(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110169
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】蓄電素子
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240807BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20240807BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20240807BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20240807BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20240807BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240807BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240807BHJP
H01M 50/474 20210101ALI20240807BHJP
H01G 9/048 20060101ALI20240807BHJP
H01G 11/26 20130101ALI20240807BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20240807BHJP
H01M 6/10 20060101ALN20240807BHJP
H01M 6/16 20060101ALN20240807BHJP
【ＦＩ】
H01M10/04 W
H01M10/052
H01M10/0587
H01M50/531
H01M50/548 101
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/474
H01G9/048 C
H01G11/26
H01G11/78
H01M6/10 Z
H01M6/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023014581
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社ＧＳユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 義人
【テーマコード（参考）】
5E078
5H011
5H021
5H024
5H028
5H029
5H043
【Ｆターム（参考）】
5E078AB13
5E078BA18
5E078BA27
5E078CA06
5E078FA02
5E078FA12
5E078FA13
5E078HA04
5H011AA09
5H021AA02
5H021CC09
5H021HH10
5H024AA12
5H024CC02
5H024CC07
5H024CC12
5H024DD01
5H024DD11
5H024HH15
5H028AA07
5H028BB07
5H028CC05
5H028CC08
5H028CC13
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL12
5H029BJ02
5H029BJ14
5H029CJ07
5H029DJ02
5H029DJ05
5H029HJ12
5H043AA19
5H043BA01
5H043BA11
5H043BA17
5H043CA04
5H043CA12
5H043DA08
5H043EA36
5H043JA01E
5H043LA22D
5H043LA22E
(57)【要約】 （修正有）
【課題】容器内への電極体の収容を容易にできる蓄電素子を提供する。
【解決手段】蓄電素子１０は、極板が巻回された電極体７００と、電極体の巻回軸方向に沿って延びる絶縁体と、電極体及び絶縁体を収容する扁平な容器１００と、を備え、絶縁体における巻回軸方向の一端部には第一導電部材６２０が取り付けられ、絶縁体における巻回軸方向の他端部には第二導電部材６３０が取り付けられている。
【選択図】図２
【解決手段】蓄電素子１０は、極板が巻回された電極体７００と、電極体の巻回軸方向に沿って延びる絶縁体と、電極体及び絶縁体を収容する扁平な容器１００と、を備え、絶縁体における巻回軸方向の一端部には第一導電部材６２０が取り付けられ、絶縁体における巻回軸方向の他端部には第二導電部材６３０が取り付けられている。
【選択図】図２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極板が巻回された電極体と、
前記電極体の巻回軸方向に沿って延びる絶縁体と、
前記電極体及び前記絶縁体を収容する扁平な容器と、を備え、
前記絶縁体における前記巻回軸方向の一端部には第一導電部材が取り付けられている
蓄電素子。
前記電極体の巻回軸方向に沿って延びる絶縁体と、
前記電極体及び前記絶縁体を収容する扁平な容器と、を備え、
前記絶縁体における前記巻回軸方向の一端部には第一導電部材が取り付けられている
蓄電素子。
【請求項2】
前記絶縁体における前記巻回軸方向の他端部には第二導電部材が取り付けられている
請求項１に記載の蓄電素子。
請求項１に記載の蓄電素子。
【請求項3】
前記第一導電部材は前記電極体における前記巻回軸方向の一端部に接合されていて、
前記第二導電部材は前記電極体における前記巻回軸方向の他端部に接合されている
請求項２に記載の蓄電素子。
前記第二導電部材は前記電極体における前記巻回軸方向の他端部に接合されている
請求項２に記載の蓄電素子。
【請求項4】
前記容器における前記巻回軸方向の両端部に設置された一対の端子を備え、
前記第一導電部材には、前記巻回軸方向に突出し、前記一対の端子のうち一方の端子に接合される第一接合部が設けられており、
前記第二導電部材には、前記巻回軸方向に突出し、前記一対の端子のうち他方の端子に接合される第二接合部が設けられている
