(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110112
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】部品実装装置、部品実装システム及び高さ情報取得方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20240807BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
H05K13/04 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014482
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高間 和志
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA01
5E353EE13
5E353EE41
5E353GG01
5E353GG29
5E353GG31
5E353HH01
5E353JJ02
5E353JJ13
5E353JJ21
5E353JJ28
5E353JJ44
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353KK11
5E353KK13
5E353LL04
5E353LL06
5E353QQ11
5E353QQ12
(57)【要約】
【課題】信頼性の高い高さ情報を取得できること。
【解決手段】部品実装装置10であって、基板Pを複数の方向から撮像可能な基板撮像カメラ22を備え、実装前撮像処理(S103)で撮像した各画像のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第1の実装前抽出処理(S204)と、実装後撮像処理(S109)で撮像した各画像のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第1の実装後抽出処理(S207)と、第1の実装前抽出処理で抽出したマッチング点の候補と第1の実装後抽出処理で抽出したマッチング点の候補とを比較して第1の高信頼マッチング点を検出する第1の検出処理(S208)と、第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する第1の取得処理(S209)と、を実行する、部品実装装置10。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品実装装置であって、
基板に部品を実装する実装部と、
前記基板を複数の方向から撮像可能な撮像部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記部品の実装前に前記撮像部によって前記基板を複数の方向から撮像する実装前撮像処理と、
前記部品の実装後に前記撮像部によって前記基板を複数の方向から撮像する実装後撮像処理と、
前記実装前撮像処理で撮像した各画像のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第1の実装前抽出処理と、
前記実装後撮像処理で撮像した各画像のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第1の実装後抽出処理と、
前記第1の実装前抽出処理で抽出したマッチング点の候補と前記第1の実装後抽出処理で抽出したマッチング点の候補とを比較して第1の高信頼マッチング点を検出する第1の検出処理と、
前記第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する第1の取得処理と、
を実行する、部品実装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、
前記第1の実装前抽出処理及び前記第1の実装後抽出処理において、複数の画像の類似度を評価する評価関数の値を求めて前記マッチング点の候補を抽出し、
前記第1の検出処理において、前記第1の実装前抽出処理で求めた前記評価関数の値と前記第1の実装後抽出処理で求めた前記評価関数の値との差が最も小さい前記マッチング点の候補を前記第1の高信頼マッチング点として検出する、部品実装装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、
前記第1の実装前抽出処理において、前記実装前撮像処理で撮像した各前記画像上の第1領域であって前記部品の実装位置の高さ情報を取得するための第1領域のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出し、
前記第1の実装後抽出処理において、前記実装後撮像処理で撮像した各前記画像上の前記第1領域のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出し、
前記第1の取得処理において、前記第1の高信頼マッチング点に基づいて、前記実装位置の実装前の高さ情報を取得する、部品実装装置。
【請求項4】
請求項3に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記第1の実装前抽出処理の前に、
前記実装前撮像処理で撮像した各前記画像上の第2領域であって前記部品の実装位置近傍の基板面の高さ情報を取得するための第2領域のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第2の実装前抽出処理と、
前記実装後撮像処理で撮像した各前記画像上の前記第2領域のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第2の実装後抽出処理と、
前記第2の実装前抽出処理で抽出したマッチング点の候補と前記第2の実装後抽出処理で抽出したマッチング点の候補とを比較して第2の高信頼マッチング点を検出する第2の検出処理と、
前記第2の高信頼マッチング点に基づいて、前記実装位置近傍の基板面の実装前の高さ情報を取得する第2の取得処理と、
前記第2の取得処理で取得した前記実装位置近傍の基板面の実装前の高さ情報に基づいて、前記実装前撮像処理で撮像した各前記画像上で前記第1領域を補正する実装前第1領域補正処理と、
を実行する、部品実装装置。
【請求項5】
請求項4に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記第1の実装後抽出処理の前に、
前記第2の高信頼マッチング点に基づいて前記実装位置近傍の基板面の実装後の高さ情報を取得する第3の取得処理と、
前記第3の取得処理で取得した前記実装位置近傍の基板面の実装後の高さ情報に基づいて、前記実装後撮像処理で撮像した各前記画像上で前記第1領域を補正する実装後第1領域補正処理と、
を実行する、部品実装装置。
【請求項6】
請求項3に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、1つの前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して前記1つの前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、
前記1つの前記実装位置の後に前記部品が実装される前記実装位置に前記部品を実装するときの目標実装高さを、前記1つの前記実装位置の実装前の高さ情報に基づいて補正する第1の補正処理を実行する、部品実装装置。
【請求項7】
請求項3に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、
前記実装位置毎に、前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、
前記実装位置に前記部品を実装するときの目標実装高さを、当該実装位置の直前に前記部品が実装された前記実装位置の実装前の高さ情報に基づいて補正する第2の補正処理を実行する、部品実装装置。
【請求項8】
請求項3に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、
前記基板毎に、前記基板の各前記実装位置について、前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、前記実装位置と前記実装位置の実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップを作成する第1のマップ作成処理と、
前記基板に前記部品を実装するとき、当該基板の各前記実装位置に前記部品を実装するときの目標実装高さを、当該基板の直前に前記部品が実装された前記基板で作成した前記高さマップに基づいて補正する第3の補正処理と、
を実行する、部品実装装置。
【請求項9】
請求項3に記載の部品実装装置であって、
前記基板の基板端を固定する固定部を備え、
前記制御部は、
1つの前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して前記1つの前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、取得した高さ情報と、前記固定部によって固定されている基板端の高さ情報とに基づいて仮想基板面を設定する設定処理と、
前記1つの前記実装位置の後に前記部品が実装される前記実装位置について、当該実装位置の実装前の高さ情報を前記仮想基板面から取得し、当該実装位置に前記部品を実装するときの目標実装高さを、前記仮想基板面から取得した高さ情報に基づいて補正する第4の補正処理と、
を実行する、部品実装装置。
【請求項10】
請求項3に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、
1枚の前記基板に前記部品を実装するとき、前記1枚の前記基板の各前記実装位置について、前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、前記実装位置と前記実装位置の実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップを作成する第2のマップ作成処理と、
前記1枚の前記基板の後に前記部品が実装される前記基板の前記実装位置に前記部品を実装するときの目標実装高さを、前記1枚の前記基板で作成した前記高さマップに基づいて補正する第5の補正処理と、
を実行する、部品実装装置。
【請求項11】
請求項3に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記第1の取得処理において、前記第1の高信頼マッチング点に基づいて前記実装位置の実装前の高さ情報、及び、前記実装位置の実装後の高さ情報を取得し、
前記実装位置の実装前後の高さ情報の変化を第1の判定閾値と比較して前記部品の実装成否を判定する第1の成否判定処理を実行する、部品実装装置。
【請求項12】
請求項11に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、
前記実装前撮像処理で撮像した各前記画像のステレオマッチングを行って前記実装位置の実装前の高さ情報を取得する第4の取得処理と、
前記実装後撮像処理で撮像した各前記画像のステレオマッチングを行って実装位置の実装後の高さ情報を取得する第5の取得処理と、
前記実装位置の実装前後の高さ情報の変化が前記第1の判定閾値に所定のマージン値を加算した値より大きい場合は実装成功と判定し、前記値より小さい場合は判定不能と判定する第2の成否判定処理と、
を実行し、
前記第2の判定処理で判定不能と判定した場合に前記第1の成否判定処理を実行する、部品実装装置。
【請求項13】
請求項11に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、
前記実装前撮像処理で撮像した各前記画像上の第2領域であって前記部品の実装位置近傍の基板面の高さ情報を取得するための第2領域のステレオマッチングを行って前記実装位置近傍の基板面の実装前の高さ情報を取得する第6の取得処理と、
前記実装後撮像処理で撮像した各前記画像上の前記第2領域のステレオマッチングを行って前記実装位置近傍の基板面の実装後の高さ情報を取得する第7の取得処理と、
を実行し、
前記実装位置近傍の基板面の実装前後の高さ情報の変化が第2の判定閾値以上である場合に前記第1の成否判定処理を実行する、部品実装装置。
【請求項14】
請求項1又は請求項2に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、
前記基板の生産を開始する前に試験用の基板に前記部品を実装し、
