(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110146
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 5/16 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
E06B5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014547
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】山下 富広
(72)【発明者】
【氏名】山田 良
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239CA04
2E239CA22
2E239CA26
2E239CA30
2E239CA32
2E239CA33
2E239CA35
2E239CA45
2E239CA53
2E239CA66
(57)【要約】
【課題】防火性能を向上させることができる建具を提供する。
【解決手段】建具は、金属材料で枠状に形成された金属部材10Aと、樹脂材料で形成され金属部材10Aの屋内側に設けられた樹脂部材10Bと、を有するパネル支持体と、パネル支持体の内側に配置されたパネル6と、金属材料で形成された取付部材7と、を備え、金属部材10Aと取付部材7との間に樹脂部材10Bの少なくとも一部112が配置され、接続部材74で金属部材10Aに固定された取付部材7によって、樹脂部材10Bは金属部材10A側に押し付けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料で枠状に形成された金属部材と、樹脂材料で形成され前記金属部材の屋内側に設けられた樹脂部材と、を有するパネル支持体と、
前記パネル支持体の内側に配置されたパネルと、
金属材料で形成された取付部材と、を備え、
前記金属部材と前記取付部材との間に前記樹脂部材の少なくとも一部が配置され、
接続部材で前記金属部材に固定された前記取付部材によって、前記樹脂部材は前記金属部材側に押し付けられている建具。
【請求項2】
前記金属部材と前記樹脂部材の少なくとも一部との間に配置されたスペーサを備える請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記取付部材は、前記樹脂部材の長手方向の略全長に配置されている請求項1または2に記載の建具。
【請求項4】
前記取付部材は、
前記樹脂部材を前記金属部材側に押し付けるように前記接続部材で固定される固定部と、
前記固定部から前記金属部材と反対側に延びる延設部と、を有する請求項1または2に記載の建具。
【請求項5】
前記取付部材の熱伝導率は、前記金属部材の熱伝導率よりも低い請求項1または2に記載の建具。
【請求項6】
前記パネルは、屋内側に耐火性を有するガラスが配置されたペアガラスである請求項1または2に記載の建具。
【請求項7】
前記取付部材は、前記樹脂部材に形成された中空部に配置されている請求項1または2に記載の建具。
【請求項8】
前記取付部材は、前記パネル支持体の上枠及び縦枠の少なくともいずれか一方に設けられている請求項1または2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、アルミニウム合金等のアルミ形材に樹脂形材が係止された枠体と、枠体に納められたパネルと、を備えた建具が知られている(下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
火災時に、枠や框等を形成する樹脂形材が落下しなければ、樹脂形材の熱が躯体側に伝達されるように放熱が進み、樹脂形材が大きな炎を上げずに炭化することが知られている。特許文献1の建具では、樹脂形材は金属形材に係止されているだけの構造であるため、火災時に熱で軟化した樹脂形材は落下して、樹脂形材が下枠部分に溜まってしまう。軟化した樹脂形材が溜ると、局所的に可燃性ガスが発生しやすくなり、急激な燃焼及び温度変化によって、わずかな隙間から非加熱面側へ火炎が貫通し、延焼につながってしまう虞がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、防火性能を向上させることができる建具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る建具は、金属材料で枠状に形成された金属部材と、樹脂材料で形成され前記金属部材の屋内側に設けられた樹脂部材と、を有するパネル支持体と、前記パネル支持体の内側に配置されたパネルと、金属材料で形成された取付部材と、を備え、前記金属部材と前記取付部材との間に前記樹脂部材の少なくとも一部が配置され、接続部材で前記金属部材に固定された前記取付部材によって、前記樹脂部材は前記金属部材側に押し付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第一実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
【
図2】第一実施形態に係る建具の水平断面図である。
【
図5】第二実施形態に係る建具の上部の鉛直断面図である。
【
図6】第二実施形態に係る建具の上部の一部を破断した正面図である。
【
図7】第三実施形態に係る建具の上部の鉛直断面図である。
【
図8】第三実施形態に係る建具の上部の一部を破断した正面図である。
【
図9】第四実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
【
図10】第四実施形態に係る建具の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態に係る建具について、図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、本開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。
【0009】
建物の開口部に設けられる建具の一例として、FIX窓を用いて説明する。
図1及び
図2に示すように、FIX窓100は、枠体1と、パネル6と、グレイジング材66,67と、取付部材7と、を備えている。FIX窓100は、特許請求の範囲の建具に対応する。枠体1は、特許請求の範囲のパネル支持体に対応する。
【0010】
以下の説明では、FIX窓100を正面から見た左右方向を、幅方向と称する。幅方向に直交し水平方向に沿う方向を、屋内外方向と称する。幅方向及び屋内外方向に直交する方向を、上下方向と称する。図面では、幅方向を矢印Xで示し、屋内外方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。各構成部材において、幅方向で中心から離れる側を外側と称し、中心に向かう側を内側という場合がある。
【0011】
枠体1は、四方枠状をしている。枠体1は、
図1に示す上枠10と、下枠20と、
図2に示す縦枠30と、押縁40と、を有している。各枠10,20,30及び押縁40は、金属枠と樹脂枠とが連結されて構成されている。
【0012】