請求項３に記載の蓄電素子。
前記第一導電部材には、前記巻回軸方向に突出し、前記一対の端子のうち一方の端子に接合される第一接合部が設けられており、
前記第二導電部材には、前記巻回軸方向に突出し、前記一対の端子のうち他方の端子に接合される第二接合部が設けられている
請求項３に記載の蓄電素子。
【請求項5】
前記容器は、前記巻回軸方向に長尺な形状形成されており、
前記容器は、前記巻回軸方向における両端部が開放された容器本体と、前記容器本体の両端部における開放部を閉塞する容器蓋体とを有する
請求項１～４のいずれか一項に記載の蓄電素子。
前記容器は、前記巻回軸方向における両端部が開放された容器本体と、前記容器本体の両端部における開放部を閉塞する容器蓋体とを有する
請求項１～４のいずれか一項に記載の蓄電素子。
【請求項6】
前記絶縁体は、前記電極体と隣り合う位置に配置されている
請求項１～４のいずれか一項に記載の蓄電素子。
請求項１～４のいずれか一項に記載の蓄電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筒型の電池缶に電極群を収容した二次電池が知られている（例えば特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０１３－１６１５５５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池缶に電極群を挿入する際においては、電極群が変形する場合があり、この場合、電池缶内に電極群を挿入しにくくなる。
【0005】
このため、本発明は、容器内への電極体の収容を容易にできる蓄電素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蓄電素子は、極板が巻回された電極体と、前記電極体の巻回軸方向に沿って延びる絶縁体と、前記電極体及び前記絶縁体を収容する扁平な容器と、を備え、前記絶縁体における前記巻回軸方向の一端部には第一導電部材が取り付けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る蓄電素子によれば、容器内への電極体の収容を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
（１）発明の一態様に係る蓄電素子は、極板が巻回された電極体と、前記電極体の巻回軸方向に沿って延びる絶縁体と、前記電極体及び前記絶縁体を収容する扁平な容器と、を備え、前記絶縁体における前記巻回軸方向の一端部には第一導電部材が取り付けられている。
【0010】
これによれば、絶縁体において巻回軸方向の一端部に第一導電部材が取り付けられているので、絶縁体を補強できる。このような絶縁体が電極体の巻回軸方向に沿って配置されているので、電極体の変形を抑制できる。これにより容器への電極体の収容を容易にできる。
【0011】
（２）上記（１）に記載の蓄電素子において、前記絶縁体における前記巻回軸方向の他端部には第二導電部材が取り付けられている、としてもよい。
【0012】
これによれば、絶縁体において巻回軸方向の他端部に第二導電部材が取り付けられているので、絶縁体をさらに補強できる。このような絶縁体が電極体の巻回軸方向に沿って配置されているので、電極体の変形をより抑制できる。これにより、容器への電極体の収容をより容易にできる。
【0013】
（３）上記（２）に記載の蓄電素子において、前記第一導電部材は前記電極体における前記巻回軸方向の一端部に接合されていて、前記第二導電部材は前記電極体における前記巻回軸方向の他端部に接合されている、としてもよい。
【0014】
これによれば、第一導電部材が電極体の一端部に接合されていて、第二導電部材が電極体の他端部に接合されているので、第一導電部材及び第二導電部材を介して電極体と絶縁体との位置ずれを抑制できる。
【0015】
（４）上記（３）に記載の蓄電素子において、前記容器における前記巻回軸方向の両端部に設置された一対の端子を備え、前記第一導電部材には、前記巻回軸方向に突出し、前記一対の端子のうち一方の端子に接合される第一接合部が設けられており、前記第二導電部材には、前記巻回軸方向に突出し、前記一対の端子のうち他方の端子に接合される第二接合部が設けられている、としてもよい。
【0016】
これによれば、第一導電部材の第一接合部が巻回軸方向に突出して一方の端子に接合され、第二導電部材の第二接合部が巻回軸方向に突出して他方の端子に接合された構造である。このため、第一接合部及び第二接合部に各端子を容易に接合することができる。これにより、蓄電素子の製造性を高めることが可能である。
【0017】
（５）上記（１）から（４）のいずれかひとつに記載の蓄電素子において、前記容器は、前記巻回軸方向に長尺な形状に形成されており、前記容器は、前記巻回軸方向における両端部が開放された容器本体と、前記容器本体の両端部における開放部を閉塞する容器蓋体とを有する、としてもよい。
【0018】
これによれば、電極体の巻回軸方向に沿うように絶縁体が設けられているので、巻回軸方向に交差する方向に電極体が撓むことを抑制できる。この状態で、容器本体に電極体及び絶縁体を挿入すれば、スムーズに電極体を容器本体内に挿入することができる。
【0019】
（６）上記（１）から（５）のいずれかひとつに記載の蓄電素子において、前記絶縁体は、前記電極体と隣り合う位置に配置されている、としてもよい。
【0020】
これによれば、電極体と隣り合う位置に絶縁体が配置されているので、巻回された電極体内に絶縁体を配置しなくてもよい。つまり、電極体の巻回時に絶縁体を巻き込んだり、巻回後の電極体内に絶縁体を挿入しなくてもよいので、絶縁体を容易に電極体の巻回軸に沿わせて配置できる。
【0021】
（実施の形態）