前記試験用の基板の各前記実装位置について、前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して高さ情報を取得し、前記基板の高さマップを作成する第3のマップ作成処理を実行する、部品実装装置。
【請求項15】
請求項1又は請求項2に記載の複数の部品実装装置が前記基板の搬送方向に配列されている部品実装システムであって、
1台の前記部品実装装置の前記制御部は、前記基板に前記部品を実装するとき、前記実装位置毎に前記第1の取得処理を実行して前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、前記実装位置と前記実装位置の実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップを作成する第4のマップ作成処理を実行し、
前記1台の前記部品実装装置より前記基板の搬送方向の下流に配されている前記部品実装装置の前記制御部は、前記実装位置に前記部品を実装するときの前記部品の目標実装高さを、前記1台の前記部品実装装置で作成された前記高さマップに基づいて補正する第6の補正処理を実行する、部品実装システム。
【請求項16】
部品が実装される基板の高さ情報を取得する高さ情報取得方法であって、
前記部品の実装前に撮像部によって前記基板を複数の方向から撮像する実装前撮像工程と、
前記部品の実装後に撮像部によって前記基板を複数の方向から撮像する実装後撮像工程と、
前記実装前撮像工程で撮像した各画像のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第1の実装前抽出工程と、
前記実装後撮像工程で撮像した各画像のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第1の実装後抽出工程と、
前記第1の実装前抽出工程で抽出したマッチング点の候補と前記第1の実装後抽出工程で抽出したマッチング点の候補とを比較して第1の高信頼マッチング点を検出する第1の検出工程と、
前記第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する第1の取得工程と、
を含む、高さ情報取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、基板に部品を実装する部品実装装置、部品実装システム及び高さ情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に部品を実装する部品実装装置において、基板を複数の方向から撮像する撮像部を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1に記載の部品実装装置は、部品の実装前に、部品の実装位置を含む所定の領域を撮像部によって複数の撮像方向から撮像し、撮像した各画像のステレオマッチングを行って実装位置の実装前の高さ情報を取得する。同様に、当該部品実装装置は、部品の実装後に当該所定の領域を撮像部によって複数の撮像方向から撮像し、撮像した各画像のステレオマッチングを行って実装位置の実装後の高さ情報を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の部品実装装置は、信頼性の高い高さ情報を取得する上で改善の余地があった。
本明細書では、信頼性の高い高さ情報を取得できる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
部品実装装置であって、基板に部品を実装する実装部と、前記基板を複数の方向から撮像可能な撮像部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記部品の実装前に前記撮像部によって前記基板を複数の方向から撮像する実装前撮像処理と、前記部品の実装後に前記撮像部によって前記基板を複数の方向から撮像する実装後撮像処理と、前記実装前撮像処理で撮像した各画像のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第1の実装前抽出処理と、前記実装後撮像処理で撮像した各画像のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第1の実装後抽出処理と、前記第1の実装前抽出処理で抽出したマッチング点の候補と前記第1の実装後抽出処理で抽出したマッチング点の候補とを比較して第1の高信頼マッチング点を検出する第1の検出処理と、前記第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する第1の取得処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0006】
上記の構成によれば、信頼性の高い高さ情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図6】一般的なマッチング点の検出を説明するための模式図(実装前)
【
図7】一般的なマッチング点の検出を説明するための模式図(実装後)
【
図8】高信頼マッチング点の検出を説明するための模式図
【
図10】目標実装高さの補正を説明するための模式図
【
図11】高信頼マッチング点を用いた処理を説明するための模式図
【
図12】最初の実装位置に部品を実装するときのフローチャート
【
図14】最初の実装位置の後に部品が実装される実装位置に部品を実装するときのフローチャート
【
図15】実施形態2に係る高信頼マッチング点を用いた処理を説明するための模式図
【
図16】実施形態3に係る高信頼マッチング点を用いた処理を説明するための模式図
【
図17A】実施形態4に係る高信頼マッチング点を用いた処理を説明するための模式図(複数の領域に分割する方法)
【
図17B】高信頼マッチング点を用いた処理を説明するための模式図(直線補間する方法)
【
図17C】高信頼マッチング点を用いた処理を説明するための模式図(曲線補間する方法)
【
図18】実施形態5に係る高信頼マッチング点を用いた処理を説明するための模式図
【
図19】実施形態6に係る高信頼マッチング点を用いた処理を説明するための模式図
【
図20】実施形態7に係る部品を実装するときのフローチャート
【
図22】実施形態8に係る部品を実装するときのフローチャート
【
図23】実施形態9に係る部品を実装するときのフローチャート
【
図24】実施形態10に係る部品を実装するときのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態の概要)
(1)実施形態に係る部品実装装置は、基板に部品を実装する実装部と、前記基板を複数の方向から撮像可能な撮像部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記部品の実装前に前記撮像部によって前記基板を複数の方向から撮像する実装前撮像処理と、前記部品の実装後に前記撮像部によって前記基板を複数の方向から撮像する実装後撮像処理と、前記実装前撮像処理で撮像した各画像のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第1の実装前抽出処理と、前記実装後撮像処理で撮像した各画像のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第1の実装後抽出処理と、前記第1の実装前抽出処理で抽出したマッチング点の候補と前記第1の実装後抽出処理で抽出したマッチング点の候補とを比較して第1の高信頼マッチング点を検出する第1の検出処理と、前記第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する第1の取得処理と、を実行する。
【0009】
前述した特許文献1に記載の部品実装装置は、後述する一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点に基づいて高さ情報を取得する。詳しくは後述するが、本願発明者は、基板を撮像した画像の場合は、一般的なマッチング点の検出方法でマッチング点を検出するとマッチング点を誤検出する場合があることを見出した。誤検出したマッチング点に基づいて高さ情報を取得すると高さ情報の信頼性が低下する。このため、特許文献1に記載の部品実装装置は信頼性の高い高さ情報を取得する上で改善の余地があった。
【0010】
上述した第1の実装前抽出処理及び第1の実装後抽出処理は、従来の一般的なマッチング点の検出方法でマッチング点の候補を抽出する処理である。上記(1)の部品実装装置によると、第1の検出処理において、第1の実装前抽出処理で抽出したマッチング点の候補と第1の実装後抽出処理で抽出したマッチング点の候補とを比較して第1の高信頼マッチング点を検出する。すなわち、部品実装装置は、部品の実装前後で部品の有無によって画像に変化が生じることを利用して信頼性の高いマッチング点(第1の高信頼マッチング点)を検出する。
第1の高信頼マッチング点は一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点に比べて信頼性が高いので、第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得することにより、信頼性の高い高さ情報を取得できる。
【0011】
(2)上記(1)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、前記第1の実装前抽出処理及び前記第1の実装後抽出処理において、複数の画像の類似度を評価する評価関数の値を求めて前記マッチング点の候補を抽出し、前記第1の検出処理において、前記第1の実装前抽出処理で求めた前記評価関数の値と前記第1の実装後抽出処理で求めた前記評価関数の値との差が最も小さい前記マッチング点の候補を前記第1の高信頼マッチング点として検出してもよい。
【0012】
上記(2)の部品実装装置によると、実装前後の評価関数の値の差が最も小さいマッチング点の候補を第1の高信頼マッチング点として検出することにより、信頼性の高いマッチング点(第1の高信頼マッチング点)を検出できる。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、前記第1の実装前抽出処理において、前記実装前撮像処理で撮像した各前記画像上の第1領域であって前記部品の実装位置の高さ情報を取得するための第1領域のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出し、前記第1の実装後抽出処理において、前記実装後撮像処理で撮像した各前記画像上の前記第1領域のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出し、前記第1の取得処理において、前記第1の高信頼マッチング点に基づいて、前記実装位置の実装前の高さ情報を取得してもよい。
【0014】
上記の「前記実装位置の実装前の高さ情報」とは、部品が実装される前の実装位置における基板面の高さを示す情報のことをいう。
上記(3)の部品実装装置によると、実装位置の実装前の高さ情報を第1の高信頼マッチング点に基づいて取得するので、信頼性の高い実装位置の実装前の高さ情報を取得できる。
【0015】
(4)上記(3)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、前記第1の実装前抽出処理の前に、前記実装前撮像処理で撮像した各前記画像上の第2領域であって前記部品の実装位置近傍の基板面の高さ情報を取得するための第2領域のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第2の実装前抽出処理と、前記実装後撮像処理で撮像した各前記画像上の前記第2領域のステレオマッチングを行ってマッチング点の候補を抽出する第2の実装後抽出処理と、前記第2の実装前抽出処理で抽出したマッチング点の候補と前記第2の実装後抽出処理で抽出したマッチング点の候補とを比較して第2の高信頼マッチング点を検出する第2の検出処理と、前記第2の高信頼マッチング点に基づいて、前記実装位置近傍の基板面の実装前の高さ情報を取得する第2の取得処理と、前記第2の取得処理で取得した前記実装位置近傍の基板面の実装前の高さ情報に基づいて、前記実装前撮像処理で撮像した各前記画像上で前記第1領域を補正する実装前第1領域補正処理と、を実行してもよい。
【0016】
基板が反っていると、実装前撮像処理で撮像した画像上で制御部が認識する第1領域と、当該画像上の実際の第1領域とにずれが生じる。ずれた領域の画像でステレオマッチングを行うと実装位置の実装前の高さ情報の信頼性が低下する。
