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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110126
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】遠隔通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/14 20060101AFI20240807BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20240807BHJP
   G06Q 10/101 20230101ALI20240807BHJP
【FI】
H04N7/14 110
H04N21/431
G06Q10/101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014511
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】519234420
【氏名又は名称】KM有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100178124
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 英樹
(72)【発明者】
【氏名】塔筋 幸造
【テーマコード(参考)】
5C164
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164UB87P
5C164VA06P
5C164VA07S
5C164VA11S
5C164VA13S
5C164VA35P
5L010AA12
5L049AA12
(57)【要約】
【課題】本発明は、プライバシーに配慮しながら相手の拠点の状況を把握することができるとともに、拠点間のコミュニケーションを円滑に行うことができる遠隔通信システムを提供することを目的とする。
【解決手段】第1情報端末1と第2情報端末2の間において第1の拠点Aと第2の拠点Bのユーザ同士の会話が行われない非会話状態において、第2情報端末2から第1情報端末1にサーバ装置3を介して送信される第2の拠点Bの画像に対して所定のぼかし処理を行うことにより画質がぼかされた不鮮明な画像にする。また、第1の拠点Aと第2の拠点Bのユーザ同士の会話が行われる会話状態において、第2情報端末2から第1情報端末1にサーバ装置3を介して送信される第2の拠点Bの画像に対して所定のぼかし処理を解除することにより画質が維持された鮮明な画像にする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の拠点に配置された第1情報端末と第2の拠点に配置された第2情報端末がサーバ装置を介して通信する遠隔通信システムであって、
前記第1情報端末は、第1の拠点の空間を撮像する第1撮像部と、第1の拠点における入力を受け付ける第1入力部と、少なくとも第2の拠点の画像を出力する第1出力部と、第2情報端末との間において第1の拠点および第2の拠点の画像の通信が可能な第1通信部とを備え、
前記第2情報端末は、第2の拠点の空間を撮像する第2撮像部と、第2の拠点における入力を受け付ける第2入力部と、少なくとも第1の拠点の画像を出力する第2出力部と、第1情報端末との間において第1の拠点および第2の拠点の画像の通信が可能な第2通信部とを備え、
前記第1情報端末、前記第2情報端末または前記サーバ装置において、画像に対してぼかし処理を行う画像処理部が設けられ、
前記画像処理部は、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われない非会話状態において、前記第2情報端末から前記第1情報端末に前記サーバ装置を介して送信される第2の拠点の画像に対して所定のぼかし処理を行うことにより画質がぼかされた不鮮明な画像にする一方、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われる会話状態において、前記第2情報端末から前記第1情報端末に前記サーバ装置を介して送信される第2の拠点の画像に対して所定のぼかし処理を行わないことにより画質が維持された鮮明な画像にすることを特徴とする遠隔通信システム。
【請求項2】
前記画像処理部は、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われない非会話状態において、前記第1情報端末から前記第2情報端末に前記サーバ装置を介して送信される第1の拠点の画像に対して所定のぼかし処理を行うことにより画質がぼかされた不鮮明な画像にする一方、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われる会話状態において、前記第1情報端末から前記第2情報端末に前記サーバ装置を介して送信される第1の拠点の画像に対して所定のぼかし処理を行わないことにより画質が維持された鮮明な画像にする請求項1に記載の遠隔通信システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、
前記第1情報端末または前記第2情報端末において前記第1入力部または前記第2入力部が会話状態の開始情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第2の拠点の画像に対するぼかし処理を解除させることにより非会話状態から会話状態に移行し、
