(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110092
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04817 20220101AFI20240807BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240807BHJP
【FI】
G06F3/04817
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014451
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆寛
(72)【発明者】
【氏名】島田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智也
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦明
(72)【発明者】
【氏名】生駒 拓也
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5E555AA05
5E555AA12
5E555BA02
5E555BA05
5E555BB02
5E555BB05
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB34
5E555CC01
5E555DB05
5E555DB18
5E555DC14
5E555DC21
5E555EA03
5E555FA00
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】採点を行う画面において、アイコンの表示順序や所定の操作のショートカットといった短縮操作を推薦し、自動的に設定することで、ユーザの作業負荷を低減する。
【解決手段】情報処理装置は、まず、学習者の解答を含む採点画面を出力する。そして、情報処理装置は、前記採点画面においてコンピュータへの指示とユーザの操作と各操作指示の回数を関連付けて指示情報として記憶する。さらに、情報処理装置は、記憶している指示情報に基づいて、前記採点画面における操作設定を推薦する。このように、情報処理装置が、指示情報に基づいて採点画面における操作設定を推薦することで、ユーザは、使いやすい操作を設定することができ、採点作業にかかる負荷を低減することができる。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者の解答を含む採点画面を出力する画面出力部と、
前記採点画面においてコンピュータへの指示とユーザの操作と各操作指示の回数を関連付けて指示情報として記憶する記憶部と、
前記指示情報に基づいて、前記採点画面における操作設定を推薦する短縮推薦部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記採点画面は、採点に関する操作に対応する複数のアイコンを含み、
前記指示情報は、前記採点画面においてユーザが使用したアイコンに関するアイコン情報を含むものであって、
前記短縮推薦部は、前記アイコン情報に基づいて、前記採点画面における短縮操作を推薦する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記解答を採点するためにユーザにより行われた操作に関する操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記操作情報に基づいて各アイコンによる操作が実行された実行回数をカウントし、アイコン情報に記録する実行回数カウント部と、
を備える請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記アイコン情報は、前記アイコンを表示する順序である表示順序を含み、
前記画面出力部は、前記アイコン情報を参照し、前記表示順序に従って前記採点画面に前記アイコンを表示するものであって、
前記短縮推薦部は、前記アイコンによる操作の実行回数が第1閾値を超えた場合、実行回数が第1閾値を超えているアイコンの表示順序を、実行回数が多い順に更新する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記アイコン情報は、前記アイコンによる操作に割り当てられたショートカット操作を含み、
前記画面出力部は、前記アイコン情報を参照し、前記採点画面において、前記アイコンによる操作のショートカットとして、割り当てられたショートカット操作を設定するものであって、
前記短縮推薦部は、実行回数が第1閾値を超えたアイコンにショートカット操作を割り当てる請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
更新した表示順序及び設定したショートカット操作に関する情報を設定内容として採点画面上に表示させる設定内容表示部を備える請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記短縮推薦部は、操作情報を取得する対象ユーザと異なるユーザのアイコン情報を参照し、最も多く割り当てられており、且つ、前記対象ユーザのアイコンによる操作に割り当てられていないショートカット操作を、前記対象ユーザの実行回数が第1閾値を超えたアイコンによる操作に割り当てる請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記短縮推薦部は、実行回数が第1閾値を超えたアイコンによる操作に対して最も多く割り当てられており、且つ、前記対象ユーザのアイコンによる操作に割り当てられていないショートカット操作を、前記対象ユーザの実行回数が第1閾値を超えたアイコンによる操作に割り当てる請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記採点画面は、同一の問題に対する複数の学習者の解答を一覧表示し、
前記操作情報取得部は、一覧表示された解答を採点するために前記ユーザにより行われた操作に関する操作情報を取得する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記アイコンによる操作の実行回数は、一定期間の平均値である請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記採点画面は、使用頻度の低いアイコンを格納する低頻度エリアを有し、
短縮推薦部は、実行回数が第2閾値以下のアイコンを低頻度アイコンに設定し、
前記画面出力部は、低頻度アイコンを低頻度エリアに格納して表示する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、
学習者の解答を含む採点画面を出力する画面出力部、