上記(4)の部品実装装置によると、実装位置近傍の基板面の実装前の高さ情報を第2の高信頼マッチング点に基づいて取得するので、信頼性の高い実装位置近傍の基板面の実装前の高さ情報を取得できる。そして、上記(4)の部品実装装置によると、実装前撮像処理で撮像した各画像上で、信頼性の高い実装位置近傍の基板面の実装前の高さ情報に基づいて第1領域を補正するので、制御部が画像上で認識する第1領域と当該画像上の実際の第1領域とのずれを低減できる。これにより、信頼性の高い実装位置の実装前の高さ情報を取得できる。
【0017】
(5)上記(4)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、前記第1の実装後抽出処理の前に、前記第2の高信頼マッチング点に基づいて前記実装位置近傍の基板面の実装後の高さ情報を取得する第3の取得処理と、前記第3の取得処理で取得した前記実装位置近傍の基板面の実装後の高さ情報に基づいて、前記実装後撮像処理で撮像した各前記画像上で前記第1領域を補正する実装後第1領域補正処理と、を実行してもよい。
【0018】
上記(5)の部品実装装置によると、実装後撮像処理で撮像した各画像上で、信頼性の高い実装位置近傍の基板面の実装後の高さ情報に基づいて第1領域を補正するので、信頼性の高い実装位置の実装後の高さ情報を取得できる。
上述した「実装位置の実装後の高さ情報」とは、部品の実装に成功した場合は実装位置に実装された部品の上面の高さを示す情報のことをいい、部品の実装に失敗した場合は実装位置における基板面の高さを示す情報のことをいう。
【0019】
(6)上記(3)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、1つの前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して前記1つの前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、前記1つの前記実装位置の後に前記部品が実装される前記実装位置に前記部品を実装するときの目標実装高さを、前記1つの前記実装位置の実装前の高さ情報に基づいて補正する第1の補正処理を実行してもよい。
【0020】
部品の目標実装高さは反りのない基板の上面と略一致する高さ(あるいは半田ペーストの厚みを考慮してそれより少し上の高さ)に初期設定される。このため、実装部は基板に部品を実装するとき、部品の下面(言い換えると基板に半田付けされる面)が反りのない基板の上面と略一致する高さ(目標実装高さ)まで部品を下降させる。この場合、基板が上に凸となるように反っていると、目標実装高さまで下降する前に部品が基板に当接して部品に衝撃が加わる。
【0021】
信頼性の高い実装位置の実装前の高さ情報を取得できれば、取得した高さ情報に基づいて目標実装高さを補正することにより、部品に加わる衝撃を緩和できる。しかしながら、第1の高信頼マッチング点は実装前後の画像に基づいて検出されるので、部品の実装後でなければ検出できない。すなわち、信頼性の高い実装位置の実装前の高さ情報は部品の実装後でなければ取得できない。
【0022】
これについて検討した本願発明者は、基板が反っていても各実装位置の実装前の高さは概ね同じであり、1つの実装位置についてその実装位置に部品が実装された後に第1の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い実装位置の実装前の高さ情報を取得し、後の実装位置に部品を実装するときはその高さ情報に基づいて目標実装高さを補正すれば、部品に加わる衝撃を緩和できることを見出した。
【0023】
上記(6)の部品実装装置によると、1つの実装位置について、その実装位置に部品を実装した後に第1の高信頼マッチング点に基づいて実装位置の実装前の高さ情報を取得し、当該1つの実装位置の後に部品が実装される実装位置に部品を実装するときの目標実装高さを、当該1つの実装位置の実装前の高さ情報に基づいて補正するので、後に部品が実装される実装位置に部品を実装するときの衝撃を緩和できる。
【0024】
(7)上記(3)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、前記実装位置毎に、前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、前記実装位置に前記部品を実装するときの目標実装高さを、当該実装位置の直前に前記部品が実装された前記実装位置の実装前の高さ情報に基づいて補正する第2の補正処理を実行してもよい。
【0025】
前述したように、本願発明者は、基板が反っていても各実装位置の実装前の高さは概ね同じであることを見出した。
上記(7)の部品実装装置によると、実装位置毎に第1の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い実装位置の実装前の高さ情報を取得し、実装位置に部品を実装するときの目標実装高さを、当該実装位置の直前に部品が実装された実装位置の実装前の高さ情報に基づいて補正するので、当該実装位置に実装される部品に加わる衝撃を緩和できる。
【0026】
(8)上記(3)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、前記基板毎に、前記基板の各前記実装位置について、前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、前記実装位置と前記実装位置の実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップを作成する第1のマップ作成処理と、前記基板に前記部品を実装するとき、当該基板の各前記実装位置に前記部品を実装するときの目標実装高さを、当該基板の直前に前記部品が実装された前記基板で作成した前記高さマップに基づいて補正する第3の補正処理と、を実行してもよい。
【0027】
本願発明者は、複数の基板を生産するとき、各基板の反り具合は概ね同じであることを見出した。
上記(8)の部品実装装置によると、基板の各実装位置に部品を実装するときの目標実装高さを、当該基板の直前に部品が実装された基板で作成した高さマップに基づいて補正するので、当該基板に実装する部品に加わる衝撃を緩和できる。
【0028】
(9)上記(3)に記載の部品実装装置であって、前記基板の基板端を固定する固定部を備え、前記制御部は、1つの前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して前記1つの前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、取得した高さ情報と、前記固定部によって固定されている基板端の高さ情報とに基づいて仮想基板面を設定する設定処理と、前記1つの前記実装位置の後に前記部品が実装される前記実装位置について、当該実装位置の実装前の高さ情報を前記仮想基板面から取得し、当該実装位置に前記部品を実装するときの目標実装高さを、前記仮想基板面から取得した高さ情報に基づいて補正する第4の補正処理と、を実行してもよい。
【0029】
本願発明者は、基板が反っているとき、その基板の基板面を、1つの実装位置の実装前の高さ情報と基板端の高さ情報とに基づく仮想基板面で近似できることを見出した。
上記(9)の部品実装装置によると、1つの実装位置について、第1の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い実装位置の実装前の高さ情報を取得し、取得した高さ情報と基板端の高さ情報とに基づいて仮想基板面を設定する。そして、当該部品実装装置は、後に部品が実装される実装位置に部品を実装するときの目標実装高さを、仮想基板面から取得した高さ情報に基づいて補正するので、後の実装位置に実装する部品に加わる衝撃を緩和できる。
【0030】
(10)上記(3)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、1枚の前記基板に前記部品を実装するとき、前記1枚の前記基板の各前記実装位置について、前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、前記実装位置と前記実装位置の実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップを作成する第2のマップ作成処理と、前記1枚の前記基板の後に前記部品が実装される前記基板の前記実装位置に前記部品を実装するときの目標実装高さを、前記1枚の前記基板で作成した前記高さマップに基づいて補正する第5の補正処理と、を実行してもよい。
【0031】
本願発明者は、複数の基板を生産するとき、各基板の反り具合は概ね同じであることを見出した。
上記(10)の部品実装装置によると、1枚の基板の後に部品が実装される基板の実装位置に部品を実装するときの目標実装高さを、当該1枚の基板で作成した高さマップに基づいて補正するので、後の基板に実装する部品に加わる衝撃を緩和できる。
【0032】
(11)上記(3)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、前記第1の取得処理において、前記第1の高信頼マッチング点に基づいて、前記実装位置の実装前の高さ情報、及び、前記実装位置の実装後の高さ情報を取得し、前記実装位置の実装前後の高さ情報の変化を第1の判定閾値と比較して前記部品の実装成否を判定する第1の成否判定処理を実行してもよい。
【0033】
上記の「前記実装位置の実装後の高さ情報」とは、部品の実装に成功した場合は実装位置に実装された部品の上面の高さを示す情報のことをいい、部品の実装に失敗した場合は実装位置における基板面の高さを示す情報のことをいう。
第1の取得処理で取得される実装位置の実装前の高さ情報及び実装後の高さ情報は第1の高信頼マッチング点に基づいて取得されるので信頼性が高い。
上記(11)の部品実装装置によると、第1の高信頼マッチング点に基づいて取得した信頼性の高い実装位置の実装前後の高さ情報の変化を第1の判定閾値と比較して部品の実装成否を判定するので、実装成否の判定の信頼性が向上する。
【0034】
(12)上記(11)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、前記実装前撮像処理で撮像した各前記画像のステレオマッチングを行って前記実装位置の実装前の高さ情報を取得する第4の取得処理と、前記実装後撮像処理で撮像した各前記画像のステレオマッチングを行って実装位置の実装後の高さ情報を取得する第5の取得処理と、前記実装位置の実装前後の高さ情報の変化が前記第1の判定閾値に所定のマージン値を加算した値より大きい場合は実装成功と判定し、前記値より小さい場合は判定不能と判定する第2の成否判定処理と、を実行し、前記第2の判定処理で判定不能と判定した場合に前記第1の成否判定処理を実行してもよい。
【0035】
上述した第4の取得処理及び第5の取得処理は、従来の一般的なマッチング点の検出方法でマッチング点を検出して高さ情報を取得する処理である。制御部は、第2の成否判定処理において、第4の取得処理で取得した実装位置の実装前の高さ情報と第5の取得処理で取得した実装位置の実装後の高さ情報との変化が第1の判定閾値に所定のマージン値を加算した値より大きい場合に実装成功と判定する。このようにしている理由は、一般的なマッチング点に基づいて取得した高さ情報に基づいて実装成否を判定する場合は、マッチング点が誤検出されている可能性があるため、判定の信頼性が必ずしも高くないからである。このため、制御部は、判定の確実を期すために、一般的なマッチング点に基づいて取得した実装位置の実装前後の高さ情報の変化が第1の判定閾値よりある程度大きい場合(すなわち第1の判定閾値にマージン値を加算した値より大きい場合)に成功と判定する。
【0036】
上記(12)の部品実装装置では、実装前後の高さ情報の変化が第1の判定閾値にマージン値を加算した値より小さい場合は、実装成否を明確に判定できない(判定不能)とし、第1の成否判定処理を実行して実装成否を再判定する。すなわち、上記(12)の部品実装装置は、一般的なマッチング点に基づいて取得した実装位置の実装前後の高さ情報の変化から実装成否を判定するが、実装成否を明確に判定できない場合は、第1の高信頼マッチング点に基づいて取得した信頼性の高い実装位置の実装前後の高さ情報の変化から実装成否を再判定する。これにより実装成否の判定の信頼性が向上する。
【0037】
上記(12)の部品実装装置では、一般的なマッチング点に基づいて取得した実装位置の実装前後の高さ情報の変化から実装成否を判定した結果が実装成功である場合は第1の成否判定処理を実行しないので、第1の高信頼マッチング点を検出するための処理(第1の実装前抽出処理、第1の実装後抽出処理、第1の検出処理など)を実行しなくてよい。このため、全ての実装位置について第1の高信頼マッチング点を検出して実装成否を判定する場合に比べて制御部の処理負荷を軽減できる。