前記第1情報端末または前記第2情報端末において前記第1入力部または前記第2入力部が会話状態の終了情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第2の拠点の画像に対するぼかし処理を行わせることにより会話状態から非会話状態に移行する請求項1に記載の遠隔通信システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
前記第1情報端末または前記第2情報端末において前記第1入力部または前記第2入力部が会話状態の開始情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第1の拠点および第2の拠点の画像に対するぼかし処理を解除させることにより非会話状態から会話状態に移行し、
前記第1情報端末または前記第2情報端末において前記第1入力部または前記第2入力部が会話状態の終了情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第1の拠点および第2の拠点の画像に対するぼかし処理を行わせることにより会話状態から非会話状態に移行する請求項2に記載の遠隔通信システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、
前記第1情報端末において前記第1入力部が会話状態の第1の開始情報の入力を受け付けたとき、前記第2情報端末において前記第2出力部から会話状態の該第1の開始情報を出力させ、
前記第2情報端末において前記第2入力部が会話状態の第1の開始情報に対応する第2の開始情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第2の拠点の画像に対するぼかし処理を解除させることにより非会話状態から会話状態に移行する請求項3に記載の遠隔通信システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、
前記第2情報端末において前記第2入力部が会話状態の第1の開始情報の入力を受け付けたとき、前記第1情報端末において前記第1出力部から会話状態の該第1の開始情報を出力させ、
前記第1情報端末において前記第1入力部が会話状態の第1の開始情報に対応する第2の開始情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第1の拠点および第2の拠点の画像に対するぼかし処理を解除させることにより非会話状態から会話状態に移行する請求項4に記載の遠隔通信システム。
【請求項7】
前記サーバ装置は、所定の合言葉情報を記憶する合言葉情報記憶部を備え、
前記第1情報端末または第2情報端末において前記第1入力部または前記第2入力部が受け付けた会話状態の開始情報と、前記合言葉情報記憶部に登録されている合言葉情報とが一致したとき、前記画像処理部に対して第1の拠点および/または第2の拠点の画像のぼかし処理を解除させることにより非会話状態から会話状態に移行する請求項3から請求項6のいずれかに記載の遠隔通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の拠点の間において遠隔で通信を行うための遠隔通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、世界的なウイルスの流行も相まって、各企業においてリモートワークが推奨される中、一部の社員を本社から地方などのリモート拠点に移すことも積極的に行われており、企業によってはリゾート地で社員が働きながらリゾートを楽しむワーケーションも注目されている。
【0003】
このとき、企業の本社とリモート拠点の間において会議などで会話を行う場合、Zoom(商標登録)やTeams(商標登録)などの各種の遠隔通信システムが用いられるが、あくまでも会話を行っているときのみ、通信が確立されているにすぎず、会話を行っていない時では本社側はリモート拠点の状況を常時把握することができないという問題があった。
【0004】
もとより、会話時のみならず非会話時においても、遠隔通信システムにおける通信を確立しておいて、本社側がリモート拠点を常時把握することも考えられるが、それだと地方拠点の社員のプライバシーの配慮に欠けるという問題があった。
【0005】
この点、会話中の人の画像に対してモザイクなどのぼかし処理を行う遠隔通信システムも提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-135478号公報
【特許文献2】特開2016-116208号公報
【特許文献3】特開2013-74598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これらの遠隔通信システムは、いずれも会話時に限定されているため、依然として本社側はリモート拠点の状況を常時把握することができない上、拠点のユーザ自身の画像に対してぼかし処理を行うため、コミュニケーションを円滑に行いにくいという問題があった。