図3に示すように、上枠10は、幅方向に延びている。上枠10は、金属上枠10Aと、樹脂上枠10Bと、を有している。金属上枠10Aは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂上枠10Bは、樹脂材料で形成されている。金属上枠10Aは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂上枠10Bは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0013】
金属上枠10Aの屋外側の下部には、下方に開口するガラス溝11が形成されている。ガラス溝11には、パネル6の上端部6uが配置されている。樹脂上枠10Bは、金属上枠10Aの屋内側の面を覆うように、金属上枠10Aの屋内側の面の下側に配置されている。
【0014】
図1に示すように、下枠20は、幅方向に延びている。下枠20は、金属下枠20Aと、樹脂下枠20Bと、を有している。金属下枠20Aは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂下枠20Bは、樹脂材料で形成されている。
【0015】
金属下枠20Aの屋外側の上部には、上方に開口するガラス溝21が形成されている。ガラス溝21には、パネル6の下端部6dが配置されている。パネル6の下端部6dは、ガラス溝21の底面に配置されたセッティングブロック61に支持されている。樹脂下枠20Bは、金属下枠20Aの屋内側の面を覆うように、金属下枠20Aの屋内側の面の上側に配置されている。
【0016】
図4に示すように、縦枠30は、上下方向に延びている。縦枠30は、上枠10の幅方向の端部と下枠20の幅方向の端部とを連結している。縦枠30は、金属縦枠30Aと、樹脂縦枠30Bと、を有している。金属縦枠30Aは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂縦枠30Bは、樹脂材料で形成されている。
【0017】
金属縦枠30Aの屋外側には、幅方向の内側に開口するガラス溝31が形成されている。ガラス溝31には、パネル6の幅方向の端部6sが配置されている。樹脂縦枠30Bは、金属縦枠30Aの屋内側の幅方向の内側に配置されている。
【0018】
押縁40は、上下方向に延びている。押縁40は、金属押縁40Aと、樹脂押縁40Bと、を有している。金属押縁40Aは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂押縁40Bは、樹脂材料で形成されている。金属押縁40Aは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂押縁40Bは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0019】
金属押縁40Aは、金属縦枠30Aのガラス溝31の屋内側の面を覆うように、ガラス溝31の屋内側の面に配置されている。金属押縁40Aは、グレイジング材67を介してパネル6の幅方向の端部6sをガラス溝31に固定している。樹脂押縁40Bは、金属押縁40Aの屋内側、且つ幅方向の内側に配置されている。樹脂縦枠30Bと樹脂押縁40Bとで、金属縦枠30A及び金属押縁40Aの屋内側の面を覆っている。
【0020】
パネル6は、平板状に形成されている。パネル6は、屋外側ガラス62と屋内側ガラス63とが屋内外方向に間隔を有して配置された複層ガラスである。屋内側ガラス63は、耐火性を有するガラスである。パネル6は、四方枠状に形成された枠体1の内側に配置されている。パネル6は、単層ガラスであってもよい。パネル6は、板状部材であれば、ガラスパネル以外であってもよい。
【0021】
グレイジング材66は、枠体1のガラス溝11,21、31の屋外側の部分と、パネル6の屋外側を向く面6aとの間に、嵌め込まれている。グレイジング材66は、四方枠状に配置されている。
【0022】
グレイジング材67は、枠体1のガラス溝11,21、31の屋内側の部分、樹脂上枠10B、樹脂下枠20B、金属押縁40A及び樹脂押縁40Bと、パネル6の屋内側を向く面6bとの間に、嵌め込まれている。グレイジング材67は、四方枠状に配置されている。
【0023】
取付部材7は、
図1に示す上部取付部材71と、
図2に示す側部取付部材72と、を有している。上部取付部材71及び側部取付部材72は、金属材料で形成されている。上部取付部材71及び側部取付部材72を形成する金属材料の熱伝導率は、金属上枠10A及び金属押縁40Aを形成する金属材料の熱伝導率よりも低い。上部取付部材71及び側部取付部材72を形成する金属材料は、例えばスチール等である。
【0024】
図3を用いて上枠10及び上部取付部材71について詳細に説明する。
図3に示すように、樹脂上枠10Bは、第1上側板部111と、第2上側板部112と、第1縦板部113と、第2連結板部114と、を有している。
【0025】
第1上側板部111は、樹脂上枠10Bの下部に位置している。第1上側板部111は、水平方向に沿って配置され、幅方向に延びている。第1上側板部111は、板状に形成されている。第1上側板部111の板面は、上下方向を向いている。第1上側板部111の屋外側の端部は、グレイジング材67に当たって、接触している。
【0026】
第2上側板部112は、第1上側板部111の上方に配置されている。第2上側板部112は、水平方向に沿って配置され、幅方向に延びている。第2上側板部112は、板状に形成されている。第2上側板部112の板面は、上下方向を向いている。
【0027】
第1縦板部113は、第1上側板部111の屋内外方向の中間から上方に延びている。第1縦板部113は、第1上側板部111と第2上側板部112とを連結している。第1縦板部113は、板状に形成されている。第1縦板部113の板面は、屋内外方向を向いている。
【0028】
第2連結板部114は、第1上側板部111の屋内外方向の中間から上方に延びている。第2連結板部114は、第1縦板部113よりも屋内側に配置されている。第2連結板部114は、第1上側板部111と第2上側板部112とを連結している。第2連結板部114は、板状に形成されている。第2連結板部114の板面は、屋内外方向を向いている。
【0029】
第1上側板部111、第1縦板部113、第2上側板部112及び第2連結板部114によって、中空部S22が形成されている。中空部S22は、鉛直断面で、矩形をしている。中空部S22は、幅方向に連続して形成されている。上部取付部材71は、中空部S22に配置されている。上部取付部材71は、樹脂上枠10Bの長手方向となる幅方向の略全長に配置されている。一つの部材で構成された上部取付部材71が樹脂上枠10Bの長手方向の略全長に配置されていてもよいし、長手方向に複数の部材に分割された上部取付部材71が長手方向に並んで配置されていてもよい。複数の部材に分割されている場合には、隣り合う上部取付部材71どうしは隙間なく並んでいてもよいし、200mm程度の隙間を空けて並んでいてもよい。
【0030】
上部取付部材71は、固定部711と、延設部712と、を有している。固定部711は、板状に形成されている。固定部711の板面は、上下方向を向いている。固定部711は、第2上側板部112の下側に配置されている。延設部712は、固定部711の屋内外方向の両端部から下方に延びている。延設部712は、後述する螺子74がねじ込まれて第2上側板部112が近接する金属上枠10A側と反対側に延びている。延設部712は、板状に形成されている。延設部712の板面は、屋内外方向を向いている。