【0038】
(13)上記(11)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、前記実装前撮像処理で撮像した各前記画像上の第2領域であって前記部品の実装位置近傍の基板面の高さ情報を取得するための第2領域のステレオマッチングを行って前記実装位置近傍の基板面の実装前の高さ情報を取得する第6の取得処理と、前記実装後撮像処理で撮像した各前記画像上の前記第2領域のステレオマッチングを行って前記実装位置近傍の基板面の実装後の高さ情報を取得する第7の取得処理と、を実行し、前記実装位置近傍の基板面の実装前後の高さ情報の変化が第2の判定閾値以上である場合に前記第1の成否判定処理を実行してもよい。
【0039】
上述した第6の取得処理及び第7の取得処理は、従来の一般的なマッチング点の検出方法でマッチング点を検出して高さ情報を取得する処理である。
実装位置近傍の基板面は部品が実装される領域ではないので、通常、実装位置近傍の基板面の実装前後の高さ情報の変化は小さい。にもかかわらず実装位置近傍の基板面の実装前後の高さ情報が大きく変化している場合は、第6の取得処理あるいは第7の取得処理で一般的なマッチング点が誤検出された可能性がある。誤検出されたマッチング点に基づいて取得された高さ情報に基づいて部品の実装成否を判定すると判定の信頼性が低下する。
【0040】
上記(13)の部品実装装置では、第6の取得処理で取得した実装位置近傍の基板面の実装前の高さ情報と第7の取得処理で取得した実装位置近傍の基板面の実装後の高さ情報との変化が第2の判定閾値以上である場合(言い換えると高さ情報の変化の信頼性が低い場合)は第1の成否判定処理によって実装成否を判定するので、実装成否の判定の信頼性が向上する。
【0041】
上記(13)の部品実装装置では、実装位置近傍の基板面の実装前後の高さ情報の変化が第2の判定閾値より小さい場合(言い換えると高さ情報の信頼性が高い場合)は第1の成否判定処理を実行しないので、第1の高信頼マッチング点を取得するための処理(第1の実装前抽出処理、第1の実装後抽出処理、第1の検出処理、第1の取得処理など)を実行しなくてよい。このため、全ての実装位置について第1の高信頼マッチング点を検出して実装成否を判定する場合に比べて制御部の処理負荷を軽減できる。
【0042】
(14)上記(1)又は(2)に記載の部品実装装置であって、前記制御部は、前記基板の生産を開始する前に試験用の基板に前記部品を実装し、前記試験用の基板の各前記実装位置について、前記実装位置に前記部品を実装した後に前記第1の取得処理を実行して高さ情報を取得し、前記基板の高さマップを作成する第3のマップ作成処理を実行してもよい。
【0043】
本願発明者は、複数の基板を生産するとき、各基板の反り方は概ね同じであることを見出した。
上記(14)の部品実装装置によると、基板の生産を開始する前に試験用の基板に部品を実装して高さマップを作成するので、基板の生産を開始した後は高さマップから高さ情報を取得することにより、基板の生産中に高さマップを作成する場合に比べて基板の生産中の制御部の処理負荷を軽減できる。
【0044】
(15)実施形態に係る部品実装システムは、上記(1)又は(2)に記載の複数の部品実装装置が前記基板の搬送方向に配列されている部品実装システムであって、1台の前記部品実装装置の前記制御部は、前記基板に前記部品を実装するとき、前記実装位置毎に前記第1の取得処理を実行して前記実装位置の実装前の高さ情報を取得し、前記実装位置と前記実装位置の実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップを作成する第4のマップ作成処理を実行し、前記1台の前記部品実装装置より前記基板の搬送方向の下流に配されている前記部品実装装置の前記制御部は、前記実装位置に前記部品を実装するときの前記部品の目標実装高さを、前記1台の前記部品実装装置で作成された前記高さマップに基づいて補正する第6の補正処理を実行する。
【0045】
上記(15)に記載の部品実装システムによると、下流の部品実装装置が実装位置に部品を実装するときの目標実装高さを、上流の部品実装装置で作成した高さマップに基づいて補正するので、下流の部品実装装置が実装する部品に加わる衝撃を緩和できる。
【0046】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本開示の実施形態は、装置、方法、これらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現できる。
【0047】
<実施形態1>
実施形態1を
図1ないし
図14に基づいて説明する。以降の説明では
図2に示す左右方向をX方向、前後方向をY方向、
図3に示す上下方向をZ方向という。以降の説明では
図1に示す左側を上流側、右側を下流側という。また、以降の説明では同一の構成要素には一部を除いて図面の符号を省略している場合がある。
【0048】
(1)部品実装システム
図1を参照して、実施形態1に係る部品実装システム1について説明する。部品実装システム1は基板Pに電子部品などの部品E(
図2参照)を実装するシステムである。
部品実装システム1は1以上の実装ラインL(L1~L3)を備えている。各実装ラインLはそれぞれ1台以上の部品実装装置10を備えている。実装ラインLは部品実装装置10以外にも基板Pに対する作業を行うその他の装置(ローダー、スクリーン印刷機、印刷検査機、ディスペンサ、実装後外観検査機、リフロー装置、硬化後外観検査機、アンローダーなど)を備えているが、
図1ではその他の装置については省略している。
実施形態1に係る部品実装装置10は、前述した実施形態の概要に記載した(1)~(6)の部品実装装置の一例である。
【0049】
(1-1)部品実装装置の構成
図2を参照して、部品実装装置10について説明する。部品実装装置10は架台11、搬送コンベア12、4つのテープ部品供給装置13、ヘッドユニット16(実装部の一例)、ヘッド移動部17(実装部の一例)、2つの部品撮像カメラ21、基板撮像カメラ22(撮像部の一例)、制御部30(
図4参照)、及び、操作部31(
図4参照)を備えている。
【0050】
架台11は平面視長方形状をなすとともに上面が平坦とされている。二点破線で示す領域Aは基板Pに部品Eを実装するときに基板Pが固定される作業位置(以下、作業位置Aという)である。作業位置Aの下方には作業位置Aに搬送された基板Pを作業位置Aに固定するバックアップ装置70(
図17A参照、固定部の一例)が配されている。
搬送コンベア12は基板Pを搬送する装置である。搬送コンベア12はX方向に循環移動する一対の搬送ベルト14(前側搬送ベルト14A及び後側搬送ベルト14B)、搬送ベルトが掛け回されている複数のローラ、搬送ベルト14を駆動するベルト駆動モータ44(
図4参照)などを備えている。搬送コンベア12は上流側から搬入された基板Pを作業位置Aに搬送し、作業位置Aで部品Eが実装された基板Pを下流側に搬出する。
【0051】
テープ部品供給装置13は部品実装装置10のY方向の両側においてX方向に並んで2箇所ずつ、計4箇所に配されている。テープ部品供給装置13には複数のテープフィーダ15がX方向に横並び状に整列して取り付けられている。各テープフィーダ15は部品Eを保持している部品テープが巻回されたリール、及び、リールから部品テープを引き出す電動式の送出装置等を備えており、部品Eを1つずつ供給する。
【0052】
ヘッドユニット16は部品Eを吸着及び解放する複数の実装ヘッド18を備えている。ヘッドユニット16は所謂インライン型であり、複数の実装ヘッド18がX方向に並んで設けられている。ヘッドユニット16についての説明は後述する。ここではヘッドユニット16としてインライン型のヘッドユニット16を例に説明するが、ヘッドユニット16は複数の実装ヘッド18が円周上に配列された所謂ロータリーヘッドであってもよい。
ヘッド移動部17はヘッドユニット16を所定の可動範囲内でX方向及びY方向に移動させる機構である。ヘッド移動部17はヘッドユニット16をX方向に往復移動可能に支持しているビーム19、ビーム19をY方向に往復移動可能に支持している一対のY軸ガイドレール20、ヘッドユニット16をX方向に往復移動させるX軸サーボモータ40、ビーム19をY方向に往復移動させるY軸サーボモータ41などを備えている。
【0053】
2つの部品撮像カメラ21はそれぞれX方向に並んだ2つのテープ部品供給装置13の間に設けられている。部品撮像カメラ21は架台11に設けられており、実装ヘッド18に吸着されている部品Eを下から撮像する。
基板撮像カメラ22は基板Pを複数の方向から撮像するカメラである。基板撮像カメラ22はヘッドユニット16の前側部に取り付けられており、ヘッドユニット16とともに架台11上をX方向およびY方向に移動する。
【0054】
図3を参照して、ヘッドユニット16及び基板撮像カメラ22について説明する。ヘッドユニット16には複数の実装ヘッド18を個別に昇降させるZ軸サーボモータ42(
図4参照)、及び、これらの実装ヘッド18を一斉に軸周りに回転させるR軸サーボモータ43(
図4参照)が設けられている。各実装ヘッド18はノズルシャフト18Aと、ノズルシャフト18Aの下端部に着脱可能に取り付けられている吸着ノズル18Bとを有している。吸着ノズル18Bにはノズルシャフト18Aを介して図示しない空気供給装置から負圧及び正圧が供給される。吸着ノズル18Bは負圧が供給されることによって部品Eを吸着し、正圧が供給されることによってその部品Eを解放する。
【0055】
基板撮像カメラ22はステレオカメラ23を備えている。ステレオカメラ23は実装ヘッド18毎に設けられている。ステレオカメラ23は上側カメラ23A、下側カメラ23B、2つの照明部23C、及び、図示しない2つの光学系(レンズ、ミラーなど)を有している。
上側カメラ23A及び下側カメラ23Bは部品Eの実装位置Paを含む所定の領域81を略同時に撮像するカメラである。所定の領域81には実装位置近傍の基板面Pbも含まれる。上側カメラ23Aは基板の上面(以下、単に基板面という)に対して角度θH(0度<θH<90度)傾斜した撮像方向から所定の領域81を撮像する。下側カメラ23Bは基板面に対して角度θL(0度<θL<θH)傾斜した撮像方向から所定の領域81を撮像する。
2つの照明部23Cは上側カメラ23A及び下側カメラ23Bによって所定の領域81を略同時に撮像するときに所定の領域81を照明する。図示しない光学系は照明部23Cから出射されて所定の領域81で反射された反射光像を上側カメラ23Aあるいは下側カメラ23Bの受光面に結像させる。
【0056】
(1-2)部品実装装置の電気的構成
図4を参照して、部品実装装置10の電気的構成について説明する。部品実装装置10は制御部30及び操作部31を備えている。制御部30は演算処理部32、モータ制御部33、記憶部34、画像処理部35、外部入出力部36、フィーダ通信部37などを備えている。
【0057】
演算処理部32はCPU、RAMなどを備えており、記憶部34に記憶されている制御プログラムを実行することによって部品実装装置10の各部を制御する。
モータ制御部33は演算処理部32の制御の下でX軸サーボモータ40、Y軸サーボモータ41などの各モータの回転を制御する。
記憶部34には演算処理部32によって実行される各種のプログラムやデータが記憶されている。記憶部34に記憶されているデータには、各部品Eの形状を示すデータや、各部品Eの実装位置(XY座標)を示すデータなどが含まれる。
【0058】
画像処理部35は部品撮像カメラ21やステレオカメラ23から出力される画像信号が取り込まれるように構成されている。
外部入出力部36はいわゆるインターフェースであり、部品実装装置10の本体に設けられている各種センサ類38から出力される検出信号が取り込まれるように構成されている。また、外部入出力部36は演算処理部32から出力される制御信号に基づいて各種アクチュエータ類39(空気供給装置など)に対する動作制御を行うように構成されている。
フィーダ通信部37はテープフィーダ15に接続されており、テープフィーダ15を統括して制御する。
【0059】
操作部31は液晶ディスプレイなどの表示装置や、タッチパネル、キーボード、マウスなどの入力装置を備えている。オペレータは操作部31を操作して各種の設定や動作の指示などを行うことができる。
【0060】
(2)基板の高さ情報の取得、及び、高さ情報を用いた処理
図3及び
図5を参照して、制御部30によって実行される基板Pの高さ情報の取得、及び、高さ情報を用いた処理について説明する。
図3において基準面Psは高さの基準となる仮想面である。基準面Psは反りのない基板Pの上面と一致する。
【0061】