前記採点画面においてコンピュータへの指示とユーザの操作と各操作指示の回数を関連付けて指示情報として記憶する記憶部、
前記指示情報に基づいて、前記採点画面における操作設定を推薦する短縮推薦部、
として前記コンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置の画面上で採点を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テストの採点を端末装置の画面上で行うシステムが知られている。特許文献1には多数のテストの解答用紙から多数の答案画像を作成し、採点者が端末装置を用いて所定の答案画像をダウンロードして採点するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、採点を行う画面は、GUI(Graphical User Interface)であり、ユーザが特定の操作を繰り返し行った際に、アイコンの表示順序や所定の操作のショートカット方法を好みに応じて自由にカスタマイズすることができる。採点作業は、繰り返す操作が多く、アイコンがバラバラに表示されていると使いづらい。そのため、ユーザの操作に応じて表示順序やショートカットをカスタマイズすることで、ユーザの作業効率を上げ、作業負荷を低減することができる。しかし、採点画面を使用する状況や場面により最適な表示順序やショートカットは異なるため、ユーザが自身でその都度カスタマイズすることは負担が大きく、難しい。
【0005】
本発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、採点を行う画面において、アイコンの表示順序や所定の操作のショートカットを自動的に設定することで、ユーザの作業負荷を低減する情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、情報処理装置は、学習者の解答を含む採点画面を出力する画面出力部と、前記採点画面においてコンピュータへの指示とユーザの操作と各操作指示の回数を関連付けて指示情報として記憶する記憶部と、前記指示情報に基づいて、前記採点画面における操作設定を推薦する短縮推薦部と、を備える。この態様によれば、情報処理装置は、指示情報に基づいて採点画面における操作設定を推薦することができる。よって、ユーザは、使いやすい操作を設定することができ、採点作業にかかる負荷を低減することができる。
【0007】
上記の情報処理装置の一態様では、前記採点画面は、採点に関する操作に対応する複数のアイコンを含み、前記指示情報は、前記採点画面においてユーザが使用したアイコンに関するアイコン情報を含むものであって、前記短縮推薦部は、前記アイコン情報に基づいて、前記採点画面における短縮操作を推薦する。この態様によれば、情報処理装置は、アイコン情報に基づいて、採点画面における短縮操作を推薦することで、ユーザの採点作業にかかる負荷を低減することができる。
【0008】
上記の情報処理装置の一態様では、前記解答を採点するためにユーザにより行われた操作に関する操作情報を取得する操作情報取得部と、前記操作情報に基づいて各アイコンによる操作が実行された実行回数をカウントし、アイコン情報に記録する実行回数カウント部と、を備える。この態様によれば、情報処理装置は、アイコンによる操作の実行回数に基づいて、採点画面における短縮操作を推薦し、ユーザの採点作業にかかる負荷を低減することができる。
【0009】
上記の情報処理装置の一態様では、前記アイコン情報は、前記アイコンを表示する順序である表示順序を含み、前記画面出力部は、前記アイコン情報を参照し、前記表示順序に従って前記採点画面に前記アイコンを表示するものであって、前記短縮推薦部は、前記アイコンによる操作の実行回数が第1閾値を超えた場合、実行回数が第1閾値を超えているアイコンの表示順序を、実行回数が多い順に更新する。この態様によれば、情報処理装置は、表示順序を更新することで、使用頻度の高いアイコンをユーザが使いやすい位置に表示することができる。
【0010】
上記の情報処理装置の一態様では、前記アイコン情報は、前記アイコンによる操作に割り当てられたショートカット操作を含み、前記画面出力部は、前記アイコン情報を参照し、前記採点画面において、前記アイコンによる操作のショートカットとして、割り当てられたショートカット操作を設定するものであって、前記短縮推薦部は、実行回数が第1閾値を超えたアイコンにショートカット操作を割り当てる。ここで、ショートカット操作とは、アイコンをクリックすることなく操作を実行することができるショートカットキーやマウスジェスチャー等である。この態様によれば、情報処理装置は、使用頻度の高いアイコンによる操作にショートカット操作を割り当て、ショートカットを設定することができる。
【0011】
上記の情報処理装置の一態様では、更新した表示順序及び設定したショートカット操作に関する情報を設定内容として採点画面上に表示させる設定内容表示部を備える。この態様によれば、ユーザは、採点画面上に表示される設定内容により、容易に更新された表示順序と設定されたショートカット操作を確認することができる。
【0012】
上記の情報処理装置の一態様では、前記短縮推薦部は、操作情報を取得する対象ユーザと異なるユーザのアイコン情報を参照し、最も多く割り当てられており、且つ、前記対象ユーザのアイコンによる操作に割り当てられていないショートカット操作を、前記対象ユーザの実行回数が第1閾値を超えたアイコンによる操作に割り当てる。この態様によれば、情報処理装置は、多くのユーザが設定している使いやすいショートカット操作をショートカットとして設定することができる。
【0013】
上記の情報処理装置の一態様では、前記短縮推薦部は、実行回数が第1閾値を超えたアイコンによる操作に対して最も多く割り当てられており、且つ、前記対象ユーザのアイコンによる操作に割り当てられていないショートカット操作を、前記対象ユーザの実行回数が第1閾値を超えたアイコンによる操作に割り当てる。この態様によれば、情報処理装置は、多くのユーザが、実行回数が第1閾値を超えたアイコンによる操作に対して設定している使いやすいショートカット操作をショートカットとして設定することができる。
【0014】
上記の情報処理装置の一態様では、前記採点画面は、同一の問題に対する複数の学習者の解答を一覧表示し、前記操作情報取得部は、一覧表示された解答を採点するために前記ユーザにより行われた操作に関する操作情報を取得する。この態様によれば、情報処理装置は、同一の問題に対する複数の学習者の解答を一覧表示して採点する際にも、ユーザの作業負荷を低減することができる。
【0015】
上記の情報処理装置の一態様では、前記アイコンによる操作の実行回数は、一定期間の平均値である。この態様によれば、情報処理装置は、一定期間におけるアイコンによる操作の実行回数の平均値を算出し、算出した値に基づいて、採点画面における短縮操作を推薦する。これにより、ユーザの採点作業にかかる負荷を低減することができる。