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、プライバシーに配慮しながら相手の拠点の状況を把握することができるとともに、拠点間のコミュニケーションを円滑に行うことができる遠隔通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、第1の拠点に配置された第1情報端末と第2の拠点に配置された第2情報端末がサーバ装置を介して通信する遠隔通信システムであって、前記第1情報端末は、第1の拠点の空間を撮像する第1撮像部と、第1の拠点における入力を受け付ける第1入力部と、少なくとも第2の拠点の画像を出力する第1出力部と、第2情報端末との間において第1の拠点および第2の拠点の画像の通信が可能な第1通信部とを備え、前記第2情報端末は、第2の拠点の空間を撮像する第2撮像部と、第2の拠点における入力を受け付ける第2入力部と、少なくとも第1の拠点の画像を出力する第2出力部と、第1情報端末との間において第1の拠点および第2の拠点の画像の通信が可能な第2通信部とを備え、前記第1情報端末、前記第2情報端末または前記サーバ装置において、画像に対してぼかし処理を行う画像処理部が設けられ、前記画像処理部は、前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われない非会話状態において、前記第2情報端末から前記第1情報端末に前記サーバ装置を介して送信される第2の拠点の画像に対して所定のぼかし処理を行うことにより画質がぼかされた不鮮明な画像にする一方、前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われる会話状態において、前記第2情報端末から前記第1情報端末に前記サーバ装置を介して送信される第2の拠点の画像に対して所定のぼかし処理を行わないことにより画質が維持された鮮明な画像にすることを特徴とする。
【0010】
これによれば、第1情報端末と第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われない非会話状態において、第1情報端末の第1出力部から画質がぼかされた第2の拠点の不鮮明な画像が出力され得るため、第1の拠点のユーザは第2の拠点の不鮮明な画像を視認することにより、第2の拠点のユーザのプライバシーに配慮しながら第2の拠点の状況を常時把握することができる。
【0011】
また、前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われる会話状態において、第1情報端末の第1出力部から画質が維持された第2の拠点の鮮明な画像が出力され得るため、第1の拠点のユーザは第2の拠点の鮮明な画像を視認することにより、第2の拠点のユーザの口の動きや表情などの詳細を見ながら第2の拠点のユーザと円滑にコミュニケーションを行うことができる。
【0012】
また、前記画像処理部は、前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われない非会話状態において、前記第1情報端末から前記第2情報端末に前記サーバ装置を介して送信される第1の拠点の画像に対して所定のぼかし処理を行うことにより画質がぼかされた不鮮明な画像にする一方、前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われる会話状態において、前記第1情報端末から前記第2情報端末に前記サーバ装置を介して送信される第1の拠点の画像に対して所定のぼかし処理を行わないことにより画質が維持された鮮明な画像にしてもよい。これによれば、前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われない非会話状態において、第2情報端末の第2出力部からも画質がぼかされた第1の拠点の不鮮明な画像が出力され得るため、第2の拠点のユーザは第1の拠点の不鮮明な画像を視認することにより、第1の拠点のユーザのプライバシーに配慮しながら第1の拠点の状況を常時把握することができる。
【0013】
また、前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われる会話状態において、第2情報端末の第2出力部から画質が維持された第1の拠点の鮮明な画像が出力され得るため、第2の拠点のユーザは第1の拠点の鮮明な画像を視認することにより、第1の拠点のユーザの口の動きや表情などの詳細を見ながら第1の拠点のユーザと円滑にコミュニケーションを行うことができる。
【0014】
また、前記サーバ装置は、前記第1情報端末または前記第2情報端末において前記第1入力部または前記第2入力部が会話状態の開始情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第2の拠点の画像に対するぼかし処理を解除させることにより非会話状態から会話状態に移行し、前記第1情報端末または前記第2情報端末において前記第1入力部または前記第2入力部が会話状態の終了情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第2の拠点の画像に対するぼかし処理を行わせることにより会話状態から非会話状態に移行してもよい。これによれば、第1の拠点または第2の拠点のユーザの意思によって、第2の拠点の画像がぼかされたり解除されたりするため、第1情報端末と第2情報端末の間において会話状態または非会話状態に所望のタイミングで移行することができる。
【0015】