【0031】
金属上枠10Aは、上側板部116を有している。上側板部116は、板状に形成されている。上側板部116の板面は、上下方向を向いている。上側板部116は、第2上側板部112の上方に配置されている。第2上側板部112と上側板部116との間には、空間部S24が形成されている。空間部S24は、幅方向に連続して形成されている。空間部S24には、スペーサ73が配置されている。スペーサ73は、上枠10の長手方向となる幅方向の略全長に配置されている。スペーサ73は、後述する螺子74がねじ込まれる箇所のみに配置されていてもよい。
【0032】
スペーサ73は、第1スペーサ板部731と、第2スペーサ板部732と、を有している。第1スペーサ板部731は、板状に形成されている。第1スペーサ板部731の板面は、上下方向を向いている。第1スペーサ板部731は、第2上側板部112の上側に配置されている。第2スペーサ板部732は、第1スペーサ板部731の屋内外方向の両端部から上方に延びている。第2スペーサ板部732は、板状に形成されている。第2スペーサ板部732の板面は、屋内外方向を向いている。第2スペーサ板部732の上側の端部は、上側板部116に当たっている。第2スペーサ板部732の上側の端部は、上側板部116の下側に隙間を有して配置されていてもよい。
【0033】
樹脂上枠10Bの第2上側板部112は、金属上枠10Aの上側板部116と取付部材7の固定部711との間に配置されている。第2上側板部112は、特許請求の範囲の樹脂部材の少なくとも一部に対応する。
【0034】
螺子74は、上部取付部材71の固定部711の取付孔、第2上側板部112の取付孔及びスペーサ73の第1スペーサ板部731の取付孔に挿通されて、金属上枠10Aの116にねじ込まれている。上部取付部材71は、樹脂上枠10Bを金属上枠10A側である上方に押し付けるように固定している。螺子74によって、金属上枠10A、樹脂上枠10B及び取付部材7は接続されている。螺子74は、特許請求の範囲の接続部材に対応する。
【0035】
上枠10は、樹脂上枠10Bの第1上側板部111の上側に、中空部S21,S22を備えている。上枠10は、金属上枠10Aと樹脂上枠10Bとの間に、空間部S23,S24を備えている。中空部S21,S22及び空間部S23は、屋内外方向に屋内側からこの順で並んでいる。中空部S21,S22及び空間部S23は、樹脂上枠10Bの第1上側板部111の上側に、第1上側板部111に接して配置されている。中空部S21,S22及び空間部S23は、屋内側方向に重なって配置されている。中空部S21,S22は、鉛直断面で、矩形をしている。空間部S23,S24は、鉛直断面で、略矩形をしている。空間部S24は、中空部S22及び空間部S23の上側に配置されている。空間部S23,S24は、ガラス溝11の屋内側の壁部に沿って配置されている。空間部S24は、パネル6の上端部6uよりも上方の高さに配置されている。中空部S21,S22及び空間部S23,S24を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。FIX窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0036】
図4を用いて押縁40、縦枠30及び側部取付部材72について詳細に説明する。
図4に示すように、樹脂押縁40Bは、第1横板部411と、第2横板部412と、第1連結板部413と、第2連結板部414と、を有している。
【0037】
第1横板部411は、樹脂上枠10Bの幅方向の内側に位置している。第1横板部411は、屋内外方向に沿って配置され、上下方向に延びている。第1横板部411は、板状に形成されている。第1横板部411の板面は、幅方向を向いている。第1横板部411の屋外側の端部は、グレイジング材67に当たって、接触している。
【0038】
第2横板部412は、第1横板部411の幅方向の外側に配置されている。第2横板部412は、屋内外方向に沿って配置され、上下方向に延びている。第2横板部412は、板状に形成されている。第2横板部412の板面は、幅方向を向いている。
【0039】
第1連結板部413は、第1横板部411の屋内外方向の中間から幅方向の外側に延びている。第1連結板部413は、第1横板部411と第2横板部412とを連結している。第1連結板部413は、板状に形成されている。第1連結板部413の板面は、屋内外方向を向いている。
【0040】
第2連結板部414は、第1横板部411の屋内外方向の中間から幅方向の外側に延びている。第2連結板部414は、第1連結板部413よりも屋内側に配置されている。第2連結板部414は、第1横板部411と第2横板部412とを連結している。第2連結板部414は、板状に形成されている。第2連結板部414の板面は、屋内外方向を向いている。
【0041】
第1横板部411、第1連結板部413、第2横板部412及び第2連結板部414によって、中空部S42が形成されている。中空部S42は、水平断面で、矩形をしている。中空部S42は、上下方向に連続して形成されている。側部取付部材72は、中空部S42に配置されている。側部取付部材72は、樹脂押縁40Bの長手方向となる上下方向の略全長に配置されている。一つの部材で構成された側部取付部材72が樹脂押縁40Bの長手方向の略全長に配置されていてもよいし、長手方向に複数の部材に分割された側部取付部材72が長手方向に並んで配置されていてもよい。複数の部材に分割されている場合には、隣り合う側部取付部材72どうしは隙間なく並んでいてもよいし、200mm程度の隙間を空けて並んでいてもよい。
【0042】
側部取付部材72の構成は、上部取付部材71の固定部711の板面が幅方向を向く向きに配置した構成と略同一であり、同一の構成の箇所について同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0043】
上部取付部材71の固定部711は、第2横板部412の幅方向の内側に配置されている。延設部712は、固定部711の両端部から幅方向の内側に延びている。
【0044】
金属押縁40Aは、押縁板部416を有している。押縁板部416を有している。押縁板部416は、板状に形成されている。押縁板部416の板面は、幅方向を向いている。押縁板部416は、第2横板部412の幅方向の外側に配置されている。押縁板部416の屋外側には、金属縦枠30Aに係止さる係止部416aが設けられている。
【0045】
樹脂押縁40Bの第2横板部412は、金属押縁40Aと取付部材7の固定部711との間に配置されている。第2横板部412は、特許請求の範囲の樹脂部材の少なくとも一部に対応する。
【0046】
螺子75は、押縁板部416の取付孔及び第2横板部412の取付孔に挿通されて、側部取付部材72の固定部711にねじ込まれている。側部取付部材72は、樹脂押縁40Bを金属押縁40Aの押縁板部416側である幅方向の外側に押し付けるように固定している。螺子75によって、金属押縁40A、樹脂押縁40B及び取付部材7は接続されている。螺子75は、特許請求の範囲の接続部材に対応する。