【0016】
上記の情報処理装置の一態様では、前記採点画面は、使用頻度の低いアイコンを格納する低頻度エリアを有し、短縮推薦部は、実行回数が第2閾値以下のアイコンを低頻度アイコンに設定し、前記画面出力部は、低頻度アイコンを低頻度エリアに格納して表示する。この態様によれば、情報処理装置は、使用頻度の低いアイコンを低頻度エリアに格納して表示するため、使用頻度の低いアイコンと使用頻度の高いアイコンを差別化することができる。よって、ユーザは使用頻度の高いアイコンの位置を確認しやすく、効率的に採点作業を進めることができる。
【0017】
本発明の別の観点では、コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、学習者の解答を含む採点画面を出力する画面出力部、前記採点画面においてコンピュータへの指示とユーザの操作と各操作指示の回数を関連付けて指示情報として記憶する記憶部、前記指示情報に基づいて、前記採点画面における操作設定を推薦する短縮推薦部、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータにインストールして実行させることで、本発明に係る情報処理装置を構成させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る情報処理装置によれば、採点を行う画面において、アイコンの表示順序や所定の操作のショートカットを自動的に設定することで、ユーザの作業負荷を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明のサーバを適用した学習支援システムの構成を示す。
【
図2】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】アイコン情報DBのデータ構成の一例である。
【
図5】採点画面とアイコン表示エリアの一例である。
【
図6】初期状態のアイコン情報と採点画面の一例である。
【
図7】累積実行回数を一定期間の平均値とする場合について説明する図である。
【
図8】様々な操作が実行された状態のアイコン情報と採点画面の一例である。
【
図9】ショートカット操作の割り当て方法を説明する図である。
【
図10】全操作を対象として設定割合を算出する方法を説明する図である。
【
図11】ショートカット操作が割り当てられたアイコン情報の一例である。
【
図12】累積実行回数が閾値を超えているアイコン情報の一例である。
【
図14】第1変形例における採点画面の一例である。
【
図15】第2変形例における低頻度エリアを有する採点画面の一例である。
【
図16】第4変形例における学習支援システムの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
<実施形態>
[全体構成]
図1は、本発明のサーバを適用した学習支援システムの構成を示す。学習支援システム100は、画面上で採点作業を行うアプリケーション等において、アイコンの表示順序や所定の操作のショートカットを自動的に設定することで、ユーザによる採点を支援するシステムである。ここで、ユーザは、学習者の解答を採点する教師等である。また、学習者は、テストやテキストの問題に解答する生徒等である。学習支援システム100は、サーバ10と、複数の教師用端末20とがインターネット等のネットワーク5を介して通信可能に構成されている。なお、本実施形態では、一例として、生徒の解答を、採点画面を用いて教師が採点するものとする。
【0021】
サーバ10は、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置であって、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ(PC)または汎用のタブレット等である。また、サーバ10は、後述するアイコン情報データベース(以下、「データベース」を「DB」と記す。)31及び解答情報DB32と接続されている。サーバ10は、本発明の情報処理装置の一例である。
【0022】
教師用端末20は、生徒の解答を採点する教師が使用するものであって、例えば、タブレットやPC等の情報処理機器である。具体的に、教師用端末20は、採点画面を表示して採点作業を行うことができるアプリケーションがインストールされており、サーバ10から画面情報を取得して採点画面を表示したり、後述する画面要求や操作情報をサーバ10に送信したりする端末装置である。
【0023】
[サーバの構成]
図2は、サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、記録媒体14と、表示部15と、入力部16とを備える。なお、これらの構成要素と、アイコン情報B31及び解答情報DB32とは、バス19を介して相互に接続されている。
【0024】
なお、サーバ10はコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良いし、仮想マシンで分散して実行しても良い。
【0025】
通信部11は、ネットワーク5を通じて教師用端末20と通信を行うための通信ユニットである。具体的に、通信部11は、後述する画面要求や操作情報を教師用端末20から受信したり、採点画面に関する画面情報を教師用端末20に送信したりする。
【0026】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を含み、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、サーバ10に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、プログラムは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、
図2では制御部12を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0027】
記憶部13はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部12が処理を実行するために必要なプログラム又はデータ等を記憶している。また、記憶部13は、制御部12が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0028】
記録媒体14は、ディスク状記録媒体、半導体メモリ等の不揮発性で非一時的な記録媒体であり、サーバ10に対して着脱可能に構成される。記録媒体14は、制御部12が実行する各種プログラムを記録している。サーバ10が画面出力処理を実行する際には、記録媒体14に記録されているプログラムが記憶部13にロードされ、制御部12により実行される。
【0029】