また、前記サーバ装置は、前記第1情報端末または前記第2情報端末において前記第1入力部または前記第2入力部が会話状態の開始情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第1の拠点および第2の拠点の画像に対するぼかし処理を解除させることにより非会話状態から会話状態に移行し、前記第1情報端末または前記第2情報端末において前記第1入力部または前記第2入力部が会話状態の終了情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第1の拠点および第2の拠点の画像に対するぼかし処理を行わせることにより会話状態から非会話状態に移行してもよい。これによれば、第1の拠点または第2の拠点のユーザの意思によって、第1の拠点および第2の拠点の画像がぼかされたり解除されたりするため、第1情報端末と第2情報端末の間において会話状態または非会話状態に所望のタイミングで移行することができる。
【0016】
また、前記サーバ装置は、前記第1情報端末において前記第1入力部が会話状態の第1の開始情報の入力を受け付けたとき、前記第2情報端末において前記第2出力部から会話状態の該第1の開始情報を出力させ、前記第2情報端末において前記第2入力部が会話状態の第1の開始情報に対応する第2の開始情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第2の拠点の画像に対するぼかし処理を解除させることにより非会話状態から会話状態に移行してもよい。これによれば、第1の拠点から第2の拠点に対して会話状態の開始を要求したあと、第2の拠点から第1の拠点に対して会話状態の開始を了承したときに、第2の拠点の画像の拠点の画像のぼかし処理が解除されるため、第2の拠点の画像のぼかし処理が不意に解除されることがなく、第2の拠点のユーザのプライバシーに確実に配慮することができる。
【0017】
また、前記サーバ装置は、前記第2情報端末において前記第2入力部が会話状態の第1の開始情報の入力を受け付けたとき、前記第1情報端末において前記第1出力部から会話状態の該第1の開始情報を出力させ、前記第1情報端末において前記第1入力部が会話状態の第1の開始情報に対応する第2の開始情報の入力を受け付けたとき、前記画像処理部に対して第1の拠点および第2の拠点の画像に対するぼかし処理を解除させることにより非会話状態から会話状態に移行してもよい。これによれば、第2の拠点から第1の拠点に対して会話状態の開始を要求したあと、第1の拠点から第2の拠点に対して会話状態の開始を了承したときに、第1の拠点および第2の拠点の画像のぼかし処理が解除されるため、第2の拠点の画像はもとより、第1の拠点の画像のぼかし処理が不意に解除されることがなく、第1の拠点のユーザのプライバシーに確実に配慮することができる。
【0018】
また、前記サーバ装置は、所定の合言葉情報を記憶する合言葉情報記憶部を備え、前記第1情報端末または第2情報端末において前記第1入力部または前記第2入力部が受け付けた会話状態の開始情報と、前記合言葉情報記憶部に登録されている合言葉情報とが一致したとき、前記画像処理部に対して第1の拠点および/または第2の拠点の画像のぼかし処理を解除させることにより非会話状態から会話状態に移行してもよい。これによれば、第1の拠点または第2の拠点のユーザが所定の合言葉情報に一致する開始情報を第1情報端末または第2情報端末に入力したときに、第1の拠点および/または第2の拠点の画像のぼかし処理が解除されるため、第1情報端末と第2情報端末の非会話状態において第1の拠点および/または第2の拠点のユーザが意図なく発した言葉によって、非会話状態から会話状態に不意に移行することを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、第1情報端末と第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われない非会話状態において、第1情報端末の第1出力部から画質がぼかされた第2の拠点の不鮮明な画像が出力され得るため、第1の拠点のユーザは第2の拠点の不鮮明な画像を視認することにより、第2の拠点のユーザのプライバシーに配慮しながら第2の拠点の状況を常時把握することができる。
【0020】
また、前記第1情報端末と前記第2情報端末の間において第1の拠点と第2の拠点のユーザ同士の会話が行われる会話状態において、第1情報端末の第1出力部から画質が維持された第2の拠点の鮮明な画像が出力され得るため、第1の拠点のユーザは第2の拠点の鮮明な画像を視認することにより、第2の拠点のユーザの口の動きや表情などの詳細を見ながら第2の拠点のユーザと円滑にコミュニケーションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態に係る遠隔通信システムの全体構成を示す概念図である。
図2図1の第1の情報端末の構成を示す図である。
図3図1の第2の情報端末の構成を示す図である。
図4図1のサーバ装置の構成を示す図である。
図5】第1の情報端末において出力される会話状態における第2の拠点の画像を示す図である。
図6】第1の情報端末において出力される非会話状態における第2の拠点の画像を示す図である。
図7】第2の情報端末において出力される会話状態および非会話状態における第1の拠点の画像を示す図である。
図8図1の遠隔通信システムの動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の第2の実施形態に係る遠隔通信システムの動作を示すフローチャートである。
図10】本発明の第3の実施形態に係る遠隔通信システムのサーバ装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施形態>
次に、本発明の第1の実施形態に係る遠隔通信システム(以下、本システムという)について、図1図8を参照しつつ説明する。
【0023】