【0047】
樹脂押縁40Bは、第1横板部411よりも幅方向の外側に、中空部S41,S42を備えている。押縁40は、金属押縁40Aと樹脂押縁40Bとの間に、空間部S43,S44を備えている。中空部S41、中空部S42、空間部S43及び空間部S44は、屋内外方向に屋内側からこの順で並んでいる。空間部S43は、空間部S44よりも幅方向に内側に配置されている。空間部S43,S44は、ガラス溝31の屋内側の壁部に沿って配置されている。中空部S41,S42は、水平断面で、矩形をしている。
【0048】
押縁40と縦枠30との間には、空間部S46が形成されている。空間部S46は、中空部S41,S42及び空間部S44よりも幅方向の外側、且つガラス溝31の屋内側に配置されている。
【0049】
樹脂縦枠30Bは、中空部S47,S48を備えている。中空部S47は、中空部S48よりも屋内側に配置されている。中空部S47は、空間部S46よりも屋内側に配置されている。縦枠30は、樹脂縦枠30Bと金属縦枠30Aとの間に、空間部S49を備えている。空間部S49は、中空部S48よりも幅方向の外側に配置されている。中空部S47,S48及び空間部S49は、水平断面で、矩形をしている。
【0050】
中空部S41,S42,S47,S48及び空間部S43,S44,S46,S49を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。FIX窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0051】
図1に示すように、樹脂下枠20Bは、下側板部211を有している。下側板部211は、樹脂下枠20Bの上部に位置している。屋外側板部216の屋外側の端部は、グレイジング材67に当たって、接触している。
【0052】
樹脂下枠20Bは、下側板部211の下側に、中空部S31,S32を備えている。金属下枠20Aは、中空部S33を備えている。下枠20は、金属下枠20Aと樹脂下枠20Bとの間に、空間部S34,S35,S36を備えている。中空部S31、中空部S32及び空間部S34、空間部S35は、屋内外方向に屋内側からこの順で並んでいる。中空部S31、中空部S32、空間部S35及び空間部S36は、下側板部211の下側に、下側板部211に接して配置されている。空間部S34は、中空部S32の下側に、上下方向に重なって配置されている。空間部S36は、空間部S35の屋外側、且つ上側に配置されている。中空部S33は、空間部S35の下側に配置され、空間部S35よりも屋外側に張り出すように形成されている。空間部S35,S36は、ガラス溝21の屋内側の壁部に沿って配置されている。中空部S33は、パネル6の下端部6dよりも下方の高さに配置されている。中空部S31,S32及び空間部S34は、鉛直断面で、矩形をしている。中空部S31,S32,S33及び空間部S34,S35,S36を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。FIX窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0053】
FIX窓100では、樹脂上枠10Bは、金属材料で形成された上部取付部材71によって、金属上枠10A側である上方に押し付けられている。樹脂押縁40Bは、金属材料で形成された側部取付部材72によって、金属押縁40A側である幅方向の外側に押し付けられている。火災時に、樹脂上枠10B及び樹脂押縁40Bが落下することが抑制されるため、局所的に可燃性ガスが発生することがなく、防火性能を向上させることができる。
【0054】
上部取付部材71の固定部711から延びる延設部712は、金属上枠10Aと反対側の下方に延びている。側部取付部材72の固定部711から延びる延設部712は、金属押縁40Aと反対側の幅方向の内側に延びている。螺子74で螺子止めされる際に、樹脂上枠10Bが金属上枠10A側に引き寄せられたとしても、延設部712が樹脂上枠10Bの第1上側板部111に当たってそれ以上引き寄せられなくなり、樹脂上枠10Bの変形を抑制することができる。同様に、螺子74で螺子止めされる際に、樹脂押縁40Bが金属押縁40A側に引き寄せられたとしても、延設部712が樹脂押縁40Bの第1横板部411に当たってそれ以上引き寄せられなくなり、樹脂押縁40Bの変形を抑制することができる。
【0055】
上部取付部材71及び側部取付部材72を形成する金属材料の熱伝導率は、金属上枠10A及び金属押縁40Aを形成する金属材料の熱伝導率よりも低い。火災時に、樹脂上枠10Bを金属上枠10Aに取り付けた状態、及び樹脂押縁40Bを金属押縁40Aに取り付けた状態を維持することができる。
【0056】
パネル6は屋内側ガラス63に耐火性を有するガラスが配置されたペアガラスであるため、優れた耐火性を発揮する。
【0057】
上部取付部材71は樹脂上枠10Bに形成された中空部S22に配置され、側部取付部材72は樹脂押縁40Bの中空部S42に配置されている。外側から取付部材7が見えず、外観が良好である。
【0058】
取付部材7は上枠10及び押縁40に設けられているため、上枠10及び押縁40の両方の落下を抑制することができる。
【0059】
取付部材7の板状をなす固定部711が樹脂上枠10Bの板状をなす第2上側板部112に面接触するように固定されている。樹脂押縁40Bが樹脂押縁40Bの板状をなす第2横板部412に面接触するように固定されている。火災発生時に、取付部材7は樹脂上枠10B及び樹脂押縁40Bを確実に保持して、樹脂上枠10B及び樹脂押縁40Bの落下をより一層抑制することができる。
【0060】
(第二実施形態)
第二実施形態に係る建具について、主に
図5及び
図6を用いて説明する。以下で説明する実施形態において、上記に示す実施形態に対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0061】
図5及び
図6に示すように、取付部材7Xは、平板部701を有している。平板部701は、樹脂上枠10Bの第2上側板部112の下側に配置されている。平板部701は、板状に形成されている。取付部材7Xの板面は、上下方向を向いている。平板部701は、樹脂上枠10Bの長手方向となる幅方向の略全長に配置されている。
【0062】
図6に示すように、取付部材7Xの幅方向の両端部には、固定部材76が設けられている。固定部材76は、支持板部761と、上下板部762と、固定板部763と、を有している。
【0063】
支持板部761は、板状に形成されている。支持板部761の板面は、上下方向を向いている。支持板部761の上面は、平板部701の幅方向の外側の端部の下面に当たっている。上下板部762は、支持板部761の幅方向の外側の端部から上方に延びている。上下板部762は、板状に形成されている。上下板部762の板面は、幅方向を向いている。固定板部763は、上下板部762の上端部から幅方向の外側に延びている。固定板部763は、板状に形成されている。固定板部763の板面は、上下方向を向いている。固定板部763は、金属上枠10Aの上側板部116の下側に配置されている。
【0064】
樹脂上枠10Bの第2上側板部112は、金属上枠10Aの上側板部116と取付部材7Xの平板部701との間に配置されている。