表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部12の指示に従い各種情報を表示する。入力部16は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報を制御部12へ出力する。
【0030】
図3は、アイコン情報DB31のデータ構成の一例である。
図3に示すように、アイコン情報DB31は、採点を行う教師を識別するユーザIDと、採点画面上での操作と、操作の累積実行回数と、操作に対応するアイコンの表示順序と、ショートカット操作とを対応付け、アイコン情報として記憶している。なお、本実施形態では、説明の便宜上、ユーザIDを「教師A」、「教師B」等とする。
【0031】
アイコンは、
図3に示すような、「全て〇」、「全て×」、「全てクリア」、「拡大」、「縮小」といった採点に関する各種操作にそれぞれ対応しており、詳細は後述するが、複数種類のアイコンが表示順序に従って採点画面上に表示される。累積実行回数は、アイコンに対応する操作が実行された回数の累積である。
【0032】
ショートカット操作は、アイコンをクリックすることなく操作を実行することができるショートカットキーやマウスジェスチャーである。例えば、
図3に示すように、ユーザID「教師B」は、採点画面において、「拡大」操作を「Ctrl」キーと「A」キーを同時に押下することで実行することができる。
【0033】
解答情報DB32は、テストを識別するテストIDと、テスト実施日と、テストを構成する設問を識別する設問番号と、設問と、生徒を識別する生徒氏名と、生徒の学年及び組と、設問に対する生徒の解答とを対応付け、解答情報として記憶している。なお、本実施形態では、説明の便宜上、生徒氏名を「学習者1」、「学習者2」等とする。
【0034】
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であってもよい。また、各DBは、例えばHDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)等の記録媒体により実現される。本実施形態において、記憶部13と各DBは一体の記憶装置として構成されていてもよいし、別々の記憶装置であってもよい。また、各DBは、サーバ10に接続された外部記憶装置であってもよく、その構成は任意に設定することができる。
【0035】
図4は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。サーバ10は、アイコン情報DB31、及び、解答情報DB32に接続されており、機能的には、アイコン情報取得部41と、画面出力部42と、操作情報取得部43と、採点部44と、実行回数カウント部45と、短縮推薦部46と、設定内容表示部47とを備える。
【0036】
なお、アイコン情報取得部41、画面出力部42、操作情報取得部43、採点部44、実行回数カウント部45、短縮推薦部46、及び、設定内容表示部47は、制御部12がプログラムを実行することにより実現される。
【0037】
アイコン情報取得部41は、教師用端末20から取得したユーザIDに基づいて、アイコン情報DB31からアイコン情報を取得する。具体的に、教師は、採点画面を用いて採点を行う場合、まず、教師用端末20を使用してアプリケーションや所定のサイトにログインし、ユーザIDと、採点対象となるテストのテストIDと、採点対象となる設問の設問番号と、採点対象となる生徒が所属する学年及び組とを画面要求としてサーバ10に送信する。そして、アイコン情報取得部41は、画面要求に含まれるユーザIDに基づいて、教師用端末20を使用する教師のアイコン情報を取得する。
【0038】
画面出力部42は、アイコン表示部51及びショートカット設定部52を備え、画面要求に応じて採点画面を作成し、出力する。具体的に、画面出力部42は、採点画面を作成し、採点画面に関する画面情報を教師用端末20に送信する。教師用端末20は、サーバ10から取得した画面情報に基づいて採点画面を表示することができる。教師は、教師用端末20に表示された採点画面により採点を行うことができる。
【0039】
図5(a)は、採点画面の一例である。
図5(a)に示すように、採点画面は、実施日表示エリア61、学年表示エリア62、組表示エリア63、ユーザID表示エリア66、アイコン表示エリア67、設問表示エリア68、及び、解答一覧エリア69を有する。
【0040】
実施日表示エリア61は、採点の対象となるテストの実施日を表示するエリアである。学年表示エリア62及び組表示エリア63は、それぞれ採点の対象となる生徒の属する学年及び組を表示するエリアである。ユーザID表示エリア66は、採点を行う教師のユーザIDを表示するエリアである。
【0041】
アイコン表示エリア67は、採点に関する各種操作に対応する複数のアイコンを表示するエリアである。
図5(b)は、アイコン表示エリア内に表示されたアイコンの一例である。アイコン67aは、解答一覧エリア69に表示された全ての解答を正解(〇)にする操作を実行するアイコンである。アイコン67bは、解答一覧エリア69に表示された全ての解答を不正解(×)にする操作を実行するアイコンである。アイコン67cは、採点を全てクリアにする操作を実行するアイコンである。アイコン67dは、拡大する操作を実行するアイコンである。アイコン67eは、縮小する操作を実行するアイコンである。アイコン67fは、コメントを追加する操作を実行するアイコンである。アイコン67gは、採点対象を次の設問とし、解答一覧エリア69に次の設問の解答を一覧表示する操作を実行するアイコンである。アイコン67hは、採点対象を前の設問とし、解答一覧エリア69に前の設問の解答を一覧表示する操作を実行するアイコンである。アイコン67iは、操作を元に戻す操作を実行するアイコンである。アイコン67jは、元に戻した操作をやり直す操作を実行するアイコンである。アイコン67kは、採点結果を保存する操作を実行するアイコンである。
【0042】
設問表示エリア68は、採点対象の設問を表示するエリアである。解答一覧エリア69は、採点対象である複数の生徒の解答を一覧表示するエリアであり、複数の生徒解答エリアを有する。生徒解答エリアは、採点対象となる学年及び組に所属する各生徒の解答を表示するエリアである。例えば、
図5(a)に示すように、解答一覧エリア69は、12個の生徒解答エリアを有しており、12名の生徒それぞれの解答が生徒氏名と共に一覧表示される。
【0043】
画面出力部42は、画面要求に含まれるテストID、設問番号、学年及び組に基づいて解答情報DB32から解答情報を取得し、採点画面を作成する。このとき、アイコン表示部51は、アイコン情報取得部41により取得されたアイコン情報を参照し、表示順序に従ってアイコンを表示する。また、ショートカット設定部52は、当該アイコン情報を参照し、各アイコンに割り当てられたショートカット操作をショートカットとして設定する。これにより、教師は、アイコンが適切な位置に表示され、適切なショートカットが設定された採点画面を用いて採点を行うことができる。