本システムは、遠隔の拠点間で通信するための遠隔通信システムであって、図1に示すように、第1の拠点A(例えば本社拠点)に設置された第1情報端末1と、第2の拠点B(例えば地方拠点)に設置された第2情報端末2と、第1情報端末1と第2情報端末2をネットワークを介して通信可能に接続するサーバ装置3とを備える。なお、実際には複数の情報端末がサーバ装置3に接続されているが、説明の便宜上、第1情報端末1と第2情報端末2の間の通信について説明する。
【0024】
前記第1情報端末1は、図2に示すように、第1の拠点Aの空間を撮像する第1撮像部11と、第1の拠点Aにおける入力を受け付ける第1入力部12と、画像と音声を出力する第1出力部13と、他の情報端末とサーバ装置3を介して通信可能な第1通信部14と、各部を制御する第1制御部15を備える。
【0025】
前記第1撮像部11は、第1の拠点Aの空間を撮像するものであって、パーソナルコンピュータに設けられたカメラである。
【0026】
前記第1入力部12は、第1の拠点Aのユーザが所定のテキスト・音声を入力可能なキーボードやマイクである。この第1入力部12は、第1の拠点Aまたは第2の拠点Bのユーザが会話を開始する際、所定の会話状態の開始情報の入力を受け付ける。また、第1入力部12は、第1の拠点Aまたは第2の拠点Bのユーザが会話を終了する際、所定の会話状態の終了情報の入力を受け付ける。この会話状態の開始情報や終了情報の入力は、第1のユーザによる会話状態の開始または終了に関する音声入力であってもよいし、第1のユーザによる会話状態の開始または終了に関するキーボード入力であってもよい。
【0027】
前記第1出力部13は、第1の拠点Aのユーザに対して所定の画像・音声を出力可能なモニタとスピーカである。この第1出力部13は、後述の第1通信部14により受信された第2の拠点Bの画像や音声を出力する。また、第1出力部13は、第1通信部14が第2情報端末2からサーバ装置3を介して会話状態の開始情報を受信した際、該会話状態の開始情報に関する画面や音声を出力して、第1の拠点Aのユーザに会話状態の開始を知らせる。
【0028】
前記第1通信部14は、第2情報端末2とサーバ装置3を介して通信するための通信装置である。この第1通信部14は、第1撮像部11により撮像された第1の拠点Aの画像をサーバ装置3を介して第2情報端末2に送信する一方、第2情報端末2から第2の拠点Bの画像をサーバ装置3を介して受信する。また、第1通信部14は、第1入力部12により受け付けられた会話状態の開始情報や終了情報をサーバ装置3を介して第2情報端末2に送信する一方、第2情報端末2から会話状態の開始情報や終了情報をサーバ装置3を介して受信する。
【0029】
前記第1制御部15は、パーソナルコンピュータに内蔵された中央処理装置(CPU)であって、第1撮像部11、第1入力部12、第1出力部13および第1通信部14を制御する。
【0030】
前記第2情報端末2は、図3に示すように、第2の拠点Bの空間を撮像する第2撮像部21と、第2の拠点Bにおける入力を受け付ける第2入力部22と、画像と音声を出力する第2出力部23と、他の情報端末と通信可能な第2通信部24と、各部を制御する第2制御部25を備える。
【0031】
前記第2撮像部21は、第2の拠点Bの室内空間を撮像するものであって、パーソナルコンピュータに設けられたカメラである。
【0032】
前記第2入力部22は、第2の拠点Bのユーザが所定のテキスト・音声を入力可能なキーボードやマイクである。この第2入力部22は、第2の拠点Bまたは第1の拠点Aのユーザが会話を開始する際、所定の会話状態の開始情報の入力を受け付ける。また、第2入力部22は、第1の拠点Aまたは第2の拠点Bのユーザが会話を終了する際、所定の会話状態の終了情報の入力を受け付ける。この会話状態の開始情報や終了情報の入力は、第2の拠点Bのユーザによる会話状態の開始または終了に関する音声入力であってもよいし、第2の拠点Bのユーザによる会話状態の開始または終了に関するキーボード入力であってもよい。
【0033】
前記第2出力部23は、第2の拠点Bのユーザに対して所定の画像・音声を出力可能なモニターとスピーカである。この第2出力部23は、後述の第2通信部24により受信された第1の拠点Aの画像や音声を出力する。また、第2出力部23は、第2通信部24が第1情報端末1からサーバ装置3を介して会話状態の開始情報を受信した際、該会話状態の開始情報に関する画面や音声を出力して、第2の拠点Bのユーザに会話状態の開始を知らせる。
【0034】
前記第2通信部24は、第1情報端末1とサーバ装置3を介して通信するための通信装置である。この第2通信部24は、第2撮像部21により撮像された第2の拠点Bの画像をサーバ装置3を介して第1情報端末1に送信する一方、第1情報端末1から第1の拠点Aの画像をサーバ装置3を介して受信する。また、第2通信部24は、第2入力部22により受け付けられた会話状態の第2の開始情報や終了情報をサーバ装置を介して第1情報端末1に送信する一方、第1情報端末1から会話状態の開始情報や終了情報をサーバ装置3を介して受信する。
【0035】
前記第2制御部25は、パーソナルコンピュータに内蔵された中央処理装置(CPU)であって、第2撮像部21、第2入力部22、第2出力部23および第2通信部24を制御する。
【0036】
前記サーバ装置3は、図4に示すように、第1情報端末1および第2情報端末2などの情報端末と通信可能な通信部31と、画像に対して所定の処理を行う画像処理部32と、各部を制御する制御部33と、情報端末に関する情報(ログインID、パスワード等)を記憶する端末情報記憶部34とを備える。
【0037】