【0065】
螺子77は、固定板部763の取付孔に挿通されて、金属上枠10Aの上側板部116にねじ込まれている。取付部材7Xは、樹脂上枠10Bの第2上側板部112を金属上枠10A側である上方に押し付けるように固定している。固定部材76を金属上枠10Aに固定する螺子77及び取付部材7Xを支持する固定部材76によって、金属上枠10A、樹脂上枠10B及び取付部材7Xは接続されている。螺子77及び固定部材76は、特許請求の範囲の接続部材に対応する。
【0066】
FIX窓100Xでは、樹脂上枠10Bは、金属材料で形成された取付部材7Xによって、金属上枠10A側である上方に押し付けられている。火災時に、樹脂上枠10Bが落下することが抑制されるため、局所的に可燃性ガスが発生することがなく、防火性能を向上させることができる。
【0067】
(第三実施形態)
第三実施形態に係る建具について、主に
図7及び
図8を用いて説明する。
【0068】
図7及び
図8に示すように、取付部材7Yは、平板部702を有している。平板部702は、樹脂上枠10Bの第2上側板部112の下側に配置されている。平板部702は、板状に形成されている。取付部材7Yの板面は、上下方向を向いている。平板部702は、樹脂上枠10Bの長手方向となる幅方向の略全長に配置されている。
【0069】
図8に示すように、取付部材7Yの幅方向の両端部には、固定部材78が設けられている。固定部材78は、支持板部781と、固定板部782と、を有している。
【0070】
支持板部781は、板状に形成されている。支持板部781の板面は、上下方向を向いている。支持板部781の上面は、平板部702の幅方向の外側の端部の下面に当たっている。固定板部782は、支持板部781の幅方向の外側の端部から下方に延びている。固定板部782は、板状に形成されている。固定板部782の板面は、幅方向を向いている。固定板部782は、金属縦枠30Aの上下方向に延びる側板部301の幅方向の内側側に配置されている。
【0071】
樹脂上枠10Bの第2上側板部112は、金属上枠10Aの上側板部116と取付部材7Yの平板部702との間に配置されている。
【0072】
螺子79は、固定板部782の取付孔に挿通されて、金属縦枠30Aの側板部301にねじ込まれている。取付部材7Yは、樹脂上枠10Bの第2上側板部112を金属上枠10A側である上方に押し付けるように固定している。固定部材78を金属縦枠30Aに固定する螺子79及び取付部材7Yを支持する固定部材78によって、金属上枠10A、樹脂上枠10B及び取付部材7Yは接続されている。螺子79及び固定部材78は、特許請求の範囲の接続部材に対応する。
【0073】
FIX窓100Yでは、樹脂上枠10Bは、金属材料で形成された取付部材7Yによって、金属上枠10A側である上方に押し付けられている。火災時に、樹脂上枠10Bが落下することが抑制されるため、局所的に可燃性ガスが発生することがなく、防火性能を向上させることができる。
【0074】
(第四実施形態)
第四実施形態に係る建具について、主に
図9~
図13を用いて説明する。
【0075】
建物の開口部に設けられる建具の一例として、縦すべり出し窓を用いて説明する。
図9及び
図10に示すように、縦すべり出し窓100Zは、枠体1Zと、障子5と、グレイジング材66,67と、取付部材7Zと、を備えている。縦すべり出し窓100Zは、特許請求の範囲の建具に対応する。
【0076】
枠体1Zは、四方枠状をしている。枠体1Zは、
図9に示す上枠10Zと、下枠20Zと、
図10に示す縦枠30Zと、を有している。各枠10Z,20Z,30Zは、金属枠と樹脂枠とが連結されて構成されている。枠体1Zは、特許請求の範囲のパネル支持体に対応する。
【0077】
図11に示すように、上枠10Zは、幅方向に延びている。上枠10Zは、金属上枠10Cと、樹脂上枠10Dと、を有している。金属上枠10Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂上枠10Dは、樹脂材料で形成されている。樹脂上枠10Dは、金属上枠10Cの屋内側の面を覆うように、金属上枠10Cの屋内側の面の下側に配置されている。金属上枠10Cは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂上枠10Dは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0078】
図9に示すように、下枠20Zは、幅方向に延びている。下枠20Zは、金属下枠20Cと、樹脂下枠20Dと、を有している。金属下枠20Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂下枠20Dは、樹脂材料で形成されている。樹脂下枠20Dは、金属下枠20Cの屋内側の面を覆うように、金属下枠20Cの屋内側の面の上側に配置されている。
【0079】
図12及び
図13に示すように、縦枠30Zは、上下方向に延びている。縦枠30Zは、上枠10Zの幅方向の端部と下枠20Zの幅方向の端部とを連結している。縦枠30Zは、金属縦枠30Cと、樹脂縦枠30Dと、を有している。金属縦枠30Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂縦枠30Dは、樹脂材料で形成されている。樹脂縦枠30Dは、金属縦枠30Cの屋内側の面を覆うように、金属縦枠30Cの屋内側の面に配置されている。金属縦枠30Cは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂縦枠30Dは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0080】
図9及び
図10に示すように、障子5は、框体50と、パネル6と、を有している。框体50は、
図9に示す上框51と、下框52と、
図10に示す縦框53と、を有している。各框51,52,53は、金属框と樹脂框とが連結されて構成されている。框体50は、特許請求の範囲のパネル支持体に対応する。
【0081】
図11に示すように、上框51は、幅方向に延びている。上框51は、金属上框51Cと、樹脂上框51Dと、を有している。金属上框51Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂上框51Dは、樹脂材料で形成されている。上框51の屋外側の下部には、下方に開口するガラス溝11が形成されている。ガラス溝11には、パネル6の上端部6uが配置されている。樹脂上框51Dは、金属上框51Cの屋内側の面を覆うように、金属上框51Cの屋内側の面の下側に配置されている。金属上框51Cは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂上框51Dは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0082】