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態（その変形例も含む）に係る蓄電素子について説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。本実施の形態の各構成部材（各構成要素）の名称は、本実施の形態におけるものであり、背景技術における各構成部材（各構成要素）の名称と異なる場合がある。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態（その変形例も含む）に係る蓄電素子について説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。本実施の形態の各構成部材（各構成要素）の名称は、本実施の形態におけるものであり、背景技術における各構成部材（各構成要素）の名称と異なる場合がある。
【0022】
以下の説明及び図面中において、電極体の巻回軸に沿う方向、電極体の延びる方向、または、容器の一対の短側面の対向方向をＸ軸方向と定義する。Ｘ軸方向は巻回軸方向の一例である。容器に備わる容器本体と容器蓋体との並び方向、または、容器の厚み方向をＹ軸方向と定義する。容器の上面と下面との並び方向、または、上下方向をＺ軸方向と定義する。これらＸ軸方向、Ｙ軸方向及びＺ軸方向は、互いに交差（本実施の形態では直交）する方向である。使用態様によってはＺ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Ｚ軸方向を上下方向として説明する。
【0023】
以下の説明において、Ｘ軸プラス方向とは、Ｘ軸の矢印方向を示し、Ｘ軸マイナス方向とは、Ｘ軸プラス方向とは反対方向を示す。Ｙ軸方向及びＺ軸方向についても同様である。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、２つの方向が直交している、とは、当該２つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数％程度の差異を含むことも意味する。以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。
【0024】
［蓄電素子の全般的な説明］
まず、図１及び図２を用いて、本実施の形態における蓄電素子１０の全般的な説明を行う。図１は、実施の形態に係る蓄電素子１０の外観を示す斜視図である。図２は、実施の形態に係る蓄電素子１０を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
まず、図１及び図２を用いて、本実施の形態における蓄電素子１０の全般的な説明を行う。図１は、実施の形態に係る蓄電素子１０の外観を示す斜視図である。図２は、実施の形態に係る蓄電素子１０を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
【0025】
蓄電素子１０は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電できる蓄電素子であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。蓄電素子１０は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用されるバッテリである。具体的には、蓄電素子１０は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、無人搬送車（ＡＧＶ：Automatic Guided Vehicle）、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車（ＥＶ）、ハイブリッド電気自動車（ＨＥＶ）、プラグインハイブリッド電気自動車（ＰＨＥＶ）、及び、化石燃料（ガソリン、軽油、液化天然ガス等）自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電素子１０は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いてもよい。
【0026】
蓄電素子１０は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子１０は、二次電池ではなく、一次電池であってもよい。さらに、蓄電素子１０は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子１０は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。本実施の形態では、扁平な直方体形状の蓄電素子１０を図示しているが、蓄電素子１０の形状、つまり容器１００の形状は、巻回軸方向に長尺な形状であれば、直方体形状には限定されない。容器１００の形状は、直方体以外の多角柱形状、長円柱形状、楕円柱形状または円柱形状等を基準とした形状であってもよい。
【0027】
図１及び図２に示すように、蓄電素子１０は、容器１００と、一対の端子３００と、一対の外部ガスケット４００とを備えている。容器１００の内方には、一対の内部ガスケット５００と、芯材６００と、電極体７００と、が収容されている。具体的には、容器１００におけるＸ軸プラス方向の一端部に、正極の各部材（一つの端子３００、一つの外部ガスケット４００、一つの内部ガスケット５００等。以下同様）が配置されていて、容器１００におけるＸ軸マイナス方向の他端部に、負極の各部材が配置されている。
【0028】
容器１００の内部には、電解液（非水電解質）が封入されているが、図示は省略する。当該電解液としては、蓄電素子１０の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択してもよい。上記の構成要素の他、電極体７００の側方、上方または下方等に配置されるスペーサ、電極体７００等を包み込む絶縁フィルム等が配置されていてもよい。
【0029】
容器１００は、Ｘ軸方向に長尺かつ扁平な略直方体形状の外形を有するケースである。本実施の形態では、容器１００のＸ軸方向の長さは、容器１００のＺ軸方向の長さの３倍以上となっている。容器１００のＸ軸方向の長さは、容器１００のＹ軸方向の長さの５倍以上となっている。容器１００のＹ軸方向で対向する両端面は、それぞれ長側面１３０である。各長側面１３０は、ＸＺ面に平行かつＸ軸方向に長尺な平面である。容器１００のＸ軸方向で対向する両端面は、それぞれ短側面１３５である。各短側面１３５は、ＹＺ面に平行かつＺ軸方向に長尺な矩形状の平面である。容器１００のＺ軸方向で対向する両端面のうち、Ｚ軸プラス方向の端面が上面１４０であり、Ｚ軸マイナス方向の端面が下面１５０である。上面１４０及び下面１５０は、ＸＹ面に平行かつＸ軸方向に長尺な矩形状の平面である。