前記通信部31は、第1情報端末1および第2情報端末2と通信するための通信装置であって、制御部33の命令に応じて、第1情報端末1から送信されてきた第1の拠点Aの画像を受信したあと、該第1の拠点Aの画像を第2情報端末2に送信する一方、第2情報端末2から送信されてきた第2の拠点Bの画像を受信したあと、該第2の拠点Bの画像を第1情報端末1に送信する。
【0038】
また、前記通信部31は、制御部33の命令に応じて、第1情報端末1から送信されてきた会話状態の開始情報や終了情報を受信した際、該会話状態の開始情報や終了情報を第2情報端末2に送信する一方、第2情報端末2から送信されてきた会話状態の開始情報や終了情報を受信した際、該会話状態の開始情報や終了情報を第1情報端末1に送信する。
【0039】
前記画像処理部32は、制御部33の命令に応じて、通信部31により受信された第1の拠点Aや第2の拠点Bの画像に対して、適宜、所定の処理を行うものであって、本実施形態では第2の拠点Bの画像に対して所定のぼかし処理を行う。
【0040】
具体的には、前記画像処理部32は、「非会話状態」において、通信部31により受信された第2の拠点Bの画像に対して所定のぼかし処理を行うことにより画質がぼかされた不鮮明な画像G2にする。特に本実施形態では、画像処理部32は、図6に示すように、第2の拠点Bの画像の全体に対してモザイク加工等のぼかし処理を行う。また、画像処理部32は、図7に示すように、通信部31により受信された第1の拠点Aの画像の全体に対しては所定のぼかし処理を行わないことにより画質が維持された鮮明な画像G3のままにする。
【0041】
また、前記画像処理部32は、「会話状態」において、図5に示すように、通信部により受信された第2の拠点Bの画像に対するぼかし処理を行わないことにより画質が維持された鮮明な画像G1のままにする。また、画像処理部32は、図7に示すように、通信部31により受信された第1の拠点Aの画像に対しても所定のぼかし処理を行わないことにより画質が維持された鮮明な画像G3のままにする。
【0042】
なお、「会話状態」とは、第1情報端末1と第2情報端末2の間において第1の拠点Aと第2の拠点Bのユーザ同士の会話が行われない状態である。本実施形態では、図8に示すように、第1情報端末1の第1入力部12または第2情報端末2の第2入力部22が会話状態の開始情報を受け付けてから会話状態の終了情報を受け付けるまでの間が「会話状態」となる。このとき、第1情報端末1および第2情報端末2において相手の拠点の音声が画像とともに出力されてもよいし、出力されなくてもよい。
【0043】
また、「非会話状態」とは、第1情報端末1と第2情報端末2の間において第1の拠点Aと第2の拠点Bのユーザ同士の会話が行われない状態をいう。本実施形態では、図8に示すように、第1情報端末1および第2情報端末2のログイン後、第1情報端末1の第1入力部12または第2情報端末2の第2入力部22が会話状態の開始情報を受け付けるまでの間と、第1情報端末1の第1入力部12または第2情報端末2の第2入力部22が会話状態の終了情報を受け付けてから会話状態の開始情報を再び受け付けるまでの間が「非会話状態」となる。このとき、第1情報端末1および第2情報端末2において相手の拠点の音声が画像とともに出力される。
【0044】
前記制御部33は、第1情報端末1や第2情報端末2からログインの要求があったときは、端末情報記憶部34のログインID・パスワードを参照してログインの承認を行う。例えば、制御部33は、第1情報端末1と第2情報端末2が同時にログインした場合、第1情報端末1と第2情報端末2を自動的に接続する。また、第1情報端末1または第2情報端末2がログインしている状態において第2情報端末2または第1情報端末1が後からログインすると、第1情報端末1と第2情報端末2を自動的に接続する。
【0045】
次に、本発明に係る通信システムの具体的な動作について図8を参照しつつ説明する。
【0046】
まず、前記第1情報端末1および第2情報端末2がサーバ装置3に本システムへのログインを要求すると、前記サーバ装置3は、端末情報記憶部34を参照して第1情報端末1および第2情報端末2のログインを認証し、第1情報端末1と第2情報端末2をネットワークを介して自動的に接続して、「非会話状態」から開始する(S11、S12)。
【0047】
このとき、前記第1情報端末1は、第1撮像部11により撮影された第1の拠点Aの画像G3を第1通信部14によりサーバ装置3に送信する(S21)。
【0048】
そして、前記サーバ装置3は、通信部31により第1の拠点Aの画像を受信したあと、画像処理部32によるぼかし処理を行わずに画質を維持した鮮明な画像G3のままとし、通信部31により該第1の拠点Aの鮮明な画像G3を第2情報端末2に送信する(S22)。
【0049】
これにより、前記第2情報端末2において、図7に示すように、第1の拠点Aの鮮明な画像G3が第2通信部24により受信されたあと、第2出力部23から出力される。
【0050】
一方、前記第2情報端末2は、第2撮像部21により撮影された第2の拠点Bの画像G1を第2通信部24によりサーバ装置3に送信する(S31)。
【0051】
そして、前記サーバ装置3は、通信部31により第2の拠点Bの画像G1を受信したあと、画像処理部32により第2の拠点Bの画像G1に対してぼかし処理を行って画質を不鮮明な画像G2にし、通信部31により第2の拠点Bの不鮮明な画像G2を第1情報端末1に送信する(S32)。
【0052】
これにより、前記第1情報端末1において、図6に示すように、第2の拠点Bの不鮮明な画像G2が第1通信部14により受信されたあと、第1出力部13から出力される。