【0044】
図6は、初期状態のアイコン情報と採点画面の一例である。
図6に示すように、教師Aのアイコン情報31aは、初期状態のため全ての操作の累積実行回数は「0」となっており、全ての操作にショートカットが設定されていない。本実施形態では、初期状態の場合、
図6に示すように、「全て〇」の操作から順に「1」~「11」の数字がアイコンの表示順序として予め設定されているものとする。アイコン表示部51は、アイコン情報31aを参照し、表示順序に従って採点画面のアイコン表示エリア67内にアイコンを表示する。そのため、表示順序「1」の「全て〇」の操作に対応するアイコンが最も左に位置しており、表示順序の数字が大きいアイコンほど右に位置するよう表示される。
【0045】
操作情報取得部43は、採点画面において解答を採点するために教師により行われた操作に関する操作情報を教師用端末20から取得する。本実施形態では、アイコン表示エリア67内のアイコンにより操作を実行する他に、例えば、生徒解答エリア内にマウスポインタがある状態でマウスを左クリックすると正解、右クリックすると不正解と採点することができるものとする。そのため、操作情報は、アイコンによる操作が実行された回数、マウス操作による採点とその位置座標等に関する情報を含むものとする。
【0046】
採点部44は、操作情報取得部43により取得された操作情報に基づいて、生徒の解答を採点し、採点結果と、テストIDと、設問番号と、生徒氏名とを対応付けて記憶部13や所定のDBに記憶する。
【0047】
実行回数カウント部45は、操作情報取得部43により取得された操作情報に基づいて、各アイコンによる操作が実行された実行回数をカウントし、アイコン情報の累積実行回数を更新してアイコン情報DB31に記録する。なお、アイコン情報DB31への記録は、サーバ10の負荷軽減のため、例えば10秒ごと等、一定時間間隔で行われる。
【0048】
短縮推薦部46は、アイコン情報DB31を参照し、採点を行う教師のアイコン情報に基づいて採点画面における短縮操作を推薦する。短縮推薦部46は、表示順序更新部54、及び、ショートカット操作割当部55を備える。表示順序更新部54は、アイコン情報を参照し、所定のアイコンによる操作の累積実行回数が閾値を超えた場合、累積実行回数が閾値を超えているアイコンの表示順序を、累積実行回数が多い順に更新し、アイコン情報に記憶する。アイコン表示部51は、採点を行う教師のアイコン情報の表示順序が更新されると、更新された表示順序に従って、アイコン表示エリア67内のアイコンの位置を移動させて表示する。また、ショートカット操作割当部55は、累積実行回数が閾値を超えたアイコンに対応する操作にショートカット操作を割り当て、アイコン情報に記憶する。ショートカット設定部52は、採点を行う教師のアイコン情報に新たなショートカット操作が割り当てられると、当該ショートカット操作を累積実行回数が閾値を超えたアイコンによる操作のショートカットに設定する。
【0049】
ここで、累積実行回数の算出方法について説明する。
図7は、累積実行回数を一定期間の平均値とする場合について説明する図である。具体的に、一定期間が「1日」の場合、
図7に示す表34を参照して1日目の実行回数「10」、2日目の実行回数「3」、3日目の実行回数「5」を式35に代入し、日ごとの平均値「6」を算出して「拡大」の操作の累積実行回数とする。また、一定期間が「1か月」の場合、
図7に示す表36を参照して1か月目の実行回数「32」、2か月目の実行回数「25」、3か月目の実行回数「15」を式37に代入し、月ごとの平均値「24」を算出して「拡大」の操作の累積実行回数とする。
【0050】
なお、この場合、短縮推薦部46は、平均値算出の時点で累積実行回数が閾値を超えたか否かを判定する。平均値算出の時間は、例えば、日ごとの平均値の場合は毎日23:59、月ごとの平均値の場合は毎月最終日の23:59等、任意に設定することができる。
【0051】
また、累積実行回数の算出方法はこれに限定されるものではなく、例えば、1か月に1度や2か月に1度等、一定の間隔で累積実行回数を「0」にリセットすることとしてもよい。この場合、回数のみのリセットとし、アイコンの表示順序やショートカット操作の設定はリセットしない。このように、累積実行回数の算出方法は、任意に設定することができる。
【0052】
図8は、様々な操作が実行された状態のアイコン情報と採点画面の一例である。
図8に示すように、教師Aのアイコン情報31bには、実行回数カウント部45により、各アイコンの累積実行回数が記録されている。
【0053】
表示順序更新部54は、例えば、予め設定された閾値が15回の場合、アイコン情報31bを参照し、「拡大」の操作の累積実行回数が15回であるため閾値を超えたと判定する。そして、表示順序更新部54は、「拡大」の操作に対応するアイコンの表示順序を「4」から「1」に更新し、それまで表示順序「1」、「2」、「3」であったアイコンの表示順序をそれぞれ「2」、「3」、「4」に更新し、アイコン情報に上書きして記憶する。
【0054】
また、ショートカット操作割当部55は、アイコン情報31bを参照し、累積実行回数が閾値を超えた「拡大」の操作にショートカット操作が割り当てられていない場合、アイコン情報DB31に記憶された他の教師のアイコン情報を参照し、適切なショートカット操作を割り当て、アイコン情報に記憶する。
【0055】
図9は、ショートカット操作の割り当て方法を説明する図である。ショートカット操作割当部55は、
図9に示すように、まず、アイコン情報DB31に記憶された教師Bのアイコン情報の点線で囲んだ箇所を参照し、「拡大」の操作のショートカットとして「Ctrl+U」が割り当てられていることを特定する。また、ショートカット操作割当部55は、教師Cのアイコン情報の点線で囲んだ箇所を参照し、「拡大」の操作のショートカットとして「Ctrl+U」が割り当てられていることを特定する。また、ショートカット操作割当部55は、教師Dのアイコン情報の点線で囲んだ箇所を参照し、「拡大」の操作のショートカットとして「右クリック+右にマウス移動」が割り当てられていることを特定する。このように、ショートカット操作割当部55は、アイコン情報DB31に記憶された他の教師のアイコン情報を参照し、「拡大」の操作のショートカットとして設定されているショートカット操作を全て特定する。
【0056】