図9に示すように、下框52は、幅方向に延びている。下框52は、金属下框52Cと、樹脂下框52Dと、を有している。金属下框52Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂下框52Dは、樹脂材料で形成されている。下框52の屋外側の上部には、上方に開口するガラス溝21が形成されている。ガラス溝21には、パネル6の下端部6dが配置されている。パネル6の下端部6dは、ガラス溝21の底面に配置されたセッティングブロック61に支持されている。樹脂下框52Dは、金属下框52Cの屋内側の面を覆うように、金属下框52Cの屋内側の面の上側に配置されている。
【0083】
図12及び
図13に示すように、縦框53は、上下方向に延びている。縦框53は、金属縦框53Cと、樹脂縦框53Dと、を有している。金属縦框53Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂縦框53Dは、樹脂材料で形成されている。縦框53の屋外側には、幅方向の内側に開口するガラス溝31が形成されている。ガラス溝31には、パネル6の幅方向の端部6sが配置されている。樹脂縦框53Dは、金属縦框53Cの屋内側の面を覆うように、金属縦框53Cの屋内側の面に配置されている。金属縦框53Cは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂縦框53Dは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0084】
グレイジング材66は、框体50のガラス溝11,21、31の屋外側の部分とパネル6の屋外側を向く面6aとの間に、嵌め込まれている。グレイジング材66は、四方枠状に配置されている。
【0085】
グレイジング材67は、50のガラス溝11,21、31の屋内側の部分、樹脂上框51D、樹脂下框52D、金属縦框53C及び樹脂縦框53Dとパネル6の屋内側を向く面6bとの間に、嵌め込まれている。グレイジング材67は、四方枠状に配置されている。
【0086】
取付部材7Zは、
図9に示す上枠取付部材81と、上框取付部材82と、
図10に示す縦枠取付部材83と、縦框取付部材84,85と、を有している。上枠取付部材81、上框取付部材82、縦枠取付部材83及び縦框取付部材84は、金属材料で形成されている。上枠取付部材81、上框取付部材82、縦枠取付部材83及び縦框取付部材84を形成する金属材料の熱伝導率は、樹脂上枠10D、樹脂上框51D、樹脂縦枠30D及び樹脂縦框53Dを形成する金属材料の熱伝導率よりも低い。上枠取付部材81、上框取付部材82、縦枠取付部材83及び縦框取付部材84を形成する金属材料は、例えばスチールである。
【0087】
図11を用いて上枠10Z、上框51、上枠取付部材81及び上框取付部材82について詳細に説明する。
図11に示すように、樹脂上枠10Dは、第1上下板部121を有している。金属上枠10Cは、第2上下板部122を有している。第1上下板部121及び第2上下板部122は、板状に形成されている。第1上下板部121の板面及び第2上下板部122の板面は、屋内外方向を向いている。第1上下板部121及び第2上下板部122は、幅方向に延びている。第1上下板部121と第2上下板部122とは、屋内外方向に間隔を有して配置されている。第1上下板部121の屋内側には、第1上下板部121に面して中空部S101が形成されている。第1上下板部121と第2上下板部122との間には、空間部S106が形成されている。
【0088】
上枠取付部材81は、中空部S101に配置されている。上枠取付部材81は、固定部811と、延設部812と、対向壁部813と、を有している。固定部811は、板状に形成されている。固定部811の板面は、屋内外方向を向いている。固定部811は、第1上下板部121の屋内側に配置されている。延設部812は、固定部811の下端部から屋内側に延びている。延設部812は、後述する螺子87がねじ込まれて第1上下板部121が近接する金属上枠10C側と反対側に延びている。延設部812は、板状に形成されている。延設部812の板面は、上下方向を向いている。対向壁部813は、延設部812の屋内側の端部から上方に延びている。対向壁部813は、板状に形成されている。対向壁部813の板面は、屋内外方向を向いている。対向壁部813は、固定部811の屋内側に固定部811と対向して配置されている。
【0089】
スペーサ86は、空間部S106に配置されている。スペーサ86は、第1上下板部121と第2上下板部122との間に配置されている。スペーサ86は、金属材料で形成されている。
【0090】
樹脂上枠10Dの第1上下板部121は、金属上枠10Cの第2上下板部122と上枠取付部材81の固定部811との間に配置されている。第1上下板部121は、特許請求の範囲の樹脂部材の少なくとも一部に対応する。
【0091】
螺子87は、金属上枠10Cの第2上下板部122の取付孔、スペーサ86の取付孔及び樹脂上枠10Dの第1上下板部121の取付孔に挿通されて、上枠取付部材81の固定部811にねじ込まれている。上枠取付部材81は、樹脂上枠10Dを金属上枠10C側である屋外側に押し付けるように固定している。螺子87によって、金属上枠10C、樹脂上枠10D及び上枠取付部材81は接続されている。螺子87は、特許請求の範囲の接続部材に対応する。
【0092】
樹脂上框51Dは、第1屋内板部512を有している。金属上框51Cは、第2屋内板部513を有している。第1屋内板部512及び第2屋内板部513は、板状に形成されている。第1屋内板部512の板面及び第2屋内板部513の板面は、上下方向を向いている。第1屋内板部512及び第2屋内板部513は、幅方向に延びている。第1屋内板部512と第2屋内板部513とは、上下方向に間隔を有して配置されている。第1屋内板部512の下側には、第1屋内板部512に面して中空部S113が形成されている。第1屋内板部512と第2屋内板部513との間には、空間部S115が形成されている。
【0093】
上框取付部材82は、中空部S113に配置されている。上框取付部材82は、固定部816と、延設部817と、対向壁部818と、を有している。固定部816は、板状に形成されている。固定部816の板面は、上下方向を向いている。固定部816は、第1屋内板部512の下側に配置されている。延設部817は、固定部816の屋内側の端部から下方に延びている。延設部817は、後述する螺子89がねじ込まれて第1屋内板部512が近接する金属上框51C側と反対側に延びている。延設部817は、板状に形成されている。延設部817の板面は、屋内側方向を向いている。対向壁部818は、延設部817の下端部から屋外側に延びている。対向壁部818は、板状に形成されている。対向壁部818の板面は、上下方向を向いている。対向壁部818は、固定部816の下方に固定部816と対向して配置されている。
【0094】
スペーサ88は、空間部S115に配置されている。スペーサ88は、第1屋内板部512と第2屋内板部513との間に配置されている。スペーサ88は、金属材料で形成されている。
【0095】
樹脂上框51Dの第1屋内板部512は、金属上框51Cの第2屋内板部513と上框取付部材82の固定部816との間に配置されている。第1屋内板部512は、特許請求の範囲の樹脂部材の少なくとも一部に対応する。
【0096】
螺子89は、金属上框51Cの第2屋内板部513の取付孔、スペーサ88の取付孔及び樹脂上框51Dの第1屋内板部512の取付孔に挿通されて、上框取付部材82の固定部816にねじ込まれている。上框取付部材82は、樹脂上框51Dを金属上框51C側である上方に押し付けるように固定している。螺子89によって、金属上框51C、樹脂上框51D及び上框取付部材82は接続されている。螺子89は、特許請求の範囲の接続部材に対応する。