【0030】
容器１００は、容器本体１６０と一対の容器蓋体１７０とを有しており、容器本体１６０と容器蓋体１７０とが組み付けられることで略直方体形状をなしている。容器本体１６０は、一対の長側面１３０と、上面１４０と、下面１５０とを有している。
【0031】
具体的には、容器本体１６０は、Ｘ軸方向の両端部が開放された角筒状の部材である。容器本体１６０は、第一壁部１６１と、一対の第二壁部１６２と、第三壁部１６３とを備えている。第一壁部１６１は、Ｘ軸方向に延びる矩形平板状の部位である。一対の第二壁部１６２は、第一壁部１６１におけるＸ軸方向に沿う縁辺から連続し、互いにＹ軸方向で対向した、Ｘ軸方向に延びる矩形平板状の部位である。第三壁部１６３は、一対の第二壁部１６２において第一壁部１６１とは反対側の縁辺から連続し、第一壁部１６１とＺ軸方向で対向する、Ｘ方向に延びる矩形平板状の部位である。第一壁部１６１の外面は下面１５０であり、各第二壁部１６２の外面は長側面１３０であり、第三壁部１６３の外面は上面１４０である。
【0032】
一対の容器蓋体１７０は、容器本体１６０のＸ軸方向の両端部を閉塞するように容器本体１６０に接合されている。各容器蓋体１７０は、Ｚ軸方向に延びる矩形平板状の板金である。各容器蓋体１７０の外面は短側面１３５である。
【0033】
このような構成により、容器１００は、電極体７００等が容器本体１６０内に収容された後、容器本体１６０と容器蓋体１７０とが溶接等によって接合されることで、密封される構造となっている。容器１００（容器本体１６０及び容器蓋体１７０）の材質は特に限定されないが、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0034】
ここで図示は省略するが、一対の容器蓋体１７０の少なくとも１つには注液部と、ガス排出弁とが形成されている。注液部は、蓄電素子１０の製造時に容器１００の内方に電解液を注液するための部位である。ガス排出弁は、容器１００内方の圧力が過度に上昇した場合に当該圧力を開放する安全弁である。
【0035】
端子３００は、芯材６００を介して、電極体７００に電気的に接続される端子（正極端子３１０及び負極端子３２０）である。つまり、端子３００は、電極体７００に蓄えられている電気を蓄電素子１０の外部空間に導出し、また、電極体７００に電気を蓄えるために蓄電素子１０の内部空間に電気を導入するための金属製の部材である。端子３００の材質は特に限定されないが、端子３００は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等の導電部材で形成されている。端子３００は、かしめ接合または溶接等によって、芯材６００に接続（接合）され、かつ、容器蓋体１７０に取り付けられる。
【0036】
本実施の形態では、端子３００は、端子本体部３３０と、端子本体部３３０から突出した軸部３４０とを有している。端子本体部３３０は、短側面１３５よりも外方に配置された部位である。各容器蓋体１７０には、軸部３４０が貫通する貫通孔１７１が形成されている。軸部３４０は、容器蓋体１７０、外部ガスケット４００、内部ガスケット５００及び芯材６００を貫通した状態でかしめられることで、芯材６００に接続（接合）されている。
【0037】
芯材６００は、電極体７００内に配置されるＸ軸方向に沿って延びる部材である。図３は、実施の形態に係る芯材６００を示す斜視図である。図３では、芯材６００の第一接合部６２２及び第二接合部６３２が曲げられる前の状態を示している。
【0038】
図３に示すように、芯材６００は、Ｘ軸方向に延びる板状の部材である。具体的には芯材６００は、絶縁体６１０と、第一導電部材６２０と、第二導電部材６３０とを備えており、これらが一体形成されている。
【0039】
絶縁体６１０は、Ｘ軸方向に延びる矩形平板状の部材である。絶縁体６１０はポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリフェニレンサルファイド樹脂（ＰＰＳ）、ポリフェニレンエーテル（ＰＰＥ（変性ＰＰＥを含む））、ポリエチレンテレフタラート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル（ＰＦＡ）、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、ポリエーテルサルフォン（ＰＥＳ）、ＡＢＳ樹脂、若しくは、それらの複合材料等の電気的な絶縁性を有する樹脂等によって形成されている。
【0040】
絶縁体６１０におけるＸ軸プラス方向の一端部には、第一導電部材６２０が取り付けられており、Ｘ軸マイナス方向の他端部には、第二導電部材６３０が取り付けられている。絶縁体６１０と、第一導電部材６２０及び第二導電部材６３０とは、接着、溶着、インサート成形、嵌合構造などの手法により一体化されている。このように、絶縁体６１０に対して第一導電部材６２０及び第二導電部材６３０が取り付けられているので、絶縁体６１０を補強できる。
【0041】
第一導電部材６２０及び第二導電部材６３０は、電極体７００と端子３００とに接続（接合）されて、電極体７００と端子３００とを電気的に接続する導電性を備えた集電部材である。
【0042】
第一導電部材６２０は、絶縁体６１０と同じ幅（Ｚ軸方向の長さ）の第一本体部６２１と、第一本体部６２１のＺ軸方向の中央部からＸ軸プラス方向に突出した第一接合部６２２とを備えている。第一本体部６２１には、電極体７００の正極接続部７２１（後述）が接合（溶接）される。第一接合部６２２は、正極端子３１０の軸部３４０が貫通する貫通孔６２３を有している。第一接合部６２２は、ＹＺ面に沿うように第一本体部６２１に対して曲げられた後に、軸部３４０が貫通孔６２３を貫通した後でかしめられる。第一導電部材６２０は、後述する電極体７００の正極集電箔７４１と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の導電部材で形成されている。