そして、ショートカット操作割当部55は、特定したショートカット操作ごとに設定割合を算出する。ここで、設定割合は、(「拡大」の操作に所定のショートカット操作が設定されている数/「拡大」の操作に何れかのショートカット操作が設定されている人数)で算出することができる。グラフ38は、縦軸を設定割合、横軸をショートカット操作とした棒グラフである。グラフ38によれば、「拡大」の操作に対して最も多く設定されているショートカット操作は「Ctrl+U」であることが分かる。そのため、ショートカット操作割当部55は、教師Aのアイコン情報を参照し、ショートカットキー「Ctrl+U」が他の操作のショートカット操作として割り当てられていない、すなわち、重複していないことを確認した上で、「拡大」の操作にショートカットキー「Ctrl+U」を割り当てる。なお、ショートカットキー「Ctrl+U」が重複している場合、ショートカット操作割当部55は、2番目に多く設定されているショートカットキー「Ctrl+K」を「拡大」の操作に割り当てる。これにより、対象となるアイコンの操作に最も多く設定され、多くの教師が使いやすいと感じているショートカット操作を使用頻度の高いアイコンの操作に割り当てることができる。
【0057】
なお、ショートカットの割り当て方法はこれに限定されるものではなく、任意に設定することができる。例えば、
図9の例ではショートカット操作割当部55は、他の教師のアイコン情報を参照し、累積実行回数が閾値を超えた「拡大」の操作に割り当てられたショートカット操作を対象として設定割合を算出しているが、各種アイコンによる全ての操作を対象として設定割合を算出してもよい。
【0058】
図10は、全操作を対象として設定割合を算出する方法を説明する図である。ショートカット操作割当部55は、
図10に示すように、教師Bのアイコン情報を参照し、「全て〇」の操作、「拡大」の操作、「縮小」の操作、「元に戻す」の操作、「やり直す」の操作、「保存」の操作それぞれに割り当てられたショートカット操作を特定する。また、ショートカット操作割当部55は、教師Cのアイコン情報を参照し、「全て〇」の操作、「拡大」の操作、「縮小」の操作、「元に戻す」の操作、「やり直す」の操作、「保存」の操作それぞれに割り当てられたショートカット操作を特定する。また、ショートカット操作割当部55は、教師Dのアイコン情報を参照し、「全て〇」の操作、「拡大」の操作、「縮小」の操作、「保存」の操作それぞれに割り当てられたショートカット操作を特定する。このように、ショートカット操作割当部55は、アイコン情報DB31に記憶された他の教師のアイコン情報を参照し、全操作を対象にショートカットとして設定されているショートカット操作を全て特定する。
【0059】
そして、ショートカット操作割当部55は、特定したショートカット操作ごとに設定割合を算出する。ここで、設定割合は、「何れかの操作に所定のショートカット操作が設定されている数/何れかのショートカット操作が設定されている操作の数」で算出することができる。グラフ39は、縦軸を設定割合、横軸をショートカット操作とした棒グラフである。グラフ39によれば、何れかの操作に対して最も多く設定されているショートカット操作は「Ctrl+A」であることが分かる。そのため、ショートカット操作割当部55は、教師Aのアイコン情報を参照し、ショートカットキー「Ctrl+A」が重複していないことを確認した上で、累積実行回数が閾値を超えた「拡大」の操作にショートカットキー「Ctrl+A」を割り当てる。なお、ショートカットキー「Ctrl+A」が重複している場合、ショートカット操作割当部55は、2番目に多く設定されているショートカットキー「Ctrl+S」を「拡大」の操作に割り当てる。これにより、全操作を対象として最も多く設定され、多くの教師が使いやすいと感じているショートカット操作を使用頻度の高いアイコンの操作に割り当てることができる。
【0060】
設定内容表示部47は、表示順序更新部54による表示順序の更新、及び、ショートカット操作割当部55によるショートカット操作の割り当てのいずれか1つ以上が行われた場合、更新したアイコンの表示順序や設定したショートカット操作に関する情報を設定内容として採点画面上に表示させる。具体的に、設定内容表示部47は、設定内容に関する情報を教師用端末20に送信し、教師用端末は、取得した情報に基づいて採点画面上に設定内容を表示する。
【0061】
図11は、ショートカット操作が割り当てられたアイコン情報と採点画面の一例である。
図11に示すように、教師Aのアイコン情報31cには、累積実行回数が閾値を超えた「拡大」の操作に対し、ショートカット操作割当部55によりショートカットキー「Ctrl+U」が割り当てられている。
【0062】
アイコン表示部51は、アイコン情報31cを参照し、更新された表示順序に従い、「拡大」の操作に対応するアイコン67dを、アイコン表示エリア67内で1番左に位置するように表示する。また、ショートカット設定部52は、アイコン情報31cを参照し、「拡大」の操作にショートカットキー「Ctrl+U」をショートカットとして設定する。そして、設定内容表示部47は、
図11に示すように、更新したアイコンの表示順序や設定したショートカット操作に関する情報を設定内容70aとして採点画面上に表示させる。
【0063】
なお、
図11に示すように、設定内容70aは、元に戻すボタン71を備えることとしてもよい。教師が元に戻すボタンを押下すると、サーバ10は、自動的に更新した表示順序や設定したショートカットの内容をキャンセルする。
【0064】
ここで、様々な操作が実行され、「拡大」の操作とは異なる操作の累積実行回数が閾値を超えた場合について説明する。
図12は、複数の操作の累積実行回数が閾値を超えているアイコン情報と採点画面の一例である。具体的に、
図12のアイコン情報31dは、「拡大」の操作の累積実行回数が閾値を超えた後、さらに様々な操作が実行され、「保存」の操作の累積実行回数が閾値を超えた状態のアイコン情報とする。この場合、表示順序更新部54は、アイコン情報31dを参照し、「保存」の操作の累積実行回数が15回であるため閾値を超えたと判定する。そして、表示順序更新部54は、アイコン情報31dを参照し、累積実行回数が閾値を超えるアイコンの表示順序を累積実行回数が多い順に更新する。この場合、累積実行回数が閾値を超えるアイコンは、「拡大」の操作に対応するアイコンと「保存」の操作に対応するアイコンであり、累積実行回数は「拡大」の操作の方が多いため、「拡大」の操作に対応するアイコンの表示順序を「1」、「保存」の操作に対応するアイコンの表示順序を「2」に更新する。これに伴い、それまで表示順序「2」、「3」、「4」であったアイコンの表示順序をそれぞれ「3」、「4」、「5」に更新し、アイコン情報31eとして記憶する。
【0065】
また、ショートカット操作割当部55は、アイコン情報31dを参照し、累積実行回数が閾値を超えた「保存」の操作にショートカット操作が割り当てられていない場合、他の教師のアイコン情報を参照し、適切なショートカット操作、例えば、「Ctrl+S」を割り当て、アイコン情報31eとして記憶する。
【0066】
アイコン表示部51は、アイコン情報31eを参照し、更新された表示順序に従い、アイコン表示エリア67内で「拡大」の操作に対応するアイコン67dが1番左に位置し、「保存」の操作に対応するアイコン67eが左から2番目に位置するように表示する。また、ショートカット設定部52は、アイコン情報31dを参照し、「保存」の操作にショートカットキー「Ctrl+S」をショートカットとして設定する。そして、設定内容表示部47は、