【0097】
樹脂上枠10Dは、中空部S101,S102,S103を備えている。中空部S101は、中空部S102の下側に配置されている。中空部S103は、中空部S102の屋内側に配置されている。上枠10Zは、金属上枠10Cと樹脂上枠10Dとの間に、空間部S106,S107を備えている。空間部S106は、鉛直断面で、上方に向かうにしたがって次第に屋内側に向かう形状をしている。空間部S107は、中空部S102の上部の屋内側に配置されている。
【0098】
樹脂上框51Dは、下側に位置する上側板部511の上側に、中空部S111,S112,S113を備えている。中空部S111,S112,S113は、屋内外方向に屋内側からこの順で並んでいる。上框51は、金属上框51Cと樹脂上框51Dとの間に、空間部S114,S115を備えている。空間部S115は、空間部S114よりも上方に配置されている。金属上框51Cは、中空部S121、空間部S122,S123を備えている。中空部S121は、ガラス溝11の上側の壁部に沿って配置されている。空間部S122,S123は、空間部S115167の上側に配置されている。空間部S122,S123は、屋内外方向に屋外側からこの順で並んでいる。
【0099】
中空部S101,S102,S103,S111,S112,S113,S121及び空間部S106,S107,S114,S115,S122,S123を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。縦すべり出し窓100Zの屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0100】
図12及び
図13を用いて縦枠30Z、縦框53と縦枠取付部材83及び縦框取付部材84について詳細に説明する。縦枠30Z、縦框53と縦枠取付部材83及び縦框取付部材84の構成について、それぞれ上枠10Z、上框51、上枠取付部材81及び上框取付部材82を90°回転させた構成と略同一なものについては、同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
図12に示す屋内側から見て右側の縦枠30Zでは、樹脂縦枠30Dは、第1幅板部311を有している。金属縦枠30Cは、第2幅板部312を有している。第1幅板部311及び第2幅板部312は、板状に形成されている。第1幅板部311の板面及び第2幅板部312の板面は、屋内外方向を向いている。第1幅板部311及び第2幅板部312は、上下方向に延びている。第1幅板部311と第2幅板部312とは、屋内外方向に間隔を有して配置されている。第1幅板部311の屋内側には、第1幅板部311に面して中空部S153が形成されている。第1幅板部311と第2幅板部312との間には、中空部S153が形成されている。
【0101】
縦枠取付部材83は、中空部S153に配置されている。縦枠取付部材83は、固定部831と、延設部832と、を有している。固定部831は、板状に形成されている。固定部831の板面は、屋内外方向を向いている。固定部831は、第1幅板部311の屋内側に配置されている。延設部832は、固定部831の幅方向の両端部から屋内側に延びている。延設部832は、後述する螺子91がねじ込まれて第1幅板部311が近接する金属縦枠30C側と反対側に延びている。延設部832は、板状に形成されている。延設部832の板面は、幅方向を向いている。
【0102】
スペーサ90は、空間部S158に配置されている。スペーサ90は、第1幅板部311と第2幅板部312との間に配置されている。スペーサ90は、金属材料で形成されている。
【0103】
樹脂縦枠30Dの第1幅板部311は、金属縦枠30Cの第2幅板部312と縦枠取付部材83の固定部831との間に配置されている。第1幅板部311は、特許請求の範囲の樹脂部材の少なくとも一部に対応する。
【0104】
螺子91は、金属縦枠30Cの第2幅板部312の取付孔、スペーサ90の取付孔及び樹脂縦枠30Dの第1幅板部311の取付孔に挿通されて、縦枠取付部材83の固定部831にねじ込まれている。縦枠取付部材83は、樹脂縦枠30Dを金属縦枠30C側である屋外側に押し付けるように固定している。螺子91によって、金属縦枠30C、樹脂縦枠30D及び縦枠取付部材83は接続されている。螺子91は、特許請求の範囲の接続部材に対応する。
【0105】
樹脂縦框53Dは、第1屋内外板部531を有している。金属縦框53Cは、第2屋内外板部532を有している。第1屋内外板部531及び第2屋内外板部532は、板状に形成されている。第1屋内外板部531の板面及び第2屋内外板部532の板面は、幅方向を向いている。第1屋内外板部531及び第2屋内外板部532は、上下方向に延びている。第2屋内外板部532は、第1屋内外板部531の方向の外側に隣り合って配置されている。第1屋内外板部531の幅方向の内側には、第1屋内外板部531に面して中空部S113が形成されている。
【0106】
縦框取付部材84は、中空部S113に配置されている。縦框取付部材84は、固定部841と、延設部842と、対向壁部843と、を有している。固定部841は、板状に形成されている。固定部841の板面は、幅方向を向いている。固定部841は、第1屋内外板部531の幅方向の内側に配置されている。延設部842は、固定部841の屋内側の端部から幅方向の内側に延びている。延設部842は、後述する螺子92がねじ込まれて第1屋内外板部531が近接する金属縦框53C側と反対側に延びている。延設部842は、板状に形成されている。延設部842の板面は、屋内側方向を向いている。対向壁部843は、延設部842の幅方向の内側の端部から屋外側に延びている。対向壁部843は、板状に形成されている。対向壁部843の板面は、幅方向を向いている。対向壁部843は、固定部841の幅方向の内側に固定部841と対向して配置されている。
【0107】
樹脂縦框53Dの第1屋内外板部531は、金属縦框53Cの第2屋内外板部532と縦框取付部材84の固定部841との間に配置されている。第1屋内外板部531は、特許請求の範囲の樹脂部材の少なくとも一部に対応する。
【0108】
螺子92は、金属縦框53Cの第2屋内外板部532の取付孔及び樹脂縦框53Dの第1屋内外板部531の取付孔に挿通されて、縦框取付部材84の固定部841にねじ込まれている。縦框取付部材84は、樹脂縦框53Dを金属縦框53C側である幅方向の外側に押し付けるように固定している。螺子92によって、金属縦框53C、樹脂縦框53D及び縦框取付部材84は接続されている。螺子92は、特許請求の範囲の接続部材に対応する。
【0109】
図13に示す屋内側から見て左側の縦枠30Zでは、中空部S113には、縦框取付部材85が配置されている。縦框取付部材85は、固定部851と、延設部852と、を有している。固定部851は、板状に形成されている。固定部851の板面は、幅方向を向いている。固定部851は、第1屋内外板部531の幅方向の内側に配置されている。延設部852は、固定部851の屋内外方向の両端部から幅方向の内側に延びている。延設部852は、螺子92がねじ込まれて第1屋内外板部531が近接する金属縦枠30C側と反対側に延びている。延設部852は、板状に形成されている。延設部852の板面は、屋内外方向を向いている。