【0043】
第二導電部材６３０は、絶縁体６１０と同じ幅（Ｚ軸方向の長さ）の第二本体部６３１と、第二本体部６３１のＺ軸方向の中央部からＸ軸マイナス方向に突出した第二接合部６３２とを備えている。第二本体部６３１には、電極体７００の負極接続部７２２（後述）が接合（溶接）される。第二接合部６３２は、負極端子３２０の軸部３４０が貫通する貫通孔６３３を有している。第二接合部６３２は、ＹＺ面に沿うように第二本体部６３１に対して曲げられた後に、軸部３４０が貫通孔６２３を貫通した状態でかしめられる。第二導電部材６３０は、後述する電極体７００の負極集電箔７５１と同様、銅または銅合金等の導電部材で形成されている。
【0044】
外部ガスケット４００は、容器蓋体１７０と端子３００との間に配置され、容器蓋体１７０と端子３００との間を絶縁し、かつシールする矩形板状の絶縁性のシール部材である。内部ガスケット５００は、容器蓋体１７０と、第一接合部６２２または第二接合部６３２との間に配置され、容器蓋体１７０と第一接合部６２２または第二接合部６３２との間を絶縁し、かつシールする矩形板状の絶縁性のシール部材である。外部ガスケット４００及び内部ガスケット５００は、絶縁体６１０と同様な電気的な絶縁性を有する樹脂等によって形成されている。
【0045】
電極体７００は、極板が巻回されて形成された、蓄電要素（発電要素）である。電極体７００は、Ｘ軸方向に延びる長尺な形状であって、Ｘ軸方向から見て長円形状を有している。本実施の形態では、電極体７００は、Ｘ軸方向の長さが３００ｍｍ以上、具体的には、５００ｍｍ～１５００ｍｍ程度まで延びる形状を有している。このため、電極体７００は、Ｚ軸方向の長さよりもＸ軸方向の長さが長くなっている。電極体７００のＸ軸方向長さは、電極体７００のＺ軸方向の長さの３倍以上となっている。電極体７００は、本体部７１０と、本体部７１０から突出した複数の接続部７２０とを有する。上述の通り、接続部７２０が芯材６００の接合部（第一接合部６２２及び第二接合部６３２）に接続（接合）される。
【0046】
具体的には、複数の接続部７２０は、本体部７１０のＸ軸方向の両端面のそれぞれから突出している。本体部７１０のＸ軸プラス方向の一端面には、Ｚ軸プラス方向の端部から所定の間隔をあけて正極接続部７２１が設けられている。一方、本体部７１０のＸ軸マイナス方向の他端面には、Ｚ軸プラス方向の端部から所定の間隔をあけて負極接続部７２２が設けられている。このような電極体７００の構成について、以下に詳細に説明する。
【0047】
［電極体の構成の説明］
図４は、実施の形態に係る電極体７００の構成を示す斜視図である。具体的には、図４は、電極体７００における極板の巻回状態を一部展開した状態での構成を示している。図４に示すように、電極体７００は、正極板７４０と、負極板７５０と、セパレータ７６１、７６２と、を有している。
図４は、実施の形態に係る電極体７００の構成を示す斜視図である。具体的には、図４は、電極体７００における極板の巻回状態を一部展開した状態での構成を示している。図４に示すように、電極体７００は、正極板７４０と、負極板７５０と、セパレータ７６１、７６２と、を有している。
【0048】
正極板７４０は、尺帯状の金属箔である正極集電箔７４１の表面に、正極活物質層７４２が形成された極板（電極板）である。正極集電箔７４１には、アルミニウムまたはアルミニウム合金等が用いられる。負極板７５０は、尺帯状の金属箔である負極集電箔７５１の表面に、負極活物質層７５２が形成された極板（電極板）である。負極集電箔７５１には、銅または銅合金等からなるが用いられる。正極活物質層７４２に用いられる正極活物質、及び、負極活物質層７５２に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質及び負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。
【0049】
正極活物質として、ＬｉＭＰＯ４、ＬｉＭＳｉＯ４、ＬｉＭＢＯ３（ＭはＦｅ、Ｎｉ、Ｍｎ、Ｃｏ等から選択される１種または２種以上の遷移金属元素）等のポリアニオン化合物、チタン酸リチウム、ＬｉＭｎ２Ｏ４、ＬｉＭｎ１．５Ｎｉ０．５Ｏ４等のスピネル型リチウムマンガン酸化物、ＬｉＭＯ２（ＭはＦｅ、Ｎｉ、Ｍｎ、Ｃｏ等から選択される１種または２種以上の遷移金属元素）等のリチウム遷移金属酸化物等を用いてもよい。負極活物質としては、リチウム金属、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料（黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、非晶質カーボン等）、ケイ素酸化物などが挙げられる。
【0050】
セパレータ７６１、７６２は、樹脂からなる微多孔性のシートである。セパレータ７６１、７６２の素材としては、蓄電素子１０の性能を損なうものでなければ、適宜公知の材料を使用できる。セパレータ７６１、７６２として、有機溶剤に不溶な織布、不織布、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなる合成樹脂微多孔膜等を用いてもよい。
【0051】
電極体７００は、正極板７４０及び負極板７５０と、セパレータ７６１、７６２とが巻回されることで形成されている。つまり、電極体７００は、負極板７５０と、セパレータ７６１と、正極板７４０と、セパレータ７６２とがこの順に積層され、巻回されることで形成されている。本実施の形態では、正極板７４０及び負極板７５０等がＸ軸方向に延びる巻回軸Ｌを中心に巻回されることで巻回型の電極体７００が形成される。巻回軸Ｌとは、正極板７４０及び負極板７５０等を巻回する際の中心軸となる仮想的な軸である。本実施の形態の巻回軸Ｌは、電極体７００の中心を通る、Ｘ軸方向に平行な直線である。
【0052】