【0053】
なお、前記第1情報端末1の第1入力部12または第2情報端末2の第2入力部22が会話状態の開始情報の入力を受け付けるまでの間、S21~S32の処理を繰り返す。
【0054】
而して、第1情報端末1と第2情報端末2の間において第1の拠点Aと第2の拠点Bのユーザ同士の会話が行われない非会話状態において、図6に示すように、第1情報端末1の第1出力部13から画質がぼかされた第2の拠点Bの不鮮明な画像G2が出力されるため、第1の拠点Aのユーザは第2の拠点Bの不鮮明な画像G2を視認することにより、第2の拠点Bのユーザのプライバシーに配慮しながら第2の拠点Bの状況を常時把握することができる。
【0055】
次に、前記第1情報端末1は、第1入力部12により会話状態の開始情報を受け付けると、第1通信部14により会話状態の開始情報をサーバ装置3に送信する(S41)。
【0056】
そして、前記サーバ装置3は、通信部31により会話状態の開始情報を受信したあと、該会話状態の開始情報を第2情報端末2に送信し、「非会話状態」から「会話状態」に移行する(S42)。
【0057】
これにより、第2情報端末2において、会話状態の開始情報が第2通信部24により受信されたあと、第2出力部23から出力されるため、第2の拠点Bのユーザに対して第1の拠点Aのユーザからの会話開始の要求を知らせることができる。
【0058】
なお、本実施形態では、第1情報端末1から第2情報端末2に対して会話状態の開始情報を送信するものとしたが、第2情報端末2から第1情報端末1に対して会話状態の開始情報を送信することにより「非会話状態」から「会話状態」に移行してもよい。
【0059】
このとき、前記第1情報端末1は、第1撮像部11により撮影された第1の拠点Aの画像G3を第1通信部14によりサーバ装置3に送信する(S51)。
【0060】
そして、前記サーバ装置3は、通信部31により第1の拠点Aの画像を受信したあと、画像処理部32によるぼかし処理を行わずに画質を維持した鮮明な画像G3のままとし、通信部31により該第1の拠点Aの鮮明な画像G3を第2情報端末2に送信する(S52)。
【0061】
これにより、第2情報端末2において、図7に示すように、第1の拠点Aの鮮明な画像G3が第2通信部24により受信されたあと、第2出力部23から出力される。
【0062】
一方、前記第2情報端末2は、第2撮像部21により撮影された第2の拠点Bの画像G1を第2通信部24によりサーバ装置3に送信する(S61)。
【0063】
そして、前記サーバ装置3は、通信部32により第2の拠点Bの画像G1を受信したあと、画像処理部32により第2の拠点Bの画像G1に対してぼかし処理を解除して、その後、ぼかし処理を行うことなく画質を維持した鮮明な画像G1にし、通信部31により該第2の拠点Bの鮮明な画像G1を第1情報端末1に送信する(S62)。
【0064】
これにより、前記第1情報端末1において、図5に示すように、第2の拠点Bの鮮明な画像G1が第1通信部14により受信されたあと、第1出力部13から出力される。
【0065】
なお、前記第1情報端末1の第1入力部12または第2情報端末2の第2入力部22が会話状態の終了情報の入力を受け付けるまでの間、S41~S62の処理を繰り返す。
【0066】
而して、第1情報端末1と第2情報端末2の間において第1の拠点Aと第2の拠点Bのユーザ同士の会話が行われる会話状態において、図5に示すように、第1情報端末1の第1出力部13から画質が維持された第2の拠点Bの鮮明な画像G1が出力されるため、第1の拠点Aのユーザは第2の拠点Bの鮮明な画像を視認することにより、第2の拠点Bのユーザの口の動きや表情などの詳細を見ながら第2の拠点Bのユーザと円滑にコミュニケーションを行うことができる。
【0067】
次に、前記第1情報端末1は、第1入力部12により会話状態の終了情報を受け付けると、第1通信部14により会話状態の終了情報をサーバ装置3に送信する(S71)。
【0068】
そして、前記サーバ装置3は、通信部31により会話状態の終了情報を受信したあと、該会話状態の終了情報を第2情報端末2に送信し、「会話状態」から「非会話状態」に再び移行する(S72)。
【0069】
これにより、第2情報端末2において、会話状態の終了情報が第2通信部24により受信されたあと、第2出力部から出力されるため、第2の拠点Bのユーザに対して第1の拠点Aのユーザからの会話終了の要求を知らせることができる。
【0070】
なお、本実施形態では、第1情報端末1から第2情報端末2に対して会話状態の終了情報を送信するものとしたが、第2情報端末2から第1情報端末1に対して会話状態の終了情報を送信してもよい。
【0071】
最後に、前記第1情報端末1または第2情報端末2がサーバ装置3に本システムへのログオフを要求すると(S81、S82)、前記サーバ装置3は第1情報端末1と第2情報端末2の接続を解除する。
【0072】
なお、本実施形態では、前記画像処理部32はサーバ装置3に設けられるものとしたが、第1情報端末1または第2情報端末2に設けられてもよい。
【0073】
また、前記画像処理部32は、図6に示すように、非会話状態において第2の拠点Bの画像の全体に対してモザイク加工等のぼかし処理を行うものとしたが、少なくともユーザの顔の部分にぼかし処理が行われるものであれば、第2の拠点Bの画像の一部に対してぼかし処理を行ってもよい。また、画像処理部32は、図5に示すように、会話状態において第2の拠点Bの画像の全体に対してぼかし処理を行わないものしたが、少なくともユーザの顔の部分に対してぼかし処理が行わないものとしてもよい。