【0110】
螺子92は、金属縦框53Cの第2屋内外板部532の取付孔及び樹脂縦框53Dの第1屋内外板部531の取付孔に挿通されて、縦框取付部材85の固定部851にねじ込まれている。縦框取付部材85は、樹脂縦框53Dを金属縦框53C側である幅方向の外側に押し付けるように固定している。
【0111】
金属縦框53Cは、中空部S141及び空間部S142を有している。中空部S141及び空間部S142は、ガラス溝31よりも屋内側に配置されている。空間部S142は、中空部S141の幅方向の外側に配置されている。縦框53は、金属縦框53Cと樹脂縦框53Dとの間に、空間部S143,S144,S145が形成されている。空間部S143は、中空部S113の幅方向の外側に配置されている。空間部S144は、空間部S142の屋内側に配置されている。空間部S145は、空間部S144の幅方向の内側に配置されている。
【0112】
金属縦枠30Cは、中空部S151,S152を備えている。中空部S151は、中空部S152よりも屋内側に配置されている。樹脂縦枠30Dは、中空部S153,S154を備えている。中空部S153は、中空部S102の幅方向の内側に配置されている。中空部S154は、中空部S153の幅方向の内側に配置されている。金属縦枠30Cと樹脂縦枠30Dとの間には、空間部S156,S157,S158,S159が形成されている。空間部S156,S157,S158,S159は、この順で幅方向の外側から内側に向かって配置されている。縦枠30Zと縦框53との間には、空間部S160が形成されている。
【0113】
中空部S141,S151,S152,S153,S154及び空間部S142,S143,S144,S145,S156,S157,S158,S159,S160を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。縦すべり出し窓100Zの屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0114】
パネルを支持するパネル支持体では、ガラスを挟んで内外の温度差等に起因して結露をする可能性がある。縦すべり出し窓100Zでは、框体50の樹脂縦框53Dの下面511d、樹脂下框52Dの上面521u及び樹脂縦框53Dの面531aには、状況に応じて、取付部材7Zを固定して、防露性を向上させることができる。
【0115】
下枠20Z及び下框52の構成について、それぞれ上枠10Z及び上框51を上下方向に反転させた構成と略同一なものについては、同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
図9に示すように、金属下枠20Cは、中空部S131を備えている。下枠20Xは、金属下枠20Cと樹脂下枠20Dとの間に、空間部S132,S133を備えている。空間部S132は、中空部S131の上側に配置されている。空間部S133は、空間部S132の屋内側に配置されている。
【0116】
中空部S111,S112,S113,S121,S131及び空間部S114,S115,S122,S123,S132,S133を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。縦すべり出し窓100Zの屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0117】
縦すべり出し窓100Zでは、樹脂上枠10Bは、金属材料で形成された上枠取付部材81によって、金属上枠10A側である屋外側に押し付けられている。樹脂上框51Dは、金属材料で形成された上框取付部材82によって、金属上框51C側である上方に押し付けられている。樹脂縦枠30Bは、金属材料で形成された縦枠取付部材83によって、金属縦枠30C側である屋外側に押し付けられている。樹脂縦框53Dは、金属材料で形成された縦框取付部材84,85によって、金属縦框53C側である幅方向の外側に押し付けられている。火災時に、樹脂上枠10B、樹脂上框51D、樹脂縦枠30B及び樹脂縦框53Dが落下することが抑制されるため、局所的に可燃性ガスが発生することがなく、防火性能を向上させることができる。
【0118】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0119】
FIX窓100及び縦すべり出し窓100Zを例に挙げて説明したが、適用する建具はこれに限られない。引違い窓の框や枠等にも適用可能である。
【0120】
第一実施形態で、取付部材7は延設部712を有しているが、これに限られない。取付部材7は、固定部711を有していて、延設部712を有していない構成であってもよい。
【0121】
第一実施形態で、上部取付部材71及び側部取付部材72を形成する金属材料の熱伝導率は、金属上枠10A及び金属押縁40Aを形成する金属材料の熱伝導率よりも低いが、これに限られない。上部取付部材71及び側部取付部材72を形成する金属材料の熱伝導率は、金属上枠10A及び金属押縁40Aを形成する金属材料の熱伝導率と同等またはそれより高くてもよい。
【0122】
第一実施形態で、上部取付部材71は樹脂上枠10Bに形成された中空部S22に配置され、側部取付部材72は樹脂押縁40Bの中空部S42に配置されているが、これに限られない。上部取付部材71は樹脂上枠10Bの下側に配置されていたり、側部取付部材72が樹脂押縁40Bの幅方向の内側に配置されていてもよい。
【0123】
第一実施形態で、取付部材7は上枠10及び押縁40に設けられているが、これに限られない。取付部材7は上枠10及び押縁40の少なくとも一方にのみ設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0124】
1,1Z 枠体(パネル支持体)、6 パネル、7,7X,7Y,7Z 取付部材、10A,10C 金属上枠(金属部材)、10B,10D 樹脂上枠(樹脂部材)、30C 金属縦枠(金属部材)、40A 金属押縁40A(金属部材)、40B 樹脂押縁(樹脂部材)、50 框体(パネル支持体)、51C 金属上框(金属部材)、51D 樹脂上框(樹脂部材)、52C 金属下框(金属部材)、52D 樹脂下框(樹脂部材)、53C 金属縦框(金属部材)、53D 樹脂縦框(樹脂部材)、67 グレイジング材、71 上部取付部材(取付部材)、72 側部取付部材(取付部材)、76,78 固定部材(接続部材)、74,75,77,79,87,89,91,92 螺子(接続部材)、81 上枠取付部材(取付部材)、82 上框取付部材(取付部材)、83 縦枠取付部材(取付部材)、84 縦框取付部材(取付部材)、100 FIX窓(建具)、100Z 縦すべり出し窓(建具)、112 第2上側板部(樹脂部材の少なくとも一部)、121 第1上下板部(樹脂部材の少なくとも一部)、311 第1幅板部(樹脂部材の少なくとも一部)、412 第2横板部(樹脂部材の少なくとも一部)、512 第1屋内板部(樹脂部材の少なくとも一部)、531 第1屋内外板部(樹脂部材の少なくとも一部)、711,811 固定部、712,812 延設部