正極板７４０の巻回軸方向の一端縁（Ｘ軸プラス方向の端縁）には、複数の突出片７４３が間隔をあけて配置されている。同様に、負極板７５０の巻回軸方向の他端縁（Ｘ軸マイナス方向の端縁）には、複数の突出片７５３が間隔をあけて配置されている。突出片７４３及び突出片７５３は、活物質を含む活物質層が形成されておらず金属箔（集電箔）が露出した部分（活物質層非形成部）である。図４の斜線部分が活物質層非形成部に該当する。
【0053】
正極板７４０及び負極板７５０と、セパレータ７６１、７６２とが巻回されると、本体部７１０の一端面で、正極板７４０の各突出片７４３が重なり合う。正極板７４０の各突出片７４３同士が重なり合った部分が正極接続部７２１である。同様に、本体部７１０の他端面で、負極板７５０の各突出片７５３が重なり合う。負極板７５０の各突出片７５３同士が重なり合った部分が負極接続部７２２である。
【0054】
本体部７１０は、正極活物質層７４２が形成（塗工）された部分と、負極活物質層７５２が形成（塗工）された部分と、セパレータ７６１、７６２とが巻回されて形成された長円柱形状の部位（活物質層形成部）である。本体部７１０は、Ｚ軸方向両側に一対の湾曲部７１１を有し、この一対の湾曲部７１１間に、平坦状の平坦部７１２を有している。一対の湾曲部７１１は、Ｚ軸方向で平坦部７１２を挟む位置に配置されているとも言える。
【0055】
湾曲部７１１は、Ｘ軸方向から見てＺ軸方向の端部の円弧形状がＸ軸方向に延びる湾曲状の部位である。つまり、一対の湾曲部７１１は、Ｘ軸方向から見て、平坦部７１２からＺ軸方向両側に突出するように湾曲した部位である。
【0056】
平坦部７１２は、一対の湾曲部７１１の端部同士を繋ぐ、ＸＺ平面に平行に広がる矩形状かつ平坦状の部位である。平坦部７１２は、電極体７００の主要部であり、当該平坦部７１２では、巻回された複数の極板（正極板７４０及び負極板７５０）がＹ軸方向に積層されている。つまり、平坦部７１２では、Ｙ軸方向が複数の極板の積層方向である。本開示では電極体７００の主たる積層方向をＹ軸方向と定義する。
【0057】
湾曲部７１１の湾曲形状は、半円の円弧形状には限定されず、楕円形状の一部等でもよく、どのように湾曲していてもよい。平坦部７１２は、Ｙ軸方向に向く外面が平面であることには限定されず、当該外面が少し凹んでいたり、少し膨らんでいたりしていてもよい。
【0058】
電極体７００におけるＸ軸方向視における中心には、芯材６００が配置されている。図５は、実施の形態に係る電極体７００と芯材６００とをＸ軸プラス方向から見た平面図である。図５では、芯材６００の第一接合部６２２が絶縁体６１０に対して折り曲げられた状態を図示しているが、第二接合部６３２も同様に折り曲げられている。図４では、第一接合部６２２及び第二接合部６３２は折り曲げられていない。
【0059】
図５及び図４に示すように、芯材６００は、絶縁体６１０がＸＺ面に沿う姿勢で配置されている。電極体７００の正極接続部７２１は、第一導電部材６２０の第一本体部６２１に重なった状態で接合（溶接）されている。これにより、正極接続部７２１は、第一導電部材６２０を介して正極端子３１０と電気的に接続される。
【0060】
図４に示すように、電極体７００の負極接続部７２２は、第二導電部材６３０の第二本体部６３１に重なった状態で接合（溶接）されている。これにより、負極接続部７２２は、第二導電部材６３０を介して負極端子３２０と電気的に接続される。
【0061】
［蓄電素子の製造方法］
次に、蓄電素子１０の製造方法について説明する。まず電極体７００内に芯材６００を配置する際には、第一配置方法または第二配置方法を採用できる。第一配置方法は、正極板７４０、負極板７５０及びセパレータ７６１、７６２を芯材６００に巻き付けて巻回する方法である。第一配置方法では、第一接合部６２２及び第二接合部６３２が絶縁体６１０に対して折り曲げられた芯材６００を用いてもよいし、折り曲げられていない芯材６００を用いてもよい。第二配置方法は、正極板７４０、負極板７５０及びセパレータ７６１、７６２を巻回することにより電極体７００を形成してから、芯材６００を電極体７００に挿入する方法である。第二配置方法では、第一接合部６２２及び第二接合部６３２が絶縁体６１０に対して折り曲げられていない芯材６００を用いる。この場合、電極体７００内に芯材６００が配置された後に、第一接合部６２２及び第二接合部６３２を絶縁体６１０に対して折り曲げる。
次に、蓄電素子１０の製造方法について説明する。まず電極体７００内に芯材６００を配置する際には、第一配置方法または第二配置方法を採用できる。第一配置方法は、正極板７４０、負極板７５０及びセパレータ７６１、７６２を芯材６００に巻き付けて巻回する方法である。第一配置方法では、第一接合部６２２及び第二接合部６３２が絶縁体６１０に対して折り曲げられた芯材６００を用いてもよいし、折り曲げられていない芯材６００を用いてもよい。第二配置方法は、正極板７４０、負極板７５０及びセパレータ７６１、７６２を巻回することにより電極体７００を形成してから、芯材６００を電極体７００に挿入する方法である。第二配置方法では、第一接合部６２２及び第二接合部６３２が絶縁体６１０に対して折り曲げられていない芯材６００を用いる。この場合、電極体７００内に芯材６００が配置された後に、第一接合部６２２及び第二接合部６３２を絶縁体６１０に対して折り曲げる。
【0062】
ついで、一体化された電極体７００と芯材６００とを、容器本体１６０の開口部から容器本体１６０内に挿入する。このとき、容器本体１６０と芯材６００との干渉を抑制するためには、第一接合部６２２及び第二接合部６３２が絶縁体６１０に対して折り曲げられていないことが好ましい。
【0063】
ここで、容器本体１６０のＸ軸方向の両端部が開放されていると、当該容器本体１６０に電極体７００を挿入するのが煩雑となりうる。具体的には、電極体７００の形状を維持する治具を電極体７００とともに容器本体１６０内に挿入し、挿入後には治具のみを抜き出すなどのように、挿入以外の工程が必要となる場合がある。治具の抜き出し時には電極体７００に巻ずれが生じるおそれもありその対策も必要である。
【0064】