【0074】
また、前記第2情報端末2から第1情報端末1にサーバ装置3を介して送信される第2の拠点Bの画像に対して所定のぼかし処理を行うことにより画質がぼかされた不鮮明な画像にするものとしたが、さらに第1情報端末1から第2情報端末2にサーバ装置3を介して送信される第1の拠点Aの画像に対しても所定のぼかし処理を行うことにより画質がぼかされた不鮮明な画像にしてもよい。
【0075】
この場合、前記画像処理部32は、第1情報端末1と第2情報端末2の間において第1の拠点Aと第2の拠点Bのユーザ同士の会話が行われない非会話状態において、第1情報端末1から第2情報端末2にサーバ装置3を介して送信される第1の拠点Aの画像に対して所定のぼかし処理を行うことにより画質がぼかされた不鮮明な画像にする一方、第1情報端末1と第2情報端末2の間において第1の拠点Aと第2の拠点Bのユーザ同士の会話が行われる会話状態において、第1情報端末1から第2情報端末2にサーバ装置3を介して送信される第1の拠点Aの画像に対して所定のぼかし処理を行わないことにより画質が維持された鮮明な画像にする。
【0076】
<第2の実施形態>
次に本発明の第2の実施形態に係る遠隔通信システムについて図9を参照つつ説明する。
【0077】
第1の実施形態では、サーバ装置3は、第1情報端末1または第2情報端末2の第1入力部12または第2入力部22が会話状態の開始情報を受け付けたときに「非会話状態」から「会話状態」に移行するものとしたが、本実施形態ではその他のタイミングにより「非会話状態」から「会話状態」に移行する。
【0078】
例えば、サーバ装置3は、第1情報端末1において第1入力部12が会話状態の第1の開始情報の入力を受け付けたとき、第2情報端末2において第2出力部23から該会話状態の第1の開始情報を出力させたあと、第2情報端末2において第2入力部22が会話状態の第1の開始情報に対応する第2の開始情報の入力を受け付けたとき、画像処理部32に対して第2の拠点Bの画像に対するぼかし処理を解除させることにより「非会話状態」から「会話状態」に移行する。
【0079】
具体的には、図9のS41’~S43’に示すように、前記第1情報端末1は、第1入力部12により会話状態の第1の開始情報を受け付けると、第1通信部14により会話状態の第1の開始情報をサーバ装置3に送信する(S41’)。
【0080】
そして、前記サーバ装置3は、前記通信部31により会話状態の第1の開始情報を受信したあと、該会話状態の第1の開始情報を第2情報端末2に送信する(S42’)。
【0081】
これにより、第2情報端末2において、会話状態の開始情報が第2通信部24により受信されたあと、第2出力部23から会話状態の該第1の開始情報が出力されるため、第2の拠点Bのユーザに第1の拠点Aのユーザからの会話開始の要求を知らせることができる。
【0082】
次に、前記第2情報端末2は、第2入力部22により会話状態の第1の開始情報に対応する第2の開始情報を受け付けると、第2通信部24により該会話状態の第2の開始情報をサーバ装置に送信する(S43’)。
【0083】
そして、前記サーバ装置3は、通信部31により会話状態の第2の開始情報を受信すると、「非会話状態」から「会話状態」に移行する。
【0084】
これによれば、 第1の拠点Aから第2の拠点Bに対して会話状態の開始(第1の開始情報)を要求したあと、第2の拠点Bから第1の拠点Aに対して会話状態の開始(第2の開始情報)を了承したときに、第2の拠点Bの画像に対してぼかし処理を行わないようにするため、第2の拠点Bの画像のぼかし処理が不意に解除されることがなく、第2の拠点Bのユーザのプライバシーに確実に配慮することができる。
【0085】
<第3の実施形態>
次に本発明の第3の実施形態に係る遠隔通信システムについて図10を参照つつ説明する。
【0086】
本実施形態では、前記サーバ装置3は、所定の合言葉情報を記憶する合言葉情報記憶部35を備えており、第1情報端末1または第2情報端末2において第1入力部12または第2入力部22が受け付けた会話状態の開始情報(例えば「ひらけごま」の音声データ)と、合言葉情報記憶部35に記憶されている合言葉情報(「ひらけごま」のテキストデータ)とが一致したとき、画像処理部32に対して第1の拠点Aおよび/または第2の拠点Bの画像のぼかし処理を解除させることにより「非会話状態」から「会話状態」に移行する。
【0087】
これによれば、第1の拠点Aまたは第2の拠点Bのユーザが所定の合言葉情報に一致する開始情報を第1情報端末1または第2情報端末2に入力したときに、第1の拠点Aおよび/または第2の拠点Bの画像のぼかし処理が解除されるため、第1情報端末1と第2情報端末2の非会話状態において第1の拠点Aおよび/または第2の拠点Bのユーザが意図なく発した言葉によって、非会話状態から会話状態に不意に移行することを防止できる。
【0088】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1…第1情報端末
11…第1撮像部
12…第1入力部
13…第1出力部
14…第1通信部
15…第1制御部
2…第2情報端末
21…第2撮像部
22…第2入力部
23…第2出力部
24…第2通信部
25…第2制御部
3…サーバ装置
31…通信部
32…画像処理部
33…制御部
34…端末情報記憶部
35…合言葉情報記憶部
A…第1の拠点
B…第2の拠点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10