制御部30は、基板Pの高さ情報として、基準面Psに対する部品Eの実装位置Paの高さ情報、及び、基準面Psに対する実装位置近傍の基板面Pbの高さ情報(以下、単に基板面Pbの高さ情報という)を、ステレオカメラ23を用いたステレオマッチングによって取得する。
ここで、実装位置Paの高さとは、実装位置Paに部品Eが実装されていないとき(実装前)は実装位置Paにおける基板面の高さのことをいう。実装位置Paに部品Eが実装された後(実装後)は、部品Eの実装に成功した場合はその部品Eの上面の高さのことをいい、実装に失敗した場合は実装位置Paにおける基板面の高さのことをいう。
【0062】
(2-1)ステレオマッチングによる高さ情報の取得
図5に示すように、制御部30は、上側カメラ23Aによって撮像した画像61(以下、上側カメラ画像61という)、及び、下側カメラ23Bによって撮像した画像62(以下、下側カメラ画像62という)に、実装位置Paの高さ情報を取得するための第1領域AR1をそれぞれ設定する。第1領域AR1は、撮像した画像の縦方向において、部品Eが実装される実装位置Paを含むように設定される。
【0063】
制御部30は、上側カメラ画像61の第1領域AR1と下側カメラ画像62の第1領域AR1とのステレオマッチングを行ってマッチング点を検出する。マッチング点の検出についての説明は後述する。制御部30は、検出したマッチング点に基づいてそれらの画像の視差を求め、求めた視差を高さに換算することによって実装位置Paの高さ情報を取得する。
【0064】
同様に、制御部30は、上側カメラ画像61及び下側カメラ画像62に、基板面Pbの高さ情報を取得するための第2領域AR2をそれぞれ設定する。第2領域AR2は、撮像画像の縦方向において、実装ヘッド18が写り込む位置とは反対側に設定される。
【0065】
制御部30は、上側カメラ画像61の第2領域AR2と下側カメラ画像62の第2領域AR2とのステレオマッチングを行ってマッチング点を検出する。制御部30は、検出したマッチング点に基づいてそれらの画像の視差を求め、求めた視差を高さに換算することによって基板面Pbの高さ情報を取得する。
詳しくは後述するが、制御部30は基板面Pbの高さ情報に基づいて第1領域AR1を補正し、補正した後の第1領域AR1に基づいて実装位置Paの高さ情報を取得する。このため、基板面Pbの高さ情報は実装位置Paの高さ情報より先に取得される。
【0066】
(2-1-1)マッチング点の検出
制御部30は、従来の一般的なマッチング点の検出と、信頼性の高いマッチング点(以下、高信頼マッチング点という)の検出との両方を行う。以下、具体的に説明する。
【0067】
(2-1-1-1)一般的なマッチング点の検出
図6を参照して、一般的なマッチング点の検出について説明する。
図6に示す下側カメラ画像62において領域R1~R4は、それぞれ部品Eが実装される実装位置Paを含む領域である。領域R1~R4には基板Pに印刷されている半田ペースト80が写り込んでいる。
図6では明確には見えていないが、領域R1,R2には既に部品Eが実装されており、部品Eも写り込んでいる。領域R1,R2の半田ペースト80は部品Eによって押し潰されたように写り込んでいる。領域R3,R4にはこれから部品Eが実装される。
【0068】
ステレオマッチングでは、制御部30は上側カメラ画像61及び下側カメラ画像62の一方からテンプレート画像63を取得し、他方の画像(以下、探索側画像という)上でテンプレート画像63を移動させてマッチング点を検出する。
図6に示す例では下側カメラ画像62が探索側画像であり、上側カメラ画像61からテンプレート画像63が取得される。
【0069】
図6において一点鎖線64はエピポーラ線である。2つのカメラの位置関係が判っている場合、一方のカメラで撮像した画像上の点は、他方のカメラで撮影した画像上の一つの直線上に存在する。その直線のことをエピポーラ線という。制御部30は探索側画像62上でエピポーラ線に沿ってテンプレート画像63を1画素ずつ移動させ、1画素移動させる毎に、複数の画像の類似度を評価する評価関数の値(評価値)を求める。
【0070】
評価関数としてはSAD(Sum of Absolute Difference)、SSD(Sum of Squared Difference)などを用いることができる。SADは「画素値の差分の絶対値の和」で類似度を評価する評価関数である。画素値は濃度と言い換えることもできる。例えば2つの画像が同じである場合、一方の画像のある画素の画素値と、他方の画像の当該ある画素と同じ位置にある画素の画素値とが一致するので、画素値の差分は0になる。このため、2つの画像が類似しているほど評価値が0に近い値になる。言い換えると、2つの画像が類似しているほど評価値が小さくなる。
SSDは「画素値の差分の二乗和(二乗誤差)」で類似度を評価する評価関数である。SSDも2つの画像が類似しているほど評価値が小さくなる。評価関数はSADやSSDに限定されず、他の評価関数であってもよい。
【0071】
図6に示すグラフは、テンプレート画像63を1画素移動させる毎に求めた評価値のグラフの一例である。制御部30は、評価値が最も小さい点(すなわちテンプレート画像63との類似度が最も高い点)を、一般的なマッチング点として検出する。
【0072】
図7に示す上側カメラ画像61及び下側カメラ画像62は領域R3に部品Eを実装した後の画像である。
図7に示すグラフは、テンプレート画像65を1画素移動させる毎に求めた評価値のグラフの一例である。
【0073】
(2-1-1-2)高信頼マッチング点の検出
図6及び
図7に示すように、基板Pを撮像した画像は、屋外環境を撮像した画像などとは異なり、類似した形状の部品Eや半田ペースト80が複数写り込むことが往々にして発生する。このため、評価値が小さい点が複数存在することがある。評価値が小さい点が複数存在すると、一般的なマッチング点の検出方法ではマッチング点が誤検出される虞がある。
【0074】
例えば
図6に示す例の場合、領域R3とR4とが類似しているため、テンプレート画像63を移動させながら評価値を求めると、領域R3と重なる位置及び領域R4と重なる位置で評価値が小さくなる。このため、実装前の画像だけからマッチング点を検出すると、本来検出されるべきマッチング点は領域R3であるのに、領域R4がマッチング点として誤検出される可能性がある。
【0075】
このため、制御部30は、実装前に撮像した上側カメラ画像61と下側カメラ画像62とにおいて評価値が所定値以下の点を、一般的なマッチング点の候補として抽出する。同様に、制御部30は、実装後に撮像した上側カメラ画像61と下側カメラ画像62とにおいて評価値が所定値以下の点を、一般的なマッチング点の候補として抽出する。そして、制御部は、実装前の一般的なマッチング点の候補の評価値と、実装後の一般的なマッチング点の候補の評価値とを比較して、信頼性の高いマッチング点(以下、高信頼マッチング点という)を検出する。
【0076】
具体的には、
図8に示すように、領域R3は実装前後の評価値の差が小さい(すなわち類似度が高い)。これに対し、領域R1及びR2は、実装前は評価値が大きい(すなわち類似度が低い)が、実装後は評価値が小さくなる(すなわち類似度が高くなる)ので、実装前後の評価値の差が大きい。領域R4は、実装前は評価値が小さい(すなわち類似度が高い)が、実装後は評価値が大きくなる(すなわち類似度が低くなる)ので、実装前後の評価値の差が大きい。
このため、制御部30は、実装前後の評価値の差が最も小さい領域である領域R3を、高信頼マッチング点として検出する。すなわち、制御部30は、部品Eの実装前後で部品Eの有無によって画像に変化が生じることを利用して信頼性の高いマッチング点を検出する。
【0077】
(2-1-2)視差の高さへの換算
図6及び
図7に示すように、上側カメラ画像61におけるテンプレート画像63の位置とマッチング点との差(オフセット量)が視差p(pixel)として求められる。
そして、
図9に示すように、ステレオカメラ23の分解能がR(μm/pixel)であるとすると、視差pを用いて、以下の式1により、距離A(μm)が求められる。
A=p×R/sin(θH-θL) ・・・式1
そして、式(1)により求めた距離Aを用いて、以下の式2により、基準面Psに対する対象物の高さh(μm)が求められる。
h=A×sin(θL) ・・・式2
【0078】
これにより、基準面Psに対する実装位置Paの高さ情報、及び、基準面Psに対する基板面Pbの高さ情報が取得される。
高さ情報は、高さhに相関する情報であればどのような情報であってもよい。例えば、
図9に示す高さhの情報を高さ情報として用いてもよいし、高さhに相関する距離Aの情報や、視差pの情報などを高さ情報として用いてもよい。ステレオマッチングによる高さ情報の取得方法は上記の例に限られず、いずれの方法が用いられてもよい。
【0079】
(2-2)高さ情報を用いた処理
高さ情報は各種の処理に用いられる。ここでは高さ情報を用いた処理として、実装位置Paの高さ情報を用いた目標実装高さの補正、基板面Pbの高さ情報を用いた第1領域AR1の補正、及び、実装成否の判定について説明する。
【0080】
(2-2-1)実装位置の高さ情報を用いた目標実装高さの補正
図10を参照して、実装位置Paの高さ情報を用いた目標実装高さの補正について説明する。
図10に示すように、実装位置Paの実装前の高さ(すなわち部品Eが実装される前の実装位置Paにおける基板面の高さ)が基準面Psより高いと、基板Pに部品Eを実装するとき、部品Eが基板Pに衝突して部品Eに衝撃が加わる虞れがある。このため、制御部30は、基板Pに部品Eを実装するとき、実装位置Paの実装前の高さ情報に基づいて部品Eの目標実装高さを補正し、補正後の目標実装高さに合わせて実装ヘッド18を下降させる。これにより、部品Eに加わる衝撃を緩和できる。
【0081】
(2-2-2)基板面の高さ情報を用いた第1領域AR1の補正
図5を参照して、第1領域AR1の補正について説明する。第1領域AR1の補正には縦方句の補正と横方向の補正とがある。制御部30は、部品撮像カメラ21によって撮像した画像に基づいて部品Eの吸着状態を認識し、その認識結果に基づいて第1領域AR1の横方向の位置を補正する。そして、制御部30は、基板面Pbの高さ情報に基づいて第1領域AR1の縦方向の位置を補正する。これらの結果、実装ヘッド18に部品Eが位置ずれした状態で吸着された場合や、基板Pの反り(高さ方向の位置ずれ)がある場合などにも、第1領域AR1を適切な位置に設定できる。
【0082】
(2-2-3)部品の実装成否の判定
部品Eの実装に成功した場合は実装位置Paの実装前後の高さ情報に部品Eの厚みに応じた差が生じる。これに対し、実装に失敗した場合は実装位置Paの実装前後の高さ情報に大きな差が生じない。このため、制御部30は、以下の式3に示すように、実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化が第1の判定閾値以上であるか否かを判定する。第1の判定閾値は実装される部品Eの厚みに応じて設定される。
実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化>第1の判定閾値 ・・・式3
制御部30は、高さ情報の変化が第1の判定閾値以上の場合は実装成功と判定し、第1の判定閾値未満の場合は失敗と判定する。
【0083】
(3)高信頼マッチング点を用いた処理
前述したように、制御部30は、高さ情報を用いた処理として、実装位置Paの高さ情報を用いた目標実装高さの補正、基板面Pbの高さ情報を用いた第1領域AR1の補正、実装成否の判定などを実行する。これらの処理に高信頼マッチング点を用いる方法としては種々の方法がある。以下、実施形態1に係る高信頼マッチング点を用いた処理について説明する。
【0084】
図11に示す例では、部品Eが実装される実装位置Paとして実装位置Pa1,Pa2,Pa3があり、実装位置Pa1,Pa2,Pa3の順で部品Eが実装される。実施形態1では、制御部30は、最初に部品Eが実装される実装位置Pa1(1つの実装位置の一例)に部品Eを実装した後に、高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い実装位置Pa1の実装前の高さ情報を取得する(第1の取得処理の一例)。そして、制御部30は、実装位置Pa1の後に部品Eが実装される実装位置Pa2,Pa3に部品Eを実装するときの目標実装高さを、実装位置Pa1の実装前の高さ情報に基づいて補正する。
【0085】
ここで、最初の実装位置Pa1に部品Eを実装する時点では高信頼マッチング点は検出されていないので、制御部30は、実装位置Pa1に部品Eを実装するときは、一般的なマッチング点に基づいて実装位置Pa1の高さ情報を取得して目標実装高さを補正する。
【0086】
(3-1)最初の実装位置に部品を実装するときの部品実装フロー