本実施の形態では、電極体７００の巻回軸方向（Ｘ軸方向）に沿うように電極体７００内に芯材６００が配置されているので、組立時に予め電極体７００に沿わせて芯材６００を配置することができる。この状態で、容器本体１６０に電極体７００及び芯材６００を挿入すれば、芯材６００が梁の役目をなすので、スムーズに電極体７００を容器本体１６０内に挿入することができる。上述したように第一導電部材６２０及び第二導電部材６３０によって絶縁体６１０が補強されているので、挿入時においても電極体７００を安定して支持することができる。
【0065】
電極体７００及び芯材６００が容器本体１６０に挿入され、正規の位置に配置されると、第一接合部６２２には、正極端子３１０、Ｘ軸プラス方向の容器蓋体１７０、外部ガスケット４００及び内部ガスケット５００が取り付けられる。同様に、第二接合部６３２には、負極端子３２０、Ｘ軸マイナス方向の容器蓋体１７０、外部ガスケット４００及び内部ガスケット５００が取り付けられる。その後、容器本体１６０のＸ軸方向の両端部には、各容器蓋体１７０が接合（溶接）されることで、蓄電素子１０が製造される。
【0066】
［効果の説明］
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子１０は、絶縁体６１０においてＸ軸方向（巻回軸方向）の一端部に第一導電部材６２０が取り付けられているので、絶縁体６１０を補強できる。このような絶縁体６１０が電極体７００の巻回軸方向に沿って配置されているので、電極体７００の変形を抑制できる。これにより容器本体１６０への電極体７００の収容を容易にできる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子１０は、絶縁体６１０においてＸ軸方向（巻回軸方向）の一端部に第一導電部材６２０が取り付けられているので、絶縁体６１０を補強できる。このような絶縁体６１０が電極体７００の巻回軸方向に沿って配置されているので、電極体７００の変形を抑制できる。これにより容器本体１６０への電極体７００の収容を容易にできる。
【0067】
絶縁体６１０においてＸ軸方向の他端部に第二導電部材６３０が取り付けられているので、絶縁体６１０をさらに補強できる。このような絶縁体６１０が電極体７００の巻回軸方向に沿って配置されているので、電極体７００の変形をより抑制できる。これにより、容器本体１６０への電極体７００の収容をより容易にできる。
【0068】
第一導電部材６２０が電極体７００の一端部（正極接続部７２１）に接合されていて、第二導電部材６３０が電極体７００の他端部（負極接続部７２２）に接合されているので、芯材６００（絶縁体６１０、第一導電部材６２０及び第二導電部材６３０の一体物）と電極体７００との位置ずれを抑制できる。
【0069】
第一導電部材６２０が電極体７００の一端部に接合されていて、第二導電部材６３０が電極体７００の他端部に接合されているので、第一導電部材６２０及び第二導電部材６３０を集電体として機能させることができる。つまり、集電体専用の部材が不要となるため、部品点数の削減及びエネルギー密度の向上を図ることができる。
【0070】
第一導電部材６２０の第一接合部６２２がＸ軸方向に突出して正極端子３１０に接合され、第二導電部材６３０の第二接合部６３２がＸ軸方向に突出して負極端子３２０に接合された構造である。このため、第一接合部６２２及び第二接合部６３２に各端子３００を容易に接合することができる。これにより、蓄電素子１０の製造性を高めることが可能である。
【0071】
電極体７００の巻回軸方向に沿うように絶縁体６１０が設けられているので、巻回軸方向に交差する方向に電極体７００が撓むのを抑制できる。この状態で、容器本体１６０に電極体７００及び芯材６００を挿入すれば、スムーズに電極体７００を容器本体１６０内に挿入することができる。特に、上述したように第一導電部材６２０及び第二導電部材６３０の少なくとも一方によって絶縁体６１０が補強されているので、挿入時においても電極体７００を安定して支持することができる。したがって、容器本体１６０に対する電極体７００の挿入性を高めることができる。
【0072】
さらに、挿入時においては、芯材６００の第一導電部材６２０または第二導電部材６３０を引っ張って、一体化された電極体７００と芯材６００とを容器本体１６０に挿入できる。このように引っ張られる対象が第一導電部材６２０または第二導電部材６３０であるので、電極体７００に巻きずれが生じるのを抑制できる。
【0073】
［変形例の説明］
以下に、上記実施の形態の各変形例について説明する。以降の説明において上記実施の形態または他の変形例と同一の部分においては同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
以下に、上記実施の形態の各変形例について説明する。以降の説明において上記実施の形態または他の変形例と同一の部分においては同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0074】
（変形例１）
上記実施の形態の変形例１について説明する。上記実施の形態では、芯材６００が電極体７００内で巻回軸方向に沿って配置される場合を例示した。この変形例１では、芯材６００が電極体７００と隣り合う位置で巻回軸方向に沿って配置される場合について説明する。
上記実施の形態の変形例１について説明する。上記実施の形態では、芯材６００が電極体７００内で巻回軸方向に沿って配置される場合を例示した。この変形例１では、芯材６００が電極体７００と隣り合う位置で巻回軸方向に沿って配置される場合について説明する。
【0075】
図６は、変形例１に係る電極体７００と芯材６００とをＸ軸プラス方向から見た平面図である。図６は図５に対応する図である。図６に示すように、芯材６００は、電極体７００に対し、Ｙ軸プラス方向で隣り合う位置に配置されている。芯材６００の絶縁体６１０は電極体７００の平坦部７１２上に重なった状態になっている。
【0076】