図12に示すように、更新したアイコンの表示順序や設定したショートカット操作に関する情報を設定内容70bとして採点画面上に表示させる。
【0067】
上記の構成において、サーバ10の画面出力部42、操作情報取得部43、実行回数カウント部45、短縮推薦部46、及び、設定内容表示部47は、それぞれ本発明の画面出力部、操作情報取得部、実行回数カウント部、短縮推薦部、及び、設定内容表示部の一例である。また、アイコン情報DB31は、本発明の記憶部の一例である。
【0068】
[画面出力処理]
次に、教師の画面要求に応じて採点画面を出力する画面出力処理について説明する。
図13は、画面出力処理のフローチャートである。この処理は、サーバ10が予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0069】
教師は、採点画面による採点を行う場合、教師用端末20を使用してアプリケーションや所定のサイトにログインし、ユーザIDと、採点対象となるテストのテストIDと、採点対象となる設問の設問番号と、採点対象となる生徒が所属する学年及び組とを画面要求としてサーバ10に送信する。これにより、サーバ10は、取得した画面要求に含まれるユーザIDに基づいてアイコン情報DB31から、教師のアイコン情報を取得する(ステップS11)。また、サーバ10は、画面要求に含まれるテストID、設問番号、学年及び組に基づいて解答情報DB32から解答情報を取得する。そして、サーバ10は、取得したアイコン情報及び解答情報に基づいて採点画面を作成し、出力する(ステップS12)。具体的に、サーバ10は、作成した採点画面に関する画面情報を教師用端末20に送信する。教師用端末20は、サーバ10から取得した画面情報に基づいて、採点画面を表示することができる。
【0070】
教師は、教師用端末20に表示された採点画面を用いて、所定の解答の採点を行う。すると、教師用端末20は、解答を採点するために教師により行われた操作に関する操作情報をサーバ10へ送信する。これにより、サーバ10は、教師用端末20から操作情報を取得する(ステップS13)。サーバ10は、取得した操作情報に基づいて所定の解答を採点し、採点結果を所定のDBに記憶する。また、サーバ10は、取得した操作情報に基づいて、各アイコンによる操作が実行された実行回数をカウントし、アイコン情報の累積実行回数を更新してアイコン情報DB31に記録する(ステップS14)。
【0071】
サーバ10は、採点を行う教師のアイコン情報を参照し、各操作の累積実行回数が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS15)。累積実行回数が閾値を超えていない場合(ステップS15;No)、サーバ10は、ステップS19の処理に進む。一方、累積実行回数が閾値を超えた場合(ステップS15;Yes)、サーバ10は、アイコンの表示順序を更新し、更新された表示順序に従って採点画面にアイコンを表示する(ステップS16)。また、サーバ10は、累積実行回数が閾値を超えた操作に適切なショートカット操作を割り当て、ショートカットとして設定する(ステップS17)。更新された表示順序、及び、割り当てられたショートカット操作は、アイコン情報に上書きして記憶される。
【0072】
サーバ10は、更新した表示順序と設定したショートカットに関する情報を設定内容として採点画面上に表示させる(ステップS18)。具体的に、サーバ10は、設定内容に関する情報を教師用端末20に送信し、教師用端末20は、取得した情報に基づいて採点画面上に設定内容を表示する。そして、サーバ10は、取得した操作情報に基づいて採点画面を終了する操作が行われたか否かを判定する(ステップS19)。採点画面を終了する操作が行われていない場合(ステップS19;No)、サーバ10は、ステップS13の処理に戻る。一方、採点画面を終了する操作が行われた場合(ステップS19;Yes)、サーバ10は採点画面を終了する。これにより、画面出力処理は終了する。
【0073】
なお、本実施形態では、複数の教師のアイコン情報が1つのアイコン情報DB31に記憶されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、教師ごとにアイコン情報を記憶するアイコン情報DBを設けることとしてもよい。このように、アイコン情報DB31のデータ構成は任意に設定することができる。
【0074】
また、本実施形態では、表示順序の更新やショートカットの設定を所定の操作の累積実行回数が閾値を超えたタイミングで行うこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、週末に1回行う、ログインタイミングに行う等、任意に設定したタイミングで行うこととしてもよい。これにより、教師による採点作業中にアイコンの位置が移動して混乱する、設定内容が表示されて煩わしいといった不具合を避けることができる。
【0075】
本実施形態の学習支援システム100は、採点を行う画面において、ユーザの操作に基づき短縮操作を推薦することができる。具体的に、学習支援システム100は、表示順序を更新することで、使用頻度の高いアイコンをユーザが使いやすい位置に表示することができる。また、学習支援システム100は、使用頻度の高いアイコンによる操作にショートカットを設定することができる。このとき、多くのユーザが設定している使いやすいショートカットキーやマウスジェスチャーをショートカットとして設定することができる。このように、本実施形態の学習支援システム100は、アイコンの表示順序や所定の操作のショートカットを自動的に設定することで、ユーザの採点作業にかかる負荷を低減することができる。
【0076】
<変形例>
次に、上記の実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は適宜組み合わせて上記の実施形態に適用することができる。
【0077】
(第1変形例)
上記の実施形態では、採点画面に、所定の問題に対する複数の生徒の解答を一覧表示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、採点画面に1人の生徒による複数の解答を表示することとしてもよい。
【0078】
図14は、1人の生徒による複数の解答を表示する採点画面の一例である。
図14に示すように、本変形例の採点画面は、実施日表示エリア61、学年表示エリア62、組表示エリア63、ユーザID表示エリア66、アイコン表示エリア67、テスト表示エリア72、生徒氏名表示エリア73、及び、解答表示エリア74を有する。なお、実施日表示エリア61、学年表示エリア62、組表示エリア63、及び、ユーザID表示エリア66は、実施形態と同様であるため、便宜上、説明は省略する。
【0079】