図12を参照して、最初の実装位置Paに部品Eを実装するときの部品実装フローについて説明する。
S101では、制御部30は実装ヘッド18に吸着されている部品Eを部品撮像カメラ21で撮像し、撮像した画像に基づいて部品Eの吸着状態を認識する。その後、制御部30はヘッドユニット16を移動させて、最初の実装位置Paに実装する部品Eを吸着している実装ヘッド18を実装位置Paの上方まで移動させる。
【0087】
S102では、制御部30は、実装ヘッド18が実装位置Paの上方に到達すると、実装ヘッド18を実装位置Paに向けて下降させる。実装ヘッド18の下降は実装位置Paの上方に到達する前に開始されてもよい。
S103では、制御部30は、実装ヘッド18が下降を開始してから下降を完了するまでの間に、実装位置Paを含む所定の領域81をステレオカメラ23で撮像する(実装前撮像処理の一例)。これにより、実装前の上側カメラ画像61と下側カメラ画像62とが取得される。
【0088】
S104では、制御部30は実装前の上側カメラ画像61及び下側カメラ画像62に第2領域AR2をそれぞれ設定する。そして、制御部30は上側カメラ画像61の第2領域AR2と下側カメラ画像62の第2領域AR2とのステレオマッチングを行って実装前の第2領域AR2のマッチング点(一般的なマッチング点)の候補を抽出し(第2の実装前抽出処理の一例)、抽出した候補のうち評価関数の値が最も小さいマッチング点(一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点に相当)を検出する。制御部30は、検出したマッチング点に基づいて基板面Pbの実装前の高さ情報を取得する(第4の取得処理の一例)。
【0089】
S105では、制御部30は実装前の上側カメラ画像61及び下側カメラ画像62に第1領域AR1をそれぞれ設定する。この際、制御部30は、部品撮像カメラ21の撮像結果による部品Eの吸着状態の認識結果、及び、S104で取得した基板面Pbの実装前の高さ情報に基づいて第1領域AR1を補正する。
【0090】
S106では、制御部30は、実装前の上側カメラ画像61の第1領域AR1と下側カメラ画像62の第1領域AR1とのステレオマッチングを行って実装前の第1領域AR1のマッチング点(一般的なマッチング点)の候補を抽出し、抽出した候補のうち評価関数の値が最も小さいマッチング点(一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点に相当)を検出する。制御部30は、検出したマッチング点に基づいて実装位置Paの実装前の高さ情報を取得する(第5の取得処理の一例)。
【0091】
S107では、制御部30は実装ヘッド18に吸着されている部品Eを実装位置Paに実装する。このとき、制御部30は、S106で取得した実装位置Paの実装前の高さ情報に基づいて目標実装高さを補正する。
S108では、制御部30は実装ヘッド18を上昇させる。
S109では、制御部30は、実装ヘッド18が上昇を開始してから上昇を完了するまでの間に、実装位置Paを含む所定の領域81をステレオカメラ23で撮像する(実装後撮像処理の一例)。
【0092】
S110では、制御部30は実装後の上側カメラ画像61及び下側カメラ画像62に第2領域AR2をそれぞれ設定する。そして、制御部30は上側カメラ画像61の第2領域AR2と下側カメラ画像62の第2領域AR2とのステレオマッチングを行って実装後の第2領域AR2のマッチング点(一般的なマッチング点)の候補を抽出し(第2の実装後抽出処理の一例)、抽出した候補のうち評価関数の値が最も小さいマッチング点(一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点に相当)を検出する。制御部30は、検出したマッチング点に基づいて基板面Pbの実装後の高さ情報を取得する。
S111では、制御部30は実装後の上側カメラ画像61及び下側カメラ画像62に第1領域AR1をそれぞれ設定する。この際、制御部30は、部品撮像カメラ21の撮像結果による部品Eの吸着状態の認識結果、及び、S110で取得した基板面Pbの実装後の高さ情報に基づいて第1領域AR1を補正する。
【0093】
S112では、制御部30は上側カメラ画像61の第1領域AR1と下側カメラ画像62の第1領域AR1とのステレオマッチングを行って実装後の第1領域AR1のマッチング点(一般的なマッチング点)の候補を抽出し、抽出した候補のうち評価関数の値が最も小さいマッチング点(一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点に相当)を検出する。制御部30は、検出したマッチング点に基づいて実装位置Paの実装後の高さ情報を取得する。
【0094】
S114では、制御部30は前述した式3によって部品Eの実装成否を判定する。
S115では、制御部30は、S114で実装成功と判定した場合はS115に進み、失敗と判定した場合はS116に進む。
S116では、制御部30は第1の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得する取得処理を実行する。
S117では、制御部30はエラー処理を実行する。エラー処理では、制御部30は以下の4つの処理のうち少なくとも1つを実行する。
・部品実装装置10を即時停止し、オペレータに実装成否の確認を促す。
・基板撮像カメラ22等を用いて別の手法で実装成否を再判定する。
・部品実装装置10の下流に配されている実装後外観検査機に対し、失敗と判定した実装位置Pa周辺の追加検査等を実施するよう指示する。
・上側カメラ画像61や下側カメラ画像62を外部の装置に出力する。
【0095】
(3-2)取得処理
図13を参照して、S116で実行される取得処理について説明する。
S201では、制御部30はS104で抽出した実装前の第2領域AR2のマッチング点の候補と、S110で抽出した実装後の第2領域AR2のマッチング点の候補とを比較して高信頼マッチング点(以下、第2の高信頼マッチング点という)を検出する(第2の検出処理の一例)。
【0096】
S202では、制御部30は、S201で検出した第2の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い基板面Pbの実装前の高さ情報を取得する(第2の取得処理の一例)。
S203では、制御部30は、S202で取得した基板面Pbの実装前の高さ情報に基づいて、実装前の上側カメラ画像61の第1領域AR1と下側カメラ画像62の第1領域AR1とを補正する(実装前第1領域補正処理の一例)。
【0097】
S204では、制御部30は、実装前の上側カメラ画像61の第1領域AR1と下側カメラ画像62の第1領域AR1とのステレオマッチングを行って、実装前の第1領域AR1のマッチング点の候補を抽出する(第1の実装前抽出処理の一例)。
S205では、制御部30は、S201で検出した第2の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い基板面Pbの実装後の高さ情報を取得する(第3の取得処理の一例)。
【0098】
S206では、制御部30は、S205で取得した基板面Pbの実装後の高さ情報に基づいて、実装後の上側カメラ画像61の第1領域AR1と下側カメラ画像62の第1領域AR1とを補正する(実装後第1領域補正処理の一例)。
S207では、制御部30は、実装後の上側カメラ画像61の第1領域AR1と下側カメラ画像62の第1領域AR1とのステレオマッチングを行って、実装後の第1領域AR1のマッチング点の候補を抽出する(第1の実装後抽出処理の一例)。
【0099】
S208では、制御部30は、S204で抽出した実装前の第1領域AR1のマッチング点の候補とS207で抽出した実装後の第1領域AR1のマッチング点の候補とを比較して高信頼マッチング点(以下、第1の高信頼マッチング点という)を検出する(第1の検出処理の一例)。
S209では、制御部30は、検出した第1の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得する(第1の取得処理の一例)。
S210では、制御部30は取得した実装位置Paの実装前の高さ情報をRAMに記憶する。
【0100】
(3-3)最初の実装位置の後に部品Eが実装される実装位置に部品を実装するときの部品実装フロー
図14を参照して、最初の実装位置Paの後に部品Eが実装される実装位置Paに部品Eを実装するときの部品実装フローについて説明する。当該部品実装フローではS301が追加で実行され、S107に替えてS302が実行される。当該部品実装フローではS116(取得処理)は実行されない。
【0101】
S301では、制御部30はS210でRAMに記憶した高さ情報(すなわち最初の実装位置Paの実装前の高さ情報)をRAMから読み出す。
S302では、制御部30は実装ヘッド18に吸着されている部品Eを実装位置Paに実装する。このとき、制御部30はS301でRAMから読み出した高さ情報に基づいて目標実装高さを補正する(第1の補正処理の一例)。
【0102】
ここで、当該部品実装フローでも、制御部30はS106を実行して一般的なマッチング点に基づく実装位置Paの実装前の高さ情報を取得する。しかしながら、制御部30は、S302では、S106で取得した高さ情報ではなく、S301でRAMから読み出した高さ情報に基づいて目標実装高さを補正する。S106で取得した実装位置Paの実装前の高さ情報はS114での実装成否の判定に用いられる。
【0103】
(4)実施形態の効果
実施形態1に係る部品実装装置10によると、S208(第1の検出処理)において、S204(第1の実装前抽出処理)で抽出したマッチング点(一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点)の候補と、S207(第1の実装後抽出処理)で抽出したマッチング点(一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点)の候補とを比較して第1の高信頼マッチング点を検出する。第1の高信頼マッチング点は一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点に比べて信頼性が高いので、第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得することにより(S209)、信頼性の高い高さ情報を取得できる。
【0104】
部品実装装置10によると、実装前後の評価値の差が最も小さいマッチング点の候補を第1の高信頼マッチング点として検出することにより、信頼性の高いマッチング点(第1の高信頼マッチング点)を検出できる。
【0105】
部品実装装置10によると、実装位置Paの実装前の高さ情報を第1の高信頼マッチング点に基づいて取得するので(S209)、信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得できる。
【0106】
部品実装装置10によると、基板面Pbの実装前の高さ情報を第2の高信頼マッチング点に基づいて取得するので(S202)、信頼性の高い基板面Pbの実装前の高さ情報を取得できる。そして、部品実装装置10によると、S103(実装前撮像処理)で撮像した各画像上で、信頼性の高い基板面Pbの実装前の高さ情報に基づいて第1領域AR1を補正するので、制御部30が画像上で認識する第1領域AR1と当該画像上の実際の第1領域AR1とのずれを低減できる。これにより、信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得できる。
【0107】
部品実装装置10によると、S109(実装後撮像処理)で撮像した各画像上で、信頼性の高い基板面Pbの実装後の高さ情報に基づいて第1領域AR1を補正するので(S206)、信頼性の高い実装位置Paの実装後の高さ情報を取得できる。
【0108】
部品実装装置10によると、最初の実装位置Paについて、その実装位置Paに部品Eを実装した後に第1の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得し(S209)、最初の実装位置Paの後に部品Eが実装される実装位置Paに部品Eを実装するときの目標実装高さを、最初の実装位置Paの実装前の高さ情報に基づいて補正するので(S302)、後に部品Eが実装される実装位置Paに部品Eを実装するときの衝撃を緩和できる。
【0109】
<実施形態2>
実施形態2に係る部品実装装置10は、前述した実施形態の概要に記載した(7)の部品実装装置の一例である。