このように電極体７００と隣り合う位置に芯材６００（絶縁体６１０）が配置されているので、巻回された電極体７００内に芯材６００を配置しなくてもよい。つまり、電極体７００の巻回時に芯材６００を巻き込んだり、巻回後の電極体７００内に芯材６００を挿入しなくてもよいので、芯材６００を容易に電極体７００の巻回軸に沿わせて配置できる。
【0077】
（変形例２）
上記実施の形態の変形例２について説明する。上記実施の形態では、Ｘ軸方向の両端部が開放された筒状の容器本体１６０と、容器本体１６０の各開放部を閉塞する一対の容器蓋体１７０とを有する容器１００を例示した。しかしながら、容器本体は、Ｘ軸方向の両端部が開放されているのであれば如何なる形状でもよい。容器蓋体は、容器本体の開放部を閉塞するのであれば如何なる形状でもよい。
上記実施の形態の変形例２について説明する。上記実施の形態では、Ｘ軸方向の両端部が開放された筒状の容器本体１６０と、容器本体１６０の各開放部を閉塞する一対の容器蓋体１７０とを有する容器１００を例示した。しかしながら、容器本体は、Ｘ軸方向の両端部が開放されているのであれば如何なる形状でもよい。容器蓋体は、容器本体の開放部を閉塞するのであれば如何なる形状でもよい。
【0078】
図７は、変形例２に係る容器本体１６０ａ及び容器蓋体１７０ａを示す分解斜視図である。図７に示すように、容器本体１６０ａは、Ｘ軸方向の両端部と、Ｚ軸プラス方向の端部とが開放されたＸ軸方向視Ｕ字状の部材である。容器本体１６０ａは、第一壁部１６１ａと、一対の第二壁部１６２ａとを備えている。容器蓋体１７０ａは、容器本体１６０ａの開放部分を閉塞するように容器本体１６０ａに接合されるＹ軸方向視逆Ｕ字状の部材である。容器蓋体１７０ａは、第三壁部１６３ａと、一対の第四壁部１６４ａとを有している。一対の第四壁部１６４ａは、第三壁部１６３ａの両端部から連続し、Ｚ軸方向に延びる矩形平板状の部位である。
【0079】
上記した容器本体１６０ａでは、Ｘ軸方向の両側及びＺ軸プラス方向から電極体７００を挿入できる。いずれの方向から電極体７００を挿入する場合においても、絶縁体６１０が電極体７００の巻回軸方向に沿って配置されているので、電極体７００の変形を抑制でき、電極体７００の位置ずれを抑制できる。
【0080】
（その他）
以上、本発明の実施の形態（その変形例も含む。以下同様）に係る蓄電素子について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であり、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
以上、本発明の実施の形態（その変形例も含む。以下同様）に係る蓄電素子について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であり、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0081】
例えば、上記実施の形態では、第一導電部材６２０及び第二導電部材６３０が取り付けられた絶縁体６１０を例示した。しかしながら、絶縁体には第一導電部材及び第二導電部材の一方のみが取り付けられていればよい。この場合においても絶縁体を補強できる。
【0082】
上記実施の形態では、第一本体部６２１から突出した第一接合部６２２を有する第一導電部材６２０を例示した。しかしながら、第一導電部材は第一接合部を備えていなくてもよい。この場合、正極端子の形状を調整することで、正極端子と第一本体部とを接合してもよい。これは第二導電部材においても同様である。
【0083】
上記実施の形態では、第一導電部材６２０と正極端子３１０とが直接的に接続される場合を例示した。しかしながら、第一導電部材と正極端子とが導電部材を介して間接的に接続されてもよい。
【0084】
上記実施の形態では、絶縁体６１０を構成する樹脂よりもヤング率が大きい導電部材で第一導電部材６２０が形成されている場合を例示した。しかしながら、第一導電部材の形状を調整することで、構造的に絶縁体を補強してもよい。形状調整の例としては、肉厚を厚くすること、補強用の凸部を設けることなどが挙げられる。これは第二導電部材においても同様である。
【0085】
上記実施の形態では、容器１００内に電極体７００及び芯材６００が一組のみ収容されている場合を例示したが、電極体及び芯材が複数組、容器内に収容されていてもよい。
【0086】
上記実施の形態等の蓄電素子は、蓄電装置に用いられてもよい。この場合、蓄電装置が備える少なくとも１つの蓄電素子に対して、本発明の技術が適用されればよい。図８は、実施の形態に係る蓄電素子１０を備えた蓄電装置８００を示す説明図である。図８に示すように、複数の蓄電素子１０は、蓄電装置８００の内部に配置される。蓄電装置８００は、各蓄電素子１０を電気的に接続するバスバー（図示省略）を備えてもよい。蓄電装置８００は、一以上の蓄電素子１０の状態を監視する状態監視装置（図示省略）を備えてもよい。
【0087】
上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子に適用できる。
【符号の説明】
【0089】
１０ 蓄電素子
１００ 容器
１６０、１６０ａ 容器本体
１６１、１６１ａ 第一壁部
１６２、１６２ａ 第二壁部
１６３、１６３ａ 第三壁部
１６４ａ 第四壁部
１７０、１７０ａ 容器蓋体
３００ 端子
６００ 芯材
６１０ 絶縁体
６２０ 第一導電部材
６２１ 第一本体部
６２２ 第一接合部
６３０ 第二導電部材
６３１ 第二本体部
６３２ 第二接合部
７００ 電極体
７１０ 本体部
７２０ 接続部
８００ 蓄電装置
１００ 容器
１６０、１６０ａ 容器本体
１６１、１６１ａ 第一壁部
１６２、１６２ａ 第二壁部
１６３、１６３ａ 第三壁部
１６４ａ 第四壁部
１７０、１７０ａ 容器蓋体
３００ 端子
６００ 芯材
６１０ 絶縁体
６２０ 第一導電部材
６２１ 第一本体部
６２２ 第一接合部
６３０ 第二導電部材
６３１ 第二本体部
６３２ 第二接合部
７００ 電極体
７１０ 本体部
７２０ 接続部
８００ 蓄電装置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】