度を精度よく測定することができる。
【0068】
(2)押圧部31B8は、第1方向D1に延びるリブ状をなし、第1方向D1について挿入口31B3から温度センサ収容部31Bの奥方に向かうにつれて、押圧部31B8の温度センサ収容部31Bの内部への突出量が大きくなっている。
【0069】
このような構成によると、押圧部31B8はリブ状をなしているから、押圧部31B8と温度センサ36との接触部分を小さくして、温度センサ36の温度センサ収容部31Bへの挿入力を低減することができる。また、押圧部31B8は、第1方向D1について挿入口31B3から温度センサ収容部31Bの奥方に向かうにつれて突出量が大きくなっているから、温度センサ36の挿入を案内しつつ、温度センサ収容部31Bの内部において温度センサ36を端子32に対して十分に押圧することができる。
【0070】
(3)端子収容部31Aは、第2方向D2について温度センサ36と反対側から端子32と接触する底壁部31A3を備える。
【0071】
このような構成によると、第2方向D2について押圧部31B8と底壁部31A3との間に温度センサ36と端子32とを挟んで配置することができる。このため、温度センサ36と端子32との接触を確保しやすくなる。
【0072】
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0073】
・上記実施形態では、第1端子アッセンブリ30と第2端子アッセンブリ40を備えるコネクタ10を例示したが、第1端子アッセンブリ30のみを備えるコネクタとしてもよい。
【0074】
・上記実施形態では、保持部品31はナット収容部31Cとフランジ部31Dとを備えていたが、保持部品においてナット収容部及びフランジ部は省略してもよい。
【0075】
・上記実施形態では、押圧部31B8はリブ状であったが、押圧部はリブ状でなくてもよく、例えば対向壁部と同程度の幅を有して面状をなしていてもよい。
【0076】
・上記実施形態では、押圧部31B8は傾斜部31B9を有していたが、押圧部の対向壁部からの突出量は一定であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
10: コネクタ
20: ハウジング
21: ハウジング本体部
21A: 貫通孔
21B: 嵌合部
21C: 第1シール部材
22: 取付板
22A: カラー
22B: 第2シール部材
23: ナット保持壁
23A: 基板部
23B: 側板部
23C: 被係止部
23D: 支持部
24: フード部
25: 端子収容壁
30: 第1端子アッセンブリ
31: 保持部品
31A: 端子収容部
31A1: 前側収容部
31A2: 後側収容部
31A3: 底壁部
31A4: 周壁部
31A5: 連通孔
31A6: 第1壁部
31A7: 第2壁部
31A8: 端子挿通孔
31B: 温度センサ収容部
31B1: 対向壁部
31B2: 側壁部
31B3: 挿入口
31B4: 当接壁部
31B5: 弾性片
31B6: 係止部
31B7: ガイド面
31B8: 押圧部
31B9: 傾斜部
31C: ナット収容部
31C1: 仮保持リブ
31C2: 位置決めリブ
31C3: 撓み片
31C4: 係止突起
31D: フランジ部
31D1: 基壁
31D2: 周壁
31D3: 組付用開口
32: 端子
32A: シール部材装着部
32B: 端子接続部
32C: ボルト挿通孔
33: 第3シール部材
34: 絶縁部材
35: ナット
35A: 貫通孔
36: 温度センサ
36A: センサ本体
36B: リード線
40: 第2端子アッセンブリ
50: シールド部材
51: 接触片
D1: 第1方向
D2: 第2方向
D3: 第3方向
L1: 第2方向D2における押圧部31B8と端子32との間隔の最小値
L2: 第2方向D2における温度センサ36の寸法
S1: スリット
S2: スリット