アイコン表示エリア67は、採点に関する各種操作に対応する複数のアイコンを表示するエリアである。アイコン67gは、採点対象を次の生徒とし、解答表示エリア74に次の生徒の全解答を表示する操作を実行するアイコンである。ここで、次の生徒とは、例えば、氏名を五十音順で並べた際の次の生徒等であって、任意に設定することができる。また、アイコン67hは、採点対象を前の生徒とし、解答表示エリア74に前の生徒の全解答を表示する操作を実行するアイコンである。ここで、前の生徒とは、例えば、氏名を五十音順で並べた際の前の生徒等であって、任意に設定することができる。なお、アイコン表示エリア67に表示される他のアイコン67a~67f及びアイコン67i~67kは、実施形態と同様であるため、便宜上、説明は省略する。
【0080】
テスト表示エリア72は、採点の対象となるテストIDに紐づいて所定のDB等に記憶されたテスト内容を表示するエリアである。生徒氏名表示エリア73は、採点の対象となる生徒の氏名を表示するエリアである。解答表示エリア74は、スクロールバー等により、採点の対象となる生徒の全解答が表示される。
【0081】
本変形例において、教師は、採点画面を用いて採点を行う場合、教師用端末20を使用してアプリケーションや所定のサイトにログインし、ユーザIDと、採点対象となるテストのテストIDと、採点対象となる生徒が所属する学年及び組と、採点対象となる生徒氏名とを画面要求としてサーバ10に送信する。取得した画面要求に含まれるユーザIDに基づいて、アイコン情報取得部41は、アイコン情報DB31から教師用端末20を使用する教師のアイコン情報を取得する。画面出力部42は、取得した画面要求に含まれるテストID、学年及び組、生徒氏名に基づいて、解答情報DB32から解答情報を取得し、採点画面を作成する。このとき、アイコン表示部51は、アイコン情報を参照し、表示順序に従ってアイコンを表示する。また、ショートカット設定部52は、アイコン情報を参照し、各アイコンにショートカットを設定する。これにより、教師は、アイコンが適切な位置に表示され、適切なショートカットが設定された採点画面を用いて、生徒ごとに採点を行うことができる。
【0082】
なお、採点画面に複数の生徒の解答を一覧表示するのではなく、1人の生徒による複数の解答を表示する点以外、実施形態と同様であるため、便宜上、その他の説明は省略する。
【0083】
(第2変形例)
上記の実施形態では、採点画面がアイコン表示エリア67を備え、表示順序に従ってアイコンが表示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、採点画面がアイコン表示エリア67の他に低頻度エリアを備えることとしてもよい。
【0084】
図15は、アイコン情報と低頻度エリアを有する採点画面の一例である。
図15に示すように、本変形例の採点画面は、実施日表示エリア61、学年表示エリア62、組表示エリア63、ユーザID表示エリア66、アイコン表示エリア67、設問表示エリア68、解答一覧エリア69、低頻度エリア80、及び、非表示ボタン81を有する。なお、実施日表示エリア61、学年表示エリア62、組表示エリア63、ユーザID表示エリア66、設問表示エリア68、及び、解答一覧エリア69は、実施形態と同様であるため、便宜上、説明は省略する。
【0085】
低頻度エリア80は、使用頻度の低いアイコンを格納して表示するエリアであり、非表示ボタン81が押下されることにより非表示とすることもできる。表示順序更新部54は、アイコン情報31fを参照し、一定期間が経過したにもかかわらず、累積実行回数が閾値以下であると判定した場合、累積実行回数が閾値以下のアイコンを低頻度アイコンに設定する。ここで、閾値は、実施形態と異なり、使用頻度が低いか否かを判定する基準となる閾値であり、本変形例では一例として4回とする。アイコン情報31fを参照し、表示順序更新部54は、累積実行回数が4回以下である「全て〇」の操作に対応するアイコン67a、「全て×」の操作に対応するアイコン67b、「全てクリア」の操作に対応するアイコン67c、「コメント」の操作に対応するアイコン67fを低頻度アイコンに設定する。表示順序更新部54は、低頻度アイコンの設定に関する情報をアイコン情報31fに記録してもよい。アイコン表示部51は、アイコン情報31fを参照し、低頻度アイコン67a~67c及び67fをアイコン表示エリア67から削除し、低頻度エリア80に表示させる。これにより、使用頻度の低いアイコンをアイコン表示エリア67から削除することができるため、教師はアイコンの位置を確認しやすく、効率的に採点作業を進めることができる。
【0086】
(第3変形例)
本実施形態では、ユーザIDと、採点画面上での操作と、操作の累積実行回数と、操作に対応するアイコンの表示順序と、ショートカット操作とを対応付け、アイコン情報としてアイコン情報DB31に記憶している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、採点画面において教師用端末20をはじめとするコンピュータへの指示と、当該指示に対応するユーザの操作と、各指示の回数とを関連付け、指示情報として記憶部13や所定のDBに記憶してもよい。また、指示情報は、ユーザの操作に設定されたショートカット操作がある場合、当該ショートカット操作も関連付けて記憶してもよい。この場合、サーバ10は、操作情報に基づいて、各指示の実行回数をカウントし、指示情報を記憶する。これによれば、サーバ10は、アイコンがない場合であっても、指示情報に基づいて、採点画面におけるショートカット操作等、所定の操作設定を推薦することができる。よって、ユーザは、使いやすい操作を設定することができ、採点作業にかかる負荷を低減することができる。
【0087】
(第4変形例)
上記の実施形態において、教師は教師用端末20を使用することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、教師はサーバ10の機能を有する教師用端末90を使用することとしてもよい。教師用端末90は、サーバ10と同様に、例えば、PCまたは汎用のタブレット等である。
【0088】
図16は、この場合の学習支援システム200の構成例を示す。教師用端末90は、アイコン情報DB91及び解答情報DB92が接続されている。教師用端末90は、サーバ10が行っていた画面出力処理を実行し、教師による採点画面上での操作に基づいて、アイコンの表示順序や所定の操作のショートカットを設定し、教師による採点作業を支援することができる。
【符号の説明】
【0089】
5 ネットワーク
10 サーバ
20、90 教師用端末
31、91 アイコン情報DB
32、92 解答情報DB
41 アイコン情報取得部
42 画面出力部
43 操作情報取得部
44 採点部
45 実行回数カウント部
46 短縮推薦部
47 設定内容表示部
51 アイコン表示部
52 ショートカット設定部
54 表示順序更新部
55 ショートカット操作割当部
100、200 学習支援システム