図15を参照して、実施形態2に係る高信頼マッチング点を用いた処理について説明する。実施形態2では、制御部30は、実装位置Pa毎に、実装位置Paに部品Eを実装した後に第1の取得処理(第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する処理)を実行して信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得する。すなわち、制御部30は、実装位置Pa毎に信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得する。そして、制御部30は、実装位置Paに部品Eを実装するときの目標実装高さを、当該実装位置Paの直前に部品Eが実装された実装位置Paの実装前の高さ情報に基づいて補正する(第2の補正処理の一例)。
【0110】
例えば、制御部30は、実装位置Pa2に部品Eを実装するときは、第1の高信頼マッチング点に基づいて取得した実装位置Pa1の実装前の高さ情報に基づいて目標実装高さを補正し、実装位置Pa3に部品Eを実装するときは、第1の高信頼マッチング点に基づいて取得した実装位置Pa2の実装前の高さ情報に基づいて目標実装高さを補正する。最初の実装位置Pa1は直前に部品Eが実装された実装位置Paがないため、一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点に基づいて取得した高さ情報に基づいて目標実装高さが補正される。
【0111】
実施形態2に係る部品実装装置10によると、実装位置Pa毎に第1の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得し、実装位置Paに部品Eを実装するときの目標実装高さを、当該実装位置Paの直前に部品Eが実装された実装位置Paの実装前の高さ情報に基づいて補正するので、当該実装位置Paに実装される部品Eに加わる衝撃を緩和できる。
【0112】
<実施形態3>
実施形態3に係る部品実装装置10は、前述した実施形態の概要に記載した(8)の部品実装装置の一例である。
図16を参照して、実施形態3に係る高信頼マッチング点を用いた処理について説明する。実施形態3では、制御部30は、基板P毎に、基板Pの各実装位置Paについて、実装位置Paに部品Eを実装した後に第1の取得処理(第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する処理)を実行して信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得し、実装位置Paと実装位置Paの実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップを作成する(第1のマップ作成処理の一例)。
そして、制御部30は、基板Pに部品Eを実装するとき、当該基板Pの各実装位置Paに部品Eを実装するときの目標実装高さを、当該基板Pの直前に部品Eが実装された基板Pで作成した高さマップに基づいて補正する(第3の補正処理の一例)。
【0113】
ここで、最初の基板Pに部品Eを実装するときは、直前に部品Eが実装された基板Pがないため、一般的なマッチング点の検出方法で検出したマッチング点に基づいて目標実装高さが補正される。
【0114】
実施形態3に係る部品実装装置10によると、基板Pの各実装位置Paに部品Eを実装するときの目標実装高さを、当該基板Pの直前に部品Eが実装された基板Pで作成した高さマップに基づいて補正するので、当該基板Pに実装する部品Eに加わる衝撃を緩和できる。
【0115】
<実施形態4>
実施形態4に係る部品実装装置10は、前述した実施形態の概要に記載した(9)の部品実装装置の一例である。
図17A、
図17B及び
図17Cを参照して、実施形態4に係る高信頼マッチング点を用いた処理について説明する。これらの図において基板Pを挟持しているクランプ部71、及び、基板端を上から抑える押え部72は、作業位置Aに基板Pを固定するバックアップ装置70の一部である。バックアップ装置70は基板Pを下から支持する複数のバックアップピンや、バックアップピンを昇降させる昇降部なども備えている。基板Pはクランプ部71によって挟持された状態で押え部72とバックアップピンとによって上下方向に位置決めされる。
【0116】
実施形態4では、制御部30は、最初の実装位置Pa1(1つの実装位置の一例)に部品Eを実装した後に第1の取得処理(第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する処理)を実行して信頼性の高い最初の実装位置Pa1の実装前の高さ情報を取得する。そして、制御部30は、取得した高さ情報と、バックアップ装置70によって固定されている基板端の高さ情報とに基づいて仮想基板面73を設定する(設定処理の一例)。
そして、制御部30は、最初の実装位置Pa1の後に部品Eが実装される実装位置Pa(すなわち2つ目以降の部品Eが実装される実装位置Pa)について、当該実装位置Paの実装前の高さ情報を仮想基板面73から取得し、当該実装位置Paに部品Eを実装するときの目標実装高さを、仮想基板面73から取得した高さ情報に基づいて補正する(第4の補正処理の一例)。
【0117】
仮想基板面73を設定する方法としては種々の方法がある。ここでは以下の3つの方法を例示する。
・複数の領域に分割する方法
・直線補間する方法
・曲線補間する方法
【0118】
(1)複数の領域に分割する方法
図17Aを参照して、複数の領域に分割する方法について説明する。
図17Aに示すように、基板端はバックアップ装置70によって固定されるので、基板端の高さ情報は一定である。基板端の高さ情報は予め記憶部34に記憶されているものとする。
【0119】
制御部30は、最初の実装位置Pa1から基板端までの範囲を、実装位置Pa1の実装前の高さ情報と基板端の高さとの差に応じて複数の領域に分割する。これにより仮想基板面73を設定する。そして、制御部30は、2つ目以降の部品Eが実装される実装位置Pa(
図7Aでは実装位置Pa2)について、その実装位置Paが属する領域の高さ情報を仮想基板面73から取得する。
【0120】
(2)直線補間する方法
図17Bを参照して、直線補間する方法について説明する。制御部30は、最初の実装位置Pa1の実装前の高さ情報と基板端の高さ情報とから、実装位置Pa1と基板端とを通る直線を仮想基板面73として設定する。そして、制御部30は、2つ目以降の部品Eが実装される実装位置Paについて、その実装位置Paの実装前の高さ情報を、設定した直線から取得する。
【0121】
(3)曲線補間する方法
図17Cを参照して、曲線補間する方法について説明する。制御部30は、最初の実装位置Pa1の実装前の高さ情報と基板端の高さ情報とから、その実装位置Pa1と基板端とを通る二次曲線を仮想基板面として設定する。そして、制御部30は、2つ目以降の部品Eが実装される実装位置Paについて、その実装位置Paの実装前の高さ情報を、設定した二次曲線から取得する。
【0122】
(4)実施形態の効果
実施形態4に係る部品実装装置10によると、最初の実装位置Pa1について、第1の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い実装位置Pa1の実装前の高さ情報を取得し、取得した高さ情報と基板端の高さ情報とに基づいて仮想基板面73を設定する。そして、部品実装装置10は、実装位置Pa1の後に部品Eが実装される実装位置Paに部品Eを実装するときの目標実装高さを、仮想基板面73から取得した高さ情報に基づいて補正するので、後の実装位置Paに実装する部品Eに加わる衝撃を緩和できる。
【0123】
<実施形態5>
実施形態5に係る部品実装装置10は、前述した実施形態の概要に記載した(10)の部品実装装置の一例である。
図18を参照して、実施形態5に係る高信頼マッチング点を用いた処理について説明する。実施形態5では、制御部30は、最初の基板P(1枚の基板の一例)に部品Eを実装するとき、最初の基板Pの各実装位置Paについて、その実装位置Paに部品Eを実装した後に第1の取得処理(第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する処理)を実行して信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得する。そして、制御部30は、実装位置Paと実装位置Paの実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップを作成する(第2のマップ作成処理の一例)。
そして、制御部30は、2枚目以降の基板P(1枚の基板の後に部品Eが実装される基板の一例)の実装位置Paに部品Eを実装するときの目標実装高さを、最初の基板Pで作成した高さマップに基づいて補正する(第5の補正処理の一例)。
【0124】
実施形態5に係る部品実装装置10によると、2枚目以降の基板Pの実装位置Paに部品Eを実装するときの目標実装高さを、最初の基板Pで作成した高さマップに基づいて補正するので、2枚目以降の基板Pに実装する部品Eに加わる衝撃を緩和できる。
【0125】
<実施形態6>
実施形態6に係る部品実装システム1は、前述した実施形態の概要に記載した(15)の部品実装システムの一例である。
図19を参照して、実施形態6に係る高信頼マッチング点を用いた処理について説明する。実施形態6では、基板Pの搬送方向の最も上流の部品実装装置10(1台の部品実装装置の一例)の制御部30は、基板Pに部品Eを実装するとき、実装位置Pa毎に第1の取得処理(第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する処理)を実行して信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得し、実装位置Paと実装位置Paの実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップを作成する(第4のマップ作成処理の一例)。高さマップは基板P毎に作成される。
【0126】
最も上流の部品実装装置10より下流に配されている部品実装装置10の制御部30は、実装位置Paに部品Eを実装するときの部品Eの目標実装高さを、最も上流の部品実装装置10で作成された高さマップに基づいて補正する(第5の補正処理の一例)。
【0127】
実施形態6に係る部品実装システム1によると、下流の部品実装装置10が実装位置Paに部品Eを実装するときの目標実装高さを、上流の部品実装装置10で作成した高さマップに基づいて補正するので、下流の部品実装装置10が実装する部品Eに加わる衝撃を緩和できる。
【0128】
ここでは最も上流の部品実装装置10だけが高さマップを作成する場合を例示したが、各部品実装装置10(最も下流の部品実装装置10を除く)がそれぞれ基板P毎に高さマップを作成し、下流の部品実装装置10は直前の部品実装装置10で作成された高さマップに基づいて目標実装高さを補正してもよい。
【0129】
<実施形態7>
実施形態7に係る部品実装装置10は、前述した実施形態の概要に記載した(11)~(12)の部品実装装置の一例である。
実施形態7に係る部品実装装置10は、一般的なマッチング点に基づいて取得した実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化から実装成否を判定する。ただし、一般的なマッチング点は信頼性が必ずしも高くないため、実装成否を明確に判定できない場合がある。制御部30は、実装成否を明確に判定できない場合は、第1の高信頼マッチング点に基づいて取得した信頼性の高い実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化から実装成否を再判定する。
【0130】
具体的には、制御部30は、S103(実装前撮像処理)で撮像した各画像のステレオマッチングを行って実装位置Paの実装前の高さ情報を取得するとともに(第4の取得処理の一例)、S109(実装後撮像処理)で撮像した各画像のステレオマッチングを行って実装位置Paの実装後の高さ情報を取得する(第5の取得処理の一例)。第4の取得処理及び第5の取得処理は、従来の一般的なマッチング点の検出方法でマッチング点を検出して高さ情報を取得する処理である。
【0131】
そして、制御部30は、以下の式4に示すように、実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化が第1の判定閾値に所定のマージン値を加算した値より大きい場合は実装成功と判定し、当該値より小さい場合は実装成否を明確に判定できない(すなわち判定不能)と判定する(第2の成否判定処理の一例)。
実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化>第1の判定閾値+マージン値 ・・・式4
【0132】
例えば第1の判定閾値が150μm、マージン値が25μmであるとする。この場合、実装前後の実装位置Paの高さ変化が250μmであったとすると、以下の式5に示すように、高さ情報の変化が第1の判定閾値にマージン値を加算した値(=175μm)より大きいため、実装成功と判定される。
250μm>判定閾値150μm+マージン値25μm=175μm ・・・式5
【0133】
これに対し、実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化が170μmであるとすると、以下の式6に示すように、高さ情報の変化は第1の判定閾値(=150μm)より大きいが、第1の判定閾値にマージン値を加算した値(=175μm)よりは小さいため、判定不能と判定される。
170μm<判定閾値150μm+マージン値25μm=175μm ・・・式6
【0134】
制御部30は、判定不能と判定した場合は、以下に説明する第1の成否判定処理を実行して実装成否を再判定する。
第1の成否判定処理について説明する。制御部30は、第1の高信頼マッチング点に基づいて、S103(実装前撮像処理)で撮像した各画像のステレオマッチングを行って信頼性の高い実装位置Paの実装前の高さ情報を取得するとともに、S109(実装後撮像処理)で撮像した各画像のステレオマッチングを行って信頼性の高い実装位置Paの実装後の高さ情報を取得する(第1の取得処理の一例)。
そして、制御部30は、前述した式3に示すように、実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化を第1の判定閾値と比較し、実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化が第1の判定閾値より大きい場合は実装成功と判定し、第1の判定閾値以下の場合は失敗と判定する。
【0135】
図20を参照して、実施形態7に係る部品実装フローについて説明する。実施形態7に係る部品実装フローは全ての実装位置Paについて実行される。ここでは実施形態1と実質的に同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
S401では、制御部30は実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化が式4を満たしているか否かを判定する。制御部30は、式4を満たしている場合は実装成功と判定し、式4を満たしていない場合は判定不能と判定する。
S402では、制御部30は、S401の判定結果が成功の場合は処理を終了し、判定不能の場合はS403に進む。
【0136】
S403では、制御部30は第1の成否判定処理を実行して実装成否を再判定する。
S404では、制御部30は、第1の成否判定処理の判定結果が成功の場合は処理を終了し、失敗の場合はS117に進む。
【0137】
図21を参照して、S403で実行される第1の成否判定処理のフローについて説明する。ここでは実施形態1の取得処理のフローと実質的に同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
S501では、制御部30は、第1の高信頼マッチング点に基づいて信頼性の高い実装位置Paの実装後の高さ情報を取得する。
S502では、制御部30は、実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化が式3を満たしている場合は実装成功と判定し、満たしていない場合は失敗と判定する。
【0138】
実施形態7に係る部品実装装置10によると、一般的なマッチング点に基づいて取得した実装前後の高さ情報の変化が第1の判定閾値にマージン値を加算した値より小さい場合は(S402でYes)、実装成否を明確に判定できない(判定不能)として、第1の成否判定処理を実行して実装成否を再判定する。これにより実装成否の判定の信頼性が向上する。
【0139】
部品実装装置10は、一般的なマッチング点に基づいて取得した実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化から実装成否を判定した結果が実装成功である場合は第1の成否判定処理を実行しないので、第1の高信頼マッチング点を検出するための処理(第1の実装前抽出処理、第1の実装後抽出処理、第1の検出処理、第1の取得処理など)を実行しなくてよい。このため、全ての実装位置Paについて第1の高信頼マッチング点を検出して実装成否を判定する場合に比べて制御部30の処理負荷を軽減できる。
【0140】
<実施形態8>
実施形態8に係る部品実装装置10は、前述した実施形態の概要に記載した(11)の部品実装装置の一例である。
前述した実施形態7では、第1の高信頼マッチング点が検出されるのは実装成否を明確に判定できない場合だけであるので、第1の高信頼マッチング点の検出は必ずしも全ての実装位置Paについて行われない。これに対し、実施形態8では、制御部30は全ての実装位置Paについて第1の高信頼マッチング点を検出して実装成否を判定する。
【0141】
図22を参照して、実施形態8に係る部品実装フローについて説明する。ここでは実施形態1と実質的に同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。実施形態8に係る部品実装フローでは、S110からS112に替えてS601が実行される。
S601では、制御部30は、高信頼マッチング点に基づいて実装位置の実装前後の高さ情報を取得する処理を実行する。この処理は
図21に示す第1の成否判定処理のS201~S501と実質的に同一であるので詳細な説明は省略する。
【0142】
実施形態8に係る部品実装装置10によると、第1の高信頼マッチング点に基づいて取得した実装位置Paの実装前後の高さ情報の変化を第1の判定閾値と比較して部品Eの実装成否を判定するので、実装成否の判定の信頼性が向上する。
【0143】
<実施形態9>
実施形態9に係る部品実装装置10は、前述した実施形態の概要に記載した(13)の部品実装装置の一例である。
実施形態9では、制御部30は、S103(実装前撮像処理)で撮像した各画像上の第2領域AR2のステレオマッチングを行って基板面Pbの実装前の高さ情報を取得するとともに(第6の取得処理の一例)、S109(実装後撮像処理)で撮像した各画像上の第2領域AR2のステレオマッチングを行って基板面Pbの実装後の高さ情報を取得する(第7の取得処理の一例)。第6の取得処理及び第7の取得処理は、従来の一般的なマッチング点の検出方法でマッチング点を検出して高さ情報を取得する処理である。
そして、制御部30は、一般的なマッチング点に基づいて取得した基板面Pbの実装前後の高さ情報の変化が第2の判定閾値以上である場合に第1の成否判定処理を実行する。
【0144】
図23を参照して、実施形態9に係る部品実装フローについて説明する。実施形態9に係る部品実装フローでは、S701とS403とが追加で実行される。
S701では、制御部30は、基板面Pbの実装前後の高さ情報の変化が第2の判定閾値以上であるか否かを判定する。制御部30は、変化が第2の判定閾値以下である場合(すなわち判定の信頼性が高い場合)はS111に進み、第2の判定閾値より大きい場合(すなわち判定の信頼性が低い場合)はS403に進む。
S403では、制御部30は実施形態7で説明した第1の成否判定処理を実行する。
【0145】
実施形態9に係る部品実装装置10によると、S104(第6の取得処理)で取得した基板面Pbの実装前の高さ情報(一般的なマッチング点に基づいて取得した基板面Pbの実装前の高さ情報)と、S110(第7の取得処理)で取得した基板面Pbの実装後の高さ情報(一般的なマッチング点に基づいて取得した基板面Pbの実装後の高さ情報)との変化が第2の判定閾値以上である場合(言い換えると高さ情報の信頼性が低い場合)は第1の成否判定処理によって実装成否を判定するので、実装成否の判定の信頼性が向上する。
【0146】
実施形態9に係る部品実装装置10では、実装前後の高さ情報の変化が第2の判定閾値より小さい場合(言い換えると高さ情報の信頼性が高い場合)は第1の成否判定処理を実行しないので、第1の高信頼マッチング点を取得するための処理(第1の実装前抽出処理、第1の実装後抽出処理、第1の検出処理など)を実行しなくてよい。このため、全ての実装位置Paについて第1の高信頼マッチング点を検出して実装成否を判定する場合に比べて制御部30の処理負荷を軽減できる。
【0147】
<実施形態10>
実施形態10に係る部品実装装置10は、前述した実施形態の概要に記載した(14)の部品実装装置の一例である。
実施形態10では、制御部30は、基板Pの生産を開始する前に試験用の基板Pに部品Eを実装し、試験用の基板Pの各実装位置Paについて、実装位置Paに部品Eを実装した後に第1の取得処理(第1の高信頼マッチング点に基づいて高さ情報を取得する処理)を実行して信頼性の高い高さ情報を取得し、基板Pの高さマップを作成する(第3のマップ作成処理の一例)。
【0148】
高さマップは、実装位置Paと実装位置Paの実装前の高さ情報とが対応付けられているマップであってもよいし、実装位置Paと実装位置Paの実装後の高さ情報とが対応付けられているマップであってもよいし、基板面Pbの位置と基板面Pbの実装前の高さ情報とが対応付けられているマップであってもよいし、基板面Pbの位置と基板面Pbの実装後の高さ情報とが対応付けられているマップであってもよい。
【0149】
図24を参照して、実施形態10に係る、基板Pの生産を開始した後の部品実装フローについて説明する。ここでは基板面Pbの位置と基板面Pbの実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップと、基板面Pbの位置と基板面Pbの実装後の高さ情報とが対応付けられている高さマップとが作成された場合を例に説明する。
S801では、制御部30は、基板面Pbの位置と基板面Pbの実装前の高さ情報とが対応付けられている高さマップから、基板面Pbの実装前の高さ情報を取得する。
S802では、制御部30は、基板面Pbの位置と基板面Pbの実装後の高さ情報とが対応付けられている高さマップから、基板面Pbの実装後の高さ情報を取得する。
【0150】
実施形態10に係る部品実装装置10によると、基板Pの生産を開始する前に試験用の基板Pに部品Eを実装して高さマップを作成するので、基板Pの生産を開始した後は高さマップから高さ情報を取得することにより、基板Pの生産中に高さマップを作成する場合に比べて基板Pの生産中の制御部30の処理負荷を軽減できる。
【0151】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
【0152】
(1)上記実施形態では、基板Pを複数の方向から撮像可能な撮像部として、ステレオカメラ23を有する撮像部を例示した。これに対し、撮像部は単一のカメラで基板Pを複数の方向から撮像するものであってもよい。例えば、光路上にミラーを配して単一のカメラの視野を分割することによって単一のカメラで基板Pを複数の方向から撮像してもよい。
【0153】
(2)上記実施形態では撮像部がステレオカメラ23によって基板Pを2つの方向から撮像する場合を例示したが、撮像部は3つ以上の方向から基板Pを撮像してもよい。
【0154】
(3)上記実施形態では、ステレオカメラ23は実装ヘッド18が下降を開始してから下降を完了するまでの間に基板Pを撮像する場合を例示したが、実装ヘッド18は下降を開始する前に基板Pを撮像してもよい。
同様に、上記実施形態では、ステレオカメラ23は実装ヘッド18が上昇を開始してから上昇を完了するまでの間に基板Pを撮像する場合を例示したが、上昇を完了した後に撮像してもよい。
【0155】
(4)上記実施形態では第1の高信頼マッチング点に基づいて実装前の高さ情報と実装後の高さ情報との両方を取得する場合を例示したが、実装前の高さ情報だけを取得してもよいし、実装後の高さ情報だけを取得してもよい。
【0156】
(5)上記実施形態では、実装位置近傍の基板面Pbの高さ情報を取得するための第2領域についても、一般的なマッチング点の検出方法で抽出したマッチング点を比較して高信頼マッチング点(第2の高信頼マッチング点)を検出する場合を例示した。これに対し、第2領域については高信頼マッチング点(第2の高信頼マッチング点)の検出は行わなくてもよい。具体的には、実装位置近傍の基板面Pbの高さ情報については一般的なマッチング点に基づいて取得し、その高さ情報に基づいて第1領域AR1を補正してもよい。
【符号の説明】
【0157】
1: 部品実装システム
10: 部品実装装置
16: ヘッドユニット(実装部の一例)
17: ヘッド移動部(実装部の一例)
22: 基板撮像カメラ(撮像部の一例)
30: 制御部
70: バックアップ装置(固定部の一例)
73: 仮想基板面
AR1: 第1領域
AR2: 第2領域
E: 部品
P: 基板
Pa: 実装位置
Pb: 基板面